(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-12
(45)【発行日】2024-07-23
(54)【発明の名称】包装された食物製品の電子レンジシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
F24C 7/02 20060101AFI20240716BHJP
H05B 6/68 20060101ALI20240716BHJP
【FI】
F24C7/02 320F
F24C7/02 330Z
F24C7/02 301S
H05B6/68 330B
(21)【出願番号】P 2021514345
(86)(22)【出願日】2019-09-17
(86)【国際出願番号】 US2019051519
(87)【国際公開番号】W WO2020061049
(87)【国際公開日】2020-03-26
【審査請求日】2022-08-22
(32)【優先日】2018-09-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391026058
【氏名又は名称】ザ コカ・コーラ カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Coca‐Cola Company
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ギブンス,スティーブン ロメル
(72)【発明者】
【氏名】バーネット,クレイトン キース
(72)【発明者】
【氏名】ウェスト,ライアン
(72)【発明者】
【氏名】ゴクロン,マイケル ジェー.
(72)【発明者】
【氏名】ゲーリング,ジョン フォスター
(72)【発明者】
【氏名】モンロー 4世,ジョージ クラーク
【審査官】西村 賢
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0249416(US,A1)
【文献】特開2003-106532(JP,A)
【文献】特開平05-089957(JP,A)
【文献】実開昭61-036207(JP,U)
【文献】特開平11-125429(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24C 7/02
H05B 6/48- 6/68
H05B 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子レンジ装置であって、
複数のマイクロ波ソースと、
前記複数のマイクロ波ソースからマイクロ波放射を供給されるマイクロ波チャンバと、 前記マイクロ波チャンバ内において食物容器を支持するように構成された製品ホルダと、
前記製品ホルダ内において支持されている前記食物容器の温度を検知するように構成された温度センサと、
温度選択を受け取るように構成されたユーザーインターフェイスと、
前記食物容器内の食物製品を前記温度選択に対応する温度に加熱するべく前記複数のマイクロ波ソースを動作させるように構成され、前記温度センサ及び前記ユーザーインターフェイスとの通信状態にあるコントローラと、
前記コントローラとの通信状態にある電界検出器と、
前記コントローラとの通信状態にある、且つ、前記食物容器上の識別子を読み取るように構成された、製品識別スキャナと、を有し、
前記電界検出器は、前記マイクロ波チャンバ内において電界を検出するように構成され、
前記コントローラは、
前記電界検出器からの読取及び前記製品識別スキャナからの前記識別子の読取に基づいて、前記マイクロ波チャンバ内の前記食物製品の容積を推定するように構成されている電子レンジ装置。
【請求項2】
前記電界検出器は、前記マイクロ波チャンバ内の電界が、予測された正常動作の範囲内にあることを検証すべく使用され、
前記予測された正常動作の範囲は、前記製品識別スキャナによって読み取られる前記食物容器上の識別子に基づいて、決定される、請求項1に記載の電子レンジ装置。
【請求項3】
前記コントローラは、
前記マイクロ波チャンバ内の前記電界が最大電界閾値未満であるかどうかを判定するように構成されている請求項
1に記載の電子レンジ装置。
【請求項4】
前記製品識別スキャナは、光学スキャナ又は無線タグ読取器である請求項
1に記載の電子レンジ装置。
【請求項5】
前記光学スキャナは、カメラ又はバーコード読取器である請求項4に記載の電子レンジ装置。
【請求項6】
前記温度センサは、前記製品ホルダの下方において位置決めされており、且つ、前記食物容器のベースの温度を検知するように構成されている請求項1から5のいずれか一項に記載の電子レンジ装置。
【請求項7】
前記温度センサは、赤外線又は超音波温度センサである請求項1から6のいずれか一項に記載の電子レンジ装置。
【請求項8】
複数の電源を更に有し、これらの電源のそれぞれは、前記複数のマイクロ波ソースのうちの1つに対応しており、且つ、それぞれは、前記コントローラとの通信状態にあり、前記コントローラは、前記複数のマイクロ波ソースによって生成されるマイクロ波のパワーレベルを変更するように更に構成されている請求項1から7のいずれか一項に記載の電子レンジ装置。
【請求項9】
前記複数のマイクロ波ソースのうちの1つ又は複数は、マグネトロン又は固体マイクロ波ソースである請求項1から8のいずれか一項に記載の電子レンジ装置。
【請求項10】
前記コントローラは、前記固体マイクロ波ソースによって生成されるマイクロ波の周波数を変更するように更に構成されている請求項9に記載の電子レンジ装置。
【請求項11】
電子レンジ装置を動作させる方法であって、
製品識別スキャナにより、食物容器上の識別子をスキャニングすることに基づいて前記食物容器を識別することと、
ユーザーインターフェイスから温度選択を受け取ることと、
電界検出器により、マイクロ波チャンバ内の電界を検出することと
、
前記マイクロ波チャンバ内において
前記食物容器内の食物製品を加熱するべく複数のマイクロ波ソースに電力供給することと、
前記電界検出器によって検出された電界及び前記食物容器の前記識別に基づいて、前記マイクロ波チャンバ内の前記食物製品の容積を推定することと、
温度センサによって前記食物容器の温度を検知することと、
前記食物容器の前記温度が前記温度選択に到達した際に、前記複数のマイクロ波ソースに対する電力をターンオフすることと、を有する方法。
【請求項12】
前記マイクロ波チャンバ内の前記電界が最大電界閾値超であるかどうかを判定することを更に有する請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記食物製品の前記
推定された容積に基づいて前記複数のマイクロ波ソースのうちの1つ又は複数のもののパワーレベルを変更することを更に有する請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記温度センサは、前記マイクロ波チャンバ内において前記食物容器の下方において位置決めされており、且つ、前記食物容器のベースの温度を検知するように構成されている請求項11から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記製品識別スキャナは、光学スキャナ又は無線タグ読取器である請求項11から14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記複数のマイクロ波ソースのうちの1つ又は複数は、マグネトロン又は固体マイクロ波ソースである請求項11から15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記電界検出器は、前記マイクロ波チャンバ内の電界が、予測された正常動作の範囲内にあることを検証すべく使用される請求項11に記載の方法。
【請求項18】
前記コントローラは、前記マイクロ波チャンバ内の前記食物製品の推定された容積に基づいて、前記複数のマイクロ波ソースによって生成されたマイクロ波のパワーレベルを変更する、請求項10に記載の電子レンジ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年9月17日付けで出願された米国仮特許出願第62/732,183号の利益を主張するものであり、この特許文献の開示内容は、引用により、明示的に本明細書に包含される。
【背景技術】
【0002】
背景
通常の消費者用電子レンジは、様々な食物製品の加熱のために設計されている。従って、消費者用電子レンジの効率は、通常、約64%である。これに加えて、通常の電子レンジは、封入された包装の破裂を防止しつつ、封入された包装に伴う電子レンジの使用を促進しうる安全機能を有していない。このような封入された包装は、電子レンジの継続的動作の結果として、思いがけなく破裂しうる。従って、通常の電子レンジにおいては、開放した、通気口を有する、或いは、その他の方法で封止されていない食物容器又は包装が使用されている。従って、通常の電子レンジは、使用の際に、開放した食物容器からの食物製品の飛び散りに曝露される場合がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
概要
本開示の第1の態様は、複数のマイクロ波ソースを有する電子レンジ装置を提供している。また、電子レンジ装置は、複数のマイクロ波ソースとの電磁的通信状態にあるマイクロ波チャンバと、マイクロチャンバ内の食物容器を支持するように構成された製品ホルダと、を有する。また、電子レンジ装置は、製品ホルダ内において支持された食物容器の温度を検知するように構成された温度センサと、温度選択を受け取るように構成されたユーザーインターフェイスと、を有する。また、電子レンジ装置は、食物容器内の食物製品を温度選択に対応する温度に加熱するべく複数のマイクロ波ソースを動作させるように構成され、温度センサとユーザーインターフェイスとの通信状態にあるコントローラを有する。
【0004】
本開示の第1の態様のいくつかの実装形態において、電子レンジ装置は、コントローラとの通信状態にある電界検出器を更に有し、電界検出器は、マイクロ波チャンバ内において電界を検出するように構成されている。
【0005】
本開示の第1の態様のいくつかの実装形態において、コントローラは、マイクロ波チャンバ内の電界が最大電界閾値未満であるかどうかを判定するように構成されている。
【0006】
本開示の第1の態様のいくつかの実装形態において、電子レンジ装置は、コントローラとの通信状態にある、且つ、食物容器上の識別子を読み取るように構成された、製品識別スキャナを更に有する。
【0007】
本開示の第1の態様のいくつかの実装形態において、コントローラは、電界検出器からの読取及び製品識別スキャナからの識別子の読取に基づいて、マイクロ波チャンバ内の食物製品の容積を判定するように構成されている。
【0008】
本開示の第1の態様のいくつかの実装形態において、製品識別スキャナは、光学スキャナ又は無線タグ読取器である。光学スキャナは、カメラ又はバーコード読取器である。
【0009】
本開示の第1の態様のいくつかの実装形態において、温度センサは、製品ホルダの下方において位置決めされており、且つ、食物容器のベースの温度を検知するように構成されている。
【0010】
本開示の第1の態様のいくつかの実装形態において、温度センサは、赤外線又は超音波温度センサである。
【0011】
本開示の第1の態様のいくつかの実装形態において、電子レンジ装置は、複数の電源を更に有し、これらのそれぞれは、複数のマイクロ波ソースのうちの1つに対応し、且つ、これらのそれぞれは、コントローラとの通信状態にある。コントローラは、複数のマイクロ波ソースによって生成されたマイクロ波のパワーレベルを変更するように更に構成されている。
