(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-12
(45)【発行日】2024-07-23
(54)【発明の名称】電池モジュールおよびこれを含む電池パック
(51)【国際特許分類】
H01M 10/6556 20140101AFI20240716BHJP
H01M 10/613 20140101ALI20240716BHJP
H01M 10/625 20140101ALI20240716BHJP
H01M 10/647 20140101ALI20240716BHJP
【FI】
H01M10/6556
H01M10/613
H01M10/625
H01M10/647
(21)【出願番号】P 2023503027
(86)(22)【出願日】2022-05-25
(86)【国際出願番号】 KR2022007399
(87)【国際公開番号】W WO2022270778
(87)【国際公開日】2022-12-29
【審査請求日】2023-01-16
(31)【優先権主張番号】10-2021-0080926
(32)【優先日】2021-06-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】テ・グン・キム
(72)【発明者】
【氏名】ヒョク・アン
(72)【発明者】
【氏名】サンウク・イム
(72)【発明者】
【氏名】ジョンファ・チェ
(72)【発明者】
【氏名】ヒョンスク・イ
(72)【発明者】
【氏名】ヨン・イル・ユン
【審査官】田中 慎太郎
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/018151(WO,A1)
【文献】特開2019-129149(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/6556
H01M 10/613
H01M 10/625
H01M 10/647
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電池セルが積層されている電池セルアセンブリと、
前記電池セルアセンブリの上下面および両側面を収容し、前後面が開放されているモジュールフレームと、
前記モジュールフレーム上に位置し、複数の冷却流路を含むヒートシンクと、
前記ヒートシンク上に位置するベンティングカバーとを含み、
前記電池セルアセンブリは、第1電池セルアセンブリおよび第2電池セルアセンブリを含み、
前記第1電池セルアセンブリおよび前記第2電池セルアセンブリは、互いに対面する方向に離隔して配置されている電池モジュール
において、
前記ベンティングカバー側に突出した前記冷却流路の間の空間と前記ベンディングカバーとで囲まれた空間がベンティング流路を形成しており、
前記ヒートシンクに、前記電池セルアセンブリから前記ベンディング流路へガスや火炎を誘導するためのベンティングホールを備えている、電池モジュール。
【請求項2】
前記ベンティングカバーは、前記ヒートシンクの中心部に向かって突出しており、前記ベンティング流路上に位置する遮断部を含む、請求項
1に記載の電池モジュール。
【請求項3】
前記複数の冷却流路は、前記ヒートシンクの長手方向に沿って延びており、互いに離隔している、請求項
1または
2に記載の電池モジュール。
【請求項4】
前記モジュールフレームの上部は、前記電池セルアセンブリの上面と対面する冷却ホールが形成されている、請求項
1または
2に記載の電池モジュール。
【請求項5】
前記冷却ホールは、第1冷却ホールおよび第2冷却ホールを含み、前記第1冷却ホールは、前記第1電池セルアセンブリの上面と対面し、前記第2冷却ホールは、前記第2電池セルアセンブリの上面と対面する、請求項
4に記載の電池モジュール。
【請求項6】
前記冷却ホールの内部に位置する熱伝達部材をさらに含み、
前記熱伝達部材は、前記ヒートシンクと前記電池セルアセンブリとの間に位置する、請求項
4に記載の電池モジュール。
【請求項7】
前記熱伝達部材は、前記ヒートシンクと前記第1電池セルアセンブリの上面、および前記ヒートシンクと前記第2電池セルアセンブリの上面との間にそれぞれ位置する、請求項
6に記載の電池モジュール。
【請求項8】
前記モジュールフレームの上部は、前記第1冷却ホールと前記第2冷却ホールとの間に形成されている少なくとも1つの第1ベンティングホールを含む、請求項
