(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-12
(45)【発行日】2024-07-23
(54)【発明の名称】複合材プライのレイアップを製作するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
B29C 70/34 20060101AFI20240716BHJP
B29C 70/16 20060101ALI20240716BHJP
B29K 105/08 20060101ALN20240716BHJP
【FI】
B29C70/34
B29C70/16
B29K105:08
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019229099
(22)【出願日】2019-12-19
【審査請求日】2022-12-07
(32)【優先日】2018-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】プラウーズ, リチャード エー.
(72)【発明者】
【氏名】モディン, アンドリュー イー.
【審査官】今井 拓也
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0174832(US,A1)
【文献】国際公開第2016/005322(WO,A1)
【文献】特開平09-183135(JP,A)
【文献】国際公開第2018/168511(WO,A1)
【文献】特開2018-199328(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 70/34
B29C 70/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所望の形状を有する複合材プライのレイアップを製作するための方法(1600)であって、
プライピックアップステーション(310)で、弾性材料のシート(120)を備えたシャトル(100)を、少なくとも1つの複合材プライ(200)と係合させるように移動させること(1602)
、ここで、前記弾性材料のシート(120)の主面(122)が、粘り付き部分(123)、及び当該主面(122)の粘り付き部分(123)の外側に位置付けられた真空密封部分(124)を備え、
前記シャトル(100)を用いて前記少なくとも1つの複合材プライ(200)をピックアップすること(1604)
、ここで、当該ピックアップすること(1604)が、前記少なくとも1つの複合材プライ(200)を、前記弾性材料のシート(120)に粘り付けることを含み、
前記弾性材料のシート(120)を前記少なくとも1つの複合材プライ(200)と係合させるように真空を引くこと(1603)、
形成ステーション(320)における形成ツール(324)又は前記形成ツール(324)上に予め敷設された任意のプライと係合させるように、前記シャトル(100)及び前記少なくとも1つの複合材プライ(200)を移動させること(1608)、並びに
前記所望の形状を有する前記複合材プライのレイアップを形成するために、前記シャトル(100)を用いて、前記少なくとも1つの複合材プライ(200)を、前記形成ツール(324)又は前記形成ツール(324)上に予め敷設された任意のプライ上に圧縮すること(1610)を含む、方法(1600)。
【請求項2】
圧縮時、前記弾性材料のシート(120)が、前記形成ツール(324)又は予め敷設された任意の複合材プライの起伏に相補的に合致する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記形成ツール(324)が、リップシール(326)を有し、
前記形成ステーション(320)における前記形成ツール(324)又は前記形成ツール(324)上に予め敷設された任意のプライと係合させるように、前記シャトル(100)及び前記少なくとも1つの複合材プライ(200)を移動させること(1608)が、
前記シャトル(100)上の前記弾性材料のシート(120)の前記主面(122)の前記真空密封部分(124)を、前記形成ツール(324)上の前記リップシール(326)と係合させること
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
更に、前記プライピックアップステーション(310)で、前記少なくとも1つの複合材プライ(200)をベッド/テーブル(308)上に配置することを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ベッド/テーブル(308)が、真空ベッド/テーブルであり、
前記弾性材料のシート(120)を前記少なくとも1つの複合材プライ(200)と係合させるように真空を引くこと(1603)が、
前記シャトル(100)上の前記弾性材料のシート(120)の前記真空密封部分(124)を、前記真空ベッド/テーブルからの真空吸引によって前記真空ベッド/テーブルに向けて引き、それによって、前記弾性材料のシート(120)の前記粘り付き部分(123)と前記真空ベッド/テーブルとの間で前記複合材プライ(200)を圧縮すること
を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
更に、前記プライピックアップステーション(310)から前記形成ステーション(320)に、前記シャトル(100)及び前記少なくとも1つの複合材プライ(200)を搬送すること(1606)を含む、
請求項1に記載の方
法。
【請求項7】
前記形成ステーション(320)における前記形成ツール(324)又は前記形成ツール(324)上に予め敷設された任意のプライと係合させるように、前記シャトル(100)及び前記少なくとも1つの複合材プライ(200)を移動させること(1608)が、
前記少なくとも1つの複合材プライ(200)の前記所望の形状を形成するために、前記少なくとも1つの複合材プライ(200)の形状を、前記予め敷設された任意のプライの形状又は前記形成ツール(324)の形状に合致させるこ
と
を含む、
請求項1に記載の方
法。
【請求項8】
更に、前記シャトル(100)及び前記少なくとも1つの複合材プライ(200)が、前記形成ステーション(320)における前記形成ツール(324)又は前記形成ステーション(320)における前記形成ツール(324)上に予め敷設された任意のプライと係合するように移動しているときに、前記プライピックアップステーション(310)で、別の少なくとも1つの複合材プライ(200)を積層化することを含む、
請求項1に記載の方
法。
【請求項9】
前記方法が、コンピュータシステム(1500)によって読み取り可能な内部データ記憶ユニット(1504)、外部データ記憶ユニット、又はそれらの組み合わせ内で有形に具現化された指示命令の1以上のプログラムを実行する処理ユニット(1502)を有する前記コンピュータシステム(1500)によって実行される、
請求項1に記載の方
法。
【請求項10】
所望の形状を有する複合材プライのレイアップを製作するためのシステムであって、
プライピックアップステーション(310)、
前記プライピックアップステーション(310)から離れるように間隔を空けられ、形成ツール(324)を備えた形成ステーション(320)、及び
前記プライピックアップステーション(310)と前記形成ステーション(320)の間で移動可能な、弾性材料のシート(120)を備えたシャトル(100)を備え、
前記シャトル(100)が、(i)複合材プライ(200)を、前記プライピックアップステーション(310)でピックアップし、(ii)前記複合材プライ(200)を前記形成ステーション(320)に搬送し、(iii)前記複合材プライのレイアップを形成するために、前記形成ステーション(320)で、前記複合材プライ(200)を、前記形成ツール(324)又は前記形成ツール(324)上に予め敷設された任意のプライ上に圧縮するように構成されて
おり、
前記シャトル(100)が、
(i)フレーム構造(102)、及び
