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特許7520867光学式センサおよび光学式センサモジュール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-12
(45)【発行日】2024-07-23
(54)【発明の名称】光学式センサおよび光学式センサモジュール
(51)【国際特許分類】
   G01L 5/166 20200101AFI20240716BHJP
   G01L 5/00 20060101ALI20240716BHJP
【FI】
G01L5/166
G01L5/00 101Z
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2021554286
(86)(22)【出願日】2020-10-12
(86)【国際出願番号】 JP2020038452
(87)【国際公開番号】W WO2021085098
(87)【国際公開日】2021-05-06
【審査請求日】2023-09-06
(31)【優先権主張番号】P 2019197606
(32)【優先日】2019-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】316005926
【氏名又は名称】ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001357
【氏名又は名称】弁理士法人つばさ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】勝原 智子
(72)【発明者】
【氏名】大鳥居 英
(72)【発明者】
【氏名】塚本 圭
【審査官】大森 努
(56)【参考文献】
【文献】特開昭60-209128(JP,A)
【文献】特開昭61-041938(JP,A)
【文献】特開2000-349306(JP,A)
【文献】特開平08-139367(JP,A)
【文献】特開2019-074421(JP,A)
【文献】特開2015-197357(JP,A)
【文献】特開2016-143561(JP,A)
【文献】国際公開第2014/045685(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0326882(US,A1)
【文献】特開昭59-153139(JP,A)
【文献】特開2017-166850(JP,A)
【文献】特表2010-539474(JP,A)
【文献】特表2019-525132(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01L 5/16,5/166,1/24,
H01L 33/00,33/48-33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光素子を有する発光基板と、
前記発光素子と対向する位置に設けられ、前記発光素子の光を透過させる光透過部と、前記光透過部を介して出射された前記発光素子の光のうち、反射層によって反射された光を受光する1または複数の受光素子とを有する回路基板と
前記反射層と、
前記反射層を支持するとともに、外力により変形可能な光透過性の変形層と、
外光が前記反射層および前記1または複数の受光素子に入射するのを妨げる遮光部と、
前記回路基板を支持する光透過性基板と
を備え
前記変形層は、前記遮光部に固定されており、
前記遮光部は、前記光透過性基板に対して着脱可能に構成されている
光学式センサ。
【請求項2】
発光素子を有する発光基板と、
前記発光素子と対向する位置に設けられ、前記発光素子の光を透過させる光透過部と、前記光透過部を介して出射された前記発光素子の光のうち、反射層によって反射された光を受光する1または複数の受光素子とを有する回路基板と、
前記反射層と、
前記反射層を支持するとともに、外力により変形可能な光透過性の変形層と、
外光が前記反射層および前記1または複数の受光素子に入射するのを妨げる遮光部と、
前記回路基板を支持する光透過性基板と
を備え、
前記光透過性基板は、前記回路基板とは反対側の表面にハーフミラー層を有し、
前記複数の受光素子は、前記光透過部の近傍の領域と、前記光透過部から離れた領域とに配置されている
光学式センサ。
【請求項3】
前記1または複数の受光素子は、前記回路基板の第1主面に形成され、
前記発光基板は、前記回路基板の、前記第1主面とは反対側の第2主面と対向する位置に配置されるとともに、第1バンプを介して前記回路基板に積層されている
請求項1または請求項2に記載の光学式センサ。
【請求項4】
前記回路基板は、前記発光素子の発光を制御する制御回路と、前記1または複数の受光素子で得られた受光信号を処理する処理回路とを更に有する
請求項に記載の光学式センサ。
【請求項5】
外部回路と前記制御回路および前記処理回路とを電気的に接続するための配線を有し、
前記発光基板を間にして、前記回路基板と対向する位置に配置されるとともに、第2バンプを介して前記回路基板に積層された配線基板を更に備えた
請求項に記載の光学式センサ。
【請求項6】
前記光透過部は、前記回路基板を貫通する貫通孔である
請求項1または請求項2に記載の光学式センサ。
【請求項7】
前記複数の受光素子は、前記光透過部の周囲に配置されている
請求項1または請求項2に記載の光学式センサ。
【請求項8】
前記回路基板を支持する光透過性基板を更に備え、
前記変形層は、前記光透過性基板に固定されており、
前記遮光部は、前記反射層、前記変形層および前記光透過性基板を覆っている
