(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-12
(45)【発行日】2024-07-23
(54)【発明の名称】保安システム
(51)【国際特許分類】
G08B 25/04 20060101AFI20240716BHJP
G08B 21/00 20060101ALI20240716BHJP
H04N 21/41 20110101ALI20240716BHJP
H04N 21/488 20110101ALI20240716BHJP
H04Q 9/00 20060101ALI20240716BHJP
【FI】
G08B25/04 H
G08B21/00 A
H04N21/41
H04N21/488
H04Q9/00 301C
H04Q9/00 311K
(21)【出願番号】P 2020094939
(22)【出願日】2020-05-29
【審査請求日】2023-04-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000003403
【氏名又は名称】ホーチキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079359
【氏名又は名称】竹内 進
(72)【発明者】
【氏名】外村 賢昭
【審査官】瀬戸 康平
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-061351(JP,A)
【文献】特開2006-185278(JP,A)
【文献】特開2005-051501(JP,A)
【文献】特開2007-179555(JP,A)
【文献】特開2006-270687(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0304729(US,A1)
【文献】中国実用新案第206162816(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B 17/00-31/00
H04N 21/00
H04Q 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の監視領域の保安に関する所定の保安状態を検出して保安検出信号を送信する保安端末と、
前記保安検出信号を受信し
た場合、保安警報を出力すると共に所定の警報移報信号を送信する受信器と、
前記警報移報信号を受信した場合、前記保安警報の報知を行わせるための信号であって前記保安警報の内容を示す警報報知情報を含む警報報知信号を送信する中間装置と、
前記警報報知信号
を受信した場合、前記警報報知情報を少なくとも画面に表示して報知する報知装置と、
前記報知装置を遠隔操作する遠隔操作装置と、
を備え、
前記警報報知情報は、前記遠隔操作装置の操作情報を含み、
前記報知装置は、前記警報報知情報を再生した状態で、前記遠隔操作装置から受信した所定の操作信号を前記中間装置へ送信して前記操作信号に対応した所定の制御を行わせることを特徴とする保安システム
。
【請求項2】
所定の監視領域の保安に関する所定の保安状態を検出して保安検出信号を送信する保安端末と、
前記保安検出信号を受信した場合、保安警報を出力すると共に所定の警報移報信号を送信する受信器と、
前記警報移報信号を受信した場合、前記保安警報の報知を行わせるための信号であって前記保安警報の内容を示す警報報知情報を含む警報報知信号を送信する中間装置と、
前記警報報知信号を受信した場合、前記警報報知情報を少なくとも画面に表示して報知する報知装置と、
を備え、
前記受信器は、
外出又は就寝に伴う第1警戒モード、又は、在宅に伴う第2警戒モード
を設定可能
であり、
第1警戒モードの設定状態で前記保安端末から前記保安検出信号を受信した場合は、前記保安警報を出力すると共に前記中間装置から前記警報報知情報を前記報知装置へ送信して再生させ、
第2警戒モードの設定状態で前記保安端末から前記保安検出信号を受信した場合は、前記保安端末が動作したことを報知すると共に前記中間装置から前記保安端末の動作に関する報知情報を前記報知装置へ送信して再生させる
ことを特徴とする保安システム。
【請求項3】
請求項1
又は2記載の保安システム
であって、
前記中間装置は、前記報知装置が報知を行う状態となるように前記報知装置を制御する制御信号を送信することを特徴とする保安システム。
【請求項4】
請求項
3記載の保安システム
であって、
前記報知装置
は、前記警報報知信号とは異なる信号に基づき報知を行っている
状態で前記中間装置から
前記制御信号を受信した
場合は、前記警報報知信号に基づく報知を行う
。
【請求項5】
請求項1
又は2記載の保安システム
であって、
前記報知装置は
、
前記受信器とは異なる他の装置から受信した信号に基づく信号を報知可能
であり、
前記中間装置から前記警報報知信号を受信した場合に、報知する信号を
前記他の装置から受信した信号から前記警報報知信号に変更することを特徴とする保安システム。
【請求項6】
請求項
2記載の保安システム
であって、
前記受信器は
、前記第1警戒モード又は第2警戒モード
に設定
されたときに、前記中間装置から所定の第1警戒モードの設定に関する情報又は前記第2警戒モードの設定に関する情報を前記報知装置へ送信して再生させることを特徴とする保安システム。
【請求項7】
請求項1
又は2記載の保安システム
であって、
前記報知装置
は、少なくとも2以上の信号の入力が可能であ
り、出力する信号を切り替え可能な入力切替器を介して前記中間装置が接続されたことを特徴とする保安システム。
【請求項8】
請求項1
又は2記載の保安システム
であって、
前記保安端末は、窓の開放を検出して窓開検出信号を送信する窓開閉検出器であり、
前記受信器は、前記窓開検出信号を受信した場合に、所定の防犯警報を出力すると共に前記中間装置に窓開移報信号を送信し、
前記中間装置は、前記受信器から前記窓開移報信号を受信した場合に、所定の窓開報知情報を前記報知装置へ送信して再生させることを特徴とする保安システム。
【請求項9】
請求項1記載の保安システム
であって、
前記受信器は、前記保安端末の電池切れを検出した場合に、所定の電池切れ警報を出力すると共に電池切れ移報信号を送信し、
前記中間装置は、前記電池切れ移報信号を受信した場合に、所定の電池切れ報知情報を前記報知装置へ送信して再生させ、
前記電池切れ報知情報は、電池交換方法を示す所定の動画を前記遠隔操作装置により再生するための操作情報を含み、
前記報知装置は、前記電池切れ報知情報が再生された状態で、前記遠隔操作装置による所定の動画再生操作を検出した場合に動画再生信号を前記中間装置へ送信し、前記電池交換方法を示す所定の動画を前記報知装置へ送信して再生させることを特徴とする保安システム。
【請求項10】
所定の監視領域の保安に関する所定の保安状態を検出して保安検出信号を送信する保安端末と、
前記保安検出信号を受信した場合、保安警報の報知を行わせるための信号であって前記保安警報の内容を示す警報報知情報を含む警報報知信号を送信する中間部と、
前記警報報知信号を受信した場合、前記警報報知情報を少なくとも画面に表示して報知する報知装置と、
前記報知装置を遠隔操作する遠隔操作装置
と、
を備え、
前記警報報知情報は
、前記遠隔操作装置の操作情報を含み、
前記報知装置は、前記警報報知情報を再生した状態で、前記遠隔操作装置から受信した所定の操作信号を前記中間
部へ送信して前記操作信号に対応した所定の制御を行わせることを特徴とする保安システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受信器とHDMI(登録商標)-CEC機能をもつテレビ装置等の報知装置を連携させた保安システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、住宅における防犯監視や防災監視のため保安システムの普及が進んでいる。
【0003】
保安システムは、窓や玄関等に開放を検出して送信する開閉検出器を設け、外出時や就寝時には、受信器の操作で警戒モードを設定し、例えば不審者が窓を開けて侵入しようすると、窓の開閉検出器が窓開を検出して警報音を出力すると共に窓開検出信号を受信器に送信して防犯警報が出力され、また、必要に応じて自動通報装置により利用者や警備会社に通報するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2007-233733号公報
【文献】特開2012-118823号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、このような従来の保安システムあっては、受信器によって、警戒モードの設定と解除の操作、検出器から異常検出信号が受信された場合のスピーカからの音声警報と表示灯の作動による警報表示等の警戒監視に必要な各種の操作を行っており、受信器の取扱説明書を準備し、利用者に読んでもらうことによりシステムの運用管理ができるようにしている。
【0006】
しかしながら、防犯警報が出力された緊急を要する状況のもとで、利用者が取扱説明書に従った操作や行動をとることは困難であり、そのときの利用者の判断に対応をゆだねており、受信器からの音声警報と表示灯の動作表示だけでは、異常の確認や外部通報等に手間取り、十分に対応できず、対応が遅れる虞がある。
【0007】
また、窓の開閉検出器等の保安端末は電池駆動としていることから、例えば保安端末から電池切れ警報が出された場合には、利用者による電池交換が必要になるが、電池交換の方法は取扱説明書を見ても分かりにくい場合があり、電池交換が行われずに放置され、電池切れにより監視機能が失われてしまう問題もある。
【0008】
本発明は、一般家庭のほとんど全てに設置されているHDMI(登録商標)-CEC規格に従ったテレビ装置等の報知装置と受信器の連携により防犯や防災の監視機能を強化して迅速且つ適切な対応を可能とする保安システムを提供することを目的とする。なお、HDMIは登録商標であるが、以下の説明では登録商標の表記は省略している。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(保安システム)
本発明は、保安システムであって、
所定の監視領域の保安に関する所定の保安状態を検出して保安検出信号を送信する保安端末と、
保安端末からの保安検出信号を受信した場合、保安警報を出力すると共に所定の警報移報信号を送信する受信器と、
受信器からの警報移報信号を受信した場合、保安警報の報知を行わせるための信号であって保安警報の内容を示す警報報知情報を含む警報報知信号を送信する中間装置と、
中間装置からの警報報知信号を受信した場合、警報報知情報を少なくとも画面に表示して報知する報知装置と、
を備えたことを特徴とする。
【0010】
(報知装置の状態制御)
中間装置は、報知装置が報知を行う状態となるように報知装置を制御する制御信号を送信する。
【0011】
(報知装置の経路制御)
報知装置は、警報報知信号とは異なる信号に基づき報知を行っている状態で中間装置から制御信号を受信した場合は、警報報知信号に基づく報知を行う。
【0012】
(他装置からの入力を受け付け、警報報知信号に入力を切り替える報知装置)
報知装置は、受信器とは異なる他の装置から受信した信号に基づく信号を報知可能であり、
中間装置から警報報知信号を受信した場合に、報知する信号を他の装置から受信した信号から警報報知信号に変更する。
【0013】
(遠隔操作装置による制御)
更に、報知装置を遠隔操作する遠隔操作装置を備え、
警報報知情報は、遠隔操作装置の操作情報を含み、
報知装置は、警報報知情報を再生した状態で、遠隔操作装置から受信した所定の操作信号を中間装置へ送信して操作信号に対応した所定の制御を行わせる。
【0014】
(外出又は就寝に伴う第1警戒モードと在宅に伴う第2警戒モードの設定)
受信器は、
外出又は就寝に伴う第1警戒モード、又は、在宅に伴う第2警戒モードを設定可能であり、
第1警戒モードの設定状態で保安端末から保安検出信号を受信した場合は、保安警報を出力すると共に中間装置から警報報知情報を報知装置へ送信して再生させ、
第2警戒モードの設定状態で保安端末から保安検出信号を受信した場合は、保安端末が動作したことを報知すると共に中間装置から保安端末の動作に関する報知情報を報知装置へ送信して再生させる。
【0015】
(第1又は第2警戒モードの設定に関する情報の再生)
受信器は、第1警戒モード又は第2警戒モードに設定されたときに、中間装置から所定の第1警戒モードの設定に関する情報又は第2警戒モードの設定に関する情報を報知装置へ送信して再生させる。
【0016】
(入力切替器を介した接続)
報知装置は、少なくとも2以上の信号の入力が可能であり、出力する信号を切り替え可能な入力切替器を介して中間装置が接続される。
【0017】
(窓開検出)
保安端末は、窓の開放を検出して窓開検出信号を送信する窓開閉検出器であり、
受信器は、窓開検出信号を受信した場合に、所定の防犯警報を出力すると共に中間装置に窓開移報信号を送信し、
中間装置は、受信器から窓開移報信号を受信した場合に、所定の窓開報知情報を報知装置へ送信して再生させる。
【0018】
(電池交換方法の動画再生)
受信器は、保安端末の電池切れを検出した場合に、所定の電池切れ警報を出力すると共に電池切れ移報信号を送信し、
中間装置は、電池切れ移報信号を受信した場合に、所定の電池切れ報知情報を報知装置へ送信して再生させ、
電池切れ報知情報は、電池交換方法を示す所定の動画を遠隔操作装置により再生するための操作情報を含み、
