(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-12
(45)【発行日】2024-07-23
(54)【発明の名称】バッグオンバルブ技術
(51)【国際特許分類】
B65D 83/32 20060101AFI20240716BHJP
【FI】
B65D83/32
(21)【出願番号】P 2021528020
(86)(22)【出願日】2019-07-24
(86)【国際出願番号】 IB2019056330
(87)【国際公開番号】W WO2020021473
(87)【国際公開日】2020-01-30
【審査請求日】2022-06-21
(32)【優先日】2018-07-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】521038027
【氏名又は名称】シンプリー・ブリーズ・ホールディングス・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【氏名又は名称】竹内 茂雄
(72)【発明者】
【氏名】バラット,ジョー・マイケル
(72)【発明者】
【氏名】シグローブ,マシュー・ジェームス
(72)【発明者】
【氏名】シラー,ドミニク・クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】ライアン,トーマス・アンソニー
【審査官】杉田 剛謙
(56)【参考文献】
【文献】特表平04-502441(JP,A)
【文献】特開2005-008204(JP,A)
【文献】国際公開第2008/064293(WO,A2)
【文献】特開2005-008205(JP,A)
【文献】特開平05-132087(JP,A)
【文献】特開2004-337582(JP,A)
【文献】特開2004-307029(JP,A)
【文献】国際公開第96/037245(WO,A1)
【文献】米国特許第04679706(US,A)
【文献】米国特許第04265373(US,A)
【文献】特開平05-162773(JP,A)
【文献】国際公開第2014/037086(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 83/14-83/74
B05B 9/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスペンサ容器(90)と、前記ディスペンサ容器(90)に接続または圧着された雄バルブまたは雌バルブのいずれかを備えるバルブアセンブリ(10)とを有するディスペンサ(20)であって、
a)前記ディスペンサ容器(90)は、活性炭(130)または他の吸着材、およびキャリア分配ガス(140)で部分的に充填され、
b)成分(100)が成分包含リザーバ(110/150、110/160)に包含され、
c)前記バルブアセンブリ(10)が、ディップ管(80)と、アクチュエータ噴霧ノズル(200)と動作可能に接続されるディップ管(80)の上端と、第1の管(82)と第2の管(84)の各々を受け入れ、第1の取付具(182)と第2の取付具(184)に分割するディップ管(80)の下端とを備える構成要素を備え、前記ディスペンサ内に収容される前記第1の管(82)は前記成分包含リザーバ(110/150、110/160)に接続され、前記バルブの作動時に前記成分を分配することができ、前記第2の管(84)は圧力をかけられた分配キャリアガス(140)が解放されたときに前記活性炭(130)または他の吸着材が前記第2の管(84)内を通るのを防止するためのフリットまたはフィルタ(120)を備え、
これにより作動時に、前記分配キャリアガス(140)が前記成分(100)と一緒に解放され、前記分配キャリアガス(140)および前記成分(100)が前記バルブアセンブリ(10)を通るときに混合して、前記アクチュエータ噴霧ノズル(200)を介して前記ディスペンサ容器(90)を出るようになって
おり、
前記分配キャリアガス(140)が前記第2の管(84)に沿って前記成分包含リザーバ(110/160)内へ移動し、前記第1の管(82)に沿って前記成分(100)を移送し、前記分配キャリアガス(140)と前記成分(100)は、前記ディスペンサ容器(90)を出て前記アクチュエータ噴霧ノズル(200)を介して環境または対象物へ出る前に前記バルブアセンブリ(10)内で混合する、
ディスペンサ(20)。
【請求項2】
前記成分包含リザーバ(110/150)は前記ディスペンサ容器(90)に動作可能に接続され、これにより前記バルブアセンブリ(10)の作動時に、前記成分(100)と前記分配キャリアガス(140)とがそれぞれ前記第1の管(82)と前記第2の管(84)とに沿って移動し、前記ディスペンサ容器(90)が前記アクチュエータ噴霧ノズル(200)を介して環境または対象物へ出る前に前記バルブアセンブリ(10)内で混合する、請求項1に記載のディスペンサ(20)。
