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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-12
(45)【発行日】2024-07-23
(54)【発明の名称】圧縮機設備及び圧縮ガスを供給する方法
(51)【国際特許分類】
   B01D 53/26 20060101AFI20240716BHJP
   F04B 39/16 20060101ALI20240716BHJP
【FI】
B01D53/26 220
B01D53/26 230
F04B39/16 J
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2021551789
(86)(22)【出願日】2020-01-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-20
(86)【国際出願番号】 IB2020050431
(87)【国際公開番号】W WO2020183251
(87)【国際公開日】2020-09-17
【審査請求日】2022-10-26
(31)【優先権主張番号】2019/5151
(32)【優先日】2019-03-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】BE
(73)【特許権者】
【識別番号】593074329
【氏名又は名称】アトラス コプコ エアーパワー,ナームローゼ フェンノートシャップ
【氏名又は名称原語表記】ATLAS COPCO AIRPOWER,naamloze vennootschap
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100170634
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 航介
(72)【発明者】
【氏名】ファン ニーダーカッセル フレーデリック
(72)【発明者】
【氏名】ブルーク ステイン ヨハン イー
【審査官】山田 陸翠
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-501604(JP,A)
【文献】特表2018-500159(JP,A)
【文献】特開2000-176235(JP,A)
【文献】特開2001-252359(JP,A)
【文献】特開2018-040270(JP,A)
【文献】特開平10-028832(JP,A)
【文献】特開2018-145965(JP,A)
【文献】国際公開第2018/229593(WO,A1)
【文献】特開2018-069235(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 53/26-53/28
B01D 53/02-53/12
F04B 39/00-39/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮機設備(1)であって、
圧縮ガス出口(6)をもつ少なくとも1つの圧縮機要素(3)を有する圧縮機装置(2)と、前記圧縮機装置(2)に接続された圧縮ガス出口パイプ(5)と、前記出口パイプに接続されて前記圧縮機装置(2)から供給される圧縮ガスを乾燥するために乾燥剤を使用する形式の乾燥器(12)とを備える圧縮機設備であって、前記乾燥器(12)は、乾燥セクション(13b)と、再生ガスのための入口(19a)及び出口(19b)を有する再生セクション(13a)とを備え、再生パイプ(20)は、前記再生セクション(13a)の前記入口(19a)に接続され、前記再生パイプ(20)には、前記再生ガスを加熱するために第1の熱交換器(21)が設けられており、
前記圧縮機設備(1)はヒートパイプ(23)をさらに備え、
前記ヒートパイプ(23)は、
温度が前記圧縮機要素(3)の前記出口(6)の温度よりも高い前記圧縮機装置(2)の部分と熱伝達接触する第1の端部(24a)と、
前記第1の熱交換器(21)の二次セクション(22b)と熱伝達接触する第2の端部(24b)とを有し、
