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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-12
(45)【発行日】2024-07-23
(54)【発明の名称】液体噴射ヘッドおよび液体噴射記録装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/14 20060101AFI20240716BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20240716BHJP
【FI】
B41J2/14 611
B41J2/01 301
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020162448
(22)【出願日】2020-09-28
(65)【公開番号】P2022055075
(43)【公開日】2022-04-07
【審査請求日】2023-07-05
(73)【特許権者】
【識別番号】501167725
【氏名又は名称】エスアイアイ・プリンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001357
【氏名又は名称】弁理士法人つばさ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉田 憲右
【審査官】加藤 昌伸
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-051897(JP,A)
【文献】特開2006-332612(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01 - 2/215
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を噴射する噴射部と、
前記液体を噴射させるための駆動信号を出力する駆動デバイスと、
前記駆動デバイスから出力される前記駆動信号を伝送する第1配線と、前記第1配線に対して電気的に接続されると共に、前記噴射部側の端部領域において前記駆動信号の伝送方向に沿って延在する第1圧着電極と、を有する、1または複数の第1フレキシブル基板と、
前記駆動信号の伝送方向に沿って延在すると共に前記第1圧着電極と互いに圧着されて電気的に接続されており、前記第1圧着電極を介して伝送される前記駆動信号を前記噴射部側へ向けて伝送するための第2圧着電極と
を備え、
前記第1圧着電極における前記駆動信号の伝送方向に沿った長さである第1電極長が、前記第2圧着電極における前記駆動信号の伝送方向に沿った長さである第2電極長に対して、2倍超過の値となっており、
前記第1圧着電極は、
前記駆動信号の伝送方向に沿って並んで配置されており、前記第2圧着電極を圧着するための複数の圧着領域と、
前記複数の圧着領域同士の間に位置しており、前記第1フレキシブル基板が切断される際に前記複数の圧着領域同士を互いに切り離すための被切断領域と
を含んでいる
液体噴射ヘッド。
【請求項2】
前記第1圧着電極は、互いに異なる電位が印加される、第1電極配線および第2電極配線を更に含んでおり、
前記第1フレキシブル基板における第1面側では、前記第1電極配線および前記第2電極配線がそれぞれ、前記被切断領域を含んで配置されていると共に、
前記第1フレキシブル基板における第2面側では、前記第1面側における前記第1電極配線の配置領域内に位置する、前記被切断領域および前記駆動信号の伝送方向に沿ったその周辺領域にはそれぞれ、前記第2電極配線が配置されないようになっている
請求項に記載の液体噴射ヘッド。
【請求項3】
前記第1フレキシブル基板から前記噴射部へ向けて前記駆動信号を中継して伝送する、第2フレキシブル基板を更に備え、
前記第2フレキシブル基板は、
前記第1フレキシブル基板側の端部領域において前記駆動信号の伝送方向に沿って延在する、前記第2圧着電極と、
前記噴射部側の端部領域に配置されており、前記噴射部と電気的に接続される第3圧着電極と、
前記第2圧着電極と前記第3圧着電極との間を電気的に接続しており、前記駆動信号が伝送される第2配線と
を有している
請求項1または請求項2に記載の液体噴射ヘッド。
【請求項4】
前記駆動デバイスが、前記第1フレキシブル基板上に実装されている
請求項に記載の液体噴射ヘッド。
【請求項5】
前記第1フレキシブル基板における前記第1配線が、無電解めっき配線である
請求項に記載の液体噴射ヘッド。
【請求項6】
前記第2フレキシブル基板における前記第2配線が、電解めっき配線である
請求項または請求項に記載の液体噴射ヘッド。
【請求項7】
前記第1フレキシブル基板は、前記第1圧着電極と前記第2圧着電極とを互いに圧着させる際に個別に使用される、複数の位置決めマークを更に有しており、
前記複数の位置決めマークは、前記第1圧着電極付近において、前記駆動信号の伝送方向に沿って並んで配置されている
請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載の液体噴射ヘッド。
【請求項8】
請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載の液体噴射ヘッドを備えた
液体噴射記録装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、液体噴射ヘッドおよび液体噴射記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液体噴射ヘッドを備えた液体噴射記録装置が様々な分野に利用されており、液体噴射ヘッドとしては、各種方式のものが開発されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2002-321373号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような液体噴射ヘッドでは一般に、製造コストを低減することが求められている。液体噴射ヘッド全体の製造コストを低減することが可能な、液体噴射ヘッドおよび液体噴射記録装置を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一実施の形態に係る液体噴射ヘッドは、液体を噴射する噴射部と、液体を噴射させるための駆動信号を出力する駆動デバイスと、この駆動デバイスから出力される駆動信号を伝送する第1配線と、この第1配線に対して電気的に接続されると共に、噴射部側の端部領域において駆動信号の伝送方向に沿って延在する第1圧着電極と、を有する1または複数の第1フレキシブル基板と、駆動信号の伝送方向に沿って延在すると共に第1圧着電極と互いに圧着されて電気的に接続されており、第1圧着電極を介して伝送される駆動信号を噴射部側へ向けて伝送するための第2圧着電極と、を備えたものである。第1圧着電極における駆動信号の伝送方向に沿った長さである第1電極長が、第2圧着電極における駆動信号の伝送方向に沿った長さである第2電極長に対して、2倍超過の値となっている。また、上記第1圧着電極は、駆動信号の伝送方向に沿って並んで配置されており、上記第2圧着電極を圧着するための複数の圧着領域と、これら複数の圧着領域同士の間に位置しており、上記第1フレキシブル基板が切断される際に複数の圧着領域同士を互いに切り離すための被切断領域と、を含んでいる。
【0006】
本開示の一実施の形態に係る液体噴射記録装置は、上記本開示の一実施の形態に係る液体噴射ヘッドを備えたものである。
【発明の効果】
【0007】
