(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-12
(45)【発行日】2024-07-23
(54)【発明の名称】車両-トレーラーの自律的な操縦および駐車
(51)【国際特許分類】
B60W 30/06 20060101AFI20240716BHJP
G08G 1/0969 20060101ALI20240716BHJP
G08G 1/16 20060101ALI20240716BHJP
G01C 21/36 20060101ALI20240716BHJP
【FI】
B60W30/06
G08G1/0969
G08G1/16 C
G01C21/36
(21)【出願番号】P 2021560123
(86)(22)【出願日】2020-04-13
(86)【国際出願番号】 US2020027950
(87)【国際公開番号】W WO2020210808
(87)【国際公開日】2020-10-15
【審査請求日】2021-11-08
(32)【優先日】2019-04-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】313005662
【氏名又は名称】コンチネンタル オートモーティブ システムズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CONTINENTAL AUTOMOTIVE SYSTEMS, INC.
【住所又は居所原語表記】1 Continental Drive, Auburn Hills, Michigan 48326-1581, USA
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】エドゥアルド ホセ ラミレス リャノス
(72)【発明者】
【氏名】ディレン ヴァーマ
(72)【発明者】
【氏名】シン ユー
(72)【発明者】
【氏名】マシュー ドナルド バークマイアー
(72)【発明者】
【氏名】ジュリアン イプ
(72)【発明者】
【氏名】カイル ピー カーペンター
(72)【発明者】
【氏名】フランシスコ アレハンドロ フエンテス ペレス
(72)【発明者】
【氏名】ジョゼフ ザグロバ
(72)【発明者】
【氏名】ビクトル マヌエル カマチョ ルイス
(72)【発明者】
【氏名】アンドルー フィリップ ボルデュク
(72)【発明者】
【氏名】エリック ダニエル リベラ グティエレス
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム ニコルズ
(72)【発明者】
【氏名】イセマニー アンジェリカ レアル マルティネス
【審査官】鶴江 陽介
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0066503(US,A1)
【文献】特開平10-264839(JP,A)
【文献】特開2018-205950(JP,A)
【文献】特開2015-058890(JP,A)
【文献】特開2018-052462(JP,A)
【文献】特表2019-504800(JP,A)
【文献】国際公開第2019/008757(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0371348(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 30/00-60/00
G08G 1/00- 1/16
G01C 21/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両-トレーラーシステムを自律的に駐車するための方法であって、
前記方法は、車両-トレーラーシステムを自律的に駐車するためのシステムによって実行され、
前記車両-トレーラーシステムの車両によって支持されるデータ処理ハードウェアにおいて、前記車両によって支持されるセンサシステムからセンサシステムデータを受信するステップであって、前記センサシステムは、1つ以上のカメラを含み、前記センサシステムデータは、前記車両-トレーラーシステムの走行経路に沿った周辺環境画像を含む、ステップと、
前記データ処理ハードウェアの位置測定およびマッピングモジュールにおいて、前記センサシステムデータに基づき、
前記車両-トレーラーシステムが駐車場の周りを走行しているときに、点群を有し、かつ、前記車両-トレーラーシステムの前記走行経路に沿った周辺環境を含む
前記駐車場の三次元ローカルマップを決定するステップと、
前記位置測定およびマッピングモジュールにおいて、前記三次元ローカルマップ内の前記車両の三次元ポーズを決定するステップと、
前記データ処理ハードウェアのシーン解釈モジュールにおいて、前記
三次元ローカルマップと、前記1つ以上のカメラの生のカメラ画像とを受信するステップと、
前記シーン解釈モジュールにおいて、前記
三次元ローカルマップの前記点群の
三次元における各点および前記生のカメラ画像の各ピクセルにラベルを割り当てるステップと、
前記シーン解釈モジュールにおいて、
各ピクセルにラベルが割り当てられた前記
生のカメラ画像を、ラベル付けされた
三次元ローカルマップと融合するステップと、
前記データ処理ハードウェアからディスプレイに、前記ディスプレイに、
利用可能な駐車スペースを示す、融合された前記ラベル付けされた
三次元ローカルマップを表示させる命令を送信するステップと、
前記データ処理ハードウェアにおいて、表示された前記融合されたラベル付けされた
三次元ローカルマップ内で前記周辺環境内の選択された位置に関連付けられた前記
三次元ローカルマップ内の位置を表す画像位置のユーザー選択を受信するステップと、
前記データ処理ハードウェア
の経路計画モジュールによって、前記車両-トレーラーシステムの現在の位置から前記
三次元ローカルマップに基づく位置までの駐車経路を決定するステップ
であって、前記経路計画モジュールは、前記位置測定およびマッピングモジュールによって決定された前記三次元ポーズと、前記シーン解釈モジュールからの前記ラベル付けされた三次元ローカルマップとに基づいて、前記駐車経路を決定する、ステップと、
前記データ処理ハードウェアから走行システムに、前記車両-トレーラーシステムを、前記駐車経路に沿って自律的に走行させ、
前記選択された位置に自律的に駐車させる自律的な駐車挙動を実行する命令を送信するステップと、
を含む、
方法。
【請求項2】
前記方法は、
前記車両-トレーラーシステムを自律的に駐車するためのシステムによって、前記データ処理ハードウェアにおいて、前記走行経路に沿って1つ以上の利用可能な駐車スペースを決定するステップと、
