(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-12
(45)【発行日】2024-07-23
(54)【発明の名称】熱可塑性材料からなる容器の照射滅菌方法および装置
(51)【国際特許分類】
B65B 55/08 20060101AFI20240716BHJP
B65B 55/04 20060101ALI20240716BHJP
A61L 2/08 20060101ALI20240716BHJP
【FI】
B65B55/08 B
B65B55/04 C
A61L2/08 108
(21)【出願番号】P 2021524366
(86)(22)【出願日】2019-11-07
(86)【国際出願番号】 FR2019052648
(87)【国際公開番号】W WO2020094994
(87)【国際公開日】2020-05-14
【審査請求日】2022-11-07
(32)【優先日】2018-11-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(32)【優先日】2018-11-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】504102770
【氏名又は名称】シデル パルティシパション
【氏名又は名称原語表記】SIDEL PARTICIPATIONS
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ベルナール,ベロニク
(72)【発明者】
【氏名】ショメル,ニコラ
(72)【発明者】
【氏名】ル・ペシュール,アンソニー
【審査官】▲桑▼原 恭雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-058843(JP,A)
【文献】特開2007-106438(JP,A)
【文献】特開平11-248896(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 55/08
B65B 55/04
A61L 2/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
主軸(O)を有し、首部(14)を備えて底部(16)により閉鎖される本体(12)を含むタイプの熱可塑性材料からなる少なくとも1つの容器(10)の照射滅菌装置(100)であって、
-容器の移動方向を有し、主軸(O)がこの移動方向に直交する容器を搬送可能な、コンベヤシステムと、
-前記少なくとも1つの容器(10)をビームの伝搬方向に外部から照射するために電子ビーム(F)を放出可能なヘッド(125)を備え、このヘッド(125)がビームの伝搬方向に直交する主軸Aを有する少なくとも1つのエミッタ(120)と、
を含む装置(100)において、
前記少なくとも1つのエミッタ(120)は、平行六面体の形状を有し、その主軸Aに沿って高さ「H」にわたって、且つ、前記主軸Aに直交して幅「l」にわたって延在する
、ヘッド(125)を含み、前記容器(10)が受ける照射線量を最適化するために、このエミッタのヘッドの主軸(A)と容器の軸(O)との間に含まれかつ容器の高さ(h)に応じて決定される傾斜角度(α)に従って、ヘッド(125)を傾斜できるように構成されていることを特徴とする滅菌装置(100)。
【請求項2】
ヘッド(125)がビーム(F)の直線断面を画定し、この断面の最大寸法に対応する高さ(H)を有し、滅菌装置が、移動方向に直交する方向へのヘッドの高さの投影に等しい投影高さ(H1)を有し、ヘッド(125)の傾斜角度(α)は、エミッタの投影高さ(H1)に対する容器の高さ(h)の比率が1に近くなるように決定されることを特徴とする請求項1に記載の滅菌装置。
【請求項3】
ヘッド(125)の傾斜角度(α)が0°より大きい最小値と90°の最大値との間に含まれることを特徴とする請求項1または2に記載の滅菌装置。
【請求項4】
エミッタ(120)のヘッド(125)は、前記傾斜角度(α)に従ってヘッド(125)を傾斜させるために回転可能に取り付けられることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の滅菌装置。
【請求項5】
ヘッド(125)の傾斜が作動手段により制御されることを特徴とする請求項4に記載の滅菌装置。
【請求項6】
ヘッド(125)は、このヘッド(125)と照射すべき前記少なくとも1つの容器(10)との距離を変化させるように並進可能に取り付けられることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の滅菌装置。
【請求項7】
主軸(O)を有し、首部(14)を備えて底部(16)により閉鎖される本体(12)を含むタイプの熱可塑性材料からなる容器(10)のフロー(fx)を滅菌装置(100)により照射滅菌する方法であって、滅菌装置が、主軸(A)を有して電子ビーム(F)を放出するように構成されたヘッド(125)を備える少なくとも1つのエミッタ(120)を含んでおり、この方法は、
