(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-12
(45)【発行日】2024-07-23
(54)【発明の名称】整形外科用インプラント配置システム及び方法
(51)【国際特許分類】
A61B 34/10 20160101AFI20240716BHJP
A61F 2/38 20060101ALI20240716BHJP
【FI】
A61B34/10
A61F2/38
(21)【出願番号】P 2021564778
(86)(22)【出願日】2020-04-30
(86)【国際出願番号】 IB2020054105
(87)【国際公開番号】W WO2020222169
(87)【国際公開日】2020-11-05
【審査請求日】2023-04-27
(32)【優先日】2019-05-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516312682
【氏名又は名称】デピュイ・アイルランド・アンリミテッド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】DEPUY IRELAND UNLIMITED COMPANY
【住所又は居所原語表記】Loughbeg Industrial Estate, Ringaskiddy, County Cork, Ireland
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ホワイト・スティーブン・イー
(72)【発明者】
【氏名】マロニー・ウィリアム・ジェイ
【審査官】二階堂 恭弘
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/204832(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 34/10
A61F 2/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
整形外科手術手技のための手術計画を生成するための手術計画コンピューティングシステムであって、前記手術計画コンピューティングシステムは、
1つ又は2つ以上のプロセッサと、
複数の命令が内部に格納されたメモリであって、前記命令は、実行に応答して、前記手術計画コンピューティングシステムに、
患者の骨解剖学的構造の三次元解剖学的画像内にキャプチャされた前記患者の脛骨の内側脛骨プラトーの滞留点を識別することと、
前記三次元解剖学的画像内にキャプチャされた患者の大腿骨の内側顆の回転中心を識別することと、
前記整形外科手術手技で使用される内側枢動整形外科用プロテーゼの位置決め基準を決定することであって、前記内側枢動整形外科用プロテーゼは、脛骨インサート及び大腿骨コンポーネントを含み、
前記大腿骨コンポーネントは関節表面を有する内側顆を含み、一定の曲率半径が前記関節表面の矢状形状の第1の部分を規定し、徐々に減少する曲率半径が前記第1の部分の後方に位置する前記関節表面の前記矢状形状の第2の部分を画定し、前記位置決め基準は、(i)前記脛骨インサート
の内側関節表面
の滞留点と前記患者の脛骨の前記内側脛骨プラトーの前記滞留点との間の位置合わせ、及び(ii)前記患者の大腿骨の前記内側顆の前記回転中心に基づいた、前記大腿骨コンポーネントの
前記内側顆の特徴の位置合わせを識別する、ことと、
前記位置決め基準に基づいて、前記三次元解剖学的画像内に前記脛骨インサート
の三次元モデル及び前記大腿骨コンポーネントの三次元モデルを位置付けて、前記
内側枢動整形外科用プロテーゼの前記三次元モデルを含む更新された三次元解剖学的画像を生成することと、
前記更新された三次元解剖学的画像を表示することと、を行わせる、メモリと、を備
え、
前記位置決め基準に基づいて前記三次元解剖学的画像内に前記脛骨インサートの前記三次元モデルを位置付けることは、前記脛骨インサートの前記内側関節表面の前記滞留点が、前記三次元解剖学的画像に含まれる前記患者の脛骨の前記内側脛骨プラトーの前記滞留点に位置合わせされるように、前記三次元解剖学的画像内に前記脛骨インサートの前記三次元モデルを位置付けることを含み、
前記位置決め基準に基づいて前記三次元解剖学的画像内に前記大腿骨コンポーネントの前記三次元モデルを位置付けることは、前記大腿骨コンポーネントの前記内側顆の前記関節表面の前記第1の部分を画定する一定の曲率半径の中心が、前記三次元解剖学的画像に含まれる前記患者の大腿骨の前記内側顆の解剖学的中心から基準量だけオフセットされるように、前記三次元解剖学的画像内に前記大腿骨コンポーネントの前記三次元モデルを位置付けることを含む、手術計画コンピューティングシステム。
【請求項2】
前記基準量は5~10ミリメートルである、請求項1に記載の手術計画コンピューティングシステム。
【請求項3】
前記位置決め基準に基づいて前記三次元解剖学的画像内に前記大腿骨コンポーネントの前記三次元モデルを位置付けることは、一定の曲率半径によって画定される前記大腿骨コンポーネントの前記内側顆の
前記関節表面が、前記三次
元解剖学的画像に含まれる前記患者の大腿骨の前記内側顆の後方関節表面に位置合わせされるように、前記三次元解剖学的画像内に前記大腿骨コンポーネントの前記三次元モデルを位置付けることを含む、請求項1に記載の手術計画コンピューティングシステム。
【請求項4】
前記位置決め基準に基づいて前記三次元解剖学的画像内に前記大腿骨コンポーネントの前記三次元モデルを位置付けることは、一定の曲率半径によって画定される前記大腿骨コンポーネントの前記内側顆の
前記関節表面が、前記三次元解剖学的画像に含まれる前記患者の大腿骨の前記内側顆の前方関節表面に位置合わせされるように、前記三次元解剖学的画像内に前記大腿骨コンポーネントの前記三次元モデルを位置付けることを含む、請求項
1に記載の手術計画コンピューティングシステム。
【請求項5】
前記位置決め基準に基づいて前記三次元解剖学的画像内に前記大腿骨コンポーネントの前記三次元モデルを位置付けることは、前記大腿骨コンポーネントの膝蓋大腿面の関節表面が、前記三次元解剖学的画像に含まれる前記患者の大腿骨の膝蓋大腿面に位置合わせされるように、前記三次元解剖学的画像内に前記大腿骨コンポーネントの前記三次元モデルを位置付けることを含む、請求項
1に記載の手術計画コンピューティングシステム。
【請求項6】
前記複数の命令は、実行に応答して、前記
手術計画コンピューティングシステムに更に、前記
内側枢動整形外科用プロテーゼの前記特徴が前記患者の解剖学的構造の骨上に位置するべき整形外科的座標を画定する位置決めデータを生成させる、請求項1に記載の手術計画コンピューティングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本特許出願は、2019年5月2日に出願された「ORTHOPAEDIC IMPLANT PLACEMENT SYSTEM AND METHOD」と題する、米国仮特許出願第62/842,201号の優先権及び利益を主張するものであり、その全体が参照により本出願に明示的に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、整形外科手術手技に関し、より具体的には、整形外科手術手技の実行中の整形外科用プロテーゼの配置に関する。
【背景技術】
【0003】
関節形成術は、病変した生体関節及び/又は損傷した生体関節を人工関節に置換する、周知の外科的処置である。通常の膝プロテーゼは、脛骨トレイ、大腿骨コンポーネント、及び脛骨トレイと大腿骨コンポーネントとの間に位置決めされるポリマーインサート又はベアリングを含む。患者の関節への損傷の重症度に応じて、様々な可動性の整形外科用プロテーゼを使用することができる。例えば、膝プロテーゼは、著しい軟組織損傷又は損失が存在する場合など、膝プロテーゼの運動を制限することが望ましい場合に、「固定」脛骨インサートを含み得る。あるいは、膝プロテーゼは、より大きな運動自由度が所望される場合に、「可動」脛骨インサートを含み得る。加えて、膝プロテーゼは、患者の大腿骨の両方の顆の大腿骨脛骨境界面を置換するように設計された人工膝プロテーゼ、又は患者の大腿骨の単一顆の大腿骨-脛骨境界面を置換するように設計されたユニコンパートメント(単顆)膝プロテーゼであり得る。
【0004】
典型的な整形外科用膝プロテーゼは、一般に、患者の関節の自然な動きを再現するように設計されている。膝が屈曲及び伸展されると、大腿骨及び脛骨コンポーネントは関節運動し、相対的な前方-後方運動及び相対的な内部-外部回転の組み合わせを受ける。しかしながら、患者の周囲の軟組織はまた、関節の運動範囲にわたって整形外科用膝プロテーゼの運動学及び安定性に影響を与える。すなわち、患者の軟組織によって整形外科用コンポーネントに及ぼされる力は、整形外科用膝プロテーゼの不要な、又は望ましくない運動を引き起こし得る。例えば、整形外科用膝プロテーゼは、大腿骨コンポーネントが屈曲範囲を通って移動される際に、不自然な(奇異性)前関節並進運動を呈し得る。
【0005】
整形外科用膝プロテーゼの機能性を確保するために、患者の骨解剖学的構造上への整形外科用膝プロテーゼの適切な位置決めが達成されなければならない。しかしながら、それぞれの患者(patent)の骨解剖学的構造が異なるため、それぞれ対応する整形外科手術手技は異なる。したがって、整形外科医は、整形外科用膝プロテーゼの適切な位置決めを容易にするために術前手術計画に依存し得る。典型的な術前手術計画としては、例えば、患者の骨の切除、整形外科用膝プロテーゼの移植及び位置合わせなどを含み得る、整形外科手術手技のための段階的な計画が挙げられ得る。典型的な術前手術計画は、手動プロセスであってもよく、又はコンピュータ支援計画によって支持されてもよい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様によれば、整形外科手術手技のための手術計画を生成するための手術計画コンピューティングシステムが開示される。手術計画コンピューティングシステムは、1つ又は2つ以上のプロセッサ及びメモリを含み得る。メモリは、複数の命令であって、実行に応答して、コンピューティングシステムに、患者の骨解剖学的構造の三次元解剖学的画像内の患者の骨解剖学的構造の解剖学的ランドマークを識別させ、整形外科手術手技において使用される整形外科用プロテーゼの位置決め基準を決定させる、複数の命令を内部に格納し得る。位置決め基準は、解剖学的ランドマークと整形外科用プロテーゼの特徴との間の位置合わせを識別し得る。複数の命令は、実行に応答して、コンピューティングシステムに更に、位置決め基準に基づいて三次元解剖学的画像内に整形外科用プロテーゼの三次元モデルを位置付けて、整形外科用プロテーゼの三次元モデルを含む更新された三次元解剖学的画像を生成させ、更新された三次元解剖学的画像を表示させ得る。
【0007】
いくつかの実施形態では、患者の骨解剖学的構造は大腿骨を含んでもよく、整形外科用プロテーゼは大腿骨コンポーネントを含んでもよい。このような実施形態では、整形外科用プロテーゼの三次元モデルを位置付けることは、一定の曲率半径によって画定される大腿骨コンポーネントの顆の関節表面が、三次元解剖学的画像に含まれる患者の大腿骨の顆の後方関節表面に位置合わせされるように、三次元解剖学的画像内に大腿骨コンポーネントの三次元モデルを位置付けることを含み得る。あるいは、このような実施形態では、整形外科用プロテーゼの三次元モデルを位置付けることは、一定の曲率半径によって画定される大腿骨コンポーネントの顆の関節表面が、三次元解剖学的画像に含まれる患者の大腿骨の顆の前方関節表面に位置合わせされるように、三次元解剖学的画像内に大腿骨コンポーネントの三次元モデルを位置付けることを含み得る。
【0008】