【請求項3】
前記成分包含リザーバ(110)はバッグまたはポーチ(150)である、請求項1または2に記載のディスペンサ。
【請求項4】
前記バルブアセンブリの前記ディップ管(80)は、蓋(180)を介して、リザーバまたはコンテナ(110/160)を含む成分(100)に接続され、前記第1の取付具(182)は前記第1の管(82)に接続し、また前記バルブアセンブリ(10)を前記成分コンテナ(110)に接続し、前記第2の取付具(184)は前記第2の管(84)に接続し、前記第2の管(84)は活性炭素が前記管内および前記成分包含リザーバを通ることを防止するフリットまたはフィルタ(120)を有し、それによって、作動した際に、前記圧力が掛けられた分配キャリアガス(140)が前記成分(100)を前記成分包含リザーバ(110/160)から追い出すのを可能にする、請求項
1に記載のディスペンサ。
【請求項5】
前記成分包含リザーバ(110)は、昇華性成分(100)、または前記成分(100)がその上に吸収される成分吸収材(170)で充填された、開いた容器(160)を備え、前記開いた容器(160)は前記蓋(180)によって閉じられる、請求項
4に記載のディスペンサ。
【請求項6】
3本以上の管と、異なる成分(100)を含む少なくとも2つの成分包含リザーバ(110)とを備える、請求項1から
5のいずれかに記載のディスペンサ。
【請求項7】
一定の投与量の薬剤を計量するための計量デバイスをさらに備える、請求項1から
6のいずれかに記載のディスペンサ。
【請求項8】
前記分配キャリアガスは、亜酸化窒素、または空気、窒素、酸素、二酸化炭素、もしくはアルゴンなどの気中ガスである、請求項1から
7のいずれかに記載のディスペンサ。
【請求項9】
前記気中ガスは二酸化炭素である、請求項
8に記載のディスペンサ。
【請求項10】
液化ガス推進剤および/または溶媒を含まない、請求項1から
9のいずれかに記載のディスペンサ。
【請求項11】
前記活性成分は、芳香物、風味、フェロモン、殺虫剤、栄養補給食品、または薬剤成分である、請求項1から
10のいずれかに記載のディスペンサ。
【請求項12】
請求項
1に記載のディスペンサ(20)から成分(100)を送出する方法であって、前記成分(100)は、圧力下で前記分配キャリアガス(140)と共に前記成分包含リザーバ(110)から解放され、前記バルブアセンブリ(10)が作動した際に解放され、前記分配キャリアガス(140)が前記第2の管(84)に沿って成分包含リザーバ(110/160)内へ移動し、前記成分(100)を前記第1の管(82)に沿って運び、前記ディスペンサ容器(90)を出て、前記アクチュエータ噴霧ノズル(200)を介して環境または対象物へ出る前に、前記成分(100)と前記分配キャリアガス(140)とは前記バルブアセンブリ(10)内で混ざる、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本発明は、業界でバッグオンバルブ(BOV)技術と呼ばれる送出技術の改善、および新規のバルブアセンブリと共に使用するためのディスペンサに関する。ディスペンサ、および送出の方法は、一般に気中ガスである分配キャリアガスを利用し、それが通常は活性炭に吸着される。
【背景技術】
【0002】
[0002]世界的なバッグオンバルブ市場は、2016年で356.5百万USドルの価値があり、消費者および製造者の中で、そのコスト効率に関する認識が高まっているため、成長している。バッグオンバルブ技術は製品の浪費を最小限に抑えることによって金銭に対する価値を保証するため、消費者は、包装解決策としてのバッグオンバルブ技術に向かう強い傾倒を示している。したがって、この技術はいくつかの最高級製品に使用されている。さらに別の顕著な利益は、そのエアレスバッグ、および製品と推進剤とを分離する包装方法に起因して、この技術がもたらす環境的利益である。
【0003】
[0003]製造者にとって、バッグオンバルブを選好することは、防腐剤をあまり含まないかまたは全く含まない、酸素に反応しやすい製品の、より長い保存期間を約束する。さらに、様々なタイプの粘性製品または液状製品は、それらが水性または溶媒系であり得る事実に関わらず、バッグオンバルブ技術を使用して包装することができる。製品に推進剤を含まないことが、爆発または火災の危険を減少させるので、この技術に投資する製造者の数も増えている。効率的な充填プロセスも、さらなる利点である。
【0004】
[0004]しかし、使用される推進剤、および例えばバッグを完全に空にするのを不可能にする動作中の圧力低下による、制限および困難が存在する。
[0005]エアロゾルから高い温暖化係数(GWP)の液化ガス推進剤を除去する規制が、導入されている。
【0005】
[0006]本発明のディスペンサは、好ましくは気中ガス、特にGWPを有さないことを意味するCO2を使用する。これは、二酸化炭素のGWPが1である一方で、二酸化炭素は大気から導出されることから、使用上の正味の影響はゼロであるためである。