-前記エミッタ(120)のヘッド(125)から放出される電子ビーム(F)により前記少なくとも1つの容器(10)を外部から照射する工程であって、このヘッドが、エミッタのヘッドの主軸(A)と容器の軸(O)との間に含まれる傾斜角度(α)であって容器の主軸(O)に沿って容器の高さ(h)に応じて決定される値に等しい傾斜角度(α)を有するように配置されており、前
記ヘッド(125)は、平行六面体の形状を有し、その主軸Aに沿って高さ「H」にわたって、且つ、前記主軸Aに直交して幅「l」にわたって延在している、照射工程
を含む方法。
【請求項8】
-移動方向に沿って容器のフローを搬送する工程であって、
-移動方向に直交する方向への容器の投影高さ(h1)を計算し、
-ヘッド(125)が、直線断面の最大寸法に対応する高さ(H)を有するビーム(F)の直線断面を画定し、移動方向に直交する方向へのヘッドの高さ(H)の投影に等しい投影高さ(H1)を計算する、工程と、
-エミッタのヘッドの投影高さ(H1)に対する容器の投影高さ(h1)の比率が1に近くなるように所定の値の傾斜角度(α)に従って前記エミッタ(120)のヘッド(125)の傾斜を調整することからなる、照射工程の予備調整工程と
を少なくとも含むことを特徴とする請求項7に記載の処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱可塑性材料からなる容器の照射滅菌方法および装置に関する。
【0002】
本発明は、特に、主軸を有し、首部を備えて底部により閉鎖される本体を含むタイプの熱可塑性材料からなる少なくとも1つの容器の照射滅菌装置に関し、前記装置は、主軸を有して前記少なくとも1つの容器を外部から照射するために、電子ビームを放出するヘッドを備えた少なくとも1つのエミッタを含む。換言すれば、ヘッドは、放出されたビームの断面を画定するエミッタの部分であり、エミッタの主軸は、このビームの最大寸法の断面である。
【0003】
本発明は、また、主軸を有し、電子ビームを放出するための、主軸を有する、ヘッドを備えた少なくとも1つのエミッタを含む滅菌装置により、主軸を有し、首部を備えて底部により閉鎖される本体を含むタイプの熱可塑性材料からなる容器のフローを照射滅菌する方法に関する。
【背景技術】
【0004】
従来技術では、熱可塑性材料からなるプリフォームおよび/または容器の少なくとも内部を滅菌するための様々な滅菌方法が知られている。
【0005】
熱可塑性材料からなる容器の製造は、一般には、あらかじめ容器製造設備の炉内で熱調整された高温プリフォームにより得られ、その後、プリフォームは金型内に導入され、延伸の有無にかかわらず少なくとも1つの加圧流体を用いたブロー成形により加工される。
【0006】
このようにして、限定的ではないが、特に農産物加工業の製品の包装に用いるための各種の容器(ボトル、びん、壺など)が製造される。
【0007】
農産物加工業のための容器製造の分野では、あらゆる手段により、病原体すなわち微生物により容器が微生物学的に汚染されるリスクを減らすことが求められている。
【0008】
そのため、本出願人はすでに、このような容器に入れる製品を損なう可能性のある病原微生物(細菌、カビなど)等の病原体を除去するために、様々な操作を実施することを提案してきた。
【0009】
特に、容器の少なくとも内部を滅菌するために微生物を消滅することをめざす操作と、それよりも一般的に、このような微生物による容器汚染の予防をめざす操作とを区別することができる。
【0010】
このような操作の限定的ではない例として、仏国特許出願公開第2,915,127号明細書、国際公開第03/084818号パンフレット、および欧州特許出願公開第2,094,312号明細書を詳しく参照する。
【0011】
仏国特許出願公開第2,915,127号明細書は、1つの領域を画定する保護エンクロージャを備え、その領域内部に、あらかじめ炉内で熱調整されたプリフォームが移送手段により供給されるブロー成形機タイプの容器成形機が配置される、容器製造設備を記載している。
【0012】
この文献の開示によれば、上記設備は、特に高圧を設定して、炉の出口にあるプリフォームでも製造された容器でも汚染リスクを制限するようにするために、エンクロージャ内部に濾過空気の送風システムを含んでいる。
【0013】
国際公開第03/084818号パンフレットは、たとえば、炉内にプリフォームを導入する前に、紫外線(UV)タイプの照射によってプリフォームの首部を照射することによる除染処理を記載している。
【0014】
欧州特許出願公開第2,094,312号明細書は、たとえば、熱調整中にプリフォームの少なくとも外面を除染するために、個別に炉内で実施される紫外線(UV)照射処理を記載している。
【0015】
本出願人名義の国際公開第2006/136498号パンフレットは、たとえば、滅菌剤のほぼ一様な蒸気のフィルムを凝縮によりプリフォームの内壁に堆積することからなるプリフォームの除染処理を記載している。
【0016】
