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特許7520663情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-12
(45)【発行日】2024-07-23
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G08B 25/00 20060101AFI20240716BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20240716BHJP
   G08B 21/00 20060101ALI20240716BHJP
   G08B 21/02 20060101ALI20240716BHJP
   G08B 25/04 20060101ALI20240716BHJP
   H04N 7/18 20060101ALI20240716BHJP
   H04N 21/234 20110101ALI20240716BHJP
   H04N 21/258 20110101ALI20240716BHJP
   H04N 21/41 20110101ALI20240716BHJP
【FI】
G08B25/00 510M
G06T7/00 660Z
G08B21/00 E
G08B21/02
G08B25/04 K
H04N7/18 D
H04N21/234
H04N21/258
H04N21/41
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020159804
(22)【出願日】2020-09-24
(65)【公開番号】P2022053151
(43)【公開日】2022-04-05
【審査請求日】2023-02-07
(73)【特許権者】
【識別番号】399035766
【氏名又は名称】エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(72)【発明者】
【氏名】宮原 拓磨
(72)【発明者】
【氏名】松本 鮎美
(72)【発明者】
【氏名】古思 望
(72)【発明者】
【氏名】熊下 正照
(72)【発明者】
【氏名】柴田 哲希
(72)【発明者】
【氏名】塩崎 貴司
(72)【発明者】
【氏名】宇田 育弘
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 篤
【審査官】松原 徳久
(56)【参考文献】
【文献】特許第6744652(JP,B1)
【文献】特開2015-141531(JP,A)
【文献】特開2004-310397(JP,A)
【文献】特開2019-029747(JP,A)
【文献】特開2007-201556(JP,A)
【文献】特開2018-148422(JP,A)
【文献】特開2010-128976(JP,A)
【文献】特開2018-151919(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q50/22
G06T7/00-7/90
G06V10/00-20/90
30/418
40/16
40/20
G08B19/00-31/00
G16H10/00-80/00
H04N7/10
7/14-7/56
21/00-21/858
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上のカメラからの映像データに基づきマスク未装着者を検出する情報処理部と、
前記映像データに基づき利用者の密集度合いを判定する判定部と、
前記マスク未装着者の検出結果及び前記密集度合いの判定結果に応じた情報を出力する出力部と、
を備え
前記出力部は、前記マスク未装着者の発生位置及び前記マスク未装着者を含む密集発生位置を含むアラートマップを出力する、情報処理装置。
【請求項2】
前記出力部は、第1のエリアを撮影する第1のカメラからの第1の映像データから前記マスク未装着者の画像が検出され、且つ前記第1の映像データに基づき判定される前記密集度合いが閾値を超えた場合にアラートを出力する、請求項1の情報処理装置。
【請求項3】
前記情報処理部は、第1のエリアを撮影する第1のカメラからの第1の映像データから前記マスク未装着者の画像を検出し、前記マスク未装着者の画像をデータベースへ登録し、前記データベースに登録された前記マスク未装着者の画像及び第2のエリアを撮影する第2のカメラからの第2の映像データに基づき前記マスク未装着者を検出する、請求項1又は2の情報処理装置。