(ii)前記フレーム構造(102)内に配置された弾性材料のシート(120)であって、前記プライピックアップステーション(310)で前記複合材プライ(200)をピックアップして、前記複合材プライ(200)を前記形成ステーション(320)に搬送するために、前記複合材プライ(200)にくっつくように構成されている弾性材料のシート(120)
を含み、
前記弾性材料のシート(120)の主面(122)が、粘り付き部分(123)、及び当該主面(122)の粘り付き部分(123)の外側に位置付けられた真空密封部分(124)を備える、システム。
【請求項11】
圧縮時、前記弾性材料のシート(120)が、前記形成ツール(324)又は予め敷設された任意の複合材プライの起伏に相補的に合致する、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
プライピックアップステーション(310)から形成ステーション(320)への少なくとも1つの複合材プライ(200)の搬送を容易にするための装置であって、
フレーム構造(102)の内部エリアを画定する前記フレーム構造(102)、及び
前記フレーム構造(102)の前記内部エリア(104)内に配置された弾性材料のシート(120)であって、少なくとも1つの複合材プライ(200)に粘り付くための主面(122)を備えた弾性材料のシート(120)を備え、
前記弾性材料のシート(120)の前記主面(122)が
、粘り付き部分(123)、及び
当該主面(122)
の粘り付き部分(123)の外側に位置付けられた真空密封部分(124)を備える、装置。
【請求項13】
前記フレーム構造(102)が、コーナープレート(110)と共に固定されたフレーム部材(106)を含む、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記フレーム構造(102)が、前記フレーム部材(106)上の機械式継手(112)を含む、請求項13に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、複合材構造体に関し、特に、複合材プライのレイアップを製作するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複合材構造体は、一般的に、複合材プライのレイアップデバイス、切断機械、及び形成ツールを使用して製作される。切断機械が、複合材プライ材料の1以上の断片をトリム(すなわち、切断)し、次いで、切断された断片が、切断位置(例えば、切断機械)から搬送されて、レイアップデバイス(例えば、形成ツール)上に配置される。切断された断片は、形成ツール上で形成され固化されて、複合材構造体を製作する。トリミングすなわち切断位置は、レイアップ位置と同じであってよい。形成ツールに切断された断片を搬送し、切断された断片を形成ツール上に配置し、次いで、切断された断片を固化するための、既知のやり方は、労力及び時間がかかり、平坦なプライをピックアップし、次いで、プライを起伏がある形成ツール上に正確に配置することができない。更に、材料の複数のプライを形成することは、形成中に皺をつくる傾向がある。複合材構造体を製作するために、形成ツール上に、複合材プライ材料の1以上の切断された断片を搬送し、配置し、形成ツール上で、複合材プライ材料の1以上の切断された断片を形成し、固化する既知のやり方の欠点を克服することが望まれている。
【発明の概要】
【0003】
一態様では、所望の形状を有する複合材プライのレイアップを製作するための方法が提供される。該方法は、プライピックアップステーションで、シャトルを動かして、少なくとも1つの複合材プライに係合させること、及び、シャトルを用いて、少なくとも1つの複合材プライの第1番目のものをピックアップすることを含む。シャトルは、弾性材料のシートを含む。該方法は、シャトル及び少なくとも1つの複合材プライを、プライピックアップステーションから形成ステーションに搬送すること、及び、形成ステーションで、シャトル及び少なくとも1つの複合材プライを動かして、形成ツール又は形成ツール上に予め敷設された任意のプライに係合させることも含む。該方法は、所望の形状を有する複合材プライのレイアップを形成するために、シャトルを用いて、少なくとも1つの複合材プライを、形成ツール又は形成ツール上に予め敷設された任意のプライ上に圧縮することを更に含む。
【0004】
別の一態様では、複合材プライのレイアップを製作するためのシステムが提供される。該システムは、弾性材料のシートを有するシャトルを含む。シャトルは、(i)少なくとも1つの複合材プライを、プライピックアップステーションでピックアップし、(ii)複合材プライを形成ステーションに搬送し、(iii)複合材プライのレイアップを形成するために、形成ステーションで、複合材プライを、形成ツール又は形成ツール上に予め敷設された任意のプライ上に圧縮するように構成されている。該システムは、(i)検知されたプライ位置情報に基づく、プライピックアップステーションでの、複合材プライのピックアップ及び搬送、並びに(ii)形成ツール位置情報に基づく、形成ステーションでの、形成ツール又は形成ツール上に予め敷設された任意のプライ上への、複合材プライの圧縮、を制御するように構成されたコントローラも備える。
【0005】
更に別の一態様では、複合材プライのレイアップを製作するためのシステムが提供される。該システムは、少なくとも1つの複合材プライを形成するように、ストック材料の1以上のシートを積層化するための、プライピックアップステーションにおけるラミネータ、及び、ストック材料の1以上のシートから積層化された複合材プライをネットトリミングするための、プライピックアップステーションにおけるトリムヘッドを備える。該システムは、形成ステーションで、形成ツール又は形成ツール上に予め敷設された任意のプライ上に複合材プライを圧縮するための、フレキシブル形成プレスも形成ステーションに備える。該システムは、(i)プライピックアップステーションで、複合材プライをピックアップすること、(ii)複合材プライを形成ステーションに搬送すること、及び(iii)プライピックアップステーションで、別の複合材プライが、ラミネータ又はトリムヘッドの何れかによって処理されている間に、複合材プライのレイアップを形成するために、形成ステーションで、形成ツール又は形成ツール上に予め敷設された任意のプライ上に複合材プライを圧縮すること、を容易にするように構成されたシャトルを更に備える。
【0006】
他の態様は、以下の詳細な説明、添付の図面、及び別記の特許請求の範囲により明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】一実施形態に従って構築されたシャトルの斜視図である。
【
図2】近似的に
図1で示された矢印「2」の方向に見た正面図である。
【
図3】
図1のシャトルを具現化した例示的な複合材構造体製造システムの概略図であり、それらの定位置にあるシステムデバイスを示す。
【
図4】
図3に類似した概略図であり、複合材プライを積層化するラミネータヘッドを示す。
【
図5】
図4に類似した概略図であり、
図4の積層複合材プライをトリミングするトリムヘッドを示す。
【
図6】
図5に類似した概略図であり、スクラップ除去器が、
図5のトリミングされた複合材プライからスクラップを除去することを示す。
【
図7】
図6に類似した概略図であり、
図6の複合材プライ上に移動された
図1のシャトルを示す。
【
図8】
図7に類似した概略図であり、
図7の複合材プライ上に下げられたシャトルを示す。
【
図9】
図8に類似した概略図であり、
図8の複合材プライをピックアップし、複合材プライから裏紙を除去する、シャトルを示す。
【
図10】
図9に類似した概略図であり、形成ツールの上に移動された、
図9の複合材プライを有するシャトルを示す。
【
図11】
図10に類似した概略図であり、形成ツール上に
図10の複合材プライを配置するシャトルを示す(プライピックアップステーションでは、積層化が行われている)。
【
図12】
図11に類似した概略図であり、シャトルと形成ツールの間で
図11の複合材プライを圧縮するように、シャトル上に下げられたフレキシブル形成プレスを示す(プライピックアップステーションでは、トリミングが行われている)。
