IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ユニリーバー・アイピー・ホールディングス・ベスローテン・ヴェンノーツハップの特許一覧

特許7520860電解質の種類および量の組合せを含む高水分硬質バー
<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-12
(45)【発行日】2024-07-23
(54)【発明の名称】電解質の種類および量の組合せを含む高水分硬質バー
(51)【国際特許分類】
   C11D 9/04 20060101AFI20240716BHJP
   C11D 9/02 20060101ALI20240716BHJP
   C11D 9/10 20060101ALI20240716BHJP
   C11D 9/18 20060101ALI20240716BHJP
   C11D 9/26 20060101ALI20240716BHJP
【FI】
C11D9/04
C11D9/02
C11D9/10
C11D9/18
C11D9/26
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021548137
(86)(22)【出願日】2020-02-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-01
(86)【国際出願番号】 EP2020053338
(87)【国際公開番号】W WO2020169392
(87)【国際公開日】2020-08-27
【審査請求日】2022-12-09
(31)【優先権主張番号】19157894.7
(32)【優先日】2019-02-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】521042714
【氏名又は名称】ユニリーバー・アイピー・ホールディングス・ベスローテン・ヴェンノーツハップ
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【弁理士】
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【弁理士】
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【弁理士】
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【弁理士】
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100202267
【弁理士】
【氏名又は名称】森山 正浩
(74)【代理人】
【識別番号】100182132
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【弁理士】
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【弁理士】
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】ボルトライ,ジスレネ・スプレンドーレ
(72)【発明者】
【氏名】レオポルディーノ,セルジオ・ロベルト
(72)【発明者】
【氏名】オウラ,エニオ・ミツキ
(72)【発明者】
【氏名】ヤロヴォエ,ユーリー・コンスタンチノヴィチ
(72)【発明者】
【氏名】アウベス・デ・マトス,ロドリゴ
【審査官】中田 光祐
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-037920(JP,A)
【文献】特表2008-543882(JP,A)
【文献】国際公開第2017/202577(WO,A1)
【文献】特表平06-500586(JP,A)
【文献】特開昭55-133496(JP,A)
【文献】特開2004-256805(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C11D 1/00- 19/00
A61K 8/00- 8/99
A61Q 1/00- 90/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
押出石鹸バー組成物であって、前記バーが、
a)25~40%の水、
b)20~75重量%の無水石鹸、ここで、C16~C24飽和石鹸が、バー全体の重量の12%~45%を占め、
c)少なくとも0.05~35重量%を占める構造化剤、ここで、構造化剤の特定のレベルが、(b)のC16~C24飽和石鹸のレベルによって規定され、その結果、前記C16~C24飽和石鹸および構造化剤の合計レベルが25%を超え、前記構造化剤が、デンプン、カルボキシメチルセルロース、無機微粒子、アクリレートポリマーおよびそれらの混合物からなる群から選択され、
d)アルカリ金属塩化物とアルカリ金属クエン酸塩およびアルカリ金属硫酸塩からなる群から選択される副電解質との組合せである電解質、を含み、アルカリ金属塩化物([アルカリ金属塩化物])の濃度、およびアルカリ金属クエン酸塩([アルカリ金属クエン酸塩])、アルカリ金属硫酸塩([アルカリ金属硫酸塩])の濃度が、本発明者らが使用する水のレベルによって、以下のように規定され:
i.[アルカリ金属塩化物]%=0.075×[水]-0.626;および
ii.[アルカリ金属クエン酸塩]%=-0.0023×[水]+0.312×[水]-4.34;
[アルカリ金属硫酸塩]%=-0.0023×[水]+0.312×[水]-4.34;または
[アルカリ金属クエン酸塩およびアルカリ金属硫酸塩]=-0.0023×[水]+0.312×[水]-4.34、
前記電解質の濃度の計算された量が、上記式で計算された量のプラスまたはマイナス15%である
押出石鹸バー組成物。
【請求項2】
前記電解質の濃度の計算された量が、プラスまたはマイナス10%である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
[石鹸]と[存在する場合、水+水溶性溶媒]との比が、0.5:1~5:1である、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
無機微粒子が、タルク、炭酸カルシウム、ゼオライトまたはそれらの混合物である、請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、典型的には毎分バー200本超が押し出され、型押しされる迅速押出プロセスによって製造される脂肪酸石鹸バーに関する。さらに詳細には、本発明は、典型的には電解質の使用に関連する優れたバー特性(亀裂が少ないか、ない;エフロレッセンスがない)を同時に維持しながら、バーの製造速度を損なうことなく、水分レベルを20重量%~40重量%まで著しく増加させることができるような特定の種類および量の電解質の組合せを含むそのようなバーに関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、毎分バー200本以上の速度で押し出され、切断され、型押しされ得るバーを意味すると本明細書で定義される、高速押出プロセスによって製造されるバーに関する。バーは、主に、バーに使用される界面活性剤の50%超、好ましくは75%超もしくは80超もしくは90%超または最大100%の範囲で石鹸が存在する脂肪酸石鹸バーである。バーは、水および他の成分のレベルに応じて、75重量%未満、または70重量%もしくは65量%もしくは60重量%、好ましくは55重量%以下から20重量%の量の脂肪酸石鹸を含む。
