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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-12
(45)【発行日】2024-07-23
(54)【発明の名称】回路基板
(51)【国際特許分類】
   H05K 1/02 20060101AFI20240716BHJP
   H05K 3/46 20060101ALI20240716BHJP
【FI】
H05K1/02 A
H05K3/46 B
H05K3/46 T
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021544589
(86)(22)【出願日】2020-02-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-18
(86)【国際出願番号】 KR2020002041
(87)【国際公開番号】W WO2020166996
(87)【国際公開日】2020-08-20
【審査請求日】2021-07-30
【審判番号】
【審判請求日】2023-12-05
(31)【優先権主張番号】10-2019-0017578
(32)【優先日】2019-02-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】517099982
【氏名又は名称】エルジー イノテック カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【弁理士】
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【弁理士】
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【弁理士】
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【弁理士】
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(72)【発明者】
【氏名】チョイ,ビョンギュ
(72)【発明者】
【氏名】ファン,ミニョン
(72)【発明者】
【氏名】イ,ヒョンギュ
【合議体】
【審判長】千葉 輝久
【審判官】馬場 慎
【審判官】衣鳩 文彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-133416(JP,A)
【文献】特開2016-115753(JP,A)
【文献】特開2013-153213(JP,A)
【文献】特開2017-73460(JP,A)
【文献】特開2005-50885(JP,A)
【文献】特開2004-152935(JP,A)
【文献】特開2011-3884(JP,A)
【文献】特開2016-42536(JP,A)
【文献】特開2018-137252(JP,A)
【文献】特開2003-60359(JP,A)
【文献】特開2010-10329(JP,A)
【文献】国際公開第2019/022580(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 1/02
H05K 3/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一面と、前記一面と反対となる他面を含む第1絶縁層と、
前記第1絶縁層の一面の上に配置される第2絶縁層と、
前記第1絶縁層の他面の上に配置される第3絶縁層と、
を含み、
前記第1絶縁層~前記第3絶縁層のうち少なくとも一つの絶縁層の上には、回路パターンが配置され、
前記第1絶縁層は、ガラス繊維を含み、
前記第2絶縁層と前記第3絶縁層は、ガラス繊維を含まず、
前記第1絶縁層の誘電率は、3.6~3.8であり、
前記第2絶縁層は、最外層に配置されて、光硬化性樹脂を含むと共に、当該第2絶縁層上には埋められて形成される回路パターンが配置され、
前記第3絶縁層の誘電率は、3.0以下であり、
前記第2絶縁層上にはチップが配置され、
前記第3絶縁層上には外部基板が配置され、
前記第2絶縁層の誘電率は、前記第1絶縁層の誘電率より小さく、
前記第3絶縁層の誘電率は、前記第2絶縁層の誘電率より小さく、
前記第3絶縁層の厚さは、前記第1、2絶縁層の厚さより小さい、回路基板。
【請求項2】
前記第2絶縁層の誘電率は、3.6~3.8である、請求項1に記載の回路基板。
【請求項3】
前記第3絶縁層の厚さは、前記第2絶縁層の厚さに対して70%~85%の大きさで形成される、請求項1に記載の回路基板。
【請求項4】
前記第2絶縁層は、アクリル樹脂、光開始剤、シリコン系フィラー(Si filler)および硬化剤(hardner)を含む、請求項1に記載の回路基板。
【請求項5】
前記第1絶縁層は、プリプレグを含み、
前記第3絶縁層は、RCC(Resin Coated Cu)を含み、
前記第2絶縁層は、最上部または最下部に配置される、請求項1に記載の回路基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施例は、回路基板に関するものである。
【背景技術】
【0002】
プリント回路基板(PCB(Printed Circuit Board))は、電気絶縁性基板に銅のような伝導性材料で回路ラインパターンをプリントして形成したものとして、電子部品を搭載する直前の基板(Board)をいう。即ち、多様な種類の多い電子素子を平板上に密集搭載するために、各部品の装着位置を確定し、部品を連結する回路パターンを平板表面にプリントして固定した回路基板を意味する。
【0003】
一般的に、上記のようなプリント回路基板に含まれた回路パターンの表面処理方法として、OSP(Organic Solderability Preservative)、電解ニッケル/ゴールド、電解ニッケル/ゴールド-コバルト合金、無電解ニッケル/パラジウム/ゴールド等が用いられている。
【0004】
この時、上記用いられる表面処理方法は、その用途によって変わるが、例えば、前記用途には、ソルダリング用途、ワイヤボンディング用途およびコネクター用途等がある。
【0005】
