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特許7520664情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-12
(45)【発行日】2024-07-23
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G08B 25/00 20060101AFI20240716BHJP
   A61B 5/00 20060101ALI20240716BHJP
   A61B 5/01 20060101ALI20240716BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20240716BHJP
   G08B 21/00 20060101ALI20240716BHJP
   G08B 21/02 20060101ALI20240716BHJP
   G08B 25/04 20060101ALI20240716BHJP
【FI】
G08B25/00 510M
A61B5/00 102A
A61B5/01 350
G06T7/00 660A
G08B21/00 E
G08B21/02
G08B25/04 K
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020159808
(22)【出願日】2020-09-24
(65)【公開番号】P2022053154
(43)【公開日】2022-04-05
【審査請求日】2023-02-07
(73)【特許権者】
【識別番号】399035766
【氏名又は名称】エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(72)【発明者】
【氏名】古思 望
(72)【発明者】
【氏名】松本 鮎美
(72)【発明者】
【氏名】宮原 拓磨
(72)【発明者】
【氏名】熊下 正照
(72)【発明者】
【氏名】柴田 哲希
(72)【発明者】
【氏名】塩崎 貴司
(72)【発明者】
【氏名】宇田 育弘
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 篤
【審査官】松原 徳久
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-128976(JP,A)
【文献】特開2020-120323(JP,A)
【文献】特開2012-235415(JP,A)
【文献】特開2019-192035(JP,A)
【文献】特開2004-310397(JP,A)
【文献】特開2018-151919(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0086572(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B5/00-5/01
G06Q50/22
G06T7/00-7/90
G06V10/00-20/90
30/418
40/16
40/20
G07C1/00-15/00
G08B19/00-31/00
G16H10/00-80/00
H04N7/10
7/14-7/56
21/00-21/858
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発熱状態及びマスク着用状態に基づいて設定された進入不可エリアに関するエリア情報を記憶する記憶部と、
第1のカメラからの画像データに基づいて人物の発熱状態を判定する第1の判定部と、
第2のカメラからの画像データに基づいて前記人物のマスク着用状態を判定する第2の判定部と、
前記第1の判定部による発熱状態に関する第1の判定結果及び前記第2の判定部によるマスク着用状態に関する第2の判定結果に基づいて前記人物の画像データを監視対象者の画像データとして前記記憶部に記録し、前記監視対象者の発熱状態を示す情報及び前記監視対象者のマスク着用状態を示す情報を前記記憶部に記録する記録部と、
前記第2のカメラを含む複数の第2のカメラからの画像データ及び前記記憶部に記憶された前記監視対象者の画像データに基づいて前記監視対象者を検知する検知部と、
前記検知部による前記監視対象者の検知に基づいて、前記記憶部に記憶された前記エリア情報並びに前記監視対象者の発熱状態を示す情報及び前記監視対象者のマスク着用状態を示す情報に基づいて前記監視対象者が進入不可エリアにいるか否かを判断する判断部と、
前記判断部により前記監視対象者が進入不可エリアにいると判断されたことに基づいてアラートを出力する出力部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記出力部は、前記人物についての前記第1の判定結果及び前記第2の判定結果の組み合わせに応じたアラートを出力する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記出力部は、第1の出力装置及び第2の出力装置のうち前記第2のカメラの位置に近い出力装置に、少なくとも発熱ありまたはマスク不着用の人物が検知されたことを示すメッセージを前記アラートとして出力する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記出力部は、前記判断部により前記監視対象者が進入不可エリアにいると判断されたことに基づいて、前記監視対象者の発熱状態及びマスク着用状態の組み合わせに応じたアラートを出力する、請求項記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記第2の判定部は、前記検知部による前記監視対象者の検知に基づいて、前記検知部による前記監視対象者の検知に関連する画像データに基づいて前記監視対象者のマスク着用状態を判定し、
前記記録部は、前記第2の判定部による前記監視対象者についての前記第2の判定結果が前記記憶部に記憶された前記監視対象者のマスク着用状態を示す情報と異なる場合、前記記憶部に記憶された前記監視対象者のマスク着用状態を示す情報を更新する、
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
第1のカメラからの画像データに基づいて人物の発熱状態を判定することと、
第2のカメラからの画像データに基づいて前記人物のマスク着用状態を判定すること
発熱状態に関する第1の判定結果及びマスク着用状態に関する第2の判定結果に基づいて前記人物の画像データを監視対象者の画像データとして、発熱状態及びマスク着用状態に基づいて設定された進入不可エリアに関するエリア情報を記憶する記憶部に記録し、前記監視対象者の発熱状態を示す情報及び前記監視対象者のマスク着用状態を示す情報を前記記憶部に記録することと、
前記第2のカメラを含む複数の第2のカメラからの画像データ及び前記記憶部に記憶された前記監視対象者の画像データに基づいて前記監視対象者を検知することと、
前記監視対象者の検知に基づいて、前記記憶部に記憶された前記エリア情報並びに前記監視対象者の発熱状態を示す情報及び前記監視対象者のマスク着用状態を示す情報に基づいて前記監視対象者が進入不可エリアにいるか否かを判断することと、
前記監視対象者が進入不可エリアにいると判断されたことに基づいてアラートを出力することと、
を含む情報処理方法。
【請求項7】
請求項1乃至の何れかの情報処理装置が備える各部による処理をコンピュータに実行させる情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明の実施形態は、画像データを用いた情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ショッピングモール及び店舗等の商業施設、病院並びにイベント会場等の施設においては、感染症予防のため、マスク着用が推奨されている。
【0003】