前記車両-トレーラーシステムを自律的に駐車するためのシステムによって、前記データ処理ハードウェアから前記ディスプレイに、当該ディスプレイに、前記融合されたラベル付けされた
三次元ローカルマップ内の利用可能な駐車スペースにラベル付けさせる命令を送信するステップと、をさらに含み、
前記走行経路は、駐車場内にあり、
前記画像位置は、利用可能な駐車スペースに関連付けられている、
請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記
三次元ローカルマップは、座標系を有する三次元マップを含む、請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記方法は、
前記車両-トレーラーシステムを自律的に駐車するためのシステムによって、前記点群内の1つ以上の対象を識別するステップと、
前記車両-トレーラーシステムを自律的に駐車するためのシステムによって、前記1つ以上の対象を、障害物、利用可能な駐車スペース、走行可能な道路のうちの1つに分類するステップと、
をさらに含む、請求項3記載の方法。
【請求項5】
前記センサシステムデータは、ホイールエンコーダデー
タまたは慣性測定ユニットデー
タを含む、請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記自律的な駐車挙動は、後進駐車、並列駐車、前進駐車、または立体駐車を含む、請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記方法は、前記車両-トレーラーシステムを自律的に駐車するためのシステムによって、前記車両が前記駐車経路に沿って走行している間に、1つ以上の障害物を決定するステップをさらに含み、
前記走行システムに対する命令は、前記駐車経路に沿って前記1つ以上の障害物が決定された場合に、前記車両-トレーラーシステムを停止する命令を含む、
請求項1記載の方法。
【請求項8】
車両-トレーラーシステムを自律的に駐車するためのシステムであって、
前記システムは、
データ処理ハードウェアと、
前記データ処理ハードウェアと通信するメモリハードウェアと、
を含み、
該メモリハードウェアは、前記データ処理ハードウェア上で実行されるときに前記データ処理ハードウェアに、動作を実行させる命令を格納しており、前記動作は、
前記車両によって支持されるセンサシステムからセンサシステムデータを受信するステップであって、前記センサシステムは、1つ以上のカメラを含み、前記センサシステムデータは、前記車両-トレーラーシステムの走行経路に沿った周辺環境画像を含む、ステップと、
前記データ処理ハードウェアの位置測定およびマッピングモジュールにおいて、前記センサシステムデータに基づき、
前記車両-トレーラーシステムが駐車場の周りを走行しているときに、点群を有し、かつ、前記車両-トレーラーシステムの走行経路に沿った周辺環境を含む
前記駐車場の三次元ローカルマップを決定するステップと、
前記位置測定およびマッピングモジュールにおいて、前記三次元ローカルマップ内の前記車両の三次元ポーズを決定するステップと、
前記データ処理ハードウェアのシーン解釈モジュールにおいて、前記
三次元ローカルマップと、前記1つ以上のカメラの生のカメラ画像とを受信するステップと、
前記シーン解釈モジュールにおいて、前記
三次元ローカルマップの前記点群の
三次元における各点および前記生のカメラ画像の各ピクセルにラベルを割り当てるステップと、
前記シーン解釈モジュールにおいて、
各ピクセルにラベルが割り当てられた前記
生のカメラ画像を、ラベル付けされた
三次元ローカルマップと融合するステップと、
前記データ処理ハードウェアと通信するディスプレイに、前記ディスプレイに、
利用可能な駐車スペースを示す、融合された前記ラベル付けされた
三次元ローカルマップを表示させる命令を送信するステップと、
表示された融合された前記ラベル付けされた
三次元ローカルマップ内で前記周辺環境内の選択された位置に関連付けられた前記
三次元ローカルマップ内の位置を表す画像位置のユーザー選択を受信するステップと、
経路計画モジュールによって、前記車両-トレーラーシステムの現在の位置から
三次元ローカルマップに基づく位置までの駐車経路を決定するステップ
であって、前記経路計画モジュールは、前記位置測定およびマッピングモジュールによって決定された前記三次元ポーズと、前記シーン解釈モジュールからの前記ラベル付けされた三次元ローカルマップとに基づいて、前記駐車経路を決定する、ステップと、
走行システムに、前記車両-トレーラーシステムに、駐車経路に沿って自律的に走行させ、
前記選択された位置に自律的に駐車させる自律的な駐車挙動を実行する命令を送信するステップと、
を含む、
システム。
【請求項9】
前記動作は、
前記駐車経路に沿って1つ以上の利用可能な駐車スペースを決定するステップと、
前記ディスプレイに、当該ディスプレイに、前記融合された前記ラベル付けされた
三次元ローカルマップ内の利用可能な駐車スペースにラベル付けさせる命令を送信するステップと、
をさらに含み、
前記駐車経路は、駐車場内にあり、
前記画像位置は、利用可能な駐車スペースに関連付けられている、
請求項8記載のシステム。
【請求項10】
前記
三次元ローカルマップは、座標系を有する三次元マップを含む、請求項8記載のシステム。
【請求項11】
前記動作は、
前記点群内の1つ以上の対象を識別するステップと、
前記1つ以上の対象を、障害物、利用可能な駐車スペース、走行可能な道路のうちの1つに分類するステップと、
をさらに含む、請求項10記載のシステム。
【請求項12】
前記センサシステムデータは、ホイールエンコーダデー
タまたは慣性測定ユニットデー
タを含む、請求項8記載のシステム。
【請求項13】
前記自律的な駐車挙動は、後進駐車、並列駐車、前進駐車、または立体駐車を含む、請求項8記載のシステム。
【請求項14】
前記動作は、前記車両が前記駐車経路に沿って走行している間に、1つ以上の障害物を決定するステップをさらに含み、
前記走行システムに対する命令は、前記駐車経路に沿って前記1つ以上の障害物が決定された場合に、前記車両-トレーラーシステムを停止する命令を含む、
請求項8記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両-トレーラーの自律的な操縦および駐車に関する。
【0002】
背景技術
