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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-12
(45)【発行日】2024-07-23
(54)【発明の名称】対地作業装置
(51)【国際特許分類】
   A01B 33/16 20060101AFI20240716BHJP
   A01B 63/111 20060101ALI20240716BHJP
【FI】
A01B33/16
A01B63/111
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021086388
(22)【出願日】2021-05-21
(65)【公開番号】P2022179124
(43)【公開日】2022-12-02
【審査請求日】2023-06-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110003041
【氏名又は名称】安田岡本弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】櫛田 貴洋
(72)【発明者】
【氏名】野田 悠太
(72)【発明者】
【氏名】北村 友里
【審査官】坂田 誠
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-142823(JP,A)
【文献】特開2004-24169(JP,A)
【文献】実開昭52-87502(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2016/0039480(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01B 33/16
A01B 63/111
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機枠と、
前記機枠の下部に設けられ、圃場に対して作業を行う対地作業部と、
前記対地作業部に荷重を加える少なくとも1つのウエイトと、
前記ウエイトが載置され且つ取り付けられる少なくとも1つの載置台と、
を備え
前記載置台は、板面が上方を向く平板状の載置壁と、前記載置壁の前部から上方に立ち上がる縦壁とを有し、且つ後方に開放されており、
前記ウエイトは、前記載置壁に載置され且つ前記縦壁に当接した状態で前記載置壁に固定具によって取り付けられる対地作業装置。
【請求項2】
前記ウエイトは、後部が前記載置壁に前記固定具によって取り付けられる請求項1に記載の対地作業装置。
【請求項3】
前記載置台及び該載置台に取り付けられた前記ウエイトは、前部が前記対地作業部の上方に位置し、後部が前記対地作業部の後端よりも後方に突出している請求項1または2に記載の対地作業装置。
【請求項4】
機枠と、
前記機枠の下部に設けられ、圃場に対して作業を行う対地作業部と、
前記対地作業部に荷重を加える少なくとも1つのウエイトと、
前記ウエイトが載置され且つ取り付けられる少なくとも1つの載置台と、
前記対地作業部の上方で前記機枠に揺動自在に設けられた支持枠と、
前記支持枠に設けられたツールバーと、
を備え、
前記載置台は、前記支持枠に取り付けられている対地作業装置。
【請求項5】
前記支持枠に一端側が枢支され他端側が前記機枠側に枢支されていて、伸縮することで前記ツールバーの高さを調整する高さ調整装置を備え、
前記載置台は、複数台設けられ、複数台の載置台は、前記高さ調整装置の一側方に配置される第1の載置台と、前記高さ調整装置の他側方に配置される第2の載置台とを含む請求項4に記載の対地作業装置。
【請求項6】
前記支持枠は、前記高さ調整装置の一側方に配置されて前記機枠に枢支された第1主杆部と、前記高さ調整装置の他側方に配置されて前記機枠に枢支された第2主杆部と、前記第1主杆部と前記第2主杆部とを連結する連結杆部であって前記高さ調整装置の一端側が枢支された連結杆部とを有し、
前記第1の載置台は、平面視で前記第1主杆部と前記高さ調整装置との間に配置され、
前記第2の載置台は、平面視で前記第2主杆部と前記高さ調整装置との間に配置されている請求項5に記載の対地作業装置。
【請求項7】
前記連結杆部の前方で前記第1主杆部と前記第2主杆部とにわたって設けられた取付プレートを備え、
前記載置台は、前記取付プレートと前記連結杆部とにわたって設けられ、且つ前部が前記取付プレートに受持されて取り付けられると共に後部が前記連結杆部に受持されて取り付けられている請求項6に記載の対地作業装置。
【請求項8】
機枠と、
前記機枠の下部に設けられ、圃場に対して作業を行う対地作業部と、
前記対地作業部に荷重を加える少なくとも1つのウエイトと、
前記ウエイトが載置され且つ取り付けられる少なくとも1つの載置台と、
を備え、
前記載置台は、前記ウエイトが載置され且つ取り付けられる載置壁と、前記載置壁の前部から上方に立ち上がる縦壁とを有し、
前記縦壁は、前記ウエイトに設けられた嵌合部が前後方向で嵌められ及び離脱する係合部を有し、
前記ウエイトは、前記嵌合部が前記係合部に嵌められた状態で後部が前記載置壁に固定具によって取り付けられる対地作業装置。
【請求項9】
前記載置台は、前記取付プレートを前記第1主杆部及び前記第2主杆部に取り 付ける取付具によって共締めで取り付けられるステーを有している請求項7に記載の対地作業装置。
【請求項10】
前記ウエイトとして、前記載置台上に機体幅方向に並べて載置される複数のウエイトを含み、
複数のウエイトは、前面に前記嵌合部が設けられ、後部に上下方向に貫通して形成されていて前記固定具が挿通される挿通孔を含む請求項8に記載の対地作業装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圃場に対して作業を行う対地作業装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に開示された対地作業装置が知られている。
