(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-12
(45)【発行日】2024-07-23
(54)【発明の名称】信号処理方法および撮像装置
(51)【国際特許分類】
H04N 25/583 20230101AFI20240716BHJP
H04N 25/40 20230101ALI20240716BHJP
H04N 25/70 20230101ALI20240716BHJP
H04N 25/76 20230101ALI20240716BHJP
H04N 25/11 20230101ALI20240716BHJP
【FI】
H04N25/583
H04N25/40
H04N25/70
H04N25/76
H04N25/11
(21)【出願番号】P 2021501600
(86)(22)【出願日】2019-12-11
(86)【国際出願番号】 JP2019048497
(87)【国際公開番号】W WO2020170565
(87)【国際公開日】2020-08-27
【審査請求日】2022-12-05
(31)【優先権主張番号】P 2019027479
(32)【優先日】2019-02-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】316005926
【氏名又は名称】ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001357
【氏名又は名称】弁理士法人つばさ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】永田 拓磨
【審査官】松永 隆志
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-181213(JP,A)
【文献】国際公開第2019/026718(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/126326(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/151794(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 23/00-25/79
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々が光電変換素子を含み、受光面に行列状に配置された複数の画素と、
前記複数の画素における前記複数の画素ごとに1つずつ設けられた複数の受光レンズと、
前記複数の画素の露光時間を制御する制御部と
、
前記複数の画素における前記複数の画素ごとに1つずつ設けられた複数のカラーフィルタと
を備え、
前記複数のカラーフィルタは、ベイヤー配列となっており、
各前記受光レンズに対応する前記複数の画素を第1画素群としたときに、各前記第1画素群において、前記受光レンズと前記カラーフィルタとが1対1で対応しており、
前記制御部は、各前記
第1画素群において、少なくとも2つの前記画素の露光時間が同じになるとともに
、少なくとも2つの前記画素の露光時間が互いに異なるように、前記複数の画素の露光時間を制御する
撮像装置。
【請求項2】
前記制御部は、各前記
第1画素群において、2つの前記画素の露光時間が同じになるとともに
、3つの前記画素の露光時間が異なるように、前記複数の画素の露光時間を制御する
請求項
1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記制御部は、各前記
第1画素群において、前記受光面における、右肩上がりの方向、右肩下がりの方向、左右方向または上下方向に配列される2つの前記画素の露光時間が同じになるように、前記複数の画素の露光時間を制御する
請求項
2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記制御部は、2行×2列の複数の前記第1画素群を第2画素群としたときに、各前記第2画素群に含まれる第1の前記第1画素群において、第1方向に配列された2つの前記画素の露光時間が同じになるとともに、各前記第2画素群に含まれる第2の前記第1画素群において、第2方向に配列された2つの前記画素の露光時間が同じになるように、前記複数の画素の露光時間を制御する
請求項
1に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記制御部は、2行×2列の複数の前記第1画素群を第2画素群とし、2行×2列の前記第2画素群を第3画素群としたときに、各前記第3画素群に含まれる第1の前記第2画素群において、第1方向に配列された2つの前記画素の露光時間が同じになり、各前記第3画素群に含まれる第2の前記第2画素群において、第2方向に配列された2つの前記画素の露光時間が同じになり、さらに、各前記第3画素群に含まれる第3の前記第2画素群において、第3方向に配列された2つの前記画素の露光時間が同じになるように、前記複数の画素の露光時間を制御する
請求項
1に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記制御部は、2行×2列の複数の前記第1画素群を第2画素群としたときに、各前記第2画素群に含まれる第1の前記第1画素群において、第1方向に配列された2つの前記画素の露光時間が同じになるとともに、第2方向に配列された2つの前記画素の露光時間が同じになり、さらに、各前記第2画素群に含まれる第2の前記第1画素群において、前記第1方向に配列された2つの前記画素の露光時間が同じになるとともに、前記第2方向に配列された2つの前記画素の露光時間が同じになるように、前記複数の画素の露光時間を制御する
請求項
1に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記制御部は、2行×2列の複数の前記第1画素群を第2画素群としたときに、各前記第2画素群に含まれる第1の前記第1画素群において、第1方向に配列された2つの前記画素の露光時間が同じになるとともに、前記第1方向に配列された、前記第1方向に配列された2つの前記画素とは異なる2つの前記画素の露光時間が同じになり、さらに、各前記第2画素群に含まれる第2の前記第1画素群において、第2方向に配列された2つの前記画素の露光時間が同じになり、前記第2方向に配列された、前記第2方向に配列された2つの前記画素とは異なる2つの前記画素の露光時間が同じになるように、前記複数の画素の露光時間を制御する
請求項
1に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記制御部は、2行×2列の複数の前記第1画素群を第2画素群とし、2行×2列の前記第2画素群を第3画素群としたときに、各前記第3画素群に含まれる1つの前記第1画素群において、各前記画素の露光時間が互いに同じになるように、前記複数の画素の露光時間を制御する
請求項
1に記載の撮像装置。
【請求項9】
前記制御部は、2行×2列の複数の前記第1画素群を第2画素群とし、2行×2列の前記第2画素群を第3画素群としたときに、各前記第3画素群に含まれる1つの前記第2画素群において、各前記画素の露光時間が互いに同じになるように、前記複数の画素の露光時間を制御する
請求項
1に記載の撮像装置。
【請求項10】
前記制御部は、2行×2列の複数の前記第1画素群を第2画素群とし、2行×2列の前記第2画素群を第3画素群としたときに、各前記第3画素群に含まれる各前記第2画素群において、各前記画素の露光時間が同じになるように、前記複数の画素の露光時間を制御する
請求項
1に記載の撮像装置。
【請求項11】
前記制御部は、2行×2列の複数の前記第1画素群を第2画素群とし、1行×2列の前記第2画素群を第4画素群としたときに、各前記第4画素群に含まれる第1の前記第2画素群における各第1画素群において、第1方向に配列された2つの前記画素の露光時間が同じになり、各前記第4画素群に含まれる第2の前記第2画素群における各第1画素群において、第2方向に配列された2つの前記画素の露光時間が同じになるように、前記複数の画素の露光時間を制御する
請求項
1に記載の撮像装置。
【請求項12】
前記制御部は、2行×2列の複数の前記第1画素群を第2画素群とし、2行×1列の前記第2画素群を第5画素群としたときに、各前記第5画素群に含まれる第1の前記第2画素群における各第1画素群において、第1方向に配列された2つの前記画素の露光時間が同じになり、各前記第5画素群に含まれる第2の前記第2画素群における各第1画素群において、第2方向に配列された2つの前記画素の露光時間が同じになるように、前記複数の画素の露光時間を制御する
請求項
1に記載の撮像装置。
【請求項13】
前記制御部は、2行×2列の複数の前記第1画素群を第2画素群とし、2行×2列の前記第2画素群を第3画素群としたときに、各前記第3画素群に含まれる第1の前記第2画素群における各前記第1画素群において、第1方向に配列された2つの前記画素の露光時間が同じになり、各前記第3画素群に含まれる第2の前記第2画素群における各前記第1画素群において、第2方向に配列された2つの前記画素の露光時間が同じになり、さらに、各前記第3画素群に含まれる第3の前記第2画素群における各前記第1画素群において、第3方向に配列された2つの前記画素の露光時間が同じになるように、前記複数の画素の露光時間を制御する
請求項
1に記載の撮像装置。
【請求項14】
前記制御部は、2行×2列の複数の前記第1画素群を第2画素群とし、2行×2列の前記第2画素群を第3画素群としたときに、各前記第3画素群に含まれる第1の前記第2画素群における各第1画素群において、第1方向に配列された2つの前記画素の露光時間が同じになるとともに、第2方向に配列された2つの前記画素の露光時間が同じになり、各前記第3画素群に含まれる第2の前記第2画素群における各第1画素群において、前記第1方向に配列された2つの前記画素の露光時間が同じになるとともに、前記第2方向に配列された2つの前記画素の露光時間が同じになるように、前記複数の画素の露光時間を制御する
請求項
1に記載の撮像装置。
【請求項15】
前記制御部は、2行×2列の複数の前記第1画素群を第2画素群とし、2行×2列の前記第2画素群を第3画素群としたときに、各前記第3画素群に含まれる第1の前記第2画素群における各前記第1画素群において、第1方向に配列された2つの前記画素の露光時間が同じになるとともに、前記第1方向に配列された、前記第1方向に配列された2つの前記画素とは異なる2つの前記画素の露光時間が同じになり、さらに、各前記第3画素群に含まれる第2の前記第2画素群における各前記第1画素群において、第2方向に配列された2つの前記画素の露光時間が同じになるとともに、前記第2方向に配列された、前記第2方向に配列された2つの前記画素とは異なる2つの前記画素の露光時間が同じになるように、前記複数の画素の露光時間を制御する
請求項
1に記載の撮像装置。
【請求項16】
前記制御部による露光制御によって得られた画像データから、露光時間ごとに位相差データを生成し、露光時間の異なる複数の前記位相差データと、露光時間の異なる複数の画像データとから、HDR(High Dynamic Range)画像を生成する
請求項
1に記載の撮像装置。
【請求項17】
各々が光電変換素子を含み、受光面に行列状に配置された複数の画素と、前記複数の画素における前記複数の画素ごとに1つずつ設けられた複数の受光レンズと
、前記複数の画素における前記複数の画素ごとに1つずつ設けられた複数のカラーフィルタとを備え
、前記複数のカラーフィルタは、ベイヤー配列となっており、各前記受光レンズに対応する前記複数の画素を第1画素群としたときに、各前記第1画素群において、前記受光レンズと前記カラーフィルタとが1対1で対応している撮像装置における信号処理方法であって、
各前記
第1画素群において、少なくとも2つの前記画素の露光時間が同じになるとともに
、少なくとも2つの前記画素の露光時間が互いに異なるように、前記複数の画素の露光時間を制御することと、
前記露光時間の制御によって得られた画像データから、露光時間ごとに位相差データを生成し、露光時間の異なる複数の前記位相差データと、露光時間の異なる複数の画像データとから、HDR(High Dynamic Range)画像を生成することと
を含む
信号処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、信号処理方法および撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
適正露出により得られる画像よりもダイナミックレンジの広いHDR(High Dynamic Range)画像を生成する撮像装置が知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【0004】
ところで、HDR画像では、色抜けや、色付き、二重輪郭などの画質劣化が生じることがある。従って、HDR画像の画質劣化を抑制することの可能な信号処理方法および撮像装置を提供することが望ましい。
【0005】
本開示の第1の側面である撮像装置は、各々が光電変換素子を含み、受光面に行列状に配置された複数の画素と、複数の画素における複数の画素ごとに1つずつ設けられた複数の受光レンズと、複数の画素の露光時間を制御する制御部と、複数の画素における複数の画素ごとに1つずつ設けられた複数のカラーフィルタとを備えている。複数のカラーフィルタは、ベイヤー配列となっている。各受光レンズに対応する複数の画素を第1画素群としたときに、各第1画素群において、受光レンズとカラーフィルタとが1対1で対応している。制御部は、各第1画素群において、少なくとも2つの画素の露光時間が同じになるとともに、少なくとも2つの画素の露光時間が互いに異なるように、複数の画素の露光時間を制御する。
【0006】
本開示の第1の側面である撮像装置では、受光レンズに対応する複数の画素のうち、少なくとも2つの画素の露光時間が同じになるとともに、各受光レンズに対応する複数の画素のうち、少なくとも2つの画素の露光時間が互いに異なるように、複数の画素の露光時間が制御される。これにより、例えば、制御部による露光制御によって得られた画像データから、露光時間ごとに位相差データを生成し、露光時間の異なる複数の位相差データと、露光時間の異なる複数の画像データとから、HDR(High Dynamic Range)画像を生成することができる。
【0007】
本開示の第2の側面である信号処理方法は、各々が光電変換素子を含み、受光面に行列状に配置された複数の画素と、複数の画素における複数の画素ごとに1つずつ設けられた複数の受光レンズと、複数の画素における複数の画素ごとに1つずつ設けられた複数のカラーフィルタとを備え、複数のカラーフィルタは、ベイヤー配列となっており、各受光レンズに対応する複数の画素を第1画素群としたときに、各第1画素群において、受光レンズとカラーフィルタとが1対1で対応している撮像装置における信号処理方法であって、以下の2つを含む。
(1)各受光レンズに対応する複数の画素のうち、少なくとも2つの画素の露光時間が同じになるとともに、各受光レンズに対応する複数の画素のうち、少なくとも2つの画素の露光時間が互いに異なるように、複数の画素の露光時間を制御すること
(2)露光時間の制御によって得られた画像データから、露光時間ごとに位相差データを生成し、露光時間の異なる複数の位相差データと、露光時間の異なる複数の画像データとから、HDR画像を生成すること
【0008】
本開示の第2の側面である信号処理方法では、受光レンズに対応する複数の画素のうち、少なくとも2つの画素の露光時間が同じになるとともに、各受光レンズに対応する複数の画素のうち、少なくとも2つの画素の露光時間が互いに異なるように、複数の画素の露光時間が制御される。これにより、露光制御によって得られた画像データから、露光時間ごとに位相差データを生成し、露光時間の異なる複数の位相差データと、露光時間の異なる複数の画像データとから、HDR画像を生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示の一実施の形態に係る撮像装置の概略構成の一例を表す図である。
【
図2】
図1の撮像素子の概略構成の一例を表す図である。
【
図3】
図1のセンサ画素の回路構成一例を表す図である。
【
図4】
図2の画素アレイ部の構成例を表す図である。
【
図5】
図2の画素アレイ部の構成例を表す図である。
【
図6】
図2の画素アレイ部の構成例を表す図である。
【
図7】
図2の画素アレイ部の構成例を表す図である。
【
図8】
図1の撮像装置におけるHDR画像の生成手順の一例を表す図である。
【
図9】
図1の撮像装置における撮像手順の一例を表す図である。
【
図10】
図2の画素アレイ部の構成の一変形例を表す図である。
【
図11】
図2の画素アレイ部の構成の一変形例を表す図である。
【
図12】
図2の画素アレイ部の構成の一変形例を表す図である。
【
図13】
図12の画素アレイ部の配線レイアウトの一例を表す図である。
【
図14】
図12の画素アレイ部で検出可能な位相差の方向の一例を表す図である。
【
図15】
図12の画素アレイ部を備えた撮像装置におけるHDR画像の生成手順の一例を表す図である。
【
図16】
図2の画素アレイ部の構成の一変形例を表す図である。
【
図17】
図16の画素アレイ部を備えた撮像装置におけるHDR画像の生成手順の一例を表す図である。
【
図18】
図2の画素アレイ部の構成の一変形例を表す図である。
【
図19】
図18の画素アレイ部を備えた撮像装置におけるHDR画像の生成手順の一例を表す図である。
【
図20】
図2の画素アレイ部の構成の一変形例を表す図である。
【
図21】
図20の画素アレイ部を備えた撮像装置におけるHDR画像の生成手順の一例を表す図である。
【
図22】
図2の画素アレイ部の構成の一変形例を表す図である。
【
図23】
図22の画素アレイ部を備えた撮像装置におけるHDR画像の生成手順の一例を表す図である。
【
図24】
図2の画素アレイ部の構成の一変形例を表す図である。
【
図25】
図24の画素アレイ部の配線レイアウトの一例を表す図である。
【
図26】
図24の画素アレイ部で検出可能な位相差の方向の一例を表す図である。
【
図27】
図2の画素アレイ部の構成の一変形例を表す図である。
【
図28】
図27の画素アレイ部の配線レイアウトの一例を表す図である。
【
図29】
図24~
図28の画素アレイ部を備えた撮像装置におけるHDR画像の生成手順の一例を表す図である。
【
図30】
図2の画素アレイ部の構成の一変形例を表す図である。
【
図31】
図30の画素アレイ部の配線レイアウトの一例を表す図である。
【
図32】
図30の画素アレイ部で検出可能な位相差の方向の一例を表す図である。
【
図33】
図30の画素アレイ部を備えた撮像装置におけるHDR画像の生成手順の一例を表す図である。
【
図34】
図2の画素アレイ部の構成の一変形例を表す図である。
【
図35】
図34の画素アレイ部の配線レイアウトの一例を表す図である。
【
図36】
図34の画素アレイ部で検出可能な位相差の方向の一例を表す図である。
【
図37】
図34の画素アレイ部を備えた撮像装置におけるHDR画像の生成手順の一例を表す図である。
【
図38】
図2の画素アレイ部の構成の一変形例を表す図である。
【
図39】
図38の画素アレイ部の配線レイアウトの一例を表す図である。
【
図40】
図38の画素アレイ部で検出可能な位相差の方向の一例を表す図である。
【
図41】
図38の画素アレイ部を備えた撮像装置におけるHDR画像の生成手順の一例を表す図である。
【
図42】
図2の画素アレイ部の構成の一変形例を表す図である。
【
図43】
図42の画素アレイ部の配線レイアウトの一例を表す図である。
【
図44】
図42の画素アレイ部で検出可能な位相差の方向の一例を表す図である。
【
図45】
図42の画素アレイ部を備えた撮像装置におけるHDR画像の生成手順の一例を表す図である。
【
図46】
図2の画素アレイ部の構成の一変形例を表す図である。
【
図47】
図46の画素アレイ部の配線レイアウトの一例を表す図である。
【
図48】
図46の画素アレイ部で検出可能な位相差の方向の一例を表す図である。
【
図49】
図46の画素アレイ部を備えた撮像装置におけるHDR画像の生成手順の一例を表す図である。
【
図50】車両制御システムの概略的な構成の一例を示すブロック図である。
【
図51】車外情報検出部及び撮像部の設置位置の一例を示す説明図である。
【
図52】内視鏡手術システムの概略的な構成の一例を示す図である。
【
図53】カメラヘッド及びCCUの機能構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.実施の形態(撮像装置)…
図1~
図9
2.変形例(撮像装置)…
図10~
図49
3.応用例
移動体への応用例…
図50、
図51
内視鏡手術システムへの応用例…
図52、
図53
【0011】
<1.実施の形態>
[構成]
本開示の一実施の形態に係る撮像装置1について説明する。
図1は、撮像装置1の概略構成の一例を表したものである。撮像装置1は、例えば、デジタルスチルカメラや、ビデオカメラ、スマートフォン、タブレット型端末等の電子機器である。撮像装置1は、撮像素子10、演算部20、フレームメモリ30、表示部40、記憶部50、操作部60、電源部70および光学系80を備えている。撮像素子10、演算部20、フレームメモリ30、表示部40、記憶部50、操作部60および電源部70は、バスラインLを介して相互に接続されている。
【0012】
光学系80は、1枚または複数枚のレンズを有して構成され、被写体からの光(入射光)を撮像素子10に導き、撮像素子10の受光面に結像させる。撮像素子10は、光学系80を介して受光面に結像される光に応じた画素信号(画像データ)を出力する。撮像素子10は、例えば、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサである。撮像素子10の内部構成については、後に詳述する。演算部20は、撮像素子10から出力される画素信号(画像データ)を処理する信号処理回路である。演算部20は、画素信号(画像データ)に基づいて、HDR画像を生成する。演算部20における信号処理手順については、後に詳述する。
【0013】
フレームメモリ30は、演算部20による信号処理によって得られた画像データ(例えば、HDR画像データ)を、フレーム単位で一時的に保持する。表示部40は、例えば、液晶パネルや有機EL(Electro Luminescence)パネル等のパネル型表示装置からなり、撮像素子10で撮像された動画又は静止画を表示する。記憶部50は、撮像素子10で撮像された動画又は静止画の画像データを、半導体メモリやハードディスク等の記録媒体に記録する。操作部60は、ユーザによる操作に従い、撮像装置1が有する各種の機能についての操作指令を発する。操作部60は、例えば、ユーザによる撮像指示に従い、撮像素子10の転送動作を制御する駆動信号を出力して、撮像素子10を駆動する。電源部70は、撮像素子10、演算部20、フレームメモリ30、表示部40、記憶部50および操作部60の動作電源となる各種の電源を、これら供給対象に対して適宜供給する。
【0014】
次に、撮像素子10について説明する。
図2は、撮像素子10の概略構成の一例を表したものである。撮像素子10は、光電変換素子を含む複数のセンサ画素111が行列状(マトリックス状)に2次元配置されてなる画素アレイ部110を備えている。センサ画素111は、例えば、
図3に示したように、光電変換を行う画素回路112と、画素回路112から出力された電荷に基づく画素信号を出力する読み出し回路113とによって構成されている。
【0015】
画素回路112は、例えば、フォトダイオードPDと、フォトダイオードPDと電気的に接続された転送トランジスタTRと、転送トランジスタTRを介してフォトダイオードPDから出力された電荷を一時的に保持するフローティングディフュージョンFDとを有している。フォトダイオードPDは、光電変換を行って受光量に応じた電荷を発生する。フォトダイオードPDのカソードが転送トランジスタTRのソースに接続されており、フォトダイオードPDのアノードが基準電位線(例えばグラウンド)に接続されている。転送トランジスタTRのドレインがフローティングディフュージョンFDに接続され、転送トランジスタTRのゲートは画素駆動線ctl1に接続されている。
【0016】
各画素回路112において、フローティングディフュージョンFDは、対応する読み出し回路113の入力端に接続されている。読み出し回路113は、例えば、リセットトランジスタRSTと、選択トランジスタSELと、増幅トランジスタAMPとを有している。リセットトランジスタRSTのソース(読み出し回路113の入力端)がフローティングディフュージョンFDに接続されており、リセットトランジスタRSTのドレインが電源線VDDおよび増幅トランジスタAMPのドレインに接続されている。リセットトランジスタRSTのゲートは画素駆動線ctl2に接続されている。増幅トランジスタAMPのソースが選択トランジスタSELのドレインに接続されており、増幅トランジスタAMPのゲートがリセットトランジスタRSTのソースに接続されている。選択トランジスタSELのソース(読み出し回路113の出力端)が垂直信号線vslに接続されており、選択トランジスタSELのゲートが画素駆動線ctl3に接続されている。
【0017】
転送トランジスタTRは、転送トランジスタTRがオン状態となると、フォトダイオードPDの電荷をフローティングディフュージョンFDに転送する。リセットトランジスタRSTは、フローティングディフュージョンFDの電位を所定の電位にリセットする。リセットトランジスタRSTがオン状態となると、フローティングディフュージョンFDの電位を電源線VDDの電位にリセットする。選択トランジスタSELは、読み出し回路113からの画素信号の出力タイミングを制御する。増幅トランジスタAMPは、画素信号として、フローティングディフュージョンFDに保持された電荷のレベルに応じた電圧の信号を生成する。つまり、増幅トランジスタAMPは、画素信号として、センサ画素111における受光量の応じた電圧の信号を生成する。増幅トランジスタAMPは、ソースフォロア型のアンプを構成しており、フォトダイオードPDで発生した電荷のレベルに応じた電圧の画素信号を出力する。増幅トランジスタAMPは、選択トランジスタSELがオン状態となると、フローティングディフュージョンFDの電位を増幅して、その電位に応じた電圧を、垂直信号線vslを介してカラム信号処理回路122(後述)に出力する。
【0018】
なお、選択トランジスタSELが、電源線VDDと増幅トランジスタAMPとの間に設けられていてもよい。この場合、リセットトランジスタRSTのドレインが電源線VDDおよび選択トランジスタSELのドレインに接続されている。選択トランジスタSELのソースが増幅トランジスタAMPのドレインに接続されており、選択トランジスタSELのゲートが画素駆動線ctl3に接続されている。増幅トランジスタAMPのソース(読み出し回路113の出力端)が垂直信号線vslに接続されており、増幅トランジスタAMPのゲートがリセットトランジスタRSTのソースに接続されている。
【0019】
撮像素子10は、さらに、画素信号を処理するロジック回路120を備えている。ロジック回路120は、例えば、垂直駆動回路121、カラム信号処理回路122、水平駆動回路123およびシステム制御回路124を有している。ロジック回路120は、センサ画素111ごとのデジタル値を外部に出力する。
【0020】
システム制御回路124は、マスタークロックに基づいて、垂直駆動回路121、カラム信号処理回路122、水平駆動回路123などの動作の基準となるクロック信号や制御信号などを生成し、垂直駆動回路121、カラム信号処理回路122、水平駆動回路123などに対して与える。垂直駆動回路121は、例えば、シフトレジスタなどによって構成され、複数の画素駆動線ctl(例えば、ctl1,ctl2,ctl3,ctlM(後述),ctlL(後述),ctlS(後述))を介して、複数のセンサ画素111の行走査の制御を行う。
【0021】
カラム信号処理回路122は、例えば、垂直駆動回路121によって選択された行の各センサ画素111から出力される画素信号に対して、相関二重サンプリング(Correlated Double Sampling:CDS)処理を施す。カラム信号処理回路122は、例えば、CDS処理を施すことにより、画素信号の信号レベルを抽出し、各センサ画素111の受光量に応じた画素データを保持する。カラム信号処理回路122は、例えば、垂直信号線vsl毎に1つずつ設けられた複数のADC(アナログ-デジタル変換回路)を有している。ADCは、例えば、各センサ画素111から列毎に出力されるアナログの画素信号をデジタル信号に変換して出力する。ADCは、例えば、ランプ波形の電圧(ランプ電圧)とカウンタ値が一対一の対応を取りながら変化することで垂直信号線vslの電位(アナログ信号)をデジタル信号に変換する。ADCは、例えば、ランプ電圧の変化を時間の変化に変換するものであり、その時間をある周期(クロック)で数えることでデジタル値に変換する。
【0022】
水平駆動回路123は、シフトレジスタなどによって構成され、カラム信号処理回路122におけるADCの列アドレスや列走査の制御を行う。この水平駆動回路123による制御の下に、ADCの各々でAD変換されたNビットのデジタル信号は順に水平出力線に読み出され、当該水平出力線を経由して撮像データとして出力される。
【0023】
次に、画素アレイ部110について説明する。
【0024】
