(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-12
(45)【発行日】2024-07-23
(54)【発明の名称】抗菌カテーテルアセンブリおよびその方法
(51)【国際特許分類】
A61M 25/00 20060101AFI20240716BHJP
A61L 29/02 20060101ALI20240716BHJP
A61L 29/06 20060101ALI20240716BHJP
A61L 29/04 20060101ALI20240716BHJP
A61L 29/10 20060101ALI20240716BHJP
A61L 29/16 20060101ALI20240716BHJP
A61L 29/12 20060101ALI20240716BHJP
【FI】
A61M25/00 610
A61M25/00 500
A61L29/02
A61L29/06
A61L29/04 100
A61L29/10
A61L29/16
A61L29/12
(21)【出願番号】P 2020571546
(86)(22)【出願日】2019-07-02
(86)【国際出願番号】 US2019040414
(87)【国際公開番号】W WO2020010152
(87)【国際公開日】2020-01-09
【審査請求日】2022-06-02
(32)【優先日】2018-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】591018693
【氏名又は名称】シー・アール・バード・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】C R BARD INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】1 Becton Drive Franklin Lakes NEW JERSEY 07417 UNITED STATES OF AMERICA
(74)【代理人】
【識別番号】100107249
【氏名又は名称】中嶋 恭久
(72)【発明者】
【氏名】オフェク、ギドン
(72)【発明者】
【氏名】ティアガラジャン、ジリダー
【審査官】川上 佳
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-510003(JP,A)
【文献】特表2012-518497(JP,A)
【文献】実開平03-064902(JP,U)
【文献】特開2014-067892(JP,A)
【文献】特開2012-204805(JP,A)
【文献】特開2007-098158(JP,A)
【文献】特表2011-510725(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 25/00
A61L 29/02
A61L 29/06
A61L 29/04
A61L 29/10
A61L 29/16
A61L 29/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテルアセンブリを通る流体通路の対応するハブ部分を画定する少なくとも1つのハブルーメンを含むハブと、
前記ハブに連結されたカテーテルチューブであって、前記カテーテルアセンブリを通る前記流体通路の対応するカテーテルチューブ部分を画定する少なくとも1つのカテーテルチューブルーメンを含む前記カテーテルチューブと、
前記ハブに連結された少なくとも1つの延長脚部であって、前記カテーテルアセンブリを通る前記流体通路の対応する延長脚部部分を画定する延長脚部ルーメンを含む前記少なくとも1つの延長脚部と、
前記カテーテルアセンブリの内面上、前記カテーテルアセンブリの外面上、または前記カテーテルアセンブリの前記内面上および前記外面上の両方における非溶出性の抗菌コーティングであって、耐腐食性金属の外側腐食防止層と、前記カテーテルアセンブリの前記内面または前記外面を覆う内側接着促進層と、それらの間の銅ベース層と、前記外側腐食防止層を覆う
ブトキシエタノールおよびブトキシエトキシエタノールを含むオーバーコートとを含む、4つの層のコンポジットである、前記抗菌コーティングとを備える抗菌カテーテルアセンブリ。
【請求項2】
前記内側接着促進層はポリウレタン、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、およびシリコーンから選択されるポリマーへの前記銅ベース層の接着を促進する接着促進金属を含む、請求項
1に記載の抗菌カテーテルアセンブリ。
【請求項3】
前記内側接着促進層は金、パラジウム、およびチタンから選択される接着促進金属を含む、請求項
1に記載の抗菌カテーテルアセンブリ。
【請求項4】
前記銅ベース層は銅;銅と、金、パラジウム、亜鉛、または錫との銅合金;または銅マトリックスと前記銅マトリックス内に分散されたタングステンとを含む銅マトリックスコンポジットである、請求項
1に記載の抗菌カテーテルアセンブリ。
【請求項5】
前記耐腐食性金属は金、パラジウム、およびチタンから選択される、請求項
1に記載の抗菌カテーテルアセンブリ。
【請求項6】
前記抗菌コーティングは、前記カテーテルアセンブリを通る前記流体通路の前記対応するハブ部分を画定する前記ハブルーメンを含む前記カテーテルアセンブリの前記内面上にある、請求項1に記載の抗菌カテーテルアセンブリ。
【請求項7】
前記抗菌コーティングは、前記カテーテルアセンブリを通る前記流体通路の前記対応する延長脚部部分を画定する前記延長脚部ルーメンを含む前記カテーテルアセンブリの前記内面上にある、請求項1に記載の抗菌カテーテルアセンブリ。
【請求項8】
前記抗菌コーティングは、前記延長脚部の少なくとも近位端部と遠位端部との間の前記延長脚部の反管腔側表面を含む前記カテーテルアセンブリの前記外面上にある、請求項1に記載の抗菌カテーテルアセンブリ。
【請求項9】
前記抗菌コーティングは、前記カテーテルチューブの経皮的領域の反管腔側表面を含む前記カテーテルアセンブリの前記外面上にある、請求項1に記載の抗菌カテーテルアセンブリ。
【請求項10】
前記延長脚部に連結された少なくとも1つのルアーコネクタをさらに備え、前記抗菌コーティングは前記流体通路と流体連通する前記ルアーコネクタの内面を含む前記カテーテルアセンブリの前記内面上、前記ルアーコネクタの外面を含む前記カテーテルアセンブリの外面上、またはそれらの組み合わせ上である、請求項1に記載の抗菌カテーテルアセンブリ。
【請求項11】
抗菌カテーテルアセンブリであって、
前記カテーテルアセンブリを通る一対の流体通路の対応するハブ部分を画定する一対のハブルーメンを含む、分岐ハブと
前記ハブに連結されたカテーテルチューブであって、前記カテーテルアセンブリを通る前記一対の流体通路の対応するカテーテルチューブ部分を画定する一対のカテーテルチューブルーメンを含む、前記カテーテルチューブと、
前記ハブに連結された一対の延長脚部であって、各延長脚部は、前記カテーテルアセンブリを通る前記一対の流体通路の対応する延長脚部部分を画定する延長脚部ルーメンを含む、一対の延長脚部と、
一対のルアーコネクタであって、各ルアーコネクタは前記一対の延長脚部の1つの延長脚部に連結された、一対のルアーコネクタと、
前記カテーテルアセンブリの内面上、前記カテーテルアセンブリの外面上、または前記カテーテルアセンブリの前記内面上および前記外面上の両方における非溶出性抗菌コーティングであって、耐腐食性金属の外側腐食防止層と、前記カテーテルアセンブリの前記内面または前記外面を覆う内側接着促進層と、それらの間の銅ベース層と、前記外側腐食防止層を覆うブトキシエタノールおよびブトキシエトキシエタノールを含むオーバーコートとを含む、4つの層のコンポジットである、非溶出性抗菌コーティングとを備える、抗菌カテーテルアセンブリ。
【請求項12】
前記内側接着促進層は、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、およびシリコーンから選択されるポリマーへの前記銅ベース層の接着を促進し、前記内側接着促進層は金、パラジウム、およびチタンから選択される金属を含む、請求項
11に記載の抗菌カテーテルアセンブリ。
【請求項13】
前記銅ベース層は銅;銅と、金、パラジウム、亜鉛、または錫との銅合金;または銅マトリックスと前記銅マトリックス内に分散されたタングステンとを含む銅マトリックスコンポジットである、請求項
11に記載の抗菌カテーテルアセンブリ。
【請求項14】
前記耐腐食性金属は、金、パラジウム、およびチタンから選択される、請求項
11に記載の抗菌カテーテルアセンブリ。
【請求項15】
前記抗菌コーティングは、前記カテーテルアセンブリを通る前記一対の流体通路の前記対応するハブ部分を画定する前記ハブルーメンを含む前記カテーテルアセンブリの前記内面上にある、請求項
11に記載の抗菌カテーテルアセンブリ。
【請求項16】
前記抗菌コーティングは、前記カテーテルアセンブリを通る前記一対の流体通路の前記対応する延長脚部部分を画定する前記延長脚部ルーメンを含む前記カテーテルアセンブリの前記内面上にある、請求項
11に記載の抗菌カテーテルアセンブリ。
【請求項17】
前記抗菌コーティングは、前記カテーテルアセンブリを通る前記一対の流体通路の対応するルアーコネクタ部を画定する各ルアーコネクタの内面を含む前記カテーテルアセンブリの前記内面上、各ルアーコネクタの外面を含むカテーテルアセンブリの外面上、またはそれらの組み合わせ上にある、請求項
11に記載の抗菌カテーテルアセンブリ。
【請求項18】
前記抗菌コーティングは、各延長脚部の少なくとも近位端部と遠位端部との間の、前記一対の延長脚部の反管腔側表面を含む、前記カテーテルアセンブリの前記外面上にある、請求項