特許文献1に開示された対地作業装置(ロータリ耕耘機)は、機枠を備えると共に該機枠の下部に圃場に対して作業を行う対地作業部(ロータリ耕耘部)を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-63702号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、対地作業装置を走行体に装着し、走行体を高速で走行しながら対地作業部によって作業を行うと、土の反力に負けて、対地作業装置が浮き上がる場合がある。
本発明は、前記問題点に鑑み、作業時の土の反力によって対地作業装置が浮き上がるのを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様に係る対地作業装置は、機枠と、前記機枠の下部に設けられ、圃場に対して作業を行う対地作業部と、前記対地作業部に荷重を加える少なくとも1つのウエイトと、前記ウエイトが載置され且つ取り付けられる少なくとも1つの載置台と、を備え、前記載置台は、板面が上方を向く平板状の載置壁と、前記載置壁の前部から上方に立ち上がる縦壁とを有し、且つ後方に開放されており、前記ウエイトは、前記載置壁に載置され且つ前記縦壁に当接した状態で前記載置壁に固定具によって取り付けられる。
また、前記ウエイトは、後部が前記載置壁に前記固定具によって取り付けられる。
【0006】
また、前記載置台及び該載置台に取り付けられた前記ウエイトは、前部が前記対地作業部の上方に位置し、後部が前記対地作業部の後端よりも後方に突出している。
また、本発明の他の態様に係る対地作業装置は、機枠と、前記機枠の下部に設けられ、圃場に対して作業を行う対地作業部と、前記対地作業部に荷重を加える少なくとも1つのウエイトと、前記ウエイトが載置され且つ取り付けられる少なくとも1つの載置台と、前記対地作業部の上方で前記機枠に揺動自在に設けられた支持枠と、前記支持枠に設けられたツールバーと、を備え、前記載置台は、前記支持枠に取り付けられている。
また、前記支持枠に一端側が枢支され他端側が前記機枠側に枢支されていて、伸縮することで前記ツールバーの高さを調整する高さ調整装置を備え、前記載置台は、複数台設けられ、複数台の載置台は、前記高さ調整装置の一側方に配置される第1の載置台と、前記高さ調整装置の他側方に配置される第2の載置台とを含む。
【0007】
また、前記支持枠は、前記高さ調整装置の一側方に配置されて前記機枠に枢支された第1主杆部と、前記高さ調整装置の他側方に配置されて前記機枠に枢支された第2主杆部と、前記第1主杆部と前記第2主杆部とを連結する連結杆部であって前記高さ調整装置の一端側が枢支された連結杆部とを有し、前記第1の載置台は、平面視で前記第1主杆部と前記高さ調整装置との間に配置され、前記第2の載置台は、平面視で前記第2主杆部と前記高さ調整装置との間に配置されている。
【0008】
また、前記連結杆部の前方で前記第1主杆部と前記第2主杆部とにわたって設けられた取付プレートを備え、前記載置台は、前記取付プレートと前記連結杆部とにわたって設けられ、且つ前部が前記取付プレートに受持されて取り付けられると共に後部が前記連結杆部に受持されて取り付けられている。
また、本発明のさらに他の態様に係る対地作業装置は、機枠と、前記機枠の下部に設けられ、圃場に対して作業を行う対地作業部と、前記対地作業部に荷重を加える少なくとも1つのウエイトと、前記ウエイトが載置され且つ取り付けられる少なくとも1つの載置台と、を備え、前記載置台は、前記ウエイトが載置され且つ取り付けられる載置壁と、前記載置壁の前部から上方に立ち上がる縦壁とを有し、前記縦壁は、前記ウエイトに設けられた嵌合部が前後方向で嵌められ及び離脱する係合部を有し、前記ウエイトは、前記嵌合部が前記係合部に嵌められた状態で後部が前記載置壁に固定具によって取り付けられる。
【0009】
また、前記載置台は、前記取付プレートを前記第1主杆部及び前記第2主杆部に取り付ける取付具によって共締めで取り付けられるステーを有している。
また、前記ウエイトとして、前記載置台上に機体幅方向に並べて載置される複数のウエイトを含み、複数のウエイトは、前面に前記嵌合部が設けられ、後部に上下方向に貫通して形成されていて前記固定具が挿通される挿通孔を含む。
【発明の効果】
【0010】
上記の対地作業装置によれば、作業時において、ウエイトによって土の反力で対地作業装置が浮き上がるのを抑制することができる。また、ウエイトを載置台に対して着脱する際に、ウエイトを取付状態における該ウエイトの下面よりも大きく持ち上げる必要がなく、ウエイトの取り付けを容易に行える。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】トラクタ及びロータリ耕耘装置を有する作業機の側面図である。
図2】ロータリ耕耘装置及び連結装置を背面側からみた斜視図である。
図3】ロータリ耕耘装置の概略背面図である。
図4】ロータリ耕耘装置の概略平面図である。
図5】ロータリ耕耘装置の一部断面側面図である。
図6】機枠及び支持枠等の斜視図である。
図7】ウエイト装着部を上からみた斜視図である。
図8】ウエイト装着部を下からみた斜視図である。
図9】ウエイト装置の背面断面図である。
図10】ウエイトの斜視図である。
図11】ウエイト装着部の側面断面図である。
図12】載置台の斜視図である。
図13】他の実施形態を示す一部断面側面図である。
図14】他の実施形態を示す一部断面側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態について、図面を適宜参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態に係る対地作業装置3を含む作業機1を示す概略側面図である。
