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▶ シラグ・ゲーエムベーハー・インターナショナルの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-12
(45)【発行日】2024-07-23
(54)【発明の名称】ブレード接地機構及び代替ピン設計
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/32 20060101AFI20240716BHJP
   A61B 18/14 20060101ALI20240716BHJP
【FI】
A61B17/32 510
A61B18/14
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2021564521
(86)(22)【出願日】2020-04-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-15
(86)【国際出願番号】 IB2020053467
(87)【国際公開番号】W WO2020222055
(87)【国際公開日】2020-11-05
【審査請求日】2023-04-13
(31)【優先権主張番号】16/398,616
(32)【優先日】2019-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506157570
【氏名又は名称】シラグ・ゲーエムベーハー・インターナショナル
【氏名又は名称原語表記】Cilag GMBH International
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】コンロン・ショーン・ピー
(72)【発明者】
【氏名】バーカート・エレン
(72)【発明者】
【氏名】ルーカス・ギオン・ワイ
【審査官】川上 佳
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-167084(JP,A)
【文献】特表2017-526413(JP,A)
【文献】特表2016-540596(JP,A)
【文献】特開2005-278934(JP,A)
【文献】特開2009-82712(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/32
A61B 18/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科用器具であって、
(a)回転駆動チャネルを含む本体と、
(b)エンドエフェクタであって、
(i)超音波ブレードと、
(ii)シャフトアセンブリに移動可能に結合され、かつ前記シャフトアセンブリから遠位側に延在するクランプアームと、を含む、エンドエフェクタと、
(c)前記本体と前記エンドエフェクタとの間に延在し、長手方向軸を画定し、かつ前記本体に回転可能に結合するように構成された前記シャフトアセンブリであって、前記シャフトアセンブリが、
(i)第1のノッチを画定する表面を有し、かつ前記超音波ブレードに音響学的に結合された音響導波管と、
(ii)前記回転駆動チャネル内に受容されるように構成された回転ドライバであって、前記回転ドライバが、前記長手方向軸を中心に前記本体に対して前記シャフトアセンブリを回転させるように動作可能である、回転ドライバと、
(iii)前記回転ドライバと前記音響導波管との間に動作可能に結合され、かつ第1のキーおよび開口部を画定するドライバレンチと、を含む、シャフトアセンブリと、を備え、
前記回転ドライバは、前記ドライバレンチの前記開口部を通って挿入され、
前記音響導波管の前記第1のノッチが、前記ドライバレンチの前記第1のキーを受容し、それによって、前記長手方向軸を中心に前記本体に対して前記シャフトアセンブリを回転させるために前記音響導波管に対して前記ドライバレンチを回転可能にロックするように構成されている、外科用器具。
【請求項2】
前記ドライバレンチが、第2のキーを画定し、前記音響導波管の前記表面が、第2のノッチを画定し、前記第2のノッチが、前記第2のキーを受容し、それによって、前記長手方向軸を中心に前記本体に対して前記シャフトアセンブリを回転させるために前記音響導波管に対して前記ドライバレンチを更に回転可能にロックするように構成されている、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項3】
前記第2のノッチが、前記音響導波管の前記表面上で前記長手方向軸を中心に前記第1のノッチから角度的に反対側に位置決めされている、請求項2に記載の外科用器具。
【請求項4】
前記本体が、前記クランプアームに動作可能に結合され、かつ前記超音波ブレードに対して前記クランプアームの動きを方向付けるように構成されたクランプアクチュエータを有するハンドルアセンブリを更に含む、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項5】
前記シャフトアセンブリの少なくとも一部分が、前記ハンドルアセンブリに対して取り外し可能に結合されている、請求項4に記載の外科用器具。
【請求項6】
前記ハンドルアセンブリ又は前記本体のうちの少なくとも一方が、前記長手方向軸を中心に選択的に回転するように構成されたノブを含み、前記ノブが、前記回転ドライバに動作可能に接続され、かつ前記ノブの選択的回転時に、前記長手方向軸を中心に前記回転ドライバを回転させるように構成されている、請求項4に記載の外科用器具。
【請求項7】
前記ノブと前記回転ドライバとの間に接続され、かつ回転中に前記ノブから前記回転ドライバにトルクを伝達するように構成されたトルククリップを更に備える、請求項6に記載の外科用器具。
【請求項8】
前記回転ドライバが、前記回転駆動チャネル内で前記長手方向軸の周りを完全に回転するように構成されている、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項9】
前記シャフトアセンブリが、
(i)外管と、
(ii)前記外管内に位置決めされた内管であって、前記内管を通って位置決めされた前記音響導波管を受容するように構成された、内管と、を更に含み、
前記外管及び前記内管が、互いに対して並進して、前記クランプアームを前記超音波ブレードに対して移動させるように構成されている、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項10】
前記内管及び前記音響導波管は、前記外管が前記内管、前記音響導波管、及び前記本体に対して並進するように構成されるように、前記本体に固定されている、請求項9に記載の外科用器具。
【請求項11】
前記内管が、前記内管を通って延在する第1の開口部を有し、前記第1のキーが、前記音響導波管の前記第1のノッチに隣接する前記内管の前記第1の開口部を通って延在するように構成されている、請求項9に記載の外科用器具。
【請求項12】
前記ドライバレンチが、前記内管の周りに配設されている、請求項11に記載の外科用器具。
【請求項13】
前記内管が、前記内管を通って延在する第2の開口部を有し、前記ドライバレンチが、第2のキーを画定し、前記音響導波管の前記表面が、第2のノッチを画定し、前記第2のノッチが、前記第2のキーを受容し、それによって、前記長手方向軸を中心に前記本体に対して前記シャフトアセンブリを回転させるために前記音響導波管に対して前記ドライバレンチを更に回転可能にロックするように構成され、前記第2のキーが、前記音響導波管の前記第2のノッチに隣接する前記内管の前記第2の開口部を通って延在するように構成されている、請求項12に記載の外科用器具。
【請求項14】
前記第2のノッチが、前記音響導波管の前記表面上で前記長手方向軸を中心に前記第1のノッチから角度的に反対側に位置決めされている、請求項13に記載の外科用器具。
【請求項15】
前記ドライバレンチが、前記回転ドライバと前記音響導波管との間に位置決めされ、それによって、前記回転ドライバが前記音響導波管と直接接触することを阻止する、請求項11に記載の外科用器具。
【請求項16】
外科用器具であって、
(a)本体と、
(b)エンドエフェクタであって、
(i)超音波ブレードと、
(ii)シャフトアセンブリに移動可能に結合され、かつ前記シャフトアセンブリから遠位側に延在するクランプアームと、を含む、エンドエフェクタと、
(c)前記本体と前記エンドエフェクタとの間に延在し、長手方向軸を画定し、かつ前記本体に回転可能に結合するように構成された前記シャフトアセンブリであって、前記シャフトアセンブリが、
(i)第1のノッチ及び第2のノッチを画定する音響導波管と、
(ii)前記長手方向軸を中心に前記本体に対して前記シャフトアセンブリを回転させるように構成された回転ドライバと、
(iii)前記回転ドライバ及び前記音響導波管に動作可能に結合されたドライバレンチであって、前記ドライバレンチが、第1のキー第2のキー、及び開口部を画定する、ドライバレンチと、を含む、シャフトアセンブリと、を備え、
前記回転ドライバは、前記ドライバレンチの前記開口部を通って挿入され、
前記第1のキー及び前記第2のキーが、前記第1のノッチ及び前記第2のノッチ内にそれぞれ受容され、それによって、前記長手方向軸を中心に前記本体に対して前記シャフトアセンブリを回転させるために前記音響導波管に対して前記ドライバレンチを回転可能にロックする、外科用器具。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
様々な外科用器具が、組織を(例えば、組織細胞内のタンパク質を変性させることにより)切断及び/又は封止するために、超音波周波数で振動するブレード素子を有するエンドエフェクタを含む。これらの器具は、電力を超音波振動へと変換する1つ又は2つ以上の圧電素子を含んでおり、これらの振動は、音響導波管に沿ってブレード素子へと伝達される。切断及び凝固の精度は、操作者の技術により、並びに電力レベル、ブレードエッジ角度、組織牽引、及びブレード圧力を調節することにより、制御され得る。ブレード要素を駆動するために使用される電力レベルは、組織インピーダンス、組織の温度、組織の厚み及び/又は他の要因などの感知されたパラメータに基づいて、(例えば、リアルタイムで)変化させてもよい。器具の中には、組織をブレード要素で把持するためのクランプアーム及びクランプパッドを有するものがある。
【0002】
超音波外科用器具の例としては、HARMONIC ACE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC WAVE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC FOCUS(登録商標)Ultrasonic Shears、及びHARMONIC SYNERGY(登録商標)Ultrasonic Bladesが挙げられ、これらはいずれもEthicon Endo-Surgery,Inc.(Cincinnati,Ohio)製である。そのような装置及び関連する概念の更なる例は、その開示が本明細書に参照により組み込まれる、米国特許第5,322,055号、名称「Clamp Coagulator/Cutting System for Ultrasonic Surgical Instruments」(1994年6月21日発行)、その開示が本明細書に参照により組み込まれる、米国特許第5,873,873号、名称「Ultrasonic Clamp Coagulator Apparatus Having Improved Clamp Mechanism」(1999年2月23日発行)、その開示が本明細書に参照により組み込まれる、米国特許第5,980,510号、名称「Ultrasonic Clamp Coagulator Apparatus Having Improved Clamp Arm Pivot Mount」(1997年10月10日出願)、その開示が本明細書に参照により組み込まれる、米国特許第6,325,811号、名称「Blades with Functional Balance Asymmetries for use with Ultrasonic Surgical Instruments」(2001年12月4日発行)、その開示が本明細書に参照により組み込まれる、米国特許第6,773,444号、名称「Blades with Functional Balance Asymmetries for Use with Ultrasonic Surgical Instruments」(2004年8月10日発行)、その開示が本明細書に参照により組み込まれる、米国特許第6,783,524号、名称「Robotic Surgical Tool with Ultrasound Cauterizing and Cutting Instrument」(2004年8月31日発行)、その開示が本明細書に参照により組み込まれる、米国特許第8,461,744号、名称「Rotating Transducer Mount for Ultrasonic Surgical Instruments」(2013年6月11日発行)、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第8,591,536号、名称「Ultrasonic Surgical Instrument Blades」(2013年11月26日発行)、及びその開示が本明細書に参照により組み込まれる、米国特許第8,623,027号、名称「Ergonomic Surgical Instruments」(2014年1月7日発行)、その開示が本明細書に参照により組み込まれる、米国特許第8,911,460号、名称「Ultrasonic Surgical Instruments」(2014年12月16日発行)、及びその開示が本明細書に参照により組み込まれる、米国特許第9,023,071号、名称「Ultrasonic Device for Fingertip Control」(2015年5月5日発行)に開示されている。