11に記載の抗菌カテーテルアセンブリ。
【請求項19】
前記抗菌コーティングは、前記カテーテルチューブの経皮的領域の反管腔側表面を含む、前記カテーテルアセンブリの前記外面上にある、請求項
11に記載の抗菌カテーテルアセンブリ。
【請求項20】
抗菌カテーテルアセンブリの製造方法であって、
前記カテーテルアセンブリの1つ以上の構成要素の内面、外面、または前記内面および前記外面の両方に非溶出性抗菌コーティングを適用することであって、前記抗菌コーティングは、耐腐食性金属の外側腐食防止層と、前記カテーテルアセンブリの前記内面または前記外面を覆う内側接着促進層と、それらの間の銅ベース層と、前記外側腐食防止層を覆うブトキシエタノールおよびブトキシエトキシエタノールを含むオーバーコートとを含む4つの層のコンポジットである、前記抗菌コーティングを適用することと、
前記カテーテルアセンブリを形成するために前記カテーテルアセンブリの前記構成要素を連結することとを備える、方法。
【請求項21】
前記抗菌コーティングを適用することは、金、パラジウム、およびチタンから選択される金属の物理蒸着、化学蒸着、電着、または無電解めっきによって、前記カテーテルアセンブリの前記1つ以上の構成要素のうちの任意の構成要素の前記内面または前記外面に前記内側接着促進層を適用することを含み、前記内側接着促進層が適用される前記内面または前記外面はポリウレタン、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、およびシリコーンから選択されるポリマーを含む、請求項
20に記載の方法。
【請求項22】
前記カテーテルアセンブリの前記構成要素を連結することは、前記カテーテルアセンブリを形成するためにカテーテルチューブをハブに挿入することと、少なくとも1つの延長脚部を前記ハブに挿入することと、前記延長脚部を少なくとも1つのルアーコネクタに挿入することとを含み、前記カテーテルアセンブリは、カテーテルチューブルーメンの内面、ハブルーメンの内面、および延長脚部ルーメンの内面によって画定される流体通路を有する、請求項
20に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抗菌カテーテルアセンブリおよびその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
カテーテルは、最も一般的に使用される医療機器の1つである。例えば、中心静脈カテーテル(「CVC」)は、栄養または薬物(例えば化学療法剤)を含む液体を迅速に送達するために、または正確に中心静脈圧を測定するために、患者の血管系内に日常的に配置される。しばしば、CVCは長期間その場に置かれたままである。しかしながら、CVCがその場に置かれたままであるとき、そのようなカテーテルにコロニーを形成した細菌が血液中に移動したときに生じるカテーテル関連敗血症(「CRS」)などの合併症が発生し得、CRSに特徴的な炎症性免疫反応を引き起こし得る。そのようなカテーテルを頻繁に交換することはCRSに対する1つの潜在的な解決策であるが、カテーテルの頻繁な交換はしばしば交換される必要のない滅菌カテーテルの置換につながり、また、追加のカテーテル挿入はそれ自体リスクを伴う。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前述の観点から、血液中に移動し得る細菌コロニーを防ぐため抗菌カテーテルが必要とされる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本明細書に開示されているのは、前述したことに取り組む抗菌カテーテルアセンブリおよびその方法である。
本明細書に開示されているのは、いくつかの実施形態において、ハブと、ハブに連結されるカテーテルチューブと、ハブに連結されている少なくとも1つの延長脚部と、カテーテルアセンブリの内面上、カテーテルアセンブリの外面上、またはカテーテルアセンブリの内面上および外面上の両方における非溶出性抗菌コーティングとを含む抗菌カテーテルアセンブリである。ハブは、カテーテルアセンブリを通る流体通路の対応するハブ部分を画定する少なくとも1つのハブルーメンを含む。カテーテルチューブは、カテーテルアセンブリを通る流体通路の対応するカテーテルチューブ部分を画定する少なくとも1つのカテーテルチューブルーメンを含む。延長脚部は、カテーテルアセンブリを通る流体通路の対応する延長脚部部分を画定する延長脚部ルーメンを含む。抗菌コーティングは2つ以上の層のコンポジットである。抗菌コーティングは、腐食防止層とカテーテルアセンブリの内面または外面との間の銅ベース層、銅ベース層とカテーテルアセンブリの内面または外面との間の接着促進層、またはそれらの組み合わせを含む。
【0005】
いくつかの実施形態において、接着促進層は接着促進金属を含む。
いくつかの実施形態において、接着促進金属は、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、およびシリコーンから選択されるポリマーへの銅ベース層の接着を促進する。
【0006】
いくつかの実施形態において、接着促進金属は、金、パラジウム、およびチタンから選択される。
いくつかの実施形態において、銅ベース層は実質的に純銅、銅および金、パラジウム、亜鉛、または錫の銅合金、または銅およびタングステンの銅マトリックスコンポジットである。
【0007】
いくつかの実施形態において、腐食防止層は金、パラジウム、およびチタンから選択される耐腐食性金属を含む。
いくつかの実施形態において、抗菌コーティングは2つの層を含み、その2つの層は接着促進層および銅ベース層である。
【0008】
いくつかの実施形態において、抗菌コーティングは2つの層を含み、その2つの層は銅ベース層および腐食防止層である。
いくつかの実施形態において、抗菌コーティングは3つの層を含み、その3つの層は接着促進層、銅ベース層および腐食防止層である。
【0009】
いくつかの実施形態において、抗菌コーティングは、カテーテルアセンブリを通る流体通路の対応するハブ部分を画定するハブルーメンを含むカテーテルアセンブリの内面上にある。
【0010】
いくつかの実施形態において、抗菌コーティングは、カテーテルアセンブリを通る流体通路の対応する延長脚部部分を画定する延長脚部ルーメンを含むカテーテルアセンブリの内面上にある。
【0011】
いくつかの実施形態において、抗菌コーティングは、延長脚部の少なくとも近位端部と遠位端部との間の延長脚部の反管腔側表面を含むカテーテルアセンブリの外面上にある。
いくつかの実施形態において、抗菌コーティングは、カテーテルチューブの経皮的領域の反管腔側表面を含むカテーテルアセンブリの外面上にある。
【0012】
いくつかの実施形態において、抗菌カテーテルアセンブリは、延長脚部に連結された少なくとも1つのルアーコネクタをさらに備える。抗菌コーティングは、流体通路と流体連通するルアーコネクタの内面を含むカテーテルアセンブリの内面上、ルアーコネクタの外面を含む前記カテーテルアセンブリの外面上、またはそれらの組み合わせ上にある。
【0013】
本明細書にまた開示されるのは、いくつかの実施形態において、分岐ハブと、そのハブに連結されたカテーテルチューブと、そのハブに連結された一対の延長脚部と、延長脚部に連結された一対のルアーコネクタと、カテーテルアセンブリの内面上、カテーテルアセンブリの外面上、またはカテーテルアセンブリの内面上および外面上の両方における非溶出性抗菌コーティングとを含む、抗菌カテーテルアセンブリである。ハブは、カテーテルアセンブリを通る一対の流体通路の対応するハブ部分を画定する一対のハブルーメンを含む。カテーテルチューブは、カテーテルアセンブリを通るその対の流体通路の対応するカテーテルチューブ部分を画定する一対のカテーテルチューブルーメンを含む。その一対の延長脚部の各延長脚部は、カテーテルアセンブリを通る前記一対の流体通路の対応する延長脚部部分を画定する延長脚部ルーメンを含む。抗菌コーティングは2つ以上の層のコンポジットである。抗菌コーティングは、腐食防止層とカテーテルアセンブリの内面または外面との間の銅ベース層、銅ベース層とカテーテルアセンブリの内面または外面との間の接着促進層、またはそれらの組み合わせを含む。
【0014】
いくつかの実施形態において、接着促進層は、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、およびシリコーンから選択されるポリマーへの銅ベース層の接着を促進する。接着促進層は金、パラジウム、およびチタンから選択される金属を含む。
【0015】
いくつかの実施形態において、銅ベース層は、実質的に純銅、銅と金、パラジウム、亜鉛、または錫との銅合金、または銅およびタングステンの銅マトリックスコンポジットである。
【0016】
いくつかの実施形態において、腐食防止層は金、パラジウム、およびチタンから選択される耐腐食性金属を含む。
いくつかの実施形態において、抗菌コーティングは2つの層を含む。その2つの層は、接着促進層および銅ベース層、または、銅ベース層および腐食防止層のいずれかである。
【0017】
いくつかの実施形態において、抗菌コーティングは3つの層を含む。その3つの層は接着促進層、銅ベース層、および腐食防止層である。
いくつかの実施形態において、抗菌コーティングは、カテーテルアセンブリを通るその対の流体通路の対応するハブ部分を画定するハブルーメンを含むカテーテルアセンブリの内面上にある。
【0018】
いくつかの実施形態において、抗菌コーティングはカテーテルアセンブリを通るその対の流体通路の前記対応する延長脚部部分を画定する前記延長脚部ルーメンを含む前記カテーテルアセンブリの前記内面上にある。
【0019】