図1に示すように、作業機1は、トラクタ(走行体)2と、トラクタ2の後方に装着される対地作業装置3とを有している。対地作業装置3は、圃場27に対して作業を行う対地作業部17を有している。本実施形態では、対地作業装置3は、ロータリ耕耘装置(耕耘装置)であり、対地作業部17は耕耘部(ロータリ耕耘部)である。以下、対地作業装置3をロータリ耕耘装置、対地作業部17を耕耘部として説明する。なお、対地作業部17は、圃場に接触して作業を行うもの、即ち、作業時に圃場から反力を受ける作業を行うための部材であればよく、例えば、圃場を耕起するプラウ等であってもよい。
【0013】
トラクタ2は走行可能な車体4を有する。車体4の後部には、オペレータ(運転者)が着座する運転席5が搭載されている。
本実施形態においては、トラクタ2の運転席5に着座したオペレータの前側に向かう方向(図1の矢印A1方向)を前方、オペレータの後側に向かう方向(図1の矢印A2方向)を後方、図1の矢印K1方向を前後方向として説明する。また、オペレータの左側に向かう方向(図1の手前側、図3図4の矢印B1方向)を左方、オペレータの右側に向かう方向(図1の奥側、図3図4の矢印B2方向)を右方として説明する。
【0014】
また、前後方向K1に直交する方向である水平方向を機体幅方向(図3図4の矢印K2方向)として説明する。トラクタ2の車幅方向の中央部から右部、或いは、左部へ向かう方向を機体幅方向外方として説明する。つまり、機体幅方向外方は、トラクタ2の車幅方向の中心から機体幅方向K2に離れる方向である。機体幅方向外方とは反対の方向を、機体幅方向内方として説明する。つまり、機体幅方向内方は、機体幅方向K2においてトラクタ2の車幅方向の中心に近づく方向である。
【0015】
図1に示すように、トラクタ2の車体4は、原動機(図示省略)と、動力伝達ケース4Aとを有する。原動機は、例えば、ディーゼルエンジン等のエンジンである。なお、原動機は、電動モータであってもよいし、ディーゼルエンジン及び電動モータを有するハイブリッド型であってもよい。動力伝達ケース4Aは、例えば、フライホイールを収容するフライホイールハウジングと、フライホイールを介して伝達される原動機の動力を断続可能に伝達するクラッチを収容するクラッチハウジングと、クラッチを介して伝達される動力を変速する変速装置を収容するミッションケースとを直結して構成される。
【0016】
図1に示すように、トラクタ2は、車体4を走行可能に支持する走行装置6を有している。走行装置6は、例えば、車輪型の走行装置6であり、車体4の前部の左側及び右側に設けた前輪と、車体4の後部の左側及び右側に設けた後輪6Aとを有する。
車体4の背面下部には、PTO軸7が後方突出状に設けられている。PTO軸7は、トラクタ2の動力(原動機の動力)を外部に取り出す出力軸である。また、車体4の後部の上部には、昇降シリンダ8によって駆動されて上下に揺動する一対の(左及び右の)リフトアーム9が設けられている。昇降シリンダ8は、油圧シリンダによって形成される。
【0017】
図1に示すように、車体4の後部には、ロータリ耕耘装置3を昇降可能に装着する装着機構10が取り付けられている。装着機構10は、三点リンク機構等のリンク機構11と、リンク機構11の後部に取り付けられた連結枠12とを有する。なお、本実施形態では、リンク機構11は、三点リンク機構で構成されているが、三点リンク機構に限定されることはなく、二点リンク機構等であってもよい。
【0018】
三点リンク機構11は、車体4上部に配置されたトップリンク11Aと、トップリンク11Aの下方に配置された一対の(左及び右の)ロワーリンク11Bとを有する。トップリンク11Aの前部は、車体4の背面に取り付けられたトップリンクブラケット4aに枢支連結されている。トップリンク11Aの後部は、連結枠12の上部の係合部12Aに枢支連結されている。
【0019】
各ロワーリンク11Bの前部は、車体4に枢支連結されている。各ロワーリンク11Bの後部は、連結枠12の下部に枢支連結されている。また、左のロワーリンク11Bの中途部と左のリフトアーム9とは、左のリフトロッド13によって連結されている。また、右のロワーリンク11Bの中途部と右のリフトアーム9とは、右のリフトロッド13によって連結されている。
【0020】
連結枠12に、ロータリ耕耘装置3が着脱可能に連結されている。したがって、一対のリフトアーム9を駆動して上下に揺動させることにより、一対のロワーリンク11Bが上下に揺動し、ロータリ耕耘装置3が昇降する。
図1に示すように、作業機1は、PTO軸7からの動力をロータリ耕耘装置3に伝達するドライブシャフト14を有している。ドライブシャフト14は、トラクタ2と連結枠12とにわたって設けられている。ドライブシャフト14は、ユニバーサルジョイントによって構成された一対の(前及び後の)ジョイント部14Aa、14Abと、前ジョイント部14Aaと後ジョイント部14Abとを連結する伸縮自在なジョイント軸14Bとを有する。前ジョイント部14AaはPTO軸7に連結され、後ジョイント部14Abは、連結枠12に設けられたジョイントホルダ15に回転可能に支持されている。
【0021】
図1に示すように、ロータリ耕耘装置3は、本実施形態では、サイドドライブ型のロータリ耕耘装置が例示されている。これに限定されることはなく、ロータリ耕耘装置3は、センタードライブ型のロータリ耕耘装置であってもよい。
ロータリ耕耘装置3は、トラクタ2に三点リンク機構11を介して昇降可能に装着される機枠16と、機枠16に支持された耕耘部17とを有する。
【0022】
図1図4に示すように、機枠16は、機体幅方向K2の中央に位置するギヤケース18と、ギヤケース18から左方に延びる左のサポートアーム19Lと、ギヤケース18から右方に延びる右のサポートアーム19Rと、左のサポートアーム19Lに取り付けられた伝動ケース20と、右のサポートアーム19Rに取り付けられたサイドフレーム50とを有する。
【0023】