【0003】
超音波外科用器具の依然として更なる例は、その開示が本明細書に参照により組み込まれる、米国特許公開第2006/0079874号、名称「Tissue Pad for Use with an Ultrasonic Surgical Instrument」(2006年4月13日公開)、その開示が本明細書に参照により組み込まれる、米国特許出願公開第2007/0191713号、名称「Ultrasonic Device for Cutting and Coagulating」(2007年8月16日公開)、その開示が本明細書に参照により組み込まれる、米国特許出願公開第2007/0282333号、名称「Ultrasonic Waveguide and Blade」(2007年12月6日公開)、その開示が本明細書に参照により組み込まれる、米国特許出願公開第2008/0200940号、名称「Ultrasonic Device for Cutting and Coagulating」(2008年8月21日公開)、及びその開示が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第9,023,071号、名称「Ultrasonic Device for Fingertip Control」(2015年5月5日発行)に開示されている。
【0004】
いくつかの超音波外科用器具は、その開示が本明細書に参照により組み込まれる、米国特許第9,381,058号、名称「Recharge System for Medical Devices」(2016年7月5日発行)、その開示が本明細書に参照により組み込まれる、米国特許出願公開第2012/0116265号、名称「Surgical Instrument with Charging Devices」(2012年5月10日公開)、及び/又はその開示が本明細書に参照により組み込まれる、米国特許出願第61/410,603号、名称「Energy-Based Surgical Instruments」(2010年11月5日出願)に開示されているもののような、コードレストランスデューサを含んでよい。
【0005】
追加的に、いくつかの超音波外科用器具は、関節接合シャフト部分を含み得る。そのような超音波外科用器具の例は、その開示が本明細書に参照により組み込まれる、米国特許第9,393,037号、名称「Surgical Instruments with Articulating Shafts」(2016年7月19日発行)、及びその開示が本明細書に参照により組み込まれる、米国特許第9,095,367号、名称「Flexible Harmonic Waveguides/Blades for Surgical Instruments」(2015年8月4日発行)に開示されている。
【0006】
いくつかの器具は、組織に高周波(radiofrequency、RF)電気外科エネルギーを印加することによって組織を封止するように動作可能である。RFエネルギーを組織に印加することによって組織を密封するように動作可能である手術器具の実施例は、Ethicon Endo-Surgery Inc.(Cincinnati,Ohio)によるENSEAL(登録商標)Tissue Sealing Deviceである。そのような装置及び関連する概念の更なる実施例は、以下の文献に開示されている:その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2002年12月31日発行の「Electrosurgical Systems and Techniques for Sealing Tissue」と題された米国特許第6,500,176号;その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2006年9月26日発行の「Electrosurgical Instrument and Method of Use」と題された米国特許第7,112,201号;その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2006年10月24日発行の「Electrosurgical Working End for Controlled Energy Delivery」と題された米国特許第7,125,409号;その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2007年1月30日発行の「Electrosurgical Probe and Method of Use」と題された米国特許第7,169,146号;その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2007年3月6日発行の「Electrosurgical Jaw Structure for Controlled Energy Delivery」と題された米国特許第7,186,253号;その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2007年3月13日発行の「Electrosurgical Instrument」と題された米国特許第7,189,233号;その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2007年5月22日に発行された米国特許第7,220,951号、名称「Surgical Sealing Surfaces and Methods of Use」、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2007年12月18日発行の「Polymer Compositions Exhibiting a PTC Property and Methods of Fabrication」と題された米国特許第7,309,849号;その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2007年12月25日発行の「Electrosurgical Instrument and Method of Use」と題された米国特許第7,311,709号;その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2008年4月8日発行の「Electrosurgical Instrument and Method of Use」と題された米国特許第7,354,440号;その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2008年6月3日発行の「Electrosurgical Instrument」と題された米国特許第7,381,209号。
【0007】
いくつかの器具は、組織に超音波エネルギー及びRF電気外科エネルギーの両方を印加可能である。そのような器具の実施例は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2018年4月24日発行の「Ultrasonic Surgical Instrument with Electrosurgical Feature」と題された米国特許第9,949,785号、及びその開示が参照により本明細書に組み込まれる、2014年3月4日発行の「Ultrasonic Electrosurgical Instruments」と題された米国特許第8,663,220号に記載されている。
【0008】
いくつかの外科用器具及びシステムが作製され使用されてきたが、本発明者らよりも以前に、添付の特許請求の範囲に記載する本発明を作製又は使用した者は存在しない、と考えられている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本明細書は、本技術を具体的に指摘し、かつ明確にこの技術を特許請求する、特許請求の範囲により完結するが、本技術は、以下のある特定の実施例の説明を添付図面と併せ読むことでよりよく理解されるものと考えられ、図面において同様の参照符号は同じ要素を特定する。
図1】第1の例示的な超音波外科用器具の側面立面図を示す。
図2】ハンドルアセンブリ、シャフトアセンブリ、及びエンドエフェクタを有する第2の例示的な超音波外科用器具の斜視図を示す。
図3図2の超音波外科用器具の斜視図を示し、ただし、再利用可能な部分から分離された使い捨て部分を示している。
図4】第3の例示的な超音波外科用器具の拡大斜視図を示し、これは、図3の超音波外科用器具の使い捨て部分の変形とともに使用され得、より明確にするために、ハウジング囲い部分を取り外した状態で示されている。
図5】より明確にするために、回転ノブ、トルククリップ、内側回転ノブドライバ、及び結合特徴を取り外した状態での、図4の超音波外科用器具の拡大斜視図を示す。
図6A図4の切断線6A-6Aに沿って切り取られた、図4の超音波外科用器具のシャフトアセンブリ回転システムの拡大断面図を示し、第1の回転位置に回転したガイドピンの第1の例を示している。
図6B図6Aと同様のシャフトアセンブリ回転システムの拡大断面図を示し、ただし、第1の回転位置から第2の回転位置に回転したガイドピンを示している。
図7図6Aのガイドピンの正面図を示す。
図8図7の切断線8-8に沿って切り取られた、図7のガイドピンの断面図を示す。
図9】ガイドピンの第2の例の正面図を示す。
図10図9の切断線10-10に沿って切り取られた、図9のガイドピンの断面図を示す。
図11】第4の例示的な超音波外科用器具の拡大斜視図を示し、これは、図3の超音波外科用器具の使い捨て部分の変形とともに使用され得、より明確にするために、ハウジング囲い部分を取り外した状態で示されている。
図12】より明確にするために、回転ノブを隠した状態での、図11の超音波外科用器具の拡大斜視図を示す。
図13】より明確にするために、回転ノブ及びトルククリップを取り外し、内側回転ノブドライバを隠した状態での、図11の超音波外科用器具の拡大斜視図を示す。
図14】より明確にするために、回転ノブ、トルククリップ、内側回転ノブドライバを取り外し、外管差込みピンを隠した状態での、図11の超音波外科用器具の拡大斜視図を示す。
図15】より明確にするために、回転ノブ、トルククリップ、内側回転ノブドライバ、外管差込みピン、ドライバレンチ、回転ドライバ、外管、及び内管を取り外した状態での、図11の超音波外科用器具の拡大斜視図を示す。
図16図12の切断線16-16に沿って切り取られた、図11の超音波外科用器具のシャフトアセンブリ回転システムの断面斜視図を示す。
図17図11の超音波外科用器具の音響導波管の拡大斜視図を示す。