【0006】
[0007]これは、新しい液化ガス推進剤(HFO-1234ze)とは対照的である。新しい液化ガス推進剤は、大気中で短時間内に分解するため低GWPであるが、分解物は汚染物質である。
【0007】
[0008]フロン系推進剤は、規制変化の終わりのないサイクルを受ける。しかし、気中ガスは、REACH規制などの法律から免除されている。
[0009]英国では過去12年にわたり、揮発性有機化合物(VOC)排出量を30%削減している。しかしその際、エアロゾルからの排出量は10%増加し、それは、この期間にわたる人口規模の増加と、大まかに一致する。しかし2005年から、エアロゾルからの排出量は4.7%から7.9%(2017年)に増加している。英国政府は、2030年までに全VOC排出量を38%減少させることを望み、英国エアロゾル製造者協会(BAMA:British Aerosols Manufacturing Association)は、エアロゾルのVOC排出量を減少させる計画の策定を望み、その一方で、製品の性能、消費者の支持、および安全を高いレベルに維持することを望む。
【0008】
[0010]フロン系推進剤を継続して使用する理由は、圧縮した気中ガスが、十分な品質で保管して、成分をバッグオンバルブのエアロゾル缶から完全に放出させることができないからである。
【0009】
[0011]ガス貯蔵体積を向上させるために出願者が使用した活性炭は、通常サイズのポーチの内容物を、完全に放出させるのを可能にする。
[0012]さらに、溶媒および液化ガス推進剤の使用を回避することによって、溶媒の乱用が緩和される。
【0010】
[0013]溶媒として水を使用するエアロゾル、および圧縮空気の推進剤は、性能が低く(力が低く)、低い水煙の湿った噴霧を生成する。対照的に、本明細書で説明するディスペンサは、良好な力および水煙を伴う、ほとんど乾燥した噴霧を生成する。
【0011】
[0014]加えて、従来のエアロゾルがディップ管の逆転を受けて、過剰な推進剤を解放するのに対して、本明細書で説明するディスペンサは、逆転の課題を回避する。
[0015]さらに、通常のバッグオンバルブ技術は、バッグ内の活性成分をエアロゾル化できないのに対し、本明細書で説明するディスペンサは、エアロゾル化(エアロゾル形態への分散)を可能にする。
【0012】
[0016]世界市場で入手可能な製品は、エアロゾルBOV、標準BOV、および非噴霧/低圧BOVである。これらのうち、エアロゾルBOVは、2024年の終わりまでに60%を上回る世界市場を獲得するものと予測される。
【0013】
[0017]四大企業は、AptarGroup,Inc.、Coster Tecnologie Speciali S.p.A、Toyo&Deutsche Aerosol Gmbh、およびSummit Packaging System,Inc.である。これらの会社は合わせて、2015年における世界市場の約39%のシェアを保有した。
【0014】
[0018]バルブ、またはバルブアセンブリは、雄バルブまたは雌バルブのいずれかを備え、アルミニウム、ブリキ、スチール、もしくはプラスチックで作られたディスペンサ容器またはキャニスタに、接続または圧着される。一般のディスペンサ容器の容量は、30ml未満、30~100ml、100~275ml、275~500ml、および500ml超過、のサイズカテゴリのうちの1つに分類される。
【0015】
[0019]典型的な用途は、以下の製品タイプを含む。
例えば防臭剤および制汗剤などの化粧品およびパーソナルケア製品、医薬製品、例えば芳香剤などのホームケア製品、洗浄剤、例えばクリームおよびチーズなどの食料および飲料製品、および例えば塗料などの自動車および産業製品である。
【0016】
[0020]これら従来の、エアロゾルディスペンサなどのバッグオンバルブのディスペンサは、通常以下の2つのタイプのうち1つの推進剤を包含する。
i)主に炭化水素系である液化ガス推進剤(例えばプロパン/n-ブタン/イソブタンのブレンドなど)、または
ii)ハイドロフルオロカーボン系(例えばHFC-134a、-152a、またはHFO-1234ze)である。
【0017】
[0021]炭化水素推進剤を取り巻く否定的な面は公知である。なぜならこれらの化合物は可燃性が高く、吸入弊害の対象であって、室内の空気の品質を損ねる起因となる揮発性有機化合物(VOC)であるからである。
【0018】
[0022]ハイドロフルオロカーボンも、エアロゾル用途において課題が多く、例えばHFC-134aは、その本質的に高いGWPのために、多くの用途における使用から法的に漸次廃止されている。
【0019】
[0023]GWP<150のための、新たなEUのFガス規制を満たす2つの濃縮ガス化合物として、以下が挙げられる。
HFC-152a(1,1-difluoroethane)、および