5に記載の電池モジュール。
【請求項9】
前記少なくとも1つの第1ベンティングホールのうちの一部は、前記第1電池セルアセンブリの一面と隣接して位置し、他の一部は、前記第2電池セルアセンブリの一面と隣接して位置する、請求項
8に記載の電池モジュール。
【請求項10】
前記
ベンティングホールは、前記少なくとも1つの第1ベンティングホールと対面する位置に
形成された少なくとも1つの第2ベンティングホール
である、請求項
8に記載の電池モジュール。
【請求項11】
前記少なくとも1つの第2ベンティングホールは、前記第1電池セルアセンブリと前記第2電池セルアセンブリとの間に位置し、前記ベンティング流路上に位置する、請求項
10に記載の電池モジュール。
【請求項12】
前記モジュールフレームは、第1U字状フレームおよび第2U字状フレームを含み、
前記第1U字状フレームは、前記第1電池セルアセンブリおよび前記第2電池セルアセンブリの上面および両側面を収容し、前後面が開放されており、
前記第2U字状フレームは、前記第1電池セルアセンブリおよび前記第2電池セルアセンブリの底面および両側面を収容し、前後面が開放されている、請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項13】
前記第1U字状フレームの側面は、外側方向に延びている第1延長部を含み、
前記第2U字状フレームの側面は、外側方向に延びている第2延長部を含み、
前記第1延長部と前記第2延長部は、互いに接する、請求項
12に記載の電池モジュール。
【請求項14】
前記第1延長部および前記第2延長部は、固定部材によって互いに結合される、請求項
13に記載の電池モジュール。
【請求項15】
請求項1に記載の電池モジュールを含む電池パック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願との相互参照]
本出願は、2021年6月22日付の韓国特許出願第10-2021-0080926号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されたすべての内容は本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は、電池モジュールおよびこれを含む電池パックに関し、より具体的には、空間効率性を高めながらも、冷却性能およびベンティング性能が向上した電池モジュールおよびこれを含む電池パックに関する。
【背景技術】
【0003】
モバイル機器に対する技術開発と需要の増加に伴い、エネルギー源として二次電池の需要が急激に増加している。特に、二次電池は、携帯電話、デジタルカメラ、ノートパソコン、ウェアラブルデバイスなどのモバイル機器だけでなく、電気自転車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車などの動力装置に対するエネルギー源としても多くの関心を集めている。
【0004】
小型モバイル機器にはデバイス1台あたり1個または2、3、4個の電池セルが用いられるのに対し、自動車などのように中大型デバイスには高出力大容量が必要である。したがって、多数の電池セルを電気的に連結した中大型電池モジュールが用いられる。
【0005】
中大型電池モジュールは、できるだけ小さい大きさと重量で製造されることが好ましいので、高い集積度で積層可能であり、容量に比べて重量の小さい角型電池、パウチ型電池などが中大型電池モジュールの電池セルとして主に用いられている。一方、電池モジュールは、電池セル積層体を外部衝撃、熱または振動から保護するために、前面と後面が開放されて電池セル積層体を内部空間に収納するモジュールフレームを含むことができる。
【0006】
電池セルの温度はバッテリの出力を制限する要因の一つであるという点を考慮する時、電池セル内で発生する局部的な温度上昇はバッテリの出力を早期に制限する可能性が高くて、これを改善する必要性がある。これとともに、最近、電池モジュールの大型化に伴い、モジュール内に積層される電池セルの個数が増加して、電池セル間の冷却偏差がさらに深刻化している。
【0007】
