(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-12
(45)【発行日】2024-07-23
(54)【発明の名称】半導体記憶装置
(51)【国際特許分類】
H10B 43/27 20230101AFI20240716BHJP
H10B 43/35 20230101ALI20240716BHJP
H10B 43/50 20230101ALI20240716BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20240716BHJP
H01L 29/788 20060101ALI20240716BHJP
H01L 29/792 20060101ALI20240716BHJP
【FI】
H10B43/27
H10B43/35
H10B43/50
H01L29/78 371
(21)【出願番号】P 2019189464
(22)【出願日】2019-10-16
【審査請求日】2022-09-20
(73)【特許権者】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】前嶋 洋
(72)【発明者】
【氏名】磯部 克明
(72)【発明者】
【氏名】岡田 信彬
(72)【発明者】
【氏名】中村 寛
(72)【発明者】
【氏名】鶴戸 孝博
【審査官】宮本 博司
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-034109(JP,A)
【文献】特開2016-162475(JP,A)
【文献】特開2019-057532(JP,A)
【文献】特開2011-187794(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第109712989(CN,A)
【文献】国際公開第2017/122302(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H10B 43/27
H10B 43/35
H10B 43/50
H01L 21/336
H01L 29/788
H01L 29/792
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板の上方に設けられた第1メモリセルと、
第1方向に延伸して設けられ、前記第1メモリセルに接続された第1ビット線と、
前記第1方向と交差する第2方向に延伸して設けられ、前記第1メモリセルに接続された第1ワード線と、
前記基板の上に設けられ、前記第1ビット線に接続された第1トランジスタと、
前記第1メモリセルの下方、且つ前記基板の上に設けられ、前記第1ワード線に接続された第2トランジスタと、
前記第1ワード線に接続された第2メモリセルと、
前記第1方向に延伸して設けられ、前記第2メモリセルに接続された第2ビット線と、
前記基板の上に設けられ、前記第1トランジスタよりも前記第2トランジスタから前記第2方向に離れて配置され、前記第2ビット線に接続された第3トランジスタと、
前記第1トランジスタと前記第1ビット線との間に接続され、前記第2方向に延伸した部分を有する第1配線と、
前記第3トランジスタと前記第2ビット線との間に接続され、前記第2方向に延伸した部分を有する第2配線と、を備え、
前記第1配線の前記第2方向に延伸した部分の長さは、前記第2配線の前記第2方向に延伸した部分の長さよりも長い、
半導体記憶装置。
【請求項2】
基板と、
前記基板の上方に設けられた第1メモリセルと、
第1方向に延伸して設けられ、前記第1メモリセルに接続された第1ビット線と、
前記第1方向と交差する第2方向に延伸して設けられ、前記第1メモリセルに接続された第1ワード線と、
前記基板の上に設けられ、前記第1ビット線に接続された第1トランジスタと、
前記第1メモリセルの下方、且つ前記基板の上に設けられ、前記第1ワード線に接続された第2トランジスタと、
前記第1ビット線に接続された第3メモリセルと、
前記第2方向に延伸して設けられ、前記第3メモリセルに接続された第2ワード線と、
前記基板の上に設けられ、前記第2トランジスタよりも前記第1トランジスタから前記第2方向に離れて配置され、前記第2ワード線に接続された第4トランジスタと、
前記第2トランジスタと前記第1ワード線との間に接続され、前記第2方向に延伸した部分を有する第3配線と、
前記第4トランジスタと前記第2ワード線との間に接続され、前記第2方向に延伸した部分を有する第4配線と、を備え、
前記第3配線の前記第2方向に延伸した部分の長さは、前記第4配線の前記第2方向に延伸した部分の長さよりも長い、
半導体記憶装置。
【請求項3】
基板と、
第1メモリセルと、
第1方向に延伸して設けられ、前記第1メモリセルに接続され、前記基板に垂直な第3方向において前記第1メモリセルと前記基板の間に少なくとも一部が位置するように配置された第1ビット線と、
前記第1方向と交差する第2方向に延伸して設けられ、前記第1メモリセルに接続された第1ワード線と、
前記基板の上に設けられ、前記第1ビット線に接続された第1トランジスタと、
前記基板の上、且つ前記第3方向において前記第1メモリセルと前記基板との間に少なくとも一部が位置するように設けられ、前記第1ワード線に接続された第2トランジスタと、
前記第1ビット線に接続された第3メモリセルと、
前記第2方向に延伸して設けられ、前記第3メモリセルに接続された第2ワード線と、
前記基板の上に設けられ、前記第2トランジスタよりも前記第1トランジスタから前記第2方向に離れて配置され、前記第2ワード線に接続された第4トランジスタと、
前記第2トランジスタと前記第1ワード線との間に接続され、前記第2方向に延伸した部分を有する第3配線と、
前記第4トランジスタと前記第2ワード線との間に接続され、前記第2方向に延伸した部分を有する第4配線と、を備え、
前記第3配線の前記第2方向に延伸した部分の長さは、前記第4配線の前記第2方向に延伸した部分の長さよりも長い、
半導体記憶装置。
【請求項4】
メモリチップと、
前記メモリチップに貼り合わされた回路チップを備えた半導体記憶装置であって、
前記メモリチップは、
第1メモリセルと、
第1方向に延伸して設けられ、前記第1メモリセルに接続された第1ビット線と、
前記第1方向と交差する第2方向に延伸して設けられ、前記第1メモリセルに接続された第1ワード線と、
前記回路チップと前記メモリチップとの貼合面に設けられ、前記第1ビット線に接続された第1接合金属と、
前記貼合面に設けられ、前記第1ワード線に接続された第2接合金属と、
を含み、
前記回路チップは、
基板と、
前記メモリチップの前記第1接合金属と直接接合された第3接合金属と、
前記メモリチップの前記第2接合金属と直接接合された第4接合金属と、
前記基板の上に設けられ、前記第3接合金属と前記第1接合金属とを介して前記第1ビット線に接続された第1トランジスタと、
前記基板の上、且つ前記基板に垂直な第3方向において前記第1メモリセルと前記基板との間に少なくとも一部が位置するように設けられ 、前記第4接合金属と前記第2接合金属とを介して前記第1ワード線に接続された第2トランジスタと、
を含み、
前記第1ビット線に接続された第3メモリセルと、
前記第2方向に延伸して設けられ、前記第3メモリセルに接続された第2ワード線と、
前記基板の上に設けられ、前記第2トランジスタよりも前記第1トランジスタから前記第2方向に離れて配置され、前記第2ワード線に接続された第4トランジスタと、
前記第2トランジスタと前記第1ワード線との間に接続され、前記第2方向に延伸した部分を有する第3配線と、
前記第4トランジスタと前記第2ワード線との間に接続され、前記第2方向に延伸した部分を有する第4配線と、をさらに備え、
前記第3配線の前記第2方向に延伸した部分の長さは、前記第4配線の前記第2方向に延伸した部分の長さよりも長い、
半導体記憶装置。
【請求項5】
基板と、
第1メモリセルと、
第1方向に延伸して設けられ、前記第1メモリセルに接続され、前記基板に垂直な第3方向において前記第1メモリセルと前記基板の間に少なくとも一部が位置するように配置された第1ビット線と、
前記第1方向と交差する第2方向に延伸して設けられ、前記第1メモリセルに接続された第1ワード線と、
前記基板の上に設けられ、前記第1ビット線に接続された第1トランジスタと、
前記基板の上、且つ前記第3方向において前記第1メモリセルと前記基板との間に少なくとも一部が位置するように設けられ、前記第1ワード線に接続された第2トランジスタと、
前記第1ワード線に接続された第2メモリセルと、
前記第1方向に延伸して設けられ、前記第2メモリセルに接続された第2ビット線と、
前記基板の上に設けられ、前記第1トランジスタよりも前記第2トランジスタから前記第2方向に離れて配置され、前記第2ビット線に接続された第3トランジスタと、
前記第1トランジスタと前記第1ビット線との間に接続され、前記第2方向に延伸した部分を有する第1配線と、
前記第3トランジスタと前記第2ビット線との間に接続され、前記第2方向に延伸した部分を有する第2配線と、を備え、
前記第1配線の前記第2方向に延伸した部分の長さは、前記第2配線の前記第2方向に延伸した部分の長さよりも長い、
半導体記憶装置。
【請求項6】
メモリチップと、
前記メモリチップに貼り合わされた回路チップを備えた半導体記憶装置であって、
前記メモリチップは、
第1メモリセルと、
第1方向に延伸して設けられ、前記第1メモリセルに接続された第1ビット線と、
前記第1方向と交差する第2方向に延伸して設けられ、前記第1メモリセルに接続された第1ワード線と、
前記回路チップと前記メモリチップとの貼合面に設けられ、前記第1ビット線に接続された第1接合金属と、
前記貼合面に設けられ、前記第1ワード線に接続された第2接合金属と、
を含み、
前記回路チップは、
基板と、
前記メモリチップの前記第1接合金属と直接接合された第3接合金属と、
前記メモリチップの前記第2接合金属と直接接合された第4接合金属と、
前記基板の上に設けられ、前記第3接合金属と前記第1接合金属とを介して前記第1ビット線に接続された第1トランジスタと、
前記基板の上、且つ前記基板に垂直な第3方向において前記第1メモリセルと前記基板との間に少なくとも一部が位置するように設けられ、前記第4接合金属と前記第2接合金属とを介して前記第1ワード線に接続された第2トランジスタと、
を含み、
前記第1ワード線に接続された第2メモリセルと、
前記第1方向に延伸して設けられ、前記第2メモリセルに接続された第2ビット線と、
前記基板の上に設けられ、前記第1トランジスタよりも前記第2トランジスタから前記第2方向に離れて配置され、前記第2ビット線に接続された第3トランジスタと、
前記第1トランジスタと前記第1ビット線との間に接続され、前記第2方向に延伸した部分を有する第1配線と、
前記第3トランジスタと前記第2ビット線との間に接続され、前記第2方向に延伸した部分を有する第2配線と、をさらに備え、
前記第1配線の前記第2方向に延伸した部分の長さは、前記第2配線の前記第2方向に延伸した部分の長さよりも長い、
半導体記憶装置。
【請求項7】
前記第1トランジスタを含むセンスアンプをさらに備え、
前記第1トランジスタは、N型の高耐圧トランジスタである、
請求項1乃至
6のいずれかに記載の半導体記憶装置。
【請求項8】
前記第2トランジスタを含むロウデコーダをさらに備え、
前記第2トランジスタは、N型の高耐圧トランジスタである、
請求項1乃至
6のいずれかに記載の半導体記憶装置。
【請求項9】
前記第1方向及び前記第2方向と交差する第3方向に互いに離れて設けられ、各々がワード線として使用される複数の導電体層と、
前記複数の導電体層を貫通して設けられ、前記第1メモリセルとして機能する部分を含むピラーと、をさらに備える、
請求項1又は2に記載の半導体記憶装置。
【請求項10】
前記第1メモリセルと前記第2メモリセルとを含む領域の外側の領域において、前記第1ワード線に接触した第1コンタクトをさらに備え、前記第1ワード線と前記第2トランジスタとの間は、前記第1コンタクトを介して接続される、
請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項11】
前記第1メモリセルと前記第2メモリセルとの間の領域において、前記第1ワード線に接触した第1コンタクトをさらに備え、前記第1ワード線と前記第2トランジスタとの間は、前記第1コンタクトを介して接続される、
請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項12】