HFO-1234ze(1,3,3,3-tetrafluoroprop-2-ene)である。
【0020】
[0024]残念ながら、HFC-152a(GWP-120)は、可燃性が高いものと指定され、HFO-1234ze(GWP-6)は、28℃を上回ると可燃性であることが認められる。これはさらに、非常に高価であることが多い。
【0021】
[0025]当然ながら、HFCまたはHFOの燃焼が存在する場合、非常に有毒かつ腐食性であるフッ化水素の解放も存在する。加えて、フッ素炭化水素(HFC)、特にHFC-152aの乱用の報告が増加し、なかでも若年成人に死をもたらすことがある。HFO-1234zeの乱用を報告するには早すぎるが、それが類似の多幸感/窒息の特性を、HFCの特性にもたらすと推測する、十分な根拠が存在する。結局、GWPへの寄与がわずかであるとしても、HFO-1234zeの環境破壊は、植物および水生生物に有害であるフルオロ酢酸を生成する。大気を破壊するHFC-152aの製品の1つは、二フッ化カルボニル(COF2)であり、これは下層大気で加水分解してフッ化水素をもたらす。
【0022】
[0026]このため、このようなガスの使用を避けること、および可能な場合には圧縮した気中ガスを使用することが望ましい。
[0027]本明細書で概要を説明する、バッグオンバルブおよびフリットオンバルブアセンブリの開発は、多くの利点を有し、例えば広範な用途で広範な成分を分配するために、気中ガスなどの無害なガスの使用を可能にする。
【0023】
[0028]例えば空気、窒素、酸素、アルゴン、または二酸化炭素などの気中ガスの利益は、それらが安価であり、容易に入手可能で、毒性が低く、枯渇するなる恐れがないことから生じる。これらのガスは、REACH規制などの規制を受けることもない。
【0024】
[0029]残念ながら気中ガスは、エアロゾル用途のための十分な品質で提供するためには、冷蔵または大きい圧力(それぞれの臨界温度未満)を使用することなく容易に濃縮することができない。これらのガスをディスペンサ容器の中に圧縮することは、容易に可能であるが、Aerosols Directiveによると、キャニスタおよびその内容物を、3分間で50℃の試験温度まで上げたときの最大許容圧力は、内容物の圧力が15bargを超えないよう制限される。この制限は、キャニスタが、室温で12bargを超えて充填されてはならないことを意味する。このような条件下で作動した際に、圧力は、キャニスタの内容物が放出されるときに急激に低下し、全ガス体積の送出は小さく、実現される用途数の減少および消費者受けの低下を生じさせる。
【0025】
[0030]非限定の例によると、液化ガスを利用した標準的な芳香剤は、すでに説明した全ての欠点を伴う炭化水素、またはHFCのいずれかの液化ガス推進剤に加えて、一般に成分(濃縮物)および溶媒を包含する。加えて、ディップ管の逆転から生じる製品の誤用の可能性が存在し、推進剤の不均衡な損失をもたらす。標準的な圧縮空気ベースの芳香剤は、したがって、溶解した濃縮芳香物に加えて、空気と共に圧縮された水の中に5%のエタノールを包含し得る。このようなデバイスは、短く湿った噴霧を送出する傾向にあり、このシステムは液化ガス推進剤を全く包含しないものの、やはり溶媒を包含して低い性能を呈する。
【0026】
[0031]液化ガス包含のエアロゾル、および圧縮ガス包含のエアロゾルの両方に関して説明した欠点を考慮して、液化ガス推進剤も溶媒も包含しないエアロゾルのキャニスタが有利であると思われる。
【0027】
[0032]バッグオンバルブ技術は、活性製品を推進剤(通常は圧縮空気もしくは窒素、または濃縮液化ガス)から分離して、製品の完全性を維持するのを可能にし、それによって純粋な製品のみが分配される一方で、これらの標準的なバッグオンバルブは、推進剤を解放しないためエアロゾル化するのではなく、噴射したときに液化製品を霧化することができる。
【0028】
[0033]その結果、それらの使用は、例えば、粘性液体、溶液、ローション、クリーム、医薬品、ジェル、オリーブオイル、およびプロセスチーズなど他の食料製品を含む液体の分配に限定される。バッグ内に囲まれる結果として、活性成分は酸素の接触から保護されるが、さもなければ製品を損ねかねない。推進剤はバッグと缶との間に占められた空間に充填されるので、活性成分は推進剤との接触から保護される。
【0029】
[0034]従来のバッグオンバルブのディスペンサを分離した先行技術は、申請者が所有する英国出願GB1703286.3およびWO2014/037086などの吸着炭素技術に関する分野を含み、そこにおいて、気中推進剤ガスは、キャニスタ内(バッグとキャニスタとの間の空間)に包含された活性炭に吸着され、それは圧縮ガスのみと比較すると、バッグの内容物のより均等な分配を可能にする。従来のバッグオンバルブの装置と同様、キャニスタからガスは放出されない。
【0030】
