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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-12
(45)【発行日】2024-07-23
(54)【発明の名称】冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
   F25D 23/00 20060101AFI20240716BHJP
【FI】
F25D23/00 301Q
F25D23/00 307
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020168698
(22)【出願日】2020-10-05
(65)【公開番号】P2022060929
(43)【公開日】2022-04-15
【審査請求日】2023-06-01
(73)【特許権者】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100205785
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼橋 史生
(74)【代理人】
【識別番号】100203297
【弁理士】
【氏名又は名称】橋口 明子
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100135301
【弁理士】
【氏名又は名称】梶井 良訓
(72)【発明者】
【氏名】守谷 雅秀
【審査官】石田 佳久
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-044014(JP,A)
【文献】国際公開第2018/146831(WO,A1)
【文献】特開2011-058787(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯蔵室を含む冷蔵庫本体と、
少なくとも一部に透明領域を有する前面部材と、前記前面部材の後側を覆う後面部材と、前記前面部材と前記後面部材との間に充填された発泡断熱材と、を有し、前記貯蔵室を開閉可能に閉じる扉と、
前記前面部材の後面に近接した状態で前記透明領域に対向するように前記後面に固定され、前記扉の前面側から操作可能なタッチパネルと、
後側から見た前記タッチパネルの外周部を囲んだ状態で前記前面部材の後方から前記タッチパネルを覆っており、前記後面に液密に固定されているカバーと、
前記タッチパネルの前記外周部よりも内方において、前記扉の厚さ方向における前記タッチパネルと前記カバーとの間に設けられた当接部材と、
を備え、
前記発泡断熱材は、後側から見て前記カバーに覆われていない前記前面部材の前記後面および前記カバーの後面と、前記後面部材と、の間に充填され
前記当接部材は、
前記発泡断熱材が充填されていないとき、前記タッチパネル又は前記カバーとの間に隙間を有し、
前記発泡断熱材が充填されたとき、前記タッチパネルおよび前記カバーと当接する、
冷蔵庫。
【請求項2】
前記タッチパネルは、
操作を検知する検知部と、画像を表示する表示部と、を有するパネル本体と、
前記パネル本体を保持しており、前記前面部材の前記後面に固定された固定具と、を有し、
前記カバーおよび前記固定具の一方を第1部材、前記カバーおよび前記固定具のうち前記第1部材と異なる方を第2部材とするとき、
前記第1部材は、前記扉の厚さ方向において前記第2部材に向かって突出し、突出方向の先端が前記第2部材に当接する突起部を有する、
請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項3】
前記タッチパネルは、前記カバーと連結されている、
請求項1または2に記載の冷蔵庫。
【請求項4】
前記カバーは、両面テープによって前記後面に液密に固定されている、
請求項1~3のいずれか1項記載の冷蔵庫。
【請求項5】
前記前面部材は、ガラス板である、
請求項1~4のいずれか1項記載の冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、冷蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
冷蔵庫における貯蔵室の扉に、操作用のタッチパネルを設けることが知られている。扉のタッチパネルは、操作性能が低下することなく、かつ扉の断熱性能が低下しにくいように設けられることが好ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2018/146831号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、操作が容易であり扉の断熱性能に優れる冷蔵庫を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の冷蔵庫は、冷蔵庫本体と、扉と、タッチパネルと、カバーと、当接部材と、を持つ。冷蔵庫本体は、貯蔵室を含む。扉は、前面部材と、後面部材と、発泡部材と、を持つ。前面部材は、少なくとも一部に透明領域を有する。後面部材は、前面部材の後側を覆う。発泡断熱材は、前面部材と後面部材との間に充填されている。扉は、貯蔵室を開閉可能に閉じる。タッチパネルは、前面部材の後面に近接した状態で透明領域に対向するように後面に固定されている。タッチパネルは、扉の前面側から操作可能である。カバーは、後側から見たタッチパネルの外周部を囲んだ状態で前面部材の後方からタッチパネルを覆っている。カバーは、後面に液密に固定されている。発泡断熱材は、後側から見てカバーに覆われていない前面部材の後面およびカバーの後面と、後面部材と、の間に充填されている。当接部材は、タッチパネルの外周部よりも内方において、扉の厚さ方向におけるタッチパネルとカバーとの間に設けられ、発泡断熱材が充填されていないとき、タッチパネル又はカバーとの間に隙間を有し、発泡断熱材が充填されたとき、タッチパネルおよびカバーと当接する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】実施形態の冷蔵庫を示す正面図。
図2図1におけるF2-F2線に沿う断面図。
図3】実施形態における右冷蔵室扉を示す斜視図。
図4】実施形態における右冷蔵室扉の分解斜視図。
図5図3におけるF5-F5線に沿う断面図。
図6図3におけるF6-F6線に沿う断面図。
図7】実施形態におけるカバー、固定具、および前面部材を示す分解斜視図。
図8】実施形態におけるカバーの内面側の構成を示す斜視図。
図9図3におけるF9-F9線に沿う断面図。
図10図3におけるF10-F10線に沿う断面図。
図11図10におけるF11の拡大図。
図12】実施形態における右冷蔵室扉の製造方法を説明する模式図。
図13】実施形態の冷蔵庫に用いることができるカバーおよび固定具の第1変形例を示す斜視図。
図14】実施形態の冷蔵庫に用いることができるカバーおよび固定具の第2変形例を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態の冷蔵庫を、図面を参照して説明する。
本明細書では、特に断らない限り、冷蔵庫の正面に立つユーザから冷蔵庫を見た方向を基準に、上下左右を定義している。また、冷蔵庫から見て冷蔵庫の正面に立つユーザに近い側を「前」、遠い側を「後ろ」と定義している。本明細書において「横幅方向」とは、上記定義における左右方向を意味する。本明細書において「奥行方向」とは、上記定義における前後方向を意味する。「上下方向」とは、冷蔵庫の高さ方向を意味している。