図18図11の超音波外科用器具の内管の拡大斜視図を示す。
図19図11の超音波外科用器具のドライバレンチの上部斜視図を示す。
図20図19の超音波外科用器具のドライバレンチの下部斜視図を示す。
図21図11の超音波外科用器具の回転ドライバの斜視図を示す。
図22図11の超音波外科用器具の外管差込みピンの斜視図を示す。
図23図11の超音波外科用器具の内側回転ノブドライバの斜視図を示す。
図24】音響導波管、内管、ドライバレンチ、及び回転ドライバを含む、図11の超音波外科用器具のシャフトアセンブリ回転システムの少なくとも部分の部分分解組立斜視図を示す。
図25A図13の切断線25A-25Aに沿って切り取られた、図11の超音波外科用器具のシャフトアセンブリ回転システムの拡大断面図を示し、第1の回転位置に回転したシャフトアセンブリを示している。
図25B図25Aと同様のシャフトアセンブリ回転システムの拡大断面図を示し、ただし、第1の回転位置から第2の回転位置に回転したシャフトアセンブリを示している。
【0010】
図面は、いかなる方法でも限定することを意図しておらず、本技術の様々な実施形態は、図面に必ずしも描写されていないものを含め、その他の様々な方法で実施し得ることが企図される。本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を成す添付の図面は、本技術のいくつかの態様を示しており、その説明とともに本技術の原理を説明するのに役立つものであるが、本技術は、示される厳密な配置に限定されないことが理解される。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本技術の特定の実施例の以下の説明は、その範囲を限定する目的で用いられるべきではない。本技術の他の実施例、特徴、態様、実施形態、及び利点は、実例として、本技術を実施する上で想到される最良の態様の1つである以下の説明により、当業者には明らかとなるであろう。理解されるように、本明細書に記載される技術は、いずれもその技術から逸脱することなく、その他の異なる、かつ明らかな態様が可能である。したがって、図面及び説明は、限定的な性質のものではなく、例示的な性質のものとみなされるべきである。
【0012】
本明細書に記載される教示、表現、実施形態、実施例などの任意の1つ又は2つ以上のものを、本明細書に記載される他の教示、表現、実施形態、実施例などの任意の1つ又は2つ以上のものと組み合わせることができる点も、更に理解されよう。したがって、以下に記載される教示、表現、実施形態、実施例などは、互いに対して切り離して考慮されるべきではない。本明細書の教示に照らして、本明細書の教示を組み合わせることができる様々な好適な方法が、当業者には容易に明らかとなろう。かかる改変及び変形は、「特許請求の範囲」内に含まれるものとする。
【0013】
本開示の明瞭さのために、「近位」及び「遠位」という用語は、人間又はロボットである外科用器具の操作者に対して、本明細書で定義される。「近位」という用語は、人間又はロボットである外科用器具の操作者により近く、かつ、外科用器具の外科用エンドエフェクタから更に離れた要素の位置を意味する。「遠位」という用語は、外科用器具の外科用エンドエフェクタにより近く、かつ、人間又はロボットである外科用器具の操作者から更に離れた要素の位置を意味する。
【0014】
I.RFエネルギー一体型の例示的な超音波手術器具
図1は、例示的な超音波外科用器具(100)を示す。器具(100)の少なくとも一部は、本明細書に引用されている特許文献のうちのいずれかの教示の少なくともいくつかに従って構築され、かつ動作可能であり得る。本明細書に記載され、以下に更に詳細に説明されているように、器具(100)は、実質的に同時に、組織を切断し、かつ組織(例えば、血管など)を密封又は溶着するように動作可能である。器具(100)はまた、HARMONIC ACE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC WAVE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC FOCUS(登録商標)Ultrasonic Shears、及び/又はHARMONIC SYNERGY(登録商標)Ultrasonic Bladesとの様々な構造上及び機能的類似性を有し得ることも理解されたい。
【0015】
本例の器具(100)は、ハンドルアセンブリ(120)などの本体、シャフトアセンブリ(130)、及びエンドエフェクタ(140)を備える。ハンドルアセンブリ(120)は、ハウジング(122)、ピストル形グリップ(124)、及び一対のボタン(125、126)を含む。ハンドルアセンブリ(120)はまた、クランプアクチュエータ(128)も含み、これは、ピストル形グリップ(124)に向かって、及びそれから離れるように枢転可能である引き金に類似し得る。しかしながら、はさみグリップ構成が挙げられるがこれに限定されない、様々な他の好適な構成が使用され得ることを理解されたい。エンドエフェクタ(140)は、超音波ブレード(160)及び枢転クランプアーム(144)を含む。クランプアーム(144)は、クランプアクチュエータ(128)に結合され、その結果、クランプアーム(144)は、ピストル形グリップ(124)に向かうクランプアクチュエータ(128)の枢転に応答して、超音波ブレード(160)に向かって枢転可能であり、かつその結果、クランプアーム(144)は、ピストル形グリップ(124)から離れるようなクランプアクチュエータ(128)の枢転に応答して、超音波ブレード(160)から離れるように枢転可能である。クランプアーム(144)がクランプアクチュエータ(128)に結合され得る様々な好適な方法が、本明細書に引用されている様々な特許文献に開示されており、クランプアーム(144)がクランプアクチュエータ(128)に結合され得る更なる好適な方法が、本明細書の教示に鑑みて、当業者に明らかになるであろう。いくつかの変形形態では、1つ又は2つ以上の弾性部材を使用して、クランプアーム(144)及び/又はクランプアクチュエータ(128)を、図1に示す開放位置に付勢させる。更に、いくつかの変形形態では、回転ノブ(154)を使用して、シャフトアセンブリ(130)の中心線によって画定される長手方向軸を中心にシャフトアセンブリ(130)及びエンドエフェクタ(140)を回転させる。
【0016】
本例では、超音波トランスデューサアセンブリ(112)が、ハウジング(122)から近位方向に延在する。いくつかの他の変形形態では、トランスデューサアセンブリ(112)は、ハウジング(122)内に完全に一体化される。トランスデューサアセンブリ(112)は、ケーブル(114)を介して発生器(116)に結合されている。トランスデューサアセンブリ(112)は、発生器(116)から電力を受け取り、当技術分野では既知であるように、圧電式原理を介して、その電力を超音波振動に変換する。発生器(116)は、コントローラ(118)と協働して、トランスデューサアセンブリ(112)を介した超音波振動の生成に特に適切である電力プロファイルをトランスデューサアセンブリ(112)に提供する。コントローラ(118)は、図1において、発生器(116)とは別個であるボックスによって表現されているが、コントローラ(118)及び発生器(116)は、単独のユニットに一緒に統合化されてもよい。単なる例として、発生器(116)は、Ethicon Endo-Surgery,Inc.(Cincinnati,Ohio)より販売されているGEN04又はGEN11を含んでもよい。加えて、又は別の方法で、発生器(116)は、その開示が本明細書に参照により組み込まれる、米国特許第8,986,302号、名称「Surgical Generator for Ultrasonic and Electrosurgical Devices」(2015年3月24日発行)の教示のうちの少なくともいくつかに従って構築されてもよい。更に、発生器(116)の機能の少なくとも一部をハンドルアセンブリ(120)に組み込むことができ、また、ハンドルアセンブリ(120)は更に電池又はその他の搭載された電源を含むことでケーブル(114)を省略することができるということも理解されたい。発生器(116)が取り得る更に他の好適な形態、並びに発生器(116)が提供し得る様々な特徴及び動作性は、本明細書の教示に鑑みて、当業者にとって明らかであろう。
【0017】
本例のエンドエフェクタ(140)は、クランプアーム(144)と、超音波ブレード(160)と、を含む。クランプアーム(144)は、ブレード(160)に面する、クランプアーム(144)の裏面に固定されているクランプパッド(図示せず)を含む。単なる例として、クランプパッド(図示せず)は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)材料、及び/又は任意の他の好適な材料から形成され得る。更に単なる例として、クランプパッド(図示せず)は、その開示が本明細書に参照により組み込まれる、米国特許第7,544,200号、名称「Combination Tissue Pad for Use with an Ultrasonic Surgical Instrument」(2009年6月9日発行)の教示のうちの少なくともいくつかに従って更に構築され、かつ動作可能であってもよい。
【0018】
クランプアーム(144)は、クランプアクチュエータ(128)がピストル形グリップ(124)に向かって枢転することに応答して、ブレード(160)に向かって、及びそれから離れるように選択的に枢転して、クランプアーム(144)とブレード(160)との間に組織を選択的にクランプするように動作可能である。本例のブレード(160)は、特に組織がクランプアーム(144)とブレード(160)との間にクランプされているときに、超音波周波数で振動して、組織を効果的に切断及び密封するように動作可能である。ブレード(160)は、ブレード(160)を振動させるための音響導波管(図示せず)及びトランスデューサアセンブリ(112)を含む音響ドライブトレインの遠位端に位置付けられている。単なる例として、音響導波管及びブレード(160)は、Ethicon Endo-Surgery,Inc.(Cincinnati,Ohio)により製品コードSNGHK及びSNGCBとして販売されている構成要素を含んでもよい。更に単なる例として、音響導波管及びブレード(160)は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2002年7月23日発行の「Ultrasonic Surgical Blade with Improved Cutting and Coagulation Features」と題された米国特許第6,423,082号の教示に従って構築され、かつ動作可能であり得る。別の単なる例示的な例として、音響導波管及びブレード(160)は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、1994年6月28日発行の「Ultrasonic Scalpel Blade and Methods of Application」と題された米国特許第5,324,299号の教示に従って構築され、かつ動作可能であり得る。音響導波管及びブレード(160)に使用され得る他の好適な特性及び構成は、本明細書の教示を考慮すれば当業者には明らかとなるであろう。
【0019】
本例では、ブレード(160)の遠位端は、可撓性の音響導波管を通って伝達された共振超音波振動に関連付けられる波腹に対応する位置に設置されて、音響アセンブリが組織によって詰め込まれていないときに、その音響アセンブリを好ましい共振周波数fに同調させる。トランスデューサアセンブリ(112)が通電されると、ブレード(160)の遠位端は、例えば、50kHz又は55.5kHzの所定の振動周波数fで、例えば、ピーク間で約10~500マイクロメートルの範囲、いくつかの実例では約20~約200マイクロメートルの範囲で、長手方向に運動するように構成されている。本例のトランスデューサアセンブリ(112)が作動されると、これらの機械的な振動が導波管を通じて伝達されてブレード(160)に到達し、その結果、共振超音波周波数でのブレード(160)の振動がもたらされる。したがって、組織がブレード(160)とクランプアーム(144)との間に固定される場合、ブレード(160)の超音波振動が、組織の切断及び隣接した組織細胞におけるタンパク質の変性を同時に行い、それにより、比較的小さい熱拡散で凝固効果が提供され得る。いくつかの変形形態では、電流がまた、ブレード(160)及びクランプアーム(144)を通って提供され、組織を焼灼することもできる。例えば、ブレード(160)及びクランプアーム(144)は、超音波エネルギーを組織に印加するように構成されていることに加え、無線周波数(RF)電気外科エネルギーを組織に印加するように構成されてもよい。