ギヤケース18には、PIC軸(入力軸)21が前方突出状に設けられている。PIC軸21は、後ジョイント部14Abにスプライン結合等によって連結されている。したがって、PTO軸7からの動力は、ドライブシャフト14を介してPIC軸21に伝達される。PIC軸21に伝達された動力は、ギヤケース18内のベベルギヤ伝動機構及び左のサポートアーム19L内の伝動軸29(図5参照)を経て伝動ケース20内のチェーン伝動機構に伝達される。
【0024】
ギヤケース18の上部には、トップマスト22が固定されている。トップマスト22の前上部は、連結枠12の上部の係合部12Aに軸23を介して引っ掛けられている(係合している)。
図4に示すように、左のサポートアーム19Lにはブラケット部材24Lが固定され、右のサポートアーム19Rにはブラケット部材24Rが固定されている。各ブラケット部材24L、24Rは連結枠12に連結される。
【0025】
図1図3図5に示すように、耕耘部17は、機枠16の下部に設けられていて圃場27を耕耘する。詳しくは、耕耘部17は、伝動ケース20とサイドフレーム50との下部間に設けられた回転軸25と、回転軸25に取り付けられた複数の耕耘爪26とを有する。回転軸25は、機枠16(伝動ケース20及びサイドフレーム50)に、機体幅方向K2に延伸する軸心回りに回転可能に支持されている。回転軸25は、伝動ケース20内のチェーン伝動機構に伝達された動力によって、例えば、図1の矢印Y1方向に回転する。これにより、耕耘部17は、圃場27を耕耘する。詳しくは、耕耘部17は、耕耘爪26が回転軸25と共に回転して圃場27の土壌に突入して該土壌を耕起すると共に耕起した土壌を後方に放てきすることで圃場27を耕耘する。また、ロータリ耕耘装置3は、耕耘部17の上方を覆う主カバー28Aと、耕耘部17の後方を覆う後部カバー28Bとを含む耕耘カバー28を有している。
【0026】
図1に示すように、ロータリ耕耘装置3は、耕耘深さを設定する(耕耘部17の沈み込みを規制する)耕耘深さ設定装置30を備えている。耕耘深さ設定装置30は、耕耘部17の上方で前部が機枠16に枢支されていて上下揺動可能な支持枠31と、支持枠31に設けられたツールバー34と、ツールバー34(支持枠31)に取り付けられていて耕耘深さを設定する(決定する)ゲージ輪32と、ゲージ輪32の高さを調整する高さ調整装置33とを有している。
【0027】
図4に示すように、支持枠31は、機体幅方向K2の中央が、ロータリ耕耘装置3の機体幅方向K2の中央に略一致するように設けられている。また、支持枠31は、前フレーム40と、前フレーム40の後方に前後方向K1に位置調整可能に設けられた後フレーム41とを有している。したがって、支持枠31は、前後方向K1に長さ調整可能である。
図5に示すように、前フレーム40は、耕耘部17の上方に配置されている。詳しくは、前フレーム40は、機枠16の上部から後方に延出するように設けられており、前部が耕耘部17の後部の上方に配置され、後部が耕耘部17より後方に突出している。
【0028】
図6に示すように、前フレーム40は、高さ調整装置33の機体幅方向K2の一側方(左方)に配置された第1主杆部40Aと、高さ調整装置33の機体幅方向K2の他側方(右方)に配置された第2主杆部40Bと、第1主杆部40Aと第2主杆部40Bとを連結する連結杆部40Cを有している。第1主杆部40A、第2主杆部40B及び連結杆部40Cは、例えば、円筒形のパイプ材によって形成される。
【0029】
第1主杆部40A及び第2主杆部40Bは、機枠16に枢支されている。詳しくは、第1主杆部40Aの前部には連結ブラケット40Lが固定され、連結ブラケット40Lは、サポートアーム19Lに固定されたブラケット部材24Lに連結軸40aを介して機体幅方向K2の軸心回りに回転可能に枢支されている。また、第2主杆部40Bの前部には連結ブラケット40Rが固定され、連結ブラケット40Rは、サポートアーム19Rに固定されたブラケット部材24Rに連結軸40aを介して機体幅方向K2の軸心回りに回転可能に枢支されている。したがって、支持枠31は、連結軸40aを中心として上下に揺動可能である。
【0030】
連結杆部40Cは、第1主杆部40Aと第2主杆部40Bとの間の後部に機体幅方向K2に延伸するように配置されて、第1主杆部40Aと第2主杆部40Bの後部同士を連結している。連結杆部40Cの機体幅方向K2の中央部には、機体幅方向K2に一対のステー部材42が上方に突出状に固定されている。
図4に示すように、後フレーム41は、第1副杆部41Aと第2副杆部41Bとを含む。第1副杆部41A、第2副杆部41Bは、例えば、円筒形のパイプ材によって形成されている。第1副杆部41Aは、第1主杆部40Aに前後方向K1に移動可能に支持され、且つ第1主杆部40Aに対して任意の位置で固定可能である。第2副杆部41Bは、第2主杆部40Bに前後方向K1に移動可能に支持され、且つ第2主杆部40Bに対して任意の位置で固定可能である。
【0031】
ツールバー34は、例えば、角筒形のパイプ材によって形成され、支持枠31の後部に設けられている。詳しくは、ツールバー34は、第1副杆部41A及び第2副杆部41Bの後方に機体幅方向K2に延伸するように配置されていて、第1副杆部41A及び第2副杆部41Bの後端に固定されている。
ゲージ輪32は、複数設けられ、ツールバー34の機体幅方向K2の両側に配置されている。
【0032】
図1に示すように、各ゲージ輪32は、ゲージ輪取付装置35に支持されている。各ゲージ輪取付装置35は、ホルダ35Aと、支柱部材35Bと、取付筒35Cと、ステー35Dとを有している。ホルダ35Aは、上下方向に延伸する軸心を有する筒部材によって形成されていてツールバー34の機体幅方向K2の端部側に取り付けられている。支柱部材35Bは、ホルダ35Aに上下位置調整可能に取り付けられている。取付筒35Cは、支柱部材35Bの下部に上下方向に延伸する軸心回りに回動自在に外嵌されている(外側に嵌められている)。ステー35Dは、取付筒35Cの下部に固定されている。ゲージ輪32は、ステー35Dの下部に横軸35aを介して回転自在に取付けられている。
【0033】
