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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-12
(45)【発行日】2024-07-23
(54)【発明の名称】カウンタウエイト着脱装置及び建設機械
(51)【国際特許分類】
   B66C 23/74 20060101AFI20240716BHJP
【FI】
B66C23/74 D
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020146530
(22)【出願日】2020-09-01
(65)【公開番号】P2022041373
(43)【公開日】2022-03-11
【審査請求日】2023-08-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000140719
【氏名又は名称】株式会社加藤製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 邦広
【審査官】板澤 敏明
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-029320(JP,A)
【文献】特開2019-094135(JP,A)
【文献】特開2020-037481(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0039863(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66C 19/00-23/94
B66C 13/00-15-06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建設機械において走行車体に設置されたカウンタウエイトを旋回体に取外し可能に装着するカウンタウエイト着脱装置であって、
前記旋回体に回動可能に取付けられる下側リンクと、
前記下側リンクより鉛直上側の位置で前記旋回体に回動可能に取付けられる上側リンクと、
前記下側リンクと前記上側リンクとの間を接続し、伸縮可能なシリンダーであって、最も収縮した状態から伸長することにより、前記走行車体に設置された前記カウンタウエイトに前記下側リンク及び前記上側リンクの順に嵌合させ、前記下側リンク及び前記上側リンクがカウンタウエイトに嵌合した状態においてさらに伸長することにより、前記カウンタウエイトを前記走行車体から前記鉛直上側へ持上げるシリンダーと、
前記上側リンクに連結され、前記下側リンクが前記カウンタウエイトと嵌合していない状態において、鉛直下側に位置する前記下側リンクを撮影するカメラであって、前記カウンタウエイトを持上げる状態に前記シリンダーを伸長させることにより、撮影方向が変化するカメラと、
を具備する、カウンタウエイト着脱装置。
【請求項2】
前記カメラは、前記カウンタウエイトを持上げる状態に前記シリンダーを伸長させることにより、前記旋回体の後方側の領域を撮影する状態に、前記撮影方向が変化する、請求項1のカウンタウエイト着脱装置。
【請求項3】
前記下側リンクは、第1の下側リンクと、前記旋回体の幅方向について前記第1の下側リンクから離れて配置される第2の下側リンクと、を備え、
前記上側リンクは、第1の上側リンクと、前記旋回体の幅方向について前記第1の下側リンク及び前記第1の上側リンクから前記第2の下側リンクが位置する側に離れて配置される第2の上側リンクと、を備え、
前記シリンダーは、前記第1の下側リンクと前記第1の上側リンクとの間を接続する第1のシリンダーと、前記第2の下側リンクと前記第2の上側リンクとの間を接続する第2のシリンダーと、を備え、
前記第1の上側リンクと前記第2の上側リンクとの間を接続し、前記旋回体の前記幅方向に沿って延設されるバー部材をさらに備え、
前記カメラは、前記バー部材に取付けられる、
請求項1又は2のカウンタウエイト着脱装置。
【請求項4】
前記第1の上側リンク及び前記第2の上側リンクのそれぞれでは、前記バー部材の接続位置は、前記旋回体への取付け位置と前記カウンタウエイトに嵌合する位置との間に位置する、請求項3のカウンタウエイト着脱装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項のカウンタウエイト着脱装置と、
前記カウンタウエイト着脱装置の前記下側リンク及び前記上側リンクのそれぞれが回動可能に取付けられる前記旋回体と、
前記旋回体が鉛直上側から連結され、前記旋回体及び前記カウンタウエイト着脱装置が一緒に旋回可能な前記走行車体と、
前記走行車体に設置された状態から、前記カウンタウエイト着脱装置によって、前記旋回体に取外し可能に装着される前記カウンタウエイトと、
を具備する、建設機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カウンタウエイト着脱装置、及び、そのカウンタウエイト着脱装置を備える建設機械に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、建設機械であるクレーンに設けられるカウンタウエイト着脱装置が開示されている。クレーンでは、カウンタウエイト着脱装置によって、走行車体に設置されたカウンタウエイトが、旋回体に取外し可能に装着される。前述のようなカウンタウエイト着脱装置では、上側リンクが下側リンクに対して鉛直上側に設けられ、下側リンク及び上側リンクのそれぞれは、旋回体に回動可能に取付けられる。そして、下側リンクと上側リンクとの間が、伸縮可能なシリンダーによって接続される。