トレーラーは、通常、動力付き牽引車によって牽引される無動力車である。トレーラーは、ユーティリティートレーラー、ポップアップキャンパー、トラベルトレーラー、家畜用トレーラー、フラットベッドトレーラー、密閉型カーホーラー、およびボートトレーラーなどである。牽引車は、自動車、クロスオーバー、トラック、バン、スポーツユーティリティービークル(SUV)、レクリエーショナルビークル(RV)、または、トレーラーに取り付けトレーラーを牽引するように構成された任意の他の車両であってもよい。トレーラーは、トレーラーヒッチを介して動力車に取り付けられる。レシーバーヒッチは、牽引車に取り付けられ、トレーラーヒッチに接続されて接続部を形成する。トレーラーヒッチは、ボールソケット、フィフスホイールグースネック、またはトレーラージャッキであってもよい。また、他の取り付け機構が使用されてもよい。トレーラーと動力車との間の機械的な接続に加えて、いくつかの例では、トレーラーは、牽引車に電気的に接続されている。そのような電気的な接続は、トレーラーに、動力車のライトと同期したテールライト、ターンシグナル、およびブレーキライトを持たせることを可能にする動力車の後方灯回路からの給電を可能にさせる。
【0003】
牽引車の運転者が直面する課題のいくつかは、トレーラーを取り付けている場合に駐車場に駐車することである。なぜなら、牽引車を特定の位置に向かって操縦するために2人以上が必要になるかもしれないからである。車両-トレーラーユニットは、自身がコーナーの周りを移動できるようにヒッチの周りを水平方向に旋回するようになっているので、車両が後退すると、トレーラーが押し出される。運転者は、特に後退して駐車スポットに入れる場合には、トレーラーの向きの所望の変更を得るために、車両のステアリングホイールをどちらの方向に回すかについて混乱することが多い。車両において適正でないステアリング角度を与えてしまうと、トレーラーがジャックナイフ現象を引き起こし、自身の進路を失いかねないこともある。それゆえ、多くの場合、1人は、車両を運転する例えば運転者であり、別の1人以上は、牽引車およびトレーラーを見て、牽引車が取るべき経路に関する指示を運転者に与えるために必要とされる。いくつかの例では、運転者に指示を与える人々は、牽引車の経路を指示するための効率的な命令を与えることが困難な場合がある。その上さらに、運転者は、適切に訓練されていない可能性があり、かつ/または牽引車およびトレーラーを後退させるのに十分な経験を持っていない可能性がある。いくつかの例では、トレーラーの寸法に慣れていなかったり、操縦が容易でなかったりするために、訓練を受けた運転者であっても、トレーラーを取り付けている場合は牽引車を後退させるのに苦労する場合がある。また、牽引車およびトレーラーを駐車する場合に運転者に死角があり、牽引車およびトレーラーを適切に駐車するのに十分な視野角が得られなかったり、車両およびトレーラーを操縦可能にするには駐車場が狭すぎたりする可能性があるため別の困難が生じる場合もある。それゆえ、車両-トレーラーユニットを駐車する場合に、牽引車の運転者が直面する課題を克服するシステムを提供することが望まれる。
【0004】
概要
本開示の一態様は、車両-トレーラーシステムを自律的に駐車するための方法を提供する。本方法は、車両-トレーラーシステムの車両によって支持される(supported)データ処理ハードウェアにおいて、車両によって支持されるセンサシステムからセンサシステムデータを受信するステップを含む。このセンサシステムデータは、車両-トレーラーシステムの走行経路に沿った周辺環境画像を含む。本方法はまた、データ処理ハードウェアからディスプレイに、ディスプレイが画像を表示することを引き起こす命令を送信するステップを含む。本方法はまた、データ処理ハードウェアにおいて、センサシステムデータに基づきローカルマップを決定するステップを含む。このローカルマップは、車両-トレーラーシステムの走行経路に沿った周辺環境を含む。本方法はまた、データ処理ハードウェアにおいて、表示された画像内で周辺環境内の選択された位置に関連付けられたローカルマップ内の位置を表す画像位置のユーザー選択を受信するステップを含む。本方法はまた、データ処理ハードウェアにおいて、車両-トレーラーシステムの現在の位置からローカルマップに基づく位置までの駐車経路を決定するステップと、データ処理ハードウェアから走行システムに、車両-トレーラーシステムが、駐車経路に沿って自律的に走行し、選択された位置に自律的に駐車することを引き起こす自律的な駐車挙動を実行する命令を送信するステップとを含む。
【0005】
本開示のこの態様の実装は、以下の任意選択的な特徴のうちの1つ以上を含み得る。いくつかの実装では、本方法は、データ処理ハードウェアにおいて、走行経路に沿って1つ以上の利用可能な駐車スペースを決定するステップと、データ処理ハードウェアからディスプレイに、ディスプレイが画像内の利用可能な駐車スペースにラベル付けすることを引き起こす命令を送信するステップとを含み、ここで、走行経路は、駐車場内にあり、ここで、画像位置は、利用可能な駐車スペースに関連付けられている。いくつかの例では、ローカルマップは、点群と座標系とを有する三次元マップを含む。本方法は、点群内の1つ以上の対象を識別するステップと、1つ以上の対象を、障害物、利用可能な駐車スペース、走行可能な道路のうちの1つに分類するステップとを含むことができる。センサシステムデータは、ホイールエンコーダデータ、加速度およびホイール角度センサデータ、または慣性測定ユニットデータのうちの少なくとも1つを含むことができる。自律的な駐車挙動は、後進駐車、並列駐車、前進駐車、または立体駐車を含むことができる。
【0006】
いくつかの例では、本方法は、車両が駐車経路に沿って走行している間に、1つ以上の障害物を決定するステップを含む。この場合、走行システムに対する命令は、駐車経路に沿って1つ以上の障害物が決定された場合に、車両-トレーラーシステムを停止する命令を含む。
【0007】
本開示の別の態様は、データ処理ハードウェアと、該データ処理ハードウェアと通信するメモリハードウェアとを含むシステムを提供する。このメモリハードウェアは、データ処理ハードウェア上で実行されるときに動作を実行する命令を格納する。これらの動作は、上述の方法を含む。
【0008】
本開示の1つ以上の実施例の詳細は、添付の図面および以下の説明に記載されている。 他の態様、特徴、および利点は、これらの説明および図面、ならびに特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1A】例示的な車両-トレーラーシステムの概略図である。
【
図1B】駐車システムを有する例示的な車両-トレーラーシステムの概略図である。
【
図2】駐車場マスでの車両操縦としての
図1Aに示す例示的な車両-トレーラーシステムの概略図である。
【
図3】異なる対象を識別するために異なる色でラベル付けされた例示的な3Dマップの概略図である。