凝縮によるこのような除染処理、いわば「化学的手段」による除染処理は、6Logまでの除染度が得られるので満足のいくものである。
【0017】
微生物の量は、特に洗浄操作、濾過操作および培養操作後のカウントにより1つ1つ数えられることが想起される。
【0018】
それに伴い、たとえば1000単位(103)に相当する、いわば約3Log(あるいはまた3D)の微生物数の対数減少が決定される。
【0019】
一方では、過酸化水素(H2O2)のような滅菌剤を使用しないですみ、しかしそうかといって除染に対して得られる結果をそれほど犠牲にしないですむような、化学的手段による除染に代替する解決方法が求められている。
【0020】
国際公開第2016/120544号パンフレットにおいて、本出願人は、パルス電子ビームと可動式リフレクタとを用いて熱可塑性材料からなる容器を滅菌することからなる代替的な解決方法を提案した。
【0021】
容器滅菌のためのこのような処理方法を工業的に応用する場合、技術的な制御に加えて今日の争点の1つは、主に、電子ビームを得るために使用されるエミッタの価格が高いことによる経済的次元のものである。
【0022】
そのため、容器の滅菌結果は同じでありながらエミッタの使用を最適化し、エミッタの総数を減らすことが可能な解決方法が求められている。
【0023】
ところで、微生物の致死量すなわち10kGy(キログレイ)以上の線量を得られる電子量で滅菌すべき容器の表面を照射するために、処理時には十分な照射時間を得ることが必要である。
【0024】
処理方法はまた、現行の容器製造速度と適合するものでなければならず、この速度はPETボトルではたとえば毎時60,000本以上に達する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0025】
【文献】仏国特許出願公開第2,915,127号明細書
【文献】国際公開第2003/084818号
【文献】欧州特許出願公開第2,094,312号明細書
【文献】国際公開第2006/136498号
【文献】国際公開第2016/120544号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0026】
本発明の目的は、従来技術の不都合の少なくとも一部を解決し、とりわけ各タイプの容器に対してエミッタの使用を最適化してエミッタの数を減らすことが可能な新しい滅菌装置を特に提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0027】
このため、本発明は、容器が受ける照射線量を最適化するために、前記少なくとも1つのエミッタが、このエミッタの主軸と容器の軸との間に含まれかつ容器の高さに応じて決定される傾斜角度に従って、ヘッドを傾斜できるように構成されていることを特徴とする、上記のタイプの滅菌装置を提案する。
【0028】
本発明によれば、容器は、前記容器の高さがエミッタのヘッドよりも低いとき、従来技術以上の線量すなわち微生物に対する致死量で電子ビームにより照射される。
【0029】
有利には、前記致死量が、照射時間を増加するとともに、受ける照射線量を最大化することによって、これまでより少ないエミッタを含む滅菌装置で得られる。
【0030】
有利には、本発明は、速度すなわち容器の平均進行速度を最終的に減速することなく、容器の照射時間の増加や、所定の高さの容器に対してエミッタのヘッドから送られる照射線量の最適化によって、必要なエミッタ数を減らすことができる。
【0031】
有利には、本発明による処理方法の実施が容器の製造速度に適合し、したがって、PETボトル等の容器の製造設備内にこうした滅菌装置を組み込むことによって工業的な用途を受け入れることができる。
【0032】
有利には、容器の滅菌は、充填を行う前に空の容器を照射することによって実施される。
【0033】
好ましくは、容器の照射は、容器製造設備内でモールド成形ユニット(またはブロー成形機)と、充填ユニットまたはラベル貼付ユニット等の後続ユニットとの間で実施される。
【0034】
用途によっては、容器のラベル貼付が実際には充填の前または後に実施されうる。
【0035】
上記の国際公開第2006/136498号パンフレットに記載された化学的手段によるプリフォームの除染方法と比較すると、本発明は、プリフォームからの容器製造設備の設計、特にモールド成形ユニット(またはブロー成形機)を著しく簡素化可能である。
【0036】
(プリフォームではなく)最終的な容器を滅菌することによって、このような容器製造設備でそれまで実施されていた多数の手段から解放可能になり、存在する微生物は、好ましくはパルスタイプの電子ビームを用いて容器を照射するときに死滅する。
【0037】
そのため、化学的な処理の後で、すなわちプリフォームの熱調整中や容器の充填および閉鎖までのブロー成形または延伸ブロー成形による容器への加工中に、プリフォームの滅菌を保持するための特殊な手段(送風システム等)を使う必要はもはやなくなる。
【0038】
有利には、本発明による照射滅菌によって容器の内部と外部を同時に滅菌できる。
【0039】
