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特許7520612管理サーバおよびレンタカー貸出システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-12
(45)【発行日】2024-07-23
(54)【発明の名称】管理サーバおよびレンタカー貸出システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0645 20230101AFI20240716BHJP
【FI】
G06Q30/0645
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020125382
(22)【出願日】2020-07-22
(65)【公開番号】P2022021656
(43)【公開日】2022-02-03
【審査請求日】2023-05-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】神野 祐人
【審査官】渡邉 加寿磨
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-163429(JP,A)
【文献】特開2002-123778(JP,A)
【文献】特開2020-109557(JP,A)
【文献】特開2012-73827(JP,A)
【文献】特開2002-203244(JP,A)
【文献】国際公開第2020/109400(WO,A1)
【文献】特開2019-109570(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G08G 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンタカーの貸出を行う店舗に設置される店舗端末と通信する通信部と、
前記店舗端末が外国人の利用者が所持する携帯端末から読み取った免許情報を含む情報を前記通信部により取得し、取得した利用者の免許情報にレンタカーの運転が許可される国際運転免許証が存在する場合、前記利用者へのレンタカーの貸出を許可する旨を前記店舗端末へ送信するプロセッサと、
を有する管理サーバ。
【請求項2】
前記プロセッサは、前記免許情報にレンタカーの運転が許可される国際運転免許証が存在しない場合、前記免許情報にレンタカーの運転が許可される他国の運転免許証が存在すれば、前記利用者へのレンタカーの貸出を許可する旨を前記店舗端末へ送信する、
請求項1に記載の管理サーバ。
【請求項3】
前記プロセッサは、前記利用者が貸出を希望する貸出希望車が前記免許情報に含まれる免許条件に適合する場合、前記利用者へのレンタカーの貸出を許可する旨を前記店舗端末へ送信する、
請求項1又は2のいずれかに記載の管理サーバ。
【請求項4】
前記プロセッサは、前記免許情報に存在する他国の運転免許証に運転条件とする特殊装備が指定されている場合、前記利用者が貸出を希望する貸出希望車に特殊装備が装着可であれば、前記利用者へのレンタカーの貸出を許可する旨を前記店舗端末へ送信する、
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の管理サーバ。
【請求項5】
さらに、レンタカーの貸出を許可する基準を示す貸出基準情報を記憶する記憶部を有し、
前記プロセッサは、前記貸出基準情報が示す基準に従って前記利用者のレンタカーの利用履歴がレンタカーの貸出を許可するものであれば、前記利用者へのレンタカーの貸出を許可する旨を前記店舗端末へ送信する、
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の管理サーバ。
【請求項6】
前記プロセッサは、前記店舗端末が外国人の利用者が所持する携帯端末から読み取った免許情報を含む情報を、前記店舗端末がカメラで撮影した前記利用者の顔画像と前記携帯端末から取得した前記免許情報に対応づけられた顔画像とが同一人物と判定した場合に、前記通信部により取得する、
請求項1乃至5の何れか1項に記載の管理サーバ。
【請求項7】
レンタカーの貸出を行う店舗に設置される店舗端末と管理サーバとを有するレンタカー貸出システムであって、
前記店舗端末は、
携帯端末と通信する第1の通信部と、
前記管理サーバと通信する第2の通信部と、
前記第1の通信部により外国人の利用者が所持する携帯端末に記憶されている免許情報を取得し、前記携帯端末から取得した免許情報を含む情報を前記第2の通信部により前記管理サーバへ送信し、前記管理サーバから前記免許情報による前記利用者へのレンタカーの貸出の可否を示す情報を取得する第1のプロセッサと、
前記管理サーバから前記利用者へのレンタカーの貸出を許可する旨を受信した場合に前記利用者へのレンタカーの貸出を許可することを報知する報知部と、を有し、
前記管理サーバは、
前記店舗端末と通信する第3の通信部と、
前記第3の通信部により前記店舗端末が外国人の利用者が所持する携帯端末から読み取った免許情報を含む情報を取得し、前記店舗端末から取得した免許情報にレンタカーの運転が許可される国際運転免許証が存在する場合に前記利用者へのレンタカーの貸出を許可する旨を店舗端末へ送信する第2のプロセッサと、を有する、
を有するレンタカー貸出システム。
【請求項8】
前記管理サーバの前記第2のプロセッサは、前記免許情報にレンタカーの運転が許可される国際運転免許証が存在しない場合、前記免許情報にレンタカーの運転が許可される国の運転免許証が存在すれば、前記利用者へのレンタカーの貸出を許可する旨を前記店舗端末へ送信する、
請求項に記載のレンタカー貸出システム。
【請求項9】
前記店舗端末は、さらに、利用者の顔を撮影するカメラを有し、
前記店舗端末の前記第1のプロセッサは、前記第1の通信部により前記携帯端末から前記免許情報に対応づけられた顔画像を取得し、前記カメラで撮影する前記利用者の顔画像と前記携帯端末から取得した前記免許情報に対応づけられた顔画像とを照合し、前記カメラで撮影した前記利用者の顔画像と前記携帯端末から取得した顔画像とが同一人物であれば、前記携帯端末から取得する免許情報を含む情報を前記第2の通信部により前記管理サーバへ送信する、
請求項又はのいずれかに記載のレンタカー貸出システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、管理サーおよびレンタカー貸出システムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、外国からの観光客は、国際運転免許証を提示することでレンタカーを借りることができる。レンタカー会社の各店舗では、国際運転免許証を店員が目視で確認することで車を貸し出す運用としていることが多い。しかしながら、レンタカー会社の店員が国際運転免許証の真偽を確認したり日本での運転の有効性を正確に判断したりすることは容易ではない。例えば、ジュネーブ条約に加入していない国の国民(出生国がジュネーブ条約に非加盟である外国人)は、自国の運転免許証を持っていても日本で車の運転を行う資格がない。
【0003】
しかし、ジュネーブ条約に加盟していない国の国民が、ジュネーブ条約に加盟している国で国際運転免許証を取得していることがあり得る。このような場合、レンタカー会社の店員は、国際運転免許証の発給国がジュネーブ条約に加入している国であれば、レンタカーを貸し出してしまう可能性がある。また、提示された国際運転免許証が偽造されていたとしても、レンタカー会社の店員が目視で偽造を見破ることは困難であることが多い。