いくつかの実施形態において、抗菌コーティングは、前記カテーテルアセンブリの前記内面上にあり、カテーテルアセンブリの外面は各ルアーコネクタの内面を含むカテーテルアセンブリの内面上にあり、その内面はカテーテルアセンブリを通るその対の流体通路の対応するルアーコネクタ部を画定する。代えて、または加えて。抗菌コーティングは各ルアーコネクタの外面を含むカテーテルアセンブリの外面上にある。
【0020】
いくつかの実施形態において、抗菌コーティングは、各延長脚部の少なくとも近位端部と遠位端部との間の、その対の延長脚部の反管腔側表面を含む、カテーテルアセンブリの外面上にある。
【0021】
いくつかの実施形態において、抗菌コーティングは、カテーテルチューブの経皮的領域の反管腔側表面を含む、カテーテルアセンブリの前記外面上にある。
本明細書に開示されているのは、抗菌カテーテルアセンブリの製造方法であって、いくつかの実施形態において、カテーテルアセンブリの1つ以上の構成要素の内面、外面、または前記内面および前記外面の両方に非溶出性抗菌コーティングを適用することと、を形成するために前記カテーテルアセンブリの前記構成要素を連結することとを含む。抗菌コーティングは、腐食防止層と前記抗菌コーティングが適用される前記内面または前記外面との間の銅ベース層、前記銅ベース層と前記抗菌コーティングが適用される前記内面または前記外面との間の接着促進層、またはそれらの組み合わせを含む2つ以上の層のコンポジットである。
【0022】
いくつかの実施形態において、抗菌コーティングの適用は、カテーテルアセンブリの1つ以上の構成要素のうちの任意の前記構成要素の内面または外面に接着促進層を適用することを含む。接着促進層は、金、パラジウム、およびチタンから選択される金属の物理蒸着、化学蒸着、電着、または無電解めっきによって、前述の内面または外面に適用される。接着促進層が適用される内面または外面はポリウレタン、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、およびシリコーンから選択されるポリマーを含む。
【0023】
いくつかの実施形態において、抗菌コーティングの適用は、カテーテルアセンブリの1つ以上の構成要素のうちの任意の構成要素の内面または外面に銅ベース層を適用することを含む。銅ベース層は、銅、銅合金、または銅マトリックスコンポジットの物理蒸着、化学蒸着、電着、または無電解めっきによって、前述の内面または外面に適用される。銅ベース層が適用される内面または外面は、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、およびシリコーンから選択されるポリマー、または接着促進層を含む。
【0024】
いくつかの実施形態において、抗菌コーティングの適用は、カテーテルアセンブリの1つ以上の構成要素のうちの任意の構成要素の内面または外面に腐食防止層を適用することを含む。腐食防止層は、金、パラジウム、またはチタンの物理蒸着、化学蒸着、電着、または無電解めっきによって前述の内面または外面に適用される。腐食防止層が適用される内面または外面は、銅ベース層を含む。
【0025】
いくつかの実施形態において、カテーテルアセンブリの構成要素を連結することは、カテーテルアセンブリを形成するためにカテーテルチューブをハブに挿入することと、少なくとも1つの延長脚部をハブに挿入することと、延長脚部を少なくとも1つのルアーコネクタに挿入することとを含む。カテーテルアセンブリは、カテーテルチューブルーメンの内面、ハブルーメンの内面、および延長脚部ルーメンの内面によって画定される流体通路を有する。
【0026】
本明細書に提供される概念のこれらの特徴および他の特徴は、そのような概念の特定の実施形態をより詳細に記載する添付の図面および以下の記載を考慮することにより、当業者にとってより明白になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】いくつかの実施形態によるカテーテルアセンブリを示す図。
【
図2】
図1のカテーテルアセンブリの分岐ハブを示す図。
【
図3】
図1のカテーテルアセンブリのカテーテルチューブの経皮的領域を示す図。
【
図4】
図1のカテーテルアセンブリのルアーコネクタを示す図。
【
図5】いくつかの実施形態によるカテーテルアセンブリのカテーテルチューブの縦断面を示す図。
【
図6】いくつかの実施形態によるカテーテルアセンブリの延長脚部に連結されたルアーコネクタの断面を示す図。
【
図7】いくつかの実施形態によるカテーテルアセンブリのルアーコネクタの断面を示す図。
【
図8】いくつかの実施形態によるカテーテルアセンブリのルアーコネクタの断面を示す図。
【
図9】いくつかの実施形態によるカテーテルアセンブリを示す図。
【
図10】
図9のカテーテルアセンブリのバルブ付きルアーコネクタを示す図。
【
図11】
図10のルアーコネクタの一端部上のキャップの断面を示す図。
【
図12】いくつかの実施形態によるニードルレスコネクタを示す図。
【
図13】いくつかの実施形態による移植可能なアクセスポートを示す図。
【
図14A】いくつかの実施形態による、表面上に抗菌コーティングを含む医療機器の一部の縦断面を示す図。
【
図14B】いくつかの実施形態による、管腔面上に抗菌コーティングを含む医療機器の管状部の横断面を示す図。
【
図14C】いくつかの実施形態による、反管腔側表面上に抗菌コーティングを含む医療機器の管状部の横断面を示す図。
【
図14D】いくつかの実施形態による、管腔面上に抗菌コーティングを含むカテーテルアセンブリの二重ルーメンカテーテルチューブの横断面を示す図。
【
図14E】いくつかの実施形態による、反管腔側表面上に抗菌コーティングを含むカテーテルアセンブリの二重ルーメンカテーテルチューブの横断面を示す図。
【
図15A】いくつかの実施形態による、表面上に抗菌コーティングを含む医療機器の一部の縦断面を示す図。
【
図15B】いくつかの実施形態による、管腔面上に抗菌コーティングを含む医療機器の管状部の横断面を示す図。
【
図15C】いくつかの実施形態による、反管腔側表面上に抗菌コーティングを含む医療機器の管状部の横断面を示す図。
【
図16A】いくつかの実施形態による、表面上に抗菌コーティングを含む医療機器の一部の縦断面を示す図。
【
図16B】いくつかの実施形態による、管腔面上に抗菌コーティングを含む医療機器の管状部の横断面を示す図。
【
図16C】いくつかの実施形態による、反管腔側表面上に抗菌コーティングを含む医療機器の管状部の横断面を示す図。
【
図17A】いくつかの実施形態による、表面上に抗菌コーティングを含む医療機器の一部の縦断面を示す図。
【
図17B】いくつかの実施形態による、管腔面上に抗菌コーティングを含む医療機器の管状部の横断面を示す図。
【
図17C】いくつかの実施形態による、反管腔側表面上に抗菌コーティングを含む医療機器の管状部の横断面を示す図。
【
図18】微生物のセットに対して銅コーティングルアーコネクタとクロルヘキシジンコーティングルアーコネクタを比較する図。
【
図19】微生物の回収に関して銅コーティングルアーコネクタと非コーティングニードルレスコネクタを比較する図。
【
図20】撥水層の銅コーティングルアーコネクタへの異なる適用を比較する図。
【発明を実施するための形態】
【0028】
いくつかの特定の実施形態がより詳細に開示される前に、本明細書に開示される特定の実施形態は、本明細書に提供される概念の範囲を限定しないことを理解されたい。本明細書に開示される特定の実施形態は、その特定の実施形態から容易に分離でき、任意選択的に、本明細書に開示される他の複数の実施形態のうちのいずれかの特徴と組み合わせるか、または置換することができる特徴を有し得ることも理解されたい。
【0029】
本明細書に使用される用語に関して、用語は、いくつかの特定の実施形態の説明の目的のためであり、それらの用語が本明細書に提供される概念の範囲を限定しないことも理解されたい。序数(例えば、第1、第2、第3など)は、一般に、特徴またはステップの一群内の異なる複数の特徴またはステップを区別または識別するために使用され、シリアルまたは数値の限定を供給しない。例えば、「第1」、「第2」、および「第3」の特徴またはステップは、必ずしもその順序で現れる必要はなく、そのような特徴またはステップを含む特定の実施形態は、必ずしも3つの特徴またはステップに限定される必要はない。「左」、「右」、「頂部」、「底部」、「前部」、「後部」、などのラベルは、便宜上使用され、例えば、特定の任意の固定された位置、配向、または方向を含意することを意図していない。代わりに、そのようなラベルは、例えば、相対的な位置、配向、または方向を反映するために使用される。単数形の「a」、「an」、および「the」には、文脈で特に明確に指示されなければ、複数形の参照が含まれる。
【0030】
「近位」に関して、例えば、本明細書に開示されるカテーテルの「近位部」または「近位端部」は、カテーテルが患者に使用されるとき、臨床医の近くにあることが意図されるカテーテルの部分を含む。同様に、例えば、カテーテルの「近位長」は、カテーテルが患者に使用されるとき、臨床医の近くにあることが意図されるカテーテルの長さを含む。例えば、カテーテルの「近位端」は、カテーテルが患者に使用されるとき、臨床医の近くにあることが意図されるカテーテルの一端を含む。カテーテルの近位部、近位端部、または近位長は、カテーテルの近位端を含み得る。しかしながら、カテーテルの近位部、近位端部、または近位長は、カテーテルの近位端を含む必要はない。すなわち、特に文脈が示唆しなければ、カテーテルの近位部、近位端部、または近位長は、カテーテルの末端部または末端長ではない。
【0031】