【0003】
この石鹸バーは、洗浄または界面活性剤の特性を示すために必要とされるよりも活性の高い石鹸を含むことが実証されているため、使用されるナトリウム石鹸の多くは、バーを構造化するためだけに存在する。したがって、洗浄を損なうことなく、石鹸を溶媒(例えば、グリセリンおよび水)または微粒子に置き換えることが可能である。これはまた、バーのコストを低減することができ、マイルド性などの追加の利点を消費者にもたらすこともできる。
【0004】
ただし、水分レベルを増加させると、バーが柔らかくなり、べたつきが増す(わずかに粘着性があることを意味する)。柔らかくなり、および/または粘着性が増したバーは、バーの押出および型押に問題を引き起こし、バーの製造速度を低下させる。
【0005】
水分レベルの増加の影響に対抗するために、石鹸に電解質を加えることも可能である。電解質は、石鹸を「短く」するように作用し、これは、石鹸バーの硬度が増加し、粘着性が少なくなることを意味する。ただし、電解質を加えると、それ自体の一連の負の属性がもたらされる。例えば、押出バーの亀裂またはひび割れの程度が大きくなる(消費者が許容できないレベルまで)。さらに、バー表面上に、「エフロレッセンス」と呼ばれる現象である、肉眼で見える電解質層が形成される可能性がある。
【0006】
したがって、高レベルの水を有し、毎分バー200本以上の速度で押し出すことができ、バーの保存中に望ましくない亀裂および/またはエフロレッセンス(電解質形成)の問題を同時に被ることがない、主に脂肪酸石鹸界面活性剤に基づくバーを提供することは極めて困難である。
【0007】
予想外にも、本出願人らは、特定の種類の電解質と厳密に制御された量の特定の電解質との特定の組合せにより、特に保存時に、バーの亀裂およびバーのエフロレッセンスの問題を回避しながら、押出性が高い高水分バーを提供することが可能であることを見出した。
【0008】
例えば、脂肪酸石鹸バーでは、電解質塩、例えば、アルカリ金属塩化物(例えば、塩化ナトリウム)およびアルカリ金属クエン酸塩またはアルカリ金属硫酸塩(例えば、クエン酸ナトリウムまたは硫酸ナトリウム)を使用することは、大まかに言って新しくない。塩は、いわゆる「塩析」効果を促進し、バーを硬化させるのに役立つ。ただし、上に示されるように、塩はまた、過度の亀裂およびエフロレッセンスをもたらし得る。このように、本出願人らは、電解質が言及された悪影響(過度の亀裂、エフロレッセンス)を同時にもたらすことから、これらの電解質を用いて硬化させることによってバーの水分レベルを高める(柔らかさと、べたつきとを引き起こす)ためにこれらの塩が使用されるいかなる教示も知らない。
【0009】
例えば、Van Gunstの米国特許第6,143,704号は、マイルド性をもたらすために合成界面活性剤の代わりに最小レベル(4~35重量%)の遊離脂肪酸を使用する、50~80%の石鹸を含むバーを開示している。脂肪酸は不良なユーザープロファイルをもたらし得るため、この問題を軽減するために、有機塩(例えば、クエン酸ナトリウム)が1~10重量%のレベルで使用されている。例示的な水分レベルは約10%であるため、そのような水分レベルを高めるのを助けるために塩が使用されないことは明らかである。
【0010】
Rasserの米国特許第4,297,230号は、60%以上の石鹸と、0.2~5.0重量%のレベルの電解質(クエン酸ナトリウムを含み得る)と、4~25%の水とを有するバーを開示している。電解質は、結晶形成の問題を克服するのを助けるために使用されると言われている。上述したように、水分レベルは最大25%とすることができるが、効率的に押し出し、かつエフロレッセンスを回避しながら、使用される水の量を増大させるために、特定の種類および量の電解質を組み合わせて使用するという開示はない。本発明者らの発明の組成物は、これらの比較的高い水分範囲に入る際の過度の亀裂およびエフロレッセンスの問題を回避しながら、はるかに多量の水および低下した量の石鹸を使用することができる。
【0011】
Rasserの特定の例(例えば、本発明者らの塩化物とクエン酸塩との組合せを有しない)にさらに多くの水を使用すると、本発明者らの発明の例(例えば、比較例C)によって、Rasserの特定の例が亀裂または過度の柔らかさの問題を有することが実証される。
【0012】
Agarkhedの国際公開第2017/016803号は、10~30%の石鹸と、20~45%の可溶性有機溶媒と、20~40%の水と、3~20%の電解質(石鹸以外)と、有益剤(請求項11を参照)とを有し得る組成物を開示している。これらの組成物では、ポリオール+水のレベルに対する石鹸のレベルが重要であり、表1の例では、この比は1未満、実際には0.5未満であることが分かる。本発明者らの発明の組成物では、水のレベルは高くなり得るが、石鹸とポリオール+水との比は、好ましくははるかに高い。それは、0.5:1以上、好ましくは1:1以上、例えば、最大5:1であることが好ましい。Agarkhedの流延溶融バーと比較して、本発明者らの発明の押出バーには、好ましくはこれが必要とされる。構造化剤がバーに使用される場合、石鹸とポリオール+水との比は、5:1または4:1ではなく下端(0.5:1または1:1)にあり得ることに留意されたい。
【0013】
Agarkhedの国際公開第2017/016807号は、有益剤を含まないことを除いて、2017/016803号と同様の請求項を有する。ここでも、石鹸とポリオール+水との比は非常に低く、0.5:1未満である。これは、これらのバーが流延溶融バーであるためにのみ可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【文献】米国特許第6,143,704号
【文献】米国特許第4,297,230号
【文献】国際公開第2017/016803号
【文献】国際公開第2017/016807号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明によれば、本出願人らは、優れたユーザー特性を維持しながら(過度の亀裂またはエフロレッセンスがない)、高速(毎分バー200本以上、いくつかの実施形態ではバー200本超)で高水分の押出脂肪酸石鹸バーを製造することができる。これは、極めて特定の量の電解質塩の極めて特定の組合せを使用し、これにより、驚くべき方法でバーのいわゆる「レンガおよびモルタル」構造に影響を及ぼすことによって達成される。さらに具体的には、比較的多くの水が導入され得る(これは、典型的には、「モルタル」中に見られる可溶性石鹸の量を増加させ、バーを柔らかくし、べたつきを高め、これにより、押出の困難さを高める)が、特定の組合せおよび量の電解質塩(塩電解質は、通常、バーを硬化させるが、亀裂などを引き起こす)が、バーが良好に押し出され続けるようにモルタル相を変化させながら、亀裂およびエフロレッセンスの問題を含む悪影響を回避する。