【
図13】
図12に類似した概略図であり、
図12のシャトル及び圧縮された複合材プライから離れるように持ち上げられたフレキシブル形成プレスを示す(プライピックアップステーションでは、スクラップの除去が行われている)。
【
図14】
図13に類似した概略図であり、
図13の複合材プライから離れるように持ち上げられたシャトルを示す(プライピックアップステーションでは、次の複合材プライが準備されている)。
【
図15】
図1のシャトルに関連付けられ、複合材構造体を製作するためのデバイスを制御することができる、例示的なコンピュータシステムである。
【
図16】一実施形態による、所望の形状を有する複合材プライのレイアップを製作するための例示的な方法を描くフロー図である。
【
図17】航空機の製造及び保守方法のフロー図である。
【
図19】形成ステーションで使用される代替的な形成ツールの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本出願は、複合材プライのレイアップ(例えば、ネットトリミングされた複合材プライのレイアップ)を製作するためのシステム及び方法を対象とする。そのためのシステム及び方法の具体的な構築、並びに該システム及び方法が実施される産業は、多様であり得る。以下の開示は、様々な実施形態の種々の特徴を実装するための数々の実施形態又は実施例を提供するものであることを理解すべきである。本開示を簡略化するために、構成要素及び配置構成の具体例が説明される。これらは単なる例であり、限定するものではない。
【0009】
実施例によって、本開示は、複合材プライのレイアップを製作するためのシステム及び方法を以下で説明する。複合材プライのレイアップは、最終的には複合材構造体(例えば、航空機の部品)を製作するために使用されてよい。該システム及び方法は、軍事及び航空宇宙の規制に従って相手先商標製造会社(OEM)によって実施されてよい。本開示のシステム及び方法が、多くの他の複合材製造産業で実施され得ることは理解可能である。
【0010】
図1を参照すると、一実施形態に従って構築されたシャトル100の斜視図が示されている。
図2は、近似的に
図1で示された矢印「2」の方向に見た正面図である。シャトル100は、フレーム構造102の内部エリア104を画定するフレーム構造102を備える。ある実施形態では、内部エリア104が、実質的に矩形状である。フレーム構造102は、コーナープレート110と共に固定されたフレーム部材106を含む。機械式継手112は、フレーム構造102が移動デバイス(図示せず)によって移動されることを可能にする。移動デバイスは、フレーム構造102を、例えば、上、下、及び横に移動させることができる。
【0011】
シャトル100は、フレーム構造102の内部エリア104内に配置された弾性材料のシート120を更に備える。ある実施形態では、弾性材料のシート120が、フレーム構造102の矩形状の内部エリア104にわたるラテックス材料を含む。弾性材料のシート120は、フレーム部材106の上面(top surface)を覆って広がり且つその上面に固定されている。
【0012】
弾性材料のシート120は、ネットトリミングされた複合材プライにくっつくことができる主面122であって、弾性材料のシート120を有するフレーム構造102が、複合材プライをピックアップすることを可能にする、主面122を含む。弾性材料のシート120は、プライとの位置合わせを維持するために、平坦に(垂れ下がることなく)広がる。弾性材料のシート120の弾性及び厚さは、どの材料が使用されるか、及び製作されている部品の形状に依存する。任意選択的に、弾性材料のシート120の主面122は、粘り付き部分123、及び主面122の粘り付き部分123の外側に位置付けられた真空密封部分124を含んでよい。
【0013】
シャトル100は、ネットトリミングされた複合材プライの、プライピックアップステーション310(
図3)から形成ステーション320(
図3)への搬送を、容易にするためにも提供される。特に、弾性材料のシート120の主面122は、プライピックアップステーション310で複合材プライをピックアップし、複合材プライを形成ステーション320に搬送する。プライピックアップステーション310と形成ステーション320の間の距離は、任意の距離であってよい。
【0014】
シャトル100は、所望の複合材プライのレイアップを形成するための、形成ステーションでの、ネットトリミングされた複合材プライの圧縮を容易にするために更に提供される。特に、弾性材料のシート120の主面122は、1以上の複合材プライを形成ツールに対して圧縮するために、形成ツール又は形成ツール上に予め敷設された任意のプライ上に、複合材プライを横たえるように、複合材プライを形成ツール上に促す。それによって、本明細書で詳細に説明されるように、所望の複合材プライのレイアップが、形成ツール上で製作される。
【0015】
図3を参照すると、
図1のシャトル100を具現化した、例示的な複合材構造体製造システム300の概略図が示されている。
図3は、システム300のシステムデバイスを、それらの定位置で示している。より具体的には、
図3は、ラミネータのラミネータヘッド312及びトリマー(例えば、切断機械)のトリムヘッド314を有する、プライピックアップステーション310、並びに、フレキシブル形成プレス322及びフレキシブル形成プレス322の下方に配置されている形成ツール324を有する、形成ステーション320を示している。形成ツール324は、リップシール326を有する。
図3は、フレキシブル形成プレス322と形成ツール324の間で、形成ステーション320におけるその定位置にある、
図1のシャトル100も示している。シャトル100は、本明細書で説明されることとなるように、形成ステーション320とプライピックアップステーション310の間で移動可能である。
【0016】
形成ツール324は、本開示の範囲から逸脱することなしに、様々な形状及び起伏を有してよい。例えば、
図19で示されている代替的な形成ツール324’は、ハット型ストリンガなどの製作のために構成されてよく、形成ステーション320においてベッド/テーブル318上に配置されてよい。
【0017】
図4を参照すると、
図3に類似した概略図が示されている。より具体的には、
図4は、プライピックアップステーション310においてベッド/テーブル308上に載置された複合材プライ200を形成するために、ストック材料の1以上のシートを積層化するラミネータヘッド312を示している。本明細書で使用される際に、「プライ」は、単数形(1つのプライ)と複数形(複数のプライ)の両方を含む。ラミネータヘッド312は、トリムヘッド314によってトリミングされるためのシート(又はプライ)を提供するために、複合材プライ材料の複数の平行な隣接するストリップ(例えば、単方向強化複合材料のトウ又はテープ)を、ベッド/テーブル308に付けてよい。代替的に、ラミネータヘッド312は、トリムヘッド314によってトリミングされるためのシートを提供するために、単一の一体化された複合材プライ材料(例えば、ファブリック)を、ベッド/テーブル308に付けてよい。ラミネータ及びラミネータヘッドの構造及び動作は周知であり、従ってこれ以上説明はしない。
【0018】
任意選択的に、複合材プライ200がプライピックアップステーション310でピックアップされるときに、複合材プライ200がくっつくことができる弾性材料のシート120の主面122の面積を低減させるために、複合材プライ200の上面上にバリアプライ202が配置される。例えば、複合材プライ200は、バリアプライ202が複合材プライ200に既に連結された状態で、供給又は製造されてよい。バリアプライ202は、シャトル100と複合材プライ200の間のバリアとして作用する。それによって、複合材プライ200上の粘着性の樹脂は、弾性材料のシート120の主面122にくっつかない。複合材プライ200は、熱硬化性樹脂であるエポキシが予め染み込んだ(すなわち、プリプレグ)炭素繊維材料を含んでよい。その代わりに、炭素繊維材料は、熱硬化性樹脂の代わりに熱可塑性樹脂が染み込んでよい。