加えて、患者の骨解剖学的構造が大腿骨を含み、整形外科用プロテーゼが大腿骨コンポーネントとして具体化される実施形態では、整形外科用プロテーゼの三次元モデルを位置付けることは、大腿骨コンポーネントの膝蓋大腿面の関節表面が、三次元解剖学的画像に含まれる患者の大腿骨の膝蓋大腿面に位置合わせされるように、三次元解剖学的画像内に大腿骨コンポーネントの三次元モデルを位置付けることを含み得る。あるいは、このような実施形態では、整形外科用プロテーゼの三次元モデルを位置付けることは、大腿骨コンポーネントの顆の関節表面を画定する一定の曲率半径の中心が、三次元解剖学的画像に含まれる患者の大腿骨の内側上顆の解剖学的中心から基準量だけオフセットされるように、三次元解剖学的画像内に大腿骨コンポーネントの三次元モデルを位置付けることを含み得る。あるいはまた、このような実施形態では、整形外科用プロテーゼの三次元モデルを位置付けることは、大腿骨コンポーネントの顆の関節表面を画定する一定の曲率半径の中心が、三次元解剖学的画像に含まれる患者の大腿骨の外側上顆の解剖学的中心から基準量だけオフセットされるように、三次元解剖学的画像内に大腿骨コンポーネントの三次元モデルを位置付けることを含み得る。
【0009】
いくつかの実施形態では、患者の骨解剖学的構造は脛骨を含んでもよく、整形外科用プロテーゼは脛骨コンポーネントを含んでもよい。このような実施形態では、整形外科用プロテーゼの三次元モデルを位置付けることは、脛骨コンポーネントの関節表面の滞留点が、三次元解剖学的画像に含まれる患者の脛骨の脛骨プラトーの滞留点に位置合わせされるように、三次元解剖学的画像内に骨コンポーネントの三次元モデルを位置付けることを含み得る。
【0010】
加えて、いくつかの実施形態では、位置決め基準は、三次元解剖学的画像内の解剖学的ランドマークに位置合わせされる整形外科用プロテーゼの特徴を識別し得る。追加的に又は代替的に、位置決め基準は、整形外科用プロテーゼの関節表面の滞留点と、患者の骨解剖学的構造の骨の滞留点との間のオフセットの量を識別し得る。更に、いくつかの実施形態では、複数の命令は、実行に応答して、コンピューティングシステムに更に、整形外科用プロテーゼの特徴が患者の解剖学的構造の骨上に位置するべき整形外科的座標を画定する位置決めデータを生成させ得る。
【0011】
別の態様によると、患者に整形外科手術を実施するための方法が開示される。本方法は、整形外科手術中に整形外科用プロテーゼが移植される患者の骨の三次元解剖学的画像を取得することと、手術計画コンピューティングシステムを動作させることであって、(i)三次元解剖学的画像内の患者の骨の解剖学的ランドマークを識別することと、(ii)整形外科用プロテーゼの位置決め基準を選択することであって、位置決め基準は、患者の骨の解剖学的ランドマークと整形外科用プロテーゼの特徴との間の位置合わせを識別する、ことと、(iii)位置決め基準に基づいて三次元解剖学的画像内に整形外科用プロテーゼの三次元モデルを位置付けて、整形外科用プロテーゼの三次元モデルを含む更新された三次元解剖学的画像を生成することと、を行うように、動作させることと、を含み得る。本方法はまた、整形外科手術のための手術計画として、更新された三次元解剖学的画像を使用して、整形外科用プロテーゼを患者の骨に移植するための整形外科手術を実行することを含み得る。
【0012】
いくつかの実施形態では、患者の骨解剖学的構造は大腿骨を含んでもよく、整形外科用プロテーゼは大腿骨コンポーネントを含んでもよい。このような実施形態では、整形外科用プロテーゼの三次元モデルを位置付けることは、一定の曲率半径によって画定される大腿骨コンポーネントの顆の関節表面が、三次元解剖学的画像に含まれる患者の大腿骨の顆の後方関節表面に位置合わせされるように、三次元解剖学的画像内に大腿骨コンポーネントの三次元モデルを位置付けることを含み得る。あるいは、このような実施形態では、整形外科用プロテーゼの三次元モデルを位置付けることは、一定の曲率半径によって画定される大腿骨コンポーネントの顆の関節表面が、三次元解剖学的画像に含まれる患者の大腿骨の顆の前方関節表面に位置合わせされるように、三次元解剖学的画像内に大腿骨コンポーネントの三次元モデルを位置付けることを含み得る。
【0013】
加えて、患者の骨解剖学的構造が大腿骨を含み、整形外科用プロテーゼが大腿骨コンポーネントとして具体化される実施形態では、整形外科用プロテーゼの三次元モデルを位置付けることは、大腿骨コンポーネントの膝蓋大腿面の関節表面が、三次元解剖学的画像に含まれる患者の大腿骨の膝蓋大腿面に位置合わせされるように、三次元解剖学的画像内に大腿骨コンポーネントの三次元モデルを位置付けることを含み得る。あるいは、このような実施形態では、整形外科用プロテーゼの三次元モデルを位置付けることは、大腿骨コンポーネントの顆の関節表面を画定する一定の曲率半径の中心が、三次元解剖学的画像に含まれる患者の大腿骨の内側上顆の解剖学的中心から基準量だけオフセットされるように、三次元解剖学的画像内に大腿骨コンポーネントの三次元モデルを位置付けることを含み得る。あるいはまた、このような実施形態では、整形外科用プロテーゼの三次元モデルを位置付けることは、大腿骨コンポーネントの顆の関節表面を画定する一定の曲率半径の中心が、三次元解剖学的画像に含まれる患者の大腿骨の外側上顆の解剖学的中心から基準量だけオフセットされるように、三次元解剖学的画像内に大腿骨コンポーネントの三次元モデルを位置付けることを含み得る。
【0014】
いくつかの実施形態では、患者の骨解剖学的構造は脛骨を含んでもよく、整形外科用プロテーゼは脛骨コンポーネントを含んでもよい。このような実施形態では、整形外科用プロテーゼの三次元モデルを位置付けることは、脛骨コンポーネントの関節表面の滞留点が、三次元解剖学的画像に含まれる患者の脛骨の脛骨プラトーの滞留点に位置合わせされるように、三次元解剖学的画像内に骨コンポーネントの三次元モデルを位置付けることを含み得る。
【0015】
加えて、いくつかの実施形態では、位置決め基準は、三次元解剖学的画像内の解剖学的ランドマークに位置合わせされる整形外科用プロテーゼの特徴を識別し得る。追加的に又は代替的に、位置決め基準は、整形外科用プロテーゼの関節表面の滞留点と、患者の骨解剖学的構造の骨の滞留点との間のオフセットの量を識別し得る。更に、いくつかの実施形態では、複数の命令は、実行に応答して、コンピューティングシステムに更に、整形外科用プロテーゼの特徴が患者の解剖学的構造の骨上に位置するべき整形外科的座標を画定する位置決めデータを生成させ得る。
【0016】
本開示の更なる態様によれば、格納された複数の命令を含む1つ又は2つ以上の非一時的機械可読記憶媒体が開示される。複数の命令は、コンピューティングシステムによる実行に応答して、コンピューティングシステムに、患者の骨解剖学的構造の三次元解剖学的画像内の患者の骨解剖学的構造の解剖学的ランドマークを識別させ、整形外科手術手技で使用される整形外科用プロテーゼの位置決め基準を決定させる。位置決め基準は、解剖学的ランドマークと整形外科用プロテーゼの特徴との間の位置合わせを識別し得る。複数の命令は、実行に応答して、コンピューティングシステムに更に、位置決め基準に基づいて三次元解剖学的画像内に整形外科用プロテーゼの三次元モデルを位置付けて、整形外科用プロテーゼの三次元モデルを含む更新された三次元解剖学的画像を生成させ、更新された三次元解剖学的画像を表示させる。
【0017】
いくつかの実施形態では、患者の骨解剖学的構造は大腿骨を含んでもよく、整形外科用プロテーゼは大腿骨コンポーネントを含んでもよい。このような実施形態では、整形外科用プロテーゼの三次元モデルを位置付けることは、一定の曲率半径によって画定される大腿骨コンポーネントの顆の関節表面が、三次元解剖学的画像に含まれる患者の大腿骨の顆の関節表面に位置合わせされるように、三次元解剖学的画像内に大腿骨コンポーネントの三次元モデルを位置付けることを含み得る。あるいは、このような実施形態では、整形外科用プロテーゼの三次元モデルを位置付けることは、大腿骨コンポーネントの顆の関節表面を画定する一定の曲率半径の中心が、三次元解剖学的画像に含まれる患者の大腿骨の内側又は外側上顆の解剖学的中心から基準量だけオフセットされるように、三次元解剖学的画像内に大腿骨コンポーネントの三次元モデルを位置付けることを含む。
【0018】
加えて、いくつかの実施形態では、患者の骨解剖学的構造は脛骨を含んでもよく、整形外科用プロテーゼは脛骨コンポーネントを含んでもよい。このような実施形態では、整形外科用プロテーゼの三次元モデルを位置付けることは、脛骨コンポーネントの関節表面の滞留点が、三次元解剖学的画像に含まれる患者の脛骨の脛骨プラトーの滞留点に位置合わせされるように、三次元解剖学的画像内に骨コンポーネントの三次元モデルを位置付けることを含み得る。
【0019】
本開示のなお更なる態様によれば、整形外科手術手技のための手術計画を生成するための手術計画コンピューティングシステムは、1つ又は2つ以上のプロセッサと、複数の命令が内部に格納されているメモリと、を含む。複数の命令は、実行に応答して、手術計画コンピューティングシステムに、患者の骨解剖学的構造の三次元解剖学的画像内にキャプチャされた患者の脛骨の内側脛骨プラトーの滞留点を識別させ、三次元解剖学的画像内にキャプチャされた患者の大腿骨の内側顆の回転中心を識別させる。
【0020】
加えて、複数の命令は、実行されると、手術計画コンピューティングシステムに、整形外科手術手技において使用される内側枢動整形外科用プロテーゼの位置決め基準を決定させる。内側枢動整形外科用プロテーゼは、脛骨インサート及び大腿骨コンポーネントを含む。位置決め基準は、(i)脛骨インサートの内側関節表面の滞留点と患者の脛骨の内側脛骨プラトーの滞留点との間の位置合わせと、(ii)患者の大腿骨の内側顆の回転中心に基づいた、大腿骨コンポーネントの内側顆の特徴の位置合わせと、を識別する。
【0021】
複数の命令はまた、実行されると、手術計画コンピューティングシステムに、位置決め基準に基づいて三次元解剖学的画像内に脛骨インサート及び大腿骨コンポーネントの三次元モデルを位置付けて、整形外科用プロテーゼの三次元モデルを含む更新された三次元解剖学的画像を生成させ得る。加えて、複数の命令は、実行されると、手術計画コンピューティングシステムに、更新された三次元解剖学的画像を表示させ得る。
【0022】
いくつかの実施形態では、位置決め基準に基づいて三次元解剖学的画像内に脛骨インサートの三次元モデルを位置付けることは、脛骨インサートの内側関節表面の滞留点が、三次元解剖学的画像に含まれる患者の脛骨の内側脛骨プラトーの滞留点に位置合わせされるように、三次元解剖学的画像内に脛骨インサートの三次元モデルを位置付けることを含み得る。
【0023】
加えて、いくつかの実施形態では、位置決め基準に基づいて三次元解剖学的画像内に大腿骨コンポーネントの三次元モデルを位置付けることは、大腿骨コンポーネントの内側顆の関節表面を画定する一定の曲率半径の中心が、三次元解剖学的画像に含まれる患者の大腿骨の内側上顆の解剖学的中心から基準量だけオフセットされるように、三次元解剖学的画像内に大腿骨コンポーネントの三次元モデルを位置付けることを含み得る。
【0024】
更に、いくつかの実施形態では、位置決め基準に基づいて三次元解剖学的画像内に大腿骨コンポーネントの三次元モデルを位置付けることは、一定の曲率半径によって画定される大腿骨コンポーネントの内側顆の関節表面が、三次元解剖学的画像に含まれる患者の大腿骨の内側顆の後方関節表面に位置合わせされるように、三次元解剖学的画像内に大腿骨コンポーネントの三次元モデルを位置付けることを含み得る。
【0025】
加えて、位置決め基準に基づいて三次元解剖学的画像内に大腿骨コンポーネントの三次元モデルを位置付けることは、一定の曲率半径によって画定される大腿骨コンポーネントの内側顆の関節表面が、三次元解剖学的画像に含まれる患者の大腿骨の内側顆の前方関節表面に位置合わせされるように、三次元解剖学的画像内に大腿骨コンポーネントの三次元モデルを位置付けることを含み得る。
【0026】