【請求項4】
前記出力部は、前記第2の映像データから前記マスク未装着者の画像が検出され、且つ前記第2の映像データに基づき判定される前記密集度合いが閾値を超えた場合にアラートを出力する、請求項3の情報処理装置。
【請求項5】
情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
1以上のカメラからの映像データに基づきマスク未装着者を検出し、
前記映像データに基づき利用者の密集度合いを判定し、
前記マスク未装着者の検出結果及び前記密集度合いの判定結果に応じた情報を出力し、
前記出力することは、前記マスク未装着者の発生位置及び前記マスク未装着者を含む密集発生位置を含むアラートマップを出力することを備える、情報処理方法。
【請求項6】
請求項1乃至の何れかの情報処理装置が備える各部による処理をコンピュータに実行させるプログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明の実施形態は、例えば映像データに基づきマスク未装着者を検出する情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
感染症の流行時に、不特定多数が利用する施設、例えばショッピングモールのような商業施設やイベント会場等において、感染症対策が実施されることがある。いくつかの感染症対策がある中、カメラによるマスク未装着者監視が知られている。例えば、モニタリングルーム等の監視員は、施設の入口等に設置されるカメラからの映像を目視確認して、入場者のマスク装着の有無を監視する。監視員は、マスク未装着者を見つけると、マスク未装着者に声がけするなどして入場を制限する。
【0003】
他にも、エレベータのような閉鎖空間において、カメラからの画像に基づくマスク着用者の認識結果を利用した感染リスクの拡大防止技術が提案されている(例えば特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2014-240313号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記したような監視員に依存する対策は、コスト面だけでなく、安全面にも配慮が必要となるため、別の対策が求められている。また、マスク装着の有無に加えて、様々な要因が複合的に影響して感染症が拡大することが知られており、このような複合的な要因に対する感染症対策が要望されている。
【0006】
この発明は上記事情に着目してなされたもので、複合的な要因に基づく感染リスクの低減を図る技術を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するためにこの発明の一態様の情報処理装置は、1以上のカメラからの映像データに基づきマスク未装着者を検出する情報処理部と、前記映像データに基づき利用者の密集度合いを判定する判定部と、前記マスク未装着者の検出結果及び前記密集度合いの判定結果に応じた情報を出力する出力部と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
この発明の一態様によれば、複合的な要因に基づく感染リスクの低減を図る技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、この発明の一実施形態に係る情報処理装置を含むシステムの構成の一例を示す図である。
図2図2は、この発明の一実施形態に係る情報処理装置として用いられるWebサーバ装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図3図3は、この発明の一実施形態に係る情報処理装置として用いられるWebサーバ装置のソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。
図4図4は、この発明の一実施形態に係る情報処理装置として用いられるWebサーバ装置の情報処理部のソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。
図5図5は、この発明の一実施形態に係るシステムによる情報処理(アラート出力)の一例を示すフローチャートである。
図6図6は、この発明の一実施形態に係るシステムによるマスク未装着者の検出処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照してこの発明に係る実施形態を説明する。
【0011】
[一実施形態]
(構成例)
(1)システム