マスク着用の有無を判定する技術は種々提案されている。例えば、特許文献1には、人の顔を撮影した撮影画像において、人の顔の上部と下部の所定領域における色の差やエッジ部の量の差を検出し、マスク着用の有無を判定する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第4322537号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、マスク着用の有無だけが感染症の拡散リスクの度合いを決めるわけではない。マスク着用の有無に加えた種々の要因によって、感染症の拡散リスクの度合いは変動する。そのため、特許文献1に開示されているようなマスク着用の有無を判定する技術だけでは、感染症予防の対策としては十分ではない。
【0006】
この発明は上記事情に着目してなされたもので、一側面では、各人物の感染症の拡散リスクに応じた報知を実現する技術を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するためにこの発明の情報処理装置の一態様は、第1のカメラからの画像データに基づいて人物の発熱状態を判定する第1の判定部と、第2のカメラからの画像データに基づいて前記人物のマスク着用状態を判定する第2の判定部と、前記第1の判定部による発熱状態に関する第1の判定結果及び前記第2の判定部によるマスク着用状態に関する第2の判定結果の少なくとも何れか一方に基づいてアラートを出力する出力部と、を備えるようにしたものである。
【発明の効果】
【0008】
この発明の一態様によれば、各人物の感染症の拡散リスクに応じた報知を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、この発明の一実施形態に係る情報処理装置を含む監視システムの構成の一例を示す図である。
図2図2は、この発明の一実施形態に係る情報処理装置として用いられるWebサーバ装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図3図3は、この発明の一実施形態に係る情報処理装置として用いられるWebサーバ装置のソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。
図4図4は、Webサーバ装置により実行される人物の検知に基づく出力処理の処理手順と処理内容を示すフローチャートである。
図5図5は、Webサーバ装置により実行される監視対象者の追跡に基づく出力処理の処理手順と処理内容を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照してこの発明に係わる実施形態を説明する。
[一実施形態]
(構成例)
(1)システム
図1は、この発明の一実施形態に係る情報処理装置を含むシステムの全体構成を示す図である。
【0011】
例えばショッピングモール及び店舗等の商業施設、病院並びにイベント会場等の施設の入口には、サーマルカメラC1が配置されている。サーマルカメラC1は、施設に入場する各人物の体温を非接触で計測するためのセンサの一例である。サーマルカメラC1は、第1のカメラの一例である。サーマルカメラC1は、例えば天井または壁面に取着され、撮像範囲で取得した画像データを出力する。以下では、サーマルカメラC1で取得される画像データを第1の撮像画像データともいう。第1の撮像画像データは、サーマルカメラC1からの画像データの一例である。第1の撮像画像データは、第1の撮像画像データに基づく画像に映る被写体の熱の分布を示すデータである。第1の撮像画像データは、発熱状態を判定可能な画像データである。発熱状態は、「発熱あり」または「発熱なし」である。「発熱あり」は、所定温度以上の体温の状態をいうものとする。「発熱なし」は、所定温度未満の体温の状態をいうものとする。所定温度は、任意に設定または変更可能である。
【0012】
また、施設には、複数台の監視カメラC2-1~C2-n(nは2以上)が分散配置されている。例えば、監視カメラC2-1~C2-nは、可視光カメラである。監視カメラC2-1~C2-nは、例えば天井または壁面に取着され、それぞれの撮像範囲で取得した画像データを出力する。監視カメラC2-1は、施設の入口に配置されている。監視カメラC2-1は、施設に入場する各人物を検知するためのセンサの一例である。監視カメラC2-1の撮像範囲は、サーマルカメラC1の撮像範囲と重複する範囲である。監視カメラC2-1~C2-nのそれぞれは、設置されたエリアへ進入した各人物を検知するためのセンサの一例である。監視カメラC2-1~C2-nのそれぞれは、第2のカメラの一例である。以下では、監視カメラC2-1~C2-nのそれぞれで取得される画像データを第2の撮像画像データともいう。監視カメラC2-1で取得される第2の撮像画像データは、監視光カメラC2-1からの画像データの一例である。監視カメラC2-1~C2-nのそれぞれで取得される第2の撮像画像データは、監視カメラC2-1~C2-nからの画像データの一例である。ここでは施設に複数台の監視カメラが分散配置されている例について説明するが、施設には1台以上の監視カメラが配置されていればよい。
【0013】
監視カメラC2-1~C2-nのそれぞれには、映像解析エンジンVE1~VEnが付設されている。映像解析エンジンVE1は、以下に例示するように、第2の撮像画像データに基づいてマスク着用状態を検出する。映像解析エンジンVE1は、監視カメラC2-1で取得される第2の撮像画像データの解析により、第2の撮像画像データに基づく画像に映る人物のマスク着用状態を検出する。映像解析エンジンVE1は、第2の撮像画像データに基づいてマスク着用状態を示す情報を生成する。マスク着用状態は、「マスク着用」または「マスク不着用」である。「マスク着用」は、人物の口を覆うようにマスクを着用している状態をいうものとする。「マスク不着用」は、マスクを着用していない状態に加えて、人物の口を覆わないようにマスクをずらして着用している状態も含んでもよい。
【0014】
映像解析エンジンVE1は、第1の映像解析結果を生成する。例えば、第1の映像解析結果は、後述する監視対象者か否かによらず、施設に入場する人物を検知する毎に生成される映像解析結果を指すものとする。
【0015】
第1の映像解析結果は、第2の撮像画像データに基づく第1の人物画像データを含む。第1の人物画像データは、第2の撮像画像データに基づく画像に映る人物の画像データである。第1の人物画像データは、顔(face)の画像データ及び全身(body)の画像データのうちの少なくとも何れか一方を含む。第1の人物画像データは、監視カメラC2-1からの画像データの一例である。第1の映像解析結果は、第1の人物画像データの基となる第2の撮像画像データを含む。第1の映像解析結果は、第1の人物画像データに映る人物のマスク着用状態を示す情報を含む。第1の映像解析結果は、第1の人物画像データに映る人物を識別する人物IDを含む。人物IDは、任意に設定されてよい。第1の映像解析結果は、監視カメラC2-1を識別するカメラIDを含む。
【0016】
さらに、映像解析エンジンVE1~VEnは、第2の撮像画像データの解析により、監視対象者の画像特徴量と類似する画像特徴量を有する人物の第2の人物画像データを抽出する。例えば、監視対象者の画像特徴量は、監視対象者の登録画像データに基づく登録画像から得られる。登録画像データは、顔の画像データ及び全身の画像データのうちの少なくとも何れか一方を含む。監視対象者の登録画像データは、監視対象者の検知のために第2の人物画像データとの対比に用いられる画像データである。
【0017】
映像解析エンジンVE1~VEnのそれぞれは、以下に例示するように、第2の人物画像データ及び監視対象者の登録画像データに基づいて類似度を生成する。映像解析エンジンVE1~VEnのそれぞれは、監視対象者の画像特徴量に基づいて、登録画像データに基づく登録画像に対する第2の人物画像データに基づく人物画像の類似度を求める。
【0018】
映像解析エンジンVE1~VEnのそれぞれは、以下に例示するように、第2の撮像画像データに基づいてマスク着用状態を検出する。映像解析エンジンVE1~VEnのそれぞれは、第2の撮像画像データの解析により、第2の撮像画像データに基づく画像に映る人物のマスク着用状態を検出する。映像解析エンジンVE1~VEnのそれぞれは、第2の撮像画像データに基づいてマスク着用状態を示す情報を生成する。
【0019】
映像解析エンジンVE1~VEnのそれぞれは、第2の映像解析結果を生成する。第2の映像解析結果は、監視対象者を検知する毎に生成される映像解析結果を指すものとする。