また、一部の電池モジュールが過電圧、過電流または過発熱する場合には、電池モジュールの安全性と作動効率が問題になりうる。特に、走行距離向上のために電池モジュールの容量は次第に増加する傾向にあり、それによって強化される安全性基準を満足し、車両および運転者の安全性確保のための構造の設計が必要である。このために、電池モジュール内の一部の電池セルで発生したガスおよび火炎を効果的に排出して、その被害を最小化できる構造の必要性が台頭している。
【0008】
これによって、電池セル積層体内で発生する熱に対する冷却性能を向上させながらも、一部の電池セルでの発火現象の発生時、発生したガスおよび/または火炎を効果的に排出させることができる電池モジュールおよびこれを含む電池パックを開発する必要性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の解決しようとする課題は、空間効率性を高めながらも、冷却性能およびベンティング性能が向上した電池モジュールおよびこれを含む電池パックを提供することである。
【0010】
本発明が解決しようとする課題が上述した課題に制限されるわけではなく、言及されていない課題は本明細書および添付した図面から本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一実施例による電池モジュールは、複数の電池セルが積層されている電池セルアセンブリと、前記電池セルアセンブリの上下面および両側面を収容し、前後面が開放されているモジュールフレームと、前記モジュールフレーム上に位置し、複数の冷却流路を含むヒートシンクと、前記ヒートシンク上に位置するベンティングカバーとを含み、前記電池セルアセンブリは、第1電池セルアセンブリおよび第2電池セルアセンブリを含み、前記第1電池セルアセンブリおよび前記第2電池セルアセンブリは、互いに対面する方向に離隔して配置されている。
【0012】
前記複数の冷却流路は、前記ヒートシンクの底面を基準として前記ベンティングカバーに向かって突出しており、前記複数の冷却流路のうち互いに隣接した2つの冷却流路の間の空間がベンティング流路を形成することができる。
【0013】
前記ベンティングカバーは、前記ヒートシンクの中心部に向かって突出しており、前記ベンティング流路上に位置する遮断部を含むことができる。
【0014】
前記複数の冷却流路は、前記ヒートシンクの長手方向に沿って延びており、互いに離隔していてもよい。
【0015】
前記モジュールフレームの上部は、前記電池セルアセンブリの上面と対面する冷却ホールが形成されていてもよい。
【0016】
前記冷却ホールは、第1冷却ホールおよび第2冷却ホールを含み、前記第1冷却ホールは、前記第1電池セルアセンブリの上面と対面し、前記第2冷却ホールは、前記第2電池セルアセンブリの上面と対面することができる。
【0017】
前記冷却ホールの内部に位置する熱伝達部材をさらに含み、前記熱伝達部材は、前記ヒートシンクと前記電池セルアセンブリとの間に位置することができる。
【0018】
前記熱伝達部材は、前記ヒートシンクと前記第1電池セルアセンブリの上面、および前記ヒートシンクと前記第2電池セルアセンブリの上面との間にそれぞれ位置することができる。
【0019】
前記モジュールフレームの上部は、前記第1冷却ホールと前記第2冷却ホールとの間に形成されている少なくとも1つの第1ベンティングホールを含むことができる。
【0020】
前記少なくとも1つの第1ベンティングホールのうちの一部は、前記第1電池セルアセンブリの一面と隣接して位置し、他の一部は、前記第2電池セルアセンブリの一面と隣接して位置することができる。
【0021】
前記ヒートシンクは、前記少なくとも1つの第1ベンティングホールと対面する位置に少なくとも1つの第2ベンティングホールが形成されていてもよい。
【0022】
前記少なくとも1つの第2ベンティングホールは、前記第1電池セルアセンブリと前記第2電池セルアセンブリとの間に位置し、前記ベンティング流路上に位置することができる。
【0023】
前記モジュールフレームは、第1U字状フレームおよび第2U字状フレームを含み、前記第1U字状フレームは、前記第1電池セルアセンブリおよび前記第2電池セルアセンブリの上面および両側面を収容し、前後面が開放されており、前記第2U字状フレームは、前記第1電池セルアセンブリおよび前記第2電池セルアセンブリの底面および両側面を収容し、前後面が開放されていてもよい。
【0024】