図4は、画素アレイ部110の構成例を表したものである。画素アレイ部110は、受光面110Aに複数のカラーフィルタCFおよび複数の受光レンズOCLを有している。複数のカラーフィルタCFは、2行×2列(つまり4つ)のセンサ画素111(フォトダイオードPD)ごとに1つずつ設けられている。複数の受光レンズOCLは、カラーフィルタCFごとに1つずつ設けられている。つまり、複数の受光レンズOCLも、2行×2列(つまり4つ)のセンサ画素111ごとに1つずつ設けられている。これにより、各受光レンズOCLに入射した光は、受光レンズOCLによって集光され、対応するカラーフィルタCFを透過した後、対応する2行×2列のセンサ画素111に入射する。なお、以下では、受光レンズOCLに対応する2行×2列のセンサ画素111を、単色センサ画素群P1と称する。
【0025】
複数のカラーフィルタCFは、赤色の波長域の光を透過する複数のカラーフィルタCFrと、緑色の波長域の光を透過する複数のカラーフィルタCFgと、青色の波長域の光を透過する複数のカラーフィルタCFbとにより構成されている。複数のカラーフィルタCFは、受光面においてベイヤー配列となっている。複数のカラーフィルタCFが受光面においてベイヤー配列となっていることにより、位相差データを行方向および列方向において周期的に取得することが可能となる。カラーフィルタCFr、カラーフィルタCFg、カラーフィルタCFbが、1:2:1の比率で受光面110Aに配置されている。なお、以下では、ベイヤー配列における2行×2列の単色センサ画素群P1を3色センサ画素群P2と称する。
【0026】
各センサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間は、システム制御回路124によって制御される。
図4には、システム制御回路124によって制御されたときの各センサ画素111の露光時間の一例が示されている。
図4によると、単色センサ画素群P1において、2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が“中(Middle)”に設定され、残りの2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)のうちの1つの露光時間が、“短(Short)”に設定され、残りの1つの露光時間が、“長(Long)”に設定される。つまり、単色センサ画素群P1には、露光時間の互いに異なる3種類のセンサ画素111(フォトダイオードPD)が含まれ、さらに、露光時間が互いに同じ2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)が含まれる。言い換えると、システム制御回路124は、単色センサ画素群P1のうち、3つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が互いに異なるとともに、2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が互いに同じになるように、複数のセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間を制御する。
【0027】
各単色センサ画素群P1において、右肩上がりの方向に配列される2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が、
図4に示したように“中(Middle)”に設定される。つまり、各単色センサ画素群P1において、右肩上がりの方向に配列される2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が、互いに等しく設定される。また、各単色センサ画素群P1において、右下のセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が、
図4に示したように“短(Short)”に設定される。また、各単色センサ画素群P1において、左上のセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が、
図4に示したように“長(Long)”に設定される。
【0028】
また、例えば、
図4に示したように、露光時間が“中(Middle)”に設定されるセンサ画素111には画素駆動線ctlMが接続される。つまり、単色センサ画素群P1に割り当てられた2本の画素駆動線ctlMのうち、一方の画素駆動線ctlMは、単色センサ画素群P1の右上のセンサ画素111に接続され、他方の画素駆動線ctlMは、単色センサ画素群P1の左下のセンサ画素111に接続される。露光時間が“短(Short)”に設定される各センサ画素111には画素駆動線ctlSが接続される。つまり、画素駆動線ctlSは、単色センサ画素群P1の右下のセンサ画素111に接続される。露光時間が“長(Long)”に設定されるセンサ画素111には画素駆動線ctlLが接続される。つまり、画素駆動線ctlLは、単色センサ画素群P1の左上のセンサ画素111に接続される。画素アレイ部110は、各単色センサ画素群P1の上段に対応する箇所に、画素駆動線ctlLおよび画素駆動線ctlMを有している。また、画素アレイ部110は、各単色センサ画素群P1の下段に対応する箇所に、画素駆動線ctlMおよび画素駆動線ctlSを有している。
【0029】
システム制御回路124は、画素駆動線ctlMに対して、露光時間が“中(Middle)”となるように制御信号を出力することにより、画素駆動線ctlMに接続された各センサ画素111の露光時間を“中(Middle)”に制御する。システム制御回路124は、画素駆動線ctlSに対して、露光時間が“短(Short)”となるように制御信号を出力することにより、画素駆動線ctlSに接続された各センサ画素111の露光時間を“短(Short)”に制御する。システム制御回路124は、画素駆動線ctlLに対して、露光時間が“長(Long)”となるように制御信号を出力することにより、画素駆動線ctlLに接続された各センサ画素111の露光時間を“長(Long)”に制御する。このように、システム制御回路124は、センサ画素111ごとに露光時間の制御を行う。撮像素子10は、そのような制御の下で得られた画像データIaを出力する。
【0030】
画像データIaには、画素アレイ部110におけるX行×Y列のセンサ画素111に対応するX行×Y列の画素データSigが含まれる。X行×Y列の画素データSigのうち、各単色センサ画素群P1に対応する2行×2列の画素データSigには、露光時間が“中(Middle)”に設定された2つのセンサ画素111に対応する2つの画素データSig1と、露光時間が“短(Short)”に設定されたセンサ画素111に対応する1つの画素データSig2と、露光時間が“長(Long)”に設定されたセンサ画素111に対応する1つの画素データSig3とが含まれる。
【0031】
従って、X行×Y列の画素データSigのうち、各単色センサ画素群P1に対応する2行×2列の画素データSigには、露光時間が互いに同じ2つの画素データSig1が含まれている。また、X行×Y列の画素データSigのうち、各単色センサ画素群P1に対応する2行×2列の画素データSigにおいて、露光時間が互いに同じ2つの画素データSig1の差分を取ることにより、受光面110Aにおいて右肩上がりの方向の位相差を得ることが可能である。以上のことから、画素アレイ部110は、各単色センサ画素群P1から、一方向(右肩上がりの方向)の位相差データが得られるように構成されていることがわかる。
【0032】
なお、各単色センサ画素群P1において、右肩下がりの方向に配列される2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が、
図5に示したように“中(Middle)”に設定されてもよい。つまり、各単色センサ画素群P1において、右肩下がりの方向に配列される2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が、互いに等しく設定されてもよい。
【0033】
このとき、例えば、
図5に示したように、露光時間が“中(Middle)”に設定されるセンサ画素111には画素駆動線ctlMが接続される。つまり、単色センサ画素群P1に割り当てられた2本の画素駆動線ctlMのうち、一方の画素駆動線ctlMは、単色センサ画素群P1の左上のセンサ画素111に接続され、他方の画素駆動線ctlMは、単色センサ画素群P1の右下のセンサ画素111に接続される。露光時間が“短(Short)”に設定される各センサ画素111には画素駆動線ctlSが接続される。つまり、画素駆動線ctlSは、単色センサ画素群P1の左下のセンサ画素111に接続される。露光時間が“長(Long)”に設定されるセンサ画素111には画素駆動線ctlLが接続される。つまり、画素駆動線ctlLは、単色センサ画素群P1の右上のセンサ画素111に接続される。画素アレイ部110は、各単色センサ画素群P1の上段に対応する箇所に、画素駆動線ctlMおよび画素駆動線ctlLを有している。また、画素アレイ部110は、各単色センサ画素群P1の下段に対応する箇所に、画素駆動線ctlSおよび画素駆動線ctlMを有している。
【0034】
この場合、X行×Y列の画素データSigのうち、各単色センサ画素群P1に対応する2行×2列の画素データSigにおいて、露光時間が互いに同じ2つの画素データSig1の差分を取ることにより、受光面110Aにおいて右肩下がりの方向の位相差を得ることが可能である。この場合、画素アレイ部110は、各単色センサ画素群P1から、一方向(右肩下がりの方向)の位相差データが得られるように構成されていることがわかる。
【0035】
また、各単色センサ画素群P1において、左右方向に配列される2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が、
図6に示したように“中(Middle)”に設定されてもよい。つまり、各単色センサ画素群P1において、左右方向に配列される2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が、互いに等しく設定されてもよい。
図6には、各単色センサ画素群P1において、上段の2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が“中(Middle)”に設定され、下段の2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)のうち一方の露光時間が“短(Short)”に設定され、他方の露光時間が“長(Long)”に設定される場合が例示されている。
【0036】
このとき、例えば、
図6に示したように、露光時間が“中(Middle)”に設定されるセンサ画素111には画素駆動線ctlMが接続される。つまり、単色センサ画素群P1に割り当てられた2本の画素駆動線ctlMのうち、一方の画素駆動線ctlMは、単色センサ画素群P1の左上のセンサ画素111に接続され、他方の画素駆動線ctlMは、単色センサ画素群P1の右上のセンサ画素111に接続される。露光時間が“短(Short)”に設定される各センサ画素111には画素駆動線ctlSが接続される。つまり、画素駆動線ctlSは、単色センサ画素群P1の右下のセンサ画素111に接続される。露光時間が“長(Long)”に設定されるセンサ画素111には画素駆動線ctlLが接続される。つまり、画素駆動線ctlLは、単色センサ画素群P1の左下のセンサ画素111に接続される。画素アレイ部110は、各単色センサ画素群P1の上段に対応する箇所に、2本の画素駆動線ctlMを有している。また、画素アレイ部110は、各単色センサ画素群P1の下段に対応する箇所に、画素駆動線ctlLおよび画素駆動線ctlSを有している。
【0037】
この場合、X行×Y列の画素データSigのうち、各単色センサ画素群P1に対応する2行×2列の画素データSigにおいて、露光時間が互いに同じ2つの画素データSig1の差分を取ることにより、受光面110Aにおいて左右方向の位相差を得ることが可能である。この場合、画素アレイ部110は、各単色センサ画素群P1から、一方向(左右方向)の位相差データが得られるように構成されていることがわかる。
【0038】
なお、単色センサ画素群P1において、下段の2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が“中(Middle)”に設定されていてもよい。この場合、単色センサ画素群P1において、上段の2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)のうち一方の露光時間が“短(Short)”に設定され、他方の露光時間が“長(Long)”に設定される。このとき、画素アレイ部110は、各単色センサ画素群P1の下段に対応する箇所に、2本の画素駆動線ctlMを有している。また、画素アレイ部110は、各単色センサ画素群P1の上段に対応する箇所に、画素駆動線ctlLおよび画素駆動線ctlSを有している。
【0039】
この場合にも、X行×Y列の画素データSigのうち、各単色センサ画素群P1に対応する2行×2列の画素データSigにおいて、露光時間が互いに同じ2つの画素データSig1の差分を取ることにより、受光面110Aにおいて左右方向の位相差を得ることが可能である。この場合、画素アレイ部110は、各単色センサ画素群P1から、一方向(左右方向)の位相差データが得られるように構成されていることがわかる。
【0040】
また、各単色センサ画素群P1において、上下方向に配列される2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が、
図7に示したように“中(Middle)”に設定されてもよい。つまり、各単色センサ画素群P1において、上下方向に配列される2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が、互いに等しく設定されてもよい。
図7には、単色センサ画素群P1において、左側の2つのフォトダイオードPDの露光時間が“中(Middle)”に設定され、右側の2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)のうち一方の露光時間が“短(Short)”に設定され、他方の露光時間が“長(Long)”に設定される場合が例示されている。
【0041】
各単色センサ画素群P1において、右側の2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)のうち上段の露光時間が“長(Long)”に設定され、下段の露光時間が“短(Short)”に設定されるとする。この場合、単色センサ画素群P1に割り当てられた2本の画素駆動線ctlMのうち、一方の画素駆動線ctlMは、単色センサ画素群P1の左上のセンサ画素111に接続され、他方の画素駆動線ctlMは、単色センサ画素群P1の左下のセンサ画素111に接続される。画素駆動線ctlSは、単色センサ画素群P1の右下のセンサ画素111に接続される。画素駆動線ctlLは、単色センサ画素群P1の右上のセンサ画素111に接続される。画素アレイ部110は、各単色センサ画素群P1の上段に対応する箇所に、画素駆動線ctlMおよび画素駆動線ctlLを有している。また、画素アレイ部110は、各単色センサ画素群P1の下段に対応する箇所に、画素駆動線ctlMおよび画素駆動線ctlSを有している。
【0042】
また、各単色センサ画素群P1において、右側の2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)のうち上段の露光時間が“短(Short)”に設定され、下段の露光時間が“長(Long)”に設定されるとする。この場合、単色センサ画素群P1に割り当てられた2本の画素駆動線ctlMのうち、一方の画素駆動線ctlMは、単色センサ画素群P1の左上のセンサ画素111に接続され、他方の画素駆動線ctlMは、単色センサ画素群P1の左下のセンサ画素111に接続される。画素駆動線ctlSは、単色センサ画素群P1の右上のセンサ画素111に接続される。画素駆動線ctlLは、単色センサ画素群P1の右下のセンサ画素111に接続される。画素アレイ部110は、各単色センサ画素群P1の上段に対応する箇所に、画素駆動線ctlMおよび画素駆動線ctlSを有し、各単色センサ画素群P1の下段に対応する箇所に、画素駆動線ctlMおよび画素駆動線ctlLを有している。
【0043】
この場合、X行×Y列の画素データSigのうち、各単色センサ画素群P1に対応する2行×2列の画素データSigにおいて、露光時間が互いに同じ2つの画素データSig1の差分を取ることにより、受光面110Aにおいて上下方向の位相差を得ることが可能である。この場合、画素アレイ部110は、各単色センサ画素群P1から、一方向(上下方向)の位相差データが得られるように構成されていることがわかる。
【0044】
なお、単色センサ画素群P1において、右側の2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が“中(Middle)”に設定されてもよい。この場合、単色センサ画素群P1において、左側の2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)のうち一方の露光時間が“短(Short)”に設定され、他方の露光時間が“長(Long)”に設定される。この場合にも、X行×Y列の画素データSigのうち、各単色センサ画素群P1に対応する2行×2列の画素データSigにおいて、露光時間が互いに同じ2つの画素データSig1の差分を取ることにより、受光面110Aにおいて上下方向の位相差を得ることが可能である。この場合にも、画素アレイ部110は、各単色センサ画素群P1から、一方向(上下方向)の位相差データが得られるように構成されていることがわかる。
【0045】
次に、演算回路20について説明する。
【0046】
図8は、演算回路20における信号処理手順の一例を表す。演算回路20は、撮像素子10で得られた画像データIaに基づいてHDR画像データIbを生成する。演算回路20は、まず、画像データIaを、露光時間ごとに分解する(ステップS101)。具体的には、演算回路20は、画像データIaを、露光時間が“中(Middle)”のデータ(画像データIm)と、露光時間が“長(Long)”のデータ(画像データIl)と、露光時間が“短(Short)”のデータ(画像データIs)とに分解する。
【0047】
次に、演算回路20は、画像データImに基づいて位相差データPd1を生成する(ステップS102)。具体的には、演算回路20は、画像データImにおいて、各単色センサ画素群P1に対応する2つの画素データSig1の差分値を導出し、導出した差分値から位相差データPd1を生成する。また、演算回路20は、画像データIl,Imに基づいて位相差データPd2を生成する(ステップS102)。具体的には、演算回路20は、画像データIlと、画像データImに露光時間“長(Long)”と露光時間“中(Middle)”との露光時間比を乗算することにより得られた画像データIm’との差分値を導出し、導出した差分値から位相差データPd2を生成する。また、演算回路20は、画像データIm,Isに基づいて位相差データPd3を生成する(ステップS102)。具体的には、演算回路20は、画像データImと、画像データIsに露光時間“中(Middle)”と露光時間“短(Short)”との露光時間比を乗算した画像データIs’との差分値を導出し、導出した差分値から位相差データPd3を生成する。
【0048】
次に、演算回路20は、位相差データPd1を位相差についてのレベルデータDaに変換する(ステップS103)。レベルデータDaは、例えば、下限値(例えば0ビット)から上限値(例えば128ビット)までの範囲内の値で表されるデータである。演算回路20は、例えば、位相差データPd1において、所定の範囲を下回る数値を下限値(例えば0ビット)に変換する。演算回路20は、例えば、位相差データPd1において、所定の範囲を上回る数値を上限値(例えば128ビット)に変換する。演算回路20は、例えば、位相差データPd1において、所定の範囲内にある数値を、その数値の大きさに応じた、1ビットから127ビットの範囲内の値に変換する。
【0049】
次に、演算回路20は、位相差データPd2,Pd3を動体についてのレベルデータDbに変換する(ステップS104)。レベルデータDbは、例えば、下限値(例えば0ビット)から上限値(例えば128ビット)までの範囲内の値で表されるデータである。具体的には、演算回路20は、撮像素子10のノイズレベルについてのデータ(ノイズデータ)と、位相差データPd2,Pd3とに基づいてレベルデータDbを生成する。
【0050】
次に、演算回路20は、得られたレベルデータDaから、位相差の大きな箇所を検出する(ステップS105)。さらに、演算回路20は、得られたレベルデータDbから、動体の有無を検出する(ステップS106)。最後に、演算回路20は、画像データIm,Il,Isと、位相差の有無と、動体の有無とから、HDR画像データIbを生成する(ステップS107)。このようにして、HDR画像データIbが生成される。
【0051】
次に、撮像装置1における撮像手順について説明する。
【0052】
図9は、撮像装置1における撮像動作のフローチャートの一例を表す。ユーザは、操作部60を操作することにより、撮像装置1に対して撮像開始を指示する(ステップS201)。すると、操作部60は、撮像指令を撮像素子10に送信する(ステップS202)。撮像素子10(具体的にはシステム制御回路124)は、撮像指令を受けると、所定の撮像方式での撮像を実行する(ステップS203)。
【0053】
システム制御回路124は、例えば、画素駆動線ctlMに接続された各センサ画素111に対して、露光時間が“中(Middle)”となるように露光制御を行う。システム制御回路124は、例えば、さらに、画素駆動線ctlSに接続された各センサ画素111に対して、露光時間が“短(Short)”となるように露光制御を行う。システム制御回路124は、例えば、さらに、画素駆動線ctlLに接続された各センサ画素111に対して、露光時間が“長(Long)” となるように露光制御を行う。このように、システム制御回路124は、センサ画素111ごとに露光時間の制御を行う。撮像素子10は、そのような制御の下で得られた、画素数がX行×Y列の画像データIaを演算回路20に出力する。
【0054】
演算回路20は、撮像素子10から入力された画像データIaに基づいて所定の信号処理(例えばHDR画像データIbの生成など)を行う(ステップS204)。演算回路20は、所定の信号処理により得られた画像データ(例えばHDR画像データIb)をフレームメモリ30に保持し、フレームメモリ30は、保持した画像データ(例えばHDR画像データIb)を記憶部50に記録する(ステップS205)。このようにして、撮像装置1における撮像が行われる。
【0055】
[効果]
次に、本実施の形態に係る撮像装置1の効果について説明する。
【0056】
本実施の形態では、撮像素子10は、一方向(右肩上がりの方向、右肩下がりの方向、左右方向、または、上下方向)の位相差データが得られるように構成されている。これにより、一方向において、位相差の有無と、動体の有無とを判別することができる。
【0057】
<2.変形例>
以下に、上記実施の形態に係る撮像素子1の変形例について説明する。
【0058】
[[変形例A]]
上記実施の形態では、画素アレイ部110は、各単色センサ画素群P1から、一方向の位相差データが得られるように構成されていた。しかし、上記実施の形態において、画素アレイ部110は、各3色センサ画素群P2から、二方向の位相差データが得られるように構成されていてもよい。
【0059】
図10は、本変形例に係る画素アレイ部110の構成例を表したものである。本変形例では、画素アレイ部110は、各3色センサ画素群P2から、右肩上がりの方向および右肩下がりの方向の位相差データが得られるように構成されている。このとき、各3色センサ画素群P2において、カラーフィルタCFr,CFbに対応する単色センサ画素群P1は、上記実施の形態に係る単色センサ画素群P1と同一の構成となっている。各3色センサ画素群P2において、一方のカラーフィルタCFgに対応する単色センサ画素群P1(以下、「単色センサ画素群Pa」と称する。)も、上記実施の形態に係る単色センサ画素群P1と同一の構成となっている。一方、各3色センサ画素群P2において、他方のカラーフィルタCFgに対応する単色センサ画素群P1(以下、「単色センサ画素群Pb」と称する。)は、上記実施の形態に係る単色センサ画素群P1とは異なる構成となっている
【0060】
具体的には、各単色センサ画素群Paにおいて、右肩上がりの方向に配列される2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が、
図10に示したように“中(Middle)”に設定される。つまり、各単色センサ画素群Paにおいて、右肩上がりの方向に配列される2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が、互いに等しく設定される。また、各単色センサ画素群Paにおいて、右下のセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が、
図10に示したように“短(Short)”に設定される。また、各単色センサ画素群Paにおいて、左上のセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が、
図10に示したように“長(Long)”に設定される。
【0061】
具体的には、各単色センサ画素群Pbにおいて、右肩下がりの方向に配列される2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が、
図10に示したように“中(Middle)”に設定される。つまり、各単色センサ画素群Pbにおいて、右肩下がりの方向に配列される2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が、互いに等しく設定される。また、各単色センサ画素群Pbにおいて、左下のセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が、
図10に示したように“短(Short)”に設定される。また、各単色センサ画素群Pbにおいて、右上のセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が、
図10に示したように“長(Long)”に設定される。言い換えると、システム制御回路124は、各単色センサ画素群Pbのうち、3つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が互いに異なるとともに、2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が互いに同じになるように、複数のセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間を制御する。
【0062】
単色センサ画素群Paに割り当てられた2本の画素駆動線ctlMのうち、一方の画素駆動線ctlMは、単色センサ画素群Paの右上のセンサ画素111に接続され、他方の画素駆動線ctlMは、単色センサ画素群Paの左下のセンサ画素111に接続される。画素駆動線ctlSは、単色センサ画素群Paの右下のセンサ画素111に接続される。画素駆動線ctlLは、単色センサ画素群Paの左上のセンサ画素111に接続される。
【0063】
単色センサ画素群Pbに割り当てられた2本の画素駆動線ctlMのうち、一方の画素駆動線ctlMは、単色センサ画素群Pbの左上のセンサ画素111に接続され、他方の画素駆動線ctlMは、単色センサ画素群Pbの右下のセンサ画素111に接続される。画素駆動線ctlSは、単色センサ画素群Pbの左下のセンサ画素111に接続される。画素駆動線ctlLは、単色センサ画素群Pbの右上のセンサ画素111に接続される。
【0064】
ここで、画素アレイ部110は、各単色センサ画素群P1の上段に対応する箇所に、画素駆動線ctlLおよび画素駆動線ctlMを有している。また、画素アレイ部110は、各単色センサ画素群P1の下段に対応する箇所に、画素駆動線ctlMおよび画素駆動線ctlSを有している。これにより、二方向(右肩上がりの方向および右肩下がりの方向)において、位相差の有無と、動体の有無とを判別することができる。
【0065】
なお、各3色センサ画素群P2において、単色センサ画素群Paが右上に配置され、単色センサ画素群Pbが左下に配置されてもよい。また、各3色センサ画素群P2において、単色センサ画素群Paが左下に配置され、単色センサ画素群Pbが右上に配置されてもよい。また、複数の単色センサ画素群Paと、複数の単色センサ画素群Pbとが、受光面110A内の二方向(右肩上がりの方向および右肩下がりの方向)において、交互に配置されてもよい。
【0066】
本変形例において、画素アレイ部110は、例えば、
図11に示したように、各3色センサ画素群P2から、左右方向および上下方向の位相差データが得られるように構成されていてもよい。このとき、画素アレイ部110は、各3色センサ画素群P2において、一方のカラーフィルタCFgに対応する単色センサ画素群P1(以下、「単色センサ画素群Pc」と称する。)から、左右方向の位相差データが得られるように構成されていてもよい。さらに、画素アレイ部110は、各3色センサ画素群P2において、他方のカラーフィルタCFgに対応する単色センサ画素群P1(以下、「単色センサ画素群Pd」と称する。)から、上下方向の位相差データが得られるように構成されていてもよい。
【0067】
ここで、各単色センサ画素群Pcにおいて、上段に配置される2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が、
図11に示したように“中(Middle)”に設定される。つまり、各単色センサ画素群Pcにおいて、上段に配置される2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が、互いに等しく設定される。また、各単色センサ画素群Pcにおいて、