前記基板と前記第1ビット線との間の前記第1方向及び前記第2方向と交差する第3方向における間隔は、前記基板と前記第1ワード線との間の前記第3方向における間隔よりも狭く、
前記第1コンタクトは、前記基板側から前記第1ワード線に接触している、
請求項10又は11に記載の半導体記憶装置。
【請求項13】
前記基板と前記第1ビット線との間の前記第1方向及び前記第2方向と交差する第3方向における間隔は、前記基板と前記第1ワード線との間の前記第3方向における間隔よりも広く、
前記第1コンタクトは、前記基板から前記第1ワード線よりも遠い領域を介して前記第1ワード線に接触している、
請求項10又は11に記載の半導体記憶装置。
【請求項14】
前記第3方向に互いに離れて設けられ、各々がワード線として使用される複数の導電体層と、
前記複数の導電体層を貫通して設けられ、前記第1メモリセルとして機能する部分を含むピラーと、をさらに備える、
請求項3
乃至6のいずれかに記載の半導体記憶装置。
【請求項15】
前記第1メモリセルと前記第2メモリセルとを含む領域の外側の領域において、前記第1ワード線に接触した第1コンタクトをさらに備え、前記第1ワード線と前記第2トランジスタとの間は、前記第1コンタクトを介して接続される、
請求項5
又は6に記載の半導体記憶装置。
【請求項16】
前記第1メモリセルと前記第2メモリセルとの間の領域において、前記第1ワード線に接触した第1コンタクトをさらに備え、前記第1ワード線と前記第2トランジスタとの間は、前記第1コンタクトを介して接続される、
請求項5
又は6に記載の半導体記憶装置。
【請求項17】
前記基板と前記第1ビット線との間の前記第3方向における間隔は、前記基板と前記第1ワード線との間の前記第3方向における間隔よりも狭く、
前記第1コンタクトは、前記基板側から前記第1ワード線に接触している、
請求項15又は16に記載の半導体記憶装置。
【請求項18】
前記基板と前記第1ビット線との間の前記第3方向における間隔は、前記基板と前記第1ワード線との間の前記第3方向における間隔よりも広く、
前記第1コンタクトは、前記基板から前記第1ワード線よりも遠い領域を介して前記第1ワード線に接触している、
請求項15又は16に記載の半導体記憶装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施形態は、半導体記憶装置に関する。
【背景技術】
【0002】
データを不揮発に記憶することが可能なNAND型フラッシュメモリが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第5300709号公報
【文献】米国特許出願公開第2014/0085979号明細書
【文献】米国特許第8493800号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
半導体記憶装置のチップ面積を縮小すること。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の半導体記憶装置は、基板と、第1メモリセルと、第2メモリセルと、第1ビット線と、第2ビット線と、第1ワード線と、第1トランジスタと、第2トランジスタと、第3トランジスタと、第1配線と、第2配線と、を含む。第1メモリセルは、基板の上方に設けられる。第2メモリセルは、第1ワード線に接続される。第1ビット線は、第1方向に延伸して設けられ、第1メモリセルに接続される。第2ビット線は、第1方向に延伸して設けられ、第2メモリセルに接続される。第1ワード線は、第1方向と交差する第2方向に延伸して設けられ、第1メモリセルに接続される。第1トランジスタは、基板の上に設けられ、第1ビット線に接続される。第2トランジスタは、第1メモリセルの下方、且つ基板の上に設けられ、第1ワード線に接続される。第3トランジスタは、基板の上に設けられ、第1トランジスタよりも第2トランジスタから第2方向に離れて配置され、第2ビット線に接続される。第1配線は、第1トランジスタと第1ビット線との間に接続され、第2方向に延伸した部分を有する。第2配線は、第3トランジスタと第2ビット線との間に接続され、第2方向に延伸した部分を有する。第1配線の第2方向に延伸した部分の長さは、第2配線の第2方向に延伸した部分の長さよりも長い。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】第1実施形態に係る半導体記憶装置のブロック図。
【
図2】第1実施形態に係る半導体記憶装置が備えるメモリセルアレイの回路図。
【
図3】第1実施形態に係る半導体記憶装置の備えるセンスアンプモジュールの回路構成の一例を示す回路図。
【
図4】第1実施形態に係る半導体記憶装置におけるセンスアンプユニットの回路構成の一例を示す回路図。
【
図5】第1実施形態に係る半導体記憶装置におけるロウデコーダモジュールの回路構成の一例を示す回路図。
【
図6】第1実施形態に係る半導体記憶装置の構造の一例を示す斜視図。
【
図7】第1実施形態に係る半導体記憶装置におけるメモリチップの平面レイアウトの一例を示す平面図。
【
図8】第1実施形態に係る半導体記憶装置のメモリ領域における断面構造の一例を示す断面図。
【
図9】第1実施形態に係る半導体記憶装置におけるメモリピラーの断面構造の一例を示す、
図8のIX-IX線に沿った断面図。
【
図10】第1実施形態に係る半導体記憶装置の引出領域における断面構造の一例を示す断面図。
【
図11】第1実施形態に係る半導体記憶装置におけるCMOSチップの平面レイアウトの一例を示す平面図。
【
図12】第1実施形態に係る半導体記憶装置の断面構造の一例を示す断面図。
【
図13】第1実施形態に係る半導体記憶装置における引出領域及び転送領域の平面レイアウトの一例を示す平面図。
【
図14】第1実施形態に係る半導体記憶装置において引出領域及び転送領域の詳細な平面レイアウトの一例を示す平面図。
【
図15】第1実施形態に係る半導体記憶装置におけるメモリ領域及びセンスアンプ領域の平面レイアウトの一例を示す平面図。
【
図16】第1実施形態に係る半導体記憶装置においてメモリ領域及びセンスアンプ領域の詳細な平面レイアウトの一例を示す平面図。
【
図17】第1実施形態の比較例に係る半導体記憶装置の構造の一例を示す模式図。
【
図18】第1実施形態に係る半導体記憶装置の構造の一例を示す模式図。
【
図19】第2実施形態に係る半導体記憶装置におけるメモリチップの平面レイアウトの一例を示す平面図。
【
図20】第2実施形態に係る半導体記憶装置の断面構造の一例を示す断面図。
【
図21】第2実施形態に係る半導体記憶装置の構造の一例を示す模式図。
【
図22】第3実施形態に係る半導体記憶装置の構造の一例を示す斜視図。
【
図23】第3実施形態に係る半導体記憶装置の断面構造の一例を示す断面図。
【
図24】第3実施形態に係る半導体記憶装置の構造の一例を示す模式図。
【
図25】第3実施形態の変形例に係る半導体記憶装置におけるメモリチップの平面レイアウトの一例を示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に、実施形態について図面を参照して説明する。各実施形態は、発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示している。図面は模式的又は概念的なものであり、各図面の寸法及び比率等は必ずしも現実のものと同一とは限らない。本発明の技術的思想は、構成要素の形状、構造、配置等によって特定されるものではない。
【0008】
尚、以下の説明において、略同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一の符号を付す。参照符号を構成する文字の後の数字は、同じ文字を含んだ参照符号によって参照され、且つ同様の構成を有する要素同士を区別するために使用される。同じ文字を含んだ参照符号で示される要素を相互に区別する必要がない場合、これらの要素はそれぞれ文字のみを含んだ参照符号により参照される。
【0009】
[1]第1実施形態
第1実施形態に係る半導体記憶装置1は、例えばNAND型フラッシュメモリである。以下に、第1実施形態に係る半導体記憶装置1について説明する。
【0010】
[1-1]半導体記憶装置1の全体構成
図1は、第1実施形態に係る半導体記憶装置1の構成例を示している。
図1に示すように、半導体記憶装置1は、外部のメモリコントローラ2によって制御可能である。また、半導体記憶装置1は、例えばメモリセルアレイ10、コマンドレジスタ11、アドレスレジスタ12、シーケンサ13、センスアンプモジュール14、ドライバモジュール15、及びロウデコーダモジュール16を備えている。
【0011】
メモリセルアレイ10は、複数のブロックBLK0~BLKn(nは1以上の整数)を含んでいる。ブロックBLKは、データを不揮発に記憶することが可能な複数のメモリセルの集合であり、例えばデータの消去単位として使用される。また、メモリセルアレイ10には、複数のビット線及び複数のワード線が設けられる。各メモリセルは、例えば1つのビット線と1つのワード線とに関連付けられている。
【0012】
コマンドレジスタ11は、半導体記憶装置1がメモリコントローラ2から受信したコマンドCMDを保持する。コマンドCMDは、例えばシーケンサ13に読み出し動作、書き込み動作、消去動作等を実行させる命令を含んでいる。
【0013】
アドレスレジスタ12は、半導体記憶装置1がメモリコントローラ2から受信したアドレス情報ADDを保持する。アドレス情報ADDは、例えばブロックアドレスBAd、ページアドレスPAd、及びカラムアドレスCAdを含んでいる。例えば、ブロックアドレスBAd、ページアドレスPAd、及びカラムアドレスCAdは、それぞれブロックBLK、ワード線、及びビット線の選択に使用される。
【0014】
シーケンサ13は、半導体記憶装置1の全体の動作を制御する。例えば、シーケンサ13は、コマンドレジスタ11に保持されたコマンドCMDに基づいてセンスアンプモジュール14、ドライバモジュール15、ロウデコーダモジュール16等を制御して、読み出し動作、書き込み動作、消去動作等を実行する。
【0015】
センスアンプモジュール14は、書き込み動作において、メモリコントローラ2から受信した書き込みデータDATに応じて、各ビット線に所望の電圧を印加する。また、センスアンプモジュール14は、読み出し動作において、ビット線の電圧に基づいてメモリセルに記憶されたデータを判定し、判定結果を読み出しデータDATとしてメモリコントローラ2に転送する。
【0016】
ドライバモジュール15は、読み出し動作、書き込み動作、消去動作等で使用される電圧を生成する。そして、ドライバモジュール15は、例えばアドレスレジスタ12に保持されたページアドレスPAdに基づいて、選択されたワード線に対応する信号線に生成した電圧を印加する。
【0017】
ロウデコーダモジュール16は、アドレスレジスタ12に保持されたブロックアドレスBAdに基づいて、対応するメモリセルアレイ10内の1つのブロックBLKを選択する。そして、ロウデコーダモジュール16は、例えば選択されたワード線に対応する信号線に印加された電圧を、選択されたブロックBLK内の選択されたワード線に転送する。
【0018】
以上で説明した半導体記憶装置1及びメモリコントローラ2は、それらの組み合わせにより1つの半導体装置を構成しても良い。このような半導体装置としては、例えばSDTMカードのようなメモリカードや、SSD(solid state drive)等が挙げられる。
【0019】
[1-2]半導体記憶装置1の回路構成
[1-2-1]メモリセルアレイ10の回路構成について
図2は、第1実施形態に係る半導体記憶装置1が備えるメモリセルアレイ10の回路構成の一例であり、メモリセルアレイ10に含まれた複数のブロックBLKのうち1つのブロックBLKを抽出して示している。
図2に示すように、ブロックBLKは、例えば4つのストリングユニットSU0~SU3を含んでいる。
【0020】
各ストリングユニットSUは、ビット線BL0~BLm(mは1以上の整数)にそれぞれ関連付けられた複数のNANDストリングNSを含んでいる。各NANDストリングNSは、例えばメモリセルトランジスタMT0~MT7並びに選択トランジスタST1及びST2を含んでいる。メモリセルトランジスタMTは、制御ゲート及び電荷蓄積層を含み、データを不揮発に保持する。選択トランジスタST1及びST2のそれぞれは、各種動作時におけるストリングユニットSUの選択に使用される。
【0021】