前記プリント回路基板上に実装される部品は、各部品に連結される回路パターンによって部品で発生する信号が伝達されることができる。
【0006】
一方、最近の携帯用電子機器等の高性能化に伴い、大量の情報の高速処理をするために信号の高周波化が行われており、高周波用途に適合したプリント回路基板の回路パターンが要求されている。
【0007】
このようなプリント回路基板の回路パターンは、高周波信号の品質を低下させることなく伝送可能とするために、伝送損失の低減が要求される。
【0008】
プリント回路基板の回路パターンの伝送損失は、銅箔に起因する導体損失と、絶縁体に起因する誘電体損失がある。
【0009】
一方、絶縁体の厚さが厚いほど絶縁体の上部回路と下部回路の間の誘電体損失が少なくなるが、この場合、回路基板の全体的な厚さが厚くなる問題点がある。
【0010】
また、誘電率が小さい絶縁体を用いる場合、絶縁体の強度が減少して回路基板の信頼性が低下する問題点がある。
【0011】
従って、高周波信号を伝達することに適合した低誘電率の絶縁体を含み、充分な強度を有する新しい構造のプリント回路基板が要求される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
実施例は、剛性を維持しながら低誘電率を有する回路基板を提供しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
実施例に係る回路基板は、第1絶縁層と、前記第1絶縁層の一面の上に配置される第2絶縁層と、前記第1絶縁層の他面の上に配置される第3絶縁層と、を含み、前記第1絶縁層~前記第3絶縁層のうち少なくとも一つの絶縁層の上には、回路パターンが配置され、前記第1絶縁層~前記第3絶縁層のうち少なくとも一つの絶縁層は、ガラス繊維を含み、前記第1絶縁層~前記第3絶縁層のうち少なくとも一つの絶縁層は、ガラス繊維を含まず、前記第1絶縁層~前記第3絶縁層の厚さは、互いに異なる。
【発明の効果】
【0014】
実施例に係る回路基板は、誘電率、強度、厚さおよび硬化特性が異なる複数の絶縁層を含むことができる。
【0015】
これにより、低誘電率を有し、高周波信号の伝達時の誘電率による伝送損失を減らすことができる。また、絶縁層の厚さを減らし、薄い回路基板を具現することができる。また、低誘電率を有しながらも強度を満足することで、回路基板の信頼性を向上させることができる。
【0016】
また、光硬化性を有する絶縁層を回路基板の最外層に形成して、回路パターンを埋立てパターンに形成することができる。よって、微細パターンの具現および回路基板の厚さを減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】実施例に係る回路基板の断面図を示した図面である。
図2】実施例に係る回路基板の別の断面図を示した図面である。
図3】実施例に係る回路基板のさらに別の断面図を示した図面である。
図4】実施例に係る回路基板のさらに別の断面図を示した図面である。
図5】別の実施例に係る回路基板の断面図を示した図面である。
図6】別の実施例に係る回路基板の製造方法を工程順に説明するための図面である。
図7】別の実施例に係る回路基板の製造方法を工程順に説明するための図面である。
図8】別の実施例に係る回路基板の製造方法を工程順に説明するための図面である。
図9】別の実施例に係る回路基板の製造方法を工程順に説明するための図面である。
図10】別の実施例に係る回路基板の製造方法を工程順に説明するための図面である。
図11】別の実施例に係る回路基板の製造方法を工程順に説明するための図面である。
図12】別の実施例に係る回路基板の製造方法を工程順に説明するための図面である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付された図面を参照して本発明の好ましい実施例を詳細に説明する。なお、本発明の技術思想は、説明される一部実施例に限定されるものではなく、多様な形態に具現することができ、本発明の技術思想の範囲内であれば、実施例間の構成要素を選択的に結合または置き換えて用いることができる。
【0019】
また、本発明の実施例で用いられる用語(技術及び科学的用語を含む)は、明白に特定して記述されない限り、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に一般的に理解できる意味と解釈され、辞書に定義された用語のように一般的に使用される用語は、かかわる技術の文脈上の意味を考慮してその意味を解釈できるだろう。
【0020】
また、本発明の実施例で用いられる用語は、実施例を説明するためのものであり、本発明を制限しようとするものではない。本明細書において、単数形は、記載上特に限定しない限り複数形も含むことができ、「A及びB、Cのうち少なくとも1つ(または1つ以上)」と記載される場合、A、B、Cで組合せることのできる全ての組合せのうち1つ以上を含むことができる。
【0021】
また、本発明の実施例の構成要素の説明において、第1、第2、A、B、(a)、(b)等の用語を用いることができる。このような用語は、その構成要素を他の構成要素と区別するためのものであり、その用語によって当該構成要素の本質または順序等が限定されるものではない。
【0022】
そして、ある構成要素が他の構成要素に「連結」、「結合」または「接続」されると記載された場合、その構成要素は、他の構成要素に直接的に連結または接続される場合と、各構成要素の間にさらに他の構成要素が「連結」、「結合」または「接続」される場合を全て含む。
【0023】
また、各構成要素の「上または下」に形成または配置されると記載される場合、「上または下」は、2つの構成要素が直接接触する場合だけではなく、1つ以上のさらに他の構成要素が2つの構成要素の間に形成または配置される場合も含む。
【0024】
また「上または下」と表現される場合、1つの構成要素を基準として、上側方向だけではなく下側方向の意味も含むことができる。
【0025】
以下、図面を参照して実施例に係る回路基板を詳細に説明する。
【0026】