請求項1または請求項2に記載の光学式センサ。
【請求項9】
前記反射層は、反射面に規則的な凹凸を有する
請求項1または請求項2に記載の光学式センサ。
【請求項10】
前記処理回路は、前記受光信号に基づいて、外力による前記反射層の変位を計算し、外部に出力する
請求項に記載の光学式センサ。
【請求項11】
接続線を介してシリーズに接続された複数の光学式センサを備え、
各前記光学式センサは、
発光素子を有する発光基板と、
前記発光素子と対向する位置に設けられ、前記発光素子の光を透過させる光透過部と、前記光透過部を介して出射された前記発光素子の光のうち、反射層によって反射された光を受光する1または複数の受光素子とを有する回路基板と、
前記反射層と、
前記反射層を支持するとともに、外力により変形可能な光透過性の変形層と、
前記回路基板を支持する光透過性基板と、
前記接続線と前記回路基板とを電気的に接続するための配線を有する配線基板と、
各前記光学式センサに共通に設けられ、外光が前記1または複数の受光素子に入射するのを妨げるとともに、前記複数の光学式センサをシリーズに固定する有機部材と
を有し、
前記変形層は、前記有機部材に固定されており、
前記有機部材は、前記光透過性基板に対して着脱可能に構成されている
光学式センサモジュール。
【請求項12】
シリーズに接続された前記複数の光学式センサのうち、一方の端部に配置された第1光学式センサに対して、前記接続線を介して接続され、各前記光学式センサにおける前記発光素子の発光を制御するコントロール素子と、
シリーズに接続された前記複数の光学式センサのうち、他方の端部に配置された第2光学式センサに対して、前記接続線を介して接続され、各前記光学式センサにおける前記1または複数の受光素子で得られた受光信号もしくは前記受光信号に対応する信号を外部に出力するインターフェース素子と
を更に備えた
請求項11に記載の光学式センサモジュール。
【請求項13】
互いに隣接する2つの前記配線基板の間隙は、前記複数の光学式センサの配列ピッチよりも小さくなっている
請求項11に記載の光学式センサモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、光学式センサおよび光学式センサモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
ロボットによる物体のハンドリングを制御するために、ロボットには多くのセンサが用いられる。ロボットに用いられ得るセンサが、例えば、下記の特許文献1,2に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許出願公開第2010/0253650号
【文献】特開2015-197357号
【発明の概要】
【0004】
ところで、多数のセンサを高密度に配置することが可能になれば、単体のセンサからは得られ難い様々な情報が得られる。特に、ロボットの分野では、ロボットハンドの先端部分に多数のセンサを高密度に配置することが可能になれば、ロボットハンドを更に精密に制御することも可能となる。従って、高密度に配置することの可能な光学式センサおよび光学式センサモジュールを提供することが望ましい。
【0005】
本開示の一実施形態に係る光学式センサは、発光素子を有する発光基板と、回路基板とを備えている。回路基板は、発光素子と対向する位置に設けられ、発光素子の光を透過させる光透過部と、光透過部を介して出射された発光素子の光のうち、反射層によって反射された光を受光する1または複数の受光素子とを有している。
【0006】
本開示の一実施形態に係る光学式センサモジュールは、接続線を介してシリーズに接続された複数の光学式センサを備えている。各光学式センサは、発光素子を有する発光基板と、回路基板とを有している。回路基板は、発光素子と対向する位置に設けられ、発光素子の光を透過させる光透過部と、光透過部を介して出射された発光素子の光のうち、反射層によって反射された光を受光する1または複数の受光素子とを有している。この光学式センサモジュールは、さらに、配線基板と、有機部材とを有している。配線基板は、接続線と回路基板とを電気的に接続するための配線を有している。有機部材は、各光学式センサに共通に設けられ、外光が1または複数の受光素子に入射するのを妨げるとともに、複数の光学式センサをシリーズに固定する。
【0007】
本開示の一実施形態に係る光学式センサおよび光学式センサモジュールでは、発光素子を有する発光基板と、1または複数の受光素子を有する回路基板とが積層されており、光透過部を介して出射された発光素子の光のうち、反射層によって反射された光が1または複数の受光素子によって受光される。これにより、発光素子と、1または複数の受光素子とを同一面上に設けたり、共通の基板に形成したりした場合と比べて、個々のセンサのサイズを小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の第1の実施の形態に係る光学式3軸力覚センサの断面構成例を表す図である。
図2図1の光学式3軸力覚センサの上面構成例を表す図である。
図3図1の光学式3軸力覚センサの機能ブロック例を表す図である。
図4】(A)図1の回路基板の上面構成例を表す図である。(B)図1の回路基板の上面構成例を表す図である。
図5図1の光学式3軸力覚センサの断面構成の一変形例を表す図である。
図6図1の光学式3軸力覚センサの断面構成の一変形例を表す図である。
図7図1の反射層の反射面の一変形例を表す図である。