各NANDストリングNSにおいて、メモリセルトランジスタMT0~MT7は、直列に接続される。選択トランジスタST1のドレインは、関連付けられたビット線BLに接続される。選択トランジスタST1のソースは、直列に接続されたメモリセルトランジスタMT0~MT7の一端に接続される。選択トランジスタST2のドレインは、直列に接続されたメモリセルトランジスタMT0~MT7の他端に接続される。選択トランジスタST2のソースは、ソース線SLに接続される。
【0022】
同一のブロックBLKにおいて、メモリセルトランジスタMT0~MT7の制御ゲートは、それぞれワード線WL0~WL7に共通に接続される。ストリングユニットSU0~SU3内のそれぞれの選択トランジスタST1のゲートは、それぞれ選択ゲート線SGD0~SGD3に共通に接続される。同一のブロックBLKに含まれた選択トランジスタST2のゲートは、選択ゲート線SGSに共通に接続される。
【0023】
ビット線BL0~BLmには、それぞれ異なるカラムアドレスが割り当てられる。各ビット線BLは、複数のブロックBLK間で同一のカラムアドレスが割り当てられたNANDストリングNSによって共有される。ワード線WL0~WL7のそれぞれは、ブロックBLK毎に設けられる。ソース線SLは、複数のブロックBLK間で共有される。
【0024】
1つのストリングユニットSU内で共通のワード線WLに接続された複数のメモリセルトランジスタMTの集合は、例えばセルユニットCUと呼ばれる。例えば、それぞれが1ビットデータを記憶するメモリセルトランジスタMTを含むセルユニットCUの記憶容量が、「1ページデータ」として定義される。セルユニットCUは、メモリセルトランジスタMTが記憶するデータのビット数に応じて、2ページデータ以上の記憶容量を有し得る。
【0025】
尚、第1実施形態に係る半導体記憶装置1が備えるメモリセルアレイ10の回路構成は、以上で説明した構成に限定されない。例えば、各ブロックBLKが含むストリングユニットSUの個数や、各NANDストリングNSが含むメモリセルトランジスタMT並びに選択トランジスタST1及びST2の個数は、それぞれ任意の個数に設計され得る。
【0026】
[1-2-2]センスアンプモジュール14の回路構成について
図3は、第1実施形態に係る半導体記憶装置1の備えるセンスアンプモジュール14の回路構成の一例を示している。
図3に示すように、センスアンプモジュール14は、複数のセンスアンプユニットSAU0~SAUmを含んでいる。センスアンプユニットSAU0~SAUmは、それぞれビット線BL0~BLmに関連付けられている。各センスアンプユニットSAUは、例えばビット線接続部BLHU、センスアンプ部SA、バスLBUS、並びにラッチ回路SDL、ADL、BDL及びXDLを含んでいる。
【0027】
各センスアンプユニットSAUにおいて、ビット線接続部BLHUは、関連付けられたビット線BLと、センスアンプ部SAとの間に接続される。センスアンプ部SAは、例えば読み出し動作において、関連付けられたビット線BLの電圧に基づいて、読み出しデータが“0”であるか“1”であるかを判定する。言い換えると、センスアンプ部SAは、関連付けられたビット線BLに読み出されたデータをセンスして、選択されたメモリセルの記憶するデータを判定する。ラッチ回路SDL、ADL、BDL及びXDLのそれぞれは、読み出しデータや書き込みデータ等を一時的に保持する。
【0028】
センスアンプ部SA、並びにラッチ回路SDL、ADL、BDL及びXDLは、それぞれがバスLBUSに接続され、バスLBUSを介して互いにデータを送受信することが出来る。ラッチ回路XDLは、半導体記憶装置1の入出力回路(図示せず)に接続され、センスアンプユニットSAUと入出力回路との間のデータの入出力に使用される。また、ラッチ回路XDLは、例えば半導体記憶装置1のキャッシュメモリとしても使用され得る。例えば、半導体記憶装置1は、ラッチ回路SDL、ADL及びBDLが使用中であったとしても、ラッチ回路XDLが空いている場合にレディ状態になることが出来る。
【0029】
図4は、第1実施形態に係る半導体記憶装置1におけるセンスアンプユニットSAUの回路構成の一例を示している。
図4に示すように、例えば、センスアンプ部SAはトランジスタT0~T7並びにキャパシタCAを含み、ビット線接続部BLHUはトランジスタT8及びT9を含んでいる。
【0030】
トランジスタT0は、P型のMOSトランジスタである。トランジスタT1~T7のそれぞれは、N型のMOSトランジスタである。トランジスタT8及びT9のそれぞれは、トランジスタT0~T7のそれぞれよりも高耐圧なN型のMOSトランジスタである。以下では、トランジスタT0~T7のことを低耐圧トランジスタ、トランジスタT8及びT9のことを高耐圧トランジスタとも呼ぶ。
【0031】
トランジスタT0のソースは、電源線に接続される。トランジスタT0のドレインは、ノードND1に接続される。トランジスタT0のゲートは、ノードINVに接続される。トランジスタT1のドレインは、ノードND1に接続される。トランジスタT1のソースは、ノードND2に接続される。トランジスタT1のゲートには、制御信号BLXが入力される。トランジスタT2のドレインは、ノードND1に接続される。トランジスタT2のソースは、ノードSENに接続される。トランジスタT2のゲートには、制御信号HLLが入力される。
【0032】
トランジスタT3のドレインは、ノードSENに接続される。トランジスタT3のソースは、ノードND2に接続される。トランジスタT3のゲートには、制御信号XXLが入力される。トランジスタT4のドレインは、ノードND2に接続される。トランジスタT4のゲートには、制御信号BLCが入力される。トランジスタT5のドレインは、ノードND2に接続される。トランジスタT5のソースは、ノードSRCに接続される。トランジスタT5のゲートは、例えばラッチ回路SDL内のノードINVに接続される。
【0033】
トランジスタT6のソースは、接地される。トランジスタT6のゲートは、ノードSENに接続される。トランジスタT7のドレインは、バスLBUSに接続される。トランジスタT7のソースは、トランジスタT6のドレインに接続される。トランジスタT7のゲートには、制御信号STBが入力される。キャパシタCAの一方電極は、ノードSENに接続される。キャパシタCAの他方電極には、クロックCLKが入力される。
【0034】
トランジスタT8のドレインは、トランジスタT4のソースに接続される。トランジスタT8のソースは、ビット線BLに接続される。トランジスタT8のゲートには、制御信号BLSが入力される。トランジスタT9のドレインは、ノードBLBIASに接続される。トランジスタT9のソースは、ビット線BLに接続される。トランジスタT9のゲートには、制御信号BIASが入力される。
【0035】
以上で説明したセンスアンプユニットSAUの回路構成において、トランジスタT0のソースに接続された電源線には、例えば電源電圧VDDが印加される。ノードSRCには、例えば接地電圧VSSが印加される。ノードBLBIASには、例えば消去電圧VERAが印加される。ノードINVは、ラッチ回路SDLに含まれたノードであり、ノードINVの電圧は、ラッチ回路SDLが保持するデータに基づいて変化する。制御信号BLX、HLL、XXL、BLC、STB、BLS、及びBIAS、並びにクロックCLKのそれぞれは、例えばシーケンサ13によって生成される。読み出し動作において、センスアンプ部SAは、例えば制御信号STBがアサートされたタイミングに基づいて、ビット線BLに読み出されたデータを判定する。
【0036】
尚、第1実施形態に係る半導体記憶装置1が備えるセンスアンプモジュール14は、以上で説明した回路構成に限定されない。例えば、各センスアンプユニットSAUが備えるラッチ回路の個数は、1つのセルユニットCUが記憶するページ数に基づいて適宜変更され得る。センスアンプ部SAは、ビット線BLに読み出されたデータを判定することが可能であれば、その他の回路構成であっても良い。ビット線接続部BLHUにおいて、トランジスタT9は省略されても良い。
【0037】
[1-2-3]ロウデコーダモジュール16の回路構成について
図5は、第1実施形態に係る半導体記憶装置1の備えるロウデコーダモジュール16の回路構成の一例を示している。
図5に示すように、ロウデコーダモジュール16は、複数のロウデコーダRD0~RDnを含んでいる。ロウデコーダRD0~RDnは、それぞれブロックBLK0~BLKnに関連付けられている。
図5には、ロウデコーダRD0の詳細な回路構成が示されている。その他のロウデコーダRDの回路構成は、ロウデコーダRD0の回路構成と同様である。各ロウデコーダRDは、例えばブロックデコーダBD、転送ゲート線TG及びbTG、並びにトランジスタTR0~TR17を含んでいる。
【0038】
ブロックデコーダBDは、ブロックアドレスBAdをデコードする。そして、ブロックデコーダBDは、デコード結果に基づいて、転送ゲート線TG及びbTGのそれぞれに所定の電圧を印加する。具体的には、ブロックデコーダBDは、転送ゲート線bTGに対して、転送ゲート線TGに印加する信号の反転信号を印加する。つまり、転送ゲート線TGに印加される電圧と転送ゲート線bTGに印加される電圧とは、相補的な関係にある。
【0039】
トランジスタTR0~TR17のそれぞれは、高耐圧なN型のMOSトランジスタである。トランジスタTR0~TR12のそれぞれのゲートは、転送ゲート線TGに共通に接続される。トランジスタTR13~TR17のそれぞれのゲートは、転送ゲート線bTGに共通に接続される。つまり、各トランジスタTRは、ブロックデコーダBDによって制御される。また、各トランジスタTRは、ブロックBLK間で共有される信号線を介して、ドライバモジュール15に接続される。
【0040】
トランジスタTR0のドレインは、信号線SGSDに接続される。信号線SGSDは、複数のブロックBLK間で共有され、且つ選択されたブロックBLKに対応するグローバル転送ゲート線として使用される。トランジスタTR0のソースは、選択ゲート線SGSに接続される。選択ゲート線SGSは、ブロック毎に設けられたローカル転送ゲート線として使用される。
【0041】
トランジスタTR1~TR8のそれぞれのドレインは、それぞれ信号線CG0~CG7に接続される。信号線CG0~CG7のそれぞれは、複数のブロックBLK間で共有されたグローバルワード線として使用される。トランジスタTR1~TR8のそれぞれのソースは、それぞれワード線WL0~WL7に接続される。ワード線WL0~WL7のそれぞれは、ブロック毎に設けられたローカルワード線として使用される。
【0042】
トランジスタTR9~TR12のそれぞれのドレインは、それぞれ信号線SGDD0~SGDD3に接続される。信号線SGDD0~SGDD3のそれぞれは、複数のブロックBLK間で共有され、且つ選択されたブロックBLKに対応するグローバル転送ゲート線として使用される。トランジスタTR9~TR12のそれぞれのソースは、それぞれ選択ゲート線SGD0~SGD3に接続される。選択ゲート線SGD0~SGD3のそれぞれは、ブロック毎に設けられたローカル転送ゲート線として使用される。
【0043】
トランジスタTR13のドレインは、信号線USGSに接続される。トランジスタTR13のソースは、選択ゲート線SGSに接続される。トランジスタTR14~TR17のそれぞれのドレインは、信号線USGDに共通に接続される。トランジスタTR14~TR17のそれぞれのソースは、それぞれ選択ゲート線SGD0~SGD3に接続される。信号線USGS及びUSGDのそれぞれは、複数のブロックBLK間で共有され、且つ非選択のブロックBLKに対応するグローバル転送ゲート線として使用される。
【0044】
以上の構成によりロウデコーダモジュール16は、ブロックBLKを選択することが出来る。簡潔に述べると、各種動作時において、選択されたブロックBLKに対応するブロックデコーダBDは、“H”レベル及び“L”レベルの電圧をそれぞれ転送ゲート線TG及びbTGに印加し、非選択のブロックBLKに対応するブロックデコーダBDは、“L”レベル及び“H”レベルの電圧をそれぞれ転送ゲート線TG及びbTGに印加する。
【0045】
尚、第1実施形態に係る半導体記憶装置1が備えるロウデコーダモジュール16は、以上で説明した回路構成に限定されない。例えば、ロウデコーダモジュール16が含むトランジスタTRの個数は、各ブロックBLKに設けられるメモリセルトランジスタや選択トランジスタ等の個数に基づいて適宜変更され得る。本明細書では、ロウデコーダRDに含まれたトランジスタTRのことを、転送スイッチWLSWとも呼ぶ。
【0046】
[1-3]半導体記憶装置1の構造