図中に矢線で示した、+X方向は右方向、-X方向は左方向、+Y方向は後方向、-Y方向は前方向、+Z方向は上方向、-Z方向は下方向である。
法線が+X方向に延びる平面をYZ平面、法線が+Y方向に延びる平面をZX平面、+Z方向に延びる平面をXY平面と称する場合がある。
実施形態の冷蔵庫の扉に含まれる部品に関する説明では、特に断らない限り、扉が閉じられている状態の配置に基づいて説明する。例えば、回転式扉について説明する場合、特に断らない限りは、開いた状態であっても上述の±X方向および±Y方向が扉に固定されている方向であるとして説明する。
【0008】
実施形態の冷蔵庫について説明する。
図1は、実施形態の冷蔵庫を示す正面図である。図2は、図1におけるF2-F2線に沿う断面図である。
図1に示す実施形態の冷蔵庫1の全体構成について説明する。ただし、冷蔵庫1は、以下に説明する構成の全てを有する必要はなく、いくつかの構成が適宜省略されてもよい。
冷蔵庫1は、例えば、冷蔵庫本体5および複数の扉11を有する。
冷蔵庫本体5は筐体10を含む。図2に示すように、筐体10は、例えば、内箱10aと、外箱10bと、発泡断熱材10cと、を含む。
【0009】
内箱10aは、筐体10の内面を形成する部材であり、例えば合成樹脂製である。
外箱10bは、筐体10の外面を形成する部材であり、例えば金属製である。外箱10bは、内箱10aよりも一回り大きく形成されており、内箱10aの外側に配置されている。外箱10bは、筐体10の前面を除く外面部を形成する略直方体である。
ただし、外箱10bの下端部の後側には、後述する機械室26を形成するための凹部が形成されている。
発泡断熱材10cは、例えば発泡ウレタンのような発泡体からなる断熱材であり、内箱10aと外箱10bとの間に充填されている。
【0010】
図1に示すように、筐体10は、上壁21、下壁22、左側壁23、右側壁24、および後壁25(図2参照)を有する。上壁21および下壁22は、略水平に広がっている。左側壁23、右側壁24は、下壁22の左右の端部から上方に起立し、上壁21の左右の端部に繋がる。図2に示すように、後壁25は、下壁22の後端部から上方に起立し、上壁21の後端部に繋がる。
【0011】
図2に示すように、筐体10の内部には、複数の貯蔵室27が形成されている。複数の貯蔵室27は、例えば、冷蔵室27A、野菜室27B、製氷室27C(図1参照)、小冷凍室27D、および主冷凍室27Eを含む。本実施形態では、最上部に冷蔵室27Aが配置されている。冷蔵室27Aの下方に野菜室27Bが配置されている。野菜室27Bの下方に製氷室27Cおよび小冷凍室27Dが配置されている。製氷室27Cおよび小冷凍室27Dの下方に主冷凍室27Eが配置されている。筐体10は、各貯蔵室27の前面側に、各貯蔵室27に対して食材の出し入れを可能にする開口を有する。
【0012】
筐体10は、第1仕切部28と、第2仕切部29と、を有する。第1仕切部28および第2仕切部29は、例えば、それぞれ略水平方向に沿う仕切壁である。第1仕切部28は、冷蔵室27Aと野菜室27Bとの間に位置し、冷蔵室27Aと野菜室27Bとの間を仕切っている。
第2仕切部29は、野菜室27Bと、製氷室27C(図1参照)および小冷凍室27Dとの間に位置し、野菜室27Bと、製氷室27C(図1参照)および小冷凍室27Dとの間を仕切っている。
【0013】
野菜室27Bの室内の温度は、冷蔵室27Aよりも高温に維持される。野菜室27Bの内部には、例えば、野菜などの貯蔵物を収容する野菜室容器と、野菜室容器を前後方向に移動するためのガイドレールと、が設けられている。
【0014】
製氷室27C、小冷凍室27D、および主冷凍室27Eの室内の温度は、貯蔵物を冷凍可能な温度に維持される。製氷室27C、小冷凍室27D、および主冷凍室27Eの内部には、例えば、それぞれ冷凍貯蔵する貯蔵物を収容する貯蔵物容器、および貯蔵物容器を前後方向に移動するためのガイドレール、などが設けられている。
【0015】
複数の貯蔵室27の開口は、複数の扉11によって開閉可能に覆われている。図1に示すように、複数の扉11は、例えば、左冷蔵室扉11Aa、右冷蔵室扉11Ab、野菜室扉11B、製氷室扉11C、小冷凍室扉11D、および主冷凍室扉11Eを含む。
左冷蔵室扉11Aaおよび右冷蔵室扉11Abは、冷蔵室27Aの開口を閉じる。
右冷蔵室扉11Abの内部には、後述するタッチパネルPが配置されている。右冷蔵室扉11Abの詳細構成は後述する。
野菜室扉11Bは、野菜室27Bの開口を閉じる。製氷室扉11Cは、製氷室27Cの開口を閉じる。小冷凍室扉11Dは、小冷凍室27Dの開口を閉じる。主冷凍室扉11Eは、主冷凍室27Eの開口を閉じる。
左右に隣り合って設けられた左冷蔵室扉11Aaおよび右冷蔵室扉11Abは、観音開き式の一対の扉である。
野菜室扉11B、製氷室扉11C(図1参照)、小冷凍室扉11D、および主冷凍室扉11Eは、例えば、引き出し式の扉である。野菜室扉11Bの後面には野菜室容器が連結されている。製氷室扉11C、小冷凍室扉11D、および主冷凍室扉11Eの各後面には、それぞれの貯蔵物容器が連結されている。
複数の扉11は、それぞれの内部に適宜の断熱材を含む。適宜の断熱材には、上述した発泡断熱材10cと同様の発泡断熱材、シート断熱材、および真空断熱材などが含まれてもよい。
【0016】
筐体10の後側には、筐体10とともに冷蔵庫本体5を形成する種々の部材が配置されている。冷蔵庫本体5を形成する部材としては、例えば、冷媒が循環するパイプ、冷却ユニット15A、15B、流路形成部材14A、14B、冷却ファン16A、16B、および制御基板17などが挙げられる。
冷蔵庫本体5において、筐体10の後側の下部には、例えば、圧縮機、凝縮器、蒸発皿などが配置された機械室26が設けられている。
【0017】
冷却ユニット15Aは、冷蔵室27Aの後側に配置されており、冷蔵室27Aおよび野菜室27Bを冷却する。
冷却ユニット15Bは、主冷凍室27Eの後側に配置されており、製氷室27C、小冷凍室27D、および主冷凍室27Eを冷却する。
流路形成部材14Aは、冷却ユニット15Aから供給される冷気をそれぞれ冷蔵室27A、野菜室27Bに流す流路を形成する。
流路形成部材14Bは、冷却ユニット15Bから供給される冷気を製氷室27C、小冷凍室27D、および主冷凍室27Eに流す流路を形成する。
【0018】
冷却ファン16Aは、冷却ユニット15Aで形成された冷気を流路形成部材14Aで囲まれた流路に送風し、野菜室27Bおよび冷蔵室27Aの内部に循環する冷気の流れを形成する。
冷却ファン16Bは、冷却ユニット15Bで形成された冷気が流路形成部材14Bで囲まれた流路を送風し、製氷室27C、小冷凍室27D、および主冷凍室27Eの内部に循環する冷気の流れを形成する。
【0019】
制御基板17は、冷蔵庫1の全体を統括的に制御する。例えば、制御基板17は、複数の貯蔵室27に設けられた温度センサの検出結果に基づき、冷却ユニット15A、15B、冷却ファン16A、16B、および圧縮機等の動作を制御する。本実施形態では、制御基板17は冷蔵室27Aの上方における後側の外箱10b上に配置されている。
【0020】
次に、右冷蔵室扉11Abの詳細構成について説明する。
図3は、実施形態における右冷蔵室扉を示す斜視図である。図4は、実施形態における右冷蔵室扉の分解斜視図である。
【0021】
図3に示すように、右冷蔵室扉11Abは、前面部材30、枠体36、および後面部材37を有する。図3では図示を省略しているが、図2に示すように、右冷蔵室扉11Abの後面側には、上下方向に移動可能な扉容器18A、18Bと、下部に固定された扉容器19と、が着脱可能に取り付けられている。
【0022】