報知装置は、電池切れ報知情報が再生された状態で、遠隔操作装置による所定の動画再生操作を検出した場合に動画再生信号を中間装置へ送信し、電池交換方法を示す所定の動画を報知装置へ送信して再生させる。
【発明の効果】
【0019】
(基本的な効果)
本発明は、保安システムであって、所定の監視領域の保安に関する所定の保安状態を検出して保安検出信号を送信する保安端末と、保安端末からの保安検出信号を受信して保安警報を出力すると共に所定の警報移報信号を送信する受信器と、受信器からの警報移報信号を受信した場合、保安警報の報知を行わせるための信号であって保安警報の内容を示す警報報知情報を含む警報報知信号を送信する中間装置と、警報報知信号に基づいて警報報知情報を少なくとも画面に表示して報知する報知装置とが設けられたため、保安端末で防犯や防災などの対処すべき保安状態を検出して受信器から保安警報が出力された場合に、受信器から送信された警報移報信号により中間装置から保安警報の内容を示す警報報知情報が報知装置に送信されて画面に表示され、従来の受信器の表示灯と音声による警報出力に比べ利用者に対する警報の伝達が各段に強化され、防犯や防災等の警報すべき保安状態が発生した場合に迅速且つ適切な対応を可能とする。
【0020】
(報知装置の状態制御による効果)
また、中間装置は、報知装置が報知を行う状態となるように報知装置を制御する制御信号を送信するようにしたため、報知装置の電源が自動的に入って中間装置からの再生に切り替わり、中間装置から警報報知情報を報知装置に自動的に転送して再生させることができる。
【0021】
(報知装置の経路制御による効果)
また、制御信号はさらに、報知装置が自ら受信した信号又は中間装置とは異なる装置から受信した信号に基づき報知を行っている場合は、中間装置から受信した警報報知信号に基づく報知を行うように報知装置を制御する、制御信号としたため、中間装置から制御信号を受信した報知装置は、別の装置から受信した信号の再生中であれば、別の装置からの再生を停止して中間装置からの警報報知信号の受信再生に自動的に切り替わり、この結果、報知装置は警報報知信号を受信したときの報知装置の利用状態に関わらず、警報報知情報を優先的に再生して報知することができる。
【0022】
(他装置からの入力を受け付け、火災検出時に出力を切り替える報知装置の効果)
また、報知装置は、自ら受信した信号又は他の装置から受信した信号に基づく信号を報知可能に構成され、中間装置から警報報知信号を受信した場合に、報知する信号を自ら受信した信号又は他の装置から受信した信号から警報報知信号に変更するようにしたため、前述した「報知装置の経路制御による効果」と同様な効果が得られる。
【0023】
(遠隔操作装置による制御の効果)
更に、報知装置を遠隔操作する遠隔操作装置が設けられ、警報報知情報は遠隔操作装置の操作情報を含み、報知装置は、警報報知情報を再生した状態で、遠隔操作装置から受信した所定の操作信号を中間装置へ送信して操作信号に対応した所定の制御を行わせるようにしたため、受信器で保安警報を出力した場合に、中間装置から送信された警報報知情報の再生により報知装置に遠隔操作装置の操作情報を含む警報報知情報が画面表示されると共に音声メッセージが出力され、この状態で操作情報に従って遠隔操作装置を操作すると、報知装置から中間装置へ所定の操作信号が送信されて受信器の警報停止等の操作ができ、受信器の操作が報知装置の遠隔操作装置によりできることで、受信器に出向いて操作する必要がなく、受信器で保安警報等が出力された場合に迅速且つ適切な対応を可能とする。
【0024】
(外出又は就寝に伴う第1警戒モードと在宅に伴う第2警戒モードの設定の効果)
また、受信器は、外出又は就寝に伴う第1警戒モード、又は、在宅に伴う第2警戒モードの設定が可能に構成され、第1警戒モードの設定状態で保安端末から保安検出信号を受信した場合は、保安警報を出力すると共に中間装置から警報報知情報を報知装置へ送信して再生させ、第2警戒モードの設定状態で保安端末から保安検出信号を受信した場合は、保安端末が動作したことを報知すると共に中間装置から保安端末の動作に関する報知情報を報知装置へ送信して再生させるようにしたため、外出や就寝に伴い受信器で第1警戒モードを設定した状態で保安警報が出力されると、受信器による保安警報の出力に加え、警報内容に関する警報報知情報、例えば防犯、防災、事故等の警報内容と対処方法等が報知装置で再生され、利用者の迅速且つ適切な対応を可能とし、また、在宅に伴い受信器で第2警戒モードを設定した状態で保安端末が動作したことが報知されることで、保安端末の動作に関する報知情報、例えば動作内容や設置場所等が報知装置で再生され、利用者は保安端末がどのような動作状態にあるかを簡単且つ容易に把握することができる。
【0025】
(第1又は第2警戒モードの設定に関する情報の再生の効果)
また、受信器は、第1警戒モード又は第2警戒モードを設定したときに、中間装置から所定の第1警戒モードの設定に関する情報又は第2警戒モードの設定に関する情報を報知装置へ送信して再生させるようにしたため、受信器で第1警戒モード又は第2警戒モードを設定した場合に、利用者は報知装置でも第1警戒モード又は第2警戒モードの設定に関する情報を確認することができる。
【0026】
(入力切替器を介した接続の効果)
また、報知装置に、少なくとも2以上の信号の入力が可能であって出力する信号を切り替え可能な入力切替器を介して中間装置が接続されるようにしたため、例えば、HDMI規格では、報知装置の記録デバイスの論理アドレスは4番、8番、11番の3アドレスしか割り当てられておらず、中間装置を含めて最大3台までしかプレーヤ装置を報知装置のHDMI端子に接続できず、プレーヤ装置3台に加えてアダプタ1台を接続する場合には、例えば2入力1出力のHDMI切替器の1出力のHDMI端子を報知装置のHDMI端子に接続し、HDMI切替器の2入力の一方のHDMI端子に3台目のプレーヤ装置を接続すると共に切替器の2入力の他方のHDMI端子に中間装置を接続することで、中間装置からの警報報知情報を、HDMI切替器を介して報知装置に送信して再生することができる。
【0027】
(窓開検出の効果)
また、保安端末は、窓の開放を検出して窓開検出信号を送信する窓開閉検出器であり、受信器は、窓開検出信号を受信した場合に、所定の防犯警報を出力すると共に中間装置に窓開移報信号を送信し、中間装置は、受信器から窓開移報信号を受信した場合に、所定の窓開報知情報を報知装置へ送信して再生させるようにしたため、窓開検出による受信器からの防犯警報に加え、報知装置でも窓開報知情報が画面表示と音声により報知され、就寝時の在宅者に対し窓開閉に伴う警報通知が確実に行われ、また、不在時に不審者が侵入した場合にも報知装置による窓開報知情報の画面表示と音声出力により、不審者の退去を強く促すことが期待できる。
【0028】
(障害検出の効果)
また、受信器は、保安端末の電池切れを検出した場合に、所定の電池切れ警報を出力すると共に電池切れ移報信号を送信し、中間装置は、電池切れ移報信号を受信した場合に、所定の電池切れ報知情報又を報知装置へ送信して再生させ、電池切れ報知情報は、電池交換方法を示す所定の動画を遠隔操作装置により再生するための操作情報を含み、報知装置は、電池切れ報知情報が再生された状態で、遠隔操作装置による所定の動画再生操作を検出した場合に動画再生信号を中間装置へ送信し、電池交換方法を示す所定の動画を報知装置へ送信して再生させるようにしたため、利用者は遠隔操作装置の再生操作により、電池交換方法を示す動画を再生することで、電池交換の方法を具体的に理解して簡単且つ容易に対応することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図2】玄関開閉検出器の機能構成を示したブロック図である。
【
図3】窓開閉検出器の機能構成を示したブロック図である。
【
図4】敷地内異常検出器の機能構成を示したブロック図である。
【
図5】火災検出器の機能構成を示したブロック図である。
【
図6】非常発信器の機能構成を示したブロック図である。
【
図7】遠隔操作器の機能構成を示したブロック図である。
【
図8】セキュリティ受信器の機能構成を示したブロック図である。
【
図9】アダプタ装置の機能構成を示したブロック図である。
【
図10】テレビ装置の機能構成を示したブロック図である。
【
図11】テレビ装置、アダプタ装置、プレーヤ装置の物理アドレスの設定を示した説明図である。
【
図13】テレビリモコンの操作ボタンによる操作機能を一覧で示した説明図である。
【
図14】テレビ装置に表示される第1警戒モード設定画面を示した説明図である。
【
図15】テレビ装置に表示される第2警戒モード設定画面を示した説明図である。
【
図16】窓及び玄関が開いた状態でテレビ装置に表示される第2警戒モード設定画面を示した説明図である。
【
図17】テレビ装置に表示される窓開警報画面を示した説明図である。
【
図18】テレビ装置に表示される玄関開警報画面を示した説明図である。
【
図19】テレビ装置に表示される敷地内異常警報画面を示した説明図である。
【
図20】人感センサが復旧した場合にテレビ装置に表示される敷地内異常警報画面を示した説明図である。
【
図21】テレビ装置に表示される火災警報画面を示した説明図である。
【
図22】テレビ装置に表示される非常通報画面を示した説明図である。
【
図23】テレビ装置に表示される電池切れ警報画面を示した説明図である。
【
図24】テレビ装置に表示される通信エラー警報画面を示した説明図である。
【
図25】受信器の制御動作を示したフローチャートである。
【
図26】
図25のステップS5による第1警戒モード制御の詳細を示したフローチャートである。
【
図27】アダプタ装置の制御動作を示したフローチャートである。
【
図28】テレビ装置の制御動作を示したフローチャートである。
【
図29】HDMI切替器を用いた保安システムの概略を示した説明図である。
【
図30】HDMI切替器の機能構成をテレビ装置と共に示したブロック図である。
【
図31】テレビ装置、HDMI切替器、アダプタ装置、プレーヤ装置の物理アドレスの設定を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下に、本発明に係る保安システムの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施の形態により、この発明が限定されるものではない。
【0031】
[実施の形態の基本的な概念]
まず、実施の形態の基本的概念について説明する。実施の形態は、概略的に、保安システムに関するものである。ここで「保安」とは、人、住まい、地域社会、国家、組織、財産などを犯罪、事故、災害等の危険から守り安全な状態を保つことであり、具体的には、不慮の事故や天災から守る防災と悪意のある人物や団体から守る防犯があり、警備やセキュリティ(Security)を含む概念である。従って、「保安システム」とは、センサ等の機器や装置を使用して、例えば、一般住宅を対象に、盗難、事故、災害などを防止するための警戒や監視を行うためのシステムということができる。
【0032】
本実施の形態の保安システムは、保安端末、受信器、中間装置および報知装置から構成される。
【0033】
保安端末は、所定の監視領域の保安に関する所定の保安状態を検出して保安検出信号を送信するものであり、セキュリティ端末を含む概念であり、具体的には、窓開閉検出器、玄関開閉検出器、非常発信器、敷地内異常検出器、火災検出器などを含む概念である。ここで「監視領域」とは、保安端末により監視の対象となる領域であり、一定の広がりをもった屋外或いは屋内の空間であり、例えば、建物の敷地、建物の部屋、廊下、階段等の領域を含む概念である。
【0034】
受信器は、保安端末からの保安検出信号を受信して保安警報を出力すると共に所定の警報移報信号を送信するものである。ここで「保安警報」とは、窓開閉、玄関開閉、敷地内侵入、非常通報、火災などを検出して表示や音により異常が発生したことを人に知らせることを意味する。また、「警報移報信号」とは、受信器で保安警報が行われたことを他の装置へ知らせるための信号である。
【0035】
また、受信器は、一例として、外出や就寝に伴い、保安端末による保安状態の監視を有効とする第1警戒モード(外出・就寝警戒モード)を設定するものであり、第1警戒モードの設定状態で保安端末から保安状態を示す保安検出信号を受信すると、音と表示により保安警報を出力するものである。また、在宅に伴い、保安端末の動作状態の監視を有効とする第2警戒モード(在宅警戒モード)を設定するものであり、第2警戒モードの設定状態で保安端末から保安検出信号を受信すると、音と表示により保安端末の動作状態を報知するものである。
【0036】
中間装置は、機能の異なる複数の機器や装置を繋いで相互に信号の受け渡しや形式の相互変換等を行うものであり、アダプタ装置を含む概念である。本実施の形態にあっては、受信器と報知装置を繋ぐものであり、受信器での保安警報に伴う警報移報信号を受信した場合に、保安警報の内容を示す警報報知情報を含む警報報知信号を報知装置へ送信して再生させるものである。詳細には、中間装置は、受信器での保安警報に伴う警報移報信号を受信した場合に、ワンタッチプレイの制御信号を報知装置に送信することにより、報知装置へ警報報知情報を含む警報報知信号を送信して再生させるものである。
【0037】
ここで、「警報報知情報」とは、保安警報の内容を報知するための情報であり、具体的には、監視領域に窓開閉、玄関開閉、敷地内侵入、非常通報、火災などの警報すべき保安状態の発生、その発生場所、対処方法などを示す情報であり、テキスト(文章)、静止画、動画、音声等の複数種類の情報を含む概念であり、コンテンツと呼ばれる概念を含むものである。