上述したように、海外の公的機関が発行する免許証を所持している外国人が日本での運転が可能であるか否かをレンタカー会社の店員が手早く正確に判断するのは難しいという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-153906号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の課題を解決するために、本発明は、海外の公的機関が発行する免許証の情報に基づいて国内で運転が可能であるかを正確に確認できる管理サーおよびレンタカー貸出システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態によれば、管理サーバは、通信部とプロセッサとを有する。通信部は、レンタカーの貸出を行う店舗に設置される店舗端末と通信する。プロセッサは、店舗端末が外国人の利用者が所持する携帯端末から読み取った免許情報を含む情報を通信部により取得し、取得した利用者の免許情報にレンタカーの運転が許可される国際運転免許証が存在する場合、利用者へのレンタカーの貸出を許可する旨を店舗端末へ送信する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、実施形態に係るレンタカー貸出システムの構成例を示す図である。
図2図2は、実施形態に係るレンタカー貸出システムに用いられる携帯端末の構成例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係るレンタカー貸出システムに用いられる店舗端末の構成例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係るレンタカー貸出システムに用いられる管理サーバの構成例を示す図である。
図5図5は、実施形態に係るレンタカー貸出システムにおける各装置が保持するデータの例を示す図である。
図6図6は、実施形態に係るレンタカー貸出システムにおける携帯端末による予約申請処理を説明するためのフローチャートである。
図7図7は、実施形態に係るレンタカー貸出システムにおける管理サーバによる予約登録処理を説明するためのフローチャートである。
図8図8は、実施形態に係るレンタカー貸出システムにおける店舗端末による貸出手続き処理を説明するためのフローチャートである。
図9図9は、実施形態に係るレンタカー貸出システムにおける管理サーバによる貸出承認処理を説明するためのフローチャートである。
図10図10は、実施形態に係るレンタカー貸出システムにおける管理サーバによる貸出可否判定処理を説明するためのフローチャートである。
図11図11は、実施形態に係るレンタカー貸出システムにおける店舗端末および管理サーバによるレンタカーの返却処理の流れを説明するためのシーケンスである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1は、実施形態に係るレンタカー貸出システムの構成例を概略的に示す図である。
実施形態に係わるレンタカー貸出システムは、観光客などの外国人にレンタカーを貸し出すためのシステムである。以下の本実施形態は、第1の国としての日本で運転する車両を日本国内のレンタカー会社が外国人に貸し出すレンタカー貸出システムを想定して説明するものとする。
【0009】
図1に示す構成例において、レンタカー貸出システムは、携帯端末1、店舗端末2および管理サーバ3などを有する。
携帯端末1は、レンタカーを借りる人物が所持する携帯可能な端末装置である。携帯端末1は、例えば、スマートフォンやタブレットPCなどの携帯可能な情報機器で実現される。携帯端末1は、アプリケーションプログラムを実行する機能を有する電子機器である。本実施形態において、携帯端末1は、外国人がレンタカーを借りるためのアプリケーションプログラムとしてモバイル運転免許証アプリAP1とレンタカーアプリAP2とを備えるものとする。モバイル運転免許証アプリAP1は、利用者の運転免許証として利用されるモバイル運転免許証(mDLとも称される)を実現するアプリケーションプログラムである。レンタカーアプリAP2は、レンタカー会社からレンタカーを借りるためのアプリケーションプログラムである。
【0010】
店舗端末2は、レンタカー会社の各店舗に設置される。店舗端末2は、携帯端末1のモバイル運転免許証アプリAP1が管理する運転免許証の情報(免許情報)や個人情報などを読み取るリーダとしての機能を有する。例えば、店舗端末2は、携帯端末1から免許情報を読み取ったり、携帯端末1から読み取る免許情報に対応する顔情報と実際の利用者の顔との照合(顔認証)を実行したりする。また、店舗端末2は、管理サーバ3からの情報に基づいて利用者に対してレンタカーを貸出できるか否かの情報などが表示され、店員によるレンタカーの貸出作業や返却作業に伴う業務を支援する。
【0011】
管理サーバ3は、各種の情報を管理するサーバ装置である。例えば、管理サーバ3は、利用者情報としてレンタカーを貸し出す利用者(会員)に関する個人情報などを管理する。また、管理サーバ3は、ネットワークを介して利用者の携帯端末1で入力された予約内容に基づくレンタカーの貸出予約に関する予約情報を保管する。また、管理サーバ3は、店舗端末2が携帯端末1から読み取った情報に対してレンタカーの貸出の可否を判定し、貸出可否の判定結果を店舗端末2へ提供する。また、管理サーバ3は、店舗端末2と通信して店舗端末2へ予約情報を提供したり利用者へ貸し出すレンタカーに関する情報を管理したりする。
【0012】
次に、実施形態に係わる携帯端末1の構成について説明する。
図2は、実施形態に係る携帯端末1における制御系の構成例を概略的に示すブロック図である。
携帯端末1は、スマートフォンあるいはタブレットPCなどとして実現され、利用者が携帯可能な筐体を有する。携帯端末1は、図2に示す構成例において、携帯端末1は、プロセッサ11、ROM12、RAM13、記憶部14、モバイル通信部15、近距離無線通信部16、表示部17、操作部18などを有する。
【0013】
プロセッサ11は、プログラムを実行することにより種々の処理を実行する。プロセッサ11は、例えば、CPUである。ROM12は、プログラムや制御データなどを記憶する不揮発性のメモリである。RAM13は、データを一時的に保持するワーキングメモリとして機能する。記憶部14は、書換え可能な不揮発性のメモリを含む記憶装置である。これらの構成により、プロセッサ11は、RAM13を用いてROM12又は記憶部14が記憶するプログラムを実行することにより種々の処理を実現する。
【0014】
本実施形態において、記憶部14は、レンタカー貸出システムを利用するための各種の情報を記憶する。例えば、記憶部14には、モバイル運転免許証アプリAP1およびレンタカーアプリAP2がインストールされる。また、記憶部14には、モバイル運転免許証アプリAP1が管理する免許情報および個人情報などが記憶される。また、記憶部14は、レンタカーアプリAP2が管理する会員情報、本人確認情報および予約情報なども記憶される。
【0015】
モバイル通信部15は、外部の機器と通信するための通信インターフェースである。本実施形態において、利用者が携帯端末1を携帯して使用することを想定するため、モバイル通信部15は、移動体通信あるいはWifi(登録商標)などの無線通信によってネットワークに接続するものとする。例えば、携帯端末1は、モバイル通信部15によりネットワークを介して管理サーバ3と通信する。
【0016】
近距離無線通信部16は、店舗端末2と通信するための近距離無線通信用の通信インターフェースである。近距離無線通信部16による近距離無線通信に用いる通信方式は、利用者が所持する携帯端末1に搭載可能なものであり、店舗端末2とセキュアに通信できるものであれば良い。例えば、近距離無線通信部16は、NFCなどの非接触型ICカードに用いられる通信方式が用いられるようにしても良い。この場合、近距離無線通信部16は、店舗端末2から非接触で供給される通信用の電源電力およびクロックによってデータの送受信を行う。
【0017】
表示部17は、プロセッサ11の制御に応じて種々の情報を表示する表示装置である。操作部28は、操作者が操作指示を入力するためのデバイスである。表示部17および操作部18は、ユーザインターフェースとして機能する。例えば、表示部17および操作部18は、タッチパネル付の表示装置によって構成される。また、操作部18は、キーボード、テンキー、ポインティングデバイスなどを含むものであっても良い。
【0018】