いくつかの実施形態では、位置決め基準に基づいて三次元解剖学的画像内に大腿骨コンポーネントの三次元モデルを位置付けることは、大腿骨コンポーネントの膝蓋大腿面の関節表面が、三次元解剖学的画像に含まれる患者の大腿骨の膝蓋大腿面に位置合わせされるように、三次元解剖学的画像内に大腿骨コンポーネントの三次元モデルを位置付けることを含み得る。
【0027】
加えて、いくつかの実施形態では、位置決め基準に基づいて三次元解剖学的画像内に大腿骨コンポーネントの三次元モデルを位置付けることは、大腿骨コンポーネントの外側顆の関節表面を画定する一定の曲率半径の中心が、三次元解剖学的画像に含まれる患者の大腿骨の外側上顆の解剖学的中心から基準量だけオフセットされるように、三次元解剖学的画像内に大腿骨コンポーネントの三次元モデルを位置付けることを含み得る。
【0028】
複数の命令は、実行されると、手術計画コンピューティングシステムに更に、整形外科用プロテーゼの特徴が患者の解剖学的構造の骨上に位置するべき整形外科的座標を画定する位置決めデータを生成させ得る。
【0029】
本開示の更なる態様によれば、患者に対して整形外科手術を実施するための方法は、整形外科手術中に内側枢動整形外科用プロテーゼが移植される患者の骨解剖学的構造の三次元解剖学的画像を取得することを含み得る。三次元解剖学的画像は、患者の脛骨及び対応する大腿骨の三次元画像を含んでもよい。
【0030】
加えて、本方法は、手術計画コンピューティングシステムを動作させることであって、(i)三次元解剖学的画像内の患者の脛骨の内側脛骨プラトーの滞留点を識別することと、(ii)三次元解剖学的画像内の患者の大腿骨の内側顆の回転中心を識別することと、(iii)内側枢動整形外科用プロテーゼの位置決め基準を決定することであって、内側枢動整形外科用プロテーゼは、脛骨インサート及び大腿骨コンポーネントを含み、位置決め基準は、(a)脛骨インサートの内側関節表面の滞留点と患者の脛骨の内側脛骨プラトーの滞留点との間の位置合わせ、及び(b)患者の大腿骨の内側顆の回転中心に基づいた大腿骨コンポーネントの内側顆の特徴の位置合わせを識別する、ことと、(iv)位置決め基準に基づいて三次元解剖学的画像内に脛骨インサート及び大腿骨コンポーネントの三次元モデルを位置付けて、整形外科用プロテーゼの三次元モデルを含む更新された三次元解剖学的画像を生成することと、を行うように、動作させることを含み得る。本方法はまた、整形外科手術のための手術計画として、更新された三次元解剖学的画像を使用して、整形外科用プロテーゼを患者の骨に移植するための整形外科手術を実行することを含み得る。
【0031】
いくつかの実施形態では、位置決め基準に基づいて三次元解剖学的画像内に脛骨インサートの三次元モデルを位置付けることは、脛骨インサートの内側関節表面の滞留点が、三次元解剖学的画像に含まれる患者の脛骨の内側脛骨プラトーの滞留点に位置合わせされるように、三次元解剖学的画像内に脛骨インサートの三次元モデルを位置付けることを含み得る。
【0032】
加えて、いくつかの実施形態では、位置決め基準に基づいて三次元解剖学的画像内に大腿骨コンポーネントの三次元モデルを位置付けることは、大腿骨コンポーネントの内側顆の関節表面を画定する一定の曲率半径の中心が、三次元解剖学的画像に含まれる患者の大腿骨の内側上顆の解剖学的中心から基準量だけオフセットされるように、三次元解剖学的画像内に大腿骨コンポーネントの三次元モデルを位置付けることを含み得る。
【0033】
更に、いくつかの実施形態では、位置決め基準に基づいて三次元解剖学的画像内に大腿骨コンポーネントの三次元モデルを位置付けることは、一定の曲率半径によって画定される大腿骨コンポーネントの内側顆の関節表面が、三次元解剖学的画像に含まれる患者の大腿骨の内側顆の後方関節表面に位置合わせされるように、三次元解剖学的画像内に大腿骨コンポーネントの三次元モデルを位置付けることを含み得る。
【0034】
加えて、位置決め基準に基づいて三次元解剖学的画像内に大腿骨コンポーネントの三次元モデルを位置付けることは、一定の曲率半径によって画定される大腿骨コンポーネントの内側顆の関節表面が、三次元解剖学的画像に含まれる患者の大腿骨の内側顆の前方関節表面に位置合わせされるように、三次元解剖学的画像内に大腿骨コンポーネントの三次元モデルを位置付けることを含み得る。
【0035】
いくつかの実施形態では、位置決め基準に基づいて三次元解剖学的画像内に大腿骨コンポーネントの三次元モデルを位置付けることは、大腿骨コンポーネントの膝蓋大腿面の関節表面が、三次元解剖学的画像に含まれる患者の大腿骨の膝蓋大腿面に位置合わせされるように、三次元解剖学的画像内に大腿骨コンポーネントの三次元モデルを位置付けることを含み得る。
【0036】
加えて、いくつかの実施形態では、位置決め基準に基づいて三次元解剖学的画像内に大腿骨コンポーネントの三次元モデルを位置付けることは、大腿骨コンポーネントの外側顆の関節表面を画定する一定の曲率半径の中心が、三次元解剖学的画像に含まれる患者の大腿骨の外側上顆の解剖学的中心から基準量だけオフセットされるように、三次元解剖学的画像内に大腿骨コンポーネントの三次元モデルを位置付けることを含み得る。
【0037】
本開示のなお更なる態様によれば、そこに格納された複数の命令を含む1つ又は2つ以上の非一時的機械可読記憶媒体は、コンピューティングシステムによる実行に応答して、コンピューティングシステムに、患者の骨解剖学的構造の三次元解剖学的画像内にキャプチャされた患者の脛骨の内側脛骨プラトーの滞留点を識別させ、三次元解剖学的画像内にキャプチャされた患者の大腿骨の内側顆の回転中心を識別させる。複数の命令は、実行されると、コンピューティングシステムに更に、整形外科手術手技において使用される内側枢動整形外科用プロテーゼの位置決め基準を決定させ得る。内側枢動整形外科用プロテーゼは、脛骨インサート及び大腿骨コンポーネントを含み得る。加えて、位置決め基準は、(i)脛骨インサートの内側関節表面の滞留点と患者の脛骨の内側脛骨プラトーの滞留点との間の位置合わせ、及び(ii)患者の大腿骨の内側顆の回転中心に基づいた、大腿骨コンポーネントの内側顆の特徴の位置合わせを識別し得る。
【0038】
複数の命令は、実行されると、コンピューティングシステムに更に、位置決め基準に基づいて三次元解剖学的画像内に脛骨インサート及び大腿骨コンポーネントの三次元モデルを位置付けて、整形外科用プロテーゼの三次元モデルを含む更新された三次元解剖学的画像を生成させ得る。加えて、複数の命令は、実行されると、手術計画コンピューティングシステムに、更新された三次元解剖学的画像を表示させ得る。
【0039】
いくつかの実施形態では、位置決め基準に基づいて三次元解剖学的画像内に脛骨インサートの三次元モデルを位置付けることは、脛骨インサートの内側関節表面の滞留点が、三次元解剖学的画像に含まれる患者の脛骨の内側脛骨プラトーの滞留点に位置合わせされるように、三次元解剖学的画像内に脛骨インサートの三次元モデルを位置付けることを含み得る。
【0040】
加えて、いくつかの実施形態では、位置決め基準に基づいて三次元解剖学的画像内に大腿骨コンポーネントの三次元モデルを位置付けることは、大腿骨コンポーネントの内側顆の関節表面を画定する一定の曲率半径の中心が、三次元解剖学的画像に含まれる患者の大腿骨の内側上顆の解剖学的中心から基準量だけオフセットされるように、三次元解剖学的画像内に大腿骨コンポーネントの三次元モデルを位置付けることを含み得る。
【0041】
更に、いくつかの実施形態では、位置決め基準に基づいて三次元解剖学的画像内に大腿骨コンポーネントの三次元モデルを位置付けることは、一定の曲率半径によって画定される大腿骨コンポーネントの内側顆の関節表面が、三次元解剖学的画像に含まれる患者の大腿骨の内側顆の後方関節表面に位置合わせされるように、三次元解剖学的画像内に大腿骨コンポーネントの三次元モデルを位置付けることを含み得る。
【0042】
加えて、位置決め基準に基づいて三次元解剖学的画像内に大腿骨コンポーネントの三次元モデルを位置付けることは、一定の曲率半径によって画定される大腿骨コンポーネントの内側顆の関節表面が、三次元解剖学的画像に含まれる患者の大腿骨の内側顆の前方関節表面に位置合わせされるように、三次元解剖学的画像内に大腿骨コンポーネントの三次元モデルを位置付けることを含み得る。
【0043】
いくつかの実施形態では、位置決め基準に基づいて三次元解剖学的画像内に大腿骨コンポーネントの三次元モデルを位置付けることは、大腿骨コンポーネントの膝蓋大腿面の関節表面が、三次元解剖学的画像に含まれる患者の大腿骨の膝蓋大腿面に位置合わせされるように、三次元解剖学的画像内に大腿骨コンポーネントの三次元モデルを位置付けることを含み得る。
【0044】
加えて、いくつかの実施形態では、位置決め基準に基づいて三次元解剖学的画像内に大腿骨コンポーネントの三次元モデルを位置付けることは、大腿骨コンポーネントの外側顆の関節表面を画定する一定の曲率半径の中心が、三次元解剖学的画像に含まれる患者の大腿骨の外側上顆の解剖学的中心から基準量だけオフセットされるように、三次元解剖学的画像内に大腿骨コンポーネントの三次元モデルを位置付けることを含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0045】
詳細な説明は、具体的には、以下の図面を参照する。
【
図1】整形外科手術手技のための手術計画を生成するための手術計画コンピューティングシステムのブロック図である。
【
図2】
図1の手術計画コンピューティングシステムによって生成された手術計画において使用され得る脛骨コンポーネントの一実施形態の平面図である。
【
図3】
図1の手術計画コンピューティングシステムによって生成された手術計画において使用され得る大腿骨コンポーネントの一実施形態の斜視側面図である。
【
図4】
図1のシステムの手術計画コンピューティングデバイスによって確立され得る一実施形態のブロック図である。
【
図5A】
図1のシステムの手術計画コンピューティングデバイスによって実行され得る、手術計画を生成するための方法のフロー図である。
【
図5B】
図1のシステムの手術計画コンピューティングデバイスによって実行され得る、手術計画を生成するための方法のフロー図である。
【
図5C】
図1のシステムの手術計画コンピューティングデバイスによって実行され得る、手術計画を生成するための方法のフロー図である。
【
図5D】
図1のシステムの手術計画コンピューティングデバイスによって実行され得る、手術計画を生成するための方法のフロー図である。
【
図6】患者の骨解剖学的構造の三次元画像の図である。
【
図7】患者の骨解剖学的構造の三次元画像に含まれ得る、患者の脛骨の脛骨プラトーの滞留点の印を含む、患者の脛骨の断面立面図である。
【
図8】
図1の手術計画コンピューティングデバイスによって表示され得る、滞留点位置合わせで位置付けられた脛骨コンポーネントの三次元モデルを含む、
図8の患者の脛骨の断面立面図である。
【
図9】患者の大腿骨の内側上顆の中心の印を含む、
図6の患者の骨解剖学的構造の三次元画像の図である。
【
図10】患者の大腿骨の内側上顆の中心に基づく位置合わせで位置付けられた大腿骨コンポーネントの三次元モデルを含む、
図9の患者の骨解剖学的構造の三次元画像の図である。
【
図11】
図1の手術計画コンピューティングデバイスによって表示され得る、後方位置合わせで位置付けられた大腿骨コンポーネントの三次元モデルを含む、
図6の患者の骨解剖学的構造の三次元画像の図である。
【
図12】
図1の手術計画コンピューティングデバイスによって表示され得る、前方位置合わせで位置付けられた大腿骨コンポーネントの三次元モデルを含む、
図6の患者の骨解剖学的構造の三次元画像の図である。
【
図13】
図1の手術計画コンピューティングデバイスによって表示され得る、膝蓋大腿位置合わせで位置付けられた大腿骨コンポーネントの三次元モデルを含む、
図6の患者の骨解剖学的構造の三次元画像の図である。
【
図14】患者の大腿骨の外側上顆の中心の印を含む、
図6の患者の骨解剖学的構造の三次元画像の図である。