【0038】
また「ワンタッチプレイの制御信号」とは、中間装置から警報報知情報を報知装置へ自動的に転送して再生させる制御信号である。詳細には、中間装置から報知装置に至る転送経路を確定させ、警報報知情報を転送して再生させる制御を行うものであり、また、報知装置の電源がオフの場合は電源をオンし、他の装置から転送された情報を受信再生している場合は、他の装置からの情報の受信再生を停止して中間装置からの警報報知情報の受信再生に切り替える制御を行うものである。
【0039】
報知装置は、中間装置から送信された警報報知情報を含む警報報知信号に基づいて、警報報知情報を少なくとも画面に表示して報知するものであり、具体的には、中間装置から転送された警報報知報情報を受信して画面と音声により再生するものであり、テレビ装置を含む概念である。また、報知装置は、遠隔操作装置の操作情報を含む警報報知情報を再生した状態で、遠隔操作装置による所定の操作を検出した場合に、対応する操作信号を中間装置へ送信するものであり、中間装置は、報知装置から受信した操作信号に対応した所定の制御を行うものである。
【0040】
本実施の形態の保安システムを構成する中間装置と報知装置の間の情報の転送は、一例として、HDMI(High Definition Multimedia Interface:高精度マルチメディアインタフェース)規格に基づくものである。このため、中間装置はHDMI伝送路を介して報知装置のHDMI端子に接続され、受信器での保安警報に伴う警報移報信号を受信した場合、警報報知情報をHDMI伝送路を介して報知装置へ転送して再生させるものである。
【0041】
また、中間装置と報知装置の間の制御は、HDMI-CEC(High Definition Multimedia Interface-Consumer Electronics Control)規格に基づくものである。このため、中間装置は、受信器での保安警報に伴う警報移報信号を受信した場合、ワンタッチプレイの制御信号であるワンタッチプレイのCECコマンドを、HDMI伝送路を介して報知装置へ送信し、警報報知情報を転送して再生させるものである。
【0042】
また、報知装置は、警報報知情報を再生した状態で、遠隔操作装置による所定の操作を検出した場合に、対応する操作信号である操作用のCECコマンドを、HDMI伝送路を介して中間装置へ送信し、中間装置は、報知装置から操作用のCECコマンドを受信した場合に、操作用のCECコマンドに対応した所定の制御を行うものである。
【0043】
以下に示す具体的な実施の形態では、「保安端末」が「玄関開閉検出器」、「窓開閉検出器」、「非常発信器」、「敷地内異常検出器」、「火災検出器」などであり、「受信器」が「セキュリティ受信器」であり、「中間装置」が「アダプタ装置」であり、「報知装置」が「テレビ装置」であり、「遠隔操作装置」が「テレビリモコン」であり、「伝送路」が「HDMI伝送路」であり、「受信端子」が「HDMI端子」であり、「ワンタッチプレイの制御信号」が「ワンタッチプレイのCECコマンド」であり、「操作用の制御信号」が「操作用のCECコマンド」であり、「警報報知情報」が「玄関開警報コンテンツ」、「窓開警報コンテンツ」、「敷地内異常警報コンテンツ」、「火災警報コンテンツ」、「非常通報コンテンツ」などである場合について説明する。
【0044】
[実施の形態の具体的内容]
本実施の形態による保安システムの具体的内容について、より詳細に説明する。その内容については以下のように分けて説明する。なお、右側の数値は段落番号を示す。
a. 保安システムの概要 0045
b. 保安端末の機能構成 0071
b1. 玄関開閉検出器 0071
b2. 窓開閉検出器 0079
b3. 敷地内異常検出器 0083
b4. 火災検出器 0087
b5. 非常発信器 0093
b6. 遠隔操作器 0096
c. セキュリティ受信器 0100
d. アダプタ装置 0115
e. テレビ装置 0127
f. テレビリモコン 0138
g. テレビ装置のコンテンツの再生 0144
g1. 第1警戒モード設定画面 0144
g2. 第2警戒モード設定画面 0151
g3. 窓開警報画面 0159
g4. 玄関開警報画面 0163
g5. 敷地内異常警報画面 0170
g6. 火災警報画面 0181
g7. 非常通報警報画面 0186
g8. 電池切れ警報画面 0191
g9. 通信エラー警報画面 0199
h. セキュリティ受信器の制御動作 0205
i. アダプタ装置の制御動作 0215
j. テレビ装置の制御動作 0220
k. HDMI切替器を用いた保安システム 0224
l. 本発明の変形例 0233
【0045】
[a. 保安システムの概要]
図1は本発明による保安システムの概要を示した説明図である。
図1の住宅11には、台所、玄関、居間、子供部屋1、子供部屋2、主寝室が設けられており、例えば台所に保安システムの受信器として機能するセキュリティ受信器10が設置されている。
【0046】
住宅11に設置される保安端末として、本実施形態では、玄関扉15に玄関開閉検出器12が設けられ、各部屋の窓16に窓開閉検出器14が設けられ、また、住宅11の外の敷地内には敷地内異常検出器20が設けられ、主寝室には非常発信器22が設けられ、各部屋には火災検出器24が設けられている。
【0047】
また、遠隔操作器25が携帯自在に配置され、更に、セキュリティ受信器10に対しては自動通報装置18が接続されている。
【0048】
玄関開閉検出器12は、玄関扉15の開放を検出して警報音を出力すると共に玄関開検出信号を無線送信する。窓開閉検出器14は、窓16の開放を検出して警報音を出力すると共に窓開検出信号を無線送信する。敷地内異常検出器20は、敷地内への人の侵入を検出して警報音を出力すると共に敷地内異常検出信号を無線送信する。非常発信器22は、押ボタン操作により非常通報信号を無線送信する。火災検出器24は火災を検出して警報音を出力すると共に火災検出信号を無線送信する。
【0049】
セキュリティ受信器10は、外出や就寝時に伴い、操作部の第1警戒モード設定操作により第1警戒モード(外出・就寝警戒モード)が設定され、例えば玄関開閉検出器12からの玄関開検出信号を受信するとスピーカからの警報音と表示灯の作動により保安警報として防犯警報を出力する。
【0050】
また、セキュリティ受信器10は、在宅に伴い、操作部の第2警戒モード設定操作により第2警戒モード(在宅警戒モード)が設定され、例えば玄関開閉検出器12からの玄関開検出信号を受信するとスピーカからの報知音と表示灯の作動により玄関扉15が開いたこと、即ち保安端末の動作状態を報知する。
【0051】
また、セキュリティ受信器10は、操作部の解除操作により第1警戒モード又は第2警戒モードが解除された状態で、例えば玄関開閉検出器12からの玄関開検出信号を受信しても保安警報の出力又は端末動作の報知出力は行わない。
【0052】
一方、住宅11の居間には、保安システムの報知装置として機能するテレビ装置26が設置され、テレビ装置26はHDMI-CEC規格におけるシンクとして機能し、テレビ装置26には3つのHDMI端子が設けられ、最大で3台のソースとして機能する各種プレーヤ等の再生装置又は再生記録装置の接続を可能としている。
【0053】
本実施形態にあっては、セキュリティ受信器10とテレビ装置26を連携させるため、テレビ装置26のHDMI端子の一つには、セキュリティ受信器10との間を繋ぐ中間装置として機能するアダプタ装置30を接続し、残り2つのHDMI端子に、例えば、DVDプレーヤ、CDプレーヤ等のプレーヤ装置32(32-1),32(32-2)を接続している。
【0054】
テレビ装置26とセキュリティ受信器10をアダプタ装置30により連携させるため、セキュリティ受信器10は、玄関開閉検出器12などの保安端末からの保安検出信号を受信して警報すると共に、保安端末との間の無線通信とは異なる周波数チャンネルを使用して、警報移報信号をアダプタ装置30へ無線送信する。
【0055】
アダプタ装置30は、セキュリティ受信器10からの警報移報信号を受信した場合、予め記憶された所定の警報報知情報となる警報コンテンツを読み出してHDMI伝送路へ転送し、テレビ装置26はアダプタ装置30から転送された警報コンテンツを受信して再生することで、所定の警報画面の表示と音声出力を行う。
【0056】
例えば、アダプタ装置30は、セキュリティ受信器10から玄関開移報信号を受信すると、予め記憶された玄関開警報コンテンツをテレビ装置26へ読み出し転送して所定の玄関開警報画面を表示させ、音声警報やメッセージを出力させる。
【0057】
また、アダプタ装置30は、セキュリティ受信器10から窓開移報信号を受信すると、予め記憶された窓開警報コンテンツをテレビ装置26へ読み出し転送し、所定の窓開警報画面をテレビ装置26に表示させ、音声警報やメッセージを出力させる。
【0058】
また、アダプタ装置30は、セキュリティ受信器10から敷地内異常移報信号を受信すると、予め記憶された敷地内異常の警報コンテンツをテレビ装置26へ読み出し転送し、所定の敷地内異常の警報画面をテレビ装置26に表示させ、音声警報やメッセージを出力させる。
【0059】
また、アダプタ装置30は、セキュリティ受信器10から非常通報移報信号を受信すると、予め記憶された非常通報コンテンツをテレビ装置26へ読み出し転送し、所定の非常通報画面をテレビ装置26に表示させ、音声警報やメッセージを出力させる。
【0060】
更に、アダプタ装置30は、セキュリティ受信器10から火災移報信号を受信すると、予め記憶された火災警報コンテンツをテレビ装置26へ読み出し転送し、所定の火災警報画面をテレビ装置26に表示させ、音声警報やメッセージを出力させる。
【0061】
このようなアダプタ装置30を経由したセキュリティ受信器10とテレビ装置26の連携は、セキュリティ受信器10による第1警戒モードの設定操作及び第2警戒モードの設定操作の場合にも、それぞれの操作に対応した移報信号がアダプタ装置30に送信され、アダプタ装置16は移報信号の内容に対応して予め記憶された第1又は第2警戒モードの設定コンテンツをテレビ装置16に読出し転送して再生させ、第1警戒モード設定画面又は第2警戒モード設定画面の表示と音声メッセージの出力を行う。
【0062】
例えば、アダプタ装置30は、セキュリティ受信器10から第1警戒モード設定移報信号を受信すると、予め記憶された第1警戒モード設定コンテンツをテレビ装置26へ読み出し転送し、所定の第1警戒モード設定画面をテレビ装置26に表示させ、音声メッセージを出力させる。
【0063】
また、アダプタ装置30は、セキュリティ受信器10から第2警戒モード設定移報信号を受信すると、予め記憶された第2警戒モード設定コンテンツをテレビ装置26へ読み出し転送し、所定の第2警戒モード設定画面をテレビ装置26に表示させ、音声メッセージを出力させる。
【0064】
一方、テレビ装置26に対しては遠隔操作装置として機能するテレビリモコン28が設けられている。テレビリモコン28は赤外線通信等によりテレビ装置26のチャンネル選択、音量調整等の遠隔操作を可能とする。
【0065】
また、HDMI-CEC規格のテレビ装置26は、HDMI端子に接続されたアダプタ装置30及びプレーヤ装置32(32-1),32(32-2)に対し、リモコン操作信号を所定のCECコマンドに変換して転送するリモコンパススル―機能を備えている。テレビ装置26のリモコンパススルー機能により、例えば、プレーヤ装置32(32-1),32(32-2)の再生、録画、一時停止、停止といった録画再生操作をテレビリモコン28の操作で行うことができる。
【0066】
また、アダプタ装置30は、テレビリモコン28の操作で送信される操作用のCECコマンドと制御機能との関係を予め割り付けておくことで、テレビ装置26のリモコンパススルー機能を使用して、テレビリモコン28の操作によりアダプタ装置30の制御やアダプタ装置30を経由したセキュリティ受信器10の制御が可能となる。
【0067】
アダプタ装置30から転送される警報コンテンツには、テレビリモコン28の操作情報として操作ガイダンスが含まれており、利用者は、テレビ装置26の警報画面に表示されたリモコン操作ガイダンスを見ることで操作方法を知り、テレビリモコン28を使用してアダプタ装置30の制御又はアダプタ装置30を経由したセキュリティ受信器10の遠隔操作を行うことができる。
【0068】
また、セキュリティ受信器10は、保安端末の障害として電池切れと通信エラーを監視している。セキュリティ受信器10は保安端末の電池切れ又は通信エラーを検出すると、電池切れ警報又は通信エラー警報を出力すると共に、電池切れ移報信号又は通信エラー移報信号をアダプタ装置30へ無線送信する。
【0069】
このためアダプタ装置30は、電池切れ移報信号又は通信エラー移報信号を受信すると、予め記憶された所定の電池切れ警報コンテンツ又は通信エラー警報コンテンツを読み出し、テレビ装置26に転送し、電池切れ警報画面又は通信エラー警報画面の表示と音声メッセージの出力を行わせる。
【0070】
また、テレビ装置26に表示される電池切れ警報画面や通信エラー警報画面に、テレビリモコン28の操作ガイダンスを表示させることで、例えばリモコン操作による電池交換動画の再生や、セキュリティ受信器10に対する障害警報の停止操作を可能とする。
【0071】
[b. 保安端末の機能構成]
(b1. 玄関開閉検出器)