前記圧縮機装置(2)は、オイル注入式圧縮機装置(2)であり、オイルは、前記圧縮機要素(3)に注入され、
オイル分離器(8)が前記出口パイプ(5)に設けられ、前記オイル分離器(8)は、圧縮ガスの入口(9a)及び出口(9b)と、分離されたオイルのための出口(10)とを含み、
分離されたオイルのための前記出口(10)は、第2の熱交換器(30)の二次セクション(31b)に接続され、分離されたオイルを前記第2の熱交換器(30)の前記二次セクション(31b)に導くようになっており、
前記第2の熱交換器(30)の一次セクション(31a)は、前記再生パイプ(20)に設けられる、ことを特徴とする、圧縮機設備(1)。
【請求項2】
前記部分は、前記圧縮機装置(2)の駆動装置(4)に位置する、請求項1に記載の圧縮機設備。
【請求項3】
前記部分は、前記圧縮機装置(2)の軸受に位置する、請求項1又は2に記載の圧縮機設備。
【請求項4】
該圧縮機設備(1)は、前記圧縮機要素(3)から供給される圧縮ガスの全ての流れを前記乾燥セクション(13b)の入口(18a)に輸送するように構成される、請求項1から3のいずれかに記載の圧縮機設備。
【請求項5】
取り出しパイプ(26)が、前記乾燥セクション(13b)の出口(18b)に設けられ、前記取り出しパイプ(26)は、前記乾燥セクション(13b)の前記出口(18b)において再生ガスを取り出すために、前記再生パイプ(20)に接続する、請求項1から4のいずれかに記載の圧縮機設備。
【請求項6】
前記再生セクション(13a)の前記出口(19b)は、前記乾燥セクション(13b)の前記入口(18a)の近くの点(P)において、前記圧縮機装置(2)の前記出口パイプ(5)に戻りパイプ(27)を介して接続する、請求項1から5のいずれかに記載の圧縮機設備。
【請求項7】
前記戻りパイプ(27)には冷却器(28)及び液体分離器が設けられる、請求項6に記載の圧縮機設備。
【請求項8】
前記戻りパイプ(27)は、ベンチュリ(29)を介して前記出口パイプ(5)に接続される、請求項6又は7に記載の圧縮機設備。
【請求項9】
前記第1の熱交換器(21)の一次セクション(22a)及び前記第2の熱交換器(30)の前記一次セクション(31a)は、組み合わされて全体を形成する、請求項1に記載の圧縮機設備。
【請求項10】
前記乾燥器(12)は、内部に前記乾燥セクション(13b)及び前記再生セクション(13a)が配置されたハウジング(15)を備え、前記ハウジング(15)内には、前記乾燥剤(14)を収容するドラム(16)が取り付けられ、前記ドラム(16)は、前記乾燥剤(14)が前記乾燥セクション(13b)及び前記再生セクション(13a)を通って連続的に移動できるように、駆動手段(17)に連結される、請求項1から9のいずれかに記載の圧縮機設備。
【請求項11】
前記乾燥器(12)は、前記乾燥剤(14)を収容する複数の容器(32)を備え、そのうち少なくとも1つの容器(32)は前記乾燥セクション(13b)を形成し、前記複数の容器のうちの少なくとも1つの容器(32)は、前記再生セクション(13a)を形成する、請求項1から10のいずれかに記載の圧縮機設備。
【請求項12】
取り出しパイプ(26)が、前記乾燥セクション(13b)の出口(18b)に設けられ、前記取り出しパイプ(26)は、前記乾燥セクション(13b)の前記出口(18b)において再生ガスを取り出すために、前記再生パイプ(20)に接続し、
前記再生セクション(13a)の前記出口(19b)は、前記乾燥セクション(13b)の前記入口(18a)の近くの点(P)において、前記圧縮機装置(2)の前記出口パイプ(5)に戻りパイプ(27)を介して接続し、
前記乾燥器(12)は、弁システム(33)をさらに備え、前記弁システム(33)は、前記出口パイプ(5)、前記再生パイプ(20)、前記戻りパイプ(27)及び前記取り出しパイプ(26)を前記容器(32)に接続し、前記弁システム(33)は、少なくとも1つの容器(32)が常に再生され、一方で、他の容器(32)が圧縮ガスを乾燥するように構成される、請求項11に記載の圧縮機設備。
【請求項13】