【
図15】患者の大腿骨の外側上顆の中心に基づく位置合わせで位置付けられた大腿骨コンポーネントの三次元モデルを含む、
図14の患者の骨解剖学的構造の三次元画像の図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
本開示の概念は、様々な修正形態及び代替的形態にしやすいが、その特定の例示的な実施形態を例として図面に示し、本明細書において詳細に説明する。しかしながら、本開示の概念を開示される特定の形態に限定することを何ら意図するものではなく、その逆に、本発明は、添付の「特許請求の範囲」によって定義される発明の趣旨及び範囲に包含されるすべての修正物、均等物、並びに代替物を網羅することを意図するものであることを理解されたい。
【0047】
解剖学的基準を表す前方、後方、内側、外側、上位、下位等の用語は、本明細書全体において、本明細書に記載する整形外科用インプラント及び手術器具、並びに患者の天然の解剖学的形態に関して使用され得る。このような用語は、解剖学の研究及び整形外科学の分野のいずれにおいても十分に理解された意味を有する。記述されている説明及び「特許請求の範囲」におけるこのような解剖学的参照用語の使用は、特に明記しないかぎり、それらの十分に理解された意味と一貫性を有することが意図される。後述の開示は、患者の脛骨に言及しつつ技術及び器具システムについて説明したものであるが、当然のことながら、他の骨(例えば、患者の大腿骨の遠位端部など)を外科的に調製する際には、後述するシステム及び技術のいずれをも使用することができる。
【0048】
ここで
図1を参照すると、整形外科手術手技のための手術計画を生成するための例示的な手術計画コンピューティングシステム100は、手術計画コンピューティングデバイス102及び撮像システム104を含む。使用中、撮像システム104は、患者106の骨解剖学的構造の医用画像、例えば、二次元医用画像又は三次元医用画像を生成するように構成されている。医用画像が二次元である実施形態では、手術計画コンピューティングデバイス102は、二次元画像を三次元画像に変換し、生成された(又は取得された)患者の骨解剖学的構造の三次元画像を分析して、対応する位置決め基準に基づいて整形外科用プロテーゼの三次元モデルを三次元画像内に適切に位置付けるように構成されている。以下でより詳細に述べるように、位置決め基準は、患者の骨解剖学的構造の解剖学的ランドマークと、患者に移植される整形外科用プロテーゼの対応する特徴との特定の位置合わせを識別し得る。
【0049】
位置決め基準は、整形外科手術手技において使用される整形外科用プロテーゼの種類を含む、いくつかの要因に基づいて異なり得ることを理解されたい。具体的には、「内側枢動」を可能にする又は容易にするように設計された整形外科用プロテーゼは、非内側枢動整形外科用プロテーゼと比較して、患者の骨解剖学的構造上の異なる位置でより良好に機能し得る。
【0050】
例えば、例示的な手術計画コンピューティングシステム100は、
図2に示されるような脛骨インサート200と、
図3に示されるような大腿骨コンポーネント300と、を含む内側枢動整形外科用プロテーゼの移植のための手術計画を生成するために使用され得る。例示的な脛骨インサート200は、内側関節表面202及び外側関節表面204を含む。しかしながら、関節表面202、204は、大腿骨コンポーネント300(脛骨インサート200を支持)の非対称的な枢動を提供する非対称形状である。脛骨インサート200の内側関節表面202は、例えば、典型的な非内側枢動設計の脛骨インサートよりも大腿骨コンポーネント300の顆部に適合する。脛骨インサート200はまた、典型的な非内側枢動設計の脛骨インサートと比較して、脛骨インサート200の内側に相対的に隆起した前面(前方内側リップ高さ206)を有する。更に、典型的な非内側枢動設計の脛骨インサートに関して、内側関節表面202の滞留点208は、より後方に位置付けられる。例えば、滞留点208は、典型的には、脛骨インサート200の前方-後方(AP)寸法の後方3分の1に位置付けられる。
【0051】
ここで
図3を参照すると、例示的な手術計画コンピューティングシステム100はまた、脛骨インサート200と共に使用され得る内側枢動設計の大腿骨コンポーネント300の移植のための手術計画を生成するために使用され得る。例示的な大腿骨コンポーネント300は、脛骨インサート200の内側関節表面202上で関節をなすように構成された内側大腿顆302と、外側関節表面204上で関節をなすように構成された外側大腿顆304と、を含む。大腿顆302、304の一方又は両方は、一定の曲率半径310によって画定される大腿骨関節表面を含んでもよい。特定の設計に応じて、一定の曲率半径310は、10~30度の間の過伸展度(例えば、-20度の屈曲)まで前方に伸展し、30~70度の屈曲度(例えば、50度)まで後方に伸展してもよい。当然ながら、一定の曲率半径310は、他の実施形態では、異なる範囲の度にわたって伸展してもよい。いくつかの実施形態では、一定の曲率半径310は、後方に、大腿骨コンポーネント300の矢状形状の残部を画定する、徐々に減少する曲率半径が続いてもよい。
【0052】
自然な内側枢動運動の場合、脛骨インサート200及び大腿骨コンポーネント300のいくつかの実施形態は、外側界面に比べて内側界面でより高い適合性を含み得る。例えば、脛骨インサートの内側関節面202と大腿骨コンポーネント300の内側顆302の大腿骨関節面とは、96%以上の適合性を有し得る。加えて、内側関節表面202と内側顆302の大腿関節表面との内側-外側の適合性は、93%以上であり得る。
【0053】
内側枢動整形外科用プロテーゼの上述の特徴は、非内側枢動設計に対して異なる位置決め基準を指示し得る。例えば、関節運動の改善は、脛骨インサート200を患者の既存の内側側副靭帯に位置合わせして位置付けることによって得られることが確認されている。これを行うために、例示的な実施形態では、脛骨インサート200は、脛骨インサート200の内側関節表面202の滞留点208が患者の脛骨の内側脛骨プラトーの滞留点に(例えば、合同して)位置合わせされるように、患者の骨解剖学的構造に対して位置付けられる。このような位置決めは、滞留点208が、患者の内側脛骨プラトーに対する内側側副靭帯インサートの位置に近似するように、脛骨インサート200を配置し得る。このようにして、脛骨インサート200は、患者の内側側副靭帯に対してより自然な位置に置かれる。脛骨インサート200の外側部は、以下でより詳細に述べるように、外科手術中に浮遊することを可能にし、外側浮遊位置を使用して位置付けることができる(すなわち、患者の膝の屈曲運動及び伸展運動に基づいて外側部を位置付ける)。
【0054】
大腿骨コンポーネント300の位置決めに関して、関節運動の改善は、大腿骨コンポーネント300を患者の内側顆の回転中心に位置合わせして位置付けることによって得られることが確認されている。これを行うために、いくつかの実施形態では、大腿骨コンポーネント300は、大腿骨コンポーネント300の一定の曲率半径310の中心又は起点が、患者の大腿骨の内側(及び/又は外側)上顆の解剖学的中心から基準量、例えば5~10ミリメートルだけオフセットされるように、患者の骨解剖学的構造に対して位置付けられてもよい。追加的に又は代替的に、いくつかの実施形態では、大腿骨コンポーネント300は、一定の曲率半径310によって画定される大腿骨コンポーネント300の大腿骨関節表面が、患者の大腿骨の内側顆の後方関節表面に、又は患者の大腿骨の内側顆の前方関節表面に(例えば、合同して)位置合わせされるように、患者の骨解剖学的構造に対して位置付けられてもよい。更に、いくつかの実施形態では、大腿骨コンポーネント300は、大腿骨コンポーネント300の膝蓋大腿面の関節表面が、患者の大腿骨の膝蓋大腿面に(例えば、合同して)位置合わせされるように、患者の骨解剖学的構造に対して位置付けられてもよい。大腿骨コンポーネント300の外側大腿顆は、以下でより詳細に述べるように、脛骨インサート200の外側部と同じく、浮遊させることができる。このように、脛骨インサート200と大腿骨コンポーネント300との間に関節表面の適合性を適切に配置することによって、人工膝のより正常な動きが達成され得る。
【0055】
図1を再び参照すると、手術計画コンピューティングデバイス102は、手術計画を生成し、本明細書に記載される機能を実行することができる任意の種類のコンピューティングデバイスとして具現化されてもよい。例えば、手術計画コンピューティングデバイス102は、デスクトップコンピュータ、サーバ、モバイルコンピューティングデバイス、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、「スマート」フォン、アプライアンスデバイス、デジタルアシスタント、又は本明細書に記載される機能を実行することができる他のコンピューティングデバイスなどの任意の種類のコンピュータ又はコンピューティングデバイスとして具体化されてもよい。手術計画コンピューティングデバイス102は、コンピューティング回路110、入出力(「I/O」)サブシステム116、通信サブシステム118、データ記憶装置120、ディスプレイ122、及び場合によっては1つ又は2つ以上の周辺デバイス124を含む。当然ながら、通信サブシステム212は、他の実施形態では、典型的なコンピューティングデバイス又はサーバに一般的に見られるものなどの他のコンポーネント又は追加のコンポーネントを含んでもよいことを理解されたい。付加的に、いくつかの実施形態では、例示的な構成要素のうちの1つ又は2つ以上を別の構成要素に組み込むか、又はその一部を形成するようにしてもよい。
【0056】
コンピューティング回路110は、様々なコンピューティング機能を実行することができる任意の種類のデバイス又はデバイスの集合として具体化されてもよい。いくつかの実施形態では、コンピューティング回路110は、集積回路、埋め込みシステム、フィールドプログラマブルアレイ(FPGA)、システム・オン・チップ(SOC)、又は他の集積システム若しくはデバイスなどの単一のデバイスとして具体化されてもよい。加えて、いくつかの実施形態では、コンピューティング回路110は、プロセッサ112及びメモリ114を含むか、又はプロセッサ112及びメモリ114として具現化される。プロセッサ112は、本明細書に記載される機能を実行することができる任意の種類のプロセッサとして具体化されてもよい。例えば、プロセッサ112は、シングル若しくはマルチコアプロセッサ(単数又は複数)、デジタル信号プロセッサ、マイクロコントローラ、又は他のプロセッサ若しくは処理/制御回路として具現化されてもよい。同様に、メモリ114は、本明細書に記載される機能を実行することができる任意の種類の揮発性若しくは不揮発性メモリ又はデータ記憶装置として具現化されてもよい。
【0057】
コンピューティング回路110は、I/Oサブシステム116を介して手術計画コンピューティングデバイス102の他のコンポーネントに通信可能に結合されており、I/Oサブシステム116は、コンピューティング回路110による(例えば、プロセッサ112及び/又はメモリ114による)入出力動作を促すための回路及び/又はコンポーネントとして、並びに手術計画コンピューティングデバイス102の他のコンポーネントとして具体化されてもよい。例えば、I/Oサブシステム116は、メモリコントローラハブ、入出力制御ハブ、ファームウェアデバイス、通信リンク(すなわち、ポイントツーポイントリンク、バスリンク、ワイヤ、ケーブル、ライトガイド、プリント回路基板のトレースなど)、及び/又は入出力動作を促すための他のコンポーネント及びサブシステムとして具体化されてもよく、又はそれらを含んでもよい。いくつかの実施形態では、I/Oサブシステム116は、プロセッサ112と共に、メモリ114、及び手術計画コンピューティングデバイス102の他のコンポーネントと共に、コンピューティング回路110に組み込まれてもよい。