以下に、第1実施形態に係る半導体記憶装置1の構造の一例について説明する。尚、以下で参照される図面において、X方向はワード線WLの延伸方向に対応し、Y方向はビット線BLの延伸方向に対応し、Z方向は半導体記憶装置1の形成に使用される半導体基板の表面に対する鉛直方向に対応している。平面図には、図を見易くするためにハッチングが適宜付加されている。平面図に付加されたハッチングは、ハッチングが付加された構成要素の素材や特性とは必ずしも関連していない。平面図及び断面図のそれぞれでは、図を見易くするために、配線、コンタクト、層間絶縁膜等の図示が適宜省略されている。
【0047】
[1-3-1]半導体記憶装置の全体構造につい
て
図6は、第1実施形態に係る半導体記憶装置1の全体構造の一例を示している。
図6に示すように、半導体記憶装置1は、メモリチップMC及びCMOSチップCCを含み、メモリチップMCの下面とCMOSチップCCの上面とが貼り合わされた構造を有している。メモリチップMCは、メモリセルアレイ10に対応する構造を含んでいる。CMOSチップCCは、例え
ばコマンドレジスタ11、アドレスレジスタ12、シーケンサ13、センスアンプモジュール14、ドライバモジュール15、及びロウデコーダモジュール16に対応する構造を含んでいる。
【0048】
メモリチップMCの領域は、例えばメモリ領域MR、引出領域HR1及びHR2、並びにパッド領域PR1に分けられる。メモリ領域MRは、メモリチップMCの大部分を占めており、データの記憶に使用される。例えば、メモリ領域MRは、複数のNANDストリングNSを含んでいる。引出領域HR1及びHR2は、メモリ領域MRをX方向に挟んでいる。引出領域HR1及びHR2は、メモリチップMC内の積層配線とCMOSチップCC内のロウデコーダモジュール16との間の接続に使用される。パッド領域PR1は、メモリ領域MR並びに引出領域HR1及びHR2のそれぞれとY方向に隣り合っている。パッド領域PR1は、例えば半導体記憶装置1の入出力回路に関連する回路を含んでいる。
【0049】
また、メモリチップMCは、メモリ領域MR、引出領域HR1及びHR2、並びにパッド領域PR1のそれぞれの下部において、複数の貼合パッドBPを有している。貼合パッドBPは、例えば接合金属とも呼ばれる。メモリ領域MR内の貼合パッドBPは、関連付けられたビット線BLに接続される。引出領域HR内の貼合パッドBPは、メモリ領域MRに設けられた積層配線のうち関連付けられた配線(例えばワード線WL)に接続される。パッド領域PR1内の貼合パッドBPは、メモリチップMC上に設けられたパッド(図示せず)に接続される。メモリチップMC上に設けられたパッドは、例えば半導体記憶装置1とメモリコントローラ2と間の接続に使用される。
【0050】
CMOSチップCCの領域は、例えばセンスアンプ領域SR、周辺回路領域PERI、転送領域XR1及びXR2、並びにパッド領域PR2に分けられる。センスアンプ領域SR及び周辺回路領域PERIは、Y方向に隣り合って配置され、メモリ領域MRと重なっている。センスアンプ領域SRは、センスアンプモジュール14を含んでいる。周辺回路領域PERIは、シーケンサ13等を含んでいる。転送領域XR1及びXR2は、センスアンプ領域SR及び周辺回路領域PERIの組をX方向に挟み、それぞれ引出領域HR1及びHR2と重なっている。転送領域XR1及びXR2は、ロウデコーダモジュール16内の複数のトランジスタTRを含んでいる。パッド領域PR2は、メモリチップMC内のパッド領域PR1と重なって配置され、半導体記憶装置1の入出力回路等を含んでいる。
【0051】
また、CMOSチップCCは、センスアンプ領域SR、周辺回路領域PERI、転送領域XR1及びXR2、並びにパッド領域PR2のそれぞれの上部において、複数の貼合パッドBPを有している。センスアンプ領域SR内の複数の貼合パッドBPは、メモリ領域MR内の複数の貼合パッドBPとそれぞれ重なって配置される。転送領域XR1内の複数の貼合パッドBPは、引出領域HR1内の複数の貼合パッドBPとそれぞれ重なって配置される。転送領域XR2内の複数の貼合パッドBPは、引出領域HR2内の複数の貼合パッドBPとそれぞれ重なって配置される。パッド領域PR1内の複数の貼合パッドBPは、パッド領域PR2内の複数の貼合パッドBPとそれぞれ重なって配置される。
【0052】
半導体記憶装置1に設けられた複数の貼合パッドBPのうち、メモリチップMC及びCMOSチップCC間で対向している2つの貼合パッドBPは、貼り合わされている(
図6の“貼合”)。これにより、メモリチップMC内の回路とCMOSチップCC内の回路との間が、電気的に接続される。メモリチップMC及びCMOSチップCC間で対向する2つの貼合パッドBPの組は、境界を有していても良いし、一体化していても良い。
【0053】
第1実施形態に係る半導体記憶装置1では、引出領域HRのX方向における幅と、転送領域XR1のX方向における幅とが異なっている。具体的には、転送領域XR1のX方向における幅は、引出領域HR1のX方向における幅よりも広く、転送領域XR2のX方向における幅は、引出領域HR2のX方向における幅よりも広い。つまり、転送領域XR1の一部分と、転送領域XR2の一部分とは、メモリ領域MRと重なっている。このため、転送領域XR1内の貼合パッドBPは、引出領域HR1と重なる領域のみに配置され、転送領域XR2内の貼合パッドBPは、引出領域HR2と重なる領域のみに配置される。
【0054】
尚、第1実施形態に係る半導体記憶装置1は、以上で説明した構造に限定されない。例えば、メモリ領域MRと隣り合う引出領域HRは、少なくとも1つ設けられていれば良い。半導体記憶装置1は、メモリ領域MR及び引出領域HRの組を複数備えていても良い。この場合、センスアンプ領域SR、転送領域XR、及び周辺回路領域PERIの組は、メモリ領域MR及び引出領域HRの配置に対応して適宜設けられる。メモリチップMC及びCMOSチップCCの配置は、逆であっても良い。この場合、メモリチップMCの上面に設けられた貼合パッドBPとCMOSチップCCの下面に設けられた貼合パッドBPとが貼り合わされ、外部との接続に使用されるパッドがCMOSチップCC上に設けられる。
【0055】
[1-3-2]メモリチップMCの構造について
(メモリチップMCの平面レイアウトについて)
図7は、第1実施形態に係る半導体記憶装置1におけるメモリチップMCの平面レイアウトの一例であり、ブロックBLK0及びBLK1に対応する領域を抽出して示している。
図7に示すように、メモリチップMCは、複数のスリットSLT、複数のメモリピラーMP、複数のビット線BL、及び複数のコンタクトCT及びCVを含んでいる。
【0056】
複数のスリットSLTは、Y方向に配列している。各スリットSLTは、X方向に沿って延伸して設けられ、メモリ領域MR並びに引出領域HR1及びHR2を横切っている。各スリットSLTは、当該スリットSLTを介して隣り合う導電体層間を分断及び絶縁している。具体的には、スリットSLTは、ワード線WL0~WL7並びに選択ゲート線SGD及びSGSにそれぞれ対応する複数の配線層を分断及び絶縁している。
【0057】
各メモリピラーMPは、例えば1つのNANDストリングNSとして機能する。複数のメモリピラーMPは、メモリ領域MR内且つ隣り合うスリットSLT間の領域において、例えば4列の千鳥状に配置される。本例では、スリットSLTによって区切られた領域のそれぞれが、1つのストリングユニットSUに対応している。尚、隣り合うスリットSLT間におけるメモリピラーMPの個数及び配置は、適宜変更され得る。ブロックBLKの境界部分に配置されたスリットSLTに挟まれたスリットSLTは、少なくとも選択ゲート線SGDを分断していれば良い。
【0058】
複数のビット線BLは、それぞれがY方向に延伸し、X方向に配列している。各ビット線BLは、ストリングユニットSU毎に少なくとも1つのメモリピラーMPと重なっている。本例では、2つのビット線BLが、1つのメモリピラーMPに重なって配置されている。メモリピラーMPと重なっている複数のビット線BLのうち1本のビット線BLと、当該メモリピラーMPとの間には、コンタクトCVが設けられる。そして、各メモリピラーMPは、コンタクトCVを介して、関連付けられたビット線BLに接続される。
【0059】
引出領域HR1及びHR2のそれぞれにおいて、選択ゲート線SGS、ワード線WL0~WL7、並びに選択ゲート線SGDのそれぞれは、上層の配線層(導電体層)と重ならない部分(テラス部分)を有している。引出領域HR1及びHR2のそれぞれにおいて上層の配線層と重ならない部分の形状は、階段(step)、段丘(terrace)、畦石(rimstone)等と類似している。具体的には、選択ゲート線SGSとワード線WL0との間、ワード線WL0とワード線WL1との間、・・・、ワード線WL6とワード線WL7との間、ワード線WL7と選択ゲート線SGDとの間とのそれぞれに、段差が設けられる。
【0060】
各コンタクトCTは、ワード線WL0~WL7並びに選択ゲート線SGS及びSGDのそれぞれと、ロウデコーダモジュール16との間の接続に使用される。また、各コンタクトCTは、ワード線WL0~WL7並びに選択ゲート線SGS及びSGDのいずれかのテラス部分上に配置される。同じブロックBLK内で共通の配線として使用されるワード線WLや選択ゲート線SGSは、コンタクトCTに接続された配線層を介して短絡される。
【0061】
例えば、ブロックBLK0に関連付けられたコンタクトCTは、引出領域HR1に配置され、ブロックBLK1に関連付けられたコンタクトCTは、引出領域HR2に配置される。言い換えると、例えば、偶数番号のブロックBLKは、引出領域HR1内のコンタクトCTを介してロウデコーダモジュール16に接続され、奇数番号のブロックBLKは、引出領域HR2内のコンタクトCTを介してロウデコーダモジュール16に接続される。
【0062】
以上で説明したメモリチップMCの平面レイアウトは、メモリ領域MR及び引出領域HR1及びHR2においてY方向に繰り返し配置される。尚、各ブロックBLKに対するコンタクトCTの配置は、以上で説明したレイアウトに限定されない。例えば、片方の引出領域HRが省略された場合、各ブロックBLKに対応するコンタクトCTは、メモリ領域MRに接する片側の引出領域HRに纏めて配置される。引出領域HR1及びHR2の両側にコンタクトCTが配置され、各ブロックBLKの両側から電圧が印加されても良い。引出領域HRは、メモリ領域MRによって挟まれるように配置されても良い。引出領域HRがメモリ領域MRによって挟まれる構造については、第2実施形態で説明する。
【0063】
(メモリチップMCの断面構造について)
図8は、第1実施形態に係る半導体記憶装置1のメモリ領域MRにおける断面構造の一例であり、メモリピラーMPとスリットSLTとを含み且つY方向に沿った断面を抽出して示している。尚、
図8におけるZ方向は、
図6に対して反転されて示されている。つまり、“上方”が紙面の下側に対応し、“下方”が紙面の上側に対応している。
図8に示すように、メモリ領域MRにおいてメモリチップMCは、絶縁体層20~25、導電体層30~36、並びにコンタクトV1及びV2をさらに含んでいる。
【0064】
絶縁体層20は、例えばメモリチップMCの最上層に設けられる。これに限定されず、絶縁体層20の上には、配線層や絶縁体層等が設けられても良い。絶縁体層20の下には、導電体層30が設けられる。導電体層30は、例えばXY平面に沿って広がった板状に形成され、ソース線SLとして使用される。導電体層30は、例えばリンがドープされたポリシリコンを含んでいる。
【0065】
導電体層30の下には、絶縁体層21が設けられる。絶縁体層21の下には、導電体層31が設けられる。導電体層31は、例えばXY平面に沿って広がった板状に形成され、選択ゲート線SGSとして使用される。選択ゲート線SGSは、複数の導電体層31によって構成されても良い。導電体層31は、例えばリンがドープされたポリシリコンを含んでいる。選択ゲート線SGSが複数の導電体層31によって構成される場合には、複数の導電体層31は、互いに異なる導電体によって構成されても良い。
【0066】
導電体層31の下には、絶縁体層22が設けられる。絶縁体層22の下には、導電体層32と絶縁体層23とが交互に設けられる。複数の導電体層32のそれぞれは、例えばXY平面に沿って広がった板状に形成される。複数の導電体層32は、導電体層30側から順に、それぞれワード線WL0~WL7として使用される。導電体層32は、例えばタングステンを含んでいる。
【0067】
最下層の導電体層32の下には、絶縁体層24が設けられる。絶縁体層24の下には、導電体層33が設けられる。導電体層33は、例えばXY平面に沿って広がった板状に形成され、選択ゲート線SGDとして使用される。選択ゲート線SGDは、複数の導電体層33によって構成されても良い。導電体層33は、例えばタングステンを含んでいる。