[0035]DE1817899は、液化ガス推進剤を含むディスペンサを開示している。霧化される液体は、キャニスタに位置されたバッグの中に包含され、二重バルブは流体のフロー循環を可能にし、この液体は、ベンチュリ管によって吸い上げられると霧化される。
【発明の概要】
【0031】
[0036]本発明の第1の態様によると、バルブアセンブリが取り付けられ分配キャリアガスで充填されたディスペンサ容器を備えた、ディスペンサが提供され、ディスペンサは、
i)取付カップ、
ii)1つまたは複数のガスケット、
iii)バルブシート、
iv)バネ、
v)ハウジング、および
vi)ディップ管
を備え、
ディスペンサ容器は活性炭または他の吸着剤で充填され、分配する成分は成分包含リザーバに包含されること、
成分包含リザーバは、第1および第2の管を介して、ディスペンサ容器およびディップ管に動作可能に接続され、それによってバルブアセンブリが作動した際に、成分およびキャリア分配ガスは、第1の管および第2の管それぞれに沿って移動し、アクチュエータ噴霧ノズルを介してディスペンサ容器から環境または対象物へ出る前に、バルブアセンブリの中で混ざること、または
キャリア分配ガスは第2の管に沿って成分包含リザーバの中に移動し、成分を第1の管に沿って運び、そこでそれらは、アクチュエータ噴霧ノズルを介してディスペンサ容器から環境または対象物へ出る前に、バルブアセンブリの中で混ざること
を特徴とする。
【0032】
[0037]1つの実施形態において、バルブアセンブリのディップ管は、ディスペンサ容器内に設置された第1および第2の管に分かれる。第1の管は成分包含リザーバに接続され、バルブが作動した際に成分が分配されるのを可能にする。第2の管は、圧力をかけられた分配キャリアガスが解放されたときに活性炭が管の中に通るのを防止するためのフリットまたはフィルタを備える。
【0033】
[0038]好ましくは、成分包含リザーバはバッグまたはポーチである。
[0039]別の実施形態において、バルブアセンブリのディップ管は、第1のコネクタおよび第2のコネクタを備えた蓋を介して、成分包含リザーバまたは容器に接続される。第1のコネクタは第1の管に接続し、第1の管はバルブアセンブリを成分包含リザーバに接続し、第2のコネクタは、活性炭が管の中に通るのを防止するためのフリットまたはフィルタを備えた第2の管を、成分包含リザーバに接続する。それによって、作動した際に、圧力をかけられた分配キャリアガスが、成分を成分包含リザーバから追い出すのを可能にする。
【0034】
[0040]本実施形態において、成分包含リザーバは、昇華性成分、または成分がその上に吸収される成分吸収材で充填された、開いた容器を備え、開いた容器は蓋によって閉じられる。
【0035】
[0041]ディスペンサは、3本以上の管と、異なる成分を備えた少なくとも2つの成分包含リザーバとを備え得る。
[0042]ディスペンサは、さらに計量デバイスを備え得る。
【0036】
[0043]ディスペンサは、さらにスペーサを備え得る。
[0044]ディスペンサは、好ましくは、亜酸化窒素、または空気、窒素、酸素、二酸化炭素、もしくはアルゴンなどの気中ガスである分配ガスで充填される。
【0037】
[0045]最も好ましくは、気中ガスは二酸化炭素である。なぜなら二酸化炭素は、活性炭によって最も効率的に吸収されるガスだからである。
[0046]本発明の利益は、液化ガス推進剤および/または溶媒なしで、成分を分配することができることである。
【0038】
[0047]活性成分は、化粧品およびパーソナルケア、薬剤、ホームケア、食料および飲料、および自動車および産業製品に使用される任意の成分を含み、詳細には、限定ではないが、芳香物、風味、フェロモン、殺虫剤、医薬、栄養補給食品、または薬剤成分を含み得る。
【0039】
[0048]薬物および薬剤の事例において、一定の投与量が送出されること、したがってディスペンサが、計量された投与量を送出するようさらに適合されることが重要であり、ディスペンサは追加的にスペーサを備え得る。
【0040】
[0049]本発明の第2の態様によると、本発明の第4の態様のようなバルブアセンブリを有する本発明のディスペンサから、成分を送出する方法を提供する。ここで成分は、圧力下で、分配キャリアガスと共に成分包含リザーバから解放される。バルブアセンブリが作動した際にこの分配キャリアガスも解放され、成分およびキャリアガスは、第1の管および第2の管それぞれに沿って移動し、ディスペンサから環境または対象物へ送出される前に混ざる。
【0041】
[0050]本発明の第3の態様によると、本発明の第5の態様のようなバルブアセンブリを有する本発明のディスペンサから、成分を送出する方法を提供する。ここで成分は、圧力下で、分配キャリアガスと共に成分容器から解放され、バルブアセンブリが作動した際にこの分配キャリアガスも解放され、キャリア分配ガスは、第2の管に沿って成分容器の中に移動し、成分を第1の管に沿って運び、そこでそれらは、アクチュエータ噴霧ノズルを介してディスペンサから環境または対象物へ出る前に、バルブアセンブリの中で混ざる。