そのため、紫外線(UV)を用いたプリフォームの照射処理装置をなくすことができる。
【0040】
送風システム、より一般的には清浄な製造環境を得ることに貢献する空気濾過システムも同様になくすことができる。
【0041】
有利には、このような装置および/またはシステム全体をなくすことによって、購入時も運転時も製造設備のコストを大幅に節約することができる。
【0042】
有利には、照射工程は製造設備内でモールド成形ユニット(またはブロー成形機)の下流で実施されるので、これまでモールド成形ユニットの上流で実施されていた作業、特に微生物の死滅と容器の汚染リスク防止のための作業の全部または一部をなくすことができる。
【0043】
有利には、モールド成形ユニット(またはブロー成形機)の設計が特に簡素化され、その製造コストと運転コストが下がる。実際、いわゆる「CIP」(英語の「Clean-in-Place(定置洗浄)」)作業をなくすことができる。
【0044】
その結果、このような「CIP」作業時に使用される洗剤に起因する化学的な有害作用に対する強度、特に耐食性のために選択されたステンレス等の高価な材料をモールド成形ユニットに用いる必要がなくなる。
【0045】
有利には、本発明は、速度を保つために各容器を滅菌するのに十分な照射線量に達するまで行程に沿ってエミッタ数を増やすことからなる従来技術の開示と異なることが分かるであろう。
【0046】
本発明の他の特徴によれば:
-ヘッドの傾斜角度は、エミッタの高さに対する容器の高さの比率が1に近くなるように決定される。
【0047】
-ヘッドの傾斜角度は0°より大きい最小値と90°の最大値との間に含まれる。
【0048】
-エミッタのヘッドは前記傾斜角度に従ってヘッドを傾斜させるために回転可能に取り付けられる。
【0049】
-ヘッドの傾斜は作動手段により制御される。
【0050】
-ヘッドは、このヘッドと照射すべき少なくとも1つの容器との間の距離を変化させるように並進可能に取り付けられる。
【0051】
-ヘッドはエミッタに対して伸縮式である。
【0052】
-エミッタは、照射すべき前記少なくとも1つの容器に対して並進可能に取り付けられる。
【0053】
本発明はさらに、上記のタイプの滅菌方法を提案し、この方法は、コンベヤシステムにより搬送される容器のフローが辿る移動方向が容器の主軸に直交し、前記処理方法は、
-前記エミッタのヘッドから放出される電子ビームにより少なくとも1つの容器を外部から照射する工程であって、このヘッドが、エミッタの主軸と容器の軸との間に含まれて容器の高さに応じて決定される値に等しい傾斜角度を有するように配置されている、照射工程
を少なくとも含むことを特徴とする。
【0054】
有利には、前記処理方法は、容器のフローが辿る移動方向が容器の主軸に直交するとき、エミッタの高さに対する容器の高さの比率が1に近くなるように所定値の傾斜角度に従って前記エミッタのヘッドの傾斜を調整することからなる少なくとも1つの予備調整工程を含む。
【0055】
有利には、前記容器のフローは、連続する2個の容器の軸間距離に対応する所定の間隔、いわゆる初期ピッチで所定の行程に沿ってコンベヤシステムにより搬送され、この処理方法は、ヘッドを含む前記少なくとも1つのエミッタが配置される行程の照射領域では少なくとも、前記フローの容器の間隔を前記初期ピッチ未満の近位ピッチに減らすために、連続する2個の容器間の前記初期ピッチを選択的に変化させる、コンベヤシステムの少なくとも1つの制御工程を含む。
【0056】
本発明の他の特徴および長所は、その理解のために添付図面を参照しながら以下の詳細な説明を読めば明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【
図1】電子ビームにより容器を外部から照射するように構成された滅菌装置のエミッタが配置される行程に沿ってコンベヤシステムにより一定ピッチで搬送されてフローを形成する熱可塑性材料からなる容器、たとえばここではボトルを概略的に示し、従来技術による容器照射滅菌処理の実施を示す上面図である。
【
図2】容器の照射滅菌領域を形成するために行程の一区間に配置された
図1の従来技術による滅菌装置のエミッタのヘッドを示し、フローの連続する2個の容器がこの領域に向かい合っており、軸Aが容器の軸Oと同軸であるヘッドを示す側面図である。
【
図3】容器の寸法、特に高さに応じて決定された傾斜角度で本発明の開示に従って傾斜させたヘッドを含むエミッタを示し、異なる寸法の2つの容器に対してそれぞれ所定の高さの容器照射を最適化するために、前記容器の軸に対するエミッタのヘッドのこのような傾斜を所定の傾斜角度に応じて示す、
図2と同様の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0058】
以下の説明では、限定的ではないが、図示された3次元系(triedre)(L、V、T)に関して長手方向、垂直方向および横方向とする。
【0059】
便宜上、水平面を一緒に画定する長手方向と横方向は、容器に対して固定式に決定される。
【0060】