アフタークーラー(7)及び液体分離器が、前記出口パイプ(5)に含まれている、請求項1から12のいずれかに記載の圧縮機設備。
【請求項14】
前記アフタークーラー(7)は、第3の熱交換器の二次セクションを形成し、前記第3の熱交換器の一次セクションは、前記再生パイプ(5)に含まれる、請求項13に記載の圧縮機設備。
【請求項15】
前記第1の熱交換器(21)の前記一次セクション及び前記第3の熱交換器の前記一次セクションは、組み合わされて全体を形成する、請求項14に記載の圧縮機設備。
【請求項16】
前記圧縮機設備(1)は、複数のヒートパイプ(23)を備え、前記ヒートパイプ(23)は、第2の端部(24b)が前記第1の熱交換器(21)の前記二次セクション(22b)に熱伝達接触する、請求項1から15のいずれかに記載の圧縮機設備。
【請求項17】
前記ヒートパイプ(23)の各々は、第1の端部(24a)が圧縮機装置(2)の部分と熱伝達接触する、請求項16に記載の圧縮機設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧縮機設備に関する。
【背景技術】
【0002】
圧縮機装置、圧縮ガス出口パイプ、及び出口パイプに接続される乾燥器を備える圧縮機設備は公知であり、この乾燥器は、圧縮機装置から供給される圧縮ガスを乾燥させるために乾燥剤を使用する形式であり、乾燥器は、乾燥セクション及び再生セクションを備える。
【0003】
乾燥セクションは、これを通って導かれる圧縮ガスを乾燥するための乾燥剤を備え、乾燥セクションは、圧縮機装置の出口パイプに接続される入口と、圧縮機設備出口としても機能する出口とを備え、出口は、圧縮及び乾燥ガスを、圧縮ガスの消費者が接続可能な下流ネットワークに供給する。
【0004】
乾燥される圧縮ガスが乾燥セクションの乾燥剤を通過すると、圧縮ガスからの水分は、吸着又は吸収によって乾燥剤内に取り込まれる。
【0005】
再生セクションにおいて、公知のように、圧縮ガスを乾燥するためにすでに使用されて、乾燥されるガスから抽出された水分で飽和又は部分的に飽和した乾燥剤は、再生される。
【0006】
再生セクション内の乾燥剤は、これによって再生ガスによって再生され、再生ガスは、再生セクションの入口及び出口を通ってこれを貫通して導かれる。
【0007】
リキッドフリー(liquid-free)式圧縮機装置は、いわゆる「圧縮熱」乾燥器(HOC乾燥器)を使用することができ、これによって再生ガスは、例えば、圧縮機装置出口において、圧縮機装置出口パイプから直接、取り出される。
【0008】
取り出された再生ガスは、再生される乾燥剤から水分を吸収できるほどに十分に温度が高い。
【0009】
このような公知の装置の欠点は、再生ガスの絶対湿度が高く、再生後も乾燥剤が一定量の水分を含むため、乾燥剤が後続の段階でガスを乾燥させるために使用される場合、乾燥剤は、湿気を吸収するための能力が制限されるので、より早く再度、再生する必要がある点である。
【0010】
加えて、液体注入式圧縮機装置は、圧縮機出口の温度はここでは一般に非常に低い可能性があり、圧縮ガスは再生される乾燥剤を乾燥させることができないか又は不十分なので、再生のための圧縮熱を使用するのに適していない。
【0011】
液体注入式圧縮機装置の別の欠点は、圧縮機装置出口における圧縮ガスが、乾燥剤を汚染する可能性がある一定量の液体を含有することである。
【0012】
乾燥剤の汚染を回避するための解決策は、圧縮機装置から供給される圧縮ガスの全ての流れを、圧縮ガスが最初に冷却されて液体分離器を通って導かれた後に、乾燥セクションに導くことである。
【0013】
その後、再生ガスは、乾燥セクション出口で取り出することができ、再生ガスは、熱交換器によって、例えば、圧縮機装置出口の圧縮ガスの熱を使用することによって、又は注入された液体の熱を使用して加熱される。
【0014】
