(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-12
(45)【発行日】2024-07-23
(54)【発明の名称】固体撮像装置および電子機器
(51)【国際特許分類】
H01L 27/146 20060101AFI20240716BHJP
H04N 25/70 20230101ALI20240716BHJP
【FI】
H01L27/146 A
H04N25/70
(21)【出願番号】P 2020557557
(86)(22)【出願日】2019-11-19
(86)【国際出願番号】 JP2019045276
(87)【国際公開番号】W WO2020105634
(87)【国際公開日】2020-05-28
【審査請求日】2022-10-11
(31)【優先権主張番号】P 2018216342
(32)【優先日】2018-11-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2019206785
(32)【優先日】2019-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】316005926
【氏名又は名称】ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001357
【氏名又は名称】弁理士法人つばさ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】古屋 晶吾
(72)【発明者】
【氏名】坂野 頼人
(72)【発明者】
【氏名】高橋 了
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 篤
(72)【発明者】
【氏名】吉川 良一
(72)【発明者】
【氏名】末永 淳
(72)【発明者】
【氏名】古賀 慎一
(72)【発明者】
【氏名】千葉 洋平
(72)【発明者】
【氏名】塩山 正真
【審査官】加藤 俊哉
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-347655(JP,A)
【文献】特開2009-283552(JP,A)
【文献】国際公開第2015/152297(WO,A1)
【文献】特開2010-109136(JP,A)
【文献】特開2013-161868(JP,A)
【文献】国際公開第2015/068315(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 27/146
H04N 25/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体層と、
前記半導体層に設けられ、受光量に応じた電荷を光電変換により生成する光電変換部と、
前記半導体層に設けられ、第1の電気的膜厚を有する第1の絶縁膜を含む蓄積容量素子と、
前記半導体層に設けられ、前記第1の電気的膜厚よりも厚い第2の電気的膜厚を有する第2の絶縁膜を含む第1のトランジスタと
を備
え、
前記蓄積容量素子は、前記半導体層の厚さ方向において前記光電変換部と重なり合う位置に積層されており、
前記第1のトランジスタは、前記半導体層の厚さ方向に延びるゲート電極を第2の導電層として含む縦型トランジスタであり、
前記第2の絶縁膜は前記縦型トランジスタのゲート絶縁膜であり、
前記縦型トランジスタのゲート電極は、前記半導体層に形成された厚さ方向に延びるトレンチに挿入されたプラグを有し、
前記トレンチは、前記第2の絶縁膜により全面的に覆われた壁面および底面を有する
固体撮像装置。
【請求項2】
前記第2の電気的膜厚よりも薄い第3の電気的膜厚を有する第3の絶縁膜を含む第2のトランジスタ、をさらに備えた
請求項1記載の固体撮像装置。
【請求項3】
前記第2のトランジスタは増幅トランジスタであり、前記第3の絶縁膜は前記増幅トランジスタのゲート絶縁膜である
請求項2記載の固体撮像装置。
【請求項4】
前記第1の絶縁膜の物理的膜厚の最小値は、前記第2の絶縁膜の物理的膜厚の最小値よりも薄い
請求項
1記載の固体撮像装置。
【請求項5】
前記蓄積容量素子は、MOS容量である
請求項1記載の固体撮像装置。
【請求項6】
前記MOS容量は、プレーン型である
請求項
5記載の固体撮像装置。
【請求項7】
前記MOS容量は、トレンチ型である
請求項
5記載の固体撮像装置。
【請求項8】
前記蓄積容量素子は、前記光電変換部により生成される前記電荷を蓄積する
請求項1記載の固体撮像装置。
【請求項9】
前記光電変換部および前記蓄積容量素子を含む画素と隣接するように前記半導体層に設けられた隣接画素をさらに備え、
前記隣接画素は、受光量に応じた電荷を光電変換により生成する隣接光電変換部を有し、
前記蓄積容量素子は、前記光電変換部により生成される前記電荷を蓄積すると共に、前記隣接光電変換部により生成される前記電荷をも蓄積する
請求項1記載の固体撮像装置。
【請求項10】
前記蓄積容量素子は、前記半導体層の面内方向において前記光電変換部および前記隣接光電変換部の双方にまたがるように設けられている
請求項
9記載の固体撮像装置。
【請求項11】
前記光電変換部の感度は、前記隣接光電変換部の感度よりも高い
請求項
9記載の固体撮像装置。
【請求項12】
前記光電変換部および前記蓄積容量素子を含む画素と隣接するように前記半導体層に設けられた隣接画素をさらに備え、
前記隣接画素は、受光量に応じた電荷を光電変換により生成する隣接光電変換部を有し、
前記蓄積容量素子は、前記隣接光電変換部により生成される前記電荷を蓄積する
請求項1記載の固体撮像装置。
【請求項13】
前記第1のトランジスタは、前記電荷を前記光電変換部から転送先へ転送する転送トランジスタである
請求項1記載の固体撮像装置。
【請求項14】
前記半導体層に設けられ、前記光電変換部において生成された前記電荷を電圧に変換する、前記転送先としての電荷電圧変換部をさらに有する
請求項
13記載の固体撮像装置。
【請求項15】
前記蓄積容量素子は、前記電荷電圧変換部と接続されている
請求項
14記載の固体撮像装置。
【請求項16】
前記蓄積容量素子は、
前記光電変換部と前記電荷電圧変換部との間に設けられ、前記光電変換部により生成された前記電荷を前記電荷電圧変換部へ転送する前に一時的に保持する、前記転送先としての電荷保持部である
請求項
14記載の固体撮像装置。
【請求項17】
前記蓄積容量素子と前記電荷電圧変換部との間に設けられ、前記蓄積容量素子と前記電荷電圧変換部との電気的接続と前記蓄積容量素子と前記電荷電圧変換部との電気的切断とを行う切替部をさらに備えた
請求項
14記載の固体撮像装置。
【請求項18】
前記第1の絶縁膜における第1の誘電率は、前記第2の絶縁膜における第2の誘電率よりも高い
請求項1記載の固体撮像装置。
【請求項19】
前記第1の絶縁膜における第1の物理的膜厚は、前記第2の絶縁膜における第2の物理的膜厚よりも薄い
請求項1記載の固体撮像装置。
【請求項20】
半導体層と、
前記半導体層に設けられ、受光量に応じた電荷を光電変換により生成する光電変換部と、
前記半導体層に設けられ、第1の絶縁耐圧を有する第1の絶縁膜を含む蓄積容量素子と、
前記半導体層に設けられ、前記第1の絶縁耐圧よりも高い第2の絶縁耐圧を有する第2の絶縁膜を含む第1のトランジスタと
を備
え、
前記蓄積容量素子は、前記半導体層の厚さ方向において前記光電変換部と重なり合う位置に積層されており、
前記第1のトランジスタは、前記半導体層の厚さ方向に延びるゲート電極を第2の導電層として含む縦型トランジスタであり、
前記第2の絶縁膜は前記縦型トランジスタのゲート絶縁膜であり、
前記縦型トランジスタのゲート電極は、前記半導体層に形成された厚さ方向に延びるトレンチに挿入されたプラグを有し、
前記トレンチは、前記第2の絶縁膜により全面的に覆われた壁面および底面を有する
固体撮像装置。
【請求項21】
固体撮像装置を備えた電子機器であって、
前記固体撮像装置は、
半導体層と、
前記半導体層に設けられ、受光量に応じた電荷を光電変換により生成する光電変換部と、
前記半導体層に設けられ、第1の電気的膜厚を有する第1の絶縁膜を含む蓄積容量素子と、
前記半導体層に設けられ、前記第1の電気的膜厚よりも厚い第2の電気的膜厚を有する第2の絶縁膜を含む第1のトランジスタと
を備
え、
前記蓄積容量素子は、前記半導体層の厚さ方向において前記光電変換部と重なり合う位置に積層されており、
前記第1のトランジスタは、前記半導体層の厚さ方向に延びるゲート電極を第2の導電層として含む縦型トランジスタであり、
前記第2の絶縁膜は前記縦型トランジスタのゲート絶縁膜であり、
前記縦型トランジスタのゲート電極は、前記半導体層に形成された厚さ方向に延びるトレンチに挿入されたプラグを有し、
前記トレンチは、前記第2の絶縁膜により全面的に覆われた壁面および底面を有する
電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、光電変換を行うことで撮像を行う固体撮像装置、およびその固体撮像装置を備えた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
これまでに、半導体層に設けられた光電変換部において生成される信号電荷を、その半導体層に設けられたメモリに一時的に蓄積するようにした固体撮像装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【0004】
ところで、このような固体撮像装置では、撮像性能を維持しつつ、さらなる高集積化が求められている。
【0005】
したがって、高集積化に適した構造を有する固体撮像装置、およびそのような撮像装置を備えた電子機器を提供することが望まれる。
【0006】
本開示の一実施形態としての固体撮像装置は、半導体層と、その半導体層に設けられ受光量に応じた電荷を光電変換により生成する光電変換部と、半導体層に設けられ第1の電気的膜厚を有する第1の絶縁膜を含む蓄積容量素子と、半導体層に設けられ第1の電気的膜厚よりも厚い第2の電気的膜厚を有する第2の絶縁膜を含む第1のトランジスタとを備える。