【0003】
走行車体に設置されたカウンタウエイトを旋回体に装着する作業では、シリンダーを最も収縮した状態から伸長することにより、走行車体に設置されたカウンタウエイトに下側リンク及び上側リンクの順に嵌合させる。そして、下側リンク及び上側リンクがカウンタウエイトに嵌合した状態においてシリンダーをさらに伸長することにより、カウンタウエイトは、走行車体から鉛直上側へ持上げられ、旋回体に装着される
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開昭60-178192号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述のようなカウンタウエイト着脱装置では、旋回体へのカウンタウエイトの装着において、下側リンクのカウンタウエイトへの嵌合が作業者等によって適切に確認可能であることが、求められている。そして、旋回体にカウンタウエイトを装着する作業の作業性を向上させることが、求められている。
【0006】
本発明は前記課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、下側リンクのカウンタウエイトへの嵌合が適切に確認可能であり、旋回体へのカウンタウエイトの装着作業の作業性を向上させるカウンタウエイト着脱装置、及び、そのカウンタウエイト着脱装置を備える建設機械を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するため、本発明のある態様は、建設機械において走行車体に設置されたカウンタウエイトを旋回体に取外し可能に装着するカウンタウエイト着脱装置であって、前記旋回体に回動可能に取付けられる下側リンクと、前記下側リンクより鉛直上側の位置で前記旋回体に回動可能に取付けられる上側リンクと、前記下側リンクと前記上側リンクとの間を接続し、伸縮可能なシリンダーであって、最も収縮した状態から伸長することにより、前記走行車体に設置された前記カウンタウエイトに前記下側リンク及び前記上側リンクの順に嵌合させ、前記下側リンク及び前記上側リンクがカウンタウエイトに嵌合した状態においてさらに伸長することにより、前記カウンタウエイトを前記走行車体から前記鉛直上側へ持上げるシリンダーと、前記上側リンクに連結され、前記下側リンクが前記カウンタウエイトと嵌合していない状態において、鉛直下側に位置する前記下側リンクを撮影するカメラであって、前記カウンタウエイトを持上げる状態に前記シリンダーを伸長させることにより、撮影方向が変化するカメラと、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、下側リンクのカウンタウエイトへの嵌合が適切に確認可能であり、旋回体へのカウンタウエイトの装着作業の作業性を向上させるカウンタウエイト着脱装置、及び、そのカウンタウエイト着脱装置を備える建設機械を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、第1の実施形態に係るクレーンを、カウンタウエイトが旋回体に装着されていない状態で示す概略図である。
図2図2は、第1の実施形態に係るクレーンを、カウンタウエイトが旋回体に装着された状態で示す概略図である。
図3図3は、第1の実施形態に係るクレーンにおいてカウンタウエイト着脱装置及びその近傍の構成を、カウンタウエイトが旋回体に装着されていない状態で示す斜視図である。
図4図4は、第1の実施形態に係るクレーンにおいてカウンタウエイト着脱装置及びその近傍の構成を、カウンタウエイトが旋回体に装着された状態で示す斜視図である。
図5図5は、第1の実施形態に係るクレーンにおいてカウンタウエイト着脱装置及びその近傍の構成を、カウンタウエイトを省略して示す斜視図である。
図6図6は、第1の実施形態に係るクレーンのカウンタウエイト着脱装置及びその近傍において、シリンダーが最も収縮し、かつ、下側リンク及び上側リンクがカウンタウエイトに嵌合していない状態を概略的に示す断面図である。
図7図7は、図6の状態から、シリンダーを伸長させ、下側リンクをカウンタウエイトに嵌合させた状態を概略的に示す断面図である。
図8図8は、図7の状態から、シリンダーを伸長させ、上側リンクをカウンタウエイトに嵌合させた状態を概略的に示す断面図である。
図9図9は、図8の状態から、シリンダーをさらに伸長させ、カウンタウエイトを持上げた状態を概略的に示す断面図である。
図10図10は、第1の変形例に係るクレーンのカウンタウエイト着脱装置及びその近傍において、シリンダーが最も収縮し、かつ、下側リンク及び上側リンクがカウンタウエイトに嵌合していない状態を概略的に示す断面図である。
図11図11は、図10の状態から、シリンダーを伸長させることにより、下側リンク及び上側リンクの順にカウンタウエイトに嵌合させた後に、カウンタウエイトを持上げた状態を概略的に示す断面図である。
図12図12は、第2の変形例に係るクレーンのカウンタウエイト着脱装置及びその近傍において、シリンダーが最も収縮し、かつ、下側リンク及び上側リンクがカウンタウエイトに嵌合していない状態を概略的に示す断面図である。