【0019】
したがって、バリアプライ202は、形成後に弾性材料のシート120からの解放を可能にし得る。バリアプライ202は、部品の部分の成形性も高める。
【0020】
図5を参照すると、
図4に類似した概略図が示されている。より具体的には、
図5は、ネットトリミングされた複合材プライを提供するために、
図4の積層複合材プライをトリミングしているトリムヘッド314を示している。ネットトリミングされた複合材プライの外周は、ネットトリミングされた複合材プライのレイアップ後にサイズをトリミングすることがないように、所望の寸法に正確に配置及びサイズ調整される。トリマー及びトリムヘッドの構造及び動作は周知であり、従ってこれ以上説明はしない。
【0021】
図6を参照すると、
図5に類似した概略図が示されている。より具体的には、
図6は、スクラップ除去器(図示せず)が、
図5のトリミングされた複合材プライ200からスクラップ204を除去することを示している。スクラップ204の除去は、機械によって自動的に実行されてよく、又は作業人員によって手動で実行されてよい。スクラップ204は、複合材プライ200からトリミングされた余剰の材料であり、1以上の断片を含んでよい。スクラップ204の1以上の断片が除去されている間に、複合材プライ200のトリム外周が確認されてよい。
【0022】
図7を参照すると、
図6に類似した概略図が示されている。より具体的には、
図7が、
図6の複合材プライ200の上に移動したシャトル100を示している。シャトル100は、任意の適切な移動機械又はデバイスを使用することによって、
図6の位置から
図7の位置に移動されてよい。代替的に、シャトル100は、作業人員によって手動で移動されてよい。
【0023】
図8を参照すると、
図7に類似した概略図が示されている。より具体的には、
図8は、
図7の複合材プライ200上に下げられたシャトル100を示している。シャトル100が
図7の位置から
図8の位置へ、
図7の複合材プライ200の上に下げられたときに、複合材プライ200は、(複合材プライの樹脂を介して)弾性材料のシート120の主面122に粘り付く。シート120の弾性は、複合材プライ200が、ベッド/テーブル308と弾性材料のシート120の主面122との間で、圧縮されることを可能にする。
【0024】
図8を更に参照すると、任意選択的に、プライピックアップステーション310におけるベッド/テーブル308は、真空ベッド/テーブル309であってよい。したがって、シャトル100が、
図7の位置から
図8の位置へ下げられて、複合材プライ200と係合したときに、ベッド/テーブル309からの真空吸引は、シャトル100上の弾性材料のシート120の真空密封部分124(
図1)を、真空ベッド/テーブル309に向けて引き、それによって、弾性材料のシート120の粘り付き部分123(
図1)と真空ベッド/テーブル309との間で複合材プライ200を圧縮する。したがって、真空吸引を使用することによって、弾性材料のシート120の主面122に対する複合材プライ200のより優れた粘り付きをもたらすことができる。
【0025】
図9を参照すると、
図8に類似した概略図が示されている。より具体的には、
図9は、
図8の複合材プライ200をピックアップし、複合材プライ200から裏紙206を除去している、シャトル100を示している。シャトル100が、
図8の位置から
図9の位置に移動する際に、裏紙206は、複合材プライ200の下側から除去される。裏紙206の除去は、機械によって自動的に実行されてよく、又は作業人員によって手動で実行されてよい。
【0026】
図10を参照すると、
図9に類似した概略図が示されている。より具体的には、
図10は、形成ステーション320における形成ツール324の上に移動された、
図9の複合材プライ200を有するシャトル100を示している。形成ツール324は、形成ステーション320で、ベッド/テーブル318上に載置されたように示されている。シャトル100が、
図9の位置から
図10の位置に移動する際に、トリムヘッド314は、
図9の位置から
図10で示されているその定位置に戻るように移動することができる。トリムヘッド314は、何時でもその定位置に戻るように移動することができ、シャトル100が
図9の位置から
図10の位置に移動している間にのみ、定位置に戻る必要はない。
図10では、シャトル100が、形成ツール324又は形成ツール324上に予め敷設された任意のプライ上に下げられる準備ができている位置にある。
【0027】
シャトル100は、例えば、コンピュータ数値制御(CNC)ベースのシステムを使用して、形成ツール324(又は形成ツール324上に予め敷設された任意のプライ)上に下げられてよい。別の一実施例として、シャトル100は、位置合わせピン/ブッシング又はカップ/コーンなどの物理的なツールの指標特性を使用して、形成ツール324上に下げられてよい。位置合わせピン/ブッシング及びカップ/コーンの構造及び動作は周知であり、したがって、これ以上説明はしない。
【0028】
図11を参照すると、
図10に類似した概略図が示されている。より具体的には、
図11は、
図10の複合材プライ200を形成ツール324上に配置する、シャトル100を示している。シャトル100上の弾性材料のシート120(
図1)の主面122(
図1)の真空密封部分124(
図1)は、複合材プライ200が形成ツール324上に配置される際に、形成ツール324上のリップシール326と係合してよく、それによって、形成ツール324上での複合材プライ200の圧縮を容易にする。シャトル100が、
図10の位置から
図11の位置に移動する際に、ラミネータヘッド312は、
図10のその定位置から移動して、
図11で示されているように、プライピックアップステーション310において別の複合材プライ210の積層化を開始してよい。ラミネータヘッド312は、何時でもその定位置から移動して複合材プライ210の積層化を開始してよく、シャトル100が
図10の位置から
図11の位置に移動している間にのみ、積層化を開始する必要はない。積層化された複合材プライ210の1以上のシートのそれぞれは、平行な繊維の繊維配向を有してよい。積層化された複合材プライ210の1以上のシートのそれぞれは、同じ又は異なる繊維配向を有してよい。
【0029】
シャトル100は、例えば、コンピュータ数値制御(CNC)ベースのシステムを使用して、形成ツール324(又は形成ツール324上に予め敷設された任意のプライ)上に、
図10の複合材プライ200を配置してよい。別の一実施例として、シャトル100は、位置合わせピン/ブッシング又はカップ/コーンなどの物理的なツールの指標特性を使用して、形成ツール324上に
図10の複合材プライを配置してよい。位置合わせピン/ブッシング及びカップ/コーンの構造及び動作は周知であり、したがって、これ以上説明はしない。更に別の一実施例として、シャトル100は、1以上のセンサを使用して、(コンピュータ数値制御(CNC)ベースのシステムを有するか有さないかに関わらず)フィードバック制御を用いて、
図10の複合材プライを形成ツール324上に配置してよい。
【0030】
図12を参照すると、
図11に類似した概略図が示されている。より具体的には、
図12は、シャトル100と形成ツール324の間で複合材プライ200を圧縮するために、シャトル100上に下げられたフレキシブル形成プレス322を示している。シャトル100が、
図10の位置から
図12の位置に下げられている際に、フレキシブル形成プレス322の部分は、形成ツール324の形状に合致するように撓み且つ曲がる。これが行われたときに、複合材プライ200は、形成ツール324とフレキシブル形成プレス322の間で圧縮される。複合材プライ200は、形成ツール324の形状に固化される。シャトル100が、形成ステーション320に位置付けられている間に、ラミネータヘッド312及びトリムヘッド314は、プライピックアップステーション310で、次の複合材プライ210を準備してよい。
【0031】
