IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東芝ライフスタイル株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-電気掃除機 図1
  • 特許-電気掃除機 図2
  • 特許-電気掃除機 図3
  • 特許-電気掃除機 図4
  • 特許-電気掃除機 図5
  • 特許-電気掃除機 図6
  • 特許-電気掃除機 図7
  • 特許-電気掃除機 図8
  • 特許-電気掃除機 図9
  • 特許-電気掃除機 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-12
(45)【発行日】2024-07-23
(54)【発明の名称】電気掃除機
(51)【国際特許分類】
   A47L 9/28 20060101AFI20240716BHJP
【FI】
A47L9/28 N
A47L9/28 A
A47L9/28 P
A47L9/28 U
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019194651
(22)【出願日】2019-10-25
(65)【公開番号】P2021065545
(43)【公開日】2021-04-30
【審査請求日】2022-05-10
(73)【特許権者】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100205785
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼橋 史生
(74)【代理人】
【識別番号】100203297
【弁理士】
【氏名又は名称】橋口 明子
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100135301
【弁理士】
【氏名又は名称】梶井 良訓
(72)【発明者】
【氏名】槙島 光希
(72)【発明者】
【氏名】柏原 裕
【審査官】新井 浩士
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-102127(JP,A)
【文献】特開2012-061115(JP,A)
【文献】特開2010-269043(JP,A)
【文献】特開2010-063573(JP,A)
【文献】特開2002-078654(JP,A)
【文献】特開平10-248774(JP,A)
【文献】特開2019-092831(JP,A)
【文献】特開2006-158567(JP,A)
【文献】特開2019-025144(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 5/24,9/00-9/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気掃除機であって、
掃除機本体に設けられ、吸引力を生じさせる第1モータと
吸込口体に設けられ、回転ブラシを回転させる第2モータと、
前記第1モータおよび前記第2モータに電力を供給する二次電池と、
所定の運転モードで運転されている状態で前記吸込口体が被掃除面から離れたことが検出された場合、前記第1モータおよび前記第2モータのうち少なくとも一方のモータの駆動を停止または抑制し、第1所定時間以内に前記吸込口体が前記被掃除面に接地したことが検出された場合、前記少なくとも一方のモータの駆動を再開させる制御部と、
を備え、
前記所定の運転モードは、制限時間が設定された制限運転モードを含み、
前記制御部は、
前記制限運転モードで運転されている状態で前記吸込口体が前記被掃除面から離れたことが検出された場合、前記少なくとも一方のモータの駆動を停止または抑制するとともに、前記制限時間のカウントを停止させ、または前記カウントの周期を長くすることで前記カウントの頻度を低下させ、
前記第1所定時間以内に前記吸込口体が前記被掃除面に接地したことが検出された場合、前記少なくとも一方のモータの駆動を前記制限運転モードで再開するとともに、前記制限時間の残り時間に対する前記カウントを再開しまたは前記制限時間の残り時間に対する前記カウントの頻度を元に戻し、その後、前記制限時間の残り時間が経過した場合に前記制限運転モードで前記少なくとも一方のモータを駆動することを終了させて前記制限運転モードの直前の運転モードによって前記電気掃除機を運転する、
電気掃除機。
【請求項2】
ユーザの操作を受け付ける受付部を更に備え、
前記制御部は、前記制限運転モードで運転されている状態で前記吸込口体が前記被掃除面から離れたことが検出された場合、前記少なくとも一方のモータの駆動を停止または抑制するとともに、前記制限時間の前記カウントを停止させまたは前記カウントの周期を長くすることで前記カウントの頻度を低下させ、前記電気掃除機を運転させるユーザの操作が前記受付部により受け付けられた場合、前記少なくとも一方のモータの駆動を前記制限運転モードで再開するとともに、前記制限時間の残り時間に対する前記カウントを再開しまたは前記制限時間の残り時間に対する前記カウントの頻度を元に戻す、
請求項1に記載の電気掃除機。
【請求項3】
前記制御部は、前記制限運転モードで運転されている状態で前記吸込口体が前記被掃除面から離れたことが検出された場合、前記少なくとも一方のモータの駆動を停止または抑制し、第2所定時間以内に前記吸込口体が前記被掃除面に接地したことが検出されない場合、前記電気掃除機の運転を終了する、
請求項1または請求項2に記載の電気掃除機。
【請求項4】
ユーザの操作を受け付ける受付部を更に備え、
前記制御部は、前記制限運転モードで運転されている状態で前記吸込口体が前記被掃除面から離れたことが検出された場合、前記少なくとも一方のモータの駆動を停止または抑制するとともに、前記制限時間の前記カウントを停止させまたは前記カウントの周期を長くすることで前記カウントの頻度を低下させ、前記吸込口体が前記掃除機本体から取り外された状態が第3所定時間以上継続した場合、前記電気掃除機の運転を終了し、前記電気掃除機を運転させるユーザの操作が前記受付部により受け付けられた場合、前記少なくとも一方のモータの駆動を前記制限運転モードで再開するとともに、前記制限時間の残り時間に対する前記カウントを再開するまたは前記制限時間の残り時間に対する前記カウントの頻度を元に戻す、
請求項1から請求項のうちいずれか一項に記載の電気掃除機。
【請求項5】
前記電気掃除機に関する状態を報知する報知部を更に備え、
前記報知部は、前記吸込口体が前記被掃除面から離れたことが検出された場合、所定の報知を行う、
請求項1から請求項のうちいずれか一項に記載の電気掃除機。
【請求項6】
前記制御部は、前記制限運転モードで運転されている状態で前記吸込口体が前記被掃除面から離れたことが検出された場合、前記少なくとも一方のモータの駆動を停止し、その状態で充電が開始された場合、充電モードに移行するとともに、前記制限時間の前記カウントをリセットする、
請求項1から請求項のうちいずれか一項に記載の電気掃除機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、電気掃除機に関する。
【背景技術】
【0002】
掃除機本体に設けられて吸引力を生じさせるメインモータと、吸込口体に設けられて回転ブラシを回転させる回転ブラシモータとを備えた電気掃除機が知られている。このような電気掃除機は、さらなる利便性の向上が期待されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-47051号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、ユーザの利便性の向上を図ることができる電気掃除機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の電気掃除機は、第1モータと、第2モータと、二次電池と、制御部とを持つ。前記第1モータは、掃除機本体に設けられ、吸引力を生じさせる。前記第2モータは、吸込口体に設けられ、回転ブラシを回転させる。前記二次電池は、前記第1モータおよび前記第2モータに電力を供給する。前記制御部は、所定の運転モードで運転されている状態で前記吸込口体が被掃除面から離れたことが検出された場合、前記第1モータおよび前記第2モータのうち少なくとも一方のモータの駆動を停止または抑制し、第1所定時間以内に前記吸込口体が前記被掃除面に接地したことが検出された場合、前記少なくとも一方のモータの駆動を再開させる。前記所定の運転モードは、制限時間が設定された制限運転モードを含む。前記制御部は、前記制限運転モードで運転されている状態で前記吸込口体が前記被掃除面から離れたことが検出された場合、前記少なくとも一方のモータの駆動を停止または抑制するとともに、前記制限時間のカウントを停止させ、または前記カウントの周期を長くすることで前記カウントの頻度を低下させ、前記第1所定時間以内に前記吸込口体が前記被掃除面に接地したことが検出された場合、前記少なくとも一方のモータの駆動を前記制限運転モードで再開するとともに、前記制限時間の残り時間に対する前記カウントを再開しまたは前記制限時間の残り時間に対する前記カウントの頻度を元に戻し、その後、前記制限時間の残り時間が経過した場合に前記制限運転モードで前記少なくとも一方のモータを駆動することを終了させて前記制限運転モードの直前の運転モードによって前記電気掃除機を運転する