【0058】
通信サブシステム118は、手術計画コンピューティングデバイス102と、撮像システム104などのシステム100の他のコンポーネントとの間の通信を可能にすることができる、任意の種類の通信回路、デバイス、又はそれらの集合として具現化されてもよい。これを行うために、通信サブシステム118は、任意の1つ又は2つ以上の通信技術(例えば、有線又は無線通信)、及び関連するプロトコル(例えば、イーサネット、Bluetooth(登録商標)、WiFi(登録商標)、WiMAX、LTE、5Gなど)を使用して、そのような通信を行うように構成されてもよい。
【0059】
データ記憶装置120は、例えば、メモリデバイス及び回路、メモリカード、ハードディスクドライブ、半導体ドライブ、若しくは他のデータ記憶デバイスなど、データの短期又は長期格納のために構成される任意の種類のデバイス(単数又は複数)として具現化されてもよい。以下でより詳細に述べるように、データ記憶装置120は、撮像システム104によって生成された患者106の骨解剖学的構造の二次元画像、並びにこれらの二次元画像から生成された三次元画像を格納し得る。加えて、データ記憶装置120は、患者の骨解剖学的構造の解剖学的ランドマークと、上述のように患者に移植される整形外科用プロテーゼの対応する特徴との特定の位置合わせを画定する、様々な整形外科用プロテーゼの位置決め基準を格納し得る。
【0060】
ディスプレイ122は、液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、プラズマディスプレイ、陰極線管(CRT)、又は他の種類の表示デバイスなど、デジタル情報を表示することができる任意の種類のディスプレイとして具現化されてもよい。いくつかの実施形態では、ディスプレイ122は、手術計画コンピューティングデバイス102へのタッチ入力を容易にするタッチスクリーンを含んでもよく、又はタッチスクリーンに組み込まれてもよい。加えて、いくつかの実施形態では、手術計画コンピューティングデバイス102は、1つ又は2つ以上の周辺デバイス124を含んでもよい。そのような周辺デバイス124としては、オーディオ入力デバイス、他の入出力デバイス、インターフェースデバイス、及び/又は他の周辺デバイスなど、コンピューティングデバイス又はサーバに一般的に見られる任意の種類の周辺デバイスが挙げられ得る。
【0061】
撮像システム104は、患者106の骨解剖学的構造の二次元又は三次元デジタル解剖学的画像を生成することができる、任意の種類の撮像デバイス又はデバイスの集合として具現化されてもよい。例えば、撮像システム104は、X線、磁気共鳴撮像法(MRI)、コンピュータ断層撮影法(CT)、蛍光透視法、及び/又は超音波を利用して、デジタル解剖学的画像をキャプチャし得る。いくつかの実施形態では、撮像システム104は、有線又は無線ネットワークなどの好適なネットワークを介して、手術計画コンピューティングデバイス102と通信してもよい。加えて、
図1に別個のコンポーネントとして示されているが、手術計画コンピューティングデバイス102及び撮像システム104は、他の実施形態では単一の装置に組み込まれてもよい。
【0062】
手術計画コンピューティングシステム100は、ローカルコンピューティングデバイス及びシステムとして
図1に示され、上述されているが、システム100はクラウドベースのシステムとして具現化されてもよいことを理解されたい。このような実施形態では、手術計画コンピューティングデバイス102の機能は、手術室環境から遠隔に位置する1つ又は2つ以上のサーバ又は同様のコンピューティングデバイスによって実行されてもよい。加えて、手術計画コンピューティングデバイス102は、特定のコンポーネント(例えば、I/Oサブシステム、データ記憶装置、ディスプレイなど)を含むものとして記載されているが、外科用コンピューティングデバイス102は、より単純化されたコンピューティングデバイスとして(例えば、クラウドベースのシステムで)具現化されてもよく、又は他の実施形態では別のコンピューティングデバイス若しくはシステムに埋め込まれてもよいことを理解されたい。
【0063】
ここで
図4を参照すると、手術計画コンピューティングデバイス102は、動作中に環境400を確立し得る。例示的な環境400は、3D画像発生器402、3D画像分析器404、ユーザーインターフェースマネージャ406、及び手術計画器408を含む。加えて、環境400は、解剖学的画像データベース410及び/又は位置決め基準データベース412を含んでもよい。環境400の様々なコンポーネントのそれぞれは、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又はそれらの組み合わせとして具現化されてもよい。このように、いくつかの実施形態では、環境400のコンポーネントのうちの1つ又は2つ以上は、電気デバイスの回路又は集合(例えば、3D画像発生器回路402、3D画像分析器回路404、ユーザーインターフェースマネージャ回路406、手術計画回路408など)として具現化されてもよい。3D画像発生器回路402、3D画像分析器回路404、ユーザーインターフェースマネージャ回路406、及び/又は手術計画回路408によって実行されるものとして本明細書に記載される1つ又は2つ以上の機能は、手術計画コンピューティングデバイス102の1つ又は2つ以上の他のコンポーネント、例えば、コンピューティング回路110、I/Oサブシステム116、通信サブシステム118、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などのプログラム可能な回路、及び/又は手術計画コンピューティングデバイス102の他のコンポーネントなどによって、少なくとも部分的に実行され得ることを理解されたい。関連する命令は、メモリ114、データ記憶デバイス(複数可)120、及び/又は別のデータ格納場所に格納されてもよく、コンピューティング回路110のプロセッサ112及び/又は手術計画コンピューティングデバイス102の他の計算プロセッサによって実行され得ることを更に理解されたい。
【0064】
加えて、いくつかの実施形態では、環境400の例示的なコンポーネントのうちの1つ又は2つ以上は、別のコンポーネントの一部分を形成してもよく、かつ/又は例示的なコンポーネントの1つ又は2つ以上は、互いに独立していてもよい。更に、説明を明確にするために
図1にも
図4にも示されていないが、手術計画コンピューティングデバイス102の環境400は、コンピューティングデバイスに一般的に見られる他のコンポーネント、下位コンポーネント、モジュール、下位モジュール、論理、下位論理、及び/又はデバイス(例えば、デバイスドライバ、インターフェースなど)を含んでもよいことを理解されたい。
【0065】
3D画像発生器402は、三次元解剖学的画像を生成するか、ないしは別の方法で取得するように構成されている。撮像システム104が二次元画像を生成した実施形態では、3D画像発生器402は、撮像システム104から二次元画像を取得し、二次元解剖学的画像を三次元解剖学的画像に変換するように構成されている。これを行うために、3D画像発生器402は、任意の好適な二次元-三次元モーフィングアルゴリズムを利用し得る。例えば、米国特許第4,791,934号、同第5,389,101号、同第6,701,174号、米国特許出願公開第2005/0027492号、米国特許第7,873,403号、同第7,570,791号、国際公開第99/59106号、欧州特許第1348394(A1)号、及び/又は欧州特許第1498851(A1)号に開示されているモーフィングアルゴリズムのいずれか1つ又は任意の組み合わせが使用されてもよい。当然のことながら、撮像システム104が三次元解剖学的画像をネイティブに生成する実施形態では、3D画像発生器402は、撮像システム104から三次元解剖学的画像を取得することを任務としてもよい。3D画像発生器402は、解剖学的画像データベース410内に二次元解剖学的画像及び/又は三次元解剖学的画像を格納してもよい。
【0066】
3D画像分析器404は、3D画像発生器によって(又は、撮像システム104によってネイティブに)生成された患者の骨解剖学的構造の三次元解剖学的画像を分析して、三次元解剖学的画像内にキャプチャされた患者の骨解剖学的構造の1つ又は2つ以上の解剖学的ランドマークを識別するように構成されている。これを行うために、3D画像分析器404は、任意の好適な特徴検出アルゴリズムを利用して、三次元解剖学的画像内の所望の解剖学的ランドマークを識別し得る。3D画像分析器404によって識別される特定の解剖学的ランドマーク及びランドマークの数は、例えば、使用される整形外科用プロテーゼの特定の種類、外科医の好み、患者の既存の骨解剖学的構造、及び/又は他の基準を含む様々な基準に依存し得る。例えば、例示的な実施形態では、3D画像分析器404は、患者106の脛骨の脛骨プラトーの滞留点、患者106の大腿骨の内側上顆の解剖学的中心、患者106の大腿骨の顆の後方関節表面、患者106の大腿骨の顆の前方関節表面、患者106の大腿骨の膝蓋大腿面の関節表面、及び/又は三次元画像内にキャプチャされた患者106の大腿骨の外側上顆の解剖学的中心を識別するように構成されてもよい。
【0067】
以下でより詳細に述べるように、いくつかの実施形態では、整形外科医は、三次元解剖学的画像内にキャプチャされた患者の骨解剖学的構造の1つ又は2つ以上の解剖学的ランドマークの識別を容易にするか又は補足するために、手術計画コンピューティングデバイス102に入力を提供することができる。これを行うために、例えば、整形外科医は、手術計画コンピューティングデバイス102によって考慮される特定の解剖学的ランドマークを示すために、三次元解剖学的画像に手動で注釈を付けることができる。
【0068】
ユーザーインターフェースマネージャ406は、手術計画コンピューティングデバイス102の入出力を提示及び管理するように構成されている。例えば、ユーザーインターフェースマネージャ406は、整形外科医が対話し得るグラフィカルユーザーインターフェースを提示するように、ディスプレイ122を制御し得る。例示的な実施形態では、例えば、整形外科医は、位置決め基準データベース412に格納され得る、整形外科手術手技において使用される整形外科用プロテーゼ及び特定の位置決め基準を選択する。加えて、ユーザーインターフェースマネージャ406は、以下でより詳細に述べるように、選択された位置決め基準に基づいて、選択された整形外科用プロテーゼの三次元モデルを含む、患者の骨解剖学的構造の更新された三次元解剖学的画像を含む、決定された手術計画を表示する。
【0069】
手術計画器408は、対応する整形外科手術手技のために、手術計画又はその一部分を生成するように構成されている。これを行うために、手術計画器408は、三次元画像内の選択された整形外科用プロテーゼの三次元モデルを位置決め基準に基づく位置に位置付け(例えば、重ね合わせる、ないしは別の方法で組み込む)、位置決め基準は、上述のように整形外科医によって選択されてもよく、そうでなければ、整形外科用プロテーゼ、手術される患者の特定の骨、及び/又は他の考慮事項に基づいて手術計画コンピューティングデバイス102によって決定されてもよい。例えば、手術計画器408は、1つ又は2つ以上の位置決め基準が満たされるように、三次元解剖学的画像内に整形外科用プロテーゼの三次元モデルを位置付けてもよい。上述のように、位置決め基準は、3D画像分析器によって識別されるような患者の骨解剖学的構造の解剖学的ランドマークと、三次元モデルによって表されるような整形外科用プロテーゼの特定の特徴との特定の位置合わせを画定し得る。以下で更に述べるように、手術計画器408は、整形外科医によって考慮される、それぞれ異なる位置の整形外科用プロテーゼを含む複数の手術計画を生成するように構成されてもよい。
【0070】
ここで
図5A~