前記第1U字状フレームの側面は、外側方向に延びている第1延長部を含み、前記第2U字状フレームの側面は、外側方向に延びている第2延長部を含み、前記第1延長部と前記第2延長部は、互いに接することができる。
【0025】
前記第1延長部および前記第2延長部は、固定部材によって互いに結合される。
【0026】
本発明の他の実施例による電池パックは、上記で説明した電池モジュールを含む。
【発明の効果】
【0027】
実施例によれば、本発明の電池モジュールおよびこれを含む電池パックは、モジュールフレームの上部に位置するヒートシンクおよびベンティングカバーによって形成される冷却流路およびベンティング流路によって、空間効率性を高めながらも、冷却性能およびベンティング性能が向上できる。
【0028】
本発明の効果が上述した効果に制限されるわけではなく、言及されていない効果は本明細書および添付した図面から本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に明確に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本発明の一実施例による電池モジュールの分解斜視図である。
【
図2】
図1の構成要素を結合した電池モジュールの斜視図である。
【
図3】
図2の切断線A-Aに沿った断面を概略的に示す図である。
【
図5】
図1の冷却流路およびベンティング流路を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、添付した図面を参照して、本発明の様々な実施例について、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。本発明は種々の異なる形態で実現可能であり、ここで説明する実施例に限定されない。
【0031】
本発明を明確に説明するために説明上不必要な部分は省略し、明細書全体にわたって同一または類似の構成要素については同一の参照符号を付す。
【0032】
また、図面に示された各構成の大きさおよび厚さは説明の便宜のために任意に示したので、本発明が必ずしも図示のところに限定されない。図面において様々な層および領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。そして、図面において、説明の便宜のために、一部の層および領域の厚さを誇張して示した。
【0033】
また、明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とする時、これは特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに包含できることを意味する。
【0034】
さらに、明細書全体において、「平面上」とする時、これは対象部分を上から見た時を意味し、「断面上」とする時、これは対象部分を垂直に切断した断面を横から見た時を意味する。
【0035】
以下、本発明の実施例による電池モジュールについて説明する。ただし、ここで電池モジュールの前後面のうち前面を基準として説明されるが、必ずしもこれに限定されるものではなく、後面の場合にも同一または類似の内容で説明される。
【0036】
図1は、本発明の一実施例による電池モジュールの分解斜視図である。
図2は、
図1の構成要素を結合した電池モジュールの斜視図である。
図3は、
図2の切断線A-Aに沿った断面を概略的に示す図である。
【0037】
図1~
図3を参照すれば、本発明の一実施例による電池モジュール1000は、複数の電池セルが積層されている電池セルアセンブリ100と、電池セルアセンブリ100の上下面および両側面を収容し、前後面が開放されているモジュールフレーム200と、モジュールフレーム200上に位置し、複数の冷却流路419を含むヒートシンク400と、ヒートシンク400上に位置するベンティングカバー500とを含む。
【0038】
ここで、電池セルアセンブリ100は、第1電池セルアセンブリおよび第2電池セルアセンブリを含む。より具体的には、前記第1電池セルアセンブリおよび前記第2電池セルアセンブリは、互いに対面する方向に離隔して配置されている。ここで、互いに対面する方向は、前記第1電池セルアセンブリの前面または後面と、前記第2電池セルアセンブリの前面または後面とが対面する方向であってもよい。より好ましくは、互いに対面する方向は、前記第1電池セルアセンブリの前面と前記第2電池セルアセンブリの前面とが対面する方向であるか、前記第1電池セルアセンブリの後面と前記第2電池セルアセンブリの後面とが対面する方向であってもよい。ただし、前記第1電池セルアセンブリおよび前記第2電池セルアセンブリは、位置に応じた差のみあるだけで、互いに同一の電池セルアセンブリであってもよい。