【
図5】
図1Bに示されるユーザーインターフェースと駐車システムとの間の例示的な通信の概略図である。
【
図6】選択された駐車スペースまたは位置に車両-トレーラーシステムを自律的に駐車する方法のための動作の例示的なパターンを例示的に概略的に示した概略図である。
【0010】
様々な図面中の同様の参照符号は、同様の要素を示している。
【0011】
詳細な説明
牽引車は、トレーラーを牽引するように構成されてもよい自動車、クロスオーバー、トラック、セミトラック、バン、スポーツユーティリティービークル(SUV)、およびレクリエーショナルビークル(RV)などであるが、これらに限定されない。牽引車は、トレーラーヒッチを介してトレーラーに接続される。駐車システムを含む車両-トレーラーシステムは、好適である。この駐車システムは、車両-トレーラーシステムが駐車場を通って走行する場合に、駐車場のローカルマップを生成する。運転者は、ローカルマップで駐車スペースを選択し、次いで、車両-トレーラーシステムは、選択された駐車スペースに自律的に走行する。車両-トレーラーシステムは、運転者が選択した駐車スペースへの駐車のために、前進、後進、並列的、立体的など複数の操縦を実行することができるが、これらに限定されない。駐車システムは、駐車場のローカルマップを決定するために、車両または車両およびトレーラーによって支持される1つ以上のカメラ(例えば、サラウンドビューカメラシステム)、車両情報(例えば、車輪の刻み、ステアリング角度、または/および慣性測定ユニット(IMU)データ)に基づいている。車両-トレーラーシステムの運転者が駐車場周りを走行して利用可能な駐車スペースを探している間に、駐車システムは、駐車場のローカルマップを生成し、利用可能な駐車スペースを検出して、利用可能な駐車スペースと共にローカルマップを車両によって支持されたディスプレイ上に表示する。ユーザーが表示された利用可能な駐車スペースの1つを選択すると、これは、車両-トレーラーシステムが選択された駐車スペースに向かって自律的に走行し、車両-トレーラーシステムを駐車させることを引き起こす。車両-トレーラーが選択された駐車スペースに向かって走行すると、駐車システムは、車両-トレーラーシステムの走行経路に沿って静的および動的な障害物を検出し、この障害物を回避するために、車両トレーラーシステムを停止させるか、選択された駐車スペースまでの経路を変更する。
【0012】
図1Aおよび1Bを参照すれば、いくつかの実装形態では、車両-トレーラーシステム100は、ヒッチ106を介してトレーラー104に取り付けられた牽引車102を含む。この牽引車102は、例えば、x、y、およびz成分を有する走行コマンドに基づいて、牽引車102、ひいては車両-トレーラーシステム100を路面にわたって操縦する、牽引車102に関連付けられた走行システム110を含む。図示のように、この走行システム110は、右方前輪112,112a、左方前輪112,112b、右方後輪112,112c、および左方後輪112,112dを含む。付加的に、走行システム110は、トレーラー104に関連付けられた車輪(図示せず)を含むことができる。走行システム110は、他の車輪構成を含むこともできる。走行システム110は、車輪112と通信し、車輪112に接続され、牽引車102の移動を可能にさせ、ひいてはトレーラー104も移動させる他の構成要素(図示せず)を含む。走行システム110はまた、各車輪112,112a~112dに関連付けられたブレーキ(図示せず)を含む制動システム114を含むことができ、ここで、各ブレーキは、車輪112a~112nに関連付けられ、車輪112a~112nの回転を減速または停止させるように構成されている。牽引車102はまた、車両-トレーラーシステム100の速度および方向を調整するように構成された加速システム218を含むことができる。車両-トレーラーシステム100は、他のシステムを含むこともできる。
【0013】
牽引車102は、牽引車102によって定義される3つの互いに垂直な軸、すなわち横軸XV、前後軸YV、および中央垂直軸ZVに関する様々な動きの組み合わせにより、路面にわたって移動することができる。横軸XVは、牽引車102の右方側面Rと左方側面との間に延びている。前後軸YVに沿った前進走行方向は、FVで表され、前進移動とも称される。付加的に、前後軸YVに沿った後方または後進走行方向は、RVで表され、後進移動とも称される。いくつかの例では、牽引車102は、サスペンションシステム(図示せず)を含み、このサスペンションシステムは、調整されると、牽引車102がXV軸および/またはYV軸周りで傾斜すること、あるいは中央垂直軸ZVに沿って移動することを引き起こす。牽引車102が移動すると、トレーラー104は、牽引車102の経路に沿って追従する。したがって、牽引車102が前進方向FVに移動する際に進路変更を行うと、それに沿ってトレーラー104も追従する。
【0014】
その上さらに、トレーラー104は、トレーラー104によって定義される3つの互いに垂直な軸、すなわち、トレーラー横軸XT、トレーラー前後軸YT、およびトレーラー中央垂直軸ZTに関する様々な動きの組み合わせにより、路面にわたって牽引車102に追従する。トレーラー横軸XTは、トレーラー104の右方側面Rと左方側面との間に延びている。トレーラー前後軸YTに沿った前進走行方向は、FTで表され、前進移動とも称される。付加的に、前後軸YTに沿ったトレーラー後方または後進走行方向は、RTで表され、後進移動とも称される。したがって、車両-トレーラーシステム100の移動は、その横軸XV、前後軸YV、および中央垂直軸ZVに沿った牽引車102の移動と、そのトレーラー横軸XT、トレーラー前後軸YT、およびトレーラー中央垂直軸ZTに沿ったトレーラー104の移動とを含む。
【0015】
牽引車102は、信頼性の高いロバストな走行および自律的な走行を提供するために、センサシステム120を含むことができる。このセンサシステム120は、異なるタイプのセンサ122,124,126,128を含むことができ、これらは、牽引車102の環境の認知信号を作成するために別個にまたは相互に使用されてもよいし、車両102を走行させ、センサシステム120によって検出された対象および障害物に基づいて運転者がインテリジェントな決定を行うのを支援するために使用される。いくつかの例では、これらのセンサ122,124,126,128は、牽引車102のみによって支持されてもよいが、他の例では、トレーラー104は、1つ以上のセンサ122,124,126,128を支持することができる。センサ122,124,126,128は、牽引車102の後方環境を捕捉する牽引車102の後方区分、牽引車102の左右環境を捕捉する牽引車102の側方区分、および/または、牽引車102の前方環境を捕捉する牽引車102の前方区分に位置決めされてもよい。牽引車102または車両-トレーラーシステム100周りに位置決めされるセンサ122,124,126,128の組み合わせは、牽引車102の環境または車両-トレーラーシステム100の環境のサラウンドビューを提供する。