図1を参照すると、実施例に係るプリント回路基板は、第1絶縁層110、第2絶縁層120および第3絶縁層130を含むことができる。例えば、前記第1絶縁層110は、中央絶縁層であってもよく、前記第2絶縁層120は、前記第1絶縁層110の上に配置される上部絶縁層であってもよく、前記第3絶縁層130は、前記第1絶縁層110の下に配置される下部絶縁層であってもよい。
【0027】
前記第1絶縁層110、前記第2絶縁層120および前記第3絶縁層130は、それぞれ配線を変更できる電気回路が編成されている基板として、それぞれの絶縁層の表面には、回路パターン200を形成できる絶縁材料で作られたプリント、配線板および絶縁基板を全て含むことができる。
【0028】
前記第1絶縁層110、前記第2絶縁層120および前記第3絶縁層130のうち少なくとも一つの絶縁層は、リジッド(rigid)またはフレキシブル(flexible)であってもよい。例えば、前記第1絶縁層110、前記第2絶縁層120および前記第3絶縁層130のうち少なくとも一つの絶縁層は、ガラスまたはプラスチックを含むことができる。
【0029】
具体的に、前記第1絶縁層110、前記第2絶縁層120および前記第3絶縁層130のうち少なくとも一つの絶縁層は、ソーダ石灰ガラス(soda lime glass)またはアルミノケイ酸ガラス等の化学強化/半強化ガラスを含むか、ポリイミド(PI(Polyimide))、ポリエチレンテレフタラート(PET(polyethylene terephthalate))、プロピレングリコール(PPG(propylene glycol))ポリカーボネート(PC)等の強化或はフレキシブルプラスチックを含むか、サファイアを含むことができる。
【0030】
また、前記第1絶縁層110、前記第2絶縁層120および前記第3絶縁層130のうち少なくとも一つの絶縁層は、光等方性フィルムを含むことができる。一例として、前記第1絶縁層110、前記第2絶縁層120および前記第3絶縁層130のうち少なくとも一つの絶縁層は、COC(環状オレフィン共重合体(Cyclic Olefin Copolymer))、COP((環状オレフィンポリマー(Cyclic Olefin Polymer))、光等方ポリカーボネート(polycarbonate:PC)または光等方ポリメチルメタクリレート(PMMA)等を含むことができる。
【0031】
また、前記第1絶縁層110、前記第2絶縁層120および前記第3絶縁層130のうち少なくとも一つの絶縁層は、部分的に曲面を有して曲がることができる。即ち、絶縁層111は、部分的には平面を有し、部分的には曲面を有して曲がることができる。具体的に、前記第1絶縁層110、前記第2絶縁層120および前記第3絶縁層130のうち少なくとも一つの絶縁層の終端が曲面を有して曲がるか、ランダムな曲率の表面を有して曲がるか折曲がることができる。
【0032】
また、前記第1絶縁層110、前記第2絶縁層120および前記第3絶縁層130のうち少なくとも一つの絶縁層は、柔軟な特性を有するフレキシブル(flexible)基板であってもよい。また、前記第1絶縁層110、前記第2絶縁層120および前記第3絶縁層130のうち少なくとも一つの絶縁層は、湾曲(curved)または折り曲げ(bended)基板であってもよい。この時、絶縁層は、回路設計に基づいて回路部品を接続する電気配線を配線図形で表現し、絶縁物上に電気導体を再現することができる。また、電気部品を搭載し、これらを回路的に連結する配線を形成することができ、部品の電気的連結機能以外の部品を機械的に固定させることができる。
【0033】
一方、前記第1絶縁層110、前記第2絶縁層120および前記第3絶縁層130は、互いに異なる物質を含むことができる。即ち、前記第1絶縁層110、前記第2絶縁層120および前記第3絶縁層130を構成するそれぞれの絶縁物質は、互いに異なる物質で構成されてもよい。
【0034】
具体的に、前記第1絶縁層110、前記第2絶縁層120および前記第3絶縁層130は、回路基板の誘電率および剛性を考慮して、互いに異なる物質を含むことができる。
【0035】
また、前記第1絶縁層110、前記第2絶縁層120および前記第3絶縁層130は、互いに異なる大きさで形成されてもよい。即ち、前記第1絶縁層110、前記第2絶縁層120および前記第3絶縁層130は、互いに異なる厚さを有することができる。
【0036】
具体的に、前記第1絶縁層110、前記第2絶縁層120および前記第3絶縁層130は、回路基板の誘電率および剛性を考慮して、互いに異なる厚さで形成されてもよい。
【0037】
前記絶縁層の物質および厚さについては、以下で詳しく説明する。
【0038】
前記第1絶縁層110、前記第2絶縁層120および前記第3絶縁層130の表面には、それぞれ回路パターン200が配置される。前記回路パターン200は、電気的信号を伝達する配線として、電気伝導性が高い金属物質からなることができる。このために、前記回路パターン200は、金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)、チタン(Ti)、錫(Sn)、銅(Cu)および亜鉛(Zn)から選択される少なくとも一つの金属物質からなることができる。
【0039】
また、前記回路パターン200は、ボンディング力が優れる金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)、チタン(Ti)、錫(Sn)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)から選択される少なくとも一つの金属物質を含むペーストまたはソルダーペーストからなることができる。好ましくは、前記回路パターン200は、電気伝導性が高く、かつ比較的安価な銅(Cu)からなることができる。
【0040】
前記回路パターン200は、通常のプリント回路基板の製造工程であるアディティブ法(Additive process)、サブトラクティブ法(Subtractive Process)、MSAP(Modified Semi Additive Process)およびSAP(Semi Additive Process)法等を用いて形成することができ、ここでは詳細な説明を省略する。
【0041】