【0020】
第2の映像解析結果は、第2の撮像画像データに基づく第2の人物画像データを含む。第2の人物画像データは、第2の撮像画像データに基づく画像に映る人物の画像データである。第2の人物画像データは、第1の人物画像データと同様に、顔(face)の画像データ及び全身(body)の画像データのうちの少なくとも何れか一方を含む。第2の人物画像データは、監視カメラC2-1~C2-nからの画像データの一例である。第2の映像解析結果は、第2の人物画像データの基となる第2の撮像画像データを含む。第2の映像解析結果は、第2の人物画像データに映る人物のマスク着用状態を示す情報を含む。第2の映像解析結果は、第2の人物画像データに映る人物の有する画像特徴量と類似する画像特徴量を有する監視対象者を識別する監視対象者IDを含む。第2の映像解析結果は、監視カメラC2-1~C2-nのうちの第2の人物画像データを取得した監視カメラを識別するカメラIDを含む。第2の映像解析結果は、登録画像データに基づく登録画像に対する第2の人物画像データに基づく人物画像の類似度を含む。
【0021】
なお、映像解析エンジンVE1~VEnは監視カメラC2-1~C2-nに対し一対一に配置せず、複数台の監視カメラに対しそれより少数の映像解析エンジンを配置して、少数の映像解析エンジンにより複数台の監視カメラの映像データを一括処理するようにしてもよい。
【0022】
また、施設には、複数台の出力装置MT1-1~MT1-nが分散配置されている。出力装置MT1-1~MT1-nのそれぞれは、監視カメラC2-1~C2-nの位置の近傍(同じエリア)に設置されている。出力装置MT1-1~MT1-nは、情報を表示するディスプレイを含む装置である。出力装置MT1-1~MT1-nは、情報を音声出力するスピーカを含む装置でもある。出力装置MT1-1~MT1-nは、表示装置、音声出力装置または出力装置の一例である。施設への来訪者は、出力装置MT1-1~MT1-nで出力される情報を確認することができる。
【0023】
一実施形態のシステムは、情報処理装置として使用されるWebサーバ装置SVを備える。Webサーバ装置SVは、サーマルカメラC1及び分散配置された監視カメラC2-1~C2-nのそれぞれで取得されるデータに基づいて情報処理を行う装置である。映像解析エンジンVE1~VEnは、ネットワークNWを介してWebサーバ装置SVとの間でデータ通信が可能である。映像解析エンジンVE1~VEnは、第1の映像解析結果または第2の映像解析結果を、ネットワークNWを介してWebサーバ装置SVへ送信する。ネットワークNWは、例えば有線LAN(Local Area Network)または無線LANであるが、他のどのようなネットワークでもよい。
【0024】
なお、Webサーバ装置SVが、映像解析エンジンVE1~VEnまたは1つの映像解析エンジンを備え、Webサーバ装置SVの映像解析エンジンVE1~VEnまたは1つの映像解析エンジンが、ネットワークNWを介して、監視カメラC2-1~C2-nからのそれぞれの画像データを受信し、受信した画像データを解析してもよい。
【0025】
一実施形態のシステムは、出力装置MT2及び管理者端末OTを備える。出力装置MT2は、Webサーバ装置SVに接続されている。出力装置MT2は、Webサーバ装置SVから出力される情報を表示するディスプレイを含む装置である。出力装置MT2は、Webサーバ装置SVから出力される情報を音声出力するスピーカを含む装置でもある。出力装置MT2は、監視者毎に所持可能なウェアラブルデバイスまたはスマートグラスなどであってもよい。出力装置MT2は、表示装置、音声出力装置または出力装置の一例である。監視者は、出力装置MT2で出力される情報を確認することができる。管理者端末OTは、Webサーバ装置SVに接続されている。管理者端末OTは、管理者によるWebサーバ装置SVに対する種々の設定を入力する端末である。
【0026】
(2)Webサーバ装置SV
図2は、Webサーバ装置SVのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
Webサーバ装置SVは、制御部1と、プログラム記憶部2と、データ記憶部3と、入出力I/F(インタフェース)4と、通信I/F5とを備える。Webサーバ装置SVを構成する各要素は、バス6を介して、互いに接続されている。
【0027】
制御部1は、Webサーバ装置SVの中枢部分に相当する。制御部1は、中央処理ユニット(Central Processing Unit:CPU)等のハードウェアプロセッサを有する。制御部1は、不揮発性のメモリ領域としてROM(Read Only Memory)を有する。制御部1は、揮発性のメモリ領域としてRAM(Random Access Memory)を有する。
【0028】
プログラム記憶部2は、記憶媒体としてHDD(Hard Disk Drive)またはSSD(Solid State Drive)等の随時書込み及び読出しが可能な不揮発性メモリで構成される。プログラム記憶部2は、各種制御処理を実行するために必要なプログラムを記憶する。例えば、プログラム記憶部2は、情報処理プログラムを記憶する。
【0029】
データ記憶部3は、記憶媒体としてHDDまたはSSD等の随時書込み及び読出しが可能な不揮発性メモリで構成される。データ記憶部3は、管理データ31と、検知履歴データ32と、管理テーブル33と、検知履歴テーブル34と、カメラ情報テーブル35と、エリア情報テーブル36を記憶する。
【0030】
管理データ31は、各監視対象者の登録画像データを含む。監視対象者の登録画像データは、少なくとも発熱状態が「発熱あり」またはマスク着用状態が「マスク不着用」である人物の第1の人物画像データに対応する。例えば、監視対象者の登録画像データは、発熱状態が「発熱あり」である人物の第1の人物画像データに対応する。監視対象者の登録画像データは、マスク着用状態が「マスク不着用」である人物の第1の人物画像データに対応する。監視対象者の登録画像データは、発熱状態及びマスク着用状態の組み合わせが「発熱なし」かつ「マスク不着用」、「発熱あり」かつ「マスク着用」、または、「発熱あり」かつ「マスク不着用」である人物の第1の人物画像データに対応する。以下では、発熱状態及びマスク着用状態の組み合わせを、状態の組み合わせともいう。登録画像データは、Webサーバ装置SVだけでなく、映像解析エンジンVE1~VEnによっても利用され得る。登録画像データは、監視対象者IDと関連付けられている。監視対象者IDは、監視対象者毎に与えられるIDである。監視対象者IDは、適宜設定され得る。監視対象者IDは、監視対象者となる人物の人物IDに対応してもよい。管理データ31は、登録画像データの追加または削除に基づいて更新され得る。
【0031】
検知履歴データ32は、各監視対象者の検知画像データを含む。検知画像データは、後述するように制御部1によって監視対象者を検知された第2の人物画像データを含む。検知画像データは、監視対象者の登録画像データとして登録された第1の人物画像データの基となる第2の撮像画像データを含んでいてもよい。検知画像データは、第2の人物画像データの基となる第2の撮像画像データを含んでいてもよい。検知画像データは、監視対象者IDと関連付けられている。検知履歴データ32は、検知画像データの追加または削除に基づいて更新され得る。
【0032】
管理テーブル33は、監視対象者ID、監視対象者名称、監視対象者の発熱状態を示す情報及び監視対象者のマスク着用状態を示す情報などを互いに関連付けた監視対象者ID毎のレコードを管理する。監視対象者IDは、監視対象者となる人物の人物IDに対応してもよい。監視対象者名称は、監視対象者の氏名などの名称である。監視対象者名称は、適宜設定され得る。監視対象者の発熱状態を示す情報は、監視対象者の「発熱あり」を示す情報または「発熱なし」を示す情報である。なお、発熱状態が判定されない場合、監視対象者の発熱状態を示す情報は、登録されない。監視対象者のマスク着用状態を示す情報は、監視対象者の「マスク着用」を示す情報または「マスク不着用」を示す情報である。なお、マスク着用状態が判定されない場合、監視対象者のマスク着用状態を示す情報は、登録されない。管理テーブル33は、レコードを構成するデータの更新に基づいて更新され得る。管理テーブル33は、レコードの追加または削除に基づいて更新され得る。