図13図13は、図12の状態から、シリンダーを伸長させることにより、下側リンク及び上側リンクの順にカウンタウエイトに嵌合させた後に、カウンタウエイトを持上げた状態を概略的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施形態について、図面を参照にして説明する。
【0011】
(第1の実施形態)
図1及び図2は、実施形態に係る建設機械の一例として、第1の実施形態に係るクレーン1を示す。図1及び図2に示すように、クレーン1は、走行車体2と、走行車体2に鉛直上側(矢印Z1側)から連結される旋回体3と、を備える。旋回体3は、鉛直方向(矢印Z1及び矢印Z2で示す方向)に沿う旋回軸Pを中心として、走行車体2に対して旋回可能である。走行車体2では、鉛直方向に対して交差する(垂直又は略垂直な)前後方向、及び、鉛直方向及び前後方向の両方に対して交差する(垂直又は略垂直な)幅方向が、規定される。また、旋回体3でも、鉛直方向に対して交差する(垂直又は略垂直な)前後方向(矢印X1及び矢印X2で示す方向)、及び、鉛直方向及び前後方向の両方に対して交差する(垂直又は略垂直な)幅方向(図1及び図2において紙面に対して垂直又は略垂直な方向)が規定される。図1及び図2では、走行車体2の前方側が旋回体3の後方側(矢印X2側)と一致又は略一致する状態で、クレーン1を示す。また、図1及び図2では、走行車体2及び旋回体3のそれぞれを、幅方向の一方側から視た状態で示す。
【0012】
走行車体2は、運転室5及び二対のアウトリガ6A,6Bを備える。運転室5は、走行車体2において前方側の部位に設けられ、走行車体2の前端を形成する。走行車体2の運転室5では、クレーン1を前進させる操作、及び、クレーン1を後退させる操作等のクレーン1の走行に関する操作が入力される。一対のアウトリガ6Aは、走行車体2において前方側の部位に設けられ、走行車体2の前後方向について、運転室5と旋回体3との間に設けられる。また、一対のアウトリガ6Bは、走行車体2において後方側の部位に設けられ、旋回体3に対して走行車体2の後方側に設けられる。クレーン1を用いた作業時においては、アウトリガ6A,6Bのそれぞれを走行車体2の幅方向の外側へ張出すとともに、アウトリガ6A,6Bのそれぞれを地盤に接地させることにより、走行車体2を支える。
【0013】
また、走行車体2上には、カウンタウエイト設置部7が形成される。カウンタウエイト設置部7は、走行車体2の前後方向について運転室5と旋回体3との間に設けられ、本実施形態では、走行車体2の前後方向についてアウトリガ6Aと旋回体3との間に設けられる。そして、走行車体2上では、カウンタウエイト設置部7は、旋回体3に対して、走行車体2の前方側に隣接して形成される。カウンタウエイト設置部7には、カウンタウエイト8を設置可能である。
【0014】
旋回体3は、操作室(キャブ)11を備える。また、旋回体3には、ブーム12の後端部が連結される。ブーム12は、後端部から前端部まで、長手方向に沿って延設される。ブーム12は、旋回体3への連結位置から旋回体3の前方側(矢印X1側)へ向かって、延設される。ブーム12は、旋回体3に対して起伏可能である。また、ブーム12は、旋回体3と一緒に、走行車体2に対して旋回可能である。本実施形態では、ブーム12は、長手方向について伸縮可能である。操作室11では、旋回体3を旋回させる操作、及び、ブーム12を起伏させる操作等のクレーン1での作業に関する操作が入力される。
【0015】
また、旋回体3には、ウインチ13が設置される。クレーン1での作業等では、ウインチ13から繰り出されたロープ(図示しない)が、ブーム12の起きる側の外表面に沿って、ブーム12の前端部まで延設される。そして、ウインチ13から繰り出されたロープを介して、ブーム12の前端部からフック(図示しない)が吊下げられる。
【0016】
また、旋回体3では、後方側の部位に、カウンタウエイト着脱装置10が形成される。カウンタウエイト着脱装置10は、旋回体3及びブーム12と一緒に、旋回軸Pを中心として、走行車体2に対して旋回可能である。旋回体3では、ウインチ13は、カウンタウエイト着脱装置10に対して、前方側に設置される。クレーン1では、カウンタウエイト着脱装置10によって、走行車体2のカウンタウエイト設置部7に設置されたカウンタウエイト8が、旋回体3に取外し可能に装着される。カウンタウエイト8は、旋回体3の後方側に隣接する状態で、旋回体3に装着される。なお、図1は、カウンタウエイト8が旋回体3に装着されていない状態を示し、図2は、カウンタウエイト8が旋回体3に装着された状態を示す。
【0017】
図3乃至図5は、カウンタウエイト着脱装置10及びその近傍の構成を示す。図3は、カウンタウエイト設置部7に設置されたカウンタウエイト8が旋回体3に装着されていない状態を示し、図4は、カウンタウエイト8が旋回体3に装着された状態を示す。図5は、カウンタウエイト8を省略して示す。また、図3乃至図5では、矢印Y1及び矢印Y2で示す方向が、旋回体3の幅方向となる。
【0018】