図5に示すように、高さ調整装置33は、支持枠31の機体幅方向K2の略中央に配置されている。また、高さ調整装置33は、支持枠31の上方に配置され、トップマスト22の後上部と支持枠31とにわたって設けられている。本実施形態では、高さ調整装置33は、後方に向かうにつれて下方に移行する傾斜状に設けられている。高さ調整装置33は、伸縮可能な高さ調整ロッド36と、高さ調整ロッド36を手動操作する操作ハンドル37とを有している。
【0034】
高さ調整ロッド36は、可動杆36Cと、カバー筒36Aと、杆材の外面に雄ネジを形成して構成されたネジ杆36Bとを有する。可動杆36Cの下端側は、一対のステー部材42の間に配置され、枢軸43を介してステー部材42に機体幅方向K2に延伸する軸心回りに回動可能に枢支されている。したがって、高さ調整装置33の一端側は枢軸43を介して支持枠31(連結杆部40C)に枢支されている。カバー筒36Aの上部は、トップマスト22に横軸部材36aを介して機体幅方向K2に延伸する軸心回りに回転自在に支持されている。つまり、高さ調整装置33の他端側は、機枠16側に枢支されている。
【0035】
ネジ杆36Bは、カバー筒36A内に配置され、操作ハンドル37によって軸心回りに回転操作可能とされている。ネジ杆36Bには、ナット部材36Dが螺合(雄ネジと雌ネジとを嵌め合わすこと)されている。ナット部材36Dには、可動杆36Cの上端側が固定されている。詳しくは、可動杆36Cは、カバー筒36Aの下端からカバー筒36A内に挿入され、可動杆36Cの上端側にナット部材36Dが固定されている。したがって、高さ調整装置33にあっては、操作ハンドル37を操作してネジ杆36Bを軸心回りに回転させると、ナット部材36Dがネジ杆36Bに対してネジ込み方向に移動(螺進)又はネジの緩み方向に移動(螺退)する。ナット部材36Dが螺進すると可動杆36Cがカバー筒36A内に入っていき高さ調整ロッド36が収縮し、ナット部材36Dが螺退すると可動杆36Cがカバー筒36Aから突出していき高さ調整ロッド36が伸長する。つまり、ネジ杆36Bを軸心回りに回転させることで高さ調整ロッド36(高さ調整装置33)が伸縮する。高さ調整ロッド36が伸縮すると支持枠31が連結軸40a回りに上下に揺動し、ツールバー34の高さが調整され、それに伴ってゲージ輪32の高さが調整される。また、高さ調整装置33がトップマスト22と支持枠31との間で突っ張った状態では、機枠16に対して支持枠31が上下動しない。
【0036】
ところで、従来において、トラクタ2を高速で走行しながらロータリ耕耘装置3によって耕耘作業を行うと、土の反力に負けて、ロータリ耕耘装置3が浮き上がる場合がある。そこで、本実施形態のロータリ耕耘装置3は、図1図2に示すように、耕耘部17に荷重をかけてロータリ耕耘装置3の浮き上がりを抑制するウエイト装置51を備えている。
図1図5図7図8図9に示すように、ウエイト装置51は、ロータリ耕耘装置3の機体幅方向K2の略中央部に設置される。ウエイト装置51は、取付プレート52と、耕耘部17に荷重を加える少なくとも1つのウエイト53と、ウエイト53が載置され且つ取り付けられる少なくとも1つの載置台54とを有している。
【0037】
図6に示すように、取付プレート52は、連結杆部40Cの前方で第1主杆部40Aと第2主杆部40Bとにわたって設けられている。詳しくは、取付プレート52は、機体幅方向K2に長い矩形の板材によって形成され、板面が上下方向を向くように配置されて第1主杆部40Aと第2主杆部40Bとの上端に載置されている。また、取付プレート52は、第1主杆部40A及び第2主杆部40Bに取付具55によって取り付けられている。詳しくは、取付具55は、図9に示すように、U字ボルト55A及びナット55Bによって構成されており、取付プレート52の一側部(左部)は、U字ボルト55Aを第1主杆部40Aに下方から嵌めると共に該U字ボルト55Aの雄ネジ部を取付プレート52に挿通し、該雄ネジ部にナット55Bを螺合させて締め付けることで第1主杆部40Aに取り付けられ、取付プレート52の他側部(右部)は、U字ボルト55Aを第2主杆部40Bに下方から嵌めると共に該U字ボルト55Aの雄ネジ部を取付プレート52に挿通し、該雄ネジ部にナット55Bを螺合させて締め付けることで第2主杆部40Bに取り付けられている。
【0038】
ウエイト53は、本実施形態では、複数設けられている。図10図11に示すように、各ウエイト53は、ウエイト本体58と、取っ手部59とを有している。ウエイト本体58は、前部の第1部位58aと、第1部位58aの下部から後方に突出する中間部の第2部位58bと、第2部位58bの下部から後方に突出する後部の第3部位58cとを有している。したがって、ウエイト本体58は、前部が後部よりも重い。
【0039】
ウエイト53は、後部に、上下方向に貫通して形成された挿通孔57を有している。挿通孔57は、上下方向の厚みが小さい第3部位58cの後部に形成されている。
取っ手部59は、第1部位58aの背面の上部から第3部位58cの上面の中途部にわたって設けられている。詳しくは、取っ手部59は、図10に示すように、第1部位58aの背面の上部から後方に延びる上部59aと、上部59aの後端部から下方に延びる縦部59bとを有している。縦部59bの下端は、第3部位58cの上面に挿通孔57の前方で接続されている。
【0040】
図10図11に示すように、ウエイト53の前部には、嵌合部56が設けられている。詳しくは、嵌合部56は、第1部位58aの前面の下部に設けられ、例えば、前方から後方に向けて凹設された円形状の窪みによって形成されている。
図10に示すように、第1部位58aの側面の下端側には、凹部60が形成されている。凹部60は、一方の手で取っ手部59を把持してウエイト53を持つ際に、他方の手の指を引っかけてサポートするためのものである。凹部60は、第1部位58aの一側面及び他側面の下端側に形成され、機体幅方向K2及び下方に開放している(図9参照)。
【0041】