本開示の一実施の形態に係る液体噴射ヘッドおよび液体噴射記録装置によれば、液体噴射ヘッド全体の製造コストを低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の一実施の形態に係る液体噴射装置の概略構成例を表すブロック図である。
図2図1に示した液体噴射ヘッドの概略構成例を模式的に表す斜視図である。
図3図2に示した液体噴射ヘッドの構成例を模式的に表す断面図である。
図4図2図3に示したフレキシブル基板の詳細構成例を模式的に表す分解した状態の平面図である。
図5図4に示した第2フレキシブル基板の詳細構成例を表す模式平面図である。
図6図4に示した第1フレキシブル基板の表面側の詳細構成例を表す模式平面図である。
図7図4に示した第1フレキシブル基板の裏面側の詳細構成例を表す模式平面図である。
図8】変形例に係る液体噴射ヘッドの概略構成例を表す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.実施の形態(中継用のフレキシブル基板を用いた場合の液体噴射ヘッドの例)
2.変形例(中継用のフレキシブル基板を用いない場合の液体噴射ヘッドの例)
3.その他の変形例
【0010】
<1.実施の形態>
[プリンタ5の概略構成]
図1は、本開示の一実施の形態に係る液体噴射記録装置としてのプリンタ5の概略構成例を、ブロック図で表したものである。図2は、図1に示した液体噴射ヘッドとしてのインクジェットヘッド1の概略構成例を、模式的に斜視図で表したものである。図3は、図2に示したインクジェットヘッド1の構成例を、模式的に断面図(Y-Z断面図)で表したものである。
【0011】
なお、本明細書の説明に用いられる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
【0012】
プリンタ5は、後述するインク9を利用して、被記録媒体(例えば、図1中に示した記録紙P)に対し、画像や文字等の記録(印刷)を行うインクジェットプリンタである。このプリンタ5は、図1に示したように、インクジェットヘッド1、印刷制御部2およびインクタンク3を備えている。
【0013】
なお、インクジェットヘッド1は、本開示における「液体噴射ヘッド」の一具体例に対応し、プリンタ5は、本開示における「液体噴射記録装置」の一具体例に対応している。また、インク9は、本開示における「液体」の一具体例に対応している。
【0014】
(A.印刷制御部2)
印刷制御部2は、インクジェットヘッド1に対して、各種の情報(データ)を供給するものである。具体的には図1に示したように、印刷制御部2は、インクジェットヘッド1内(後述する駆動デバイス41等)に対してそれぞれ、印刷制御信号Scを供給するようになっている。
【0015】
なお、この印刷制御信号Scには、例えば、画像データ、吐出タイミング信号、および、インクジェットヘッド1を動作させるための電源電圧等が、含まれるようになっている。
【0016】
(B.インクタンク3)
インクタンク3は、インク9を内部に収容するタンクである。このインクタンク3内のインク9は、図1に示したように、インク供給管30を介して、インクジェットヘッド1内(後述する噴射部11)へと供給されるようになっている。なお、このようなインク供給管30は、例えば、可撓性を有するフレキシブルホースにより構成されている。
【0017】
(C.インクジェットヘッド1)
インクジェットヘッド1は、図1中の破線の矢印で示したように、後述する複数のノズル孔Hnから記録紙Pに対して液滴状のインク9を噴射(吐出)して、画像や文字等の記録を行うヘッドである。このインクジェットヘッド1は、例えば図2図3に示したように、1つの噴射部11と、1つのI/F(インターフェース)基板12と、4つのフレキシブル基板13a,13b,13c,13dと、2つの冷却ユニット141,142とを、備えている。
【0018】
(C-1.I/F基板12)
I/F基板12は、図2図3に示したように、2つのコネクタ10と、4つのコネクタ120a,120b,120c,120dと、回路配置領域121とを、備えている。
【0019】
コネクタ10は、図2に示したように、印刷制御部2からインクジェットヘッド1(後述する各フレキシブル基板13a,13b,13c,13d)へ向けて供給される、前述した印刷制御信号Scを入力する部分(コネクタ部分)である。
【0020】
コネクタ120a,120b,120c,120dはそれぞれ、I/F基板12と、フレキシブル基板13a,13b,13c,13dとの間をそれぞれ、電気的に接続する部分(コネクタ部分)である。
【0021】
回路配置領域121は、I/F基板12上において各種の回路が配置されている領域である。なお、I/F基板12上の他の領域にも、このような回路配置領域が設けられているようにしてもよい。
【0022】
(C-2.噴射部11)
噴射部11は、図1に示したように、複数のノズル孔Hnを有しており、これらのノズル孔Hnからインク9を噴射する部分である。このようなインク9の噴射は、各フレキシブル基板13a,13b,13c,13d上の後述する駆動デバイス41から供給される駆動信号Sd(駆動電圧Vd)に従って、行われるようになっている(図1参照)。
【0023】
このような噴射部11は、図1に示したように、アクチュエータプレート111およびノズルプレート112を含んで構成されている。
【0024】
(ノズルプレート112)
ノズルプレート112は、ポリイミド等のフィルム材または金属材料により構成されたプレートであり、図1に示したように、上記した複数のノズル孔Hnを有している。これらのノズル孔Hnは、所定の間隔をおいて並んで形成されており、例えば円形状となっている。
【0025】
具体的には、図2に示した噴射部11の例では、ノズルプレート112内における複数のノズル孔Hnが、列方向(X軸方向)に沿ってそれぞれ配置された、複数のノズル列(4つのノズル列)により構成されている。また、これらの4つのノズル列同士は、列方向と直交する方向(Y軸方向)に沿って、並んで配置されている。
【0026】
(アクチュエータプレート111)
アクチュエータプレート111は、例えばPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)等の圧電材料により構成されたプレートである。このアクチュエータプレート111には、複数のチャネル(圧力室)が設けられている。これらのチャネルは、インク9に対して圧力を印加するための部分であり、所定の間隔をおいて互いに平行となるよう、並んで配置されている。各チャネルは、圧電体からなる駆動壁(不図示)によってそれぞれ画成されており、断面視にて凹状の溝部となっている。
【0027】
このようなチャネルには、インク9を吐出させるための吐出チャネルと、インク9を吐出させないダミーチャネル(非吐出チャネル)とが、存在している。言い換えると、吐出チャネルにはインク9が充填される一方、ダミーチャネルにはインク9が充填されないようになっている。なお、各吐出チャネルに対するインク9の充填は、例えば、そのような各吐出チャネルに共通して連通する流路(共通流路)を介して、行われるようになっている。また、各吐出チャネルは、ノズルプレート112におけるノズル孔Hnと個別に連通している一方、各ダミーチャネルは、ノズル孔Hnには連通しないようになっている。これらの吐出チャネルとダミーチャネルとは、前述した列方向(X軸方向)に沿って、交互に並んで配置されている。
【0028】