【0033】
検知履歴テーブル34は、検知ID、監視対象者ID、検知カメラID及び検知日時などを互いに関連付けた検知ID毎のレコードを管理する。検知IDは、検知画像データ毎に与えられるIDである。検知IDは、適宜設定され得る。検知カメラIDは、検知画像データを取得した監視カメラを識別するIDである。検知カメラIDは、カメラIDに対応する。カメラIDは、監視カメラC2-1~C2-nのそれぞれに与えられるIDである。カメラIDは、適宜設定され得る。検知日時は、後述するように制御部1によって第2の人物画像データに基づいて監視対象者を検知された日時である。制御部1によって第2の人物画像データに基づいて監視対象者を検知された日時は、監視カメラC2-1~C2-nの何れかの監視カメラによる第2の人物画像データの撮像日時に対応する。検知日時は、検知毎の日時である。検知履歴テーブル34は、レコードを構成するデータの更新に基づいて更新され得る。検知履歴テーブル34は、レコードの追加または削除に基づいて更新され得る。
【0034】
カメラ情報テーブル35は、カメラID及びカメラ名称などを互いに関連付けたカメラID毎のレコードを管理する。カメラ名称は、監視カメラに関する名称である。例えば、カメラ名称は、監視カメラの設置場所などの名称である。カメラ名称は、適宜設定され得る。カメラ情報テーブル35は、レコードを構成するデータの更新に基づいて更新され得る。カメラ情報テーブル35は、レコードの追加または削除に基づいて更新され得る。
【0035】
エリア情報テーブル36は、発熱状態及びマスク着用状態の少なくとも何れか一方に基づいて設定された進入不可エリアに関するエリア情報を管理する。例えば、エリア情報は、「発熱あり」の人物の進入不可エリア、「マスク不着用」の人物の進入不可エリア、「発熱なし」かつ「マスク不着用」の人物の進入不可エリア、「発熱あり」かつ「マスク着用」の人物の進入不可エリア、及び、「発熱あり」かつ「マスク不着用」の人物の進入不可エリアに関する情報を含む。以下では、「発熱なし」かつ「マスク不着用」の人物の進入不可エリアを第1の進入不可エリアともいう。「発熱あり」かつ「マスク着用」の人物の進入不可エリアを第2の進入不可エリアともいう。「発熱あり」かつ「マスク不着用」の人物の進入不可エリアを第3の進入不可エリアともいう。エリア情報は、第1の進入不可エリア、第2の進入不可エリア及び第3の進入不可エリアが施設内のどのエリアに対応するのかを示していればよい。
【0036】
第1の進入不可エリアは、施設内の1以上のエリアに設定され得る。例えば、第1の進入不可エリアは、人が密集し易いイベントスペース、高齢者が滞在しやすいエリア及びキッズスペースなどのエリアに設定される。第2の進入不可エリアは、施設内の1以上のエリアに設定され得る。例えば、第2の進入不可エリアは、病院の診察エリアまたは感染者受付エリアなど「発熱あり」かつ「マスク着用」の人物が通常来る可能性の高いエリア以外のエリアに設定される。第3の進入不可エリアは、施設内の1以上のエリアに設定され得る。例えば、第3の進入不可エリアは、施設内の全てのエリアに設定される。第1の進入不可エリア、第2の進入不可エリア及び第3の進入不可エリアの何れも設定されていない施設内のエリアは、状態の組み合わせによらず、如何なる人物も進入可能なエリアである。第1の進入不可エリア、第2の進入不可エリア及び第3の進入不可エリアの2以上として設定された施設内のエリアがあってもよい。「発熱あり」の人物の進入不可エリア及び「マスク不着用」の人物の進入不可エリアも同様に施設内の1以上のエリアに設定され得る。
【0037】
エリア情報テーブル36は、第1の進入不可エリア及び1台以上の監視カメラのカメラIDを互いに関連付けたレコードを管理する。第1の進入不可エリアに関連付けられたカメラIDは、第1の進入不可エリアとして設定された施設内の1以上のエリアに設置された1台以上の監視カメラのカメラIDである。エリア情報テーブル36は、第2の進入不可エリア及び1台以上の監視カメラのカメラIDを互いに関連付けたレコードを管理する。第2の進入不可エリアに関連付けられたカメラIDは、第2の進入不可エリアとして設定された施設内の1以上のエリアに設置された1台以上の監視カメラのカメラIDである。エリア情報テーブル36は、第3の進入不可エリア及び1台以上の監視カメラのカメラIDを互いに関連付けたレコードを管理する。第3の進入不可エリアに関連付けられたカメラIDは、第3の進入不可エリアとして設定された施設内の1以上のエリアに設置された1台以上の監視カメラのカメラIDである。同様に、エリア情報テーブル36は、「発熱あり」の人物の進入不可エリア及び1台以上の監視カメラのカメラIDを互いに関連付けたレコードを管理する。エリア情報テーブル36は、「マスク不着用」の人物の進入不可エリア及び1台以上の監視カメラのカメラIDを互いに関連付けたレコードを管理する。
【0038】
施設内の各エリアに対する第1の進入不可エリア、第2の進入不可エリア及び第3の進入不可エリアの設定及び解除は適宜更新可能である。同様に、施設内の各エリアに対する「発熱あり」の人物の進入不可エリア及び「マスク不着用」の人物の進入不可エリアの設定及び解除は適宜更新可能である。エリア情報テーブル36は、レコードを構成するデータの更新に基づいて更新され得る。エリア情報テーブル36は、レコードの追加または削除に基づいて更新され得る。
【0039】
入出力I/F4は、出力装置MT及び管理者端末OTと接続するインタフェースで構成される。
通信I/F5は、制御部1の制御の下、ネットワークNWにより定義される通信プロトコルを使用して、サーマルカメラC1及び映像解析エンジンVE2-1~VE2-nとの間でデータを伝送する。通信I/F5は、制御部1の制御の下、出力装置MT1-1~MT1-nとの間でデータを伝送する。例えば、通信I/F5は、有線LANまたは無線LANに対応するインタフェースにより構成される。
【0040】
図3は、Webサーバ装置SVのソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。
制御部1は、第1の判定部11と、第2の判定部12と、出力部13と、記録部14と、検知部15と、判断部16とを備える。各部は、何れもプログラム記憶部2に格納された情報処理プログラムを制御部1のハードウェアプロセッサに実行させることにより実現される。各部は、ハードウェアプロセッサが備えるということもできる。各部は、各機能ということもできる。なお、下記で説明する各部は、制御部1またはハードウェアプロセッサと読み替え可能である。
【0041】
第1の判定部11は、サーマルカメラC1で取得される第1の撮像画像データに基づいて人物の発熱状態を判定する。
第2の判定部12は、監視カメラC2-1で取得される第2の撮像画像データに基づいて人物のマスク着用状態を判定する。
出力部13は、第1の判定部11による発熱状態に関する第1の判定結果及び第2の判定部12によるマスク着用状態に関する第2の判定結果の少なくとも何れか一方に基づいてアラートを出力する。第1の判定部11による発熱状態に関する第1の判定結果は、「発熱なし」または「発熱あり」を示す。第2の判定部12によるマスク着用状態に関する第2の判定結果は、「マスク着用」または「マスク不着用」を示す。以下では、第1の判定部11による発熱状態に関する第1の判定結果及び第2の判定部12によるマスク着用状態に関する第2の判定結果の組み合わせを、判定結果の組み合わせともいう。
【0042】
記録部14は、監視対象者のデータをデータ記憶部3に記録する。
検知部15は、監視対象者を検知する。検知部15は、同一の監視対象者を1回のみ検知することもある。検知部15は、同一の監視対象者を異なるタイミングで複数回検知することもある。検知部15は、同一の監視対象者を異なるタイミングに異なるエリアで検知することもある。検知部15は、検知に基づいて検知日時を取得する。
判断部16は、検知部15による監視対象者の検知に基づいて、監視対象者が進入不可エリアにいるか否かを判断する。
【0043】
(動作例)