【0039】
また、電池セルアセンブリ100は、複数の電池セルが積層されて形成される。ここで、前記電池セルは、パウチ型電池セルであることが好ましい。一例として、前記電池セルは、電極組立体を樹脂層と中層とを含むラミネートシートのパウチケースに収納した後、前記パウチケースのシーリング部を熱融着して製造される。また、前記電池セルは、長方形のシート状構造に形成される。さらに、前記電池セルは、複数個で構成され、複数の電池セルは、相互電気的に連結できるように積層されて電池セルアセンブリ100を形成する。
【0040】
ここで、モジュールフレーム200は、第1U字状フレーム210および第2U字状フレーム250を含むことができる。つまり、電池セルアセンブリ100は、第1U字状フレーム210および第2U字状フレーム250に収容されていてもよい。より具体的には、第1U字状フレーム210は、前記第1電池セルアセンブリおよび前記第2電池セルアセンブリの上面および両側面を収容し、前後面が開放されていてもよい。また、第2U字状フレーム250は、前記第1電池セルアセンブリおよび前記第2電池セルアセンブリの底面および両側面を収容し、前後面が開放されていてもよい。
【0041】
また、
図1および
図3を参照すれば、第1U字状フレーム210の側面は、外側方向に延びている第1延長部219を含み、第2U字状フレーム250の側面は、外側方向に延びている第2延長部259を含むことができる。ここで、外側方向は、モジュールフレーム200の側面を基準として電池セルアセンブリ100に向かう方向の反対方向であってもよい。
【0042】
ここで、第1延長部219と第2延長部259は、互いに接することができる。一例として、第1延長部219および第2延長部259は、固定部材によって互いに結合される。ここで、前記固定部材は、ボルト、ナットなどのような部材であってもよい。他の例として、第1延長部219および第2延長部259は、溶接のような方式によって互いに締結されていてもよい。ただし、これに限定されるものではなく、モジュールフレーム200の内部を外部環境から密閉させることができる固定方式であれば、本実施例に含まれる。
【0043】
他の例として、モジュールフレーム200は、第1U字状フレーム210を代替して上部プレートを含むことができる。これによって、第2U字状フレーム250は、電池セルアセンブリ100の下面および両側面を収容し、前後面が開放されていてもよく、前記上部プレートは、電池セルアセンブリ100の上面を収容することができる。ただし、これに限定されたものではなく、第1U字状フレーム210および第2U字状フレーム250は、L字状フレームまたはモノフレームのような他の形状のフレームに代替されてもよい。
【0044】
また、図示しないが、モジュールフレーム200は、前記第1電池セルアセンブリと前記第2電池セルアセンブリとの間に別の隔壁が形成されていてもよい。これによって、モジュールフレーム200は、前記第1電池セルアセンブリと前記第2電池セルアセンブリは、外部衝撃から互いに保護することができながらも、一部の電池セルアセンブリでの発火現象の発生時、他の電池セルアセンブリへの熱伝達を防止することができる。
【0045】
さらに、
図1および
図3を参照すれば、モジュールフレーム200の上部は、電池セルアセンブリ100の上面と対面する冷却ホール211が形成されていてもよい。より具体的には、冷却ホール211は、第1冷却ホールおよび第2冷却ホールを含むことができる。ここで、前記第1冷却ホールは、前記第1電池セルアセンブリの上面と対面し、前記第2冷却ホールは、前記第2電池セルアセンブリの上面と対面することができる。
【0046】
より具体的には、冷却ホール211は、モジュールフレーム200の上面を基準として電池セルアセンブリ100に向かって開放されているホールを意味することができる。言い換えれば、モジュールフレーム200の上面において、冷却ホール211は、電池セルアセンブリ100の上面の一部が露出するようにモジュールフレーム200の一部が除去されている領域であってもよい。