図8】(A)図7の凸部からの受光量の波形の一例を表す図である。(B)図7の凹部からの受光量の波形の一例を表す図である。(C)図8(A)の受光量の波形と、図8(B)の受光量の波形を重ね合わせた波形の一例を表す図である。
図9】本開示の第2の実施の形態に係る光学式3軸力覚センサモジュールの平面構成例を表す図である。
図10図9の光学式3軸力覚センサモジュールの断面構成例を表す図である。
図11図9の光学式3軸力覚センサモジュールの平面構成の一変形例を表す図である。
図12図9の光学式3軸力覚センサモジュールの断面構成の一変形例を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。以下の説明は本開示の一具体例であって、本開示は以下の態様に限定されるものではない。また、本開示は、各図に示す各構成要素の配置や寸法、寸法比などについても、それらに限定されるものではない。なお、説明は、以下の順序で行う。

1.第1の実施の形態(光学式3軸力覚センサ)
2.変形例(光学式3軸力覚センサ)
3.第2の実施の形態(光学式3軸力覚センサモジュール)
【0010】
<1.第1の実施の形態>
[構成]
本開示の第1の実施の形態に係る光学式3軸力覚センサ1の構成について説明する。図1は、本実施の形態に係る光学式3軸力覚センサ1の断面構成例を表したものである。図2は、図1の光学式3軸力覚センサ1の上面構成例を表したものである。光学式3軸力覚センサ1は、発光基板10、回路基板20、光透過性基板30、配線基板40、反射層50、変形層60および遮光部70を備えている。光学式3軸力覚センサ1が、本開示の「光学式センサ」の一具体例に相当する。
【0011】
発光基板10および回路基板20が互いに積層されている。発光基板10は、回路基板20の下面(第2主面)と対向する位置に配置されている。光透過性基板30は、回路基板20の上面(第1主面)と対向する位置に配置されている。配線基板40は、発光基板10を間にして、回路基板20と対向する位置に配置されている。反射層50および変形層60は、光透過性基板30の上面と対向する位置に配置されている。反射層50は、変形層60を介して、光透過性基板30と対向する位置に配置されている。遮光部70は、反射層50、変形層60および光透過性基板30を覆っている。
【0012】
発光基板10は、発光素子11を有している。発光素子11は、発光基板10の上面(回路基板20側の面)に設けられている。発光素子11は、例えば、発光基板10の中央部分に設けられている。発光基板10は、例えば、GaAs基板上に発光素子11が設けられた構成となっている。発光素子11は、例えば、垂直共振器面発光レーザ(VCSEL、Vertical Cavity Surface Emitting LASER)によって構成されている。発光素子11は、端面発光型のレーザや、LEDによって構成されていてもよい。発光素子11は、所定の発散角を有する光を出射する。
【0013】
回路基板20は、発光素子11の光を透過させる光透過部21を有している。光透過部21は、発光素子11と対向する位置に設けられており、例えば、回路基板20の中央部分に設けられている。光透過部21は、例えば、図1に示したように、回路基板20を貫通する貫通孔である。回路基板20は、さらに、光透過部21を介して出射された発光素子11の光のうち、反射層50によって反射された光を受光する1または複数の受光素子22を有している。1または複数の受光素子22は、回路基板20の上面(発光基板10とは反対側の面)に形成されている。回路基板20は、例えば、図3に示したように、1または複数の受光素子22が形成された受光基板20-1を有している。
【0014】
1または複数の受光素子22は、光透過部21の周囲に配置されている。複数の受光素子22が回路基板20の上面に形成されている場合、複数の受光素子22は、例えば、図4(A)、図4(B)に示したように、回路基板20の上面において、X軸方向およびY軸方向に配列されている。X軸およびY軸は、回路基板20の上面と平行な面内における2軸に相当する。複数の受光素子22は、例えば、光透過部21の近傍の領域20aと、光透過部21から離れた領域20bとに配置されている。なお、図4(A)には、4個の受光素子22が光透過部21の近傍の領域20aに形成されるとともに、4個の受光素子22が光透過部21から離れた領域20bに形成されている場合が例示されている。また、図4(B)には、8個の受光素子22が光透過部21の近傍の領域20aに形成されるとともに、4個の受光素子22が光透過部21から離れた領域20bに形成されている場合が例示されている。受光素子22は、例えば、PD(フォトダイオード)、APD(アバランシェフォトダイオード)、またはSPAD(シングルフォトンアバランシェダイオード)によって構成されている。
【0015】
回路基板20は、例えば、図3に示したように、発光素子11の発光を制御する制御回路23と、1または複数の受光素子22で得られた受光信号22Aを処理するDSP(Digital Signal Processing)回路24と、SerDes(SERializer/DESerializer)回路25とを有している。制御回路23は、トリガー信号が入力されると、発光素子11を発光駆動させる信号を発光素子11に出力する。発光素子11は、制御回路23から、発光駆動させる信号が入力されると、光透過部21に向かって光を出射する。
【0016】