ウエイト53は、図10に示すように、上下方向の高さ寸法及び前後方向K1の長さ寸法に比べて機体幅方向K2の幅寸法が小さい幅狭形状に形成され、図3図4に示すように、高さ調整装置33と第1主杆部40Aとの間、高さ調整装置33と第2主杆部40Bとの間に機体幅方向K2に並べて複数枚配置可能とされている。本実施形態では、ウエイト53は、高さ調整装置33と第1主杆部40Aとの間、高さ調整装置33と第2主杆部40Bとの間に、それぞれ5枚ずつ配置可能である。
【0042】
図5に示すように、載置台54は、ロータリ耕耘部17の上方且つ機枠16の上部(ギヤケース18及びサポートアーム19L、19R)の後方に配置されていて、支持枠31に取り付けられている。また、載置台54は、機枠16の上端よりも低い位置且つサポートアーム19L、19Rの上部の高さと略同じ高さ位置に配置されていて、低い位置でウエイト53の取り付け作業を行えるよう考慮されている。また、載置台54は、前部がロータリ耕耘部17の上方に位置し、後部がロータリ耕耘部17の後端17aよりも後方に突出している。ロータリ耕耘部17の後端17aは、耕耘爪26が描く最大回転軌跡17bの後端である。
【0043】
また、載置台54は、前部が枢軸43よりも前方に配置されて支持枠31に取り付けられる。載置台54の後部は、枢軸43よりも後方に突出している。
ところで、ウエイト装置51を支持枠31に取り付けると、支持枠31にウエイト53の重量が作用し、高さ調整装置33の伸縮によるツールバー34の高さ調整操作の妨げとなることが考えられるが、高さ調整装置33の一端側を支持枠31に枢支する枢軸43よりも前方に載置台54の前部を配置した状態で該載置台54を支持枠31に取り付けることにより、高さ調整装置33の伸縮によるツールバー34の高さ調整操作が載置台54上に載置されたウエイト53の重量によって重くなるのを抑制することができる。特に、本実施形態にあっては、図5に示すように、ウエイト53は、前部側(第1部位58a)が後部側(第2部位58b、第3部位58c)よりも重いので、言い換えると、支持枠31における枢支(連結軸40a)側は重く、支持枠31における持ち上げ(枢軸43)側が前記枢支側よりも軽いので、高さ調整装置33によるツールバー34の高さ調整操作がウエイト53の重量によって重くなるのを抑制することができる。
【0044】
なお、本実施形態では、載置台54の後部は、枢軸43よりも後方に突出しているが、載置台54の全体が枢軸43よりも前方に配置されていてもよい。即ち、載置台54は、少なくとも前部が枢軸43よりも前方に配置されていればよい。
載置台54は、ウエイト53を前部から後部にわたって載置可能な前後方向長さに形成されている。つまり、載置台54及び該載置台54に取り付けられたウエイト53は、前部がロータリ耕耘部17(対地作業部)の上方に位置し、後部がロータリ耕耘部17(対地作業部)の後端17aよりも後方に突出している。これにより、ウエイト53をロータリ耕耘部17に浮き上がりを抑制するに十分な加重を加えることができる大きさに形成することができる。載置台54は、複数のウエイト53を機体幅方向K2に並べて配置可能な幅に形成されている。本実施形態は、5枚のウエイト53を機体幅方向K2に並べて配置可能である。
【0045】
図3図4に示すように、本実施形態では、載置台54は、複数台設けられており、複数台の載置台54は、高さ調整装置33の一側方に配置される第1の載置台54Aと、高さ調整装置33の他側方に配置される第2の載置台54Bとを含む。この実施形態では、第1の載置台54Aと、第2の載置台54Bとには、同数のウエイト53が配置可能な構造であり、第1の載置台54A及び第2の載置台54Bには、それぞれ最大で5個のウエイト53が配置することが可能である。言い換えれば、第1の載置台54A及び第2の載置台54Bのそれぞれには、後述するように、ウエイト53の取り付け用の取付穴65が同数設けられている。なお、第1の載置台54Aと、第2の載置台54Bとのそれぞれに配置するウエイト53は、作業に応じて変更してもよく、第1の載置台54Aと第2の載置台54Bとに配置したウエイト53の個数は異なっていてもよい。
【0046】
第1の載置台54Aは、平面視で第1主杆部40Aと高さ調整装置33との間に配置され、第2の載置台54Bは、平面視で第2主杆部40Bと高さ調整装置33との間に配置されている。また、第1の載置台54A及び前記第2の載置台54Bは、取付プレート52と連結杆部40Cとにわたって設けられ、且つ前部が取付プレート52に受持されて取り付けられると共に後部が連結杆部40Cに受持されて取り付けられている。第1の載置台54A及び第2の載置台54Bを取付プレート52と連結杆部40Cとにわたって支持することにより、第1の載置台54A及び前記第2の載置台54Bによってウエイト53をしっかりと支持することができる。また、連結杆部40Cを、第1の載置台54A及び第2の載置台54Bを支持する部材及び取り付ける部材として利用することにより、部材の兼用化、構造の簡素化を図ることができる。
【0047】
図7図8図12に示すように、第1の載置台54A及び第2の載置台54Bは、載置台本体61と、複数の係合部62と、一対のステー63A、63Bと、取付ブラケット64とを有している。
載置台本体61は、板材によって形成され、載置壁61aと、縦壁61bと、一対の側壁61c、61dとを有している。載置壁61aは、平板状に形成されている。つまり、載置壁61aの上面(ウエイト53の載置面)は平面状である。載置壁61aの前部は、取付プレート52上に載置されて支持され、載置壁61aの後部は、取付ブラケット64を介して連結杆部40C上に載置されて支持されている。この載置壁61a上にウエイト53の下面が前後方向K1にわたって載置され、且つウエイト53が機体幅方向K2に並べて配置される(図9参照)。つまり、載置壁61aは、ウエイト53を前部から後部にわたって載置可能な前後方向長さに形成され、5枚(複数)のウエイト53を載置可能な機体幅方向幅に形成されている。