【0047】
これによって、モジュールフレーム200の上部は、冷却ホール211によって電池セルアセンブリ100の上面の一部が開放されていて、モジュールフレーム200の上部に位置したヒートシンク400と電池セルアセンブリ100の上面とが互いに隣接して位置することができる。つまり、本実施例は、ヒートシンク400と電池セルアセンブリ100との間にモジュールフレーム200が形成されていない部分が形成可能で、ヒートシンク400と電池セルアセンブリ100との間の熱伝達が効率的でありながらも、冷却性能がより向上できる。
【0048】
また、モジュールフレーム200において、冷却ホール211の内部に位置する熱伝達部材300をさらに含むことができ、熱伝達部材300は、ヒートシンク400と電池セルアセンブリ100との間に位置することができる。ここで、熱伝達部材300は、冷却ホール211の長さおよび幅に沿って延びていてもよい。
【0049】
より具体的には、熱伝達部材300は、前記第1冷却ホールの内部に位置し、ヒートシンク400と前記第1電池セルアセンブリの上面との間に位置することができる。また、熱伝達部材300は、前記第2冷却ホールの内部に位置し、ヒートシンク400と前記第2電池セルアセンブリの上面との間に位置することができる。
【0050】
一例として、熱伝達部材300は、熱伝導性樹脂が塗布されて形成された熱伝導性樹脂層であってもよい。つまり、熱伝達部材300は、冷却ホール211の内部に予め塗布されている前記熱伝導性樹脂が硬化することによって形成される。他の例として、熱伝達部材300は、熱伝導性物質からなるシートあるいはパッドであってもよい。ただし、これに限定されるものではなく、電池セルアセンブリ100で発生した熱がヒートシンク400に容易に伝達できる熱伝導性を有する素材および形態であれば、本実施例に含まれる。
【0051】
これによって、本実施例において、電池セルアセンブリ100で発生する熱は、電池セルアセンブリ100の上面と直接接する熱伝達部材300に伝達されながら、熱伝達部材300と接したヒートシンク400によって冷却されて、電池セルアセンブリ100の冷却性能が向上できる。また、電池セルアセンブリ100に含まれている複数の電池セル間の冷却偏差も減少でき、電池モジュール1000の寿命もさらに改善できる。
【0052】
また、
図1および
図3を参照すれば、モジュールフレーム200の上部は、前記第1冷却ホールと前記第2冷却ホールとの間に形成されている少なくとも1つの第1ベンティングホール215を含むことができる。ここで、少なくとも1つの第1ベンティングホール215のうちの一部は、前記第1電池セルアセンブリの一面と隣接して位置し、他の一部は、前記第2電池セルアセンブリの一面と隣接して位置することができる。
【0053】
より具体的には、第1ベンティングホール215は、モジュールフレーム200の上面を基準としてモジュールフレーム200の内部に向かって開放されているホールを意味することができる。言い換えれば、モジュールフレーム200の上面において、第1ベンティングホール215は、モジュールフレーム200の内部の一部が露出するようにモジュールフレーム200の一部が除去されている領域であってもよい。特に、第1ベンティングホール215は、前記第1電池セルアセンブリの一面と前記第2電池セルアセンブリの一面との間に位置する領域に向かって開放されているホールであってもよい。
【0054】
これによって、電池セルアセンブリ100での発火現象の発生時、発生したガスおよび/または火炎が少なくとも1つの第1ベンティングホール215を通して外部に排出され、第1ベンティングホール215に排出されたガスおよび火炎は、ヒートシンク400およびベンティングカバー500の間に形成されたベンティング流路519を通して外部に排出される。
【0055】
また、図示しないが、上述のように、モジュールフレーム200に前記第1電池セルアセンブリと前記第2電池セルアセンブリとの間に別の隔壁が形成されている場合、少なくとも1つの第1ベンティングホール215は、前記隔壁を挟んだ両側にそれぞれ形成されていてもよい。これによって、モジュールフレーム200は、一部の電池セルアセンブリでの発火現象の発生時、他の電池セルアセンブリへの熱伝達を防止しながらも、発生した火炎およびガスを外部に容易に排出することができる。