また、上記した駆動壁における対向する内側面にはそれぞれ、駆動電極が設けられている。この駆動電極には、吐出チャネルに面する内側面に設けられたコモン電極(共通電極)と、ダミーチャネルに面する内側面に設けられたアクティブ電極(個別電極)とが、存在している。これらの駆動電極と、後述する駆動デバイス41との間は、各フレキシブル基板13a,13b,13c,13dを介して、電気的に接続されている。これにより、各フレキシブル基板13a,13b,13c,13dを介して、駆動デバイス41から各駆動電極に対し、前述した駆動電圧Vd(駆動信号Sd)が印加されるようになっている(図1参照)。
【0029】
(C-3.フレキシブル基板13a,13b,13c,13d)
フレキシブル基板13a,13b,13c,13dはそれぞれ、図2図3に示したように、I/F基板12と噴射部11との間を電気的に接続する基板である。これらのフレキシブル基板13a,13b,13c,13dはそれぞれ、前述したノズルプレート112における4列のノズル列ごとのインク9の噴射動作を、個別に制御するようになっている。また、例えば図3中の符号P1a,P1b,P1c,P1dにて示したように、各フレキシブル基板13a,13b,13c,13dが噴射部11と接続する箇所付近(後述する第3圧着電極433付近)では、各フレキシブル基板13a,13b,13c,13dが、折り曲げられるようになっている。
【0030】
このようなフレキシブル基板13a,13b,13c,13d上にはそれぞれ、駆動デバイス41が個別に実装されている(図3参照)。これらの駆動デバイス41はそれぞれ、噴射部11における対応するノズル列内のノズル孔Hnからインク9を噴射させるための、駆動信号Sd(駆動電圧Vd)を出力するデバイスである。このような各駆動デバイス41は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等により構成されている。
【0031】
また、これらの各駆動デバイス41は、前述した冷却ユニット141,142によって冷却されるようになっている。具体的には図3に示したように、フレキシブル基板13a,13b上の駆動デバイス41同士の間に、冷却ユニット141が固定配置されており、この冷却ユニット141がこれらの駆動デバイス41に対してそれぞれ押し当てられることで、各駆動デバイス41が冷却されている。同様に、フレキシブル基板13c,13d上の駆動デバイス41同士の間に、冷却ユニット142が固定配置されており、この冷却ユニット142がこれらの駆動デバイス41に対してそれぞれ押し当てられることで、各駆動デバイス41が冷却されている。なお、このような冷却ユニット141,142はそれぞれ、各種方式の冷却機構を用いて構成することが可能である。
【0032】
[フレキシブル基板13a,13b,13c,13dの詳細構成]
続いて、図1図3に加えて図4図7を参照して、前述したフレキシブル基板13a,13b,13c,13dの詳細構成例について、説明する。なお、これらのフレキシブル基板13a,13b,13c,13dの詳細構成例はそれぞれ、基本的には同様であることから、以下では、フレキシブル基板13aの詳細構成例について、代表して説明する。
【0033】
図4は、図2図3に示したフレキシブル基板13aの詳細構成例を、模式的に分解した状態の平面図(Z-X平面図)で表したものである。図5は、図4に示した後述する第2フレキシブル基板132の詳細構成例を、模式的に平面図(Z-X平面図)で表したものである。図6は、図4に示した後述する第1フレキシブル基板131の表面S1側の詳細構成例を、模式的に平面図(Z-X平面図)で表したものであり、図7は、この第1フレキシブル基板131の裏面S2側の詳細構成例を、模式的に平面図(Z-X平面図)で表したものである。なお、図4図5中に示した、後述する第2圧着電極432の平面構成例は、後述する第1圧着電極321の平面構成例との対応関係を分かり易くするため、便宜上、表面S1側から透かして見た配置構成として、示している。同様に、図7に示した裏面S2側の平面構成例は、図6に示した表面S1側の平面構成例との対応関係を分かり易くするため、便宜上、表面S1側から透かして見た配置構成として、示している。
【0034】
まず、図4に示したように、フレキシブル基板13aは、駆動信号Sdの伝送方向(Z軸方向)に沿って配置された、2つのフレキシブル基板(第1フレキシブル基板131および第2フレキシブル基板132)により構成されている。第1フレキシブル基板131は、I/F基板12側に配置されており、第2フレキシブル基板132は、噴射部11側に配置されている。また、第2フレキシブル基板132は、図4に示したように、第1フレキシブル基板131から噴射部11へ向けて、駆動信号Sdを中継して伝送する基板(中継基板)である。
【0035】
(第1フレキシブル基板131)
第1フレキシブル基板131は、図4に示したように、接続電極130と、前述した駆動デバイス41と、第1配線421と、第1圧着電極431とを、備えている。また、駆動デバイス41は、図4に示した例では、第1フレキシブル基板131上(後述する表面S1側)に実装されている。
【0036】
接続電極130は、第1フレキシブル基板131におけるI/F基板12側の端部領域に配置されており、第1フレキシブル基板131とI/F基板12との間を、電気的に接続するための電極である。
【0037】
第1配線421は、図4に示したように、駆動デバイス41から出力される駆動信号Sdを、第1圧着電極431側に伝送する配線である。この第1配線421は、第1フレキシブル基板131の表面S1側に配置されている。
【0038】
第1圧着電極431は、図4に示したように、第1配線421に対して電気的に接続されており、第1フレキシブル基板131における噴射部11側(第2フレキシブル基板132側)の端部領域において、駆動信号Sdの伝送方向(Z軸方向)に沿って延在している。また、第1圧着電極431は、第1フレキシブル基板131の表面S1側に配置されている。この第1圧着電極431は、第2フレキシブル基板132における後述する第2圧着電極432との間で、例えばACF(Anisotropic Conductive Film:異方性導電フィルム)を用いた熱圧着によって、互いに電気的接続がなされるようになっている。
【0039】
なお、これらの第1配線421および第1圧着電極431の詳細構成例については、後述する。
【0040】
(第2フレキシブル基板132)
第2フレキシブル基板132は、図4に示したように、第2配線422と、第2圧着電極と、第3圧着電極433とを、備えている。
【0041】
第2配線422は、図4に示したように、第2圧着電極432と第3圧着電極433との間を電気的に接続しており、第2圧着電極432から第3圧着電極433へ向けて駆動信号Sdを伝送する配線である。この第2配線422は、第2フレキシブル基板132において第3圧着電極433側へ向けて、スルーホール等を介して裏面S2側から表面S1側へと配置されるようになっている。
【0042】
第2圧着電極432は、図4に示したように、第2フレキシブル基板132における第1フレキシブル基板131側の端部領域において、駆動信号Sdの伝送方向(Z軸方向)に沿って延在している。また、第2圧着電極432は、第2フレキシブル基板132の裏面S2側に配置されている。この第2圧着電極432は、前述したようにして、第1フレキシブル基板131上の第1圧着電極431と互いに圧着(熱圧着)されて、電気的に接続されている。そして、第2圧着電極432は、この第1圧着電極431を介して伝送される駆動信号Sdを、噴射部11側(第3圧着電極433側)へ向けて伝送するようになっている。
【0043】