【0048】
図7図8図12に示すように、載置壁61aの後部には、ウエイト53の取り付け用の取付穴65が貫通して形成されている。取付穴65は、ウエイト53の数に対応する数形成されている。つまり、本実施形態では、5つ形成されている。5つの取付穴65は、機体幅方向K2に間隔を隔てて並べて形成されている。また、5つの取付穴65は、一対の側壁61c、61dの後端部よりも後方に位置している。
【0049】
図11に示すように、ウエイト53は、嵌合部56が係合部62に嵌められた(嵌合した)状態で後部が載置壁61aに固定具66によって取り付けられる。固定具66は、ボルト66A及びナット66Bによって構成され、ボルト66Aを上方から挿通孔57及び取付穴65に挿通させた後、ボルト66Aにナット66Bを螺合させることでウエイト53が載置壁61aに取り付けられる。
【0050】
縦壁61bは、載置壁61aの前部(前縁)から上方に立ち上がって形成されている。縦壁61bには、ウエイト53に設けられた嵌合部56が前後方向K1で嵌められ及び離脱する係合部62が設けられている。詳しくは、係合部62は、縦壁61bから後方に突出する突部で形成され、ウエイト53を係合部62の後方から前方移動させることで、嵌合部56が後方側から係合部62に嵌め合わされ(嵌合され)、嵌合部56が係合部62に嵌合された状態から、ウエイト53を後方移動させることで、嵌合部56が係合部62から後方に離脱する。係合部62は、本実施形態では、ウエイト53の数に対応して5つ設けられている。5つの係合部62は、機体幅方向K2に間隔を開けて並べて設けられている。
【0051】
一対の側壁61c、61dのうち一方の側壁61c(第1側壁)は、載置壁61aの機体幅方向外方側の側縁から上方に立ち上がって形成され、他方の側壁61d(第2側壁)は、載置壁61aの機体幅方向内方側の側縁から上方に立ち上がって形成されている。第1側壁61c及び第2側壁61dは、縦壁61bの機体幅方向K2の端部から後方に且つ載置壁61aの前後方向K1の中途部まで延びている。
【0052】
以上のように、載置台本体61にあっては、載置壁61aの前縁側、側縁の前部及び中途部には壁(縦壁61b、側壁61c、61d)があるが、載置壁61aの後縁には、壁が設けられていない。つまり、載置壁61aの上のウエイト載置スペースは、後方に開放されている。言い換えると、載置台54は、後方、即ち、後部カバー28Bの後端部側に開放されている。また、載置壁61aの側縁の後部にも壁がない。つまり、載置壁61aの上のウエイト載置スペース(載置台54)は、後部が側方にも開放されている。また、取っ手部59、ウエイト53の第1部位53a後面、第2部位53bの上面及び後面で囲まれる空間は、側壁61c、61dの上方及び後方に位置していて、取っ手部59を把持する作業者の手が側壁61c、61dと干渉するのを抑制している。
【0053】
図9図12に示すように、一対のステー63A、63Bのうち一方のステー63Aは、第1側壁61cの前部且つ機体幅方向外方の面に固定され、他方のステー63Bは、第2側壁61dの前部且つ機体幅方向内方側の面に固定されている。一方のステー63Aは、取付プレート52に取付具55によって共締めで取り付けられる。他方のステー63Bは、取付プレート52にボルト67A・ナット67Bによって取り付けられる。これによって、第1の載置台54A及び第2の載置台54Bの前部が取付プレート52に取り付けられている。
【0054】
一方のステー63Aを取付プレート52に取付具55によって共締めで取り付けることにより、第1の載置台54A及び第2の載置台54Bの機体幅方向K2の幅を広げることができる。
図11図12に示すように、取付ブラケット64は、載置壁61aの後部の下面側且つ載置壁61aの機体幅方向K2の中央側に配置され、載置壁61aの下面に固定されている。詳しくは、取付ブラケット64は、載置壁61aの下面に固定された上壁64aと、上壁64aの前縁から下方に延びる前壁64bと、上壁64aの後縁から下方に延びる後壁64cとを有し、連結杆部40Cを前壁64bと後壁64cとで挟むように、該連結杆部40Cに上方から嵌められている。取付ブラケット64は、図11に示すように、外れ止め具68によって連結杆部40Cから外れ止めされている。外れ止め具68は、前壁64bと後壁64cとの間に配置されたカラー68Aと、前壁64b、後壁64c及びカラー68Aを挿通するボルト68Bと、ボルト68Bに螺合されるナット68Cとを有している。
【0055】
上記構成のウエイト装置51にあっては、ウエイト53を載置台54に装着するには、一方の手で取っ手部59を把持すると共に他方の手の指を凹部60に引っかけてウエイト53を持ち、ロータリ耕耘装置3の後方から、図11に示すように、ウエイト53を前斜め下方に傾斜させた状態で載置壁61aに載せると共に、嵌合部56を係合部62に嵌めながら載置壁61aに載置する。その後、ウエイト53の後部を固定具66によって載置壁61aに固定する。
【0056】
ウエイト装置51には、ロータリ耕耘装置3の前方及び側方からアクセスするのが困難であるので、後方からアクセスすることとなるが、ウエイト53は、前部を嵌合部56と係合部62との嵌め合いによって載置台54に係止し、後部を固定具66によって載置台54に固定する構造であるので、ウエイト53の装着をロータリ耕耘装置3の後方から容易に行える。
【0057】
また、ウエイト53を取り外す際は、固定具66を外してウエイト53を後方に移動させることによって載置台54から容易にウエイト53を取り外すことができる。
また、載置壁61aの上のウエイト載置スペース(載置台54)が後方に開放されているので、ウエイト53の着脱時に該ウエイト53の前後方向K1の移動を妨げるものがなく、ウエイト53の装着、取り外しを容易に行える。
【0058】
また、ウエイト53の下面を載置壁61aに載置してウエイト53が載置台54に取り付けられる構造であるので、ウエイト53を高く持ち上げる必要がなく、低い位置でウエイト53の装着、取り外しを行え、作業性がよい。