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】実施形態の電気掃除機装置を示す斜視図。
図2】実施形態の電気掃除機の回路構成の一部を示す回路構成図。
図3】実施形態の運転モード情報の内容の一例を示す図。
図4】実施形態の運転モードの決定処理を説明するための図。
図5】実施形態の電気掃除機の動作終了処理を説明するための図。
図6】実施形態の電気掃除機の一連の動作の一例を示すフローチャート。
図7】実施形態の電気掃除機の一連の動作の一例を示すフローチャート。
図8】実施形態の電気掃除機の一連の動作の一例を示すフローチャート。
図9】実施形態のカウントのリセット処理の一例を示すフローチャート。
図10】実施形態の残時間情報の内容の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態の電気掃除機を、図面を参照して説明する。以下の説明では、同一または類似の機能を有する構成に同一の符号を付す。そして重複する説明は省略する場合がある。本明細書で「XXに基づく」とは、「少なくともXXに基づく」ことを意味し、XXに加えて別の要素に基づく場合も含む。また「XXに基づく」とは、XXを直接に用いる場合に限定されず、XXに対して演算や加工が行われたものに基づく場合も含む。「XX」は、任意の要素(例えば、任意の情報)である。本明細書で「接続」とは、電気的な接続である場合も含む。
【0008】
(実施形態)
<1.全体構成>
以下、図面を参照し、実施形態の電気掃除機装置1について説明する。図1は、実施形態の電気掃除機装置1を示す斜視図である。電気掃除機装置1は、例えば、電気掃除機10と、充電装置(支持装置)20とを備えている。電気掃除機10は、例えば、いわゆるスティック型の電気掃除機であり、二次電池が内蔵されたコードレスタイプの電気掃除機である。ただし、電気掃除機10は、上記例に限定されず、車輪を含む掃除機本体を有したキャニスタ型や、その他の形式の電気掃除機でもよい。
【0009】
<1.1 電気掃除機10>
まず、電気掃除機10について説明する。電気掃除機10は、例えば、掃除機本体110、延長管120、および吸込口体(床ブラシ)130を備えている。
【0010】
掃除機本体110は、例えば、本体ケース111、把持部112、集塵装置113、電動送風機114、二次電池115、接続端子116A,116B(不図示)、および本体制御部117を含む。
【0011】
本体ケース111は、掃除機本体110の外郭を形成している。本体ケース111には、電動送風機114、二次電池115、および本体制御部117が収容されている。本体ケース111は、後述する延長管120の一端が接続される延長管接続部111aを有する。
【0012】
把持部112は、本体ケース111の上後端部に設けられている。把持部112は、床面(被掃除面)を掃除する際に、ユーザにより把持される部位である。把持部112には、電気掃除機10の運転に関するユーザの操作を受け付ける操作部500が設けられている。本明細書でいう「床面」とは、絨毯や畳なども含む。
【0013】
集塵装置113は、本体ケース111に装着されている。集塵装置113は、後述する電動送風機114の働きにより掃除機本体110に吸い込まれた空気中に含まれる塵埃を分離する装置である。例えば、集塵装置113は、遠心分離式の集塵装置である。ただし、集塵装置113は、紙パックを含む濾過式の集塵装置などでもよい。
【0014】
電動送風機114は、ファンモータまたはメインモータと呼ばれる送風モータ114aを含む。電動送風機114は、送風モータ114aが駆動することで負圧を発生させ、掃除機本体110に吸引力を生じさせる。電動送風機114は、発生させた負圧により、後述する吸込口体130の吸込口137から集塵装置113へ含塵空気を吸い込む。電動送風機114は、集塵装置113にて塵埃が分離された空気を電気掃除機10の外部に排気する。送風モータ114aは、例えば、直流モータであるが、これに限定されない。送風モータ114aは、「第1モータ」の一例である。
【0015】
二次電池115は、送風モータ114aおよび後述する回転ブラシモータ134などに電力を供給する電源部である。二次電池115は、複数の電池が直列あるいは並列に接続された電池パックである。電気掃除機10は、例えば、電気掃除機10の非使用時に、後述する充電装置20に装着される。この時、接続端子116A,116Bと、充電装置20が備える接続端子220A,220Bとが接続される。これにより、二次電池115は、充電装置20から電力供給を受けて充電される。
【0016】
本体制御部117は、電動送風機114を制御する制御回路を含む。本体制御部117は、例えばマイクロコンピュータを備えた回路基板により実現される。本体制御部117は、後述する電動送風機制御部140、主制御部145、および記憶部146を含む。
【0017】
次に、延長管120について説明する。延長管120は、例えば長尺状に形成されており、第1端部121と、第2端部122とを有する。延長管120の第1端部121は、掃除機本体110の延長管接続部111aに気密に接続される。延長管120の第2端部122は、吸込口体130に気密に接続される。延長管120の内部には、掃除機本体110と吸込口体130とを電気的に接続する接続配線が設けられている。
【0018】
次に、吸込口体130について説明する。吸込口体130は、床面に沿って移動される部分である。吸込口体130は、例えば、吸込口体ケース131、接続管132、回転ブラシ133、回転ブラシモータ134、モータ制御部135、および床面検出部136を含む。
【0019】
吸込口体ケース131は、横長、すなわち左右方向に長手状に形成されている。吸込口体ケース131内には、回転ブラシ133、回転ブラシモータ134、およびモータ制御部135が収容されている。また、吸込口体ケース131は、床面に対向する下部に吸込口137を有する。吸込口137は、電動送風機114が駆動されることで、床面の塵埃を吸い込む開口部である。
【0020】
接続管132は、吸込口体ケース131と延長管120の第2端部122とを気密に接続するための部分であり、吸込口体ケース131に回動可能に接続されている。接続管132により吸込口体ケース131と延長管120とが接続されることで、吸込口体ケース131の吸込口137から延長管120を経由して掃除機本体110に至る風路が形成される。
【0021】
回転ブラシ133は、吸込口137に設けられ、床面に沿って配置されている。回転ブラシ133は、吸込口体ケース131に対して回動可能に設けられている。回転ブラシ133は、床面から塵埃を浮かせる、または絨毯などの毛先を立たせるなどの働きをする。
【0022】
回転ブラシモータ134は、不図示の回転駆動機構を介して回転ブラシ133に機械的に接続され、回転ブラシ133を駆動する(回転させる)。回転ブラシモータ134は、「第2モータ」の一例である。
【0023】
モータ制御部135は、回転ブラシモータ134を制御する制御回路を含む。モータ制御部135は、例えばマイクロコンピュータを備えた回路基板により実現される。モータ制御部135は、後述する主制御部145の制御指令と、回転ブラシモータ134に入力される入力電流を検出する検出部(不図示)の検出結果とに基づいて、回転ブラシモータ134を回転させる。なお、モータ制御部135は、本体制御部117と一体に設けられてもよい。この場合、モータ制御部135と本体制御部117とは一つの回路基板により実現されてもよい。