【課題を解決するための手段】
【0016】
さらに具体的には、本発明は、最小の規定された硬度、低い粘着性および低い亀裂スコア(いずれも規定されたプロトコルに従って測定される)を維持しながら、毎分バー200本以上で処理する高水分レベルの押出バーを含み、バーは、
a)バーの重量の20~40%、好ましくは25~40重量%、さらに具体的には、26%または27%または28%または29%または30%の下位レベルおよび39%または38%または37%または36%または35%の上位レベルの水、ここで、任意の下位レベルが、任意の上位レベルと交換可能に使用され得、
b)下位レベルで20~75重量%、好ましくは25または30または31または32または35または40重量%から上位レベルで70重量%または65重量%の無水石鹸、ここで、バー全体の重量の12~45%がC16~C24飽和石鹸を含み
c)0.05~35重量%(好ましくは35または30または25%)のレベルの構造化剤、ここで、構造化剤の特定のレベルが、C16~C24飽和石鹸のレベルによって規定され、その結果、上記C16~C24飽和石鹸および追加の構造化剤の総レベルが25%を超え、上記構造化剤には、デンプン、カルボキシメチルセルロース、無機微粒子(例えば、タルク、炭酸カルシウム、ゼオライト)、アクリレートポリマーおよびそれらの混合物からなる群から選択される構造化剤が含まれ、
d)アルカリ金属塩化物とアルカリ金属クエン酸塩およびアルカリ金属硫酸塩ならびにそれらの混合物からなる群から選択される副電解質との組合せである電解質、を含み、アルカリ金属塩化物([アルカリ金属塩化物])の濃度およびアルカリ金属クエン酸塩([アルカリ金属クエン酸塩])またはアルカリ金属硫酸塩([アルカリ金属硫酸塩])の濃度は、本発明者らが使用する水([水])のレベル(例えば、20~40%)によって、以下のように規定される:
1.[アルカリ金属塩化物]%=0.075×[水]-0.626;および
2.[アルカリ金属クエン酸塩]%=-0.0023×[水]+0.312×[水]-4.34;
[アルカリ金属硫酸塩]%=-0.0023×[水]+0.312×[水]-4.34;
または[アルカリ金属クエン酸塩+アルカリ金属硫酸塩]%=-0.0023×[水]+0.312×[水]-4.34(具体的には、項目(2)は、クエン酸塩、硫酸塩、またはクエン酸塩と硫酸塩との混合物を規定する)。
【0017】
電解質の濃度の計算された量は、プラスまたはマイナス15%であることに留意されたい(例えば、塩化ナトリウムの計算された濃度が式に基づいて0.86である場合、それは0.86±0.129重量%のレベルで使用され得る。電解質の濃度の計算された量は、好ましくはプラスまたはマイナス10%であり、さらになお好ましくはプラスまたはマイナス5%である。
【0018】
さらに、[石鹸]と存在し得る[水+任意の水溶性溶媒](グリセリンまたはソルビトールなどのポリオール)との比は、0.5:1~5:1、好ましくは1:1~3:1の比である。典型的には、石鹸が少なく、水が多いことが好ましいため、下端の比(1:1~2:1)が特に好ましい。例えば、本発明者らの例では、35%水分バーは、1.31の石鹸と水+グリセリンとの比を有するが、20%の水を含むバーは、2.6:1の比を有する。1:1~2:1の比(35%水分)を有するバーは、できるだけ多くの石鹸を水に置き換えたい場合に好ましい。また、上述したように、比較的多量のバー構造化剤を使用する場合(構造化剤は、0.05~35重量%の範囲のレベルで存在し得る)、[石鹸]と[水+水溶性溶媒]との比は、3:1~5:1の比較的高い比よりも0.5:1または1:1に近くてよい。
【0019】
好ましくは、C16~C24飽和石鹸+他のバー構造化剤(以下に規定される)のレベルの組合せは、バーの重量の25%を超える。
【0020】
得られたバーは、1.2Kg以上の硬度(プロトコルでの規定による)と、3未満の粘着性スコア(規定による)と、1~5の尺度で3以下の亀裂スコア(規定による)とを有する。
【発明を実施するための形態】
【0021】
実施例または他に明示されている場合を除いて、材料の量または反応条件、材料および/または使用の物理的特性を示す本明細書中のすべての数字が、用語「約」によって修飾されていると理解される。
【0022】
全体を通して使用されるように、範囲は、その範囲内にあるありとあらゆる値を記述するための省略表現として使用される。範囲内の任意の値を範囲の末端として選択することができる。「および/または」の使用は、列挙からのいずれか1つを個別に選択することができること、または列挙からの任意の組合せを選択することができることを示す。
【0023】
疑義を避けるために、用語「含む(comprising)」は、「含む(including)」を意味することを意図しているが、必ずしも「からなる(consisting of)」または「から構成される(composed of)」を意味するものではない。言い換えれば、列挙された工程または選択肢は網羅的である必要はない。
【0024】
別段の指示がない限り、使用される成分の1または複数の量に対するすべての百分率は、組成物の総重量における材料の活性重量に基づく重量分率であると理解され、その合計は100%である。
【0025】
本発明の様々な化合物を以下にさらに詳細に記載する。
【0026】
脂肪酸石鹸
本発明の無水石鹸は、バーの重量の20~75%、好ましくは30~65%のレベルで存在する。本明細書では、石鹸という用語は、脂肪酸の塩を意味する。好ましくは、石鹸は、C~C24脂肪酸の石鹸、さらに好ましくはC~C18脂肪酸の石鹸である。C~C14石鹸(特にC12)は、典型的には短鎖可溶性石鹸であり、C16~C24は比較的長鎖の低可溶性石鹸である。不飽和C18石鹸(例えば、オレイン酸塩)は、典型的には、短鎖可溶性石鹸のように溶け易い。
【0027】
従来の押出石鹸では、2つの別個の結晶型の混合物が熱力学平衡状態で形成される。デルタ相と呼ばれる1つの結晶型は、溶け難い飽和長鎖石鹸(例えば、C16およびC18石鹸)から構成され、イータ相と呼ばれる、溶け易い飽和短鎖石鹸および不飽和石鹸(例えば、C12およびC18:1石鹸)から構成される別の結晶型の連続体中に分散される。溶け易い石鹸の連続体中に分散された溶け難い石鹸の構成は、「レンガおよびモルタル」構造と比較することができる。溶け易い石鹸から構成される連続相(「モルタル」)はまた、溶け難い石鹸から構成される分散相(「レンガ」)よりも多くの水を含有する。
【0028】
本発明の目的では、「不溶性石鹸」は、16~24、好ましくはC18~C22またはC16~C18の炭素鎖長を有する、飽和脂肪族モノカルボン酸の一価塩を指す。一方、「可溶性」石鹸は、8~14の炭素鎖長を有する、飽和脂肪族モノカルボン酸の一価塩、ならびに8~24の炭素鎖長を有する、オレイン酸および多価不飽和脂肪族モノカルボン酸の一価塩を指す。
【0029】
本発明者らの発明によれば、C16~C24石鹸は、バー全体の重量の12~45%を占める。
【0030】
好ましくは、短鎖C~C14は、バー全体の重量の2~20%を占める。また好ましくは、C18鎖中に1、2または3個の不飽和基を有する不飽和C18脂肪酸は、バー全体の重量の6%~35%、さらに好ましくは12~35%を占める。