【0042】
[0051]1つの実施形態において、混合は、バルブアセンブリにおいて効率的に始まり、その一方で別の実施形態において、混合は、キャリアガスが成分容器を通過する際に始まる。
【0043】
[0052]本発明の第4の態様によると、ディスペンサのためのバルブアセンブリが提供され、
i)取付カップ
ii)1つまたは複数のガスケット
iii)バルブシート
iv)バネ
v)ハウジング、および
vi)ディスペンサ容器内に設置された少なくとも2本の管に分かれる、ディップ管
を備え、
ディスペンサ容器内に設置された第1の管は、成分包含リザーバに接続され、バルブが作動した際に成分が分配されるのを可能にすること、および第2の管は、圧力をかけられた分配キャリアガスが解放されたときに第2の管の中に活性炭が通るのを防止するためのフリットまたはフィルタを備えること、を特徴とする。
【0044】
[0053]好ましい実施形態において、成分包含リザーバはバッグまたはポーチである。
[0054]本発明の第5の態様によると、ディスペンサのためのバルブアセンブリが提供され、
i)取付カップ、
ii)1つまたは複数のガスケット、
iii)バルブシート、
iv)バネ、
v)ハウジング、および
vi)ディップ管
を備え、
ディップ管は、第1のコネクタおよび第2のコネクタを備えた蓋を介して、成分包含リザーバに接続され、第1のコネクタは第1の管に接続し、第1の管はディップ管を成分包含リザーバに接続し、第2の管はフリットまたはフィルタを備え、第2の管の中に活性炭が通るのを防止し、かつ作動した際に圧力をかけられた分配キャリアガスが成分をディスペンサ容器から追い出すことを特徴とする。
【0045】
[0055]この代替の実施形態において、成分包含リザーバは、例えば布地などの毛管作用のある材料など、成分吸収材を包含し得る。成分吸収材は、蓋によって閉じられた成分保持容器の中に保持され、成分はキャリア液の中で溶解され、吸収材によって吸収され得る。
【0046】
[0056]代替として、成分保持容器は昇華性固体で充填され得る。
[0057]好ましくは、必須ではないが、第2の管にフリットまたはフィルタが、活性炭がディスペンサ容器内に充填される高さよりも上方に設置される。
【0047】
[0058]全ての実施形態において、バルブアセンブリはアクチュエータをさらに備える。
[0059]さらに別の実施形態において、バルブアセンブリは、3本以上の管と、異なる成分を備えた少なくとも2つの成分包含リザーバとを備える。
【0048】
[0060]好ましい成分は芳香物であり、製品は芳香剤である。他の好ましい成分として、脱臭剤および制汗剤、ヘアスプレー、研磨洗浄剤、および乳液が挙げられる。
[0061]特に薬剤または薬物成分の送出のための、好ましい実施形態において、バルブアセンブリは、計量デバイスおよび任意でスペーサをさらに備える。
【0049】
[0062]本発明の第6の態様によると、本発明の第4または第5の態様によるバルブアセンブリが取り付けられた、活性炭および分配キャリアガスで充填されたディスペンサ容器を備えたディスペンサが提供される。
【0050】
[0063]活性炭は、成分包含バッグが充填材になるのを可能にする量が加えられる。一般にこの量は、バッグのサイズに依拠して、分配容器の15~65体積%、より一般には25~45体積%である。
【0051】
[0064]さらに、噴霧性能を制御するために、4~10barg、より好ましくは6~8bargの圧力が望ましい。
[0065]分配ガスおよび成分のフローも、アクチュエータのレデューサを取り付けることによって、またはバルブの絞りオリフィスを適切に選択することによって、制御され得る。実際、異なる径の管/バルブのオリフィスを使用して、成分のフロー:分配ガスのフローの比を制御することが望ましい場合がある。一般的に、液体に対する分配ガスの大きいフローは、乾燥した水煙をもたらすことになる。
【0052】
[0066]明らかに、放出量は成分によって変化するが、多くの消費者商品にとっては、0.2~0.5g/sの放出量を有することが望ましい。
[0067]いくつかの事例において、小さい比率の連行剤を分配ガスと共に含むことが望ましいこともある。
【0053】
[0068]本発明の実施形態は、添付の図面を参照して、以下でさらに詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【
図1A】従来技術の、バルブアセンブリにおける雄(単一)バッグの分解組立図である。
【
図1B】
図1Aのバルブアセンブリを組み立てた断面図である。
【
図2A】本発明によるバルブアセンブリの第1の実施形態における組立分解図である。
【
図2B】
図2Aのバルブアセンブリを備えたディスペンサの、第1の実施形態における分解組立図である。
【
図3】
図3Aは代替のバルブアセンブリを備えたディスペンサの、第2の実施形態における分解組立図である。