なお、携帯端末1は、カメラや指紋センサなどを具備するものであっても良い。カメラを具備する場合、携帯端末1は、カメラが撮影する画像を用いた顔認証によって利用者を認証するようにしても良い。また、指紋センサを具備する場合、携帯端末1は、指紋認証よって利用者を認証するようにしても良い。
【0019】
次に、実施形態に係る店舗端末2の構成について説明する。
図3は、実施形態に係る店舗端末2における制御系の構成例を概略的に示すブロック図である。
店舗端末2は、レンタカーを貸し出す店舗に設置される。店舗端末2は、店舗の係員が操作する端末機器である。図3に示す構成例において、店舗端末2は、プロセッサ21、ROM22、RAM23、記憶部24、ネットワーク通信部25、近距離無線通信部26、表示部27、操作部28、および、カメラ29などを有する。
【0020】
プロセッサ21は、プログラムを実行することにより種々の処理を実行する。プロセッサ21は、例えば、CPUである。ROM22は、プログラムや制御データなどを記憶する不揮発性のメモリである。RAM23は、データを一時的に保持するワーキングメモリとして機能する。記憶部24は、書換え可能な不揮発性のメモリを含む記憶装置である。これらの構成により、プロセッサ21は、RAM23を用いてROM22又は記憶部24が記憶するプログラムを実行することにより種々の処理を実現する。
【0021】
ネットワーク通信部25は、外部の機器と通信するための通信インターフェースである。本実施形態において、店舗端末2は、ネットワーク通信部25によりネットワークを介して管理サーバ3と通信する。
【0022】
近距離無線通信部26は、携帯端末1が具備する近距離無線通信の通信方式に応じた通信方式の通信インターフェースにより構成される。例えば、携帯端末1との近距離無線通信としては、非接触型ICカードに用いられる通信方式であっても良い。この場合、近距離無線通信部26は、携帯端末1との非接触通信を行うためのアンテナおよび通信制御などにより構成され、携帯端末1の近距離無線通信部に通信用の電源およびクロックを供給することによりデータの送受信を行う。
【0023】
表示部27は、種々の情報を表示する表示装置である。操作部28は、操作者が操作指示を入力するためのデバイスである。表示部27および操作部28は、ユーザインターフェースとして機能する。例えば、表示部27および操作部28は、タッチパネル付の表示装置によって構成するようにしても良い。また、操作部28は、キーボード、テンキー、ポインティングデバイスなどを含むものであっても良い。
【0024】
カメラ29は、利用者の顔を撮影する。カメラ29が撮影する顔画像は、顔認証に用いられる。例えば、プロセッサ21は、カメラ29が撮影する顔画像と携帯端末1から読み取る顔画像とを照合することにより顔認証を行う。
【0025】
次に、実施形態に係る管理サーバ3の構成について説明する。
図4は、実施形態に係る管理サーバ3における制御系の構成例を概略的に示すブロック図である。
管理サーバ3は、レンタカーを貸し出す事業者(レンタカー会社)における各種の情報を管理する。管理サーバ3は、携帯端末1からの要求に応じたレンタカーの予約、店舗端末2を用いたレンタカーの貸出、あるいは、店舗端末2を用いたレンタカーの返却に関する情報を管理する。また、管理サーバ3は、店舗端末2が携帯端末1から読み取る情報に基づいてレンタカーの貸出可否判定なども行う。
【0026】
図4に示す構成例において、管理サーバ3は、プロセッサ31、ROM32、RAM33、記憶部34、ネットワーク通信部25などを有する。
プロセッサ31は、プログラムを実行することにより種々の処理を実行する。プロセッサ31は、例えば、CPUである。ROM32は、プログラムや制御データなどを記憶する不揮発性のメモリである。RAM33は、データを一時的に保持するワーキングメモリとして機能する。記憶部34は、書換え可能な不揮発性のメモリを含む記憶装置である。これらの構成により、プロセッサ31は、RAM33を用いてROM32又は記憶部34が記憶するプログラムを実行することにより種々の処理を実現する。
【0027】
記憶部34は、レンタカーの貸出を行うための各種の情報を記憶する。例えば、記憶部34は、レンタカーの貸出サービスが受けられる会員に関する情報を記憶する会員情報データベース、および、レンタカーの予約に関する予約情報を記憶する予約情報データベースなどが設けられる。また、記憶部34は、利用者が所持する免許証に基づいてレンタカーが貸出可能であるか否かを判定するための基準となる情報(貸出基準情報)も記憶される。さらに、記憶部14には、レンタカーとして使用する車両の状況を示す情報を格納する車両管理データベースを設けるようにしても良い。
【0028】
ネットワーク通信部36は、外部の機器と通信するための通信インターフェースである。本実施形態において、管理サーバ3は、ネットワーク通信部25によりネットワークを介して携帯端末1および店舗端末2と通信する。
【0029】
次に、実施形態に係わるレンタカー貸出システムにおいて各装置が保持する情報と装置間でのデータ送受信について概略的に説明する。
図5は、レンタカー貸出システムにおける携帯端末1、店舗端末2および管理サーバ3が保持する情報を模式的に示す図である。
図5に示すように、本実施形態に係わる携帯端末1は、モバイル運転免許証アプリAP1とレンタカーアプリAP2とを有する。モバイル運転免許証アプリAP1およびレンタカーアプリAP2は、携帯端末1の所有者がレンタカーの予約手続きをする場合およびレンタカーを借りる場合に使用する。
【0030】
モバイル運転免許証アプリAP1は、利用者が持っている運転資格を示す情報(免許情報)および利用者の個人情報(認証情報)を管理する。モバイル運転免許証アプリAP1が管理する免許情報は、公的な機関によって発行されたものであり、カードなどの媒体で発行される運転免許証と同等の効果を有するものとする。なお、当該免許情報は、公的な機関によって発行されたことが証拠付けられるコードを含んでいたり、暗号化されていることで、偽造されたものを排除できるしくみを伴うものであることが好ましい。
【0031】
本実施形態において、モバイル運転免許証アプリAP1が管理する免許情報は、利用者の自国で発行された免許証(自国の免許証)の免許情報と国際運転免許証の免許情報とを含むものとして説明する。ただし、国際免許証がなくても自国の免許証と所定の添付物とがあれば、レンタカーの貸出国(本実施形態では日本とする)で運転が可能となる場合にはモバイル運転免許証アプリAP1に国際運転免許証がなくても良いものとする。
【0032】
免許情報の具体例としては、運転免許証の発給地(発給国)、有効期限、運転可能車種を示す情報などが含まれる。国際運転免許証の免許情報には、条約等で定めたられた各項目の情報が含まれる。これに対し、自国(外国人の自国)の免許証は、発行する国ごとに異なる内容が含まれることがある。例えば、運転可能車種の規定(区分)は、各国が独自に定めた区分となっていることがあり、さらにはAT(オートマテックミッション)車のみの限定免許などといった車両の特徴に関する条件を含む場合もある。また、自国の免許証の免許情報には、国ごとに定められている特殊な免許条件(運転条件)が含まれることがある。具体的には、免許条件としては、補助ミラー、手動ブレーキおよび手動アクセル、右側方向指示器などの特殊装備が運転を許可する条件とする場合もある。
【0033】
また、免許情報に対応する利用者の個人情報は、利用者の氏名、出生地(国籍)、年齢、および、顔情報などの情報である。利用者の個人情報についても、国際運転免許証と自国の免許証とは異なる項目が含まれることがある。国際運転免許証では個人情報として予め定められている項目の情報が含まれるが、自国の免許証では必要となる個人情報が発行する国ごとに異なることがある。本実施形態では、モバイル運転免許証アプリAP1が管理する国際運転免許証と自国の免許証とを含む免許情報に対応する個人情報としては、利用者の氏名、出生地(国籍)、年齢、および、顔情報などの情報が含まれるものとする。
【0034】