【0024】
床面検出部136は、例えば、吸込口体130のうち、床面(被掃除面)との接地箇所に設けられ、吸込口体130に対する床面の接地状態を検出する。床面検出部136は、例えば、マイクロスイッチ等のスイッチにより実現される。床面検出部136は、スイッチが床面によって押されている場合、メーク状態となり、吸込口体130が床面に接地していると検出する。一方で、床面検出部136は、スイッチが床面によって押されていない場合、ブレーク状態となり、吸込口体130が床面に接地していないと検出する。床面検出部136は、床面に対する吸込口体130の接地状態を示す検出結果を後述する主制御部145に出力する。
【0025】
<1.2 充電装置20>
次に、充電装置20について説明する。非使用時の電気掃除機10は、例えば延長管120が縮められた状態で充電装置20に取り付けられる。充電装置20は、受け部210を有し、電気掃除機10を支持する。受け部210は、電気掃除機10の外形に対応した窪みである。充電装置20の受け部210は、例えば、電気掃除機10の吸込口体130を下方から支持する吸込口体受け部210aと、電気掃除機10の延長管120を後方から支持する延長管受け部210bとを含む。
【0026】
充電装置20は、外部電源に電気的に接続される。充電装置20は、接続端子220A,220Bを備える。電気掃除機10が充電装置20に取り付けられた場合、接続端子220A,220Bと、電気掃除機10の接続端子116A,116Bとは、接続される。充電装置20は、接続端子220A,220Bと、電気掃除機10の接続端子116A,116Bとが接続されると、これらの接続端子を介して電気掃除機10に電力を供給する。なお、充電装置20は、上述した構成に代えて、コンセントに接続されるアダプタ本体と、電気掃除機10に接続されるプラグと、アダプタ本体とプラグとを繋ぐコードとから構成されたACアダプタなどでもよい。
【0027】
<2.回路構成>
図2は、電気掃除機10の回路構成の一部を示す回路構成図である。電気掃除機10は、例えば、電動送風機制御回路C1と、モータ制御回路C2とを含む。
【0028】
まず、電動送風機制御回路C1について説明する。電動送風機制御回路C1は、例えば、電動送風機114、電動送風機制御部140、第1スイッチングユニット141、主制御部145、および記憶部146を含む。第1スイッチングユニット141および電動送風機114は、二次電池115に対して直列に接続されている。
【0029】
第1スイッチングユニット141は、1つ以上の半導体スイッチング素子を含む。第1スイッチングユニット141が閉じることにより、電動送風機114に対して二次電池115から電力が供給される。一方で、第1スイッチングユニット141が開くことにより、電動送風機114に対する二次電池115からの電力の供給が停止される。第1スイッチングユニット141がPWM(Pulse Width Modulation)制御により所定の周期でON/OFF制御されることで、二次電池115から電動送風機114にパルス状の入力電力が供給される。
【0030】
電動送風機制御部140は、例えば、主制御部145から与えられる制御指令に基づいて、第1スイッチングユニット141のON/OFFのタイミングを切り替えることで、二次電池115から電動送風機114に供給される入力電力のデューティ比を変更する。電動送風機制御部140は、送風モータ114aに供給される入力電力のデューティ比を変更することで、送風モータ114aの回転数を変更する。
【0031】
次に、モータ制御回路C2について説明する。モータ制御回路C2は、第2スイッチングユニット142、回転ブラシモータ134、およびモータ制御部135を含む。第2スイッチングユニット142および回転ブラシモータ134は、二次電池115に対して直列に接続されている。
【0032】
第2スイッチングユニット142は、少なくとも1つの半導体スイッチング素子を含む。第2スイッチングユニット142が閉じることにより、回転ブラシモータ134に対して二次電池115から電圧が印加される。一方で、第2スイッチングユニット142が開くことにより、回転ブラシモータ134に対する二次電池115からの電圧の印加が停止される。第2スイッチングユニット142がON/OFF制御されることで、二次電池115から回転ブラシモータ134への電圧印加がON/OFF制御される。
【0033】
モータ制御部135は、例えば、主制御部145から与えられる制御指令に基づいて、第2スイッチングユニット142のON/OFFのタイミングを切り替えることで、二次電池115から回転ブラシモータ134に供給される入力電力のデューティ比を変更する。モータ制御部135は、回転ブラシモータ134に供給される入力電力のデューティ比を変更することで、回転ブラシモータ134の回転数を変更する。
【0034】
主制御部145は、操作部500によって受け付けられたユーザの操作と、床面検出部136の検出結果とに基づいて、電気掃除機10の運転モードを決定する。主制御部145が運転モードを決定する決定処理の詳細については、後述する。主制御部145は、電動送風機制御部140およびモータ制御部135に対して決定した運転モードに対応する所定の制御指令を出力することで、送風モータ114aおよび回転ブラシモータ134を駆動させる。操作部500は、例えば、運転モードを選択するユーザの操作を受け付ける操作ボタン502(図2参照)と、ユーザに対して各種情報を報知する報知部504(図2参照)とを備える。報知部504は、例えば、音を出力したり、光を点灯若しくは消灯させたり、表示画面に情報を表示したり、または音(例えば音声)を出力することにより、ユーザに各種情報を報知する。以下では、報知部504がランプ(例えばLED(Light Emitting Diode))である例を取り上げて説明する。
【0035】
なお、本明細書で「主制御部145が電動送風機114を制御する」とは、主制御部145からの制御指令に基づいて、電動送風機制御部140が第1スイッチングユニット141を制御することで、電動送風機114が制御される場合を含み、「主制御部145が回転ブラシモータ134を制御する」とは、主制御部145からの制御指令に基づいて、モータ制御部135が第2スイッチングユニット142を制御することで、回転ブラシモータ134が制御される場合を含む。
【0036】
電動送風機制御部140、モータ制御部135、主制御部145、および記憶部146により実現される機能部は、「制御部」の一例である。電動送風機制御部140、モータ制御部135、主制御部145等の機能部は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。また、これらの構成要素のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアによって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予め記憶部146等のEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等に格納される。
【0037】
<3.運転モード>
記憶部146には、運転モード情報が記憶されている。運転モード情報は、例えば、運転モードと、送風モータ114aの制御指令を示す情報と、回転ブラシモータ134の制御指令を示す情報とが、互いに対応付けられた情報である。図3は、運転モード情報の内容の一例を示す図である。本実施形態において、電気掃除機10の運転モードが、第1運転モード~第5運転モードの五つの運転モードを含む。
【0038】
本実施形態では、第2運転モードは、「強モード」の運転モードであり、第3運転モードは、「中モード(標準モード)」の運転モードであり、第4運転モードは、「弱モード」の運転モードである。そして、第1運転モードは、第2運転モードに比して、送風モータ114aの回転数が高く(つまり、吸引力が最も強い)、且つ回転ブラシモータ134の回転数が高い特別運転モード(パワーモード)である。一方で、第5運転モードは、他の運転モードに比して、送風モータ114aの回転数が低い(つまり、吸引力が最も低い)、且つ回転ブラシモータ134の回転数が低い運転モードである。以下の説明では、第5運転モードは、主制御部145が送風モータ114aの回転数が「0」となるような制御指令を出力し、且つ主制御部145が回転ブラシモータ134の回転数が「0」となるような制御指令を出力している運転モード(スタンバイモード)である。各運転モードに係る送風モータ114aの回転数は、第1運転モード>第2運転モード>第3運転モード>第4運転モード>第5運転モードの関係である。各運転モードに係る回転ブラシモータ134の回転数は、第1運転モード>第2運転モード~第4運転モード>第5運転モードの関係である。ただし、第1運転モードの回転ブラシモータ134の回転数は、第2運転モード~第4運転モードの回転ブラシモータ134の回転数と同じでもよい。第1運転モードは、「制限運転モード」の一例である。