【0016】
センサシステム120は、カメラデータ123,123a,123bを提供する1つ以上のカメラ122を含む。1つ以上のカメラ122は、画像上の各位置が異なる光量を示すが、異なる色相を示さない単眼カメラを含むことができる。いくつかの例では、カメラ122は、広いパノラマ状の画像もしくは半球状の画像123aの作成を意図した強い視覚的歪みを生成する超広角レンズを含む魚眼レンズを含むことができる。魚眼カメラは、極めて広い画角を有する画像123aを捕捉する。また、他のタイプのカメラが、車両およびトレーラー環境の画像123aの捕捉のために使用されてもよい。カメラデータ123は、内在的パラメータ(例えば、焦点距離、イメージセンサのフォーマット、主点)や外在的パラメータ(例えば、3Dワールド座標から3Dカメラ座標への座標系変換、換言すれば外在的パラメータは、ワールド座標におけるカメラの中心位置やカメラの方位を定める)などの付加的データ123bを含むことができる。付加的に、カメラデータ123は、地面に対するカメラ122の最小/最大/平均の高さ(例えば、車両の積載時と非積載時)、ならびにカメラ122と牽引車のヒッチボールとの間の長手方向の距離を含むことができる。
【0017】
いくつかの例では、センサシステム120はまた、牽引車102の1つ以上の車輪112,112a~112dに関連付けられた1つ以上のホイールエンコーダ124を含む。このホイールエンコーダ124は、車輪の角度位置または動きをアナログまたはデジタル出力信号に変換する電気機械デバイスである。したがって、ホイールエンコーダ124は、車輪112が走行した速度および距離を含むホイールエンコーダデータ125を決定する。
【0018】
センサシステム120はまた、牽引車102に関連付けられた1つ以上の加速度およびホイール角度センサ126を含むことができる。この加速度およびホイール角度センサ126は、横軸XVおよび前後軸YVの方向における牽引車102の加速度を含むデータ127を決定する。
【0019】
センサシステム120はまた、車両の線形加速度(1つ以上の加速度計を使用)および回転率(1つ以上のジャイロスコープを使用)を含むIMUデータ129を測定するように構成されたIMU(慣性測定ユニット)128を含んでもよい。いくつかの例では、IMUデータ129はまた、牽引車102の方位基準も含む。したがって、IMUデータ129は、牽引車102のピッチ、ロール、およびヨーを含む。
【0020】
センサシステム120は、レーダー、ソナー、LIDAR(Light Detection and Ranging;これは、遠くのターゲットの範囲および/または他の情報を見つけるために散乱光の特性を測定する光学的リモートセンシングを包含することができる)、LADAR(Laser Detection and Ranging)、超音波センサ、ステレオカメラ、赤外線センサなどの他のセンサを含むことができるが、これらに限定されない。いくつかの例では、牽引車102は、牽引車102の緯度および経度の位置を決定する全地球測位システム(Global Positioning System)受信機(図示せず)を含む。
【0021】
センサデータ121は、車両-トレーラーシステム100が前進方向FVまたは後進方向RVに走行しているときに、ユーザーインターフェース130を介した可聴警報および/または視覚警報によって、可能性のある障害物を運転者に警告するために使用されてもよい。したがって、センサシステム120は、運転者によって、または半自律的もしくは自律的な状況下で動作する車両-トレーラーシステム100における安全性を高めるために特に有用である。
【0022】
牽引車102は、運転者に情報を提供し、運転者がコマンドを入力できるようにするユーザーインターフェース130を含むことができる。このユーザーインターフェース130は、運転者から1つ以上の入力機構、タッチスクリーンディスプレイ132、マイクロフォンを介して1つ以上のユーザコマンドを受信し、かつ/または1つ以上の通知を運転者に表示または出力する。いくつかの例では、ユーザーインターフェース130は、タッチスクリーンディスプレイ132を含む。いくつかの例では、ディスプレイ132は、運転者が自身の指で指して駐車場200内の利用可能な駐車スペース202を選択できるようにラベル付けされた駐車場200(
図2)のマップ172を示す。他の例では、ユーザーインターフェース130は、タッチスクリーンではなく、運転者は、利用可能な駐車スペース202のうちの1つを選択するために、回転ノブやマウスなどの入力デバイスを使用することができるが、これらに限定されない。
【0023】
走行システム110、センサシステム120、およびユーザーインターフェース130は、車両コントローラ140と通信している。この車両コントローラ140は、非一過性のメモリまたはハードウェアメモリ144(例えば、コンピューティングプロセッサ上で実行可能な命令を格納することができるハードディスク、フラッシュメモリ、ランダムアクセスメモリ)と通信するコンピューティングデバイス(またはデータ処理ハードウェア)142(例えば、1つ以上のコンピューティングプロセッサを有する中央処理装置)を含む。図示のように、車両コントローラ140は、牽引車102によって支持されているが、車両コントローラ140は、牽引車102とは別個に、ネットワーク(図示せず)を介して牽引車102と通信していてもよい。
【0024】
いくつかの実装では、コントローラ140は、車両-トレーラーシステム100が駐車場200周りを走行している間に、駐車場200のラベル付けされたローカルマップ172を生成する駐車システム150を実行する。運転者は、生成されたマップ上の位置を選択するか、駐車システム150に駐車場200内の1つ以上の利用可能な駐車スペース202を特定させる。これは、車両-トレーラーシステム100が、選択された位置または駐車スペース202に自律的に駐車することを引き起こす。
【0025】