図2は玄関開閉検出器の機能構成を示したブロック図である。
図2に示すように、玄関開閉検出器12はプロセッサ34を備え、プロセッサ34に対してはアンテナ38を接続した通信部36、マグネットとホール素子を組み合わせた開閉センサ40、LEDを用いた動作表示灯42及びスピーカ44が設けられ、図示しない電池電源で動作する。
【0072】
プロセッサ34には、CPUによるプログラムの実行で実現される玄関開閉検出制御部46の機能が設けられる。
【0073】
通信部36は、セキュリティ受信器10との間で所定の通信プロトコルに従って信号を送受信する。通信部36の通信プロトコルは、日本国内の場合には、例えば426MHz帯の特定小電力無線局の標準規格として知られたSTD-30(特定小電力保安システム無線局の無線設備標準規格)に準拠する。
【0074】
426MHz帯の特定小電力保安システム無線局設備では、426.2500MHz~426.8375MHzの間に12.5kHzの周波数帯域幅を持つ48チャンネルが割り当てられており、例えば第1チャンネルCH1を使用してセキュリティ受信器10との間で無線信号を送受信する。
【0075】
玄関開閉検出制御部46は、開閉センサ40から玄関扉の開放によりオンするセンサ信号を受信すると、スピーカ44から所定の警報音又は報知音を所定時間、例えば1分間出力させると共に動作表示灯42を点灯又は点滅し、また通信部36に指示し、自己のアドレスを含む玄関開検出信号をセキュリティ受信器10に送信させる制御を行う。
【0076】
また、玄関開閉検出制御部46は、玄関開検出信号を送信した後に、玄関扉の閉鎖によりオフする開閉センサ40からのセンサ信号を受信すると、通信部36に指示し、自己のアドレスを含む玄関閉検出信号をセキュリティ受信器10に送信させる制御を行う。
【0077】
また、セキュリティ受信器10で第1警戒モード又は第2警戒モードの設定と解除が行われると、第1警戒モード又は第2警戒モードの設定信号や解除信号が保安端末に送信され、開閉検出制御部46は第1警戒モード又は第2警戒モードの設定又は解除を行っている。
【0078】
玄関開閉検出制御部46は、開閉センサ40からの玄関扉開を示すセンサ信号のオンを受信した場合、第1警報モードではスピーカ44から例えば「ヒューン ヒューン」といった警報音を出力するが、第2警戒モードではスピーカ44から「ピーピー」といった報知音を出力させる。この点は、後の説明で明らかにする窓開閉検出器14や敷地内異常検出器20も同様となる。
【0079】
(b2. 窓開閉検出器)
図3は窓開閉検出器の機能構成を示したブロック図である。
図3に示すように、窓開閉検出器14はプロセッサ48を備え、プロセッサ48に対してはアンテナ52を接続した通信部50、マグネットとホール素子を組み合わせた開閉センサ54,55、LEDを用いた動作表示灯56及びスピーカ58が設けられ、図示しない電池電源で動作する。
【0080】
プロセッサ48には、CPUによるプログラムの実行で実現される窓開閉検出制御部60の機能が設けられる。通信部50は、
図2の玄関開閉検出器12と同じ426MHz帯の特定小電力保安システム無線における第1チャンネルCH1を使用している。開閉センサ54は窓の開閉を検出し、開閉センサ55は窓に設けられたクレセント錠の開閉を検出する。
【0081】
窓開閉検出制御部60は、開閉センサ54又は開閉センサ55からの窓開放でオンするセンサ信号を受信すると、スピーカ58から第1警戒モードでは所定の警報音また第2警戒モードでは所定の報知音を所定時間、例えば1分間出力させると共に動作表示灯56を点灯又は点滅し、また通信部50に指示し、自己のアドレスを含む窓開検出信号をセキュリティ受信器10に送信させる制御を行う。
【0082】
また、窓開閉検出制御部60は、窓開検出信号を送信した後に、窓又はクレセント錠の閉鎖によりオフする開閉センサ54及び開閉センサ55からのセンサ信号を受信すると、通信部50に指示し、自己のアドレスを含む窓閉検出信号をセキュリティ受信器10に送信させる制御を行う。
【0083】
(b3. 敷地内異常検出器)
図4は敷地内異常検出器の機能構成を示したブロック図である。
図4に示すように、敷地内異常検出器20はプロセッサ62を備え、プロセッサ62に対してはアンテナ66を接続した通信部64、赤外線センサや焦電センサを用いた人感センサ68、LEDを用いた動作表示灯70及びスピーカ72が設けられ、図示しない電池電源で動作する。
【0084】
プロセッサ62には、CPUによるプログラムの実行で実現される敷地内異常検出制御部73の機能が設けられる。通信部64は、
図2の玄関開閉検出器12と同じ426MHz帯の特定小電力保安システム無線における第1チャンネルCH1を使用している。人感センサ68は敷地内の警戒エリアに侵入した人から放射される赤外線を検知してオンするセンサ信号を出力する。
【0085】
敷地内異常検出制御部73は、人感センサ68から人検出によりオンしたセンサ信号を受信すると、スピーカ72から第1警戒モードでは所定の警報音また第2警戒モードでは所定の報知音を所定時間、例えば1分間出力させると共に動作表示灯70を点灯又は点滅し、通信部64に指示し、自己のアドレスを含む敷地内異常検出信号をセキュリティ受信器10に送信させる制御を行う。
【0086】
また、敷地内異常検出制御部73は、敷地内異常検出信号を送信した後に、人の検知がなくなってオフする人感センサ68からのセンサ信号を受信すると、通信部64に指示し、自己のアドレスを含む敷地内異常復旧検出信号をセキュリティ受信器10に送信させる制御を行う。
【0087】
(b4. 火災検出器)
図5は火災検出器の機能構成を示したブロック図である。
図5に示すように、火災検出器24はプロセッサ74を備え、プロセッサ74に対してはアンテナ78を接続した通信部76、火災センサ80、テストスイッチ82、LEDを用いた動作表示灯84及びスピーカ86が設けられ、図示しない電池電源で動作する。
【0088】
プロセッサ74には、CPUによるプログラムの実行で実現される火災監視制御部88の機能が設けられる。通信部76は、
図2の玄関開閉検出器12と同じ426MHz帯の特定小電力保安システム無線おける第1チャンネルCH1を使用している。
【0089】
火災センサ80は例えば検煙部であり、公知の散乱光式検煙構造をもち、所定周期で赤外LEDを用いた発光部を間欠的に発光駆動し、フォトダイオードなどの受光部で受光した散乱光の受光信号を増幅し、煙濃度検出信号を出力する。なお、検煙部に代えて温度検出部を設ける場合もあり、温度検出部は、温度検出素子として例えばサーミスタを使用し、この場合、温度による抵抗値の変化に対応した電圧信号となる温度検出信号を出力する。
【0090】
火災監視制御部88は、火災センサ80から火災検出によりオンしたセンサ信号を受信すると、スピーカ86から第1警戒モード及び第2警戒モードのいずれの場合も、所定の火災警報音を所定時間、例えば1分間出力させると共に動作表示灯84を点灯又は点滅し、また、通信部76に指示し、自己のアドレスを含む火災検出信号をセキュリティ受信器10に送信させる制御を行う。
【0091】
また、火災検出制御部88は、火災検出信号を送信した後に、火災センサ80による火災検出が復旧してオフとなるセンサ信号を受信すると、通信部76に指示し、自己のアドレスを含む火災復旧検出信号をセキュリティ受信器10に送信させる制御を行う。
【0092】
なお、火災検出器24としては、一般住宅での設置が義務化されている無線連動型の火災警報器を使用しても良い。
【0093】
(b5. 非常発信器)
図6は非常発信器の機能構成を示したブロック図である。
図6に示すように、非常発信器22はプロセッサ90を備え、プロセッサ90に対してはアンテナ94を接続した通信部92、押釦スイッチ96、LEDを用いた動作表示灯98及びスピーカ100が設けられ、図示しない電池電源で動作する。
【0094】
プロセッサ
90には、CPUによるプログラムの実行で実現される非常通報制御部102の機能が設けられる。通信部92は、
図2の玄関開閉検出器12と同じ426MHz帯の特定小電力保安システム無線における第1チャンネルCH1を使用している。
【0095】
非常通報制御部102は、押釦スイッチ96の操作によりオンしたスイッチ信号を受信すると、スピーカ100から所定の操作音を出力させると共に動作表示灯98を点灯又は点滅し、また、通信部92に指示し、自己のアドレスを含む非常通報信号をセキュリティ受信器10に送信させる制御を行う。
【0096】
(b6. 遠隔操作器)
図7は遠隔操作器の機能構成を示したブロック図である。
図7に示すように、遠隔操作器25はプロセッサ104を備え、プロセッサ104に対してはアンテナ108を接続した通信部106、第1警戒モードの設定操作を行う第1警戒モード設定スイッチ110、第2警戒モードの設定操作を行う第2警戒モード設定スイッチ112、解除操作を行う解除スイッチ114、LEDを用いた動作表示灯116及びスピーカ118が設けられ、図示しない電池電源で動作する。
【0097】
プロセッサ104には、CPUによるプログラムの実行で実現される遠隔制御部105の機能が設けられる。通信部106は、
図2の玄関開閉検出器12と同じ426MHz帯の特定小電力保安システム無線における第1チャンネルCH1を使用している。
【0098】
遠隔操作器25はセキュリティ受信器10に設けられた操作部の機能を備え、例えば、外出する際に利用者が携帯し、玄関扉から出て施錠した後に、第1警戒モード設定スイッチ110を操作すると、遠隔制御部105が通信部106に指示して第1警戒モード設定信号をセキュリティ受信器10に無線送信し、第1警戒モードを設定させることができる。
【0099】
また、利用者が帰宅した場合、玄関扉を開ける前に、遠隔操作器25の解除スイッチ114を操作すると、遠隔制御部105が通信部106に指示して第1警戒モード設定解除信号をセキュリティ受信器10に無線送信し、第1警戒モードを解除させることができる。
【0100】
[c. セキュリティ受信器]
図8はセキュリティ受信器の機能構成を示したブロック図である。
図8に示すように、保安システムの受信器として機能するセキュリティ受信器10はプロセッサ120を備え、プロセッサ120に対してはアンテナ124を接続した保安端末と通信する第1チャンネルCH1を使用した通信部122、アンテナ123を接続したアダプタ装置30と通信する第2チャンネルCH2を使用したアダプタ用通信部124、表示部126、操作部128及びスピーカ130が設けられ、図示しない商用交流電源で動作し、更に、停電用のバックアップ電源として二次電池が設けられている。
【0101】
表示部126には、LEDを用いた第1警戒モード設定表示灯132、第2警戒モード設定表示灯134、複数の窓開放表示灯136、玄関開放表示灯138、敷地内異常表示灯140、火災表示灯142、非常通報表示灯144及び障害表示灯145が設けられている。
【0102】
操作部128には、第1警戒モードを設定する第1警戒モード設定スイッチ146、第2警戒モードを設定する第2警戒モード設定スイッチ148、第1警戒モード及び第2警戒モードを解除する解除スイッチ150及び受信履歴の音声メッセージを出力させる確認スイッチ152が設けられている。
【0103】
プロセッサ126には、CPUによるプログラムの実行で実現されるセキュリティ制御部154の機能が設けられる。通信部122は、
図2の玄関開閉検出器12と同じ426MHz帯の特定小電力保安システム無線の第1チャンネルCH1を使用している。アダプタ通信部124は、
図2の玄関開閉検出器12と同じ426MHz帯の特定小電力保安システム無線であるが、アダプタ装置30との間で通信するため、通信部122とは異なる例えば第2チャンネルCH2を使用している。
【0104】
セキュリティ制御部154は、初期状態で第1警戒モード及び第2警戒モードが解除された状態にあり、第1警戒モード設定スイッチ146の操作を検出すると、第1警戒モード設定表示灯132を点滅させ、所定の待ち時間、例えば5分後に第1警戒モードを設定して第1警戒モード設定表示灯132を点灯させ、また、通信部122に指示して保安端末に第1警戒モード設定信号を送信し、更に、アダプタ用通信部124に指示して第1警戒モード設定移報信号を送信する制御を行う。
【0105】
また、セキュリティ制御部154は、第1警戒モード及び第2警戒モードが解除された状態で、第2警戒モード設定スイッチ148の操作を検出すると、第2警戒モードを設定して第2警戒モード設定表示灯134を点灯させ、また、通信部122に指示して保安端末に第2警戒モード設定信号を送信し、更に、アダプタ用通信部124に指示して第2警戒モード設定移報信号を送信する制御を行う。
【0106】
また、セキュリティ制御部154は、第1警戒モード又は第2警戒モードの設定状態で、解除スイッチ150の操作を検出すると、そのとき設定している第1警戒モード又は第2警戒モードを解除して第1警戒モード設定表示灯132又は第2警戒モード設定表示灯134を消灯させ、また、通信部122に指示して保安端末に第1警戒モード又は第2警戒モードの設定解除信号を送信し、更に、アダプタ用通信部124に指示して第1警戒モード又は第2警戒モードの設定解除移報信号を送信させる制御を行う。
【0107】
また、セキュリティ制御部154は、第1警戒モードの設定状態で、玄関開放検出器12からの玄関開検出信号を受信すると、玄関開放表示灯138を点滅させてスピーカ130から所定の予備警報音を所定時間、例えば1分間出力した後に、所定の本警報を出力させると共に、アダプタ用通信部124に指示して玄関開移報信号を送信させ、本警報の出力は所定時間、例えば数分後に停止させる制御を行う。