【0039】
第1制御指令~第5制御指令は、第1運転モード~第5運転モードにおいて主制御部145が電動送風機114に出力する制御指令であり、送風モータ114aの回転数を示す制御指令である。この場合、第1運転モード~第5運転モードには、第1制御指令~第5制御指令が順に対応付けられている。
【0040】
また、第6制御指令~第8制御指令は、第1運転モード~第5運転モードにおいて主制御部145がモータ制御部135に出力する制御指令であり、回転ブラシモータ134の回転数を示す制御指令である。この場合、第1運転モードには、第6制御指令が対応付けられており、第2運転モード~第4運転モードには、第7制御指令が対応付けられており、第5運転モードには、第8制御指令が対応付けられている。
【0041】
上述したように、第1運転モードは、特別な運転モードである。第1運転モードに対応付けられた第1制御指令に示される回転数によって送風モータ114aが駆動する場合、送風モータ114aには、送風モータ114aの定格として入力可能な電流(つまり、一定以上の時間に亘って連続して入力可能な電流)よりも多い電流(つまり、一時的な過電流)が流れる。また、第1運転モードに対応付けられた第6制御指令に示される回転数によって回転ブラシモータ134が駆動する場合、回転ブラシモータ134には、回転ブラシモータ134の定格として入力可能な電流(つまり、一定以上の時間に亘って連続して入力可能な電流)よりも多い電流(つまり、一時的な過電流)が流れる。
【0042】
このため、第1運転モードで送風モータ114aが連続駆動可能な動作時間や、第1運転モードで回転ブラシモータ134が連続駆動可能な動作時間は、他の運転モードに比して短い。以下、第2運転モード~第4運転モードにおいて、送風モータ114aが連続駆動可能な動作時間や、回転ブラシモータ134が連続駆動可能な動作時間には制限時間が存在せず、第1運転モードにおいて、送風モータ114aが連続駆動可能な動作時間、および回転ブラシモータ134が連続駆動可能な動作時間には制限時間が設定されているものとする。主制御部145は、第1運転モードによって送風モータ114aおよび回転ブラシモータ134を駆動する場合、これらを連続駆動可能な動作時間(制限時間)に基づいて、第1運転モードによる駆動を停止するタイミングを制御する。以下、連続可能な動作時間を「制限時間TL」とも記載する。制限時間TLは、数[秒]~十数[秒]程度の時間であり、例えば15[秒]程度の時間である。ただし、制限時間TLは、例えば10[秒]以下の時間でもよく、例えば5[秒]でもよい。
【0043】
なお、第1運転モードは、送風モータ114aと回転ブラシモータ134とのうち一方のみの制約に基づいて制限時間が設定された運転モードでもよい。例えば上述のように、第1運転モードと第2運転モードとで回転ブラシモータ134の回転数が同じ場合、第1運転モードの制限時間は、例えば送風モータ114aの制約に基づいて設定される。
【0044】
<4.運転モードの決定処理>
以下、主制御部145が電気掃除機10の運転モードを決定する決定処理の詳細について説明する。
【0045】
<4.1 操作ボタンに対する操作に基づく決定処理>
主制御部145は、電気掃除機10が運転を停止している状態において、操作ボタン502によって第1運転モード、第2運転モード、第3運転モード、および第4運転モードのうち、いずれかの運転モードを選択するユーザの操作が行われたか否かを判定する。主制御部145は、いずれかの運転モードを選択するユーザの操作が行われたと判定した場合、選択された運転モードに応じて送風モータ114aおよび回転ブラシモータ134を駆動することを決定し、選択された運転モードと運転モード情報とに基づいて、送風モータ114aに対する制御指令および回転ブラシモータ134に対する制御指令を特定する。主制御部145は、特定した制御指令を、送風モータ114aと回転ブラシモータ134とにそれぞれ出力する。操作ボタン502は、「受付部」の一例である。例えば、第1運転モードは、ユーザが操作ボタン502を長押しすることによって選択される。
【0046】
主制御部145は、電気掃除機10が第1運転モード~第4運転モードにおいて運転されている状態において、操作ボタン502によって電気掃除機装置1の運転を終了させる操作が行われたか否かを判定する。運転を終了させるとは、電気掃除機10を電源切の状態に遷移させることである。運転を終了させるとは、例えば、第1スイッチングユニット141および第2スイッチングユニット142と二次電池115との間にある不図示の主開閉器が開かれるとともに、制御部150に対する電力の供給が停止されることである。
【0047】
<4.2 床面に対する吸込口体の接地状態に基づく決定処理>
主制御部145は、電気掃除機10が第1運転モード~第4運転モードによって運転されている状態で、吸込口体130が床面に接地していることが床面検出部136によって検出されている間、現在の運転モードで電気掃除機10の運転を継続する。一方で、主制御部145は、電気掃除機10が第1運転モード~第4運転モードによって運転されている状態で、吸込口体130が床面から離れたことが床面検出部136によって検出された場合、電気掃除機10の運転モードを第5運転モードに移行させる(すなわち、スタンバイモードである電気掃除機10の停止状態に移行させる)。これにより、電気掃除機10の省エネルギー化を図るとともに、床面から離れた吸込口体130で回転ブラシ133が回転することを抑制する。以下では、吸込口体130が床面から離れた状態が検出されることに伴い変更された第5運転モードを「節電ストップモード」とも称する。
【0048】
なお、吸込口体130が床面から離れたことが床面検出部136により検出された場合でも、吸込口体130が床面から離れた状態の継続時間が許容時間Tm未満である場合には、運転モードを第5運転モードに変更しなくてもよい。本実施形態では、主制御部145は、電気掃除機10が第1運転モード~第4運転モードによって運転されている状態で、吸込口体130が床面から離れたことが床面検出部136によって検出され、その後に許容時間Tmを超えて吸込口体130が床面から離れたことが床面検出部136によって検出された場合、電気掃除機10の運転モードを第5運転モードに変更する。本明細書でいう「吸込口体が被掃除面から離れたことが検出された場合、モータの駆動を停止または抑制する」とは、吸込口体130が床面から離れたことが検出された時点でモータの駆動を停止または抑制する場合に限らず、吸込口体130が床面から離れたことが検出され、その後、一定時間後(例えば許容時間Tmの経過後)にモータの駆動を停止または抑制する場合も含む。第1所定時間TD1と、許容時間Tmとは、第1所定時間TD1>許容時間Tmの関係である。許容時間Tmは、10[秒]以下の時間であり、例えば1[秒]以下の時間であり、例えば0.5[秒]である。
【0049】
本実施形態では、主制御部145は、吸込口体130が床面から離れたことが床面検出部136によって検出されてからの経過時間(以下、「離面カウント」と称する)が第1所定時間TD1以内である場合において、吸込口体130が床面に接地したことが床面検出部136によって再び検出された場合、第5運転モードの直前の運転モードに電気掃除機10の運転モードを戻して電気掃除機10を運転する。第1所定時間TD1は、例えば1[分]以下の時間である。
【0050】
一方で、主制御部145は、第5運転モードに変更された後、離面カウントが第1所定時間TD1の間に吸込口体130が床面に接地したことが床面検出部136によって検出されない場合、電気掃除機10の運転を終了させる。
【0051】