駐車システム150は、センサシステム120からのセンサシステムデータ121を分析し、車両-トレーラーシステム100がルート202に沿って駐車場200周りを走行する(例えば、運転者が駐車場200周りで牽引車102を走行させる、または牽引車102が駐車場200周りを自律的に走行する)際に、車両周辺の三次元マップ162aを決定する、位置測定およびマッピングモジュール160を含む。この位置測定およびマッピングモジュール160はまた、決定された3Dマップ162a内の車両102の3Dポーズ162bも決定する。車両-トレーラーシステム100が走行している間、位置測定およびマッピングモジュール160は、画像123aならびに外在的および内在的データ123bを含むカメラデータ123、ホイールエンコーダデータ125および/または加速度およびホイール角度センサデータ127、および/またはIMUデータ129を受信する。いくつかの例では、位置測定およびマッピングモジュール160はまた、GPSデータなどの他のセンサからの他のセンサシステムデータも受信する。位置測定およびマッピングモジュール160は、受信したセンサシステムデータ121に基づいて、3Dマップ162aを決定する。この3Dマップ162aは、牽引車102の3Dポーズ、換言すれば牽引車102の3D位置(x,y,z)と、四元数とを含む。四元数は、位置測定およびマッピングモジュール160によって計算されたローカル基準フレームにおける3Dの対象の配向および回転を表すための数学的回転を提供する。位置測定およびマッピングモジュール160は、車両-トレーラーシステム100の正確な位置162bおよび3Dマップ162a(対象、点群、および座標系を含む)を得るために、車両運動学的もしくは動的モデルをセンサシステムデータ121と融合させる。車両運動学的もしくは動的モデルは、加速および操縦されたときの車両の動き(例えば、位置、速度、および回転)を記述する数学的モデルである。
【0026】
駐車システム150はまた、ラベル付けされた2D/3Dマップ172およびラベル付けされた画像174を生成するシーン解釈モジュール170を含む。シーン解釈モジュール170は、カメラ122から画像123a(すなわち、生の画像)を受信し、画像123aの各ピクセルにラベルを割り当てる。画像ラベルは、障害物、空いている駐車場、走行可能な道路、草地、建物、歩道、木、フェンス、未知の固体を含むが、これらに限定されない。また、他の画像ラベルが使用されてもよい。付加的に、シーン解釈モジュール170は、位置測定およびマッピングモジュール160から3Dマップ162aを受信し、点群の各3D点にラベルを割り当てる。点群のラベルは、画像のラベルと同様である。いくつかの例では、シーン解釈モジュール170は、異なるラベルを示すために異なる色を使用する。
図3は、図示の画像123aに基づきラベル付けされた点群300を示す。ラベル付けされた点群300は、ラベル付けされた対象に基づいて異なる色を示す。いくつかの例では、シーン解釈モジュール170は、ラベル付けされた3Dマップ172をラベル付けされた2Dマップに変換する。シーン解釈モジュール170は、受信した画像123aをラベル付けされた2D/3Dマップと融合させ、利用可能な駐車スペース202を示すラベル付けされたマップ172を表示するようにディスプレイ132に指示する。いくつかの例では、運転者は、走行中に、カメラビュー(すなわち、画像123a)をフロントビュー、リアビュー、左ビュー、右ビュー、トップビュー、または3Dマップビューから調整することができる。シーン解釈モジュール170は、異なるビューを生成する。
【0027】
駐車システム150はまた、車両-トレーラーシステム100の現在の位置測定から、運転者が選択した利用可能な位置または駐車スペース202までの実現可能な軌道182を決定する経路計画モジュール180を含む。この経路計画モジュール180は、位置測定およびマッピングモジュール160によって決定された3Dポーズ162bと、シーン解釈モジュール170からのラベル付けされた2D/3Dマップ172とに基づいて、軌道182を決定する。駐車システム150は、実現可能な軌道182、換言すれば、選択された利用可能な位置または駐車スペース202である所望の位置を達成するためにすべての障害物を回避する軌道182を決定する。いくつかの例では、運転者は、より少ない距離または操縦で軌道を見つけるように選択することができる。経路計画モジュール180は、運転者が選択した利用可能な駐車スペース202までの開ループ軌道計画を計算する。経路計画モジュール180は、ラベル付けされた2D/3Dマップ172を使用し、車両-トレーラーシステム100にとって実現可能な追従すべき経路182を出力する。経路計画モジュール180は、経路182を計算するために、車両-トレーラーシステムの運動もしくは動的モデルおよび制約条件を使用する。経路計画モジュール180は、車両-トレーラーシステム100が前進または後進で駐車すること、あるいは
図4A~
図4Fに示される任意の特定の駐車手法を可能にする。経路計画モジュール180は、現在の車両-トレーラーシステム100の位置から車両-トレーラーシステム100が駐車スペース202内にある終了位置までの経路182を計画する。経路計画モジュール180は、車両-トレーラーシステム100が、
図4Aに示すように駐車スペースに後退しなければならないような経路182、または
図4Bに示すように並列駐車しなければならないような経路182を計画することができる。いくつかの例では、経路計画モジュール180は、車両-トレーラーシステム100が、
図4Cに示すように駐車スペースまで前進または後進走行するような経路182を計画する。いくつかの例では、運転者は、
図4Fに示すように、例えば、キャンプ場内でラベル付けされていない駐車スペースを特定する。この場合、経路計画モジュール180は、特定されたスペース内に駐車するような経路182を計画する。空きスペースは、
図4Eに示すようにガレージであってもよい。いくつかの例では、駐車スペース202は、マークされた駐車場内にある。
【0028】
駐車システム150はまた、車両-トレーラーシステム100が経路182に追従することを引き起こす1つ以上の経路追従挙動192を実行するように走行システム110に指示する車両制御モジュール190を含む。この車両制御モジュール190は、計画された経路182を受信し、車両102が計画された経路182に沿って自律的に走行することを引き起こすコマンド194を走行システム110に送信する1つ以上の挙動192を実行する。
【0029】
経路追従挙動192は、制動挙動、速度挙動、およびステアリング挙動を含むことができる。各挙動は、牽引車102が、後進走行する、特定の角度で旋回する、制動する、速度を上げる、速度を下げるなどの動作を行うことを引き起こす。牽引車102が動作を行った場合、車両-トレーラーシステム100もまた動作を行う。車両制御モジュール190は、走行システム110を制御すること、より詳細には走行システム110にコマンド194を発することにより、路面にわたって任意の方向に車両-トレーラーシステム100を操縦することができる。