【0012】
本開示の第1の態様のいくつかの実装形態において、複数のマイクロ波ソースのうちの1つ又は複数は、マグネトロン又は固体マイクロ波ソースである。
【0013】
本開示の第1の態様のいくつかの実装形態において、コントローラは、固体マイクロ波ソースによって生成されるマイクロ波の周波数を変更するように更に構成されている。
【0014】
本開示の第2の態様は、電子レンジ装置を動作させる方法を提供している。方法は、製品識別スキャナにより食物容器上の識別子をスキャニングすることに基づいて食物容器を識別することを有する。方法は、ユーザーインターフェイスから温度選択を受け取ることを有する。方法は、マイクロ波チャンバ内において食物容器内の食物製品を加熱するべく複数のマイクロ波ソースに電力供給することを有する。方法は、温度センサによって食物容器の温度を検知することを有する。方法は、食物容器の温度が温度選択に到達した際に、複数のマイクロ波ソースに対する電力をターンオフすることを有する。
【0015】
本開示の第2の態様のいくつかの実装形態において、方法は、電界検出器によってマイクロ波チャンバ内の電界を検出することを更に有する。
【0016】
本開示の第2の態様のいくつかの実装形態において、方法は、マイクロ波チャンバ内の電界が最大電界閾値超であるかどうかを判定することを更に有する。
【0017】
本開示の第2の態様のいくつかの実装形態において、方法は、電界検出器によって検出された電界及び食物容器の識別情報に基づいてマイクロ波チャンバ内の食物製品の容積を判定することを更に有する。
【0018】
本開示の第2の態様のいくつかの実装形態において、方法は、判定された食物製品の容積に基づいて複数のマイクロ波ソースのうちの1つ又は複数のもののパワーレベルを変更することを更に有する。
【0019】
本開示の第2の態様のいくつかの実装形態において、温度センサは、マイクロ波チャンバ内の食物容器の下方において位置決めされており、且つ、食物容器のベースの温度を検知するように構成されている。
【0020】
本開示の第2の態様のいくつかの実装形態において、製品識別スキャナは、光学スキャナ又は無線タグ読取器である。
【0021】
本開示の第2の態様のいくつかの実装形態において、複数のマイクロ波ソースのうちの1つ又は複数は、マグネトロン又は固体マイクロ波ソースである。
【0022】
これらの及びその他の特徴については、添付の図面及び請求項との関連において提供される以下の詳細な説明から、更に明瞭に理解することができよう。
【0023】
図面の簡単な説明
以下、本開示の更に十分な理解を目的として、同一の参照符号が同一の部分を表している添付の図面及び詳細な説明との関連において提供される以下の簡潔な説明を参照されたい。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】包装された食物製品を望ましい温度に加熱する電子レンジ装置の正面図である。
【
図2】ドアが開放された状態の電子レンジ装置の斜視図である。
【
図3】電子レンジアクセスパネルが除去された状態の電子レンジ装置の左斜視図である。
【
図4】電子回路アクセスパネルが除去された状態の電子レンジ装置の右斜視図である。
【
図5】電子レンジ装置のマイクロコントローラ組立体のブロック図である。
【
図6】電子レンジ装置のコンピュータシステムのブロック図である。
【
図7】消費者による電子レンジ装置の動作の状態図である。
【
図8A】消費者による動作の際に電子レンジ装置のユーザーインターフェイス上において表示されるユーザーインターフェイス画面である。
【
図8B】消費者による動作の際に電子レンジ装置のユーザーインターフェイス上において表示されるユーザーインターフェイス画面である。
【
図8C】消費者による動作の際に電子レンジ装置のユーザーインターフェイス上において表示されるユーザーインターフェイス画面である。
【
図8D】消費者による動作の際に電子レンジ装置のユーザーインターフェイス上において表示されるユーザーインターフェイス画面である。
【
図8E】消費者による動作の際に電子レンジ装置のユーザーインターフェイス上において表示されるユーザーインターフェイス画面である。
【
図8F】消費者による動作の際に電子レンジ装置のユーザーインターフェイス上において表示されるユーザーインターフェイス画面である。
【
図9】技術者による電子レンジ装置の動作の状態図である。
【
図10A】技術者による動作の際に電子レンジ装置のユーザーインターフェイス上において表示されるユーザーインターフェイス画面である。
【
図10B】技術者による動作の際に電子レンジ装置のユーザーインターフェイス上において表示されるユーザーインターフェイス画面である。
【
図11】本開示のいくつかの実施形態を実装するのに適した例示用のコンピュータシステムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
詳細な説明
1つ又は複数の実施形態の例示用の実装形態が以下において示されているが、開示されているシステム及び方法は、現時点において既知又は既存であるかどうかとは無関係に、任意の数の技法を使用することにより、実装されうることをまず理解されたい。本開示は、決して、以下において示されている例示用の実装形態、図面、及び技法に限定されるものではなく、その均等物の完全な範囲を伴って添付の請求項の範囲内において変更することができる。「及び/又は(and/or)」というフレーズの使用は、選択肢のリストのうちの任意のもの又は任意の組合せが使用されうることを示している。例えば、「A、B、及び/又はC」は、「A」、又は「B」、又は「C」、又は「A及びB」、又は「A及びC」、又は「B及びC」、又は「A及びB及びC」を意味している。
【0026】
本明細書には、包装された食物製品の確実な且つ効率的な加熱を促進するための電子レンジ装置が開示されている。例えば、電子レンジ装置は、飲料ボトル又はスープ容器などの包装された食物製品の場合に、90%超の効率を有しうる。包装された食物製品は、茶、コーヒー、酪農に基づいた飲料、水、スープ、又はその他の流動可能な食物製品を含みうる。いくつかの実装形態において、炭酸又は微炭酸食物製品(例えば、約1~8倍量のCO2)を使用することができる。いくつかの実装形態において、その他の包装された又は包装されていない食物製品を使用することができる。
【0027】
電子レンジ装置は、飲料又はスープ容器などの包装された食物製品を保持するように構成された製品ホルダを含む。製品ホルダは、単一の製品又は複数の製品を受け取るようにサイズ設定することができる。いくつかの実装形態において、製品ホルダは、複数の包装された食物製品を位置決めする又は受け入れるように構成されたラックであってよい。
【0028】
温度センサは、包装された食物製品の温度を検知するように構成されている。いくつかの実装形態において、温度センサは、マイクロ波チャンバの外側から、包装された食物製品の温度を検知するように構成された非接触型の温度センサである。非接触型温度センサを使用することにより、温度センサと包装された食物製品を加熱する際に使用されるマイクロ波放射の間の相互作用が防止される。例えば、温度センサは、包装された食物製品によって放出される赤外線放射を検知するように用意された赤外線温度センサであってよい。別の例において、包装された食物製品の温度を検知するべく、超音波センサを使用することができる。その他の接触に基づいた又は非接触型の温度センサを使用することができる。
【0029】
より正確な温度読取を提供するべく、温度センサは、製品ラベルの周りの温度の検知を回避するように、包装された食物製品との関係において用意することができる。製品ラベルは、包装された食物製品を断熱する場合があり、或いは、さもなければ、その温度読取に対して影響を及ぼす場合がある。従って、いくつかの実装形態において、赤外線温度センサは、包装された食物製品の底部の周りにおいて用意されている。包装された食物製品の底部からの温度の計測は、異なる包装サイズ、形状、及び製品ラベル位置の考慮を必要としないことにより、様々な包装タイプの温度の正確な検知を許容している。
【0030】
従来の電子レンジ装置におけるような時間に基づいた動作とは対照的に、開示されている電子レンジ装置の動作は、温度センサによって判定された、包装された食物製品の計測温度に基づいたものであってよい。使用の際に、消費者は、望ましい製品温度を選択することができる。望ましい製品温度は、ユーザーインターフェイス上の入力を介して受け取られた絶対温度入力(例えば、52℃)又はユーザーインターフェイス上の入力を介して受け取られた相対温度入力(例えば、周辺、高温、非常に高温)であってよい。相対温度入力は、技術者により、特定の設定点に構成可能であってよい(例えば、周辺選択は25℃に対応し、高温選択は55℃に対応する、など)。電子レンジ装置の温度に基づいた動作は、製品が使用の際に過熱しないことを保証しつつ、包装された食物製品の様々なサイズ及びタイプに伴って使用することができる。これに加えて、包装された食物製品は、再加熱されてもよく、或いは、部分的に充填された包装された食物製品を望ましい製品温度に安全に加熱することもできる。又、最大動作時間を温度センサの障害に対する安全装置として使用することもできる。
【0031】
また、電子レンジ装置は、電子レンジ装置に挿入されている食物製品のタイプ、包装のタイプ、及び/又は包装のサイズを識別する製品識別スキャナをも含む。例えば、製品識別スキャナは、バーコード読取器、カメラ、RFID読取器、又はこれらに類似したものであってよい。いくつかの実装形態において、製品ホルダは、包装された食物製品の識別を促進するべく製品識別スキャナの周りにおいて包装された食物製品を回転させるためのターンテーブルを含むこともできる。挿入された食物製品のタイプの識別に基づいて、電子レンジ装置は、食物製品の誘電率及び/又は導電率を識別することができると共に、電子レンジ装置の動作を相応して調節することができる。例えば、電子レンジのパワーレベルは、電子レンジ装置に挿入された食物製品の誘電率及び/又は導電率に基づいて調節することができる。
【0032】
製品識別スキャナに加えて、電子レンジ装置は、近接性又は存在検出器を含むことができる。近接性又は存在検出器は、電子レンジ装置の動作の前に、製品が製品ホルダ内に配置されていることを確認するべく、製品ホルダとの関係において位置決めすることができる。例えば、製品は、まず、製品識別スキャナによってスキャニングすることができると共に、その後に、近接性又は存在検出器に基づいて、製品ホルダ内に配置されていることを検証することができる。近接性又は存在検出器は、製品ホルダ内の製品の存在を検出するべく、光学センサ又は音響レンジファインダであってよい。
【0033】
また、電子レンジ装置は、電界検出器をも含む。電子レンジ装置に挿入された食物製品の誘電率及び/又は導電率の識別に基づいて、且つ、電界検出器からの計測に基づいて、製品の容積の推定値を判定することができる。電子レンジ装置の動作は、推定された製品の容積に基づいて調節することができる。例えば、半分だけ充填されていると判定された包装された食物製品の場合には、完全に充填されている製品の場合の動作との比較において、電子レンジ装置のパワーレベルが、低減されてもよく、或いは、さもなければ、変更されてもよい。
【0034】
図1~
図4は、包装された食物製品を望ましい温度に加熱するのに適した電子レンジ装置100の様々な図を示している。
図1は、電子レンジ装置100の正面図であり、ドア102、ユーザーインターフェイス104、及び支持脚106を示している。ドア102は、ドア102が閉鎖された際にユーザーインターフェイス104にアクセスするためのウィンドウ112を含む。