図1は、この発明の一実施形態に係る情報処理装置を含むシステムの全体構成を示す図である。この情報処理装置は、不特定多数が利用する施設、例えばショッピングモールのような商業施設やイベント会場を監視する。
例えば、施設の入口、通路、及び売り場には、複数台の監視カメラC1~Cnが分散配置されている。監視カメラC1~Cnは、例えば天井または壁面に取着され、それぞれの監視エリアを撮像してその映像データを出力する。
【0012】
監視カメラC1~Cnは、可視光カメラである。監視カメラC1は、第1のエリアを撮影して得られた第1の映像データ(可視光画像)を出力する。監視カメラC2は、第2のエリアを撮影して得られた第2の映像データ(可視光画像)を出力する。
【0013】
また、監視カメラC1~Cnに対応して、アラート等の情報を表示するディスプレイD1~Dnが設置され、さらに、任意の位置にディスプレイD20が設置されている。ディスプレイD20は、1台に限らず複数台設置してもよく、デジタルサイネージとして各種情報を表示し、また、アラート等の情報も出力する。なお、ディスプレイD1~Dnは、必ずしも、監視カメラC1~Cnに対応して設置される必要はなく、任意の位置に設置してもよい。
【0014】
例えば、監視カメラC1~Cnには、それぞれ映像解析エンジンVE1~VEnが付設されている。映像解析エンジンVE1~VEnは、監視カメラC1~Cnからのそれぞれの映像データを解析する。
【0015】
なお、映像解析エンジンVE1~VEnは監視カメラC1~Cnに対し一対一に配置せず、複数台のカメラに対しそれより少数の映像解析エンジンを配置して、少数の映像解析エンジンにより複数台の監視カメラの映像データを一括処理するようにしてもよい。
【0016】
また、一実施形態のシステムは、情報処理装置として使用されるWebサーバ装置SVを備える。映像解析エンジンVE1~VEnは、ネットワークNWを介してWebサーバ装置SVとの間でデータ通信が可能となっており、生成された映像解析結果をネットワークNWを介してWebサーバ装置SVへ送信する。ネットワークNWには、例えば有線LAN(Local Area Network)または無線LANが用いられるが、他のどのようなネットワークが使用されてもよい。
【0017】
なお、Webサーバ装置SVが、映像解析エンジンVE1~VEn又は1つの映像解析エンジンを備え、Webサーバ装置SVの映像解析エンジンVE1~VEn又は1つの映像解析エンジンが、ネットワークNWを介して、監視カメラC1~Cnからのそれぞれの映像データを受信し、受信した映像データを解析してもよい。或いは、監視カメラC1~Cnのそれぞれが、映像解析エンジンを備え、監視カメラC1~Cn内で、撮影により取得された映像データを解析するようにしてもよい。
【0018】
(2)Webサーバ装置SV
図2および図3は、それぞれWebサーバ装置SVのハードウェア構成およびソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。
Webサーバ装置SVは、中央処理ユニット(Central Processing Unit:CPU)等のハードウェアプロセッサを有する制御部1を備え、この制御部1に対し、バス6を介して、プログラム記憶部2およびデータ記憶部3を有する記憶ユニットと、入出力インタフェース(入出力I/F)4と、通信インタフェース(通信I/F)5とを接続したものとなっている。
【0019】
入出力I/F4には、例えばモニタ装置MTおよび管理者端末OTが接続される。モニタ装置MTは、監視者が監視エリアを目視監視するために使用されるもので、監視カメラC1~Cnの映像を表示する。また、モニタ装置MTは、マスク未装着者の検出結果及び密集度合いの判定結果を表示する。さらに、モニタ装置MTは、マスク未装着者の検出結果及び密集度合いの判定結果に応じたアラート等の情報を表示する。
【0020】
管理者端末OTは、システム管理者がシステム管理や保守等のために使用するもので、各種設定画面やシステム内の動作状態を表す情報を表示すると共に、システム管理者がシステムの管理・運用に必要な種々データを入力したときに当該データを受け付けてWebサーバ装置SVに設定する機能を有する。
【0021】
通信I/F5は、制御部1の制御の下、ネットワークNWにより定義される通信プロトコルを使用して、映像解析エンジンVE1~VEnとの間でデータ伝送を行うもので、例えば有線LANまたは無線LANに対応するインタフェースにより構成される。
【0022】