図11に示したように、下段に配置される2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)のうち一方のセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が“短(Short)”に設定され、他方のセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が“長(Long)”に設定される。
【0068】
また、各単色センサ画素群Pdにおいて、左側に配置される2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が、
図11に示したように“中(Middle)”に設定される。つまり、各単色センサ画素群Pdにおいて、左側に配置される2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が、互いに等しく設定される。また、各単色センサ画素群Pdにおいて、
図11に示したように、右上に配置されるセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が“長(Long)”に設定され、右下のセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が“短(Short)”に設定される。
【0069】
単色センサ画素群Pcに割り当てられた2本の画素駆動線ctlMのうち、一方の画素駆動線ctlMは、単色センサ画素群Pcの左上のセンサ画素111に接続され、他方の画素駆動線ctlMは、単色センサ画素群Pcの右上のセンサ画素111に接続される。画素駆動線ctlSは、単色センサ画素群Pcの右下のセンサ画素111に接続される。画素駆動線ctlLは、単色センサ画素群Pcの左下のセンサ画素111に接続される。
【0070】
単色センサ画素群Pdに割り当てられた2本の画素駆動線ctlMのうち、一方の画素駆動線ctlMは、単色センサ画素群Pdの左上のセンサ画素111に接続され、他方の画素駆動線ctlMは、単色センサ画素群Pdの左下のセンサ画素111に接続される。画素駆動線ctlSは、単色センサ画素群Pdの右下のセンサ画素111に接続される。画素駆動線ctlLは、単色センサ画素群Pdの右上のセンサ画素111に接続される。
【0071】
なお、各単色センサ画素群Pcにおいて、下段に配置される2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が、“中(Middle)”に設定されてもよい。つまり、各単色センサ画素群Pcにおいて、下段に配置される2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が、互いに等しく設定されてもよい。また、各単色センサ画素群Pdにおいて、右側に配置される2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が、“中(Middle)”に設定されてもよい。つまり、各単色センサ画素群Pdにおいて、右側に配置される2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が、互いに等しく設定されてもよい。
【0072】
各単色センサ画素群Pcにおいて、上段に配置される2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が、“中(Middle)”に設定される場合には、画素アレイ部110は、各単色センサ画素群Pcの上段に対応する箇所に、2本の画素駆動線ctlMを有し、各単色センサ画素群Pcの下段に対応する箇所に、画素駆動線ctlSおよびを画素駆動線ctlL有している。一方、各単色センサ画素群Pcにおいて、下段に配置される2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が、“中(Middle)”に設定される場合には、画素アレイ部110は、各単色センサ画素群Pcの下段に対応する箇所に、2本の画素駆動線ctlMを有し、各単色センサ画素群Pcの上段に対応する箇所に、画素駆動線ctlSおよびを画素駆動線ctlL有している。
【0073】
各単色センサ画素群Pdにおいて、左側に配置される2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が、“中(Middle)”に設定される場合には、画素アレイ部110は、各単色センサ画素群Pdの上段に対応する箇所に、1本の画素駆動線ctlMを有するとともに、各単色センサ画素群Pdの下段に対応する箇所に、1本の画素駆動線ctlMを有している。各単色センサ画素群Pdにおいて、右側に配置される2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が、“中(Middle)”に設定される場合には、画素アレイ部110は、各単色センサ画素群Pdの上段に対応する箇所に、1本の画素駆動線ctlMを有するとともに、各単色センサ画素群Pdの下段に対応する箇所に、1本の画素駆動線ctlMを有している。
【0074】
このように、本変形例では、撮像素子10は、二方向(左右方向および上下方向)の位相差データが得られるように構成されている。これにより、二方向において、位相差の有無と、動体の有無とを判別することができる。
【0075】
[[変形例B]]
上記変形例Aでは、画素アレイ部110は、各3色センサ画素群P2から、二方向の位相差データが得られるように構成されていた。しかし、上記変形例Aにおいて、画素アレイ部110は、2行×2列の3色センサ画素群P2(以下、「3色センサ画素群P3」と称する。)から、三方向の位相差データが得られるように構成されていてもよい。
【0076】
図12は、本変形例に係る画素アレイ部110の構成例を表したものである。
図13は、
図12の画素アレイ部110の配線レイアウトの一例を表したものである。
図14は、
図12の画素アレイ部110で検出可能な位相差の方向の一例を表したものである。
【0077】
本変形例では、画素アレイ部110は、各3色センサ画素群P3から、右肩上がりの方向、上下方向および左右方向の位相差データが得られるように構成されている。このとき、各3色センサ画素群P3において、カラーフィルタCFr,CFbに対応する単色センサ画素群P1(以下、「単色センサ画素群Ph」と称する。)は、上記実施の形態に係る単色センサ画素群P1と同一の構成となっている。各3色センサ画素群P3に含まれる左上および右下の3色センサ画素群P2において、各カラーフィルタCFgに対応する単色センサ画素群P1(以下、「単色センサ画素群Pe」と称する。)も、上記実施の形態に係る単色センサ画素群P1と同一の構成となっている。一方、各3色センサ画素群P3に含まれる左下の3色センサ画素群P2において、各カラーフィルタCFgに対応する単色センサ画素群P1(以下、「単色センサ画素群Pf」と称する。)は、上記実施の形態に係る単色センサ画素群P1とは異なる構成となっている。さらに、各3色センサ画素群P3に含まれる右上の3色センサ画素群P2において、各カラーフィルタCFgに対応する単色センサ画素群P1(以下、「単色センサ画素群Pg」と称する。)は、上記実施の形態に係る単色センサ画素群P1とは異なる構成となっている。
【0078】
具体的には、単色センサ画素群Pfにおいて、2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が“短(Short)”に設定され、残りの2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)のうちの1つの露光時間が、“中(Middle)”に設定され、残りの1つの露光時間が、“長(Long)”に設定される。つまり、単色センサ画素群Pfには、露光時間の互いに異なる3種類のセンサ画素111(フォトダイオードPD)が含まれ、さらに、露光時間が互いに同じ2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)が含まれる。言い換えると、システム制御回路124は、単色センサ画素群Pfのうち、3つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が互いに異なるとともに、2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が互いに同じになるように、複数のセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間を制御する。
【0079】
各単色センサ画素群Pfにおいて、下段に左右方向に配列される2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が、
図12に示したように、“短(Short)”に設定される。つまり、各単色センサ画素群Pfにおいて、下段に左右方向に配列された2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が、互いに等しく設定される。また、各単色センサ画素群Pfにおいて、右上のセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が、
図12に示したように、“中(Middle)”に設定される。また、各単色センサ画素群Pfにおいて、左上のセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が、
図12に示したように、“長(Long)”に設定される。
【0080】
単色センサ画素群Pfに割り当てられた2本の画素駆動線ctlSのうち、一方の画素駆動線ctlSは、単色センサ画素群Pfの左下のセンサ画素111に接続され、他方の画素駆動線ctlSは、単色センサ画素群Pfの右下のセンサ画素111に接続される。画素駆動線ctlMは、単色センサ画素群Pfの右上のセンサ画素111に接続される。画素駆動線ctlLは、単色センサ画素群Pfの左上のセンサ画素111に接続される。このとき、画素アレイ部110は、各単色センサ画素群Pfの上段に対応する箇所に、画素駆動線ctlLおよび画素駆動線ctlMを有している。また、画素アレイ部110は、各単色センサ画素群Pfの下段に対応する箇所に、2本の画素駆動線ctlSを有している。
【0081】
なお、各単色センサ画素群Pfにおいて、露光時間が“中(Middle)”に設定される1つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)が左上に配置され、露光時間が“長(Long)”に設定される1つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)が右上に配置されてもよい。また、各単色センサ画素群Pfにおいて、露光時間が“短(Short)”に設定される2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)が、上段に配置され、かつ、左右方向に配列されてもよい。この場合、単色センサ画素群Pfにおいて、下段の2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)のうち一方の露光時間が“中(Middle)”に設定され、他方の露光時間が“長(Long)”に設定される。このとき、画素アレイ部110は、各単色センサ画素群Pfの上段に対応する箇所に、2本の画素駆動線ctlSを有している。また、画素アレイ部110は、各単色センサ画素群Pfの下段に対応する箇所に、画素駆動線ctlLおよび画素駆動線ctlMを有している。
【0082】
また、単色センサ画素群Pgにおいて、2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が“長(Long)”に設定され、残りの2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)のうちの1つの露光時間が、“中(Middle)”に設定され、残りの1つの露光時間が、“短(Short)”に設定される。つまり、単色センサ画素群Pgには、露光時間の互いに異なる3種類のセンサ画素111(フォトダイオードPD)が含まれ、さらに、露光時間が互いに同じ2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)が含まれる。言い換えると、システム制御回路124は、単色センサ画素群Pgのうち、3つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が互いに異なるとともに、2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が互いに同じになるように、複数のセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間を制御する。
【0083】
各単色センサ画素群Pgにおいて、露光時間が“長(Long)”に設定される2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)は、例えば、
図12に示したように、左側に配置され、かつ、上下方向に配列される。つまり、各単色センサ画素群Pgにおいて、露光時間が互いに同じ2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)は、例えば、
図12に示したように、左側に配置され、かつ、上下方向に配列される。また、各単色センサ画素群Pgにおいて、露光時間が“中(Middle)”に設定される1つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)は、例えば、
図12に示したように、右上に配置される。また、各単色センサ画素群Pgにおいて、露光時間が“短(Short)”に設定される1つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)は、例えば、
図12に示したように、右下に配置される。
【0084】
単色センサ画素群Pgに割り当てられた2本の画素駆動線ctlLのうち、一方の画素駆動線ctlLは、単色センサ画素群Pgの左上のセンサ画素111に接続され、他方の画素駆動線ctlLは、単色センサ画素群Pgの左下のセンサ画素111に接続される。画素駆動線ctlMは、単色センサ画素群Pgの右上のセンサ画素111に接続される。画素駆動線ctlSは、単色センサ画素群Pgの右下のセンサ画素111に接続される。このとき、画素アレイ部110は、各単色センサ画素群Pgの上段に対応する箇所に、画素駆動線ctlLおよび画素駆動線ctlMを有している。また、画素アレイ部110は、各単色センサ画素群Pfの下段に対応する箇所に、画素駆動線ctlLおよび画素駆動線ctlSを有している。
【0085】
なお、各単色センサ画素群Pgにおいて、露光時間が“中(Middle)”に設定される1つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)が右下に配置され、露光時間が“短(Short)”に設定される1つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)が右上に配置されてもよい。このとき、画素アレイ部110は、各単色センサ画素群Pgの上段に対応する箇所に、画素駆動線ctlLおよび画素駆動線ctlSを有している。また、画素アレイ部110は、各単色センサ画素群Pfの下段に対応する箇所に、画素駆動線ctlLおよび画素駆動線ctlMを有している。また、各単色センサ画素群Pgにおいて、露光時間が“長(Long)”に設定される2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)が、右側に配置され、かつ、上下方向に配列されてもよい。この場合、単色センサ画素群Pgにおいて、左側の2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)のうち一方の露光時間が“中(Middle)”に設定され、他方の露光時間が“短(Short)”に設定される。
【0086】
本変形例では、画像データIaには、画素アレイ部110におけるX行×Y列のセンサ画素111に対応するX行×Y列の画素データSigが含まれる。X行×Y列の画素データSigのうち、単色センサ画素群Phに対応する2行×2列の画素データSigには、露光時間が“中(Middle)”に設定された2つのセンサ画素111に対応する2つの画素データSig1と、露光時間が“短(Short)”に設定されたセンサ画素111に対応する1つの画素データSig2と、露光時間が“長(Long)”に設定されたセンサ画素111に対応する1つの画素データSig3とが含まれる。また、X行×Y列の画素データSigのうち、単色センサ画素群Peに対応する2行×2列の画素データSigには、露光時間が“中(Middle)”に設定された2つのセンサ画素111に対応する2つの画素データSig1と、露光時間が“短(Short)”に設定されたセンサ画素111に対応する1つの画素データSig2と、露光時間が“長(Long)”に設定されたセンサ画素111に対応する1つの画素データSig3とが含まれる。
【0087】
また、X行×Y列の画素データSigのうち、単色センサ画素群Pfに対応する2行×2列の画素データSigには、露光時間が“短(Short)”に設定された2つのセンサ画素111に対応する2つの画素データSig2と、露光時間が“中(Middle)”に設定されたセンサ画素111に対応する1つの画素データSig1と、露光時間が“長(Long)”に設定されたセンサ画素111に対応する1つの画素データSig3とが含まれる。また、X行×Y列の画素データSigのうち、単色センサ画素群Pgに対応する2行×2列の画素データSigには、露光時間が“長(Long)”に設定された2つのセンサ画素111に対応する2つの画素データSig3と、露光時間が“中(Middle)”に設定されたセンサ画素111に対応する1つの画素データSig1と、露光時間が“短(Short)”に設定されたセンサ画素111に対応する1つの画素データSig2とが含まれる。
【0088】
次に、本変形例における演算回路20について説明する。
【0089】
図15は、本変形例における演算回路20における信号処理手順の一例を表す。演算回路20は、撮像素子10で得られた画像データIaに基づいてHDR画像データIbを生成する。演算回路20は、まず、画像データIaを、露光時間ごとに分解する(ステップS301)。具体的には、演算回路20は、画像データIaを、露光時間が“中(Middle)”のデータ(画像データIm)と、露光時間が“長(Long)”のデータ(画像データIl)と、露光時間が“短(Short)”のデータ(画像データIs)とに分解する。
【0090】
次に、演算回路20は、画像データImに基づいて位相差データPd11を生成する(ステップS302)。具体的には、演算回路20は、画像データImにおいて、各単色センサ画素群Peに対応する2つの画素データSig1の差分値を導出し、導出した差分値から、受光面110Aにおける第1方向(右肩上がりの方向)の位相差データPd11を生成する。また、画像データIsに基づいて位相差データPd12を生成する(ステップS302)。具体的には、演算回路20は、画像データIsにおいて、各単色センサ画素群Pfに対応する2つの画素データSig2の差分値を導出し、導出した差分値から、受光面110Aにおける第2方向(左右方向)の位相差データPd12を生成する。また、画像データIlに基づいて位相差データPd13を生成する(ステップS302)。具体的には、演算回路20は、画像データIlにおいて、各単色センサ画素群Pgに対応する2つの画素データSig3の差分値を導出し、導出した差分値から、受光面110Aにおける第3方向(左右方向)の位相差データPd13を生成する。
【0091】
また、演算回路20は、画像データIl,Imに基づいて位相差データPd14を生成する(ステップS302)。具体的には、演算回路20は、画像データIlと、画像データImに露光時間“長(Long)”と露光時間“中(Middle)”との露光時間比を乗算することにより得られた画像データIm’との差分値を導出し、導出した差分値から位相差データPd14を生成する。また、演算回路20は、画像データIm,Isに基づいて位相差データPd15を生成する(ステップS302)。具体的には、演算回路20は、画像データImと、画像データIsに露光時間“中(Middle)”と露光時間“短(Short)”との露光時間比を乗算した画像データIs’との差分値を導出し、導出した差分値から位相差データPd15を生成する。
【0092】
次に、演算回路20は、位相差データPd11,Pd12,Pd13に基づいて、位相差についてのレベルデータDaを生成する(ステップS303)。レベルデータDaは、例えば、下限値(例えば0ビット)から上限値(例えば128ビット)までの範囲内の値で表されるデータである。演算回路20は、例えば、位相差データPd11,Pd12,Pd13において、所定の範囲を下回る数値を下限値(例えば0ビット)に変換する。演算回路20は、例えば、位相差データPd11,Pd12,Pd13において、所定の範囲を上回る数値を上限値(例えば128ビット)に変換する。演算回路20は、例えば、位相差データPd11,Pd12,Pd13において、所定の範囲内にある数値を、その数値の大きさに応じた、1ビットから127ビットの範囲内の値に変換する。
【0093】
次に、演算回路20は、位相差データPd14,Pd15を動体についてのレベルデータDbに変換する(ステップS104)。レベルデータDbは、例えば、下限値(例えば0ビット)から上限値(例えば128ビット)までの範囲内の値で表されるデータである。具体的には、演算回路20は、撮像素子10のノイズレベルについてのデータ(ノイズデータ)と、位相差データPd14,Pd15とに基づいてレベルデータDbを生成する。
【0094】
次に、演算回路20は、得られたレベルデータDaから、位相差の大きな箇所を検出する(ステップS305)。さらに、演算回路20は、得られたレベルデータDbから、動体の有無を検出する(ステップS306)。最後に、演算回路20は、画像データIm,Il,Isと、位相差の有無と、動体の有無とから、HDR画像データIbを生成する(ステップS307)。このようにして、HDR画像データIbが生成される。
【0095】
このように、本変形例では、撮像素子10は、2行×2列の3色センサ画素群P2(以下、「3色センサ画素群P3」と称する。)から、三方向の位相差データが得られるように構成されている。これにより、三方向において、位相差の有無と、動体の有無とを判別することができる。
【0096】
[[変形例C]]
上記実施の形態およびその変形例では、画素アレイ部110は、単色センサ画素群P1に対応する2行×2列の画素データSigから一方向の位相差データが得られるように構成されていた。しかし、上記実施の形態およびその変形例において、画素アレイ部110は、単色センサ画素群P1に対応する2行×2列の画素データSigから、二方向の位相差データが得られるように構成されていてもよい。
【0097】
図16は、本変形例に係る画素アレイ部110の構成例を表したものである。本変形例では、画素アレイ部110は、各3色センサ画素群P2から、右肩上がりの方向および右肩下がりの方向の位相差データが得られるように構成されている。このとき、各3色センサ画素群P2において、カラーフィルタCFr,CFbに対応する単色センサ画素群P1(単色センサ画素群Ph)は、上記実施の形態に係る単色センサ画素群P1と同一の構成となっている。各3色センサ画素群P2において、各カラーフィルタCFgに対応する単色センサ画素群P1(単色センサ画素群Pa,Pb)は、上記実施の形態に係る単色センサ画素群P1とは異なる構成となっている。
【0098】
具体的には、各単色センサ画素群Pbにおいて、2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が“短(Short)”に設定され、残りの2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が“中(Middle)”に設定される。言い換えると、システム制御回路124は、単色センサ画素群Pbのうち、2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が互いに異なるとともに、2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が互いに同じになるように、複数のセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間を制御する。また、各単色センサ画素群Pbにおいて、露光時間が“短(Short)”に設定される2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)は、例えば、
図16に示したように、右肩下がりの方向に配列される。つまり、各単色センサ画素群Pbにおいて、露光時間が互いに同じ2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)は、例えば、
図16に示したように、右肩下がりの方向に配列される。また、各単色センサ画素群Pbにおいて、露光時間が“中(Middle)”に設定される2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)は、例えば、
図16に示したように、右肩上がりに配列される。つまり、各単色センサ画素群Pbにおいて、露光時間が互いに同じ2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)は、例えば、
図16に示したように、右肩上がりの方向にも配列される。
【0099】
単色センサ画素群Pbに割り当てられた2本の画素駆動線ctlSのうち、一方の画素駆動線ctlSは、単色センサ画素群Pbの左上のセンサ画素111に接続され、他方の画素駆動線ctlSは、単色センサ画素群Pbの右下のセンサ画素111に接続される。単色センサ画素群Pbに割り当てられた2本の画素駆動線ctlMのうち、一方の画素駆動線ctlMは、単色センサ画素群Pbの左下のセンサ画素111に接続され、他方の画素駆動線ctlMは、単色センサ画素群Pbの右上のセンサ画素111に接続される。
【0100】
このとき、画素アレイ部110は、各単色センサ画素群Pbの上段に対応する箇所に、画素駆動線ctlMおよび画素駆動線ctlSを有している。また、画素アレイ部110は、各単色センサ画素群Pbの下段に対応する箇所に、画素駆動線ctlMおよび画素駆動線ctlSを有している。ここで、単色センサ画素群Pbの右隣または左隣りに配置される単色センサ画素群Phの上段に含まれる1つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が“長(Long)”に設定される場合には、画素アレイ部110は、各単色センサ画素群Pbの上段に対応する箇所に、さらに、画素駆動線ctlLを有している。また、単色センサ画素群Pbの右隣または左隣りに配置される単色センサ画素群Phの下段に含まれる1つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が“長(Long)”に設定される場合には、画素アレイ部110は、各単色センサ画素群Pbの下段に対応する箇所に、さらに、画素駆動線ctlLを有している。
【0101】
また、各単色センサ画素群Paにおいて、2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が“長(Long)”に設定され、残りの2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が“中(Middle)”に設定される。言い換えると、システム制御回路124は、単色センサ画素群Paのうち、2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が互いに異なるとともに、2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が互いに同じになるように、複数のセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間を制御する。また、各単色センサ画素群Paにおいて、露光時間が“長(Long)”に設定される2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)は、例えば、
図16に示したように、右肩下がりの方向に配列される。つまり、各単色センサ画素群Paにおいて、露光時間が互いに同じ2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)は、例えば、
図16に示したように、右肩下がりの方向に配列される。また、各単色センサ画素群Paにおいて、露光時間が“中(Middle)”に設定される2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)は、例えば、
図16に示したように、右肩上がりに配列される。つまり、各単色センサ画素群Paにおいて、露光時間が互いに同じ2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)は、例えば、
図16に示したように、右肩上がりの方向にも配列される。
【0102】