「遠位」に関して、例えば、本明細書に開示されるカテーテルの「遠位部」または「遠位端部」は、カテーテルが患者に使用されるとき、患者の近くまたは患者内にあることが意図されるカテーテルの部分を含む。同様に、例えば、カテーテルの「遠位長」は、カテーテルが患者に使用されるとき、患者の近くまたは患者内にあることが意図されるカテーテルの長さを含む。例えば、カテーテルの「遠位端」は、カテーテルが患者に使用されるとき、患者の近くまたは患者内にあることが意図されるカテーテルの一端を含む。カテーテルの遠位部、遠位端部、または遠位長は、カテーテルの遠位端を含み得る。しかしながら、カテーテルの遠位部、遠位端部、または遠位長は、カテーテルの遠位端を含む必要はない。すなわち、特に文脈が示唆しなければ、カテーテルの遠位部、遠位端部、または遠位長は、カテーテルの末端部または末端長ではない。
【0032】
特に定義されなければ、本明細書に使用される全ての技術的および科学的用語は、当業者によって一般的に理解されているのと同じ意味を有する。
上述したように、血液中に移動し得る細菌コロニーを防ぐため抗菌カテーテルが必要とされる。本明細書に開示されているのは、前述したことに取り組む抗菌カテーテルアセンブリおよびその方法である。
【0033】
例えば、いくつかの実施形態において、ハブと、ハブに連結されるカテーテルチューブと、ハブに連結されている少なくとも1つの延長脚部と、カテーテルアセンブリの内面上、カテーテルアセンブリの外面上、または、カテーテルアセンブリの内面上および外面上の両方における非溶出性抗菌コーティングとを含む、一抗菌カテーテルアセンブリが開示される。ハブは、カテーテルアセンブリを通る流体通路の対応するハブ部分を画定する、少なくとも1つのハブルーメンを含む。カテーテルチューブは、カテーテルアセンブリを通る流体通路の対応するカテーテルチューブ部分を画定する、少なくとも1つのカテーテルチューブルーメンを含む。延長脚部は、カテーテルアセンブリを通る流体通路の対応する延長脚部部分を画定する延長脚部ルーメンを含む。抗菌コーティングは2つ以上の層のコンポジットである。抗菌コーティングは、腐食防止層とカテーテルアセンブリの内面または外面との間の銅ベース層、銅ベース層とカテーテルアセンブリの内面または外面との間の接着促進層、またはそれらの組み合わせを含む。
【0034】
これらの特徴および他の特徴は、そのような実施形態をより詳細に記載する添付の図面および以下の記載の観点から、当業者にはより明白になるであろう。
抗菌カテーテルアセンブリ
図1および9を最初に参照すると、それぞれ、いくつかの実施形態によるカテーテルアセンブリ(「カテーテル」)10が描かれている。示されるように、カテーテル10は、近位端12Aと遠位端12Bとの間に延在する長尺カテーテルチューブ12を含む。カテーテルチューブ12は、近位端12Aから遠位に延在する近位部20と、近位部の遠位端からカテーテルチューブ12の遠位端12Bに遠位に延在する遠位部30とを含む。
図1に示されるカテーテル10のカテーテルチューブ12は、その中の流体の通路のために構成された2つのカテーテルチューブルーメン14すなわち一対のカテーテルチューブルーメン14を画定するが、
図9に示されるカテーテル10のカテーテルチューブ12は、その中の流体の通路のために構成された1つのカテーテルチューブルーメン14すなわち単一のカテーテルチューブルーメン14を画定する。前述の一対のカテーテルチューブルーメン14の各カテーテルチューブルーメン14は、
図5においてカテーテルチューブルーメン14として示され、
図5は、
図1または
図9のどちらかのカテーテル10のカテーテルチューブ12などのカテーテルチューブの縦断面を描いている。前記一対のカテーテルチューブルーメン14の各カテーテルチューブルーメン14は、
図14Dおよび14E内においてカテーテルチューブルーメン14として示され、
図14Dおよび14Eは、
図1のカテーテル10のカテーテルチューブ12などの2つのルーメンの医療機器管状部の横断面を描いている。他のタイプのカテーテルでは、3つのカテーテルチューブルーメンなどの2つより多いカテーテルチューブルーメン14も可能である。
【0035】
図3に示されるように、カテーテルチューブ12は、ハブ16から遠位に延在する近位部20のテーパ領域24を含む。カテーテルチューブ12のテーパ領域24は、通常、患者の静脈または他の血管に入る前に、挿入部位において患者の皮膚を通り抜けるカテーテルチューブ12の部分である。
【0036】
ハブ16は、カテーテルチューブ12の近位端12Aおよび複数の延長脚部18に操作可能に連結され、各延長脚部18は
図1および9においてそれぞれ延長脚部18と示される。ハブ16は、カテーテルチューブ12を通るカテーテルチューブルーメン14の数およびカテーテル10のハブ16に連結される延長脚部18の数と等しい数の、ハブ16を通る複数のハブルーメン40を提供する。
図1に示されるカテーテル10のハブ16は分岐ハブであり、その中の流体の通過のために構成された2つのハブルーメン40すなわち一対のハブルーメン40を画定するが、
図9に示されるカテーテル10のハブ16は、その中の流体の通過のために構成された1つのハブルーメン40すなわち単一のハブルーメン40を画定する。ハブルーメン40のその対の各ハブルーメン40は、
図1のカテーテル10の分岐ハブ16を描く
図2において、また、
図1のカテーテル10の分岐ハブ16の管状遠位端部の横断面を描く
図14Dにおいて、ハブルーメン40として指し示される。他のタイプのカテーテルにおいて、3つのハブルーメン40などの2よりも多いハブルーメン40が可能である。各延長脚部18は、延長脚部ルーメン22を画定し、その近位端に連結されたルアーコネクタ19(または別の適切なコネクタ)を含み、シリンジまたは他の装置がカテーテル10と操作可能に連結することを可能にする。
【0037】
上記に照らせば、カテーテル10によって栄養素または薬物を含む流体を静脈に注入、静脈から血液または他の流体を吸引、またはその両方のために、カテーテル10の様々な構成要素が、それを通って流体がカテーテル10を通過できる1つ以上の流体通路を画定することが理解される。カテーテル10の流体通路は、1つ以上の延長脚部ルーメン22と、ハブ16の1つ以上のハブルーメン40と、カテーテルチューブ12の1つ以上のカテーテルチューブルーメン14とによって画定される。他の実施形態においてカテーテルの流体通路の画定に追加の構成要素または他の構成要素が寄与し得ること、および、他の侵襲型医療機器が他のタイプの流体通路を含み得ることが理解される。
【0038】
図2は、
図1のカテーテル10の分岐ハブ16に関してさらに詳細を描く。示されるように、分岐ハブ16は、カテーテルチューブ12の一対のカテーテルチューブルーメン14と、一対の延長脚部18の対応する延長脚部ルーメン22との間の流体連通を提供する一対のハブルーメン40を画定する。同様に、
図9のカテーテル10のハブ16は、カテーテルチューブ12の単一のカテーテルチューブルーメン14と単一の延長脚部18の対応する延長脚部ルーメン22との間の流体連通を提供する単一のハブルーメン40を画定する。合わせて、1つ以上のハブルーメン40、1つ以上のカテーテルチューブルーメン14、および1つ以上の延長脚部ルーメン22は、カテーテル10を通る流体通路の実質的部分を画定する。
【0039】
ハブ16が
図1または
図9のカテーテル10のいずれであっても、ハブ16は、熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂などのプラスチック、シリコーン、1つ以上の金属、1つ以上のセラミック、またはガラスから形成され得る。ハブ16が形成され得るプラスチックは、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル(「PVC」)、ポリエチレン、またはポリプロピレンを含む。例えば、Lubrizol Corporation社(Wickliffe、Ohio)から入手可能なISOPLAST(登録商標)は、それからハブ16が形成され得る熱可塑性ポリウレタンである。
【0040】
いくつかの実施形態によると、カテーテル10を通る1つ以上の流体通路は、その内面44(例えば管腔面)上に、または内面44の1つ以上の部分、例えば、ハブルーメン40、カテーテルチューブルーメン14、延長脚部ルーメン22、またはそれらの組み合わせの内面44などの上に、実質的に非溶出性抗菌コーティング42を含む。ハブ16の任意のハブルーメン40は、従来の抗菌処置では通常、到達するのが困難である。したがって、ハブ16の1つ以上のルーメン40の内面44の少なくとも一部分上に抗菌コーティング42を含むことは、微生物のコロニー形成に抵抗するためのカテーテル10の能力を改善する。前述の代わりに、または加えて、抗菌コーティング42は、カテーテル10の外面46(例えば、反管腔側表面)上に、または、外面46の1つ以上の部分、例えば、ハブ16、カテーテルチューブ12、延長脚部18、またはそれらの組み合わせの外面46などの上である。抗菌コーティング42は、少なくとも銅ベース層を含むコンポジットであり、カテーテル10の1つ以上の流体通路の内面44またはカテーテル10の1つ以上の構成要素の外面46などのコーティング面の微生物の定着または生存を阻害するための抗菌効果を提供するように構成されている。したがって、
図1または
図9のカテーテル10などの医療機器の様々な表面のいずれかは抗菌コーティング42でコートされ得、当該様々な表面は、カテーテル10の前述の内面44または外面46の一部またはそれらから独立している。
【0041】