このような手法で発生する問題は、圧縮機装置の動作及び液体の寿命に関して、圧縮機装置出口での液体の温度は、乾燥剤を適切に再生できるように可能な限り低く、好ましくは80℃よりも低く保つ必要があり、再生ガスの温度は、100℃よりも高いことが好ましく、120℃より高いことがさらに好ましいという事実である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明の目的は、上記の及び/又は他の欠点の1又は2以上に対する解決策を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
この目的のために、本発明は、圧縮ガス出口をもつ少なくとも1つの圧縮機構成要素を有する圧縮機装置と、圧縮機装置に接続された圧縮ガス出口パイプと、この出口パイプに接続されて圧縮機から供給される圧縮ガスを乾燥するために乾燥剤を使用する形式の乾燥器とを備える圧縮機設備に関し、乾燥器は、乾燥セクションと、再生ガスのための入口及び出口を有する再生セクションとを備え、再生パイプは、再生セクションの入口に接続され、再生パイプには、再生ガスを加熱するために再生ガスが通って導かれる一次セクションを備える第1の熱交換器が設けられており、圧縮機設備は、第1の端部及び第2の端部を有するヒートパイプをさらに備え、第1の端部は、圧縮装置の所定の場所で温度が圧縮器要素の出口の温度よりも高いホットスポットの形態の熱源と熱伝達接触し、第2の端部は、第1の熱交換器の二次セクションと熱伝達接触することを特徴とする。
【0017】
これにより、圧縮機装置のいわゆるホットスポットを利用することで、再生ガスを十分に加熱するのに十分な熱が存在することになるので、乾燥剤の再生を公知の装置よりも良好に行うことができるという利点が得られる。通常、このようなホットスポットの温度は120℃から170℃に達する。
【0018】
別の利点は、ヒートパイプによって熱がホットスポットから除去され、このことが圧縮機装置の寿命及び効率の向上に貢献することになる点である。
【0019】
ホットスポットは、例えば、少なくとも1つの圧縮機構成要素を駆動するように構成される圧縮機装置の駆動装置、例えば電気モーターの電気コイルに位置する。また、このようなホットスポットは、圧縮機装置の軸受の内部又はその近くに存在する場合もある。
【0020】
本発明による圧縮機設備の動作は、乾燥器を備えた公知の圧縮機設備と同様であり、圧縮ガスを乾燥するために、圧縮ガスは、乾燥器の乾燥セクションを通って導かれる。
【0021】
乾燥器は、異なる様式で実施することができ、例えば、乾燥セクション及び再生セクションの両方が位置する1つのハウジングで構成することができ、又は2又は3以上の容器を備えることができ、そのうちの少なくとも1つは乾燥セクションを形成し、少なくとも1つは再生セクションを形成する。
【0022】
また、本発明は、圧縮ガス用出口をもつ少なくとも1つの圧縮機構成要素を有する、圧縮機装置によってもたらされる圧縮ガスを供給する方法に関し、圧縮ガスは、この圧縮ガスを乾燥させるために乾燥セクション内の乾燥剤を通って導かれ、その後、乾燥剤は、再生セクションを通って導かれる再生ガスによって再生され、この方法は、再生セクションを通って導かれる前に再生ガスを加熱するステップと、温度が出口の温度よりも高い圧縮機装置のホットスポットからの熱を使用するステップと、を含む。
【0023】
好ましくは、ヒートパイプは、熱をホットスポットから再生ガスに輸送するために使用される。
【0024】
このような方法の利点は、再生ガスが十分に高い温度に到達できることであり、全ての又は実質的に全ての水分は、再生セクション内の乾燥剤から脱着させること又は抽出することができる。
【0025】
別の利点は、熱がホットスポットから除去されることであり、これは圧縮機装置の寿命及び効率の向上に貢献する。
【0026】
発明の特徴をよりよく示すことを目的として、本発明による圧縮機設備、並びに本発明による圧縮ガスを供給するための方法のいくつかの好ましい変形例は、図面を参照して非限定的で例示的に以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明による圧縮機設備を概略的に示す。
図2図1の別の実施形態を示す。
図3図2の変形例を示す。