本実施形態では、主制御部145は、吸込口体130が床面から離れたことが床面検出部136により検出された場合、床面から吸込口体130が離れた状態であることをユーザに報知するように報知部504を制御する。例えば、主制御部145は、吸込口体130が床面から離れた状態であることを報知する点灯態様として予め定められている点灯態様によって報知部504を点灯させる。なお、報知部504は、床面から吸込口体130が離れた状態であることを音(例えば音声)におって報知してもよい。また、報知部504は、表示画面に表示される画像やイラスト、または文字などを用いて吸込口体130が床面から離れた状態であることを報知してもよい。
【0052】
<4.3 制限時間に基づく決定処理>
主制御部145は、電気掃除機10が第1運転モードによって運転されている状態において、第1運転モードによる運転が開始されてから経過した時間(以下、「第1運転モードカウント」と称する)が予め設定された制限時間TLに達した場合、第1運転モードの直前の運転モードに電気掃除機10の運転モードを戻し、戻した運転モードで電気掃除機10の運転を継続する。例えば、主制御部145は、第1運転モードの直前の運転モードが存在しない場合、第2運転モード~第4運転モードのうち、任意の運転モード(例えば第2運転モード)で電気掃除機10を運転してもよい。
【0053】
<4.4 節電ストップモードと制限時間との複合的な決定処理>
図4は、運転モードの決定処理の説明に用いられる図である。主制御部145は、電気掃除機10が第1運転モードによって運転されている状態において、吸込口体130が床面から離れたことが検出された場合、許容時間Tmの経過後に電気掃除機10の運転モードを節電ストップモードに変更し、送風モータ114aおよび回転ブラシモータ134の駆動を停止する。本実施形態では、例えば送風モータ114aおよび回転ブラシモータ134の駆動を停止するタイミングで、第1運転モードカウントのカウントも停止する。これに代えて、第1運転モードカウントのカウントは、離面カウントの開始時のタイミングで停止されてもよい。
【0054】
そして、主制御部145は、送風モータ114aおよび回転ブラシモータ134の駆動を停止してから第1所定時間TD1以内に吸込口体130が床面に接地したことが検出された場合、送風モータ114aおよび回転ブラシモータ134の駆動を第1運転モードで再開するとともに、第1運転モードカウントのカウント(すなわち、制限時間TLの残り時間に対するカウント)を再開する。そして主制御部145は、第1運転モードの開始から節電ストップモードに入るまでの経過時間に基づく制限時間TLの残り時間だけ電気掃除機10を第1運転モードで運転する。例えば、主制御部145は、第1運転モードカウントが制限時間TLに達するまでの間、電気掃除機10を第1運転モードで運転する。そして、主制御部145は、第1運転モードでの運転を再開した後、制限時間TLの残り時間が経過した場合、第1運転モードの直前に行われていた運転モード(例えば、第2運転モードから第4運転モードのいずれか)によって電気掃除機10を運転する。以下、図4を用いてこの動作の詳細について説明する。
【0055】
図4において、時刻t0までの間、電気掃除機10は、動作されておらず、電源切りの状態である。時刻t0において、ユーザは、第2運転モードによって電気掃除機10の運転を開始させる操作ボタン502を操作する。これに伴い、主制御部145は、電気掃除機10の運転モードを第2運転モードに決定し、第2制御指令を電動送風機制御部140に出力し、第7制御指令をモータ制御部135に出力する。電動送風機制御部140は、主制御部145から出力された第2制御指令に基づき電動送風機114を第2運転モードによって駆動し、モータ制御部135は、第7制御指令に基づき回転ブラシモータ134を第2運転モードによって駆動する。
【0056】
時刻t1において、ユーザは、第1運転モードによって電気掃除機10の運転させる操作ボタン502を操作する。これに伴い、主制御部145は、電気掃除機10の運転モードを第1運転モードに決定し、第1制御指令を電動送風機制御部140に出力し、第6制御指令をモータ制御部135に出力する。電動送風機制御部140は、主制御部145から出力された第1制御指令に基づき電動送風機114を第1運転モードによって駆動し、モータ制御部135は、第6制御指令に基づき回転ブラシモータ134を第1運転モードによって駆動する。また、主制御部145は、時刻t1から第1運転モードカウントのカウントを開始する。
【0057】
時刻t2において、ユーザが電気掃除機10を持ち上げたため、床面検出部136の検出結果が、吸込口体130が床面に接地していない状態であることを示す。主制御部145は、吸込口体130が床面に接地していない状態となった時刻t2から離面カウント開始する。主制御部145は、床面検出部136の検出結果と離面カウントのカウント値とに基づいて、時刻t2から許容時間Tmが経過するまで吸込口体130が床面に接地していない状態が継続していると判定し、この判定に基づいて電気掃除機10の運転モードを節電ストップモードに変更する。
【0058】
また、主制御部145は、電気掃除機10の運転モードを節電ストップモードに変更したタイミングにおいて、第1運転モードカウントのカウントを停止する。この時、第1運転モードカウントのカウント値は、時刻t1から(時刻t2+許容時間Tm)までの経過時間D3を示す。本明細書でいう「吸込口体が被掃除面から離れたことが検出された場合、制限時間のカウントを停止または抑制する」とは、吸込口体130が床面から離れたことが検出された時点で制限時間のカウントを停止または抑制する場合に限らず、吸込口体130が床面から離れたことが検出され、その後、一定時間後(例えば許容時間Tmの経過後)に制限時間のカウントを停止または抑制する場合も含む。
【0059】
なお、時刻t1から時刻t4までの第1運転モード運転中において、床面検出部136の検出結果が、吸込口体130が床面に接地していない状態であることを示す場合であっても、離面カウントのカウント値が許容時間Tm未満である場合、主制御部145は、運転モードを節電ストップモードに変更せず、第1運転モードの運転を継続する。
【0060】
時刻t3において、ユーザが電気掃除機10を床面に下したため、床面検出部136の検出結果が、吸込口体130が床面に接地している状態であることを示す。主制御部145は、離面カウントのカウント値が、第1所定時間TD1に達していないため、時刻t3において離面カウントを停止し、電気掃除機10の運転モードを第1運転モードに決定する。これに伴い、主制御部145は、時刻t3において第1制御指令を電動送風機制御部140に出力し、第6制御指令をモータ制御部135に出力する。また、主制御部145は、時刻t3から第1運転モードカウントのカウントを再開させる。第1運転モードカウントのカウントを再開させるとは、停止されたカウント値である経過時間D3の続きからカウントを開始させることである。
【0061】
時刻t4において、主制御部145は、第1運転モードカウントの合計時間(つまり、経過時間D3+時刻t3から時刻t4までの経過時間D4の合計時間)が制限時間TLに達したと判定する。主制御部145は、時刻t4において、第1運転モードカウントを停止およびリセットし、第1運転モードの直前に動作していた運転モードを以降の運転モードとして決定する。図4において、電気掃除機10は、第1運転モードの運転を開始した時刻t1以前は第2運転モードによって動作していたため、主制御部145は、第2運転モードを運転モードとして決定し、第2制御指令を電動送風機制御部140に出力し、第7制御指令をモータ制御部135に出力する。電動送風機制御部140は、主制御部145から出力された第2制御指令に基づき電動送風機114を第2運転モードによって駆動し、モータ制御部135は、第7制御指令に基づき回転ブラシモータ134を第2運転モードによって駆動する。
【0062】
図5は、電気掃除機10の動作終了処理の説明に用いられる図である。図5において、ユーザは、時刻t2で電気掃除機10を持ち上げた後、第1所定時間TD1までの間に電気掃除機10を床面に下さないとする。この場合、主制御部145は、時刻t2から許容時間Tmが経過したタイミングから節電ストップモード(つまり、第5運転モードを継続し)、時刻t2から時刻t5においてカウントされた離面カウントが第1所定時間TD1に達したと判定する。主制御部145は、離面カウントが第1所定時間TD1に達したと判定したことに伴い、電気掃除機10の運転を終了させ、電気掃除機10を電源切り状態にする。
【0063】
