(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-12
(45)【発行日】2024-07-23
(54)【発明の名称】患者移送デバイス
(51)【国際特許分類】
A61G 7/10 20060101AFI20240716BHJP
A61G 1/02 20060101ALI20240716BHJP
A61G 5/04 20130101ALI20240716BHJP
【FI】
A61G7/10
A61G1/02
A61G5/04 710
(21)【出願番号】P 2021576922
(86)(22)【出願日】2020-07-02
(86)【国際出願番号】 SE2020050702
(87)【国際公開番号】W WO2021006799
(87)【国際公開日】2021-01-14
【審査請求日】2023-05-16
(32)【優先日】2019-07-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(73)【特許権者】
【識別番号】521562924
【氏名又は名称】ニョルド インターナショナル エービー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】キャグナー,バルブロ
(72)【発明者】
【氏名】アーンズタイン,ジェイコブ
(72)【発明者】
【氏名】サンストロム,ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】ジョンソン,ルーカス
【審査官】瀧本 絢奈
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2006/0090258(US,A1)
【文献】中国実用新案第206886407(CN,U)
【文献】特表平11-512322(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61G 7/00-7/16
A61G 5/04
A61G 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
可動シート上に乗っている患者を第1の表面から受容表面へ移送するための患者移送デバイス(1)であって、
ボビン(8)及び格納可能ワイヤ(9)を含
む、横方向に離隔した
第1及び第2の引っ張り部材(7)と、
少なくとも1つのモータ(3)であって、前記モータ(3)による前記ワイヤ(9)の格納を可能とするように前記引っ張り部材(7)の前記ボビン(8)に動作可能にかつ機械的に接続された、モータ(3)と、
シート保持機構(10)であって、前記引っ張り部材(7)の前記ワイヤ(9)に接続されているか又は接続可能であり、前記シートを前記シート保持機構に取り付けて保持するように構成された、シート保持機構(10)と、を備え、
前記患者移送デバイス及び前記第1の表面を前記受容表面の両側に配置し、前記ワイヤ(9)を同時に格納することで、前記第1の表面から前記受容表面へ前記シートを引っ張り、それによって前記患者も引っ張ることにより前記患者の移送を可能とする、患者移送デバイス(1)において、
前記ワイヤ(9)の周りに着脱可能に配置された吸収性部材(15)
と、
前記吸収性部材(15)を保持するように適合された挿入部(19)と、
前記患者移送デバイス(1)上に配置されたパッド(11)と、を備え、
前記パッド(11)は、前記受容表面のフレームに接触するように適合され、
前記パッド(11)は、前記吸収性部材(15)及び/又は前記挿入部(19)を保持するように適合された孔(21)を備える、患者移送デバイス(1)。
【請求項2】
前記吸収性部材(15)が、円筒形で縦に長く、更に、前記ワイヤ(9)を除去することなく前記吸収性部材(15)を交換できるように前記吸収性部材(15)の外面(16)から中心(17)まで延出するスリット(18)が設けられてい
る、請求項1に記載の患者移送デバイス。
【請求項3】
前記挿入部(19)が、前記挿入部を前記患者移送デバイス(1)に取り付けるように適合された取り付け手段を備え
る、請求項
1又は2に記載の患者移送デバイス。
【請求項4】
前記取り付け手段が、ねじ山を含
む、請求項
3に記載の患者移送デバイス。