図4図2の変形例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1に概略的に示す本発明による圧縮機設備1は、この場合、駆動装置4によって駆動される1つの圧縮機構成要素3を有する圧縮機装置2を備えている。
【0029】
駆動装置4は、例えば電気モーターであるが、熱モーター、タービンホイールなど別の形式の駆動装置とすることもできる。
【0030】
圧縮機装置2が2以上の圧縮機構成要素3及び/又は2以上の駆動装置4を含むことは排除されない。
【0031】
この場合、必須ではないが、圧縮機装置2は、圧縮機構成要素3の出口6に接続される出口パイプ5を備える。
【0032】
アフタークーラー7は、圧縮空気を冷却するために出口パイプ5に設けられるが、これは本発明では必須ではない。アフタークーラー7の下流において、液体分離器は、出口パイプ5に設けることができる。
【0033】
図1に示すように、圧縮機装置2は、オイル注入式圧縮機装置2であり、これによってオイルは圧縮機構成要素3に注入される。本発明によれば、本発明はオイルフリー式圧縮機装置にも適用できるので、このことは厳密に必要ではない。
【0034】
この出口パイプ5において、アフタークーラー7の上流にはオイル分離器8が設けられ、オイル分離器8は、圧縮ガス入口9a及び出口9bと、分離されたオイルの出口10とを有する。
【0035】
また、アフタークーラー7の下流において、フィルター11は、出口パイプに設けられる。
【0036】
装置1は、いわゆる再生セクション13a及び乾燥セクション13bを有する乾燥器12をさらに備えている。
【0037】
再生セクション13a及び乾燥セクション13bの両方には乾燥剤14が加えられている。
【0038】
図示の実施例において、乾燥器12は、内部に乾燥セクション13b及び再生セクション13aが配置されるハウジング15を備えている。
【0039】
乾燥剤14を収容するドラム16は、ハウジング内に取り付けられており、ドラム16は、乾燥剤14が乾燥セクション13b及び再生セクション13aを通って連続的に移動できるように、駆動手段17に連結されている。
【0040】
乾燥セクション13b内の乾燥剤14は、乾燥セクション13bを通って導かれる圧縮ガスを乾燥させるために使用されることになり、この目的のために、この場合、乾燥セクション13bは、圧縮機装置2の出口パイプ5に接続される入口18aと、圧縮及び乾燥ガスを供給するための出口として機能する出口18bとを備える。
【0041】
この場合、圧縮機構成要素3から供給される圧縮ガスの全ての流れは、乾燥セクション13bの入口18aに導かれる。
【0042】
本発明によれば、再生セクション13aは、再生セクション13a内に位置する湿った乾燥剤14を再生することができるように再生セクション13aを介して再生ガスを導くために、入口19a及び出口19bと、入口19aに接続された再生パイプ20とを備える。
【0043】
第1の熱交換器21は、再生ガスが導かれる一次セクション22aで再生ガスを加熱するために再生パイプ20に設けられ、これによって装置1は、第1の端部24a及び第2の端部24bを備えたヒートパイプ23をさらに備え、第1の端部24aは、圧縮装置2の所定の場所で、温度が圧縮器要素3の出口6の温度よりも高いホットスポット25の形態の熱源と熱伝達接触し、第2の端部24bは、第1の熱交換器21の二次セクション22bと熱伝達接触する。
【0044】
ヒートパイプ23は、ここでは単に概略的に示されている。
【0045】
ホットスポット25は、駆動装置4に、典型的には電気モーターの電気コイル又は圧縮機装置2の軸受に位置することができる。ホットスポット25の温度は、約120℃から約170℃に達する。
【0046】
図示の実施例では、再生パイプ20は、乾燥セクション13bの出口18bで再生ガスを取り出すための取り出しパイプ26を介して、乾燥セクション13bの出口18bに接続する。換言すれば、乾いた圧縮ガスの一部は、再生ガスとして利用される。
【0047】
この場合、再生セクション13aの出口19bは、戻りパイプ27を介して、乾燥セクション13bの入口18aの近くの点Pで圧縮機装置2の出口パイプ5に接続する。