また、本開示の一実施形態としての電子機器は、上記撮像装置を備えたものである。
【0007】
本開示の一実施形態としての撮像装置および電子機器では、上記の構成により蓄積容量素子の絶縁膜を薄くすることができるので、蓄積容量素子の占有面積を広げることなく蓄積容量素子の容量が増加する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1A】本開示の第1の実施の形態に係る固体撮像装置の機能の構成例を示すブロック図である。
【
図1B】第1の変形例としての固体撮像装置の機能の構成例を示すブロック図である。
【
図1C】第2の変形例としての固体撮像装置の機能の構成例を示すブロック図である。
【
図2】
図1Aに示した固体撮像装置における一のセンサ画素の回路構成例を表す回路図である。
【
図3】
図2に示したセンサ画素の平面構成例を表す平面図である。
【
図4】
図2に示したセンサ画素の断面構成例を表す断面図である。
【
図5A】
図2に示したセンサ画素の製造方法における一工程を表す断面図である。
【
図6】本開示の第2の実施の形態に係る固体撮像装置における一のセンサ画素の回路構成例を表す回路図である。
【
図7】
図6に示したセンサ画素の一部の断面構成例を含む説明図である。
【
図8】本開示の第3の実施の形態に係る固体撮像装置における一のセンサ画素の回路構成例を表す回路図である。
【
図9】
図8に示したセンサ画素の一部の断面構成例を含む説明図である。
【
図10】本開示の第4の実施の形態に係る固体撮像装置における一のセンサ画素の平面構成例を表す平面図である。
【
図11】
図10に示したセンサ画素の断面構成例を表す断面図である。
【
図12】本開示の第5の実施の形態に係る固体撮像装置における一のセンサ画素の断面構成例を含む説明図である。
【
図13】本開示の第6の実施の形態に係る固体撮像装置における一のセンサ画素の断面構成例を含む説明図である。
【
図14】本開示の第7の実施の形態に係る固体撮像装置における一のセンサ画素の断面構成例を含む説明図である。
【
図15】本開示の第8の実施の形態に係る固体撮像装置における一のセンサ画素の断面構成例を含む説明図である。
【
図16A】本開示の第9の実施の形態に係る固体撮像装置において隣り合う2つのセンサ画素の断面構成例を含む説明図である。
【
図16B】
図16Aに示した固体撮像装置の変形例としての固体撮像装置の断面構成例を含む説明図である。
【
図17】本開示の第10の実施の形態に係る固体撮像装置において隣り合う2つのセンサ画素の断面構成例を含む説明図である。
【
図18】電子機器の全体構成例を表す概略図である。
【
図19】車両制御システムの概略的な構成の一例を示すブロック図である。
【
図20】車外情報検出部及び撮像部の設置位置の一例を示す説明図である。
【
図21A】第3の変形例としての固体撮像装置の要部構成例を表す断面図である。
【
図21B】
図21Aに示した第3の変形例としての固体撮像装置の要部構成例を表す回路図である。
【
図22】第4の変形例としての固体撮像装置の要部構成例を表す断面図である。
【
図23】第5の変形例としての固体撮像装置の要部構成例を表す断面図である。
【
図24】第6の変形例としての固体撮像装置の要部構成例を表す断面図である。
【
図25】第7の変形例としての固体撮像装置の要部構成例を表す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態
電荷電圧変換部に接続された蓄積容量素子における第1の絶縁膜の電気的膜厚を、転送トランジスタのゲート絶縁膜の電気的膜厚よりも薄くするようにした固体撮像装置の例。
2.第2の実施の形態
電荷保持部としての蓄積容量素子における第1の絶縁膜の電気的膜厚を、転送トランジスタのゲート絶縁膜の電気的膜厚よりも薄くするようにした固体撮像装置の例。
3.第3の実施の形態
切替部を介して電荷電圧変換部に接続された蓄積容量素子における第1の絶縁膜の電気的膜厚を、転送トランジスタのゲート絶縁膜の電気的膜厚よりも薄くするようにした固体撮像装置の例。
4.第4の実施の形態
増幅トランジスタのゲート絶縁膜の電気的膜厚を、転送トランジスタのゲート絶縁膜の電気的膜厚よりも薄くするようにした固体撮像装置の例。
5.第5の実施の形態
蓄積容量素子が光電変換部と重なり合う位置に積層されるようにした固体撮像装置の例。
6.第6の実施の形態
プラグを含む縦型トランジスタを転送トランジスタとして有するようにした固体撮像装置の例。
7.第7の実施の形態
蓄積容量素子がプレーンタイプのn型MOS容量である固体撮像装置の例。
8.第8の実施の形態
蓄積容量素子が凹凸構造を含むトレンチ型MOS容量である固体撮像装置の例。
9.第9の実施の形態
蓄積容量素子を含まない隣接画素をさらに備えるようにした固体撮像装置の例。
10.第10の実施の形態
2つの画素における各々の光電変換部の双方に跨るように蓄積容量素子が設けられた固体撮像装置の例。
11.電子機器への適用例
12.移動体への適用例
13.その他の変形例
【0010】
<1.第1の実施の形態>
[固体撮像装置101の構成]
図1は、本技術の第1の実施の形態に係る固体撮像装置101Aの機能の構成例を示すブロック図である。
【0011】
固体撮像装置101Aは、例えばCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサである。固体撮像装置101Aは、被写体からの光を受光して光電変換し、画像信号を生成することで画像を撮像するものである。
【0012】
固体撮像装置101Aは、例えば、画素アレイ部111、垂直駆動部112、カラム信号処理部113、データ格納部119、水平駆動部114、システム制御部115、および信号処理部118を備えている。
【0013】
固体撮像装置101Aでは、半導体層11(後出)上に画素アレイ部111が形成される。垂直駆動部112、カラム信号処理部113、データ格納部119、水平駆動部114、システム制御部115、および信号処理部118などの周辺回路は、例えば、画素アレイ部111と同じ半導体層11上に形成される。
【0014】
画素アレイ部111は、被写体から入射した光の量に応じた電荷を生成して蓄積する光電変換部51(後出)を含むセンサ画素110を複数有する。センサ画素110は、
図1に示したように、横方向(行方向)および縦方向(列方向)のそれぞれに配列される。画素アレイ部111では、行方向に一列に配列されたセンサ画素110からなる画素行ごとに、画素駆動線116が行方向に沿って配線され、列方向に一列に配列されたセンサ画素110からなる画素列ごとに、垂直信号線(VSL)117が列方向に沿って配線されている。
【0015】
垂直駆動部112は、シフトレジスタやアドレスデコーダなどからなる。垂直駆動部112は、複数の画素駆動線116を介して複数のセンサ画素110に対し信号等をそれぞれ供給することにより、画素アレイ部111における複数のセンサ画素110の全てを同時に駆動させ、または画素行単位で駆動させる。
【0016】
垂直駆動部112は、例えば読み出し走査系と掃き出し走査系との2つの走査系を有する。読み出し走査系は、単位画素から信号を読み出すために、画素アレイ部111の単位画素を行単位で順に選択走査する。掃き出し走査系は、読み出し走査系によって読み出し走査が行われる読み出し行に対し、その読み出し走査よりもシャッタスピードの時間分だけ先行して掃き出し走査を行う。
【0017】
この掃き出し走査系による掃き出し走査により、読み出し行の単位画素の光電変換部51から不要な電荷が掃き出される。これをリセットという。そして、この掃き出し走査系による不要電荷の掃き出し、すなわちリセットにより、いわゆる電子シャッタ動作が行われる。ここで、電子シャッタ動作とは、光電変換部51の光電荷を捨てて、新たに露光を開始する、すなわち光電荷の蓄積を新たに開始する動作のことをいう。
【0018】
読み出し走査系による読み出し動作によって読み出される信号は、その直前の読み出し動作または電子シャッタ動作以降に入射した光量に対応する。直前の読み出し動作による読み出しタイミングまたは電子シャッタ動作による掃き出しタイミングから、今回の読出し動作による読出しタイミングまでの期間が、単位画素における光電荷の蓄積時間、すなわち露光時間となる。
【0019】
垂直駆動部112によって選択走査された画素行の各単位画素から出力される信号は、垂直信号線117の各々を通してカラム信号処理部113に供給されるようになっている。カラム信号処理部113は、画素アレイ部111の画素列ごとに、選択行の各単位画素から垂直信号線117を通して出力される信号に対して所定の信号処理を行うとともに、信号処理後の画素信号を一時的に保持するようになっている。
【0020】
具体的には、カラム信号処理部113は、例えばシフトレジスタやアドレスデコーダなどからなり、ノイズ除去処理、相関二重サンプリング処理、アナログ画素信号のA/D(Analog/Digital)変換処理等を行い、ディジタル画素信号を生成する。カラム信号処理部113は、生成した画素信号を信号処理部118に供給する。
【0021】
水平駆動部114は、シフトレジスタやアドレスデコーダなどによって構成され、カラム信号処理部113の画素列に対応する単位回路を順番に選択するようになっている。この水平駆動部114による選択走査により、カラム信号処理部113において単位回路ごとに信号処理された画素信号が順番に信号処理部118に出力されるようになっている。
【0022】
システム制御部115は、各種のタイミング信号を生成するタイミングジェネレータ等からなる。システム制御部115は、タイミングジェネレータで生成されたタイミング信号に基づいて、垂直駆動部112、カラム信号処理部113、および水平駆動部114の駆動制御を行なうものである。
【0023】
信号処理部118は、必要に応じてデータ格納部119にデータを一時的に格納しながら、カラム信号処理部113から供給された画素信号に対して演算処理等の信号処理を行ない、各画素信号からなる画像信号を出力するものである。
【0024】