図3、4に示すように、前面部材30は、右冷蔵室扉11Abの前端部に位置する。前面部材30は、上下方向および横幅方向に延びる板部材であり、右冷蔵室扉11Abの前面を形成している。前面部材30は、例えば、ガラス板である。ただし、前面部材30は、ガラス板に限定されず、合成樹脂、金属などの素材で形成されてもよい。前面部材30は平板でもよいし、湾曲板でもよい。以下では、前面部材30がガラス製の平板の例で説明する。
【0023】
図1に示すように、前面部材30は、不透明部30Aと、透明部30B(透明領域)と、を有する。
不透明部30Aは、前面部材30において可視光の透過率が低いため、右冷蔵室扉11Abの内部が視認しづらい領域である。本実施形態における不透明部30Aは、前面部材30の表面に可視光の透過率を低減する塗装膜が成膜されて形成されている。塗装膜は、前面30aに形成されてもよいし、後面30bに形成されてもよいが、本実施形態では、後面30bに形成されている。
透明部30Bは、前面部材30における透明領域である。透明部30Bは、前面部材30において、塗装膜が形成されない部位で形成される。本実施形態では、後述するタッチパネルPの表示領域以下の大きさに形成される。図1に示す例では、透明部30Bは、タッチパネルPの表示画面よりもわずかに狭い矩形である。透明部30Bは、前側から見てタッチパネルPの表示画面に重なる位置に形成されている。
【0024】
図4に示すように、枠体36は-Y方向から見て略矩形の枠である。後側から見た枠体36の外形は、前面部材30の外形と略同じである。本明細書では、対象を「後側から見る」とは、特に断らない限り、対象の後方から-Y方向に見ることを意味する。同様に、対象を「前側から見る」とは、特に断らない限り、対象の前方から+Y方向に見ることを意味する。
枠体36は、+Z方向に配置されて横幅方向に延びる上面部36aと、-Z方向に配置されて横幅方向に延びる下面部36bと、を有する。上面部36aおよび下面部36bにおける+X方向の端部には上下方向に延びる右面部36cが接続されている。上面部36aおよび下面部36bにおける-X方向の端部には上下方向に延びる左面部36dが接続されている。
上面部36aにおける+X方向の端部には、冷蔵庫本体5に設けられたヒンジを連結するヒンジ取付部36eが設けられている。下面部36bにおける+X方向の端部には、冷蔵庫本体5に設けられたヒンジを連結するヒンジ取付部36fが設けられている。
枠体36の-Y方向の端部は、前面部材30の後面30bに固定されている。
枠体36は、例えば合成樹脂製である。
【0025】
後面部材37は、前面部材30とは反対側から枠体36に取り付けられ、右冷蔵室扉11Abの後端部に位置する。前面部材30と後面部材37とは、枠体36を奥行方向に挟んでそれぞれ枠体36と固定されている。
後側から見た後面部材37の外形は、枠体36に沿う矩形である。後面部材37は、右冷蔵室扉11Abの後面、すなわち内面部を形成している。後面部材37は、例えば合成樹脂製である。
後面部材37は、第1平坦部37a、第2平坦部37b、傾斜部37c、およびリブ38を有する。
【0026】
第1平坦部37aは、前面部材30に沿って延びる平坦面である。図3、4に示す例では、第1平坦部37aは、ZX平面に平行な平面であり、前面部材30と平行である。
第2平坦部37bは、第1平坦部37aよりも-Z方向に配置され、前面部材30に沿って延びる平坦面である。図3、4に示す例では、第2平坦部37bは、第1平坦部37aよりも-Y方向に位置する以外は、第1平坦部37aと同様な平坦面である。
傾斜部37cは、第1平坦部37aの-Z方向の端部から第2平坦部37bの+Z方向の端部に向かって斜め方向に延びる平坦な平面または湾曲面である。図3、4に示す例では、-Z方向に進むにつれて-Y方向に向かって傾斜する平面である。
本実施形態では、第1平坦部37aおよび傾斜部37cは、後述するカバー35の全体を後方から覆っている。
【0027】
リブ38は、第1平坦部37a、傾斜部37c、および第2平坦部37bから後方に突出した凸部である。リブ38は、後側から見ると、後面部材37の外形に沿う矩形である。
リブ38は、枠体36および第1平坦部37aよりも+Y方向に突出している。このため、リブ38は、右冷蔵室扉11Abが冷蔵室27Aの開口を閉じた状態で、冷蔵室27Aの内側まで延びている。
なお本明細書において「リブ」とは、説明の便宜上の名称であり、後面部材37において後方に突出した部分を広く意味し、特定の形状や作用のものに限定されない。
【0028】
リブ38は、リブ38U、38D、38R、38Lを有する。
リブ38Uは、枠体36の上面部36aに沿って横幅方向に延びている。
リブ38Dは、枠体36の下面部36bに沿って横幅方向に延びている。
リブ38Rは、枠体36の右面部36cに沿って上下方向に延びている。
リブ38Lは、枠体36の左面部36dに沿って上下方向に延びている。
リブ38R、38Lにおいて横幅方向に対向する各側面には、扉容器18A、18Bを移動可能に係止するレール部38aと、扉容器19を係止する係止部38bが、それぞれ設けられている。
リブ38の外縁と後面部材37の外形との間には、XZ平面に平行な外縁部37eが形成されている。
【0029】
外縁部37eには、後面部材37の外形に沿って、図示略のガスケットを取り付けるガスケット取り付け溝37fが形成されている。
ガスケット取り付け溝37fに取り付けられるガスケットは、右冷蔵室扉11Abが閉じられた時に、筐体10の先端と、左冷蔵室扉11Aaの+X方向の端部に配置された回転仕切り板と、に密着する。筐体10の先端および回転仕切り板と、右冷蔵室扉11Abとの間の隙間が封止される。同様のガスケットを有する左冷蔵室扉11Aaと、右冷蔵室扉11Abと、が閉じられると、冷蔵室27Aの前側の開口からの冷気の漏れが防止される。
【0030】
以上に説明した前面部材30、枠体36、および後面部材37は、右冷蔵室扉11Abの外面を形成している。
次に、右冷蔵室扉11Abの内部構造を説明する。
図5は、図3におけるF5-F5線に沿う断面図である。図6は、図3におけるF6-F6線に沿う断面図である。図7は、実施形態におけるカバー35、固定具32、および前面部材30を示す分解斜視図である。
図5、6に示すように、右冷蔵室扉11Abの内部には、タッチパネルP、回路基板33(図5参照)、回路基板34(図6参照)、カバー35、および発泡断熱材40が配置されている。
【0031】
タッチパネルPは、パネル本体31と、固定具32と、を有する。
パネル本体31は、画像を表示する表示部31aと、ユーザの操作を検知する検知部31bと、を有する。
表示部31aの種類は、画像信号に基づいて画像を表示できれば特に限定されない。例えば、表示部31aとして、液晶パネルが用いられてもよい。液晶パネルは、偏光方向が異なる2枚に偏光フィルタと、画素電極が配置された液晶と、バックライトと、を含む光透過型表示装置である。例えば、表示部31aとして、有機EL素子などの自発光型の表示装置が用いられてもよい。
表示部31aの表示画像としては、ユーザの操作入力を行う部位を示す操作用画像と、その他の文字、絵柄などを表示する画像と、が挙げられる。
検知部31bは、表示部31aに表示される操作用画像の位置に対向する前面部材30の前面30aに操作手段が近接または接触したことを検知する。検知部31bの検知方式は、適宜の操作手段による操作が検知できれば特に限定されない。例えば、検知部31bは、静電容量方式、光学方式などのセンサであってもよい。
図5、6に示す例では、検知部31bとして、透明電極を有する静電容量方式のセンサが用いられている。この場合、透明電極は、表示部31aの有効表示画面の全体を前側から覆う透明基板上に形成されている。