プライピックアップステーション310で複合材プライ200をピックアップし、複合材プライ200を形成ステーション320に搬送し、次いで、複合材プライ200を形成ツール324上に下げる、上述のプロセスは、所望であり得る任意の更なる数の複合材プライに対して繰り返される。これは、複合材プライ200を最も高いポイントに配置し、次いで、形成ツール324(又は形成ツール324上に予め敷設された任意のプライ)に押し付けながらプライを伸ばして、皺の形成を防止することを含むプロセスである。全ての空気(及び任意の他のガス)は、形成ツール324と弾性材料のシート120との間の空間から引き出される。それによって、大気圧が、複合材プライ200に対して作用する。これは、形成ツール324上で複合材プライのレイアップ(すなわち、複合材プレフォーム)を形成する。シャトル100が、最後の複合材プライを形成ツール324上に配置し、複合材プライのレイアップが、所望の数の複合材プライを含んだ後で、シャトル100は、
図12で示されているように、下げられた位置のままである。
【0032】
複合材プライ200の機械的な形成を提供するために、(
図12ではブロックとして概略的に示されている)任意選択的なフィンガーフォーミング(finger-forming)ユニット340が、シャトル100と共に使用されてよい。フィンガーフォーミングユニット340は、複合材プライ200の成形を容易にするために、ガス圧シリンダー(図示せず)を使用して、シャトル100上に下げられる。フィンガーフォーミングユニット340は、起伏205及び変曲点207の内部又は周囲などに、複合材プライ200の機械的な形成を適用するための、任意の適切な市販のフィンガーフォーミングユニットを備えてよい。フィンガーフォーミングユニットの構造及び動作は周知であり、したがって、これ以上説明はしない。
【0033】
図12で示されている複合材プライ200は、形成ツール324の形状に対応した、その所望の形状にある。複合材プライ200は、複合材プライ200がより圧縮され固化されることを可能とするために、所望な限りにおいて、
図12の位置のままであることを許されてよい。弾性材料のシート120は、形成ツール324又は予め敷設された任意の複合材プライの起伏に、相補的に合致する。例えば、形成ツール324の最上部分が、最初に接触されてよく、次いで、皺を追加することがない形成を援助するやり方で、徐々に下面へと形成する。
【0034】
図13を参照すると、
図12に類似した概略図が示されている。より具体的には、
図13は、シャトル100から離れるように持ち上げられたフレキシブル形成プレス322を示している。
図13で示されている固化された複合材プライは、
図4から
図12で示された複合材プライ200と区別するために、参照番号「201」によって指定される。シャトル100が、
図12の位置から
図13の位置に持ち上げられたときに、固化された複合材プライ201は、更なる処理(例えば、硬化)を受けてよく、又は、固化された複合材プライのレイアップを製作するために、1以上の更なる複合材プライが、固化された複合材プライ201上にレイアップされてよい。シャトル100が、
図12の位置から
図13の位置に移動する際に、プライピックアップステーション310で、次の複合材プライ210からのスクラップ212の1以上の断片の除去が開始してよい。スクラップ212の1以上の断片の除去は、何時開始してもよく、
図12の位置から
図13の位置へのシャトル100の移動中に、行われる必要はない。
【0035】
図14を参照すると、
図13に類似した概略図が示されている。より具体的には、
図14は、
図13の固化された複合材プライ201から離れるように持ち上げられた、シャトル100を示している。固化された複合材プライ201は、固化された複合材プライ201が、弾性材料のシート120から分離されたときに、引き剥がされない十分な力で、形成ツール324又は形成ツール324上に予め敷設された任意の複合材プライ上にくっついている。複合材プライ201の100%が弾性材料のシート120に粘り付く必要はないので、剥離の開始を援助するために、固化された複合材プライ201の縁部上に、幾つかのバリアプライ(図示せず)が設けられてよいと考えられる。所望の形状を有する、結果として生じる複合材構造(すなわち、固化された複合材プライ201)は、形成ツール324から取り除かれてよい。
【0036】
図15を参照すると、
図1のシャトル100に関連付けられ、且つ、固化された複合材プライ201(
図13及び
図14)又は固化された複合材プライのレイアップを製作するために、デバイスを制御することができる、例示的なコンピュータシステム1500が示されている。コンピュータシステム1500は、内部データ記憶ユニット1504、外部データ記憶ユニット(図示せず)、又はそれらの組み合わせに記憶された指示命令を実行する処理ユニット1502を含む。処理ユニット1502は、任意の種類の技術を含んでよい。例えば、処理ユニット1502は、汎用電子プロセッサを備えてよい。他の種類のプロセッサ及び処理ユニットの技術も可能である。内部データ記憶ユニット1504は、任意の種類の技術を含んでよい。例えば、内部データ記憶ユニット1504は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、固体メモリ、又はそれらの任意の組み合わせを含んでよい。他の種類のメモリ及びデータ記憶装置技術も可能である。
【0037】
コンピュータシステム1500は、更に、任意の種類の技術を含み得る幾つかの入力/出力(I/O)デバイス1506を更に含む。例えば、I/Oデバイス1506は、キーパッド、キーボード、タッチセンサ式ディスプレイスクリーン、液晶(LCD)スクリーン、マイクロホン、スピーカー、又はこれらの任意の組み合わせを含んでよい。他の種類のI/Oデバイス及び技術も可能である。任意選択的な検知ユニット1510は、コンピュータシステム1500に入力信号を提供する。本明細書で説明される任意選択的なフィンガーフォーミングユニット340も、コンピュータシステム1500に入力信号を提供してよい。
【0038】
処理ユニット1502は、本明細書で説明されるように、シャトル100を制御して、複合材プライの断片を切断し、ピックアップし、複合材プライの断片を搬送し、複合材プライの断片を配置する。処理ユニット1502は、任意選択的なフィンガーフォーミングユニット340も制御する。
【0039】
コンピュータシステム1500は、CNCベースのシステムを備えてよい。CNCベースのシステムは、コンピュータシステム1500のデータ記憶ユニット1504内に記憶されている予め生成されたCNCプログラムのパラメータの部分である、位置座標(例えば、(x、y、z)座標)に依存する。記憶された位置座標は、シャトル100とフィンガーフォーミングユニット340の制御を可能にする。
【0040】
プライピックアップステーション310におけるベッド/テーブル308上の複合材プライの位置座標は、予め生成されたNCプログラム内に記憶されている。複合材プライの記憶された位置座標は、複合材プライをピックアップするためにシャトル100が移動することが必要な位置を、シャトル100に告げる。複合材プライの記憶された座標は、形成ステーション320におけるベッド/テーブル318上の形成ツール324の上に複合材プライを搬送するために、シャトル100が移動することが必要な位置も、シャトル100に告げる。このプロセスは、結果として生じる複合材構造を製作するために使用される全ての複合材プライ(すなわち、1以上の複合材プライ)に対して繰り返される。
【0041】
任意選択的なフィンガーフォーミングユニット340の位置座標も、フィンガーフォーミングユニット340のサイズ及び寸法、並びに、インタフェースがシャトル100の上部にあることが望まれる形成ツール324の構成と同様に、予め生成されたNCプログラム内に記憶される。この情報は、複合材構造の製作を容易にするために、フィンガーフォーミングユニット340が、適切な位置に下げられることを可能とするように、移動システムが位置合わせされるように移動する必要がある位置を、ガス圧シリンダー(図示せず)又は任意の他の種類の移動システムに告げる。複合材構造を製作するためにシャトル100の動作を制御するように、