データ格納部119は、信号処理部118での信号処理にあたり、その信号処理に必要なデータを一時的に格納するようになっている。
【0025】
なお、本技術の固体撮像装置は
図1Aに示した固体撮像装置101Aに限定されるものではなく、例えば
図1Bに示した固体撮像装置101Bや
図1Cに示した固体撮像装置101Cのような構成を有していてもよい。
図1Bは、本技術の第1の実施の形態に係る第1の変形例としての固体撮像装置101Bの機能の構成例を示すブロック図である。
図1Cは、本技術の第1の実施の形態に係る第2の変形例としての固体撮像装置101Cの機能の構成例を示すブロック図である
【0026】
図1Bの固体撮像装置101Bでは、カラム信号処理部113と水平駆動部114との間にデータ格納部119が配設され、カラム信号処理部113から出力される画素信号が、データ格納部119を経由して信号処理部118に供給されるようになっている。
【0027】
また、
図1Cの固体撮像装置101Cは、カラム信号処理部113と水平駆動部114との間にデータ格納部119と信号処理部118とを並列に配設するようにしたものである。固体撮像装置101Cでは、カラム信号処理部113が画素アレイ部111の列ごと、あるいは画素アレイ部111の複数列ごとにアナログ画素信号をディジタル画素信号に変換するA/D変換を行うようになっている。
【0028】
[センサ画素110の構成]
(回路構成例)
次に、
図2を参照して、
図1Aの画素アレイ部111に設けられたセンサ画素110の回路構成例について説明する。
図2は、画素アレイ部111を構成する複数のセンサ画素110のうちの1つのセンサ画素110における画素回路50の回路構成例を示している。
【0029】
図2に示した例では、画素回路50は、光電変換部(PD)51、転送トランジスタ(TG)52、電荷電圧変換部(FD)53、リセットトランジスタ(RST)54、増幅トランジスタ(AMP)55、選択トランジスタ(SEL)56および蓄積容量素子(CP)57を含んでいる。
【0030】
この例では、TG52、RST54、AMP55、およびSEL56は、いずれもN型のMOSトランジスタである。これらTG52、RST54、AMP55、およびSEL56における各ゲート電極には、駆動信号S52,S54,S55,S56がそれぞれシステム制御部115の駆動制御に基づき垂直駆動部112および水平駆動部114により供給される。駆動信号S52,S54,S55,S56は、高レベルの状態がアクティブ状態(オンの状態)となり、低レベルの状態が非アクティブ状態(オフの状態)となるパルス信号である。なお、以下、駆動信号をアクティブ状態にすることを、駆動信号をオンするとも称し、駆動信号を非アクティブ状態にすることを、駆動信号をオフするとも称する。
【0031】
PD51は、例えばPN接合のフォトダイオードからなる光電変換素子であり、被写体からの光を受光して、その受光量に応じた電荷を光電変換により生成し、蓄積するように構成されている。
【0032】
TG52は、PD51とFD53との間に接続されており、TG52のゲート電極に印加される駆動信号S52に応じて、PD51に蓄積されている電荷をFD53に転送するように構成されている。TG52は、本開示の「第1のトランジスタ」および「転送トランジスタ」にそれぞれ対応する一具体例である。
【0033】
RST54は、例えば電源VDD1に接続されたドレインと、FD53に接続されたソースとを有している。RST54は、そのゲート電極に印加される駆動信号S54に応じて、FD53を初期化、すなわちリセットする。例えば、駆動信号S54がオンし、RST54がオンすると、FD53の電位が電源VDD1の電圧レベルにリセットされる。すなわち、FD53の初期化が行われる。
【0034】
FD53は、PD51において生成された電荷の転送先であり、TG52を介してPD51から転送されてきた電荷を電気信号(例えば、電圧信号)に変換して出力する浮遊拡散領域である。FD53には、RST54が接続されるとともに、AMP55およびSEL56を介してVSL117が接続されている。FD53には、さらに、金属などからなる配線W57(後出の
図3および
図4参照)を介して、CP57が接続されている。CP57は、PD51において生成されてPD51から転送された電荷をFD53と共に蓄積する蓄積容量素子である。
【0035】
AMP55は、例えばFD53に接続されたゲートと、電源VDD2に接続されたドレインと、SEL56に接続されたソースとを有している。AMP55は、FD53の電位に応じた電気信号を出力する。SEL56は、例えばAMP55に接続されたドレインと、VSL117に接続されたソースとを有している。SEL56は、当該センサ画素110が選択されたときにオンされ、FD53からAMP55を経由した電気信号を、VSL117を通してカラム信号処理部113へ出力するようになっている。
【0036】
(平面構成例および断面構成例)
次に、
図3および
図4を参照して、
図1Aの画素アレイ部111に設けられたセンサ画素110の平面構成例および断面構成例について説明する。
図3は、画素アレイ部111を構成する複数のセンサ画素110のうちの1つのセンサ画素110の平面構成例を示している。また、
図4は、1つのセンサ画素110の断面構成例を示しており、
図3に示したIV-IV切断線に沿った矢視方向の断面に相当する。但し、
図4において、位置P1から位置P2までの部分はY軸方向に沿ったYZ断面を示し、位置P2から位置P3までの部分はX軸方向に沿ったXZ断面を示している。
【0037】
図3に示したセンサ画素110の例では、PD51がセンサ画素110の大部分の領域を占めており、その周辺の領域にFD53、RST54、AMP55、SEL56、CP57、電源VDD1、電源VDD2およびVSL117が設けられている。TG52は、Z軸方向(厚さ方向あるいは深さ方向ともいう。)においてPD51と一部重なり合う位置に設けられている。
【0038】
図3および
図4に示したように、センサ画素110は、Si(シリコン)などの半導体材料により形成された半導体層11と、半導体層11の内部に設けられたPD51と、半導体層11の上に設けられた転送部としてのTG52とを有している。TG52は、半導体層11の上に、ケイ素酸化物などからなるゲート絶縁膜521と、ゲート電極層522とが順に積層された積層構造を含んでいる。同様に、RST54は、半導体層11の上に、ケイ素酸化物などからなるゲート絶縁膜541と、ゲート電極層542とが順に積層された積層構造を含んでいる。半導体層11の最上部のうち、TG52とRST54との間には、FD53が設けられている。CP57は、半導体層11の最上部に設けられた不純物拡散層12の上に積層された絶縁膜571と、その絶縁膜571に積層された金属層572とを含んでいる。FD53は、配線W57を介してCP57の金属層572と接続されている。RST54とCP57との間には、素子分離部SPが設けられている。なお、以下では素子分離部SPの説明は省略する。不純物拡散層12には、コンタクト層12T(
図3参照)が設けられている。
【0039】
ここで、CP57の絶縁膜571は、第1の電気的膜厚としての膜厚ET1を有すると共に第1の物理的膜厚としての膜厚T1を有する。これに対し、TG52のゲート絶縁膜521およびRST54のゲート絶縁膜541は、いずれも、第2の電気的膜厚としての膜厚ET2を有すると共に第2の物理的膜厚としての膜厚T2を有する。膜厚ET2は膜厚ET1よりも厚い(ET1<ET2)。また、膜厚T2は膜厚T1よりも厚いとよい(T1<T2)。すなわち、絶縁膜571は第1の絶縁耐圧を有し、ゲート絶縁膜521,541は第1の絶縁耐圧よりも高い第2の絶縁耐圧を有する。なお、絶縁膜571は、本開示の「第1の絶縁膜」に対応する一具体例であり、ゲート絶縁膜521,541は、本開示の「第2の絶縁膜」に対応する一具体例である。また、AMP55およびSEL56における各ゲート絶縁膜は、例えば膜厚ET1よりも厚い膜厚ET2をそれぞれ有すると共に膜厚T1よりも厚い膜厚T2をそれぞれ有している。
【0040】
電気的膜厚とは、その膜の物理的膜厚をその膜の誘電率で除した値(物理的膜厚/誘電率)に比例するパラメータであり、例えば、SiO2に換算した電気容量的に等価な膜厚を表すEOT(Equivalent oxide thickness)がその一具体例である。
【0041】
また、CP57の絶縁膜571、TG52のゲート絶縁膜521およびRST54のゲート絶縁膜541は、いずれも同種の材料、すなわち同じ誘電率を有する材料により構成されていてもよい。但し、CP57の絶縁膜571における誘電率は、TG52のゲート絶縁膜521の誘電率やRST54のゲート絶縁膜541の誘電率よりも高いことが望ましい。CP57の蓄積容量、すなわち、単位画素が占める面積あたりの飽和電荷量をより大きくすることができるからである。
【0042】
(センサ画素110の動作)
次に、
図2~
図4を参照して、センサ画素110の動作について説明する。センサ画素110では、被写体からの光を受光したPD51において生成および蓄積された電荷を読み出す際、システム制御部115の駆動制御に基づき、TG52への駆動信号S52をオンにする。これにより、PD51に蓄積された電荷は、PD51からTG52を介して、FD53へ転送されることとなる。FD53へ電荷が転送されると、FD53は、各々の電荷に応じたレベルの電気信号に変換する。そののち、SEL56が駆動信号S56によりオンされると、FD53からの電気信号が、AMP55とSEL56とを順次経由してVSL117を通してカラム信号処理部113へ出力される。
【0043】
[センサ画素110の製造方法]
続いて、
図5A~
図5Gを参照して、固体撮像装置101Aの製造方法について説明する。
図5A~
図5Gは、固体撮像装置101Aの製造方法における一工程をそれぞれ表す断面図であり、
図4に対応する断面図である。
【0044】
まず、
図5Aに示したように、PD51が埋設された半導体層11を用意し、その半導体層11の最上層の所定の位置に、イオン注入により不純物拡散層12を形成する。