単色センサ画素群Paに割り当てられた2本の画素駆動線ctlLのうち、一方の画素駆動線ctlLは、単色センサ画素群Paの左上のセンサ画素111に接続され、他方の画素駆動線ctlLは、単色センサ画素群Paの右下のセンサ画素111に接続される。単色センサ画素群Paに割り当てられた2本の画素駆動線ctlMのうち、一方の画素駆動線ctlMは、単色センサ画素群Paの左下のセンサ画素111に接続され、他方の画素駆動線ctlMは、単色センサ画素群Paの右上のセンサ画素111に接続される。
【0103】
このとき、画素アレイ部110は、各単色センサ画素群Paの上段に対応する箇所に、画素駆動線ctlLおよび画素駆動線ctlMを有している。また、画素アレイ部110は、各単色センサ画素群Paの下段に対応する箇所に、画素駆動線ctlMおよび画素駆動線ctlLを有している。ここで、単色センサ画素群Paの右隣または左隣りに配置される単色センサ画素群Phの下段に含まれる1つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が“短(Short)”に設定される場合には、画素アレイ部110は、各単色センサ画素群Paの下段に対応する箇所に、さらに、画素駆動線ctlSを有している。また、単色センサ画素群Paの右隣または左隣りに配置される単色センサ画素群Phの上段に含まれる1つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が“短(Short)”に設定される場合には、画素アレイ部110は、各単色センサ画素群Paの上段に対応する箇所に、さらに、画素駆動線ctlSを有している。
【0104】
本変形例では、画像データIaには、画素アレイ部110におけるX行×Y列のセンサ画素111に対応するX行×Y列の画素データSigが含まれる。X行×Y列の画素データSigのうち、単色センサ画素群Phに対応する2行×2列の画素データSigには、露光時間が“中(Middle)”に設定された2つのセンサ画素111に対応する2つの画素データSig1と、露光時間が“短(Short)”に設定されたセンサ画素111に対応する1つの画素データSig2と、露光時間が“長(Long)”に設定されたセンサ画素111に対応する1つの画素データSig3とが含まれる。また、X行×Y列の画素データSigのうち、単色センサ画素群Paに対応する2行×2列の画素データSigには、露光時間が“中(Middle)”に設定された2つのセンサ画素111に対応する2つの画素データSig1と、露光時間が“短(Short)”に設定された2つのセンサ画素111に対応する2つの画素データSig2とが含まれる。また、X行×Y列の画素データSigのうち、単色センサ画素群Pbに対応する2行×2列の画素データSigには、露光時間が“中(Middle)”に設定された2つのセンサ画素111に対応する2つの画素データSig1と、露光時間が“長(Long)”に設定された2つのセンサ画素111に対応する2つの画素データSig3とが含まれる。
【0105】
次に、本変形例における演算回路20について説明する。
【0106】
図17は、本変形例における演算回路20における信号処理手順の一例を表す。演算回路20は、撮像素子10で得られた画像データIaに基づいてHDR画像データIbを生成する。演算回路20は、まず、画像データIaを、露光時間ごとに分解する(ステップS401)。具体的には、演算回路20は、画像データIaを、露光時間が“中(Middle)”のデータ(画像データIm)と、露光時間が“長(Long)”のデータ(画像データIl)と、露光時間が“短(Short)”のデータ(画像データIs)とに分解する。
【0107】
次に、演算回路20は、画像データImに基づいて位相差データPd21を生成する(ステップS402)。具体的には、演算回路20は、画像データImにおいて、各単色センサ画素群Pa,Pbに対応する2つの画素データSig1の差分値を導出し、導出した差分値から、受光面110Aにおける第1方向(右肩上がりの方向)の位相差データPd21を生成する。また、画像データIsに基づいて位相差データPd22を生成する(ステップS402)。具体的には、演算回路20は、画像データIsにおいて、各単色センサ画素群Paに対応する2つの画素データSig2の差分値を導出し、導出した差分値から、受光面110Aにおける第2方向(右肩下がりの方向)の位相差データPd22を生成する。また、画像データIlに基づいて位相差データPd23を生成する(ステップS402)。具体的には、演算回路20は、画像データIlにおいて、各単色センサ画素群Pbに対応する2つの画素データSig3の差分値を導出し、導出した差分値から、受光面110Aにおける第2方向(右肩下がりの方向)の位相差データPd23を生成する。
【0108】
また、演算回路20は、画像データIl,Imに基づいて位相差データPd24を生成する(ステップS402)。具体的には、演算回路20は、画像データIlと、画像データImに露光時間“長(Long)”と露光時間“中(Middle)”との露光時間比を乗算することにより得られた画像データIm’との差分値を導出し、導出した差分値から位相差データPd24を生成する。また、演算回路20は、画像データIm,Isに基づいて位相差データPd25を生成する(ステップS402)。具体的には、演算回路20は、画像データImと、画像データIsに露光時間“中(Middle)”と露光時間“短(Short)”との露光時間比を乗算した画像データIs’との差分値を導出し、導出した差分値から位相差データPd25を生成する。
【0109】
次に、演算回路20は、位相差データPd21,Pd22,Pd23に基づいて、位相差についてのレベルデータDaを生成する(ステップS403)。レベルデータDaは、例えば、下限値(例えば0ビット)から上限値(例えば128ビット)までの範囲内の値で表されるデータである。演算回路20は、例えば、位相差データPd21,Pd22,Pd23において、所定の範囲を下回る数値を下限値(例えば0ビット)に変換する。演算回路20は、例えば、位相差データPd21,Pd22,Pd23において、所定の範囲を上回る数値を上限値(例えば128ビット)に変換する。演算回路20は、例えば、位相差データPd21,Pd22,Pd23において、所定の範囲内にある数値を、その数値の大きさに応じた、1ビットから127ビットの範囲内の値に変換する。
【0110】
次に、演算回路20は、位相差データPd24,Pd25を動体についてのレベルデータDbに変換する(ステップS404)。レベルデータDbは、例えば、下限値(例えば0ビット)から上限値(例えば128ビット)までの範囲内の値で表されるデータである。具体的には、演算回路20は、撮像素子10のノイズレベルについてのデータ(ノイズデータ)と、位相差データPd24,Pd25とに基づいてレベルデータDbを生成する。
【0111】
次に、演算回路20は、得られたレベルデータDaから、位相差の大きな箇所を検出する(ステップS405)。さらに、演算回路20は、得られたレベルデータDbから、動体の有無を検出する(ステップS406)。最後に、演算回路20は、画像データIm,Il,Isと、位相差の有無と、動体の有無とから、HDR画像データIbを生成する(ステップS407)。このようにして、HDR画像データIbが生成される。
【0112】
本変形例では、撮像素子10は、単色センサ画素群P1に対応する2行×2列の画素データSigから、二方向の位相差データが得られるように構成されている。これにより、二方向において、位相差の有無と、動体の有無とを判別することができる。
【0113】
[[変形例D]]
上記実施の形態およびその変形例では、画素アレイ部110は、単色センサ画素群P1に対応する2行×2列の画素データSigから一方向の位相差データが1つ得られるように構成されていた。しかし、上記実施の形態およびその変形例において、画素アレイ部110は、単色センサ画素群P1に対応する2行×2列の画素データSigから、一方向の位相差データが2つ得られるように構成されていてもよい。
【0114】
図18は、本変形例に係る画素アレイ部110の構成例を表したものである。本変形例では、画素アレイ部110は、各3色センサ画素群P2から、上下方向および左右方向の位相差データが得られるように構成されている。このとき、各3色センサ画素群P2において、カラーフィルタCFr,CFbに対応する単色センサ画素群P1(単色センサ画素群Ph)は、上記実施の形態に係る単色センサ画素群P1と同一の構成となっている。各3色センサ画素群P2において、各カラーフィルタCFgに対応する単色センサ画素群P1(単色センサ画素群Pa,Pb)は、上記実施の形態に係る単色センサ画素群P1とは異なる構成となっている。
【0115】
具体的には、各単色センサ画素群Pbにおいて、2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が“短(Short)”に設定され、残りの2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が“中(Middle)”に設定される。言い換えると、システム制御回路124は、単色センサ画素群Pbのうち、2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が互いに異なるとともに、2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が互いに同じになるように、複数のセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間を制御する。また、各単色センサ画素群Pbにおいて、露光時間が“短(Short)”に設定される2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)は、例えば、
図18に示したように、上段に配置され、かつ左右方向に配列される。つまり、各単色センサ画素群Pbにおいて、露光時間が互いに同じ2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)は、例えば、
図18に示したように、上段に配置され、かつ左右方向に配列される。また、各単色センサ画素群Pbにおいて、露光時間が“中(Middle)”に設定される2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)は、例えば、
図18に示したように、下段に配置され、かつ左右方向に配列される。つまり、各単色センサ画素群Pbにおいて、露光時間が互いに同じ2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)は、例えば、
図18に示したように、下段に配置され、かつ左右方向に配列される。
【0116】
単色センサ画素群Pbに割り当てられた2本の画素駆動線ctlSのうち、一方の画素駆動線ctlSは、単色センサ画素群Pbの左上のセンサ画素111に接続され、他方の画素駆動線ctlSは、単色センサ画素群Pbの右上のセンサ画素111に接続される。単色センサ画素群Pbに割り当てられた2本の画素駆動線ctlMのうち、一方の画素駆動線ctlMは、単色センサ画素群Pbの左下のセンサ画素111に接続され、他方の画素駆動線ctlMは、単色センサ画素群Pbの右下のセンサ画素111に接続される。
【0117】
このとき、画素アレイ部110は、各単色センサ画素群Pbの上段に対応する箇所に、2本の画素駆動線ctlSを有し、各単色センサ画素群Pbの下段に対応する箇所に、2本の画素駆動線ctlMを有している。ここで、単色センサ画素群Pbの右隣または左隣りに配置される単色センサ画素群Phの上段に含まれる1つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が“長(Long)”に設定される場合には、画素アレイ部110は、各単色センサ画素群Pbの上段に対応する箇所に、さらに、画素駆動線ctlLを有している。また、単色センサ画素群Pbの右隣または左隣りに配置される単色センサ画素群Phの下段に含まれる1つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が“長(Long)”に設定される場合には、画素アレイ部110は、各単色センサ画素群Pbの下段に対応する箇所に、さらに、画素駆動線ctlLを有している。
【0118】
なお、各単色センサ画素群Pbにおいて、下段の2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が“短(Short)”に設定され、上段の2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が“中(Middle)”に設定されてもよい。
【0119】
また、各単色センサ画素群Paにおいて、2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が“長(Long)”に設定され、残りの2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が“中(Middle)”に設定される。言い換えると、システム制御回路124は、単色センサ画素群Paのうち、2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が互いに異なるとともに、2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が互いに同じになるように、複数のセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間を制御する。また、各単色センサ画素群Paにおいて、露光時間が“長(Long)”に設定される2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)は、例えば、
図18に示したように、左側に配置され、かつ上下方向に配列される。つまり、各単色センサ画素群Paにおいて、露光時間が互いに同じ2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)は、例えば、
図18に示したように、左側に配置され、かつ上下方向に配列される。また、各単色センサ画素群Paにおいて、露光時間が“中(Middle)”に設定される2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)は、例えば、
図18に示したように、右側に配置され、かつ上下方向に配列される。つまり、各単色センサ画素群Paにおいて、露光時間が互いに同じ2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)は、例えば、
図18に示したように、右側に配置され、かつ上下方向に配列される。
【0120】
このとき、画素アレイ部110は、各単色センサ画素群Paの上段に対応する箇所に、画素駆動線ctlLおよび画素駆動線ctlMを有している。また、画素アレイ部110は、各単色センサ画素群Paの下段に対応する箇所に、画素駆動線ctlLおよび画素駆動線ctlMを有している。ここで、単色センサ画素群Paの右隣または左隣りに配置される単色センサ画素群Phの下段に含まれる1つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が“短(Short)”に設定される場合には、画素アレイ部110は、各単色センサ画素群Paの下段に対応する箇所に、さらに、画素駆動線ctlSを有している。また、単色センサ画素群Paの右隣または左隣りに配置される単色センサ画素群Phの上段に含まれる1つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が“短(Short)”に設定される場合には、画素アレイ部110は、各単色センサ画素群Paの上段に対応する箇所に、さらに、画素駆動線ctlSを有している。
【0121】
なお、各単色センサ画素群Paにおいて、右側の2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が“長(Long)”に設定され、左側の2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が“中(Middle)”に設定されてもよい。
【0122】
本変形例では、画像データIaには、画素アレイ部110におけるX行×Y列のセンサ画素111に対応するX行×Y列の画素データSigが含まれる。X行×Y列の画素データSigのうち、単色センサ画素群Phに対応する2行×2列の画素データSigには、露光時間が“中(Middle)”に設定された2つのセンサ画素111に対応する2つの画素データSig1と、露光時間が“短(Short)”に設定されたセンサ画素111に対応する1つの画素データSig2と、露光時間が“長(Long)”に設定されたセンサ画素111に対応する1つの画素データSig3とが含まれる。また、X行×Y列の画素データSigのうち、単色センサ画素群Paに対応する2行×2列の画素データSigには、露光時間が“中(Middle)”に設定された2つのセンサ画素111に対応する2つの画素データSig1と、露光時間が“短(Short)”に設定された2つのセンサ画素111に対応する1つの画素データSig2とが含まれる。また、X行×Y列の画素データSigのうち、単色センサ画素群Pbに対応する2行×2列の画素データSigには、露光時間が“中(Middle)”に設定された2つのセンサ画素111に対応する2つの画素データSig1と、露光時間が“長(Long)”に設定された2つのセンサ画素111に対応する1つの画素データSig3とが含まれる。
【0123】
次に、本変形例における演算回路20について説明する。
【0124】
図19は、本変形例における演算回路20における信号処理手順の一例を表す。演算回路20は、撮像素子10で得られた画像データIaに基づいてHDR画像データIbを生成する。演算回路20は、まず、画像データIaを、露光時間ごとに分解する(ステップS501)。具体的には、演算回路20は、画像データIaを、露光時間が“中(Middle)”のデータ(画像データIm)と、露光時間が“長(Long)”のデータ(画像データIl)と、露光時間が“短(Short)”のデータ(画像データIs)とに分解する。
【0125】
次に、演算回路20は、画像データImに基づいて位相差データPd31,Pd32を生成する(ステップS502)。具体的には、演算回路20は、画像データImにおいて、各単色センサ画素群Paに対応する2つの画素データSig1の差分値を導出し、導出した差分値から、受光面110Aにおける第1方向(左右方向)の位相差データPd31を生成する。また、演算回路20は、画像データImにおいて、各単色センサ画素群Pbに対応する2つの画素データSig1の差分値を導出し、導出した差分値から、受光面110Aにおける第2方向(上下方向)の位相差データPd32を生成する。
【0126】
また、演算回路20は、画像データIsに基づいて位相差データPd33を生成する(ステップS502)。具体的には、演算回路20は、画像データIsにおいて、各単色センサ画素群Paに対応する2つの画素データSig2の差分値を導出し、導出した差分値から、受光面110Aにおける第1方向(左右方向)の位相差データPd33を生成する。また、画像データIlに基づいて位相差データPd34を生成する(ステップS502)。具体的には、演算回路20は、画像データIlにおいて、各単色センサ画素群Pbに対応する2つの画素データSig3の差分値を導出し、導出した差分値から、受光面110Aにおける第2方向(上下方向)の位相差データPd34を生成する。
【0127】
また、演算回路20は、画像データIl,Imに基づいて位相差データPd35を生成する(ステップS502)。具体的には、演算回路20は、画像データIlと、画像データImに露光時間“長(Long)”と露光時間“中(Middle)”との露光時間比を乗算することにより得られた画像データIm’との差分値を導出し、導出した差分値から位相差データPd35を生成する。また、演算回路20は、画像データIm,Isに基づいて位相差データPd36を生成する(ステップS502)。具体的には、演算回路20は、画像データImと、画像データIsに露光時間“中(Middle)”と露光時間“短(Short)”との露光時間比を乗算した画像データIs’との差分値を導出し、導出した差分値から位相差データPd36を生成する。
【0128】
次に、演算回路20は、位相差データPd31,Pd32,Pd33,Pd34に基づいて、位相差についてのレベルデータDaを生成する(ステップS503)。レベルデータDaは、例えば、下限値(例えば0ビット)から上限値(例えば128ビット)までの範囲内の値で表されるデータである。演算回路20は、例えば、位相差データPd31,Pd32,Pd33,Pd34において、所定の範囲を下回る数値を下限値(例えば0ビット)に変換する。演算回路20は、例えば、位相差データPd31,Pd32,Pd33,Pd34において、所定の範囲を上回る数値を上限値(例えば128ビット)に変換する。演算回路20は、例えば、位相差データPd31,Pd32,Pd33,Pd34において、所定の範囲内にある数値を、その数値の大きさに応じた、1ビットから127ビットの範囲内の値に変換する。
【0129】
次に、演算回路20は、位相差データPd35,Pd36を動体についてのレベルデータDbに変換する(ステップS504)。レベルデータDbは、例えば、下限値(例えば0ビット)から上限値(例えば128ビット)までの範囲内の値で表されるデータである。具体的には、演算回路20は、撮像素子10のノイズレベルについてのデータ(ノイズデータ)と、位相差データPd35,Pd36とに基づいてレベルデータDbを生成する。
【0130】
次に、演算回路20は、得られたレベルデータDaから、位相差の大きな箇所を検出する(ステップS505)。さらに、演算回路20は、得られたレベルデータDbから、動体の有無を検出する(ステップS506)。最後に、演算回路20は、画像データIm,Il,Isと、位相差の有無と、動体の有無とから、HDR画像データIbを生成する(ステップS507)。このようにして、HDR画像データIbが生成される。
【0131】
本変形例では、画素アレイ部110は、単色センサ画素群Paに対応する2行×2列の画素データSigから、第1方向の位相差データが2つ得られるように構成され、単色センサ画素群Pbに対応する2行×2列の画素データSigから、第2方向の位相差データが2つ得られるように構成されている。これにより、二方向において、位相差の有無と、動体の有無とを判別することができる。
【0132】
[[変形例E]]
上記変形例Bでは、画素アレイ部110は、各3色センサ画素群P3に対応する8行×8列の画素データSigから四方向の位相差データが得られるように構成されていた。しかし、上記実施の形態において、画素アレイ部110は、各3色センサ画素群P3のうち1つの単色センサ画素群Paに対応する2行×2列の画素データSigから、四方向の位相差データが得られるように構成されていてもよい。
【0133】
図20は、本変形例に係る画素アレイ部110の構成例を表したものである。本変形例では、画素アレイ部110は、各3色センサ画素群P3のうち1つの単色センサ画素群P1(以下、「単色センサ画素群Pi」)に対応する2行×2列の画素データSigから、右肩上がりの方向、右肩下がりの方向、左右方向および上下方向の位相差データが得られるように構成されている。単色センサ画素群Piは、カラーフィルタCFgに対応する単色センサ画素群P1である。このとき、各3色センサ画素群P3において、単色センサ画素群Piを除く各単色センサ画素群P1は、上記実施の形態に係る単色センサ画素群P1と同一の構成となっている。一方、各単色センサ画素群Piは、上記実施の形態に係る単色センサ画素群P1とは異なる構成となっている。具体的には、各単色センサ画素群Piにおいて、4つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が“中(Middle)”に設定される。言い換えると、システム制御回路124は、各3色センサ画素群P3に含まれる単色センサ画素群Piにおいて、各センサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が互いに同じになるように、複数のセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間を制御する。
【0134】
単色センサ画素群Piに割り当てられた2本の画素駆動線ctlMのうち、一方の画素駆動線ctlMは、単色センサ画素群Piの上段の2つのセンサ画素111に接続され、他方の画素駆動線ctlMは、単色センサ画素群Piの下段の2つのセンサ画素111に接続される。
【0135】
ここで、単色センサ画素群Piの右隣または左隣りに配置される単色センサ画素群P1の上段に含まれる1つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が“長(Long)”に設定される場合には、画素アレイ部110は、各単色センサ画素群Piの上段に対応する箇所に、さらに、画素駆動線ctlLを有している。また、単色センサ画素群Piの右隣または左隣りに配置される単色センサ画素群P1の上段に含まれる1つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が“短(Short)”に設定される場合には、画素アレイ部110は、各単色センサ画素群Piの上段に対応する箇所に、さらに、画素駆動線ctlSを有している。また、単色センサ画素群Piの右隣または左隣りに配置される単色センサ画素群P1の下段に含まれる1つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が“短(Short)”に設定される場合には、画素アレイ部110は、各単色センサ画素群Piの下段に対応する箇所に、さらに、画素駆動線ctlSを有している。また、単色センサ画素群Piの右隣または左隣りに配置される単色センサ画素群P1の下段に含まれる1つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が“長(Long)”に設定される場合には、画素アレイ部110は、各単色センサ画素群Piの下段に対応する箇所に、さらに、画素駆動線ctlLを有している。
【0136】
本変形例では、画像データIaには、画素アレイ部110におけるX行×Y列のセンサ画素111に対応するX行×Y列の画素データSigが含まれる。X行×Y列の画素データSigのうち、単色センサ画素群Pdを除く各単色センサ画素群P1に対応する2行×2列の画素データSigには、露光時間が“中(Middle)”に設定された2つのセンサ画素111に対応する2つの画素データSig1と、露光時間が“短(Short)”に設定されたセンサ画素111に対応する1つの画素データSig2と、露光時間が“長(Long)”に設定されたセンサ画素111に対応する1つの画素データSig3とが含まれる。また、X行×Y列の画素データSigのうち、単色センサ画素群Pdに対応する2行×2列の画素データSigには、露光時間が“中(Middle)”に設定された4つのセンサ画素111に対応する4つの画素データSig1が含まれる。
【0137】
次に、本変形例における演算回路20について説明する。
【0138】
図21は、本変形例における演算回路20における信号処理手順の一例を表す。演算回路20は、撮像素子10で得られた画像データIaに基づいてHDR画像データIbを生成する。演算回路20は、まず、画像データIaを、露光時間ごとに分解する(ステップS601)。具体的には、演算回路20は、画像データIaを、露光時間が“中(Middle)”のデータ(画像データIm)と、露光時間が“長(Long)”のデータ(画像データIl)と、露光時間が“短(Short)”のデータ(画像データIs)とに分解する。
【0139】
次に、演算回路20は、画像データImに基づいて位相差データPd41,Pd42,Pd43,Pd44を生成する(ステップS602)。具体的には、演算回路20は、画像データImにおいて、各単色センサ画素群Piに対応する2つの画素データSig1であって、かつ右肩上がりの方向に配列された2つの画素データSig1の差分値を導出し、導出した差分値から、受光面110Aにおける第1方向(右肩上がりの方向)の位相差データPd41を生成する。また、演算回路20は、画像データImにおいて、各単色センサ画素群Piに対応する2つの画素データSig1であって、かつ右肩下がりの方向に配列された2つの画素データSig1の差分値を導出し、導出した差分値から、受光面110Aにおける第2方向(右肩下がりの方向)の位相差データPd42を生成する。
【0140】
演算回路20は、画像データImにおいて、各単色センサ画素群Piに対応する2つの画素データSig1であって、かつ左右方向に配列された上段の2つの画素データSig1の差分値と、左右方向に配列された下段の2つの画素データSig1の差分値とを導出し、導出した差分値から、受光面110Aにおける第3方向(左右方向)の位相差データPd43を生成する。また、演算回路20は、画像データImにおいて、各単色センサ画素群Piに対応する2つの画素データSig1であって、かつ上下方向に配列された左側の2つの画素データSig1の差分値と、上下方向に配列された右側の2つの画素データSig1の差分値とを導出し、導出した差分値から、受光面110Aにおける第4方向(上下方向)の位相差データPd44を生成する。
【0141】
また、演算回路20は、画像データIl,Imに基づいて位相差データPd45を生成する(ステップS602)。具体的には、演算回路20は、画像データIlと、画像データImに露光時間“長(Long)”と露光時間“中(Middle)”との露光時間比を乗算することにより得られた画像データIm’との差分値を導出し、導出した差分値から位相差データPd45を生成する。また、演算回路20は、画像データIm,Isに基づいて位相差データPd46を生成する(ステップS602)。具体的には、演算回路20は、画像データImと、画像データIsに露光時間“中(Middle)”と露光時間“短(Short)”との露光時間比を乗算した画像データIs’との差分値を導出し、導出した差分値から位相差データPd46を生成する。