図15で示されているコンピュータシステム1500を有効にするために、センサは必要とされないことが理解される。
【0042】
上述の説明は、コンピュータシステム1500が、シャトル100の動作を制御するためにセンサを必要としないと説明しているが、NCプログラム内に記憶された位置座標によって示された位置に対して、複合材プライの位置を特定及び/又は確認するために、任意選択的なセンサユニット1510が設けられることが考えられる。複合材プライの位置における何らかの検出された差異は、(処理ユニット1502によって実行されるフィードバック制御を介して)適切に調整されて、シャトル100を複合材プライと正確に位置合わせすることができる。任意選択的な検知ユニット1510は、例えば、オーバーヘッドカメラ/光学認識システムを備えてよい。位置を検知するためにレーダーなどの使用も考えられる。
【0043】
また、上述の制御システムは、CNCベースのシステムに限定される必要はない。例えば、ピックアップする前にプライを位置特定する、センサ又は映像に依存するロボットシステムが使用されてよい。代替的に、レール及びブッシングが使用されてよい。
【0044】
図16を参照すると、フロー
図1600は、一実施形態による、複合材プライのレイアップを製作するために、シャトル100の動作を制御する、
図15の例示的なコンピュータシステムを動作させるための例示的な方法を描いている。ブロック1602では、弾性材料のシートを有するシャトルが、プライピックアップステーションにおける少なくとも1つのプライと係合するように移動される。任意選択的に、ブロック1603では、プライピックアップステーションにおけるベッド/テーブル(したがって、少なくとも1つの複合材プライ)と係合するように弾性材料のシートを促すために真空が引かれ、それによって、弾性材料のシートに対する少なくとも1つの複合材プライの粘り付きを強化する。ブロック1603中に、機械的な圧力も(又は代替的に)加えられる。次いで、プロセスは、少なくとも1つの複合材プライがシャトルを用いてピックアップされるブロック1604に進む。次いで、ブロック1606では、シャトルと少なくとも1つの複合材プライが、プライピックアップステーションから形成ステーションに搬送される。ブロック1608では、シャトル及び少なくとも1つの複合材プライは、形成ステーションで、形成ツール又は形成ツール上に予め敷設された任意のプライと係合するように移動される。弾性材料のシートの弾性は、形成ツール又は形成ツール上に予め敷設された任意の複合材プライの起伏に、相補的に合致することを容易にする。ブロック1610で示されているように、所望の形状を有する複合材プライのレイアップを形成するために、シャトルを用いて、少なくとも1つの複合材プライが、形成ツール又は形成ツール上に予め敷設された任意のプライ上に圧縮される。その後、該プロセスは終了する。
【0045】
ある実施形態では、該方法が、プライピックアップステーションで、少なくとも1つの複合材プライをネットトリミングすることを更に含む。
【0046】
ある実施形態では、該方法が、プライピックアップステーションで、少なくとも1つの複合材プライから裏紙を除去することを更に含む。
【0047】
ある実施形態では、少なくとも1つの複合材プライが、少なくとも1つの複合材プライを弾性材料のシートに粘り付けること、少なくとも1つの複合材プライを弾性材料のシートに真空付着させること、及び/又は少なくとも1つの複合材プライを弾性材料のシートに静電付着させることによって、弾性材料のシートにくっつけられる。
【0048】
ある実施形態では、少なくとも1つの複合材プライの一部分が、弾性材料のシートにくっついていない。これは、形成、及び少なくとも1つの複合材プライからの解放において助けとなる。
【0049】
ある実施形態では、少なくとも1つの複合材プライの形状が、予め敷設されたプライの形状又は形成ツールの形状に合致して、少なくとも1つの複合材プライの所望の形状を形成する。
【0050】
ある実施形態では、少なくとも1つの複合材プライが、予め敷設されたプライの形状又は形成ツールの形状にフィンガーフォームされて、少なくとも1つの複合材プライの所望の形状を形成する。任意選択的に、滑り面などをフィンガーフォーミングユニットと弾性材料のシートとの間に配置して、フィンガーフォーミングユニットを形成ツールに対してある位置に滑り込ませてよく、機械的な圧力を加え、それによって、任意の谷間又は変曲点を横断するブリッジングを除去することができる。
【0051】
ある実施形態では、該方法が、シャトルと少なくとも1つの複合材プライが、形成ステーションの形成ツール又は形成ステーションの形成ツール上に予め敷設された任意のプライと係合するように移動しているときに、プライピックアップステーションで、別の少なくとも1つの複合材プライを積層化することを更に含む。
【0052】
ある実施形態では、該方法が、シャトルと少なくとも1つの複合材プライが、形成ステーションで、形成ツール又は形成ツール上に予め敷設された任意のプライと係合するように移動しているときに、プライピックアップステーションで、別の少なくとも1つの複合材プライをネットトリミングすることを更に含む。
【0053】
ある実施形態では、該方法が、シャトルと少なくとも1つの複合材プライが、形成ステーションで、形成ツール又は形成ツール上に予め敷設された任意のプライと係合するように移動しているときに、プライピックアップステーションで、別の少なくとも1つの複合材プライから裏紙を除去することを更に含む。
【0054】
本開示の方法のある実施形態では、少なくとも1つの複合材プライが平坦である間に、シャトルを用いて、少なくとも1つの複合材プライをピックアップし、次いで、シャトルは起伏を有する形成ツールに合致する。
【0055】
上述のシャトル100が、ロボットによって制御されることは明らかである。作業人員が、複合材プライを切断し、ピックアップし、形成ツールに搬送する必要はなくなる。したがって、複合材プライのレイアップを製作するための自動化されたプロセスが提供される。したがって、自動化されたプロセスにより、結果として形成された複合材構造に対する潜在的な損傷を低減させる。しかし、他のオプションも考えられる。
【0056】
処理ユニット1502は、(i)検知されたプライ位置情報に基づく、プライピックアップステーション310での、少なくとも1つの複合材プライのピックアップ及び搬送、並びに(ii)形成ツール位置情報に基づく、形成ステーション320での、形成ツール324又は形成ツール324上に予め敷設された任意のプライ上への、複合材プライの圧縮、を制御するためのシャトル100を含むデバイスを制御することも明らかである。
【0057】
処理ユニット1502は、(i)プライピックアップステーション310で、少なくとも1つの複合材プライをピックアップすること、(ii)複合材プライを形成ステーション320に搬送すること、及び(iii)プライピックアップステーション310で、別の複合材プライが、ラミネータヘッド312又はトリムヘッド314の何れかによって処理されている間に、複合材プライのレイアップを形成するために、形成ステーション320で、形成ツール324又は形成ツール324上に予め敷設された任意のプライ上に、複合材プライを圧縮すること、を容易にするためのシャトル100を含むデバイスを制御することも更に明らかである。複合材プライが完全に積層化されて、ラミネータヘッド312がその定位置に戻った状態になるのを待つ代わりに、複合材プライが積層化されているのと同時に複合材プライがトリミングされ得るように、ラミネータヘッド312及びトリムヘッド314は、互いに対して位置付けられる。これは、正味のトリム積層時間を削減する。
【0058】
したがって、シャトルは、プライピックアップステーションから形成ステーションへの複合材プライの搬送向けの搬送媒体、更には形成用の真空バッグの、両方として使用される。
【0059】
開示の実施例は、
図17に示す航空機の製造および保守方法1700と、