検知部31bは、前面部材30の前面30aに近接または接触する、ユーザの指などの操作手段の位置を検知する。
【0032】
パネル本体31は、前面部材30に沿って延び、図1に示すように、前側から見て矩形の平板形である。例えば、パネル本体31として、タブレット入力装置が用いられてもよい。
【0033】
固定具32は、パネル本体31を保持し、前面部材30の後面30bに固定される。
固定具32の形状は、パネル本体31を保持した状態で、後面30bに固定できれば特に限定されない。図5、6に示す例では、固定具32は、パネル本体31を内部に収容する凹部が形成され、-Y方向において開口する箱型である。
固定具32の凹部に収容されたパネル本体31は、ネジ、両面テープ、接着剤などによって、固定具32に固定される。これにより、固定具32に対するパネル本体31の横幅方向および上下方向の相対位置が固定される。
固定具32における凹部は、後面部32a、側面部32b、および係止台部32dに囲まれて形成される。
後面部32aは、タッチパネルPの後面を後側から覆う平板である。
図7に示すように、側面部32bは、後面部32aの周縁からタッチパネルPの側面に沿って-Y方向に突出する平板である。
係止台部32dは、+X方向における側面部32bにおいて後面部32aよりも-Y方向の位置から+X方向に膨出しており、上下方向に細長く形成された段状部である。係止台部32dは、後述するカバー35が奥行方向に係止するために用いられる。
側面部32bおよび係止台部の-Y方向の端部は、後面30bに沿う同一面上に延びている。
側面部32bおよび係止台部の-Y方向の端部には、後面30bに沿って凹部の外側に延びる突縁部32cが、全周にわたって形成されている。
図5、6に示すように、固定具32において、突縁部32cから後面部32aまでの凹部の深さは、パネル本体31の厚さに略等しい。
【0034】
図7に示すように、+X方向の突縁部32cにおいて、後面部32aの上端および下端の近傍には、後述するカバー35と連結するための固定用ボス32eが+Y方向に突出している。
固定用ボス32eの中心部には、ネジ39を螺合するためのネジ穴が形成されている。
固定用ボス32eの+Y方向における高さは、後面部32aよりも高い。
【0035】
図5、6に示すように、突縁部32cにおける-Y方向の表面は、突縁部32cと前面部材30の後面30bとの間に介在する両面テープT1によって後面30bに固定されている。これにより、固定具32内のパネル本体31の検知部31bは、後面30bからの距離が固定された状態で前面部材30に対向する。
表示部31aの有効表示領域は、透明部30Bに重なるように位置合わせされている。
【0036】
図7に示すように、回路基板33は、基板33aと、基板33aに形成されパネル本体31において主に画像や音源を制御する回路と、を有している。回路基板33の基板33a上には、回路を形成する種々の部品が実装されている。例えば、基板33a上には、動作時に発熱しやすいIC33bが実装されている。
回路基板33の配置位置は、特に限定されないが、図7に示す例では、固定具32の後面部32aの+Y方向側の表面に配置されている。後側から見た回路基板33の位置は、横幅方向において+X方向寄りであり、上下方向において中央よりも少し+Z方向寄りである。
回路基板33は、フレキシブル基板33cによって、パネル本体31と電気的に接続されている。
回路基板33は、図示略の配線ケーブルを介して、冷蔵庫本体5における制御基板17(図2参照)と電気的に接続されている。
【0037】
回路基板34は、基板34aに形成され、パネル本体31において外部からの音源を電気信号に変換する回路と、を有している。回路基板34の基板34a上には、回路を形成する種々の部品が実装されている。例えば、基板34a上には、動作時に発熱しやすいIC34bが実装されている。
回路基板34の配置位置は、特に限定されないが、図7に示す例では、回路基板34は、固定具32の後面部32aの+Y方向側の表面であって、上下方向において回路基板33の-Z方向に並ぶように配置されている。基板33a、34aにおける-X方向の各端縁は、上下方向に延びる同一直線上に位置している。
回路基板34は、図示略の配線ケーブルによって、回路基板33および制御基板17と電気的に接続されている。
【0038】
図5、6、7に示すように、カバー35は、後側から見たタッチパネルPの外周部を囲んだ状態で前面部材30の後方からタッチパネルPを覆っている。ここで、後側から見たタッチパネルPの外周部は、固定具32の突縁部32cで形成されている。
図7に示すように、カバー35は、-Y方向に開口する箱形である。カバー35は、後板部35P、上板部35U、下板部35D、右側板部35R、左側板部35L、および突縁部35Fを有する。
【0039】
後板部35Pは、後側から見たタッチパネルPの外周部よりも外側に延び、タッチパネルPの外周部に沿う外形を有する板である。本実施形態では、後側から見た後板部35Pの外形は、タッチパネルPの外形が上手方向に長い矩形であることに対応して、上下方向に長い矩形である。
後板部35Pは、回路基板33、34、および固定具32のいずれよりも、+Y方向に配置されている。後板部35Pは、奥行方向における凹凸形状を有しており、奥行方向において後面30bから測った後板部35Pの距離は、部位によって異なる。
図7に示す例では、後板部35Pは、後面部35c、35a、35b、35dを有する。後面部35c、35a、35b、35dは、後面30bに沿って延びる平板である。後側から見た形状は、いずれも上下方向に長い矩形である。後面部35c、35a、35b、35dは、-X方向においてこの順に並んでいる。
図5、6に示すように、奥行方向における後面部35c、35dと後面30bとの距離は、後板部35Pにおいて最も短い。奥行方向における後面部35aと後面30bとの距離は、後板部35Pにおいて最も長い。
後面部35bは、奥行方向において、後面部35c、35dと、後面部35aとの間に配置されている。
【0040】
後面部35aは、後側から見て、回路基板33、34の両方を後方から覆う範囲に延びている。後面部35aの-X方向の端縁は、回路基板33、34における-X方向の端縁よりも-X方向に位置している。
このため、後面部35aに隣接する後面部35bは、奥行方向において回路基板33、34が載置されていない後面部32aに隙間を空けて対向している。
後面部35bの上端部および下端部には、固定具32の各固定用ボス32eのネジ穴に対応する位置に、ネジ39を挿通する挿通孔39qがそれぞれ貫通している。
【0041】
-X方向における後面部35cの端部と、+X方向における後面部35aの端部と、の接続部には、各端部間で奥行方向に延び上下方向に長い平板からなる段部35eが形成されている。-X方向における後面部35aの端部と、+X方向における後面部35bの端部と、の接続部には、各端部間で奥行方向に延び上下方向に長い平板からなる段部35fが形成されている。-X方向における後面部35bの端部と、+X方向における後面部35dの端部と、の接続部には、各端部間で奥行方向に延び上下方向に長い平板からなる段部35gが形成されている。
ここで、各端部間における奥行方向は、右冷蔵室扉11Abの厚さ方向に対応する。
【0042】
図7に示すように、上板部35Uは、後板部35Pにおける+Z方向の端縁から前方に延びる平板である。下板部35Dは、後板部35Pにおける-Z方向の端縁から前方に延びる平板である。右側板部35Rは、後板部35Pにおける+X方向の端縁から前方に延びる平板である。左側板部35Lは、後板部35Pにおける-X方向の端縁から前方に延びる平板である。