限定的ではないが、所定の行程に沿って上流から下流へコンベヤシステムにより搬送される容器の移動方向に関しては「上流」および「下流」という用語を用いる。
【0061】
同じく限定的ではないが、垂直方向に関しては「上」と「下」または「高所」と「低所」を用いる。「内部」または「外部」や「内側」または「外側」という用語は特に容器に対して用いられ、内部容積は、本体が首部を備えて底部により閉鎖される容器の壁により画定されるので、前記壁がそれぞれ内部と外部を画定する。
【0062】
以下の説明では、同じ参照数字で示される要素は、同様の手段、類似手段または同一手段を示す。
【0063】
図1と
図2では、本出願人から見れば従来技術に記載された容器10の照射滅菌処理方法を実施するための滅菌装置100を示した。
【0064】
本出願では、滅菌すべき熱可塑性材料からなる容器10は、好ましくは特にPET(ポリエチレンテレフタレート)ボトルであり、プリフォームから製造される。変形実施形態では、熱可塑性材料からなる容器10がタンク、びん、壺等である。
【0065】
図1に示されるように、容器10は首部14を備えて底部16により閉鎖される本体12を含み、前記首部14が周方向に開口部を画定する。
【0066】
容器10は、本体12、首部14および底部16を形成する壁22により画定される内面20と、外面24とを含む。
【0067】
好ましくは、容器10の首部14は、半径方向外側に延在して下面28を含む少なくとも1つのカラー26を含む。
【0068】
容器10は、主軸Oを有する。
【0069】
図1と
図2に示されるように、容器10の軸Oは、ここでは、3次元系(L、V、T)に垂直に延在する。
【0070】
好ましくは、容器10は、滅菌装置100から送られる少なくとも1つの電子ビーム(F)により容器が次々に照射されるとき、いわゆる「首部を上にした」位置で搬送される。
【0071】
滅菌装置100は、たとえば、容器10の照射滅菌が実施される容器製造設備(図示せず)に組み込まれる。
【0072】
容器10、特にPETボトルのこのような製造設備は、従来技術からよく知られている。
【0073】
熱可塑性材料からなる容器の製造は、一般にはあらかじめ熱調整ユニットまたは炉内で熱調整された高温プリフォームにより得られ、その後、プリフォームは、モールド成形ユニット(またはブロー成形機)の金型の1つに投入され、延伸の有無にかかわらず少なくとも1つの加圧流体を用いたブロー成形により加工される。
【0074】
したがって、容器の滅菌は、このような容器製造設備のブロー成形ユニットまたはブロー成形機(図示せず)の下流で実施される。
【0075】
こうした設備では、熱可塑性材料からなる容器10(およびプリフォーム)は、製造工程を保証する設備の各種ユニットを介してコンベヤシステム200により連続フロー(fx)の形態で次々に搬送される。
【0076】
このようなコンベヤシステム200はさらに移送ホイールを含み、その多数の実施形態が知られている。
【0077】
参考までに、ガイド手段に結合されたノッチ付きプレートを含む移送ホイールや、少なくとも開口式の制御の有無を問わないクランプを含む移送ホイールが主として区別される。
【0078】
そのため、
図1は、モールド成形ユニットから送られる容器10が辿る行程の一区間を示しており、この区間の各端部の矢印は、上流から下流に容器10のフロー(fx)が進む方向を示している。
【0079】
図1の行程のこの区間では、フロー(fx)の容器10が、それぞれ参照符号201から205が付されたここでは全部で5個の移送ホイールにより次々と搬送される。
【0080】
容器10は、フロー(fx)の連続する2個の容器10の軸Oの間の距離に対応する所定の間隔、いわゆるピッチPで搬送される。
【0081】
滅菌装置100に結合される行程のこの区間では、2個の容器10の間のピッチPが一定であり、すなわち、ピッチPは、上流に位置する第1の移送ホイール201と下流に位置する最終移送ホイール205の間で変動しない。
【0082】
1つの重要な特徴によれば、2個の連続する容器10の間のピッチPに加えて、前記フロー(fx)を形成する容器10の移動速度も同様に一定である。
【0083】
容器10の移動速度は、一時間当たりの容器数として表されるこのような製造設備の生産速度を決定し、前記速度は、充填ユニットに応じて特に決定される。
【0084】
滅菌装置100は、ここでは連続して101から105の参照符号を付された5個のエミッタを含み、各エミッタは、電子ビームFにより前記容器10を外部から照射するように構成されている。
【0085】
エミッタ101から105は、容器10のフロー(fx)が辿る行程に沿って配置され、たとえば移送ホイール201から205の各々に1つのエミッタが結合される。
【0086】
従来技術による処理方法を実施するために、滅菌装置100は、各容器10が最終的に受けてその滅菌を実施可能な照射線量を得るのに必要な多数のエミッタを含む。
【0087】
エミッタ101から105は、容器10のフロー(fx)が辿る行程の側に配置されるので、容器10はエミッタの1つから放出される各電子ビーム(F)により外部から半径方向に連続照射される。