図3乃至図5に示すように、カウンタウエイト着脱装置10は、一対の下側リンク15A,15B、一対の上側リンク16A,16B及び一対のシリンダー17A,17Bを備える。下側リンク15A,15B及び上側リンク16A,16Bのそれぞれは、旋回体3において後方側の部位に、回動可能に取付けられる。すなわち、下側リンク15A,15B及び上側リンク16A,16Bのそれぞれは、旋回体3への取付け位置を中心として、旋回体3に対して回動可能である。下側リンク15A,15B及び上側リンク16A,16Bのそれぞれの旋回体3に対する回動軸は、旋回体3の幅方向に沿う。
【0019】
下側リンク15A,15Bは、旋回体3の幅方向について、互いに対して離れて配置される。そして、上側リンク16A,16Bは、旋回体3の幅方向について、互いに対して離れて配置される。ただし、上側リンク(第1の上側リンク)16Aは、旋回体3の幅方向について、下側リンク(第1の下側リンク)15Aに対して、ずれていない又はほとんどずれていない。そして、上側リンク(第2の上側リンク)16Bは、旋回体3の幅方向について、下側リンク(第2の下側リンク)15Bに対して、ずれていない又はほとんどずれていない。なお、図3乃至図5等の一例では、旋回体3の幅方向についての中央位置を規定する仮想上の面は、下側リンク15A,15Bの間を通過し、上側リンク16A,16Bの間を通過する。また、上側リンク16A,16Bは、下側リンク15A,15Bより鉛直上側の位置で旋回体3に取付けられ、下側リンク15A,15Bより鉛直上側に配置される。
【0020】
シリンダー17A,17Bのそれぞれは、伸縮可能である。シリンダー(第1のシリンダー)17Aは、下側リンク(第1の下側リンク)15Aと上側リンク(第1の上側リンク)16Aとの間を接続する。また、シリンダー(第2のシリンダー)17Bは、下側リンク(第2の下側リンク)15Bと上側リンク(第2の上側リンク)16Bとの間を接続する。本実施形態では、シリンダー17Aにおいて、チューブ側が下側リンク15Aに接続され、ロッド側が上側リンク16Aに接続される。そして、シリンダー17Bにおいて、チューブ側が下側リンク15Bに接続され、ロッド側が上側リンク16Bに接続される。シリンダー17A,17Bは、旋回体3の幅方向について、互いに対して離れて配置される。そして、図3乃至図5等の一例では、旋回体3の幅方向についての中央位置を規定する仮想上の面は、シリンダー17A,17Bの間を通過する。なお、図5では、シリンダー17A,17Bのそれぞれは、最も収縮した状態となる。
【0021】
図6乃至図9は、カウンタウエイト着脱装置10及びその近傍の構成を、旋回体3の幅方向に対して垂直又は略垂直な断面で示す。なお、シリンダー17A,17Bのそれぞれの伸縮状態は、図6乃至図9ごとに異なる。図3乃至図9等に示すように、カウンタウエイト着脱装置10は、バー部材21及びカメラ22を備える。バー部材21は、上側リンク16A,16Bの間を接続し、旋回体3の幅方向に沿って延設される。バー部材21の中心軸は、旋回体3の幅方向に沿う。カメラ22は、バー部材21に取付けられる。図3乃至図9等の一例では、旋回体3の幅方向についてバー部材21の中央部に、カメラ22が取付けられる。
【0022】
また、図3乃至図9等の一例では、カメラ22は、ブラケット23を間に介して、バー部材21に取付けられる。このため、カメラ22は、ブラケット23及びバー部材21を介して、上側リンク16A,16Bに連結される。また、ブラケット23には、ライト等の照明部材24が取付けられる。ブラケット23は、旋回体3の幅方向から視て、L字状又は略L字状になる。また、ブラケット23は、ボルト部材25を介して、バー部材21に固定される。ボルト部材25は、旋回体3の幅方向から視て、U字状又は略U字状になる。ブラケット23は、ブラケット23及びボルト部材25がバー部材21に外周側から当接する状態で、バー部材21に取付けられる。前述のようにバー部材21及びカメラ22等が設けられるため、バー部材21及びカメラ22は、上側リンク16A,16Bの回動に対応して、上側リンク16A,16Bと一緒に、旋回体3に対して回動する。カメラ22が回動することにより、カメラ22の撮影方向及び撮影範囲が変化する。なお、図6乃至図9では、仮想線A1と仮想線A2との間の範囲が、撮影範囲となる。また、カメラ22の撮影画像等は、操作室11内の表示部等に表示される。また、照明部材24は、カメラ22の撮影範囲に、光を照射する。
【0023】
また、下側リンク15Aは、接続ピン26Aを介して旋回体3に取付けられ、下側リンク15Bは、接続ピン26Bを介して旋回体3に取付けられる。そして、下側リンク15Aは、接続ピン26Aを中心として、旋回体3に対して回動可能であり、下側リンク15Bは、接続ピン26Bを中心として、旋回体3に対して回動可能である。また、下側リンク15Aには、嵌合溝(嵌合部)27Aが形成され、下側リンク15Bには、嵌合溝(嵌合部)27Bが形成される。また、下側リンク15Aは、接続ピン29Aを介してシリンダー17Aに接続され、下側リンク15Bは、接続ピン29Bを介してシリンダー17Bに接続される。
【0024】
カウンタウエイト8には、一対の下側嵌合片(下側嵌合部)28A,28Bが設けられる。走行車体2のカウンタウエイト設置部7にカウンタウエイト8が設置された状態では、下側リンク15Aの嵌合溝27Aは、下側嵌合片28Aと嵌合可能であり、下側リンク15Bの嵌合溝27Bは、下側嵌合片28Bと嵌合可能である。また、カウンタウエイト設置部7にカウンタウエイト8が設置された状態では、下側嵌合片28A,28Bは、走行車体2の幅方向について、互いに対して離れて配置される。