【0030】
制動挙動は、計画された経路182に基づいて、車両-トレーラーシステム100を停止させるか、または車両-トレーラーシステム100を減速させるために実行されてもよい。制動挙動は、牽引車102の走行システム110、例えば制動システム(図示せず)に信号もしくはコマンド194を送信し、牽引車102を停止させるか、または牽引車102の速度を低減させて、車両-トレーラーシステム100が停止もしくは減速することを引き起こす。
【0031】
速度挙動は、計画された経路182に基づいて加速か減速によって牽引車102の速度を変更するために実行されてもよい。速度挙動は、減速のために制動システム114に、または加速のために加速システム116に信号またはコマンド194を送信する。
【0032】
ステアリング挙動は、計画された経路182に基づいて、牽引車102の方向を変更するために実行されてもよい。このように、ステアリング挙動は、加速システム116に、走行システム110が方向転換することを引き起こすステアリングの角度を示す信号またはコマンド194を送信する。
【0033】
経路182に沿って走行している間、車両制御モジュール190は、車両-トレーラーシステム100の「実際の」動きに基づいて経路を調整する。障害物が識別されると、車両-トレーラーシステム100は、経路がクリアになるまで停止するか、障害物を回避するために経路182を調整する。
【0034】
図5は、
図1A~
図4Gを参照して説明したような、ユーザーインターフェース130と駐車システム150との間の例示的な通信を示している。ステップ1では、運転者は、ユーザーインターフェース130によるコマンド、例えば、ディスプレイ132上のオプションを介して、自律的な駐車の開始を駐車システム150に指示する。いくつかの例では、駐車システム150は、運転者にトレーラー104の寸法を入力するように指示することができるが、他の例では、コントローラ160が、トレーラー104の寸法を事前に決定している。ステップ2では、駐車システム150は、運転者が駐車場200周りの運転を開始するように指示するメッセージをディスプレイ132上に表示するように、ユーザーインターフェース130に指示することができる。運転者が、車両-トレーラーシステム100を駐車場200周りで運転し始めると、駐車システム150は、車両-トレーラーシステム100が移動している間、マップ162aの生成を開始し、マップ172にラベル付けする。代替的に、駐車システム150は、車両102が駐車場200周りの自律的な運転を開始することを運転者に通知することもできる。ステップ3では、駐車システム150は、カメラ122によって捕捉されたリアルタイム画像123aと、これらの画像123a内の利用可能なスポット202とを示す、生成されラベル付けされたマップ172を表示するように、ユーザーインターフェース130に指示する。いくつかの例では、運転者は、走行中にカメラビューをフロントビュー、リアビュー、左ビュー、右ビュー、トップビュー、または3Dマップビューから調整することができる。ステップ4では、運転者は、ユーザーインターフェース130を介して表示された1つ以上の駐車スペースから利用可能な位置または駐車スペース202を選択するか、または運転者が車両-トレーラーシステム100の駐車を望む任意の他の位置を選択する。駐車システム150は、この位置または駐車スペース202までの実現可能な経路182を計画し、車両-トレーラーシステム100は、この経路182の追従を開始する。いくつかの例では、駐車システム150は、自律的な駐車が開始されたことを運転者に通知するようにユーザーインターフェース130に指示する。ステップ5では、駐車システム150が経路182に沿って1つ以上の対象を識別した場合、駐車システム150は、経路182を調整するか、または自律的な運転を停止して、運転者に経路182のクリアを指示するメッセージを運転者に表示するように、ユーザーインターフェース130に指示する。いくつかの例では、対象が検出された画像123a上に警告信号が表示される。運転者が経路182をクリアにすると、次いで、運転者は、ステップ6における自律的な駐車の継続を駐車システム150に指示することができる。命令が受信されると、駐車システム150は、車両-トレーラーシステム100が選択された駐車スペースに駐車されるまで、経路182に沿って運転を継続する。運転者は、自身による経路182のクリアができないかまたはそれを望まない場合、別の選択された駐車スペースに行くように駐車システム150に指示することができる。完了すると、駐車システム150は、車両-トレーラーシステム100が駐車されたことのメッセージを運転者に提供するように、ユーザーインターフェース130に指示する。
【0035】
図6は、
図1~
図5による、トレーラー104に取り付けられた車両102を有する車両-トレーラーシステム100を自律的に駐車する方法600のための動作の例示的なパターンを示す。ブロック602では、本方法600は、車両102によって支持されるデータ処理ハードウェア(例えば、駐車システム150を実行するコントローラ140)において、車両102によって支持されるセンサシステム120から、センサシステムデータ121を受信するステップを含む。いくつかの例では、センサシステム120は、トレーラー104によっても支持される。センサシステムデータ121は、画像123aと、カメラの外在的および内在的データ123bとを有するカメラデータ123を含むことができる。画像123aは、車両-トレーラーシステム100の走行経路204に沿った周辺環境画像である。センサシステムデータ121はまた、ホイールエンコーダデータ125、加速度およびホイール角度センサデータ127、または慣性測定ユニットデータ129の少なくとも1つを含むことができる。ブロック604では、本方法600は、データ処理ハードウェア140からディスプレイ132に、当該ディスプレイ132が画像123aを表示することを引き起こす命令152を送信するステップを含む。ブロック606では、本方法600は、データ処理ハードウェア140において、センサシステムデータ121に基づき、ローカルマップ162aを決定するステップを含む。このローカルマップ162aは、車両-トレーラーシステム100の走行経路204に沿った周辺環境を含む。ブロック608において、本方法600は、データ処理ハードウェア140において、表示された画像123a(すなわち、ラベル付けされたマップ172)内で、画像位置136のユーザー選択134を受信するステップを含む。この画像位置136は、利用可能な駐車位置または駐車スペース202のような、周辺環境内の選択された位置に関連付けられたローカルマップ内の位置を表す。ブロック610では、本方法600は、データ処理ハードウェア140において、車両-トレーラーシステム100の現在の位置からローカルマップ172に基づく位置202までの駐車経路182を決定するステップを含む。ブロック612では、本方法600は、データ処理ハードウェア140から走行システム110に、車両-トレーラーシステム100が、駐車経路182に沿って自律的に走行し、選択された位置202に自律的に駐車することを引き起こす自律的な駐車挙動192を実行する命令194を送信するステップを含む。自律的な駐車挙動192は、後進駐車、並列駐車、前進駐車、または立体駐車を含むことができる。