【0088】
各容器10は、電子ビーム(F)への露出時間、したがって、エミッタ101から105の前を容器10が移動する速度によって特に決定される所定の照射線量を毎回受ける。
【0089】
図1では、フロー(fx)の容器10が滅菌装置100の5個の各エミッタ101から105により次々に照射され、容器10の内面20と外面24の滅菌が得られる致死量に対応する累積照射量を最終的に受ける。
【0090】
ところで、1台のエミッタの費用は特に高額のままであり、このことは、容器10の照射滅菌に対して依然として障害となっている。
【0091】
これは、使用されるエミッタの総数を特に減らし、そうかといって生産速度を落とさないようにするために、このようなエミッタの使用を最適化する解決方法が求められる理由の1つである。
【0092】
前記滅菌装置100を形成するエミッタ101から105は同一であるので、後述するエミッタ101の説明は、滅菌装置100の他のエミッタにも同様に適用される。
【0093】
図2に示されるように、エミッタ101は、3次元系(L、V、T)に垂直に延在する主軸Aを有する。
【0094】
エミッタ101は、平行六面体の形状を呈する照射ヘッド111を含み、この照射ヘッドは、その主軸Aに沿って高さ「H」にわたって、また、前記主軸Aに直交して幅「l」にわたって延在する。
【0095】
このようにして、エミッタ101は、外径Dと、その底部16から首部14まで垂直方向に高さhとを有する容器10を、前記固定ヘッド111を介して外部から照射可能であり、容器10の前記高さhは、エミッタ101のヘッド111の高さH以下である。
【0096】
しかし、エミッタ101のヘッド111の高さHが設計上決定されて一定であっても、容器10の大きさ(format)の方は用途に応じて変化する。
【0097】
実際、同一の製造設備によって、たとえば半リットル(またはそれ未満)の容量から2リットルの容量まで及ぶボトル等の容器10を製造することができる。
【0098】
したがって、照射に際して容器10のどの部分も半径方向に向かい合っていないときは、エミッタ101のヘッド111から放出される電子ビーム(F)の一部が失われる。
【0099】
エミッタから放出される電子ビーム(F)の損失部分は、ヘッド111の高さHと容器10の高さhとの差によって特に決まる。
【0100】
これは、電子ビーム(F)を発生するエミッタを供給するために消費される電気エネルギーを特に考慮すれば、同様に追加費用を構成する。
【0101】
エミッタ101は、設計上決定される高さHを有するヘッド111を含み、その一方で、製造される容器10の高さhの方は用途に応じて変化する。
【0102】
そのため、容器10の高さhがエミッタのヘッドの高さHの半分に等しいとき、エミッタのヘッドから放出される電子ビーム(F)の半分は、ビーム(F)のこの部分がどの容器も照射しないので失われてしまう。
【0103】
以下、
図1と
図2に示される従来技術との比較によって、熱可塑性材料からなる少なくとも1つの容器10の照射滅菌装置100について説明する。
【0104】
前述のように、熱可塑性材料からなる容器10は、主軸Oを有し、首部14を備えて底部16により閉鎖される本体12を含むタイプである。
【0105】
滅菌装置100は、本発明により実現される、ヘッド125を備えた少なくとも1つのエミッタ120を含む。
【0106】
エミッタ101から105と同様に、エミッタ120は、主軸Aに沿って延在するヘッド125を有し、このヘッドは、少なくとも1つの容器10を外部から半径方向に照射するために電子ビーム(F)を送信し画定するように構成される。
【0107】
本発明によれば、前記少なくとも1つのエミッタ120は、ビームの伝搬軸を中心としてヘッドを旋回させ、それによって容器の軸Oに対してエミッタの主軸Aの傾斜角度(α)にヘッド125を傾斜させることができるように構成されている。前記角度(α)は、容器10の高さ(h)に応じて決定される。
【0108】
有利には、傾斜角度(α)の値は、容器10がヘッド125により放出される電子ビーム(F)により照射されて容器がコンベヤシステム200により移動するとき、容器10が受ける照射線量を最適化し、最大化するように決定される。
【0109】
好ましくは、ヘッド125の傾斜角度(α)は、前記ビーム(F)の電子損失を制限するためにエミッタのヘッド125の高さ(H)に対する容器10の高さ(h)が1に近くなるように決定される。
【0110】
ヘッド125の傾斜角度(α)は鋭角であり、軸Aと軸Oの交点の「内部」にある。
【0111】
ヘッド125の傾斜角度(α)は、ヘッド125の軸Aが容器10の軸Oと同軸でないときの0°より大きい最小値と、ヘッド125を水平に配置したときに対応する最大値90°との間に含まれる。
【0112】
比較すると、
図2に示されるように、従来技術によるエミッタ101のヘッド111は、エミッタの主軸Aが容器10の軸Oに同軸に垂直方向に延在するように配置される。