「実質的に非溶出性」は、比較的少量のみの銅などの金属が抗菌コーティング42から抗菌コーティング42の周囲の流体中に放出されることを意味する。いくつかの実施形態において、例えば、抗菌コーティング42は銅粒子を放出し、抗菌コーティング42と接触する体液などの流体内の銅濃度は約1.5ppm以下になる。この放出は、医療機器の表面組成物、抗菌コーティング42が曝露される流体のタイプ、抗菌コーティング42の1つ以上の層の厚さ、抗菌コーティング42のオーバーコートの存在などの様々な要因によって変わり得る。
【0042】
図14A、15A、16Aおよび17Aは、いくつかの実施形態に従い、その表面に抗菌コーティング42を含むカテーテル10などの医療機器の一部分の縦断面を各々示す。医療機器の当該部分は、カテーテル10のカテーテルチューブ12、ハブ16、または1つ以上の延長脚部18であり得、その表面は、内面44、外面46、または内面44および外面46の両方であり得る。
図14B~14E、15B、15C、16B、16C、17Bおよび17Cは、いくつかの実施形態による抗菌コーティング42を含むカテーテル10などの医療機器の管状部の横断面を示す。
図14B、14D、15B、16B、および17Bは、示される医療機器の管状部の内面すなわち管腔面44上の抗菌コーティング42を示すが、
図14C、14E、15C、16C、および17Cは、示される医療機器の管状部の外面すなわち反管腔側表面46上の抗菌コーティング42を示す。
【0043】
この場合もまた、抗菌コーティング42
は、2つ以上の層のコンポジットである。抗菌コーティング42は、銅ベース層102を含む。任意選択的に、抗菌コーティング42は、オーバーコート108を含み、銅ベース層102は、医療機器の表面とオーバーコート108との間にあり、それによって
図14Aに示される抗菌コーティング42Aを形成する。
図14Bは、
図9のカテーテル10のカテーテルチューブ12、ハブ16の遠位端部、または延長脚部18の管腔面44などの単一ルーメン医療機器
100の管状部の内面すなわち管腔面44上の抗菌コーティング42Aを示すが、
図14Cは、カテーテル10の前述の管状部の外面または反管腔側表面46上の抗菌コーティング42Aを示す。
図14Dは、
図1のカテーテル10のカテーテルチューブ12の管腔面44またはハブ16の遠位端部の管腔面44などの二重ルーメン医療機器
100の管状部の内面すなわち管腔面44上の抗菌コーティング42Aを示すが、
図14Eはカテーテル10の前述の管状部の外面すなわち反管腔側表面46上の抗菌コーティング42Aを示す。示されていないが、抗菌コーティング42Aは、カテーテル10の前述の管状部の内面44および外面46の両方の上にあり得る。
【0044】
銅ベース層102は、実質的に、純銅、銅合金、または銅マトリックスコンポジットである。銅合金は、銅と金(例えば、ローズゴールド)、パラジウム、亜鉛(例えば、真鍮)、または錫(例えば、青銅)とを含む。銅マトリックスコンポジットは、銅マトリックスおよびその銅マトリックス内に分散されたタングステンを含む。
【0045】
オーバーコート108は、酸化による抗菌コーティング42の変色を防ぐように構成される。オーバーコート108は、Technic,Inc.社(Providence、R.I.)によって製造されるTarniban(登録商標)を含む。
【0046】
抗菌コーティング42の銅ベース層102に加えて、抗菌コーティング42は接着促進層104を含み得、接着促進層104は医療機器の内面または外面と銅ベース層102との間にあり、それによって
図15Aに示される抗菌コーティング42Bを形成する。任意選択的に、抗菌コーティング42Bは、オーバーコート108を含み、銅ベース層102が接着促進層104とオーバーコート108との間に配置される。
図15Bは
図9のカテーテル10のカテーテルチューブ12、ハブ16の遠位端部、または延長脚部18の管腔面44などの単一ルーメン医療機器
100の管状部の内面すなわち管腔面44上の抗菌コーティング42Bを示すが、
図15Cは、カテーテル10の前述の管状部の外面すなわち反管腔側表面46上の抗菌コーティング42Bを示す。抗菌コーティング42Bは、
図1のカテーテル10などの
二重ルーメン医療機器
100の管状部の内面44上または外面46上のいずれにも示されていないが、抗菌コーティング42Bはそのような医療機器の内面44または外面46に適用され得、抗菌コーティング42Bを備えている
図14Dおよび14Eの横断面に類似した横断面を有する二重ルーメンの医療機器になることを理解されたい。示されていないが、抗菌コーティング42Bは、カテーテル10の前述の管状部の内面44上および外面46上の両方にあり得る。
【0047】
接着促進層104は、医療機器の内面44または外面46への銅ベース層102の接着を促進し、接着促進層104の表面は、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、およびシリコーンから選択されるポリマーであり得る。接着促進層104は、貴金属(例えば、金、パラジウム、銀、イリジウム、または白金)、腐食に対して比較的高い抵抗性を有する金属(例えば、チタン)、または、前述の金属のうちの1つの合金を含む接着促進金属を含む。
【0048】
抗菌コーティング42の銅ベース層102に加えて、抗菌コーティング42は、腐食防止層106を含み得、銅ベース層102は、腐食防止層106と医療機器の内面または外面との間にあり、それによって
図16Aに示される抗菌コーティング42Cを形成する。任意選択的に、抗菌コーティング42Cは、オーバーコート108を含み、腐食防止層106が銅ベース層102とオーバーコート108との間に配置される。
図16Bは、
図9のカテーテル10のカテーテルチューブ12、ハブ16の遠位端部、または延長脚部18の管腔面44などの単一ルーメン医療機器
100の管状部の内面すなわち管腔面44上の抗菌コーティング42Cを示すが、
図16Cは、カテーテル10の前述の管状部の外面すなわち反管腔側表面46上の抗菌コーティング42Cを示す。抗菌コーティング42Cは、
図1のカテーテル10などの
二重ルーメン医療機器
100の管状部の内面44上または外面46上のいずれにも示されていないが、抗菌コーティング42Cはそのような医療機器の内面44または外面46に適用され得、抗菌コーティング42Cを備えている
図14Dおよび14Eの横断面に類似した横断面を有する二重ルーメンの医療機器になることを理解されたい。示されていないが、抗菌コーティング42Cは、カテーテル10の前述の管状部の内面44上および外面46上の両方にあり得る。
【0049】
腐食防止106は、銅ベース層102の腐食を防ぐ。腐食防止層106は、貴金属(例えば、金、パラジウム)、腐食に対して比較的高い抵抗性を有する金属(例えば、チタン)、または、前述の金属のうちの1つの合金を含む耐腐食性金属を含む。上述のように、銅ベース層102は銅と金またはパラジウムとの銅合金を含み得る。金およびパラジウムは貴金属であるので、銅ベース層102は腐食に対して少なくともいくらかの抵抗性を有するように構成される。したがって、銅ベース層が銅および金またはパラジウムの銅合金であるとき、抗菌層42は、腐食防止層106を有する必要はない。
【0050】
抗菌コーティング42は、接着促進層104および腐食防止層106の両方を含み得、銅ベース層102は接着促進層104と腐食防止層106との間にあり、接着促進層104は銅ベース層102と医療機器の内面または外面との間にあり、それによって
図17Aに示される抗菌コーティング42Dを形成する。任意選択的に、抗菌コーティング42Dはオーバーコート108を含み、腐食防止層106が銅ベース層102とオーバーコート108との間に配置される。
図17Bは、
図9のカテーテル10のカテーテルチューブ12、ハブ16の遠位端部、または延長脚部18の管腔面44などの単一ルーメン医療機器
100の管状部の内面すなわち管腔面44上の抗菌コーティング42Dを示すが、
図17Cは、カテーテル10の前述の管状部の外面すなわち反管腔側表面46上の抗菌コーティング42Dを示す。抗菌コーティング42Dは、
図1のカテーテル10などの二重ルーメンの医療機器の管状部の内面44上または外面46上のいずれにも示されていないが、抗菌コーティング42Dはそのような医療機器の内面44または外面46に適用され得、抗菌コーティング42Dを備えている
図14Dおよび14Eの横断面に類似した横断面を有する二重ルーメンの医療機器になることを理解されたい。示されていないが、抗菌コーティング42Dは、カテーテル10の前述の管状部の内面44上および外面46上の両方にあり得る。
【0051】
抗菌コーティング42は、銅などの金属がカテーテル10などの医療機器によって搬送される流体中または医療機器に曝露される体液中に実質的に溶出しないように構成される。実際に、ルアーコネクタ19の内側の流体搬送面上の抗菌コーティング42の実質的に銅の銅ベース層102からの銅の溶出は、抗菌コーティング42が約24時間0.9%生理食塩水の溶液に曝露されたとき合計約0.210μgであり、エタノール溶液に曝露されたとき合計約0.157μgである。ルアーコネクタ19から溶出した銅の量は、ルアーコネクタ上の抗菌コーティング42の総銅含有量のおよそ0.009%を表し、したがって実質的に非溶出を証明している。
【0052】