【0020】
本例のエンドエフェクタ(140)は、クランプアーム(144)とブレード(160)との間に捕捉された組織に無線周波数(RF)電気外科エネルギーを印加するように更に動作可能である。単なる実施例として、エンドエフェクタ(140)は、患者に固定される従来の接地パッドと協働する単一電極を含み得、それにより、エンドエフェクタ(140)が組織に単極RF電気外科エネルギーを印加するようになっている。別の単なる例示的な実施例として、クランプアーム(144)は、組織に双極RF電気外科エネルギーを印加するように動作可能な2つの電極を含み得る。更に別の単なる例示的な実施例として、クランプアーム(144)は、単一電極を含み得、超音波ブレード(160)は、帰還路として機能し得、それにより、超音波ブレード(160)がクランプアーム(144)の電極と協働して、組織に双極RF電気外科エネルギーを印加するようになっている。前述に加えて、又は別の方法として、エンドエフェクタ(140)は、その開示が本明細書に参照により組み込まれる、米国特許第8,663,220号、名称「Ultrasonic Electrosurgical Instruments」(2014年3月4日発行)の教示のうちの少なくともいくつかに従って構築され、かつ動作可能であり得る。本明細書の教示を考慮することで、他の好適な配置が、当業者に明らかになるであろう。
【0021】
器具(100)は、操作者に、エンドエフェクタ(140)を介して組織に超音波エネルギーのみ、エンドエフェクタ(140)を介して組織にRF電気外科用エネルギーのみ、又はエンドエフェクタ(140)を介して組織に超音波エネルギー及びRF電気外科用エネルギーのいくつかの組み合わせを選択的に印加するための様々な方法を提供することができる。エンドエフェクタ(140)が組織に超音波エネルギー及びRF電気外科エネルギーの組み合わせを印加するように動作可能な変形例では、エンドエフェクタ(140)は、組織に超音波エネルギー及びRF電気外科エネルギーを同時に印加するように構成され得る。加えて、又は別の方法として、エンドエフェクタ(140)が組織に超音波エネルギー及びRF電気外科用エネルギーの組み合わせを印加するように動作可能である変形形態では、エンドエフェクタ(140)は、ある順序に従って超音波エネルギー及びRF電気外科用エネルギーを組織に印加するように構成され得る。そのような順序は、所定であってもよいか、又は検知された組織状態(例えば、組織温度、密度、厚さなど)に基づいてもよい。使用することができる様々な好適な制御アルゴリズムが、その開示が本明細書に参照により組み込まれる、米国特許第9,949,785号、名称「Ultrasonic Surgical Instrument with Electrosurgical Feature」(2018年4月24日発行)に開示されている。超音波エネルギー及びRF電気外科用エネルギーの制御はまた、その開示が本明細書に参照により組み込まれる、米国特許第8,663,220号、名称「Ultrasonic Electrosurgical Instruments」(2014年3月4日発行)の教示のうちの少なくともいくつかに従って提供され得ることも理解されたい。
【0022】
ボタン(125、126)は、エンドエフェクタ(140)を介して組織に印加されるエネルギーの様々な制御を操作者に提供してもよい。例えば、いくつかの変形形態では、ボタン(125)は、RF電気外科エネルギーを組織に印加するために作動され得るが、ボタン(126)は、超音波エネルギーを組織に印加するために作動され得る。別の単なる例示的な例として、ボタン(125)は、(例えば、RF電気外科エネルギーも組織に印加することなく、RF電気外科エネルギーを組織に同時に印加することなく、又は超音波エネルギーとともに順番にRF電気外科エネルギーを組織に印加することなく)超音波エネルギーを低電力レベルで組織に印加するように作動され得、その一方、ボタン(126)は、(例えば、RF電気外科エネルギーも組織に印加することなく、RF電気外科エネルギーを組織に同時に印加することなく、又は超音波エネルギーと共に順番にRF電気外科エネルギーを組織に印加することなく)超音波エネルギーを高電力レベルで組織に印加するように作動され得る。加えて、又は別の方法として、ボタン(125、126)は、その開示が本明細書に参照により組み込まれる、米国特許第9,949,785号、名称「Ultrasonic Surgical Instrument with Electrosurgical Feature」(2018年4月24日発行)の教示のうちの少なくともいくつかに従って、機能性を提供することができる。ボタン(125、126)が器具(100)の動作を提供することができる他の好適な方法は、本明細書の教示に鑑みて、当業者にとって明らかであろう。
【0023】
II.再利用可能及び使い捨て可能な構成要素の組み合わせを有する例示的な超音波外科用器具
いくつかの事例では、使い捨て可能である(例えば、1つの外科手技のみで使用するように構成された)構成要素と、再利用可能である(例えば、外科手技の間に再処理及び滅菌などを行うことを条件に、2つ以上の外科手技で使用するように構成された)構成要素との組み合わせによって形成される、器具(100)の変形形態を提供することが望ましい場合がある。単なる例として、外科用器具の使い捨て可能及び再利用可能な構成要素を一緒に組み立て、外科手技前に外科用器具を形成することができ、次いで、組み立てられた外科用器具を使用して、外科手技を実行し、その後、外科手技が完了した後に外科用器具の使い捨て可能及び再利用可能な構成要素を分解することができる。外科用器具構成要素の中で、使い捨て可能/再利用可能である使い分けを提供することにより、完全に使い捨て可能なユニットとして提供される従来の計装と比較して、コスト及び全体的な廃棄物の低減が提供され得る。
【0024】
図2~3は、超音波外科用器具(200)の形態での器具(100)の例示的な変形を示す。特段以下に説明されている場合を除き、超音波外科用器具(200)は、上述した器具(100)と正に同様に、かつ/又は本明細書に引用されている様々な特許文献の様々な教示のうちのいずれかに従って構成されてもよく、及び動作可能であってもよい。外科用器具(200)は、使い捨て可能及び再利用可能な構成要素に簡単に分解されるように構成されている。特に、この例の外科用器具(200)は、再利用可能なアセンブリ(204)及び部分的に使い捨て可能なアセンブリ(202)を含む。完全に組み立てられると、外科用器具(200)は、超音波ブレード(260)及びクランプアーム(214)を含むエンドエフェクタ(220)を提供し、そのクランプアームは、超音波ブレード(260)に向かったり、かつそれから離れたりするように枢転可能である。したがって、エンドエフェクタ(220)は、本明細書に記載されているように、及び本明細書に引用されている様々な参考文献に記載されているように、組織を把持し、超音波を使って密封し、かつ超音波を使って切断するように動作可能である。
【0025】
再利用可能なアセンブリ(204)は、超音波トランスデューサ(208)を含み、これは、本明細書に記載されているように、及び本明細書に引用されている様々な参考文献に記載されているように、電力を超音波振動に変換するように動作可能である。超音波トランスデューサ(208)は、図3に示されている部分の一部である音響導波管(234)を介して超音波ブレード(260)に音響学的に結合されている。超音波トランスデューサ(208)、超音波ブレード(260)、及び音響導波管(234)は、本明細書に引用されている様々な参考文献のうちのいずれかの教示に従って、又は任意の他の好適な方式に従って、構成することができることを理解されたい。
【0026】
本例のシャフトアセンブリ、又は部分的に使い捨て可能なアセンブリ(202)は、使い捨て可能なサブアセンブリ(210)及び再利用可能なサブアセンブリ(230)を含む。サブアセンブリ(210、230)は、一緒に結合されるように構成され、部分的に使い捨て可能なアセンブリ(202)を形成し、その後、この部分的に使い捨て可能なアセンブリは、完全な超音波外科用器具(200)を形成するために、再利用可能なアセンブリ(204)に結合され得る。図3に示すように、使い捨て可能なサブアセンブリ(210)は、外管(212)を含む。クランプアーム(214)は、遠位側に突き出る、外管(212)の舌状のものに枢転可能に結合されている。結合部材(216)が、外管(212)の近位端にしっかりと固定されている。使い捨て可能なサブアセンブリ(210)は、遠位内管部材(図示せず)を更に含み、それは、外管(212)の遠位端内に、スライド可能にかつ同軸方向に配設されている。この遠位内管部材はまた、遠位側に突き出る、遠位内管部材の舌状のものを介して、クランプアーム(214)に枢転可能に結合されている。したがって、外管(212)が遠位内管部材に対して長手方向に並進するときに、クランプアーム(214)は、超音波ブレード(260)に向かったり、及びそれから離れたりするように枢転するであろう。
【0027】
本例の再利用可能なサブアセンブリ(230)は、ハンドルアセンブリ(240)、近位内管(232)、音響導波管(234)、及び超音波ブレード(260)を含む。近位内管(232)は、サブアセンブリ(210、230)が一緒に組み立てられるときに、最初に、使い捨て可能なサブアセンブリ(210)の遠位内管部材(図示せず)に取り外し可能に結合するように構成されている。近位内管(232)が使い捨て可能なサブアセンブリ(210)の遠位内管部材(図示せず)に結合されるとき、内管(232)は、ハンドルアセンブリ(240)に対して長手方向に静止したままである。
【0028】
ハンドルアセンブリ(240)などの本体は、ピストル形グリップ(244)を画定するハウジング(242)を含む。ハンドルアセンブリ(240)は、ピストル形グリップ(244)に向かったり、及びそれから離れたりするように枢転可能であるクランプアクチュエータ(246)、及び一対のボタン(250、252)を更に含む。ボタン(250、252)は、超音波トランスデューサ(208)を起動させ、それによって超音波ブレード(260)を起動させるように動作可能である。具体的には、一方のボタン(250)は、一方の電力レベル又はプロファイルで超音波ブレード(260)の起動を提供することになり、一方で、他方のボタン(252)は、別の電力レベル又はプロファイルで超音波ブレード(260)の起動を提供することになる。当然ながら、任意の他の好適なユーザー入力機構が使用されてもよい。ハンドルアセンブリ(240)はまた、エンドエフェクタ(220)においてRF電気外科エネルギーを起動するように動作可能である特徴を含むように修正され得る(例えば、上述したボタン(125)のように)ことも理解されたい。
【0029】
クランプアクチュエータ(246)は、クランプアーム(214)を起動させるように動作可能であり、その結果、クランプアーム(214)は、クランプアクチュエータ(246)がピストル形グリップ(244)に向かって枢転されるときに、超音波ブレード(260)に向かって枢転することになり、及びその結果、クランプアーム(214)は、クランプアクチュエータ(246)がピストル形グリップ(244)から離れるように枢転されるときに、超音波ブレード(260)から離れるように枢転することになる。本例では、この動きは、クランプアクチュエータ(246)の枢転する動きに応答して、ハウジング(242)に対して長手方向に外管(212)を並進させることによって提供され、これに対して、内管(232)は、ハウジング(242)に対して長手方向に静止したままである。外管(212)がクランプアクチュエータ(246)の枢転する動きに応答して長手方向に並進され得る様々な好適な方法は、本明細書の教示に鑑みて、当業者にとって明らかであろう。いくつかの代替的な変形形態では、クランプアーム(214)はまた、外管(212)がハウジング(242)に対して長手方向に静止した状態を維持しながら、ハウジング(242)に対して長手方向に内管(232)を並進させることによって枢転されることも理解されたい。