【0113】
有利には、エミッタ120のヘッド125は、前記傾斜角度(α)の所定値に従ってヘッド125を選択的に傾斜させるために回転可能に取り付けられる。
【0114】
好ましくは、ヘッド125の傾斜が作動手段(図示せず)により制御される。
【0115】
有利には、ヘッド125は、このヘッド125と照射すべき前記少なくとも1つの容器10との間の距離を、特に容器10の外径Dに応じて変化させるために並進可能に取り付けられる。
【0116】
好ましくは、ヘッド125はエミッタ120に対して伸縮式に取り付けられる。
【0117】
図示されていない変形実施形態では、エミッタ120は、このエミッタ120、したがってヘッド125を容器10に対してスライドさせることが可能なレールシステムをたとえば介して、照射すべき前記少なくとも1つの容器10に対して並進可能に取り付けられる。
【0118】
従来技術に比べて、ヘッド125が傾斜することで、容器10が受ける電子線量を増やすことができる。
【0119】
有利には、このような電子線量の増加によって、エミッタのヘッドから放出される電子ビーム(F)の利用により、容器10の製造設備に装備される滅菌装置100で使用されるエミッタ数を減らすことができる。
【0120】
本発明の原理を示すために、
図3では、異なる寸法の2つの容器10を示しており、第1の容器10は高さh1を有し、第2の容器10は、第1の容器の高さh1を上回る高さh2を有している。
【0121】
容器10の照射を最適化してエミッタ120から放出される電子の損失を制限するために、エミッタ120のヘッド125は、容器10の高さhに応じて決定される前記傾斜角度(α)で容器10に対して傾斜されている。
【0122】
傾斜角度(α)は、エミッタ120の主軸Aと容器10の軸Oとの交点からなる角度に対応し、容器10が辿る移動方向は、
図3の矢印で示されるように容器10の主軸Oに直交する。
【0123】
図3に示される2つの例によれば、エミッタ120は、その主軸Aと高さ(h1)の容器10の軸Oとの間に含まれる傾斜角度(α1)で傾斜され、または主軸Aと高さ(h2)の容器10の軸Oとの間に含まれる傾斜角度(α2)で傾斜される。
【0124】
好ましくは、エミッタ120のヘッド125は、2個の端部が容器10の首部14と底部16を超えてそれぞれ延在するように傾斜され、
図3では、エミッタ120の前記端部が鎖線の長方形で示されている。
【0125】
そのため、有利には、容器10の首部14と底部16は、エミッタの一部によって部分的に照射されるのではなく、半径方向に向かい合ったエミッタ120のヘッド125の部分から放出される電子ビーム(F)によって最適に照射される。
【0126】
図3に示されるように、容器10は、エミッタ120のヘッド125の端部の間で距離L1またはL2を進み、(矢印で示されるように右から左へのフロー(fx)の移動方向に従って)底部16から首部14に向かって次々に照射される。
【0127】
有利には、容器10は、エミッタ120により放出される電子ビーム(F)によるその照射中、容器の軸Oを中心としてそれ自体が同時に回転駆動される。
【0128】
好ましくは、容器10がそれ自体で回転駆動される速度は、容器10の周囲全体が少なくとも1回照射されるように決定される。
【0129】
そのため、有利には、各容器10が、電子ビーム(F)(英語では一般に「e-beam」と呼ばれる)により均質に照射される。
【0130】
好ましくは、容器10を外部から滅菌するための照射が、パルス電子ビーム(F)すなわち、一連のパルスにより形成される電子ビームによって得られる。
【0131】
有利には、前記パルス電子ビーム(F)を形成するパルスが、用途に応じて決定される送信時間、強度およびエネルギーを有する。
【0132】
たとえば、パルスタイプのこのような電子ビーム(F)の物理的な特徴について明記した国際公開第2016/120544号パンフレットの開示を参照されたい。
【0133】
有利には、本発明による傾斜可能なヘッド125を含むエミッタ120は、滅菌装置100のエミッタ101から105の少なくとも1つに代替可能である。
【0134】
好ましくは、コンベヤシステム200により搬送される容器10のフロー(fx)が辿る行程に沿って複数のエミッタ120が配置される。
【0135】
その場合、各タイプの容器10に対して、滅菌装置100は、放出される電子ビーム(F)を最大限利用するために各エミッタのヘッドを傾斜することによって最適化されることができる。
【0136】
有利には、
図1と
図2に関して記載した従来技術に比べて電子損失が完全になくなるので、所定の容器10の照射線量を得るのに必要なエミッタの総数を減らすことができる。
【0137】
そのため、これまでより少ない数のエミッタ、たとえば以前の5個に対して3個のエミッタを使用可能になり、だからといって、容器10が受ける照射線量に悪影響が及ぼされることはないので、最終的に得られる滅菌レベルが保持される。
【0138】
有利には、滅菌装置100内のエミッタ数を減らすことによって、電子ビーム(F)を用いた照射滅菌の実施コストを相当下げることができる。