【0025】
また、上側リンク16Aは、接続ピン31Aを介して旋回体3に取付けられ、上側リンク16Bは、接続ピン31Bを介して旋回体3に取付けられる。そして、上側リンク16Aは、接続ピン31Aを中心として、旋回体3に対して回動可能であり、上側リンク16Bは、接続ピン31Bを中心として、旋回体3に対して回動可能である。また、上側リンク16Aには、嵌合溝(嵌合部)32Aが形成され、上側リンク16Bには、嵌合溝(嵌合部)32Bが形成される。また、上側リンク16Aは、接続ピン34Aを介してシリンダー17Aに接続され、上側リンク16Bは、接続ピン34Bを介してシリンダー17Bに接続される。
【0026】
カウンタウエイト8には、一対の上側嵌合片(上側嵌合部)33A,33Bが設けられる。走行車体2のカウンタウエイト設置部7にカウンタウエイト8が設置された状態では、上側リンク16Aの嵌合溝32Aは、上側嵌合片33Aと嵌合可能であり、上側リンク16Bの嵌合溝32Bは、上側嵌合片33Bと嵌合可能である。また、カウンタウエイト設置部7にカウンタウエイト8が設置された状態では、上側嵌合片33A,33Bは、走行車体2の幅方向について、互いに対して離れて配置され、下側嵌合片28A,28Bに対して鉛直上側に配置される。なお、図6乃至図9では、下側リンク15A,15B及び上側リンク16A,16Bのそれぞれのカウンタウエイト8との嵌合状態が、互いに対して異なる。
【0027】
また、上側リンク(第1の上側リンク)16Aでは、バー部材21の接続位置が、接続ピン31Aと嵌合溝32Aとの間に位置する。そして、上側リンク(第2の上側リンク)16Bでは、バー部材21の接続位置が、接続ピン31Bと嵌合溝32Bとの間に位置する。したがって、上側リンク16A,16Bのそれぞれでは、バー部材21の接続位置は、旋回体3への取付け位置(旋回体3に対する回動の中心位置)とカウンタウエイト8に嵌合する位置との間に、位置する。また、上側リンク16Aでは、バー部材21の接続位置は、接続ピン31Aと嵌合溝32Aとを結ぶ直線上に、位置する。そして、上側リンク16Bでは、バー部材21の接続位置は、接続ピン31Bと嵌合溝32Bとを結ぶ直線上に、位置する。したがって、上側リンク16A,16Bのそれぞれでは、バー部材21の接続位置は、旋回体3への取付け位置(旋回体3に対する回動の中心位置)とカウンタウエイト8に嵌合する位置とを結ぶ直線上に、位置する。
【0028】
また、下側リンク15A,15Bのそれぞれにおいて、旋回体3への取付け位置(接続ピン26A,26Bの対応する一方)とシリンダー17A,17Bの対応する一方の接続位置(接続ピン29A,29Bの対応する一方)との間の距離L1を、規定する。そして、上側リンク16A,16Bのそれぞれにおいて、旋回体3への取付け位置(接続ピン31A,31Bの対応する一方)とシリンダー17A,17Bの対応する一方の接続位置(接続ピン34A,34Bの対応する一方)との間の距離L2を、規定する。下側リンク15A,15Bのそれぞれでの距離L1は、上側リンク16A,16Bのそれぞれでの距離L2に比べて、小さい。なお、距離L1,L2は、図6に示される。
【0029】
次に、旋回体3にカウンタウエイト8を装着する作業について、説明する。旋回体3にカウンタウエイト8を装着する作業では、図5及び図6等に示すように、カウンタウエイト着脱装置10のシリンダー17A,17Bのそれぞれを、最も収縮した状態にする。そして、カウンタウエイト8をカウンタウエイト設置部7に設置する。そして、図1図3及び図6等に示すように、旋回体3を旋回させ、走行車体2の前方側が旋回体3の後方側(矢印X2側)と一致又は略一致する状態にする。これにより、カウンタウエイト着脱装置10に対してカウンタウエイト8が、旋回体3の後方側に隣接する状態になる。そして、走行車体2の前方側が旋回体3の後方側と一致又は略一致する状態で、ロックピン等によって、旋回体3の旋回をロックする。なお、走行車体2の前方側が旋回体3の後方側と一致又は略一致する状態では、旋回体3の幅方向は、走行車体2の幅方向と一致又は略一致する。
【0030】
また、図6等のシリンダー17A,17Bが最も収縮した状態では、カメラ22は、鉛直下側を撮影する。このため、シリンダー17A,17Bが最も収縮した状態では、カメラ22は、カメラ22に対して鉛直下側に位置する下側リンク15A,15Bを撮影する。すなわち、シリンダー17A,17Bが最も収縮した状態では、カメラ22の撮影範囲内に、下側リンク15A,15Bが位置する。
【0031】
そして、図6等の状態からシリンダー17A,17Bのそれぞれを伸長すると、下側リンク15A,15Bのそれぞれが、旋回体3への取付け位置を中心として、旋回体3に対して回動する。これにより、図7に示すように、下側リンク15Aの嵌合溝27Aが、カウンタウエイト8の下側嵌合片28Aと嵌合し、下側リンク15Bの嵌合溝27Bが、カウンタウエイト8の下側嵌合片28Bと嵌合する。すなわち、下側リンク15A,15Bのそれぞれが、カウンタウエイト8と嵌合する。
【0032】