【0035】
図2は、ドア102が開放された状態の電子レンジ装置100の斜視図である。ドアスイッチ532が、電子レンジ装置100の本体123の前面上において、或いは、ドア102上において、位置決めされてもよく、且つ、(例えば、開放又は閉鎖などの)ドア102の位置を通知する信号を提供することができる。ホルダ118が、ドア上において位置決めされており、且つ、食物又は飲料容器などの食物容器120を受け入れるようにサイズ設定及び成形されている。
図2に示されている例において、食物容器120は、飲料ボトルである。食物容器120は、プラスチック(例えば、ポリエチレンテレフタレート、高密度ポリエチレン、又はこれらに類似したもの)、ガラス、セラミック、箔で裏打ちされていないボール紙、又はこれらに類似したものから製造することができる。ホルダ118は、ドア102が閉鎖された際に電子レンジ空洞114内において食物容器120を配置するべく、ドア102上において位置決めされている。例えば、ドア102が閉鎖位置に回転するのに伴って、ホルダ118は、その内部において位置決めされるように、電子レンジ空洞114の開口部を通過している。
【0036】
反応チョーク116が、ドア102が閉鎖された際に、電子レンジ空洞114内の開口部の境界線の周りにおいて、ホルダ118の周りにおいて、ドア102上において位置決めされている。反応チョーク116は、マイクロ波放射が使用の際にドア102を通過することを防止している。1つ又は複数の製品存在検出器122が、製品ホルダ118の周りにおいて、ドア102上において位置決めされており、且つ、食物容器120が製品ホルダ118内において配置されているかどうかを確認するように構成されている。1つ又は複数の製品存在検出器122は、製品ホルダ118内の食物容器120の存在を検出するべく、光学センサ又は音響レンジファインダであってよい。様々なサイズの食物容器120の検出を保証するべく、複数の製品存在検出器122を使用することができる。又、食物容器120のサイズを検証するべく、複数の製品存在検出器122を使用することもできる。
【0037】
ユーザーインターフェイス104が、電子レンジ装置100の本体123上において位置決めされている。例えば、ユーザーインターフェイス104は、電子レンジ装置100の本体123の前面上において位置決めされている。
図2に示されているように、電子レンジ装置100の本体の前面は、電子レンジ空洞114内の開口部を含むものと同一の表面である。ユーザーインターフェイス104は、タッチスクリーンユーザーインターフェイスであってよい。ユーザーインターフェイス104は、高精細マルチメディアインターフェイス(HDMI:High-Definition Multimedia Interface)ポートなどのグラフィクスポート108と、ユニバーサルシリアルバス(USB:Universal Serial Bus)ポートなどのデータポート110と、を含みうる。グラフィクスポート108は、ユーザーインターフェイス104上における表示のためにグラフィクスデータを供給することができる。データポート110は、タッチスクリーン上において見当合わせされた接触又はジェスチャ入力を伝達することができる。その他のユーザーインターフェイス要素が使用されてもよく、且つ、データポート110又は別のデータポートを介して通信することができる。例えば、販売機環境においては、これに加えて、支払の受領及びドア102のアンロックを促進するべく、支払モジュールが存在しうる。ユーザーインターフェイス104の動作については、
図7~
図10Bを参照して更に詳細に後述する。
【0038】
製品識別スキャナ124は、電子レンジ装置100の本体123上において位置決めされている。
図2に示されている例においては、製品識別スキャナ124は、ユーザーインターフェイス104の下方において位置決めされており、且つ、ドア102が開放状態にある際に、製品ホルダ118に対向している。製品識別スキャナ124は、食物容器120上の識別子を読み取るように構成されたバーコード読取器又はカメラなどの光学スキャナであってよい。いくつかの実装形態において、食物容器120に沿った複数の場所において識別子を読み取るように、2つ以上のバーコード読取器を構成することができる。複数のバーコード読取器の包含は、容器120上の異なる場所において配置されたバーコードを有する異なる食物容器120の識別を促進し、且つ、様々な高さの容器120に対応している。
【0039】
製品ホルダ118は、製品ホルダ118のベースの上方において、製品ホルダ118内に配置された際に食物容器120上の識別子の視認を促進するようにサイズ設定された開口部を含みうる。例えば、識別子は、バーコード、シンボル、QR(Quick Response)コード、又はユニバーサル製品コード(UPC:Universal Product Code)、或いは、その他の製品識別子をエンコーディングしたこれらに類似したものであってよい。製品ホルダ118は、食物容器120上の識別情報のスキャニング又はその他の方法による読取を促進するべく、ユーザーが製品ホルダ118内の食物容器120を回転させることを許容するように、サイズ設定することができる。例えば、製品ホルダ118内の食物容器120を回転させることにより、識別子を製品ホルダ118の開口部内において且つ製品識別スキャナ124の視野内において配置することができる。
【0040】
いくつかの実装形態において、製品ホルダ118は、製品ホルダ118内における食物容器120のより容易な回転を促進するべく、製品ホルダ118のベース上においてターンテーブルを含む。ターンテーブルは、製品ホルダ118内の食物容器120上の識別子を自動的にスキャニングするべく、モーターによって駆動することができる。ターンテーブルモーターは、ドアスイッチが、ドア102が開放されたことを通知する信号を提供した際に、或いは、ドア102が開放されてから既定の遅延の後に、起動することができる。
【0041】
いくつかの実装形態において、食物容器120の識別子は、製品ホルダ118への挿入の前に、製品識別スキャナ124によってスキャニングすることができる。このような実装形態においては、1つ又は複数の製品存在検出器122により、食物容器120が、製品識別スキャナ124によってスキャニングされた後に、製品ホルダ118に挿入されたことを検証することができる。
【0042】
製品識別スキャナ124は、上述の例においては、光学スキャナとして記述されているが、製品識別スキャナ124は、無線タグ読取器であってもよい。例えば、無線タグは、食物容器のラベル又はファスナの上部などのように、食物容器120上において位置決めされていてもよく、且つ、食物容器120の識別子を保存することができる。無線タグは、高周波識別(RFID:Radio Frequency Identification)タグ、Bluetooth低エネルギー(BLE:Bluetooth Low Energy)タグ、近距離通信(NFC:Nearfield Communication)タグ、ビーコンタグ、又はこれらに類似したものであってよい。製品識別スキャナ124の無線タグ読取器は、食物容器120上の無線タグから食物容器120の識別子を読み取るように構成されている。
【0043】
製品識別スキャナ124によって食物容器120から読み取られた識別子に基づいて、電子レンジ装置100は、電子レンジ装置100に挿入されている食物製品のタイプ(例えば、砂糖入り炭酸飲料、ダイエット炭酸飲料、ジュース飲料、茶、コーヒー、スムージー、酪農飲料、ヨーグルト製品、など)、包装のタイプ(例えば、PET炭酸飲料ボトル、アルミニウム缶、アルミニウムボトル、高温充填PET飲料ボトル、無菌PET飲料ボトル、など)、及び/又は包装のサイズ(例えば、20液量オンス包装、12液量オンス包装、8液量オンス包装、など)を識別するように構成されている。挿入された食物製品のタイプの識別情報に基づいて、電子レンジ装置100は、食物製品の誘電率及び/又は導電率を識別することができると共に、電子レンジ装置の動作を相応して調節することができる。例えば、電子レンジ装置100のパワーレベルを食物製品の誘電率及び/又は導電率に基づいて調節することができる。識別子の読取に応答して、電子レンジ装置100は、識別子を食物製品のタイプ、包装のタイプ、包装のサイズ、食物製品の誘電率、及び/又は食物製品の導電率と関連付けている1つ又は複数の表又はその他の論理構造を提供するローカルデータベース又はネットワークアクセス可能データベースにアクセスすることができる。
【0044】
電子レンジ装置100の本体123は、電子回路アクセスパネル126と、電子レンジアクセスパネル132と、を有する。電子回路アクセスパネル126は、電子レンジ装置100の本体123の右側部表面上において位置決めされている。電子回路アクセスパネル126は、電子レンジ装置100を冷却するべく、周囲の環境との間の空気交換を促進するように構成されたファンベント128及びダクトベント130を有する。電子レンジアクセスパネル132も、同様に、電子レンジ装置100の反対側の本体123の右側部表面上においてファンベント(図示されてはいない)及びダクトベント(図示されてはいない)を含む。
【0045】
図3は、電子レンジアクセスパネル132が除去された状態の電子レンジ装置100の左斜視図である。電子レンジアクセスパネル132は、電子レンジ装置100のマイクロ波コンポーネントを有するマイクロ波コンパートメント133に対するアクセスを提供している。
図4は、電子回路アクセスパネル126が除去された状態の電子レンジ装置100の右斜視図である。電子回路アクセスパネル126は、電子回路コンパートメント135に対するアクセスを提供している。マイクロ波コンパートメント133及び電子回路コンパートメント135は、パーティション壁134によって分離されている。
【0046】
マイクロ波コンパートメント133は、ホルダ118を受け入れるための封入された容積を提供するマイクロ波チャンバ136を含む。マイクロ波チャンバ136は、チャンバ136内のマイクロ波放射を反射する表面を含む。例えば、マイクロ波チャンバ136の側部は、アルミニウム又は鋼などの金属から製造することができる。マイクロ波チャンバ136は、マイクロ波チャンバ136内の電界を計測するための電界検出器538を含みうる。更に詳しく後述するように、電界検出器538は、食物容器120内の製品の容積を推定するべく、使用することができる。
【0047】
マイクロ波チャンバ136は、導波路138及び導波路144からマイクロ波放射を受け取っている。導波路144は、導波路144がパーティション壁134の他側部に位置していることを示すべく、
図4においては、破線で示されている。導波路138は、導波路144との関係においてマイクロ波チャンバ136の上部に向かって左側部表面に沿って位置決めされている。同様に、導波路144も、マイクロ波チャンバ136の下部に向かって右側部表面に沿って位置決めされている。従って、導波路138は、マイクロ波チャンバ136上において導波路144から垂直方向においてオフセットされている。第1のマグネトロン(図示されてはいない)が、導波路138にマイクロ波放射を供給するべく、導波路138の周りにおいて位置決めされている。第1マグネトロンは、導波路138内において配置されたアンテナを含む。導波路138は、受け取られたマイクロ波放射をマイクロ波チャンバ136の第1表面に沿ってマイクロ波チャンバ136内に導くように構成されている。同様に、第2のマグネトロン(図示されてはいない)も、導波路144にマイクロ波放射を供給するべく導波路144の周りにおいて位置決めされている。第2マグネトロンは、導波路144内において配置されたアンテナを含む。導波路144は、受け取られたマイクロ波放射をマイクロ波チャンバ136の第2表面に沿ってマイクロ波チャンバ136の第2表面内に導くように構成されている。