【0031】
構造化剤(「レンガ」)として作用する長い飽和石鹸に加えて、本発明のバーは、0.05~35%の構造化剤を含む。比較的多くの構造化剤を使用すると、所望により[石鹸]と[水溶性溶媒、例えば、ポリオール+水]との比を低くすることが可能になる。
【0032】
構造化剤には、デンプン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、無機微粒子状物質(例えば、タルク、炭酸カルシウム、ゼオライト、およびそのような微粒子の混合物)アクリレートポリマー、およびそれらの混合物などの構造化剤が含まれ得る。上記のC16~C24長鎖構造化剤および構造化剤の合計レベルは、25%超、好ましくは25%~40%であるべきである。
【0033】
当技術分野で以前から知られているバーでは、本発明のバーに使用される水が高レベルであるために(20重量%~40重量%、好ましくは25重量%~40重量%、任意の下限を任意の上限と交換可能に使用することができる場合、下限として好ましくは26重量%または27重量%または28重量%または29重量%または30重量%および上限として39または38または37または36または35重量%)、(以前のバー中の)水のレベルによって、典型的には、(最小硬度および低い粘着性スコアによって規定される、本発明者らの発明のバーと比較して)柔らかく、べたつくバーがもたらされる。そのようなバーでは、毎分バー200本以上の高い押出速度で押出および型押を行うことが困難である。
【0034】
電解質塩は、バーを硬化させることが知られているが、それらは、典型的には、非常に硬くて脆い押出バーをもたらし、過度の亀裂(以下に記載される試験では4または5)を有し、および/または特に保存時にバー表面にエフロレッセンス(電解質の層)を生じる。
【0035】
本出願人らは、特定の種類および量の電解質を使用すると、過度の亀裂およびエフロレッセンスを回避しながらバーを高速で押し出し、型押しすることができることを確実にするプロセスを見出した。バーは、規定された最小硬度および低い粘着性スコアを有する。適切な種類および量の電解質を加えるためのプロセスならびに得られたバーの両方が特許請求される。
【0036】
具体的には、電解質は、アルカリ金属塩化物(規定量)と、アルカリ金属クエン酸塩、アルカリ金属硫酸塩、またはクエン酸塩と硫酸塩との混合物であり得る副電解質との特定の組合せでなければならず、(1または複数の)副電解質はまた、単独でまたは混合物としてであるかにかかわらず、特定の規定量で使用される。アルカリ金属は、ナトリウムまたはカリウム、好ましくはナトリウムであってよい。
【0037】
この利益をもたらす電解質の量は、以下のように規定される:
1.[アルカリ金属塩化物]%=0.075×[水]-0.626;および
2.[アルカリ金属クエン酸塩]%=-0.0023×[水]+0.312×[水]-4.34;
[アルカリ金属硫酸塩]%=-0.0023×[水]+0.312×[水]-4.34;または
[アルカリ金属クエン酸塩+アルカリ金属硫酸塩]%=-0.0023×[水]+0.312×[水]-4.34、
ここで、電解質の濃度の計算された量は、プラスまたはマイナス15%である(例えば、塩化ナトリウムの計算された濃度が式に基づいて0.86である場合、それは0.86±0.129重量%のレベルに基づき得る。
【0038】
様々な組成を用いて製造された数百のバーを含む、本発明者らによる広範囲な実験によって開発された上記の式に基づいて、様々な好ましい範囲の水に対する電解質の好ましい量を以下に要約する:
バーの20~40重量%の水:
塩化ナトリウムは、バーの重量の0.74~2.73%、好ましくは0.79~2.61%、最も好ましくは0.83~2.49%の範囲で含まれ得る。
【0039】
硫酸ナトリウムもしくはクエン酸ナトリウムまたはこれら2つの組合せは、バーの重量の0.83~5.13%、好ましくは0.88~4.91%、最も好ましくは0.93~4.68%の範囲で含まれ得る。
【0040】
バーの20~35重量%の水:
塩化ナトリウムは、バーの重量の0.74~2.30%、好ましくは0.79~2.20%、最も好ましくは0.83~2.10%の範囲で含まれ得る。
【0041】
硫酸ナトリウムもしくはクエン酸ナトリウムまたはこれら2つの組合せは、バーの重量の0.83~4.33%、好ましくは0.88~4.14%、最も好ましくは0.93~3.95%の範囲で含まれ得る。
【0042】
バーの25~35重量%の水:
塩化ナトリウムは、バーの重量の1.06~2.30%、好ましくは1.12~2.20%、最も好ましくは1.19~2.10%の範囲で含まれ得る。
【0043】
硫酸ナトリウムもしくはクエン酸ナトリウムまたはこれら2つの組合せは、バーの重量の1.72~4.33%、好ましくは1.82~4.14%、最も好ましくは1.92~3.95%の範囲で含まれ得る。
【0044】
また、[石鹸]と[水および任意の水溶性溶媒、例えば、グリセリンまたはソルビトール]との比は、0.5:1以上、好ましくは1:1~5:1、さらに好ましくは1.2:1~3:1、さらになお好ましくは1.2:1~2:1である。
【0045】
そのような規定された成分(電解質量;石鹸と水および任意の溶媒との比)を使用して、本発明者らは、毎分バー200本以上で押し出され、1.2Kg~5.0Kg(40℃で測定)の硬度値と、3未満、好ましくは0~2の粘着性と、3以下の亀裂スコアとを有するバーを得ており、どのバーも目に見えるエフロレッセンスを伴わない。
【0046】
他の成分
脂肪酸の石鹸に加えて、好ましいバーは、共界面活性剤として作用し、アニオン性、非イオン性、双性イオン性、両性およびカチオン性界面活性剤から選択される非石鹸界面活性剤を含んでもよい。好ましいバーは、組成物の重量に基づいて0.0001~15重量%の共界面活性剤を含む。さらに好ましいバーは、組成物の重量に基づいて、2~10重量%の共界面活性剤を含み、最も好ましい組成物は、2.5~6重量%の共界面活性剤を含む。
【0047】
好適なアニオン性界面活性剤には、分子構造中に、8~22個の炭素原子を含むアルキルラジカルと、スルホン酸ラジカルまたは硫酸エステルラジカルから選択されるラジカルとを有する有機硫酸反応生成物の水溶性塩、およびそれらの混合物が含まれる。
【0048】
好ましい水溶性合成アニオン性界面活性剤には、高級アルキルベンゼンスルホネートのアルカリ金属(ナトリウムおよびカリウムなど)塩およびアルカリ土類金属(カルシウムおよびマグネシウムなど)塩、およびオレフィンスルホネートおよび高級アルキルスルフェートとの混合物、ならびに高級脂肪酸モノグリセリドスルフェートがある。
【0049】
好適な非イオン性界面活性剤は、本質的に親水性であるアルキレンオキシド基と、本質的に脂肪族またはアルキル芳香族であり得る有機疎水性化合物との縮合によって生成される化合物として広く説明することができる。
【0050】
組み込まれ得る好適なカチオン性界面活性剤には、アルキル置換第四級アンモニウムハライド塩、例えば、ビス(水素化獣脂)ジメチルアンモニウムクロリド塩、セチルトリメチルアンモニウムブロミド塩、塩化ベンザルコニウム塩、ならびに例えば、第一級、第二級および第三級アミン塩酸塩およびイミダゾリン塩酸塩のためのアミン塩およびイミダゾリン塩がある。