【0045】
次に、
図5Bに示したように、半導体層11を全面に亘って覆うように、例えば熱酸化法やスパッタリング法により絶縁材料を堆積させて絶縁膜Z1を形成する。そのとき、絶縁膜Z1が所定の厚さT2を有するように調整する。そののち、絶縁膜Z1の上に、不純物拡散層12の一部領域と重なり合う位置に開口K1を有するレジストマスクRM1を形成する。
【0046】
続いて、
図5Cに示したように、絶縁膜Z1のうちレジストマスクRM1により覆われていない部分を選択的に除去することにより開口Z1Kを形成し、不純物拡散層12の一部を露出させる。
【0047】
そののち、
図5Dに示したように、レジストマスクRM1を除去したのち、開口Z1Kを埋めるように絶縁膜Z2を選択的に形成する。絶縁膜Z2は、例えば熱酸化法やスパッタリング法などによって絶縁材料を付着させることにより得る。そのとき、絶縁膜Z2が所定の厚さT1となるように調整する。
【0048】
次に、
図5Eに示したように、絶縁膜Z1および絶縁膜Z2を覆うようにゲート電極材料膜Mを形成する。さらに、ゲート電極材料膜Mを選択的に覆うレジストマスクRM2を形成する。レジストマスクRM2は、部分RM2A~RM2Cを含んでいる。ここで部分RM2Aは、TG52が形成されるべき領域に形成し、部分RM2Aは、RST54が形成されるべき領域に形成し、部分RM2Cは、CP57が形成されるべき領域に形成する。
【0049】
そののち、レジストマスクRM2により覆われていないゲート電極材料膜Mの一部を選択的に除去したのち、レジストマスクRM2を除去する。その結果、
図5Fに示したように、半導体層11の上に、ゲート絶縁膜521とゲート電極層522とが順に積層されたTG52、ゲート絶縁膜541とゲート電極層542とが順に積層されたRST54、および不純物拡散層12の上に絶縁膜571と金属層572とが順に積層されたCP57をそれぞれ得る。
【0050】
そののち、フォトリソグラフィやイオン注入などの手法を用いて、
図5Gに示したように、半導体層11の最上層の所定の位置にFD53および電源VDD1などを形成する。なお、
図5A~
図5Gでは、AMP55およびSEL56が示されていないが、TG52およびRST54と同様の手法により、TG52およびRST54の形成と同時にAMP55およびSEL56を形成するとよい。
【0051】
最後に、配線W57を形成するなどして、固体撮像装置101Aの製造が完了する。
【0052】
[固体撮像装置101Aの効果]
このように、本実施の形態の固体撮像装置101Aでは、各々のセンサ画素110内において、画素回路50を構成する各トランジスタ、例えばTG52のゲート絶縁膜521およびRST54のゲート絶縁膜541における膜厚T2(膜厚ET2)よりも、CP57の絶縁膜571の膜厚T1(膜厚ET1)を薄くするようにした。このため、固体撮像装置101Aでは、各センサ画素110におけるCP57の飽和電荷量を、CP57の占有面積を拡大することなく向上させることができる。すなわち、個々のセンサ画素110においてCP57の単位面積あたりの飽和電荷量が大きくなる。このため、固体撮像装置101Aでは、個々のセンサ画素110において例えばPD51の面積占有率を大きくすることができ、センサ画素110の高集積化を実現することができる。
【0053】
また、本実施の形態の固体撮像装置101Aでは、TG52のゲート絶縁膜521の膜厚T2(膜厚ET2)を、CP57の絶縁膜571の膜厚T1(膜厚ET1)よりも大きくするようにしたので、TG52に対し、より高い電圧を印加することができ、PD51からFD53への電荷の転送をより速やかに行うことができる。
【0054】
<2.第2の実施の形態>
[センサ画素210の構成]
図6は、本技術の第2の実施の形態に係るセンサ画素210における画素回路50Aの回路構成例を表している。また、
図7は、センサ画素210の断面構成例を表している。
【0055】
図6に示したように、センサ画素210は、上記第1の実施の形態に係るセンサ画素110に替わって固体撮像装置101Aに搭載され、いわゆるグローバルシャッタ方式のイメージセンサを実現している。
【0056】
グローバルシャッタ方式とは、基本的には全画素同時に露光を開始し、全画素同時に露光を終了するグローバル露光を行う方式である。ここで、全画素とは、画像に現れる部分の画素の全てということであり、ダミー画素等は除外される。また、時間差や画像の歪みが問題にならない程度に十分小さければ、全画素同時ではなく、複数行(例えば、数十行)単位でグローバル露光を行いながら、グローバル露光を行う領域を移動する方式もグローバルシャッタ方式に含まれる。また、画像に表れる部分の画素の全てでなく、所定領域の画素に対してグローバル露光を行う方式もグローバルシャッタ方式に含まれる。
【0057】
図6に示した例では、画素回路50Aは、画素回路50と比較すると、CP57の代わりに、PD51とFD53との間に電荷保持部(MEM)59をさらに有する点が異なっている。さらに、画素回路50Aは、画素回路50と比較すると、TG52の代わりに第1の転送トランジスタ(TG)52Aおよび第2の転送トランジスタ(TG)52Bを有する点も異なっている。TG52AはPD51とMEM59との間に配置され、TG52BはMEM59とFD53との間に配置されている。画素回路50Aは、さらに、PD51において生成される電荷の転送先として電源VDD3を有すると共に、PD51と電源VDD3との間に排出トランジスタ(OFG)58を有する。画素回路50Aは、これらの点を除き、他は上記第1の実施の形態としての画素回路50と実質的に同じ構成を有する。
【0058】
図7に示したように、センサ画素210では、半導体層11の最上層に、例えば電源VDD3、不純物拡散層12、FD53、電源VDD1などが形成されている。半導体層11の上には、OFG58、TG52A、MEM59、TG52B、RST54などが形成されている。
【0059】
OFG58は、電源VDD3に接続されたドレインと、TG52とPD51とを結ぶ配線に接続されたソースとを有している。OFG58は、半導体層11の上に、ケイ素酸化物などからなるゲート絶縁膜581と、ゲート電極層582とが順に積層された積層構造を含んでいる。OFG58は、そのゲート電極層582に印加される駆動信号S58に応じて、PD51を初期化、すなわちリセットする。PD51をリセットする、とは、PD51を空乏化するという意味である。
【0060】
また、OFG58は、TG52と電源VDD3との間にオーバーフローパスを形成し、PD51から溢れた電荷を電源VDD3へ排出するようになっている。このように、本実施の形態のセンサ画素210では、OFG58が直接PD51をリセットすることができる、FD保持型のグローバルシャッタを実現できる。
【0061】
MEM59は、PD51とFD53との間に設けられており、グローバルシャッタ機能を実現するため、PD51において生成されて蓄積された電荷をFD53に転送するまでの間、一時的にその電荷を保持する領域である。MEM59は、半導体層11の上に、ケイ素酸化物などからなる絶縁膜591と、ポリシリコンなどからなるゲート電極層592とが順に積層された積層構造を含んでいる。
【0062】
TG52AはPD51とMEM59との間に配置されており、TG52BはMEM59とFD53との間に配置されている。TG52Aは、半導体層11の上に、ケイ素酸化物などからなるゲート絶縁膜521Aと、ゲート電極層522Aとが順に積層された積層構造を含んでいる。TG52Aは、ゲート電極層522Aに印加される駆動信号S52Aに応じて、PD51に蓄積されている電荷をMEM59へ転送するように構成されている。TG52Bは、半導体層11の上に、ケイ素酸化物などからなるゲート絶縁膜521Bと、ゲート電極層522Bとが順に積層された積層構造を含んでいる。TG52Bは、ゲート電極層522Bに印加される駆動信号S52Bに応じて、MEM59に一時的に保持された電荷をFD53に転送するように構成されている。センサ画素210では、例えば、駆動信号S52Aがオフし、TG52Aがオフし、駆動信号S52Bがオンし、TG52Bがオンすると、MEM59に保持されている電荷がTG52Bを介して、FD53へ転送されるようになっている。
【0063】
ここで、MEM59の絶縁膜591は、第1の電気的膜厚としての膜厚ET1を有すると共に第1の物理的膜厚としての膜厚T1を有する。絶縁膜591は、本開示の「第1の絶縁膜」に対応する一具体例である。これに対し、OFG58のゲート絶縁膜581、TG52Aのゲート絶縁膜521A、TG52Bのゲート絶縁膜521B、およびRST54のゲート絶縁膜541は、いずれも、第2の電気的膜厚としての膜厚ET2を有すると共に第2の物理的膜厚としての膜厚T2を有する。膜厚ET2は膜厚ET1よりも厚い(ET1<ET2)。また、膜厚T2は、膜厚T1よりも厚い(T1<T2)。ゲート絶縁膜581,521A,521B,541は、本開示の「第2の絶縁膜」に対応する一具体例である。なお、AMP55およびSEL56における各ゲート絶縁膜は、例えば膜厚ET1よりも厚い膜厚ET2をそれぞれ有すると共に膜厚T1よりも厚い膜厚T2をそれぞれ有している。
【0064】
また、MEM59の絶縁膜591、およびゲート絶縁膜581,521A,521B,541は、いずれも同種の材料、すなわち同じ誘電率を有する材料により構成されていてもよい。但し、MEM59の絶縁膜591における誘電率は、ゲート絶縁膜581,521A,521B,541の各誘電率よりも高いことが望ましい。MEM59の蓄積容量、すなわち、単位画素が占める面積あたりの飽和電荷量をより大きくすることができるからである。
【0065】