上板部35U、下板部35D、右側板部35R、および左側板部35Lは、後板部35Pの外周部を囲んで前方に延びる壁部を形成している。
【0043】
突縁部35Fは、上板部35U、下板部35D、右側板部35R、および左側板部35Lの延在方向の先端から、後面30bに沿って外側に延びる平板である。突縁部35Fの外形は、後側から見た後板部35Pの外形に沿う矩形である。
突縁部35Fの内縁は、後側から見た固定具32よりも広い-Y方向に向いた開口を形成している。
図5、6に示すように、突縁部35Fにおける-Y方向の表面は、突縁部35Fと前面部材30の後面30bとの間に介在する両面テープT2によって後面30bに固定されている。両面テープT2は、突縁部35Fの全周に設けられている。これにより、カバー35は、前面部材30に液密に固定されている。
本明細書おいて、固定部が「液密に固定されている」とは、特に断らない限り後述する発泡断熱材40を形成する発泡液が流動時および発泡時に固定部を通過できないように固定されていることを意味する。
【0044】
右側板部35Rの+Z方向の端部の近くには、カバー35の内側に連通し、配線ケーブルを挿通する配線挿通部35hが設けられている。例えば、配線挿通部35hには、回路基板33に接続される配線ケーブルが挿通されてもよい。
下板部35Dの+X方向の端部の近くには、カバー35の内側に連通し、配線ケーブルを挿通する配線挿通部35iが設けられている。例えば、配線挿通部35iには、回路基板34に接続される配線ケーブルが挿通されてもよい。
配線挿通部35h、35iに挿通される各配線ケーブルは、例えば、各配線ケーブルに巻いたソフトテープなどによって、配線挿通部35h、35iと液密に固定されている。
【0045】
カバー35の内側の構成を説明する。
図8は、実施形態におけるカバーの内面側の構成を示す斜視図である。図9は、図3におけるF9-F9線に沿う断面図である。
図8に示すように、カバー35の内面には、右側突起35j、左側突起35k、上側突起35m、下側突起35n、および中央突起35pがそれぞれ+Y方向に突出している。
右側突起35jは、後面部35cの+Y方向の表面から突出し、上下方向に延びる平板である。図5に示すように、右側突起35jは、カバー35の固定時に、-Y方向の先端が係止台部32dの+Y方向の表面に当接する位置に設けられている。右側突起35jは、係止台部32dを横切るフレキシブル基板33cの配置位置を避けて2個設けられている。
【0046】
図8に示すように、左側突起35kは、後面部35dの+Y方向の表面から突出し、上下方向に延びる平板である。図5に示すように、左側突起35kは、カバー35の固定時に、-Y方向の先端が-X方向側の突縁部32cの+Y方向の表面に当接する位置に設けられている。左側突起35kの上下方向の長さは、-X方向側の突縁部32cの全長に略等しい。
図8に示すように、上側突起35mおよび下側突起35nは、後面部35a、35bの+Y方向の表面から突出し、横幅方向に延びる平板である。上側突起35mおよび下側突起35nの突出方向の先端は、奥行方向において左側突起35kと同じ位置に位置する。
図9に示すように、上側突起35mは、カバー35の固定時に、-Y方向の先端が+Z方向側の突縁部32cに当接する位置に設けられている。
下側突起35nは、カバー35の固定時に、-Y方向の先端が後面部32aの+Y方向の表面に当接係止する位置に設けられている。
上側突起35mおよび下側突起35nの横幅方向の長さは、下側突起35nが当接する後面部32aの横幅方向に全長と略等しい。
【0047】
図8に示すように、中央突起35pは、上側突起35mと下側突起35nとの中間において段部35fに近接する位置において、後面部35aの+Y方向の表面から+Y方向に突出する円筒である。
中央突起35pにおける横幅方向の位置は、カバー35の固定時に回路基板33、34と接触しない位置であれば特に限定されない。例えば、中央突起35pは、前側から見た後板部35Pの中心または中心の近くに設けられていてもよい。例えば、中央突起35pは、後側から見たパネル本体31の中心または中心の近くに設けられていてもよい。
後面部35aからの中央突起35pの突出量は、後述する発泡断熱材40が右冷蔵室扉11Abの内部に充填された際に、発泡断熱材40の発泡圧によって、固定具32の後面部32aに当接可能な大きさである(図5参照)。
【0048】
右側突起35j、左側突起35k、上側突起35m、下側突起35n、および中央突起35pは、右冷蔵室扉11Abの厚さ方向(奥行方向)において固定具32に向かって突出し、突出方向の先端が固定具32に当接する突起部である。
ただし、中央突起35pは、カバー35が固定された後、後述する発泡断熱材40が右冷蔵室扉11Abの内部に充填された後に、固定具32と当接する。
【0049】
カバー35は、合成樹脂の成形品によって形成される。カバー35の材料は、両面テープT2との接着性に優れる材料であれば特に限定されない。カバー35の材料は、後述する発泡断熱材40よりも難燃性に優れる材料であることがより好ましい。
【0050】
右冷蔵室扉11Abにおけるカバー35の固定構造について説明する。
図10は、図3におけるF10-F10線に沿う断面図である。図11は、図10におけるF11の拡大図である。
カバー35においては、上述したように、突縁部35Fが両面テープT2よって前面部材30の後面30bに固定される。このとき、突縁部35Fは、固定具32における突縁部32cの外周に沿っており、かつ突縁部32cの外周部は、突縁部35Fの内周部から離れている。このため、突縁部32cの外周部と突縁部35Fの内周部との間には、後側から見て、後面30bが露出している。
【0051】
図10に示すように、カバー35は、挿通孔35q(図7、11参照)に挿通された2本のネジ39が、固定具32の各固定用ボス32eに螺合されることによって、固定具32と連結されている。後面部35cの奥行方向の配置位置は、固定用ボス32eの近傍では、固定用ボス32eの高さによって規制される。
本実施形態では、カバー35と固定具32との連結位置は、それぞれの+X方向の端部における上端部と下端部との2箇所である。ただし、カバー35と固定具32との連結位置は、必要な連結強度が得られればこれには限定されない。例えば、連結位置は、-X方向の端部にあってもよいし、上端部または下端部において横幅方向の中間部にあってもよい。
例えば、前面部材30が割れるなどして、固定具32における前側の支えが失われた場合にも、タッチパネルPの落下を防止しやすい点では、横幅方向の位置によらず、上端部および下端部の少なくとも2箇所で連結することがより好ましい。
【0052】
固定具32およびカバー35が、前面部材30に固定された状態において、右冷蔵室扉11Abの内部は、図5、6、8、10に示すように、内部空間S1、S2に分割されている。
内部空間S1は、後面部材37の-Y方向の表面と、枠体36の内周面と、カバー35の+Y方向の表面と、前面部材30において後側から見てカバー35に覆われていない後面30bと、によって囲まれた空間である。
内部空間S2は、カバー35の-Y方向の表面と、突縁部35Fの内側に露出する後面30bと、によって囲まれた空間である。
内部空間S1には、発泡断熱材40が充填されている。発泡断熱材40は、例えば発泡ウレタンのような発泡体からなる断熱材である。発泡断熱材40は、発泡断熱材10cと同様の材料が用いられてもよい。
内部空間S2においては、突縁部35Fが後面30bに液密に固定され、配線ケーブルが配線挿通部35h、35iに液密に固定されていることにより、発泡断熱材40が排除されている。内部空間S2は、前側が前面部材30によって非断熱的に覆われ、前面部材30よりも後側が、発泡断熱材40によって断熱的に覆われている。