【請求項5】
前記取り付け手段が、バヨネットを含
む、請求項
3に記載の患者移送デバイス。
【請求項6】
前記ワイヤを除去することなく前記挿入部(19)を交換できるように、前記挿入部(19)にスリット(20)が設けられてい
る、請求項
1から5の何れか一項に記載の患者移送デバイス。
【請求項7】
前記ワイヤ(9)と共に前記ボビン(8)が前記患者移送デバイス(1)から着脱可能であ
る、請求項1から
6の何れか一項に記載の患者移送デバイス。
【請求項8】
前記ワイヤ(9)を除去することなく前記パッド(11)を交換できるように、前記パッド(11)にスリット(14)が設けられてい
る、請求項
1から7の何れか一項に記載の患者移送デバイス。
【請求項9】
前記ボビン(8)が、前記モータ(3)の両側に搭載できるように対称的であ
る、請求項1から
8の何れか一項に記載の患者移送デバイス。
【請求項10】
前記患者移送デバイス(1)が、前記ボビン(8)及び前記モータ(3)を覆うように配置された外部ケーシング(4)を備え
る、請求項1から
9の何れか一項に記載の患者移送デバイス。
【請求項11】
前記患者移送デバイス(1)が、前記モータ(3)を覆うように配置された内部ケーシングを備え
る、請求項
10に記載の患者移送デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1の表面から受容表面へ患者を移送するように適合された患者移送デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
病院、介護施設、及びその他の場所において、患者を1つのベッドから隣接するベッド又は手術台へ運ぶ等、1つの表面から隣接する表面へ運ぶことが必要となるいくつかの状況がある。この手順は、手作業で行われ、数人の看護師又は他の専門家の協力を必要とするか、又は患者移送デバイスによって行われる可能性がある。1つの表面から別の表面へ患者を移動させるように構成された患者移送デバイスは、一般的に知られている。
【0003】
具体的には、第1の病院ベッドの可動シート上に乗っている患者を第2の受容病院ベッドへ移送するための患者移送デバイスは、US2006090258号により知られている。この患者移送デバイスは、ベースと、ベースに取り付けられたモータと、モータによって格納できるように接続されている2つのストラップと、シートに着脱可能に取り付けられるクランプアセンブリと、を備えている。このため、患者移送デバイスは、第1の病院ベッドとは反対側の受容病院ベッドの一方側に配置し、患者が横たわっているシートに接続することができる。次いでクランプアセンブリを、モータ及び2つのストラップと関連付けて用いて、患者が横たわっているシートを第1のベッドから第2の受容ベッドへ引っ張ることができる。
【0004】
しかしながら、こういったデバイスの多くの使用は、多くの人手を必要とするステップ、時間のかかるステップ、及び/又は、人間工学的に難しいステップを伴う。従って、改良された患者移送デバイスが必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、本発明の目的は、定期的な清掃が簡略化される改良された患者移送デバイスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による問題の解決策は、請求項1の特徴部分に記載されている。他の請求項には、患者移送デバイスの有利な実施形態及び更なる開発が含まれる。
【0007】
可動シート上に乗っている患者を第1の表面から受容表面へ移送するための患者移送デバイスであって、ボビン及び格納可能ワイヤを含む第1及び第2の横方向に離隔した引っ張り部材と、少なくとも1つのモータであってこのモータによるワイヤの格納を可能とするように引っ張り部材のボビンに動作可能にかつ機械的に接続されたモータと、シート保持機構であって引っ張り部材のワイヤに接続されているか又は接続可能でありシートをシート保持機構に取り付けて保持するように構成されたシート保持機構と、を備え、患者移送デバイス及び第1の表面を受容表面の両側に配置し、ワイヤを同時に格納することで、第1の表面から受容表面へシートを引っ張り、それによって患者も引っ張ることにより患者の移送を可能とする患者移送デバイスにおいて、本発明の目的は、患者移送デバイスがワイヤの周りに着脱可能に配置された吸収性部材を備える点において達成される。