【0108】
また、セキュリティ制御部154は、第1警戒モードの設定状態で、窓開放検出器14からの窓開検出信号を受信すると、窓開放表示灯136を点滅させてスピーカ130から所定の警報音を出力させると共に、アダプタ用通信部124に指示して窓開移報信号を送信させ、警報音の出力は所定時間、例えば数分後に停止させる制御を行う。
【0109】
また、セキュリティ制御部154は、第1警戒モードの設定状態で、敷地内異常放検出器20からの敷地内異常検出信号を受信すると、敷地異常放表示灯140を点滅させてスピーカ130から所定の警報音を出力させると共に、アダプタ用通信部124に指示して敷地内異常移報信号を送信させ、警報音の出力は所定時間、例えば数分後に停止させる制御を行う。
【0110】
また、セキュリティ制御部154は、第1警戒モードの設定状態で、火災検出器24からの火災検出信号を受信すると、火災表示灯142を点滅させてスピーカ130から所定の火災警報音を出力させると共に、アダプタ用通信部124に指示して火災移報信号を送信させる制御を行う。また、セキュリティ制御部154は、火災検出器24の復旧により火災復旧信号が受信されると火災警報を停止させる制御を行う。
【0111】
また、セキュリティ制御部154は、第1警戒モードの設定状態で、非常発信器22からの非常通報信号を受信すると、非常通報表示灯144を点滅させてスピーカ130から所定の警報音を出力させると共に、アダプタ用通信部124に指示して非常通報移報信号を送信させる制御を行う。
【0112】
一方、セキュリティ制御部154は、第2警戒モードの設定状態で玄関開検出信号、窓開検出信号、敷地内異常検出信号を受信した場合には、各検出器の動作を示す所定の報知音と対応する表示灯を点灯又は点滅させる制御を行い、この場合、アダプタ装置30に対する移報信号の送信は行わない。これに対し火災検出信号及び非常通報信号を受信した場合には、セキュリティ制御部154は、第2警戒モードの設定状態であっても、第1警戒モードの場合と同様に、アダプタ装置30に対し移報信号を送信してアダプタ装置30を経由したテレビ装置26との連携を行わせる。なお、第2警戒モードの設定状態で玄関開検出信号、窓開検出信号、敷地内異常検出信号を受信した場合に、アダプタ装置30に対し移報信号を送信してアダプタ装置30を経由したテレビ装置26との連携を行わせることを妨げない。
【0113】
また、セキュリティ制御部154は、遠隔操作器25から第1警戒モード設定、第2警戒モード設定又は警戒モード解除の操作信号を受信すると、操作部132に設けられた第1警戒モード設定スイッチ146、第2警戒モード設定スイッチ148または解除スイッチ150の操作を検出した場合と同じ制御を行う。
【0114】
更に、セキュリティ制御部154は、アダプタ用通信部124によりアダプタ装置30から送信されたテレビリモコン28の操作に基づく操作信号、例えば警報停止信号を受信すると、スピーカ130及び表示部126による警報出力を停止させる制御を行う。
【0115】
[d. アダプタ装置]
図9はアダプタ装置の機能構成を示したブロック図である。
図9に示すように、保安システムの中間装置として機能するアダプタ装置30はプロセッサ156を備え、プロセッサ156に対してはアンテナ160を接続した通信部158、CECインタフェース164及びHDMI送信部166が設けられ、CECインタフェース164及びHDMI送信部166はHDMI端子162に接続されている。
【0116】
アダプタ装置30は図示しない電池電源で動作する。また、電池として充電可能なリチウムイオン電池等の二次電池を使用し、HDMIケーブルによりテレビ装置26側からのDC電源の供給を受けて充電するようにしても良い。
【0117】
プロセッサ156には、CPU168が設けられ、CPU168からのバス175に、制御ロジック170、ROM172、RAM174が接続されている。
【0118】
通信部158は、
図8のセキュリティ受信器10に設けられたアダプタ用通信部124と同じであり、426MHz帯の特定小電力保安システム無線における第2チャンネルCH2を使用し、セキュリティ受信器10との間で信号を送受信する。
【0119】
CPU168にはプログラムの実行により実現されるアダプタ制御部176の機能が設けられる。また、RAM174にはコンテンツ178が予め記憶されている。RAM174のコンテンツ178には、第1警戒モード設定コンテンツ、第2警戒モード設定コンテンツ、玄関開警報コンテンツ、窓開警報コンテンツ、敷地内異常警報コンテンツ、火災警報コンテンツ、非常通報コンテンツ、電池切れ警報コンテンツ、通信エラー警報コンテンツ等が含まれる。これらのコンテンツは、静止画、動画、音声を組み合わせた警報コンテンツとして予め作成されている。
【0120】
CECインタフェース164とHDMI送信部166は、HDMI-CEC規格に従い、HDMIケーブルを介して制御信号を伝送し、機器間の連携動作を実現する。
【0121】
このうち家電制御として知られたCEC(Consumer Electronics Control)規格は、HDMIリンク上の全デバイスをデイジーチェーン接続したシングルラインに基づく独立した機能であり、CEC対応のデバイスは、CECライン上の全てのデバイスと情報を交換することができる。
【0122】
アダプタ装置30とテレビ装置26との間で双方向に送信される制御コマンドは、CECプロトコルに準拠する。以下、CECプロトコルに準拠した制御コマンドを「CECコマンド」と呼ぶ。
【0123】
CPU168に設けられたアダプタ制御部176は、CEC規格の共通コマンドとして提供されている「ワンタッチプレイ」のCECコマンドを利用し、セキュリティ受信器10で例えば玄関開閉検出器12からの玄関開検出信号の受信に伴って送信される玄関開移報信号を受信した場合に、CECインタフェース164に指示してワンタッチプレイのCECコマンドをテレビ装置26に送信する。
【0124】
これによりテレビ装置26の電源オンや他のプレーヤ装置に対する入力切替えを行って転送経路を確定させ、テレビ装置26から転送経路確定通知(ACK)を受信した場合に、RAM174のコンテンツ178の中から玄関開警報コンテンツを読み出してHDMI送信部166に指示し、ビデオとオーディオ及び各種のパケットデータを、TMDS(Transition Minimized Differential Signaling)と呼ばれる方式でテレビ装置26に、HDMIストリームとして転送する制御を行う。
【0125】
また、アダプタ制御部176は、例えばテレビリモコン28の操作ガイダンスを含む電池切れ警報コンテンツを読み出してテレビ装置26に転送している状態で、テレビリモコン28の操作により電池交換用動画の再生を指示するCECコマンドをテレビ装置26から受信した場合、RAM174のコンテンツ178の中からリモコン操作に対応した電池交換方法の動画コンテンツを読み出してHDMI送信部166に指示し、テレビ装置26に転送して再生させる制御を行う。
【0126】
また、アダプタ制御部176は、例えばテレビリモコン28の操作ガイダンスを含む電池切れ警報コンテンツ又は通信エラー警報コンテンツ等の障害コンテンツを読み出してテレビ装置26に転送して再生させている状態で、テレビリモコン28の操作による警報停止CECコマンドを受信した場合、障害コンテンツの読み出し再生を停止すると共に、通信部158に指示して警報停止信号をセキュリティ受信器10に送信して障害警報を所定時間停止させ、この障害警報の停止から所定時間、例えば24時間が経過した場合に、警報停止解除信号をセキュリティ受信器10に送信して障害警報を再開させると共に障害コンテンツの読み出し再生を開始させる制御を行う。
【0127】
[e. テレビ装置]
図10はテレビ装置の機能構成を示したブロック図である。
図10に示すように、保安システムの報知装置として機能するテレビ装置26は、HDMI-CEC規格のシンクとして機能し、CPU180のバス197に、メモリ182、チューナ184、デコーダ186、出力制御部188、HDD194及びリモコン受信部196が接続されており、アンテナ受信信号をチューナ184に入力してチャンネル選択したデジタル放送信号をデコーダで復調し、出力制御部188により液晶カラーディスプレイ等の表示部190とスピース192に出力してテレビ放送を再生させており、また、テレビリモコン28による遠隔操作を可能としている。
【0128】
これに加えテレビ装置26には、再生デバイス又は再生記録デバイスを接続するためのHDMI端子として機能する3つのHDMI端子198(198-1)~198(198-3)が設けられ、CPU180のバス197との間に、HDMI端子198(198-1)~198(198-3)に対応してCECインタフェース200(200-1)~200(200-3)とHDMI受信部202(202-1)~202(202-3)のペアが接続されている。なお、HDMI-CEC規格では、再生デバイスには3つの論理アドレス(4,8,11)が割り当てられてCECコマンドの送受信に用いることから、テレビ装置26には最大で3つのHDMI端子198(198-1)~198(198-3)が設けられている。
【0129】
本実施形態では、テレビ装置26のHDMI端子198(198-1)にアダプタ装置30が接続され、残りのHDMI端子198(198-2),198(198-3)にプレーヤ装置32(32-1),32(32-2)が接続されている。
【0130】
図10に示すように、テレビ装置26のHDMI端子198(198-1)~198(198-3)にアダプタ装置30及びプレーヤ装置32(32-1),32(32-2)をHDMIケーブルにより接続すると、HPD(Hot-Plug-Detect)として知られたホットプラグ検出機能により、シンクデバイスとなるテレビ装置26とソースデバイスとなるアダプタ装置30及びプレーヤ装置32(32-1),32(32-2)の間の起動時の通信シーケンスが開始され、テレビ装置26はアダプタ装置30及びプレーヤ装置32(32-1),32(32-2)の接続を認識し、例えば、HDMIストリームの転送に必要な物理アドレスが設定される。
【0131】
図11はテレビ装置、アダプタ装置、プレーヤ装置の物理アドレスの設定を示した説明図である。
図11に示すように、テレビ装置26の3つのHDMI受信部202(202-1),202(202-2),202(202-3)には、物理アドレス(1.0.0.0)、(2.0.0.0)及び(3.0.0.0)が設定され、HDMIケーブルによりアダプタ装置30及びプレーヤ装置32(32-1),32(32-2)を接続してホットプラグ検出が行われると、アダプタ装置30のHDMI送信部166には物理アドレス(1.0.0.0)が設定され、プレーヤ装置32(32-1),32(32-2)のHDMI送信部260,262には物理アドレス(2.0.0.0)、(3.0.0.0)が設定される。
【0132】
アダプタ装置30のワンタッチプレイは、アダプタ装置30がテレビ装置26を映像データの表示を行うモードに変更し、テレビ装置26の入力をアダプタ装置30に切り替える動作である。
【0133】
また、テレビ装置26の電源がスタンバイ状態である場合に、ワンタッチプレイが行われると、アダプタ装置30は、テレビ装置26の電源をスタンバイ状態からオン状態に変更する動作を行う。
【0134】
ワンタッチプレイが行われた場合、テレビ装置26は、アダプタ装置30から受信した映像データを表示部190に表示することができる状態となる。また、ワンタッチプレイが行われた場合、テレビ装置26は、アダプタ装置30から受信した音声データをスピーカ192から出力することができる状態となる。
【0135】
CECコマンドによるワンタッチプレイの概要は次のようになる。アダプタ装置30がセキュリティ受信器10から例えば玄関開移報信号を受信した場合、アダプタ装置30はHDMI伝送路で接続された全機器に向けて<Active Source>CECコマンドを送信する。<Active Source>CECコマンドには、送信元となるアダプタ装置30の物理アドレス「1.0.0.0」が付加される。
【0136】
テレビ装置26は、<Active Source>CECコマンドに付加されているアダプタ装置30の物理アドレス「1.0.0.0」を参照することで、入力を切り替える。
【0137】
この場合、<Active Source>CECコマンドに付加されている物理アドレスが「1.0.0.0」なので、テレビ装置26は左から1個目の数値「1」に従いHDMI端子198(198-1)からの入力に切り替える。これによりアダプタ装置30から読み出し転送されたコンテンツはテレビ装置26を用いて自動的に再生することができる。
【0138】
[f. テレビリモコン]
図12はテレビリモコンを示した説明図、
図13はテレビリモコンの操作ボタンによる操作機能を一覧で示した説明図である。
【0139】
図12に示すように、テレビ装置26の遠隔操作装置として機能するテレビリモコン28には、チャンネルボタン、音量ボタン等の各種の制御用の操作ボタンが設けられており、例えばテレビリモコン28の下側には、拡大して示すように、インターネット操作や表示切替え等に使用される表示色の異なるカラーボタンとして、青ボタン400、赤ボタン402、緑ボタン404及び黄ボタン406が設けられている。
【0140】