【0068】
導電体層33の下には、絶縁体層25が設けられる。絶縁体層25の下には、導電体層34が設けられる。導電体層34は、例えばY方向に延伸したライン状に形成され、ビット線BLとして使用される。つまり、図示せぬ領域において、複数の導電体層34が、X方向に配列している。導電体層34は、例えば銅を含んでいる。以下では、導電体層34が設けられた配線層のことをM0と呼ぶ。
【0069】
各メモリピラーMPは、Z方向に沿って延伸して設けられ、絶縁体層21~24、及び導電体層31~33を貫通している。メモリピラーMPの上部は、導電体層30に接している。また、各メモリピラーMPは、例えば半導体層40、トンネル絶縁膜41、絶縁膜42、及びブロック絶縁膜43を含んでいる。
【0070】
半導体層40は、Z方向に沿って延伸して設けられる。例えば、半導体層40の下端は、絶縁体層25を含む層に含まれ、半導体層40の上端は、導電体層30に接触している。トンネル絶縁膜41は、半導体層40の側面を覆っている。絶縁膜42は、トンネル絶縁膜41の側面を覆っている。ブロック絶縁膜43は、絶縁膜42の側面を覆っている。
【0071】
メモリピラーMPと導電体層31(選択ゲート線SGS)とが交差した部分は、選択トランジスタST2として機能する。メモリピラーMPと導電体層32(ワード線WL)とが交差した部分は、メモリセルトランジスタMTとして機能する。メモリピラーMPと導電体層33(選択ゲート線SGD)とが交差した部分は、選択トランジスタST1として機能する。つまり、半導体層40は、メモリセルトランジスタMT0~MT7並びに選択トランジスタST1及びST2のそれぞれのチャネルとして機能する。絶縁膜42は、メモリセルトランジスタMTの電荷蓄積層として機能する。
【0072】
各メモリピラーMPの半導体層40の下には、柱状のコンタクトCVが設けられる。図示された領域には、2つのメモリピラーMPのうち、1つのメモリピラーMPに対応するコンタクトCVが示されている。当該領域においてコンタクトCVが接続されていないメモリピラーMPには、図示されない領域においてコンタクトCVが接続される。コンタクトCVの下には、1つの導電体層34(ビット線BL)が接触している。
【0073】
スリットSLTは、少なくとも一部がXZ平面に沿って広がった板状に形成され、絶縁体層21~24及び導電体層31~33を分断している。スリットSLTの下端は、絶縁体層25を含む層に含まれている。スリットSLTの上端は、例えば導電体層30に接触している。スリットSLTは、例えば酸化シリコン(SiO2)を含んでいる。
【0074】
導電体層34の下には、柱状のコンタクトV1が設けられる。コンタクトV1の下には、導電体層35が設けられる。導電体層35は、半導体記憶装置1内の回路の接続に使用される配線である。以下では、導電体層35が設けられた配線層のことをM1と呼ぶ。
【0075】
導電体層35の下には、導電体層36が設けられる。導電体層36は、メモリチップMCの界面に接し、貼合パッドBPとして使用される。導電体層36は、例えば銅を含んでいる。以下では、導電体層36が設けられた配線層のことをM2と呼ぶ。
【0076】
図9は、
図8のIX-IX線に沿った断面図であり、第1実施形態に係る半導体記憶装置1におけるメモリピラーMPの断面構造の一例を示している。具体的には、
図9は、メモリピラーMPと導電体層32とを含み且つ半導体記憶装置1の形成に使用された半導体基板の表面と平行な断面を抽出して示している。
【0077】
図9に示すように、半導体層40は、例えばメモリピラーMPの中央部に設けられる。トンネル絶縁膜41は、半導体層40の側面を囲っている。絶縁膜42は、トンネル絶縁膜41の側面を囲っている。ブロック絶縁膜43は、絶縁膜42の側面を囲っている。導電体層32は、ブロック絶縁膜43の側面を囲っている。トンネル絶縁膜41及びブロック絶縁膜43のそれぞれは、例えば酸化シリコン(SiO
2)を含んでいる。絶縁膜42は、例えば窒化シリコン(SiN)を含んでいる。尚、各メモリピラーMPは、半導体層40の内側に絶縁体層をさらに含み、メモリピラーMPの中央部に当該絶縁体層が位置していても良い。つまり、半導体層40は、筒状に設けられた部分を有していても良い。
【0078】
図10は、第1実施形態に係る半導体記憶装置1の引出領域HR1における断面構造の一例であり、引出領域HR1に含まれた偶数番目のブロックBLKに対応する断面を抽出して示している。尚、
図10におけるZ方向は、
図8と同様に、
図6に対して反転されて示されている。
図10に示すように、引出領域HR1において、選択ゲート線SGS、ワード線WL0~WL7、並びに選択ゲート線SGDのそれぞれの端部は、階段状に設けられている。また、引出領域HRにおいてメモリチップMCは、コンタクトV1及びV2、導電体層37~39をさらに含んでいる。
【0079】
具体的には、導電体層31は、下方の導電体層32及び33と重ならないテラス部分を有している。各導電体層32は、下方の導電体層32及び33と重ならないテラス部分を有している。導電体層33は、引出領域HR1において、テラス部分を有している。複数のコンタクトは、導電体層31~33のそれぞれのテラス部分の上に、それぞれ設けられる。複数のコンタクトCTのそれぞれの下部は、例えば揃っている。
【0080】
各コンタクトCTの下には、導電体層37が設けられる。導電体層37は、配線層M0に含まれている。導電体層37の下には、コンタクトV1が設けられる。コンタクトV1の下には、導電体層38が設けられる。導電体層38は、配線層M1に含まれている。導電体層38の下には、コンタクトV2が設けられる。コンタクトV2の下には、導電体層39が設けられる。導電体層39は、配線層M2に含まれている。つまり、導電体層39は、メモリチップMCの界面に接し、貼合パッドBPとして使用される。導電体層39は、例えば銅を含んでいる。
【0081】
尚、
図10は、ワード線WL0に対応するコンタクトV1及びV2並びに導電体層38及び39の組のみを示している。その他の導電体層37には、図示されない領域において、コンタクトV1及びV2並びに導電体層38及び39の組が接続される。引出領域HR1内且つ奇数番目のブロックBLKに対応する領域における構造は、
図10に示された構造に対してコンタクトCTが省略された構造と類似している。また、引出領域HR2内且つ奇数番目のブロックBLKに対応する領域における構造は、
図10に示された構造をY方向を対称軸として反転させた構造と類似している。
【0082】
[1-3-3]CMOSチップCCの構造について
(CMOSチップCCの平面レイアウトについて)
図11は、第1実施形態に係る半導体記憶装置1におけるCMOSチップCCの平面レイアウトの一例であり、ブロックBLK、センスアンプユニットSAU、及びロウデコーダRDの接続関係を示している。以下で参照される図面は、X方向において領域MR、HR1、HR2、SR、XR1、及びXR2が設けられる範囲のことを、それぞれ領域wMR、wHR1、wHR2、wSR、wXR1、及びwXR2として示している。また、以下では、説明を簡潔にするために、メモリセルアレイ10が16個のブロックBLK0~BLK15を備え、ロウデコーダモジュール16がロウデコーダRD0~RD15を備える場合について説明する。
【0083】
図11に示すように、センスアンプ領域SRでは、例えばY方向に並んだ9個のセンスアンプユニットSAUの組が、X方向に並んでいる。具体的には、例えばセンスアンプ領域SR内の転送領域XR1側の端部において、センスアンプユニットSAU0~SAU8が、Y方向に並んでいる。センスアンプユニットSAU0~SAU8のそれぞれの隣に、それぞれセンスアンプユニットSAU9~SAU17が配置される。同様に、図示が省略されているが、センスアンプユニットSAU18~SAU26、…、及びセンスアンプユニットSAU(m-8)~SAUmが配置される。本明細書では、Y方向に並んだセンスアンプユニットSAUの組のことをセンスアンプグループSAGと呼ぶ。
【0084】
本例において、転送領域XR1は、偶数番号のロウデコーダRD0、RD2、RD4、RD6、RD8、RD10、RD12、及びRD14を含んでいる。転送領域XR2は、奇数番号のロウデコーダRD1、RD3、RD5、RD7、RD9、RD11、RD13、及びRD15を含んでいる。例えば、ロウデコーダRD0、RD2、RD4、RD6、RD8、RD10、RD12、及びRD14は、センスアンプ領域SRを挟んで、それぞれロウデコーダRD1、RD3、RD5、RD7、RD9、RD11、RD13、及びRD15とX方向に対向している。
【0085】
メモリ領域MRにおいて、ブロックBLK0~BLK15は、Y方向に並んでいる。ブロックBLK0~BLK15は、前述したように、それぞれロウデコーダRD0~RD15によって制御される。つまり、偶数番号のブロックBLKは、転送領域XR1に配置されたロウデコーダRDによって制御され、奇数番号のブロックBLKは、転送領域XR2に配置されたロウデコーダRDによって制御される。
【0086】
各ブロックBLKのY方向における幅は、例えばロウデコーダRDのY方向における幅の半分以下である。本例では、2つのブロックBLK0及びBLK1が、ロウデコーダRD0及びRD1の間に配置される。2つのブロックBLK2及びBLK3が、ロウデコーダRD2及びRD3の間に配置される。以降も同様に、2つのブロックBLKが、X方向に対向する2つのロウデコーダRDの間に配置される。
【0087】
また、ブロックBLK0及びBLK1のそれぞれの一部は、ロウデコーダRD0及びRD1と重なっている。具体的には、ブロックBLK0及びBLK1の引出領域HR1側の端部は、ロウデコーダRD0と重なっている。一方で、ブロックBLK0及びBLK1の引出領域HR2側の端部は、ロウデコーダRD1と重なっている。以降も同様に、対向する2つのロウデコーダRDには、当該2つのロウデコーダRDに関連付けられた2つのブロックBLKの一部が重なって配置される。
【0088】
尚、以上で説明したブロックBLK、センスアンプユニットSAU、及びロウデコーダRDの配置は、あくまで一例である。例えば、各ブロックBLKに接続されるロウデコーダRDの配置は、転送領域XR1及びXR2内で適宜変更され得る。また、1つのセンスアンプグループSAGが含むセンスアンプユニットSAUの個数は、ビット線BLのピッチに基づいて設計される。センスアンプユニットSAUのレイアウトとビット線BLのレイアウトとの詳細な関係については後述する。
【0089】
(CMOSチップCCの断面構造について)
図12は、第1実施形態に係る半導体記憶装置1の断面構造の一例であり、メモリチップMCとCMOSチップCCとが貼り合わせられた構造を示している。また、
図12は、センスアンプ領域SR内のトランジスタT8に対応する構成と、転送領域XR1内のトランジスタTR7に対応する構成とを抽出して示している。
図12に示すように、CMOSチップCCは、例えば半導体基板50、導電体層GC及び51~58、並びに柱状のコンタクトCS及びC0~C3を含んでいる。
【0090】
半導体基板50は、CMOSチップCCの形成に使用され、例えばP型不純物を含んでいる。また、半導体基板50は、図示が省略された複数のウェル領域を含んでいる。複数のウェル領域のそれぞれには、例えばトランジスタが形成される。そして、複数のウェル領域の間は、例えばSTI(Shallow Trench Isolation)によって分離される。
【0091】
センスアンプ領域SRにおいて、半導体基板50の上には、ゲート絶縁膜を介して導電体層GCが設けられる。センスアンプ領域SR内の導電体層GCは、例えばセンスアンプユニットSAUに含まれたトランジスタT8のゲート電極として使用される。トランジスタT8のゲートに対応して、導電体層GCの上にコンタクトC0が設けられ、トランジスタT8のソース及びドレインに対応して、半導体基板50の上に2つのコンタクトCSが設けられる。例えば、コンタクトCS及びC0のそれぞれの上面は、揃っている。
【0092】
また、センスアンプ領域SRにおいて、コンタクトCSの上とコンタクトC0の上とのそれぞれには、それぞれ1つの導電体層51が設けられる。導電体層51の上には、コンタクトC1が設けられる。コンタクトC1の上には、導電体層52が設けられる。導電体層52の上には、コンタクトC2が設けられる。コンタクトC2の上には、導電体層53が設けられる。導電体層53の上には、コンタクトC3が設けられる。コンタクトC3の上には、導電体層54が設けられる。