接着促進層104、銅ベース層102、または腐食防止層106を含む抗菌コーティング42の各層は、実質的に均一で比較的薄い抗菌コーティング42の層を生成するように、金属の物理蒸着、化学蒸着、電着、または無電解めっきによって医療機器の内面または外面に適用される。抗菌コーティング42を含む医療機器の通常の使用では抗菌コーティング42の層の剥離またはこすり落としが起こらないように、抗菌コーティング42の各層は、十分に薄い。抗菌コーティング42の各層は約0.8μm未満の厚さ、約0.6μm未満の厚さなど、例えば、約0.5μm未満の厚さを含んだ、約1.0μm未満の厚さを有し得、それにより、2層の抗菌コーティング42で約2.0μmから、3層の抗菌コーティング42で約3.0μmまでの範囲の抗菌コーティング42の厚さを提供する。そうとは言え、抗菌コーティング42の各層は約1.0μm未満に限定されず、抗菌コーティング42は、約2.0μm未満から約3.0μmの厚さに限定されない。実際、抗菌コーティング42の厚さは、抗菌コーティング42の所望の有効寿命、抗菌コーティング42の所望のレベルの抗菌効果、医療機器の留置時間、1つ以上の流体通路内の閉塞を防ぐために1つ以上の流体通路のサイズ制限などを含む、複数の要因に従って変化し得る。
【0053】
医療機器の内面または外面上に抗菌コーティング42の1つ以上の層を堆積するために、電気めっき、イオンビーム蒸着、またはスパッタリングを含む、他の応用技術が用いられ得る。抗菌コーティング42が適用される異なる表面は、特定の応用技術の恩恵を得る。例えば、導電性ポリマーを含む金属表面およびプラスチック表面は、その上に銅ベース層102を電気めっきすることの恩恵を受ける。セラミック表面などは、その上に銅ベース層102をスプレーコーティングすることの恩恵を受ける。
【0054】
抗菌コーティング42のオーバーコート108があるとき、オーバーコート108は、ブトキシエタノールとブトキシエトキシエタノールを含有する溶液中に所定時間、抗菌コーティング42の1つ以上の他の層を含む医療機器の構成要素を浸漬することによって適用される。
【0055】
抗菌コーティング42は、微生物の接触致死によって、そのような微生物が実質的にいない医療用表面の内面または外面を維持するように構成されるが、他の抗菌手段が抗菌コーティング42とともに用いられ得る。例えば、分岐ハブ16のハブルーメン40の内面44は、抗菌コーティング42を含み得るが、カテーテルチューブ12のカテーテルチューブルーメン14の少なくとも内面44は、抗菌液によって提供されるものなど、異なる抗菌コーティングを含む。したがって、抗菌コーティング42は、抗菌保護を提供するために、同じまたは異なる医療機器の場所で、他の抗菌手段と共働し得る。
【0056】
上述のように、抗菌コーティング42は、
図1または
図9のカテーテル10などの医療機器の内面または外面を含む、様々な医療機器の場所において用いられる。
図2~8および10~13は、抗菌コーティング42が用いられ得るそのような医療機器の場所の様々な非限定的な例において、さらなる詳細を与える。
【0057】
上述のように、
図2は
図1のカテーテル10の分岐ハブ16を示し、その分岐ハブは、カテーテルチューブ12の前記一対のカテーテルチューブルーメン14と前記一対の延長脚部18の対応する延長脚部ルーメン22との間の流体連通のための、一対のハブルーメン40を提供する。同様に、
図9のカテーテル10のハブ16は、カテーテルチューブ12の単一のカテーテルチューブルーメン14と、単一の延長脚部18の対応する延長脚部ルーメン22との間の流体連通のための、単一のハブルーメン40を提供する。一対のハブルーメン40または単一のハブルーメン40はその内面すなわち管腔面44上に抗菌コーティング42を含み得る。
【0058】
図3において、分岐ハブ16に隣接した、カテーテルチューブ12のテーパ部24の外面すなわち反管腔側表面46は、その上に抗菌コーティング42を含み得る。テーパ部24は、挿入部位において、患者の皮膚を通って患者の静脈内または他の血管に延在するので、カテーテルチューブ12のこの部分は「経皮的領域」としても言及される。テーパ部24の外面の抗菌コーティング42は、挿入部位における皮膚から患者の静脈内または他の血管内のカテーテルチューブ12の残りの部分への微生物の移動を防ぐために有用である。テーパ部24の1つ以上の内面44(例えば、管腔面)は、カテーテルチューブ12の他の内面または外面だけでなく抗菌コーティング42も含み得ることが理解される。
【0059】
図4、6、7および8は、ルアーコネクタ19がカテーテル10の流体通路の残りの部分と流体連通するルアーコネクタ19の内面44上、外面46上、または内面44上および外面46上の両方に抗菌コーティング42を含み得ることを示す。抗菌コーティング42のコネクタ19への適用は、抗菌コーティング42を含むルアーコネクタの内面または外面上の微生物の形成および増加を防ぐことを促進する。臨床医またはカテーテル10の他の使用者による比較的広範囲の物理的接触により、ルアーコネクタ19などのコネクタは、特に微生物汚染の影響を受けやすい可能性がある。したがって、処置中に比較的広範囲の物理的接触をする医療機器のルアーコネクタ19または他の部分上では抗菌コーティング42は特に適切であり得る。
【0060】
抗菌層42の銅ベース層102の代替として、
図8は内面44のための銅含有インサート90を備えるルアーコネクタ19を示す。上述の抗菌層42の1つ以上の追加の層を伴う銅含有インサート90は、接触致死抗菌効果を提供するように構成された実質的に非溶出性抗菌コーティング42を提供し、それによってその中で微生物の形成または増殖から保護する。様々な医療機器またはその構成要素は、抗菌層42の銅ベース層102を提供するために、その1つ以上の場所において、そのような銅含有インサートを使用し得る。銅含有インサート90は、銅含有インサート90でインサート成形することによって、医療またはその構成要素(例えば、ルアーコネクタ19)に導入され得る。そのような銅含有インサートは、
図1のカテーテル10の対の延長脚部18またはカテーテルチューブ12などの押し出し構成要素も含み得る。
【0061】
ルアーコネクタ19に加えて、
図6は、また、
図9のカテーテル10の延長脚部18の内面
すなわち管腔面
58、または、
図1のカテーテル10の一対の延長脚部18の内面すなわち管腔面
58が、抗菌コーティング42を含み得ることを示している。抗菌コーティング42は、ルアーコネクタ19が連結されるカテーテル10の延長脚部18を通ってルアーコネクタ19の内面44から遠位に微生物が移動することを防ぎ得る。
図6に示されていないが、
図9のカテーテル10の延長脚部18の外面すなわち反管腔側表面46または
図1のカテーテル10の一対の延長脚部18の外面すなわち反管腔側表面は、代わりに、または加えて、抗菌コーティング42をそれらの少なくとも近位端部および遠位端部に含み得る。ルアーコネクタ19などのコネクタと同様に、延長脚部18のような延長脚部の外面すなわち反管腔側表面は、臨床医またはカテーテル10の他の使用者による比較的広範囲の物理的接触により、特に微生物汚染の影響を受けやすい。
【0062】
図9および10は、ルアーコネクタ19の1つ以上の表面上の抗菌コーティング42を含む可撓性バルブ60を備えたルアーコネクタ19を示す。ルアーコネクタ19の内面44、外面46、または内面および外面の両方は抗菌コーティング42を含む。
図10に最も示されるように、抗菌コーティング42は、ルアーコネクタ19のボディの外面44の近位半分にのみ配置されるが、外面46の全体をコーティングでき、内面44も、独立してコーティングされ得る。加えて、または代えて、抗菌コーティング42はバルブ60それ自体の表面上に配置される。
【0063】
図11は、ルアーコネクタ19のねじ込み端を取り外し可能に覆うために使用されるねじ込みキャップ64が、抗菌コーティング42を含み得ることを示す。実際、キャップ64の内面44および外面46の両方は、抗菌コーティング42を含み得る。そのように構成されるので、キャップ64は、キャップ19がねじ込み可能に係合するように構成されるルアーコネクタ19の微生物汚染を防ぐことを補助し得る。ルアーコネクタ19などのコネクタと同様に、キャップ64などのキャップは、臨床医またはカテーテル10の他の使用者による比較的広範囲の物理的接触により、特に微生物汚染の影響を受けやすい可能性がある。
【0064】
図12は、抗菌効果を与えるために抗菌コーティング42がその上に配置され得る医療機器の別例としてニードルレスコネクタ110を示す。示されるように、ニードルレスコネクタ110は内面44および外面46を含み、ニードルレスコネクタ110の内面44は抗菌コーティング42を含む。そうとは言え、ニードルレスコネクタ110の外面46は、代わりに、または加えて抗菌コーティング42を含み得る。
【0065】
抗菌コーティング42の銅ベース層102の代替として、
図13はアクセスポート80のニードルで貫通可能な隔壁86の材料内に組み込まれる銅含有物質70を示す。銅含有物質70と形成材料を調合し、続いて、銅含有医療機器またはその構成要素を提供するために得られた材料を成形(例えば、射出成形)または押し出し加工を行うことによって、銅含有物質70は、医療機器の形成材料または隔壁86などの医療機器の構成要素に組み込まれ得る。前述の医療機器またはその構成要素に適用された、上述の抗菌層42の1つ以上の追加の層は、接触致死抗菌効果を提供するように構成される、実質的に非溶出性の抗菌コーティング42を提供する。例えば、ポート80の隔壁86は、銅含有物質70がその中に組み込まれた隔壁86が提供されるように銅含有物質70と調合されたシリコーンまたは別の医学的に適切なポリマーと射出成形され得る。抗菌層42を備えた隔壁86を提供するために、抗菌層42の1つ以上の追加の層が隔壁86に適用され得、隔壁86はポートのボディによって画定されるリザーバ84、ならびにポートステムと共にポート80を通る流体通路を微生物汚染から保護するように構成される。隔壁86は、しかし、この方法で製造される様々な医療機器および構成要素の一例である。いくつかの実施形態において、ポートボディ82の外面全体は抗菌コーティング42を含む。
【0066】