また、カラーボタンの下側には、HDMI端子に接続された録画再生機器等のプレーヤ装置を操作するための制御内容に対応した操作ボタンとして、例えば、再生ボタン410、録画ボタン412、一時停止ボタン414及び停止ボタン416が設けられている。
【0141】
本実施形態にあっては、
図13に示すように、テレビリモコン28によりアダプタ装置30における警報制御の操作機能として、カラーボタンを使用する場合には、赤ボタン402に第2警戒モードの設定操作が割り当てられ、青ボタン400に録画再生操作が割り当られ、緑ボタン404に警報停止操作が割り当てられ、黄ボタン406は空きとなっている。なお、第1警戒モードの設定操作はセキュリティ受信器10側のみの操作となることから、テレビリモコン28の操作ボタンは割り当てていない。
【0142】
また、テレビリモコン28の録画再生のボタンを使用する場合には、録画ボタン412に第2警戒モードの設定操作が割り当てられ、再生ボタン410に録画再生操作が割り当てられ、一時停止ボタン414に警報停止操作が割り当てられ、停止ボタン416は空きとなっている。
【0143】
なお、テレビリモコン28の操作ボタンに対するアダプタ装置30に対する操作機能の割り当ては、
図13に限定されず、必要に応じて適宜のボタンを使用するようにしても良い。また、以下の説明は、テレビリモコン28のカラーボタンにアダプタ装置30に対する操作機能を割り当てた場合を例にとって説明する。
【0144】
[g. テレビ装置のコンテンツの再生]
(g1. 第1警戒モード設定画面)
図14はテレビ装置に表示される第1警戒モード設定画面を示した説明図であり、
図14(A)に玄関及び窓が全て閉じている場合を示し、
図14(B)に一部の窓が開いている場合を示す。
【0145】
利用者が外出する場合や就寝する場合、
図8に示したセキュリティ受信器10の第1警戒モード設定スイッチ146を操作すると、第1警戒モード設定表示灯132が点滅し、1分後に第1警戒モード(外出・就寝警戒モード)が設定され、第1警戒モード表示灯132は点灯に切り替わる。
【0146】
また、セキュリティ受信器10で第1警戒モード設定スイッチ146が操作されると、第1警戒モード設定移報信号が送信され、これを受信したアダプタ装置30は第1警戒モード設定コンテンツを読み出してテレビ装置26に転送し、テレビ装置26の表示部190には、
図14(A)に示す第1警戒モード設定画面204(204-1)が表示される。
【0147】
第1警戒モード設定画面204(204-1)は、最上段に「第1警戒モード設定スイッチが押されました。」が表示され、その下の枠内に、「第1警戒モード設定 22:10」の設定時刻と「玄関及び窓は全て閉じられています。自動通報装置が設定されています。」とする保安端末や自動通報装置18の状態が表示され、更に、その下に「1分後に第1警戒モードに入ります。」とのガイダンスが表示される。
【0148】
また、テレビ装置26は、第1警戒モード設定画面204(204-1)の表示に合わせて、例えば「ピンポーン 第1警戒モード設定スイッチが押されました。1分後に第1警戒モードに入ります。」との音声メッセージが出力される。
【0149】
一方、セキュリティ受信器10の第1警戒モード設定スイッチ146を操作した場合に、例えば、何れかの窓が開いていた場合には、
図14(B)の第1警戒モード設定画面204(204-2)に示すように、枠内に「窓1が開いていますので、閉じてください。」との保安端末の状態と対処指示が表示され、また、同じ内容の音声メッセージが出力される。
【0150】
このため利用者は、テレビ装置26の第1警戒モード設定画面204(204-2)の表示から、窓1が開いていることを知り、1分以内に閉じることで、正常に第1警戒モードの設定が行われ、セキュリティ受信器10は第1警戒モードに入ることができる。なお、開いている窓を1分以内に閉じないと、セキュリティ受信器10の第1警戒モードに入らず、第1警戒モードの設定操作は無効とされる。
【0151】
(g2. 第2警戒モード設定画面)
図15はテレビ装置に表示される第2警戒モード設定画面を示した説明図、
図16は窓及び玄関が開いた状態でテレビ装置に表示される第2警戒モード設定画面を示した説明図である。
【0152】
利用者が在宅している状態で玄関や窓の状態を知りたい場合、
図8に示したセキュリティ受信器10の第2警戒モード設定スイッチ148を操作すると第2警戒モード設定表示灯134が点灯し、第2警戒モード(在宅警戒モード)が設定される。
【0153】
また、セキュリティ受信器10で第2警戒モード設定スイッチ148が操作されると、第2警戒モード設定移報信号が送信され、これを受信したアダプタ装置30は第2警戒モード設定コンテンツを読み出してテレビ装置26に転送し、テレビ装置26の表示部190には、
図15に示す第2警戒モード設定画面206(206-1)が表示される。
【0154】
第2警戒モード設定画面206(206-1)は、最上段に「第2警戒モード設定スイッチが押されました。」が表示され、その下の枠内に、「第2警戒モード設定 07:30」の設定時刻と「玄関及び窓は全て閉じられています。」とする保安端末の状態が表示され、また、その下に「第2警戒モードに入りました。」とのガイダンスが表示され、更に、第2警戒モード設定画面206(206-1)の表示に合わせて、例えば「ピンポーン 第2警戒モードに入りました。」との音声メッセージが出力される。
【0155】
一方、セキュリティ受信器10の第2警戒モード設定スイッチ148を操作した場合に、例えば、玄関扉及び何れかの窓が開いている場合には、第2警戒モードを設定せずに待機状態とし、
図16(A)の第2警戒モード設定画面206(206-2)に示すように、枠内に「窓1が開いています。玄関が開いています。」との保安端末の状態が表示され、また、同じ内容の音声メッセージが出力される。
【0156】
第2警戒モードの設定にあっては、玄関や窓が開いていても第2警戒モードを設定できるため、枠の下に、テレビリモコン28のリモコン操作ガイダンス208として「このまま第2警戒モードに入る場合は、リモコン装置の赤ボタンを押してください。」とする確認操作を求めるガイダンスが表示される。
【0157】
このため利用者は、そのまま第2警戒モードに入って良い場合は、
図12に示したテレビリモコン28の赤ボタン402を押すと、テレビ装置26からアダプタ装置30に第2警戒モード設定確認操作のCECコマンドが送信され、これを受信したアダプタ装置30は第2警戒モード設定確認信号をセキュリティ受信器10に送信し、セキュリティ受信器10は第2警戒モードの設定操作を有効として第2警戒モードに入り、再度、第2警戒モード設定移報信号を送信する。
【0158】
その結果、
図16(A)に示したテレビ装置26の第2警戒モード設定画面206(206-2)は、
図16(B)の第2警戒モード設定画面206(206-3)に切り替わり、第2警戒モードに入ったことを知らせる。
【0159】
(g3. 窓開警報画面)
図17はテレビ装置に表示される窓開警報画面を示した説明図である。第1警戒モードの設定中に、
図8に示したセキュリティ受信器10が窓関開閉検出器14からの窓開検出信号を受信すると、対応する窓開放表示灯136が点滅し、スピーカ130から「ピー ピー 防犯異常発生」といった警報音声メッセージが所定時間の間、例えば、数分のあいだ繰り返し出力される。
【0160】
また、セキュリティ受信器10は窓開閉検出器14からの窓開検出信号を受信すると、窓開移報信号をアダプタ装置30に送信し、これを受信したアダプタ装置30は窓開警報コンテンツを読み出してテレビ装置26に転送し、テレビ装置26の表示部190には、
図17に示す窓開警報画面210が表示される。
【0161】
窓開警報画面210は、最上段に「窓の防犯センサが作動しました。」が表示され、その下の枠内に、「防犯センサ作動 14:20 台所窓」として検出時刻と検出場所が表示され、また、警報ガイダンス211として「不審者が侵入している可能性があります。自動通報を行います。」が表示され、更に、「ピー ピー 防犯異常発生」といった警報音声メッセージが、例えば、数分のあいだ繰り返し出力される。
【0162】
なお、セキュリティ受信器10が第2警戒モードに設定されている場合には、窓開閉検出器14の窓開の検出に基づき、テレビ装置26に窓の開放と場所を示す警報画面が表示される。
【0163】
(g4. 玄関開警報画面)
図18はテレビ装置に表示される玄関開警報画面を示した説明図であり、
図18(A)は玄関開検出時を示し、
図18(B)は玄関開検出から1分を経過した場合を示す。
【0164】
第1警戒モードの設定中に、
図8に示したセキュリティ受信器10が玄関開閉検出器12からの玄関開検出信号を受信すると、対応する玄関開放表示灯138が点滅し、スピーカ130から「ピンポーン 玄関の防犯センサが作動しました」といった予備警報の音声メッセージが出力され、玄関開検出から所定時間、例えば1分を経過すると「ピー ピー 防犯異常発生」といった本警報の音声メッセージが所定時間の間、例えば数分のあいだ繰り返し出力される。
【0165】
また、セキュリティ受信器10は玄関開閉検出器12からの玄関開検出信号を受信すると、玄関開移報信号をアダプタ装置30に送信し、これを受信したアダプタ装置30は玄関開警報コンテンツを読み出してテレビ装置26に転送し、テレビ装置26の表示部190には、
図18(A)に示す玄関開警報画面212(212-1)が表示される。
【0166】
玄関開警報画面212(212-1)は、最上段に「玄関の防犯センサが作動しました。」の文字が表示され、その下の枠内に、「防犯センサ作動 14:20 玄関」として検出時刻と検出場所が表示され、更に、「ピンポーン 玄関の防犯センサが作動しました」といった予備警報の音声メッセージが、例えば1分のあいだ繰り返し出力される。
【0167】
続いて、玄関開検出から1分が経過すると、セキュリティ受信器10は本警報の出力に切り替わり、アダプタ装置30に対し玄関開確定移報信号を送信し、これを受信したアダプタ装置30は玄関開確定警報コンテンツを読み出してテレビ装置26に転送し、テレビ装置26の表示部190には、
図18(B)に示す玄関開警報画面212(212-2)が表示される。
【0168】
玄関開警報画面212(212-2)は、枠内に、「侵入検知確定 14:21」として確定情報が追加表示され、更に、警報ガイダンス213として例えば「不審者が侵入している可能性があります。自動通報を行います。」を表示し、この表示内容に対応した本警報の音声メッセージが所定時間のあいだ、例えば数分のあいだ繰り返し出力される。
【0169】
なお、セキュリティ受信器10が第2警戒モードに設定されている場合には、玄関開閉検出器12の玄関開検出に基づき、テレビ装置26に玄関の開放を示す警報画面が表示される。
【0170】
(g5. 敷地内異常警報画面)
図19はテレビ装置に表示される敷地内異常警報画面を示した説明図、
図20は人感センサが復旧した場合にテレビ装置に表示される敷地内異常警報画面を示した説明図である。
【0171】
第1警戒モードの設定中に、
図8に示したセキュリティ受信器10が敷地内異常検出器20からの不審者の侵入に伴う敷地内異常検出信号を受信すると、敷地内異常表示灯140が点滅し、スピーカ130から「ピッピッ 敷地内に人が入っています。」といった警報音声メッセージが周期的に出力される。
【0172】
また、セキュリティ受信器10は敷地内異常検出器20からの敷地内異常検出信号を受信すると、敷地内異常移報信号をアダプタ装置30に送信し、これを受信したアダプタ装置30は敷地内異常警報コンテンツを読み出してテレビ装置26に転送し、テレビ装置26の表示部190に、
図19(A)に示す敷地内異常警報画面214(214-1)が表示される。
【0173】
敷地内異常警報画面214(214-1)は、最上段に「敷地内の防犯センサが作動しました。」が表示され、その下の枠内に、「防犯センサ作動 23:45」と検出時刻が表示され、更に、敷地内警報画面214(214-1)の表示に合わせて、例えば「ピッピッ 敷地内の防犯センサが作動しました。」との音声メッセージが出力される。
【0174】
また、セキュリティ受信器10は敷地内異常検出器20からの敷地内異常検出信号が継続して受信された状態で所定時間、例えば5分を経過すると、敷地内異常確定移報信号をアダプタ装置30に送信し、これを受信したアダプタ装置30は敷地内異常確定警報コンテンツを読み出してテレビ装置26に転送し、テレビ装置26の表示部190に、
図19(B)に示す敷地内異常警報画面214(214-2)が表示され、また、表示内容に対応した音声メッセージが出力される。
【0175】
敷地内異常警報画面214(214-2)は、最上段に「敷地内に異常が発生しています。」が表示され、その下の枠内に、「防犯センサ作動 23:45」の検出時刻に加えて「敷地内異常確定 23:50」の確定時刻が表示され、その下に、警報ガイダンス215-1として「敷地内に不審者が侵入している可能性があります。自動通報を行います。」が表示される。
【0176】
一方、敷地内異常検出から5分を経過する前に、敷地内異常検出器20からの敷地内異常検出信号の受信が停止した場合、セキュリティ受信器10は敷地内異常警報の表示と音声警報メッセージを停止すると共に、敷地内異常警報復旧移報信号をアダプタ装置30に送信する。このためアダプタ装置30は復旧に対応した敷地内異常警報コンテンツをテレビ装置26に転送し、テレビ装置26には
図20(A)に示す敷地内異常警報画面214(214-2)が表示され、また、表示内容に対応した音声メッセージが出力される。