【0093】
導電体層54は、CMOSチップCCの界面に接し、貼合パッドBPとして使用される。そして、センスアンプ領域SR内の導電体層54は、対向して配置されたメモリ領域MR内の導電体層36と貼り合わされ、1本のビット線BLと電気的に接続される。導電体層54は、例えば銅を含んでいる。センスアンプ領域SRは、図示が省略されているが、トランジスタT8と同様の構造を有する複数のトランジスタを含んでいる。
【0094】
転送領域XR1において、半導体基板50の上には、ゲート絶縁膜を介して導電体層GCが設けられる。転送領域XR1内の導電体層GCは、例えばロウデコーダRDに含まれたトランジスタTR7のゲート電極として使用される。トランジスタTR7のゲートに対応して、導電体層GCの上にコンタクトC0が設けられ、トランジスタTR7のソース及びドレインに対応して、半導体基板50の上に2つのコンタクトCSが設けられる。
【0095】
また、転送領域XR1において、コンタクトCSの上とコンタクトC0の上とのそれぞれには、それぞれ1つの導電体層55が設けられる。導電体層55の上には、コンタクトC1が設けられる。コンタクトC1の上には、導電体層56が設けられる。導電体層56の上には、コンタクトC2が設けられる。コンタクトC2の上には、導電体層57が設けられる。導電体層57の上には、コンタクトC3が設けられる。コンタクトC3の上には、導電体層58が設けられる。
【0096】
導電体層58は、CMOSチップCCの界面に接し、貼合パッドBPとして使用される。そして、転送領域XR1内の導電体層58は、対向して配置された引出領域HR1内の導電体層39と貼り合わされ、例えばワード線WL6と電気的に接続される。導電体層58は、例えば銅を含んでいる。転送領域XR1は、図示が省略されているが、トランジスタTR7と同様の構造を有する複数のトランジスタを含んでいる。また、転送領域XR2における構造は、転送領域XR1の構造と同様である。
【0097】
以下では、導電体層51及び55が設けられた配線層のことを、D0と呼ぶ。導電体層52及び56が設けられた配線層のことを、D1と呼ぶ。導電体層53及び57が設けられた配線層のことを、D2と呼ぶ。導電体層54及び58が設けられた配線層のことを、D3と呼ぶ。導電体層53のことを、配線BLIとも呼ぶ。尚、CMOSチップCCに設けられる配線層の数は、任意の数に設計され得る。また、導電体層51~53、55~57のそれぞれに接続されるコンタクトは、回路の設計に応じて省略されても良い。
【0098】
第1実施形態に係る半導体記憶装置1は、メモリ領域MRの下方に配置されたトランジスタTRを有している。つまり、ロウデコーダRD内の複数のトランジスタTRは、メモリピラーMPの下方に配置されたトランジスタTRと、引出領域HR1の下方に配置されたトランジスタTRとを含み得る。例えば、メモリ領域MRの下方に配置されたトランジスタTRに接続された導電体層57は、配線層D2において、X方向に延伸した部分を有している。トランジスタTRの上方に配置されたメモリピラーMPに接続された導電体層35は、配線層M1において、X方向に延伸した部分を有している。
【0099】
以上で説明したビット線BLとトランジスタT8とを接続する経路と、ワード線WL6とトランジスタTR7を接続する経路とは、あくまで一例である。ビット線BLとセンスアンプユニットSAUとの間の接続に使用され且つX方向に延伸する配線は、CMOSチップCC側に設けられても良い。ワード線WL並びに選択ゲート線SGD及びSGSのいずれかとロウデコーダRDとの間の接続に使用され且つX方向に延伸する配線は、メモリチップMC側に設けられても良い。このように、メモリチップMC内の回路とCMOSチップCC内の回路とを接続する為の配線のレイアウトは、適宜変更され得る。
【0100】
[1-3-4]配線レイアウトの詳細について
以下に、引出領域HR及び転送領域XR間の配線レイアウトの具体例と、メモリ領域MR及びセンスアンプ領域SR間の配線レイアウトの具体例とについて、順に説明する。
【0101】
(引出領域HR及び転送領域XR間の配線レイアウトについて)
図13は、第1実施形態に係る半導体記憶装置1における引出領域HR及び転送領域XRの平面レイアウトの一例であり、ブロックBLK0及びBLK1に対応する領域を抽出して示している。尚、
図13は、図面を簡潔にするために、引出領域HRに設けられる貼合パッドBPの個数と、転送領域XRが含む転送スイッチWLSWの個数とを減らして示している。また、以下の説明において“外側”は、メモリ領域MRから遠い部分に対応し、“内側”は、メモリ領域MRの中間部に近い部分に対応している。
【0102】
図13に示すように、転送領域XR1に含まれたロウデコーダRD0の領域において、複数の転送スイッチWLSWは、例えば、それぞれがY方向に延伸した領域に設けられ、X方向に並んでいる。同様に、転送領域XR2に含まれたロウデコーダRD1の領域において、複数の転送スイッチWLSWは、例えば、それぞれがY方向に延伸した領域に設けられ、X方向に並んでいる。そして、第1実施形態において転送領域XR1及びXR2に含まれた複数の転送スイッチWLSWの一部は、メモリ領域MRと重なっている。
【0103】
ブロックBLK0に対応する複数の貼合パッドBPは、例えば引出領域HR1内に設けられる。そして、ブロックBLK0に対応する積層配線は、引出領域HR1内の貼合パッドBPを介して、転送領域XR1内の転送スイッチWLSWに接続される。例えば、引出領域HR1において、外側の貼合パッドBPは外側の転送スイッチWLSWに接続され、内側の貼合パッドBPは内側の転送スイッチWLSWに接続される。
【0104】
同様に、ブロックBLK1に対応する複数の貼合パッドBPは、例えば引出領域HR2内に設けられる。そして、ブロックBLK1に対応する積層配線は、引出領域HR2内の貼合パッドBPを介して、転送領域XR2内の転送スイッチWLSWに接続される。例えば、引出領域HR2において、外側の貼合パッドBPは外側の転送スイッチWLSWに接続され、内側の貼合パッドBPは内側の転送スイッチWLSWに接続される。
【0105】
図14は、第1実施形態に係る半導体記憶装置1における引出領域HR1及び転送領域XR1の詳細な平面レイアウトの一例であり、1つのブロックBLK(すなわち、ストリングユニットSU0~SU3)に対応する領域を抽出して示している。
図14に示すように、同一のブロックBLK内で同一の配線層に設けられた導電体層は、例えばY方向に延伸した導電体層37によって短絡される。
【0106】
各導電体層37には、貼合パッドBPが重なって配置される。例えば、複数の貼合パッドBPは、互いがX方向及びY方向にずれて配置される。言い換えると、複数の貼合パッドBPは、斜め方向に並んでいる。これに限定されず、複数の貼合パッドBPは、複数のグループに分類され、グループ毎に斜め方向に並んでいても良い。貼合パッドBPには、コンタクトC2を介して導電体層57が接続される。
【0107】
導電体層57の長さは、関連付けられた配線のテラス部分の位置に応じて異なる。具体的には、選択ゲート線SGSに接続された導電体層57のX方向における長さは、ワード線WL0に接続された導電体層57のX方向における長さよりも短い。ワード線WL0に接続された導電体層57のX方向における長さは、ワード線WL1に接続された導電体層57のX方向における長さよりも短い。以降も同様に、導電体層57の長さは、転送スイッチWLSWと貼合パッドBPとの配置に応じて適宜設計される。
【0108】
例えば、貼合パッドBPと転送スイッチWLSWとの間を接続する一部の配線は、外側に配置されるほど、X方向に延伸する部分が短くなるように設計される。本例では、選択ゲート線SGDに接続された導電体層57が、転送領域XR1と引出領域HR1との両方と重なっている。一方で、選択ゲート線SGSに接続された導電体層57は、引出領域HR1のみと重なっている。
【0109】
尚、以上の説明では、X方向において異なる配線長で設計される配線が導電体層57である場合について例示したが、これに限定されない。第1実施形態に係る半導体記憶装置1では、上述した導電体層57の設計が、貼合パッドBPと転送スイッチWLSWとの間の接続に使用されるその他の導電体層に適用されても良い。
【0110】
(メモリ領域MR及びセンスアンプ領域SR間の配線レイアウトについて)
図15は、第1実施形態に係る半導体記憶装置1の平面レイアウトの一例であり、メモリ領域MR並びに引出領域HR1及びHR2に対応する領域を抽出して示している。また、
図15は、ビット線BLと配線BLIとの間を接続する配線(例えば導電体層35)の長さを矢印で示し、図面を簡潔にするために、メモリ領域MRに設けられるビット線BLの一部と、当該ビット線BLに接続される配線BLIの一部とを省略して示している。
【0111】
図15に示すように、例えば複数のビット線BLは、メモリ領域MRにおいてX方向に等間隔に並んでいる。複数の配線BLIは、センスアンプ領域SRにおいてX方向に等間隔に並んでいる。また、複数の配線BLIのそれぞれは、Y方向に沿って複数個に分割される。Y方向に沿って配線BLIが分割される数は、例えばY方向に並んだセンスアンプユニットSAUの数に基づいている。
図15には、分割された配線BLIのうち図示されたビット線BLに関連付けられた配線BLIのみが抽出されて示されている。
【0112】
メモリ領域MR内且つ紙面の左側の領域において、最外部に配置されたビット線BLは、転送領域XR1と重なっている。メモリ領域MR内且つ紙面の右側の領域において、最外部に配置されたビット線BLは、転送領域XR2と重なっている。そして、ビット線BLと配線BLIとを接続する配線の長さは、メモリ領域MRの外側に配置された配線と、メモリ領域MRの中間線の近傍に配置された配線とで異なっている。
【0113】
具体的には、メモリ領域MRの紙面の左側の領域において、外側に配置されたビット線BLと配線BLIとを接続する配線の長さは、中間線の近傍に配置されたビット線BLと配線BLIとを接続する配線よりも長い。同様に、メモリ領域MRの紙面の右側の領域において、外側に配置されたビット線BLと配線BLIとを接続する配線の長さは、中間線の近傍に配置されたビット線BLと配線BLIとを接続する配線よりも長い。このように、ビット線BLと配線BLIとを接続する配線の長さは、例えばメモリ領域MRの外側から内側(メモリ領域MRの中間線)に向かうにつれて短くなるように設計される。
【0114】
図16は、第1実施形態に係る半導体記憶装置1におけるメモリ領域MR及びセンスアンプ領域SRの詳細な平面レイアウトの一例であり、センスアンプ領域SRの端部に配置された2つのセンスアンプグループSAGに対応する領域を抽出して示している。
図16に示すように、メモリ領域MRにおいて、ビット線BL0~BL17は、X方向に並んでいる。センスアンプ領域SRにおいて、センスアンプユニットSAU0~SAU8を含むセンスアンプグループSAGと、センスアンプユニットSAU9~SAU17を含むセンスアンプグループSAGとは、X方向に並んでいる。
【0115】
各センスアンプユニットSAUの領域には、1本の配線BLIが含まれている。各配線BLIには、1つの貼合パッドBPが重なっている。各貼合パッドBPには、X方向に延伸した導電体層35が接続される。各導電体層35は、コンタクトV1を介して、関連付けられたビット線BLに接続される。X方向に隣り合う2つのセンスアンプユニットSAUにそれぞれ接続される2つの導電体層35は、Y方向に隣り合っている。つまり、例えばセンスアンプユニットSAU9に接続される導電体層35は、センスアンプユニットSAU0及びSAU1にそれぞれ接続される2つの導電体層35の間に配置される。
【0116】
導電体層35の長さは、関連付けられたセンスアンプユニットSAUの位置に応じて異なっている。具体的には、センスアンプユニットSAU0に接続された導電体層35のX方向における長さは、センスアンプユニットSAU9に接続された導電体層35のX方向における長さよりも短い。以降も同様に、導電体層35の長さは、ビット線BLとセンスアンプユニットSAUとの配置に応じて適宜設計される。
【0117】
例えば、ビット線BLとセンスアンプユニットSAUとの間を接続する一部の配線は、外側のビット線BLに対応するほど、X方向に延伸する部分が長くなるように設計される。本例では、ビット線BL0に接続された導電体層35が、メモリ領域MR内且つセンスアンプ領域SRと重ならない部分を有している。図示が省略されているが、メモリ領域MRの中間線の近くに配置されたビット線BLとセンスアンプユニットSAUとの間を接続する一部の配線は、メモリ領域MRと重なる部分のみを有している。