本実施の形態のセンサ画素210では、MEM59をさらに設けることにより、PD51からの電荷がMEM59に転送され、メモリ保持型のグローバルシャッタを実現できる。具体的には、センサ画素210では、TG52Aのゲート電極に印加される駆動信号S52Aがオンし、TG52Aがオンすると、PD51に蓄積されている電荷が、TG52Aを介してMEM59に転送されるようになっている。MEM59は、グローバルシャッタ機能を実現するために、PD51に蓄積された電荷を一時的に保持する領域である。TG52Bは、TG52Bのゲート電極層522Bに印加される駆動信号S52Bに応じて、MEM59に保持されている電荷をFD53に転送するようになっている。例えば、駆動信号S52がオフし、TG52Aがオフし、駆動信号S52Bがオンし、TG52Bがオンすると、MEM59に保持されている電荷がTG52Bを介して、FD53へ転送される。
【0066】
[センサ画素210の効果]
このように、本実施の形態のセンサ画素210は、MEM59の飽和電荷量を、MEM59の占有面積を拡大することなく向上させることができる。すなわち、個々のセンサ画素210においてMEM59の単位面積あたりの飽和電荷量が大きくなる。このため、このセンサ画素210を複数備えたグローバルシャッタ方式の固体撮像装置では、センサ画素210の高集積化を実現することができる。
【0067】
<3.第3の実施の形態>
[センサ画素310の構成]
図8は、本技術の第3の実施の形態に係るセンサ画素310における画素回路50Bの回路構成例を表している。また、
図9は、センサ画素310の断面構成例を表している。
【0068】
図8に示したように、センサ画素310は、上記第1の実施の形態に係るセンサ画素110に加えて、FD53とCP57との間に設けられた切替トランジスタ(FDG)60をさらに有する。センサ画素310は、その点を除き、他はセンサ画素110と実質的に同じ構成を有する。FDG60は、
図9に示したように、例えば半導体層11の最上層に設けられた不純物拡散層603と、半導体層11の上に積層されたゲート絶縁膜601と、そのゲート絶縁膜601の上に積層されたゲート電極層602とを含んでいる。ゲート電極層602には、駆動信号S60がシステム制御部115の駆動制御に基づき垂直駆動部112および水平駆動部114により供給されるようになっている。ここで、ゲート電極層602に駆動信号S60が印加されることで、FD53とCP57とが接続されるようになっている。
【0069】
本実施の形態では、FDG60をさらに備えるようにしたので、FD53とCP57との接続状態と、FD53とCP57との切断状態とを自在に切り替えることができる。また、ゲート絶縁膜601の電気的膜厚は例えばTG52のゲート絶縁膜521の膜厚ET2と実質的に同じであり、CP57の絶縁膜571の膜厚ET1よりも厚くなっている。例えばゲート絶縁膜601、ゲート絶縁膜521および絶縁膜571の各構成材料がいずれも同じである場合、ゲート絶縁膜601の物理的膜厚は例えばTG52のゲート絶縁膜521の膜厚T2と実質的に同じであり、CP57の絶縁膜571の膜厚T1よりも厚くなっている。
【0070】
[センサ画素310の効果]
このように、本実施の形態のセンサ画素310においても、CP57の絶縁膜571の膜厚T1(膜厚ET1)を、画素回路50Bを構成する各トランジスタのゲート絶縁膜、例えばTG52のゲート絶縁膜521およびFDG60のゲート絶縁膜601における膜厚T2(膜厚ET2)よりも薄くするようにした。このため、上記第1の実施の形態のセンサ画素110と同様の効果が期待できる。
【0071】
<4.第4の実施の形態>
[センサ画素410の構成]
図10は、本技術の第
4の実施の形態に係るセンサ画素410の平面構成例を示している。また、
図11は、センサ画素410の断面構成例を示しており、
図10に示したXI-XI切断線に沿った矢視方向の断面に相当する。但し、
図11において、位置P11から位置P12までの部分、および位置P13から位置P14までの部分は、いずれもY軸方向に沿ったYZ断面を示し、位置P12から位置P13までの部分はX軸方向に沿ったXZ断面を示している。
【0072】
図11に示したように、AMP55は、半導体層11の上に、ケイ素酸化物などからなるゲート絶縁膜551と、ゲート電極層552とが順に積層された積層構造を含んでいる。上記第1の実施の形態に係るセンサ画素110では、AMP55におけるゲート絶縁膜は、例えば膜厚T1(膜厚ET1)よりも厚い膜厚T2(膜厚ET2)を有するようにした。これに対し、本実施の形態に係るセンサ画素410では、AMP55におけるゲート絶縁膜551が、例えば第3の電気的膜厚としての膜厚ET3を有すると共に第3の物理的膜厚としての膜厚T3を有する。ゲート絶縁膜551の膜厚ET3は、例えばTG52のゲート絶縁膜521における膜厚ET2よりも薄い。また、例えばゲート絶縁膜551およびゲート絶縁膜521の各構成材料がいずれも同じである場合、すなわちゲート絶縁膜551およびゲート絶縁膜521がいずれも同じ誘電率の材料からなる場合、ゲート絶縁膜551の膜厚T3は、ゲート絶縁膜521の膜厚T2よりも薄くなっている。
なお、
図11では、膜厚T3(膜厚ET3)が膜厚T1(膜厚ET1)と実質的に同じである場合を例示しているが、膜厚T3(膜厚ET3)は膜厚T1(膜厚ET1)と異なっていてもよい。
【0073】
ここで、AMP55は本開示の「第2のトランジスタ」に対応する一具体例であり、ゲート絶縁膜551は本開示の「第3の絶縁膜」に対応する一具体例である。
【0074】
[センサ画素410の効果]
このように、本実施の形態のセンサ画素410においても、CP57の絶縁膜571の膜厚T1(膜厚ET1)を、センサ画素410を構成する各トランジスタのゲート絶縁膜、例えばTG52のゲート絶縁膜521における膜厚T2(膜厚ET2)よりも薄くするようにした。このため、上記第1の実施の形態のセンサ画素110と同様の効果が期待できる。
【0075】
また、本実施の形態のセンサ画素410では、AMP55におけるゲート絶縁膜551の膜厚T3(膜厚ET3)が、TG52のゲート絶縁膜521やFDG60のゲート絶縁膜601における膜厚T2(膜厚ET2)よりも薄くなっている。このため、AMP55におけるRTS雑音(ランダム・テレグラフ・シグナル・ノイズ)を低減することができる。
【0076】
<5.第5の実施の形態>
[センサ画素510の構成]
図12は、本技術の第5の実施の形態に係るセンサ画素510の全体構成例を示している。センサ画素510では、半導体層11の厚み方向において、蓄積容量素子(CP)57が光電変換部(PD)51と重なり合う位置に積層されている。センサ画素510では、CP57は、FDG60と接続されたMOS容量である。センサ画素510は、この点を除き、他は上記第3の実施の形態に係るセンサ画素310と実質的に同じ構成を有している。
【0077】
センサ画素510では、被写体照度に応じて、低変換効率の場合と高変換効率の場合との切り替えが可能である。すなわち、FDG60のオンオフ動作により、FD53の容量を切り替えることができるようになっている。例えばFDG60をオンすることによりFD53がMOS容量であるCP57と接続される。その結果、FD53の容量が増加し、変換効率が低下する。
【0078】
[センサ画素510の効果]
このように、本実施の形態のセンサ画素510においても、CP57の絶縁膜571の膜厚T1(膜厚ET1)を、センサ画素510を構成する各トランジスタのゲート絶縁膜、例えばTG52のゲート絶縁膜521およびFDG60のゲート絶縁膜601における膜厚T2(膜厚ET2)よりも薄くするようにした。このため、上記第1の実施の形態のセンサ画素110と同様の効果が期待できる。
【0079】
さらに本実施の形態のセンサ画素510では、CP57がPD51に積層されるようにしたので、センサ画素510の占有面積におけるPD51の形成面積の割合を高めることができる。よって、固体撮像装置の高集積化に有利となる。
【0080】
<6.第6の実施の形態>
[センサ画素610の構成]
図13は、本技術の第6の実施の形態に係るセンサ画素610の全体構成例を示している。センサ画素610では、TG52の代わりにTG61を設けるようにした。TG61は、ゲート絶縁膜611と、半導体層11の厚さ方向に延びるプラグ612aを含むゲート電極612とを有する縦型トランジスタである。プラグ612aは、半導体層11に形成された、半導体層11の厚さ方向に延びるトレンチ11TRに挿入されている。プラグ612aの上端にはヘッド612bが設けられている。ゲート電極612は、トレンチ11TRの内面を覆うゲート絶縁膜611により半導体層11から分離されている。トレンチ11TRは、ゲート絶縁膜611により全面的に覆われた壁面および底面を有する。センサ画素610は、この点を除き、他は上記第5の実施の形態に係るセンサ画素510と実質的に同じ構成を有している。
【0081】
なお、TG61は、本開示の「第1のトランジスタ」および「縦型トランジスタ」に対応する一具体例である。また、ゲート絶縁膜611は、本開示の「第2の絶縁膜」に対応する一具体例である。
【0082】
センサ画素610において、CP57の絶縁膜571の電気的膜厚である膜厚ET1の最小値は、ゲート絶縁膜611の電気的膜厚である膜厚ET2の最小値よりも薄くなっている。したがって、例えば、絶縁膜571の誘電率とゲート絶縁膜611の誘電率とが同じである場合、CP57の絶縁膜571の物理的膜厚である膜厚T1の最小値は、ゲート絶縁膜611の物理的膜厚である膜厚T2の最小値よりも薄くなっている。このため、上記第1の実施の形態のセンサ画素110と同様の効果が期待できる。
【0083】
センサ画素610では、縦型トランジスタであるTG61を設けるようにした。このため、TG61のプラグ612aをPD51により近づけることができる。このため、PD51からFD53への電荷の転送がより容易となる。
【0084】
<7.第7の実施の形態>
[センサ画素710の構成]
図14は、本技術の第7の実施の形態に係るセンサ画素710の全体構成例を示している。センサ画素710は、PD51とCP57との間に、例えばn+領域64をさらに備えている。すなわち、CP57は、プレーンタイプのn型MOS容量である。センサ画素710は、この点を除き、他は上記第6の実施の形態に係るセンサ画素610と実質的に同じ構成を有している。
【0085】