【0051】
好適な両性界面活性剤には、8~18個の炭素原子のアルキル基と、アニオン性水溶性基によって置換された脂肪族ラジカルとを含む脂肪族第二級および第三級アミンの誘導体、例えば、3-ドデシルアミノ-プロピオン酸ナトリウム、3-ドデシルアミノプロパンスルホン酸ナトリウムおよびN-2-ヒドロキシドデシル-N-メチルタウリン酸ナトリウムがある。
【0052】
好適な双性イオン性界面活性剤には、8~18個の炭素原子の脂肪族ラジカルと、アニオン性水溶性基によって置換された脂肪族ラジカルとを有する脂肪族第四級アンモニウム、スルホニウムおよびホスホニウム化合物の誘導体、例えば、3-(N-N-ジメチル-N-ヘキサデシルアンモニウム)プロパン-1-スルホネートベタイン、3-(ドデシルメチルスルホニウム)プロパン-1-スルホネートベタインおよび3-(セチルメチルホスホニウム)エタンスルホネートベタインがある。
【0053】
好適な洗剤活性化合物の追加の例には、SchwartzおよびPerryによる周知の教本「Surface Active Agents」、第I巻、ならびにSchwartz、PerryおよびBerchによる「Surface Active Agents and Detergents」、第II巻に記載されている界面活性剤として一般的に使用されている化合物がある。
【0054】
バーは、ポリオール、ヒドロトロープおよび混合物からなる群から選択され得る水溶性有機溶媒を含み得る。溶媒の量は、0~12%の範囲であってよい。
【0055】
特に好ましいポリオールはグリセロールである。一般に、押出バー中に他の溶媒は存在しない。グリセロールの好ましいレベルはまた、以下の式に従って、水の開始量に基づいて測定され得る:
[グリセロール]%=0.34×[水]-1.78
例えば、水が40%もの多さである場合、グリセロールは11.82%もの多量で使用され得る。典型的には、水分レベルが低いほど、使用されるグリセリンは少なくなる。
【0056】
ここでも、グリセロールの量は、式に基づいて測定された量のプラスまたはマイナス15%、さらに好ましくは計算された量のプラスまたはマイナス10%、さらになお好ましくはプラスまたはマイナス5%である。
【0057】
一形態では、本発明は、20~40%の水と、記載されているように、規定されたC~C14、不飽和C18およびC16~C24のレベルを有する20~75%の無水石鹸と、0.05~35%の構造化剤と、アルカリ金属塩化物と副電解質としてのクエン酸塩および/または硫酸塩との組合せと、上記の式によって規定されるレベルのグリセロールとを含む。
【0058】
仕上げ補助材料:
これらは、バーの審美的品質、特に視覚的、触覚的および嗅覚的特性を直接的(香料)または間接的(防腐剤)に改善する成分である。多種多様な任意の成分を本発明のバー組成物に組み込むことができる。補助剤の例には、限定するものではないが、香料;乳白剤、例えば、脂肪アルコール、エトキシル化脂肪酸、固体エステルおよびTiO;染料および顔料;真珠光沢化剤、例えば、TiO被覆雲母および他の干渉顔料;板状ミラー粒子、例えば、有機グリッター;感覚惹起剤、例えば、メントールおよびショウガ;防腐剤、例えば、ジメチロールジメチルヒダントイン(Glydant XL1000)、パラベン、ソルビン酸など;例えば、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)などの酸化防止剤;キレート剤、例えば、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)およびエチドロン酸三ナトリウムの塩;乳化安定剤;補助増粘剤;緩衝剤;ならびにそれらの混合物が挙げられる。
【0059】
真珠光沢化剤のレベルは、バー組成物の総重量に基づいて、約0.1%~約3%、好ましくは0.1%~0.5%、最も好ましくは約0.2~約0.4%であり得る。
【0060】
皮膚有益剤:
使用され得る別のクラスの任意の成分には、皮膚有益剤がある。これらは、皮膚および毛髪の健康および状態を促進するために含まれる。潜在的な有益剤には、限定するものではないが、脂質、例えば、コレステロール、セラミドおよびプソイドセラミド;以下に詳述するような抗微生物剤;日焼け止め剤、例えば、シンナメート;他の種類のスクラブ剤粒子、例えば、ポリエチレンビーズ、クルミ殻、アンズ種子、花弁および種子、およびシリカおよび軽石などの無機物;追加の軟化剤(皮膚軟化剤)、例えば、長鎖アルコール、およびラノリンのようなワックス;追加の保湿剤;皮膚調色剤;皮膚栄養素、例えば、ビタミンC、DおよびEのようなビタミン類、およびベルガモット、ウンシュウミカン、ショウブなどの精油;アボカド、ブドウ、ブドウ種子、ミルラ、キュウリ、クレソン、カレンデュラ、エルダーフラワー、ゼラニウム、リンデンの花、アマランサス、海藻、イチョウ、チョウセンニンジン、ニンジンの水溶性または水不溶性抽出物;ホウセンカ(impatiens balsamina)、カムカム、アルピナの葉および他の植物抽出物、例えば、アメリカマンサク(witch-hazel)、ならびにそれらの混合物が含まれる。
【0061】
本発明の組成物は、抗微生物効果をもたらすために使用することができる。この効果をもたらすために含まれることが好ましい抗微生物剤には、微量作用金属またはその化合物が含まれる。好ましい金属は、銀、銅、亜鉛、金またはアルミニウムである。銀が特に好ましい。イオン形態では、それは塩、または任意の適用可能な酸化状態の任意の化合物として存在し得る。好ましい銀化合物は、酸化銀、硝酸銀、酢酸銀、硫酸銀、安息香酸銀、サリチル酸銀、炭酸銀、クエン酸銀またはリン酸銀であり、1つ以上の実施形態では、酸化銀、硫酸銀およびクエン酸銀が特に興味深い。少なくとも1つの好ましい実施形態では、銀化合物は酸化銀である。微量作用金属またはその化合物は、組成物の重量の0.0001~2%、好ましくは0.001~1%の範囲で含まれることが好ましい。あるいは、本発明の組成物には精油抗微生物活性物質が含まれてもよい。含まれ得る好ましい精油活性物質には、テルピネオール、チモール、カルバコール(carvacol)、(E)-2(プロパ-1-エニル)フェノール、2-プロピルフェノール、4-ペンチルフェノール、4-sec-ブチルフェノール、2-ベンジルフェノール、オイゲノールまたはそれらの組合せがある。さらに好ましい精油活性物質は、テルピネオール、チモール、カルバクロールまたはチモールであり、最も好ましくはテルピネオールまたはチモールであり、理想的にはこれら2つの組合せである。
【0062】
精油活性物質は、組成物の重量の0.001~1%、好ましくは0.01~0.5%の範囲で含まれることが好ましい。
【0063】