次に、以上のように構成されたWebサーバ装置SVの動作例を説明する。
図4は、Webサーバ装置SVにより実行される人物の検知に基づく出力処理の処理手順と処理内容を示すフローチャートである。例えば、Webサーバ装置SVは、施設に入場する各人物に対して図4に例示する処理を行う。
【0044】
第1の判定部11は、サーマルカメラC1で取得される第1の撮像画像データに基づいて人物の発熱状態を判定する(ステップS1)。ステップS1では、例えば、第1の判定部11は、サーマルカメラC1から第1の撮像画像データを取得する。第1の判定部11は、第1の撮像画像データに基づいて、第1の撮像画像データに基づく画像に映る人物の顔の位置を認識し、人物の体温を推定する。第1の判定部11は、推定した体温に基づいて、発熱状態を判定する。第1の判定部11は、発熱状態として、「発熱あり」または「発熱なし」を判定する。なお、上述の人物の体温の推定処理はサーマルカメラC1のエンジンで行われてもよい。
【0045】
第2の判定部12は、監視カメラC2-1で取得される第2の撮像画像データに基づいて人物のマスク着用状態を判定する(ステップS2)。ステップS2では、例えば、第2の判定部12は、映像解析エンジンVE2-1から監視カメラC2-1に関連する第1の映像解析結果を取得する。第2の判定部12は、第1の映像解析結果に含まれるマスク着用状態を示す情報に基づいて、第1の判定部11により発熱状態を判定された人物のマスク着用状態を判定する。第1の判定部11により発熱状態を判定された人物と、第2の判定部12によりマスク着用状態を判定された人物は、以下のように同一人物と対応付けられてもよい。サーマルカメラC1の画角と監視カメラC2-1の画角は同じであるものとする。第1の撮像画像データに基づく画像の各座標と、第2の撮像画像データに基づく画像の各座標とは、撮影される位置毎に対応付けられている。第2の判定部12は、画像中の発熱状態を判定された人物の座標と、画像中のマスク着用状態を判定された人物の画像中の座標とを比較する。第2の判定部12は、比較に基づいて同じ位置にいる人物と判定した場合、マスク着用状態を判定された人物と発熱状態を判定された人物とを同一人物を判定する。なお、マスク着用状態を示す情報は、第2の撮像画像データに基づいて生成されている。そのため、マスク着用状態を示す情報に基づいて人物のマスク着用状態を判定することは、第2の撮像画像データに基づいて人物のマスク着用状態を判定することの一例である。
【0046】
なお、第2の判定部12は、映像解析エンジンVE1と同様の映像解析機能を有していてもよい。この場合、第2の判定部12は、監視カメラC2-1で取得される第2の撮像画像データを解析し、人物のマスク着用状態を判定してもよい。
【0047】
出力部13は、第1の判定結果及び第2の判定結果の少なくとも何れか一方に基づいてアラートを出力する(ステップS3)。ステップS3では、例えば、出力部13は、第1の判定結果、第2の判定結果、または、判定結果の組み合わせに応じたアラートを出力する。出力部13は、出力装置MT2にアラートを出力する。出力部13は、出力装置MT1-1~MT1-nのうちの少なくとも何れか一つにアラートを出力してもよい。
【0048】
出力部13は、判定対象の人物について判定結果の組み合わせが「発熱なし」かつ「マスク不着用」であることに基づいて第1のアラートを出力する。出力部13は、判定結果の組み合わせが「発熱あり」かつ「マスク着用」であることに基づいて第2のアラートを出力する。出力部13は、判定結果の組み合わせが「発熱あり」かつ「マスク不着用」であることに基づいて第3のアラートを出力する。出力部13は、判定結果の組み合わせが「発熱なし」かつ「マスク着用」である場合、アラートを出力しない。
【0049】
出力部13によるアラートの出力例について説明する。
例えば、出力部13は、「発熱なし」かつ「マスク不着用」の人物が検知されたことを示すメッセージを第1のアラートとして出力装置MT2へ出力する。表示されるメッセージは、視覚的に識別可能なメッセージであればよく、文字によるメッセージでもいいし、マークによるメッセージでもよい。出力装置MT2は、第1のアラートを音声により出力してもいいし表示により出力してもよい。出力部13は、「発熱なし」かつ「マスク不着用」の人物の位置を示すマップを第1のアラートとして出力装置MT2へ出力してもよい。出力装置MT2は、マップを表示により出力する。例えば、出力部13は、「発熱あり」かつ「マスク着用」の人物が検知されたことを示すメッセージを第2のアラートとして出力装置MT2へ出力する。出力部13は、「発熱あり」かつ「マスク着用」の人物の位置を示すマップを第2のアラートとして出力装置MT2へ出力してもよい。例えば、出力部13は、「発熱あり」かつ「マスク不着用」の人物が検知されたことを示すメッセージを第3のアラートとして出力装置MT2へ出力する。出力部13は、「発熱あり」かつ「マスク不着用」の人物の位置を示すマップを第3のアラートとして出力装置MT2へ出力してもよい。
【0050】
なお、感染症の拡散リスクは、「発熱なし」かつ「マスク不着用」の人物、「発熱あり」かつ「マスク着用」の人物、「発熱あり」かつ「マスク不着用」の人物の順に高くなり得る。特に、「発熱あり」かつ「マスク不着用」の人物は、施設への入場を断ることが好ましい。そのため、監視者が声掛けなどの対処をする優先度は、「発熱なし」かつ「マスク不着用」の人物、「発熱あり」かつ「マスク着用」の人物、「発熱あり」かつ「マスク不着用」の順で高くなり得る。出力部13は、第1のアラート、第2のアラート、第3のアラートの順に、アラートを出力する出力先の範囲(出力装置MT2を所持する監視者の数)を増やしてもよい。出力部13は、第1のアラート、第2のアラート、第3のアラートについて、アラートの出力態様を変えてもよい。出力部13は、第1のアラートの出力態様を表示出力のみとし、第2のアラートの出力態様を音声出力のみとし、第3のアラートの出力態様を表示出力と音声出力の両方としてもよい。
【0051】
同様に、出力部13は、「発熱あり」の人物が検知されたことを示すメッセージをアラートとして出力してもよい。出力部13は、「発熱あり」の人物の位置を示すマップをアラートとして出力してもよい。出力部13は、「マスク不着用」の人物が検知されたことを示すメッセージをアラートとして出力してもよい。出力部13は、「マスク不着用」の人物の位置を示すマップをアラートとして出力してもよい。
出力部13が出力するアラートの内容、出力先の範囲及び出力態様などは、上記に限定されるものではなく、適宜変更可能である。
【0052】
上述のように、Webサーバ装置SVは、発熱状態及びマスク着用状態の少なくとも何れか一方に基づいてアラートを出力する。典型例では、Webサーバ装置SVは、発熱状態、マスク着用状態、または、状態の組み合わせに応じたアラートを出力する。これにより、Webサーバ装置SVは、発熱状態及びマスク着用状態の少なくとも何れか一方を利用して、各人物の感染症の拡散リスクに応じた報知を実現することが可能となる。監視者は、検知された人物の感染症の拡散リスクの度合いに応じた対処をすることができる。例えば、監視者は、「発熱あり」かつ「マスク不着用」の人物が施設に入場しないように、人数をかけて追跡することができる。監視者は、「発熱なし」かつ「マスク不着用」の人物または「発熱あり」かつ「マスク着用」の人物に対して人数をかけずに対処することができる。監視者は、「発熱あり」の人物、「マスク不着用」の人物、「発熱なし」かつ「マスク不着用」の人物または「発熱あり」かつ「マスク着用」の人物よりも、「発熱あり」かつ「マスク不着用」の人物を優先して対処することができる。
【0053】
なお、出力部13は、監視カメラC2-1の位置から出力装置MT1-1~MT1-nのそれぞれまでの距離に応じたアラートを出力装置MT1-1~MT1-nに出力してもよい。この例では、出力部13は、監視カメラC2-1の位置の近傍に設置された出力装置MT1-1に、少なくとも「発熱あり」または「マスク不着用」の人物が検知されたことを示すメッセージをアラートとして出力する。他方、出力部13は、出力装置MT1-2~MT1-nのうちの少なくとも何れか一つに、少なくとも「発熱あり」または「マスク不着用」の人物の位置を示すマップをアラートとして出力する。