【0177】
敷地内異常警報画面214(214-3)は、最上段に「敷地内の防犯センサが復旧しました。」が表示され、その下の枠内に、「防犯センサ作動 23:45」の検出時刻に加えて「防犯センサ復旧 23:48」の復旧時刻が表示され、その下に、警報ガイダンス215-2として「防犯センサは復旧しましたが、安全が確認されるまで、様子を見てください。」が表示される。
【0178】
更に、セキュリティ受信器10は敷地内異常検出器20の復旧から所定時間、例えば数分が経過すると、復旧確定移報信号をアダプタ装置30に送信し、これを受信したアダプタ装置30は復旧確定に対応した復旧確定コンテンツをテレビ装置26に転送し、テレビ装置26には
図20(B)に示す敷地内異常警報画面214(214-4)が表示され、また、表示内容に対応した音声メッセージが出力される。
【0179】
敷地内異常警報画面214(214-4)は、最上段に「敷地内の防犯センサが復旧しました。」が表示され、その下の枠内に、「防犯センサ作動 23:45」の検出時刻と「防犯センサ復旧 23:48」の復旧時刻に加えて「安全確認 23:53」の復旧確定時刻が表示され、その下に、警報ガイダンス215-3として「防犯センサの復旧から5分が経過し、不審者は退去したと思われます。不安が解消できない場合は、110番通報をしてください。」が表示される。
【0180】
なお、セキュリティ受信器10が第2警戒モードに設定されている場合には、敷地内異常検出器20の異常検出に基づき、テレビ装置26に敷地内に人がいることを示す警報画面が表示される。
【0181】
(g6. 火災警報画面)
図21はテレビ装置に表示される火災警報画面を示した説明図である。第1警戒モードの設定中に、
図8に示したセキュリティ受信器10が火災検出器24からの火災検出信号を受信すると、火災表示灯142が点滅し、スピーカ130から「ピー ピー 火災警報器が作動しました。火元を確認してください。」といった警報音声メッセージが繰り返し出力される。
【0182】
また、セキュリティ受信器10は火災検出器24からの火災検出信号を受信すると、火災移報信号をアダプタ装置30に送信し、これを受信したアダプタ装置30は火災警報コンテンツを読み出してテレビ装置26に転送し、テレビ装置26の表示部190には、
図21に示す火災警報画面216が表示される。
【0183】
火災警報画面216は、最上段に「火災警報器が作動しました。」が表示され、その下の枠内に、「火災発生 21:43 台所」として検出時刻と検出場所が表示され、また、警報ガイダンス217として「落ち着いて火元を確認してください! 火災の場合は、避難と119番通報!」が表示され、更に、テレビリモコン28の操作ガイダンス218として「テレビリモコンの緑ボタンを押すと警報を停止することができます」が表示され、また、火災警報画面216の表示内容に対応した警報音声メッセージが繰り返し出力される。
【0184】
このような火災警報画面216を見た利用者は、火元となる台所に出向いて火災を確認することになるが、その際に火災警報を停止したい場合には、操作ガイダンス218に従ってテレビリモコン28の緑ボタン404を押すと、テレビ装置26及びセキュリティ受信器10からの警報音声メッセージが停止される。
【0185】
この場合、テレビリモコン28の緑ボタン404を押すと、テレビ装置26は自己の音声警報メッセージの出力を停止すると共に、警報停止操作のCECコマンドをアダプタ装置30に送信し、これを受信したアダプタ装置30は警報停止制御信号をセキュリティ受信器10に送信し、これによりセキュリティ受信器10からの音声警報メッセージが停止される。
【0186】
(g7. 非常通報警報画面)
図22はテレビ装置に表示される非常通報画面を示した説明図である。第1警戒モードの設定中に、
図12に示したセキュリティ受信器10が非常発信器22からの非常通報信号を受信すると、非常通報表示灯144が点滅し、スピーカ130から「ピー ピー 非常発信器が押されました。」といった警報音声メッセージが所定時間又は所定回数、繰り返し出力される。
【0187】
また、セキュリティ受信器10は非常発信器22からの非常通報信号を受信すると、非常通報移報信号をアダプタ装置30に送信し、これを受信したアダプタ装置30は非常通報コンテンツを読み出してテレビ装置26に転送し、テレビ装置26の表示部190には、
図22に示す非常通報画面220が表示される。
【0188】
非常通報画面220は、最上段に「非常発信器が押されました。」が表示され、その下の枠内に、「非常通報 04:32 子供部屋1」として通報時刻と通報場所が表示され、また、テレビリモコン28の操作ガイダンス222として「テレビリモコンの緑ボタンを押すと警報が停止します」が表示され、また、非常通報画面220の表示内容に対応した通報音声メッセージが繰り返し出力される。
【0189】
このような非常通報画面220を見た利用者は、警報を停止してから子供部屋1に駆けつけることになるが、その際に操作ガイダンス222に従ってテレビリモコン28の緑ボタン404を押すと、テレビ装置26及びセキュリティ受信器10からの通報音声メッセージが停止される。
【0190】
この場合、テレビリモコン28の緑ボタン404を押すと、テレビ装置26は自己の通報音声メッセージの出力を停止すると共に、警報停止操作のCECコマンドをアダプタ装置30に送信し、これを受信したアダプタ装置30は警報停止制御信号をセキュリティ受信器10に送信し、これによりセキュリティ受信器10からの通報音声メッセージが停止される。
【0191】
(g8. 電池切れ警報画面)
図23はテレビ装置に表示される電池切れ警報画面を示した説明図である。
図8に示したセキュリティ受信器10は、第1警戒モード又は第2警戒モードの設定または解除中に、玄関開閉検出器12などの保安端末から電池切れ検出信号を受信すると、障害表示灯145を点滅させ、確認スイッチ152を操作すると例えば「ピッピッ 玄関の防犯センサの電池切れです。電池を交換してください。」との確認メッセージが出力される。
【0192】
また、セキュリティ受信器10は、保安端末から電池切れ検出信号を受信した場合、アダプタ装置30に電池切れ移報信号を送信し、これを受信したアダプタ装置30は予め記憶された電池切れ警報コンテンツをテレビ装置26に読出し転送し、テレビ装置26には例えば
図23に示す電池切れ警報画面224が表示されると共に、表示内容に対応した電池切れを示す警報音声メッセージが出力される。
【0193】
電池切れ警報画面224は、最上段に「電池切れです」が表示され、その下の枠内に「電池切れ 06:55 玄関の防犯センサ」として電池切れの検出時刻と発生場所が示され、その下に対応ガイダンス226として「電池切れです。テレビリモコンの青ボタンを押すと交換方法の動画が再生されます。動画の交換方法に従って防犯センサの電池を交換してください。」が表示され、同じ音声メッセージが出力される。
【0194】
このため利用者はリモコン操作ガイダンス226に従ってテレビリモコン28の青ボタン400を押すと、動画再生操作のCECコマンドがテレビ装置26からアダプタ装置30に送信され、アダプタ装置30は予め記憶された電池交換用の動画コンテンツを読み出してテレビ装置26に転送して再生させる。
【0195】
更に、電池切れ警報画面224には、セキュリティ受信器10からの電池切れ警報の出力を一時的に停止するためのリモコン操作ガイダンス228として例えば「テレビリモコンの緑ボタンを押すと警報音が停止しますが、24時間後に再び警報音が出ます。」が表示され、同じ音声メッセージが出力される。
【0196】
このため利用者は、電池切れ警報画面224で例えば玄関開閉検出器12の電池切れを確認し、交換用の電池を入手して交換するまでに時間がかかるような場合には、テレビリモコン28の緑ボタン404を押すことで、セキュリティ受信器10による電池切れ警報の出力を一時的に停止し、電池切れ警報が出力され続ける状態を解消できる。
【0197】
また、電池切れ警報を一時停止するためにテレビリモコン28の緑ボタン404を操作すると、アダプタ装置30による電池切れ警報コンテンツの読み出し転送が停止してテレビ装置26の電池切れ警報画面224が消去され、セキュリティ受信器10の電池切れ警報も停止するが、24時間が経過すると、電池切れ警報コンテンツの読み出し転送が再開されて電池切れ警報画面224が表示され、セキュリティ受信器10による電池切れ警報の出力も再開される。
【0198】
このようなテレビ装置26に電池切れ警報画面224が表示され、音声メッセージが出力されることで、利用者は特定された保安端末の電池切れが近づいていることを知り、テレビリモコン28の操作により電池交換方法の動画を見ることにより、間違いなく例えば玄関開閉検出器12のカバーを開いて電池切れを起こした電池を外し、新しい電池に交換する作業を誤りなく行うことが可能となる。
【0199】
(g9. 通信エラー警報画面)
図24はテレビ装置に表示される通信エラー警報画面を示した説明図である。
図8に示したセキュリティ受信器10は、第1警戒モード又は第2警戒モードの設定中又は解除中に、玄関開閉検出器12などの保安端末から定期的に送信される通信テスト信号を受信しており、通信テスト信号の受信停止が連続して所定回数となるか又は所定時間継続した場合に通信エラーと判定し、障害表示灯145を点滅させ、確認スイッチ152を操作すると例えば「ピッピッ 玄関の防犯センサと通信できません。確認してください。」との確認メッセージが出力される。
【0200】
また、セキュリティ受信器10は、保安端末の通信エラーを判定すると、アダプタ装置30に通信エラー移報信号を送信し、これを受信したアダプタ装置30は予め記憶された通信エラー警報コンテンツをテレビ装置26に読出し転送し、テレビ装置26には例えば
図24に示す通信エラー警報画面230が表示されると共に、表示内容に対応した電池切れを示す警報音声メッセージが出力される。
【0201】
通信エラー警報画面230は、最上段に「通信エラーです」が表示され、その下の枠内に「通信エラー 19:44 玄関の防犯センサ」として通信エラーの判定時刻と防犯センサの場所が示される。
【0202】
続いて、枠の下に、通信エラーに対する対応方法を示す対応ガイダンス232として例えば「防犯センサからの電波が届いていません。セキュリティ受信器や防犯センサの近くに電波を妨げるものがありましたら、移動してください。」とする表示が行われ、同じ音声メッセージが出力される。
【0203】
更に、通信エラー警報画面230には、セキュリティ受信器10からの通信エラーの警報出力を一時的に停止するため、
図23に示したリモコン操作ガイダンス228と同じリモコン操作ガイダンス234が表示され、同じ音声メッセージが出力される。
【0204】
このような通信エラー警報画面230がテレビ装置26にセキュリティ受信器10による通信エラーの判定に連動して表示され、併せて音声メッセージが出力されることで、利用者は電波の届いていない保安端末があることを知り、近くに物が置かれていたら、それを移動するか、或いは、可能であれば設置場所を変えることで、通信エラーを解消することが可能となる。
【0205】
[h. セキュリティ受信器の制御動作]
図25はセキュリティ受信器の制御動作を示したフローチャートあり、
図8に示したプロセッサ120に設けられたセキュリティ制御部154による制御動作となる。
【0206】
図25に示すように、セキュリティ制御部154は、初期状態となるステップS1では第1及び第2警戒モードの解除状態にあり、ステップS2で第1警戒モード設定操作を判別するとステップS3に進み、所定の待ち時間、例えば1分の経過を判別するとステップS4に進み、第1警戒モードを設定し、また、アダプタ装置30に対し第1警戒モード設定移報信号を送信し、ステップS5に進んで第1警戒モード制御に入る。なお、第1警戒モード制御の詳細は後の説明で明らかにされる。
【0207】
また、セキュリティ制御部154はステップS3で所定の待ち時間経過の有無を判別している間にステップS6で解除操作を判別すると、ステップS7で第1警戒モード(又は第2警戒モード)を解除すると共に、アダプタ装置30に警戒解除移報信号を送信してステップS1に戻る。
【0208】
一方、セキュリティ制御部154は、ステップS8で第2警戒モード設定操作を判別した場合はステップS9に進み、第2警戒モードを設定すると共にアダプタ装置30に対し第2警戒モード設定移報信号を送信し、ステップS10に進んで第2警戒モード制御を行う。
【0209】
図26は
図25のステップS5による第1警戒モード制御の詳細を示したフローチャートである。
【0210】
図26に示すように、セキュリティ制御部154は、第1警戒モードの設定操作により第1警戒モードに入ると、ステップS11で玄関開閉検出器12又は敷地内異常検出器20からの検出信号の有無を判別しており、玄関開閉検出器12からの玄関開検出信号又は敷地内異常検出器20からの敷地内異常検出信号の受信を判別すると、ステップS12に進んで予備警報を出力すると共にアダプタ装置30に玄関開移報信号又は敷地内異常移報信号を送信する。
【0211】
続いて、セキュリティ制御部154は、ステップS13に進み、所定時間T1(例えばT1=1分)の経過を判別するとステップS14に進み、本警報を出力すると共に、アダプタ装置30に玄関開警報又は敷地内異常警報を示す警報移報信号を送信する。続いて、ステップS15で所定時間T2(例えばT2=5分)の経過を判別するとステップS18に進み、警報を停止すると共にアダプタ装置30に警報停止移報信号を送信する。