【0008】
本発明に従った患者移送デバイスのこの第1の実施形態によって、連続的に清掃することができる患者移送デバイスが提供される。引っ張られるワイヤの周りに吸収性部材を配置することにより、吸収性部材は、ワイヤが患者移送デバイスから引っ張り出されるか又は患者移送デバイス内へ格納されるたびにワイヤを清掃する洗浄液を保持することができる。ワイヤ上に汚染物質が残っていないことを確実にするため、ワイヤを双方向で洗浄することが重要である。そうでなければ、汚染物質はワイヤが巻かれているボビンを汚染し、これが別の患者へ移動する可能性がある。
【0009】
吸収性部材は、ワイヤに対する接触面が大きくなるように、円形で縦に長いことが好ましい。吸収性部材は、予め規定されたときに手作業で濡らすか、又は、予め規定された間隔で吸収性部材に指定量の洗浄液を与える自動濡れ機構を備えることができる。
【0010】
吸収性部材は、一例において、吸収性部材の外面から吸収性部材の中心まで延出するスリットが設けられている。スリットによって、ワイヤを取り外す必要なく、吸収性部材を容易に除去することができる。吸収性部材はワイヤとの滑り接触によって摩耗するので、このようにして新しい吸収性部材への容易な交換を可能とする。
【0011】
吸収性部材は、挿入部によって患者移送デバイス内に保持することができる。挿入部は、吸収性部材を取り囲む管状ホルダである。吸収性部材及び/又は挿入部は、好ましくは患者移送デバイスのパッド内に配置されている。パッドは、受容表面のフレームに接触する(bear on)ように適合され、多少弾性とすることができる。挿入部は、洗浄液がパッドに漏れるのを防止する。好ましくは、パッド内の適正位置に吸収性部材をしっかり保持できるように、挿入部には、ねじ山又はバヨネット(bayonet)を含む取り付け手段が設けられている。また、挿入部が摩耗したら容易に交換できるように、挿入部にスリットを設けることができる。
【0012】
挿入部及び/又は吸収性部材は、好ましくはパッドの孔に配置される。このようにして、吸収性部材はパッド内の適正位置にしっかり保持され、吸収性部材によってワイヤ全体が清掃されるように吸収性部材がワイヤを取り囲むことが保証される。また、パッドには、ワイヤが貫通できるスリットを設けることができる。このため、ワイヤを孔に通す必要なく、ワイヤを患者移送デバイスから容易に除去することができる。
【0013】
ワイヤを保持しているボビンも着脱可能とすることができる。これによって、例えば必要な場合に消毒するため、ワイヤと共にボビンを除去することが可能となる。一例において、吸収性部材はワイヤを清掃するため洗浄液に毎日浸され、ボビンとワイヤは追加の洗浄プロセスのため1週間に1度除去される。ボビンは、患者移送デバイスのモータの両側で使用できるように、好ましくは対称的である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
添付図面に示されている実施形態を参照して、以下で本発明を更に詳しく記載する。
【0015】
【
図2】本発明に従った患者移送デバイスの詳細を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に記載される本発明の実施形態は、更なる開発と共に、単なる例示として見なされるべきであり、特許請求の範囲によって与えられる保護範囲を全く限定するものではない。
【0017】
図1は、受容表面の隣に配置された本発明による患者移送デバイスの図を示し、
図2は、患者移送デバイスの詳細を示す。
【0018】
患者移送デバイス1は、図示されている例において、モータ3が取り付けられたフレーム2を備えている。
図1に示されているフレーム2は、床のような水平表面上に置かれるよう構成され、この表面上で患者移送デバイス1を移動させるための車輪5が設けられている。フレーム2は外部ケーシング4を含む。外部ケーシング4は、モータ3及びワイヤボビン8を覆って、例えば、ほこりや、この患者移送デバイス1を用いて移送される患者の体液との接触によって生じる汚染から、モータ3及びワイヤボビン8を保護する。