【0142】
次に、演算回路20は、位相差データPd41,Pd42,Pd43,Pd44に基づいて、位相差についてのレベルデータDaを生成する(ステップS603)。レベルデータDaは、例えば、下限値(例えば0ビット)から上限値(例えば128ビット)までの範囲内の値で表されるデータである。演算回路20は、例えば、位相差データPd41,Pd42,Pd43,Pd44において、所定の範囲を下回る数値を下限値(例えば0ビット)に変換する。演算回路20は、例えば、位相差データPd41,Pd42,Pd43,Pd44において、所定の範囲を上回る数値を上限値(例えば128ビット)に変換する。演算回路20は、例えば、位相差データPd41,Pd42,Pd43,Pd44において、所定の範囲内にある数値を、その数値の大きさに応じた、1ビットから127ビットの範囲内の値に変換する。
【0143】
次に、演算回路20は、位相差データPd45,Pd46を動体についてのレベルデータDbに変換する(ステップS604)。レベルデータDbは、例えば、下限値(例えば0ビット)から上限値(例えば128ビット)までの範囲内の値で表されるデータである。具体的には、演算回路20は、撮像素子10のノイズレベルについてのデータ(ノイズデータ)と、位相差データPd45,Pd46とに基づいてレベルデータDbを生成する。
【0144】
次に、演算回路20は、得られたレベルデータDaから、位相差の大きな箇所を検出する(ステップS605)。さらに、演算回路20は、得られたレベルデータDbから、動体の有無を検出する(ステップS606)。最後に、演算回路20は、画像データIm,Il,Isと、位相差の有無と、動体の有無とから、HDR画像データIbを生成する(ステップS607)。このようにして、HDR画像データIbが生成される。
【0145】
本変形例では、画素アレイ部110は、各3色センサ画素群P3のうち1つの単色センサ画素群Paに対応する2行×2列の画素データSigから、四方向の位相差データが得られるように構成されている。これにより、四方向において、位相差の有無と、動体の有無とを判別することができる。
【0146】
[[変形例F]]
上記変形例Eでは、画素アレイ部110は、各3色センサ画素群P3のうち1つの単色センサ画素群Paに対応する2行×2列の画素データSigから、四方向の位相差データが得られるように構成されていた。しかし、上記変形例Eにおいて、画素アレイ部110は、各3色センサ画素群P3のうち1つの3色センサ画素群P2に対応する4行×4列の画素データSigから、四方向の位相差データが得られるように構成されていてもよい。
【0147】
図22は、本変形例に係る画素アレイ部110の構成例を表したものである。本変形例では、画素アレイ部110は、各3色センサ画素群P3のうち1つの3色センサ画素群P2(以下、「3色センサ画素群Pj」)に対応する4行×4列の画素データSigから、右肩上がりの方向,右肩下がりの方向,左右方向および上下方向の位相差データが得られるように構成されている。各3色センサ画素群P3において、3色センサ画素群Pjを除く各3色センサ画素群P2に含まれる各単色センサ画素群P1は、上記実施の形態に係る単色センサ画素群P1と同一の構成となっている。一方、各3色センサ画素群Pjは、上記実施の形態に係る3色センサ画素群P2とは異なる構成となっている。具体的には、各3色センサ画素群Pjの各単色センサ画素群P1において、4つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が“中(Middle)”に設定される。言い換えると、システム制御回路124は、各3色センサ画素群P3に含まれる3色センサ画素群Pjの各単色センサ画素群P1において、各センサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が互いに同じになるように、複数のセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間を制御する。
【0148】
3色センサ画素群Pjの上段の単色センサ画素群P1に割り当てられた2本の画素駆動線ctlMのうち、一方の画素駆動線ctlMは、単色センサ画素群P1の上段の2つのセンサ画素111に接続され、他方の画素駆動線ctlMは、単色センサ画素群P1の下段の2つのセンサ画素111に接続される。
【0149】
ここで、3色センサ画素群Pjの上段の右隣または左隣りに配置される単色センサ画素群P1の上段に含まれる1つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が“長(Long)”に設定される場合には、画素アレイ部110は、各3色センサ画素群Pjの上段の単色センサ画素群P1の上段のセンサ画素111(フォトダイオードPD)に対応する箇所に、さらに、画素駆動線ctlLを有している。また、3色センサ画素群Pjの上段の右隣または左隣りに配置される単色センサ画素群P1の上段に含まれる1つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が“短(Short)”に設定される場合には、画素アレイ部110は、各3色センサ画素群Pjの上段の単色センサ画素群P1の上段のセンサ画素111(フォトダイオードPD)に対応する箇所に、さらに、画素駆動線ctlSを有している。
【0150】
また、3色センサ画素群Pjの上段の右隣または左隣りに配置される単色センサ画素群P1の下段に含まれる1つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が“長(Long)”に設定される場合には、画素アレイ部110は、各3色センサ画素群Pjの上段の単色センサ画素群P1の下段のセンサ画素111(フォトダイオードPD)に対応する箇所に、さらに、画素駆動線ctlLを有している。また、3色センサ画素群Pjの上段の右隣または左隣りに配置される単色センサ画素群P1の下段に含まれる1つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が“短(Short)”に設定される場合には、画素アレイ部110は、各3色センサ画素群Pjの上段の単色センサ画素群P1の下段のセンサ画素111(フォトダイオードPD)に対応する箇所に、さらに、画素駆動線ctlSを有している。
【0151】
また、3色センサ画素群Pjの下段の右隣または左隣りに配置される単色センサ画素群P1の上段に含まれる1つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が“長(Long)”に設定される場合には、画素アレイ部110は、各3色センサ画素群Pjの下段の単色センサ画素群P1の上段のセンサ画素111(フォトダイオードPD)に対応する箇所に、さらに、画素駆動線ctlLを有している。また、3色センサ画素群Pjの下段の右隣または左隣りに配置される単色センサ画素群P1の上段に含まれる1つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が“短(Short)”に設定される場合には、画素アレイ部110は、各3色センサ画素群Pjの下段の単色センサ画素群P1の上段のセンサ画素111(フォトダイオードPD)に対応する箇所に、さらに、画素駆動線ctlSを有している。
【0152】
また、3色センサ画素群Pjの下段の右隣または左隣りに配置される単色センサ画素群P1の下段に含まれる1つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が“長(Long)”に設定される場合には、画素アレイ部110は、各3色センサ画素群Pjの下段の単色センサ画素群P1の下段のセンサ画素111(フォトダイオードPD)に対応する箇所に、さらに、画素駆動線ctlLを有している。また、3色センサ画素群Pjの下段の右隣または左隣りに配置される単色センサ画素群P1の下段に含まれる1つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が“短(Short)”に設定される場合には、画素アレイ部110は、各3色センサ画素群Pjの上段の単色センサ画素群P1の下段のセンサ画素111(フォトダイオードPD)に対応する箇所に、さらに、画素駆動線ctlSを有している。
【0153】
本変形例では、画像データIaには、画素アレイ部110におけるX行×Y列のセンサ画素111に対応するX行×Y列の画素データSigが含まれる。X行×Y列の画素データSigのうち、3色センサ画素群Peを除く各3色センサ画素群P2に含まれる各単色センサ画素群P1に対応する4行×4列の画素データSigには、露光時間が“中(Middle)”に設定された2つのセンサ画素111に対応する2つの画素データSig1と、露光時間が“短(Short)”に設定されたセンサ画素111に対応する1つの画素データSig2と、露光時間が“長(Long)”に設定されたセンサ画素111に対応する1つの画素データSig3とが含まれる。また、X行×Y列の画素データSigのうち、3色センサ画素群Peに含まれる各単色センサ画素群P1に対応する2行×2列の画素データSigには、露光時間が“中(Middle)”に設定された4つのセンサ画素111に対応する4つの画素データSig1が含まれる。
【0154】
次に、本変形例における演算回路20について説明する。
【0155】
図23は、本変形例における演算回路20における信号処理手順の一例を表す。演算回路20は、撮像素子10で得られた画像データIaに基づいてHDR画像データIbを生成する。演算回路20は、まず、画像データIaを、露光時間ごとに分解する(ステップS701)。具体的には、演算回路20は、画像データIaを、露光時間が“中(Middle)”のデータ(画像データIm)と、露光時間が“長(Long)”のデータ(画像データIl)と、露光時間が“短(Short)”のデータ(画像データIs)とに分解する。
【0156】
次に、演算回路20は、画像データImに基づいて位相差データPd51,Pd52,Pd53,Pd54を生成する(ステップS702)。具体的には、演算回路20は、画像データImにおいて、3色センサ画素群Peに含まれる各単色センサ画素群P1に対応する2つの画素データSig1であって、かつ右肩上がりの方向に配列された2つの画素データSig1の差分値を導出し、導出した差分値から、受光面110Aにおける第1方向(右肩上がりの方向)の位相差データPd51を生成する。また、演算回路20は、画像データImにおいて、3色センサ画素群Peに含まれる各単色センサ画素群P1に対応する2つの画素データSig1であって、かつ右肩下がりの方向に配列された2つの画素データSig1の差分値を導出し、導出した差分値から、受光面110Aにおける第2方向(右肩下がりの方向)の位相差データPd52を生成する。
【0157】
また、演算回路20は、画像データImにおいて、3色センサ画素群Peに含まれる各単色センサ画素群P1に対応する2つの画素データSig1であって、かつ左右方向に配列された上段の2つの画素データSig1の差分値と、左右方向に配列された下段の2つの画素データSig1の差分値とを導出し、導出した差分値から、受光面110Aにおける第3方向(左右方向)の位相差データPd53を生成する。また、演算回路20は、画像データImにおいて、3色センサ画素群Peに含まれる各単色センサ画素群P1に対応する2つの画素データSig1であって、かつ上下方向に配列された左側の2つの画素データSig1の差分値と、上下方向に配列された右側の2つの画素データSig1の差分値とを導出し、導出した差分値から、受光面110Aにおける第4方向(上下方向)の位相差データPd54を生成する。
【0158】
また、演算回路20は、画像データIl,Imに基づいて位相差データPd55を生成する(ステップS702)。具体的には、演算回路20は、画像データIlと、画像データImに露光時間“長(Long)”と露光時間“中(Middle)”との露光時間比を乗算することにより得られた画像データIm’との差分値を導出し、導出した差分値から位相差データPd55を生成する。また、演算回路20は、画像データIm,Isに基づいて位相差データPd56を生成する(ステップS702)。具体的には、演算回路20は、画像データImと、画像データIsに露光時間“中(Middle)”と露光時間“短(Short)”との露光時間比を乗算した画像データIs’との差分値を導出し、導出した差分値から位相差データPd56を生成する。
【0159】
次に、演算回路20は、位相差データPd51,Pd52,Pd53,Pd54に基づいて、位相差についてのレベルデータDaを生成する(ステップS703)。レベルデータDaは、例えば、下限値(例えば0ビット)から上限値(例えば128ビット)までの範囲内の値で表されるデータである。演算回路20は、例えば、位相差データPd51,Pd52,Pd53,Pd54において、所定の範囲を下回る数値を下限値(例えば0ビット)に変換する。演算回路20は、例えば、位相差データPd51,Pd52,Pd53,Pd54において、所定の範囲を上回る数値を上限値(例えば128ビット)に変換する。演算回路20は、例えば、位相差データPd51,Pd52,Pd53,Pd54において、所定の範囲内にある数値を、その数値の大きさに応じた、1ビットから127ビットの範囲内の値に変換する。
【0160】
次に、演算回路20は、位相差データPd55,Pd56を動体についてのレベルデータDbに変換する(ステップS704)。レベルデータDbは、例えば、下限値(例えば0ビット)から上限値(例えば128ビット)までの範囲内の値で表されるデータである。具体的には、演算回路20は、撮像素子10のノイズレベルについてのデータ(ノイズデータ)と、位相差データPd55,Pd56とに基づいてレベルデータDbを生成する。
【0161】
次に、演算回路20は、得られたレベルデータDaから、位相差の大きな箇所を検出する(ステップS705)。さらに、演算回路20は、得られたレベルデータDbから、動体の有無を検出する(ステップS706)。最後に、演算回路20は、画像データIm,Il,Isと、位相差の有無と、動体の有無とから、HDR画像データIbを生成する(ステップS707)。このようにして、HDR画像データIbが生成される。
【0162】
本変形例では、画素アレイ部110は、各3色センサ画素群P3のうち1つの3色センサ画素群P2に対応する4行×4列の画素データSigから、四方向の位相差データが得られるように構成されている。これにより、四方向において、位相差の有無と、動体の有無とを判別することができる。
【0163】
[[変形例G]]
上記変形例Fでは、画素アレイ部110は、各3色センサ画素群P3のうち1つの3色センサ画素群P2に対応する4行×4列の画素データSigから、四方向の位相差データが得られるように構成されていた。しかし、上記変形例Fにおいて、画素アレイ部110は、各単色センサ画素群P1に対応する2行×2列の画素データSigから、四方向の位相差データが得られるように構成されていてもよい。
【0164】
図24は、本変形例に係る画素アレイ部110の構成例を表したものである。
図25は、
図24の画素アレイ部110の配線レイアウトの一例を表したものである。
図26は、
図24の画素アレイ部110で検出可能な位相差の方向の一例を表したものである。
【0165】
本変形例では、画素アレイ部110は、例えば、nフレーム(nは2以上の整数)ごとに、各単色センサ画素群P1から、右肩上がりの方向、上下方向および左右方向の位相差データが得られるように構成されている。このとき、各単色センサ画素群P1において、4つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が “中(Middle)”に設定される。言い換えると、システム制御回路124は、各単色センサ画素群P1において、各センサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が互いに同じになるように、複数のセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間を制御する。
【0166】
本変形例では、画素アレイ部110は、さらに、例えば、n×kフレーム(nは2以上の整数、kは1以上の整数)以外の各フレームにおいて、3種類の露光時間の画素データを含む画像データIaが得られるように構成されている。画素アレイ部110は、さらに、例えば、
図27に示したように、n×kフレーム(nは2以上の整数、kは1以上の整数)以外の各フレームにおいて、上記実施の形態に係る画素アレイ部110と同様の構成となっている。このとき、各単色センサ画素群P1において、2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が“中(Middle)”に設定され、残りの2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)のうちの1つの露光時間が、“短(Short)”に設定され、残りの1つの露光時間が、“長(Long)”に設定される。
【0167】
このとき、画素アレイ部110は、例えば、
図25、
図28に示したように、各単色センサ画素群P1の上段に対応する箇所に、画素駆動線ctlLおよび画素駆動線ctlMを有している。また、画素アレイ部110は、各単色センサ画素群P1の下段に対応する箇所に、画素駆動線ctlMおよび画素駆動線ctlSを有している。
【0168】
なお、本変形例では、システム制御回路124は、nフレームごとの画像データIaを得る際には、各単色センサ画素群P1の上段に対応する箇所に設けられた画素駆動線ctlLおよび画素駆動線ctlMを、各単色センサ画素群P1の上段のセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間を“中(Middle)”に設定する露光制御を行うために用いる。また、本変形例では、システム制御回路124は、nフレームごとの画像データIaを得る際には、各単色センサ画素群P1の下段に対応する箇所に設けられた画素駆動線ctlMおよび画素駆動線ctlSを、各単色センサ画素群P1の下段のセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間を“中(Middle)”に設定する露光制御を行うために用いる。
【0169】
本変形例では、nフレームごとに得られる画像データIa1には、画素アレイ部110におけるX行×Y列のセンサ画素111に対応するX行×Y列の画素データSigが含まれる。X行×Y列の画素データSigのうち、各単色センサ画素群P1に対応する4行×4列の画素データSigには、露光時間が“中(Middle)”に設定された4つのセンサ画素111に対応する4つの画素データSig1が含まれる。
【0170】
さらに、本変形例では、n×kフレーム(nは2以上の整数、kは1以上の整数)以外の各フレームで得られる画像データIa2には、画素アレイ部110におけるX行×Y列のセンサ画素111に対応するX行×Y列の画素データSigが含まれる。X行×Y列の画素データSigのうち、各単色センサ画素群P1に対応する4行×4列の画素データSigには、例えば、露光時間が“中(Middle)”に設定された2つのセンサ画素111に対応する2つの画素データSig1と、露光時間が“短(Short)”に設定されたセンサ画素111に対応する1つの画素データSig2と、露光時間が“長(Long)”に設定されたセンサ画素111に対応する1つの画素データSig3とが含まれる。
【0171】
次に、本変形例における演算回路20について説明する。
【0172】
図29は、本変形例における演算回路20における信号処理手順の一例を表す。演算回路20は、撮像素子10で得られた画像データIa1,Ia2に基づいてHDR画像データIbを生成する。演算回路20は、まず、得られた画像データIa2を露光時間ごとに分解する(ステップS801)。具体的には、演算回路20は、画像データIa2を、露光時間が“中(Middle)”のデータ(画像データIm2)と、露光時間が“長(Long)”のデータ(画像データIl2)と、露光時間が“短(Short)”のデータ(画像データIs2)とに分解する。続いて、演算回路20は、得られた画像データIa1を露光時間ごとに分解する(ステップS801)。具体的には、演算回路20は、画像データIa1を、露光時間が“中(Middle)”のデータ(画像データIm1)と、露光時間が“長(Long)”のデータ(画像データIl1)と、露光時間が“短(Short)”のデータ(画像データIs1)とに分解する。
【0173】
次に、演算回路20は、画像データIm1に基づいて位相差データPd61,Pd62,Pd63,Pd64を生成する(ステップS802)。具体的には、演算回路20は、画像データIm1において、各単色センサ画素群P1に対応する2つの画素データSig1であって、かつ右肩上がりの方向に配列された2つの画素データSig1の差分値を導出し、導出した差分値から、受光面110Aにおける第1方向(右肩上がりの方向)の位相差データPd61を生成する。また、演算回路20は、画像データIm1において、各単色センサ画素群P1に対応する2つの画素データSig1であって、かつ右肩下がりの方向に配列された2つの画素データSig1の差分値を導出し、導出した差分値から、受光面110Aにおける第2方向(右肩下がりの方向)の位相差データPd62を生成する。
【0174】
また、演算回路20は、画像データIm1において、各単色センサ画素群P1に対応する2つの画素データSig1であって、かつ左右方向に配列された上段の2つの画素データSig1の差分値と、左右方向に配列された下段の2つの画素データSig1の差分値とを導出し、導出した差分値から、受光面110Aにおける第3方向(左右方向)の位相差データPd63を生成する。また、演算回路20は、画像データIm1において、各単色センサ画素群P1に対応する2つの画素データSig1であって、かつ上下方向に配列された左側の2つの画素データSig1の差分値と、上下方向に配列された右側の2つの画素データSig1の差分値とを導出し、導出した差分値から、受光面110Aにおける第4方向(上下方向)の位相差データPd64を生成する。
【0175】
また、演算回路20は、画像データIl1,Im1に基づいて位相差データPd65を生成する(ステップS802)。具体的には、演算回路20は、画像データIl1と、画像データIm1に露光時間“長(Long)”と露光時間“中(Middle)”との露光時間比を乗算することにより得られた画像データIm1’との差分値を導出し、導出した差分値から位相差データPd65を生成する。また、演算回路20は、画像データIm1,Is1に基づいて位相差データPd66を生成する(ステップS802)。具体的には、演算回路20は、画像データIm1と、画像データIs1に露光時間“中(Middle)”と露光時間“短(Short)”との露光時間比を乗算した画像データIs1’との差分値を導出し、導出した差分値から位相差データPd66を生成する。
【0176】
次に、演算回路20は、位相差データPd61,Pd62,Pd63,Pd64に基づいて、位相差についてのレベルデータDaを生成する(ステップS803)。レベルデータDaは、例えば、下限値(例えば0ビット)から上限値(例えば128ビット)までの範囲内の値で表されるデータである。演算回路20は、例えば、位相差データPd61,Pd62,Pd63,Pd64において、所定の範囲を下回る数値を下限値(例えば0ビット)に変換する。演算回路20は、例えば、位相差データPd61,Pd62,Pd63,Pd64において、所定の範囲を上回る数値を上限値(例えば128ビット)に変換する。演算回路20は、例えば、位相差データPd61,Pd62,Pd63,Pd64において、所定の範囲内にある数値を、その数値の大きさに応じた、1ビットから127ビットの範囲内の値に変換する。
【0177】
次に、演算回路20は、位相差データPd65,Pd66を動体についてのレベルデータDbに変換する(ステップS804)。レベルデータDbは、例えば、下限値(例えば0ビット)から上限値(例えば128ビット)までの範囲内の値で表されるデータである。具体的には、演算回路20は、撮像素子10のノイズレベルについてのデータ(ノイズデータ)と、位相差データPd65,Pd66とに基づいてレベルデータDbを生成する。
【0178】
次に、演算回路20は、得られたレベルデータDaから、位相差の大きな箇所を検出する(ステップS805)。さらに、演算回路20は、得られたレベルデータDbから、動体の有無を検出する(ステップS806)。最後に、演算回路20は、画像データIm2,Il2,Is2と、位相差の有無と、動体の有無とから、HDR画像データIbを生成する(ステップS807)。このようにして、HDR画像データIbが生成される。
【0179】
本変形例では、画素アレイ部110は、例えば、nフレームごとに、各単色センサ画素群P1から、四方向の位相差データが得られるように構成されている。本変形例では、さらに、nフレームごとに得られた画像データIa1と、n×kフレーム以外の各フレームで得られた画像データIa1とに基づいてHDR画像Ibが生成される。これにより、四方向において、位相差の有無と、動体の有無とを判別することができる。
【0180】
[[変形例H]]
上記変形例A,B,C,D,Eでは、画素アレイ部110は、単色の画像データに基づいて位相差データが得られるように構成されていた。しかし、上記実施の形態において、画素アレイ部110は、全色の画像データに基づいて、色ごとに位相差データが得られるように構成されていてもよい。
【0181】
図30は、本変形例に係る画素アレイ部110の構成例を表したものである。
図31は、
図30の画素アレイ部110の配線レイアウトの一例を表したものである。
図32は、
図30の画素アレイ部110で検出可能な位相差の方向の一例を表したものである。
【0182】
本変形例では、画素アレイ部110は、行方向に配列された2つの3色センサ画素群P2(以下、「3色センサ画素群P4」と称する。)から、色ごとに二方向の位相差データが得られるように構成されている。具体的には、画素アレイ部110は、3色センサ画素群P4から、色ごとに、右肩上がりの方向および右肩下がりの方向の位相差データが得られるように構成されている。このとき、各3色センサ画素群P4に含まれる一方の3色センサ画像群P2において、各単色センサ画素群P1は、右肩上がりの方向の位相差データが得られるように構成されている。各3色センサ画素群P4に含まれる他方の3色センサ画像群P2において、各単色センサ画素群P1は、右肩下がりの方向の位相差データが得られるように構成されている。
【0183】
具体的には、各3色センサ画素群P4に含まれる一方の3色センサ画像群P2の各単色センサ画素群P1において、右肩上がりの方向に配列される2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が、
図30に示したように、“中(Middle)”に設定される。また、各3色センサ画素群P4に含まれる一方の3色センサ画像群P2の各単色センサ画素群P1において、右下のセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が、
図30に示したように、“短(Short)”に設定される。また、各3色センサ画素群P4に含まれる一方の3色センサ画像群P2の各単色センサ画素群P1において、左上のセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が、
図30に示したように、“長(Long)”に設定される。言い換えると、システム制御回路124は、各3色センサ画素群P4に含まれる一方の3色センサ画像群P2の各単色センサ画素群P1のうち、2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が互いに異なるとともに、2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が互いに同じになるように、複数のセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間を制御する。
【0184】
各3色センサ画素群P4に含まれる他方の3色センサ画像群P2の各単色センサ画素群P1において、右肩下がりの方向に配列される2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が、
図30に示したように、“中(Middle)”に設定される。また、各3色センサ画素群P4に含まれる他方の3色センサ画像群P2の各単色センサ画素群P1において、左下のセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が、
図30に示したように、“短(Short)”に設定される。また、各3色センサ画素群P4に含まれる他方の3色センサ画像群P2の各単色センサ画素群P1において、右上のセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が、
図30に示したように、“長(Long)”に設定される。言い換えると、システム制御回路124は、各3色センサ画素群P4に含まれる他方の3色センサ画像群P2の各単色センサ画素群P1のうち、2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が互いに異なるとともに、2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が互いに同じになるように、複数のセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間を制御する。