センサ画素710においても、CP57の絶縁膜571の電気的膜厚である膜厚ET1の最小値は、ゲート絶縁膜611の電気的膜厚である膜厚ET2の最小値よりも薄くなっている。したがって、例えば、絶縁膜571の誘電率とゲート絶縁膜611の誘電率とが同じである場合、CP57の絶縁膜571の物理的膜厚である膜厚T1の最小値は、ゲート絶縁膜611の物理的膜厚である膜厚T2の最小値よりも薄くなっている。このため、上記第1の実施の形態のセンサ画素110と同様の効果が期待できる。
【0086】
<8.第8の実施の形態>
[センサ画素810の構成]
図15は、本技術の第8の実施の形態に係るセンサ画素810の全体構成例を示している。センサ画素810は、CP57の代わりに、絶縁膜631と導電層632とを有する蓄積容量素子(CP)63を備えている。センサ画素810では、n+領域64に複数のトレンチ64TRが形成され、その内面を覆うようにCP63の絶縁膜631が設けられている。CP63の導電層632は、複数のトレンチ64TRに挿入される突起部632Tを含んでいる。すなわち、CP63は、凹凸構造を含むトレンチ型MOS容量である。センサ画素810は、これらの点を除き、他は上記第7の実施の形態に係るセンサ画素710と実質的に同じ構成を有している。
【0087】
センサ画素810において、CP63の絶縁膜631の電気的膜厚である膜厚ET1の最小値は、ゲート絶縁膜611の電気的膜厚である膜厚ET2の最小値よりも薄くなっている。したがって、例えば、絶縁膜631の誘電率とゲート絶縁膜611の誘電率とが同じである場合、CP63の絶縁膜631の物理的膜厚である膜厚T1の最小値は、ゲート絶縁膜611の物理的膜厚である膜厚T2の最小値よりも薄くなっている。このため、上記第1の実施の形態のセンサ画素110と同様の効果が期待できる。
【0088】
このように、センサ画素810では、凹凸構造を含むCP63をCP57の代わりに備え、絶縁膜631の表面積を絶縁膜571の表面積よりも増加させるようにしたので、CP57の容量よりもCP63の容量を増加させることができる。
【0089】
<9.第9の実施の形態>
図16Aは、本技術の第9の実施の形態に係る固体撮像装置の要部構成例を表している。本実施の形態の固体撮像装置は、互いに隣接するように配置されたセンサ画素910aおよびセンサ画素910bを有している。センサ画素910aは、
図14に示した第7の実施の形態のセンサ画素710と実質的に同じ構成を有している。センサ画素910bは、半導体層11と隣接する半導体層80に設けられ、光電変換部(PD)81、転送トランジスタ(TG)82、電荷電圧変換部(FD)83、リセットトランジスタ(RST)84、増幅トランジスタ(AMP)85、および選択トランジスタ(SEL)86を含んでいる。PD81、TG82、FD83、RST84、AMP85、およびSEL86は、それぞれ、PD51、TG52、FD53、RST54、AMP55、およびSEL56に対応する機能を有する。すなわち、例えばセンサ画素910bにおけるPD81は、PD51と同様、受光量に応じた電荷を光電変換により生成するようになっている。
【0090】
上述のように、センサ画素910bは、センサ画素910aとは異なり、蓄積容量素子を含んでいない。したがって、センサ画素910aにおけるCP57は、PD51により生成される電荷を蓄積すると共に、PD81により生成される電荷をも蓄積するようになっている。
【0091】
本実施の形態の固体撮像装置では、例えばセンサ画素910aのPD51の感度は、隣接するセンサ画素910bのPD81の感度よりも高い。すなわち、センサ画素910aにおけるPD51の受光面積はセンサ画素910bにおけるPD81の受光面積よりも大きい。したがって、本実施の形態の固体撮像装置では、CP57を含むセンサ画素910aは高感度画素として用い、センサ画素910bは低感度画素として用いることにより、ダイナミックレンジを拡大することができる。
【0092】
なお、
図16Aに示した固体撮像装置では、半導体層11と異なる半導体層80にセンサ画素910bを設けるようにしたが、センサ画素910bをセンサ画素910aと同じ半導体層11に設けるようにしてもよい。
【0093】
また、
図16Aに示した固体撮像装置では、センサ画素910aとセンサ画素910bとでCP57を共有するようにした。しかしながら、本開示はこれに限定されるものではない。例えば、
図16Aの固体撮像装置の変形例としての
図16Bの固体撮像装置のように、センサ画素910aとセンサ画素910bとでCP57を共有しなくともよい。
図16Bの固体撮像装置では、センサ画素910aにおけるCP57に対し、センサ画素910aのFD53は接続されず、センサ画素910bのFD83が接続されるようにしている。
図16Bの固体撮像装置では、センサ画素910aのPD51により生成される電荷はCP57には蓄積されず、センサ画素910bのPD81により生成される電荷がCP57に蓄積されることとなる。
【0094】
<10.第10の実施の形態>
図17は、本技術の第10の実施の形態に係る固体撮像装置の要部構成例を表している。本実施の形態の固体撮像装置は、上記第9の実施の形態の固体撮像装置と同様
、互いに隣接するように配置されたセンサ画素910aおよびセンサ画素910bを有している。但し、センサ画素910bは、センサ画素910aと同じ半導体層11に設けられている。さらに、本実施の形態の固体撮像装置では、CP57は、半導体層11の面内方向においてPD51およびPD81の双方にまたがるように、すなわち、CP57の一部が半導体層11の厚み方向においてPD51およびPD81の双方と重なり合う位置に設けられている。本実施の形態の固体撮像装置(
図17)は、これらの点を除き、他は上記第9の実施の形態に係る固体撮像装置(
図16)と実質的に同じ構成を有している。
【0095】
このように、本実施の形態では、隣り合う2つのセンサ画素910aおよびセンサ画素910bの双方と重なり合うように1つのCP57を設けるようにしたので、固体撮像装置全体の占有面積を拡大することなく、CP57の容量をより増大させることができる。よって、固体撮像装置の高集積化に有利となる。
【0096】
<11.電子機器への適用例>
図18は、本技術を適用した電子機器としてのカメラ2000の構成例を示すブロック図である。
【0097】
カメラ2000は、レンズ群などからなる光学部2001、上述の固体撮像装置101Aなど(以下、固体撮像装置101A等という。)が適用される撮像装置(撮像デバイス)2002、およびカメラ信号処理回路であるDSP(Digital Signal Processor)回路2003を備える。また、カメラ2000は、フレームメモリ2004、表示部2005、記録部2006、操作部2007、および電源部2008も備える。DSP回路2003、フレームメモリ2004、表示部2005、記録部2006、操作部2007および電源部2008は、バスライン2009を介して相互に接続されている。
【0098】
光学部2001は、被写体からの入射光(像光)を取り込んで撮像装置2002の撮像面上に結像する。撮像装置2002は、光学部2001によって撮像面上に結像された入射光の光量を画素単位で電気信号に変換して画素信号として出力する。
【0099】
表示部2005は、例えば、液晶パネルや有機ELパネル等のパネル型表示装置からなり、撮像装置2002で撮像された動画または静止画を表示する。記録部2006は、撮像装置2002で撮像された動画または静止画を、ハードディスクや半導体メモリ等の記録媒体に記録する。
【0100】
操作部2007は、ユーザによる操作の下に、カメラ2000が持つ様々な機能について操作指令を発する。電源部2008は、DSP回路2003、フレームメモリ2004、表示部2005、記録部2006および操作部2007の動作電源となる各種の電源を、これら供給対象に対して適宜供給する。
【0101】
上述したように、撮像装置2002として、上述した固体撮像装置101A等を用いることで、良好な画像の取得が期待できる。
【0102】
<12.移動体への応用例>
本開示に係る技術(本技術)は、様々な製品へ応用することができる。例えば、本開示に係る技術は、自動車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、自動二輪車、自転車、パーソナルモビリティ、飛行機、ドローン、船舶、ロボット等のいずれかの種類の移動体に搭載される装置として実現されてもよい。
【0103】
図19は、本開示に係る技術が適用され得る移動体制御システムの一例である車両制御システムの概略的な構成例を示すブロック図である。
【0104】
車両制御システム12000は、通信ネットワーク12001を介して接続された複数の電子制御ユニットを備える。
図19に示した例では、車両制御システム12000は、駆動系制御ユニット12010、ボディ系制御ユニット12020、車外情報検出ユニット12030、車内情報検出ユニット12040、及び統合制御ユニット12050を備える。また、統合制御ユニット12050の機能構成として、マイクロコンピュータ12051、音声画像出力部12052、及び車載ネットワークI/F(Interface)12053が図示されている。
【0105】
駆動系制御ユニット12010は、各種プログラムにしたがって車両の駆動系に関連する装置の動作を制御する。例えば、駆動系制御ユニット12010は、内燃機関又は駆動用モータ等の車両の駆動力を発生させるための駆動力発生装置、駆動力を車輪に伝達するための駆動力伝達機構、車両の舵角を調節するステアリング機構、及び、車両の制動力を発生させる制動装置等の制御装置として機能する。
【0106】
ボディ系制御ユニット12020は、各種プログラムにしたがって車体に装備された各種装置の動作を制御する。例えば、ボディ系制御ユニット12020は、キーレスエントリシステム、スマートキーシステム、パワーウィンドウ装置、あるいは、ヘッドランプ、バックランプ、ブレーキランプ、ウィンカー又はフォグランプ等の各種ランプの制御装置として機能する。この場合、ボディ系制御ユニット12020には、鍵を代替する携帯機から発信される電波又は各種スイッチの信号が入力され得る。ボディ系制御ユニット12020は、これらの電波又は信号の入力を受け付け、車両のドアロック装置、パワーウィンドウ装置、ランプ等を制御する。