DSP回路24は、1または複数の受光素子22で得られた受光信号22Aに対して各種の信号処理を行う。DSP回路24は、例えば、1または複数の受光素子22で得られた受光信号22Aに基づいて、外力による反射層50の3軸方向(X軸、Y軸、Z軸)の変位を計算し、外部に出力する。Z軸は、回路基板20の上面の法線と平行な1軸に相当する。SerDes回路25は、DSP回路24から入力された信号のシリアル/パラレル変換を行う。SerDes回路25は、シリアル/パラレル変換後の信号を、測定データ25A(パケットデータ)として外部に出力する。DSP回路24およびSerDes回路25が、本開示の「処理回路」の一具体例に相当する。回路基板20は、例えば、図3に示したように、制御回路23、DSP回路24およびSerDes回路25が形成された信号処理基板20-2を有している。受光基板20-1は、例えば、信号処理基板20-2上に積層されている。
【0017】
発光基板10のXY面内のサイズは、例えば、回路基板20のXY面内のサイズよりも小さくなっている。発光基板10は、例えば、回路基板20の下面の中央部分に、複数のバンプ12を介して積層されている。バンプ12は、本開示の「第1バンプ」の一具体例に相当する。バンプ12は、例えば、半田材料で形成されている。発光基板10(発光素子11)は、複数のバンプ12を介して、回路基板20(制御回路23およびDSP回路24)と電気的に接続されている。
【0018】
光透過性基板30は、回路基板20を支持する基板であり、発光素子11の光を透過する。光透過性基板30は、例えば、ガラスなどの石英基板を含んで構成されている。光透過性基板30に下面(例えば、石英基板の表面に)に、回路基板20が貼り合わされている。光透過性基板30のXY面内のサイズは、例えば、回路基板20のXY面内のサイズと同一またはほぼ同一となっている。
【0019】
配線基板40は、外部回路と回路基板20(制御回路23およびSerDes回路25)とを電気的に接続するための配線41を有している。配線基板40は、例えば、配線41と、配線41を支持する樹脂層とによって構成された可撓性基板である。配線基板40の上面には、発光基板10および回路基板20が実装されている。回路基板20は、例えば、配線基板40の上面に、複数のバンプ26を介して積層されている。バンプ26は、本開示の「第2バンプ」の一具体例に相当する。発光基板10は、複数のバンプ26によって回路基板20と配線基板40との間に形成される間隙に配置されている。バンプ26は、例えば、半田材料で形成されている。回路基板20は、複数のバンプ26を介して、配線基板40(配線41)と電気的に接続されている。
【0020】
変形層60は、反射層50を支持する。変形層60は、光透過性基板30の上面に固定されている。変形層60は、外力により変形可能な柔軟性と、発光素子11の光を透過する性質とを有する有機材料によって構成されており、例えば、シリコーンによって構成されている。変形層60は、例えば、ドーム形状、または、台形状となっており、変形層60に外力が加えられたときに、変形層60が変形することによって、反射層50の位置や向き、形状を変化させることが可能となっている。
【0021】
反射層50は、変形層60を間にして、光透過性基板30と対向する位置に設けられている。反射層50は、例えば、光透過部21と対向する位置に設けられている。発光素子11、光透過部21および反射層50は、例えば、発光素子11の光軸と、光透過部21の中心軸と、反射層50の中心軸とが互いに重なり合う位置に配置されている。反射層50は、発光素子11の光を反射する反射面を有している。反射面は、平坦面になっていてもよいし、曲面になっていてもよい。反射層50の反射面は、例えば、発光素子11の光に対して高い反射率を有する金属材料によって構成されている。反射層50は、例えば、ゴム基板、プラスチック基板、Si基板もしくはガラス基板の表面に、発光素子11の光に対して高い反射率を有する金属材料を蒸着することによって形成されたものである。反射層50の反射面は、例えば、発光素子11の光に対して高い反射率を有する誘電多層膜によって構成されていてもよい。
【0022】
遮光部70は、外光が反射層50および1または複数の受光素子22に入射するのを妨げる。遮光部70は、反射層50、変形層60および光透過性基板30を覆っており、反射層50、変形層60および光透過性基板30に固定されている。遮光部70は、柔軟性と、外光や、発光素子11の光を吸収する性質とを有する有機材料によって構成されており、例えば、カーボンブラックを含有するシリコーンによって構成されている。
【0023】
[動作]
次に、光学式3軸力覚センサ1の動作について説明する。
【0024】
外部から、配線基板40を介して制御回路23にトリガー信号が入力される。すると、制御回路23は、トリガー信号が入力されると、発光素子11を発光駆動させる信号を発光素子11に出力する。発光素子11は、制御回路23から、発光駆動させる信号が入力されると、光透過部21に向かって光を出射する。発光素子11から出射された光は、光透過部21を透過した後、所定の発散角で反射層50に入射する。発光素子11から出射された光は、反射層50において、反射層50の位置や向き、形状に応じた反射角で反射され、1または複数の受光素子22に入射する。1または複数の受光素子22に入射した光は、1または複数の受光素子22において光電変換され、デジタルの受光信号22Aとなって、DSP回路24に出力される。DSP回路24は、入力された受光信号22Aに対して各種の信号処理を行う。DSP回路24は、例えば、受光信号22Aに基づいて、外力による反射層50の3軸方向(X軸、Y軸、Z軸)の変位を計算し、SerDes回路25に出力する。SerDes回路25は、DSP回路24から入力された信号のシリアル/パラレル変換を行い、測定データ25Aとしてのパケットデータを外部に出力する。光学式3軸力覚センサ1は、外部から、トリガー信号が入力されるたびに、上記の処理を実行する。