【0185】
このとき、素アレイ部110は、各3色センサ画素群P4に含まれる各単色センサ画素群P1の上段に対応する箇所に、画素駆動線ctlLおよび画素駆動線ctlMを有している。また、画素アレイ部110は、各3色センサ画素群P4に含まれる各単色センサ画素群P1の下段に対応する箇所に、画素駆動線ctlMおよび画素駆動線ctlSを有している。
【0186】
本変形例では、画像データIaには、画素アレイ部110におけるX行×Y列のセンサ画素111に対応するX行×Y列の画素データSigが含まれる。X行×Y列の画素データSigのうち、各単色センサ画素群P1に対応する4行×4列の画素データSigには、露光時間が“中(Middle)”に設定された2つのセンサ画素111に対応する2つの画素データSig1と、露光時間が“短(Short)”に設定されたセンサ画素111に対応する1つの画素データSig2と、露光時間が“長(Long)”に設定されたセンサ画素111に対応する1つの画素データSig3とが含まれる。
【0187】
次に、本変形例における演算回路20について説明する。
【0188】
図33は、本変形例における演算回路20における信号処理手順の一例を表す。演算回路20は、撮像素子10で得られた画像データIaに基づいてHDR画像データIbを生成する。演算回路20は、まず、画像データIaを、露光時間ごとに分解する(ステップS901)。具体的には、演算回路20は、画像データIaを、露光時間が“中(Middle)”のデータ(画像データIm)と、露光時間が“長(Long)”のデータ(画像データIl)と、露光時間が“短(Short)”のデータ(画像データIs)とに分解する。
【0189】
次に、演算回路20は、画像データImに基づいて位相差データPd71,Pd72を生成する(ステップS902)。具体的には、演算回路20は、画像データImにおいて、各3色センサ画素群P4に含まれる一方の3色センサ画像群P2の各単色センサ画素群P1に対応する2つの画素データSig1の差分値を導出し、導出した差分値から、受光面110Aにおける第1方向(右肩上がりの方向)の位相差データPd71を生成する。また、演算回路20は、画像データImにおいて、各3色センサ画素群P4に含まれる他方の3色センサ画像群P2の各単色センサ画素群P1の差分値を導出し、導出した差分値から、受光面110Aにおける第2方向(右肩下がりの方向)の位相差データPd72を生成する。
【0190】
また、演算回路20は、画像データIl,Imに基づいて位相差データPd73を生成する(ステップS902)。具体的には、演算回路20は、画像データIlと、画像データImに露光時間“長(Long)”と露光時間“中(Middle)”との露光時間比を乗算することにより得られた画像データIm’との差分値を導出し、導出した差分値から位相差データPd73を生成する。また、演算回路20は、画像データIm,Isに基づいて位相差データPd74を生成する(ステップS902)。具体的には、演算回路20は、画像データImと、画像データIsに露光時間“中(Middle)”と露光時間“短(Short)”との露光時間比を乗算した画像データIs’との差分値を導出し、導出した差分値から位相差データPd74を生成する。
【0191】
次に、演算回路20は、位相差データPd71,Pd72に基づいて、位相差についてのレベルデータDaを生成する(ステップS903)。レベルデータDaは、例えば、下限値(例えば0ビット)から上限値(例えば128ビット)までの範囲内の値で表されるデータである。演算回路20は、例えば、位相差データPd71,Pd72において、所定の範囲を下回る数値を下限値(例えば0ビット)に変換する。演算回路20は、例えば、位相差データPd71,Pd72において、所定の範囲を上回る数値を上限値(例えば128ビット)に変換する。演算回路20は、例えば、位相差データPd71,Pd72において、所定の範囲内にある数値を、その数値の大きさに応じた、1ビットから127ビットの範囲内の値に変換する。
【0192】
次に、演算回路20は、位相差データPd73,Pd74を動体についてのレベルデータDbに変換する(ステップS904)。レベルデータDbは、例えば、下限値(例えば0ビット)から上限値(例えば128ビット)までの範囲内の値で表されるデータである。具体的には、演算回路20は、撮像素子10のノイズレベルについてのデータ(ノイズデータ)と、位相差データPd73,Pd74とに基づいてレベルデータDbを生成する。
【0193】
次に、演算回路20は、得られたレベルデータDaから、位相差の大きな箇所を検出する(ステップS905)。さらに、演算回路20は、得られたレベルデータDbから、動体の有無を検出する(ステップS906)。最後に、演算回路20は、画像データIm,Il,Isと、位相差の有無と、動体の有無とから、HDR画像データIbを生成する(ステップS907)。このようにして、HDR画像データIbが生成される。
【0194】
本変形例では、画素アレイ部110は、全色の画像データに基づいて、色ごとに位相差データが得られるように構成されている。これにより、色ごとに、位相差の有無と、動体の有無とを判別することができる。
【0195】
[[変形例I]]
上記変形例Hでは、画素アレイ部110は、色ごとに二方向(右肩上がりの方向、右肩下がりの方向)の位相差データが得られるように構成されていた。しかし、上記変形例Hにおいて、画素アレイ部110は、色ごとに二方向(左右方向、上下方向)の位相差データが得られるように構成されていてもよい。
【0196】
図34は、本変形例に係る画素アレイ部110の構成例を表したものである。
図35は、
図34の画素アレイ部110の配線レイアウトの一例を表したものである。
図36は、
図34の画素アレイ部110で検出可能な位相差の方向の一例を表したものである。
【0197】
本変形例では、画素アレイ部110は、列方向に配列された2つの3色センサ画素群P2(以下、「3色センサ画素群P5」と称する。)から、色ごとに二方向の位相差データが得られるように構成されている。具体的には、画素アレイ部110は、3色センサ画素群P5から、色ごとに、左右方向および上下方向の位相差データが得られるように構成されている。このとき、各3色センサ画素群P5に含まれる一方の3色センサ画像群P2において、各単色センサ画素群P1は、上下方向の位相差データが得られるように構成されている。各3色センサ画素群P5に含まれる他方の3色センサ画像群P2において、各単色センサ画素群P1は、左右方向の位相差データが得られるように構成されている。
【0198】
具体的には、各3色センサ画素群P5に含まれる一方の3色センサ画像群P2の各単色センサ画素群P1において、露光時間が“中(Middle)”に設定される2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)は、例えば、
図34に示したように、左側に配置され、かつ上下方向に配列される。また、各3色センサ画素群P5に含まれる一方の3色センサ画像群P2の各単色センサ画素群P1において、露光時間が“短(Short)”に設定される1つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)が単色センサ画素群P1の右下に配置される。また、各3色センサ画素群P5に含まれる一方の3色センサ画像群P2の各単色センサ画素群P1において、露光時間が“長(Long)”に設定される1つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)が単色センサ画素群P1の右上に配置される。言い換えると、システム制御回路124は、各3色センサ画素群P5に含まれる一方の3色センサ画像群P2の各単色センサ画素群P1のうち、3つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が互いに異なるとともに、2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が互いに同じになるように、複数のセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間を制御する。
【0199】
各3色センサ画素群P5に含まれる他方の3色センサ画像群P2の各単色センサ画素群P1において、上段の2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が、
図34に示したように、“中(Middle)”に設定される。また、各3色センサ画素群P5に含まれる他方の3色センサ画像群P2の各単色センサ画素群P1において、右下のセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が、
図34に示したように、“短(Short)”に設定される。また、各3色センサ画素群P5に含まれる他方の3色センサ画像群P2の各単色センサ画素群P1において、左下のセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が、
図34に示したように、“長(Long)”に設定される。言い換えると、システム制御回路124は、各3色センサ画素群P5に含まれる他方の3色センサ画像群P2の各単色センサ画素群P1のうち、3つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が互いに異なるとともに、2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が互いに同じになるように、複数のセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間を制御する。
【0200】
このとき、画素アレイ部110は、各3色センサ画素群P5に含まれる一方の3色センサ画像群P2の各単色センサ画素群P1の上段に対応する箇所に、画素駆動線ctlMおよび画素駆動線ctlLを有している。また、画素アレイ部110は、各3色センサ画素群P5に含まれる一方の3色センサ画像群P2の各単色センサ画素群P1の下段に対応する箇所に、画素駆動線ctlMおよび画素駆動線ctlSを有している。また、画素アレイ部110は、各3色センサ画素群P5に含まれる他方の3色センサ画像群P2の各単色センサ画素群P1の上段に対応する箇所に、2本の画素駆動線ctlMを有している。また、画素アレイ部110は、各3色センサ画素群P5に含まれる他方の3色センサ画像群P2の各単色センサ画素群P1の下段に対応する箇所に、画素駆動線ctlLおよび画素駆動線ctlSを有している。
【0201】
本変形例では、画像データIaには、画素アレイ部110におけるX行×Y列のセンサ画素111に対応するX行×Y列の画素データSigが含まれる。X行×Y列の画素データSigのうち、各単色センサ画素群P1に対応する2行×2列の画素データSigには、露光時間が“中(Middle)”に設定された2つのセンサ画素111に対応する2つの画素データSig1と、露光時間が“短(Short)”に設定されたセンサ画素111に対応する1つの画素データSig2と、露光時間が“長(Long)”に設定されたセンサ画素111に対応する1つの画素データSig3とが含まれる。
【0202】
次に、本変形例における演算回路20について説明する。
【0203】
図37は、本変形例における演算回路20における信号処理手順の一例を表す。演算回路20は、撮像素子10で得られた画像データIaに基づいてHDR画像データIbを生成する。演算回路20は、まず、画像データIaを、露光時間ごとに分解する(ステップS1001)。具体的には、演算回路20は、画像データIaを、露光時間が“中(Middle)”のデータ(画像データIm)と、露光時間が“長(Long)”のデータ(画像データIl)と、露光時間が“短(Short)”のデータ(画像データIs)とに分解する。
【0204】
次に、演算回路20は、画像データImに基づいて位相差データPd81,Pd82を生成する(ステップS1002)。具体的には、演算回路20は、画像データImにおいて、各3色センサ画素群P5に含まれる一方の3色センサ画像群P2の各単色センサ画素群P1に対応する2つの画素データSig1の差分値を導出し、導出した差分値から、受光面110Aにおける第1方向(上下方向)の位相差データPd81を生成する。また、演算回路20は、画像データImにおいて、各3色センサ画素群P5に含まれる他方の3色センサ画像群P2の各単色センサ画素群P1の差分値を導出し、導出した差分値から、受光面110Aにおける第2方向(左右方向)の位相差データPd82を生成する。
【0205】
また、演算回路20は、画像データIl,Imに基づいて位相差データPd83を生成する(ステップS1002)。具体的には、演算回路20は、画像データIlと、画像データImに露光時間“長(Long)”と露光時間“中(Middle)”との露光時間比を乗算することにより得られた画像データIm’との差分値を導出し、導出した差分値から位相差データPd83を生成する。また、演算回路20は、画像データIm,Isに基づいて位相差データPd84を生成する(ステップS1002)。具体的には、演算回路20は、画像データImと、画像データIsに露光時間“中(Middle)”と露光時間“短(Short)”との露光時間比を乗算した画像データIs’との差分値を導出し、導出した差分値から位相差データPd84を生成する。
【0206】
次に、演算回路20は、位相差データPd81,Pd82に基づいて、位相差についてのレベルデータDaを生成する(ステップS1003)。レベルデータDaは、例えば、下限値(例えば0ビット)から上限値(例えば128ビット)までの範囲内の値で表されるデータである。演算回路20は、例えば、位相差データPd81,Pd82において、所定の範囲を下回る数値を下限値(例えば0ビット)に変換する。演算回路20は、例えば、位相差データPd81,Pd82において、所定の範囲を上回る数値を上限値(例えば128ビット)に変換する。演算回路20は、例えば、位相差データPd81,Pd82において、所定の範囲内にある数値を、その数値の大きさに応じた、1ビットから127ビットの範囲内の値に変換する。
【0207】
次に、演算回路20は、位相差データPd83,Pd84を動体についてのレベルデータDbに変換する(ステップS1004)。レベルデータDbは、例えば、下限値(例えば0ビット)から上限値(例えば128ビット)までの範囲内の値で表されるデータである。具体的には、演算回路20は、撮像素子10のノイズレベルについてのデータ(ノイズデータ)と、位相差データPd83,Pd84とに基づいてレベルデータDbを生成する。
【0208】
次に、演算回路20は、得られたレベルデータDaから、位相差の大きな箇所を検出する(ステップS1005)。さらに、演算回路20は、得られたレベルデータDbから、動体の有無を検出する(ステップS1006)。最後に、演算回路20は、画像データIm,Il,Isと、位相差の有無と、動体の有無とから、HDR画像データIbを生成する(ステップS1007)。このようにして、HDR画像データIbが生成される。
【0209】
本変形例では、画素アレイ部110は、全色の画像データに基づいて、色ごとに二方向(左右方向、上下方向)の位相差データが得られるように構成されている。これにより、色ごとに、二方向において、位相差の有無と、動体の有無とを判別することができる。
【0210】
[[変形例J]]
上記変形例H,Iでは、画素アレイ部110は、色ごとに二方向の位相差データが得られるように構成されていた。しかし、上記変形例H,Iにおいて、画素アレイ部110は、色ごとに三方向の位相差データが得られるように構成されていてもよい。
【0211】
図38は、本変形例に係る画素アレイ部110の構成例を表したものである。
図39は、
図38の画素アレイ部110の配線レイアウトの一例を表したものである。
図40は、
図38の画素アレイ部110で検出可能な位相差の方向の一例を表したものである。
【0212】
本変形例では、画素アレイ部110は、3色センサ画素群P3から、色ごとに三方向の位相差データが得られるように構成されている。具体的には、画素アレイ部110は、3色センサ画素群P3から、色ごとに、右肩下がりの方向、左右方向および上下方向の位相差データが得られるように構成されている。このとき、各3色センサ画素群P3に含まれる、左上の3色センサ画像群P2と、右下の3色センサ画像群P2とにおいて、各単色センサ画素群P1は、右肩下がりの方向の位相差データが得られるように構成されている。また、各3色センサ画素群P3に含まれる左下の3色センサ画像群P2において、各単色センサ画素群P1は、左右方向の位相差データが得られるように構成されている。また、各3色センサ画素群P3に含まれる右上の3色センサ画像群P2において、各単色センサ画素群P1は、上下方向の位相差データが得られるように構成されている。
【0213】
具体的には、各3色センサ画素群P3に含まれる左上の3色センサ画像群P2と、右下の3色センサ画像群P2とにおける各単色センサ画素群P1において、右肩下がりの方向に配列される2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が、
図38に示したように、“中(Middle)”に設定される。また、各3色センサ画素群P3に含まれる左上の3色センサ画像群P2と、右下の3色センサ画像群P2とにおける各単色センサ画素群P1において、右下のセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が、
図38に示したように、“短(Short)”に設定される。また、各3色センサ画素群P3に含まれる左上の3色センサ画像群P2と、右下の3色センサ画像群P2とにおける各単色センサ画素群P1において、左上のセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が、
図38に示したように、“長(Long)”に設定される。言い換えると、システム制御回路124は、各3色センサ画素群P3に含まれる左上の3色センサ画像群P2と、右下の3色センサ画像群P2とにおける各単色センサ画素群P1のうち、3つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が互いに異なるとともに、2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が互いに同じになるように、複数のセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間を制御する。
【0214】
また、各3色センサ画素群P3に含まれる左下の3色センサ画像群P2における各単色センサ画素群P1において、下段に左右方向に配列される2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が、
図38に示したように、“短(Short)”に設定される。また、各3色センサ画素群P3に含まれる左下の3色センサ画像群P2における各単色センサ画素群P1において、
図38に示したように、上段の一方のセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が“長(Long)”に設定され、上段の他方のセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が“中(Middle)”に設定される。なお、各3色センサ画素群P3に含まれる左下の3色センサ画像群P2における各単色センサ画素群P1において、上段に左右方向に配列される2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が、“短(Short)”に設定されてもよい。言い換えると、システム制御回路124は、各3色センサ画素群P3に含まれる左下の3色センサ画像群P2における各単色センサ画素群P1のうち、3つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が互いに異なるとともに、2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が互いに同じになるように、複数のセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間を制御する。
【0215】
また、各3色センサ画素群P3に含まれる右上の3色センサ画像群P2における各単色センサ画素群P1において、左側に上下方向に配列される2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が、
図38に示したように、“長(Long)”に設定される。また、各3色センサ画素群P3に含まれる右上の3色センサ画像群P2における各単色センサ画素群P1において、
図38に示したように、右側の一方のセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が“中(Middle)”に設定され、右側の他方のセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が“短(Short)”に設定される。なお、各3色センサ画素群P3に含まれる右上の3色センサ画像群P2における各単色センサ画素群P1において、右側に上下方向に配列される2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が、“長(Long)”に設定されてもよい。言い換えると、各3色センサ画素群P3に含まれる右上の3色センサ画像群P2における各単色センサ画素群P1のうち、3つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が互いに異なるとともに、2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が互いに同じになるように、複数のセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間を制御する。
【0216】
このとき、画素アレイ部110は、各3色センサ画素群P3に含まれる最上段および上から2段目の各単色センサ画素群P1において、上段に対応する箇所に、画素駆動線ctlLおよび画素駆動線ctlMを有している。また、画素アレイ部110は、各3色センサ画素群P3に含まれる最上段および上から2段目の各単色センサ画素群P1において、下段に対応する箇所に、画素駆動線ctlL、画素駆動線ctlMおよび画素駆動線ctlSを有している。また、画素アレイ部110は、各3色センサ画素群P3に含まれる上から3段目および最下段の各単色センサ画素群P1において、上段に対応する箇所に、画素駆動線ctlLおよび画素駆動線ctlMを有している。また、画素アレイ部110は、各3色センサ画素群P3に含まれる上から3段目および最下段の各単色センサ画素群P1において、下段に対応する箇所に、画素駆動線ctlSおよび画素駆動線ctlMを有している。
【0217】
本変形例では、画像データIaには、画素アレイ部110におけるX行×Y列のセンサ画素111に対応するX行×Y列の画素データSigが含まれる。X行×Y列の画素データSigのうち、左上および右下の3色センサ画素群P2に対応する2行×2列の画素データSigには、露光時間が“中(Middle)”に設定された2つのセンサ画素111に対応する2つの画素データSig1と、露光時間が“短(Short)”に設定されたセンサ画素111に対応する1つの画素データSig2と、露光時間が“長(Long)”に設定されたセンサ画素111に対応する1つの画素データSig3とが含まれる。また、X行×Y列の画素データSigのうち、左下の3色センサ画素群P2に対応する2行×2列の画素データSigには、露光時間が“短(Short)”に設定された2つのセンサ画素111に対応する2つの画素データSig2と、露光時間が“中(Middle)”に設定されたセンサ画素111に対応する1つの画素データSig1と、露光時間が“長(Long)”に設定されたセンサ画素111に対応する1つの画素データSig3とが含まれる。また、X行×Y列の画素データSigのうち、右上の3色センサ画素群P2に対応する2行×2列の画素データSigには、露光時間が“長(Long)”に設定された2つのセンサ画素111に対応する2つの画素データSig3と、露光時間が“中(Middle)”に設定されたセンサ画素111に対応する1つの画素データSig1と、露光時間が“短(Short)”に設定されたセンサ画素111に対応する1つの画素データSig2とが含まれる。
【0218】
次に、本変形例における演算回路20について説明する。
【0219】
図41は、本変形例における演算回路20における信号処理手順の一例を表す。演算回路20は、撮像素子10で得られた画像データIaに基づいてHDR画像データIbを生成する。演算回路20は、まず、画像データIaを、露光時間ごとに分解する(ステップS1101)。具体的には、演算回路20は、画像データIaを、露光時間が“中(Middle)”のデータ(画像データIm)と、露光時間が“長(Long)”のデータ(画像データIl)と、露光時間が“短(Short)”のデータ(画像データIs)とに分解する。
【0220】
次に、演算回路20は、画像データImに基づいて位相差データPd91,Pd92,Pd93を生成する(ステップS1102)。具体的には、演算回路20は、画像データImにおいて、各3色センサ画素群P3の左上および右下の3色センサ画素群P2に含まれる各単色センサ画素群P1に対応する2つの画素データSig1の差分値を導出し、導出した差分値から、受光面110Aにおける第1方向(右肩下がりの方向)の位相差データPd91を生成する。また、演算回路20は、画像データIsにおいて、各3色センサ画素群P3の左下の3色センサ画素群P2に含まれる各単色センサ画素群P1に対応する2つの画素データSig2の差分値を導出し、導出した差分値から、受光面110Aにおける第2方向(左右方向)の位相差データPd92を生成する。また、演算回路20は、画像データIlにおいて、各3色センサ画素群P3の右上の3色センサ画素群P2に含まれる各単色センサ画素群P1に対応する2つの画素データSig3の差分値を導出し、導出した差分値から、受光面110Aにおける第3方向(上下方向)の位相差データPd93を生成する。
【0221】
また、演算回路20は、画像データIl,Imに基づいて位相差データPd94を生成する(ステップS1102)。具体的には、演算回路20は、画像データIlと、画像データImに露光時間“長(Long)”と露光時間“中(Middle)”との露光時間比を乗算することにより得られた画像データIm’との差分値を導出し、導出した差分値から位相差データPd94を生成する。また、演算回路20は、画像データIm,Isに基づいて位相差データPd95を生成する(ステップS1102)。具体的には、演算回路20は、画像データImと、画像データIsに露光時間“中(Middle)”と露光時間“短(Short)”との露光時間比を乗算した画像データIs’との差分値を導出し、導出した差分値から位相差データPd95を生成する。
【0222】
次に、演算回路20は、位相差データPd91,Pd92,Pd93に基づいて、位相差についてのレベルデータDaを生成する(ステップS1103)。レベルデータDaは、例えば、下限値(例えば0ビット)から上限値(例えば128ビット)までの範囲内の値で表されるデータである。演算回路20は、例えば、位相差データPd91,Pd92,Pd93において、所定の範囲を下回る数値を下限値(例えば0ビット)に変換する。演算回路20は、例えば、位相差データPd91,Pd92,Pd93において、所定の範囲を上回る数値を上限値(例えば128ビット)に変換する。演算回路20は、例えば、位相差データPd91,Pd92,Pd93において、所定の範囲内にある数値を、その数値の大きさに応じた、1ビットから127ビットの範囲内の値に変換する。
【0223】
次に、演算回路20は、位相差データPd94,Pd95を動体についてのレベルデータDbに変換する(ステップS1104)。レベルデータDbは、例えば、下限値(例えば0ビット)から上限値(例えば128ビット)までの範囲内の値で表されるデータである。具体的には、演算回路20は、撮像素子10のノイズレベルについてのデータ(ノイズデータ)と、位相差データPd94,Pd95とに基づいてレベルデータDbを生成する。
【0224】
次に、演算回路20は、得られたレベルデータDaから、位相差の大きな箇所を検出する(ステップS1105)。さらに、演算回路20は、得られたレベルデータDbから、動体の有無を検出する(ステップS1106)。最後に、演算回路20は、画像データIm,Il,Isと、位相差の有無と、動体の有無とから、HDR画像データIbを生成する(ステップS1107)。このようにして、HDR画像データIbが生成される。
【0225】
本変形例では、画素アレイ部110は、色ごとに三方向の位相差データが得られるように構成されている。これにより、色ごとに三方向において、位相差の有無と、動体の有無とを判別することができる。
【0226】
[[変形例K]]
上記変形例A,B,C,D,Eでは、画素アレイ部110は、単色の画像データに基づいて位相差データが得られるように構成されていた。しかし、上記実施の形態において、画素アレイ部110は、全色の画像データに基づいて、色ごとに位相差データが得られるように構成されていてもよい。
【0227】
図42は、本変形例に係る画素アレイ部110の構成例を表したものである。
図43は、
図42の画素アレイ部110の配線レイアウトの一例を表したものである。
図44は、