図18に示す航空機1702に関連して説明され得る。航空機の製造及び保守方法1700は、製造前段階において、航空機1702の仕様及び設計1704と、材料の調達1706とを含み得る。製造段階では、航空機1702の構成要素/サブアセンブリの製造1708及びシステムインテグレーション1710が行われる。その後、航空機1702は、運航1714に供されるために、認可及び納品1712に供され得る。顧客により運航される期間に、航空機1702には、改造、再構成、改修等も含み得る、定期整備及び保守1716が予定される。
【0060】
方法1700の各工程は、システムインテグレータ、第三者、及び/又はオペレータ(例えば、顧客)によって実行又は実施され得る。本明細書の目的のために、システムインテグレータは、限定しないが、任意の数の航空機製造者及び主要システムの下請業者を含み得、第三者は、限定しないが、任意の数のベンダー、下請業者、及び供給業者を含み得、且つ、オペレータは、航空会社、リース会社、軍事団体、サービス機関などであり得る。
【0061】
図18に示すように、例示の方法1700によって製造された航空機1702は、複数のシステム1720及び内装1722を備えた機体1718を含み得る。複数のシステム1720の例には、推進システム1724、電気システム1726、液圧システム1728、及び環境システム1730のうちの1以上が含まれ得る。任意の数の他のシステムが含まれることもある。
【0062】
本開示のシステム及び方法は、航空機の製造及び保守方法1700の1以上の任意の段階で採用することができる。一実施例として、構成要素/サブアセンブリの製造1708、システムインテグレーション1710、及び/又は整備及び保守1716に対応する構成要素又はサブアセンブリは、開示されているシステム方法を使用して組み立てられ得る。別の一実施例として、機体1718は、本開示のシステム及び方法を使用して構築されてよいまた、1以上のシステム例、方法例、又はこれらの組み合わせは、例えば、機体1718及び/又は内装1722のような航空機1702の組立てを実質的に効率化するか、又は航空機1702のコストを削減することにより、構成要素/サブアセンブリの製造1708及び/又はシステムインテグレーション1710において利用され得る。同様に、システムの実施例、方法の実施例、或いはこれらの組み合わせのうちの1以上は、例えば、航空機1702の運航期間中に、限定しないが、整備及び保守1716に対して利用され得る。
【0063】
開示された実施形態の態様は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、又はそれらの組み合わせにおいて実行され得る。個別又は組み合わせの何れかの、システムの様々な要素は、プロセッサによって実行されるために機械可読記憶デバイス(記憶媒体)内の有形に具現化されたコンピュータプログラム製品(指示命令のプログラム)として実装され得る。実施形態の様々なステップは、入力において動作し、出力を生成することによって機能を実施するために、コンピュータ可読媒体上に有形で具現化されたプログラムを実行するコンピュータプロセッサによって実施され得る。コンピュータ可読媒体は例えば、メモリ、例えばコンパクトディスク、又はフラッシュドライブ等の可搬型の媒体であってよく、これにより、開示された実施形態の態様を具現化するコンピュータプログラムがコンピュータに読み込まれ得る。
【0064】
上述のシステム及び方法は、航空機の文脈で説明されている。しかし、本開示のシステム及び方法は、様々な用途向けに適切であり、本開示は、航空機製造用途に限定されないことを、当業者は明確に理解するだろう。例えば、本開示のシステム及び方法は、例えば、ヘリコプター、客船、自動車、海洋製品(ボート、発動機船など)などを含む、様々な種類の輸送体内に実装されてよい。輸送体ではない用途も考えられている。
【0065】
また、上述の説明は、軍事及び航空宇宙の規制に従って航空産業において飛行機の部品向けに複合材構造を製作するためのシステム及び方法を説明したが、該システム及び方法は、適用可能な産業基準に従って任意の産業において複合材構造体を製作することを容易にするように実装されてよい。特定のシステム及び方法は、特定の用途に応じて選択及び調整されてよい。
【0066】
更に、本開示は以下の条項による実施例を含む。
条項1.
所望の形状を有する複合材プライのレイアップを製作するための方法であって、プライピックアップステーションで、弾性材料のシートを備えたシャトルを、少なくとも1つの複合材プライと係合させるように移動させること、前記シャトルを用いて前記少なくとも1つの複合材プライをピックアップすること、形成ステーションにおける形成ツール又は前記形成ツール上に予め敷設された任意のプライと係合させるように、前記シャトル及び前記少なくとも1つの複合材プライを移動させること、並びに、前記所望の形状を有する前記複合材プライのレイアップを形成するために、前記シャトルを用いて、前記少なくとも1つの複合材プライを、前記形成ツール又は前記形成ツール上に予め敷設された任意のプライ上に圧縮することを含む、方法。
条項2.
前記プライピックアップステーションで、前記少なくとも1つの複合材プライをベッド/テーブル上に配置することを更に含む、条項1に記載の方法。
条項3.
前記プライピックアップステーションで、前記少なくとも1つの複合材プライをネットトリミングすることを更に含む、条項2に記載の方法。
条項4.
前記シャトルを用いて前記少なくとも1つの複合材プライをピックアップすることが、前記少なくとも1つの複合材プライを、前記弾性材料のシートに粘り付けることを含む、条項1から3のいずれか一項に記載の方法。
条項5.
前記弾性材料のシートを前記少なくとも1つの複合材プライと係合させるように真空を引くことを更に含む、条項1から4のいずれか一項に記載の方法。
条項6.
前記プライピックアップステーションから前記形成ステーションに、前記シャトル及び前記少なくとも1つの複合材プライを搬送することを更に含む、条項1から5のいずれか一項に記載の方法。
条項7.
前記シャトルを用いて前記少なくとも1つの複合材プライをピックアップすることが、前記少なくとも1つの複合材プライを、前記少なくとも1つの複合材プライを前記弾性材料のシートに粘り付けること、前記少なくとも1つの複合材プライを前記弾性材料のシートに真空付着させること、及び前記少なくとも1つの複合材プライを前記弾性材料のシートに静電付着させることのうちの1つの選択によって、前記弾性材料のシートにくっつけることを含む、条項1から3及び5又は6のいずれか一項に記載の方法。
条項8.
前記形成ステーションにおける前記形成ツール又は前記形成ツール上に予め敷設された任意のプライと係合させるように、前記シャトル及び前記少なくとも1つの複合材プライを移動させることが、前記少なくとも1つの複合材プライの前記所望の形状を形成するために、前記少なくとも1つの複合材プライの形状を、前記予め敷設されたプライの形状又は前記形成ツールの形状に合致させることを含む、条項1から7のいずれか一項に記載の方法。
条項9.
前記少なくとも1つの複合材プライの前記所望の形状を形成するために、前記少なくとも1つの複合材プライの形状を、前記予め敷設されたプライの形状又は前記形成ツールの形状に合致させることが、前記少なくとも1つの複合材プライの前記所望の形状を形成するために、前記少なくとも1つの複合材プライを、前記予め敷設されたプライの前記形状又は前記形成ツールの前記形状にフィンガーフォーミングすることを含む、条項8に記載の方法。
条項10.
前記シャトル及び前記少なくとも1つの複合材プライが、前記形成ステーションにおける前記形成ツール又は前記形成ステーションにおける前記形成ツール上に予め敷設された任意のプライと係合するように移動しているときに、前記プライピックアップステーションで、別の少なくとも1つの複合材プライを積層化することを更に含む、条項1から9のいずれか一項に記載の方法。
条項11.
前記シャトル及び前記少なくとも1つの複合材プライが、前記形成ステーションで、前記形成ツール又は前記形成ツール上に予め敷設された任意のプライと係合するように移動しているときに、前記プライピックアップステーションで、前記別の少なくとも1つの複合材プライをネットトリミングすることを更に含む、条項10に記載の方法。
条項12.