本明細書に記載された複数の実施形態は、抗菌コーティング42からの恩恵を受け得る医療機器および構成要素の単なる例である。末梢穿刺中心静脈カテーテル(「PICC」)、中心静脈カテーテル(「CVC」)、血液透析カテーテル、肺動脈カテーテル、動脈カテーテル、尿道カテーテル、腹膜透析カテーテル、経鼻栄養チューブ、胃瘻チューブ、経鼻胃チューブ、気管内チューブ、気管切開チューブ、臍帯カテーテル、ニードルレスコネクタ、ミッドラインカテーテル、腸カテーテル、中間留置カテーテル、スワンガンツカテーテル、移植可能なアクセスポート、または他の移植可能な装置を含む様々な医療機器が本明細書に記載される抗菌コーティング42を含み得ることが理解される。
【0067】
上述の抗菌コーティング42は、処置される表面がウイルス、バクテリア、菌類などを打ち負かす典型的な抗菌剤の吸収にしばしば抵抗性を示す比較的高硬度のプラスチックを含む状況において有用であることが理解される。伝統的に扱うのが難しいカテーテルの領域は、ハブ16などのハブ、ハブ16の任意のハブルーメン、およびルアーコネクタ19などのルアーコネクタを含み、しばしば高硬度のプラスチックを含む。抗菌コーティング42は、カテーテルまたはその部分(例えば、ハブ、ルアーコネクタ)を通る流体通路の管腔面などの医療機器の流体搬送表面上の抗菌コロニー形成を減少させるために用いられるが、抗菌コーティング42は、また、そのような医療機器の非流体搬送表面にも用いられ得る。
【0068】
抗菌コーティング42は、抗菌表面上の微生物の定着または増殖の可能性を低減する抗菌表面として役立つ。抗菌コーティング42は、31日以上などの長期間の後でも抗菌表面上に存在する微生物の少なくとも4-対数減少を生み出し得る。抗菌コーティング42は、実質的に非溶出性であり、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(「MRSA」)、緑膿菌、エンテロバクター・アエロゲネス、バンコマイシン耐性腸球菌(「VRE」)、およびカンジダ・アルビカンスなどの酵母を含む微生物によるコロニー形成に対する受動的なバリアとして役立つ。医療機器またはその構成要素の内面上または外面上の抗菌コーティング42の比較的正の電荷は、抗菌表面に接触後、表面上で微生物がすぐに殺される接触致死表面として役立つことを可能にすることに留意されたい。
【0069】
図18は、
図1に示されるルアーコネクタ19などのルアーコネクタ上に配置されたときの銅ベース層102などの銅層の有効性の一例を示すグラフ120を表す。
図19は、
図1に示されるルアーコネクタ19などのルアーコネクタ上に配置され、
図12に示されるニードルレスコネクタ110などの非コーティングニードルレスコネクタに操作可能に連結されたときの銅ベース層102などの銅層の有効性の一例を示すグラフ130を表す。
図20は、任意選択のオーバーコート108が銅ベース層102などの銅層を含むルアーコネクタに適用されたときに、適切な抗菌効果が達成されたことを示すグラフ140を表す。前述の複数の層に関する追加の開示は、参照によりその全体が本出願に援用される、2016年10月6日公開の米国特許出願公開第2016/0287758号明細書において入手可能である。
【0070】
方法
図1または
図9のカテーテル10などの抗菌カテーテルアセンブリの製造方法は、カテーテル10の1つ以上の構成要素の内面44、外面46、または内面44および外面46の両方に非溶出性抗菌コーティング42を適用することと、カテーテル10を形成するようにカテーテル10の構成要素を連結することとを含む。抗菌コーティング42は、腐食防止層106と内面44または外面46との間の抗菌コーティング42が適用される銅ベース層102、銅ベース層102と内面44または外面46との間の抗菌コーティング42が適用される接着促進層104、またはそれらの組み合わせを含む、2つ以上の層のコンポジットである。
【0071】
抗菌コーティング42の適用は、カテーテル10の1つ以上の構成要素の任意の構成要素の内面44または外面46に対して接着促進層104を適用することを含む。接着促進層104は、金、パラジウム、およびチタンから選択される金属の物理蒸着、化学蒸着、電着、または無電解めっきによって前述の内面44または外面46に適用される。接着促進層104が適用される内面44または外面46は、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、およびシリコーンから選択されるポリマーを含む。
【0072】
抗菌コーティング42の適用は、カテーテル10の1つ以上の構成要素の任意の構成要素の内面44または外面46に対して銅ベース層102を適用することを含む。銅ベース層102は、銅、銅合金または銅マトリックスコンポジットの物理蒸着、化学蒸着、電着、または無電解めっきによって前述の内面44または外面46に適用される。銅ベース層102が適用される内面44または外面46は、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、およびシリコーンから選択されるポリマー、または接着促進層104を含む。
【0073】
少なくともハブ16に関して、抗菌コーティング42の銅ベース層102は、電場を使用せずに非導電性表面上に銅を堆積させることができる無電解めっきプロセスによって、ハブ16の1つ以上のハブルーメン40の内面44上に堆積され得る。無電解めっきは、堆積させてはならない任意の他の表面部分を物理的にマスクする前に、堆積される表面を洗浄することを含む。次に、表面を化学的または機械的にエッチングすることにより、例えば、炭化ケイ素高圧サンドブラストにより、洗浄されているがマスクはされていない表面が調製される。
【0074】
銅、ニッケル、または別の適切な金属または材料のプレコート層は、その後エッチングされた表面に無電解めっきによって堆積され得、続く銅ベース層102などのコーティングの効率改善を促進し得る。しかしながら、プレコート層は省略され得る。ハブ16は、その後、塩化銅浴内に配置され、自己触媒反応によって、酸化還元反応の結果としてハブ16のマスクされていない部分上に比較的薄い、均一の銅ベース層102が形成される。
【0075】
カテーテル10のハブ16または別の構成要素に銅ベース層102を提供するために他の様式が用いられ得ることが理解される。
図5はこの一例を与え、カテーテルチューブ12は、
図5に示される管状形態に押し出される前に銅含有物質70と混合されるか、あるいは調合される熱可塑性樹脂または他の適切なポリマーなどの成形材料を含む。当該樹脂と調合され得る銅含有物質は塩化第一銅、塩化第二銅、酸化第二銅、水酸化銅、シュウ酸銅、クエン酸銅、グルコン酸銅、酢酸銅、炭酸銅、硫酸銅、リン酸銅、他の適切な銅塩、細かく分割された金属銅などを含む。銅含有物質70の質量は約1重量%~約40重量%で変わり得るが、必要性と所望の結果に応じて、他のパーセンテージを利用することができる。押し出しの前に混合および溶融が起こる押出機内に導入される前に、銅含有物質は粉末として樹脂と混合され得る。その結果得られたカテーテルチューブ12または他の押出成形物は、内面または外面に所望の抗菌効果を提供するために十分な銅の量をその中に含む。
【0076】
抗菌コーティング42の適用は、カテーテル10の1つ以上の構成要素の任意の構成要素の内面44または外面46に対して腐食防止層106を適用することを含む。腐食防止層106は、金、パラジウム、またはチタンの物理蒸着、化学蒸着、電着、または無電解めっきによって前述の内面44または外面46に適用される。腐食防止層106が適用される内面44または外面46は、銅ベース層102または同様のものを含む。
【0077】
カテーテル10の構成要素を連結することは、カテーテル10を形成するように、カテーテルチューブ12をハブ16に挿入することと、少なくとも1つの延長脚部18をハブ16に挿入することと、延長脚部18を少なくとも1つのルアーコネクタ19に挿入することとを含む。カテーテル10はカテーテルチューブルーメン14、ハブルーメン40、および延長脚部ルーメン22の内面44によって画定される流体通路を有する。
【0078】
いくつかの特定の実施形態が本明細書に開示され、特定の実施形態が若干詳細に開示されるが、それらの特定の実施形態が本明細書に提供される概念の範囲を限定する意図はない。追加の適応および/または変更は当業者に現れ得、より広い態様において、これらの適応および/または変更もまた包含される。したがって、本明細書に提供される概念の範囲から逸脱することなく、特定の実施形態から逸脱がなされる場合がある。
[付記1] カテーテルアセンブリを通る流体通路の対応するハブ部分を画定する少なくとも1つのハブルーメンを含むハブと、前記ハブに連結されたカテーテルチューブであって、前記カテーテルアセンブリを通る前記流体通路の対応するカテーテルチューブ部分を画定する少なくとも1つのカテーテルチューブルーメンを含む前記カテーテルチューブと、前記ハブに連結された少なくとも1つの延長脚部であって、前記カテーテルアセンブリを通る前記流体通路の対応する延長脚部部分を画定する延長脚部ルーメンを含む前記少なくとも1つの延長脚部と、前記カテーテルアセンブリの内面上、前記カテーテルアセンブリの外面上、または前記カテーテルアセンブリの前記内面上および前記外面上の両方における非溶出性の抗菌コーティングであって、腐食防止層と前記カテーテルアセンブリの前記内面または前記外面との間の銅ベース層、前記銅ベース層と前記カテーテルアセンブリの前記内面または前記外面との間の接着促進層、またはそれらの組み合わせを含む、2つ以上の層のコンポジットである、前記抗菌コーティングとを備える抗菌カテーテルアセンブリ。
[付記2] 前記接着促進層は接着促進金属を含む、付記1に記載の抗菌カテーテルアセンブリ。