【0048】
マイクロ波チャンバ136内の異なる場所においてマイクロ波放射を導入するべく2つ以上のマグネトロンを有することにより、肯定的及び/又は否定的な干渉の定在波のパターンが確立される。マイクロ波チャンバ136の寸法及びマイクロ波放射がマイクロ波チャンバ136内において導入される場所を最適化することにより、マイクロ波放射を食物容器120内の食物製品に強力に結合することができる。換言すれば、マイクロ波チャンバ136の寸法の最適化により、マグネトロンに戻るマイクロ波エネルギーの反射が極小化される。様々な実装形態において、電子レンジ装置100は、90%超の効率を有するように構成されている。
【0049】
2つのマグネトロンが開示されているが、更に多くの又は少ない数のマグネトロンを使用することができる。それぞれのこのような更なるマグネトロンについて、更なる導波路を提供することができる。更なるマグネトロンを提供することにより、様々な食物容器120内の食物製品に対する強力な結合を保証するべく、より複雑な定在波のパターンの生成が可能となる。
【0050】
いくつかの実装形態において、製品識別スキャナ124によって識別された製品に応じて、使用の際に、マグネトロンの1つ又は複数のもののパワーレベルを調節又はターンオフすることができる。例えば、導波路138は、導波路144からよりも高い場所においてマイクロ波チャンバ136内にマイクロ波放射を導入していることから、短いボトル又はその他の食物容器120が製品ホルダ118内に配置されている場合には、使用の際に、第1マグネトロンを低減又はターンオフすることができる。
【0051】
図3に示されている例は、マイクロ波チャンバ136の反対側からマイクロ波チャンバ136にマイクロ波放射を供給するための導波路138、144を提供しているが、その他の構成を使用することができる。例えば、導波路138は、この代わりに、製品ホルダ118内の食物容器120の上部に向かってマイクロ波放射を供給するべく、マイクロ波チャンバ136の上部表面に沿って配置することもできる。導波路138、144のその他の構成及び場所が本開示によって想定されている。
【0052】
いくつかの実装形態において、マグネトロンの1つ又は複数のものの代わりに、固体マイクロ波ソースを使用することができる。個体マイクロ波ソースを提供することにより、マイクロ波ソースのパワーレベルの変更に加えて、使用の際に、マイクロ波チャンバ136内において生成される定在波のパターンを適応的に変更するべく、マイクロ波放射の周波数を変更することができる。例えば、定在波のパターンは、食物容器120内の食物製品に対するマイクロ波パワー供給の効率を最適化するべく、製品識別スキャナ124によって識別された製品のタイプ又はサイズに応じて、変更することができる。
【0053】
これに加えて、剛性導波路138、144とは対照的に、マイクロ波チャンバ136内にマイクロ波放射を導くべく、単純な同軸アンテナを固体マイクロ波ソースと共に使用することもできる。この結果、更なる場所、それぞれのマイクロ波ソースごとに2つ以上の場所(例えば、2つ以上のアンテナに跨って単一のソースからのマイクロ波放射を分割する)、或いは、その他のこのような構成を使用することができる。又、いくつかの実装形態において、同軸アンテナの場所も、調節可能であってよい。例えば、同軸アンテナは、マイクロ波チャンバ136内においてアンテナの深さを調節自在に変更するように、マイクロ波チャンバ136の表面に取り付けることができる。アンテナの深さ位置は、ソレノイドプランジャ、ステッパモーター、ギアモーター、又はその他のこのような場所調節メカニズムにより、移動させることができる。マイクロ波チャンバ136内の同軸アンテナの深さを調節することにより、特定の食物製品及び/又は食物容器120における電子レンジ装置100の効率を最適化するべく、定在波のパターンを変更することができる。
【0054】
ファン140及びダクト142は、使用の際に、導波路138の周りにおいて位置決めされたマグネトロンを冷却するべく、空気を循環させている。例えば、ファン140は、電子レンジアクセスパネル132上のファンベント(図示されてはいない)を通じて空気を引き入れ、且つ、導波路138の周りにおいて位置決めされたマグネトロンを通過するように、且つ、周囲の環境に通気されるように、ダクト142から外に空気を導いている。同様に、ファン146も、ファンベント128を通じて空気を押し出し、これにより、空気が、ダクトベント130を通じてダクト148内に、且つ、導波路144の周りにおいて位置決めされたマグネトロンを通過するように、引き込まれるようにすることができる。これに加えて、ファン150は、例えば、様々な電源154,156、158、160によって生成される熱からマイクロ波コンパートメント133を冷却するためなどのように、マイクロ波コンパートメント133内において空気循環を提供するべく、電子レンジ装置100の本体123の後部表面上においてファンベント152から外に空気を押し出している。
【0055】
また、マイクロ波コンパートメント133は、導波路138、144の周りにおいて位置決めされたマグネトロンに電力供給するための第1マグネトロン電源154及び第2マグネトロン電源156を含む。マグネトロン電源154、156は、半波倍電圧整流回路電源又はインバータ又はスイッチモード電源であってよい。半波倍電圧整流回路電源は、固定された出力を有し、且つ、オン/オフ循環により、パワーを制御している。インバータ又はスイッチモード電源は、連続的に可変であるパワー制御(のみならず、オン/オフ循環)の能力を有する。また、その他の電源タイプを使用することもできる。
【0056】
第1電子回路電源158は、電子レンジ装置100内の電子回路に電力供給するための第1DC電圧を提供している。例えば、第1DC電圧は、12Vであってよい。第2電子回路電源160は、電子レンジ装置100内の電子回路に電力供給するための第2DC電圧を提供している。例えば、第2DC電圧は、5Vであってよい。電子レンジ装置100内の電子回路に電力供給するために、より多くの又は少ない数の電圧レールを供給するべく、異なる数の電源を使用することができる。又、電源158、160のうちの1つ又は複数のために、異なる電圧レベルを使用することもできる。
【0057】
温度センサ162は、マイクロ波チャンバ136の底部表面の周りにおい位置決めされており、且つ、ドア102が閉鎖された際に、製品ホルダ118内の食物容器120の温度を計測するように構成されている。温度センサ162は、マイクロ波チャンバの外側から、包装された食物製品の温度を検知するように構成された非接触型の温度センサであってよい。非接触型の温度センサを使用することにより、温度センサと食物容器120内の食物製品を加熱する際に使用されるマイクロ波放射の間の相互作用が防止される。例えば、温度センサ162は、食物容器120内の食物製品によって放出される赤外線放射を検知するように用意された赤外線温度センサであってよい。別の例において、超音波センサは、包装された食物製品の温度を検知するべく、使用することができる。その他の接触に基づいた又は非接触型の温度センサを使用することができる。
【0058】
食物容器120は、様々な形状及びサイズを有することができると共に、異なる場所において製品ラベルを有することができる。製品ラベルは、食物容器120を断熱する場合があり、或いは、温度センサ162によるその温度読取に影響を及ぼす場合がある。但し、食物容器120のベースは、特に、食物容器120のベースの中央場所においては、より乏しい相違及び可変性を有する。例えば、飲料容器は、通常、フラットな又は花弁形状のベースを有する。花弁形状のベースの場合にも、飲料容器のベースの中央場所は、ほぼ均一である。これに加えて、製品ラベルは、食物容器120のベース上には、めったに配置されていない。
【0059】
温度センサ162は、ドア102が閉鎖された際に製品ホルダ118の底部に向かって対向するように用意されている。製品ホルダ118の底部は、温度センサ162が食物容器120の底部を観察しうる孔又はアパーチャを含むことができる。食物容器120の底部からの温度の計測は、異なる包装サイズ、形状、及び製品ラベル位置の考慮を必要としないことにより、様々な包装タイプの温度を正確に検知することを許容している。
【0060】
図4において最良に観察されるように、電子回路コンパートメント135は、コンピュータシステム600と、マイクロコントローラ組立体500と、スピーカ168と、を含む。ポートアクセスドア170は、電子レンジ装置100の本体123の後部表面上において配置されており、且つ、コンピュータシステム600上の1つ又は複数の入出力(I/O)ポートに対するアクセスを提供している。パーティション壁134は、マイクロ波コンパートメント133内のコンポーネントから生成される熱及び電磁ノイズから、電子回路コンパートメント135内のコンポーネントを隔離している。
【0061】
図5は、電子レンジ装置100のマイクロコントローラ組立体500のブロック図である。マイクロコントローラ組立体500は、マイクロコントローラ502と、I/Oインターフェイスボード504と、を含む。I/Oインターフェイスボード504は、様々な入力信号を受け取ると共にマイクロコントローラ502に伝達するように構成されている。マイクロコントローラ502は、受け取られた入力信号を処理すると共に出力制御信号508を生成するべく、ファームウェア506を含む。I/Oインターフェイスボード504は、マイクロ波コンパートメント133のコンポーネントを制御するべく、出力制御信号508を供給している。
【0062】
I/Oインターフェイスボード504は、第1電子回路電源158及び第2電子回路電源160からDC電圧を受け取るためのパワー入力ブロック510を含む。ユニバーサル非同期レシーバ/トランスミッタ(UART:Universal Asynchronous Receiver/Transmitter)ポート512は、バーコードスキャナなどの、製品識別スキャナ124との間において信号を通信するように構成されている。入力コンディショニングブロック514は、入力ブロック516によって受け取られた入力信号を処理するべく、入力ブロック516にコンディションニング信号を提供している。入力コンディショニングブロック514は、AC同期入力518を受け取ることができる。
【0063】
入力ブロック516は、電子レンジ装置100内のセンサから状態信号を受け取るように構成されている。例えば、電圧状態センサ520は、第1電子回路電源158の状態を通知する入力ブロック516に信号を提供している。カバーインターロック状態センサ522は、インターロックスイッチが「閉路」位置にある際に、電子レンジアクセスパネル132の取り外しを防止するべくインターロックスイッチの状態(例えば、開路又は閉路)を通知する信号を入力ブロック516に提供している。熱カットアウトセンサ524は、第1マグネトロンの温度が熱カットアウト閾値に到達したかどうかを通知する信号を入力ブロック516に提供している。熱カットアウトセンサ526は、第2マグネトロンの温度が熱カットアウト閾値に到達したかどうかを通知する信号を入力ブロック516に提供している。リレー状態528は、第1パワーリレーの状態(例えば、オン又はオフ)を通知する信号を入力ブロック516に提供している。リレー状態530は、第2パワーリレーの状態(例えば、オン又はオフ)を通知する信号を入力ブロック516に提供している。