【0212】
また、セキュリティ制御部154は、ステップS15で所定時間T2の経過を判別するまでの間、ステップS16で解除操作の有無を判別すると共にステップS17でテレビリモコン28の警報停止操作の有無を判別しており、ステップS16で解除操作を判別するか、またはステップS17でテレビリモコン28の警報停止操作を判別した場合は、ステップS15の所定時間T2の経過を待つことなくステップS18に進み、警報を停止すると共にアダプタ装置30に警報停止移報信号を送信する。
【0213】
また、セキュリティ制御部154は、ステップS19で窓開閉検出器14、火災検出器24又は非常発信器22からの検出信号や通報信号の受信の有無を判別しており、何れかの信号受信を判別するとステップS14に進み、予備警報を出力することなく直ぐに本警報を出力させ、続いて、既に説明したと同じステップS14~S18の制御を行う。
【0214】
なお、
図23のステップS10に示した第2警戒モード制御は、
図24に示した第1警戒モード制御におけるステップS12,S13の予備警報の出力がなく、全ての保安端末からの検出信号に対し予備警報を行うことなく、直ぐに保安端末の動作状態を報知する点で相違する。
【0215】
[i. アダプタ装置の制御動作]
図27はアダプタ装置の制御動作を示したフローチャートあり、
図9に示したCPU168に設けられたアダプタ制御部176による制御動作となる。
【0216】
図27に示すように、アダプタ制御部176は、ステップS21でセキュリティ受信器10からの警報移報信号の受信を判別するとステップS22に進み、ワンタッチプレイのCECコマンドをテレビ装置26に送信し、テレビ装置26からの転送経路確定通知(ACK)を受けてステップS23でアダプタ装置30からテレビ装置26に至るHDMI伝送路による転送経路が確定される。
【0217】
続いて、アダプタ制御部176はステップS24でRAM174のコンテンツ178の中から警報移報信号の内容に対応したコンテンツを読み出してテレビ装置26にHDMIストリームとして転送して再生させることで画面表示と音声メッセージを出力させる。
【0218】
続いて、アダプタ制御部176はステップS25に進み、テレビリモコン28の操作に対応してテレビ装置26から送信された操作CECコマンドの受信を判別すると、ステップS26で操作CECコマンドに対応した制御として、例えば、警報停止CECコマンドの場合はセキュリティ受信器10に警報停止信号を送信し、また、録画再生CECコマンドの場合は、対応する録画コンテンツを読み出してテレビ装置26に転送して再生させる。
【0219】
続いて、アダプタ制御部176はステップS27でコンテンツの再生終了の有無判別しており、再生終了を判別するとステップS21の処理に戻る。
【0220】
[j. テレビ装置の制御動作]
図28はテレビ装置の制御動作を示したフローチャートであり、
図10に示したテレビ装置26に設けられたCPU180による制御動作となる。
【0221】
図28に示すように、テレビ装置26のCPU180は、ステップS31でプレーヤ装置32(32-1),32(32-2)の再生又は記録再生するための通常のHDMI-CEC制御を行なっている。
【0222】
続いて、CPU180はステップS32に進み、アダプタ装置30からワンタッチプレイのCECコマンドの受信を判別するとステップS33に進み、テレビ装置26の電源オフ(スタンバイ状態)を判別した場合はステップS34に進んでテレビ装置26の電源をオンし、また、ステップS35で例えばプレーヤ装置32(32-1)の再生中を判別した場合はステップS36に進んでプレーヤ装置32(32-1)の再生を停止してアダプタ装置30に切替え、ステップS37でアダプタ装置30に対し転送経路確定通知(ACK)を送信し、コンテンツの転送を開始させる。
【0223】
続いて、CPU180はステップS38でアダプタ装置30から転送されたコンテンツのHDMIストリームを受信して再生し、再生中にステップS39でテレビリモコン28の操作による操作信号の受信を判別するとステップS40に進み、操作信号に対応して変換したCECコマンドをアダプタ装置30に送信して所定の制御を行わせる。続いて、CPU180はステップS41でアダプタ装置30の再生終了を判別するとステップS31の処理に戻る。
【0224】
[k. HDMI切替器を用いた保安システム]
図29はHDMI切替器を用いた保安システムの概略を示した説明図、
図30はHDMI切替器の機能構成をテレビ装置と共に示したブロック図、
図31はテレビ装置、HDMI切替器、アダプタ装置、プレーヤ装置の物理アドレスの設定を示した説明図である。
【0225】
図29に示すように、本実施形態の保安システムにあっては、住宅11の居間に設置されたテレビ装置26に、プレーヤ装置32(32-1)~32(32-3)とアダプタ装置30を加えた4台のソースデバイスの接続を予定しているが、テレビ装置26でソースデバイスを接続するHDMI端子は3つしかないことから、2台のプレーヤ装置32(32-1),32(32-2)はテレビ装置26の2つのHDMI端子の各々に接続するが、アダプタ装置30とプレーヤ装置32(32-3)の2台は、HDMI切替器232を介してテレビ装置26の残り1つのHDMI端子に接続している。
【0226】
HDMI切替器232は、
図30に示すように、CPU234に対し2入力となるCECインタフェース236(236-1),236(236-2)とHDMI受信部238(238-1),238(238-2)のペアを接続したHDMI端子235(235-1),235(235-2)にアダプタ装置30とプレーヤ装置32(32-3)をHDMIケーブルで接続し、また、CPU234に対し1出力となるCECインタフェース242とHDMI送信部244のペアを接続したHDMI端子240をHDMIケーブルによりテレビ装置26のHDMI端子198(198-1)に接続している。
【0227】
HDMI切替器232のCPU234にはプログラムの実行により実現される切替制御部246としての機能が設けられる。
【0228】
テレビ装置26にHDMI切替器232を介してアダプタ装置30とプレーヤ装置32(32-3)をHDMIケーブルにより接続すると、テレビ装置26のCPU180によるホットプラグ検出機能により、シンクデバイスとなるテレビ装置26とソースデバイスとなるプレーヤ装置32(32-1),32(32-2)とHDMI切替器232を介して接続されたアダプタ装置30とプレーヤ装置32(32-3)の間の起動時の通信シーケンスが開始され、テレビ装置26はプレーヤ装置32(32-1),32(32-2)、HDMI切替器232、アダプタ装置30及びプレーヤ装置32(32-3)の接続が認識され、
図31に示すように、HDMIストリームの転送に必要な物理アドレスが設定される。
【0229】
図31に示す物理アドレスは、プレーヤ装置32(32-1),32(32-2)については、
図11と同じであるが、アダプタ装置30のHDMI送信部166には物理アドレス(1.1.0.0)が設定され、プレーヤ装置32(32-3)のHDMI送信部264には物理アドレス(1.2.0.0)が設定され、HDMI切替器232のHDMI受信部235(235-1)に物理アドレス(1.1.0.0)が設定され、HDMI受信部235(235-2)には物理アドレス(1.2.0.0)が設定され、更に、HDMI送信部244には物理アドレス(1.0.0.0)が設定される。
【0230】
このためアダプタ装置30が例えば玄関開閉検出器12から玄関開検出信号を受信してワンタッチプレイのCECコマンドを送信すると、HDMI切替器232の切替制御部246はHDMI送信部244に対する入力経路をHDMI受信部238(238-1)に切替え、同じ物理アドレス(1.1.0.0)をもつアダプタ装置30のHDMI送信部166とHDMI切替器232のHDMI受信部238(238-1)の間と、同じ物理アドレス(1.0.0.0)を持つHDMI切替器232のHDMI送信部244とテレビ装置26のHDMI受信部202(202-1)との間に、HDMI切替器232のCPU234をスルーしたHDMIストリームの転送経路が自動的に確立され、アダプタ装置30から予め記憶された玄関開警報コンテンツをテレビ装置26へ読み出し転送して再生させることができる。
【0231】
なお、HDMI切替器232としては、2入力の自動切替え機能を備えた市販の機器を使用することができる。また、HDMI切替器232は2入力1出力以外に、更に入力数の多いものが使用できる。
【0232】
また、テレビ装置26にHDMI切替器232を内蔵させても良く、この場合には、テレビ装置26はソースデバイスを接続するHDMI端子を実質的に4つ備えた拡張機能を持つことになり、テレビ装置26のHDMI端子に最大3台のプレーヤ装置32(32-1)~32(32-3)に加え、4台目としてアダプタ装置30を直接接続できる。
【0233】
[l. 本発明の変形例]
(警報器アダプタ)
保安システムの中間装置として機能するアダプタ装置に、入出力のHDMIコネクタを設け、通常時はプレーヤ装置などの他の装置から受信した信号に基づく信号を報知装置として機能するテレビ装置に送信し、セキュリティ受信器から警報移報信号を受信した場合には、テレビ装置に送信する信号を他の装置から受信した信号から、予め記憶した警報報知情報を含む警報報知信号の読み出し転送に変更するように内部で信号を切り替えるようにしてもよい。このような構成とすることでアダプタ装置はDVDプレーヤ等の他の装置とテレビ装置の接続の間に挿入可能な機器とできるため、アダプタ装置からの信号を受信するためにテレビ装置側で入力端子を増やす必要がなくなり、テレビ装置の入力端子(受信端子)が限られている場合であっても、アダプタ装置をテレビ装置に接続することが可能となる。
【0234】
(HDMI-CECコマンド)
上記の実施形態は、アダプタ装置からの共通コマンドとしてのワンタッチプレイのCECコマンドをテレビ装置に送信して送信経路を自動的に確立してコンテンツのHDMIストリームを転送して再生させているが、本発明はこれに限定されず、共通コマンド以外の他の所定のCECコマンドによるワンタッチプレイをテレビ装置に対して行うようにしてもよい。
【0235】
(保安端末)
上記の実施形態は、保安端末として、玄関開閉検出器、窓開閉検出器、敷地内異常検出器、火災検出器、非常発信器を例にとっているが、これに限定されず、例えば、窓ガラスの破壊を検出する窓ガラス破壊検出器やガス漏れ検出器等の適宜の防犯端末や防災端末を設けるようにしてもよい。
【0236】
また、上記の実施形態は無線式の保安端末を例にとっているが、セキュリティ受信器に信号線接続される有線式の保安端末も含む。
【0237】
(その他)
また、本発明は上記の実施形態に限定されず、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
【符号の説明】
【0238】
10:セキュリティ受信器
11:住宅
12:玄関開閉検出器
14:窓開閉検出器
15:玄関扉
16:窓
18:自動通報装置
20:敷地内異常検出器
22:非常発信器
24:火災検出器
25:遠隔操作器
26:テレビ装置
28:テレビリモコン
30:アダプタ装置
32(32-1)~32(32-3):プレーヤ装置
34,48,62,74,90,104,120,156:プロセッサ
36,50,64,76,92,106,122,158:通信部
40,54,55:開閉センサ
42,56,70,84,98,116:動作表示灯
44,58,72,86,100,118,130:スピーカ
46:玄関開閉検出制御部
60:窓開閉検出制御部
68:人感センサ
73:敷地内異常検出制御部
80:火災センサ
82:テストスイッチ
88:火災監視制御部
96:押釦スイッチ
102:非常通報制御部
105:遠隔制御部
110,146:第1警戒モード設定スイッチ
112,148:第2警戒モード設定スイッチ
114,150:解除スイッチ
124:アダプタ用通信部
126:表示部
128:操作部
132:第1警戒モード設定表示灯
134:第2警戒モード設定表示灯
136:窓開放表示灯
138:玄関開放表示灯
140:敷地内異常表示灯
142:火災表示灯
144:非常通報表示灯
145:障害表示灯
154:セキュリティ制御部
162,198(198-1)~198(198-3),235(235-1),235(235-2),240、:HDMI端子
164,200(200-1)~200(200-3),236(236-1),236(236-2),242:CECインタフェース
166,244,260,262,264:HDMI送信部
176:アダプタ制御部
178:コンテンツ
196:リモコン受信部
202(202-1)~202(202-3),238(238-1),238(238-2):HDMI受信部
204(204-1),204(204-2):第1警戒モード設定画面
206(206-1)~206(206-3):第2警戒モード設定画面
210:窓開警報画面
212(212-1),212(212-2):玄関開警報画面
214(214-1)~214(214-4):敷地内異常警報画面
216:火災警報画面
220:非常通報画面
224:電池切れ警報画面
230:通信エラー警報画面
232:HDMI切替器
246:切替制御部
400:青ボタン
402:赤ボタン
404:緑ボタン
406:黄ボタン
410:再生ボタン
412:録画ボタン
414:一時停止ボタン
416:停止ボタン