図42の画素アレイ部110で検出可能な位相差の方向の一例を表したものである。
【0228】
本変形例では、画素アレイ部110は、3色センサ画素群P3から、色ごとに二方向の位相差データが得られるように構成されている。具体的には、画素アレイ部110は、3色センサ画素群P3から、色ごとに、右肩上がりの方向および右肩下がりの方向の位相差データが得られるように構成されている。このとき、各3色センサ画素群P3に含まれる、左上の3色センサ画像群P2と、右下の3色センサ画像群P2とにおいて、各単色センサ画素群P1は、上記実施の形態に係る単色センサ画素群P1と同様の構成となっている。また、各3色センサ画素群P3に含まれる左下の3色センサ画像群P2において、各単色センサ画素群P1は、右肩上がりの方向および右肩下がりの方向の位相差データが得られるように構成されている。また、各3色センサ画素群P3に含まれる右上の3色センサ画像群P2において、各単色センサ画素群P1は、右肩上がりの方向および右肩下がりの方向の位相差データが得られるように構成されている。
【0229】
具体的には、各3色センサ画素群P3に含まれる左上の3色センサ画像群P2と、右下の3色センサ画像群P2とにおける各単色センサ画素群P1において、右肩上がりの方向に配列される2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が、
図42に示したように、“中(Middle)”に設定される。また、各3色センサ画素群P3に含まれる左上の3色センサ画像群P2と、右下の3色センサ画像群P2とにおける各単色センサ画素群P1において、右下のセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が、
図42に示したように、“短(Short)”に設定される。また、各3色センサ画素群P3に含まれる左上の3色センサ画像群P2と、右下の3色センサ画像群P2とにおける各単色センサ画素群P1において、左上のセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が、
図42に示したように、“長(Long)”に設定される。
【0230】
また、各3色センサ画素群P3に含まれる左下の3色センサ画像群P2における各単色センサ画素群P1において、右肩上がりの方向に配列される2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が、
図42に示したように、“中(Middle)”に設定される。また、各3色センサ画素群P3に含まれる左下の3色センサ画像群P2における各単色センサ画素群P1において、右肩下がりの方向に配列される2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が、
図42に示したように、“短(Short)”に設定される。言い換えると、各3色センサ画素群P3に含まれる左下の3色センサ画像群P2における各単色センサ画素群P1のうち、2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が互いに異なるとともに、2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が互いに同じになるように、複数のセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間を制御する。
【0231】
また、各3色センサ画素群P3に含まれる右上の3色センサ画像群P2における各単色センサ画素群P1において、右肩上がりの方向に配列される2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が、
図42に示したように、“中(Middle)”に設定される。また、各3色センサ画素群P3に含まれる右上の3色センサ画像群P2における各単色センサ画素群P1において、右肩下がりの方向に配列される2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が、
図42に示したように、“長(Long)”に設定される。言い換えると、各3色センサ画素群P3に含まれる右上の3色センサ画像群P2における各単色センサ画素群P1のうち、2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が互いに異なるとともに、2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が互いに同じになるように、複数のセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間を制御する。
【0232】
このとき、画素アレイ部110は、各3色センサ画素群P3に含まれる最上段および上から2段目の各単色センサ画素群P1において、上段に対応する箇所に、画素駆動線ctlLおよび画素駆動線ctlMを有している。また、画素アレイ部110は、各3色センサ画素群P3に含まれる最上段および上から2段目の各単色センサ画素群P1において、下段に対応する箇所に、画素駆動線ctlL、画素駆動線ctlMおよび画素駆動線ctlSを有している。また、画素アレイ部110は、各3色センサ画素群P3に含まれる上から3段目および最下段の各単色センサ画素群P1において、上段に対応する箇所に、画素駆動線ctlL、画素駆動線ctlMおよび画素駆動線ctlSを有している。また、画素アレイ部110は、各3色センサ画素群P3に含まれる上から3段目および最下段の各単色センサ画素群P1において、下段に対応する箇所に、画素駆動線ctlSおよび画素駆動線ctlMを有している。
【0233】
本変形例では、画像データIaには、画素アレイ部110におけるX行×Y列のセンサ画素111に対応するX行×Y列の画素データSigが含まれる。X行×Y列の画素データSigのうち、左上および右下の3色センサ画素群P2に対応する2行×2列の画素データSigには、露光時間が“中(Middle)”に設定された2つのセンサ画素111に対応する2つの画素データSig1と、露光時間が“短(Short)”に設定されたセンサ画素111に対応する1つの画素データSig2と、露光時間が“長(Long)”に設定されたセンサ画素111に対応する1つの画素データSig3とが含まれる。また、X行×Y列の画素データSigのうち、左下の3色センサ画素群P2に対応する2行×2列の画素データSigには、露光時間が“短(Short)”に設定された2つのセンサ画素111に対応する2つの画素データSig2と、露光時間が“中(Middle)”に設定された2つのセンサ画素111に対応する2つの画素データSig1とが含まれる。また、X行×Y列の画素データSigのうち、右上の3色センサ画素群P2に対応する2行×2列の画素データSigには、露光時間が“長(Long)”に設定された2つのセンサ画素111に対応する2つの画素データSig3と、露光時間が“中(Middle)”に設定された2つのセンサ画素111に対応する2つの画素データSig1とが含まれる。
【0234】
次に、本変形例における演算回路20について説明する。
【0235】
図45は、本変形例における演算回路20における信号処理手順の一例を表す。演算回路20は、撮像素子10で得られた画像データIaに基づいてHDR画像データIbを生成する。演算回路20は、まず、画像データIaを、露光時間ごとに分解する(ステップS1201)。具体的には、演算回路20は、画像データIaを、露光時間が“中(Middle)”のデータ(画像データIm)と、露光時間が“長(Long)”のデータ(画像データIl)と、露光時間が“短(Short)”のデータ(画像データIs)とに分解する。
【0236】
次に、演算回路20は、画像データImに基づいて位相差データPd101,Pd102,Pd103を生成する(ステップS1202)。具体的には、演算回路20は、画像データImにおいて、各3色センサ画素群P3の左下および右上の3色センサ画素群P2に含まれる各単色センサ画素群P1に対応する2つの画素データSig1の差分値を導出し、導出した差分値から、受光面110Aにおける第1方向(右肩上がりの方向)の位相差データPd101を生成する。また、演算回路20は、画像データIsにおいて、各3色センサ画素群P3の左下の3色センサ画素群P2に含まれる各単色センサ画素群P1に対応する2つの画素データSig2の差分値を導出し、導出した差分値から、受光面110Aにおける第2方向(右肩下がりの方向)の位相差データPd102を生成する。また、演算回路20は、画像データIlにおいて、各3色センサ画素群P3の右上の3色センサ画素群P2に含まれる各単色センサ画素群P1に対応する2つの画素データSig3の差分値を導出し、導出した差分値から、受光面110Aにおける第1方向(右肩上がりの方向)の位相差データPd103を生成する。
【0237】
また、演算回路20は、画像データIl,Imに基づいて位相差データPd104を生成する(ステップS1202)。具体的には、演算回路20は、画像データIlと、画像データImに露光時間“長(Long)”と露光時間“中(Middle)”との露光時間比を乗算することにより得られた画像データIm’との差分値を導出し、導出した差分値から位相差データPd104を生成する。また、演算回路20は、画像データIm,Isに基づいて位相差データPd105を生成する(ステップS1202)。具体的には、演算回路20は、画像データImと、画像データIsに露光時間“中(Middle)”と露光時間“短(Short)”との露光時間比を乗算した画像データIs’との差分値を導出し、導出した差分値から位相差データPd105を生成する。
【0238】
次に、演算回路20は、位相差データPd101,Pd102,Pd103に基づいて、位相差についてのレベルデータDaを生成する(ステップS1203)。レベルデータDaは、例えば、下限値(例えば0ビット)から上限値(例えば128ビット)までの範囲内の値で表されるデータである。演算回路20は、例えば、位相差データPd101,Pd102,Pd103において、所定の範囲を下回る数値を下限値(例えば0ビット)に変換する。演算回路20は、例えば、位相差データPd101,Pd102,Pd103において、所定の範囲を上回る数値を上限値(例えば128ビット)に変換する。演算回路20は、例えば、位相差データPd101,Pd102,Pd103において、所定の範囲内にある数値を、その数値の大きさに応じた、1ビットから127ビットの範囲内の値に変換する。
【0239】
次に、演算回路20は、位相差データPd104,Pd105を動体についてのレベルデータDbに変換する(ステップS1204)。レベルデータDbは、例えば、下限値(例えば0ビット)から上限値(例えば128ビット)までの範囲内の値で表されるデータである。具体的には、演算回路20は、撮像素子10のノイズレベルについてのデータ(ノイズデータ)と、位相差データPd104,Pd105とに基づいてレベルデータDbを生成する。
【0240】
次に、演算回路20は、得られたレベルデータDaから、位相差の大きな箇所を検出する(ステップS1205)。さらに、演算回路20は、得られたレベルデータDbから、動体の有無を検出する(ステップS1206)。最後に、演算回路20は、画像データIm,Il,Isと、位相差の有無と、動体の有無とから、HDR画像データIbを生成する(ステップS1207)。このようにして、HDR画像データIbが生成される。
【0241】
本変形例では、画素アレイ部110は、色ごとに二方向の位相差データが得られるように構成されている。これにより、色ごとに二方向において、位相差の有無と、動体の有無とを判別することができる。
【0242】
[[変形例L]]
上記変形例Kでは、画素アレイ部110は、単全色の画像データに基づいて、色ごとに二方向(右肩上がりの方向、右肩下がりの方向)の位相差データが得られるように構成されていた。しかし、上記変形例Kにおいて、画素アレイ部110は、単全色の画像データに基づいて、色ごとに二方向(左右方向、上下方向)の位相差データが得られるように構成されていてもよい。
【0243】
図46は、本変形例に係る画素アレイ部110の構成例を表したものである。
図47は、
図46の画素アレイ部110の配線レイアウトの一例を表したものである。
図48は、
図46の画素アレイ部110で検出可能な位相差の方向の一例を表したものである。
【0244】
本変形例では、画素アレイ部110は、3色センサ画素群P3から、色ごとに二方向の位相差データが得られるように構成されている。具体的には、画素アレイ部110は、3色センサ画素群P3から、色ごとに、左右方向および上下方向の位相差データが得られるように構成されている。このとき、各3色センサ画素群P3に含まれる、左上の3色センサ画像群P2と、右下の3色センサ画像群P2とにおいて、各単色センサ画素群P1は、上記実施の形態に係る単色センサ画素群P1と同様の構成となっている。また、各3色センサ画素群P3に含まれる左下の3色センサ画像群P2において、各単色センサ画素群P1は、左右方向の位相差データが得られるように構成されている。また、各3色センサ画素群P3に含まれる右上の3色センサ画像群P2において、各単色センサ画素群P1は、上下方向の位相差データが得られるように構成されている。
【0245】
具体的には、各3色センサ画素群P3に含まれる左上の3色センサ画像群P2と、右下の3色センサ画像群P2とにおける各単色センサ画素群P1において、右肩上がりの方向に配列される2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が、
図46に示したように、“中(Middle)”に設定される。また、各3色センサ画素群P3に含まれる左上の3色センサ画像群P2と、右下の3色センサ画像群P2とにおける各単色センサ画素群P1において、右下のセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が、
図46に示したように、“短(Short)”に設定される。また、各3色センサ画素群P3に含まれる左上の3色センサ画像群P2と、右下の3色センサ画像群P2とにおける各単色センサ画素群P1において、左上のセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が、
図46に示したように、“長(Long)”に設定される。
【0246】
また、各3色センサ画素群P3に含まれる左下の3色センサ画像群P2における各単色センサ画素群P1において、上段で左右方向に配列される2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が、
図46に示したように、“短(Short)”に設定される。また、各3色センサ画素群P3に含まれる左下の3色センサ画像群P2における各単色センサ画素群P1において、下段で左右方向に配列される2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が、
図46に示したように、“中(Middle)”に設定される。言い換えると、各3色センサ画素群P3に含まれる左下の3色センサ画像群P2における各単色センサ画素群P1のうち、2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が互いに異なるとともに、2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が互いに同じになるように、複数のセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間を制御する。
【0247】
なお、各3色センサ画素群P3に含まれる左下の3色センサ画像群P2における各単色センサ画素群P1において、上段で左右方向に配列される2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が、“中(Middle)”に設定されてもよい。また、各3色センサ画素群P3に含まれる左下の3色センサ画像群P2における各単色センサ画素群P1において、下段で左右方向に配列される2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が、“短(Short)”に設定されてもよい。
【0248】
また、各3色センサ画素群P3に含まれる右上の3色センサ画像群P2における各単色センサ画素群P1において、左側で上下方向に配列される2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が、
図46に示したように、“長(Long)”に設定される。また、各3色センサ画素群P3に含まれる右上の3色センサ画像群P2における各単色センサ画素群P1において、右側で上下方向に配列される2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が、
図42に示したように、“中(Middle)”に設定される。言い換えると、各3色センサ画素群P3に含まれる右上の3色センサ画像群P2における各単色センサ画素群P1のうち、2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が互いに異なるとともに、2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が互いに同じになるように、複数のセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間を制御する。
【0249】
なお、各3色センサ画素群P3に含まれる右上の3色センサ画像群P2における各単色センサ画素群P1において、左側で上下方向に配列される2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が、“中(Middle)”に設定されてもよい。また、各3色センサ画素群P3に含まれる右上の3色センサ画像群P2における各単色センサ画素群P1において、右側で上下方向に配列される2つのセンサ画素111(フォトダイオードPD)の露光時間が、“長(Long)”に設定されてもよい。
【0250】
このとき、画素アレイ部110は、各3色センサ画素群P3に含まれる最上段および上から2段目の各単色センサ画素群P1において、上段に対応する箇所に、画素駆動線ctlLおよび画素駆動線ctlMを有している。また、画素アレイ部110は、各3色センサ画素群P3に含まれる最上段および上から2段目の各単色センサ画素群P1において、下段に対応する箇所に、画素駆動線ctlL、画素駆動線ctlMおよび画素駆動線ctlSを有している。また、画素アレイ部110は、各3色センサ画素群P3に含まれる上から3段目および最下段の各単色センサ画素群P1において、上段に対応する箇所に、画素駆動線ctlL、画素駆動線ctlMおよび画素駆動線ctlSを有している。また、画素アレイ部110は、各3色センサ画素群P3に含まれる上から3段目および最下段の各単色センサ画素群P1において、下段に対応する箇所に、画素駆動線ctlSおよび画素駆動線ctlMを有している。
【0251】
本変形例では、画像データIaには、画素アレイ部110におけるX行×Y列のセンサ画素111に対応するX行×Y列の画素データSigが含まれる。X行×Y列の画素データSigのうち、左上および右下の3色センサ画素群P2に対応する2行×2列の画素データSigには、露光時間が“中(Middle)”に設定された2つのセンサ画素111に対応する2つの画素データSig1と、露光時間が“短(Short)”に設定されたセンサ画素111に対応する1つの画素データSig2と、露光時間が“長(Long)”に設定されたセンサ画素111に対応する1つの画素データSig3とが含まれる。また、X行×Y列の画素データSigのうち、左下の3色センサ画素群P2に対応する2行×2列の画素データSigには、露光時間が“短(Short)”に設定された2つのセンサ画素111に対応する2つの画素データSig2と、露光時間が“中(Middle)”に設定された2つのセンサ画素111に対応する2つの画素データSig1とが含まれる。また、X行×Y列の画素データSigのうち、右上の3色センサ画素群P2に対応する2行×2列の画素データSigには、露光時間が“長(Long)”に設定された2つのセンサ画素111に対応する2つの画素データSig3と、露光時間が“中(Middle)”に設定された2つのセンサ画素111に対応する2つの画素データSig1とが含まれる。
【0252】
次に、本変形例における演算回路20について説明する。
【0253】
図49は、本変形例における演算回路20における信号処理手順の一例を表す。演算回路20は、撮像素子10で得られた画像データIaに基づいてHDR画像データIbを生成する。演算回路20は、まず、画像データIaを、露光時間ごとに分解する(ステップS1301)。具体的には、演算回路20は、画像データIaを、露光時間が“中(Middle)”のデータ(画像データIm)と、露光時間が“長(Long)”のデータ(画像データIl)と、露光時間が“短(Short)”のデータ(画像データIs)とに分解する。
【0254】
次に、演算回路20は、画像データImに基づいて位相差データPd111,Pd112,Pd113,Pd114を生成する(ステップS1302)。具体的には、演算回路20は、画像データImにおいて、各3色センサ画素群P3の左下の3色センサ画素群P2に含まれる各単色センサ画素群P1に対応する2つの画素データSig1の差分値を導出し、導出した差分値から、受光面110Aにおける第1方向(左右方向)の位相差データPd111を生成する。また、演算回路20は、画像データImにおいて、各3色センサ画素群P3の右上の3色センサ画素群P2に含まれる各単色センサ画素群P1に対応する2つの画素データSig1の差分値を導出し、導出した差分値から、受光面110Aにおける第2方向(上下方向)の位相差データPd112を生成する。また、演算回路20は、画像データIsにおいて、各3色センサ画素群P3の左下の3色センサ画素群P2に含まれる各単色センサ画素群P1に対応する2つの画素データSig2の差分値を導出し、導出した差分値から、受光面110Aにおける第1方向(左右方向)の位相差データPd113を生成する。また、演算回路20は、画像データIlにおいて、各3色センサ画素群P3の右上の3色センサ画素群P2に含まれる各単色センサ画素群P1に対応する2つの画素データSig3の差分値を導出し、導出した差分値から、受光面110Aにおける第2方向(上下方向)の位相差データPd114を生成する。
【0255】
また、演算回路20は、画像データIl,Imに基づいて位相差データPd115を生成する(ステップS1302)。具体的には、演算回路20は、画像データIlと、画像データImに露光時間“長(Long)”と露光時間“中(Middle)”との露光時間比を乗算することにより得られた画像データIm’との差分値を導出し、導出した差分値から位相差データPd115を生成する。また、演算回路20は、画像データIm,Isに基づいて位相差データPd116を生成する(ステップS1302)。具体的には、演算回路20は、画像データImと、画像データIsに露光時間“中(Middle)”と露光時間“短(Short)”との露光時間比を乗算した画像データIs’との差分値を導出し、導出した差分値から位相差データPd116を生成する。
【0256】
次に、演算回路20は、位相差データPd111,Pd112,Pd113,Pd114に基づいて、位相差についてのレベルデータDaを生成する(ステップS1303)。レベルデータDaは、例えば、下限値(例えば0ビット)から上限値(例えば128ビット)までの範囲内の値で表されるデータである。演算回路20は、例えば、位相差データPd111,Pd112,Pd113,Pd114において、所定の範囲を下回る数値を下限値(例えば0ビット)に変換する。演算回路20は、例えば、位相差データPd111,Pd112,Pd113,Pd114において、所定の範囲を上回る数値を上限値(例えば128ビット)に変換する。演算回路20は、例えば、位相差データPd111,Pd112,Pd113,Pd114において、所定の範囲内にある数値を、その数値の大きさに応じた、1ビットから127ビットの範囲内の値に変換する。
【0257】
次に、演算回路20は、位相差データPd115,Pd116を動体についてのレベルデータDbに変換する(ステップS1304)。レベルデータDbは、例えば、下限値(例えば0ビット)から上限値(例えば128ビット)までの範囲内の値で表されるデータである。具体的には、演算回路20は、撮像素子10のノイズレベルについてのデータ(ノイズデータ)と、位相差データPd115,Pd116とに基づいてレベルデータDbを生成する。
【0258】
次に、演算回路20は、得られたレベルデータDaから、位相差の大きな箇所を検出する(ステップS1305)。さらに、演算回路20は、得られたレベルデータDbから、動体の有無を検出する(ステップS1306)。最後に、演算回路20は、画像データIm,Il,Isと、位相差の有無と、動体の有無とから、HDR画像データIbを生成する(ステップS1307)。このようにして、HDR画像データIbが生成される。
【0259】
本変形例では、画素アレイ部110は、色ごとに二方向の位相差データが得られるように構成されている。これにより、色ごとに二方向において、位相差の有無と、動体の有無とを判別することができる。
【0260】
<3.応用例>
[応用例1]
本開示に係る技術(本技術)は、様々な製品へ応用することができる。例えば、本開示に係る技術は、自動車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、自動二輪車、自転車、パーソナルモビリティ、飛行機、ドローン、船舶、ロボット等のいずれかの種類の移動体に搭載される装置として実現されてもよい。
【0261】
図50は、本開示に係る技術が適用され得る移動体制御システムの一例である車両制御システムの概略的な構成例を示すブロック図である。
【0262】
車両制御システム12000は、通信ネットワーク12001を介して接続された複数の電子制御ユニットを備える。
図50に示した例では、車両制御システム12000は、駆動系制御ユニット12010、ボディ系制御ユニット12020、車外情報検出ユニット12030、車内情報検出ユニット12040、及び統合制御ユニット12050を備える。また、統合制御ユニット12050の機能構成として、マイクロコンピュータ12051、音声画像出力部12052、及び車載ネットワークI/F(interface)12053が図示されている。
【0263】
駆動系制御ユニット12010は、各種プログラムにしたがって車両の駆動系に関連する装置の動作を制御する。例えば、駆動系制御ユニット12010は、内燃機関又は駆動用モータ等の車両の駆動力を発生させるための駆動力発生装置、駆動力を車輪に伝達するための駆動力伝達機構、車両の舵角を調節するステアリング機構、及び、車両の制動力を発生させる制動装置等の制御装置として機能する。
【0264】
ボディ系制御ユニット12020は、各種プログラムにしたがって車体に装備された各種装置の動作を制御する。例えば、ボディ系制御ユニット12020は、キーレスエントリシステム、スマートキーシステム、パワーウィンドウ装置、あるいは、ヘッドランプ、バックランプ、ブレーキランプ、ウィンカー又はフォグランプ等の各種ランプの制御装置として機能する。この場合、ボディ系制御ユニット12020には、鍵を代替する携帯機から発信される電波又は各種スイッチの信号が入力され得る。ボディ系制御ユニット12020は、これらの電波又は信号の入力を受け付け、車両のドアロック装置、パワーウィンドウ装置、ランプ等を制御する。
【0265】
車外情報検出ユニット12030は、車両制御システム12000を搭載した車両の外部の情報を検出する。例えば、車外情報検出ユニット12030には、撮像部12031が接続される。車外情報検出ユニット12030は、撮像部12031に車外の画像を撮像させるとともに、撮像された画像を受信する。車外情報検出ユニット12030は、受信した画像に基づいて、人、車、障害物、標識又は路面上の文字等の物体検出処理又は距離検出処理を行ってもよい。
【0266】
撮像部12031は、光を受光し、その光の受光量に応じた電気信号を出力する光センサである。撮像部12031は、電気信号を画像として出力することもできるし、測距の情報として出力することもできる。また、撮像部12031が受光する光は、可視光であっても良いし、赤外線等の非可視光であっても良い。
【0267】
車内情報検出ユニット12040は、車内の情報を検出する。車内情報検出ユニット12040には、例えば、運転者の状態を検出する運転者状態検出部12041が接続される。運転者状態検出部12041は、例えば運転者を撮像するカメラを含み、車内情報検出ユニット12040は、運転者状態検出部12041から入力される検出情報に基づいて、運転者の疲労度合い又は集中度合いを算出してもよいし、運転者が居眠りをしていないかを判別してもよい。
【0268】
マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030又は車内情報検出ユニット12040で取得される車内外の情報に基づいて、駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置の制御目標値を演算し、駆動系制御ユニット12010に対して制御指令を出力することができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車両の衝突回避あるいは衝撃緩和、車間距離に基づく追従走行、車速維持走行、車両の衝突警告、又は車両のレーン逸脱警告等を含むADAS(Advanced Driver Assistance System)の機能実現を目的とした協調制御を行うことができる。
【0269】