第3圧着電極433は、図4に示したように、第2フレキシブル基板132における噴射部11側の端部領域において、駆動信号Sdの伝送方向(Z軸方向)に沿って延在している。また、第3圧着電極433は、第2フレキシブル基板132の表面S1側に配置されている。この第3圧着電極433は、噴射部11と互いに圧着(例えば、前述したACFを用いた熱圧着)されて、電気的に接続されている。そして、第3圧着電極433は、第2配線422を介して伝送される駆動信号Sdを、噴射部11(前述したアクチュエータプレート111内の駆動電極)に対して伝送するようになっている。
【0044】
なお、上記した第2配線422および第2圧着電極432の詳細構成例については、後述する。
【0045】
(圧着電極・配線等の詳細構成例)
ここで、本実施の形態では、例えば図4に示したように、上記した第1圧着電極431における駆動信号Sdの伝送方向(Z軸方向)に沿った長さ(第1電極長L1)が、上記した第2圧着電極432におけるZ軸方向に沿った長さ(第2電極長L2)に対して、2倍以上の値となっている(L1≧2×L2)。また、特に本実施の形態では、例えば図6図7に示したように、この第1電極長L1が、第2電極長L2に対して2倍超過の値となっている(L1>2×L2)。
【0046】
また、これらの図6図7に示した例では、第1圧着電極431が、駆動信号Sdの伝送方向(Z軸方向)に沿って、複数の圧着領域(この例では2つの圧着領域Ab1,Ab2)と、被切断領域Acとを、含んでいる。2つの圧着領域Ab1,Ab2はそれぞれ、Z軸方向に沿って並んで配置されており、第2圧着電極432を圧着するための領域である。被切断領域Acは、これら2つの圧着領域Ab1,Ab2の間に位置しており、詳細は後述するが、第1フレキシブル基板131が切断される際に、2つの圧着領域Ab1,Ab2同士を互いに切り離すための領域である。なお、これら2つの圧着領域Ab1,Ab2におけるZ軸方向に沿った長さ(圧着領域長)は、上記した第2電極長L2と同程度(基本的には同一)となっている。
【0047】
また、図5図7に示したように、第1圧着電極431は、電源電極配線431dおよびグランド電極配線431gを含んでおり、第2圧着電極432も同様に、電源電極配線432dおよびグランド電極配線432gを含んでいる。電源電極配線431d,432dはそれぞれ、所定の電源電位が印加される配線であり、グランド電極配線431g,432gはそれぞれ、グランド電位が印加される配線される。つまり、電源電極配線431dおよびグランド電極配線431gにはそれぞれ、互いに異なる電位が印加されると共に、電源電極配線432dおよびグランド電極配線432gにもそれぞれ、互いに異なる電位が印加されるようになっている。
【0048】
ここで、図5に示したように、電源電極配線432dおよびグランド電極配線432gはそれぞれ、X軸方向に沿って並んで配置された複数個ずつの単位で、X軸方向に沿って交互に配置されている。同様に、図6に示したように、電源電極配線431dおよびグランド電極配線431gはそれぞれ、第1フレキシブル基板131の表面S1側においては、X軸方向に沿って並んで配置された複数個ずつの単位で、X軸方向に沿って交互に配置されている。ちなみに、これら電源電極配線431d,432d同士、および、グランド電極配線431g,432g同士はそれぞれ、互いに圧着接続されることから、互いに同一の配置構造となっている。
【0049】
また、図6に示したように、この第1フレキシブル基板131の表面S1側では、電源電極配線431dおよびグランド電極配線431gはそれぞれ、前述した被切断領域Acを含みつつ、Z軸方向に沿って、第1フレキシブル基板131の端部に至るまで直線状に延在している。一方、図7に示したように、第1フレキシブル基板131の裏面S2側では、グランド電極配線431gのみが配置されており、電源電極配線431dは配置されないようになっている。なお、この第1フレキシブル基板131では、スルーホール領域Ahを介して、グランド電極配線431gの表面S1側と裏面S2側とが、互いに電気的に接続されている(図6図7参照)。また、この第1フレキシブル基板131の裏面S2側では、表面S1側における電源電極配線431dの配置領域Ad内に位置する、被切断領域AcおよびZ軸方向に沿ったその周辺領域にはそれぞれ、グランド電極配線431gが配置されないようになっている(図7中に示した非配置領域An参照)。つまり、この第1フレキシブル基板131の裏面S2側では、表面S1側における電源電極配線431dの配置領域Ad内において、被切断領域Acおよびその上方側には、所定の距離の分だけ離したうえで、グランド電極配線431gが配置されている。また、この第1フレキシブル基板131の裏面S2側では、図7に示したように、第2フレキシブル基板132側の端部領域Ae付近にも、グランド電極配線431gが配置されないようになっている。つまり、この第2フレキシブル基板132側の端部から、所定の距離の分だけ離したうえで、グランド電極配線431gが配置されている。このような配置構成により、詳細は後述するが、第1フレキシブル基板131の端部領域Ae付近の側面や、後述する切断処理後の切断面において、電源電極配線431dとグランド電極配線431gとが互いに短絡(ショート)するおそれが、回避されるようになっている。
【0050】
ここで、図4に示したように、第1フレキシブル基板131における第1配線421は、無電解めっき配線Wneとなっている。この無電解めっき配線Wneは、例えば、無電解ニッケル(Ni)/金(Au)めっき、無電解ニッケル/パラジウム(Pd)/金めっき、無電解スズ(Sn)めっき等の、各種の無電解めっき処理によって作成された配線である。
【0051】
ちなみに、電解めっき処理による配線の作成には、配線全てが接続されていることや、基板端にまで配線が伸長されていること等の、制約がある。このため、配線作成時に電気的に接続されていない配線(例えば、デバイス-デバイス間の接続のみを行う配線など)を作成することが、高密度な回路や配線では困難であることから、この第1フレキシブル基板131における第1配線421の作成には、電解めっき処理は使用されないようになっている。一方で、上記した無電解めっき処理による配線作成には、上記したような制約がないことから、この第1フレキシブル基板のような、高密度の回路や配線を有する基板では、無電解めっき処理による配線作成が適していると言える。
【0052】
また、図4に示したように、第2フレキシブル基板132における第2配線422は、逆に、電解めっき配線Weとなっている。この電解めっき配線Weは、例えば、電解ニッケル/金めっき、電解銀(Ag)めっき等の、各種の電解めっき処理によって作成された配線である。
【0053】
これは、前述した図3中の符号P1a,P1b,P1c,P1dで示したように、各フレキシブル基板13a,13b,13c,13dが噴射部11と接続する箇所付近では、各フレキシブル基板13a,13b,13c,13dが折り曲げられるためである。つまり、第2フレキシブル基板132における第3圧着電極433付近では、この第2フレキシブル基板132が折り曲げられるためである。このような折り曲げを、仮に、無電解めっき処理による配線作成がなされた基板で行うと、その基板上の配線(図4の例では第2配線422)が、損傷してしまうおそれがある。したがって、この第2配線422は、そのような曲げ変形に対して強い特性を有する、電解めっき配線Weとなっている。
【0054】
ここで、図5に示したように、第2フレキシブル基板132における第2圧着電極432付近には、位置決めマーク452a,452b(アライメントマーク)が、設けられている。これらの位置決めマーク452a,452bはそれぞれ、前述したようにして、第2圧着電極432と第1圧着電極431とを互いに圧着させる際に、これらの位置決め用として使用されるマークである。この図5の例では、具体的には、第2圧着電極432に対するX軸方向に沿った双方の周辺領域にそれぞれ、1組の位置決めマーク452a,452bが配置されている。