【0118】
第1実施形態に係る半導体記憶装置1では、センスアンプユニットSAUのX方向の長さが、8本のビット線BLを形成することが可能なX方向の長さ(8BL)に基づいて設計される。言い換えると、センスアンプユニットSAUのX方向の長さは、8本のビット線BLが形成されるピッチに基づいて設計される。一方で、センスアンプグループSAGは、Y方向に並んだ9個のセンスアンプユニットSAUを含んでいる(9SAU)。
【0119】
つまり、第1実施形態に係る半導体記憶装置1では、センスアンプユニットSAUのX方向の長さの設計に使用されるビット線BLの本数が、1つのセンスアンプグループSAGに接続されるビット線BLの本数よりも少ない。このように、第1実施形態に係る半導体記憶装置1では、少なくともセンスアンプユニットSAUのX方向の長さが、センスアンプグループSAGに含まれたセンスアンプユニットSAUの個数よりも少ない本数のビット線BLのピッチに基づいて設計されていれば良い。
【0120】
尚、以上の説明では、X方向において異なる配線長さで設計される配線が導電体層35である場合について例示したが、これに限定されない。第1実施形態に係る半導体記憶装置1では、上述した導電体層35の設計方法が、ビット線BLとセンスアンプユニットSAUとの間の接続に使用されるその他の導電体層に適用されても良い。
【0121】
[1-4]第1実施形態の効果
以上で説明した第1実施形態に係る半導体記憶装置1に依れば、チップ面積を縮小することが出来、半導体記憶装置1の製造コストを抑制することが出来る。以下に、第1実施形態に係る半導体記憶装置1の詳細な効果について説明する。
【0122】
半導体記憶装置は、大まかにメモリセルアレイとその他の周辺回路とに分けられる。半導体記憶装置のビットコストを低減するためには、半導体記憶装置のチップ面積のうちメモリセルアレイに対応する領域の占める割合(セル占有率)を拡大することが好ましい。
【0123】
図17は、第1実施形態の比較例に係る半導体記憶装置1の構造の一例を示す模式図である。
図17の上側はメモリセルアレイの断面イメージに対応し、
図17の下側はセンスアンプモジュール等を含む周辺回路のレイアウトに対応している。
図17に示すように、第1実施形態の比較例に係る半導体記憶装置は、第1実施形態と同様に、メモリセルアレイを含むメモリチップと、周辺回路を含むCMOSチップとを備えている。メモリチップとCMOSチップとは、それぞれ異なるウエハに形成され、互いに貼り合わされる。
図17では、メモリチップとCMOSチップとの境界部分が、貼合面として示されている。
【0124】
このように、第1実施形態の比較例に係る半導体記憶装置は、メモリセルアレイ10と周辺回路とが重なった構造を有する。その結果、第1実施形態の比較例に係る半導体記憶装置は、セル占有率を大きくすることが出来、チップ面積を縮小することが出来る。さらに、第1実施形態の比較例に係る半導体記憶装置では、メモリセルアレイ10形成時の熱がCMOSチップCC内のトランジスタに加えられないため、CMOSチップCC内のトランジスタの設計難易度を下げることが出来る。本段落で説明した第1実施形態の比較例における効果は、第1実施形態に係る半導体記憶装置1も同様に得ることが出来る。
【0125】
また、第1実施形態の比較例に係る半導体記憶装置では、メモリ領域MRの幅とセンスアンプ領域SRの幅とが略同じになるように設計され、引出領域HR1の幅と転送領域XR1の幅とが略同じになるように設計され、引出領域HR2の幅と転送領域XR2の幅とが略同じになるように設計される。例えば、半導体記憶装置の大容量化のためにワード線WLの積層数が増加すると、必要な転送スイッチWLSWの数も増加する。
【0126】
しかしながら、転送スイッチWLSWの数が増加すると、転送領域XRの面積が、引出領域HR内の階段構造を最小ピッチで形成した場合の面積よりも大きくなり得る。この場合、引出領域HRの階段構造は、例えば最小ピッチで形成されずに、転送領域XRの幅に合わせて設計される。このような転送領域XRの面積増加は、半導体記憶装置のチップ面積の増大に繋がり、製造コストの増大に繋がり得る。
【0127】
一方で、第1実施形態に係る半導体記憶装置1は、転送領域XRの一部が、メモリセルアレイ10と重なって配置される。言い換えると、第1実施形態に係る半導体記憶装置1は、メモリセルアレイ10の下に、センスアンプモジュール14とロウデコーダモジュール16の一部とが隠れるように配置された構造を有している。
図18は、第1実施形態に係る半導体記憶装置1の構造の一例を示し、
図17と類似した模式図である。
図18に示すように、転送領域XRの幅が第1実施形態と第1実施形態の比較例との間で同じである場合、センスアンプ領域SRの幅は、第1実施形態の比較例よりも狭くなる。
【0128】
これに対して、第1実施形態に係る半導体記憶装置1は、ビット線BLの延伸方向に配置されるセンスアンプユニットSAUの個数を増やすことによって、メモリ領域MRと重なって配置される転送領域XRの領域をメモリ領域MRの下部に確保している。また、第1実施形態に係る半導体記憶装置1において、メモリチップMC内の一部のビット線BLは、ビット線BLと直行する配線を用いて、CMOSチップCC内のセンスアンプユニットSAUに接続される。同様に、メモリチップMC内の一部の積層配線(例えばワード線WL)は、ビット線BLと直行する配線を用いて、CMOSチップCC内の転送スイッチWLSWに接続される。
【0129】
これにより、第1実施形態に係る半導体記憶装置1は、配線層を追加することなく、転送領域XRの一部とメモリ領域MRとが重なった構造を形成することが出来る。その結果、第1実施形態に係る半導体記憶装置1は、引出領域HRのレイアウトと転送領域XRのレイアウトとを独立で設計することが出来、引出領域HRにおける階段構造を最小ピッチで形成することが出来る。従って、第1実施形態に係る半導体記憶装置1は、チップ面積を縮小することが出来、半導体記憶装置1の製造コストを抑制することが出来る。
【0130】
[2]第2実施形態
第2実施形態に係る半導体記憶装置1は、引出領域HRが2つのメモリ領域MRによって挟まれた構造を有する。そして、第2実施形態に係る半導体記憶装置1は、第1実施形態と同様に、転送領域XRとメモリ領域MRとが重なった部分を有している。以下に、第2実施形態に係る半導体記憶装置1について、第1実施形態と異なる点を説明する。
【0131】
[2-1]半導体記憶装置1の構造
図19は、第2実施形態に係る半導体記憶装置1におけるメモリチップMCの平面レイアウトの一例であり、ブロックBLK0及びBLK1に対応する領域を抽出して示している。
図19に示すように、第2実施形態に係る半導体記憶装置1において、メモリチップMCの領域は、例えば2つのメモリ領域MR1及びMR2と、1つの引出領域HRとに分けられる。メモリ領域MR1及びMR2は、第1実施形態におけるメモリ領域MRと同様の構造を有し、引出領域HRを挟んでいる。
【0132】
尚、第2実施形態に係る半導体記憶装置1では、第1実施形態においてブロックBLKの境界に対応するスリットSLTに挟まれたスリットSLTが、スリットSHEに置き換えられている。スリットSHEは、選択ゲート線SGDを分断及び絶縁するスリットである。第2実施形態では、隣り合うスリットSLT間でスリットSHEによって区切られた領域のそれぞれが、1つのストリングユニットSUに対応している。
【0133】
第2実施形態における引出領域HRでは、第1実施形態と同様に、選択ゲート線SGS及びSGD並びにワード線WL0~WL7の階段構造が形成される。階段構造は、例えば2つのブロックBLKの境界部分の近傍に形成される。例えば、ブロックBLK0に対応する積層配線のテラス部分と、ブロックBLK1に対応する積層配線のテラス部分との間は、ブロックBLK0及びBLK1間のスリットSLTによって分離及び絶縁される。
【0134】
また、第2実施形態における引出領域HRでは、引出領域HR内且つ階段加工されていない領域において、選択ゲート線SGS並びにワード線WL0~WL7のそれぞれが、メモリ領域MR1及びMR2間で連続的に設けられた部分を有している。つまり、メモリ領域MR1及びMR2間において、選択ゲート線SGS並びにワード線WL0~WL7のそれぞれは、引出領域HRを介して電気的に接続されている。引出領域HR内に形成された積層配線の各テラス部分には、ブロックBLK毎に複数のコンタクトCTが設けられる。
【0135】
一方で、メモリ領域MR1内の選択ゲート線SGDと、メモリ領域MR2内の選択ゲート線SGDとの間は、引出領域HRにおいて分離される。このため、メモリ領域MR1内の選択ゲート線SGDのテラス部分と、メモリ領域MR2内の選択ゲート線SGDのテラス部分との両方に、コンタクトCTが設けられる。尚、分離された選択ゲート線SGDは、図示されない領域において短絡されても良いし、シーケンサ13が、分離された選択ゲート線SGDを同期させて制御しても良い。
【0136】
図20は、第2実施形態に係る半導体記憶装置1の断面構造の一例であり、メモリチップMCとCMOSチップCCとが貼り合わせられた構造を示している。また、
図20は、メモリ領域MR1内の導電体層33(選択ゲート線SGD)に対応する構成と、メモリ領域MR2内の導電体層33(選択ゲート線SGD)に対応する構成とを抽出して示している。
図20に示すように、センスアンプ領域SRにおいて、CMOSチップCCは、トランジスタTR9a及びTR9bを含んでいる。
【0137】
トランジスタTR9aは、メモリ領域MR1に設けられた選択ゲート線SGDに対応して設けられた転送スイッチWLSWである。トランジスタTR9bは、メモリ領域MR2に設けられた選択ゲート線SGDに対応して設けられた転送スイッチWLSWである。トランジスタTR9a及びTR9bの組は、第1実施形態で説明したトランジスタTR9に対応している。トランジスタTR9a及びTR9bのそれぞれの構造は、第1実施形態で説明したトランジスタTR7の構造と同様である。また、センスアンプ領域SRにおける選択ゲート線SGS並びにワード線WL0~WL7のいずれかに関連付けられたトランジスタTRの構造は、第1実施形態で説明したトランジスタTR7の構造と同様である。
【0138】
第2実施形態に係る半導体記憶装置1は、メモリ領域MR1の下方に配置されたトランジスタTRと、メモリ領域MR2の下方に配置されたトランジスタTRとを有し得る。つまり、ロウデコーダRD内の複数のトランジスタTRは、メモリピラーMPの下方に配置されたトランジスタTRと、引出領域HRの下方に配置されたトランジスタTRとを含み得る。例えば、メモリ領域MR1又はMR2の下方に配置されたトランジスタTRに接続された導電体層57は、配線層D2において、X方向に延伸した部分を有している。トランジスタTRの上方に配置されたメモリピラーMPに接続された導電体層35は、配線層M1において、X方向に延伸した部分を有している。
【0139】
例えば、引出領域HR内の貼合パッドBPと転送スイッチWLSWとの間を接続する一部の配線(例えば導電体層57)は、引出領域HRの中間線に近づくにつれて短くなるように設計される。また、図示が省略されているが、ビット線BLと配線BLIとを接続する配線の長さは、例えば引出領域HRから離れるにつれて短くなるように設計される。第2実施形態に係る半導体記憶装置1のその他の構造は、第1実施形態と同様である。
【0140】
[2-2]第2実施形態の効果
図21は、第2実施形態に係る半導体記憶装置1の構造の一例を示し、
図18と類似した模式図である。
図21に示すように、第2実施形態に係る半導体記憶装置は、2つのメモリ領域MR1及びMR2に挟まれた引出領域HRを有し、且つ転送領域XRの一部がメモリ領域MR1及びMR2と重なっている。
【0141】
これにより、第2実施形態に係る半導体記憶装置1は、第1実施形態と同様に、引出領域HRにおける階段構造を最小ピッチで形成することが出来る。その結果、第2実施形態に係る半導体記憶装置1は、第1実施形態と同様に、チップ面積を縮小することが出来、半導体記憶装置1の製造コストを抑制することが出来る。
【0142】
[3]第3実施形態
第3実施形態に係る半導体記憶装置1は、メモリセルアレイ10やセンスアンプモジュール14等が同一の半導体基板を用いて形成された構造を有する。そして、第3実施形態に係る半導体記憶装置1は、第1実施形態と同様に、メモリセルアレイ10とロウデコーダモジュール16の一部とが重なって設けられた構造を有する。以下に、第3実施形態に係る半導体記憶装置1について、第1及び第2実施形態と異なる点を説明する。