【0019】
患者移送デバイス1は更に、モータ3のみを覆ってワイヤボビン8は覆わないように配置された内部ケーシングも含むことができる。これにより、ユーザは、モータに接触したり汚染したりするリスクなしにワイヤボビンを交換又は清掃するため外部ケーシングを除去することができる。ワイヤボビンを清掃又は交換する場合、外部ケーシングは完全に除去するか、又は、ヒンジを用いてフレーム2に取り付けることで、内部ケーシングから離れる方へ外部ケーシングを傾けることができる。パッド11は、着脱可能に外部ケーシングに取り付けて、外部ケーシングを傾けるか又は除去する前に外部ケーシングから除去することができる。
【0020】
患者移送デバイス1は、モータ3及びこれを覆っている外部ケーシング4の位置を垂直方向に調整するための手段を備えている。これは例えば、モータ3及び外部ケーシング4をフレーム2の垂直トラック6又は溝に沿って移動させるよう配置された電気モータ(図示せず)とすればよい。これにより、受容表面23の高さが変動する可能性のある特定の状況において、患者移送デバイス1の使用が簡略化される。
【0021】
モータ3は、患者を第1の表面から受容表面23へ引っ張る場合に用いられる2つの横方向に離隔した格納可能引っ張り部材7に結合されている。引っ張り部材は、ボビン8及びこのボビンに巻かれたワイヤ9を備えている。ボビン8はモータ3に機械的に接続され、これは、モータに対する直接的な接続であるか、又はモータによって駆動されるシャフトに対する接続である。ボビン8に接続されていない2本のワイヤ9の端部は、ワイヤ9の各端部間に延出する細長いビーム(elongated beam)の形状であるシート保持機構10に取り付けられている。
【0022】
シート保持機構10は第1の細長い部材を含み、これは第2の細長い部材に解放可能に接続され、第2の細長い部材は上述したようにワイヤ9の2つの端部に固定して取り付けられている。シート保持機構10の第1の細長い部材には、2本のワイヤ9が取り付けられた第2の細長い部材に対して第1の細長い部材を解放可能に接続するための接続部材が設けられている。細長いシート保持機構10はビーム形状であり、従って、患者が横たわっているシートを引っ張ることによる負荷を双方のワイヤ9に分散させることができる。
図1に示されているシート保持機構10は、2つの突出部材25及び2つのループ要素26を有し、ループ要素26の各々には、これらの間の適正位置にシートを保持するために突出部材25が少なくとも部分的に挿入され得る開口が設けられている。シート保持機構10の突出部材25は、図示されている例ではキノコ形状であり、第1の突出幅のヘッド部と、ヘッド部よりも小さい第2の幅のネック部と、を有する。ネック部はヘッド部よりも細長い部材の近くに位置している。ループ要素の開口は鍵穴形状であり、第1の開口幅の第1の部分と、これよりも小さい第2の幅の第2の部分と、を有する。このため、突出部材25のヘッド部を開口の第1の部分に挿入し、次いで開口の第2の部分へ移動させることで、突出部材25のヘッド部の幅によって突出部材が開口の第2の部分から抜けることを防止できる。これにより、突出部材25とループ要素26の開口との間にシートを配置した後に突出部材25を開口に挿入することによって、シートをシート保持機構10に取り付けることができる。このように、シート保持機構によってシートはしっかり保持される。シート保持機構10は、患者移送デバイス1のフレーム2の内部に配置されたモータ3によって格納することができる。
【0023】
図2は患者移送デバイス1の詳細を示す。この図では、パッド11、ボビン8、ワイヤ9、吸収性部材15、及び挿入部19が示されている。パッド11は、例えば受容表面が位置決めされたベッドのフレームに接触するよう適合された支持表面(bearing surface)12を含む。パッドは多少弾性とすることができる。患者移送デバイスは、図示されている例では2つの別個のパッド11を備えているが、より長い1つのパッドを用いてもよい。パッド11は、挿入部19内に配置された吸収性部材15を保持するよう適合された孔13を備えている。好ましくは、孔13には、ねじ山又はバヨネットを含む取り付け手段が設けられ、これに挿入部の対応する取り付け手段が接続することで、パッド内の適正位置に吸収性部材をしっかり保持できるようになっている。また、パッドは、ワイヤを通すことができるスリット14も含んで、ワイヤを孔に通す必要なくパッドを外部ケーシングから除去することを可能とする。これにより、外部ケーシングからのパッドの除去が簡略化される。