【0025】
[効果]
次に、光学式3軸力覚センサ1の効果について説明する。
【0026】
本実施の形態では、発光素子11を有する発光基板10と、1または複数の受光素子22を有する回路基板20とが積層されており、光透過部21を介して出射された発光素子11の光のうち、反射層50によって反射された光が1または複数の受光素子22によって受光される。これにより、発光素子11と、1または複数の受光素子22とを同一面上に設けたり、共通の基板に形成したりした場合と比べて、個々の光学式3軸力覚センサ1のサイズを小さくすることができる。その結果、複数の光学式3軸力覚センサ1を高密度に配置することができる。
【0027】
本実施の形態では、1または複数の受光素子22が回路基板20の上面に形成され、発光基板10が回路基板20の下面と対向する位置に配置されるとともに、複数のバンプ12を介して回路基板20に積層されている。これにより、発光素子11と、1または複数の受光素子22とを同一面上に設けたり、共通の基板に形成したりした場合と比べて、個々の光学式3軸力覚センサ1のサイズを小さくすることができる。その結果、複数の光学式3軸力覚センサ1を高密度に配置することができる。
【0028】
本実施の形態では、回路基板20において、発光素子11の発光を制御する制御回路23と、1または複数の受光素子22で得られた受光信号22Aを処理する処理回路(DSP回路24、SerDes回路25)が設けられている。これにより、これらの回路を配線基板40や、外部に設けた場合と比べて、個々の光学式3軸力覚センサ1のサイズを小さくすることができる。その結果、複数の光学式3軸力覚センサ1を高密度に配置することができる。
【0029】
本実施の形態では、発光基板10を間にして、回路基板20と対向する位置に配線基板40が設けられており、配線基板40がバンプ26を介して回路基板20に積層されている。このように、光学式3軸力覚センサ1ごとに配線基板40を設けることで、複数の光学式3軸力覚センサ1を、曲面に対しても高密度に配置することができる。
【0030】
本実施の形態では、光透過部21が回路基板20を貫通する貫通孔となっている。これにより、発光素子11から出射された光を、光透過部21で減衰させることなく、反射層50に到達させることができる。その結果、発光素子11のパワーを過度に大きくする必要がないので、光学式3軸力覚センサ1における消費電力を低く抑えることが可能となる。
【0031】
本実施の形態では、複数の受光素子22が光透過部21の周囲に配置されている。これにより、外力によって変化した反射層50の位置や向き、形状に応じた、反射光の変化を複数の受光素子22において正確に捉えることができる。その結果、DSP回路24において、反射層50の3軸方向(X軸、Y軸、Z軸)の変位を正確に計算することができる。
【0032】
本実施の形態では、反射層50と、反射層50を支持するとともに、外力により変形可能な光透過性の変形層60と、外光が反射層50および1または複数の受光素子22に入射するのを妨げる遮光部70とが設けられている。これにより、外力によって変化した反射層50の位置や向き、形状に応じた、反射光の変化を1または複数の受光素子22において正確に捉えることができる。その結果、DSP回路24において、反射層50の3軸方向(X軸、Y軸、Z軸)の変位を正確に計算することができる。
【0033】
本実施の形態では、変形層60が光透過性基板30に固定されており、遮光部70が、反射層50、変形層60および光透過性基板30を覆っている。これにより、外光による影響を低減することができるので、DSP回路24において、反射層50の3軸方向(X軸、Y軸、Z軸)の変位を正確に計算することができる。
【0034】
<2.変形例>
次に、上記実施の形態に係る光学式3軸力覚センサ1の変形例について説明する。
【0035】
[変形例A]
上記実施の形態において、反射層50が遮光部70に固定されるとともに、変形層60には固定されずに接しており、遮光部70が光透過性基板30に対して着脱可能に構成されていてもよい。また、上記実施の形態において、反射層50および変形層60が遮光部70に固定されるとともに、光透過性基板30には固定されずに接しており、遮光部70が光透過性基板30に対して着脱可能に構成されていてもよい。これらの場合に、遮光部70は、例えば、図5に示したように、光透過性基板30に対して着脱可能な機構71を有していてもよい。機構71は、例えば、光透過性基板30に対して着脱可能に嵌合する構成を有している。このようにした場合には、遮光部70が劣化した場合などに、遮光部70を容易に交換することができる。
【0036】
[変形例B]
上記第1の実施の形態およびその変形例において、光透過性基板30は、例えば、図6に示したように、ガラスなどの石英基板31の上面(反射層50側の面)に、発光素子11の光の一部を反射するハーフミラー層32を有する構成となっていてもよい。このようにした場合には、光透過部21の近傍の領域20aにおいて、ハーフミラー層32での反射光L1と、反射層50での反射光L2とによって、反射層50の変位に応じた干渉縞が生じる。そのため、DSP回路24は、複数の受光素子22のうち、光透過部21の近傍の領域20aに設けられた複数の受光素子22で得られた受光信号22Aに対して所定の信号処理をすることにより、反射層50の変位に応じた干渉縞を検出することができる。DSP回路24は、検出した干渉縞に基づいて、反射層50のZ軸方向の変位をより高い精度で計算することができる。