【0064】
第1パワーリレーは、第1マグネトロンMOSFETからの制御に応答して、ターンオフすることができる。そして、第1マグネトロンMOSFETは、第1マグネトロンが熱カットアウト閾値を超過する、或いは、カバーインターロックが開放する、ことに応答して、第1パワーリレーをターンオフするべく、熱カットアウトセンサ524又はカバーインターロックからの制御に応答している。同様に、第2パワーリレーも、第2マグネトロンMOSFETからの制御に応答してターンオフすることができる。そして、第2マグネトロンMOSFETも、第1マグネトロンが熱カットアウト閾値を超過する、或いは、カバーインターロックが開放する、ことに応答して、第2パワーリレーをターンオフするべく、熱カットアウトセンサ526又はカバーインターロックからの制御に応答している。
【0065】
1つ又は複数の製品存在検出器122は、食物容器120が製品ホルダ118内に存在しているかどうかを通知する信号を入力ブロック516に提供している。ドアスイッチ532は、ドア102が開放されているのか又は閉鎖されているのかを通知する信号を入力ブロック516に提供している。マグネトロン状態センサ534は、第1マグネトロン電源154の状態を通知する信号を入力ブロック516に提供している。マグネトロン状態センサ536は、第2マグネトロン電源156の状態を通知する信号を入力ブロック516に提供している。更に多くの又は少ない数の入力信号を入力ブロック516に提供することができる。
【0066】
また、I/Oインターフェイスボード504は、温度センサ162及び電界検出器538からアナログ入力を受け取っている。電界検出器538からの信号は、I/Oインターフェイスボード504上のアナログ増幅器542によって受け取られる前に、高周波エンベロープフィルタ540を通過することができる。I/Oインターフェイスボード504上のアナログ入力544は、食物容器120の温度を通知する信号を温度センサ162から受け取っている。
【0067】
上述のように、電界検出器538は、食物容器120内の製品の容積を推定するべく、使用することができる。これに加えて、電界検出器538は、マイクロ波チャンバ136内の電界が、予測された正常動作の範囲内にあることを検証するべく、使用することもできる。例えば、12オンスのアルミニウム缶などの金属製の食物容器120が電子レンジ装置100に挿入された場合に、電界検出器538は、予想未満の又はゼロ値の負荷を検知することになろう。同時に、1つ又は複数の製品存在検出器122は、食物容器120が製品ホルダ118内において存在していることを検知することになろう。同様に、製品が電子レンジ装置100内に挿入されていない場合にも、電界検出器538は、予想未満の又はゼロ値の負荷を検知することになろう。又、1つ又は複数の製品存在検出器122も、製品が製品ホルダ118内において存在しないことを検知することになろう。いずれのケースにおいても、電界検出器538が、最大許容可能な電界閾値によって示されている許容可能な最小値未満の負荷値を検知した際に、電子レンジ装置100の動作が始まるか、又はさもなければ終わることを防止することができる。
【0068】
最大電界閾値は、所与の食物容器120内の所与のタイプの食物製品の容積の最小量に対応しうる。例えば、最大閾値は、所与の食物容器120内において収容されている所与の食物製品の所与の食物容器120の容積の少なくとも5%、10%、又は25%に対応する予想される電界読取であってよい。
【0069】
異なる材料は、異なる誘電率及び導電率を有しており、従って、異なる方式により、マイクロ波放射に結合し、これを吸収し、或いは、その他の方法でこれと反応する。例えば、PETの誘電率は、約1-3ε’である一方で、水は、約80ε’の誘電率を有する。同様に、PETの導電率は、約10-21S/mである一方で、生理食塩水の水溶液は、約1-5S/mの導電率を有する。従って、食物製品は、自身が通常収容されている容器よりも、マイクロ波放射を格段に容易に吸収する。
【0070】
但し、異なる食物製品は、異なる電気プロパティを有する。製品識別スキャナ124からの読取及び電界検出器538によって計測された検出電界強度に基づいてなどのように、マイクロ波チャンバ136に挿入される食物製品の電気プロパティ(例えば、誘電率及び/又は導電率)に基づいて、食物製品の容積を推定することができる。マイクロ波チャンバ136に挿入された食物製品の推定された容積を使用することにより、第1マグネトロン電源154及び/又は第2マグネトロン電源156の動作を変更することができる。例えば、瞬間沸騰を回避するべく、或いは、さもなければ、食物容器120内の圧力増大のリスクを低減するべく、マグネトロン電源154、156のうちの1つ又は複数のもののパワーレベルを推定された容積に基づいて調節することができる。従って、部分的に充填された食物容器120の場合にも、電子レンジ装置100内において、ターゲット温度まで安全に加熱することができる。
【0071】
技術者がスピーカ168の音量レベルを調節することを許容するべく、音量調節入力546(例えば、音量ノブ又はボタン)を電子回路コンパートメント135又は電子レンジ装置内のその他の場所において位置決めすることができる。音量調節入力546は、オーディオ増幅器550によって提供される増幅の量を調節するべく、オーディオジャック548を通じてI/Oインターフェイスボード504上のオーディオ増幅器550に提供することができる。出力オーディオジャック552は、オーディオ増幅器550からスピーカ168にオーディオ信号を供給している。
【0072】
また、I/Oインターフェイスボード556は、出力制御信号508をマイクロ波コンパートメント133内のコンポーネントに供給するべく、出力ブロック556を含む。第1マグネトロン信号554が、第1パワーリレーをターンオン又はオフするべく、第1マグネトロンMOSFETに提供されている。同様に、第2マグネトロン信号556が、第2パワーリレーをターンオン又はオフするべく、第2マグネトロンMOSFETに提供されている。第1パワーリレーがターンオンされた際に、電力が第1マグネトロン電源154及びファン140に提供される。第2パワーリレーがターンオンされた際に、電力が第2マグネトロン電源156及びファン146に提供される。
【0073】
第1パワー制御信号558が、第1マグネトロン電源154によって第1マグネトロンに出力されるパワーを変更するべく、第1マグネトロン電源154に提供されている。第2パワー制御信号560が、第2マグネトロン電源156によって第2マグネトロンに出力されるパワーを変更するべく、第2マグネトロン電源156に提供されている。いくつかの実装形態において、第1及び第2パワー制御信号558、560は、パルス幅変調された制御信号である。第1及び第2パワー制御信号558、560は、同一であってもよく、或いは、異なっていてもよい。例えば、第1及び第2マグネトロン電源154、156は、異なるパワーレベルをその個々のマグネトロンに提供するべく、動作させることができる。ファン制御信号562が、マイクロ波コンパートメント133を冷却するべく、ファン150に提供されている。第1及び第2マグネトロンを冷却するべく、ファン制御信号564をファン140、146に提供することができる。
【0074】
図6は、電子レンジ装置100のコンピュータシステム600のブロック図である。コンピュータシステム600は、オペレーティングシステム602と、オペレーティングシステム602上においてインストールされた1つ又は複数のアプリケーション604と、を含む。又、コンピュータ600は、ユーザーインターフェイス104上における表示のために、或いは、スピーカ168からの出力のために、画像、オーディオ、及びビデオデータ608を保存するためのファイルシステムを有するメモリ606をも含む。1つ又は複数のアプリケーション604が、マイクロコントローラ502などの、通信バス610上のコンポーネントの動作を制御している。I/Oインターフェイス612は、例えば、ビデオ又は画像データの供給及びタッチスクリーンからの接触入力の受領などの、1つ又は複数のアプリケーション604とユーザーインターフェイス104の間の通信を提供している。ポートアクセスドア170を介してアクセス可能でありうるポート614は、使用法及び診断データをダウンロードするのみならず、1つ又は複数のアプリケーション604又はファームウェア506用のソフトウェア更新をアップロードするべく、アクセスを技術者に提供している。データベース616は、電子レンジ装置100の使用法及び診断データをローカルに保存することができる。例えば、使用法データは、ドア102が開放された回数、製品識別スキャナ124によってスキャニングされる製品、製品を加熱するべくユーザーインターフェイス104上において選択される温度、及びこれらのイベントのそれぞれが発生する時点を含みうる。その他の使用法データを収集することができる。診断データは、入力ブロック516、アナログ入力544、及びアナログ増幅器542上において受け取られた入力のログ、のみならず、制御信号508をも含みうる。その他の診断データをデータベース616内において保存することができる。又、使用法及び診断データをリモートサーバー(図示されてはいない)にアップロードするべく、或いは、リモートサーバーからソフトウェア更新を受け取るべく、モデム618を含むこともできる。その他の構成及びコンポーネントも、本開示によって想定されている。
【0075】
図7は、消費者による電子レンジ装置100の動作の状態
図700である。
図8A~
図8Fは、消費者による動作の際に電子レンジ装置100のユーザーインターフェイス104上において表示されるユーザーインターフェイス画面である。702において、電子レンジ装置100は、電力を受け取っている。704において、電子レンジ装置100は、アイドル状態704に入っている。アイドル状態704において、ユーザーインターフェイス104は、電子レンジ装置を使用するべく準備が完了していることを消費者に通知するべく、準備完了画面又はビデオを表示することができる。ドア102が開放されていることがドアスイッチ532によって検出された際に、電子レンジ装置は、スキャン状態706に入る。
【0076】
スキャン状態706において、ユーザーインターフェイス104は、製品識別スキャナ124によって食物容器120をスキャンするように消費者に通知するべく、スキャン画面又はビデオを表示することができる。例えば、ユーザーインターフェイス104は、
図8Aに示されているユーザーインターフェイス画面を表示することができる。食物容器120が製品識別スキャナ124によってスキャニングされる前に、ドア102が閉鎖されていることがドアスイッチ532によって検出された場合には、電子レンジ装置100は、アイドル状態704に戻る。
【0077】
無効な製品が識別スキャナ124によってスキャニングされた場合には、オーディオフィードバックをスピーカ168を通じて提供することができると共に、電子レンジ装置100は、無効製品状態708に入り、この場合に、ユーザーインターフェイス104は、スキャニングされた食物容器120が、電子レンジ装置100と共に使用するには、無効であると消費者に通知するべく、無効製品画面又はビデオを表示することができる。例えば、ユーザーインターフェイス104は、