【0139】
実際、少なくとも同等の滅菌結果に対し、エミッタ数を減らせばまず、特に容器10の製造設備に装備するための滅菌装置100の購入価格を下げることができる。
【0140】
次いで、有利には、エミッタ数を減らすことによって、滅菌装置100の運転コスト、特に、電子ビーム(F)を生成するのに必要な電気エネルギー消費もまた少なくすることができる。
【0141】
滅菌装置100は、複数のエミッタ120、たとえば3個のエミッタを含み、これらは、
図1に示されるようなコンベヤシステム200により搬送される容器10のフロー(fx)が辿る行程に沿って配置される。
【0142】
移動面は、容器の主軸(O)と容器10のフロー(fx)が辿る移動方向とによって決定される。
【0143】
照射面は、ビームの伝搬方向とヘッドの主軸(A)の方向とによって決定される。
【0144】
有利には、移動面と照射面が互いに垂直である。
【0145】
第1の有利な実施形態では、伝搬方向が移動面に垂直であり、角度(α)は、容器の移動中に照射を最適化する役割を果たす。
【0146】
第2の有利な実施形態では、伝搬方向が移動面に垂直ではない。容器の底部を照射するようにヘッドを位置決めし、これによって照射を最適化できるように容器の高さを考慮する。
【0147】
本発明は、さらに、主軸(O)を有し、首部14を備えて底部16により閉鎖される本体12を含む上記のようなタイプの熱可塑性材料からなる容器10のこのようなフロー(fx)を滅菌装置100により照射滅菌する方法を提案し、この滅菌装置は、主軸(A)を有して電子ビーム(F)を放出するように構成されたヘッド125を備える少なくとも1つのエミッタ120を含む。
【0148】
前述のように、コンベヤシステム200により搬送される容器10のフロー(fx)が辿る移動方向は、容器10の主軸(O)に直交する。
【0149】
本発明によれば、前記処理方法は、前記エミッタ120のヘッド125から放出される電子ビーム(F)により少なくとも1つの容器10を外部から照射する少なくとも1つの照射工程を含み、上記ヘッドは、エミッタの主軸(A)と容器の軸(O)との間に含まれて容器10の高さ(h)に応じて決定される値に等しい傾斜角度(α)を有するように配置される。
【0150】
有利には、この処理方法は、容器10のフロー(fx)が辿る移動方向が容器10の主軸(O)に直交するとき、エミッタ120のヘッド125の高さ(H)に対する容器10の高さ(h)の比率が1に近くなるように所定の値の傾斜角度(α)に従って前記エミッタ120のヘッド125の傾斜を調整することからなる少なくとも1つの予備調整工程を含む。
【0151】
フロー(fx)の各容器10が受ける照射線量をさらに増やすために、
図2に示されるエミッタ101の幅「l」を上回る2個の連続する容器10の間隔は、容器10が電子ビーム(F)に常に向かい合うように有利には狭くされる。
【0152】
図1に関して説明されたように、容器10のフロー(fx)は、連続する2個の容器(10)の軸(O)の間の距離に対応する所定の間隔、いわゆる初期ピッチ(P)で所定の行程に沿ってコンベヤシステム200により搬送される。
【0153】
有利には、この処理方法は、ヘッド125を含む前記少なくとも1つのエミッタ120が配置される行程の照射領域では少なくとも、前記フロー(fx)の容器10の間隔を前記初期ピッチ(P)未満の近位ピッチ(P’)に減らすために、連続する2個の容器10間の前記初期ピッチ(P)を選択的に変化させる、コンベヤシステムの少なくとも1つの制御工程を含む。
【0154】
有利には、前記フロー(fx)の容器10間の近位ピッチ(P’)を得るための前記初期ピッチ(P)の修正が、前記照射領域の付近に搬送される容器10の移動速度を変化させることによって得られる。
【0155】
ピッチの変化はたとえば、搬送される各容器10に、カムローラ式の機械手段、または好ましくはモータ等の電気手段を結合して得られる。
【0156】
コンベヤシステムの制御工程は、前記近位ピッチ(P’)を得るために容器10の少なくとも1つの減速段階を含むピッチ(P)の初期修正工程を含む。
【0157】
近位ピッチ(P’)は、並置された容器10が無干渉、無接触でそれ自体回転駆動可能にされる最小間隔に対応する。
【0158】
有利には、ピッチ(P)の縮小は、エミッタのヘッドに向かい合って通過する容器の速度を減速することで得られ、それによって、電子ビーム(F)への露出時間が長くなり、すなわち最終的には容器10が受ける照射線量が致死量に対応する。
【0159】
好ましくは、容器10の速度は減速されるが、しかしゼロを上回り続ける。一方、変形実施形態では、エミッタによる容器の照射時に停止することによって容器10の速度を一時的にゼロにすることができるだろう。
【0160】
有利には、コンベヤシステムの制御工程が、照射後はフロー(fx)の容器10の間の前記初期ピッチ(P)を再び設定するために、容器10の間隔を再び変化させる少なくとも1つの加速段階を含む、ピッチの最終修正工程を含む。