レンタカーアプリAP2は、レンタカーを借りるための会員情報およびレンタカーの予約情報などを管理する。レンタカーアプリAP2は、レンタカー会社などの事業者が提供するアプリケーションプログラムである。例えば、レンタカーアプリAP2は、利用者の会員情報として利用者の識別情報(例えば、会員番号)および認証情報(パスワード)を管理する。また、レンタカーアプリAP2が管理する予約情報は、貸出が予約されたレンタカーに関する情報として、貸出日時、貸出店舗、返却日時、返却店舗、貸出希望車種、オプション装備などの情報が含まれるようにしても良い。
【0035】
店舗端末2は、レンタカーを貸し出す場合に利用者が所持する携帯端末1から読み取る情報を一時的に記憶する。例えば、店舗端末2は、携帯端末1のモバイル運転免許証アプリAP1から読み取る免許情報および顔情報などの個人情報を保持する。例えば、店舗端末2は、利用者の顔認証を行うために携帯端末1のモバイル運転免許証アプリAP1から読み取る顔情報を保持し、顔認証後に当該顔情報を削除する。また、店舗端末2は、管理サーバ3から取得するレンタカーの貸出可否を示す情報なども保持する。
【0036】
管理サーバ3は、レンタカーの貸出を行うための各種の情報を管理する。管理サーバ3は、各会員の会員情報として、会員識別情報(例えば、会員番号)に対応づけて、名前、住所、電話番号などの個人情報を管理する。例えば、管理サーバ3の記憶部34には、会員情報を格納する会員情報データベース(DB)が設けられる。また、管理サーバ3は、利用者が予約したレンタカーに関する予約情報を管理する。例えば、管理サーバ3の記憶部34には、予約情報を格納する予約情報データベース(DB)が設けられる。さらに、管理サーバ3は、レンタカーとして使用する車両の状況を示す情報を管理する。例えば、管理サーバ3の記憶部34には、車両の状況を示す情報を格納する車両管理データベース(DB)が設けられるようにしても良い。ただし、会員情報データベースや予約情報データベース、車両管理データベースは、管理サーバ3がアクセスあるものあれば良く、管理サーバ3と通信接続される別のサーバ装置などに設けても良い。
【0037】
また、管理サーバ3は、利用者の免許情報などからレンタカーが貸出可能であるか否かを判定するための貸出基準情報を保持する。管理サーバ3は、貸出基準情報が示す基準に従って、店舗端末2での貸出手続きで利用者の携帯端末1から読み取る免許情報および個人情報で指定されたレンタカーの貸出が可能であるか否かを判定する。また、管理サーバ3は、店舗端末2での貸出手続きに対応して貸出基準情報に基づいて判定したレンタカーの貸出可否を示す情報を保持する。管理サーバ3は、店舗端末2での貸出手続きに対応する貸出可否を示す情報を保持する。また、管理サーバ3は、店舗端末2での貸出手続きによってレンタカーを貸し出した利用者の携帯端末1から取得した免許情報を保持する。管理サーバ3は、レンタカーが返却された場合に当該利用者の免許情報を削除するようにしても良い。
【0038】
次に、実施形態に係るレンタカー貸出システムを用いて外国人がレンタカーを借りる場合の動作について説明する。
レンタカー貸出システムでは、利用者(外国人)の操作に応じて事前にレンタカーを予約する予約処理を行い、予約されたレンタカーをレンタカー会社の店舗に実際に来店した利用者に貸し出す手続きを行う。例えば、予約処理は、利用者が携帯端末1においてレンタカーアプリAP2を用いて操作入力する内容に応じた予約情報が管理サーバ3に登録される処理である。なお、本実施形態では、利用者がレンタカーを予約するための操作(予約操作)を携帯端末1で実行するものとして説明するが、予約操作は、携帯端末1でなくても、管理サーバ3と通信可能な情報機器であれば実行できるようにしても良い。
【0039】
図6は、携帯端末1においてレンタカーの予約をするための予約申請処理の動作例を説明するためのフローチャートである。
レンタカーを予約する場合、利用者は、携帯端末1において操作部18を用いてレンタカーアプリAP2の起動を指示する。プロセッサ11は、操作部18を用いて入力される指示に応じてレンタカーアプリAP2を起動させる(S11)。レンタカーアプリAP2が起動すると、管理サーバ3と通信するためのログイン処理を実行する。ここでは、会員情報などを登録した会員に対してレンタカーの貸出を行う運用を想定するものとする。
【0040】
利用者は、レンタカーアプリAP2を用いたレンタカーの貸出を新規に行う場合(S12、YES)、新規に会員登録を行う。利用者は、操作部18を用いて、新規の会員登録を指示し、会員登録するための必要な個人情報を入力する。例えば、会員登録に必要な個人情報としては、名前、住所、電話番号、本人確認情報(パスワード等)などを入力するようにしても良い。すなわち、携帯端末1のプロセッサ11は、レンタカーアプリAP2を用いてレンタカーを借りるために新規の会員登録を行う場合(S12、YES)、操作部18を用いて利用者が入力する会員登録するための必要な個人情報を取得する(S13)。
【0041】
また、プロセッサ11は、操作部18による新規の会員登録の指示に応じてモバイル通信部15によりネットワークを介して管理サーバ3に接続する。管理サーバ3と通信接続すると、プロセッサ11は、操作部18を用いて入力された会員登録用の個人情報と共に、新規の会員登録の要求を管理サーバ3へ送信する(S14)。
【0042】
新規の会員登録の要求を管理サーバ3へ送信した後、プロセッサ11は、管理サーバ3から会員登録の完了通知と共に当該利用者に対して発行された会員番号等の会員識別情報(会員ID)を取得する(S15)。これにより、当該利用者に対する新規の会員登録が完了する。なお、会員識別情報は、携帯端末1において利用者自身が指定するようにしても良い。この場合、管理サーバ3は、指定された会員識別情報が使用可能であれば会員情報として登録するようにすれば良い。
【0043】
利用者の既存の会員である場合(S12、NO)、又は、新規に会員登録した利用者が続けてレンタカーの予約手続きを行う場合、プロセッサ11は、利用者からのログイン情報の入力を受け付ける。例えば、ログイン情報としては、会員識別情報と本人確認情報(パスワード)とが操作部18を用いて入力される。
【0044】
ログイン情報が入力されると、プロセッサ11は、入力されたログイン情報に基づくログイン要求を管理サーバ3へ送信する(S16)。ログイン要求後、プロセッサ11は、ログイン要求に対する管理サーバ3からのログイン結果を受信する。
【0045】
管理サーバ3でのログインが失敗した場合(S17、NO)、プロセッサ11は、レンタカーの予約が不可である旨を報知する(S18)。例えば、プロセッサ11は、入力された情報によるログインが失敗したため、レンタカーの予約が不可である旨を表示部17に表示する。ログインが失敗した場合、プロセッサ11は、ログイン情報の入力待ちに戻るようにしても良いし、一連の予約操作を終了しても良い。
【0046】
管理サーバ3でのログインが成功した場合(S17、YES)、プロセッサ11は、レンタカーの予約内容の入力を受け付ける(S19)。例えば、プロセッサ11は、予約内容の入力画面を表示部17に表示し、利用者による予約内容(予約条件)の入力を受け付ける。レンタカーの予約内容としては、例えば、貸出日、貸出期間、貸出場所、返却場所、希望車種などが入力され、さらに、オプション装備なども入力可能とする。
【0047】
予約内容が入力されると、プロセッサ11は、入力された予約内容を管理サーバ3へ送信する(S20)。予約内容を送信した後、プロセッサ11は、管理サーバ3から予約内容に応じて予約可能なレンタカーに関する情報を取得する(S21)。例えば、予約内容に応じて複数の車両が予約可能であった場合、プロセッサ11は、管理サーバ3から予約可能なレンタカーの候補を示す情報を取得する。また、予約内容に応じて予約可能なレンタカーがない場合、プロセッサ11は、管理サーバ3から予約可能なレンタカーがない旨の情報を取得する。
【0048】