図8Cに示されているユーザーインターフェイス画面を表示することができる。このチェックは、適合していない容器材料(例えば、アルミニウム缶、など)、適合していない食物製品のタイプ(例えば、高炭酸飲料、など)を有する、或いは、さもなれば、電子レンジ装置100と共に見当合わせされていない、食物容器120が、電子レンジ装置100と共に使用されることの防止を保証している。タイムアウト期間の後に、電子レンジ装置は、スキャン状態706に戻る。
【0078】
有効な製品が識別スキャナ124によってスキャニングされた場合に、オーディオフィードバックをスピーカ168を通じて提供することができると共に、電子レンジ装置100は、食物容器配置チェック状態710に入る。食物容器配置チェック状態710において、電子レンジ装置100は、1つ又は複数の製品存在検出器122により、製品ホルダ118内の食物容器120の存在を検証している。食物容器120が、製品ホルダ118内において存在していると検出されない、或いは、食物容器配置チェック状態710において製品ホルダ118から除去されている、場合には、電子レンジ装置100は、スキャン状態706に戻る。食物容器120が製品ホルダ118内において存在していると検出された場合には、電子レンジ装置100は、ドア閉鎖状態712に入る。
【0079】
ドア閉鎖状態712において、ユーザーインターフェイス104は、製品が、有効であり、正しく配置されており、且つ、消費者がドア102を閉鎖することを要する、ことを消費者に通知するべく、ドア閉鎖画面又はビデオを表示することができる。例えば、ユーザーインターフェイス104は、
図8Bにおいて示されているユーザーインターフェイス画面を表示することができる。ドア102がタイムアウト期間内において閉鎖されたことが検出されない場合には、電子レンジ装置100は、スキャン状態706に戻る。ドア102が閉鎖されていることがドアスイッチ532によって検出されたことを電子レンジ装置100が検出した際に、電子レンジ装置100は、温度選択状態716に入る。
【0080】
これに加えて、ドア102が閉鎖されたことを検出した際に、食物容器120の初期温度読取を温度センサ162によって検出することもできる。無効な温度読取が受け取られた場合に、電子レンジ装置100は、エラー状態714に入る。例えば、電子レンジ装置100は、食物容器120の温度読取が電子レンジ装置100の最大温度以上である、或いは、温度読取が、その他の方式により、温度センサ162の正常動作範囲の外側である、或いは、その他の方式により、温度センサ162が障害を有することを通知している、場合に、エラー状態714に入ることができる。エラー状態714において、ユーザーインターフェイス104は、点検修理が必要とされていることを消費者に通知するべく、エラー画面又はビデオを表示することができる。例えば、ユーザーインターフェイス104は、
図8Fに示されているユーザーインターフェイス画面を表示することができる。
【0081】
温度選択状態716において、ユーザーインターフェイス104は、食物容器120の望ましい加熱温度を選択するように消費者に通知するべく、温度選択画面又はビデオを表示することができる。例えば、ユーザーインターフェイス104は、
図8Dに示されているユーザーインターフェイス画面を表示することができる。
図8Dに示されているように、3つの選択可能ユーザーインターフェイスアイコンが存在しており、これらのそれぞれは、周辺アイコン802、高温アイコン804、及び非常に高温アイコン806などの、相対温度レベルを表している。或いはこの代わりに、又はこれに加えて、温度値を選択可能アイコンのそれぞれの上部に表示することもできる。
【0082】
消費者は、冷えた食物容器120を周辺温度(例えば、約25℃)に加熱するべく周辺アイコン802を選択することができる。消費者は、食物容器120を構成可能な高温の温度(例えば、約45℃)に加熱するべく、高温アイコン804を選択することができる。消費者は、食物容器120を構成可能な非常に高温の温度(例えば、約65℃)に加熱するべく、非常に高温アイコン806を選択することができる。その他の温度レベルを使用することができると共に、更に詳細に以下において開示するように、技術者によって構成することができる。温度選択がタイムアウト期間内において実施されない場合には、電子レンジ装置は、スキャン状態706に戻る。
【0083】
ユーザーインターフェイス104から温度選択を受け取った際に、電子レンジ装置100は、加熱状態718に入る。加熱状態718において、電子レンジ装置は、上述のように、1つ又は複数のマイクロ波ソースの動作を通じて食物容器120を加熱することにより、開始する。加熱状態718において、ユーザーインターフェイス104は、食物容器120の現時点の加熱の状態を消費者に通知するべく、加熱画面又はビデオを表示することができる。例えば、ユーザーインターフェイス104は、
図8Eにおいて示されているユーザーインターフェイス画面を表示することができる。従って、ユーザーインターフェイス104は、食物容器120の現時点の温度のみならず、電子レンジ装置100が稼働中であり、且つ、ドア102が閉鎖された状態において留まることを要する、という通知を表示することができる。ドア102が加熱状態718において開放されたことがドアスイッチ532によって検出された場合に、電子レンジ装置100は、マイクロ波ソースの動作を中断し、且つ、スキャン状態706に戻る。
【0084】
電界検出器538からの読取は、電子レンジ装置100の動作の際に収集することができる。上述のように、これらの読取は、製品がマイクロ波チャンバ136に挿入されたことを検証するべく、或いは、食物容器120内の流体の容積を検出するべく、使用することができる。例えば、食物容器120内の流体の検出された容積に基づいて、1つ又は複数のマイクロ波ソースのパワーレベル又は周波数を変更することができる。電界検出器538によって検出された電界が最大電界閾値超である場合には、或いは、製品が、1つ又は複数の製品存在検出器122によってマイクロ波チャンバ136内において検出されない場合には、電子レンジ装置100は、上述の無効製品状態708に入る。電界検出器538からの値が正常な動作の範囲の外側である、或いは、さもなければ、電子レンジ装置100が障害を有することを通知している、場合には、電子レンジ装置100は、上述のエラー状態714に入る。
【0085】
ユーザーインターフェイス104からの選択に基づいてターゲット温度に到達した際に、電子レンジ装置100は、マイクロ波ソースの動作を中断し、オーディオフィードバックをスピーカ168を通じて提供し、且つ、完了状態720に入る。完了状態770において、ユーザーインターフェイス104は、加熱された食物容器120を取り出し、且つ、その消費を楽しむように、消費者に通知するべく、完了画面又はビデオを表示することができる。例えば、ユーザーインターフェイス104は、
図8Bにおいて示されているユーザーインターフェイス画面を表示することができる。ドア102が完了状態720において開放されたことがドアスイッチ532によって検出された際に、電子レンジ装置100は、スキャン状態706に戻る。
【0086】
いくつかの実装形態において、ドア102が、完了状態720において、或いは、加熱状態718において、開放された際に、電子レンジ装置100は、ボトル除去状態(図示されてはいない)に入ることができる。ボトル除去状態において、ユーザーインターフェイス104は、製品ホルダ118から食物容器120を除去するように消費者に通知するべく、ボトル除去画面又はビデオを表示することができる。ボトル除去画面又はビデオは、既定の時間量にわたって表示することができる。食物容器120が製品ホルダ118から除去されたことが1つ又は複数の製品存在検出器122によって検出された際に、或いは、タイムアウトの後に、電子レンジ装置100は、スキャン状態706に戻る。
【0087】
図9は、技術者による電子レンジ装置100の動作の状態
図900である。
図10A~
図10Bは、技術者による動作の際に電子レンジ装置100のユーザーインターフェイス上において表示されるユーザーインターフェイス画面である。902において、電子レンジ装置100は、サービスホーム状態904に入っている。例えば、製品識別スキャナ124がスキャン状態706において技術者バーコードをスキャニングした際に、電子レンジ装置100は、サービスホーム状態904に入る。サービスホーム状態904において、ユーザーインターフェイス104は、サービス選択肢を技術者に通知するべく、サービスホーム画面又はビデオを表示することができる。
【0088】
例えば、ユーザーインターフェイス104は、サービスホーム状態904において
図10Aに示されているユーザーインターフェイス画面を表示することができる。サービスホーム画面は、選択可能な戻りボタン1002を含む。戻りボタン1002の選択を受け取った際に、タイムアウト期間の後に、或いは、ドア102がサービスホーム状態904において閉鎖されたことがドアスイッチ532によって検出された際に、電子レンジ装置100は、消費者動作モードに戻る。例えば、電子レンジ装置100は、ドア102が閉鎖されたかどうかに応じて、アイドル状態704又はスキャン状態706に戻る。
【0089】
また、サービスホーム画面は、選択可能な温度ボタン1004をも含む。温度ボタン1004の選択を受け取った際に、電子レンジ装置100は、温度調節状態906に入る。温度調節状態906において、ユーザーインターフェイス104は、温度調節選択肢を技術者に通知するべく、温度調節画面又はビデオを表示することができる。
【0090】
例えば、ユーザーインターフェイス104は、温度調節状態906において、
図10Bに示されているユーザーインターフェイス画面を表示することができる。温度調節画面は、選択可能な戻りボタン1006を含む。戻りボタン1006の選択を受け取った際に、或いは、タイムアウト期間の後に、電子レンジ装置100は、サービスホーム状態904に戻る。また、温度調節画面は、周辺アイコン802、高温アイコン804、及び非常に高温アイコン806にそれぞれが対応する、但し、オーバーレイされた温度値を有する、温度アイコン1008、1010、1012を含む。温度アイコン1008、1010、1012のそれぞれは、温度アイコンに対応する温度値を変更するべく、対応する温度調節ボタンを有する。
【0091】
例えば、周辺アイコン802に対応する温度アイコン1008は、25℃の温度値を有する状態において示されている。温度アイコン1008における温度値は、温度増大ボタン1014の選択の際に、増大させることができる。同様に、温度アイコン1008における温度値は、温度減少ボタン1016の選択の際に、減少させることもできる。高温アイコン804に対応する温度アイコン1010は、45℃の温度値を有する状態において示されている。温度アイコン1010における温度値は、温度増大ボタン1018の選択際に増大させることができる。同様に、温度アイコン1010における温度値は、温度減少ボタン1020の選択の際に、減少させることもできる。非常に高温アイコン806に対応する温度アイコン1012は、65℃の温度値を有する状態において示されている。温度アイコン1012における温度値は、温度増大ボタン1022の選択の際に、増大させることができる。同様に、温度アイコン1012における温度値は、温度減少ボタン1024の選択の際に、減少させることもできる。温度増大及び減少ボタン1014、1016、1018、1020、1022、1024は、整数(例えば、それぞれの選択において、1、2、3、4、又は5℃)又は分数値(例えば、それぞれの選択において、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5℃)だけ、温度アイコン1008、1010、1012における温度値を調節することができる。