【0056】
【0057】
図1、
図3、および
図4を参照すれば、ヒートシンク400は、モジュールフレーム200の上部に位置し、モジュールフレーム200の上部に沿って延びていてもよい。言い換えれば、ヒートシンク400は、熱伝達部材300を挟んで前記第1電池セルアセンブリおよび前記第2電池セルアセンブリと同時に接することができる。
【0058】
また、ヒートシンク400は、冷媒(Coolant)が流動する複数の冷却流路419を含むことができる。より具体的には、複数の冷却流路419は、ヒートシンク400の長手方向に沿って延びており、互いに離隔していてもよい。ここで、冷却流路419は、ヒートシンク400の底面410を基準としてベンティングカバー500に向かう方向に突出していてもよい。
【0059】
ここで、冷却流路419は、ヒートシンク400の一側に形成されているアウトレットと、反対側に形成されているインレットとを含むことができる。前記アウトレットは、冷却流路419に含まれている冷媒が外部に排出されるようにし、前記インレットは、冷却流路419内に冷媒を供給することができる。
【0060】
これによって、本実施例において、ヒートシンク400は、前記第1電池セルアセンブリおよび前記第2電池セルアセンブリを同時に冷却可能で、冷却性能および空間効率性が向上できる。
【0061】
他の例として、冷却流路419は、
図1とは異なり、第1冷却流路および第2冷却流路を含むことができ、前記第1冷却流路は、第1電池セルアセンブリ上に位置し、前記第2冷却流路は、第2電池セルアセンブリ上に位置することができる。この時、前記第1冷却流路のインレットおよびアウトレットは、ヒートシンク400の一側に形成されており、前記第2冷却流路のインレットおよびアウトレットは、ヒートシンク400の反対側に形成されていてもよい。
【0062】
これによって、ヒートシンク400において、冷却流路419が前記第1電池セルアセンブリと前記第2電池セルアセンブリに対して互いに区分されて、一部の電池セルアセンブリでの発火現象の発生時、他の電池セルアセンブリへの熱伝達を防止することができる。
【0063】
また、
図1を参照すれば、ヒートシンク400は、少なくとも1つの第1ベンティングホール215と対面する位置に少なくとも1つの第2ベンティングホール415が形成されていてもよい。ここで、少なくとも1つの第1ベンティングホール215および少なくとも1つの第2ベンティングホール415は、前記第1電池セルアセンブリと前記第2電池セルアセンブリとの間に位置することができる。
【0064】
より具体的には、第2ベンティングホール415は、ヒートシンク400の底面410を基準として第1ベンティングホール215に向かって開放されているホールを意味することができる。言い換えれば、ヒートシンク400の底面410において、第2ベンティングホール415は、第1ベンティングホール215と対面するようにヒートシンク400の一部が除去されている領域であってもよい。
【0065】
これによって、電池セルアセンブリ100での発火現象の発生時、発生したガスおよび/または火炎が少なくとも1つの第1ベンティングホール215を通して排出され、第1ベンティングホール215に流入したガスおよび/または火炎が第2ベンティングホール415を通して外部に排出される。
【0066】
また、
図1~
図4を参照すれば、ベンティングカバー500は、ヒートシンク400上に位置し、ヒートシンク400の上部に沿って延びていてもよい。言い換えれば、ベンティングカバー500は、ヒートシンク400の上部をカバーすることができる。さらに、ヒートシンク400の長手方向を基準として、ベンティングカバー500は、ヒートシンク400の側面に沿って延びていてもよい。
【0067】
また、
図3および
図4を参照すれば、ベンティングカバー500とヒートシンク400との間には、複数の冷却流路419のうち互いに隣接した2つの冷却流路419の間の空間にベンティング流路519が形成される。この時、冷却流路419の上部は、ベンティングカバー500の上面と互いに接することができる。つまり、ベンティングカバー500とヒートシンク400との間に離隔している空間のうち、冷却流路419が形成されない空間は、ベンティング流路519であってもよい。特に、第2ベンティングホール415は、前記第1電池セルアセンブリと前記第2電池セルアセンブリとの間に位置し、ベンティング流路519上に位置することができる。