【0053】
次に、右冷蔵室扉11Abの製造方法の一例を説明する。
パネル本体31を固定具32に収容してタッチパネルPを組み立てる。突縁部32cには、セパレータ付きの両面テープT1を予め貼り付けておく。
後面部32aには、配線ケーブルが接続された回路基板33、34を固定する。その際、パネル本体31から延出するフレキシブル基板33cは、固定具32の後面に沿って折り曲げられて、後面部32aの上方に延ばされる。
この後、タッチパネルPの後方に、カバー35を配置する。カバー35の突縁部35Fには、セパレータ付きの両面テープT2を予め貼り付けておく。
回路基板33に接続する配線ケーブルは、配線挿通部35hを通してカバー35の内側に挿入される。回路基板34に接続する配線ケーブルは、配線挿通部35iを通してカバー35の内側に挿入される。この後、各配線ケーブルを回路基板33、34のコネクタに接続する。
この後、カバー35の各挿通孔35qを、各固定用ボス32e上に位置合わせして、2本のネジ39を固定用ボス32eに螺合する。これにより、カバー35が固定具32に連結される。このとき、右側突起35j、左側突起35k、上側突起35m、および下側突起35nは、それぞれ固定具32の後側の表面に当接しているか、または近接して対向している。中央突起35pと突縁部32cとの間には、隙間が空いている。
このようにして、固定具32とカバー35との奥行方向の距離は、固定用ボス32e、右側突起35j、左側突起35k、上側突起35m、および下側突起35nの突出の高さによって規制される。このとき、突縁部32c、35Fは、同一平面上または略同一平面上に位置する。パネル本体31の前側の表面は、突縁部32c、35Fが位置する平面と同一平面上もしくはわずかに後側の位置に位置する。
【0054】
このようにして形成したタッチパネルPとカバー35との組立体50を図12の(a)に示す。
図12は、実施形態における右冷蔵室扉の製造方法を説明する模式図である。
組立体50では、中央突起35pの先端35p1は、奥行方向において後面部32aから少し離れている。
両面テープT1、T2のセパレータを剥がした後、組立体50を、枠体36が連結された前面部材30の後面30b上に固定する。このとき、後側から見たカバー35の周縁部を前面部材30に押し付けると、右側突起35j、左側突起35k、上側突起35m、および下側突起35nが固定具32の後側に当接する。これにより、押圧力が固定具32の突縁部32cにも伝達されて、両面テープT1がより強固に固定される。
組立体50から延出した各配線ケーブルは、枠体36内の適宜位置に配置され、ヒンジ取付部36e、36fを通して外部に引き出される。
この後、枠体36に後面部材37を固定する。これにより、図12の(a)に示すような発泡断熱材40を除く扉組立体51が形成される。
【0055】
この後、図12の(b)に示すように、扉組立体51の内部空間S1内に発泡断熱材40を形成する発泡液を導入し、発泡させる。発泡した後、発泡体が硬化すると、発泡断熱材40が形成されて、右冷蔵室扉11Abが形成される。
発泡体は硬化するにつれて収縮するので、右冷蔵室扉11Abには、上端部と下端部との間で前面部材30に前側が凸になる反りが生じ易い。ただし、右冷蔵室扉11Abの反りは、枠体36の剛性などによって、ある程度抑制できるので、右冷蔵室扉11Abの外観と、開口を閉じて密封する機能(以下、閉じ機能)と、は損なわれない。
しかしながら、タッチパネルPの検知部31bの検知精度は、前面部材30の前面30aから検知部31bまでの静電距離によって大きく変化する。外観および閉じ機能に影響しない程度の反りであっても、反りに起因する静電距離のばらつきによって、検知部31bの検知精度が操作位置によってばらつく可能性がある。これにより、操作入力の誤検知が生じ易くなる可能性がある。
【0056】
本実施形態では、内部空間S1内で発泡液が発泡すると、カバー35に後方から発泡圧が作用する。例えば、後板部35Pと第1平坦部37aとの間の発泡体が奥行方向に膨張することによって、後板部35Pは固定具32に向かって押圧される。
発泡圧は、後板部35Pの外周部の近傍に設けられた、上側突起35m、下側突起35n、右側突起35j、および左側突起35kを通して、突縁部32cおよび係止台部32dから固定具32に伝達される。これにより、両面テープT1による固定箇所に発泡圧が伝達され、発泡中に固定具32と前面部材30との密着性が向上する。
図12の(b)に示すように、発泡圧は、後板部35Pの全体に分布し、特に後板部35Pの中央部で-Y方向に大きなたわみを生じさせる。これにより、中央突起35pの先端35p1が固定具32の後面部32aに当接する。発泡圧は中央突起35pから後面部32aにも伝達され、固定具32に固定されたパネル本体31が後面30bに押し付けられる。
この結果、発泡体の収縮によって前面部材30の反りが生じても、前面30aと検知部31bとの距離および静電距離が略一定に保たれる。静電距離を均等化する観点では、中央突起35pは、後側から見たパネル本体31の中心の近傍に配置することがより好ましい。
発泡圧は発泡体の収縮ともに緩和するが、特に右冷蔵室扉11Aaの長手方向である上下方向における発泡体の収縮によって、全体として前側に凸の弓形の曲げ変形が生じる。このため、発泡体の硬化後も中央突起35pが後面部32aに押し付けられた状態が続く。
【0057】
本実施形態では、発泡液の導入前には、中央突起35pの先端35p1は、後面部32aから離れている。これにより、先端35p1がはじめから後面部32aに当接している場合に比べて、後面部32aに伝達される押圧力が緩和される。この結果、中央突起35pの近傍の後面部32aに高い押圧力が集中して、表示部31aが損傷したり故障したりすることを防止できる。
【0058】
本実施形態では、後板部35Pが上下方向に延びる段部35e、35f、35gを有している。このため、後板部35Pが段部を有しない平板からなる場合に比べて、上下方向に直交する断面における後板部35Pの断面2次モーメントが大きくなる。このため、カバー35は、YZ平面内の曲げに対して抵抗しやすい形状を有する。
この結果、後板部35Pが受ける発泡圧が分散されて、中央突起35pが設けられた部位における後板部35Pのたわみ量が低減される。この点でも、中央突起35pの近傍の後面部32aに作用する押圧力を低減できる。
中央突起35pの近傍には、段部35fが設けられているので、段部35fによる補強効果によって、中央突起35pが設けられた部位における後板部35Pのたわみ変形が特に効率的に抑制される。
中央突起35pが設けられていることによって、発泡圧が作用しても、中央突起35pの近傍では、固定具32と後板部35Pとの間の距離が、中央突起35pの突出方向の長さ程度に保たれる。中央突起35pによれば、発泡圧が作用してカバー35が変形しても、固定具32と後板部35Pとの間の内部空間S2の縮小量を抑制することができる。
【0059】
本実施形態の右冷蔵室扉11Abは、前面部材30とカバー35とで囲まれた内部空間S2に、検知部31bを有するタッチパネルPが設けられている。このため、ユーザは、検知部31bに対向する前面部材30の前面30aに指で触れたり、触れた位置を移動したりすることによって操作入力を行うことができる。表示部31aのおける操作用画像を切り替えることによって様々な操作入力が可能になる。このため、固定された操作部が設けられている場合に比べて冷蔵庫の操作が容易になる。