入力した予約内容に応じたレンタカー情報を取得すると、プロセッサ11は、取得したレンタカー情報を表示部17に表示し、利用者によるレンタカーの予約指示又は予約内容の再入力の指示を受け付ける(S22)。例えば、予約可能な複数のレンタカーの候補を示す情報を取得した場合、プロセッサ11は、それらのレンタカーの候補を表示部17に表示する。この場合、プロセッサ11は、表示した候補から利用者が予約するレンタカーの選択指示を受け付ける。また、プロセッサ11は、表示した候補から予約するレンタカーが決められない場合には利用者による予約内容の再入力を受け付けるようにしても良い。また、予約可能なレンタカーがない旨の情報を取得した場合、プロセッサ11は、予約可能なレンタカーがない旨を表示部17に表示する。この場合、プロセッサ11は、S19へ戻り、予約内容の再入力を受け付けるようにしても良い。
【0049】
レンタカーの予約指示が入力された場合(S22、YES)、プロセッサ11は、レンタカーの予約要求と共に、予約が指示されたレンタカーなどの予約内容を示す情報を管理サーバ3へ送信する(S23)。管理サーバ3では、携帯端末1からの予約要求に応じて確定した予約内容を示す予約情報を登録し、予約情報の登録後に予約完了通知を当該携帯端末1へ送信する。これにより、予約要求を送信した後、プロセッサ11は、管理サーバ3からの予約完了通知を受信する(S24)。予約完了通知には、予約された内容(予約情報)を識別するための予約番号などが含まれるようにしても良い。管理サーバ3から予約完了通知を受信すると、プロセッサ11は、予約が完了した旨を報知し、レンタカーの予約操作を終了する。
【0050】
次に、実施形態に係る管理サーバ3における予約登録処理について説明する。
図7は、管理サーバ3においてレンタカーの予約情報を登録する予約登録処理の動作例を説明するためのフローチャートである。
管理サーバ3では、携帯端末1からの要求に応じて会員登録およびログイン処理を実行する。携帯端末1から新規の会員登録の要求を受けた場合(S31、YES)、管理サーバ3のプロセッサ31は、ネットワーク通信部35によりネットワークを介して携帯端末1から新規に会員登録するための必要な個人情報を取得する(S32)。例えば、会員登録に必要な個人情報としては、名前、住所、電話番号、本人確認情報(パスワード等)などである。
【0051】
会員登録に必要な個人情報を取得すると、プロセッサ31は、当該利用者に割り当てる会員番号などの会員識別情報(会員ID)を発行し、発行した会員識別情報に対応づけて個人情報を会員情報として記憶部34に登録(保存)する(S33)。会員情報を登録すると、プロセッサ31は、登録した会員識別情報を含む会員登録の完了通知を携帯端末1へ送信する(S34)。
【0052】
また、管理サーバ3のプロセッサ31は、登録済みの会員からのログイン要求を受け付ける(S35)。携帯端末1からログイン要求を受信した場合(S35、YES)、プロセッサ11は、ログイン要求と共に受信するログイン情報に基づくログイン処理を実行する(S36)。例えば、プロセッサ11は、ログイン情報として会員識別情報とパスワードとを受信し、受信したパスワードが受信した会員識別情報で特定される会員のパスワードと一致するか否かを判定する。プロセッサ31は、パスワードが一致した場合にはログイン成功とし、パスワードが一致しない場合にはログイン失敗とする。受信したログイン情報によるログインが失敗した場合(S37、NO)、プロセッサ31は、ログインが失敗した旨を携帯端末1へ通知する(S38)。
【0053】
また、携帯端末1からのログインを成功とする場合(S37、YES)、プロセッサ31は、携帯端末1へログインが成功した旨を通知し、携帯端末1から利用者が指定する予約内容を受け付ける(S39)。携帯端末1から予約内容を受信すると、プロセッサ31は、指定された予約内容に応じて予約可能なレンタカーを検索する(S40)。プロセッサ31は、検索結果に基づいて予約内容に応じて予約可能なレンタカーを示す情報を携帯端末1へ送信する(S41)。
【0054】
予約可能なレンタカーを示す情報を送信した後、プロセッサ31は、携帯端末1からの予約指示を受け付ける(S42)。例えば、プロセッサ31は、予約可能なレンタカーを示す情報を送信し、送信したレンタカーの予約指示を受け付ける。また、レンタカーの予約指示がなければ(S42、NO)、プロセッサ31は、再度予約内容の受け付けるようにしても良い。
【0055】
レンタカーの予約指示を受信した場合(S42、YES)、プロセッサ31は、予約が指示されたレンタカーの予約内容を確定し、確定した予約内容での予約情報を生成する(S43)。予約情報としては、利用者(予約者)の会員識別情報、貸出車種、貸出日、貸出期間、貸出場所、返却場所、および、オプション装備などの情報を含む。プロセッサ31は、予約情報を記憶部34に登録する。予約情報の登録が完了すると、プロセッサ31は、予約完了を携帯端末1へ通知する(S43)。
【0056】
上記のような処理によって利用者が希望するレンタカーの予約情報が登録される。予約情報が登録されると、管理サーバは、予約された車両(貸出希望車)が貸出日、貸出期間、貸出場所において貸し出せるように管理できる。
【0057】
次に、レンタカー会社の店舗でレンタカーを貸し出すための店舗端末での貸出手続き処理について説明する。
図8は、店舗端末2におけるレンタカーの貸出手続き処理の動作例を説明するためのフローチャートである。
ここでは、上述したような手続きによってレンタカーを予約した利用者(外国人)が携帯端末1を持ってレンタカー会社の店舗に訪れた場合を想定するものとする。また、利用者は、モバイル運転免許証アプリAP1およびレンタカーアプリAP2をインストールした携帯端末1を所持する外国人であるものとする。
【0058】
携帯端末1を所持する利用者が店舗に訪れると、店舗端末2は、店舗の係員(店員)の操作に応じて貸出手続き処理を開始する。例えば、店員は、店舗端末2の操作部28により貸出手続き処理の開始を指示し、利用者の所持する携帯端末1を近距離無線通信部26の通信領域に提示させる。店舗端末2のプロセッサ21は、操作部28により貸出手続き処理の開始が指示されると、近距離無線通信部26により利用者が所持する携帯端末1と近距離無線通信を行う。
【0059】
プロセッサ21は、近距離無線通信部26による携帯端末1との近距離無線通信が確立すると、携帯端末1からレンタカーアプリAP2が管理する会員識別情報(会員番号)を含む会員情報を取得する(S51)。さらに、プロセッサ21は、携帯端末1からのモバイル運転免許証アプリAP1が管理する免許情報と免許情報に対応づけられた顔情報(免許証の顔画像)を含む個人情報とを取得する(S52)。
【0060】
また、プロセッサ21は、実際に来店した人物(来店者)の顔をカメラ29によって撮影し、カメラ29が撮影した画像から来店者の顔画像を取得する(S53)。携帯端末1のモバイル運転免許証アプリAP1が管理する免許証の顔画像とカメラ29で撮影した来店者の顔画像とを取得すると、プロセッサ21は、免許証の顔画像と来店者の顔画像とが同一人物の顔であるかを判定する顔照合を行う(S54)。
【0061】
免許証の顔画像と来店者の顔画像とが同一人物の顔として一致しない場合(S54、NO)、プロセッサ21は、当該来店者に対するレンタカーの貸出が不可である旨を表示部27に表示する(S55)。この場合、プロセッサ21は、店員による操作に応じてS53へ戻り、再びカメラ29を用いて来店者の顔を撮影し、顔照合を再度実行するようにしても良い。
【0062】
免許証の顔画像と来店者の顔画像とが同一人物の顔として一致した場合(S54、YES)、プロセッサ21は、携帯端末1から取得した情報(会員情報、免許情報および個人情報)をネットワーク通信部25により管理サーバ3へ送信する(S56)。携帯端末1から取得した情報を管理サーバ3へ送信した後、プロセッサ21は、管理サーバ3からの当該利用者に対するレンタカーの貸出可否を示す貸出可否の判定結果の受信待ちとする(S57)。
【0063】
管理サーバ3からレンタカーの貸出可を示す情報を受信した場合(S58、YES)、プロセッサ21は、貸出可を示す情報と共に、当該利用者が既に予約してある予約情報を取得する(S59)。当該利用者の予約情報を取得すると、プロセッサ21は、貸出可を示す情報と共に予約情報に基づく情報を表示部27に表示する(S59)。例えば、プロセッサ21は、予約情報によって貸出が予約されているレンタカーを示す情報、貸出期間、返却場所、オプション装備などの情報を表示部27に表示する。