【0107】
車外情報検出ユニット12030は、車両制御システム12000を搭載した車両の外部の情報を検出する。例えば、車外情報検出ユニット12030には、撮像部12031が接続される。車外情報検出ユニット12030は、撮像部12031に車外の画像を撮像させるとともに、撮像された画像を受信する。車外情報検出ユニット12030は、受信した画像に基づいて、人、車、障害物、標識又は路面上の文字等の物体検出処理又は距離検出処理を行ってもよい。
【0108】
撮像部12031は、光を受光し、その光の受光量に応じた電気信号を出力する光センサである。撮像部12031は、電気信号を画像として出力することもできるし、測距の情報として出力することもできる。また、撮像部12031が受光する光は、可視光であっても良いし、赤外線等の非可視光であっても良い。
【0109】
車内情報検出ユニット12040は、車内の情報を検出する。車内情報検出ユニット12040には、例えば、運転者の状態を検出する運転者状態検出部12041が接続される。運転者状態検出部12041は、例えば運転者を撮像するカメラを含み、車内情報検出ユニット12040は、運転者状態検出部12041から入力される検出情報に基づいて、運転者の疲労度合い又は集中度合いを算出してもよいし、運転者が居眠りをしていないかを判別してもよい。
【0110】
マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030又は車内情報検出ユニット12040で取得される車内外の情報に基づいて、駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置の制御目標値を演算し、駆動系制御ユニット12010に対して制御指令を出力することができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車両の衝突回避あるいは衝撃緩和、車間距離に基づく追従走行、車速維持走行、車両の衝突警告、又は車両のレーン逸脱警告等を含むADAS(Advanced Driver Assistance System)の機能実現を目的とした協調制御を行うことができる。
【0111】
また、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030又は車内情報検出ユニット12040で取得される車両の周囲の情報に基づいて駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置等を制御することにより、運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行うことができる。
【0112】
また、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030で取得される車外の情報に基づいて、ボディ系制御ユニット12020に対して制御指令を出力することができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030で検知した先行車又は対向車の位置に応じてヘッドランプを制御し、ハイビームをロービームに切り替える等の防眩を図ることを目的とした協調制御を行うことができる。
【0113】
音声画像出力部12052は、車両の搭乗者又は車外に対して、視覚的又は聴覚的に情報を通知することが可能な出力装置へ音声及び画像のうちの少なくとも一方の出力信号を送信する。
図19の例では、出力装置として、オーディオスピーカ12061、表示部12062及びインストルメントパネル12063が例示されている。表示部12062は、例えば、オンボードディスプレイ及びヘッドアップディスプレイの少なくとも一つを含んでいてもよい。
【0114】
図20は、撮像部12031の設置位置の例を示す図である。
【0115】
図20では、撮像部12031として、撮像部12101、12102、12103、12104、12105を有する。
【0116】
撮像部12101、12102、12103、12104、12105は、例えば、車両12100のフロントノーズ、サイドミラー、リアバンパ、バックドア及び車室内のフロントガラスの上部等の位置に設けられる。フロントノーズに備えられる撮像部12101及び車室内のフロントガラスの上部に備えられる撮像部12105は、主として車両12100の前方の画像を取得する。サイドミラーに備えられる撮像部12102、12103は、主として車両12100の側方の画像を取得する。リアバンパ又はバックドアに備えられる撮像部12104は、主として車両12100の後方の画像を取得する。車室内のフロントガラスの上部に備えられる撮像部12105は、主として先行車両又は、歩行者、障害物、信号機、交通標識又は車線等の検出に用いられる。
【0117】
なお、
図20には、撮像部12101ないし12104の撮影範囲の一例が示されている。撮像範囲12111は、フロントノーズに設けられた撮像部12101の撮像範囲を示し、撮像範囲12112,12113は、それぞれサイドミラーに設けられた撮像部12102,12103の撮像範囲を示し、撮像範囲12114は、リアバンパ又はバックドアに設けられた撮像部12104の撮像範囲を示す。例えば、撮像部12101ないし12104で撮像された画像データが重ね合わせられることにより、車両12100を上方から見た俯瞰画像が得られる。
【0118】
撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、距離情報を取得する機能を有していてもよい。例えば、撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、複数の撮像素子からなるステレオカメラであってもよいし、位相差検出用の画素を有する撮像素子であってもよい。
【0119】
例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104から得られた距離情報を基に、撮像範囲12111ないし12114内における各立体物までの距離と、この距離の時間的変化(車両12100に対する相対速度)を求めることにより、特に車両12100の進行路上にある最も近い立体物で、車両12100と略同じ方向に所定の速度(例えば、0km/h以上)で走行する立体物を先行車として抽出することができる。さらに、マイクロコンピュータ12051は、先行車の手前に予め確保すべき車間距離を設定し、自動ブレーキ制御(追従停止制御も含む)や自動加速制御(追従発進制御も含む)等を行うことができる。このように運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行うことができる。
【0120】
例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104から得られた距離情報を元に、立体物に関する立体物データを、2輪車、普通車両、大型車両、歩行者、電柱等その他の立体物に分類して抽出し、障害物の自動回避に用いることができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車両12100の周辺の障害物を、車両12100のドライバが視認可能な障害物と視認困難な障害物とに識別する。そして、マイクロコンピュータ12051は、各障害物との衝突の危険度を示す衝突リスクを判断し、衝突リスクが設定値以上で衝突可能性がある状況であるときには、オーディオスピーカ12061や表示部12062を介してドライバに警報を出力することや、駆動系制御ユニット12010を介して強制減速や回避操舵を行うことで、衝突回避のための運転支援を行うことができる。
【0121】
撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、赤外線を検出する赤外線カメラであってもよい。例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104の撮像画像中に歩行者が存在するか否かを判定することで歩行者を認識することができる。かかる歩行者の認識は、例えば赤外線カメラとしての撮像部12101ないし12104の撮像画像における特徴点を抽出する手順と、物体の輪郭を示す一連の特徴点にパターンマッチング処理を行って歩行者か否かを判別する手順によって行われる。マイクロコンピュータ12051が、撮像部12101ないし12104の撮像画像中に歩行者が存在すると判定し、歩行者を認識すると、音声画像出力部12052は、当該認識された歩行者に強調のための方形輪郭線を重畳表示するように、表示部12062を制御する。また、音声画像出力部12052は、歩行者を示すアイコン等を所望の位置に表示するように表示部12062を制御してもよい。
【0122】
以上、本開示に係る技術が適用され得る車両制御システムの一例について説明した。本開示に係る技術は、以上説明した構成のうち、撮像部12031に適用され得る。具体的には、
図1などに示した固体撮像装置101A等を撮像部12031に適用することができる。撮像部12031に本開示に係る技術を適用することにより、車両制御システムの優れた動作が期待できる。
【0123】
<13.その他の変形例>
以上、いくつかの実施の形態および変形例を挙げて本開示を説明したが、本開示は上記実施の形態等に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、本開示の固体撮像装置は、上記実施の形態等で説明した画素回路を有するもの限定されず、種々の画素回路を有するものが含む。
【0124】
図21Aは、本開示の第3の変形例としての固体撮像装置201の要部構成例を表す断面図である。