タッチパネルPは、上側突起35m、下側突起35n、右側突起35j、左側突起35k、および中央突起35pによって後面30bに向かって押圧されているので、前面部材30に反りがある場合にも、検知部31bと後面30bとの距離の変化が生じにくい。このため、誤検知が抑制される点でも、操作が容易である。
【0060】
右冷蔵室扉11Abの内部において、カバー35の外側の内部空間S1には、発泡断熱材40が充填されている。このため、右冷蔵室扉11Abは、カバー35の後側で発泡断熱材40の厚さが薄い。しかし、前側から見たカバー35の外側では、外周側では、前面部材30から後面部材37の間の全体に発泡断熱材40が充填され、発泡断熱材40がカバー35の後側の厚さよりも厚いので、断熱性能が高くなっている。
特に観音開き式の扉の場合、左冷蔵室扉11Aaの右端と、右冷蔵室扉11Abの左端と、が隙間を空けて対向する必要があるので、左冷蔵室扉11Aaと右冷蔵室扉11Abとの対向部の近傍における断熱性能が低下しやすい。しかし、本実施形態では、右冷蔵室扉11Abの左端からカバー35までの間の発泡断熱材40の厚さが厚いので、対向部の近傍における断熱性能の低下が抑制される。
【0061】
従来、冷蔵庫の扉にタッチパネルが設けられる場合、タッチパネルは交換可能に取り付けられている。例えば、タッチパネルが右冷蔵室扉に設けられる場合、右冷蔵室扉の左側端部または上端部に交換用の脱着口が設けられ、脱着口から扉内の収容空間に出し入れできる構造を有する。
この場合、タッチパネルを脱着するために、扉の端部の脱着口から収容位置までタッチパネルを移動する空間を形成する必要がある。この空間には断熱材を配置することができない。一方、タッチパネルは、ユーザが操作しやすいように、前側から見て扉の端部近くより、端部から離れた内方に配置する必要がある。この場合、脱着口から収容位置に向かうタッチパネルの移動経路にも断熱材を配置できない空間が生じる。このため、右冷蔵室扉の左側端部または上端部の断熱材の厚さが薄くなって、断熱性能が低下しやすい。
断熱性能を低下させないためには、例えば、後面部材を貯蔵室の内側に張り出させて断熱材の厚さを厚くしたり、発泡断熱材に加えてより高価な真空断熱材などを配置したりしなければならない場合もある。
【0062】
これに対して、本実施形態では、タッチパネルPをカバー35で覆った状態で右冷蔵室扉11Abの内部に固定し、タッチパネルPの交換用の脱着空間、脱着開口などを省略している。これにより、発泡断熱材が充填できない空間を、タッチパネルPの外形より少し大きな範囲にとどめることができる。
このように、本実施形態では、タッチパネルPの配置位置によらず、断熱性能の低下を抑制できるので、タッチパネルPの配置自由度が向上する。この結果、右冷蔵室扉11Abの断熱性能を低下させることなく、ユーザが使用しやすい位置にタッチパネルPを配置することができる。
【0063】
タッチパネルPは、発泡断熱材40で覆われたカバー35と、前面部材30と、に囲まれて液密に密閉された状態で右冷蔵室扉11Abの内部に配置されている。このため、タッチパネルPが配置された内部空間S2に、外部から水分、ほこりなどが侵入することが防止される。この結果、例えば、水分、ほこりなどの起因するタッチパネルPの汚れ、故障などが防止できる。
【0064】
本実施形態では、タッチパネルPの固定具32がネジ39によってカバー35に連結されている。
このため、タッチパネルPを前面部材30に固定する前に、カバー35と連結しておくことにより、タッチパネルPとカバー35との相対位置関係が固定された状態で、タッチパネルPとカバー35とを同時に前面部材30に固定できる。これにより、タッチパネルPに対するカバー35の相対位置の調整が不要になるので、迅速に固定することができる。
例えば、操作性を向上するために、タッチパネルPとして、大画面のタブレット装置を用いることが考えられる。この場合、タッチパネルPの重量は画面サイズに応じて大きくなる。このような大きくて重いタッチパネルPは、万一、前面部材30が割れた場合に、前方に落下しないようにすることが好ましい。
本実施形態では、前面部材30が割れてタッチパネルPの支えが失われても、タッチパネルPはカバー35に連結されている。カバー35は、後側が発泡断熱材40に密着しているので、前面部材30が割れて前側の支えが失われても、前側に落下することはない。このため、カバー35に連結することで、タッチパネルPの落下を防止することができる。
【0065】
以上説明したように、本実施形態の冷蔵庫1によれば、タッチパネルPがカバー35に覆われて前面部材30に固定された右冷蔵室扉11Abを有するので、操作が容易であり、右冷蔵室扉11Abの断熱性能に優れる冷蔵庫を提供することができる。
【0066】
上記実施形態では、カバー35および固定具32がネジ39で連結された例で説明した。しかし、連結手段はネジの螺合には限定されない。例えば、連結手段として、弾性変形可能な係止爪が用いられてもよい。
図13は、実施形態の冷蔵庫に用いることができるカバーおよび固定具の第1変形例を示す斜視図である。
図13に示す第1変形例のカバー35Aおよび固定具32Aは、実施形態のカバー35および固定具32に代えて冷蔵庫1に用いることができる。以下、実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0067】
カバー35Aは、カバー35における+Z方向の挿通孔35qに代えて係止爪35Aaを有し、カバー35における-Z方向の挿通孔35qに代えて係止板35Abを有する。
さらに、カバー35Aは、上下方向における係止爪35Aaと係止板35Abとの間に係止突起35Acを有する。
【0068】
係止爪35Aaは、後面部35cの-Y方向の表面から-Y方向に延び+Z方向に弾性変形可能な板部35Aa1と、板部35Aa1の-Y方向の先端において、-Z方向に突出する係止突起35Aa2と、を有する。板部35Aa1の長さは、実施形態における固定用ボス32eよりも短い。
係止板35Abは、後面部35cの-Y方向の表面から-Y方向に延びXY平面に平行な板部35Ab1と、板部35Ab1の厚さ方向に貫通する貫通孔35Ab2と、を有する。板部35Ab1の長さは、固定用ボス32eの長さよりわずかに短い。
係止突起35Acは、上下方向において、係止爪35Aaと係止板35Abとの間の後面部35cの-Y方向の表面から-Y方向に延びている。係止突起35Acは、固定用ボス32eと同じ高さを有し、XY平面に平行な板状突起である。
【0069】
固定具32Aは、固定具32における+Z方向の固定用ボス32eに代えて係止爪32Aaを有し、固定具32における-Z方向の固定用ボス32eに代えてフック32Abを有する。
【0070】
係止爪32Aaは、係止爪35Aaとの下側において係止爪35Aaと係止する。
係止爪32Aaは、突縁部32cの+Y方向の表面から+Y方向に延びる板部32Aa1と、板部32Aa1の+Y方向の先端において+Z方向に突出する係止突起32Aa2と、を有する。板部32Aa1の+Z方向の表面は、係止爪35Aaとの係止時において板部35Aa1の-Z方向の表面に近接している。係止突起32Aa2の位置は、突縁部32cが後述する係止突起35Acの先端に係止した状態で、係止爪35Aaの係止突起35Aa2に対し-Y方向に係止する位置である。
フック32Abは、突縁部32cの+Y方向の表面から-Y方向に延びXY平面に平行な板部32Ab1と、板部32Ab1の先端から-Z方向に延び貫通孔35Ab2に上側から挿入可能な突起32Ab2と、を有する。
フック32Abの突起32Ab2の位置は、突起32Ab2が貫通孔35Ab2の-Y方向の内面に係止した状態で、突縁部32cの+Y方向の表面と後面部35cの-Y方向の表面との距離が、固定用ボス32eの高さに等しくなる位置である。
【0071】