【0055】
一方、図6に示したように、第1フレキシブル基板131の表面S1側においては、第1圧着電極431付近に、複数の位置決めマーク451a1,451a2,451b1,451b2が、それぞれ設けられている。これらの位置決めマーク451a1,451a2,451b1,451b2もそれぞれ、第1圧着電極431と第2圧着電極432とを互いに圧着させる際に、これらの位置決め用として使用されるマークである。この図6の例では、具体的には、第1圧着電極431に対するX軸方向に沿った双方の周辺領域にそれぞれ、Z軸方向に沿って複数組(この例では2組)の位置決めマークが、設けられている。より具体的には、まず、第2圧着電極432に対するX軸方向に沿った双方の周辺領域にそれぞれ、1組の位置決めマーク451a1,451b1が配置されている。また、第2圧着電極432に対するX軸方向に沿った双方の周辺領域にそれぞれ、1組の位置決めマーク451a2,451b2が配置されている。そして、2つの位置決めマーク451a1,451a2はそれぞれ、Z軸方向に沿って、第1フレキシブル基板131の端部側からこの順序にて、並んで配置されている(図6参照)。同様に、2つの位置決めマーク451b1,451b2はそれぞれ、Z軸方向に沿って、第1フレキシブル基板131の端部側からこの順序にて、並んで配置されている(図6参照)。なお、詳細は後述するが、位置決めマーク451a1,451b1はそれぞれ、第1圧着電極431と第2圧着電極432との1回目の圧着処理の際に使用され、位置決めマーク451a2,451b2はそれぞれ、第1圧着電極431と第2圧着電極432との再度(2回目)の圧着処理の際に使用されるようになっている。
【0056】
ここで、上記した第1フレキシブル基板131は、本開示における「第1フレキシブル基板」の一具体例に対応し、第2フレキシブル基板132は、本開示における「第2フレキシブル基板」の一具体例に対応している。また、第1配線421(無電解めっき配線Wne)は、本開示における「第1配線」の一具体例に対応し、第2配線422(電解めっき配線We)は、本開示における「第2配線」の一具体例に対応している。また、第1圧着電極431は、本開示における「第1圧着電極」の一具体例に対応し、第2圧着電極432は、本開示における「第2圧着電極」の一具体例に対応し、第3圧着電極433は、本開示における「第3圧着電極」の一具体例に対応している。また、第1電極長L1は、本開示における「第1電極長」の一具体例に対応し、第2電極長L2は、本開示における「第2電極長」の一具体例に対応している。また、電源電極配線431dは、本開示における「第1電極配線」の一具体例に対応し、グランド電極配線431gは、本開示における「第2電極配線」の一具体例に対応している。また、表面S1は、本開示における「第1面」の一具体例に対応し、裏面S2は、本開示における「第2面」の一具体例に対応している。
【0057】
[動作および作用・効果]
(A.プリンタ5の基本動作)
このプリンタ5では、以下のようなインクジェットヘッド1によるインク9の噴射動作を用いて、被記録媒体(記録紙P等)に対する画像や文字等の記録動作(印刷動作)が行われる。具体的には、本実施の形態のインクジェットヘッド1では、以下のようにして、せん断(シェア)モードを用いたインク9の噴射動作が行われる。
【0058】
まず、各フレキシブル基板13a,13b,13c,13d上の駆動デバイス41はそれぞれ、噴射部11におけるアクチュエータプレート111内の前述した駆動電極(コモン電極およびアクティブ電極)に対し、駆動電圧Vd(駆動信号Sd)を印加する。具体的には、各駆動デバイス41は、前述した吐出チャネルを画成する一対の駆動壁に配置された各駆動電極に対し、駆動電圧Vdを印加する。これにより、これら一対の駆動壁がそれぞれ、その吐出チャネルに隣接するダミーチャネル側へ、突出するように変形する。
【0059】
このとき、駆動壁における深さ方向の中間位置を中心として、駆動壁がV字状に屈曲変形することになる。そして、このような駆動壁の屈曲変形により、吐出チャネルがあたかも膨らむように変形する。このように、一対の駆動壁での圧電厚み滑り効果による屈曲変形によって、吐出チャネルの容積が増大する。そして、吐出チャネルの容積が増大することにより、インク9が吐出チャネル内へ誘導されることになる。
【0060】
次いで、このようにして吐出チャネル内へ誘導されたインク9は、圧力波となって吐出チャネルの内部に伝播する。そして、ノズルプレート112のノズル孔Hnにこの圧力波が到達したタイミング(またはその近傍のタイミング)で、駆動電極に印加される駆動電圧Vdが、0(ゼロ)Vとなる。これにより、上記した屈曲変形の状態から駆動壁が復元する結果、一旦増大した吐出チャネルの容積が、再び元に戻ることになる。
【0061】
このようにして、吐出チャネルの容積が元に戻る過程で、吐出チャネル内部の圧力が増加し、吐出チャネル内のインク9が加圧される。その結果、液滴状のインク9が、ノズル孔Hnを通って外部へと(記録紙Pへ向けて)吐出される(図1参照)。このようにしてインクジェットヘッド1におけるインク9の噴射動作(吐出動作)がなされ、その結果、記録紙Pに対する画像や文字等の記録動作が行われる。
【0062】
(B.インクジェットヘッド1における作用・効果)
続いて、本実施の形態のインクジェットヘッド1における作用および効果について、従来の一般的なフレキシブル基板の場合と比較しつつ、詳細に説明する。
【0063】
(B-1.一般的なフレキシブル基板について)
まず、一般的なインクジェットプリンタでは、そのプリンタの内部や、インクジェットヘッドの内部にて、フレキシブル基板が多く使用されている。このフレキシブル基板と他の回路基板とを接続した後に、製造工程内の検査などにおいて不良品であると判定されると、そのような接続がなされた基板全体が、全て廃棄されてしまうことになる。
【0064】
このような廃棄を防止する手法として、例えば、噴射部が接続されているフレキシブル基板を駆動回路と接続する前に、このフレキシブル基板に動作チェック用の電極を設けておき、その電極を用いて動作チェックを行う、という手法が挙げられる。この手法では、そのような動作チェックの結果、良品であると判定された場合には、フレキシブル基板上の動作チェック用の電極部分を切り離し、駆動回路との接続を行うようになっている。
【0065】
この手法では、上記した動作チェックを行った後に、後工程の組み立てが行われることになるが、この手法では、出荷前のほぼ完全体であるインクジェットヘッドの状態で、不良品であると判定された場合、そのインクジェットヘッドは廃棄することになる。このため、高価な駆動回路を搭載したフレキシブル基板が正常品であっても、インクジェットヘッド全体を廃棄することになることから、この手法では結局、廃棄損失を抑えることができないことになる。このことから、不良品となるインクジェットヘッドから、高価な駆動回路を回収することが、重要であると言える。
【0066】
このように、近年では、インクジェットヘッドにおける高精細化に伴い、デバイス実装の高密度が求められており、駆動回路を搭載したフレキシブル基板と噴射部とを電気的に接続させるケースも、増えている。このような、駆動回路を搭載したフレキシブル基板と噴射部とを電気的に接続させる手法として、コネクタ等を介する手法を採用しようとしても、噴射部に求められるピッチを有するコネクタは、存在しない。このため、このような電気的接続の手法としては、例えば、前述したACFを用いた圧着接続の手法が、挙げられる。