[付記3] 前記接着促進金属はポリウレタン、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、およびシリコーンから選択されるポリマーへの前記銅ベース層の接着を促進する、付記2に記載の抗菌カテーテルアセンブリ。
[付記4] 前記接着促進金属は金、パラジウム、およびチタンから選択される、付記2または3に記載の抗菌カテーテルアセンブリ。
[付記5] 前記銅ベース層は実質的に純銅、銅と金、パラジウム、亜鉛、または錫との銅合金、または銅およびタングステンの銅マトリックスコンポジットである、付記1~4のうちのいずれか1つに記載の抗菌カテーテルアセンブリ。
[付記6] 前記腐食防止層は金、パラジウム、およびチタンから選択される耐腐食性金属を含む、付記1~5のうちのいずれか1つに記載の抗菌カテーテルアセンブリ。
[付記7] 前記抗菌コーティングは2つの層を含み、前記2つの層は前記接着促進層および前記銅ベース層である、付記1~6のうちのいずれか1つに記載の抗菌カテーテルアセンブリ。
[付記8] 前記抗菌コーティングは2つの層を含み、前記2つの層は前記銅ベース層および前記腐食防止層である、付記1~6のうちのいずれか1つに記載の抗菌カテーテルアセンブリ。
[付記9] 前記抗菌コーティングは3つの層を含み、前記3つの層は前記接着促進層、前記銅ベース層および前記腐食防止層である、付記1~6のうちのいずれか1つに記載の抗菌カテーテルアセンブリ。
[付記10] 前記抗菌コーティングは、前記カテーテルアセンブリを通る前記流体通路の前記対応するハブ部分を画定する前記ハブルーメンを含む前記カテーテルアセンブリの前記内面上にある、付記1~9のうちのいずれか1つに記載の抗菌カテーテルアセンブリ。
[付記11] 前記抗菌コーティングは、前記カテーテルアセンブリを通る前記流体通路の前記対応する延長脚部部分を画定する前記延長脚部ルーメンを含む前記カテーテルアセンブリの前記内面上にある、付記1~10のうちのいずれか1つに記載の抗菌カテーテルアセンブリ。
[付記12] 前記抗菌コーティングは、前記延長脚部の少なくとも近位端部と遠位端部との間の前記延長脚部の反管腔側表面を含む前記カテーテルアセンブリの前記外面上にある、付記1~11のうちのいずれか1つに記載の抗菌カテーテルアセンブリ。
[付記13] 前記抗菌コーティングは、前記カテーテルチューブの経皮的領域の反管腔側表面を含む前記カテーテルアセンブリの前記外面上にある、付記1~12のうちのいずれか1つに記載の抗菌カテーテルアセンブリ。
[付記14] 前記延長脚部に連結された少なくとも1つのルアーコネクタをさらに備え、前記抗菌コーティングは前記流体通路と流体連通する前記ルアーコネクタの内面を含む前記カテーテルアセンブリの前記内面上、前記ルアーコネクタの外面を含む前記カテーテルアセンブリの外面上、またはそれらの組み合わせ上である、付記1~13のうちのいずれか1つに記載の抗菌カテーテルアセンブリ。
[付記15] 抗菌カテーテルアセンブリであって、前記カテーテルアセンブリを通る一対の流体通路の対応するハブ部分を画定する一対のハブルーメンを含む、分岐ハブと、前記ハブに連結されたカテーテルチューブであって、前記カテーテルアセンブリを通る前記一対の流体通路の対応するカテーテルチューブ部分を画定する一対のカテーテルチューブルーメンを含む、前記カテーテルチューブと、前記ハブに連結された一対の延長脚部であって、各延長脚部は、前記カテーテルアセンブリを通る前記一対の流体通路の対応する延長脚部部分を画定する延長脚部ルーメンを含む、一対の延長脚部と、一対のルアーコネクタであって、各ルアーコネクタは前記一対の延長脚部の1つの延長脚部に連結された、一対のルアーコネクタと、前記カテーテルアセンブリの内面上、前記カテーテルアセンブリの外面上、または前記カテーテルアセンブリの前記内面上および前記外面上の両方における非溶出性抗菌コーティングであって、前記抗菌コーティングは腐食防止層と前記カテーテルアセンブリの前記内面または前記外面との間の銅ベース層、前記銅ベース層と前記カテーテルアセンブリの前記内面または前記外面との間の接着促進層、またはそれらの組み合わせを含む、2つ以上の層のコンポジットである、非溶出性抗菌コーティングとを備える、抗菌カテーテルアセンブリ。
[付記16] 前記接着促進層は、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、およびシリコーンから選択されるポリマーへの前記銅ベース層の接着を促進し、前記接着促進層は金、パラジウム、およびチタンから選択される金属を含む、付記15に記載の抗菌カテーテルアセンブリ。
[付記17] 前記銅ベース層は実質的に純銅、銅と金、パラジウム、亜鉛、または錫との銅合金、または銅およびタングステンの銅マトリックスコンポジットである、付記15または16に記載の抗菌カテーテルアセンブリ。
[付記18] 前記腐食防止層は、金、パラジウム、およびチタンから選択される耐腐食性金属を含む、付記15~17のうちのいずれか1つに記載の抗菌カテーテルアセンブリ。
[付記19] 前記抗菌コーティングは2つの層を含み、前記2つの層は前記接着促進層および前記銅ベース層、または、前記銅ベース層および前記腐食防止層である、付記15~18のいずれか1つに記載の抗菌カテーテルアセンブリ。
[付記20] 前記抗菌コーティングは3つの層を含み、前記3つの層は前記接着促進層、前記銅ベース層、および前記腐食防止層である、付記15~18のいずれか1つに記載の抗菌カテーテルアセンブリ。
[付記21] 前記抗菌コーティングは、前記カテーテルアセンブリを通る前記一対の流体通路の前記対応するハブ部分を画定する前記ハブルーメンを含む前記カテーテルアセンブリの前記内面上にある、付記15~20のいずれか1つに記載の抗菌カテーテルアセンブリ。
[付記22] 前記抗菌コーティングは、前記カテーテルアセンブリを通る前記一対の流体通路の前記対応する延長脚部部分を画定する前記延長脚部ルーメンを含む前記カテーテルアセンブリの前記内面上にある、付記15~21のいずれか1つに記載の抗菌カテーテルアセンブリ。
[付記23] 前記抗菌コーティングは、前記カテーテルアセンブリを通る前記一対の流体通路の対応するルアーコネクタ部を画定する各ルアーコネクタの内面を含む前記カテーテルアセンブリの前記内面上、各ルアーコネクタの外面を含むカテーテルアセンブリの外面上、またはそれらの組み合わせ上にある、付記15~22のいずれか1つに記載の抗菌カテーテルアセンブリ。
[付記24] 前記抗菌コーティングは、各延長脚部の少なくとも近位端部と遠位端部との間の、前記一対の延長脚部の反管腔側表面を含む、前記カテーテルアセンブリの前記外面上にある、付記15~23のいずれか1つに記載の抗菌カテーテルアセンブリ。
[付記25] 前記抗菌コーティングは、前記カテーテルチューブの経皮的領域の反管腔側表面を含む、前記カテーテルアセンブリの前記外面上にある、付記15~24のいずれか1つに記載の抗菌カテーテルアセンブリ。
[付記26] 抗菌カテーテルアセンブリの製造方法であって、前記カテーテルアセンブリの1つ以上の構成要素の内面、外面、または前記内面および前記外面の両方に非溶出性抗菌コーティングを適用することであって、前記抗菌コーティングは、腐食防止層と前記抗菌コーティングが適用される前記内面または前記外面との間の銅ベース層、前記銅ベース層と前記抗菌コーティングが適用される前記内面または前記外面との間の接着促進層、またはそれらの組み合わせを含む2つ以上の層のコンポジットである、前記抗菌コーティングを適用することと、前記カテーテルアセンブリを形成するために前記カテーテルアセンブリの前記構成要素を連結することとを備える、方法。
[付記27] 前記抗菌コーティングを適用することは、金、パラジウム、およびチタンから選択される金属の物理蒸着、化学蒸着、電着、または無電解めっきによって、前記カテーテルアセンブリの前記1つ以上の構成要素のうちの任意の構成要素の前記内面または前記外面に前記接着促進層を適用することを含み、前記接着促進層が適用される前記内面または前記外面はポリウレタン、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、およびシリコーンから選択されるポリマーを含む、付記26に記載の方法。
[付記28] 前記抗菌コーティングを適用することは、銅、銅合金、または銅マトリックスコンポジットの物理蒸着、化学蒸着、電着、または無電解めっきによって、前記カテーテルアセンブリの前記1つ以上の構成要素のうちの任意の構成要素の前記内面または前記外面に前記銅ベース層を適用することを含み、前記銅ベース層が適用される前記内面または前記外面はポリウレタン、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、およびシリコーンから選択されるポリマー、または前記接着促進層を含む、付記26に記載の方法。
[付記29] 前記抗菌コーティングを適用することは、金、パラジウム、またはチタンの物理蒸着、化学蒸着、電着、または無電解めっきによって前記カテーテルアセンブリの前記1つ以上の構成要素のうちの任意の構成要素の前記内面または前記外面に前記腐食防止層を適用することを含み、前記腐食防止層が適用される前記内面または前記外面は前記銅ベース層を含む、付記26に記載の方法。
[付記30] 前記カテーテルアセンブリの前記構成要素を連結することは、前記カテーテルアセンブリを形成するためにカテーテルチューブをハブに挿入することと、少なくとも1つの延長脚部を前記ハブに挿入することと、前記延長脚部を少なくとも1つのルアーコネクタに挿入することとを含み、前記カテーテルアセンブリは、カテーテルチューブルーメンの内面、ハブルーメンの内面、および延長脚部ルーメンの内面によって画定される流体通路を有する、付記26~29のいずれか1つに記載の方法。