プログラム記憶部2は、例えば、記憶媒体としてHDD(Hard Disk Drive)またはSSD(Solid State Drive)等の随時書込みおよび読出しが可能な不揮発性メモリと、ROM(Read Only Memory)等の不揮発性メモリとを組み合わせて構成したもので、OS(Operating System)等のミドルウェアに加えて、この発明の一実施形態に係る各種制御処理を実行するために必要なプログラムを格納する。
【0023】
データ記憶部3は、例えば、記憶媒体として、HDDまたはSSD等の随時書込みおよび読出しが可能な不揮発性メモリと、RAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリと組み合わせたもので、この発明の一実施形態を実施するために必要な主たる記憶部として、カメラ情報テーブル31と、設定情報テーブル32とを備えている。
【0024】
カメラ情報テーブル31は、監視カメラC1~Cn毎に、その識別情報(以後カメラIDと称する)に対応付けて、例えば監視カメラの名称、性能および設置位置を表す情報を記憶する。性能を表す情報には、例えば解像度やアスペクト比が含まれる。また設置位置を示す情報には、例えば緯度経度、撮像方向および撮像角度が含まれる。また、カメラ情報テーブル31はデータベースを記憶し、データベースは、監視カメラC1~Cnの映像データ、及び映像データから検出される顔画像又は全身画像等を登録する。
【0025】
設定情報テーブル32は、管理者端末OT等を介して入力されるアラート出力条件を記憶する。また、設定情報テーブル32は、施設のマップデータを記憶する。また、設定情報テーブル32は、マップデータ上の監視カメラC1~Cnの位置情報、及びディスプレイD1~Dnの位置情報を記憶する。
【0026】
制御部1は、この発明の一実施形態に係る処理機能として、情報取得部11と、情報処理部12と、判定部13と、出力部14とを備えている。また、情報処理部12は、未装着者検出部121と、未装着者画像登録部122と、未装着者追跡部123とを備えている。各部は、何れもプログラム記憶部2に格納されたプログラムを制御部1のハードウェアプロセッサに実行させることにより実現される。
【0027】
情報取得部11は、監視カメラC1~Cnに接続された映像解析エンジンVE1~VEn、又はWebサーバ装置SVに設けられた映像解析エンジンVE1~VEnからの映像データ及び映像解析結果等を取得する。例えば、映像解析エンジンVE1~VEnはそれぞれ、対応する監視カメラC1~Cnから出力される映像データに含まれる各画像フレームから、顔画像又は全身画像を検出し、顔画像又は全身画像を含む映像解析結果を出力する。
【0028】
情報処理部12は、第1のエリアを撮影する監視カメラC1からの第1の映像データに基づきマスク未装着者の顔画像又は全身画像を検出する。例えば、情報処理部12の未装着者検出部121は、第1の映像データ及び映像解析エンジンVE1による映像解析結果に基づき、検出された顔画像又は全身画像からマスクらしさの画像特徴量を有するマスク領域を検出する。未装着者検出部121は、検出された顔画像又は全身画像からマスク領域を検出しない場合に、検出された顔画像又は全身画像をマスク未装着者の画像として検出する。或いは、未装着者検出部121が、予め複数のマスク装着者の画像を学習し、学習結果を利用し、検出された顔画像又は全身画像がマスク装着者又はマスク未装着者の何れに該当するかを判別するようにしてもよい。なお、Webサーバ装置SV以外の外部装置が、予め複数のマスク装着者の画像を学習し、Webサーバ装置SVの未装着者検出部121は、外部装置から提供される学習結果を利用し、検出された顔画像又は全身画像がマスク装着者又はマスク未装着者の何れに該当するかを判別するようにしてもよい。
【0029】
また、情報処理部12は、検出又は判別されたマスク未装着者の顔画像又はマスク未装着者の顔画像を含む全身画像をカメラ情報テーブル31のデータベースへ登録する。例えば、情報処理部12の未装着者画像登録部122は、検出されたマスク未装着者の顔画像又は全身画像の画像特徴量、及びこの顔画像又は全身画像に対応する映像解析結果を含む登録情報をデータベースへ登録する。
【0030】
情報処理部12は、データベースに登録されたマスク未装着者の顔画像又は全身画像の画像特徴量、及び第2のエリアを撮影する監視カメラC2からの第2の映像データに基づきマスク未装着者の画像を検出する。例えば、情報処理部12の未装着者追跡部123は、第2のエリアの第2の映像データから顔画像又は全身画像を検出し、検出された顔画像又は全身画像の画像特徴量を抽出し、クエリとして登録されたマスク未装着者の顔画像又は全身画像の画像特徴量と抽出された画像特徴量とを比較し、両者の類似度が基準値を超える場合に、抽出された画像特徴量を有する顔画像又は全身画像を第1のエリアで検出されたマスク未装着者として再度検出する。