図21Bは、固体撮像装置201の回路図である。固体撮像装置201は、互いに隣接するように配置された2つのセンサ画素PX1,PX2を有している。センサ画素PX1は、半導体層200に埋設された光電変換部PD1と、半導体層200の表面200Aの近傍に設けられた転送ゲートTGL、電荷電圧変換部FD1、電荷電圧変換ゲートFDG、リセットトランジスタRST1、増幅トランジスタAMP、選択トランジスタ
SELおよびフローティングキャパシタFCとを含んでいる。ここで、リセットトランジスタ
RST1における、電荷電圧変換ゲートFDGと反対側の端部は電源VDD1と接続されている。センサ画素PX2は、半導体層200に埋設された光電変換部PD2と、半導体層200の表面200Aの近傍に設けられた転送ゲートTGSおよびフローティングキャパシタゲートFCGとを含んでいる。ここで、フローティングキャパシタFCの第1端部はセンサ画素PX1において電源FCVDDと接続され、フローティングキャパシタFCの第2端部はセンサ画素PX2において転送ゲートTGSおよびフローティングキャパシタゲートFCGの中間部分と接続されている。センサ画素PX1において、半導体層200の裏面200BにはカラーフィルタCF1とオンチップレンズLN1とが順に積層されている。同様に、センサ画素PX2において、半導体層200の裏面200BにはカラーフィルタCF2とオンチップレンズLN2とが順に積層されている。カラーフィルタCF1,CF2には、遮光膜BMが選択的に埋設されている。遮光膜BMは、隣り合うセンサ画素同士の境界部分に設けられている。各々の遮光膜BMの直下には、半導体層200の厚み方向に延びる遮光壁BWがそれぞれ設けられている。遮光膜BMや遮光壁BWは、例えば金属からなるがこれに限定されるものではない。
【0125】
固体撮像装置201では、センサ画素PX1において、光電変換部PD1とフローティングキャパシタFCとが半導体層200の厚さ方向において重なり合うように積層されている。また、転送ゲートTGLは、光電変換部PD1に至るまで半導体層200の厚さ方向に延びる縦型ゲートである。
【0126】
また、固体撮像装置201では、カラーフィルタCF1,CF2に遮光膜BMを埋設するようにしたが、本開示はこれに限定されるものではない。例えば、
図22に示した本開示の第4の変形例としての固体撮像装置202のように、遮光膜BMを含む層とは別にカラーフィルタCF1,CF2を含む層を設けるようにしてもよい。
【0127】
また、上記各実施の形態では、縦型トランジスタのゲート電極のプラグを、平面視において光電変換部と異なる位置に設けるようにしたが本開示はこれに限定されるものではない。さらに、上記各実施の形態では、縦型トランジスタのゲート電極が、プラグと、その上端を覆うキャップとを含むものを例示したが、本開示はこれに限定されるものではない。すなわち、本開示は、
図23~
図25にそれぞれ示す各形態をも包含するものである。
【0128】
具体的には、
図23に示した本開示の第5の変形例としての固体撮像装置203のように、縦型トランジスタであるTG61のゲート電極612のプラグ612aを、平面視においてPD51と重なる位置に設け、プラグ612aをPD51に差し込むようにしてもよい。
【0129】
また、
図24に示した本開示の第6の変形例としての固体撮像装置204のように、縦型トランジスタであるTG61のゲート電極612が、ヘッド612bを有さずプラグ612aのみを有するようにしてもよい。
【0130】
さらに、
図25に示した本開示の第7の変形例としての固体撮像装置205のように、縦型トランジスタであるTG61のゲート電極612が、ヘッド612bを有さずプラグ612aのみを有し、プラグ612aがPD51に差し込まれるようにしてもよい。
【0131】
また、本開示の撮像装置は、可視光の光量分布を検出して画像として取得する撮像装置に限定されるものではなく、赤外線やX線、あるいは粒子等の入射量の分布を画像として取得する撮像装置であってもよい。
【0132】
以上説明したように、本開示の一実施形態としての固体撮像装置および電子機器によれば、画素の高集積化に適する。なお、本開示の効果はこれに限定されるものではなく、以下の記載のいずれの効果であってもよい。また、本技術は以下のような構成を取り得るものである。
(1)
半導体層と、
前記半導体層に設けられ、受光量に応じた電荷を光電変換により生成する光電変換部と、
前記半導体層に設けられ、第1の電気的膜厚を有する第1の絶縁膜を含む蓄積容量素子と、
前記半導体層に設けられ、前記第1の電気的膜厚よりも厚い第2の電気的膜厚を有する第2の絶縁膜を含む第1のトランジスタと
を備えた固体撮像装置。
(2)
前記第2の電気的膜厚よりも薄い第3の電気的膜厚を有する第3の絶縁膜を含む第2のトランジスタ、をさらに備えた
上記(1)記載の固体撮像装置。
(3)
前記第2のトランジスタは増幅トランジスタであり、前記第3の絶縁膜は前記増幅トランジスタのゲート絶縁膜である
上記(2)記載の固体撮像装置。
(4)
前記蓄積容量素子は、前記半導体層の厚さ方向において前記光電変換部と重なり合う位置に積層されている
上記(1)から(3)のいずれか1つに記載の固体撮像装置。
(5)
前記第1のトランジスタは、前記半導体層の厚さ方向に延びるゲート電極を第2の導電層として含む縦型トランジスタであり、
前記第2の絶縁膜は前記縦型トランジスタのゲート絶縁膜である
上記(4)記載の固体撮像装置。
(6)
前記第1の絶縁膜の物理的膜厚の最小値は、前記第2の絶縁膜の物理的膜厚の最小値よりも薄い
上記(5)記載の固体撮像装置。
(7)
前記縦型トランジスタのゲート電極は、前記半導体層に形成された厚さ方向に延びるトレンチに挿入されたプラグを有し、
前記トレンチは、前記第2の絶縁膜により全面的に覆われた壁面および底面を有する
上記(5)または(6)記載の固体撮像装置。
(8)
前記蓄積容量素子は、MOS容量である
上記(1)から(7)のいずれか1つに記載の固体撮像装置。
(9)
前記MOS容量は、プレーン型である
上記(8)記載の固体撮像装置。
(10)
前記MOS容量は、トレンチ型である
上記(8)記載の固体撮像装置。
(11)
前記蓄積容量素子は、前記光電変換部により生成される前記電荷を蓄積する
上記(5)から(10)のいずれか1つに記載の固体撮像装置。
(12)
前記光電変換部および前記蓄積容量素子を含む画素と隣接するように前記半導体層に設けられた隣接画素をさらに備え、
前記隣接画素は、受光量に応じた電荷を光電変換により生成する隣接光電変換部を有し、
前記蓄積容量素子は、前記光電変換部により生成される前記電荷を蓄積すると共に、前記隣接光電変換部により生成される前記電荷をも蓄積する
上記(1)から(11)のいずれか1つに記載の固体撮像装置。
(13)
前記蓄積容量素子は、前記半導体層の面内方向において前記光電変換部および前記隣接光電変換部の双方にまたがるように設けられている
上記(12)記載の固体撮像装置。
(14)
前記光電変換部の感度は、前記隣接光電変換部の感度よりも高い
上記(12)または(13)記載の固体撮像装置。
(15)
前記光電変換部および前記蓄積容量素子を含む画素と隣接するように前記半導体層に設けられた隣接画素をさらに備え、
前記隣接画素は、受光量に応じた電荷を光電変換により生成する隣接光電変換部を有し、
前記蓄積容量素子は、前記隣接光電変換部により生成される前記電荷を蓄積する
上記(1)から(11)のいずれか1つに記載の固体撮像装置。
(16)
前記第1のトランジスタは、前記電荷を前記光電変換部から転送先へ転送する転送トランジスタである
上記(1)から(15)のいずれか1つに記載の固体撮像装置。
(17)
前記半導体層に設けられ、前記光電変換部において生成された前記電荷を電圧に変換する、前記転送先としての電荷電圧変換部をさらに有する
上記(16)記載の固体撮像装置。
(18)
前記蓄積容量素子は、前記電荷電圧変換部と接続されている
上記(17)記載の固体撮像装置。
(19)
前記蓄積容量素子は、
前記光電変換部と前記電荷電圧変換部との間に設けられ、前記光電変換部により生成された前記電荷を前記電荷電圧変換部へ転送する前に一時的に保持する、前記転送先としての電荷保持部である
上記(17)または(18)記載の固体撮像装置。
(20)
前記蓄積容量素子と前記電荷電圧変換部との間に設けられ、前記蓄積容量素子と前記電荷電圧変換部との電気的接続と前記蓄積容量素子と前記電荷電圧変換部との電気的切断とを行う切替部をさらに備えた
上記(17)から(19)のいずれか1つに記載の固体撮像装置。
(21)
前記第1の絶縁膜における第1の誘電率は、前記第2の絶縁膜における第2の誘電率よりも高い
上記(1)から(20)のいずれか1つに記載の固体撮像装置。
(22)
前記第1の絶縁膜における第1の物理的膜厚は、前記第2の絶縁膜における第2の物理的膜厚よりも薄い
上記(1)から(21)のいずれか1つに記載の固体撮像装置。
(23)
半導体層と、
前記半導体層に設けられ、受光量に応じた電荷を光電変換により生成する光電変換部と、
前記半導体層に設けられ、第1の絶縁耐圧を有する第1の絶縁膜を含む蓄積容量素子と、
前記半導体層に設けられ、前記第1の絶縁耐圧よりも高い第2の絶縁耐圧を有する第2の絶縁膜を含む第1のトランジスタと
を備えた固体撮像装置。
(24)
固体撮像装置を備えた電子機器であって、
前記固体撮像装置は、
半導体層と、
前記半導体層に設けられ、受光量に応じた電荷を光電変換により生成する光電変換部と、
前記半導体層に設けられ、第1の電気的膜厚を有する第1の絶縁膜を含む蓄積容量素子と、
前記半導体層に設けられ、前記第1の電気的膜厚よりも厚い第2の電気的膜厚を有する第2の絶縁膜を含む第1のトランジスタと
を備えた電子機器。
【0133】
本出願は、日本国特許庁において2018年11月19日に出願された日本特許出願番号2018-216342号および2019年11月15日に出願された日本特許出願番号2019-206785号を基礎として優先権を主張するものであり、この出願のすべての内容を参照によって本出願に援用する。
【0134】
当業者であれば、設計上の要件や他の要因に応じて、種々の修正、コンビネーション、サブコンビネーション、および変更を想到し得るが、それらは添付の請求の範囲やその均等物の範囲に含まれるものであることが理解される。