なお、下側リンク15A,15Bがカウンタウエイト8と嵌合するまでは、シリンダー17A,17Bを伸長させても、下側リンク15A,15Bのみが回動し、上側リンク16A,16Bのそれぞれは、旋回体3に対して回動しない。このため、図7の状態では、図6の状態から、カメラ22の撮影方向及び撮影範囲が、変化しない又はほとんど変化しない。したがって、図7の状態でも、カメラ22は、カメラ22に対して鉛直下側に位置する下側リンク15A,15Bを撮影する。
【0033】
前述のように図6の状態と図7の状態との間で上側リンク16A,16Bが回動しないため、下側リンク15A,15Bがカウンタウエイト8と嵌合していない状態では、カメラ22は、下側リンク15A,15Bを撮影する。すなわち、下側リンク15A,15Bがカウンタウエイト8と嵌合するまでは、カメラ22の撮影範囲内に、下側リンク15A,15Bが位置する。
【0034】
そして、下側リンク15A、15Bがカウンタウエイト8と嵌合した状態でシリンダー17A,17Bのそれぞれをさらに伸長することにより、上側リンク16A,16Bのそれぞれが、旋回体3への取付け位置を中心として、旋回体3に対して回動する。これにより、図8に示すように、上側リンク16Aの嵌合溝32Aが、カウンタウエイト8の上側嵌合片33Aと嵌合し、上側リンク16Bの嵌合溝32Bが、カウンタウエイト8の上側嵌合片33Bと嵌合する。すなわち、上側リンク16A,16Bのそれぞれが、カウンタウエイト8と嵌合する。
【0035】
前述のように下側リンク15A,15B及び上側リンク16A,16Bがカウンタウエイト8と嵌合するため、本実施形態では、シリンダー17A,17Bを最も収縮した状態から伸長することにより、下側リンク15A,15Bがカウンタウエイト8に嵌合した後、上側リンク16A,16Bがカウンタウエイト8と嵌合する。すなわち、シリンダー17A,17Bを最も収縮した状態から伸長することにより、下側リンク(15A,15B)及び上側リンク(16A,16B)の順に、カウンタウエイト8と嵌合する。
【0036】
また、下側リンク15A,15Bがカウンタウエイト8に嵌合してから上側リンク16A,16Bがカウンタウエイト8に嵌合するまでの間では、上側リンク16A,16Bの回動に対応して、カメラ22が旋回体3に対して回動する。このため、下側リンク15A,15Bがカウンタウエイト8に嵌合してから上側リンク16A,16Bがカウンタウエイト8に嵌合するまでの間では、カメラ22の撮影方向及び撮影範囲が変化する。図8の状態では、図6の状態及び図7の状態に比べ、カメラ22の撮影方向及び撮影範囲は、旋回体3の後方側へ変化する。また、図7の状態と図8の状態との間では、下側リンク15A,15Bのそれぞれは、旋回体3に対して回動しない。
【0037】
そして、下側リンク15A、15B及び上側リンク16A,16Bがカウンタウエイト8と嵌合した状態でシリンダー17A,17Bのそれぞれをさらに伸長することにより、図9に示すように、走行車体2のカウンタウエイト設置部7から、カウンタウエイト8が鉛直上側に持上げられる。これにより、カウンタウエイト8が、旋回体3に装着される。ここで、下側リンク15A,15Bのそれぞれでの前述の距離L1は、上側リンク16A,16Bのそれぞれでの前述の距離L2に比べて、小さい。距離L1,L2が前述のような大きさであるため、下側リンク15A、15B及び上側リンク16A,16Bがカウンタウエイト8と嵌合した状態でシリンダー17A,17Bのそれぞれをさらに伸長すると、カウンタウエイト8に鉛直上側への力が作用する。これにより、カウンタウエイト8が持上げられる。
【0038】
カウンタウエイト8が前述のように持上げられることにより、下側リンク15A,15Bのそれぞれは、カウンタウエイト8との嵌合を維持したまま、旋回体3に対して回動する。同様に、上側リンク16A,16Bのそれぞれは、カウンタウエイト8との嵌合を維持したまま、旋回体3に対して回動する。また、カウンタウエイト8が前述のように持上げられることにより、上側リンク16A,16Bの回動に対応して、カメラ22が旋回体3に対して回動する。このため、カウンタウエイト8が持上げられている間において、カメラ22の撮影方向及び撮影範囲が変化する。図9の状態では、図8の状態に比べ、カメラ22の撮影方向及び撮影範囲は、さらに旋回体3の後方側へ変化する。
【0039】
前述のようにカメラ22の撮影方向及び撮影範囲が変化するため、本実施形態では、カウンタウエイト8を持上げる状態にシリンダー17A,17Bを伸長させることにより、カメラ22の撮影方向及び撮影範囲が変化する。また、本実施形態では、下側リンク15A,15Bがカウンタウエイト8と嵌合していない状態では、カメラ22は、鉛直下側に位置する下側リンク15A,15Bを撮影する。そして、カウンタウエイト8を持上げる状態にシリンダー17A,17Bを伸長させることにより、カメラ22に対して旋回体3の後方側に位置するカウンタウエイト8を撮影する状態に、カメラ22の撮影方向及び撮影範囲が変化する。
【0040】