前記第1絶縁層110、前記第2絶縁層120および前記第3絶縁層130のうち少なくとも一つの絶縁層には、少なくとも一つのビア160が形成される。前記ビア160は、前記複数の絶縁層のうち少なくとも一つの絶縁層を貫通して配置される。前記ビア160は、前記複数の絶縁層のうちいずれか一つの絶縁層のみを貫通することができ、これとは違って、前記複数の絶縁層のうち少なくとも2つの絶縁層を共通で貫通して形成されてもよい。これにより、前記ビア160は、異なる絶縁層の表面に配置されている回路パターンを相互電気的に連結する。
【0042】
前記ビア160は、前記複数の絶縁層のうち少なくとも一つの絶縁層を貫通する貫通ホール(図示しない)の内部を伝導性物質で充填して形成することができる。
【0043】
前記貫通ホールは、機械、レーザーおよび化学加工のうちいずれか一つの加工方式によって形成することができる。前記貫通ホールが機械加工によって形成される場合には、ミーリング(Milling)、ドリル(Drill)およびルーティング(Routing)等の方式を用いることができ、レーザー加工によって形成される場合には、UVやCOレーザー方式を用いることができ、化学加工によって形成される場合には、アミノシラン、ケトン類等を含む薬品を利用して前記絶縁層を開放することができる。
【0044】
一方、前記レーザーによる加工は、光学エネルギーを表面に集中させて材料の一部を溶かして蒸発させ、所望の形態を取る切断方法として、コンピュータプログラムによる複雑な形成も容易に加工でき、他の方法では切断しにくい複合材料も加工することができる。
【0045】
また、前記レーザーによる加工は、切断直径が最小0.005mmまで可能であり、加工可能な厚さ範囲が広い長所がある。
【0046】
前記レーザー加工ドリルとして、YAG(Yttrium Aluminum Garnet)レーザーやCOレーザーや紫外線(UV)レーザーを利用することが好ましい。YAGレーザーは、銅箔層および絶縁層を両方とも加工できるレーザーであり、COレーザーは、絶縁層のみを加工できるレーザーである。
【0047】
前記貫通ホールが形成されると、前記貫通ホール内部を伝導性物質で充填して前記ビア160を形成する。前記ビア160を形成する金属物質は、銅(Cu)、銀(Ag)、錫(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)およびパラジウム(Pd)から選択されるいずれか一つの物質であってもよく、前記伝導性物質の充填は、無電解メッキ、電解メッキ、スクリーンプリント(Screen Printing)、スパッタリング(Sputtering)、蒸発法(Evaporation)、インクジェット法およびディスペンシングのうちいずれか一つまたはこれらを組合わせた方式を利用することができる。
【0048】
先述したように、前記第1絶縁層110、前記第2絶縁層120および前記第3絶縁層130は、互いに異なる物質を含むことができる。
【0049】
例えば、前記第1絶縁層110、前記第2絶縁層120および前記第3絶縁層130は、互いに異なる誘電率を有する物質を含むことができる。
【0050】
即ち、前記第1絶縁層110は、前記第2絶縁層120および前記第3絶縁層130に比べて高誘電を有する物質を含むことができ、前記第2絶縁層120は、前記第3絶縁層130に比べて高誘電を有する物質を含むことができる。
【0051】
また、前記第1絶縁層110、前記第2絶縁層120および前記第3絶縁層130は、互いに異なる剛性を有する物質を含むことができる。
【0052】
即ち、前記第3絶縁層130は、前記第1絶縁層110および前記第2絶縁層120に比べて剛性を有する物質を含むことができ、前記第2絶縁層120は、前記第1絶縁層110に比べて剛性を有する物質を含むことができる。
【0053】
前記第1絶縁層110は、ガラス繊維を含むプリプレグ(prepreg)を含むことができる。具体的に、前記第1絶縁層110は、エポキシ樹脂と、前記エポキシ樹脂にガラス繊維およびシリコン系フィラー(Si filler)が分散された物質を含むことができる。
【0054】
また、前記第2絶縁層120は、光硬化性樹脂を含むことができる。具体的に、前記第2絶縁層120は、ガラス繊維を含まない光硬化性樹脂を含むことができる。例えば、前記第2絶縁層120は、アクリル樹脂、光開始剤、シリコン系フィラー(Si filler)および硬化剤(hardner)を含むことができる。
【0055】
また、前記第3絶縁層130もガラス繊維を含まない。具体的に、前記第3絶縁層130は、RCC(Resin Coated Cu)を含むことができる。RCCは、ガラス繊維なしに銅箔(Cu Foil)の上に樹脂をコーティングしたものとして、ガラス繊維を含まないので、絶縁層の誘電率を減らすことができる。
【0056】
即ち、前記第1絶縁層110は、ガラス繊維を含み、前記第2絶縁層120および前記第3絶縁層130は、ガラス繊維を含まない。
【0057】
絶縁層を構成するエポキシ樹脂の場合、機械的強度が低い問題点があるので、絶縁層の内部に含まれるガラス繊維は、絶縁層に含まれて架橋の役割によって絶縁層の強度を向上させることができる。
【0058】
しかし、ガラス繊維またはアクリル樹脂は、絶縁層の誘電率を増加させる要因となり得る。具体的に、ガラス繊維の誘電率Dkは略4.6~略6.6であり、これにより、ガラス繊維またはアクリル樹脂を含む絶縁層の場合、ガラス繊維自体の固有の誘電定数によって絶縁層の全体的な誘電率が増加することがある。
【0059】
従って、回路基板の絶縁層として、全てガラス繊維を含む絶縁層を用いる場合、回路基板の誘電率が増加して、回路基板を高周波信号の伝達に使用する際に誘電率によって信号損失が増加する問題点がある。
【0060】
また、誘電率が小さい絶縁層を用いる場合、誘電率による信号損失を減らすことができるが、低い絶縁層の強度によって回路基板の信頼性が低下する問題点がある。
【0061】
従って、実施例に係る回路基板は、低い誘電率および高い強度を有する互いに異なる物質を含む絶縁層を利用して回路基板を製造することで、上記のような問題を解決することができる。
【0062】
具体的に、ガラス繊維およびアクリル樹脂を含まない第3絶縁層130の誘電率Dkは、ガラス繊維またはアクリル樹脂を含む第1絶縁層110および前記第2絶縁層120の誘電率Dkの70%~85%の誘電率を有することができる。