【0030】
図2~3に示すように、本例のハンドルアセンブリ(240)は、回転ノブ(254)を更に含む。回転ノブ(254)は、ハウジング(242)に対して回転可能である。器具(200)が完全に組み立てられると、回転ノブ(254)は、音響導波管(234)、内管(232)、及び外管(212)に結合され、その結果、これらの構成要素は、ハウジング(242)に対して集団で一緒に回転することになる。回転ノブ(254)はまた、使い捨て可能なサブアセンブリ(210)が再利用可能なサブアセンブリ(230)に結合されているときに、使い捨て可能なサブアセンブリ(210)への誘導を提供する。単なる例として、回転ノブ(254)は、本明細書に引用されている様々な参考文献のうちのいずれかの教示に従って、構成されてもよく、及び動作可能であってもよい。
【0031】
超音波外科用器具(200)が外科手技で使用された後、再利用可能なアセンブリ(204)は、部分的に使い捨て可能なアセンブリ(202)から取り外され得る。再利用可能なアセンブリ(204)が部分的に使い捨て可能なアセンブリ(202)から取り外された後、次いで、使い捨て可能なサブアセンブリ(210)は、再利用可能なサブアセンブリ(230)から取り外される。次いで、再利用可能なアセンブリ(204)、使い捨て可能なサブアセンブリ(210)、及び再利用可能なサブアセンブリ(230)は、異なる種類の処理を受けることができる。そのような一連の処理の例は、以下に説明され、これに対して、他の例は、本明細書の教示に鑑みて、当業者にとって明らかであろう。
【0032】
いくつかの事例では、再利用可能なアセンブリ(204)は、100回まで洗浄、滅菌、及び再使用され得る(単なる例として)。使い捨て可能なサブアセンブリ(210)は、直ちに配設され得、その結果、使い捨て可能なサブアセンブリ(210)は、1つの単独の外科手技のみで使用される。再利用可能なサブアセンブリ(230)は、2~20回の異なる外科手技で、洗浄、滅菌、及び再利用され得る(単なる例として)。当然ながら、これらの再利用シナリオは例示的な実施例に過ぎない。それにもかかわらず、部分的に使い捨て可能なアセンブリ(202)の構成が各外科手技後に配設される使い捨て材料の量を最小限に抑えることができることを理解されたい。また、いくつかの変形では、部分的に使い捨て可能なアセンブリ(202)が単純に単一ユニットとして配設されることも理解されたい。言い替えると、いくつかの変形形態では、部分的に使い捨て可能なアセンブリ(202)は、使い捨て可能なサブアセンブリ(210)及び再利用可能なサブアセンブリ(230)に分解されるようには構成されていない。
【0033】
単なる例として、再利用の術後の処理の一部として、再利用可能なアセンブリ(204)及び/又は再利用可能なサブアセンブリ(230)は、従来の比較的低い温度、比較的低い圧力、過酸化水素滅菌プロセス(例えば、Advanced Sterilization Products of Irvine(California)社製のSTERRAD(登録商標)滅菌システム)で滅菌されてもよい。代替的に、再利用可能なアセンブリ(204)及び/又は再利用可能なサブアセンブリ(230)は、任意の他の好適なシステム及び技術を使用して滅菌されてもよい。
【0034】
前述のものに加えて、器具(200)は、その開示が本明細書に参照により組み込まれる、米国特許出願第15/270,540号、名称「Ultrasonic Surgical Instrument with Removable Shaft Assembly Portion」(2016年9月20日公開)、及び/又はその開示が本明細書に参照により組み込まれる、米国特許出願第15/270,600号、名称「Ultrasonic Surgical Instrument with Removable Shaft Assembly Portion」(2016年9月20日公開)の教示のうちの少なくともいくつかに従って、構築され、かつ動作可能であってもよい。加えて、又は別の方法として、器具(200)は、本明細書に引用されている様々な特許文献のうちのいずれかの教示のうちの少なくともいくつかに従って構築され、かつ動作可能であってもよい。
【0035】
III.例示的なシャフトアセンブリ回転システム
上述したように、1つ又は2つ以上の器具(100、200)は、ハウジング(122、242)に対して回転可能である回転ノブ(154、254)を含む。一例では、器具(200)が完全に組み立てられたとき、回転ノブ(254)は、音響導波管(234)、内管(232)、及び外管(212)に結合され、その結果、これらの構成要素は、ハウジング(242)に対して集団で一緒に回転することになる。そのような回転は、場合によっては、望ましい場合があるが、回転のために音響導波管(234)を内管(232)及び外管(212)などの周辺の構造体に接続することは、音響導波管(234)が発生器(116)などの超音波発生器によって駆動された超音波周波数で振動するため、音響導波管(234)との結合部において摩擦を発生させる傾向がある。次に、この摩擦により、音響導波管(234)との結合部及び関連する接合部での早期摩耗が生じ、結果として、使用することに起因して器具(100、200)のうちの1つ又は2つ以上の部分の損傷又は尚早な故障さえもたらす可能性がある。したがって、ハウジング(122、242)に対するシャフトアセンブリ(130、202)の回転を可能にし、かつ音響導波管(234)の超音波振動からのそのような早期の摩耗を阻止する、音響導波管(234)との結合を器具(100、200)に提供することが望ましい場合がある。
【0036】
以下に説明されている超音波外科用器具(300、400)の様々な例は、シャフトアセンブリ及びエンドエフェクタが、音響導波管(234)の周りの摩耗を低減しながら、シャフトアセンブリ(130、202)及びエンドエフェクタ(140、220)などのシャフトアセンブリの中心線によって画定された長手方向軸を中心に回転することができる様々な構造体及び技術を提供する。これらの構成要素を回転させるための能力を有することによって、超音波外科用器具(100、200、300、400)の操作者には、使用の長寿命化、及びより少ない構成要素の故障を伴ってそれぞれ個別の外科的環境によって必要とされ得るときに、エンドエフェクタ(140、220)を様々な位置に操作するためのより高い柔軟性が提供される。したがって、以下に考察される、超音波外科用器具(300、400)に関連付けられたこのようなシャフトアセンブリ回転システムの1つ又は2つ以上の部分は、必要に応じて、器具(100、200)内に、全体的に又は部分的に組み込まれ得る。シャフトアセンブリ(130、202)を回転させるように構成された特徴の様々な例は、以下により詳細に説明されるが、他の例は、本明細書の教示に従って、当業者にとって明らかであろう。
【0037】
A.ガイドピンを有する例示的なシャフトアセンブリ回転システム
図4~10は、第3の例示的な超音波器具(300)を示し、それは、器具(100、200)と同様の様々な構成要素及び特徴を含む。特に、器具(300)は、ハウジング(322)を有するハンドルアセンブリ(320)などの本体、及びシャフトアセンブリ(330)を備える。図4~5に関しては、シャフトアセンブリ(330)は、第1の端部において超音波トランスデューサアセンブリ(図示せず)に、かつ第2の端部において超音波ブレード(図示せず)に結合されている音響導波管(332)を取り囲む内管(334)(図6Aを参照)を更に含み、それらの各々は、上述した超音波トランスデューサアセンブリ(112、208)(図1及び図2を参照)及び超音波ブレード(160、260)(図1及び図2を参照)にそれぞれ同様であってもよい。シャフトアセンブリ(330)はまた、内管を取り囲む外管(312)を含む(図6Aを参照)。器具(300)を使用している間、操作者は、シャフトアセンブリ(330)の中心線によって画定された長手方向軸(331)を中心にシャフトアセンブリ(330)を選択的に回転させて、長手方向軸(331)を中心にシャフトアセンブリ(330)を効果的に回転させることができる。
【0038】
シャフトアセンブリ(330)の回転を生じさせるために、器具(300)は、シャフトアセンブリ回転システム(302)を含む。シャフトアセンブリ回転システム(302)は、回転ノブ(354)、内側回転ノブドライバ(356)、及び第1の例のガイドピン(358)から構成され、これによって、シャフトアセンブリ回転システム(302)は、シャフトアセンブリ(330)に動作可能に結合されている。この例では、シャフトアセンブリ回転システム(302)は、音響導波管(332)に直接結合されている。回転ノブ(354)、内側回転ノブドライバ(356)、及びガイドピン(358)は、一緒に動作可能に結合され、その結果、長手方向軸(331)を中心とする回転ノブ(354)の回転が、長手方向軸(331)を中心とする内側回転ノブドライバ(356)に接触し、それによって回転トルクをそれに伝達し、次いで、長手方向軸(331)を中心とするガイドピン(358)に接触し、それによってそれに回転トルクを変換する。
【0039】
いくつかの例では、シャフトアセンブリ回転システム(302)は、結合特徴(362)及びトルククリップ(図示せず)のうちの1つ又は2つ以上を更に含み、各々は、回転ノブ(354)、内側回転ノブドライバ(356)、及びガイドピン(358)に動作可能に結合される。例えば、トルククリップ(図示せず)は、回転ノブ(354)の内面に接続して、回転ノブ(354)から内側回転ノブドライバ(356)に回転力を変換する。結合特徴(362)は、シャフトアセンブリ回転システム(302)内に含まれ、かつ様々な構成要素のアセンブリをハウジング(322)に固定するように構成され、各々はまた、回転ノブ(354)の回転時においても長手方向軸(331)を中心に回転する。
【0040】
ガイドピン(358)は、内側回転ノブドライバ(356)内の第1のノッチ(357)と嵌合してその回転に影響を与える第1の端部(359)を有する円筒形本体形状を含む。第2のノッチ(357)が、第1のノッチ(357)から角度的に反対側の内側回転ノブドライバ(356)内に含まれ、かつガイドピン(358)の第2の端部(361)(図6Aを参照)と嵌合するように適合されている。シャフトアセンブリ回転システム(302)が回転すると、ガイドピン(358)の第1の端部(359)、及び内側回転ノブドライバ(356)の遠位縁端部(355)は、ハウジング(322)の内面によって画定された回転駆動チャネル(364)を通って移動する同じ高さの面を形成する。回転駆動チャネル(354)は、それによって、内側回転ノブドライバ(356)及び/又はガイドピン(358)のうちの少なくとも1つを、360度回転全体にわたって受容及び誘導するように構成及び適合されている。いくつかの例では、ガイドピン(358)の端部(359、361)のみが、回転駆動チャネル(354)内に延在し、それに対して他の例では、ガイドピン(358)の両端部(359、361)、及び内側回転ノブドライバ(356)の遠位縁端部(355)が、回転駆動チャネル(354)内に延在する。
【0041】
図5及び図6A図6Bに示すように、音響導波管(332)は、ガイドピン(358)を受容してその中を通って延在するように構成されたボア(360)を含む。したがって、ガイドピン(358)の回転は、ガイドピン(358)及び/又は音響導波管(332)に動作可能に結合されたシャフトアセンブリ回転システム(302)の様々な他の構成要素とともに音響導波管(332)の回転を促す。上述したように、音響導波管(332)は、それに沿って超音波振動信号を伝達するように構成されており、ガイドピン(358)を有するボア(360)は、音響導波管(332)の動きを低減させるためにそのような振動の波節に位置決めされて、次に、ガイドピン(358)と、ガイドピン(358)に係合される任意の構造体との間の摩擦を少なくともある程度低減する。
【0042】