【0064】
貸出可を示す情報が表示部27に表示されると、店員は、表示部27に表示された予約情報に応じてレンタカーの貸出作業を実行する。店員は、利用者へレンタカーを貸し出す貸出作業が完了すると、操作部28を用いて貸出作業の完了を入力する。プロセッサ21は、表示部27に予約情報などを表示した後、操作部28によるレンタカーの貸出作業の完了指示待ちとなる(S60)。
【0065】
レンタカーの貸出作業の完了が入力されると(S61、YES)、プロセッサ21は、予約情報に基づいて利用者へのレンタカーの貸出作業が完了したことを示す情報を管理サーバ3へ通知する(S62)。
また、レンタカーの貸出作業が完了した場合、プロセッサ21は、記憶部24に保持しているレンタカーを貸し出した利用者の顔画像を削除し(S63)、貸出手続き処理を終了する。貸出作業が完了した場合に記憶部24の顔画像を削除することにより、店舗端末2には、利用者の個人情報として顔画像が残らないようにできる。
【0066】
次に、店舗端末での貸出手続きに対応する管理サーバ3における貸出承認処理の動作について説明する。
図9は、管理サーバ3における貸出承認処理の動作例を説明するためのフローチャートである。
管理サーバ3は、各店舗に設けられた店舗端末2からのレンタカーの貸出に関する問合せを随時受け付ける。店舗端末2で上述したようなレンタカーの貸出手続きが行われる場合、管理サーバ3のプロセッサ31は、ネットワーク通信部35を介して店舗端末2と通信する。プロセッサ31は、各店舗での貸出手続きにおいて店舗端末2が店舗に訪れた利用者の携帯端末1から取得する会員情報、免許情報および個人情報をネットワーク通信部35により店舗端末2から取得する(S71)。
【0067】
会員情報を取得すると、プロセッサ31は、取得した会員情報の会員(利用者)が利用できる有効な予約情報を検索する(S72)。例えば、プロセッサ31は、取得した会員情報の会員識別情報(会員番号)を検索キーとして記憶部34の予約情報データベースから当該利用者の予約情報を検索する。当該利用者の予約情報が検出すると、プロセッサ31は、検出した予約情報が有効な予約内容であるかを判定する。例えば、プロセッサ31は、現在の日時を基準に予約情報に含まれる貸出日時が有効であるか、貸出場所が貸出手続きを実行する店舗端末2の設置された店舗であるかなどを確認することによって、予約情報が有効であるか否かを判断する。
【0068】
当該利用者の有効な予約情報がない場合(S73、NO)、プロセッサ31は、当該利用者へのレンタカーの貸出を不可とし、プロセッサ31は、貸出手続きを実行している店舗端末2へ貸出不可を通知する(S74)。この場合、プロセッサ31は、貸出不可となった理由を通知するようにしても良い。例えば、当該利用者の予約情報が存在しない場合、プロセッサ31は、予約情報がないために貸出不可である旨を店舗端末2へ通知するようにしても良い。また、当該利用者の予約情報が有効な予約でない場合、プロセッサ31は、有効でないと判断された事項(例えば、貸出日時、貸出場所)を示す情報を店舗端末2へ通知するようにしても良い。
【0069】
当該利用者の有効な予約情報がある場合(S73、YES)、プロセッサ31は、当該利用者が予約されたレンタカーを運転する資格があるかを確認する貸出判定処理を実行する(S75)。貸出判定処理は、利用者に対して予約情報で予約されている貸出希望車を貸し出して良いかを確認する処理である。つまり、プロセッサ31は、店舗端末2が携帯端末1から読み取った免許情報および個人情報に基づいて当該利用者の予約情報で予約されている車両(貸出希望車)を当該利用者が実際に貸し出しても良いか否かを判定する貸出判定処理を実行する。
【0070】
例えば、プロセッサ31は、携帯端末1から読み取った免許情報に基づいてレンタカーを運転(貸出)する国(本実施形態では、日本とする)で有効な運転免許証を有しているかを確認する。また、プロセッサ31は、携帯端末1から読み取った免許情報にある運転条件などに従って貸出希望車が運転可能であるかを確認する。さらに、プロセッサ31は、携帯端末1から読み取った免許情報に含まれる自国の免許証の免許情報に運転条件として指定されている特殊装備が装備可であるかを確認する。なお、貸出判定処理の例については、後で図10を参照して詳細に説明するものとする。
【0071】
貸出判定処理によって貸出不可と判定した場合(S76、NO)、プロセッサ31は、当該利用者へのレンタカーの貸出を不可とし、貸出手続きを実施している店舗端末2へ貸出不可を通知する(S74)。この場合、プロセッサ31は、貸出不可となった理由を通知するようにしても良い。
【0072】
貸出判定処理によって貸出可と判定した場合(S76、YES)、プロセッサ31は、当該利用者へのレンタカーの貸出を許可とする旨の通知と共に、有効と判定された予約情報を店舗端末2へ送信する(S77)。これにより、店舗端末2では、管理サーバ3から供給する予約情報に基づいて利用者に対してレンタカーを貸し出す作業が実行可能となる。
【0073】
また、貸出許可と予約情報とを送信した場合、プロセッサ31は、当該店舗端末2からの貸出作業の完了通知待ちとなる。この状態において、プロセッサ31は、店舗端末2からの貸出作業の完了通知を受信すると、店舗において実際に貸し出したレンタカーに関する貸出内容を記録する(S78)。例えば、プロセッサ31は、当該利用者の会員情報に対応づけてレンタカーの貸出履歴を示す情報を記憶する。また、プロセッサ31は、貸し出した車両に関する情報に基づいて当該車両に関する利用状況などを示す情報を車両管理データベースに記憶(更新)する。また、店舗において実際に貸し出したレンタカーに関する貸出内容を記録した後、プロセッサ31は、店舗端末2から取得した免許情報および個人情報を記憶部34から削除し(S79)、一連の貸出処理を終了する。
【0074】
次に、管理サーバ3における貸出判定処理について説明する。
図10は、管理サーバ3における貸出判定処理の例を説明するためのフローチャートである。
貸出判定処理において、プロセッサ31は、貸出基準情報に従い、店舗端末2から取得する会員情報、免許情報および個人情報によって当該利用者へのレンタカーの貸出が可能であるか否かを判定する。例えば、プロセッサ31は、各種のチェック項目について、レンタカーの貸出が可能であるかを判定する。
【0075】
図10に示す例において、プロセッサ31は、店舗端末2から取得する会員情報に基づいて当該利用者がレンタカーの貸出が可能な会員であるか否かを判定する(S81)。プロセッサ31は、当該利用者が会員登録済みであるか、過去の利用履歴などから貸出禁止になっていないかなどによって貸出可能な利用者であるか否かを判定する。例えば、プロセッサ31は、まず、当該利用者が貸出可能な会員として会員登録済みであるかを判定する。利用者が会員である場合、プロセッサ31は、当該会員の過去の利用履歴などから当該利用者(会員)にレンタカーが貸出可能かを判定する。
【0076】
プロセッサ31は、記憶部34に記憶している貸出基準情報が示す基準に従って、当該会員の利用履歴から当該利用者にレンタカーを貸出ても良いかを判定するようにして良い。具体例としては、プロセッサ31は、貸出基準情報に従って、当該利用者の事故歴、レンタカーの破損歴、貸出期限の超過の有無などから貸出可能か否かを判定するようにしても良い。また、プロセッサ31は、当該利用者(会員)が貸出禁止に指定されている人物(ブラックリストにある人物)ではないかを判定するようにしても良い。
【0077】
レンタカーの貸出が可能な会員でないと判定した場合(S81、NO)、プロセッサ31は、当該利用者へのレンタカーの貸出を不可とする(S91)。
レンタカーの貸出が可能な会員であると判定した場合(S81、YES)、プロセッサ31は、利用者が所持する携帯端末1のモバイル運転免許証アプリAP1から読み取った免許情報がレンタカーを運転(貸出)する国(本実施形態では、日本とする)で有効な免許証の情報を含んでいるかを判定する(S82-84)。