【0024】
ワイヤの周りに吸収性部材を配置することにより、吸収性部材は、ワイヤがワイヤボビンから引っ張り出されるか又はワイヤボビン上へ巻き戻されるたびにワイヤを清掃する洗浄液を保持することができる。ワイヤ上に汚染物質が残っていないことを確実にするため、ワイヤを双方向で洗浄することが重要である。そうでなければ、汚染物質はワイヤが巻かれているボビンを汚染し、これが再びワイヤへ移動する可能性がある。
【0025】
吸収性部材15は、ワイヤに対する接触面が比較的長くなるように、円形で縦に長いことが好ましい。吸収性部材は、例えば1日に1度のような予め規定されたときに手作業で濡らすか、又は予め規定された間隔で吸収性部材に指定量の洗浄液を与える自動濡れ機構を備えることができる。吸収性部材は、発砲材料又は織物材料で作製することができ、洗浄液を保持すると共に、ワイヤが吸収性部材を通り抜ける際に洗浄液をワイヤに分配するよう適合されている。また、吸収性部材は、吸収性部材の耐摩耗性を増大させるため、ワイヤに近い方の剛性が高い材料及びこの剛性材料の周りに設けられた吸収性が高い材料という2つの異なる材料で作製してもよい。
【0026】
吸収性部材は、一例において、吸収性部材の外面から吸収性部材の中心まで延出するスリットが設けられている。スリットによって、ワイヤを取り外す必要なく、吸収性部材を容易に除去することができる。吸収性部材はワイヤとの滑り接触によって摩耗するので、このようにして新しい吸収性部材への容易な交換を可能とする。また、吸収性部材は、共に吸収性部材を形成する2つの半円形部分を含んでもよい。
【0027】
吸収性部材は様々な方法でパッド内に配置することができる。図示されている例では、吸収性部材は挿入部19によってパッド内に保持される。図示されている例では、挿入部は、閉口端を備えた管状ホルダである。挿入部は吸収性部材を取り囲み、閉口端においてワイヤが通り抜ける孔21が設けられている。挿入部は、ワイヤが吸収性部材を通り抜ける際にワイヤによって吸収性部材が変位しないよう吸収性部材を適正位置に保持する。また、挿入部は洗浄液がパッドに漏れるのを防止する。好ましくは、パッド内の適正位置に吸収性部材をしっかり保持できるように、挿入部には、ねじ山又はバヨネットを含む取り付け手段が設けられている。また、挿入部が摩耗したら容易に交換できるように、挿入部にスリット20を設けることができる。図示されている例では、吸収性部材15はワイヤ9と平行に配置されている。パッドの上部から延出する孔内に吸収性部材を位置決めするように、吸収性部材をワイヤに対して垂直に配置することも可能である。
【0028】
ワイヤ9を保持しているボビン8も着脱可能であることが好ましい。これによって、例えば必要な場合に消毒するため、ワイヤと共にボビンをモータ3の軸部材22から除去することが可能となる。一例において、吸収性部材はワイヤを清掃するため洗浄液に毎日浸され、ボビンとワイヤは追加の洗浄プロセスのため1週間に1度除去される。ボビンは、患者移送デバイスのモータの両側で使用できるように、好ましくは対称的である。
【0029】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものとは見なされず、後述の特許請求項の範囲内で多数の追加の変形及び変更が可能である。患者移送デバイスは任意のサイズを有することができ、任意の適切な材料から作製することができる。
【符号の説明】
【0030】
1:患者移送デバイス
2:フレーム
3:モータ
4:ケーシング
5:車輪
6:垂直トラック
7:引っ張り部材
8:ボビン
9:ワイヤ
10:シート保持機構
11:パッド
12:支持表面
13:孔
14:スリット
15:吸収性部材
16:外面
17:吸収性部材の中心
18:スリット
19:挿入部
20:スリット
21:孔
22:軸部材
23:受容表面
24:フレーム
25:突出部材
26:ループ要素