図7図8に示すように、ガイドピン(358)は、ベース層(370)、及びベース層(370)を絶縁するように構成された内側絶縁層(372)を有する。ベース層(370)は、中実コア(373)を形成する金属材料であり、したがって、様々な構成要素を音響導波管(332)に固定するのに必要とされるトルク力に耐えるのに適切である(図6Aを参照)。内側絶縁層(372)は、シリコーン材料、又は別様に超音波振動を減衰させるのに好適な任意の同様の材料である。したがって、内側絶縁層(372)は、ベース層(370)と、音響導波管(332)(図6Aを参照)のボア(360)の内面との間に絶縁層(図6Aを参照)を形成して、超音波振動を減衰させ、関連する損傷の可能性を低減するために、そのような振動が器具(300)を通って伝搬するのを阻止する。追加的に、外側絶縁層(374)は、ガイドピン(370)の外面上に含まれる。外側絶縁層(374)は、音響導波管(332)(図6Aを参照)と内管(334)(図6Aを参照)との間に絶縁障壁を作成することによって、摩耗から内側絶縁層(372)を保護するように構成された熱収縮材料である。外側絶縁層(374)は、金属オン金属接触を阻止して、摩耗及び関連する損傷の可能性を更に低減する。
【0043】
本例では、ガイドピン(358)は、浅い環状溝(375a)、及び浅い環状溝(375a)内の深い環状溝(375b)を備えるコア(373)を有し、それらの各々は、端部(359、361)間のコア(373)の長さに沿って延在し、それらの間の中心に置かれている。内側絶縁層(372)は、深い環状溝(375b)内に位置決めされ、ガイドピン(358)が音響導波管(332)(図6Aを参照)のボア(360)(図6Aを参照)に接触する場所に隣接するベース層(370)の中心の周りに集中している。外側絶縁層(374)はまた、ベース層(370)の中心の周りに集中している浅い環状溝(375a)内にも位置決めされ、上述したように、接触を阻止するために内側絶縁層(372)を覆っている。したがって、ベース層(370)は、ガイドピン(358)の端部(359、361)の近くで露出され、これに対して、層(374、370)は、コア(373)の外側包絡線内に入れ子にされている。
【0044】
図9図10は、別の例示的な絶縁構成を有するガイドピン(358’)の第2の例を示す。本例では、ガイドピン(358’)は、上述した同様の材料であるが異なる構造上の配置を有する、ガイドピン(358)(図8を参照)と同様の一対の端部(359’、361’)間のコア(373’)上に、内側絶縁層(372’)及び外側絶縁層(374’)を有する。コア(373’)は、円筒形であり、かつコア(373’)のベース層(370’)が平滑であるように溝(375a、375b)を含まない。内側絶縁層(374’)は、ベース層(370’)を半径方向に取り囲み、次に、外側絶縁層(374)は、上述したような接触を阻止するために、ベース層(370)の周りで内側絶縁層(372’)を半径方向に取り囲む。本例では、ベース層(370)は、ガイドピン(358)の端部(359’)で露出したままであるが、代替例では、1つ又は2つ以上の層(372’、374’)によって覆われてもよい。
【0045】
B.レンチドライバを有する例示的なシャフトアセンブリ回転システム
図11図25Bは、器具(100、200、300)と同様の様々な構成要素及び特徴を含む、第4の例示的な超音波器具(400)を示す。特に、器具(400)は、ハウジング(422)を有するハンドルアセンブリ(420)などの本体、及びシャフトアセンブリ(430)を備える。シャフトアセンブリ(430)は、音響導波管(432)(図16を参照)を取り囲む内管(434)(図16を参照)を更に含み、その内管は、第1の端部において超音波トランスデューサアセンブリ(図示せず)に結合され、かつ第2の端部において超音波ブレード(図示せず)に結合されており、それらの各々は、超音波トランスデューサアセンブリ(112、208)(図1及び図2を参照)及び超音波ブレード(160、260)(図1及び図2を参照)とそれぞれ同様であり得る。シャフトアセンブリ(430)はまた、内管(434)を取り囲む外管(412)も含む(図16を参照)。器具(400)を使用している間、操作者は、シャフトアセンブリ(430)の中心線によって画定された長手方向軸(431)を中心にシャフトアセンブリ(430)を選択的に回転させて、長手方向軸(431)を中心にシャフトアセンブリ(430)を効果的に回転させることができる。
【0046】
シャフトアセンブリ(430)の回転を生じさせるために、図11図13を参照すると、器具(400)は、シャフトアセンブリ回転システム(402)を含む。シャフトアセンブリ回転システム(402)は、少なくとも回転ノブ(454)、内側回転ノブドライバ(456)、ドライバレンチ(474)、及び回転ドライバ(458)から構成されている。この例では、シャフトアセンブリ回転システム(402)は、音響導波管(432)(図15を参照)に係合され、その結果、音響導波管(432)(図15を参照)は、別の例で上述したボア(360)(図6Aを参照)などの、音響導波管(432)(図15を参照)の中に半径方向に延在する任意のホールを有さない。回転ノブ(454)、内側回転ノブドライバ(456)、ドライバレンチ(474)、及び回転ドライバ(458)は、動作可能に一緒に結合され、その結果、長手方向軸(431)を中心に回転ノブ(454)を回転させることにより、内側回転ノブドライバ(456)に接触させ、かつそれに回転トルクを伝達する。したがって、回転ノブドライバ(456)は、シャフトアセンブリ(430)の回転をまとめるために、ドライバレンチ(474)、回転ドライバ(458)、及び音響導波管(432)に接触し、かつそれらに回転トルクを伝達する。
【0047】
一例では、シャフトアセンブリ回転システム(402)は、図12及び図13を参照して示されているように、トルククリップ(470)及び外管差込みピン(472)を更に含み、各々は、回転ノブ(454)、内側回転ノブドライバ(456)、ドライバレンチ(474)、及び回転ドライバ(458)に動作可能に結合されている。回転を可能にしながら、長手方向にシャフトアセンブリ回転システム(402)をハウジング(422)内に固定するために、内側回転ノブドライバ(456)は、回転駆動チャネル(464)内に受容される環状遠位縁端部(455)を有する。回転ドライバ(458)はまた、半径方向に回転駆動チャネル(464)中に延在する。シャフトアセンブリ回転システム(402)が回転すると、回転ドライバ(458)の端部(459)、及び内側回転ノブドライバ(456)の遠位縁端部(455)は、回転駆動チャネル(464)を通って移動する同じ高さの面を形成する。したがって、回転駆動チャネル(454)は、内側回転ノブドライバ(456)及び/又は回転ドライバ(458)のうちの少なくとも1つを、360度回転全体にわたって受容及び誘導するように構成及び適合されている。いくつかの例では、回転ドライバ(458)の端部(459)のみが、回転駆動チャネル(454)内に延在し、それに対して他の例では、回転ドライバ(458)の端部(459)、及び内側回転ノブドライバ(456)の遠位縁端部(455)の両方が、回転駆動チャネル(454)内に延在する。
【0048】
シャフトアセンブリ回転システム(402)を回転させるために、トルククリップ(470)は、回転ノブ(454)の内面に結合して、回転ノブ(454)から内側回転ノブドライバ(456)にトルクを伝達する。次に、内側回転ノブドライバ(456)が、それに結合された外管差込みピン(472)にトルクを更に伝達する。外管差込みピン(472)は、近位方向に延在して、超音波トランスデューサアセンブリ(112、208)(図1及び図2を参照)などの追加の超音波駆動特徴に動作可能に接続して、それを回転させる。
【0049】
加えて、内側回転ノブドライバ(456)はまた、図13及び図14に示された内側回転ノブ(456)の開口部(461)内に受容された回転ドライバ(458)にもトルクを伝達する。本例の回転ドライバ(458)は、外管差込みピン(472)内の開口部(462)を通って半径の内側方向に延在して、ドライバレンチ(474)内に受容され、かつそれに回転可能に固定する。ドライバレンチ(474)は、図14及び図15に示すように、音響導波管(432)を通って一対のノッチ(480)内にそれぞれ係合される一対のキー(481)を有する。したがって、キー(481)は、ノッチ(480)に対して回転可能にロックして、長手方向軸(431)を半径方向に貫通するなどの、音響導波管(432)内に延在するホールなしに、音響導波管(432)を把持し、かつそれにトルクを伝達する。本例のノッチ(480)及びキー(358)は、音響導波管(432)の波節に位置決めされて、音響導波管(432)とキー(358)との間に発生する振動及び摩擦を低減する。本明細書に記載されているシャフトアセンブリ回転システム(402)の各構成要素は、上記に例示及び説明された順番などで、シャフトアセンブリ回転システム(402)のうちの少なくとも1つの他の構成要素に直接結合するように構成及び適合されている。当然ながら、構成要素間の他のそのような結合は、同様に使用され得、その結果、本発明は、本明細書に記載されているシャフトアセンブリ回転システム(402)に不必要に限定されることを意図されていないことが理解されるであろう。
【0050】
図16は、回転ドライバ(458)が内側回転ノブドライバ(456)、外管差込みピン(472)、及びドライバレンチ(474)の各々に対して有効にキーをかけられていることを示しており、これに対して、図17図24は、より詳細にシャフトアセンブリ回転システム(402)の各構成要素を示している。この目的のために、回転ドライバ(458)は、ドライバレンチ(474)の開口部(488)を通って挿入され、それによって、回転ドライバ(458)の近位端(460)は、回転ドライバ(458)が音響導波管(432)と直接接触して回転に影響を及ぼさないように、内管(434)に当接する。逆に、ドライバレンチ(474)は、ノッチ(480)内にそれぞれ受容されるキー(481)を有する内管(434)の周りに配設されている。キー(481)及びノッチ(480)は、それらの間の相対的な回転を阻止するために、協働的に係合する平坦部(483)を有する。本例のキー(481)は、開口部(488)から、キー(481)の横方向の末端部まで、各平坦部(483)に沿って横方向に延在するそれぞれの圧壊リブ(489)を更に含む。圧壊リブ(489)は、音響導波管(432)上の平坦部(483)との係合の際に変形し、それによって、キー(481)と音響導波管(432)との間の任意の回転スリップを低減し、及び音響導波管(432)をより効果的に把持するために、キー(481)と音響導波管(432)との間の隙間を解消するなどの、隙間を低減する。そのような圧壊リブ(489)の変形は、本例では弾力性があるが、キー(481)と音響導波管(432)との間を係合するために、塑性変形などの圧壊リブ(489)の代替変形をそのように使用することができることを理解されるであろう。そのようなキー(481)上の圧壊リブ(489)は、回転ドライバ(458)とドライバレンチ(474)との間の追加の固定のために、回転ドライバ(458)を同様に変形及び係合することができる。加えて、本例のキー(81)は、内管(434)を通る、角度的に反対側の一対の開口部(482)を通ってそれぞれ延在して、キー(481)と音響導波管(432)との間の直接係合を可能にする。
【0051】
図24図25Bに関して、回転ドライバ(458)は、ドライバレンチ(474)の開口部(488)を通って挿入され、その結果、回転ドライバ(458)の近位端(460)は、内管(434)に対して静止しており、これに対して、ドライバレンチ(474)のキー(481)は、内管(434)の開口部(482)を通って挿入し、音響導波管(432)のノッチ(480)に嵌合する。回転ノブ(454)を把持することによって、操作者は、それにより、必要に応じて、回転ノブ(454)の回転を第1の回転位置から第2の回転位置に方向付ける。そのようにすると、より詳細に上述したように、トルクは、回転ノブ(454)から回転ドライバ(458)を介してドライバレンチ(474)に伝達する。ドライバレンチ(474)のためのキー(481)は、音響導波管(432)上のノッチ(480)内に回転可能にロックし、それによって、使用中に、ハンドルアセンブリ(420)のハウジング(422)に対してシャフトアセンブリ(430)の残りの部分とともに、長手方向軸(431)を中心とする音響導波管(432)の回転を促す。