【0078】
例えば、日本では、日本の運転免許証を持つ者以外に、ジュネーブ条約の妥結国の国民がジュネーブ条約に基づく国際運転免許証(ジュネーブ様式の国際運転免許証)を持つ場合に自動車の運転を認めている。また、日本では、日本と同等の水準にあると認められる免許制度を有している国叉は地域(例えば、エストアニア共和国、スイス連邦、ドイツ連邦共和国、フランス共和国、ベルギー王国、モナコ公国、台湾)の運転免許証と所定の添付物(政令で定める者が作成した日本語による翻訳文)とを持つ者にも自動車の運転を認めている。
【0079】
ここで、プロセッサ31は、まず、モバイル運転免許証アプリAP1から読み取った免許情報に日本での運転が可能な国際運転免許証が含まれるか否かにより、利用者が日本で運転可能な国際運転免許証を持っているか否かを判定する(S82)。例えば、プロセッサ31は、モバイル運転免許証アプリAP1から読み取った免許情報に含まれる国際運転免許証がジュネーブ様式の国際運転免許証であり、かつ、モバイル運転免許証アプリAP1から読み取った個人情報に含まれる利用者の出生地がジュネーブ条約の加盟国である場合、当該利用者が運転可能な国際運転免許証を持っているものと判定する。一方、プロセッサ31は、免許情報に含まれる国際運転免許証がジュネーブ様式の国際運転免許証でない場合、あるいは、利用者の出生地がジュネーブ条約の加盟国でない場合、当該利用者が運転可能な国際運転免許証を持っていないと判定する。
【0080】
日本で運転可能な国際運転免許証を持っていないと判定した場合(S82、NO)、プロセッサ31は、モバイル運転免許証アプリAP1から読み取った免許情報に日本での運転が可能な国(利用者の自国)の運転免許証が含まれるか否かにより、利用者が日本で運転可能な国の運転免許証を持っているか否かを判定する(S83)。
【0081】
日本で運転可能な国の運転免許証を持っていると判定した場合(S83、YES)、プロセッサ31は、さらに、日本で運転可能な国の運転免許証に添付すべき所定の添付物(例えば、日本語による翻訳文)があるか否かを判定する(S84)。この場合、所定の添付物は、店舗端末2を操作する店舗の店員が確認するようにしても良い。この場合、管理サーバ3のプロセッサ31は、店舗端末2に所定の添付物の確認を促す案内を送信し、店員が店舗端末2の操作部28を用いて入力する所定の添付物の確認結果を取得するようにすれば良い。また、携帯端末1に予め所定の添付物を保存しておき、店舗端末2が携帯端末1から所定の添付物を読み取ることで確認するようにしても良い。
【0082】
なお、所定の添付物は、例えば、政令で定める者が作成した翻訳文などであるが、運用によっては、日本で運転可能な国の運転免許証の免許情報を管理サーバ3、店舗端末2、又は、携帯端末1が自動翻訳したものを所定の添付物として有効とするようにしても良い。この場合、管理サーバ3は、日本で運転可能な国の運転免許証の免許情報を翻訳したものを取得することで、所定の添付物があると判定するようにしても良い。
【0083】
日本で運転可能な国の運転免許証を持っていないと判定した場合(S83、NO)、あるいは、日本で運転可能な国の運転免許証に添付すべき所定の添付物がないと判定した場合(S84、NO)、プロセッサ31は、当該利用者へのレンタカーの貸出を不可とする(S91)。この場合、プロセッサ31は、運転可能な免許情報が確認できなかったために、レンタカーの貸出が不可となった旨の通知を店舗端末2へ送信するようにしても良い。
【0084】
日本で運転可能な国際運転免許証を持っていると判定した場合(S82、YES)、あるいは、日本で運転可能な国の運転免許証と所定の添付物とを持っていると判定した場合(S84、YES)、プロセッサ31は、日本で運転が可能と判定された免許証の免許情報に含まれる免許条件を満たしているかを判定する(S85-S87)。
【0085】
まず、プロセッサ31は、日本で運転が可能と判定された免許証の免許情報に基づいて日本での運転が可能な期間を特定し、特定した日本での運転が可能な期間内であるか否かを判定する(S85)。
例えば、日本では、国際運転免許証および他国の運転免許証については、日本に上陸した日から1年間又は当該免許証の有効期間のいずれか短い期間を日本において運転できる期間としている。ただし、住民基本台帳に記録されている者が出国の確認又は再入国の許可等を受けて日本から出国し、3か月未満のうち帰国した場合においては当該帰国(上陸)の日は国際運転免許証による運転可能期間の起算日とはならないという規定もある。
【0086】
上述した規定に従えば、プロセッサ31は、当該利用者が日本に上陸した日、および、利用者が持つ運転可能な免許証の有効期間を特定し、日本に上陸した日から1年又は免許証の有効期間のいずれか短い期間の期間内であるかを判定する。この場合、当該利用者が日本に上陸した日は、店舗端末2から取得するようにしても良いし、予約時に利用者が自己申告として入力するようにしても良い。前者の場合、店舗端末2では、当該利用者が日本に上陸した日を利用者が提示するパスポート等で店員が確認して操作部28に入力するようにしても良いし、携帯端末1から読み取るようにしても良い。
【0087】
運転が可能な期間内であると判定した場合(S85)、プロセッサ31は、当該利用者が運転可能な年齢であるか否かを判定する(S86)。例えば、プロセッサ31は、店舗端末2が携帯端末1のモバイル運転免許証アプリAP1から読み取った免許情報に対応する個人情報に含まれる年齢に基づいて当該利用者が日本で運転が可能な年齢であるか否かを判定する。
【0088】
利用者が運転可能な年齢であると判定した場合(S86、YES)、プロセッサ31は、予約情報で指定される予約された車両(貸出希望車)が運転可能な車種であるか否かを判定する(S87)。例えば、プロセッサ31は、店舗端末2が携帯端末1のモバイル運転免許証アプリAP1から読み取った免許情報に含まれる運転可能車種を示す情報に基づいて貸出希望車が運転可能な車種であるか否かを判定する。ここで、運転の可否を判定する車種としては、大型、中型、準中型、普通、大型特殊、大型自動二輪、普通自動二輪、小型特殊などの他に、AT車などの種別も含まれるものとする。従って、免許情報がAT車限定の免許である場合、プロセッサ31は、貸出希望車がAT車であるかも判定する。
【0089】
また、国際運転免許証又は他国(利用者にとっての自国)の運転免許証で規定される運転可能な車種は、必ずしも日本の運転免許証で規定される運転可能な車種と一致するものではない。このため、プロセッサ31は、国際運転免許証又は他国の運転免許証の免許情報に含まれる運転可能車種を日本の運転免許証で規定される運転可能車種に変換し、貸出希望車が運転可能な車種であるか否かを判定する。国際運転免許証又は他国の運転免許証で示される運転可能車種と日本の運転免許証で規定される運転可能車種との対応関係を示す情報は、貸出基準情報として記憶部34などに記憶しておければ良い。この場合、プロセッサ31は、記憶部34に記憶した貸出基準情報に含まれる運転可能車種との対応関係を示す情報を参照して運転可能な車種を特定すれば良い。
【0090】
運転可能な車種であると判定した場合(S87、YES)、プロセッサ31は、さらに、利用者にとっての自国の運転免許証で指定される免許条件(運転条件)を貸出希望車が備えているかを確認する(S88-S907)。ここでは、プロセッサ31は、店舗端末2が携帯端末1のモバイル運転免許証アプリAP1から読み取った免許情報に含まれる利用者の自国の運転免許証に免許条件として特殊装備の指定されている場合に当該特殊装備が貸出希望車に装着可であるかを確認するものとする。例えば、国によっては、免許証において、補助ミラー、手動ブレーキ、手動アクセル、右方向指示器などの特殊装備が免許条件として指定されている場合がある。
【0091】
すなわち、プロセッサ31は、店舗端末2が携帯端末1のモバイル運転免許証アプリAP1から読み取った免許情報に含まれる利用者の自国の運転免許証に免許条件として運転に必要な特殊装備の指定があるか否かを判定する(S88)。