【0054】
判定結果の組み合わせが「発熱あり」かつ「マスク不着用」である場合を例にして説明する。出力部13は、監視カメラC2-1の位置の近傍に設置された出力装置MT1-1に、「発熱あり」かつ「マスク不着用」の人物が検知されたことを示すメッセージをアラートとして出力する。他方、出力部13は、出力装置MT1-2~MT1-nのうちの少なくとも何れか一つに、「発熱あり」かつ「マスク不着用」の人物の位置を示すマップをアラートとして出力する。
【0055】
つまり、出力部13は、第1の出力装置及び第2の出力装置のうち監視カメラC2-1の位置に近い出力装置に、少なくとも「発熱あり」または「マスク不着用」の人物が検知されたことを示すメッセージをアラートとして出力する。例えば、出力部13は、第1の出力装置及び第2の出力装置のうち監視カメラC2-1の位置に近い出力装置に、「発熱あり」かつ「マスク不着用」の人物が検知されたことを示すメッセージをアラートとして出力する。第1の出力装置及び第2の出力装置は、出力装置MT1-1~MT1-nのうちの出力装置である。例えば、監視カメラC2-1の位置に近い出力装置は、監視カメラC2-1の位置の近傍に設置された出力装置MT1-1である。出力部13は、第1の出力装置及び第2の出力装置のうち監視カメラC2-1の位置から遠い出力装置に、少なくとも「発熱あり」または「マスク不着用」の人物の位置を示すマップをアラートとして出力する。例えば、出力部13は、第1の出力装置及び第2の出力装置のうち監視カメラC2-1の位置から遠い出力装置に、「発熱あり」かつ「マスク不着用」の人物の位置を示すマップをアラートとして出力する。例えば、監視カメラC2-1の位置から遠い出力装置は、出力装置MT1-2~MT1-nのうちの何れかの出力装置である。この例では、Webサーバ装置SVは、監視カメラC2-1~C2-nのそれぞれと出力装置MT1-1~MT1-nのそれぞれとの対応を示す情報を記憶していてもよい。Webサーバ装置SVは、監視カメラC2-1~C2-n同士の位置関係(距離)を示す情報を記憶していてもよい。
【0056】
この例によれば、Webサーバ装置SVは、感染症の拡散リスクのある人物が検知されたことを、検知場所にいる他の人へリアルタイムで通知することができる。これにより、感染症の拡散リスクのある人物の近くにいる人は、自身の近くにいる感染症の拡散リスクのある人物に対して警戒することができる。Webサーバ装置SVは、感染症の拡散リスクのある人物の位置を、感染症の拡散リスクのある人物の検知場所から離れた場所にいる人へリアルタイムで通知することができる。これにより、施設内の各人は、感染症の拡散リスクのある人物の検知場所に近付かないようにすることができる。
【0057】
図5は、Webサーバ装置SVにより実行される監視対象者の追跡に基づく出力処理の処理手順と処理内容を示すフローチャートである。
【0058】
記録部14は、判定対象の人物について少なくとも発熱状態が「発熱あり」またはマスク着用状態が「マスク不着用」であるか否かを判断する(ステップS11)。少なくとも発熱状態が「発熱あり」またはマスク着用状態が「マスク不着用」ではない場合(ステップS11、NO)、処理は、終了する。つまり、「発熱なし」の人物、「マスク着用」の人物及び「発熱なし」かつ「マスク着用」の人物は、監視対象者とはならない。少なくとも発熱状態が「発熱あり」またはマスク着用状態が「マスク不着用」である場合(ステップS11、YES)、処理は、ステップS11からステップS12へ遷移する。少なくとも発熱状態が「発熱あり」またはマスク着用状態が「マスク不着用」である場合は、発熱状態が「発熱あり」、マスク着用状態が「マスク不着用」、または、発熱状態及びマスク着用状態の組み合わせが「発熱なし」かつ「マスク不着用」、「発熱あり」かつ「マスク着用」、もしくは、「発熱あり」かつ「マスク不着用」である場合である。
【0059】
記録部14は、少なくとも発熱状態が「発熱あり」またはマスク着用状態が「マスク不着用」である人物を監視対象者として登録する(ステップS12)。ステップS12では、例えば、記録部14は、第1の判定結果及び第2の判定結果の少なくとも何れか一方に基づいて、第1の映像解析結果に含まれる第1の人物画像データを監視対象者の登録画像データとして管理データ31に記録する。記録部14は、第1の映像解析結果に含まれる第1の人物画像データの基となる第2の撮像画像データを検知画像データとして検知履歴データ32に記録してもよい。記録部14は、第1の判定結果及び第2の判定結果の少なくとも何れか一方に基づいて、監視対象者の発熱状態を示す情報及び監視対象者のマスク着用状態を示す情報の少なくとも何れか一方を管理テーブル33に記録する。
【0060】
検知部15は、監視対象者を検知する(ステップS13)。ステップS13では、例えば、検知部15は、記録部14による監視対象者の登録後に、映像解析エンジンVE1~VEnの何れかから第2の映像解析結果を取得する。第2の映像解析結果は、監視カメラC2-1~C2-nの何れかで取得される第2の撮像画像データに基づくものである。検知部15は、第2の映像解析結果に含まれる類似度を閾値と比較する。閾値は、第2の映像解析結果に含まれる第2の人物画像データに映る人物を監視対象者とみなすか否かを判定するための基準値である。閾値は、適宜設定可能である。類似度が閾値以上である場合、検知部15は、第2の人物画像データに映る人物を監視対象者として検知する。なお、類似度は、第2の人物画像データ及び監視対象者の登録画像データに基づいて生成されている。そのため、類似度に基づいて監視対象者を検知することは、第2の撮像画像データ及び監視対象者の登録画像データに基づいて監視対象者を検知することの一例である。
【0061】
なお、検知部15は、映像解析エンジンVE1~VEnと同様の映像解析機能を有していてもよい。この場合、検知部15は、監視カメラC2-1~C2-nの何れかで取得される第2の撮像画像データを解析し、監視対象者を検知してもよい。
【0062】
記録部14は、検知部15による監視対象者の検知に基づいて、以下に例示するように、監視対象者のデータをデータ記憶部3に記録する。記録部14は、監視対象者の映る第2の人物画像データを検知画像データとして、監視対象者IDに関連付けて検知履歴データ32に記録する。記録部14は、監視対象者の映る第2の人物画像データの基となる第2の撮像画像データを検知画像データとして、監視対象者IDに関連付けて検知履歴データ32に記録してもよい。記録部14は、検知部15による監視対象者の検知に基づいて、検知ID、監視対象者ID、検知カメラID及び検知日時を互いに関連付けたレコードを検知履歴テーブル34に追加する。記録部14は、第2の映像解析結果に含まれる監視対象者IDを用いる。記録部14は、第2の映像解析結果に含まれるカメラIDを検知カメラIDとして用いる。記録部14は、検知部15により取得された検知日時を用いる。記録部14は、検知部15が監視対象者を検知する毎に、レコードを検知履歴テーブル34に追加する。
【0063】
第2の判定部12は、検知部15による監視対象者の検知に基づいて、検知部15による監視対象者の検知に関連する第2の撮像画像データに基づいて監視対象者のマスク着用状態を判定する(ステップS14)。ステップS14では、例えば、第2の判定部12は、検知部15による監視対象者の検知に用いられた第2の映像解析結果に含まれるマスク着用状態を示す情報に基づいて監視対象者のマスク着用状態を判定する。検知部15による監視対象者の検知に関連する第2の撮像画像データは、検知部15により検知された監視対象者の映る第2の撮像画像データである。なお、マスク着用状態を示す情報は、監視対象者となる人物の検知に関連する第2の撮像画像データに基づいて生成されている。監視対象者となる人物の検知に関連する第2の撮像画像データは、監視対象者となる人物の映る第2の撮像画像データである。そのため、マスク着用状態を示す情報に基づいて監視対象者のマスク着用状態を判定することは、第2の撮像画像データに基づいて監視対象者のマスク着用状態を判定することの一例である。
なお、第2の判定部12は、映像解析エンジンVE1~VEnと同様の映像解析機能を有していてもよい。この場合、第2の判定部12は、監視カメラC2-1~C2-nの何れかで取得される第2の撮像画像データを解析し、監視対象者のマスク着用状態を判定してもよい。