【0052】
IV.例示的な組み合わせ
以下の実施例は、本明細書の教示を組み合わせるか又は適用することができる、様々な非網羅的な方法に関する。以下の実施例は、本出願における又は本出願の後の書類提出におけるどの時点でも提示され得る、いずれの請求項の適用範囲をも限定することを目的としたものではないと理解されよう。一切の権利放棄を意図するものではない。以下の実施例は、単なる例示の目的で与えられるものに過ぎない。本明細書の様々な教示は、他の多くの方法で構成及び適用が可能であると考えられる。また、いくつかの変形では、以下の実施例において言及される特定の特徴部を省略してよいことも考えられる。したがって、本発明者又は本発明者の利益の承継者により、後日、そうである旨が明示的に示されない限り、以下に言及される態様又は特徴部のいずれも重要なものとしてみなされるべきではない。以下に言及される特徴部以外の更なる特徴部を含む請求項が本出願において、又は本出願に関連する後の書類提出において示される場合、それらの更なる特徴部は、特許性に関連するいかなる理由によっても追加されたものとして仮定されるべきではない。
【実施例1】
【0053】
外科用器具であって、(a)回転駆動チャネルを含む本体と、(b)エンドエフェクタであって、(i)超音波ブレードと、(ii)シャフトアセンブリに移動可能に結合され、かつシャフトアセンブリから遠位側に延在するクランプアームと、を含む、エンドエフェクタと、(c)本体とエンドエフェクタとの間に延在し、長手方向軸を確定し、かつ本体に回転可能に結合するように構成されたシャフトアセンブリであって、シャフトアセンブリが、(i)第1のノッチを画定する表面を有し、かつ超音波ブレードに音響学的に結合された音響導波管と、(ii)回転駆動チャネル内に受容されるように構成された回転ドライバであって、回転ドライバが、長手方向軸を中心に本体に対してシャフトアセンブリを回転させるように動作可能である、回転ドライバと、(iii)回転ドライバと音響導波管との間に動作可能に結合され、かつ第1のキーを画定するドライバレンチと、を含む、シャフトアセンブリと、を備え、音響導波管の第1のノッチが、ドライバレンチの第1のキーを受容し、それによって、長手方向軸を中心に本体に対してシャフトアセンブリを回転させるために、音響導波管に対してドライバレンチを回転可能にロックするように構成されている、外科用器具。
【実施例2】
【0054】
ドライバレンチが、第2のキーを画定し、音響導波管の表面が、第2のノッチを画定し、第2のノッチが、第2のキーを受容し、それによって、長手方向軸を中心に本体に対してシャフトアセンブリを回転させるために、音響導波管に対してドライバレンチを更に回転可能にロックするように構成されている、実施例1に記載の外科用器具。
【実施例3】
【0055】
第2のノッチが、音響導波管の表面上で長手方向軸を中心に第1のノッチから角度的に反対側に位置決めされている、実施例2に記載の外科用器具。
【実施例4】
【0056】
本体が、クランプアームに動作可能に結合され、かつ超音波ブレードに対してクランプアームの動きを方向付けるように構成されたクランプアクチュエータを有するハンドルアセンブリを更に含む、実施例1~3のいずれか1つ又は2つ以上に記載の外科用器具。
【実施例5】
【0057】
シャフトアセンブリの少なくとも一部分が、ハンドルアセンブリに対して取り外し可能に結合されている、実施例4に記載の外科用器具。
【実施例6】
【0058】
ハンドルアセンブリ又は本体のうちの少なくとも一方が、長手方向軸を中心に選択的に回転するように構成されたノブを含み、ノブが、回転ドライバに動作可能に接続され、かつノブの選択的回転時に、長手方向軸を中心に回転ドライバを回転させるように構成されている、実施例4に記載の外科用器具。
【実施例7】
【0059】
ノブと回転ドライバとの間に接続され、かつ回転中にノブから回転ドライバにトルクを伝達するように構成されたトルククリップを更に備える、実施例6に記載の外科用器具。
【実施例8】
【0060】
回転ドライバが、回転駆動チャネル内で長手方向軸の周りを完全に回転するように構成されている、実施例1~7のいずれか1つ又は2つ以上に記載の外科用器具。
【実施例9】
【0061】
シャフトアセンブリが、(i)外管と、(ii)外管内に位置決めされた内管であって、内管を通って位置決めされた音響導波管を受容するように構成された、内管と、を更に含み、外管及び内管が、互いに対して並進して、クランプアームを超音波ブレードに対して移動させるように構成されている、実施例1~8のいずれか1つ又は2つ以上に記載の外科用器具。
【実施例10】
【0062】
内管及び音響導波管は、外管が内管、音響導波管、及び本体に対して並進するように構成されるように、本体に固定されている、実施例9に記載の外科用器具。
【実施例11】
【0063】
内管が、内管を通って延在する第1の開口部を有し、第1のキーが、音響導波管の第1のノッチに隣接する内管の第1の開口部を通って延在するように構成されている、実施例9に記載の外科用器具。
【実施例12】
【0064】
ドライバレンチが、内管の周りに配設されている、実施例11に記載の外科用器具。
【実施例13】
【0065】
内管が、内管を通って延在する第2の開口部を有し、ドライバレンチが、第2のキーを画定し、音響導波管の表面が、第2のノッチを画定し、第2のノッチが、第2のキーを受容し、それによって、長手方向軸を中心に本体に対してシャフトアセンブリを回転させるために、音響導波管に対してドライバレンチを更に回転可能にロックするように構成され、第2のキーが、音響導波管の第2のノッチに隣接する内管の第2の開口部を通って延在するように構成されている、実施例9~12のいずれか1つ又は2つ以上に記載の外科用器具。
【実施例14】
【0066】
第2のノッチが、音響導波管の表面上で長手方向軸を中心に第1のノッチから角度的に反対側に位置決めされている、実施例13に記載の外科用器具。
【実施例15】
【0067】
ドライバレンチが、回転ドライバと音響導波管との間に位置決めされ、それによって、回転ドライバが音響導波管と直接接触することから阻止する、実施例1~11のいずれか1つ又は2つ以上に記載の外科用器具。
【実施例16】
【0068】
外科用器具であって、(a)本体と、(b)エンドエフェクタであって、(i)超音波ブレードと、(ii)シャフトアセンブリに移動可能に結合され、かつシャフトアセンブリから遠位側に延在するクランプアームと、を含む、エンドエフェクタと、(c)本体とエンドエフェクタとの間に延在し、長手方向軸を画定し、かつ本体に回転可能に結合するように構成されたシャフトアセンブリであって、シャフトアセンブリが、(i)第1のノッチ及び第2のノッチを画定する音響導波管と、(ii)長手方向軸を中心に本体に対してシャフトアセンブリを回転させるように構成された回転ドライバと、(iii)回転ドライバ及び音響導波管に動作可能に結合されたドライバレンチであって、ドライバレンチが、第1のキー及び第2のキーを画定する、ドライバレンチと、を含む、シャフトアセンブリと、を備え、第1のキー及び第2のキーが、第1のノッチ及び第2のノッチ内にそれぞれ受容され、それによって、長手方向軸を中心に本体に対してシャフトアセンブリを回転させるために、音響導波管に対してドライバレンチを回転可能にロックする、外科用器具。
【実施例17】
【0069】
外科用器具であって、(a)回転駆動チャネルを含む本体と、(b)エンドエフェクタであって、(i)超音波ブレードと、(ii)シャフトアセンブリに移動可能に結合され、かつシャフトアセンブリから遠位側に延在するクランプアームと、を含む、エンドエフェクタと、(c)本体とエンドエフェクタとの間に延在し、長手方向軸を画定し、かつ本体に回転可能に結合するように構成されたシャフトアセンブリであって、シャフトアセンブリが、(i)細長い管と、(ii)細長い管内に位置決めされ、かつボアを含む、音響導波管と、ボア内に位置決めされ、かつ回転駆動チャネル内に受容されるように構成されたガイドピンであって、ガイドピンが、長手方向軸を中心に本体に対してシャフトアセンブリを回転させるために細長い管を音響導波管に対して回転可能にロックし、かつ本体に対して音響導波管を長手方向にロックするように構成されている、ガイドピンと、を含む、シャフトアセンブリと、を備える、外科用器具。
【実施例18】
【0070】
ガイドピンが、ベース層と、ベース層を絶縁するように構成された第1の絶縁層と、を含む、実施例17に記載の外科用器具。
【実施例19】
【0071】
ベース層が、コアを形成する金属材料を有し、第1の絶縁層が、シリコーン材料を有する、実施例18に記載の外科用器具。
【実施例20】
【0072】
ガイドピンが、第1の絶縁層を絶縁するように構成された第2の絶縁層を含み、第2の絶縁層が、熱収縮材料を有する、実施例18~19のいずれか1つ又は2つ以上に記載の外科用器具。
【0073】
V.その他
本明細書に記載される器具のバージョンのいずれも、上述されるものに加えて、又はそれらの代わりに、様々なその他の特徴を含み得ると理解されたい。単なる例として、上記の教示に加えて、本明細書に記載されている器具は、米国特許第5,322,055号、米国特許第5,873,873号、米国特許第5,980,510号、米国特許第6,325,811号、米国特許第6,773,444号、米国特許第6,783,524号、米国特許第9,095,367号、米国特許出願公開第2006/0079874号、米国特許出願公開第2007/0191713号、米国特許出願公開第2007/0282333号、米国特許出願公開第2008/0200940号、米国特許第8,623,027号(2014年1月7日発行)、米国特許第9,023,071号(2015年5月5日発行)、米国特許第8,461,744号(2013年6月11日発行)、米国特許第9,381,058号(2016年7月5日発行)、米国特許出願公開第2012/0116265号、米国特許第9,393,037号(2016年7月19日発行)、米国特許第10,172,636号(2019年1月8日発行)、及び/又は米国特許出願第61/410,603号の教示のうちの少なくともいくつかに従って、構築され、かつ動作可能であってもよいことを理解されたい。前述の特許、特許公開、及び特許出願のそれぞれの開示は、参照により本明細書に組み込まれる。本明細書に記載されている器具はまた、HARMONIC ACE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC WAVE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC FOCUS(登録商標)Ultrasonic Shears、及び/又はHARMONIC SYNERGY(登録商標)Ultrasonic Bladesとの様々な構造上及び機能的類似性を有し得ることも理解されたい。更に、本明細書で説明する器具は、本明細書で引用され、また参照により本明細書に組み込まれるその他の参考文献のいずれかで教示される装置と様々な構造的及び機能的な類似点を有し得る。
【0074】
本明細書に引用した参考文献、HARMONIC ACE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC WAVE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC FOCUS(登録商標)Ultrasonic Shears、及び/又はHARMONIC SYNERGY(登録商標)Ultrasonic Bladesの教示と、本明細書に記載されている器具に関する本明細書内の教示との間に、ある程度の重複が存在する範囲内で、本明細書の説明のいずれも、容認された先行技術としてみなされることを意図していない。本明細書のいくつかの教示は、事実、本明細書に引用した参考文献、並びにHARMONIC ACE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC WAVE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC FOCUS(登録商標)Ultrasonic Shears、及びHARMONIC SYNERGY(登録商標)Ultrasonic Bladesの教示の範囲を超えるであろう。