【0031】
本実施形態では、未装着者追跡部123は、登録された画像特徴量に基づき、複数の監視カメラC2~Cnからの第2の映像データを統合的に解析することにより、複数の監視カメラC2~Cnを跨いでマスク未装着者を追跡する。
【0032】
映像解析エンジンVE1~VEnは、監視カメラC1~CnのカメラIDと、撮影時刻(日時分秒)とを含む映像解析結果を生成する。カメラIDは、監視カメラに固有の識別情報である。例えば、映像解析エンジンVE1~VEnは、映像解析結果を出力するが、映像解析結果は、検出画像情報を含む。検出画像情報は、検出された顔画像又は全身画像、及び属性情報を含む。属性情報は、カメラID、人物らしさのスコア、画像種別(顔画像又は全身画像)、撮影日時等を含む。
【0033】
判定部13は、監視カメラC1からの第1の映像データに基づき、利用者の密集度合いを判定する。同様に、判定部13は、監視カメラC2~Cnからの第2の映像データに基づき、利用者の密集度合いを判定する。
【0034】
例えば、判定部13は、マスク未装着者の有無にかかわらず、第1及び第2の映像データに基づき利用者の密集度合いを判定する。又は、判定部13は、第1の映像データにマスク未装着者が含まれると判定された場合に、第1の映像データに基づき利用者の密集度合いを判定してもよい。同様に、判定部13は、第2の映像データにマスク未装着者が含まれると判定された場合に、第2の映像データに基づき利用者の密集度合いを判定してもよい。
【0035】
判定部13は、監視カメラC1からの第1の映像データ、及び監視カメラC2~Cnからの第2の映像データに含まれる人物を検出し、画像中の人物の座標(人物検出矩形の中心、もしくは人物検出矩形の底辺の中点)を算出した後、任意の人物を中心として各人の座標の画像上の距離を計算する。又は、判定部13は、マスク未装着者を中心として各人の座標の画像上の距離を計算する。
【0036】
判定部13は、任意の人物又はマスク未装着者から周囲の人物までの距離と周囲の人物の人数に応じて密集度合いを判定する。例えば、判定部13は、任意の人物又はマスク未装着者から周囲の人物までの距離がX以内の人物がY人以上いた場合に、密集度合いが閾値を超えたと見なし密集発生と判定する。さらに、判定部13は、密集度合いが閾値を超え、且つその状態が一定時間を超えた場合に、密集発生と判定するようにしてもよい。
【0037】
また、判定部13は、密集発生時刻と発生位置を含む未装着者行動履歴情報を生成し、未装着者行動履歴情報を含む登録情報をデータベースへ登録するようにしてもよい。
【0038】
出力部14は、マスク未装着者の検出結果及び密集度合いの判定結果に応じた情報を出力する。即ち、出力部14は、マスク未装着者を含む密集度合いが閾値を超えた場合にアラートを出力する。
【0039】
例えば、出力部14は、第1のエリアを撮影する監視カメラC1からの第1の映像データからマスク未装着者の画像が検出され、且つ第1の映像データに基づき判定される密集度合いが閾値を超えた場合にアラートを出力する。出力部14は、第1の映像データの撮影時刻に基づき、マスク未装着者が検出されるタイミングとマスク未装着者による密集度合いが閾値を超えるタイミングとの時間差が所定時間以内の場合に、アラートを出力する。
【0040】
同様に、出力部14は、第2のエリアを撮影する監視カメラC2からの第2の映像データからマスク未装着者の画像が検出され、且つ第2の映像データに基づき判定される密集度合いが閾値を超えた場合にアラートを出力する。出力部14は、第2の映像データの撮影時刻に基づき、マスク未装着者が検出されるタイミングとマスク未装着者による密集度合いが閾値を超えるタイミングとの時間差が所定時間以内の場合に、アラートを出力する。
【0041】
アラートの出力先は、モニタ装置MTでもよいし、ディスプレイD1~Dnでもよい。情報処理部12が、監視カメラC1からの映像データに基づきマスク未着用者の顔画像又は全身画像を検出し、判定部13が、監視カメラC1からの映像データに基づき密集発生を判定した場合に、出力部14は、監視カメラC1に対応して設置されるディスプレイD1に第1のレベルのアラートを出力し、また、監視カメラC1から所定距離以内の監視カメラC2に対応して設置されるディスプレイD2に第2のレベルのアラートを出力する。例えば、第1のレベルのアラートは、第2のレベルのアラートより高い危険度を示す。