【0143】
[3-1]半導体記憶装置1の構造
図22は、第3実施形態に係る半導体記憶装置1の全体構造の一例を示している。
図22に示すように、第3実施形態に係る半導体記憶装置1は、上層部UP及び下層部LPを含んでいる。上層部UP及び下層部LPは、1つの半導体基板を用いて形成される。上層部UPに含まれた機能回路及び領域は、例えば第1実施形態におけるメモリチップMCと同様である。下層部LPに含まれた機能回路及び領域は、例えば第1実施形態におけるCMOSチップCCと同様である。また、上層部UPは、例えばメモリ領域MR並びに引出領域HR1及びHR2において、複数のコンタクト領域C4Tを含んでいる。
【0144】
コンタクト領域C4Tは、上層部UPを貫通するコンタクトが設けられる領域である。当該コンタクトは、メモリセルアレイ10の上方に設けられた回路と、メモリセルアレイ10の下方に設けられた回路との接続に使用される。例えば、上層部UPに設けられた積層配線(例えばワード線WL)は、メモリセルアレイ10の上方の配線とコンタクト領域C4T内のコンタクトとを介して、メモリセルアレイ10の下方のロウデコーダモジュール16に接続される。同様に、上層部UPに設けられたビット線BLは、メモリセルアレイ10の上方の配線とコンタクト領域C4T内のコンタクトとを介して、メモリセルアレイ10の下方のセンスアンプモジュール14に接続される。
【0145】
X方向に延伸して設けられたコンタクト領域C4Tは、隣り合う2つのブロックBLKの境界部分に配置される。X方向に延伸して設けられたコンタクト領域C4Tは、積層配線の形成が省略され、絶縁体が埋め込まれた構造を有していても良い。この場合、コンタクト領域C4TとY方向に隣り合う部分には、例えば積層配線のダミー階段構造が形成される。Y方向に延伸して設けられたコンタクト領域C4Tは、積層配線の一部が絶縁体に置き換えられた構造を有していても良い。
【0146】
図23は、第3実施形態に係る半導体記憶装置1の断面構造の一例であり、上層部UP及び下層部LPを含む断面を示している。また、
図23は、ワード線WL7に対応するトランジスタTR8と、メモリ領域MR内の1本のビット線BLに対応するトランジスタT8とを抽出して示している。
図23に示すように、第3実施形態に係る半導体記憶装置1は、例えば半導体基板50上に形成される。そして、上層部UPにおける構造は、第1実施形態におけるメモリチップMCの構造が上下に反転した構造と類似している。
【0147】
例えば、第1実施形態に係る半導体記憶装置1では、半導体基板50と導電体層34(ビット線BL)との間のZ方向における間隔が、半導体基板50と導電体層32(ワード線WL)との間のZ方向における間隔よりも狭い。一方で、第3実施形態に係る半導体記憶装置1では、半導体基板50と導電体層34との間のZ方向における間隔が、半導体基板50と導電体層32との間のZ方向における間隔よりも広い。
【0148】
下層部LPにおける構造は、第1実施形態におけるCMOSチップCCに対して、貼合パッドBPが導電体層60に置き換えられた構造と同様である。具体的には、センスアンプ領域SRにおいて、コンタクトC3上には、導電体層60が設けられる。センスアンプ領域SRにおける導電体層60の配線レイアウトは、第1実施形態で説明した導電体層35(配線BLI)と同様である。導電体層60の上には、柱状のコンタクトC4が設けられる。コンタクトC4は、導電体層30~33を貫通して設けられている。そして、コンタクトC4と導電体層30~33との間は、例えばスペーサSPによって離隔及び絶縁されている。トランジスタT8に接続されたコンタクトC4の上面は、関連付けられたビット線BLに接続された導電体層35と接触している。
【0149】
同様に、転送領域XR1において、コンタクトC3上には、導電体層60が設けられる。転送領域XR1における導電体層60の配線レイアウトは、例えば第1実施形態で説明した導電体層57と同様である。導電体層57の上には、柱状のコンタクトC4が設けられる。転送領域XR1に対応するコンタクトC4の構造は、センスアンプ領域SRに対応するコンタクトC4の構造と同様である。トランジスタTR8に接続されたコンタクトC4の上面は、ワード線WL7に接続された導電体層38と接触している。
【0150】
第3実施形態に係る半導体記憶装置1において、ロウデコーダRD内の複数のトランジスタTRは、メモリピラーMPの下方に配置されたトランジスタTRと、引出領域HRの下方に配置されたトランジスタTRとを含み得る。例えば、メモリ領域MRの下方に配置されたトランジスタTRに接続された導電体層57は、配線層D2において、X方向に延伸した部分を有している。トランジスタTRの上方に配置されたメモリピラーMPに接続された導電体層35は、配線層M1において、X方向に延伸した部分を有している。
【0151】
例えば、引出領域HR内の貼合パッドBPと転送スイッチWLSWとの間を接続する一部の配線(例えば導電体層57)は、第1実施形態と同様に、外側に配置されるほど、X方向に延伸する部分が短くなるように設計される。また、ビット線BLと配線BLIとを接続する配線の長さは、第1実施形態と同様に、外側のビット線BLに対応するほど、X方向に延伸する部分が長くなるように設計される。第3実施形態に係る半導体記憶装置1のその他の構造は、第1実施形態と同様である。
【0152】
[3-2]第3実施形態の効果
メモリセルアレイ10及び周辺回路が1つの半導体基板を用いて形成される場合、メモリセルアレイ10と周辺回路との間は、例えばメモリセルアレイ10の上方の配線を介して接続される。そして、メモリセルアレイ10とロウデコーダモジュール16との接続するためのコンタクトC4は、例えば積層配線の階段部分に設けられたコンタクト領域C4T、若しくは階段部分の外側に配置される。
【0153】
図24は、第3実施形態に係る半導体記憶装置1の構造の一例を示し、
図18と類似した模式図である。
図24に示すように、第3実施形態に係る半導体記憶装置は、メモリセルアレイ10の上方の配線を介して、メモリセルアレイ10と周辺回路とが接続された構造を有する。そして、第3実施形態に係る半導体記憶装置1では、第1実施形態と同様に、転送領域XR1及びXR2のそれぞれの一部がメモリ領域MRと重なっている。
【0154】
これにより、第3実施形態に係る半導体記憶装置1は、引出領域HRのレイアウトと転送領域XRのレイアウトとを独立で設計することが出来、引出領域HRの大きさを最小化することが出来る。その結果、第3実施形態に係る半導体記憶装置1は、チップ面積を縮小することが出来、半導体記憶装置1の製造コストを抑制することが出来る。
【0155】
[3-3]第3実施形態の変形例
第3実施形態で説明された構造と、第2実施形態で説明された構造とは、組み合わせることが出来る。
図25は、第3実施形態の変形例に係る半導体記憶装置1における上層部UPの平面レイアウトの一例であり、ブロックBLK0及びBLK1に対応する領域を抽出して示している。
図25に示すように、第3実施形態の変形例において、上層部UPは、例えば第2実施形態におけるメモリチップMCの平面レイアウトと類似し、さらにコンタクト領域C4Tを含んでいる。
【0156】
第3実施形態の変形例において、コンタクト領域C4Tは、選択ゲート線SGSのテラス部分の近傍に設けられている。そして、コンタクト領域C4Tには、図示が省略されているが、複数のコンタクトC4が配置される。例えば、第3実施形態の変形例におけるコンタクト領域C4Tは、第2実施形態における積層配線部の階段加工時に、ソース線SLの一部を除去することによって形成される。第3実施形態の変形例に係る半導体記憶装置1のその他の構造は、第2実施形態又は第3実施形態と同様である。
【0157】
第3実施形態の変形例に係る半導体記憶装置1は、第1~第3実施形態と同様に、チップ面積を縮小することが出来、半導体記憶装置1の製造コストを抑制することが出来る。
【0158】
[4]その他の変形例等
実施形態の半導体記憶装置は、基板と、第1メモリセルと、第1ビット線と、第1ワード線と、第1トランジスタと、第2トランジスタと、を含む。第1メモリセルは、基板の上方に設けられる。第1ビット線は、第1方向に延伸して設けられ、第1メモリセルに接続される。第1ワード線は、第1方向と交差する第2方向に延伸して設けられ、第1メモリセルに接続される。第1トランジスタは、基板の上に設けられ、第1ビット線に接続される。第2トランジスタは、第1メモリセルの下方、且つ基板の上に設けられ、第1ワード線に接続される。これにより、実施形態に係る半導体記憶装置のチップ面積は縮小され得る。
【0159】
上記実施形態において、メモリピラーMPは、複数のピラーがZ方向に2本以上連結された構造を有していても良い。また、メモリピラーMPは、選択ゲート線SGDに対応するピラーと、ワード線WLに対応するピラーとが連結された構造であっても良い。また、コンタクトCV、CP、CS、C0~C3、V1、及びV2のそれぞれは、複数のコンタクトが連結された構造を有していても良い。この場合に、連結されたコンタクトの間に、配線層が挿入されても良い。
【0160】
メモリピラーMP、並びにコンタクトCV、CP、CS、C0~C3、V1、及びV2のそれぞれは、テーパー形状又は逆テーパー形状を有していても良いし、中間部分が膨らんだ形状を有していても良い。同様に、スリットSLTがテーパー形状又は逆テーパー形状を有していても良いし、中間部分が膨らんだ形状を有していても良い。また、メモリピラーMPの断面構造が円形である場合について例示したが、メモリピラーMPの断面構造は楕円形であっても良く、任意の形状に設計され得る。
【0161】
上記実施形態では、ワード線WL等の積層配線が引出領域HRにおいてY方向に段差を有する階段構造を形成する場合について例示したが、これに限定されない。例えば、積層されたワード線WL並びに選択ゲート線SGD及びSGSの端部は、X方向に段差が形成されても良い。引出領域HRにおける積層されたワード線WL並びに選択ゲート線SGD及びSGSの端部は、任意の列数の階段状に設計され得る。形成される階段構造は、選択ゲート線SGSと、ワード線WLと、選択ゲート線SGDとの間で異なっていても良い。
【0162】
上記実施形態では、半導体記憶装置1がNAND型フラッシュメモリである場合について例示したが、上記実施形態における半導体記憶装置1の構造は、その他の記憶装置に対して適用されても良い。例えば、半導体記憶装置1は、メモリセルとして抵抗変化素子が使用された抵抗変化メモリであっても良い。少なくとも縦方向(例えばY方向)の配線を駆動する回路と、横方向(例えばX方向)の配線を駆動する回路とを有する記憶装置であれば、上記実施形態における半導体記憶装置1と同様の構造が適用され得、同様の効果を得ることが出来る。
【0163】
本明細書において“接続”は、電気的に接続されている事を示し、例えば間に別の素子を介することを除外しない。“電気的に接続される”は、電気的に接続されたものと同様に動作することが可能であれば、絶縁体を介していても良い。“柱状”は、半導体記憶装置1の製造工程において形成されたホール内に設けられた構造体であることを示している。本明細書において、“最小ピッチ”は、半導体記憶装置の製造工程において加工可能な最小寸法に対応し、製造装置及び製造方法の進歩に応じて小さくなり得る。
【0164】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことが出来る。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0165】
1…半導体記憶装置、2…メモリコントローラ、10…メモリセルアレイ、11…コマンドレジスタ、12…アドレスレジスタ、13…シーケンサ、14…センスアンプモジュール、15…ドライバモジュール、16…ロウデコーダモジュール、20~25…絶縁体層、30~39…導電体層、40…半導体層、41…トンネル絶縁膜、42…絶縁膜、43…ブロック絶縁膜、50…半導体基板、51~58,60…導電体層、M0~M2,D0~D3…配線層、C0~C4,V1,V2,CT,CV…コンタクト、MR…メモリ領域、HR…引出領域、XR…転送領域、SR…センスアンプ領域、PERI…周辺回路領域、PR…パッド領域、C4T…コンタクト領域、BL…ビット線、WL…ワード線、SGD,SGS…選択ゲート線、BLK…ブロック、SU…ストリングユニット、MT…メモリセルトランジスタ、ST1,ST2…選択トランジスタ、SAU…センスアンプユニット、T0~T9…トランジスタ、RD…ロウデコーダ、TR0~TR17…トランジスタ、CG,SGDD,SGSD,USGD,USGS…信号線