【0063】
一例として、ガラス繊維またはアクリル樹脂を含む第1絶縁層110および前記第2絶縁層120の誘電率Dkは略3.6~略3.8であってもよい。また、ガラス繊維およびアクリル樹脂を含まない第3絶縁層130の誘電率Dkは略3.0以下であってもよい。
【0064】
即ち、ガラス繊維を含まない前記第2絶縁層120および前記第3絶縁層130の誘電率は、ガラス繊維を含む前記第1絶縁層110の誘電率より小さくてもよい。
【0065】
また、ガラス繊維を含む前記第1絶縁層110の強度は、ガラス繊維が絶縁層の内部で絶縁層の強度を補完する役割をするので、前記第2絶縁層120および前記第3絶縁層130の強度より高い。
【0066】
即ち、ガラス繊維を含む第1絶縁層のみで回路基板を形成する場合、回路基板の強度は12MPa~20MPaであるので、回路基板の強度が保障され、前記ガラス繊維を含む第1絶縁層およびガラス繊維を含まない第2、3絶縁層を一緒に用いる場合にも、回路基板の強度は8MPa~10MPaであるので、回路基板の強度においてあまり影響を受けなくなる。
【0067】
結論的に、前記第1絶縁層110は、前記第2絶縁層120および前記第3絶縁層130に比べて、強度の面で向上した特性を有し、前記第3絶縁層130は、前記第1絶縁層110および前記第2絶縁層120に比べて、誘電率の面で向上した特性を有することができる。また、前記第2絶縁層120は、誘電率が相対的に高く、強度が相対的に低いが、他の絶縁層と違って光硬化性の特性を有することができる。
【0068】
即ち、実施例に係る回路基板は、強度、誘電率等において互いに異なる特性を有する複数の絶縁層を含むことで、回路基板の誘電率および強度を両方とも向上させることができる。
【0069】
即ち、ガラス繊維を含む第1絶縁層のみを含む回路基板に比べて、回路基板の誘電率を減少させ、高周波信号を伝達時の誘電率の増加による信号損失を減らすことができる、また、ガラス繊維を含まない第2絶縁層及び/又は第3絶縁層のみを含む回路基板に比べて、強度を増加させ、強度低下による回路基板の変形および特性の低下を防止することができる、
一方、上述した説明では、第1絶縁層が中央絶縁層、第2絶縁層が上部絶縁層、第3絶縁層が下部絶縁層であることを例として説明したが、実施例はこれに制限されるものではなく、第1絶縁層が上部または下部絶縁層であってもよく、第2絶縁層が下部または中央絶縁層であってもよく、または第3絶縁層が上部または中央絶縁層であってもよい。
【0070】
即ち、実施例に係る回路基板は、前記第3絶縁層から前記第2絶縁層方向に延長されながら誘電率が変化し、この時、前記第3絶縁層から前記第2絶縁層方向に延長されながら誘電率が増加したり、または、前記第3絶縁層から前記第2絶縁層方向に延長されながら誘電率が減少したり、または、前記第3絶縁層から前記第2絶縁層方向に延長されながら誘電率が減少してから増加したり、または、前記第3絶縁層から前記第2絶縁層方向に延長されながら誘電率が増加または減少するように第1絶縁層、第2絶縁層および第3絶縁層が積層されて配置されてもよい。
【0071】
一方、図2を参照すると、前記第1絶縁層110、前記第2絶縁層120および前記第3絶縁層130の厚さは、互いに異なってもよい。
【0072】
具体的に、前記第1絶縁層110の第1厚さT1および前記第2絶縁層120の第2厚さT2は、前記第3絶縁層130の第3厚さT3より大きくてもよい。
【0073】
即ち、ガラス繊維またはアクリル樹脂を含む前記第1絶縁層110の第1厚さT1および前記第2絶縁層120の第2厚さT2は、ガラス繊維を含まない前記第3絶縁層130の第3厚さT3より大きくてもよい。
【0074】
即ち、誘電率が大きい前記第1絶縁層110の第1厚さT1および前記第2絶縁層120の第2厚さT2は、相対的に誘電率が小さい前記第3絶縁層130の第3厚さT3より大きくてもよい。
【0075】
例えば、前記第3絶縁層130の第3厚さT3は、前記第1絶縁層110の第1厚さT1および前記第2絶縁層120の第2厚さT2に対して略70%~85%の厚さの大きさで形成されてもよい。
【0076】
前記第3絶縁層130の第3厚さT3が前記第1絶縁層110の第1厚さT1および前記第2絶縁層120の第2厚さT2に対して略70%未満に形成されるか、略85%を超過して形成される場合、第3絶縁層の誘電率が増加して高周波の信号の伝達時に伝送特性が低下することがある。
【0077】
これにより、多層回路基板を製造する時、低誘電を有しながら絶縁層の厚さを減らすことができ、全体的に低い誘電率および薄い厚さを有し、剛性を有する回路基板を形成することができる。
【0078】
一方、先述したように、前記第2絶縁層120は、光硬化性樹脂を含むことができる。具体的に、図3を参照すると、絶縁層の最上部または最下部に形成される前記第2絶縁層120は、光硬化性樹脂を含むことができる。
【0079】
前記複数の絶縁層には、それぞれ回路パターンが形成される。具体的に、前記第1絶縁層110の上には、第1回路パターン210が形成され、前記第2絶縁層120の上には、第2回路パターン220が形成され、前記第3絶縁層130の上には、第3回路パターン230が形成される。
【0080】
これにより、前記第2絶縁層120の上に形成される最外層の回路パターンである第2回路パターン220は、絶縁層の表面上に突出する突出パターンではなく、絶縁層の表面内に埋められた埋立てパターンに形成することができる。
【0081】
即ち、第2絶縁層120が光硬化性樹脂を含むので、UV光を利用して、露光、現像およびエッチング工程により、第2絶縁層120の一面に回路パターンが形成される複数の溝を形成し、前記溝の内部に回路パターンを構成する物質を充填して回路パターンを形成することができる。
【0082】
従って、突出パターンではなく埋立てパターンに形成するので、パターンの厚さだけ回路基板の厚さを減らすことができる。また、フォトレジスト工程を利用して微細線幅を有する回路パターンを具現することができる。
【0083】
また、前記第2絶縁層120がソルダーレジストと類似する物性を有する光硬化性樹脂を含み、最外層の回路パターンを絶縁層内に埋め立てるので、前記最外層の回路パターンの表面を保護するソルダーレジストのような保護層を除去することができ、これにより前記保護層の厚さだけプリント回路基板の全体厚さを減らすことができる。