【0036】
いくつかの例では、本方法600は、データ処理ハードウェア140において、走行経路204に沿って1つ以上の利用可能な駐車スペース202を決定するステップと、データ処理ハードウェアからディスプレイ132に、当該ディスプレイ132が画像123a内の利用可能な駐車スペースにラベル付けすることを引き起こす命令152を送信するステップとを含む。走行経路204は、駐車場200または他の領域内にあってもよい。画像位置136は、利用可能な駐車スペース202に関連付けられている。
【0037】
いくつかの実装形態では、ローカルマップ172は、点群と座標系とを有する三次元マップを含む。本方法600はまた、点群内の1つ以上の対象を識別するステップと、1つ以上の対象を、障害物、利用可能な駐車スペース、走行可能な道路のうちの1つに分類するステップとを含むことができる。
【0038】
いくつかの例では、本方法600はまた、車両が駐車経路に沿って走行している間に、1つ以上の障害物を決定するステップを含む。走行システム110に対する命令194は、駐車経路に沿って1つ以上の障害物が決定された場合に、車両-トレーラーシステムを停止する命令を含む。
【0039】
上述の駐車システム150は、車両-トレーラーシステム100に適用されているが、この駐車システム150は、トレーラー104に取り付けられていない車両102に適用されてもよい。
【0040】
本明細書で説明したシステムおよび技術の様々な実装は、デジタル電子回路、集積回路、特別に設計されたASIC(特定用途向け集積回路)、コンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、および/またはそれらの組み合わせで実現可能である。これらの様々な実装は、少なくとも1つの入力デバイスにおいてデータおよび命令を記憶システムから受信し、少なくとも1つの出力デバイスにおいてデータおよび命令を記憶システムに伝送するように結合された、特殊目的または汎用目的の少なくとも1つのプログラマブルプロセッサを含むプログラマブルシステム上で実行可能および/または解釈可能な1つ以上のコンピュータプログラムでの実装を含むことができる。
【0041】
これらのコンピュータプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、またはコードとも称される)は、プログラマブルプロセッサのための機械命令を含み、高レベルの手続言語および/またはオブジェクト指向のプログラミング言語、および/またはアセンブリ/機械言語で実装可能である。本明細書で使用される場合、「機械可読媒体」および「コンピュータ可読媒体」という用語は、機械可読信号として機械命令を受信する機械可読媒体を含め、機械命令および/またはデータをプログラマブルプロセッサに提供するために使用される任意のコンピュータプログラム製品、装置、および/またはデバイス(例えば、磁気ディスク、光ディスク、メモリ、プログラマブルロジックデバイス(PLD))を指す。「機械読取可能な信号」という用語は、機械命令および/またはデータをプログラマブルプロセッサに提供するために使用される任意の信号を指す。
【0042】
本明細書に記載される対象および機能的動作の実装は、本明細書に開示されている構造部およびその構造的等価物を含むデジタル電子回路、またはコンピュータソフトウェア、ファームウェア、もしくはハードウェアにおいて、あるいはそれらの1つ以上の組み合わせにおいて実装することができる。その上さらに、本明細書に記載されている対象は、1つ以上のコンピュータプログラム製品として、すなわち、データ処理装置によって実行するための、またはデータ処理装置の動作を制御するための、コンピュータ可読媒体上でエンコードされたコンピュータプログラム命令の1つ以上のモジュールとして実装することができる。コンピュータ可読媒体は、機械可読記憶デバイス、機械可読記憶基板、メモリデバイス、機械可読伝搬信号に影響を与える物質の組成物、またはそれらの1つ以上の組み合わせであり得る。「データ処理装置」、「コンピューティングデバイス」、および「コンピューティングプロセッサ」という用語は、例として、プログラマブルプロセッサ、コンピュータ、または複数のプロセッサもしくはコンピュータを含む、データを処理するためのすべての装置、デバイス、および機械を包含する。装置は、ハードウェアに加えて、当該コンピュータプログラムの実行環境を構築するコード、例えば、プロセッサのファームウェアを構成するコード、プロトコルスタック、データベース管理システム、オペレーティングシステム、またはそれらの1つ以上の組み合わせを含むことができる。伝搬信号とは、人工的に生成された信号、例えば、適切な受信機装置に伝送するための情報をエンコードするために生成される機械で生成された電気的、光学的、または電磁的な信号である。
【0043】
同様に、図面には動作が特定の順序で描かれているが、これは、所望の結果を達成するために、そのような動作が図示の特定の順序もしくは逐次的な順序で実行されること、あるいは図示のすべての動作が実行されることを要求するものとして理解されるべきではない。特定の状況下では、マルチタスクや並列処理が有利であってもよい。その上さらに、上述の実施形態における様々なシステム構成要素の分離は、すべての実施形態においてそのような分離が要求されるものとして理解されるべきではなく、上述のプログラム構成要素およびシステムは、一般に、単一のソフトウェア製品に一緒に統合可能であるか、または複数のソフトウェア製品にパッケージ化可能であることが理解されるべきである。
【0044】
多くの実施例を説明してきたが、それにもかかわらず、本開示の精神および範囲から逸脱することなく、様々な変更を行うことができることが理解されるであろう。したがって、他の実装は、以下の特許請求の範囲内にある。