【0037】
[変形例C]
上記第1の実施の形態およびその変形例において、反射層50が、反射面に規則的な凹凸を有していてもよい。反射層50が、例えば、図7(A)、図7(B)に示したように、複数の凹部51および複数の凸部52がX軸方向およびY軸方向に配列された反射面を有している。複数の凹部51の占有面積が、例えば、反射面全体の25%程度の面積となるように、複数の凹部51が反射面に形成されている。各凹部51の深さは、例えば、100nm程度なっている。このとき、複数の凸部52からの受光量は、反射層50のZ軸方向の変位に対して、例えば、図8(A)に示したような変位を示す。一方、複数の凹部51からの受光量は、反射層50のZ軸方向の変位に対して、例えば、図8(B)に示したような変位を示す。
【0038】
図8(A)、図8(B)から、複数の凹部51からの受光量は、複数の凸部52からの受光量の約1/3となり、複数の凹部51からの受光量の位相は、複数の凸部52からの受光量の位相から若干ずれることがわかる。そのため、例えば、図8(C)に示したように、複数の凸部52からの反射光と、複数の凹部51からの反射光とによって、反射層50の変位に応じた干渉縞が生じる。この干渉縞は、ピークを中心とする対称な波形とはならず、非対称な波形となる。よって、DSP回路24は、例えば、干渉縞の光量が50%を超えた時点で受光量の積算を開始し、干渉縞の光量が50%以下となった時点で受光量の積算を終了し、光量のピークが総光量の前半にあるか、後半にあるかによって、反射層50のZ軸方向の変位が+方向なのか、-方向なのか判定することができる。
【0039】
<3.第2の実施の形態>
[構成]
本開示の第2の実施の形態に係る光学式3軸力覚センサモジュール2の構成について説明する。図9は、本実施の形態に係る光学式3軸力覚センサモジュール2の平面構成例を表したものである。図10は、図9の光学式3軸力覚センサモジュール2のA-A線での断面構成例を表したものである。光学式3軸力覚センサモジュール2は、接続線80を介してシリーズに接続された複数の光学式3軸力覚センサ1を備えている。接続線80は、例えば、クロックペア差動線およびデータペア差動線を基本とし、その他数種のコントロール線により構成されている。光学式3軸力覚センサ1が、本開示の「光学式センサモジュール」の一具体例に相当する。
【0040】
本実施の形態では、遮光部70が、各光学式3軸力覚センサ1に共通に設けられており、外光が1または複数の受光素子22に入射するのを妨げるとともに、複数の光学式3軸力覚センサ1をシリーズに固定している。遮光部70が、本開示の「有機部材」の一具体例に相当する。各光学式3軸力覚センサ1において、接続線80と配線基板40(具体的には配線41)とが接続されており、接続線80と回路基板20(具体的には制御回路23およびSerDes回路25)とが電気的に接続されている。光学式3軸力覚センサモジュール2において、互いに隣接する2つの配線基板40の間隙Gは、複数の光学式3軸力覚センサ1の配列ピッチPよりも小さくなっている。配列ピッチPは、例えば、1mm程度となっている。
【0041】
光学式3軸力覚センサモジュール2は、例えば、図9に示したように、シリーズに接続された複数の光学式3軸力覚センサ1のうち、一方の端部に配置された光学式3軸力覚センサ1(1A)に対して、接続線80を介して接続されたコントロール素子81を備えている。コントロール素子81は、各光学式3軸力覚センサ1における発光素子11の発光を制御する。コントロール素子81は、発光素子11の発光を制御するトリガー信号を所定の周期で光学式3軸力覚センサ1Aに出力する。
【0042】
光学式3軸力覚センサ1Aは、トリガー信号が入力されると、発光素子11を発光駆動させる信号を発光素子11に出力し、生成した測定データ25Aとしてのパケットデータを、接続線80を介して、光学式3軸力覚センサ1Aに隣接する光学式3軸力覚センサ1に出力する。光学式3軸力覚センサ1Aに隣接する光学式3軸力覚センサ1は、光学式3軸力覚センサ1Aから、接続線80を介して、測定データ25Aとしてのパケットデータが入力されると、この入力を、発光素子11の発光を制御するトリガー信号とみなして、発光素子11を発光駆動させる信号を発光素子11に出力する。光学式3軸力覚センサ1Aに隣接する光学式3軸力覚センサ1は、光学式3軸力覚センサ1Aで得られた測定データ25Aと、自身の計測により得た測定データ25Aとを含むパケットデータを、接続線80を介して、隣接する光学式3軸力覚センサ1に出力する。光学式3軸力覚センサモジュール2では、このようにして、バケツリレー方式で、発光制御およびデータ伝送が行われる。
【0043】
光学式3軸力覚センサモジュール2は、さらに、例えば、図9に示したように、シリーズに接続された複数の光学式3軸力覚センサ1のうち、他方の端部に配置された光学式3軸力覚センサ1(1B)に対して、接続線80を介して接続されたインターフェース素子82を備えている。インターフェース素子82は、各光学式3軸力覚センサ1における1または複数の受光素子22で得られた受光信号22Aもしくは受光信号22Aに対応する信号(測定データ25Aを含むパケットデータ)を外部に出力する。
【0044】
光学式3軸力覚センサモジュール2は、さらに、例えば、図9に示したように、シリーズに接続された複数の光学式3軸力覚センサ1に対して電力を供給する電源回路83を備えている。電源回路83は、シリーズに接続された複数の光学式3軸力覚センサ1において、光学式3軸力覚センサ1A側から電源電圧Vccを供給する。