【0084】
一方、前記第2絶縁層の上部および前記第3絶縁層の下部には、それぞれパッド部が形成される。
【0085】
図4を参照すると、前記第2絶縁層120の上には、第1パッド410が配置され、前記第3絶縁層130の下には、第2パッド420が配置される。
【0086】
即ち、前記複数の絶縁層のうち電子部品700が形成される最上部の絶縁層の上には、第1パッド410が配置される。前記第1パッド410は、前記最上部の絶縁層の上に複数形成されてもよい。例えば、前記第1パッド410は、信号を伝達するためのパターンの役割をすることができる。
【0087】
そして、前記複数の絶縁層のうち外部基板(図示しない)が付着される最下部の絶縁層の下には、第2パッド420が配置される。前記第2パッド420も前記第1パッド410と同様に、一部は、信号を伝達するためのパターンの役割をすることができる。
【0088】
そして、前記第1パッド410の上には、前記第1上部金属層510が配置され、前記第2パッド420の下には、第2上部金属層520が配置される。前記第1上部金属層510および前記第2上部金属層520は、同じ物質で形成され、それぞれ前記第1パッド410および前記第2パッド420を保護し、ソルダリング特性を増加させることができる。
【0089】
このために、前記第1上部金属層510および前記第2上部金属層520は、金(Au)を含む金属からなることができる。好ましくは、前記第1上部金属層510および前記第2上部金属層520は、純金(純度99%以上)のみを含んでもよく、これとは違って、金(Au)を含む合金からなることができる。
【0090】
前記第1上部金属層510および前記第2上部金属層520が金を含む合金で形成される場合、前記合金をコバルトを含む金合金からなることができる。
【0091】
前記複数の絶縁層のうち前記最上部に配置された絶縁層の上には、ソルダーペースト600が配置される。前記ソルダーペースト600は、前記電子部品700を固定させる接着剤であってもよい。前記接着剤は、伝導性接着剤であってもよく、これとは違って、非伝導性接着剤であってもよい。
【0092】
前記伝導性接着剤は、異方性導電接着剤(anisotropic conductive adhesive)と等方性導電接着剤(isotropic conductive adhesive)とに大別され、基本的にNi、Au/高分子、またはAg等の導電性粒子と、熱硬化性、熱可塑性、またはこの2つの特性を混合した混合型絶縁樹脂(blend type insulating resin)で構成される。
【0093】
また、非伝導性接着剤は、ポリマー接着剤であってもよく、好ましくは、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、充填剤、硬化剤、および硬化促進剤を含む非伝導ポリマー接着剤であってもよい。
【0094】
また、前記最上部の絶縁層の上には、前記第1上部金属層510の表面を少なくとも一部露出する第1保護層310が配置される。前記第1保護層310は、前記最上部の絶縁層の表面を保護するために配置され、例えばソルダーレジストであってもよい。
【0095】
前記電子部品700は、素子やチップを全て含むことができる。前記素子は、能動素子と受動素子とに区分され、前記能動素子は、非線形部分を積極的に利用した素子であり、受動素子は、線形と非線形特性が両方とも存在しても、非線形特性は利用しない素子を意味する。そして、前記受動素子には、トランジスタ、IC半導体チップ等を含むことができ、前記受動素子には、コンデンサ、抵抗およびインダクター等を含むことができる。前記受動素子は、能動素子である半導体チップの信号処理速度を高めたり、フィルタリング機能等をするために、通常の半導体パッケージと一緒に基板の上に実装される。
【0096】
結論的に、前記電子部品700は、半導体チップ、発光ダイオードチップおよびその他駆動チップを全て含むことができる。
【0097】
そして、前記最上部の絶縁層の上には、樹脂モールディング部が形成され、それにより前記電子部品700、第1上部金属層510は、前記樹脂モールディング部によって保護される。
【0098】
一方、前記複数の絶縁層のうち最下部の絶縁層の下には、第2保護層320が配置される。前記第2保護層320は、前記第2上部金属層520の表面を露出する開口部を有する。前記第2保護層320は、ソルダーレジストからなることができる。
【0099】
前記第2保護層320の開口部を介して露出された前記第2上部金属層520の下には、ソルダリングのための接着部材が配置される。
【0100】
前記接着部材は、回路基板と外部基板の間に接着力を提供し、前記接着部材は、ソルダボールからなってもよく、これとは違って、接着ペーストや銅コアソルダボールを利用して形成されてもよい。
【0101】
また、前記接着ペーストは、導電のための伝導性物質からなることができるが、この時、前記伝導性物質で前記接着ペーストが構成される場合、好ましくは、銅、銀、金、アルミニウム、カーボンナノチューブおよびこれらの組合せの群から選択された伝導性物質からなることができる。
【0102】
先述したように、実施例に係る回路基板は、誘電率、強度、厚さおよび硬化特性が異なる複数の絶縁層を含むことができる。
【0103】
これにより、低誘電率を有し、高周波信号の伝達時の誘電率による伝送損失を減らすことができる。また、絶縁層の厚さを減らし、薄い回路基板を具現することができる。また、低誘電率を有しながらも強度を満足することで、回路基板の信頼性を向上させることができる。
【0104】
また、光硬化性を有する絶縁層を回路基板の最外層に形成して、回路パターンを埋立てパターンに形成することができる。よって、微細パターンの具現および回路基板の厚さを減らすことができる。
【0105】
以下、図5図12を参照して、別の実施例に係る回路基板を説明する。別の実施例に係る回路基板に対する説明では、先述した実施例に係る回路基板と同一または類似する説明に対しては説明を省略し、同じ構成に対しては同じ図面番号を付する。
【0106】