【0042】
また、出力部14は、モニタ装置MTに出力する画像を加工し、マスク未装着者の顔画像又は全身画像を第1の枠で囲い、密集発生の判定対象となった周囲の人又はその集団の画像領域を第2の枠で囲う。例えば、出力部14は、画像を加工して、第1の枠を第1の色(赤色)、第2の枠を第2の色(黄色)にして区別する。また、出力部14は、ディスプレイD1~Dnに出力する画像を加工し、マスク未装着者及び周囲の人の顔画像にぼかしを入れて、マスク未装着者の顔画像又は全身画像を第1の枠で囲い、密集発生の判定対象となった周囲の人又はその集団の画像領域を第2の枠で囲う。
【0043】
また、出力部14は、施設のマップデータ、マスク未装着者の発生位置、マスク未装着者を含む密集発生位置を含むアラートマップを生成し、アラートマップを出力する。アラートマップは、マスク未装着者の発生位置に対応する第1のアラートマーク、及び密集発生位置に対応する第2のアラートマークを含む。また、出力部14は、映像解析結果に含まれる属性情報から撮影日時を検出し、撮影日時を発生日時に変換して出力するようにしてもよい。この場合、アラートマップは、マスク未装着者の発生位置に対応する第1のアラートマーク、第1のアラートマークに対応する発生日時、密集発生位置に対応する第2のアラートマーク、及び第2のアラートマークに対応する発生日時を含む。
【0044】
また、出力部14は、密集発生位置に最も近いディスプレイD20に対して、第1の情報を出力し、それ以外のディスプレイ20に対して、第2の情報を出力するようにしてもよい。第1の情報は、近くで危険が発生したことを示す情報を含む。第2の情報は、アラートマップを含む。
【0045】
なお、以上の説明では、データ記憶部3に設けられた各テーブル31、32をWebサーバ装置SV内に設けた場合を例にとった。しかし、それに限らず、Webサーバ装置SV外に配置されたデータベースサーバまたはファイルサーバ内に設けるようにしてもよい。この場合、Webサーバ装置SVがデータベースサーバまたはファイルサーバ内の各テーブル31、32に対しアクセスし、必要な情報を取得することにより各処理を行う。
【0046】
(動作例)
次に、以上のように構成されたシステムの動作例を説明する。
図5は、この発明の一実施形態に係るシステムによる情報処理(アラート出力)の一例を示すフローチャートである。
監視カメラC1~Cnは、撮影を開始し、映像データを出力する。即ち、監視カメラC1は、第1の映像データを出力し、また、監視カメラC2~Cnは、第2の映像データを出力する。情報取得部11は、通信I/F5を介して、第1及び第2の映像データを取得する(ST1)。
【0047】
画像処理部12は、映像データに基づきマスク未装着者の検出処理を実行する(ST2)。情報処理部12は、第1のエリアを撮影するサーマルカメラからの第1の映像データに基づきマスク未装着者の画像を検出する(ST2)。
【0048】
判定部13は、第1の映像データに基づき利用者の密集度合いを判定する(ST3)。例えば、判定部13は、マスク未装着者の有無にかかわらず、第1の映像データに基づき利用者の密集度合いを判定する。或いは、判定部13は、第1の映像データにマスク未装着者が含まれる場合に、第1又は第2の映像データに基づき利用者の密集度合いを判定してもよい。
【0049】
出力部14は、マスク未装着者の検出結果及び密集度合いの判定結果に応じた情報を出力する(ST4)。例えば、出力部14は、密集発生位置に近いディスプレイD1に対して、第1のレベルのアラートを出力する。また、出力部14は、密集発生位置から離れたディスプレイD2やディスプレイ20に対してアラートマップを出力する。
【0050】
図6は、この発明の一実施形態に係るシステムによるマスク未装着者の検出処理の一例を示すフローチャートである。
未装着者検出部121は、第1の映像データ及び映像解析エンジンVE1による映像解析結果から、マスクらしさの画像特徴量を有するマスク領域を検出する。また、未装着者検出部121は、検出された顔画像又は全身画像からマスク領域を検出しない場合に、検出された顔画像又は全身画像をマスク未装着者の画像として検出する(ST21)。或いは、未装着者検出部121が、予め複数のマスク装着者の画像を学習し、学習結果を利用し、検出された顔画像又は全身画像がマスク装着者又はマスク未装着者の何れに該当するかを判別するようにしてもよい。
【0051】
未装着者画像登録部122は、検出されたマスク未装着者の顔画像又は全身画像の画像特徴量及びこの顔画像又は全身画像に対応する映像解析結果を含む登録情報をデータベースへ登録する(ST22)。