また、載置台54は、後部がロータリ耕耘部17の後端17aよりも後方に突出しているので、ロータリ耕耘装置3の後方からのウエイト取付け作業を容易に行える。
【0059】
図13図14は、他の実施形態を示している。
この他の実施形態にあっては、図13に示すように、嵌合部56は、突起で形成されており、係合部62は、嵌合部56が挿通可能な(嵌められる)穴によって形成されている。また、取付穴65は、前後方向に長い長穴に形成されている。
また、この他の実施形態にあっては、図14に示すように、ステー63A、63Bが、載置台本体61に対して所定角度傾斜した状態で側壁61c、61dに固定されている。この載置台本体61に対するステー63の傾斜角度は、図14に示す状態の支持枠31の水平に対する傾斜角度に対応する角度である。
【0060】
その他の構成は、上記の一実施形態と同様に構成される。
本実施形態の対地作業装置(ロータリ耕耘装置)3は、機枠16と、機枠16の下部に設けられ、圃場27に対して作業を行う対地作業部(ロータリ耕耘部)17と、対地作業部17に荷重を加えるウエイト53と、ウエイト53が載置され且つ取り付けられる少なくとも1つの載置台54と、を備えている。
【0061】
この構成によれば、土の反力によって対地作業装置3が浮き上がるのをウエイト53により抑制することができる。また、ウエイト53を載置台54に対して着脱する際に、ウエイト53を取付状態における該ウエイト53の下面よりも大きく持ち上げる必要がなく、ウエイト53の取り付けを容易に行える。
また、載置台54は、後方に開放されている。
【0062】
この構成によれば、載置台54に対してウエイト53を対地作業装置3の後方から載置しやすく、ウエイト53の装着を容易に行える。
また、載置台54及び該載置台54に取り付けられたウエイト53は、前部が対地作業部17の上方に位置し、後部が対地作業部17の後端17aよりも後方に突出している。
この構成によれば、ウエイト53の重量を確保することができると共に載置台54への後方からのアクセスを容易にすることができる。
【0063】
また、対地作業部17の上方で機枠16に揺動自在に設けられた支持枠31と、支持枠31に設けられたツールバー34と、を備え、載置台54は、支持枠31に取り付けられている。
この構成によれば、対地作業部17におけるウエイト53の装着場所を確保することができる。
【0064】
また、支持枠31に一端側が枢支され他端側が機枠16側に枢支されていて、伸縮することでツールバー34の高さを調整する高さ調整装置33を備え、載置台54は、複数台設けられ、複数台の載置台は、高さ調整装置33の一側方に配置される第1の載置台54Aと、高さ調整装置33の他側方に配置される第2の載置台54Bとを含む。
この構成によれば、機体幅方向K2の重量バランスを良好にしながらウエイト53を取り付けることができる。
【0065】
また、支持枠31は、高さ調整装置33の一側方に配置されて機枠16に枢支された第1主杆部40Aと、高さ調整装置33の他側方に配置されて機枠16に枢支された第2主杆部40Bと、第1主杆部40Aと第2主杆部40Bとを連結する連結杆部40Cであって高さ調整装置33の一端側が枢支された連結杆部40Cとを有し、第1の載置台54Aは、平面視で第1主杆部40Aと高さ調整装置33との間に配置され、第2の載置台54Bは、平面視で第2主杆部40Bと高さ調整装置33との間に配置されている。
【0066】
この構成によれば、高さ調整装置33の伸縮によるツールバー34の高さ調整操作がウエイト53の重量によって重くなるのを抑制することができる。
また、連結杆部40Cの前方で第1主杆部40Aと第2主杆部40Bとにわたって設けられた取付プレート52を備え、載置台54は、取付プレート52と連結杆部40Cとにわたって設けられ、且つ前部が取付プレート52に受持されて取り付けられると共に後部が連結杆部40Cに受持されて取り付けられている。
【0067】
この構成によれば、ウエイト53の重量を載置台54によってしっかりと受持することができる。
また、載置台54は、ウエイト53が載置され且つ取り付けられる載置壁61aと、載置壁61aの前部から上方に立ち上がる縦壁61bとを有し、縦壁61bは、ウエイト53に設けられた嵌合部56が前後方向K1で嵌められ及び離脱する係合部62を有し、ウエイト53は、嵌合部56が係合部62に嵌められた状態で後部が載置壁61aに固定具66によって取り付けられる。
【0068】
この構成によれば、ウエイト53の取り付けを容易に行うことができる。
また、載置台54は、取付プレート52を第1主杆部40A及び第2主杆部40Bに取り付ける取付具55によって共締めで取り付けられるステー63Aを有している。
この構成によれば、載置台54の機体幅方向K2の幅を広くすることができる。
また、ウエイト53として、載置台54上に機体幅方向K2に並べて載置される複数のウエイト53を含み、複数のウエイト53は、前面に嵌合部56が設けられ、後部に上下方向に貫通して形成されていて固定具66が挿通される挿通孔57を含む。
【0069】
この構成によれば、機体幅方向K2に並べて装着されるウエイト53の取り付けを容易に行うことができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0070】
16 機枠
17 対地作業部(ロータリ耕耘部)
17a 後端
27 圃場
31 支持枠
33 高さ調整装置
34 ツールバー
40A 第1主杆部
40B 第2主杆部
40C 連結杆部
52 取付プレート
53 ウエイト
54 載置台
54A 第1の載置台
54B 第2の載置台
55 取付具
56 嵌合部
57 挿通孔
61a 載置壁
61b 縦壁
62 係合部
63A ステー
66 固定具
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14