図5を参照すると、別の実施例に係る回路基板は、多層回路基板であってもよい。具体的に、別の実施例に係る回路基板は、5層以上の回路パターンが形成される回路基板であってもよく、これにより、第4絶縁層および第5絶縁層をさらに含むことができる。
【0107】
即ち、別の実施例に係る回路基板は、SIP(System in Package)、即ち、回路基板に多数のチップが実装されて多数の回路パターンが要求される回路基板であってもよい。
【0108】
図6図12を参照すると、別の実施例に係る回路基板は、以下の工程により形成することができる。
【0109】
図6を参照すると、まず、第1絶縁部を製造するためのキャリアボードを用意する。キャリアボードは、回路基板製造の基礎となる基板である。キャリアボードは、支持基板10を中心に両面に金属層20が形成された構造を有することができる。
【0110】
キャリアボードは、一般的な支持基板として、CCL(Copper Claded Laminate)を利用することができる。
【0111】
一方、キャリアボードの金属層20の表面には、後で第1絶縁部との分離を容易にするための表面処理が施されてもよい。
【0112】
次に、図7を参照すると、キャリアボードの上に回路パターンを形成する。即ち、前記キャリアボードの上に第5回路パターン251を形成することができる。第5回路パターン251は、前記キャリアボードCBの両面にそれぞれ形成される。
【0113】
第5回路パターン251は、前記金属層20をシード層として、前記金属層20の上に金属物質をメッキして形成することができる。これとは違って、第5回路パターン251は、前記金属層20の上にメッキ層(図示しない)を形成し、前記形成されたメッキ層をエッチングして形成することもできる。
【0114】
前記第5回路パターン251は、金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)、チタン(Ti)、錫(Sn)、銅(Cu)および亜鉛(Zn)から選択される少なくとも一つの金属物質からなることができる。また、第1回路パターン105は、ボンディング力が優れる金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)、チタン(Ti)、錫(Sn)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)から選択される少なくとも一つの金属物質を含むペーストまたはソルダーペーストからなることができる。好ましくは、第1回路パターン105は、電気伝導性が高く、かつ比較的安価な銅(Cu)からなることができる。
【0115】
前記第5回路パターン251は、通常のプリント回路基板の製造工程であるアディティブ法(Additive process)、サブトラクティブ法(Subtractive Process)、MSAP(Modified Semi Additive Process)およびSAP(Semi Additive Process)法等を用いて形成することができ、ここでは詳細な説明を省略する。
【0116】
次に、図8を参照すると、前記第5回路パターン251が形成された金属層20の上に絶縁層を形成する。即ち、前記第5回路パターン251が形成された金属層20の上に第5絶縁層150を形成することができる。この時、第5絶縁層150の上には、銅箔層が存在する。
【0117】
前記第5絶縁層150は、ガラス繊維(Glass Fiber)を含むプリプレグからなることができる。
【0118】
好ましくは、第5絶縁層150は、ガラスまたはプラスチックを含むことができる。具体的に、前記第1絶縁層110は、ソーダ石灰ガラス(soda lime glass)またはアルミノケイ酸ガラス等の化学強化/半強化ガラスを含むか、ポリイミド(PI(Polyimide))、ポリエチレンテレフタラート(PET(polyethylene terephthalate))、プロピレングリコール(PPG(propylene glycol))ポリカーボネート(PC)等の強化或はフレキシブルプラスチックを含むか、サファイアを含むことができる。
【0119】
そして、第5絶縁層150内にビア150を形成することができる。
【0120】
前記ビア150は、第5絶縁層150を貫通する貫通ホール(図示しない)の内部を伝導性物質で充填して形成することができる。前記貫通ホールは、機械、レーザーおよび化学加工のうちいずれか一つの加工方式によって形成することができる。前記貫通ホールが機械加工によって形成される場合には、ミーリング(Milling)、ドリル(Drill)およびルーティング(Routing)等の方式を用いることができ、レーザー加工によって形成される場合には、UVやCOレーザー方式を用いることができ、化学加工によって形成される場合には、アミノシラン、ケトン類等を含む薬品を利用して前記複数の絶縁層のうち少なくとも一つの絶縁層を開放することができる。
【0121】
一方、前記レーザーによる加工は、光学エネルギーを表面に集中させて材料の一部を溶かして蒸発させ、所望の形態を取る切断方法として、コンピュータプログラムによる複雑な形成も容易に加工でき、他の方法では切断しにくい複合材料も加工することができる。
【0122】
また、前記レーザーによる加工は、切断直径が最小0.005mmまで可能であり、加工可能な厚さ範囲が広い長所がある。
【0123】
前記レーザー加工ドリルとして、YAG(Yttrium Aluminum Garnet)レーザーやCOレーザーや紫外線(UV)レーザーを利用することが好ましい。YAGレーザーは、銅箔層および絶縁層を両方とも加工できるレーザーであり、COレーザーは、絶縁層のみを加工できるレーザーである。
【0124】
前記貫通ホールが形成されると、前記貫通ホール内部を伝導性物質で充填してビア150を形成することができる。ビア150を形成する金属物質は、銅(Cu)、銀(Ag)、錫(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)およびパラジウム(Pd)から選択されるいずれか一つの物質であってもよく、前記伝導性物質の充填は、無電解メッキ、電解メッキ、スクリーンプリント(Screen Printing)、スパッタリング(Sputtering)、蒸発法(Evaporation)、インクジェット法およびディスペンシングのうちいずれか一つまたはこれらを組合わせた方式を利用することができる。