本実施形態等では、カウンタウエイト着脱装置10に、カメラ22が設けられる。そして、シリンダー17A,17Bが最も収縮した状態等の下側リンク15A,15Bがカウンタウエイト8と嵌合していない状態では、カメラ22は、鉛直下側に位置する下側リンク15A,15Bを撮影する。そして、カウンタウエイト8に下側リンク(15A,15B)及び上側リンク(16A,16B)の順に嵌合させ、かつ、カウンタウエイト8を持上げる状態にシリンダー(17A,17B)を伸長することにより、カメラ22の撮影方向が変化する。このため、カウンタウエイト着脱装置10を用いた旋回体3へのカウンタウエイト8の装着では、下側リンク15A,15Bがカウンタウエイト8へ嵌合しているか否か、カメラ22の撮影画像から確認可能である。したがって、旋回体3へのカウンタウエイト8の装着において、作業者等は、旋回体3へのカウンタウエイト8の装着において、下側リンク15A,15Bのカウンタウエイト8への嵌合を、適切に確認可能になる。これにより、旋回体3へのカウンタウエイト8の装着作業の作業性が、向上する。
【0041】
また、本実施形態のカウンタウエイト着脱装置10では、カウンタウエイト8を持上げる状態にシリンダー17A,17Bを伸長させることにより、カメラ22に対して旋回体3の後方側に位置するカウンタウエイト8を撮影する状態に、カメラ22の撮影方向が変化する。すなわち、カウンタウエイト8が旋回体3に装着された状態では、カウンタウエイト8及び旋回体3の後方側の領域が、カメラ22によって、撮影される。したがって、1つのカメラ22を2つ以上の用途に用いることが可能になる。
【0042】
また、本実施形態では、カウンタウエイト8を持上げる状態にシリンダー17A,17Bを伸長させることにより、上側リンク16A,16Bの旋回体3に対する回動に対応して、カメラ22の撮影方向及び撮影範囲が変化する。このため、カウンタウエイト8の旋回体3への装着に必要な構成から部材等をほとんど追加することなく、カメラ22の撮影方向を変化させることが可能となる。また、前述のようにカメラ22の撮影方向が変化するため、カメラ22を回動させる電動モータ等の駆動部材、及び、駆動部材の駆動を制御する制御系等を設ける必要がない。したがって、構成等が複雑化及び大型化することなく、カメラ22の撮影方向を変化させることが可能になる。
【0043】
(変形例)
なお、前述の実施形態等では、カウンタウエイト着脱装置(10)において、下側リンク(15A,15B)、上側リンク(16A,16B)及びシリンダー(17A,17B9のそれぞれが一対ずつ設けられるが、下側リンク、上側リンク及びシリンダーが1つずつ設けられる構成であってもよい。また、前述の実施形態等では、カメラ22は、ブラケット23を介してバー部材21に取付けられるが、カメラ22の取付け位置は、これに限るものではない。
【0044】
図10及び図11に示す第1の変形例では、カウンタウエイト着脱装置10に、下側リンク15、上側リンク16及びシリンダー17のそれぞれが、1つのみ設けられる。下側リンク15は、接続ピン26を介して、旋回体3に回動可能に取付けられ、上側リンク16は、接続ピン31を介して、下側リンク15より鉛直上側の位置で旋回体3に回動可能に取付けられる。また、シリンダー17は、接続ピン29を介して下側リンク15に接続され、接続ピン34を介して上側リンク16に接続される。
【0045】
本変形例でも、走行車体2のカウンタウエイト設置部7にカウンタウエイト8が設置された状態において、シリンダー17を最も収縮した状態から伸長することにより、下側リンク15及び上側リンク16の順にカウンタウエイト8に嵌合する。そして、下側リンク15及び上側リンク16がカウンタウエイト8に嵌合した状態から、シリンダー17をさらに伸長することにより、カウンタウエイト8が持上げられ、旋回体3にカウンタウエイト8が取付けられる。なお、図10では、シリンダー17が最も収縮した状態が示され、カウンタウエイト8を省略して示す。また、図11では、下側リンク15の嵌合溝(嵌合部)27がカウンタウエイト8の下側嵌合片(下側嵌合部)28と嵌合し、かつ、上側リンク16の嵌合溝(嵌合部)32がカウンタウエイト8の上側嵌合片(上側嵌合部)33と嵌合した状態からシリンダー17がさらに伸長され、カウンタウエイト8が持上げられた状態を示す。図11では、カウンタウエイト8の下側嵌合片28及び上側嵌合片33以外の部分は、省略して示す。
【0046】
また、本変形例では、カメラ22は、ブラケット41を介して、旋回体3に取付けられる。カメラ22は、ブラケット41の旋回体3への取付け位置を中心として、ブラケット41と一緒に、旋回体3に対して回動可能である。カメラ22及びブラケット41の旋回体3に対する回動軸は、旋回体3の幅方向に沿い、ブラケット41は、上側リンク16より鉛直上側の位置で、旋回体3に取付けられる。
【0047】
また、本変形例では、上側リンク16とブラケット41との間が、接続リンク42によって接続される。このため、カメラ22は、ブラケット41及び接続リンク42を介して、上側リンク16に連結される。接続リンク42は、上側リンク16に回動可能に取付けられ、ブラケット41に回動可能に取付けられる。接続リンク42の上側リンク16に対する回動軸、及び、接続リンク42のブラケット41に対する回動軸のそれぞれは、旋回体3の幅方向に沿う。上側リンク16では、接続リンク42の接続位置は、接続ピン31と嵌合溝32との間に位置し、旋回体3への取付け位置(旋回体3に対する回動の中心位置)とカウンタウエイト8に嵌合する位置との間に位置する。また、上側リンク16では、接続リンク42の接続位置は、接続ピン31と嵌合溝32とを結ぶ直線上に位置し、旋回体3への取付け位置(旋回体3に対する回動の中心位置)とカウンタウエイト8に嵌合する位置とを結ぶ直線上に位置する。また、本変形例では、接続リンク42のブラケット41への接続位置は、ブラケット41の旋回体3への接続位置に対して、旋回体3の後方側(矢印X2側)に位置する。