【0092】
また、温度調節画面は、キャンセルボタン1026と、保存ボタン1028と、をも含む。キャンセルボタン1026の選択の際に、温度アイコン1008、1010、1012における温度値に対する任意の変更が破棄され、且つ、電子レンジ装置100は、サービスホーム状態904に戻る。同様に、保存ボタン1028の選択の際に、温度アイコン1008、1010、1012における温度値に対する任意の変更が保存され、且つ、電子レンジ装置100は、サービスホーム状態904に戻る。
【0093】
サービスホーム状態904から、技術者は、変更が望ましい食物容器120をスキャニングすることにより、電子レンジ装置100と共に使用される受け入れ可能な食物容器の在庫を変更することができる。例えば、技術者は、製品識別スキャナ124により、食物容器120をスキャニングしてもよく、この時点において、電子レンジ装置は、スピーカ168を通じてスキャンのオーディオフィードバックを提供する。スキャニングされた食物容器120が、受け入れ可能な食物容器の在庫において既に保存されている場合には、電子レンジ装置100は、リスト化された製品状態908に入る。スキャニングされた食物容器120が、受け入れ可能な食物容器の在庫において未だ保存されていない場合には、電子レンジ装置100は、リスト化されていない製品状態910に入る。但し、ユーザーインターフェイス104は、スキャニングされた識別子(例えば、バーコード番号、など)の値、或いは、製品のタイプなどのスキャニングされた食物容器120に関するその他の情報、などを表示することができる。
【0094】
リスト化された製品状態908において、ユーザーインターフェイス104は、受け入れ可能な食物容器の在庫を変更するように選択肢を技術者に通知するべく、製品除去画面又はビデオを表示することができる。例えば、製品除去画面は、スキャニングされた食物容器120が、受け入れ可能な食物容器から除去されるべきであることを確認するための選択可能な確認アイコンを含むことができる。確認アイコンの選択を受け取った際に、スキャニングされた食物容器120は、受け入れ可能な食物容器の在庫から除去され、且つ、電子レンジ装置100は、サービスホーム状態904に戻る。又、製品除去画面は、受け入れ可能な食物容器の在庫からのスキャニングされた食物容器120の除去をキャンセルするための選択可能な戻りボタンを含むこともできる。タイムアウト期間の後に、或いは、戻りボタンの選択を受け取った際に、受け入れ可能な食物容器の在庫は、不変の状態において留まり、且つ、電子レンジ装置100は、サービスホーム状態904に戻る。
【0095】
リスト化されていない製品状態910において、ユーザーインターフェイス104は、受け入れ可能な食物容器の在庫を変更するように技術者に選択肢を通知するべく、製品追加画面又はビデオを表示することができる。例えば、製品追加画面は、スキャニングされた食物容器120が、受け入れ可能な食物容器の在庫に追加されるべきであることを確認するための選択可能な確認アイコンを含むことができる。確認アイコンの選択を受け取った際に、スキャニングされた食物容器120は、受け入れ可能な食物容器の在庫に追加され、且つ、電子レンジ装置100は、サービスホーム状態904に戻る。また、製品追加画面は、受け入れ可能な食物容器の在庫から、スキャニングされた食物容器120の追加をキャンセルするための選択可能な戻りボタンを含むこともできる。タイムアウト期間の後に、或いは、戻りボタンの選択を受け取った際に、受け入れ可能な食物容器の在庫は、不変の状態において留まり、且つ、電子レンジ装置100は、サービスホーム状態904に戻る。
【0096】
いくつかの実装形態において、技術者には、受け入れ可能な食物容器の在庫を変更するべく、サービスホーム状態904に対するアクセスを有するクルーメンバ又はその他の人物よりも多くのアクセスを提供することができる。例えば、クルーメンバは、受け入れ可能な食物容器の在庫からいくつかの食物容器を追加又は除去することが可能であってよい。但し、除去するためのアクセスがクルーメンバには提供されていない受け入れ可能な食物容器の在庫のサブセットが存在しうる。スキャニングされた食物容器120が、除去するためのアクセスがクルーメンバには提供されていない受け入れ可能な食物コンテアの在庫のサブセットに含まれている場合に、ユーザーインターフェイス104は、スキャニングされた食物容器に関する更なる情報を示す製品画面を単純に表示することができる。
【0097】
又、サービスホーム状態904から、技術者は、電子レンジ装置100に対するソフトウェア更新動作を実行することができる。例えば、ポート614内にUSBドライブを受け入れた際に、電子レンジ装置100は、更新状態912に入る。更新状態912において、ユーザーインターフェイス104は、電子レンジ装置100上のソフトウェアが更新中であることを技術者に通知するべく、更新画面又はビデオを表示することができる。例えば、ソフトウェア更新は、1つ又は複数のアプリケーション604又はファームウェア506のソフトウェア更新をアップロード又はインストールすることができる。ソフトウェア更新の完了の際に、ユーザーインターフェイス104は、ソフトウェア更新が完了したことを技術者に通知するべく、更新完了画面を表示することができる。この結果、電子レンジ装置100は、通常どおりに、パワー状態702から再開することができる。
【0098】
様々な図との関係において本明細書において記述されている論理的動作は、(1)演算装置(例えば、
図11において記述されている演算装置)上において稼働するコンピュータ実装された行為又はプログラムモジュールのシーケンス(即ち、ソフトウェア)として、(2)演算装置内の相互接続された機械論理回路又は回路モジュール(即ち、ハードウェア)として、及び/又は、(3)演算装置のソフトウェア及びハードウェアの組合せとして、実装されうることを理解されたい。従って、本明細書において記述されている論理的動作は、ハードウェア及びソフトウェアの任意の特定の組合せに限定されるものではない。実装形態は、演算装置の性能及びその他の要件に依存する選択の問題である。従って、本明細書において記述されている論理的動作は、動作、構造的装置、行為、又はモジュールとして、様々に呼称される。これらの動作、構造的装置、行為、及びモジュールは、ソフトウェアにおいて、ファームウェアにおいて、特殊目的デジタルロジックにおいて、且つ、これらの任意の組合せにおいて、実装することができる。また、図示されている、且つ、本明細書において記述されている、ものよりも、多くの又は少ない数の動作を実行しうることを理解されたい。また、これらの動作は、本明細書において記述されているものとは異なる順序において実行することもできる。
【0099】
図11を参照すれば、本発明の実施形態が実装されうる例示用の演算装置1100が示されている。例えば、本明細書において記述されている電子レンジ装置100、ユーザーインターフェイス104、マイクロコントローラ502、及び/又はコンピュータ600は、それぞれ、演算装置1100などの演算装置として実装することができる。例示用の演算装置1100は、本発明の実施形態が実装されうる適切な演算環境の一例に過ぎないことを理解されたい。任意選択により、演算装置1100は、限定を伴うことなしに、パーソナルコンピュータ、サーバー、ハンドヘルド又はラップトップ装置、マルチプロセッサシステム、マイクロプロセッサに基づいたシステム、ネットワークパーソナルコンピュータ(PC)、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータ、組込み型のシステム、及び/又は上述のシステム又は装置のうちの任意のものの複数を含む分散型の演算環境を含む、周知の演算システムであってよい。分散型の演算環境は、通信ネットワーク又はその他のデータ送信媒体に接続されたリモート演算装置が様々なタスクを実行することを可能にしている。分散型の演算環境において、プログラムモジュール、アプリケーション、及びその他のデータは、ローカル及び/又はリモートコンピュータストレージ媒体上において保存することができる。
【0100】
一実施形態において、演算装置1100は、タスクを実行するべく協働する、互いに通信状態にある、2つ以上のコンピュータを有することができる。例えば、但し限定を伴うことなしに、アプリケーションは、アプリケーションの命令の同時及び/又は並列処理を許容するような方式により、パーティション化することができる。或いはこの代わりに、アプリケーションによって処理されるデータは、2つ以上のコンピュータによるデータセットの異なる部分の同時及び/又は並列処理を許容するような方式により、パーティション化することもできる。一実施形態において、演算装置1100内のコンピュータの数に直接的に拘束されないいくつかのサーバーの機能を提供するべく、仮想化ソフトウェアを演算装置1100によって利用することができる。例えば、仮想化ソフトウェアは、4つの物理的コンピュータ上において20個の仮想的サーバーを提供することができる。一実施形態において、以上において開示されている機能は、クラウド演算環境において1つ及び/又は複数のアプリケーションを実行することにより、提供することができる。クラウド演算は、動的にスケーラブルな演算リソースを使用することにより、ネットワーク接続を介して演算サービスを提供することを有することができる。クラウド演算は、少なくとも部分的に、仮想化ソフトウェアにより、サポートすることができる。クラウド演算環境は、企業によって確立することができる及び/又は、第3者プロバイダから必要に応じて借りることもできる。いくつかのクラウド演算環境は、企業によって所有及び稼働されるクラウド演算リソースのみならず、第3者プロバイダから借りた及び/又はリースされたクラウド演算リソースを有することができる。
【0101】
その最も基本的な構成において、演算装置1100は、通常、少なくとも1つの処理ユニット1120と、システムメモリ1130と、を含む。演算装置の正確な構成及びタイプに応じて、システムメモリ1130は、(ランダムアクセスメモリ(RAM:Random Access Memory)などの)揮発性、(読み出し専用メモリ(ROM:Read-Only Memory)、フラッシュメモリ、などのような)不揮発性、或いは、これら2つの何れかの組合せであってよい。この最も基本的な構成は、
図11において、破線1110によって示されている。処理ユニット1120は、演算装置1100の動作に必要とされる算術的及び論理的動作を実行する、標準的なプログラム可能なプロセッサであってよい。1つの処理ユニット1120しか示されていないが、複数のプロセッサが存在しうる。従って、命令は、1つのプロセッサによって実行されるものとして記述されている場合があるが、命令は、1つの又は複数のプロセッサにより、同時に、連続的に、或いは、その他の方法で実行することができる。又、演算装置1100は、演算装置1100の様々なコンポーネントの間において情報を伝達するためのバス又はその他の通信メカニズムを含むこともできる。
【0102】