図3Bはディスペンサの第2の実施形態における断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0055】
[0069]
図1を参照すると、バルブアセンブリ(10)の一般的なバッグは、
i)取付カップ(30)、
ii)外側(42)および内側(44)のガスケット(40)、
iii)バルブシート(50)、
iv)バネ(60)、
v)ハウジング(70)、ならびに、
vi)リブなどの取付具を伴い、バッグ(図示せず)が装着されたディップ管(80)
を備える。
【0056】
[0070]様々なアクチュエータ(200)が、(図示のような)雄バルブまたは雌バルブであり得る、バルブアセンブリ(10)に接続され得る。
[0071]単一のバッグ装置の変形において、Lindal Group(Bi-valve)およびToyo Aerosol Industry(Dual)の2つの会社は、2つのバッグが充填され、2つの異なる製品を別個の製品として、またはより一般的にバルブアセンブリ内で混ぜて単一の製品として、分配可能な分配システムを開発した。後者の事例において、バルブアセンブリはディップ管(80)を有し、ディップ管(80)は2つに分離する/二股に分かれ、各々はバッグを接続するための取付具を伴う。バッグは一般的に3層または4層で、ポーチはそれぞれ、ポリアクリレート/アルミニウム/ポリプロピレンもしくはポリエチレン(PA/ALU/PPもしくはPE)、またはポリエチレンテレフタレート/アルミニウム/配向ポリアミド/ポリプロピレンもしくはポリエチレン(PET/ALU/OPA/PPもしくはPE)から作られる。
【0057】
[0072]先行技術とは対照的に、本発明の第1の態様によるバルブアセンブリ(10)(
図2Aおよび
図2Bに最良に示される)は、取付カップ(30)、一対のガスケット(42および44)、バルブシート(50)、バネ(60)、およびハウジング(70)を有し、ディップ管(80)を伴う。ディップ管(80)は、その下端部において分かれ、それぞれの取付具(182、184)において2本の管(82、84)を受け入れる。成分(100)包含リザーバ(110)、またはバッグもしくはポーチ(150)は、第1の管(82)に接続され、フリットまたはフィルタ(120)は第2の管(84)に接続され、活性炭の細かい粒子が分配されるのを防止するよう作用する。両方の管はディスペンサ容器(90)の中に延び、ディスペンサ容器(90)は、一般に二酸化炭素である分配キャリアガス(140)で充填される。分配キャリアガス(140)は、ディスペンサ容器(90)を満たすか、または部分的に満たす活性炭(130)によって吸着される。作動した際に、分配キャリアガス(140)は、バッグ(150)に貯蔵された成分(100)と共に解放され、成分(100)およびキャリアガス(140)は、それらがバルブアセンブリ(10)を通過して、アクチュエータ噴霧ノズル(200)を介してディスペンサ容器を出るときに混ざる。
【0058】
[0073]
図2Dに示されるディスペンサ(20)は、活性炭(130)が充填されるか、または部分的に充填されるディスペンサ容器またはキャニスタ(90)(
図2B)を備え、バルブアセンブリ(10)は、圧着または封止され、分配キャニスタ(90)の開口部(94)(
図2B)を閉じる。ディスペンサ(20)は、例えば参照として組み込まれている英国出願GB1703286.3で開示されているように、圧着または封止の前もしくは後に、分配キャリアガス(140)で詰められ得る。同様に、バッグまたはポーチ(150)は、圧着の前または後で、その成分(100)で充填され得る。
【0059】
[0074]充填されたディスペンサ(20)は、実質的に
図2Cおよび
図2Dに示されるとおりである。
[0075]本発明は、例えばエッセンシャルオイル/芳香物が、高速のガスの流れとの接触により、気化/霧化によって急速に混合されるのを可能にする。
【0060】
[0076]活性成分(100)は、一般に液体またはオイル形態であるが、活性成分を運ぶ任意の移動相であってよい。
[0077]バッグまたはポーチ(150)は、一般に挿入を容易にするために、第1の管(82)の周りに中空の円筒形(
図2B)に巻かれ、隣接する第2の管(84)およびフリット(120)は、粒状活性炭(130)が予め充填されたキャニスタの中に挿入され、第1および第2の管(82)および(84)は、コネクタ(182)および(184)それぞれを介してバルブアセンブリに接続される。(粒状炭素は、活性炭粒によって取り囲まれている巻き上げられたバッグを収納するために、容易に移される)。キャニスタ(90)は次に圧着され、キャニスタのバッグ側は、必要な量の活性成分(100)で充填される。次にバルブのフリット側は、圧力をかけられたガス(通常は空気、酸素、窒素、または二酸化炭素)で充填される。バルブが作動した際に、このアセンブリは、分配キャリアガス(140)が、例えば空気清浄用途の芳香物、薬物、または殺虫剤などの任意の活性成分と、少なくとも部分的に混合されるか、または物理的に飽和されるのを可能にする。分配ガスが空気または酸素である場合、呼吸するのに十分穏やかな、香りが付いた空気または酸素を提供することが可能である。バッグ(150)に医薬製剤(植物オイルまたはその活性物など)を充填すること、および分配ガス(140)を使用することは、任意で投与調整器およびスペーサが取り付けられる、医療用吸入器として使用することを可能にする。