【0067】
ところで、インクジェットヘッドは、上記した駆動回路および噴射部の他にも、流路やダンパー等を含むインク供給系部材などの部品を、組み合わせて構成をしている。そして、各部品単体の工程内検査は、その都度行われているものの、最終的な吐出性能やインク供給系の動作確認などは、各部品の組み立て後に行う必要がある。例えば、噴射部自体の工程内検査では、駆動素子としての電気容量や抵抗値などが正常な範囲であれば、その噴射部が後工程に使用されることになるが、この時点では、インクジェットヘッドとしての吐出性能は、当然ながら、確認できないことになる。
【0068】
ここで、例えば、出荷検査時において、噴射部に不具合があることが判明した場合、その噴射部とフレキシブル基板とは、上記したようにして、既に圧着接続されているため、容易に剥がすことはできない。フレキシブル基板上の駆動回路が高性能化してくると、このフレキシブル基板全体の価格も増加することから、噴射部に不具合があることが判明した場合に、その噴射部とフレキシブル基板との双方を破棄すると、廃棄損失が増大してしまう。その結果、このような一般的なインクジェットプリンタでは、インクジェットヘッド全体の製造コストも、増大してしまうことになる。
【0069】
(B-2.作用・効果)
そこで、本実施の形態のインクジェットヘッド1では、以下のような構成となっていることで、例えば、以下のような作用および効果が得られる。
【0070】
すなわち、まず、このインクジェットヘッド1では、第1フレキシブル基板131における第1圧着電極431の第1電極長L1が、この第1圧着電極431と互いに圧着されて電気的接続された、第2圧着電極432の第2電極長L2に対して、2倍以上の値となっている(L1≧2×L2)。
【0071】
これにより本実施の形態では、例えば、第1フレキシブル基板131において、これらの第1圧着電極431と第2圧着電極432との圧着部分を、切断によって部分的に切り離した場合でも、この第1フレキシブル基板131上に、第1圧着電極431の配置領域を残存させることができるようになる。したがって、例えば、第1フレキシブル基板131上におけるこの第1圧着電極431の残存部分に対して、別の第2圧着電極432を、再度圧着させて電気的接続させることが可能となる。その結果、インクジェットヘッド1が組み立てられた後に、例えば噴射部11に不具合が発生したような場合であっても、そのインクジェットヘッド1全体を不良品として廃棄する必要がなくなる。つまり、例えば上記したように、第1フレキシブル基板131を切断して圧着部分を部分的に切り離した後、上記した再度の圧着処理を行うことで、不具合が生じた噴射部11だけを廃棄すれば済むようになる。
【0072】
以上のことから本実施の形態では、インクジェットヘッド1全体の製造コストを、低減することが可能となる。
【0073】
また、本実施の形態では、第1圧着電極431において、駆動信号Sdの伝送方向(Z軸方向)に沿って並んで配置された複数の圧着領域Ab1,Ab2同士の間に、被切断領域Acが設けられていることから、以下のようになる。すなわち、上記したようにして第1フレキシブル基板131を切断する際の、被切断領域Acが明確化されているため、そのような切断処理が容易となると共に、上記した第1圧着電極431の残存部分も、容易に形成できるようになる。これらのことから、上記した再度の圧着処理を容易に実現できるようになる結果、利便性を向上させることが可能となる。
【0074】
更に、本実施の形態では、第1フレキシブル基板131の裏面S2側では、表面S1側における電源電極配線431dの配置領域内に位置する、被切断領域AcおよびZ軸方向に沿ったその周辺領域にはそれぞれ、グランド電極配線431gが配置されていないことから、以下のようになる。すなわち、例えば、この被切断領域Ac内で上記した切断処理を行った後に、その切断面において、互いに異なる電位が印加される電源電極配線431dとグランド電極配線431gとが互いに短絡するおそれが、回避される。これにより、そのような切断処理後に、インクジェットヘッド1全体に不具合が発生する(不良品となる)ことを防止できる結果、インクジェットヘッド1全体の製造コストを、更に低減することが可能となる。
【0075】
加えて、本実施の形態では、第2フレキシブル基板132を中継して、第1フレキシブル基板131から噴射部11へ向けて駆動信号Sdが伝送されると共に、第2圧着電極432がこの第2フレキシブル基板132上に設けられており、第2フレキシブル基板132上の第3圧着電極433において、噴射部11との電気的接続がなされていることから、以下のようになる。すなわち、例えば第2圧着電極432において、噴射部11に対する直接的な電気的接続がなされている場合(後述する変形例の場合)と比べ、上記した切断処理の際に噴射部11が破損するおそれが、低減される。具体的には、第1フレキシブル基板131上の第1圧着電極431と、第2フレキシブル基板132上の第2圧着電極432との圧着部分が、上記した切断処理によって部分的に切り離されることから、以下のようになる。すなわち、上記したような直接的な電気的接続がなされている場合と比べ、そのような切断処理の際に、噴射部11との電気的接続部分(第3圧着電極433の部分)が剥がれてしまったりするおそれが、防止され易くなる。これにより、そのような切断処理後に、インクジェットヘッド1全体に不具合が発生する(不良品となる)ことを防止できる結果、インクジェットヘッド1全体の製造コストを、更に低減することが可能となる。
【0076】
また、本実施の形態では、駆動信号Sdを出力する駆動デバイス41が、第1フレキシブル基板131上に実装されているようにしたので、そのような駆動信号Sdを生成する、集積度の高い駆動回路を、第1フレキシブル基板131上に配置できるようになる。その結果、インクジェットヘッド1全体の小型化や軽量化を図ることが可能となる。
【0077】
更に、本実施の形態では、前述した第1配線421が無電解めっき配線Wneになっていることから、上記した集積度の高い駆動回路を有する駆動デバイス41が実装されている、第1フレキシブル基板131において、配線の自由度を高めることができる。これにより、この第1フレキシブル基板131において、基板サイズの縮小化や、駆動デバイス41に接続される配線(例えば、データ伝送ラインや、駆動デバイス41の設定用ラインなど)における配線密度の増加や品質向上などが、図られる。その結果、インクジェットヘッド1全体において、更なる小型化や更なる軽量化、信頼性の向上などを図ることが可能となる。
【0078】
ちなみに、インクジェットヘッドにおけるデータ伝送ラインには、近年、高速伝送であるLVDS(Low Voltage Differential Signaling)などが用いられている。このような高速伝送用のデータ伝送ライン(高速伝送ライン)としては、出力端と入力端とが一筆書きされている状態の線路が望ましく、仮にこの線路から枝分かれをしているライン(スタブ)が存在する場合、高速伝送ラインでの信号品質が低下してしまうことになる。ここで、電解めっき処理による配線作成の場合、基板端から延びる高速伝送ラインについては、問題なく作成できる。一方、基板端から接続されていないライン(例えば、デバイス-デバイス間の配線)については、基板端からめっきリード配線を引き、これを用いてラインを作成した後、そのめっきリード配線を切断することによって、作成する必要がある。この際に、めっきリード配線の切断箇所によっては、上記したスタブの長さ(スタブ長)が、大きくなってしまうことになる。このようなスタブ長の増大を回避するためには、基板上の配線の集積度を下げて、スタブが残らない理想的なめっきリード配線を行う必要があるが、そのようなメッキリード配線は、現実的ではないと言える。