組成物はまた、追加の皮膚(頭皮を含む)効果を提供する様々な他の活性成分を含むことができる。例には、抗アクネ剤、例えば、サリチル酸およびレゾルシノール;硫黄含有DおよびLアミノ酸、およびそれらの誘導体および塩、特にそれらのN-アセチル誘導体;抗しわ活性物質、抗皮膚萎縮活性物質および皮膚修復活性物質、例えば、ビタミン類(例えば、A、EおよびK)、ビタミンアルキルエステル、ミネラル、マグネシウム、カルシウム、銅、亜鉛および他の金属成分;レチノイン酸およびエステルおよび誘導体、例えば、レチナールおよびレチノール、ビタミンB3化合物、αヒドロキシ酸、βヒドロキシ酸、例えば、サリチル酸およびその誘導体;皮膚鎮静剤、例えば、アロエベラ、ホホバオイル、プロピオン酸誘導体および酢酸誘導体、フェナム酸誘導体;人工日焼け剤、例えば、ジヒドロキシアセトン;チロシン;チロシンエステル、例えば、エチルチロシネートおよびグルコースチロシネート;美白剤、例えば、アロエ抽出物およびナイアシンアミド、α-グリセリル-L-アスコルビン酸、アミノチロキシン(aminotyroxine)、乳酸アンモニウム、グリコール酸、ヒドロキノン、4ヒドロキシアニソール、皮脂刺激剤、例えば、ブリオノール酸、デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)およびオリザノ(orizano);皮脂阻害剤、例えば、アルミニウムヒドロキシクロリド、コルチコステロイド、デヒドロ酢酸およびその塩、ジクロロフェニルイミダゾールジオキソラン(Elubiolから入手可能);抗酸化作用、プロテアーゼ阻害;皮膚引き締め剤、例えば、ビニルピロリドンのターポリマー、(メタ)アクリル酸、および長鎖アルキル(メタ)アクリレートから構成される疎水性モノマー;かゆみ止め剤、例えば、ヒドロコルチゾン、メトジリジン(methdilizine)およびトリメプラジン発毛阻害;5-αレダクターゼ阻害剤;落屑を促進する薬剤;抗糖化剤;フケ防止剤、例えば、亜鉛ピリジンチオン;毛髪成長促進物質、例えば、フィナステリド、ミノキシジル、ビタミンD類似体およびレチノイン酸、ならびにそれらの混合物が挙げられる。
【0064】
上記の構造化剤(0.05~35%の構造化剤)に関して、好ましくはデンプン、変性デンプン、アクリレートおよびセルロースエーテルが含まれる。
【0065】
アクリレート
本発明の組成物はポリマーを含むことが好ましい。アクリレートクラスのポリマーが特に好ましい。好ましいバーは、0.05~5%のアクリレートを含む。さらに好ましいバーは、0.1~3%のアクリレートを含む。アクリレートポリマーの例には、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第2,798,053号に記載されているような、ポリアリルスクロースによって架橋されたアクリル酸のポリマーおよびコポリマーが挙げられる。他の例には、ポリアクリレート、アクリレートコポリマーまたはアルカリ膨潤性エマルジョンアクリレートコポリマー、疎水変性アルカリ膨潤性コポリマー、およびアクリル酸の架橋ホモポリマーが挙げられる。そのような市販のポリマーの例には、ACULYN(登録商標)、CARBOPOL(登録商標)、およびCARBOPOL(登録商標)Ultrezグレードシリーズがある。
【0066】
セルロースエーテル
好ましいバーは、0.1~5%のセルロースエーテルを含む。さらに好ましいバーは、0.1~3%のセルロースエーテルを含む。好ましいセルロースエーテルは、アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロースおよびカルボキシアルキルセルロースから選択される。さらに好ましいバーは、ヒドロキシアルキルセルロースまたはカルボキシアルキルセルロースを含み、特に好ましいバーは、カルボキシアルキルセルロースを含む。
【0067】
好ましいヒドロキシアルキルセルロースには、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースおよびエチルヒドロキシエチルセルロースが含まれる。
【0068】
好ましいカルボキシアルキルセルロースには、カルボキシメチルセルロースが含まれる。カルボキシメチルセルロースがカルボキシメチルセルロースのナトリウム塩の形態であることが特に好ましい。
【0069】
任意のワックスおよびポリアルキレングリコール
好ましいワックスには、パラフィンワックスおよびマイクロクリスタリンワックスが含まれる。ポリアルキレングリコールが使用される場合、好ましいバーは、0.01~5重量%、さらに好ましくは0.03~3重量%、最も好ましくは0.5~1重量%のポリアルキレングリコールを含み得る。好適な例には、ポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコールが挙げられる。好ましい市販品には、The Dow Chemical Companyによって販売されているPOLYOX(登録商標)がある。
【0070】
これより、以下の非限定的な例の助けを借りて本発明を説明する。
【0071】
[実施例]
異なる電解質が異なる効果をもたらすという本発明者らによる一般的な理解。
【0072】
一般に、石鹸中の電解質は、軟質バーを硬化させ、例えば、高レベルの遊離脂肪もしくは軟化剤、または本発明者らの発明の関心事であるように高レベルの水によって引き起こされる粘着性を低減することができることが知られている。電解質は可溶性石鹸を沈殿させ、それによって「レンガ」画分を増加させ、「モルタル」画分を減少させることができる。上述したように、電解質の使用は、典型的には、押出時の過度の亀裂および/またはエフロレッセンスをもたらす。しかし、本発明者らは、異なる電解質がモルタル画分中の可溶性石鹸に対して異なる効果を有することを見出した。
【0073】
本出願人らは、核磁気共鳴(NMR)を使用して分析される、5.3重量%のNaClまたは5.3重量%のクエン酸ナトリウムを含む石鹸モルタルの2つの例を調製した。モルタル中の電解質のこの濃度は、25%の水を含むバー中の約2.5%の電解質に相当する。
【0074】
本出願人らは2つの観察を行った。最初に、モルタル相にNaClを加えると、15%の固体(「レンガ」)が形成され、85%がモルタル相に残った。対照的に、クエン酸ナトリウムを加えても石鹸沈殿はもたらされなかった(レンガ形成なし)。したがって、明らかに、あらゆる電解質が同じように機能するわけではない。さらに、クエン酸塩を使用すると、六方相から粘着性でないラメラゲル相への転移が誘導された。異なる電解質の異なる効果に関する本出願人らの理解は、過度の亀裂(およびエフロレッセンス)を回避しながら固体を形成するために電解質の特定の組合せを使用するという知見をもたらした。
【0075】
当技術分野では、特定のものが機能することは言うまでもなく、電解質の組合せによってこの問題に対処することさえ可能であるという教示も示唆もない。
【0076】
プロトコル
硬度測定用
原理
30°円錐形プローブは、石鹸/合成洗剤試料に所定の深さまで指定の速度で貫通する。特定の深さで発生した抵抗を記録する。バー/ビレットが円錐体(15mm)の貫通よりも大きく、十分な面積を有することを除いて、試験試料のサイズまたは重量の要件はない。記録された抵抗数は降伏応力にも関連し、応力は以下のように計算することができる。硬度(および/または計算された降伏応力)は、様々な異なる針入度計法によって測定することができる。本発明では、上記のように、15mmの深さまで貫通するプローブを使用する。
【0077】
装置および機器