【0045】
[効果]
次に、光学式3軸力覚センサモジュール2の効果について説明する。
【0046】
本実施の形態では、遮光部70が、各光学式3軸力覚センサ1に共通に設けられており、外光が1または複数の受光素子22に入射するのを妨げるとともに、複数の光学式3軸力覚センサ1をシリーズに固定している。これにより、個々の光学式3軸力覚センサ1を別体で配置した場合と比べて、複数の光学式3軸力覚センサ1を高密度に配置することができる。
【0047】
本実施の形態では、個々の光学式3軸力覚センサ1において、反射層50と、反射層50を支持するとともに、外力により変形可能な光透過性の変形層60とが設けられている。これにより、外力によって変化した反射層50の位置や向き、形状に応じた、反射光の変化を1または複数の受光素子22において正確に捉えることができる。その結果、DSP回路24において、反射層50の3軸方向(X軸、Y軸、Z軸)の変位を正確に計算することができる。
【0048】
本実施の形態では、個々の光学式3軸力覚センサ1において、変形層60が光透過性基板30に固定されており、遮光部70が、反射層50、変形層60および光透過性基板30を覆っている。これにより、外光による影響を低減することができるので、DSP回路24において、反射層50の3軸方向(X軸、Y軸、Z軸)の変位を正確に計算することができる。
【0049】
本実施の形態では、コントロール素子81およびインターフェース素子82が設けられている。これにより、シリーズに接続された複数の光学式3軸力覚センサ1の発光制御や、シリーズに接続された複数の光学式3軸力覚センサ1で得られたデータの伝送をバケツリレー方式で行うことが可能となる。従って、簡易な方法で、発光制御およびデータ伝送を実現することができる。
【0050】
本実施の形態では、複数の光学式3軸力覚センサ1の配列ピッチが、配線基板40のサイズよりも小さくなっている。これにより、複数の光学式3軸力覚センサ1を高密度に配置することができる。
【0051】
なお、光学式3軸力覚センサモジュール2が多数の光学式3軸力覚センサ1を備えている場合には、例えば、図11に示したように、シリーズに接続された複数の光学式3軸力覚センサ1がジグザグに蛇行したレイアウトとなっていることが好ましい。このようにした場合には、電源回路83は、シリーズに接続された複数の光学式3軸力覚センサ1におけるUターン部分2A側から電源電圧Vccを供給し、シリーズに接続された複数の光学式3軸力覚センサ1において、Uターン部分2Aに対応するUターン部分2B側に基準電圧GNDを供給することができる。これにより、電圧降下によるセンサ不具合が防止される。
【0052】
また、本実施の形態において、反射層50が遮光部70に固定されるとともに、変形層60には固定されずに接しており、遮光部70が光透過性基板30に対して着脱可能に構成されていてもよい。また、本実施の形態において、反射層50および変形層60が遮光部70に固定されるとともに、光透過性基板30には固定されずに接しており、遮光部70が光透過性基板30に対して着脱可能に構成されていてもよい。これらの場合に、遮光部70が、例えば、上述した機構71を有していてもよい。このようにした場合には、変形層60が劣化した場合などに、変形層60を容易に交換することができる。
【0053】
また、これらの場合に、遮光部70は、例えば、図12に示したように、光透過性基板30に対して固定された固定部72と、固定部72から剥離可能な状態で固定部72に接する交換部73とにより構成されていてもよい。
【0054】
変形層60は、交換部73に固定されるとともに、光透過性基板30には固定されずに接していてもよい。このとき、変形層60が固定部72に固定されるのを避ける観点から、固定部72の上面(固定部72と交換部73との境界部分)が、光透過性基板30の上面(光透過性基板30と変形層60との境界部分)と同一の面内、またはそれよりも下の位置に配置されていることが好ましい。また、変形層60は、光透過性基板30に固定されるとともに、交換部73には固定されずに接していてもよい。このとき、変形層60が固定部72と接していてもよいし、固定部72と接していなくてもよい。
【0055】
このように、遮光部70を固定部72と交換部73とにより構成することで、遮光部70の表面(交換部73の表面)が劣化した場合などに、劣化した部分(交換部73)を容易に交換することができる。
【0056】
以上、実施の形態およびその変形例を挙げて本開示を説明したが、本開示は上記実施の形態等に限定されるものではなく、種々変形が可能である。なお、本明細書中に記載された効果は、あくまで例示である。本開示の効果は、本明細書中に記載された効果に限定されるものではない。本開示が、本明細書中に記載された効果以外の効果を持っていてもよい。
【0057】
また、例えば、本開示は以下のような構成を取ることができる。
(1)
発光素子を有する発光基板と、
前記発光素子と対向する位置に設けられ、前記発光素子の光を透過させる光透過部と、前記光透過部を介して出射された前記発光素子の光のうち、反射層によって反射された光を受光する1または複数の受光素子とを有する回路基板と
を備えた光学式センサ。
(2)
前記1または複数の受光素子は、前記回路基板の第1主面に形成され、
前記発光基板は、前記回路基板の、前記第1主面とは反対側の第2主面と対向する位置に配置されるとともに、第1バンプを介して前記回路基板に積層されている
(1)に記載の光学式センサ。
(3)