【0064】
記録部14は、監視対象者のマスク着用状態が変わったか否かを判断する(ステップS15)。ステップS15では、例えば、記録部14は、第2の判定部12による監視対象者についての第2の判定結果を管理テーブル33に記憶された監視対象者のマスク着用状態を示す情報と比較する。第2の判定結果が管理テーブル33に記憶された監視対象者のマスク着用状態を示す情報と異なる場合、記録部14は、監視対象者のマスク着用状態が変わったと判断する。他方、第2の判定結果が管理テーブル33に記憶された監視対象者のマスク着用状態を示す情報と同じである場合、記録部14は、監視対象者のマスク着用状態が変わっていないと判断する。監視対象者のマスク着用状態が変わった場合(ステップS15、YES)、処理は、ステップS15からステップS16へ遷移する。監視対象者のマスク着用状態が変わっていない場合(ステップS15、NO)、処理は、ステップS15からステップS17へ遷移する。
【0065】
記録部14は、監視対象者のマスク着用状態が変わった場合、管理テーブル33に記憶された監視対象者のマスク着用状態を示す情報を更新する(ステップS16)。ステップS16では、例えば、記録部14は、ステップS14で第2の判定部12により判定されたマスク着用状態に対応するように、管理テーブル33に記憶された監視対象者のマスク着用状態を示す情報を更新する。
【0066】
判断部16は、検知部15による監視対象者の検知に基づいて、エリア情報並びに監視対象者の発熱状態を示す情報及び監視対象者のマスク着用状態を示す情報の少なくとも何れか一方に基づいて監視対象者が進入不可エリアにいるか否かを判断する(ステップS17)。ステップS17では、例えば、判断部16は、管理テーブル33から監視対象者の発熱状態を示す情報及び監視対象者のマスク着用状態を示す情報の少なくとも何れか一方を取得する。ここでは、管理テーブル33に監視対象者の発熱状態を示す情報及び監視対象者のマスク着用状態を示す情報の両方が登録されている場合、判断部16は、両方の情報を取得する。管理テーブル33に監視対象者の発熱状態を示す情報または監視対象者のマスク着用状態を示す情報が登録されている場合、判断部16は、登録されている一方の情報を取得する。判断部16は、監視対象者の発熱状態を示す情報及び監視対象者のマスク着用状態を示す情報の少なくとも何れか一方に基づいて、監視対象者の状態または状態の組み合わせを判断する。判断部16は、監視対象者の状態または状態の組み合わせをエリア情報テーブル36に記憶されたエリア情報と比較する。判断部16は、比較に基づいて、監視対象者を対象とした進入不可エリアを判断する。例えば、判断部16は、監視対象者の状態の組み合わせに基づいて、監視対象者を対象とした進入不可エリアが第1の進入不可エリア、第2の進入不可エリアまたは第3の進入不可エリアの何れであるのかを判断する。
【0067】
判断部16は、エリア情報テーブル36において、第2の映像解析結果に含まれるカメラIDが監視対象者を対象とした進入不可エリアに関連付けられているか否かを判断する。判断部16は、第2の映像解析結果に含まれるカメラIDが監視対象者を対象とした進入不可エリアに関連付けられているか否かに応じて、監視対象者が進入不可エリアにいるか否かを判断する。第2の映像解析結果に含まれるカメラIDが監視対象者を対象とした進入不可エリアに関連付けられている場合、判断部16は、監視対象者が進入不可エリアにいると判断する。第2の映像解析結果に含まれるカメラIDが監視対象者を対象とした進入不可エリアに関連付けられてない場合、判断部16は、監視対象者が進入不可エリアにいないと判断する。
【0068】
監視対象者が進入不可エリアにいる場合(ステップS17、YES)処理は、ステップS17からステップS18へ遷移する。監視対象者が進入不可エリアにいない場合(ステップS17、NO)処理は、終了する。
【0069】
出力部13は、判断部16により監視対象者が進入不可エリアにいると判断されたことに基づいて、アラートを出力する(ステップS18)。ステップS18では、例えば、出力部13は、出力装置MT2に、進入不可エリアにおける監視対象者の検知に関するアラートを出力する。出力部13は、出力装置MT1-1~MT1-nのうちの少なくとも何れか一つにアラートを出力してもよい。例えば、出力部13は、監視対象者が進入不可エリアにいることを示すメッセージをアラートとして出力する。例えば、出力部13は、進入不可エリアにいる監視対象者の位置を示すマップをアラートとして出力する。
【0070】
出力部13は、監視対象者の発熱状態、マスク着用状態及び状態の組み合わせに応じたアラートを出力してもよい。この例では、出力部13は、「発熱なし」かつ「マスク不着用」の監視対象者が第1の進入不可エリアにいることを示すメッセージをアラートとして出力してもよい。出力部13は、第1の進入不可エリアにいる「発熱なし」かつ「マスク不着用」の監視対象者の位置を示すマップをアラートとして出力してもよい。出力部13は、「発熱あり」かつ「マスク着用」の監視対象者が第2の進入不可エリアにいることを示すメッセージをアラートとして出力してもよい。出力部13は、第2の進入不可エリアにいる「発熱あり」かつ「マスク着用」の監視対象者の位置を示すマップをアラートとして出力してもよい。出力部13は、「発熱あり」かつ「マスク不着用」の監視対象者が第3の進入不可エリアにいることを示すメッセージをアラートとして出力してもよい。出力部13は、第3の進入不可エリアにいる「発熱あり」かつ「マスク不着用」の監視対象者の位置を示すマップをアラートとして出力してもよい。出力部13は、「発熱あり」の監視対象者または「マスク不着用」の監視対象者についても同様にメッセージまたはマップをアラートとして出力してもよい。出力部13は、監視対象者の状態または状態の組み合わせに応じて、アラートを出力する出力先の範囲(出力装置MT2を所持する監視者の数)を増やしてもよい。出力部13は、監視対象者の状態の組み合わせに応じて、アラートの出力態様を変えてもよい。
【0071】
なお、出力部13が出力するアラートの内容、出力先の範囲及び出力態様などは、上記に限定されるものではなく、適宜変更可能である。
【0072】
上述のように、Webサーバ装置SVは、監視対象者が進入不可エリアにいると判断されたことに基づいて、アラートを出力する。これにより、Webサーバ装置SVは、監視対象者の状態または状態の組み合わせに応じた追跡を実現することが可能となる。監視者は、進入不可エリアへの進入を判断された監視対象者の感染症の拡散リスクの度合いに応じた対処をすることができる。例えば、監視者は、「発熱あり」かつ「マスク不着用」の監視対象者が進入不可エリアから出るように人数をかけて早急に対処することができる。監視者は、「発熱なし」かつ「マスク不着用」の監視対象者または「発熱あり」かつ「マスク着用」の監視対象者に対して人数をかけずに対処することができる。監視者は、「発熱あり」の監視対象者、「マスク不着用」の監視対象者、「発熱なし」かつ「マスク不着用」の監視対象者または「発熱あり」かつ「マスク着用」の監視対象者よりも、「発熱あり」かつ「マスク不着用」の監視対象者を優先して対処することができる。
【0073】
なお、出力部13は、監視対象者の検知に関連する第2の撮像画像データを取得した監視カメラの位置から出力装置MT1-1~MT1-nのそれぞれまでの距離に応じたアラートを出力装置MT1-1~MT1-nに出力してもよい。監視対象者の検知に関連する第2の撮像画像データを取得した監視カメラは、監視対象者の映る第2の撮像画像データを取得した監視カメラである。以下では、監視対象者の検知に関連する第2の撮像画像データを取得した監視カメラを、監視対象者を撮影した監視カメラともいう。この例では、出力部13は、監視対象者を撮影した監視カメラの位置の近傍に設置された出力装置に、監視対象者が進入不可エリアにいることを示すメッセージをアラートとして出力する。他方、出力部13は、監視対象者を撮影した監視カメラとは異なる1以上の監視カメラの位置の近傍に設置された1以上の出力装置に、進入不可エリアにいる監視対象者の位置を示すマップをアラートとして出力する。