【0068】
これによって、別の追加構成要素なしに冷却流路419の間に形成された空間を介してベンティング流路519が形成されて、電池モジュール1000の空間効率性がより向上でき、製造費用も節減できる。また、第2ベンティングホール415に排出されたガスおよび火炎は、ヒートシンク400およびベンティングカバー500の間に形成されたベンティング流路519を通して誘導された方向に排出可能で、電池モジュール1000のベンティング性能も向上できる。
【0069】
また、
図1および
図2を参照すれば、ベンティングカバー500は、ヒートシンク400の中心部に向かって突出しており、ベンティング流路519上に位置する遮断部530を含むことができる。より具体的には、遮断部530は、ベンティングカバー500とヒートシンク400との間に沿って延びていてもよい。特に、遮断部530は、前記第1電池セルアセンブリに隣接して位置した第2ベンティングホール415と、前記第2電池セルアセンブリに隣接して位置した他の第2ベンティングホール415との間に位置することができる。
【0070】
これによって、ベンティングカバー500において、ベンティング流路519が遮断部530によって前記第1電池セルアセンブリおよび前記第2電池セルアセンブリに対して互いに区分されて、一部の電池セルアセンブリでの発火現象の発生時、他の電池セルアセンブリへの熱伝達を防止することができる。
【0071】
図5は、
図1の冷却流路およびベンティング流路を示す図である。
【0072】
図1、
図4および
図5を参照すれば、本実施例による電池モジュール1000は、ヒートシンク400とベンティングカバー500との間に形成されたベンティング流路519を通してガスが第1方向D1に沿って移動することができる。先に詳述したように、ガスは、第1ベンティングホール215および第2ベンティングホール415を通してベンティング流路519の内部に流入することができ、ベンティング流路519内の流入したガスは、圧力の差によってヒートシンク400の一側および/または他側に向かって第1方向D1に沿って移動して排出できる。
【0073】
これとともに、ヒートシンク400に形成された冷却流路419の内部に流動する冷媒が第2方向D2に沿って移動することができ、冷却流路419の内部に流動する冷媒によって電池セルアセンブリ100で発生した熱が冷却できる。ここで、第2方向D2は、冷却流路419の前記インレットおよびアウトレットの配置によって異なる。
【0074】
これによって、本実施例による電池モジュール1000は、ヒートシンク400およびベンティングカバー500を介して、冷却流路419およびベンティング流路519を同時に形成可能で、電池モジュール1000の空間効率性を高めながらも、冷却性能およびベンティング性能をすべて向上させることができるという利点がある。
【0075】
一方、本実施例による電池モジュールは、1つまたはそれ以上がパックケース内にパッケージングされて電池パックを形成することができる。
【0076】
先に説明した電池モジュールおよびこれを含む電池パックは、多様なデバイスに適用可能である。このようなデバイスには、電気自転車、電気自動車、ハイブリッド自動車などの運送手段に適用できるが、本発明はこれに制限されず、電池モジュールおよびこれを含む電池パックを使用できる多様なデバイスに適用可能であり、これも本発明の権利範囲に属する。
【0077】
以上、本発明の好ましい実施例について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されるものではなく、以下の特許請求の範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者の様々な変形および改良形態も本発明の権利範囲に属する。
【符号の説明】
【0078】
100:電池セルアセンブリ
200:モジュールフレーム
210:第1U字状フレーム
211:冷却ホール
215:第1ベンティングホール
250:第2U字状フレーム
300:熱伝達部材
400:ヒートシンク
415:第2ベンティングホール
419:冷却流路
500:ベンティングカバー
519:ベンティング流路