前記回路基板は、前記発光素子の発光を制御する制御回路と、前記1または複数の受光素子で得られた受光信号を処理する処理回路とを更に有する
(1)または(2)に記載の光学式センサ。
(4)
外部回路と前記制御回路および前記処理回路とを電気的に接続するための配線を有し、前記発光基板を間にして、前記回路基板と対向する位置に配置されるとともに、第2バンプを介して前記回路基板に積層された配線基板を更に備えた
(3)に記載の光学式センサ。
(5)
前記光透過部は、前記回路基板を貫通する貫通孔である
(1)ないし(4)のいずれか1つに記載の光学式センサ。
(6)
前記複数の受光素子は、前記光透過部の周囲に配置されている
(1)ないし(5)のいずれか1つに記載の光学式センサ。
(7)
前記反射層と、
前記反射層を支持するとともに、外力により変形可能な光透過性の変形層と、
外光が前記反射層および前記1または複数の受光素子に入射するのを妨げる遮光部と
を更に備えた
(1)ないし(6)のいずれか1つに記載の光学式センサ。
(8)
前記回路基板を支持する光透過性基板を更に備え、
前記変形層は、前記光透過性基板に固定されており、
前記遮光部は、前記反射層、前記変形層および前記光透過性基板を覆っている
(7)に記載の光学式センサ。
(9)
前記回路基板を支持する光透過性基板を更に備え、
前記変形層は、前記遮光部に固定されており、
前記遮光部は、前記光透過性基板に対して着脱可能に構成されている
(7)に記載の光学式センサ。
(10)
前記回路基板を支持する光透過性基板を更に備え、
前記光透過性基板は、前記回路基板とは反対側の表面にハーフミラー層を有し、
前記複数の受光素子は、前記光透過部の近傍の領域と、前記光透過部から離れた領域とに配置されている
(7)に記載の光学式センサ。
(11)
前記反射層は、反射面に規則的な凹凸を有する
(7)に記載の光学式センサ。
(12)
前記処理回路は、前記受光信号に基づいて、外力による前記反射層の変位を計算し、外部に出力する
(3)または(4)に記載の光学式センサ。
(13)
接続線を介してシリーズに接続された複数の光学式センサを備え、
各前記光学式センサは、
発光素子を有する発光基板と、
前記発光素子と対向する位置に設けられ、前記発光素子の光を透過させる光透過部と、前記光透過部を介して出射された前記発光素子の光のうち、反射層によって反射された光を受光する1または複数の受光素子とを有する回路基板と、
前記接続線と前記回路基板とを電気的に接続するための配線を有する配線基板と、
各前記光学式センサに共通に設けられ、外光が前記1または複数の受光素子に入射するのを妨げるとともに、前記複数の光学式センサをシリーズに固定する有機部材と
を有する
光学式センサモジュール。
(14)
各前記光学式センサは、
前記反射層と、
前記反射層を支持するとともに、外力により変形可能な光透過性の変形層と
を更に有する
(13)に記載の光学式センサモジュール。
(15)
各前記光学式センサは、前記回路基板を支持する光透過性基板を更に有し、
前記変形層は、前記光透過性基板に固定されており、
前記有機部材は、前記反射層、前記変形層および前記光透過性基板を覆っている
(14)に記載の光学式センサモジュール。
(16)
各前記光学式センサは、前記回路基板を支持する光透過性基板を更に有し、
前記変形層は、前記有機部材に固定されており、
前記有機部材は、前記光透過性基板に対して着脱可能に構成されている
(14)に記載の光学式センサモジュール。
(17)
シリーズに接続された前記複数の光学式センサのうち、一方の端部に配置された第1光学式センサに対して、前記接続線を介して接続され、各前記光学式センサにおける前記発光素子の発光を制御するコントロール素子と、
シリーズに接続された前記複数の光学式センサのうち、他方の端部に配置された第2光学式センサに対して、前記接続線を介して接続され、各前記光学式センサにおける前記1または複数の受光素子で得られた受光信号もしくは前記受光信号に対応する信号を外部に出力するインターフェース素子と
を更に備えた
(13)ないし(16)のいずれか1つに記載の光学式センサモジュール。
(18)
互いに隣接する2つの前記配線基板の間隙は、前記複数の光学式センサの配列ピッチよりも小さくなっている
(13)ないし(16)のいずれか1つに記載の光学式センサモジュール。
【0058】
本開示の一実施形態に係る光学式センサおよび光学式センサモジュールによれば、発光素子を有する発光基板と、1または複数の受光素子を有する回路基板とを積層し、光透過部を介して出射された発光素子の光のうち、反射層によって反射された光を1または複数の受光素子によって受光するようにしたので、複数の光学式センサを高密度に配置することができる。なお、本開示の効果は、ここに記載された効果に必ずしも限定されず、本明細書中に記載されたいずれの効果であってもよい。
【0059】
本出願は、日本国特許庁において2019年10月30日に出願された日本特許出願番号第2019-197606号を基礎として優先権を主張するものであり、この出願のすべての内容を参照によって本出願に援用する。
【0060】
当業者であれば、設計上の要件や他の要因に応じて、種々の修正、コンビネーション、サブコンビネーション、および変更を想到し得るが、それらは添付の請求の範囲やその均等物の範囲に含まれるものであることが理解される。
図1
図2
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図5
図6
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図10
図11
図12