【0079】
加えて、本実施の形態では、前述した第2配線422が電解めっき配線Weになっていることから、第2フレキシブル基板132における第2圧着電極432および第3圧着電極433をそれぞれ、前述したような曲げ変形に対して、強いものとすることができる。したがって、例えば、第2圧着電極432と第1圧着電極431との圧着処理や、第3圧着電極433と噴射部11との圧着処理を含む、インクジェットヘッド1の組み立て工程において、この第2フレキシブル基板132等での破損のおそれが、低減される。これにより、そのような組み立て工程後に、インクジェットヘッド1全体に不具合が発生する(不良品となる)ことを防止できる結果、インクジェットヘッド1全体の製造コストを、より一層低減することが可能となる。
【0080】
このようにして本実施の形態では、第1配線421は無電解めっき配線Wneとなっている一方で、第2配線422は電解めっき配線Weとなっていることから、このような配線構成の組み合わせにより、例えば以下のような相乗効果が得られる。すなわち、第1フレキシブル基板131においては、上記したように、基板サイズの縮小化や、配線密度の増加、配線品質の向上等を図りつつ、第2フレキシブル基板132においては、上記したように、曲げ変形に起因した破損のおそれを低減することができる。その結果、インクジェットヘッド1全体での製造コストの低減効果を、更に高めることが可能となる。
【0081】
また、本実施の形態では、第1フレキシブル基板131の第1圧着電極431付近において、複数の位置決めマーク(位置決めマーク451a1,451b1の組と、位置決めマーク451a2,451b2の組との、2組の位置決めマーク)が、駆動信号Sdの伝送方向(Z軸方向)に沿って並んで配置されていることから、以下のようになる。すなわち、第1圧着電極431と第2圧着電極432とを最初に圧着させる際だけでなく、上記した切断処理後の再度の圧着処理の際にも、第1圧着電極431と別の第2圧着電極432とを、高い位置精度にて圧着させることができる。これにより、そのような再度の圧着処理後において、インクジェットヘッド1全体に不具合が発生する(不良品となる)ことを防止できる結果、インクジェットヘッド1全体の製造コストを、更に低減することが可能となる。
【0082】
<2.変形例>
続いて、上記実施の形態の変形例について説明する。なお、以下では、実施の形態における構成要素と同一のものには同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0083】
[構成]
図8は、変形例に係る液体噴射ヘッド(インクジェットヘッド1A)の概略構成例を、模式的に表したものである。本変形例のインクジェットヘッド1Aは、I/F基板12Aと、第1フレキシブル基板131Aと、噴射部11とを、主に備えている。
【0084】
なお、このインクジェットヘッド1Aは、本開示における「液体噴射ヘッド」の一具体例に対応している。また、このインクジェットヘッド1Aを備えたプリンタは、本開示における「液体噴射記録装置」の一具体例に対応している。
【0085】
このインクジェットヘッド1Aでは、図8に示したように、実施の形態のインクジェットヘッド1とは異なり、駆動信号Sdを出力する駆動デバイス41が、第1フレキシブル基板131A上ではなく、I/F基板12A上に実装されている。また、このインクジェットヘッド1Aではインクジェットヘッド1とは異なり、第1フレキシブル基板131Aと噴射部11との間を中継する基板(実施の形態で説明した第2フレキシブル基板132)は、設けられないようになっている。つまり、駆動デバイス41から、第1フレキシブル基板131A上の第1配線421を介して伝送される駆動信号Sdは、この第1フレキシブル基板131A上の第1圧着電極431および第2圧着電極432を介して、噴射部11へと直接的に伝送されるようになっている(図8参照)。
【0086】
このように、このインクジェットヘッド1Aでは、第1フレキシブル基板131A上の第1圧着電極431および第2圧着電極432が、噴射部11との間で圧着接続されることで、互いに電気的接続されている。また、第1圧着電極431と第2圧着電極432との間も互いに圧着接続されていると共に、実施の形態のインクジェットヘッド1と同様にして、前述した第1電極長L1および第2電極長L2が設定されるようになっている。すなわち、第1圧着電極431の第1電極長L1が、第2圧着電極432の第2電極長L2に対して、2倍以上の値となっている(L1≧2×L2)。
【0087】
なお、本変形例における他の構成例についても、基本的には、実施の形態と同様となっている。
【0088】
[作用・効果]
このような構成により、本変形例のインクジェットヘッド1Aにおいても、基本的には、実施の形態のインクジェットヘッド1と同様の作用により、同様の効果を得ることが可能となる。
【0089】
すなわち、本変形例においても、第1圧着電極431の第1電極長L1が、第2圧着電極432の第2電極長L2に対して2倍以上の値となっていることから、インクジェットヘッド1Aが組み立てられた後に、例えば噴射部11に不具合が発生したような場合であっても、そのインクジェットヘッド1A全体を不良品として廃棄する必要がなくなる。つまり、例えば前述したように、第1フレキシブル基板131Aを切断して圧着部分を部分的に切り離した後、前述した再度の圧着処理を行うことで、不具合が生じた噴射部11だけを廃棄すれば済むようになる。その結果、本変形例においても、インクジェットヘッド1A全体の製造コストを、低減することが可能となる。
【0090】
<3.その他の変形例>
以上、実施の形態および変形例を挙げて本開示を説明したが、本開示はこれらの実施の形態等に限定されず、種々の変形が可能である。
【0091】
例えば、上記実施の形態等では、プリンタ5およびインクジェットヘッド1における各部材の構成例(形状、配置、個数等)を具体的に挙げて説明したが、上記実施の形態等で説明したものには限られず、他の形状や配置、個数等であってもよい。
【0092】
具体的には、第1フレキシブル基板や第2フレキシブル基板、第1圧着電極や第2圧着電極や第3圧着電極、圧着領域や被切断領域、第1配線や第2配線、第1電極配線や第2電極配線、複数の位置決めマーク等の構成例については、上記実施の形態等で説明したものには限られず、他の構成例であってもよい。例えば、上記実施の形態等では、複数の圧着領域の間に被切断領域が設けられている場合の例について説明したが、場合によっては、このような被切断領域が設けられていないようにしてもよい。また、3つ(3組)以上の位置決めマークが、駆動信号の伝送方向に沿って並んで配置されているようにしてもよい。更に、上記実施の形態等では、X軸方向に沿った一対の位置決めマークを1組として、位置決めマークが配置されていたが、この場合には限られず、例えば、X軸方向に沿って位置決めマークが1つだけ、配置されているようにしてもよい。
【0093】
更に、上記実施の形態等で説明した各種パラメータの数値例については、実施の形態等で説明した数値例には限られず、他の数値であってもよい。具体的には、例えば上記実施の形態等では、前述した第1電極長L1が、前述した第2電極長L2に対して、2倍以上の値(L1≧2×L2)、または、2倍超過の値(L1>2×L2)となっている場合を、例に挙げて説明した。ただし、このような場合の例には限られず、例えば、第1電極長L1が第2電極長L2に対して、3倍以上(L1≧3×L2)や3倍超過(L1>3×L2)の値、4倍以上(L1≧4×L2)や4倍超過(L1>4×L2)の値などであってもよい。これらの場合、前述した切断処理後の再度の圧着処理を、複数回(2回や3回)実施できることから、初回の圧着処理と合わせて、3回や4回の圧着処理を実施することが可能となる。