なお、上述では、主制御部145が、第1所定時間TD1に基づいて、節電ストップモードを終了させるか否かを判定し、且つ電気掃除機10の運転を終了させるか否かを判定する場合について説明したが、これに限られない。主制御部145は、例えば、節電ストップモードを終了させるか否かを判定する指標として第1所定時間TD1を用い、電気掃除機10の運転を終了させるか否かを判定する指標として第1所定時間TD1以外の指標を用いてもよい。1つの観点で見れば、主制御部145は、離面カウントの開始から第2所定時間TD2以内に吸込口体130が床面に接地したことが検出されない場合、電気掃除機10の運転を終了する。第2所定時間TD2は、第1所定時間TD1と同じでもよく、第1所定時間TD1よりも長い時間でもよい。
【0064】
<5. 動作フロー>
図6図8は、電気掃除機10の一連の動作の一例を示すフローチャートである。まず、主制御部145は、電気掃除機10が運転を停止している状態において、操作ボタン502によって第1運転モード、第2運転モード、第3運転モード、および第4運転モードのうち、いずれかの運転モードを選択する操作が行われたか否かを判定する(ステップS100)。主制御部145は、運転モードを選択する操作が行われるまでの間、待機する。
【0065】
主制御部145は、選択操作によって選択された運転モードを特定する(ステップS102)。主制御部145は、特定した運転モードが電源切り操作であるか否かを判定する(ステップS104)。主制御部145は、特定した運転モードが電源切り操作であると判定した場合、処理をステップS154に進める。
【0066】
主制御部145は、特定した運転モードが電源切り操作ではないと判定した場合、特定した運転モードが第1運転モードであるか否かを判定する(ステップS106)。主制御部145は、特定した運転モードが第1運転モードであると判定した場合、第1運転モードカウントが開始されているか否かを判定する(ステップS108)。主制御部145は、第1運転モードカウントが開始されていると判定した場合、処理をステップS112に進める。主制御部145は、第1運転モードカウントが開始されていないと判定した場合、第1運転モードカウントを開始する(ステップS110)。主制御部145は、第1運転モードカウントが制限時間TL未満であるか否かを判定する(ステップS112)。主制御部145は、第1運転モードカウントが制限時間TL未満であると判定した場合、処理をステップS116に進める。主制御部145は、第1運転モードカウントが制限時間TL未満ではないと判定した場合、第1運転モードカウントのリセット処理を実行する(ステップS114)。第1運転モードカウントのリセット処理の詳細については、後述する。
【0067】
主制御部145は、第1運転モードカウントが制限時間TL未満であると判定した場合、選択された運転モードによって電気掃除機10を運転させる(ステップS116)。具体的には、主制御部145は、選択された運転モードに対応する制御指令を選択し、電動送風機制御部140と、モータ制御部135とにそれぞれ出力する。主制御部145は、ステップS116の処理によって電気掃除機10が第1運転モード~第4運転モードのいずれかによって運転されている間に、操作ボタン502によって、第1運転モード、第2運転モード、第3運転モード、および第4運転モードのうち、いずれかの運転モードを選択する操作、又は電気掃除機10の運転を終了させる操作が行われたか否かを判定する(ステップS118)。
【0068】
主制御部145は、ステップS118の処理において操作ボタン502によって操作が行われたと判定した場合、当該操作が電気掃除機10の現在の運転モードと同じ運転モードを選択する操作であるか否かを判定する(ステップS120)。主制御部145は、操作ボタン502に対する操作が電気掃除機10の現在の運転モードと同じ運転モードを選択する操作であると判定した場合、処理をステップS102に進める。
【0069】
主制御部145は、操作ボタン502に対する操作が電気掃除機10の現在の運転モードと同じ運転モードを選択する操作ではないと判定した場合、現在の運転モードが第1運転モードであるか否かを判定する(ステップS122)。主制御部145は、現在の運転モードが第1運転モードではないと判定した場合、処理をステップS102に進める。主制御部145は、現在の運転モードが第1運転モードであると判定した場合、第1運転モードカウントをリセットし(ステップS124)、処理をステップS102に進める。
【0070】
主制御部145は、ステップS116の処理によって電気掃除機10が第1運転モード~第4運転モードのいずれかによって運転されている間に、操作ボタン502に対する操作が行われなかったと判定した場合、床面検出部136の検出結果に基づいて、吸込口体130が床面に接地しているか否かを判定する(ステップS126)。主制御部145は、吸込口体130が床面に接地していると判定した場合、離面カウントをリセットし(ステップS128)、処理をステップS106に進める。
【0071】
主制御部145は、吸込口体130が床面に接地していないと判定した場合、吸込口体130が接地していない状態であることを報知部504によってユーザに報知させる(ステップS130)。次に、主制御部145は、離面カウントのカウントが開始されているか否かを判定する(ステップS132)。主制御部145は、離面カウントのカウントが開始されていると判定した場合、処理をステップS138に進める。主制御部145は、離面カウントのカウントが開始されていないと判定した場合、離面カウントのカウントを開始する(ステップS134)。
【0072】
次に、主制御部145は、離面カウントが許容時間Tm未満であるか否かを判定する(ステップS138)。主制御部145は、離面カウントが許容時間Tm未満であると判定した場合、処理をステップS116に進める。
【0073】
主制御部145は、離面カウントが許容時間Tm以上であると判定した場合、電気掃除機10の運転モードを第5運転モード(つまり、節電ストップモード)に変更する(ステップS140)。具体的には、主制御部145は、第5運転モードに対応する制御指令を選択し、電動送風機制御部140と、モータ制御部135とにそれぞれ出力する。また、主制御部145は、第1運転モードカウントのカウントを停止する(ステップS141)。
【0074】
そして、主制御部145は、床面検出部136の検出結果に基づいて、吸込口体130が床面に接地しているか否かを判定する(ステップS142)。主制御部145は、吸込口体130が床面に接地していると判定した場合、離面カウントをリセットし(ステップS144)、処理をステップS106に進める。
【0075】
主制御部145は、吸込口体130が床面に接地していないと判定した場合、第1運転モード、第2運転モード、第3運転モード、および第4運転モードのうち、いずれかの運転モードを選択する操作、又は電気掃除機10の運転を終了させる操作が行われたか否かを判定する(ステップS146)。主制御部145は、操作ボタン502によって操作が行われたと判定した場合、離面カウントをリセットし(ステップS148)、処理をステップS106に進める。
【0076】
主制御部145は、ステップS146の処理において操作ボタン502によって操作が行われていないと判定した場合、離面カウントが第1所定時間TD1に達したか否かを判定する(ステップS150)。主制御部145は、離面カウントが第1所定時間TD1に達していないと判定した場合、電気掃除機10が充電装置20に装着されたか(つまり、電気掃除機10の充電が開始されたか)否かを判定する(ステップS152)。主制御部145は、電気掃除機10が充電装置20に装着されていないと判定した場合、処理をステップS142に進める。
【0077】
主制御部145は、ステップS150の処理において離面カウントが第1所定時間TD1に達したと判定した場合、又はステップS152の処理において電気掃除機10が充電装置20に装着されたと判定した場合、離面カウントをリセットする(ステップS154)。次に、主制御部145は、第1運転モードカウントをリセットする(ステップS156)。次に、主制御部145は、電気掃除機10の運転モードを第5運転モードに変更する(ステップS158)。次に、主制御部145は、電気掃除機10を電源切り状態にする(ステップS160)。なお、主制御部145は、第5運転モードを経由せずに、電気掃除機10を電源切り状態にしてもよい。
【0078】