【0092】
利用者の自国の運転免許証に特殊装備の指定がある場合(S88、YES)、プロセッサ31は、免許条件となる特殊装備が貸出可能な装備であるか否かを判定する(S89)。例えば、プロセッサ31は、店舗端末2が携帯端末1のモバイル運転免許証アプリAP1から読み取った免許情報に含まれる免許条件の特殊装備が当該レンタカー会社で貸出可能な装備であるか否かを判定する。
【0093】
免許条件となる特殊装備が貸出可能な装備でない場合(S89、NO)、プロセッサ31は、レンタカーの貸出が不可であるとする(S91)。この場合、プロセッサ31は、携帯端末1から読み取った免許情報に含まれる免許条件の特殊装備が貸出不可な装備であるため、レンタカーの貸出が不可である旨を店舗端末2へ通知する。これにより、店舗では、店舗端末2を用いて免許条件となる特殊装備が貸出不可な装備であるため、レンタカーの貸出が不可である旨を報知できる。
【0094】
免許条件となる特殊装備が貸出可能な装備である場合(S89、YES)、プロセッサ31は、貸出希望車に免許条件で指定された装備があるか否かを判定する(S90)。例えば、プロセッサ31は、店舗端末2が携帯端末1のモバイル運転免許証アプリAP1から読み取った免許情報に含まれる免許条件の特殊装備が貸出希望車に装置されているか、叉は、貸出作業時に装備可能であるか否かを判定する。
【0095】
貸出希望車に免許条件の特殊装備が装備されていない場合、あるいは、貸出希望車に免許条件の特殊装備が装備できない場合(S90、NO)、プロセッサ31は、免許条件によって貸出希望車の貸出が不可であるとする(S91)。この場合、プロセッサ31は、貸出希望車に免許条件の特殊装備が装備できないため、貸出希望車の貸出が不可である旨を店舗端末2へ通知する。これにより、店舗では、店舗端末2を用いて免許条件となる特殊装備が貸出希望車に装備できないため、貸出希望車の貸出が不可である旨を報知できる。
【0096】
利用者の自国の運転免許証に免許条件として特殊装備の指定がない場合(S88、NO)、あるいは、免許条件で指定された装備が貸出希望車に装備可である場合(S90、YES)、プロセッサ31は、当該貸出希望車の貸出を許可するものとする(S92)。プロセッサ31は、貸出希望車の貸出を許可する場合、予約情報で予約されている貸出希望車の貸出を許可する旨を店舗端末2へ通知する。これにより、店舗に設置された店舗端末2では、貸出希望車の貸出が可能である旨を認識できる。
【0097】
次に、レンタカーが返却された場合のレンタカー貸出システムの動作について説明する。
図11は、レンタカーが返却された場合のレンタカー貸出システムの動作例を説明するためのシーケンスである。
店舗において、店員は、利用者からのレンタカーの返却を受け付ける。利用者からのレンタカーの返却の申し出を受けると、店員は、返却されるレンタカーの状態を確認する返却作業を実施する。例えば、返却作業では、店員は、貸出中の事故の有無、車両における破損の有無、貸出超過の有無などの所定のチェック項目を確認する。
【0098】
返却作業が完了すると、店員は、店舗に設けられている店舗端末2の操作部28を用いて店員情報を入力する。例えば、店員情報は、ユーザID、パスワードなどである。店舗端末2のプロセッサ21は、操作部28の操作による店員情報の入力を受け付ける。店舗端末2のプロセッサ21は、操作部28により店員情報が入力されると、ネットワーク通信部25を介して管理サーバ3と通信接続する。管理サーバ3と通信接続すると、プロセッサ21は、入力された店員情報を用いた店員認証を管理サーバ3に要求する。
【0099】
管理サーバ3のプロセッサ31は、店舗端末2からの店員情報に対する店員認証を実行し、店員認証の結果を当該店舗端末2へ返す。ここで、管理サーバ3は、各店舗において店舗端末2を操作する権限を有する各店員の店員情報を記憶部34に記憶しておくものとする。管理サーバ3のプロセッサ31は、店舗端末2から受信した店員情報と記憶部34に登録されている店員情報とを照合することにより店員認証を行う。
【0100】
店舗端末2のプロセッサ31は、店員認証が成功すると、近距離無線通信部26により利用者の携帯端末1からレンタカーアプリAP2が管理する会員情報を読み取る。店舗端末2のプロセッサ21は、ネットワーク通信部25を介して管理サーバ3と通信し、近距離無線通信部26により携帯端末1から読み取った会員情報による会員認証を管理サーバ3に要求する。管理サーバ3のプロセッサ31は、店舗端末2からの会員情報に対する会員認証を実行し、会員認証の結果を当該店舗端末2へ返す。
【0101】
店舗端末2のプロセッサ31は、会員認証が成功すると、返却作業で確認した返却されるレンタカーの利用状況を含む情報を操作部28を用いて入力する。例えば、店員は、レンタカーの利用状況を示す情報として、事故の有無、破損の有無、貸出超過の有無などの情報を操作部28を用いて入力する。プロセッサ31は、操作部28による操作指示に応じて、入力されたレンタカーの利用状況を含む情報を管理サーバ3へ送信する。
【0102】
管理サーバ3は、ネットワーク通信部35により店舗端末2からの返却されたレンタカーの利用状況を含む情報を受信する。管理サーバ3のプロセッサ31は、店舗端末2から受信した情報に基づいて当該会員に対応づけてレンタカーの利用状況を示す情報を記憶する。例えば、プロセッサ31は、会員識別情報に対応づけた利用履歴として、事故歴、破損歴、貸出超過の有無などの情報を登録(更新)する。また、管理サーバ3のプロセッサ31は、店舗端末2から受信したレンタカーの利用状況を示す情報(レンタカーの返却日時、返却場所、修理等の要否などの情報)に基づいてレンタカーの使用状況を管理する車両管理データベースの情報も更新する。
【0103】
以上のような実施形態に係るレンタカー貸出システムによれば、日本とは運転免許取得の方法や基準が異なる外国人などの利用者にレンタカーを貸し出す場合であっても、店舗に来店した外国人の利用者が所持する携帯端末から国際運転免許証や他国(利用者の自国)の運転免許証などの免許情報を読み取ることで国内での運転免許としての有効性を確実に確認できる。また、国際運転免許証を所持する人物であっても、国や条約によって、日本での運転が認められていない場合もあるが、このような場合であっても、管理サーバが確実に携帯端末から読み出された免許情報や利用者の個人情報を確認でき、レンタカーの運転資格の可否などを正確に判定できる。この結果として、レンタカー会社の店舗における各店員は、複雑な制度や取り決めなどを完全に理解していなくても、外国人に対するレンタカーの貸出サービスを正確に行うことができる。
【0104】
また、携帯端末にインストールされたモバイル運転免許証アプリが管理する免許情報は、公的機関によって保証された国際運転免許証や他国の運転免許証などの免許情報であるため、外国人などの人物が国際運転免許証を不正に利用したり店員を欺いてレンタカーを借りたりすることを防止できる。
【0105】
また、海外からの観光客などの外国人は、レンタカーを借りる場合に、モバイル運転免許証アプリとレンタカーアプリとをインストールした携帯端末1を店舗に持参すれば良いという運用が可能となる。このため、外国人などの利用者としては、自国の免許証、国際運転免許証、および、パスポートなどの多くのカードや証明書類を店舗に持参しなくてもレンタカーを借りることでき、利便性を向上する。
【0106】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0107】
1…携帯端末、2…店舗端末、3…管理サーバ、11…プロセッサ、14…記憶部、15…モバイル通信部、16…近距離無線通信部、21…プロセッサ(第1のプロセッサ)、24…記憶部、25…ネットワーク通信部(通信部、第2の通信部)、26…近距離無線通信部(第1の通信部)、31…プロセッサ(第2のプロセッサ)、34…記憶部、35…ネットワーク通信部(通信部、第3の通信部)。
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