【0048】
クーラー28は、再生後の再生ガスを冷却するために、戻りパイプ27に設けられる。凝縮した液体を分離するために、別の液体分離器を冷却器28の後で戻りパイプ27に設けることは排除されない。
【0049】
この場合も、出口パイプ5は、ベンチュリ29を介して戻りパイプ27に接続する。
【0050】
ベンチュリエジェクターの代わりに、いわゆるブロワー又はブースターを、使用された再生ガスを乾燥されるガスと再結合させるために使用することもできる。
【0051】
第1の熱交換器21に加えて、装置1は、この場合、第2の熱交換器30を備え、第2の熱交換器30は、再生パイプ20に設けられる一次セクション31aと、オイル分離器8の分離されたオイルのために出口10に接続される二次セクション31bとを備える。
【0052】
第2の熱交換器30は、再生ガスの流れ方向から見て、第1の熱交換器21の上流に組み込まれる。
【0053】
実際には、分離されたオイル温度は、ホットスポット25の温度よりも低い。再生ガスは、第2の熱交換器30を用いて加熱された後、第1の熱交換器21を使用してさらに高温に加熱される。
【0054】
この場合、第1の熱交換器21の一次セクション22aと第2の熱交換器30の一次セクション31aとが組み合わされて全体を形成する。
【0055】
装置1の動作は、以下のように非常に簡単である。
【0056】
圧縮機構成要素3は、公知の様式でガス、例えば空気を圧縮することができる。
【0057】
運転中、オイルは、潤滑、冷却、及び密封のために圧縮機構成要素3に注入され得る。
【0058】
典型的には、圧縮機構成要素3の出口6でのガス及びオイル温度は、約80℃とすることができる。
【0059】
圧縮ガスは、そこから注入されたオイルを分離するために出口パイプ5を通ってオイル分離器8に沿って進むことができる。
【0060】
その後、ガスは、アフタークーラー7を通過し、これによって圧縮ガスは約30℃まで冷却することができ、さらに何らかの最後に残った不純物をフィルター処理するために、フィルター11を通過することができる。
【0061】
出口パイプ5は、冷却及び浄化された全ての圧縮ガスを乾燥器12の乾燥セクション13bの入口18aに導くことができる。
【0062】
気体が乾燥セクション13bを通過すると、乾燥剤14はガスから水分を吸収することができる。換言すると、乾燥剤14は湿った状態になり得る。
【0063】
目下乾燥したガスが乾燥セクション13bを離れると、乾燥ガスは、例えば、圧縮ガスの消費者のネットワークに輸送することができる。
【0064】
乾燥ガスの一部は、取り出しパイプ26を介して再生パイプ20に導くことができる。
【0065】
このいわゆる再生ガスは、これによって再生ガスを加熱するために、第2の熱交換器30、次に第1の熱交換器21を通過することができる。
【0066】
再生ガスは、第2の熱交換器30によって分離されたオイルを使用して加熱することができる。
【0067】
再生ガスは、第1の熱交換器21によってヒートパイプ23を使用して加熱することができる。ヒートパイプ23は、これによって駆動装置4のホットスポット25で熱を抽出することができる。
【0068】
上記の2つの熱交換器21、30は、再生ガスを約30℃から約120℃まで加熱することができる。
【0069】
ガスは、再生パイプ20を通って再生ゾーン13aの入口19aに導かれ、ここでは、ガスは、再生ゾーン13a内の湿った乾燥剤14を通過する。
【0070】
再生ガスは、乾燥剤14を再生することができ、このことは、湿った乾燥剤14から水分を抽出すること、換言すると、乾燥剤14自体を乾燥させることを意味する。
【0071】
その後、乾いた乾燥剤14は、ドラム16の駆動手段17によって乾燥セクション13bに移動することができるが、湿った乾燥剤14は、同時に再生セクション13aに行き着く。
【0072】
再生セクション13aを通過した後に水分を含有しかつ温度が約75℃である再生ガスは、戻りパイプ27を通って乾燥セクション13bの入口18aに輸送され、結果的に乾燥されることになる。再生ガスは、これによってクーラー28を通って進むことができ、約30℃に冷却された後、ベンチュリ29によって圧縮機装置2から供給される圧縮ガスと再結合される。