【0125】
次に、前記ビア150が形成されると、前記第5絶縁層150の上面に第5回路パターン252を形成することができる。
【0126】
この時、前記第5絶縁層150、ビア150および第5回路パターン252の形成工程は、前記キャリアボードCBの両面で同時に行われてもよい。
【0127】
次に、図9を参照すると、前記第5絶縁層150の上に第4絶縁層140を積層する。そして、第4絶縁層140内にビア150を形成する。また、第4絶縁層140の上面に第4回路パターン140を形成する。この時、前記第4絶縁層140は、前記第5絶縁層150と同じガラス繊維を含んだプリプレグからなることができる。
【0128】
この時、前記第4絶縁層140、ビア150および第4回路パターン140の形成工程は、前記キャリアボードCBの両面で同時に行われてもよい。
【0129】
次に、図10を参照すると、前記キャリアボードから上部と下部にそれぞれ形成された第5絶縁層を分離する工程を行うことができる。即ち、前記キャリアボードを中心に上部に形成された第1回路基板と、下部に形成された第2回路基板を相互分離することができる。これにより、実施例では、一度の工程で複数の絶縁部を同時に製造することができる。
【0130】
次に、図11を参照すると、前記相互分離された回路基板で、フラッシュエッチング工程により、前記銅箔層20を除去することができる。
【0131】
次に、図12を参照すると、前記プリプレグを含む1回路基板または2回路基板の上に、先述した図1図3の回路基板を積層して多層回路基板を製造することができる。
【0132】
即ち、前記1回路基板または前記2回路基板の上に回路パターンを含む第1~第3絶縁層を積層して多層回路基板を製造することができる。
【0133】
この時、前記第1絶縁層110、前記第2絶縁層120および前記第3絶縁層130は、前記第4絶縁層140および前記第5絶縁層150と異なる物質を含むことができる。
【0134】
例えば、前記第1絶縁層110、前記第2絶縁層120および前記第3絶縁層130は、誘電率が3.0以下である低誘電物質を有する低誘電層であってもよく、前記第4絶縁層140および前記第5絶縁層150の誘電率が3.6以上である高誘電物質を有する高誘電層であってもよい。即ち、別の実施例に係る回路基板は、複数の層のうち低誘電層をより多く含むことができる。
【0135】
または、前記第1絶縁層110、前記第2絶縁層120および前記第3絶縁層130の厚さは、前記第4絶縁層140および前記第5絶縁層150の厚さより小さくてもよい。即ち、低誘電物質を含む前記第1絶縁層110、前記第2絶縁層120および前記第3絶縁層130の厚さは、高誘電物質を含む前記第4絶縁層140および前記第5絶縁層150の厚さより小さくてもよい。例えば、前記第1絶縁層110、前記第2絶縁層120および前記第3絶縁層130の厚さは、前記第4絶縁層140および前記第5絶縁層150の厚さの略70%~85%の厚さであってもよい。
【0136】
また、前記第1絶縁層110、前記第2絶縁層120および前記第3絶縁層130の強度は、前記第4絶縁層140および前記第5絶縁層150の厚さ強度より小さくてもよい。即ち、低誘電物質を含む前記第1絶縁層110、前記第2絶縁層120および前記第3絶縁層130の強度は高誘電物質を含む前記第4絶縁層140および前記第5絶縁層150の強度より小さくてもよい。
【0137】
また、前記第1絶縁層110、前記第2絶縁層120および前記第3絶縁層130のうち回路基板の最外層の絶縁層に形成される回路パターンは、先述した実施例と同様に、埋立てパターンに形成されてもよい。即ち、回路基板の最外層の絶縁層に形成される回路パターンは、メッキ等の工程ではなく、絶縁層に溝を形成して回路パターン物質を充填して形成することができる。
【0138】
即ち、別の実施例に係る回路基板は、誘電率、強度、厚さおよび硬化特性が異なる複数の絶縁層を含むことができる。
【0139】
これにより、低誘電率を有し、高周波信号の伝達時の誘電率による伝送損失を減らすことができる。また、絶縁層の厚さを減らし、薄い回路基板を具現することができる。また、低誘電率を有しながらも強度を満足することで、回路基板の信頼性を向上させることができる。
【0140】
また、光硬化性を有する絶縁層を回路基板の最外層に形成して、回路パターンを埋立てパターンに形成することができる。よって、微細パターンの具現および回路基板の厚さを減らすことができる。
【0141】
また、キャリアボードの上に形成される第4、5絶縁層は、強度を有する物質で形成することで、キャリアボードから絶縁層を分離する時、絶縁層が損傷することを防止し、回路基板の信頼性を向上させることができる。
【0142】
以上の実施例で説明された特徴、構造、効果等は、本発明の少なくとも1つの実施例に含まれ、必ず1つの実施例に限定されるものではない。また、各実施例に例示された特徴、構造、効果等は、実施例が属する分野で通常の知識を有する者によって、他の実施例に対して組合せまたは変形して実施可能である。よって、そのような組合せと変形に係る内容は、本発明の範囲に含まれると解釈されるべきである。
【0143】
また、以上では実施例を中心に説明したが、これは単なる例示であり、本発明を限定するものではなく、本発明が属する分野で通常の知識を有した者であれば、本実施例の本質的な特性を逸脱しない範囲内で、以上で例示されていない多様な変形と応用が可能である。例えば、実施例に具体的に提示された各構成要素は、変形して実施することができる。そして、そのような変形と応用に係る差異点は、添付される請求の範囲で規定する本発明の範囲に含まれると解釈されるべきである。
図1
図2
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図5
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図7
図8
図9
図10
図11
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