【0048】
本変形例でも、シリンダー17が最も収縮した状態等の下側リンク15がカウンタウエイト8と嵌合していない状態において、カメラ22は、鉛直下側に位置する下側リンク15を撮影する。そして、カウンタウエイト8に下側リンク15及び上側リンク16の順に嵌合させ、かつ、カウンタウエイト8を持上げる状態にシリンダー17を伸長することにより、カメラ22に対して旋回体3の後方側に位置するカウンタウエイト8を撮影する状態に、カメラ22の撮影方向が変化する。このため、本変形例でも、前述の実施形態等と同様の作用及び効果を奏する。
【0049】
また、本変形例では、接続リンク42によって、カメラ22は、上側リンク16より鉛直上側に設置され、高い位置に設置される。このため、カメラ22の設置位置について自由度が高くなり、カウンタウエイト8及び旋回体3の後方側の領域のカメラ22による撮影を行い易くなる。
【0050】
ここで、上側リンク16において、旋回体3への取付け位置(接続ピン31)と接続リンク42の接続位置との間の距離d1を、規定する。また、ブラケット41において、旋回体3への取付け位置と接続リンク42の接続位置との間の距離d2を、規定する。距離d1,d2は、図10に示される。本変形例では、距離d1,d2を調整することにより、前述のようにカウンタウエイト8を持上げる状態にシリンダー17を伸長する場合における、上側リンク16の回動角度θ1とブラケット41(カメラ22)の回動角度θ2との関係が調整される。
【0051】
例えば、距離d1,d2を同一の大きさにすることにより、ブラケット41(カメラ22)の回動角度θ2は、上側リンク16の回動角度θ1と同一の大きさになる。また、距離d2を距離d1より小さくすることにより、ブラケット41(カメラ22)の回動角度θ2は、上側リンク16の回動角度θ1より大きくなる。一方、距離d2を距離d1より大きくすることにより、ブラケット41(カメラ22)の回動角度θ2は、上側リンク16の回動角度θ1より小さくなる。前述のように上側リンク16の回動角度θ1とブラケット41(カメラ22)の回動角度θ2との関係が調整可能であるため、カメラ22の設置位置について自由度が高くなり、カウンタウエイト8及び旋回体3の後方側の領域のカメラ22による撮影を行い易くなる。
【0052】
図12及び図13に示す第2の変形例でも、第1の変形例と同様に、カウンタウエイト着脱装置10に、下側リンク15、上側リンク16、シリンダー17、カメラ22、ブラケット41及び接続リンク42が設けられる。そして、第1の変形例と同様に、カメラ22は、ブラケット41を介して、旋回体3に取付けられ、上側リンク16とブラケット41との間が、接続リンク42によって接続される。ただし、本変形例では、第1の変形例とは異なり、接続リンク42のブラケット41への接続位置は、ブラケット41の旋回体3への接続位置に対して、旋回体3の前方側(矢印X1側)に位置する。なお、図12では、シリンダー17が最も収縮した状態が示され、カウンタウエイト8を省略して示す。また、図13では、下側リンク15及び上側リンク16がカウンタウエイト8と嵌合した状態からシリンダー17がさらに伸長され、カウンタウエイト8が持上げられた状態を示す。図13では、カウンタウエイト8の下側嵌合片28及び上側嵌合片33以外の部分は、省略して示す。
【0053】
本変形例でも、シリンダー17が最も収縮した状態等の下側リンク15がカウンタウエイト8と嵌合していない状態において、カメラ22は、鉛直下側に位置する下側リンク15を撮影する。このため、本変形例でも、前述の実施形態等と同様に、カウンタウエイト着脱装置10を用いた旋回体3へのカウンタウエイト8の装着において、下側リンク15がカウンタウエイト8へ嵌合しているか否か、カメラ22の撮影画像から確認可能である。
【0054】
また、本変形例では、カウンタウエイト8に下側リンク15及び上側リンク16の順に嵌合させ、かつ、カウンタウエイト8を持上げる状態にシリンダー17を伸長することにより、カメラ22に対して旋回体3の前方側に位置するウインチ13を撮影する状態に、カメラ22の撮影方向が変化する。すなわち、カウンタウエイト8が旋回体3に装着された状態では、ウインチ13が、カメラ22によって、撮影される。本変形例でも、1つのカメラ22を2つ以上の用途に用いることが可能になる。
【0055】
なお、本願発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は可能な限り適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適当な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。
【符号の説明】
【0056】
1…クレーン、2…走行車体、3…旋回体、7…カウンタウエイト設置部、8…カウンタウエイト、10…カウンタウエイト着脱装置、13…ウインチ、15,15A,15B…下側リンク、16,16A,16B…上側リンク、17,17A,17B…シリンダー、21…バー部材、22…カメラ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13