また、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030又は車内情報検出ユニット12040で取得される車両の周囲の情報に基づいて駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置等を制御することにより、運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行うことができる。
【0270】
また、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030で取得される車外の情報に基づいて、ボディ系制御ユニット12020に対して制御指令を出力することができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030で検知した先行車又は対向車の位置に応じてヘッドランプを制御し、ハイビームをロービームに切り替える等の防眩を図ることを目的とした協調制御を行うことができる。
【0271】
音声画像出力部12052は、車両の搭乗者又は車外に対して、視覚的又は聴覚的に情報を通知することが可能な出力装置へ音声及び画像のうちの少なくとも一方の出力信号を送信する。
図50の例では、出力装置として、オーディオスピーカ12061、表示部12062及びインストルメントパネル12063が例示されている。表示部12062は、例えば、オンボードディスプレイ及びヘッドアップディスプレイの少なくとも一つを含んでいてもよい。
【0272】
図51は、撮像部12031の設置位置の例を示す図である。
【0273】
図51では、車両12100は、撮像部12031として、撮像部12101,12102,12103,12104,12105を有する。
【0274】
撮像部12101,12102,12103,12104,12105は、例えば、車両12100のフロントノーズ、サイドミラー、リアバンパ、バックドア及び車室内のフロントガラスの上部等の位置に設けられる。フロントノーズに備えられる撮像部12101及び車室内のフロントガラスの上部に備えられる撮像部12105は、主として車両12100の前方の画像を取得する。サイドミラーに備えられる撮像部12102,12103は、主として車両12100の側方の画像を取得する。リアバンパ又はバックドアに備えられる撮像部12104は、主として車両12100の後方の画像を取得する。撮像部12101及び12105で取得される前方の画像は、主として先行車両又は、歩行者、障害物、信号機、交通標識又は車線等の検出に用いられる。
【0275】
なお、
図51には、撮像部12101ないし12104の撮影範囲の一例が示されている。撮像範囲12111は、フロントノーズに設けられた撮像部12101の撮像範囲を示し、撮像範囲12112,12113は、それぞれサイドミラーに設けられた撮像部12102,12103の撮像範囲を示し、撮像範囲12114は、リアバンパ又はバックドアに設けられた撮像部12104の撮像範囲を示す。例えば、撮像部12101ないし12104で撮像された画像データが重ね合わせられることにより、車両12100を上方から見た俯瞰画像が得られる。
【0276】
撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、距離情報を取得する機能を有していてもよい。例えば、撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、複数の撮像素子からなるステレオカメラであってもよいし、位相差検出用の画素を有する撮像素子であってもよい。
【0277】
例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104から得られた距離情報を基に、撮像範囲12111ないし12114内における各立体物までの距離と、この距離の時間的変化(車両12100に対する相対速度)を求めることにより、特に車両12100の進行路上にある最も近い立体物で、車両12100と略同じ方向に所定の速度(例えば、0km/h以上)で走行する立体物を先行車として抽出することができる。さらに、マイクロコンピュータ12051は、先行車の手前に予め確保すべき車間距離を設定し、自動ブレーキ制御(追従停止制御も含む)や自動加速制御(追従発進制御も含む)等を行うことができる。このように運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行うことができる。
【0278】
例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104から得られた距離情報を元に、立体物に関する立体物データを、2輪車、普通車両、大型車両、歩行者、電柱等その他の立体物に分類して抽出し、障害物の自動回避に用いることができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車両12100の周辺の障害物を、車両12100のドライバが視認可能な障害物と視認困難な障害物とに識別する。そして、マイクロコンピュータ12051は、各障害物との衝突の危険度を示す衝突リスクを判断し、衝突リスクが設定値以上で衝突可能性がある状況であるときには、オーディオスピーカ12061や表示部12062を介してドライバに警報を出力することや、駆動系制御ユニット12010を介して強制減速や回避操舵を行うことで、衝突回避のための運転支援を行うことができる。
【0279】
撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、赤外線を検出する赤外線カメラであってもよい。例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104の撮像画像中に歩行者が存在するか否かを判定することで歩行者を認識することができる。かかる歩行者の認識は、例えば赤外線カメラとしての撮像部12101ないし12104の撮像画像における特徴点を抽出する手順と、物体の輪郭を示す一連の特徴点にパターンマッチング処理を行って歩行者か否かを判別する手順によって行われる。マイクロコンピュータ12051が、撮像部12101ないし12104の撮像画像中に歩行者が存在すると判定し、歩行者を認識すると、音声画像出力部12052は、当該認識された歩行者に強調のための方形輪郭線を重畳表示するように、表示部12062を制御する。また、音声画像出力部12052は、歩行者を示すアイコン等を所望の位置に表示するように表示部12062を制御してもよい。
【0280】
以上、本開示に係る技術が適用され得る移動体制御システムの一例について説明した。本開示に係る技術は、以上説明した構成のうち、撮像部12031に適用され得る。具体的には、上記実施の形態およびその変形例に係る撮像素子1は、撮像部12031に適用することができる。撮像部12031に本開示に係る技術を適用することにより、ノイズの少ない高精細な撮影画像を得ることができるので、移動体制御システムにおいて撮影画像を利用した高精度な制御を行うことができる。
【0281】
[応用例2]
図52は、本開示に係る技術(本技術)が適用され得る内視鏡手術システムの概略的な構成の一例を示す図である。
【0282】
図52では、術者(医師)11131が、内視鏡手術システム11000を用いて、患者ベッド11133上の患者11132に手術を行っている様子が図示されている。図示するように、内視鏡手術システム11000は、内視鏡11100と、気腹チューブ11111やエネルギー処置具11112等の、その他の術具11110と、内視鏡11100を支持する支持アーム装置11120と、内視鏡下手術のための各種の装置が搭載されたカート11200と、から構成される。
【0283】
内視鏡11100は、先端から所定の長さの領域が患者11132の体腔内に挿入される鏡筒11101と、鏡筒11101の基端に接続されるカメラヘッド11102と、から構成される。図示する例では、硬性の鏡筒11101を有するいわゆる硬性鏡として構成される内視鏡11100を図示しているが、内視鏡11100は、軟性の鏡筒を有するいわゆる軟性鏡として構成されてもよい。
【0284】
鏡筒11101の先端には、対物レンズが嵌め込まれた開口部が設けられている。内視鏡11100には光源装置11203が接続されており、当該光源装置11203によって生成された光が、鏡筒11101の内部に延設されるライトガイドによって当該鏡筒の先端まで導光され、対物レンズを介して患者11132の体腔内の観察対象に向かって照射される。なお、内視鏡11100は、直視鏡であってもよいし、斜視鏡又は側視鏡であってもよい。
【0285】
カメラヘッド11102の内部には光学系及び撮像素子が設けられており、観察対象からの反射光(観察光)は当該光学系によって当該撮像素子に集光される。当該撮像素子によって観察光が光電変換され、観察光に対応する電気信号、すなわち観察像に対応する画像信号が生成される。当該画像信号は、RAWデータとしてカメラコントロールユニット(CCU: Camera Control Unit)11201に送信される。
【0286】
CCU11201は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等によって構成され、内視鏡11100及び表示装置11202の動作を統括的に制御する。さらに、CCU11201は、カメラヘッド11102から画像信号を受け取り、その画像信号に対して、例えば現像処理(デモザイク処理)等の、当該画像信号に基づく画像を表示するための各種の画像処理を施す。
【0287】
表示装置11202は、CCU11201からの制御により、当該CCU11201によって画像処理が施された画像信号に基づく画像を表示する。
【0288】
光源装置11203は、例えばLED(Light Emitting Diode)等の光源から構成され、術部等を撮影する際の照射光を内視鏡11100に供給する。
【0289】
入力装置11204は、内視鏡手術システム11000に対する入力インタフェースである。ユーザは、入力装置11204を介して、内視鏡手術システム11000に対して各種の情報の入力や指示入力を行うことができる。例えば、ユーザは、内視鏡11100による撮像条件(照射光の種類、倍率及び焦点距離等)を変更する旨の指示等を入力する。
【0290】
処置具制御装置11205は、組織の焼灼、切開又は血管の封止等のためのエネルギー処置具11112の駆動を制御する。気腹装置11206は、内視鏡11100による視野の確保及び術者の作業空間の確保の目的で、患者11132の体腔を膨らめるために、気腹チューブ11111を介して当該体腔内にガスを送り込む。レコーダ11207は、手術に関する各種の情報を記録可能な装置である。プリンタ11208は、手術に関する各種の情報を、テキスト、画像又はグラフ等各種の形式で印刷可能な装置である。
【0291】
なお、内視鏡11100に術部を撮影する際の照射光を供給する光源装置11203は、例えばLED、レーザ光源又はこれらの組み合わせによって構成される白色光源から構成することができる。RGBレーザ光源の組み合わせにより白色光源が構成される場合には、各色(各波長)の出力強度及び出力タイミングを高精度に制御することができるため、光源装置11203において撮像画像のホワイトバランスの調整を行うことができる。また、この場合には、RGBレーザ光源それぞれからのレーザ光を時分割で観察対象に照射し、その照射タイミングに同期してカメラヘッド11102の撮像素子の駆動を制御することにより、RGBそれぞれに対応した画像を時分割で撮像することも可能である。当該方法によれば、当該撮像素子にカラーフィルタを設けなくても、カラー画像を得ることができる。
【0292】
また、光源装置11203は、出力する光の強度を所定の時間ごとに変更するようにその駆動が制御されてもよい。その光の強度の変更のタイミングに同期してカメラヘッド11102の撮像素子の駆動を制御して時分割で画像を取得し、その画像を合成することにより、いわゆる黒つぶれ及び白とびのない高ダイナミックレンジの画像を生成することができる。
【0293】
また、光源装置11203は、特殊光観察に対応した所定の波長帯域の光を供給可能に構成されてもよい。特殊光観察では、例えば、体組織における光の吸収の波長依存性を利用して、通常の観察時における照射光(すなわち、白色光)に比べて狭帯域の光を照射することにより、粘膜表層の血管等の所定の組織を高コントラストで撮影する、いわゆる狭帯域光観察(Narrow Band Imaging)が行われる。あるいは、特殊光観察では、励起光を照射することにより発生する蛍光により画像を得る蛍光観察が行われてもよい。蛍光観察では、体組織に励起光を照射し当該体組織からの蛍光を観察すること(自家蛍光観察)、又はインドシアニングリーン(ICG)等の試薬を体組織に局注するとともに当該体組織にその試薬の蛍光波長に対応した励起光を照射し蛍光像を得ること等を行うことができる。光源装置11203は、このような特殊光観察に対応した狭帯域光及び/又は励起光を供給可能に構成され得る。
【0294】
図53は、
図52に示すカメラヘッド11102及びCCU11201の機能構成の一例を示すブロック図である。
【0295】
カメラヘッド11102は、レンズユニット11401と、撮像部11402と、駆動部11403と、通信部11404と、カメラヘッド制御部11405と、を有する。CCU11201は、通信部11411と、画像処理部11412と、制御部11413と、を有する。カメラヘッド11102とCCU11201とは、伝送ケーブル11400によって互いに通信可能に接続されている。
【0296】
レンズユニット11401は、鏡筒11101との接続部に設けられる光学系である。鏡筒11101の先端から取り込まれた観察光は、カメラヘッド11102まで導光され、当該レンズユニット11401に入射する。レンズユニット11401は、ズームレンズ及びフォーカスレンズを含む複数のレンズが組み合わされて構成される。
【0297】
撮像部11402は、撮像素子で構成される。撮像部11402を構成する撮像素子は、1つ(いわゆる単板式)であってもよいし、複数(いわゆる多板式)であってもよい。撮像部11402が多板式で構成される場合には、例えば各撮像素子によってRGBそれぞれに対応する画像信号が生成され、それらが合成されることによりカラー画像が得られてもよい。あるいは、撮像部11402は、3D(Dimensional)表示に対応する右目用及び左目用の画像信号をそれぞれ取得するための1対の撮像素子を有するように構成されてもよい。3D表示が行われることにより、術者11131は術部における生体組織の奥行きをより正確に把握することが可能になる。なお、撮像部11402が多板式で構成される場合には、各撮像素子に対応して、レンズユニット11401も複数系統設けられ得る。
【0298】
また、撮像部11402は、必ずしもカメラヘッド11102に設けられなくてもよい。例えば、撮像部11402は、鏡筒11101の内部に、対物レンズの直後に設けられてもよい。
【0299】
駆動部11403は、アクチュエータによって構成され、カメラヘッド制御部11405からの制御により、レンズユニット11401のズームレンズ及びフォーカスレンズを光軸に沿って所定の距離だけ移動させる。これにより、撮像部11402による撮像画像の倍率及び焦点が適宜調整され得る。
【0300】
通信部11404は、CCU11201との間で各種の情報を送受信するための通信装置によって構成される。通信部11404は、撮像部11402から得た画像信号をRAWデータとして伝送ケーブル11400を介してCCU11201に送信する。
【0301】
また、通信部11404は、CCU11201から、カメラヘッド11102の駆動を制御するための制御信号を受信し、カメラヘッド制御部11405に供給する。当該制御信号には、例えば、撮像画像のフレームレートを指定する旨の情報、撮像時の露出値を指定する旨の情報、並びに/又は撮像画像の倍率及び焦点を指定する旨の情報等、撮像条件に関する情報が含まれる。
【0302】
なお、上記のフレームレートや露出値、倍率、焦点等の撮像条件は、ユーザによって適宜指定されてもよいし、取得された画像信号に基づいてCCU11201の制御部11413によって自動的に設定されてもよい。後者の場合には、いわゆるAE(Auto Exposure)機能、AF(Auto Focus)機能及びAWB(Auto White Balance)機能が内視鏡11100に搭載されていることになる。
【0303】
カメラヘッド制御部11405は、通信部11404を介して受信したCCU11201からの制御信号に基づいて、カメラヘッド11102の駆動を制御する。
【0304】
通信部11411は、カメラヘッド11102との間で各種の情報を送受信するための通信装置によって構成される。通信部11411は、カメラヘッド11102から、伝送ケーブル11400を介して送信される画像信号を受信する。
【0305】
また、通信部11411は、カメラヘッド11102に対して、カメラヘッド11102の駆動を制御するための制御信号を送信する。画像信号や制御信号は、電気通信や光通信等によって送信することができる。
【0306】
画像処理部11412は、カメラヘッド11102から送信されたRAWデータである画像信号に対して各種の画像処理を施す。
【0307】
制御部11413は、内視鏡11100による術部等の撮像、及び、術部等の撮像により得られる撮像画像の表示に関する各種の制御を行う。例えば、制御部11413は、カメラヘッド11102の駆動を制御するための制御信号を生成する。
【0308】
また、制御部11413は、画像処理部11412によって画像処理が施された画像信号に基づいて、術部等が映った撮像画像を表示装置11202に表示させる。この際、制御部11413は、各種の画像認識技術を用いて撮像画像内における各種の物体を認識してもよい。例えば、制御部11413は、撮像画像に含まれる物体のエッジの形状や色等を検出することにより、鉗子等の術具、特定の生体部位、出血、エネルギー処置具11112の使用時のミスト等を認識することができる。制御部11413は、表示装置11202に撮像画像を表示させる際に、その認識結果を用いて、各種の手術支援情報を当該術部の画像に重畳表示させてもよい。手術支援情報が重畳表示され、術者11131に提示されることにより、術者11131の負担を軽減することや、術者11131が確実に手術を進めることが可能になる。
【0309】
カメラヘッド11102及びCCU11201を接続する伝送ケーブル11400は、電気信号の通信に対応した電気信号ケーブル、光通信に対応した光ファイバ、又はこれらの複合ケーブルである。
【0310】
ここで、図示する例では、伝送ケーブル11400を用いて有線で通信が行われていたが、カメラヘッド11102とCCU11201との間の通信は無線で行われてもよい。
【0311】
以上、本開示に係る技術が適用され得る内視鏡手術システムの一例について説明した。本開示に係る技術は、以上説明した構成のうち、内視鏡11100のカメラヘッド11102に設けられた撮像部11402に好適に適用され得る。撮像部11402に本開示に係る技術を適用することにより、撮像部11402を小型化もしくは高精細化することができるので、小型もしくは高精細な内視鏡11100を提供することができる。
【0312】
以上、実施の形態およびその変形例、適用例ならびに応用例を挙げて本開示を説明したが、本開示は上記実施の形態等に限定されるものではなく、種々変形が可能である。なお、本明細書中に記載された効果は、あくまで例示である。本開示の効果は、本明細書中に記載された効果に限定されるものではない。本開示が、本明細書中に記載された効果以外の効果を持っていてもよい。
【0313】
また、本開示は、以下のような構成を取ることも可能である。
(1)
各々が光電変換素子を含み、受光面に行列状に配置された複数の画素と、
前記複数の画素における前記複数の画素ごとに1つずつ設けられた複数の受光レンズと、
前記複数の画素の露光時間を制御する制御部と
を備え、
前記制御部は、各前記受光レンズに対応する前記複数の画素のうち、少なくとも2つの前記画素の露光時間が同じになるとともに、各前記受光レンズに対応する前記複数の画素のうち、少なくとも2つの前記画素の露光時間が互いに異なるように、前記複数の画素の露光時間を制御する
撮像装置。
(2)
各前記受光レンズに対応する前記複数の画素を第1画素群としたときに、前記第1画素群ごとに設けられた、ベイヤー配列の複数のカラーフィルタを更に備えた
(1)に記載の撮像装置。
(3)
前記制御部は、各前記受光レンズに対応する前記複数の画素のうち、2つの前記画素の露光時間が同じになるとともに、各前記受光レンズに対応する前記複数の画素のうち、3つの前記画素の露光時間が異なるように、前記複数の画素の露光時間を制御する
(2)に記載の撮像装置。
(4)
前記制御部は、各前記受光レンズに対応する前記複数の画素において、前記受光面における、右肩上がりの方向、右肩下がりの方向、左右方向または上下方向に配列される2つの前記画素の露光時間が同じになるように、前記複数の画素の露光時間を制御する
(3)に記載の撮像装置。
(5)
前記制御部は、2行×2列の複数の前記第1画素群を第2画素群としたときに、各前記第2画素群に含まれる第1の前記第1画素群において、第1方向に配列された2つの前記画素の露光時間が同じになるとともに、各前記第2画素群に含まれる第2の前記第1画素群において、第2方向に配列された2つの前記画素の露光時間が同じになるように、前記複数の画素の露光時間を制御する
(2)に記載の撮像装置。
(6)
前記制御部は、2行×2列の複数の前記第1画素群を第2画素群とし、2行×2列の前記第2画素群を第3画素群としたときに、各前記第3画素群に含まれる第1の前記第2画素群において、第1方向に配列された2つの前記画素の露光時間が同じになり、各前記第3画素群に含まれる第2の前記第2画素群において、第2方向に配列された2つの前記画素の露光時間が同じになり、さらに、各前記第3画素群に含まれる第3の前記第2画素群において、第3方向に配列された2つの前記画素の露光時間が同じになるように、前記複数の画素の露光時間を制御する
(2)に記載の撮像装置。
(7)
前記制御部は、2行×2列の複数の前記第1画素群を第2画素群としたときに、各前記第2画素群に含まれる第1の前記第1画素群において、第1方向に配列された2つの前記画素の露光時間が同じになるとともに、第2方向に配列された2つの前記画素の露光時間が同じになり、さらに、各前記第2画素群に含まれる第2の前記第1画素群において、前記第1方向に配列された2つの前記画素の露光時間が同じになるとともに、前記第2方向に配列された2つの前記画素の露光時間が同じになるように、前記複数の画素の露光時間を制御する
(2)に記載の撮像装置。
(8)
前記制御部は、2行×2列の複数の前記第1画素群を第2画素群としたときに、各前記第2画素群に含まれる第1の前記第1画素群において、第1方向に配列された2つの前記画素の露光時間が同じになるとともに、前記第1方向に配列された、前記第1方向に配列された2つの前記画素とは異なる2つの前記画素の露光時間が同じになり、さらに、各前記第2画素群に含まれる第2の前記第1画素群において、第2方向に配列された2つの前記画素の露光時間が同じになり、前記第2方向に配列された、前記第2方向に配列された2つの前記画素とは異なる2つの前記画素の露光時間が同じになるように、前記複数の画素の露光時間を制御する
(2)に記載の撮像装置。
(9)
前記制御部は、2行×2列の複数の前記第1画素群を第2画素群とし、2行×2列の前記第2画素群を第3画素群としたときに、各前記第3画素群に含まれる1つの前記第1画素群において、各前記画素の露光時間が互いに同じになるように、前記複数の画素の露光時間を制御する
(2)に記載の撮像装置。
(10)
前記制御部は、2行×2列の複数の前記第1画素群を第2画素群とし、2行×2列の前記第2画素群を第3画素群としたときに、各前記第3画素群に含まれる1つの前記第2画素群において、各前記画素の露光時間が互いに同じになるように、前記複数の画素の露光時間を制御する
(2)に記載の撮像装置。
(11)
前記制御部は、2行×2列の複数の前記第1画素群を第2画素群とし、2行×2列の前記第2画素群を第3画素群としたときに、各前記第3画素群に含まれる各前記第2画素群において、各前記画素の露光時間が同じになるように、前記複数の画素の露光時間を制御する
(2)に記載の撮像装置。
(12)
前記制御部は、2行×2列の複数の前記第1画素群を第2画素群とし、1行×2列の前記第2画素群を第4画素群としたときに、各前記第4画素群に含まれる第1の前記第2画素群における各第1画素群において、第1方向に配列された2つの前記画素の露光時間が同じになり、各前記第4画素群に含まれる第2の前記第2画素群における各第1画素群において、第2方向に配列された2つの前記画素の露光時間が同じになるように、前記複数の画素の露光時間を制御する
(2)に記載の撮像装置。
(13)
前記制御部は、2行×2列の複数の前記第1画素群を第2画素群とし、2行×1列の前記第2画素群を第5画素群としたときに、各前記第5画素群に含まれる第1の前記第2画素群における各第1画素群において、第1方向に配列された2つの前記画素の露光時間が同じになり、各前記第5画素群に含まれる第2の前記第2画素群における各第1画素群において、第2方向に配列された2つの前記画素の露光時間が同じになるように、前記複数の画素の露光時間を制御する
(2)に記載の撮像装置。
(14)
前記制御部は、2行×2列の複数の前記第1画素群を第2画素群とし、2行×2列の前記第2画素群を第3画素群としたときに、各前記第3画素群に含まれる第1の前記第2画素群における各前記第1画素群において、第1方向に配列された2つの前記画素の露光時間が同じになり、各前記第3画素群に含まれる第2の前記第2画素群における各前記第1画素群において、第2方向に配列された2つの前記画素の露光時間が同じになり、さらに、各前記第3画素群に含まれる第3の前記第2画素群における各前記第1画素群において、第3方向に配列された2つの前記画素の露光時間が同じになるように、前記複数の画素の露光時間を制御する
(2)に記載の撮像装置。
(15)
前記制御部は、2行×2列の複数の前記第1画素群を第2画素群とし、2行×2列の前記第2画素群を第3画素群としたときに、各前記第3画素群に含まれる第1の前記第2画素群における各第1画素群において、第1方向に配列された2つの前記画素の露光時間が同じになるとともに、第2方向に配列された2つの前記画素の露光時間が同じになり、各前記第3画素群に含まれる第2の前記第2画素群における各第1画素群において、前記第1方向に配列された2つの前記画素の露光時間が同じになるとともに、前記第2方向に配列された2つの前記画素の露光時間が同じになるように、前記複数の画素の露光時間を制御する
(2)に記載の撮像装置。
(16)
前記制御部は、2行×2列の複数の前記第1画素群を第2画素群とし、2行×2列の前記第2画素群を第3画素群としたときに、各前記第3画素群に含まれる第1の前記第2画素群における各前記第1画素群において、第1方向に配列された2つの前記画素の露光時間が同じになるとともに、前記第1方向に配列された、前記第1方向に配列された2つの前記画素とは異なる2つの前記画素の露光時間が同じになり、さらに、各前記第3画素群に含まれる第2の前記第2画素群における各前記第1画素群において、第2方向に配列された2つの前記画素の露光時間が同じになるとともに、前記第2方向に配列された、前記第2方向に配列された2つの前記画素とは異なる2つの前記画素の露光時間が同じになるように、前記複数の画素の露光時間を制御する
(2)に記載の撮像装置。
(17)
前記制御部による露光制御によって得られた画像データから、露光時間ごとに位相差データを生成し、露光時間の異なる複数の前記位相差データと、露光時間の異なる複数の画像データとから、HDR(High Dynamic Range)画像を生成する
請求項2に記載の撮像装置。
(18)
各々が光電変換素子を含み、受光面に行列状に配置された複数の画素と、前記複数の画素における前記複数の画素ごとに1つずつ設けられた複数の受光レンズとを備えた撮像装置における信号処理方法であって、
各前記受光レンズに対応する前記複数の画素のうち、少なくとも2つの前記画素の露光時間が同じになるとともに、各前記受光レンズに対応する前記複数の画素のうち、少なくとも2つの前記画素の露光時間が互いに異なるように、前記複数の画素の露光時間を制御することと、
前記露光時間の制御によって得られた画像データから、露光時間ごとに位相差データを生成し、露光時間の異なる複数の前記位相差データと、露光時間の異なる複数の画像データとから、HDR(High Dynamic Range)画像を生成することと
を含む
信号処理方法。
【0314】
本開示の第1の側面である撮像装置、および本開示の第2の側面である信号処理方法によれば、制御部による露光制御によって得られた画像データから、露光時間ごとに位相差データを生成し、露光時間の異なる複数の位相差データと、露光時間の異なる複数の画像データとから、HDR画像を生成することができるようにしたので、色抜けや、色付き、二重輪郭などの画質劣化が生じることを抑制することができる。その結果、HDR画像の画質劣化を抑制することができる。なお、本技術の効果は、ここに記載された効果に必ずしも限定されず、本明細書中に記載されたいずれの効果であってもよい。
【0315】
本出願は、日本国特許庁において2019年2月19日に出願された日本特許出願番号第2019-027479号を基礎として優先権を主張するものであり、この出願のすべての内容を参照によって本出願に援用する。
【0316】
当業者であれば、設計上の要件や他の要因に応じて、種々の修正、コンビネーション、サブコンビネーション、および変更を想到し得るが、それらは添付の請求の範囲やその均等物の範囲に含まれるものであることが理解される。