前記シャトル及び前記少なくとも1つの複合材プライが、前記形成ステーションで、前記形成ツール又は前記形成ツール上に予め敷設された任意のプライと係合するように移動しているときに、前記プライピックアップステーションで、前記別の少なくとも1つの複合材プライから裏紙を除去することを更に含む、条項10又は11に記載の方法。
条項13.
前記方法が、コンピュータによって読み取り可能なプログラム記憶媒体内で有形に具現化された指示命令の1以上のプログラムを実行するメモリを有する前記コンピュータによって実行される、条項1から12のいずれか一項に記載の方法。
条項14.
前記方法が、コンピュータシステムによって読み取り可能な内部データ記憶ユニット、外部データ記憶ユニット、又はそれらの組み合わせ内で有形に具現化された指示命令の1以上のプログラムを実行する処理ユニットを有する前記コンピュータシステムによって実行される、条項1から12のいずれか一項に記載の方法。
条項15.
条項1から14のいずれか一項に記載の方法に従って組み立てられた航空機の一部分。
条項16.
複合材プライのレイアップを製作するためのシステムであって、弾性材料のシートを備えたシャトルを備え、前記シャトルが、(i)少なくとも1つの複合材プライを、プライピックアップステーションでピックアップし、(ii)前記複合材プライを形成ステーションに搬送し、(iii)前記複合材プライのレイアップを形成するために、前記形成ステーションで、前記複合材プライを、形成ツール又は前記形成ツール上に予め敷設された任意のプライ上に圧縮するように構成され、前記システムが、更に、条項1から14のいずれか一項に記載の方法(1600)を実行するために、前記シャトル(100)を制御するように構成された、コントローラを備える、システム。
条項17.
複合材プライのレイアップを製作するためのシステムであって、弾性材料のシートを備えたシャトルを備え、前記シャトルが、(i)少なくとも1つの複合材プライを、プライピックアップステーションでピックアップし、(ii)前記複合材プライを形成ステーションに搬送し、(iii)前記複合材プライのレイアップを形成するために、前記形成ステーションで、前記複合材プライを、形成ツール又は前記形成ツール上に予め敷設された任意のプライ上に圧縮するように構成され、前記システムが、更に、(i)検知されたプライ位置情報に基づく、前記プライピックアップステーションでの、前記複合材プライのピックアップ及び搬送、並びに(ii)形成ツール位置情報に基づく、前記形成ステーションでの、前記形成ツール又は前記形成ツール上に予め敷設された任意のプライ上への、前記複合材プライの圧縮、を制御するように構成された、コントローラを備える、システム。
条項18.
前記シャトルが、フレーム構造を含み、前記弾性材料のシートが、前記フレーム構造内に配置され、前記プライピックアップステーションで前記複合材プライをピックアップして、前記複合材プライを前記形成ステーションに搬送するために、前記複合材プライにくっつくように構成されている、条項17に記載のシステム。
条項19.
前記フレーム構造が、前記弾性材料のシートが配置される実質的に矩形状の内部エリアを画定する、条項18に記載のシステム。
条項20.
前記複合材プライを形成するために、ストック材料の1以上のシートを積層化するためのラミネータヘッドを、前記ピックアップステーションに更に備える、条項17から19のいずれか一項に記載のシステム。
条項21.
ストック材料の1以上のシートから積層化された複合材プライをネットトリミングするためのトリムヘッドを、前記ピックアップステーションに更に備える、条項20に記載のシステム。
条項22.
前記形成ステーションで、前記形成ツール又は前記形成ツール上に予め敷設された任意のプライ上に、前記複合材プライを圧縮するための、フレキシブル形成プレスを、形成ステーションに更に備える、条項17から21のいずれか一項に記載のシステム。
条項23.
条項17から22のいずれか一項に記載のシステムを使用して航空機の一部分を製作すること。
条項24.
複合材プライのレイアップを製作するためのシステムであって、少なくとも1つの複合材プライを形成するために、ストック材料の1以上のシートを積層化するための、プライピックアップステーションにあるラミネータヘッド、ストック材料の1以上のシートから積層化された前記複合材プライをネットトリミングするための、前記プライピックアップステーションにあるトリムヘッド、形成ステーションにおいて形成ツール又は前記形成ツール上に予め敷設された任意のプライ上に前記複合材プライを圧縮するための、前記形成ステーションにあるフレキシブル形成プレス、並びに、(i)少なくとも1つの複合材プライを、前記プライピックアップステーションでピックアップすること、(ii)前記複合材プライを前記形成ステーションに搬送すること、及び(iii)前記プライピックアップステーションで、別の少なくとも1つの複合材プライが、前記ラミネータヘッド又は前記トリムヘッドの何れかによって処理されている間に、前記複合材プライのレイアップを形成するために、前記形成ステーションで、前記複合材プライを、前記形成ツール又は前記形成ツール上に予め敷設された任意のプライ上に圧縮すること、を容易にするように構成された、シャトルを備える、システム。
条項25.
前記シャトルが、(i)フレーム構造、及び(ii)前記複合材プライをピックアップし、前記複合材プライを前記形成ステーションへ搬送するために、前記フレーム構造内に配置され、前記ピックアップステーションで前記複合材プライにくっつくように構成された、弾性材料のシートを含む、条項24に記載のシステム。
条項26.
前記フレーム構造が、前記弾性材料のシートが配置される実質的に矩形状の内部エリアを画定する、条項25に記載のシステム。
条項27、
条項24から26のいずれか一項に記載のシステムを使用して航空機の一部分を製作すること。
条項28.
所望の形状を有する複合材プライのレイアップを製作するためのシステムであって、プライピックアップステーション、前記プライピックアップステーションから離れるように間隔を空けられ、形成ツールを備えた形成ステーション、及び、前記プライピックアップステーションと前記形成ステーションの間で移動可能な、弾性材料のシートを備えたシャトルを備える、システム。
条項29.
前記シャトルが、(i)少なくとも1つの複合材プライを、前記プライピックアップステーションでピックアップし、(ii)前記複合材プライを前記形成ステーションに搬送し、(iii)前記複合材プライのレイアップを形成するために、前記形成ステーションで、前記複合材プライを、前記形成ツール又は前記形成ツール上に予め敷設された任意のプライ上に圧縮するように構成されている、条項28に記載のシステム。
条項30.
プライピックアップステーションから形成ステーションへの少なくとも1つの複合材プライの搬送を容易にするための装置であって、フレーム構造の内部エリアを画定する前記フレーム構造、及び、前記フレーム構造の前記内部エリア内に配置された弾性材料のシートであって、少なくとも1つの複合材プライに粘り付くための主面を備えた弾性材料のシートを備える、装置。
条項31.
前記弾性材料のシートが、ラテックス材料である、条項30に記載の装置。
条項32.
前記弾性材料のシートの前記主面が、前記主面の粘り付き部分、及び前記主面の前記粘り付き部分の外側に位置付けられた真空密封部分を備える、条項30又は31に記載の装置。
条項33.
条項30から32のいずれか一項に記載の装置を使用して複合材プライをピックアップすること。
【0067】
更に、開示された実施形態の様々な態様が示され、説明されてきたが、当業者であれば、本明細書を読むことで、変更例を想起するであろう。本出願は、かかる変形例を含み、且つ特許請求の範囲によってのみ限定されるものである。