【0073】
上記の図示された実施例では、熱は、第2の熱交換器30によってオイルから抽出され、再生ガスに伝達される。
【0074】
第2の熱交換器30に加えて又はその代わりに、出口パイプ5上のアフタークーラー7は、第3の熱交換器の二次セクションを形成し、その一次セクションが再生パイプ20に含まれることも可能である。
【0075】
従って、圧縮ガスの熱は、再生ガスを加熱するために利用することができる。
【0076】
第1の熱交換器の一次セクション及び第2の熱交換器の一次セクションと同様に、第1の熱交換器の一次セクション及び第3の熱交換器の一次セクションを組み合わせて全体を形成することができる。
【0077】
図2は、図1の変形例を示し、この場合、乾燥器12が異なっている。
【0078】
循環又は回転ドラム16の代わりに、乾燥器12は、乾燥剤14で満たされた複数の容器32を含む。
【0079】
図示の実施例では、2つの容器32が存在するが、3、4、又はそれ以上の容器とすることができ、そのうち少なくとも1つの容器が乾燥セクション13bを形成し、少なくとも1つの容器が再生セクション13aを形成する。
【0080】
乾燥器は、容器32に加えて弁システム33をさらに備え、弁システム33は、出口パイプ5、再生パイプ20、この場合は戻りパイプ27及び取り出しパイプ26を容器32に接続する。
【0081】
弁システム33は、2つの別個のブロック34a、34bを備えている。
【0082】
弁システム33は、様々なパイプ及び弁のシステムであり、少なくとも1つの容器32が常に再生されるが、他の容器32が圧縮ガスを乾燥するように調節することができ、それによってこの場合、弁システム33を調節することによって、各容器32は、順番に連続的に再生される。
【0083】
クーラー28、ベンチュリ29、並びに戻りパイプ27及び取り出しパイプ26の少なくとも一部は、弁システム33に統合されるが、これは本発明では必須ではない。
【0084】
その他の点に関しては、動作は上記の図1の装置1の動作と類似している。
【0085】
図3は、図2の変形例を示し、この場合、再生ガスは、乾燥及び圧縮ガスから取り出すのではなく、外部供給源35から供給される。
【0086】
再生ガスは、戻りパイプ27を介して乾燥セクション13bの入口18aに導かれず、乾燥剤を再生した後、例えば吹き出し弁36によって除去されるか又は吹き飛ばされる。
【0087】
図4は、別の実施形態を示しており、この場合、再生ガスは、図2に示すように、乾燥セクション13bの出口18bで同様に取り出されるが、再生後の再生ガスは、例えば、図3に示すような、吹き出し弁36によって吹き飛ばされる。
【0088】
図3の実施形態及び図4の実施形態は、その他の点については図2と同じである。
【0089】
上記の図示及び説明された全ての実施形態において、常に1つのヒートパイプ23のみが存在するが、装置1が複数のヒートパイプ23を備えることは排除されず、複数のヒートパイプ23は、第2の端部24bが第1の熱交換器21の二次セクション22bと熱伝達接触する。さらに、複数のヒートパイプ23は、圧縮機装置2内の様々な場所において、第1の端部24aでホットスポット25の形態の様々な熱源と熱伝達接触することができる。
【0090】
図2から図4の弁システム33の特定の実行は、本発明を制限せず、多くの異なる様式で実現できることは明らかである。
【0091】
本発明は、実施例として記載され図示された実施形態に限定されず、本発明による圧縮機設備、並びに本発明による圧縮ガスを供給するための方法は、本発明の範囲から逸脱することなく、あらゆる種類の形態及び寸法で実現することができる。
【符号の説明】
【0092】
1 圧縮機設備
2 圧縮機装置
3 圧縮機構成要素
5 圧縮ガス出口パイプ
6 圧縮ガス出口
12 乾燥器
13a 乾燥セクション
13b 再生セクション
19a 再生ガス入口
20 再生パイプ
21 第1の熱交換器
23 ヒートパイプ
25 ホットスポット
図1
図2
図3
図4