TA-XT Express(Stable Micro Systems)
30°円錐形プローブ-Part #P/30c(Stable Micro Systems)
サンプリング技術
この試験は、押出機からのビレット、完成したバー、または石鹸/合成洗剤の小片(ヌードル、ペレットまたはビット)に適用することができる。ビレットの場合、TA-XTに適したサイズ(9cm)の片をさらに大きな試料から切り出すことができる。TA-XTに取り付けるには小さすぎるペレットまたはビットの場合、圧縮固定具を使用して、試験するのに十分な大きさの単一のパスティルになるようにいくつかのヌードルを形成する。
【0078】
手順
TA-XT Expressの設定
これらの設定は、システムに一度だけ挿入される必要がある。それらは保存され、機器が再びオンになるたびにロードされる。これにより、設定が一定であり、あらゆる実験結果が容易に再現可能であることが保証される。
【0079】
・試験方法を設定する
・MENUを押す
・TEST SETTINGSを選択する(1を押す)
・TEST TPEを選択する(1を押す)
・オプション1(CYCLE TEST)を選択し、OKを押す
・MENUを押す
・TEST SETTINGSを選択する(1を押す)
・PARAMETERSを選択する(2を押す)
・PRE TEST SPEEDを選択する(1を押す)
・2(mm s-1)を入力し、OKを押す
・TRIGGER FORCEを選択する(2を押す)
・5(g)を入力し、OKを押す
・TEST SPEEDを選択する(3を押す)
・1(mm s-1)を入力し、OKを押す
・RETURN SPEEDを選択する(4を押す)
・10(mm s-1)を入力し、OKを押す
・DISTANCEを選択する(5を押す)
・石鹸ビレットの場合は15(mm)、または石鹸パスティルの場合は3(mm)を入力し、OKを押す
・TIMEを選択する(6を押す)
・1を入力する(CYCLE)
較正
・プローブをプローブキャリアにねじ込む。
【0080】
・MENUを押す
・OPTIONSを選択する(3を押す)
・CALIBRATE FORCEを選択する(1を押す)-機器は、較正プラットフォームに障害物がないかどうかを確認するようにユーザーに求める
・OKを押して続行し、機器の準備ができるまで待機する。
【0081】
・2kgの較正重りを較正プラットフォーム上に置き、OKを押す
・「calibration completed」というメッセージが表示されるまで待機し、プラットフォームから重りを除去する。
【0082】
試料測定
・ビレットを試験プラットフォーム上に置く。
【0083】
・UP矢印またはDOWN矢印を押すことによって、(ビレットに触れずに)ビレットの表面にプローブを近づける。
【0084】
・RUNを押す
・目標距離(Fin)で読み取り値(gまたはkg)を取る。
【0085】
・実験が実行された後、プローブはその元の位置に戻る。
【0086】
・プラットフォームから試料を除去し、その温度を記録する。
【0087】
計算、および結果の表出
出力
この試験からの出力は、試料温度測定値と組み合わせた、目標貫通距離におけるgまたはkg単位の「力」(R)としてのTA-XTの読み出しである。(本発明では、力は、40℃、15mmの距離でKg単位で測定される)
力の読み取り値は、以下の式に従って伸張応力に変換することができる:
TX-XT読み出しを伸張応力に変換する式は、以下の通りである:
【数1】
【0088】
式中:
σ=伸張応力
C=「拘束係数」(30°円錐体の場合は1.5)
=重力加速度
A=円錐体の投影面積=
【数2】
【0089】
d=貫通深さ
θ=円錐角
15mmの貫通での30°円錐体の場合、式2は以下のようになる
σ(Pa)=R(g)×128.8
この応力は、針入度計によって測定される静的降伏応力と同等である。
【0090】
伸張率は以下の通りである
【数3】
【0091】
式中、ε=伸張率(s-1
V=円錐速度
1mm/sで移動する30°円錐体の場合、ε=0.249s-1
温度補正
皮膚洗浄バー配合物の硬度(降伏応力)は温度感受性である。意味のある比較のために、目標距離(R)での読み取り値は、以下の式に従って標準基準温度(通常40℃)に補正されるべきである:
40=R×exp[α(T-40)]
式中、R40=基準温度(40℃)での読み取り値
=温度Tでの読み取り値
α=温度補正のための係数
T=試料を分析した温度。
【0092】
この補正は、伸張応力に適用することができる。
【0093】
生データおよび処理データ
最終的な結果は温度補正された力または応力であるが、機器の読み取り値および試料温度も記録することが望ましい。
【0094】
少なくとも1.2Kg(40℃で測定)の硬度値が許容可能である。一方では石鹸/水およびグリセリンの比と、他方では硬度との間に関係があることを理解されたい。バーが比較的少ない水(比較的多くの石鹸および比較的高い比)を有する場合、バーは硬くなる(本発明によって必要とされる最小1.2Kgをさらに超える)が、比較的少ない水を用いて押し出すことの利点はそれほど大きくない。比が比較的低い場合(1:1に近い)、これは比較的多くの水を意味するが、バーはそれほど硬くない。これに関して、好ましい硬度レベルは、1.2~2.0Kgであり得る。これは、1:1~2:1の好ましい比と一致する。
【0095】
亀裂測定用:
定義:
亀裂は、以下のプロトコルに従って、バーの洗い流しおよび乾燥の順序から生じ得る(または生じ得ない)物理的損傷として定義することができる。
【0096】
原理:
石鹸錠剤を制御された様式で、1日6回、4日間洗い流す。錠剤を各洗い流し後に制御された条件で保存し、さらに2または3日の乾燥後に重量減少を決定する。周囲条件下で3日間乾燥させた後に、目視による亀裂評価を行う。
【0097】
装置および機器:
水切り付きの石鹸トレイ ・好ましくは硬質プラスチック
・1条件当たり1試料
水切りなしの石鹸トレイ ・好ましくは硬質プラスチック
・約15×10cmの面積
・平坦な底部
・1バッチ当たり1試料
洗浄ボウル ・10リットル容量(約)
手袋 ・防水使い捨て手袋(プラスチックまたはゴム)
手順:
最初の朝(例えば、月曜日)に試験を開始する。
【0098】
試験されるバッチの各々の4つの錠剤を秤量し、それらを以下のようにコード化された石鹸トレイに入れる:
水切り 洗浄温度(℃)
有 25
有 40
無 25
無 40
10mLの水(室温および適切な硬度)を測定し、水切りなしのトレイに注ぐ(25℃および40℃)。
【0099】
石鹸の各錠剤を以下のように洗い流す:
a)適切な硬度を有し、所望の温度(25℃または40℃)の約5リットルの水を洗浄ボウルに満たす。
【0100】
b)錠剤にマークを付けて、上面を識別する(例えば、針を用いて小さな穴を作る)。
【0101】
c)防水手袋を着用し、錠剤を水中に浸し、水面上で手の中で15回(毎回180°)回す。
【0102】
d)(c)を繰り返す。
【0103】
e)泡を洗い流すために、錠剤を再び水に浸す。
【0104】
f)錠剤をその石鹸トレイ上に戻し、反対側の面が最上部になるようにする(すなわち、マークされていない面)。
【0105】