図9は、ステップS114に係る第1運転モードカウントのリセット処理の一例を示すフローチャートである。まず、主制御部145は、第1運転モードカウントを停止し、リセットする(ステップS200)。次に、主制御部145は、第1運転モードの直前の運転モードを特定する(ステップS202)。次に、主制御部145は、第1運転モードによって運転される直前の運転モードが存在するか否かを判定する(ステップS204)。主制御部145は、直前の運転モードが存在すると判定した場合、処理をステップS116に進める。主制御部145は、直前の運転モードが存在しないと判定した場合(例えば直前の状態が電気掃除機10の電源切り状態であった場合)、仮に直前の運転モードが第2運転モードであると特定し(ステップS206)、処理をステップS116に進める。
【0079】
<6. 第1運転モードの他の例>
なお、上述した実施形態では、主制御部145が、第1運転モードにおいて、送風モータ114aと、回転ブラシモータ134との両方に連続駆動可能な動作時間に制限が有る動作をさせる(つまり、送風モータ114aと、回転ブラシモータ134との両方に過電流が流れている)場合について説明したが、これに限られない。主制御部145は、例えば、第1運転モードにおいて、送風モータ114aと、回転ブラシモータ134とのうち、一方のモータに、制限が有る動作をさせてもよい。すなわち、第1運転モードは、送風モータ114aと、回転ブラシモータ134の一方のみに過電流が流れる運転モードでもよい。この場合、主制御部145は、第1運転モードにおいて、回転ブラシモータ134には、第6制御指令を出力して制限の有る動作をさせつつ、電動送風機制御部140には、これまでの運転モードと同様の制御指令を出力してもよい。また、主制御部145は、第1運転モードにおいて、電動送風機制御部140には、第1制御指令を出力して制限の有る動作をさせつつ、回転ブラシモータ134には、これまでの運転モードと同様の制御指令(この場合、第7制御指令)を出力してもよい。
【0080】
<7. 節電ストップモードの他の例>
上述した実施形態では、節電ストップモードにおいて、送風モータ114aと、回転ブラシモータ134との両方の動作を停止させる場合について説明したが、これに限られない。主制御部145は、例えば、節電ストップモードにおいて、送風モータ114aと回転ブラシモータ134とのうち一方の動作を停止させるものであってもよい。また、主制御部145は、例えば、節電ストップモードにおいて、送風モータ114aや回転ブラシモータ134の動作を抑制(例えば、回転数を下げる)等の制御をしてもよい。
【0081】
<8. 第1運転モードカウントのリセットタイミング>
上述した実施形態では、主制御部145が、第1運転モードカウントが制限時間TLに達した場合等に、第1運転モードカウントをリセットし、電気掃除機10を第1運転モード以外の運転モードによって運転させることについて説明したが、これに限られない。主制御部145は、例えば、吸込口体130が床面から離れたことが検出された場合や、離面カウントがリセットされるタイミング(つまり、吸込口体130が床面に再度接地した場合)に第1運転モードカウントをリセットし、電気掃除機10を第1運転モード以外の運転モードによって運転させてもよい。離面カウントがリセットされるタイミングとは、例えば、ステップS128、ステップS144、およびステップS148等の処理のタイミングである。
【0082】
本明細書で「制限運転モードで運転されている状態で吸込口体が被掃除面から離れたことが検出された場合、モータの駆動を停止または抑制するとともに、制限時間のカウントをリセットする」とは、吸込口体が被掃除面から離れたことが検出されたタイミングで、モータの駆動が停止または抑制され、制限時間のカウントがリセットされる場合に限定されず、吸込口体が被掃除面から離れたことが検出されたタイミングよりも後に、モータの駆動が停止または抑制され、制限時間のカウントがリセットされる場合も含む。また、モータの駆動が停止または抑制されるタイミンツと、制限時間のカウントがリセットされるタイミングとは、同じタイミングでなくてもよい。
【0083】
<9. 第1運転モードカウントの継続>
上述した実施形態では、主制御部145が、運転モードが節電ストップモードに変更となったことに伴い、第1運転モードカウントのカウントを停止する場合について説明したが、これに限られない。主制御部145は、運転モードが節電ストップモードに変更となっても、第1運転モードカウントのカウントを継続してもよい。この場合、上述したステップS141の処理が行われなくてもよい。
【0084】
言い換えると、主制御部145は、第1運転モードで運転されている状態で吸込口体130が床面から離れたことが検出された場合、節電ストップモードに入るが第1運転モードカウントのカウントは継続し、制限時間TLの経過前に吸込口体130が床面に接地したことが検出された場合、第1運転モードの運転を制限時間TLの残り時間だけ行う。一方で、主制御部145は、制限時間TLが経過した後に吸込口体130が床面に接地したことが検出された場合、第1運転モードの直前の運転モードによって電気掃除機10を運転する。
【0085】
<10. 吸込口体の取り外しに伴う電源切り状態>
上述した実施形態では、主制御部145は、節電ストップモードに運転モードが変更された後、第1所定時間TD1以内に、吸込口体130が床面に接地している状態であることが検出されなかった場合、電気掃除機10の運転を終了させる場合について説明したが、これに限られない。主制御部145は、例えば、節電ストップモードに運転モードが変更された後、吸込口体130が掃除機本体110から取り外されたことに伴い、電気掃除機10の運転を終了させるものであってもよい。この場合、主制御部145は、節電ストップモードにおいて、吸込口体130が掃除機本体110から取り外されてから経過した時間が第3所定時間TD3に達した場合、電気掃除機10の運転を終了させる。第1所定時間TD1と、第3所定時間TD3とは、例えば、第1所定時間TD1>第3所定時間TD3の関係である。主制御部145は、例えば、吸込口体130(モータ制御部135)との通信状態、回転ブラシモータ134の負荷状態等に基づいて、吸込口体130が掃除機本体110から取り外されたか否かを検出してもよい。本明細書で「吸込口体が掃除機本体から取り外される」とは、吸込口体と掃除機本体とが延長管を介して接続されている場合、吸込口体が延長管から取り外される場合も含む。
【0086】
<11. カウント停止以外の例>
上述した実施形態では、主制御部145が、節電ストップモードにおいて第1運転モードカウントを停止する場合について説明したが、これに限られない。主制御部145は、例えば、第1運転モードカウントを停止する処理に代えて、第1運転モードカウントを抑制する処理を行ってもよい。第1運転モードカウントを抑制する処理は、例えば、抑制しない場合と比して、カウントの頻度を低くする(すなわち、カウントの周期を長くする)処理である。
【0087】
<12. 制限時間TLの変更の例>
上述した実施形態では、主制御部145が、第1運転モードによって運転していた電気掃除機10が節電ストップモードによって停止した後、第1所定時間TD1以内に吸込口体130が床面に接地したこと伴い、第1運転モードを再開させつつ、第1運転モードカウントを再開させる場合、再開させた第1運転モードが第1運転モードカウントが制限時間TLに達するまでの間継続する場合について説明したが、これに限られない。主制御部145は、電気掃除機10が、第1運転モードによる運転を開始してから節電ストップモードとなって運転を停止するまでの経過時間(図4では、経過時間D3)と、残時間情報とに基づいて、再開後の第1運転モードによる運転時間を選択してもよい。
【0088】
図10は、実施形態の残時間情報の内容の一例を示す図である。残時間情報は、例えば、第1運転モードによる運転を開始してから節電ストップモードとなって運転を停止するまでの経過時間を示す情報と、再開後の第1運転モードによる運転時間を示す情報とが互いに対応付けられた情報である。図10において、経過時間1~5[秒]、及び運転時間15[秒]と、経過時間5~10[秒]、及び運転時間10[秒]と、経過時間11~15[秒]、及び運転時間5[秒]とが互いに対応付けられる。これら時間の各々は、「第1運転モードの開始から節電ストップモードに入るまでの経過時間に基づく時間」の一例である。
【0089】