【0052】
未装着者追跡部123は、登録情報に基づきマスク未装着者を追跡する(ST23)。即ち、未装着者追跡部123は、第2のエリアの第2の映像データから顔画像又は全身画像を検出し、検出された顔画像又は全身画像の画像特徴量を抽出し、登録された画像特徴量と抽出された画像特徴量とを比較し、両者の類似度が基準値を超える場合に、抽出された画像特徴量を有する顔画像又は全身画像をマスク未装着者として検出する(ST24、YES)。
【0053】
未装着者追跡部123は、マスク未装着者の検出に対応して、出力部14に対してマスク未装着者検出を通知する(ST25)。
【0054】
本実施形態によれば、複合的な要因に基づく感染リスクの低減を図る情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムを提供することができる。即ち、本実施形態のシステムは、マスク未装着者の検出に加えて、密集度合いを判定し、マスク未装着者の検出結果及び密集度合いの判定結果に応じて、アラート等の情報を出力する。これにより、複合的な要因に基づく感染リスクの低減を図ることができる。なお、本システムは、マスク未装着者を検出した時点で、マスク未装着者を検出したことを示す情報を出力するようにしてもよい。
【0055】
例えば、本システムは、マスク未装着者を含む密集度合いが閾値を超える場合、つまり複合的な要因を解析し一定の条件を満たす場合にアラート等の情報を出力する。これにより、感染リスクの高い低減効果が期待できる。また、本システムは、所定人数以上のマスク未装着者の検出と、所定人数以上のマスク未装着者を含む密集度合いが閾値を超える場合に、アラート等の情報を出力するようにしてもよい。また、本システムは、マスク未装着者が検出された場合に、マスク未装着者を含む映像データに基づき利用者の密集度合いを判定するようにしてもよく、この場合、密集度合い判定の処理負荷を軽減することができる。
【0056】
また、本システムの出力部14が、マスク未装着者を含む密集度合いをモニタ装置MTに出力するようにしてもよい。例えば、モニタ装置MTは、マスク未装着者を含む密集度合いを表示することにより、監視員は、密集度合いが形成される状況を把握し、事前に、密集度合いを解消するようなアナウンスを出すなどの対策を講じることができる。
【0057】
また、本システムの出力部14は、様々な形式でアラート等の情報を出力することにより、感染リスクの高い低減効果が期待できる。例えば、出力部14は、マスク未装着者の発生位置及びマスク未装着者を含む密集発生位置を含むアラートマップを出力する。また、出力部14は、最もリスクの高い位置に近いディスプレイと、それ以外の位置に設置されたディスプレイとで、出力情報を切り替える。例えば、出力部14は、最もリスクの高い位置に近いディスプレイには、近くで危険が発生したことを示す情報を含む第1の情報を出力し、それ以外の位置に設置されたディスプレイには、アラートマップを含む第2の情報を出力する。これにより、全ての利用者に一律の情報を報知する場合に比べて、感染リスクの高い低減効果が期待できる。
【0058】
また、本システムにより、マスク未装着者を含む密集発生をリアルタイムに判定したとしても、監視員等が、すぐに現場対応できないこともある。上記説明したように、判定部13は、密集発生時刻と発生位置を含む未装着者行動履歴情報をデータベースへ登録するので、この情報を分析することにより、感染確率の高い人物の行動履歴を事後調査することができる。
【0059】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【符号の説明】
【0060】
1…制御部
2…プログラム記憶部
3…データ記憶部
4…入出力インタフェース(入出力I/F)
5…通信インタフェース(通信I/F)
6…バス
11…情報取得部
12…情報処理部
13…判定部
14…出力部
31…カメラ情報テーブル
32…設定情報テーブル
121…未装着者検出部
122…未装着者画像登録部
123…未装着者追跡部
C1、C2、Cn…監視カメラ(可視光カメラ)
D1、D2、Dn、D20…ディスプレイ
MT…モニタ装置
NW…ネットワーク
OT…管理者端末
SV…サーバ装置
VE1、VE2、VEn…映像解析エンジン
図1
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図3
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図5
図6