毎日(例えば、1日の時間:8.00、9:30、11.00、12.30、14.00および15.30)等間隔で、4日間連続して1日6回、完全な洗い流し手順を行う。各洗い流し後に面を交互に下に置く。
【0106】
洗い流しの間、石鹸トレイは、制御された室内条件で、オープンベンチまたは水切りボード上に置かれるべきである。(注記14.1.iiiを参照)各洗い流しサイクルの後、乾燥条件の変動を最小限に抑えるために、ベンチ上の各石鹸トレイ/錠剤の位置を変更する。
【0107】
各日の終了時に:
・水切り付きの各石鹸トレイをすすぎ、乾燥させる
・水切りなしの石鹸トレイ(25℃および40℃)を水切りし、10mLの水(周囲温度)を補充する。適切な水硬度を考慮する。
【0108】
最後の洗い流し(4日目の午後、例えば、木曜日)の後、石鹸トレイをいずれもすすぎ、乾燥させ、各錠剤をその石鹸トレイ上に置く。5日目の午後に、試料を両面が乾くように回転させる。8日目(例えば、次の月曜日)に、各錠剤を秤量する。
【0109】
亀裂
亀裂の程度の目視評価は、摩耗率試験で使用したのと同じ試料を用いて行う。試験の最初の5日間にいくらかの亀裂が生じることがあるが、最大レベルは試験の最終期間後に(すなわち、8日目または9日目に)のみ観察することができる。
【0110】
結果の表出:
訓練された評価者が、錠剤を検査し、以下の各領域における亀裂の程度を別個に記録する:
両面-全タイプの錠剤
両端-帯状錠剤
両側-帯状錠剤
外面-キャパシティー・ダイ(capacity die)錠剤
以下の0~5の尺度を使用して亀裂の程度を等級付けする:
0-亀裂なし
1-小さく浅い亀裂:
1.1-最低限度
1.2-最大限度
2-中小の深い亀裂:
2.1-最低限度
2.2-最大限度
3-中程度および深い亀裂:
3.1-最低限度
3.2-最大限度
4-大きく深い亀裂:
4.1-最低限度
4.2-最大限度
5-非常に大きく非常に深い亀裂:
5.1-最低限度
5.2-最大限度
3以下の亀裂スコアは許容可能であるが、4および5は許容可能でない。
【0111】
バーの粘着性プロトコル:
バーを一方の手の手のひらの上に置き、指を3回開閉する。尺度に応じた触感によって製品を評価する:
1-粘着性なし
2-やや粘着性
3-中程度に粘着性
4-粘着性
5-非常に粘着性
評価尺度は、ビデオおよび市販製品を通じて評価者に提示される参考文献に留め置かれる。
【0112】
許容可能な粘着性グレードは最大2である。
【0113】
実施例1~5および比較例A~E
本出願人らは、以下の実施例1~5および比較例A~Eを記載する:
【表1】
【0114】
実施例1~5はいずれも、2以下の粘着性スコアと、4未満の許容可能な亀裂スコアとを有する。比較例A、B、DおよびEは、3以上の許容できない粘着性スコアを有する。比較例CおよびEは、4および5の許容できない亀裂スコアを有する。注記:実施例1および2は本発明の範囲外である。
【0115】
上記のように、20%の水が使用された場合(実施例1対比較例A)、(20%の水分レベルで)NaClの量を決定するための式を使用することによって、0.87%NaClのこの同等の使用、すなわち、亀裂の問題を回避しながら良好な押出に必要な量を計算することができる。同様に、これは0.98%クエン酸ナトリウムの使用を計算する。これにより、良好な加工性(粘着性の問題なし)を有し、バー亀裂が低いバーが得られる。
【0116】
対照的に、0.8%、NaClと0.2%クエン酸ナトリウムとを任意に選択すると、バーは粘着性である(A、B、DおよびEでは粘着性スコアが3以上)か、加工上の問題(CおよびEのような高い亀裂)を有する。
【0117】
特定の電解質の特定の量を選択するためのプロセスを使用することにより、必然的に、亀裂の問題(またはエフロレッセンスの問題)を伴わずに加工可能なバーがもたらされることを教示または示唆する技術も、特定のレベルの電解質のこの特定の選択を有する組成物/バーの開示もない。実施例3.1および3.2は、クエン酸ナトリウムまたは硫酸ナトリウムのいずれかが副電解質であり得ることを示す。
【0118】
25%、27%、30%または35%の水を使用する場合(実施例1~5)にも同様の計算を行い、同じレベルの水を使用する場合(比較例B~E)に異なる量のNaClおよびクエン酸ナトリウムを無作為に選択することによって、バーが加工または亀裂の問題を有する可能性が高い。この問題を回避する方法について当業者に指示するものはなく、異なる電解質の異なる効果を理解しないのであれば、必要な特定の種類および量を選択する理由はない。
一態様において、本開示は以下を提供する。
[項目1]
押出石鹸バー組成物であって、前記バーが、
a)20~40%の水、
b)20~75重量%の無水石鹸、ここで、C16~C24飽和石鹸が、バー全体の重量の12%~45%を占め、
c)少なくとも0.05~35重量%を占める構造化剤、ここで、構造化剤の特定のレベルが、(b)のC16~C24飽和石鹸のレベルによって規定され、その結果、前記C16~C24飽和石鹸および構造化剤の合計レベルが25%を超え、前記構造化剤が、デンプン、カルボキシメチルセルロース、無機微粒子、アクリレートポリマーおよびそれらの混合物からなる群から選択され、
d)アルカリ金属塩化物とアルカリ金属クエン酸塩およびアルカリ金属硫酸塩からなる群から選択される副電解質との組合せである電解質、を含み、アルカリ金属塩化物([アルカリ金属塩化物])の濃度、およびアルカリ金属クエン酸塩([アルカリ金属クエン酸塩])、アルカリ金属硫酸塩([アルカリ金属硫酸塩])の濃度が、本発明者らが使用する水のレベルによって、以下のように規定され:
i.[アルカリ金属塩化物]%=0.075×[水]-0.626;および
ii.[アルカリ金属クエン酸塩]%=-0.0023×[水]2+0.312×[水]-4.34;
iii.[アルカリ金属硫酸塩]%=-0.0023×[水]2+0.312×[水]-4.34;または
iv.[アルカリ金属クエン酸塩およびアルカリ金属硫酸塩]=-0.0023x[水]2+0.312x[水]-4.34、
前記電解質の濃度の計算された量が、プラスまたはマイナス15%である
押出石鹸バー組成物。
[項目2]
前記電解質の濃度の計算された量が、プラスまたはマイナス10%である、項目1に記載の組成物。
[項目3]
[石鹸]と[存在する場合、水+水溶性溶媒]との比が、0.5:1~5:1、好ましくは1:1~3:1、さらに好ましくは1:1~2:1である、項目1または2に記載の組成物。
[項目4]
無機微粒子が、タルク、炭酸カルシウム、ゼオライトまたはそれらの混合物である、項目1から3のいずれか一項に記載の組成物。
[項目5]
前記バーが、1.2Kg~5.0Kgの硬度値(本明細書のプロトコルの部に記載されているように、規定されたプロトコルによって40℃で測定された)を有する、項目1から4のいずれか一項に記載の組成物。
[項目6]
前記バーが、本明細書のプロトコルの部に記載されているように、規定されたプロトコルによって測定される、3未満の粘着性値を有する、項目1から5のいずれか一項に記載の組成物。
[項目7]
前記バーが、本明細書のプロトコルの部に記載されているように、規定されたプロトコルによって測定される、3以下の亀裂値を有する、項目1から6のいずれか一項に記載の組成物。