【実施例1】
【0061】
[0078]内容積330mlのアルミニウムキャニスタ(90)(173×53mm)が、高活性の活性炭(130)(約120g)およびドライアイス(140)(57.5g)で充填された。このキャニスタは、混合物を分配するために振られた。本発明の第1の態様のようなバッグオンバルブおよびフリットオンバルブアセンブリ(10)を用い、20mlの純芳香オイル(100)がバッグ(150)に加えられた。このバッグは、活性炭粒を通して操作することによってキャニスタ(90)の中に挿入され、このキャニスタはバルブアセンブリ(10)に圧着され、ディスペンサ(20)を形成した。
【0062】
[0079]ディスペンサ(20)およびその内容物は、室温まで温められた。二酸化炭素の量は、12bargの圧力を生成した。(活性炭なしで、この体積における二酸化炭素の圧力は54bargと同等であり、ガス31リットルに相当することが計算された)。
【0063】
[0080]ディスペンサ(20)が作動されると、ほぼ乾燥した噴霧が生じ、強く持続的な香りを生成する。デバイスが溶媒を必要としないため、芳香物は濃縮された形態にあり、相性の良い溶媒を特定する必要はない。アクチュエータ(200)は、必要量の香り(または他の活性成分)が送出されるのを可能にする、任意の設計とすることができる。
【0064】
[0081]代替の設計(
図3Aおよび
図3B)において、バッグ(150)は成分包含容器(160)、および任意で吸収材(170)に置き換えられ、第1の管(82)および第2の管(84)それぞれに接続された、2つのコネクタ(182)および(184)を備えた蓋(180)を用いて閉じられる。
【0065】
[0082]容器(160)は、長い管(82)を介してバルブアセンブリ(20)に接続され、それによって容器(160)は、キャニスタ(90)の基部(92)に向けて配設される。必須ではないが理想的には炭素(130)充填ライン(132)の上に設置された、端部にフリット(120)を伴う第2の管(84)は、分配ガス(140)が管(84)に沿って容器(160)の中に通るのを可能にし、そこで分配ガス(140)は、成分(110)を管(82)に沿ってバルブアセンブリ(10)の中に運び、それによってアクチュエータ噴霧ノズル(200)を介してキャニスタ(90)を離れることができる。容器(160)は、選択した液体成分(110)に浸した吸収パッド(170)を含み得る。代替として、容器(160)は、メントール結晶またはショウノウなどの昇華性固体を収容し得る。容器(160)および管(82、84)は、キャニスタ(90)の中に挿入され、バルブアセンブリ(10)に接続されて、粒状活性炭(130)で予め充填される。キャニスタ(90)は、気中ガス(140)(限定ではないが好ましくは二酸化炭素)を用い、取付カップ(30)の下でガスで満たす。次に取付カップ(30)は、キャニスタ(90)上に圧着される。バルブが作動した際に、このアセンブリは、ガスを芳香物または他の成分で飽和させることを可能にし、次にそれは、溶媒も液化ガス推進剤も伴わずに、部屋または対象物に分配される。
【0066】
[0083]このアセンブリは、芳香物または他の成分の蒸気を拡散させ、活性炭に接触する可能性があるが、以下の例は、例えばリモネンなどの拡散は非常に限られたものであることを示す。
【実施例2】
【0067】
[0084]例としてリモネン(分子量=136.2g/mol、沸点=176℃)を使用する。25℃における飽和蒸気圧は2mmHgである。
[0085]5気圧(5.07bar)の平均缶圧力において、リモネン蒸気の濃度は、
[0086]760×2/5=5.3E-4→5.3E-4×136.2g/mol=0.072g limonene/mol gas=0.072/24=3.0E-3g limonene/litre of gas=3g limonene/m3 of gasである。
【0068】
[0087]フィックの法則を適用すると、F=DAΔc/L
[0088]ここで、F=拡散流量、D=拡散係数、A=管の断面積(径=4mm)、c=蒸気濃度、L=管の長さ(10cm)である。
【0069】
[0089]したがって、F=1×10-7m2s-1×12.6×10-6m2×3g/m3×1/0.1m=3.6×10-11g/s=0.001g/yearである。
[0090]これらの条件下における活性炭上のリモネンの拡散量は、したがって0.001g/yearのみである。