図5Cを参照すると、使用中、手術計画コンピューティングデバイス102は、整形外科手術手技の手術計画を生成するための方法500を実行し得る。方法500又はその一部は、プロセッサ112によって実行可能な命令として具現化されてもよく、例えばメモリ114に格納されてもよい。加えて、方法500を具現化する命令は、任意の好適な非一時的記憶媒体に格納されてもよい。
【0071】
方法500は、手術計画コンピューティングデバイス102が、手術計画を生成するかどうかを決定するブロック502から始まる。例えば、手術計画コンピューティングデバイス102は、移植される整形外科用プロテーゼの選択など、整形外科医からの入力を待って、方法500の実行を開始してもよい。
【0072】
手術計画コンピューティングデバイス102が手術計画を生成することに決定した場合、方法500はブロック504に進み、手術計画コンピューティングデバイス102が、患者の関連する骨解剖学的構造(すなわち、手術される単数又は複数の骨)の三次元解剖学的画像を取得する。撮像システム104が手術計画コンピューティングデバイス102内に組み込まれる実施形態では、手術計画コンピューティングデバイス102は、ブロック506において患者の骨解剖学的構造の二次元解剖学的画像を生成してもよい。あるいは、手術計画コンピューティングデバイス102は、例えば、好適な通信リンクを介して(例えば、ネットワークを介して)撮像システム104から患者の骨解剖学的構造の二次元解剖学的画像を取得してもよい。それにもかかわらず、撮像システム104から取得された画像が三次元でない場合、手術計画コンピューティングデバイス102は、ブロック508において二次元解剖学的画像を三次元解剖学的画像に変換する。これを行うために、上述したように、手術計画コンピューティングデバイス102は、任意の好適な二次元-三次元モーフィングアルゴリズムを利用してもよい。撮像システム104が三次元画像をネイティブに生成する実施形態では、手術計画コンピューティングデバイス102は、取得された画像を変換する必要なく、単に撮像システム104からこれらの三次元画像を取得することができる。
【0073】
外科用プランニングコンピューティングデバイスによって取得又は生成され得る例示的な三次元解剖学的画像600は、
図6に二次元で示されている。例示的な三次元解剖学的画像600は、患者106の大腿骨602及び脛骨604を含む。
【0074】
図5Aを再び参照すると、ブロック510において、手術計画コンピューティングデバイス102は、三次元解剖学的画像内の患者の骨解剖学的構造上の1つ又は2つ以上の解剖学的ランドマークを識別する。これを行うために、手術計画コンピューティングデバイス102は、任意の好適な特徴検出アルゴリズムを利用して、三次元解剖学的画像内の所望の解剖学的ランドマークを識別し得る。上述のように、手術計画コンピューティングデバイス102によって識別される特定の解剖学的ランドマーク及びランドマークの数は、例えば、使用される整形外科用プロテーゼの特定の種類、外科医の好み、患者の既存の骨解剖学的構造、及び/又は他の基準を含む様々な基準に依存し得る。加えて、上述のようないくつかの実施形態では、整形外科医は、ブロック510において患者の骨解剖学的構造の1つ又は2つ以上の解剖学的ランドマークの識別を容易にするか又は補足するために、手術計画コンピューティングデバイス102に追加の入力を提供することができる。これを行うために、例えば、整形外科医は、手術計画コンピューティングデバイス102によって考慮される特定の解剖学的ランドマークを示す又は識別するために、三次元解剖学的画像に手動で注釈を付けることができる。例えば、整形外科医は、患者の脛骨内側プラトーの滞留点の、コンピュータに識別された位置を識別又は修正することができる。
【0075】
ブロック512において、手術計画コンピューティングデバイス102は、手術計画において使用される1つ又は2つ以上の位置決め基準を決定する。上述のように、使用される特定の位置決め基準は、整形外科手術手技において使用される整形外科用プロテーゼ、手術される患者の特定の骨、及び/又は他の考慮事項に基づいて、手術計画コンピューティングデバイス102によって決定され得る。手術計画コンピューティングデバイス102は、続いて、ブロック514において、整形外科医に対してディスプレイ122上に利用可能な整形外科用プロテーゼ位置決め基準を表示し、整形外科医は、1つ又は2つ以上の位置決め基準を選択することができる。このようにして、整形外科医は、異なる位置決め基準を選択することにより得られる手術計画(例えば、整形外科用プロテーゼの三次元モデルを含む更新された三次元解剖学的画像)を見直し、その特定の患者にとって最も望ましい手術計画を選択することができる。
【0076】
ブロック516において、手術計画コンピューティングデバイス102は、整形外科医が位置決め基準のうちの1つ又は2つ以上を選択したかどうかを判定する。そうである場合、方法500は、
図5Bのブロック518に進む。ブロック518において、手術計画コンピューティングデバイス102は、手術計画又はその一部分を生成する。これを行うために、ブロック520において、手術計画コンピューティングデバイス102は、選択された位置決め基準に基づいて、患者の骨解剖学的構造の三次元解剖学的画像内に整形外科用プロテーゼの三次元モデル(例えば、脛骨インサート200及び大腿骨コンポーネント300の三次元モデル)を位置付ける。例えば、ブロック522において、手術計画コンピューティングデバイス102は、位置決め基準を満たすように、ブロック510で識別された対応する解剖学的ランドマークに対して、整形外科用プロテーゼの三次元モデルの1つ又は2つ以上の特徴を位置合わせし得る。
【0077】
上述のように、位置決め基準は、患者の骨解剖学的構造の解剖学的ランドマークと、患者に移植される整形外科用プロテーゼの対応する特徴との特定の位置合わせを識別又は指示し得る。例えば、いくつかの実施形態では、位置決め基準は、脛骨インサート200の内側関節表面202の滞留点208が患者の脛骨の内側脛骨プラトーの滞留点に位置合わせされることを指示し得る。このように、ブロック524において、手術計画コンピューティングデバイス102は、脛骨インサート200の内側関節表面202の滞留点208を、患者の脛骨の内側脛骨プラトーの滞留点に位置合わせし得る。これを行うために、
図7及び
図8に示されるように、手術計画コンピューティングデバイス102は、患者の脛骨604の内側脛骨プラトー702の滞留点700を決定するように構成されている。患者の脛骨プラトーの滞留点は、一般に、患者の脛骨プラトーの軟骨の最も低い点又は最下点と相関する。当然のことながら、滞留「点」は、単一点ではなく、いくつかの実施形態では、一定領域の点又は点の集合として具体化され得ることを理解されたい。加えて、いくつかの実施形態では、患者の脛骨604の滞留点は、特定の屈曲度に依存してもよい。
【0078】
手術計画コンピューティングデバイス102が滞留点700を決定した後、手術計画コンピューティングデバイス102は、脛骨インサート200の三次元モデル800の内側関節表面202の滞留点208が、患者106の脛骨604の内側脛骨プラトー702の滞留点700に(例えば、合同して)位置合わせされるように、三次元解剖学的画像600(
図8を参照)内の脛骨インサート200の三次元モデル800を位置付ける。繰り返すが、脛骨インサート200の滞留点208は、一定領域の点若しくは点の集合として具体化されてもよく、かつ/又は特定の屈曲度に依存してもよいことを理解されたい。このような実施形態では、手術計画コンピューティングデバイス102は、滞留領域が位置合わせされるように、三次元モデル800を位置合わせし得る。
【0079】
図5Bを再び参照すると、手術計画コンピューティングデバイス102はまた、ブロック526において、大腿骨コンポーネント300を患者の内側上顆の回転中心(例えば、患者の大腿骨の上顆軸)に位置合わせする。そうするために、手術計画コンピューティングデバイス102は、1つ又は2つ以上の位置基準を利用して、そのような位置決めを近似し得る。例えば、位置基準は、大腿骨コンポーネント300の一定の曲率半径310の起点が、患者の大腿骨の内側上顆の解剖学的中心から基準量だけオフセットされることを指示し得る。このように、ブロック528において、手術計画コンピューティングデバイス102は、大腿骨コンポーネント300の一定の曲率半径310の中心又は原点を、患者の大腿骨の内側上顆の中心に位置合わせし得る(例えば、基準量だけオフセットし得る)。これを行うために、
図9に示されるように、手術計画コンピューティングデバイス102は、大腿骨602の内側上顆の解剖学的中心902を決定するように構成されている。続いて、
図10に示すように、手術計画コンピューティングデバイス102は、大腿骨コンポーネント300の三次元モデル100の一定の曲率半径310の起点1002が、解剖学的中心902からの基準距離1104となるように、三次元解剖学的画像600内の大腿骨コンポーネント300の三次元モデル100を位置付ける。
【0080】
図5Bを再び参照すると、位置基準は、一定の曲率半径310によって画定される大腿骨コンポーネント300の大腿骨関節表面が、患者の大腿骨の顆の後方関節表面に(例えば、合同して)位置合わせされることを、追加的に又は代替的に指示してもよい。このように、ブロック530において、手術計画コンピューティングデバイス102は、一定の曲率半径310によって画定される大腿骨コンポーネント300の内側顆の関節表面を、患者の大腿骨の内側顆の後方関節表面に(例えば、合同して)位置合わせし得る。これを行うために、
図11に示すように手術計画コンピューティングデバイス102は、一定の曲率半径310によって画定される大腿骨コンポーネント300の三次元モデル100の大腿骨関節表面が、患者106の大腿骨602の顆の後方関節表面1100に位置合わせされるように、三次元解剖学的画像600内の大腿骨コンポーネント300の三次元モデル1000を位置付けるように構成されている。
【0081】
図5Bを再び参照すると、位置基準は、一定の曲率半径310によって画定される大腿骨コンポーネント300の大腿骨関節表面が、患者の大腿骨の顆の前方関節表面に(例えば、合同して)位置合わせされることを、追加的に又は代替的に指示してもよい。このように、ブロック532において、手術計画コンピューティングデバイス102は、一定の曲率半径310によって画定される大腿骨コンポーネント300の内側顆の関節表面を、患者の大腿骨の内側顆の前方関節表面に(例えば、合同して)位置合わせし得る。これを行うために、
図12に示すように手術計画コンピューティングデバイス102は、一定の曲率半径310によって画定される大腿骨コンポーネント300の三次元モデル100の大腿骨関節表面が、患者106の大腿骨602の顆の前方関節表面1200に位置合わせされるように、三次元解剖学的画像600内の大腿骨コンポーネント300の三次元モデル100を位置付けるように構成されている。
【0082】
図5Bを再び参照すると、位置基準は、大腿骨コンポーネント300の膝蓋大腿面の関節表面が、患者の大腿骨の膝蓋大腿面に(例えば、合同して)位置合わせされることを、追加的に又は代替的に指示し得る。このように、ブロック534において、手術計画コンピューティングデバイス102は、一定の曲率半径310によって画定される大腿骨コンポーネント300の膝蓋大腿面の関節表面を、患者の大腿骨の膝蓋大腿面に(例えば、合同して)位置合わせし得る。これを行うために、
図13に示すように、手術計画コンピューティングデバイス102は、大腿骨コンポーネント300の三次元モデル100の膝蓋大腿面が、患者106の大腿骨602の膝蓋大腿面に位置合わせされるように、三次元解剖学的画像600内の大腿骨コンポーネント300の三次元モデル1000を位置付けるように構成されている。
【0083】