【0075】
本明細書に参照により組み込まれると言及されるあらゆる特許、公報、又はその他の開示内容は、全体的に又は部分的に、組み込まれる内容が現行の定義、見解、又は本開示に記載されるその他の開示内容とあくまで矛盾しない範囲でのみ本明細書に組み込まれると理解されるべきである。それ自体、また必要な範囲で、本明細書に明瞭に記載される開示内容は、参照により本明細書に組み込まれるあらゆる矛盾する記載に優先するものとする。参照により本明細書に組み込まれると言及されているが、現行の定義、見解、又は本明細書に記載される他の開示内容と矛盾する任意の内容、又はそれらの部分は、組み込まれた内容と現行の開示内容との間に矛盾が生じない範囲においてのみ、組み込まれるものとする。
【0076】
上記の装置の変形例は、医療専門家により行われる従来の治療及び処置における用途のみではなく、ロボット支援された治療及び処置における用途をも有することができる。単に一例として、本明細書の様々な教示は、ロボット外科用システム、例えばIntuitive Surgical,Inc.(Sunnyvale,California)によるDAVINCI(商標)システムなどに容易に組み込まれ得る。同様に、本明細書の様々な教示は、その開示が本明細書に参照により組み込まれる、米国特許第6,783,524号、名称「Robotic Surgical Tool with Ultrasound Cauterizing and Cutting Instrument」(2004年8月31日公開)の様々な教示と容易に組み合わされ得ることを、当業者であれば理解するであろう。
【0077】
上記の変形形態は、1回の使用後に廃棄されるように設計されてもよいし、又はそれらは複数回使用されるように設計されることもできる。変形例は、いずれか又は両方の場合においても、少なくとも1回の使用後に再利用のために再調整され得る。再調整は、装置の分解工程、それに続く特定の部品の洗浄又は交換工程、及びその後の再組立工程の、任意の組み合わせを含み得る。特に、装置のいくつかの変形例は分解することができ、また、装置の任意の数の特定の部分若しくは部品を、任意の組み合わせで選択的に交換又は取り外してもよい。特定部分の洗浄及び/又は交換の際、装置のいくつかの変形形態は、再調整用の施設において、又は手術の直前に操作者によって、のいずれかで、その後の使用のために再組み立てされてもよい。当業者であれば、装置の再調整において、分解、洗浄/交換、及び再組立のための様々な技術を利用することができることを理解するであろう。かかる技術の使用、及び結果として得られる再調整された装置は、全て本発明の範囲内にある。
【0078】
単に一例として、本明細書に記載される変形例は、処置の前及び/又は後に滅菌されてもよい。1つの滅菌技術では、装置をプラスチック製又はTYVEK製のバックなど、閉鎖及び封止された容器に入れる。次いで、容器及び装置を、γ線、X線、又は高エネルギー電子線などの、容器を透過し得る放射線場に置いてもよい。放射線は、装置上及び容器内の細菌を死滅させ得る。次いで、滅菌された装置を、後の使用のために、滅菌容器内に保管してもよい。β線若しくはγ線、エチレンオキシド、又は水蒸気が挙げられるがこれらに限定されない、当該技術分野で既知のその他の任意の技術を用いて、装置を滅菌してもよい。
【0079】
以上、本発明の様々な実施形態を示し、記載したが、当業者による適切な改変により、本発明の範囲から逸脱することなく、本明細書に記載の方法及びシステムの更なる適合化を実現することができる。かかる可能な改変のうちのいくつかについて述べたが、他の改変も当業者には明らかになるであろう。例えば、上記の実施例、実施形態、形状、材料、寸法、比率、工程などは例示的なものであって、必須のものではない。したがって、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲の観点から考慮されるべきものであり、本明細書及び図面に示され記載された構造及び動作の細部に限定されないものとして理解される。
【0080】
〔実施の態様〕
(1) 外科用器具であって、
(a)回転駆動チャネルを含む本体と、
(b)エンドエフェクタであって、
(i)超音波ブレードと、
(ii)シャフトアセンブリに移動可能に結合され、かつ前記シャフトアセンブリから遠位側に延在するクランプアームと、を含む、エンドエフェクタと、
(c)前記本体と前記エンドエフェクタとの間に延在し、長手方向軸を画定し、かつ前記本体に回転可能に結合するように構成されたシャフトアセンブリであって、前記シャフトアセンブリが、
(i)第1のノッチを画定する表面を有し、かつ前記超音波ブレードに音響学的に結合された音響導波管と、
(ii)前記回転駆動チャネル内に受容されるように構成された回転ドライバであって、前記回転ドライバが、前記長手方向軸を中心に前記本体に対して前記シャフトアセンブリを回転させるように動作可能である、回転ドライバと、
(iii)前記回転ドライバと前記音響導波管との間に動作可能に結合され、かつ第1のキーを画定するドライバレンチと、を含む、シャフトアセンブリと、を備え、
前記音響導波管の前記第1のノッチが、前記ドライバレンチの前記第1のキーを受容し、それによって、前記長手方向軸を中心に前記本体に対して前記シャフトアセンブリを回転させるために前記音響導波管に対して前記ドライバレンチを回転可能にロックするように構成されている、外科用器具。
(2) 前記ドライバレンチが、第2のキーを画定し、前記音響導波管の前記表面が、第2のノッチを画定し、前記第2のノッチが、前記第2のキーを受容し、それによって、前記長手方向軸を中心に前記本体に対して前記シャフトアセンブリを回転させるために前記音響導波管に対して前記ドライバレンチを更に回転可能にロックするように構成されている、実施態様1に記載の外科用器具。
(3) 前記第2のノッチが、前記音響導波管の前記表面上で前記長手方向軸を中心に前記第1のノッチから角度的に反対側に位置決めされている、実施態様2に記載の外科用器具。
(4) 前記本体が、前記クランプアームに動作可能に結合され、かつ前記超音波ブレードに対して前記クランプアームの動きを方向付けるように構成されたクランプアクチュエータを有するハンドルアセンブリを更に含む、実施態様1に記載の外科用器具。
(5) 前記シャフトアセンブリの少なくとも一部分が、前記ハンドルアセンブリに対して取り外し可能に結合されている、実施態様4に記載の外科用器具。
【0081】
(6) 前記ハンドルアセンブリ又は前記本体のうちの少なくとも一方が、前記長手方向軸を中心に選択的に回転するように構成されたノブを含み、前記ノブが、前記回転ドライバに動作可能に接続され、かつ前記ノブの選択的回転時に、前記長手方向軸を中心に前記回転ドライバを回転させるように構成されている、実施態様4に記載の外科用器具。
(7) 前記ノブと前記回転ドライバとの間に接続され、かつ回転中に前記ノブから前記回転ドライバにトルクを伝達するように構成されたトルククリップを更に備える、実施態様6に記載の外科用器具。
(8) 前記回転ドライバが、前記回転駆動チャネル内で前記長手方向軸の周りを完全に回転するように構成されている、実施態様1に記載の外科用器具。
(9) 前記シャフトアセンブリが、
(i)外管と、
(ii)前記外管内に位置決めされた内管であって、前記内管を通って位置決めされた前記音響導波管を受容するように構成された、内管と、を更に含み、
前記外管及び前記内管が、互いに対して並進して、前記クランプアームを前記超音波ブレードに対して移動させるように構成されている、実施態様1に記載の外科用器具。
(10) 前記内管及び前記音響導波管は、前記外管が前記内管、前記音響導波管、及び前記本体に対して並進するように構成されるように、前記本体に固定されている、実施態様9に記載の外科用器具。
【0082】
(11) 前記内管が、前記内管を通って延在する第1の開口部を有し、前記第1のキーが、前記音響導波管の前記第1のノッチに隣接する前記内管の前記第1の開口部を通って延在するように構成されている、実施態様9に記載の外科用器具。
(12) 前記ドライバレンチが、前記内管の周りに配設されている、実施態様11に記載の外科用器具。
(13) 前記内管が、前記内管を通って延在する第2の開口部を有し、前記ドライバレンチが、第2のキーを画定し、前記音響導波管の前記表面が、第2のノッチを画定し、前記第2のノッチが、前記第2のキーを受容し、それによって、前記長手方向軸を中心に前記本体に対して前記シャフトアセンブリを回転させるために前記音響導波管に対して前記ドライバレンチを更に回転可能にロックするように構成され、前記第2のキーが、前記音響導波管の前記第2のノッチに隣接する前記内管の前記第2の開口部を通って延在するように構成されている、実施態様12に記載の外科用器具。
(14) 前記第2のノッチが、前記音響導波管の前記表面上で前記長手方向軸を中心に前記第1のノッチから角度的に反対側に位置決めされている、実施態様13に記載の外科用器具。
(15) 前記ドライバレンチが、前記回転ドライバと前記音響導波管との間に位置決めされ、それによって、前記回転ドライバが前記音響導波管と直接接触することを阻止する、実施態様11に記載の外科用器具。
【0083】
(16) 外科用器具であって、
(a)本体と、
(b)エンドエフェクタであって、
(i)超音波ブレードと、
(ii)シャフトアセンブリに移動可能に結合され、かつ前記シャフトアセンブリから遠位側に延在するクランプアームと、を含む、エンドエフェクタと、
(c)前記本体と前記エンドエフェクタとの間に延在し、長手方向軸を画定し、かつ前記本体に回転可能に結合するように構成されたシャフトアセンブリであって、前記シャフトアセンブリが、
(i)第1のノッチ及び第2のノッチを画定する音響導波管と、
(ii)前記長手方向軸を中心に前記本体に対して前記シャフトアセンブリを回転させるように構成された回転ドライバと、
(iii)前記回転ドライバ及び前記音響導波管に動作可能に結合されたドライバレンチであって、前記ドライバレンチが、第1のキー及び第2のキーを画定する、ドライバレンチと、を含む、シャフトアセンブリと、を備え、
前記第1のキー及び前記第2のキーが、前記第1のノッチ及び前記第2のノッチ内にそれぞれ受容され、それによって、前記長手方向軸を中心に前記本体に対して前記シャフトアセンブリを回転させるために前記音響導波管に対して前記ドライバレンチを回転可能にロックする、外科用器具。
(17) 外科用器具であって、
(a)回転駆動チャネルを含む本体と、
(b)エンドエフェクタであって、
(i)超音波ブレードと、
(ii)シャフトアセンブリに移動可能に結合され、かつ前記シャフトアセンブリから遠位側に延在するクランプアームと、を含む、エンドエフェクタと、
(c)前記本体と前記エンドエフェクタとの間に延在し、長手方向軸を画定し、かつ前記本体に回転可能に結合するように構成されたシャフトアセンブリであって、前記シャフトアセンブリが、
(i)細長い管と、
(ii)前記細長い管内に位置決めされ、かつボアを含む、音響導波管と、
(iii)前記ボア内に位置決めされ、かつ前記回転駆動チャネル内に受容されるように構成されたガイドピンであって、前記ガイドピンが、前記長手方向軸を中心に前記本体に対して前記シャフトアセンブリを回転させるために前記細長い管を前記音響導波管に対して回転可能にロックし、かつ前記本体に対して前記音響導波管を長手方向にロックするように構成されている、ガイドピンと、を含む、シャフトアセンブリと、を備える、外科用器具。
(18) 前記ガイドピンが、ベース層と、前記ベース層を絶縁するように構成された第1の絶縁層と、を含む、実施態様17に記載の外科用器具。
(19) 前記ベース層が、コアを形成する金属材料を有し、前記第1の絶縁層が、シリコーン材料を有する、実施態様18に記載の外科用器具。
(20) 前記ガイドピンが、前記第1の絶縁層を絶縁するように構成された第2の絶縁層を含み、前記第2の絶縁層が、熱収縮材料を有する、実施態様18に記載の外科用器具。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7-8】
図9-10】
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25A
図25B