【0094】
また、インクジェットヘッドの構造としては、各タイプのものを適用することが可能である。すなわち、例えば、アクチュエータプレート111における各吐出チャネルの延在方向の中央部からインク9を吐出する、いわゆるサイドシュートタイプのインクジェットヘッドであってもよい。あるいは、例えば、各吐出チャネルの延在方向に沿ってインク9を吐出する、いわゆるエッジシュートタイプのインクジェットヘッドであってもよい。更には、プリンタの方式としても、上記実施の形態等で説明した方式には限られず、例えば、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)方式など、各種の方式を適用することが可能である。
【0095】
更に、例えば、インクタンク3とインクジェットヘッド1との間でインク9を循環させて利用する、循環式のインクジェットヘッド、あるいは、インク9を循環させずに利用する、非循環式のインクジェットヘッドのいずれであっても、本開示を適用することが可能である。
【0096】
また、上記実施の形態等で説明した一連の処理は、ハードウェア(回路)で行われるようにしてもよいし、ソフトウェア(プログラム)で行われるようにしてもよい。ソフトウェアで行われるようにした場合、そのソフトウェアは、各機能をコンピュータにより実行させるためのプログラム群で構成される。各プログラムは、例えば、上記コンピュータに予め組み込まれて用いられてもよいし、ネットワークや記録媒体から上記コンピュータにインストールして用いられてもよい。
【0097】
更に、上記実施の形態等では、本開示における「液体噴射記録装置」の一具体例として、プリンタ5(インクジェットプリンタ)を挙げて説明したが、この例には限られず、インクジェットプリンタ以外の他の装置にも、本開示を適用することが可能である。換言すると、本開示の「液体噴射ヘッド」(インクジェットヘッド)を、インクジェットプリンタ以外の他の装置に適用するようにしてもよい。具体的には、例えば、ファクシミリやオンデマンド印刷機などの装置に、本開示の「液体噴射ヘッド」を適用するようにしてもよい。
【0098】
加えて、これまでに説明した各種の例を、任意の組み合わせで適用させるようにしてもよい。
【0099】
なお、本明細書中に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものではなく、また、他の効果があってもよい。
【0100】
また、本開示は、以下のような構成を取ることも可能である。
(1)
液体を噴射する噴射部と、
前記液体を噴射させるための駆動信号を出力する駆動デバイスと、
前記駆動デバイスから出力される前記駆動信号を伝送する第1配線と、前記第1配線に対して電気的に接続されると共に、前記噴射部側の端部領域において前記駆動信号の伝送方向に沿って延在する第1圧着電極と、を有する、1または複数の第1フレキシブル基板と、
前記駆動信号の伝送方向に沿って延在すると共に前記第1圧着電極と互いに圧着されて電気的に接続されており、前記第1圧着電極を介して伝送される前記駆動信号を前記噴射部側へ向けて伝送するための第2圧着電極と
を備え、
前記第1圧着電極における前記駆動信号の伝送方向に沿った長さである第1電極長が、前記第2圧着電極における前記駆動信号の伝送方向に沿った長さである第2電極長に対して、2倍以上の値となっている
液体噴射ヘッド。
(2)
前記第1電極長が、前記第2電極長に対して2倍超過の値となっており、
前記第1圧着電極は、
前記駆動信号の伝送方向に沿って並んで配置されており、前記第2圧着電極を圧着するための複数の圧着領域と、
前記複数の圧着領域同士の間に位置しており、前記第1フレキシブル基板が切断される際に前記複数の圧着領域同士を互いに切り離すための被切断領域と
を含んでいる
上記(1)に記載の液体噴射ヘッド。
(3)
前記第1圧着電極は、互いに異なる電位が印加される、第1電極配線および第2電極配線を更に含んでおり、
前記第1フレキシブル基板における第1面側では、前記第1電極配線および前記第2電極配線がそれぞれ、前記被切断領域を含んで配置されていると共に、
前記第1フレキシブル基板における第2面側では、前記第1面側における前記第1電極配線の配置領域内に位置する、前記被切断領域および前記駆動信号の伝送方向に沿ったその周辺領域にはそれぞれ、前記第2電極配線が配置されないようになっている
上記(2)に記載の液体噴射ヘッド。
(4)
前記第1フレキシブル基板から前記噴射部へ向けて前記駆動信号を中継して伝送する、第2フレキシブル基板を更に備え、
前記第2フレキシブル基板は、
前記第1フレキシブル基板側の端部領域において前記駆動信号の伝送方向に沿って延在する、前記第2圧着電極と、
前記噴射部側の端部領域に配置されており、前記噴射部と電気的に接続される第3圧着電極と、
前記第2圧着電極と前記第3圧着電極との間を電気的に接続しており、前記駆動信号が伝送される第2配線と
を有している
上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の液体噴射ヘッド。
(5)
前記駆動デバイスが、前記第1フレキシブル基板上に実装されている
上記(4)に記載の液体噴射ヘッド。
(6)
前記第1フレキシブル基板における前記第1配線が、無電解めっき配線である
上記(5)に記載の液体噴射ヘッド。
(7)
前記第2フレキシブル基板における前記第2配線が、電解めっき配線である
上記(5)または(6)に記載の液体噴射ヘッド。
(8)
前記第1フレキシブル基板は、前記第1圧着電極と前記第2圧着電極とを互いに圧着させる際に個別に使用される、複数の位置決めマークを更に有しており、
前記複数の位置決めマークは、前記第1圧着電極付近において、前記駆動信号の伝送方向に沿って並んで配置されている
上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の液体噴射ヘッド。
(9)
上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の液体噴射ヘッドを備えた
液体噴射記録装置。
【符号の説明】
【0101】
1,1A…インクジェットヘッド、10…コネクタ、11…噴射部、111…アクチュエータプレート、112…ノズルプレート、12,12A…I/F基板、120a,120b,120c,120d…コネクタ、121…回路配置領域、13a,13b,13c,13d…フレキシブル基板、130…接続電極、131,131A…第1フレキシブル基板、132…第2フレキシブル基板、141,142…冷却ユニット、2…印刷制御部、3…インクタンク、30…インク供給管、41…駆動デバイス、421…第1配線、422…第2配線、431…第1圧着電極、431d…電源電極配線、431g…グランド電極配線、432…第2圧着電極、432d…電源電極配線、432g…グランド電極配線、433…第3圧着電極、451a1,451a2,451b1,451b2,452a,452b…位置決めマーク、5…プリンタ、9…インク、P…記録紙、Hn…ノズル孔、Sc…印刷制御信号、Sd…駆動信号、Vd…駆動電圧、S1…表面、S2…裏面、Wne…無電解めっき配線、We…電解めっき配線、L1…第1電極長、L2…第2電極長、Ab1,Ab2…圧着領域、Ac…被切断領域、Ad…配置領域、An…非配置領域、Ah…スルーホール領域、Ae…端部領域。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8