いくつかの実施形態では、上述のように、「外側浮遊」手技を使用して、整形外科手術中に大腿骨コンポーネント300の外側顆が浮遊することを可能にし、その後に位置付けてもよい。すなわち、大腿骨コンポーネント300の外側顆の最終的な位置決めは、人工関節の屈曲及び伸展運動に基づいて手術中に決定されてもよい。しかしながら、他の実施形態では、位置基準は、大腿骨コンポーネント300の外側顆の一定の曲率半径310の起点が、患者の大腿骨の外側上顆の解剖学的中心から基準量だけオフセットされることを追加的に指示し得る。このように、ブロック536において、手術計画コンピューティングデバイス102は、大腿骨コンポーネント300の外側顆の一定の曲率半径310の中心又は原点を、患者の大腿骨の外側上顆の中心に位置合わせし得る(例えば、基準量だけオフセットし得る)。これを行うために、
図14に示されるように、手術計画コンピューティングデバイス102は、大腿骨602の外側上顆の解剖学的中心1402を決定するように構成されている。続いて、
図15に示すように、手術計画コンピューティングデバイス102は、大腿骨コンポーネント300の三次元モデル100の外側顆の一定の曲率半径310の起点1502が、外側顆の解剖学的中心1402からの基準距離1504となるように、三次元解剖学的画像600内の大腿骨コンポーネント300の三次元モデル100を位置付ける。
【0084】
ここで
図5Bを再び参照すると、いくつかの実施形態では、手術計画コンピューティングデバイス102が、選択された位置決め基準に基づいて、三次元解剖学的画像内に整形外科用プロテーゼの三次元モデルを位置付けた後、方法500は、
図5Cのブロック538に進む。ブロック538において、手術計画コンピューティングデバイス102は、整形外科用プロテーゼの特徴が、ブロック520において決定された整形外科用プロテーゼの三次元モデルの位置と一致するように配置されるべき整形外科的座標(例えば、前方-後方座標及び内側-外側座標)を画定する位置決めデータを生成する。整形外科用プロテーゼの特定の特徴は、三次元解剖学的画像内に三次元モデルを位置付けるために使用される位置決め基準で識別された特徴と同じ特徴であってもよく、同じ特徴でなくてもよい。
【0085】
加えて、いくつかの実施形態では、手術計画コンピューティングデバイス102は、ブロック540において、自動外科用器具に対する命令を生成し得る。命令は、整形外科用プロテーゼ(例えば、脛骨インサート200及び/又は大腿骨コンポーネント300)を、生成された手術計画と一致する患者の解剖学的構造内に移植するための整形外科手術手技を実行するため、自動手術器具によって使用可能である。例えば、命令は、生成された手術計画と一致する脛骨インサート200及び/又は大腿骨コンポーネント300の移植に必要な骨切断を実行するための、整形外科手術用鋸に対する命令として具体化されてもよい。
【0086】
ブロック542において、手術計画コンピューティングデバイス102は、手術計画又はその一部分を整形外科医に提示する。例えば、ブロック544において、手術計画コンピューティングデバイス102は、ブロック518において決定された位置にある整形外科用プロテーゼの三次元モデルを含む、患者の骨解剖学的構造の更新された三次元解剖学的画像を表示し得る。加えて、いくつかの実施形態では、手術計画コンピューティングデバイス102は、ブロック538において決定された位置決めデータを表示し得る。
【0087】
図5Dのブロック548では、整形外科医は、更新された三次元解剖学的画像を見直して、そのような位置決めが許容可能であるかどうか、及び/又は追加の手術計画(例えば、代替的な位置決め)が望ましいかどうかを決定することができる。追加の手術計画が所望される場合、方法500は、
図5Aのブロック510に戻り、手術計画コンピューティングデバイス102は、三次元解剖学的画像内の患者の骨解剖学的構造の解剖学的ランドマークを再び識別する。方法500の後続の繰り返しでは、手術計画コンピューティングデバイス102は、後述のように整形外科医によって提供される追加情報、及び/又は代替の位置決め基準を利用して、整形外科用プロテーゼの代替の位置決めを含み得る代替の手術計画を生成し得る。
【0088】
しかしながら、追加の手術計画が所望されない場合、方法500はブロック590に進み、整形外科医は、選択された手術計画を使用して整形外科手術を実行する。これを行うために、整形外科医は、ブロック592において、手動手術器具及び生成された手術計画を使用して整形外科手術を実行することができる。例えば、整形外科医は、整形外科用プロテーゼの三次元モデルを含む更新された三次元画像を、実際の整形外科用プロテーゼを位置付けるためのガイドとして使用して、整形外科手術を実行することができる。追加的に又は代替的に、整形外科医は、実際の整形外科用プロテーゼを位置合わせするための測定値として、ブロック538で生成された位置決め日を利用してもよい。
【0089】
あるいは、ブロック594において、整形外科医は、ブロック594において、自動手術器具及び生成された手術計画を使用して整形外科手術を実行することができる。このような実施形態では、上述のように、手術計画コンピューティングデバイス102は、ブロック540において、自動手術器具に対する命令を生成してもよく、整形外科医は、整形外科手術手技を実行するための命令を備えた自動ツールを使用することができる。例えば、整形外科医は、実施される特定の骨切断を定義する命令を有する自動手術用鋸を利用することができる。当然のことながら、整形外科医は、いくつかの実施形態では、手動及び自動の手術用ツールの組み合わせを使用してもよいことを理解されたい。
【0090】
いくつかの実施形態では、ブロック596において、整形外科医は、整形外科手術手技の実行中に患者の骨解剖学的構造を追跡し、かつ/又は患者の骨解剖学的構造に注釈を付け、そのようなトレースデータを手術計画コンピューティングデバイス102に供給することができる。そのような実施形態では、手術計画コンピューティングデバイス102は、トレースデータを利用して、ブロック510の解剖学的ランドマーク識別の精度、ブロック512の整形外科的プロテーゼ位置決め基準の決定、及び/又はブロック520の整形外科用プロテーゼの三次元モデルの位置決めを改善し得る。
【0091】
ブロック590~596の機能は、手術計画コンピューティングデバイス102ではなく、整形外科医によって行われるが、これらの機能は、説明を明確にするために方法500に含まれていることを理解されたい。しかしながら、整形外科医が整形外科手術を完了した後、又はブロック590の実行中に随時、手術計画コンピューティングデバイス102は、ブロック550において手術計画を更新するかどうかを決定し得る。例えば、手術計画コンピューティングデバイス102は、ブロック590における整形外科手術の実行中、及び/又は整形外科医による選択に応答して、整形外科医から受信した情報(例えば、トレースデータ)に基づいて手術計画を更新することを決定し得る。そうである場合、方法500は、
図5Aのブロック510に戻り、手術計画コンピューティングデバイス102は、三次元解剖学的画像内の患者の骨解剖学的構造の解剖学的ランドマークを再び識別する。方法500の後続の繰り返しでは、手術計画コンピューティングデバイス102は、整形外科医によって提供される追加情報を利用して、更新された手術計画を生成し得る。このようにして、整形外科医は、生成された手術計画を、新たに取得した情報を用いて手術中に改善することができる。
【0092】
しかしながら、いくつかの実施形態では、更新された手術計画が所望されない場合、方法500はブロック552に進む。ブロック552において、手術計画コンピューティングデバイス102は、本手術計画から取得したデータ若しくは情報及び/又は本手術計画の性能を用いて、1つ又は2つ以上の手術計画アルゴリズムを更新する。例えば、いくつかの実施形態では、ブロック554において、手術計画コンピューティングデバイス102は、ブロック510で患者の骨解剖学的構造の解剖学的ランドマークを検出又は識別するために使用されるアルゴリズム(複数可)を更新し得る。これを行うために、手術計画コンピューティングデバイス102は、ブロック596で整形外科医から受信したトレーシングデータ、及び/又は整形外科医から受信した他のデータ(例えば、本識別の等級付け)を使用し得る。
【0093】
加えて、いくつかの実施形態では、ブロック556において、手術計画コンピューティングデバイス102は、患者の骨解剖学的構造の解剖学的ランドマークと整形外科用プロテーゼの対応する特徴との特定の位置合わせを識別する位置決め基準を更新し得る。これを行うために、手術計画コンピューティングデバイス102は、整形外科医によって手術中に実行される整形外科用プロテーゼの位置決めの調整など、整形外科医から受信した任意の情報で位置決め基準を更新し得る。
【0094】
加えて、いくつかの実施形態では、ブロック558において、手術計画コンピューティングデバイス102は、整形外科用プロテーゼの三次元モデルを患者の骨解剖学的構造の対応する解剖学的ランドマークに位置合わせするために使用される位置合わせアルゴリズムを更新し得る。これを行うために、手術計画コンピューティングデバイス102は、上述のように整形外科医によって手術中に実行される整形外科用プロテーゼの位置決めの調整など、整形外科医から受信した任意の情報で位置合わせアルゴリズムを更新し得る。
【0095】
このようにして、手術計画コンピューティングデバイス102によって生成される手術計画の精度は、整形外科医からのフィードバック及び/又は整形外科手術の実行中に収集されたデータに基づいて、経時的に改善され得る。手術計画コンピューティングデバイス102は、このようなフィードバック及び追加のデータに基づいて、手術計画の生成を更新及び改善するために、任意の好適な人工知能又は機械学習アルゴリズムを利用してもよい。
【0096】
手術計画コンピューティングデバイス102による手術計画の生成は、手術前に手術室の外で、及び/又は整形外科手術の実行中に、及び/又は手術室内で実行され得ることを更に理解されたい。例えば、上述したように、手術計画コンピューティングデバイス102は、整形外科医からのフィードバック及び/又は整形外科手術の実行中に取得した追加情報に基づいて、手術計画を手術中に更新し得る。
【0097】
図面及び上記の説明において本開示を詳細に例証及び説明してきたが、このような例証及び説明は、その性質上、あくまで例示的なものであって限定的なものとは見なすべきではなく、あくまで例示的な実施形態を示して説明してきたにすぎず、本開示の趣旨に含まれるすべての変更及び改変は保護されることが望ましいことが理解される。
【0098】
本開示は、本明細書において説明される方法、装置、及びシステムの様々な特徴に基づく複数の利点を有するものである。本開示の方法、装置、及びシステムの代替的実施形態は、説明される特徴のすべてを含むわけではないが、依然として、こうした特徴の利点のうちの少なくとも一部から利益を享受するものであることに留意されよう。当業者であれば、本発明の特徴のうちの1つ又は2つ以上を組み込む、添付の「特許請求の範囲」において定義される本開示の趣旨及び範囲に包含される方法、装置、及びシステムを独自に容易に実施することが可能である。
【0099】
〔実施の態様〕
(1) 整形外科手術手技のための手術計画を生成するための手術計画コンピューティングシステムであって、前記手術計画コンピューティングシステムは、
1つ又は2つ以上のプロセッサと、
複数の命令が内部に格納されたメモリであって、前記命令は、実行に応答して、前記手術計画コンピューティングシステムに、
患者の骨解剖学的構造の三次元解剖学的画像内にキャプチャされた前記患者の脛骨の内側脛骨プラトーの滞留点を識別することと、
前記三次元解剖学的画像内にキャプチャされた患者の大腿骨の内側顆の回転中心を識別することと、