このような構成によれば、フック32Abの突起32Ab2を係止板35Abの貫通孔35Ab2に差し込み、フック32Abを回動支点として固定具32Aをカバー35Aに向かって回動させると、係止突起32Aa2、35Aa2が互いに係止する。突縁部32cには、固定具32Aとカバー35Aとの奥行方向の相対位置を規制する係止突起35Acの先端が当接する。突起32Ab2は、貫通孔35Ab2の-Y方向の内面に係止する。
これにより、固定具32Aがカバー35Aに連結される。連結状態では、実施形態と同様、突縁部35Fと突縁部32cとが略同一平面上に位置する。
【0072】
本変形例によれば、万一、前面部材30が割れるなどして、タッチパネルPの前側の支えが失われた場合でも、タッチパネルPは固定部32Aによってカバー35Aに連結されている。このため、タッチパネルPの落下が防止される。
同様に、万一、両面テープT1の接着力が低下した場合でもタッチパネルPの位置ずれが防止できる。
【0073】
図14は、実施形態の冷蔵庫に用いることができるカバーおよび固定具の第2変形例を示す断面図である。
図14に示すように、第2変形例のカバー35Bは、第1変形例のカバー35Aの係止板35Abに代えて、係止爪35Bbを有する。第2変形例の固定具32Bは、第1変形例の固定具32Aのフック32Abに代えて、係止爪32Bbを有する。
カバー35Bおよび固定具32Bは、実施形態のカバー35および固定具32に代えて冷蔵庫1に用いることができる。以下、実施形態および第1変形例と異なる点を中心に説明する。
【0074】
係止爪35Bbは、係止爪32Aaの板部32Aa1および係止突起32Aa2に対応して、板部32Ba1および係止突起32Ba2を有する。板部32Aa1は、上下方向の位置が異なる以外は、板部32Aa1と同様である。係止突起32Ba2は、突出方向が係止突起32Aa2と反対である以外は係止突起32Aa2と同様である。
【0075】
カバー35Bにおける係止爪35Aa、35Bbは、固定具32Bにおける係止爪32Aa、32Bbを上下方向の外側から挟んだ状態で、係止突起35Aa2、35Bb2がそれぞれ係止突起32Aa2、32Bb2に+Y方向から係止できる。
【0076】
このような構成によれば、固定具32Bの係止爪32Aa、32Bbを、カバー35Bの係止爪35Aa、35Bbの間に+Y方向に挿入することによって、係止突起32Aa2と係止突起35Aa2とが互いに係止し、係止突起32Ab2と係止突起35Bb2とが互いに係止する。このとき、突縁部32cには、第1変形例と同様、係止突起35Acの先端が当接する。
これにより、固定具32Bがカバー35Bに連結される。連結状態では、実施形態と同様、突縁部35Fと突縁部32cとが略同一平面上に位置する。
【0077】
本変形例によれば、万一、前面部材30が割れるなどして、タッチパネルPの支えが失われても、タッチパネルPは固定具32Bによってカバー35Bに連結されているので、タッチパネルPの落下が防止される。
同様に、万一、両面テープT1の接着力が低下した場合でもタッチパネルPの位置ずれが防止できる。
【0078】
上記実施形態では、タッチパネルPが、画像信号に基づく画像を表示する表示部31aを有するとして説明した。しかし、表示部は、必要な操作用画像が表示できれば、画像信号に基づく画像には限定されない。
例えば、表示部は、複数の操作用画像を切替信号に応じて切り替える構成でもよい。
例えば、操作用画像が一種類でよい場合には、操作用画像が描かれた表示板であってもよい。この場合、回路基板33、34における画像表示回路は省略できる。
【0079】
上記実施形態では、タッチパネルPの後方に回路基板33、34が配置されるとして説明した。しかし、回路基板は、タッチパネルと並列に配置されてもよい。この場合、カバーの後側における発泡断熱材の厚さを低減できる。
【0080】
上記実施形態では、カバー35の内側にタッチパネルPと、回路基板33、34とが配置されるとして説明した。この場合、タッチパネルPと回路基板33、34との間の配線長を短くできるので、ノイズの混入などによる、表示の乱れおよび操作入力の誤検知を抑制できる。
しかし、ノイズが混入しにくい場合には、回路基板は、冷蔵庫本体5に配置されてもよい。この場合、カバー35の奥行方向の高さを低減できるので、右冷蔵室扉11Abの断熱性がさらに向上する。
【0081】
上記実施形態では、カバー35が、右冷蔵室扉11Abの厚さ方向において固定具32に向かって突出し、突出方向の先端が固定具32に当接する突起部を有する例で説明した。しかし、突起部は、カバーと固定具とのどちらに設けられてもよい。例えば、突起部は固定部に設けられてもよいし、カバーと固定具との両方に設けられてよい。
【0082】
上記実施形態では、カバー35が上下方向に延びる段部を有するとして説明した。しかし、カバーの形状は、発泡圧を受けて変形した状態で、必要な内部空間の形状および大きさを維持できれば、これには限定されない。
例えば、カバーは、後側から見た回路基板の外周に沿って、後方に突出する凸形状を有することにより、回路基板の放熱に必要な空間を確保してもよい。
【0083】
上記実施形態では、カバーで囲まれて前面部材に固定されたタッチパネルが、右冷蔵室扉11Abに設けられるとして説明した。しかし、このようなタッチパネルは、複数の扉11のうち、1以上の扉に設けられていれば、どの扉に設けられてもよい。例えば、タッチパネルは、左冷蔵室扉11Aa、野菜室扉11Bなどに設けられてもよい。
【0084】
上記実施形態では、観音開き式の扉に、カバーで囲まれて前面部材に固定されたタッチパネルが設けられるとして説明した。しかし、タッチパネルは、例えば、片開き式、スライド式など扉に設けられてもよい。
【0085】
以上、説明した少なくとも一つの実施形態によれば、冷蔵庫が、貯蔵室を含む冷蔵庫本体と、少なくとも一部に透明領域を有する前面部材と、前記前面部材の後側を覆う後面部材と、前記前面部材と前記後面部材との間に充填された発泡断熱材と、を有し、前記貯蔵室を開閉可能に閉じる扉と、前記前面部材の後面に近接した状態で前記透明領域に対向するように前記後面に固定され、前記扉の前面側から操作可能なタッチパネルと、後側から見た前記タッチパネルの外周部を囲んだ状態で前記前面部材の後方から前記タッチパネルを覆っており、前記後面に液密に固定されているカバーと、を備え、前記発泡断熱材は、後側から見て前記カバーに覆われていない前記前面部材の前記後面および前記カバーの後面と、前記後面部材と、の間に充填されているので、操作が容易であり扉の断熱性能に優れる冷蔵庫を提供することができる。
【0086】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0087】
1…冷蔵庫,5…冷蔵庫本体,11…複数の扉,11Ab…右冷蔵室扉,27A…冷蔵室(貯蔵室),30…前面部材,30a…前面,30b…後面,30B…透明部(透明領域),31a…表示部,31b…検知部,32、32A、32B…固定具,32a…後面部32c…突縁部,32d…係止台部,32e…固定用ボス,33、34…回路基板,35、35A、35B…カバー,35a、35b、35c、35d…後面部,35P…後板部
35e、35f、35g…段部,35F…突縁部,35j…右側突起(突起部),35k…左側突起(突起部),35m…上側突起(突起部),35n…下側突起(突起部),35p…中央突起(突起部),36…枠体,37…後面部材,37a…第1平坦部,37b…第2平坦部,37c…傾斜部,40…発泡断熱材,P…タッチパネル,T1、T2…両面テープ
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