【0074】
監視対象者が「発熱あり」かつ「マスク不着用」の人物である場合を例にして説明する。出力部13は、監視対象者を撮影した監視カメラの位置の近傍に設置された出力装置に、「発熱あり」かつ「マスク不着用」の監視対象者が第3の進入不可エリアにいることを示すメッセージをアラートとして出力する。他方、出力部13は、監視対象者を撮影した監視カメラとは異なる1以上の監視カメラの位置の近傍に設置された1以上の出力装置に、第3の進入不可エリアにいる「発熱あり」かつ「マスク不着用」の監視対象者の位置を示すマップをアラートとして出力する。
【0075】
つまり、出力部13は、第1の出力装置及び第2の出力装置のうち監視対象者を撮影した監視カメラの位置に近い出力装置に、進入不可エリアに少なくとも「発熱あり」または「マスク不着用」の監視対象者がいることを示すメッセージをアラートとして出力する。例えば、出力部13は、第1の出力装置及び第2の出力装置のうち監視対象者を撮影した監視カメラの位置に近い出力装置に、第3の進入不可エリアに「発熱あり」かつ「マスク不着用」の監視対象者がいることを示すメッセージをアラートとして出力する。第1の出力装置及び第2の出力装置は、出力装置MT1-1~MT1-nのうちの出力装置である。例えば、監視対象者を撮影した監視カメラの位置に近い出力装置は、監視対象者を撮影した監視カメラの位置の近傍に設置された出力装置である。出力部13は、第1の出力装置及び第2の出力装置のうち監視対象者を撮影した監視カメラの位置から遠い出力装置に、進入不可エリアにいる少なくとも「発熱あり」または「マスク不着用」の監視対象者の位置を示すマップをアラートとして出力する。例えば、出力部13は、第1の出力装置及び第2の出力装置のうち監視対象者を撮影した監視カメラの位置から遠い出力装置に、第3の進入不可エリアにいる「発熱あり」かつ「マスク不着用」の監視対象者の位置を示すマップをアラートとして出力する。例えば、監視対象者を撮影した監視カメラの位置から遠い出力装置は、監視対象者を撮影した監視カメラとは異なる監視カメラの位置の近傍に設置された出力装置である。
【0076】
この例によれば、Webサーバ装置SVは、感染症の拡散リスクのある監視対象者が進入不可エリアにいることを、このエリアにいる他の人へリアルタイムで通知することができる。これにより、感染症の拡散リスクのある監視対象者の近くにいる人は、自身の近くにいる感染症の拡散リスクのある監視対象者に対して警戒することができる。Webサーバ装置SVは、感染症の拡散リスクのある監視対象者の位置を、感染症の拡散リスクのある監視対象者の検知場所から離れた場所にいる人へリアルタイムで通知することができる。これにより、施設内の各人は、感染症の拡散リスクのある監視対象者の検知場所に近付かないようにすることができる。
【0077】
なお、図5に示すフローチャートのステップS14~S16の処理は省略されてもよい。この例では、Webサーバ装置SVは、監視対象者の登録後に、監視対象者のマスク着用状態の判定を行わなくてもよい。
【0078】
情報処理装置は、上記の例で説明したように1つの装置で実現されてもよいし、機能を分散させた複数の装置で実現されてもよい。
【0079】
プログラムは、装置に記憶された状態で譲渡されてよいし、装置に記憶されていない状態で譲渡されてもよい。後者の場合は、プログラムは、ネットワークを介して譲渡されてよいし、記録媒体に記録された状態で譲渡されてもよい。記録媒体は、非一時的な有形の媒体である。記録媒体は、コンピュータ可読媒体である。記録媒体は、CD-ROM、メモリカード等のプログラムを記憶可能かつコンピュータで読取可能な媒体であればよく、その形態は問わない。
【0080】
以上、本発明の実施形態を詳細に説明してきたが、前述までの説明はあらゆる点において本発明の例示に過ぎない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。つまり、本発明の実施にあたって、実施形態に応じた具体的構成が適宜採用されてもよい。
【0081】
要するにこの発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
以下に、当初の特許請求の範囲の記載を付記する。
[1]
第1のカメラからの画像データに基づいて人物の発熱状態を判定する第1の判定部と、
第2のカメラからの画像データに基づいて前記人物のマスク着用状態を判定する第2の判定部と、
前記第1の判定部による発熱状態に関する第1の判定結果及び前記第2の判定部によるマスク着用状態に関する第2の判定結果の少なくとも何れか一方に基づいてアラートを出力する出力部と、
を備える情報処理装置。
[2]
前記出力部は、前記人物についての前記第1の判定結果、前記第2の判定結果、または、前記第1の判定結果及び前記第2の判定結果の組み合わせに応じたアラートを出力する、[1]に記載の情報処理装置。
[3]
前記出力部は、第1の出力装置及び第2の出力装置のうち前記第2のカメラの位置に近い出力装置に、少なくとも発熱ありまたはマスク不着用の人物が検知されたことを示すメッセージを前記アラートとして出力する、[1]に記載の情報処理装置。
[4]
発熱状態及びマスク着用状態の少なくとも何れか一方に基づいて設定された進入不可エリアに関するエリア情報を記憶する記憶部と、
前記人物についての前記第1の判定結果及び前記第2の判定結果の少なくとも何れか一方に基づいて前記人物の画像データを監視対象者の画像データとして前記記憶部に記録し、前記監視対象者の発熱状態を示す情報及び前記監視対象者のマスク着用状態を示す情報の少なくとも何れか一方を前記記憶部に記録する記録部と、
前記第2のカメラを含む複数の第2のカメラからの画像データ及び前記記憶部に記憶された前記監視対象者の画像データに基づいて前記監視対象者を検知する検知部と、
前記検知部による前記監視対象者の検知に基づいて、前記記憶部に記憶された前記エリア情報並びに前記監視対象者の発熱状態を示す情報及び前記監視対象者のマスク着用状態を示す情報の少なくとも何れか一方に基づいて前記監視対象者が進入不可エリアにいるか否かを判断する判断部と、
をさらに備え、
前記出力部は、前記判断部により前記監視対象者が進入不可エリアにいると判断されたことに基づいて、アラートを出力する、
[1]に記載の情報処理装置。
[5]
前記出力部は、前記判断部により前記監視対象者が進入不可エリアにいると判断されたことに基づいて、前記監視対象者の発熱状態、マスク着用状態、並びに、発熱状態及びマスク着用状態の組み合わせに応じたアラートを出力する、[4]記載の情報処理装置。
[6]
前記第2の判定部は、前記検知部による前記監視対象者の検知に基づいて、前記検知部による前記監視対象者の検知に関連する画像データに基づいて前記監視対象者のマスク着用状態を判定し、
前記記録部は、前記第2の判定部による前記監視対象者についての前記第2の判定結果が前記記憶部に記憶された前記監視対象者のマスク着用状態を示す情報と異なる場合、前記記憶部に記憶された前記監視対象者のマスク着用状態を示す情報を更新する、
[4]に記載の情報処理装置。
[7]
第1のカメラからの画像データに基づいて人物の発熱状態を判定することと、
第2のカメラからの画像データに基づいて前記人物のマスク着用状態を判定すること、
発熱状態に関する第1の判定結果及びマスク着用状態に関する第2の判定結果の少なくとも何れか一方に基づいてアラートを出力することと、
情報処理方法。
[8]
[1]乃至[6]の何れかの情報処理装置が備える各部による処理をコンピュータに実行させる情報処理プログラム。
【符号の説明】
【0082】
SV…Webサーバ装置
OT…管理者端末
MT1-1~MT1-n…出力装置
MT2…出力装置
NW…ネットワーク
C1…サーマルカメラ
C2-1~C2-n…監視カメラ
VE1~VEn…映像解析エンジン
1…制御部
2…プログラム記憶部
3…データ記憶部
4…入出力I/F
5…通信I/F
6…バス
11…第1の判定部
12…第2の判定部
13…出力部
14…記録部
15…検知部
16…判断部
31…管理データ
32…検知履歴データ
33…管理テーブル
34…検知履歴テーブル
35…カメラ情報テーブル
36…エリア情報テーブル
図1
図2
図3
図4
図5