前記整形外科手術手技で使用される内側枢動整形外科用プロテーゼの位置決め基準を決定することであって、前記内側枢動整形外科用プロテーゼは、脛骨インサート及び大腿骨コンポーネントを含み、前記位置決め基準は、(i)前記脛骨インサートの前記内側関節表面の前記滞留点と前記患者の脛骨の前記内側脛骨プラトーの前記滞留点との間の位置合わせ、及び(ii)前記患者の大腿骨の前記内側顆の前記回転中心に基づいた、前記大腿骨コンポーネントの内側顆の特徴の位置合わせを識別する、ことと、
前記位置決め基準に基づいて、前記三次元解剖学的画像内に前記脛骨インサート及び前記大腿骨コンポーネントの三次元モデルを位置付けて、前記整形外科用プロテーゼの前記三次元モデルを含む更新された三次元解剖学的画像を生成することと、
前記更新された三次元解剖学的画像を表示することと、を行わせる、メモリと、を備える、手術計画コンピューティングシステム。
(2) 前記位置決め基準に基づいて前記三次元解剖学的画像内に前記脛骨インサートの前記三次元モデルを位置付けることは、前記脛骨インサートの前記内側関節表面の前記滞留点が、前記三次元解剖学的画像に含まれる前記患者の脛骨の前記内側脛骨プラトーの前記滞留点に位置合わせされるように、前記三次元解剖学的画像内に前記脛骨インサートの前記三次元モデルを位置付けることを含む、実施態様1に記載の手術計画コンピューティングシステム。
(3) 前記位置決め基準に基づいて前記三次元解剖学的画像内に前記大腿骨コンポーネントの前記三次元モデルを位置付けることは、前記大腿骨コンポーネントの前記内側顆の関節表面を画定する一定の曲率半径の中心が、前記三次元解剖学的画像に含まれる前記患者の大腿骨の前記内側上顆の解剖学的中心から基準量だけオフセットされるように、前記三次元解剖学的画像内に前記大腿骨コンポーネントの前記三次元モデルを位置付けることを含む、実施態様2に記載の手術計画コンピューティングシステム。
(4) 前記位置決め基準に基づいて前記三次元解剖学的画像内に前記大腿骨コンポーネントの前記三次元モデルを位置付けることは、一定の曲率半径によって画定される前記大腿骨コンポーネントの前記内側顆の関節表面が、前記三次元解剖学的画像に含まれる前記患者の大腿骨の前記内側顆の後方関節表面に位置合わせされるように、前記三次元解剖学的画像内に前記大腿骨コンポーネントの前記三次元モデルを位置付けることを含む、実施態様2に記載の手術計画コンピューティングシステム。
(5) 前記位置決め基準に基づいて前記三次元解剖学的画像内に前記大腿骨コンポーネントの前記三次元モデルを位置付けることは、一定の曲率半径によって画定される前記大腿骨コンポーネントの前記内側顆の関節表面が、前記三次元解剖学的画像に含まれる前記患者の大腿骨の前記内側顆の前方関節表面に位置合わせされるように、前記三次元解剖学的画像内に前記大腿骨コンポーネントの前記三次元モデルを位置付けることを含む、実施態様2に記載の手術計画コンピューティングシステム。
【0100】
(6) 前記位置決め基準に基づいて前記三次元解剖学的画像内に前記大腿骨コンポーネントの前記三次元モデルを位置付けることは、前記大腿骨コンポーネントの膝蓋大腿面の関節表面が、前記三次元解剖学的画像に含まれる前記患者の大腿骨の膝蓋大腿面に位置合わせされるように、前記三次元解剖学的画像内に前記大腿骨コンポーネントの前記三次元モデルを位置付けることを含む、実施態様2に記載の手術計画コンピューティングシステム。
(7) 前記位置決め基準に基づいて前記三次元解剖学的画像内に前記大腿骨コンポーネントの前記三次元モデルを位置付けることは、前記大腿骨コンポーネントの外側顆の関節表面を画定する一定の曲率半径の中心が、前記三次元解剖学的画像に含まれる前記患者の大腿骨の前記外側上顆の解剖学的中心から基準量だけオフセットされるように、前記三次元解剖学的画像内に前記大腿骨コンポーネントの前記三次元モデルを位置付けることを含む、実施態様2に記載の手術計画コンピューティングシステム。
(8) 前記複数の命令は、実行に応答して、前記コンピューティングシステムに更に、前記整形外科用プロテーゼの前記特徴が前記患者の解剖学的構造の骨上に位置するべき整形外科的座標を画定する位置決めデータを生成させる、実施態様1に記載の手術計画コンピューティングシステム。
(9) 患者の整形外科手術を実行するための方法であって、前記方法は、
前記整形外科手術中に内側枢動整形外科用プロテーゼが移植される患者の骨解剖学的構造の三次元解剖学的画像を取得することであって、前記三次元解剖学的画像は、前記患者の脛骨及び対応する大腿骨の三次元画像を含む、ことと、
手術計画コンピューティングシステムを動作させることであって、(i)前記三次元解剖学的画像内の前記患者の脛骨の内側脛骨プラトーの滞留点を識別することと、(ii)前記三次元解剖学的画像内の前記患者の大腿骨の内側顆の回転中心を識別することと、(iii)前記内側枢動整形外科用プロテーゼの位置決め基準を決定することであって、前記内側枢動整形外科用プロテーゼは、脛骨インサート及び大腿骨コンポーネントを含み、前記位置決め基準は、(a)前記脛骨インサートの前記内側関節表面の前記滞留点と前記患者の脛骨の前記内側脛骨プラトーの前記滞留点との間の位置合わせ、及び(b)前記患者の大腿骨の前記内側顆の前記回転中心に基づいた前記大腿骨コンポーネントの内側顆の特徴の位置合わせを識別する、ことと、(iv)前記位置決め基準に基づいて前記三次元解剖学的画像内に前記脛骨インサート及び前記大腿骨コンポーネントの三次元モデルを位置付けて、前記整形外科用プロテーゼの前記三次元モデルを含む更新された三次元解剖学的画像を生成することと、を行うように、動作させることと、
前記整形外科手術のための手術計画として、前記更新された三次元解剖学的画像を使用して、前記整形外科用プロテーゼを前記患者の骨に移植するための前記整形外科手術を実行することと、を含む、方法。
(10) 前記位置決め基準に基づいて前記三次元解剖学的画像内に前記脛骨インサートの前記三次元モデルを位置付けることは、前記脛骨インサートの前記内側関節表面の前記滞留点が、前記三次元解剖学的画像に含まれる前記患者の脛骨の前記内側脛骨プラトーの前記滞留点に位置合わせされるように、前記三次元解剖学的画像内に前記脛骨インサートの前記三次元モデルを位置付けることを含む、実施態様1に記載の方法。
【0101】
(11) 前記位置決め基準に基づいて前記三次元解剖学的画像内に前記大腿骨コンポーネントの前記三次元モデルを位置付けることは、前記大腿骨コンポーネントの前記内側顆の関節表面を画定する一定の曲率半径の中心が、前記三次元解剖学的画像に含まれる前記患者の大腿骨の前記内側上顆の解剖学的中心から基準量だけオフセットされるように、前記三次元解剖学的画像内に前記大腿骨コンポーネントの前記三次元モデルを位置付けることを含む、実施態様10に記載の方法。
(12) 前記位置決め基準に基づいて前記三次元解剖学的画像内に前記大腿骨コンポーネントの前記三次元モデルを位置付けることは、一定の曲率半径によって画定される前記大腿骨コンポーネントの前記内側顆の関節表面が、前記三次元解剖学的画像に含まれる前記患者の大腿骨の前記内側顆の後方関節表面に位置合わせされるように、前記三次元解剖学的画像内に前記大腿骨コンポーネントの前記三次元モデルを位置付けることを含む、実施態様10に記載の方法。
(13) 前記位置決め基準に基づいて前記三次元解剖学的画像内に前記大腿骨コンポーネントの前記三次元モデルを位置付けることは、一定の曲率半径によって画定される前記大腿骨コンポーネントの前記内側顆の関節表面が、前記三次元解剖学的画像に含まれる前記患者の大腿骨の前記内側顆の前方関節表面に位置合わせされるように、前記三次元解剖学的画像内に前記大腿骨コンポーネントの前記三次元モデルを位置付けることを含む、実施態様10に記載の方法。
(14) 前記位置決め基準に基づいて前記三次元解剖学的画像内に前記大腿骨コンポーネントの前記三次元モデルを位置付けることは、前記大腿骨コンポーネントの膝蓋大腿面の関節表面が、前記三次元解剖学的画像に含まれる前記患者の大腿骨の膝蓋大腿面に位置合わせされるように、前記三次元解剖学的画像内に前記大腿骨コンポーネントの前記三次元モデルを位置付けることを含む、実施態様10に記載の方法。
(15) 前記位置決め基準に基づいて前記三次元解剖学的画像内に前記大腿骨コンポーネントの三次元モデルを位置付けることは、前記大腿骨コンポーネントの外側顆の関節表面を画定する一定の曲率半径の中心が、前記三次元解剖学的画像に含まれる前記患者の大腿骨の前記外側上顆の解剖学的中心から基準量だけオフセットされるように、前記三次元解剖学的画像内に前記大腿骨コンポーネントの前記三次元モデルを位置付けることを含む、実施態様10に記載の方法。
【0102】
(16) 格納された複数の命令を含む、1つ又は2つ以上の非一時的機械可読記憶媒体であって、前記複数の命令は、コンピューティングシステムによる実行に応答して、前記コンピューティングシステムに、
患者の骨解剖学的構造の三次元解剖学的画像内にキャプチャされた前記患者の脛骨の内側脛骨プラトーの滞留点を識別することと、
前記三次元解剖学的画像内にキャプチャされた患者の大腿骨の内側顆の回転中心を識別することと、
前記整形外科手術手技で使用される内側枢動整形外科用プロテーゼの位置決め基準を決定することであって、前記内側枢動整形外科用プロテーゼは、脛骨インサート及び大腿骨コンポーネントを含み、前記位置決め基準は、(i)前記脛骨インサートの前記内側関節表面の前記滞留点と前記患者の脛骨の前記内側脛骨プラトーの前記滞留点との間の位置合わせ、及び(ii)前記患者の大腿骨の前記内側顆の前記回転中心に基づいた、前記大腿骨コンポーネントの内側顆の特徴の位置合わせを識別する、ことと、
前記位置決め基準に基づいて、前記三次元解剖学的画像内に前記脛骨インサート及び前記大腿骨コンポーネントの三次元モデルを位置付けて、前記整形外科用プロテーゼの前記三次元モデルを含む更新された三次元解剖学的画像を生成することと、
前記更新された三次元解剖学的画像を表示することと、を行わせる、1つ又は2つ以上の非一時的機械可読記憶媒体。
(17) 前記位置決め基準に基づいて前記三次元解剖学的画像内に前記脛骨インサートの前記三次元モデルを位置付けることは、前記脛骨インサートの前記内側関節表面の前記滞留点が、前記三次元解剖学的画像に含まれる前記患者の脛骨の前記内側脛骨プラトーの前記滞留点に位置合わせされるように、前記三次元解剖学的画像内に前記脛骨インサートの前記三次元モデルを位置付けることを含む、実施態様16に記載の1つ又は2つ以上の非一時的機械可読記憶媒体。
(18) 前記位置決め基準に基づいて前記三次元解剖学的画像内に前記大腿骨コンポーネントの前記三次元モデルを位置付けることは、前記大腿骨コンポーネントの前記内側顆の関節表面を画定する一定の曲率半径の中心が、前記三次元解剖学的画像に含まれる前記患者の大腿骨の前記内側上顆の解剖学的中心から基準量だけオフセットされるように、前記三次元解剖学的画像内に前記大腿骨コンポーネントの前記三次元モデルを位置付けることを含む、実施態様17に記載の手術計画コンピューティングシステム。
(19) 前記位置決め基準に基づいて前記三次元解剖学的画像内に前記大腿骨コンポーネントの前記三次元モデルを位置付けることは、一定の曲率半径によって画定される前記大腿骨コンポーネントの前記内側顆の関節表面が、前記三次元解剖学的画像に含まれる前記患者の大腿骨の前記内側顆の後方関節表面に位置合わせされるように、前記三次元解剖学的画像内に前記大腿骨コンポーネントの前記三次元モデルを位置付けることを含む、実施態様17に記載の手術計画コンピューティングシステム。
(20) 前記位置決め基準に基づいて前記三次元解剖学的画像内に前記大腿骨コンポーネントの前記三次元モデルを位置付けることは、一定の曲率半径によって画定される前記大腿骨コンポーネントの前記内側顆の関節表面が、前記三次元解剖学的画像に含まれる前記患者の大腿骨の前記内側顆の前方関節表面に位置合わせされるように、前記三次元解剖学的画像内に前記大腿骨コンポーネントの前記三次元モデルを位置付けることを含む、実施態様17に記載の手術計画コンピューティングシステム。