主制御部145は、節電ストップモードの状態から第1運転モードを再開させる際、第1運転モードカウントが示す経過時間と、残時間情報とに基づいて、経過時間に対応付けられている運転時間を選択する。主制御部145は、第1運転モードを再開させた後、第1運転モードが運転時間だけ継続するように電動送風機制御部140、及びモータ制御部135に制御指示を出力する。例えば、主制御部145は、第1運転モードを再開させる際に、制限時間TLから第1運転モードカウントを差し引いた値が選択した運転時間となるように、第1運転モードカウントから所定の値を減算してもよく、制限時間TLに所定の値を加算してもよい。
【0090】
なお、残時間情報は、第1運転モードによる運転を開始してから節電ストップモードとなって運転を停止するまでの経過時間を制限時間TLから差し引いた制限時間TLの残時間(図4では、経過時間D4)と、再開後の第1運転モードによる運転時間を示す情報とが互いに対応付けられた情報であってもよい。
【0091】
<13. 実施形態のまとめ>
本実施形態の電気掃除機10は、第1モータ(例えば、送風モータ114a)と、第2モータ(例えば、回転ブラシモータ134)と、制御部(例えば、電動送風機制御部140、モータ制御部135、主制御部145、および記憶部146により実現される機能部)とを持つ。送風モータ114aは、電気掃除機10に設けられ、吸引力を生じさせる。回転ブラシモータ134は、吸込口体130に設けられ、回転ブラシ133を回転させる。制御部は、所定の運転モード(この場合、第1運転モード~第4運転モード)で運転されている状態で吸込口体130が被掃除面から離れたことが検出された場合、送風モータ114aおよび床面検出部136のうち少なくとも一方の駆動を停止または抑制し、第1所定時間TD1以内に吸込口体130が被掃除面に接地したことが検出された場合、駆動を停止または抑制した送風モータ114aおよび回転ブラシモータ134のうち少なくとも一方の駆動を再開させる。上記所定の運転モードは、制限時間が設定された制限運転モード(例えば、第1運転モード)を含む。
【0092】
このような構成によれば、制限時間が設定された運転モードがある電気掃除機10において、節電ストップモードを利用することができ、二次電池115の残量の減りが緩やかになる。これにより、電気掃除機10を用いて長時間掃除できるなど、ユーザの利便性の向上を図ることができる。また、制限運転モードがモータに過電流が流れる運転モードの場合、上記構成によれば、吸込口体130が床面から離れて電気掃除機10が実質的に機能しない状態でモータに過電流が流れることを抑制することができる。これにより、モータの寿命を長くすることができる。
【0093】
ここで第1比較例として、吸込口体130が床面から離れても制限時間のカウントが継続される構成について考える。このような構成では、吸込口体130が床面から離れている間もカウントが進むため、吸込口体130が床面に再び接地したすぐ後に制限時間の残り時間が無くなり、電気掃除機10が別の運転モードに変更される場合があり得る。この場合、ユーザは、再び制限運転モードを選択する操作が必要になり、操作が煩雑になる。
【0094】
一方で、本実施形態の電気掃除機10は、吸込口体130が床面に接地している状態であるか否かに基づいて、制限時間のカウントを停止または抑制することにより、吸込口体130が床面に再び接地したすぐ後に制限時間の残り時間が無くなることを抑制することができる。これにより、操作が煩雑になることを抑制することができる。
【0095】
また第2比較例として、吸込口体130が床面から離れた場合に制限時間のカウントがリセットされる構成について考える。この場合、吸込口体130が床面に対して頻繁に上げ下げされながら用いられると、制限時間の満了による制限運転モードの終了になかなか至らず、例えばモータに過電流が流れる時間が長時間になる場合があり得る。
【0096】
一方で、本実施形態の電気掃除機10は、制限時間のカウントを停止または抑制し、吸込口体130が床面に接地した場合に制限時間のカウントを再開することで、制限運転モードの終了になかなか至らないという状況が生じることを抑制することができる。これにより、モータが過負荷な状態で長時間駆動されることを抑制することができる。
【0097】
本実施形態の電気掃除機10は、第1運転モードで運転されている状態で吸込口体130が床面から離れたことが検出された場合、節電ストップモードに入り、第1所定時間TD1以内に吸込口体130が床面に接地したことが検出された場合、電気掃除機10の運転を第1運転モードで再開させる。これにより、電気掃除機10は、床面の障害物を避けるために吸込口体130を一時的に持ち上げたことに伴い節電ストップモードとなっても、簡便に第1運転モードによる運転を再開させることができる。
【0098】
本実施形態では、電気掃除機10の報知部504は、吸込口体130が床面から離れたことが検出された場合、吸込口体130が床面から離れたことを報知する。これにより、節電ストップモードで電気掃除機10の動作が停止することによって、ユーザが困惑しないようにすることができる。
【0099】
本実施形態の電気掃除機10は、第1運転モードで吸込口体130が床面から離れたことが検出されて節電ストップモードに入り、その状態で充電装置20に装着され、充電状態が開始された場合、充電モードに移行するとともに、第1運転モードカウントのカウントをリセットする。これにより、電気掃除機10は、再度、使用を開始した際に、第1運転モードの運転が不要に短くなることを抑制することができる。
【0100】
本実施形態の電気掃除機10において主制御部145は、第1運転モードで電気掃除機装置1が運転されている状態で吸込口体130が床面から離れたことが検出された場合、第1運転モードカウントをリセットする。これにより、電気掃除機10は、床面の障害物を避けるために吸込口体130を一時的に持ち上げたことに伴い節電ストップモードとなった後、第1運転モードの運転が不要に短くなることを抑制することができる。
【0101】
本実施形態では、主制御部145は、第1運転モードで運転されている状態で吸込口体130が床面から離れたことが検出された場合、節電ストップモードに入るとともに、制限時間TLのカウントを停止または抑制する。そして、電気掃除機10を運転させるユーザの操作が操作ボタン502により受け付けられた場合、電気掃除機10の運転を第1運転モードで再開するとともに、制限時間TLの残り時間に対するカウントを再開する。このような構成によれば、操作ボタン502に対する操作によって、制限時間のカウントを続きから再開することができる。
【0102】
本実施形態では、主制御部145は、第1運転モードで運転されている状態で吸込口体130が床面から離れたことが検出された場合、節電ストップモードに入り、吸込口体130が掃除機本体110から取り外された状態が第3所定時間TD3以上継続した場合、電気掃除機10の運転を終了し、電気掃除機10を運転させるユーザの操作が操作ボタン502により受け付けられた場合、電気掃除機10の運転を第1運転モードで再開するとともに、制限時間TLの残り時間に対するカウントを再開する。このような構成によれば、吸込口体130を取り外した場合でも制限時間のカウントを続きから再開することができる。
【0103】
なお、制限運転モードは、モータの連続動作時間との関係で制限時間が設定された運転モードに限られない。例えば、制限運転モードは、ユーザの電気掃除機10の使用方法に関するデータを収集するために、例えば10秒間の運転状態の検出結果を収集してサーバ装置に送信するための運転モードなどであってもよい。
【0104】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0105】
1…電気掃除機装置、10…電気掃除機、20…充電装置、110…掃除機本体、111…本体ケース、112…把持部、113…集塵装置、114…電動送風機、114a…送風モータ、115…二次電池、117…本体制御部、120…延長管、130…吸込口体、133…回転ブラシ、134…回転ブラシモータ、135…モータ制御部、136…床面検出部、140…電動送風機制御部、141…第1スイッチングユニット、142…第2スイッチングユニット、145…主制御部、146…記憶部、500…操作部、502…操作ボタン、504…報知部、TD1…第1所定時間、TD2…第2所定時間、TD3…第3所定時間、TL…制限時間、Tm…許容時間。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10