演算装置1100は、更なる特徴/機能を有することができる。例えば、演算装置1100は、限定を伴うことなしに、磁気又は光ディスク又はテープを含む、着脱自在のストレージ1140及び非着脱自在のストレージ1150などの更なるストレージを含むことができる。また、演算装置1100は、装置が、例えば、本明細書において記述されている通信経路上において、その他の装置と通信することを許容する1つ又は複数のネットワーク接続1180を含むことができる。1つ又は複数のネットワーク接続1180は、モデム、モデムバンク、Ethernetカード、ユニバーサルシリアルバス(USB:Universal Serial Bus)インターフェイスカード、シリアルインターフェイス、トークンリングカード、ファイバ分散データインターフェイス(FDDI:Fiber Distributed Data Interface)カード、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN:Wireless local Area Network)カード、符号分割多重アクセス(CDMA:Code Division Multiple Access)、GSM(Global System for Mobile communications)、ロングタームエボリューション(LTE:Long-Term Evolution)、WiMAX(Worldwide interoperability for Microwave Access)などの無線トランシーバカード、及び/又はその他の無線インターフェイスプロトコル無線トランシーバカード、並びに、その他の周知のネットワーク装置の形態を有することができる。また、演算装置1100は、キーボード、キーパッド、スイッチ、ダイヤル、マウス、トラックボール、タッチスクリーン、音声認識器、カード読取器、紙テープ読取器、又はその他の周知の入力装置などの1つ又は複数の入力装置1170を有することもできる。また、プリンタ、ビデオモニタ、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、タッチスクリーンディスプレイ、ディスプレイ、スピーカなどのような1つ又は複数の出力装置1160を含むこともできる。演算装置1100のコンポーネントの間におけるデータの通信を促進するべく、更なる装置をバスに接続することができる。すべてのこれらの装置は、当技術分野において周知であり、且つ、ここでの詳細な説明を省略する。
【0103】
処理ユニット1120は、有体のコンピュータ可読媒体においてエンコーディングされたプログラムを実行するように構成することができる。有体のコンピュータ可読媒体は、演算装置1100(即ち、機械)が特定の方式によって動作するようにする、データを提供する能力を有する任意の媒体を意味している。実行のために、処理ユニット1120に命令を提供するべく、様々なコンピュータ可読媒体を利用することができる。例示用の有体のコンピュータ可読媒体は、限定を伴うことなしに、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、又はその他のデータなどの、情報の保存のための任意の方法又は技術によって実装された揮発性媒体、不揮発性媒体、着脱自在の媒体、及び非着脱自在の媒体を含みうる。システムメモリ1130、着脱自在のストレージ1140、及び非着脱ストレージ1150は、いずれも、有体のコンピュータストレージ媒体の例である。例示用の有体のコンピュータ可読記録媒体は、限定を伴うことなしに、集積回路(例えば、フィールドプログラム可能なゲートアレイ又は用途固有のIC)、ハードディスク、光ディスク、磁気光ディスク、フロッピーディスク、磁気テープ、ホログラフィックストレージ媒体、半導体装置、RAM、ROM、電気的に消去可能なプログラム読み出し専用メモリ(EEPROM:Electrically Erasable Program Read-Only Memory)、フラッシュメモリ又はその他のメモリ技術、CD-ROM、デジタルバーサタイルディスク(DVD:Digital Versatile Disk)、又はその他の光ディスク、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ、又はその他の磁気ストレージ装置を含む。
【0104】
実行可能なソフトウェアをコンピュータに読み込むことによって実装されうる機能は、周知の設計規則により、ハードウェア実装形態に変換されうることは、電気工学及びソフトウェア工学の技術分野における基本事項である。概念をソフトウェア又はハードウェアのいずれにおいて実装するのかの決定は、通常、ソフトウェアドメインからハードウェアドメインへの変換に伴う任意の課題ではなく、設計の安定性と生成されるべきユニットの数の考慮に依存している。一般に、依然として頻繁な変更を経験する設計は、ソフトウェアにおいて実装することが好ましい場合があり、その理由は、ハードウェア実装形態のやり直しは、ソフトウェア設計のやり直しよりも大きな費用を所要するからである。一般に、大量に生成されることになる安定した設計は、例えば、用途固有の集積回路(ASIC)においてなどのように、ハードウェアにおいて実装されることが好ましい場合があり、その理由は、大量生産の場合には、ハードウェア実装形態が、ソフトウェア実装形態よりも、乏しく費用を所要しうるからである。しばしば、設計は、ソフトウェア形態において開発及び試験され、且つ、後から、周知の設計規則により、ソフトウェアの命令を配線化した用途固有の集積回路内において均等なハードウェア実装形態に変換される場合がある。新しいASICによって制御されている機械が特定の機械又は装置であるのと同一の方式により、同様に、プログラミングされた、及び/又は、実行可能な命令が読み込まれた、コンピュータも、特定の機械又は装置として見なすことができる。
【0105】
例示用の一実装形態において、処理ユニット1120は、システムメモリ1130内において保存されているプログラムコードを実行することができる。例えば、バスは、データをシステムメモリ1130まで搬送してもよく、処理ユニット1120は、これから命令を受け取り、且つ、実行している。システムメモリ1130によって受け取られたデータは、任意選択により、処理ユニット1120による実行の前又は後に、着脱自在のストレージ1140又は非着脱自在のストレージ1150上において保存することができる。
【0106】
本明細書において記述されている様々な技法は、ハードウェア又はソフトウェア、或いは、適宜、これらの組合せ、との関連において実装されうることを理解されたい。従って、本明細書において開示されている主題の方法及び装置、或いは、その特定の態様又は一部分は、フロッピーディスクケット、CD-ROM、ハードドライブ、又は任意のその他の機械可読ストレージ媒体などの、有体の媒体において実施されたプログラムコード(即ち、命令)の形態を有していてもよく、この場合に、プログラムコードが、演算装置などの機械に読み込まれ、且つ、これによって実行された際に、機械は、本明細書において開示されている主題を実施するための装置となっている。プログラム可能なコンピュータ上におけるプログラムコード実行のケースにおいて、演算装置は、一般に、プロセッサ、プロセッサによって読み取り可能なストレージ媒体(揮発性及び不揮発性メモリ及び/又はストレージ要素を含む)、少なくとも1つの入力装置、及び少なくとも1つの出力装置を含む。1つ又は複数のプログラムは、例えば、アプリケーションプログラミングインターフェイス(API:Application Programming Interface)、再使用可能なコントロール、又はこれらに類似したものの使用を通じて、本明細書において開示されている主題との関連において記述されているプロセスを実装又は利用することができる。このようなプログラムは、コンピュータシステムと通信するべく、ハイレベルな手続型又はオブジェクト指向のプログラミング言語において実装することができる。但し、1つ又は複数のプログラムは、必要に応じて、アセンブラ又は機械言語において実装することができる。いずれのケースにおいても、言語は、コンパイル型又はインタープリタ型の言語であってもよく、且つ、これは、ハードウェア実装形態と組み合わせることができる。
【0107】
方法及びシステムの実施形態は、本明細書においては、方法、システム、装置、及びコンピュータプログラムプロダクトのブロック図及びフローチャート図を参照して記述されている場合がある。ブロック図及びフローチャート図のそれぞれのブロック並びにブロック図及びフローチャート図中のブロックの組合せは、それぞれ、コンピュータプログラム命令によって実装されうることを理解されたい。これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータ又はその他のプログラム可能なデータ処理装置上において稼働する命令が、1つ又は複数のフローチャートブロックにおいて規定されている機能を実装するための手段を生成するように、機械を生成するべく、汎用コンピュータ、特殊目的コンピュータ、又はその他のプログラム可能なデータ処理装置上に読み込むことができる。
【0108】
又、これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータ可読メモリ内において保存されている命令が、1つ又は複数のフローチャートブロックにおいて規定されている機能を実装するべく、コンピュータ可読命令を含む製造物品を生成するように、特定の方式により、機能するべく、コンピュータ又はその他のプログラム可能なデータ処理装置を制御しうるコンピュータ可読メモリ内において保存することもできる。又、コンピュータプログラム命令は、コンピュータ又はその他のプログラム可能な装置上において稼働する命令が、1つ又は複数のフローチャートブロックにおいて規定されている機能を実装するためのステップを提供するように、コンピュータ実装されたプロセスを生成するために、一連の動作ステップがコンピュータ又はその他のプログラム可能な装置上において実行されるようにするべく、コンピュータ又はその他のプログラム可能なデータ処理装置上に読み込むこともできる。
【0109】
従って、ブロック図及びフローチャート図のブロックは、規定されている機能を実行するための手段の組合せ、規定されている機能を実行するためのステップの組合せ、及び規定されている機能を実行するためのプログラム命令手段をサポートしている。また、ブロック図及びフローチャート図のそれぞれのブロック並びにブロック図及びフローチャート図のブロックの組合せは、規定されている機能又はステップ或いは特殊目的ハードウェア及びコンピュータ命令の組合せを実行する特殊目的ハードウェアに基づいたコンピュータシステムにより、実装されうることを理解されたい。
【0110】
本開示においては、いくつかの実施形態が提供されているが、開示されているシステム及び方法は、本開示の精神又は範囲を逸脱することなしに、多くのその他の特定の形態において実施されうることを理解されたい。これらの例は、限定ではなく、例示を目的としたものであると見なすことを要し、且つ、本発明は、本明細書において付与されている詳細に限定されるものではない。例えば、様々な要素又はコンポーネントは、組み合わせられてもよく、或いは、別のシステムにおいて統合されてもよく、或いは、特定の特徴は、省略されてもよく、或いは、実装されなくてもよい。
【0111】
また、個別である又は別個であるものとして様々な実施形態において記述及び図示されている技法、システム、サブシステム、及び方法は、本開示の範囲を逸脱することなしに、その他のシステム、モジュール、技法、又は方法と組み合わせられてもよく、或いは、統合されてもよい。直接的に結合されている、或いは、互いに通信している、ものとして図示又は記述されているその他の品目は、電気的であるのか、機械的であるのか、或いは、その他の方法であるのか、を問わず、何れかのインターフェイス、装置、又は中間コンポーネントを通じて、間接的に結合されていてもよく、或いは、通信していてもよい。変更、置換、及び変形のその他の例は、当業者によって特定可能であり、且つ、本明細書において開示されている精神及び範囲を逸脱することなしに、実施されうるであろう。