(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-12
(45)【発行日】2024-07-23
(54)【発明の名称】半導体構造及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/8234 20060101AFI20240716BHJP
H01L 27/088 20060101ALI20240716BHJP
【FI】
H01L27/088 C
(21)【出願番号】P 2022202345
(22)【出願日】2022-12-19
【審査請求日】2022-12-19
(31)【優先権主張番号】202111623111.4
(32)【優先日】2021-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】599039843
【氏名又は名称】聯華電子股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】王 家麟
(72)【発明者】
【氏名】江 品宏
(72)【発明者】
【氏名】▲黄▼ 偉倫
(72)【発明者】
【氏名】呂 佳紋
(72)【発明者】
【氏名】邱 達偉
【審査官】岩本 勉
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-122773(JP,A)
【文献】特開2003-060025(JP,A)
【文献】特開2002-280446(JP,A)
【文献】特開2012-028562(JP,A)
【文献】米国特許第06566207(US,B2)
【文献】米国特許第09972678(US,B2)
【文献】韓国公開特許第10-2003-0011999(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 27/088
H01L 21/8234
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体構造であって、
当該半導体構造は、
第1のデバイス領域、及び該第1のデバイス領域に近接する第2のデバイス領域を含む基板と、
前記基板内の、前記第1のデバイス領域と前記第2のデバイス領域との間
に連続して延びるトレンチ分離構造と、を含み、
前記トレンチ分離構造は、前記第1のデバイス領域内の第1の底面と、前記第2のデバイス領域内の第2の底面とを含み、前記第1の底面は、前記第2の底面と同一平面上にあ
り、
前記第1のデバイス領域内の前記基板自体の上面が、前記第2のデバイス領域内の前記基板自体の上面よりも低い、
半導体構造。
【請求項2】
前記トレンチ分離構造は、前記第1のデバイス領域内の第1の上面と、前記第2のデバイス領域内の第2の上面とを含み、前記第1の上面は、前記第2の上面と同一平面上にある、請求項1に記載の半導体構造。
【請求項3】
前記第1のデバイス領域は中電圧デバイス領域であり、前記第2のデバイス領域は低電圧デバイス領域である、請求項1に記載の半導体構造。
【請求項4】
前記第1のデバイス領域内の前記基板の前記上面上の第1のゲート酸化物層と、
前記第2のデバイス領域内の前記基板の前記上面上の第2のゲート酸化物層と、をさらに含み、
前記第1のゲート酸化物層は前記第2のゲート酸化物層より厚い、請求項
1に記載の半導体構造。
【請求項5】
前記第1のデバイス領域内の前記第1のゲート酸化物層上に配置される第1のゲートと、
前記第2のデバイス領域内の前記第2のゲート酸化物層上に配置される第2のゲートと、をさらに含む、請求項
4に記載の半導体構造。
【請求項6】
前記第1のゲート及び前記第2のゲートは金属ゲートである、請求項
5に記載の半導体構造。
【請求項7】
半導体構造の製造方法であって、当該製造方法は、
第1のデバイス領域、及び該第1のデバイス領域に近接する第2のデバイス領域を含む基板を提供するステップと、
前記第1のデバイス領域と前記第2のデバイス領域との間の前記基板内にトレンチ分離構造を形成するステップと、
前記第1のデバイス領域、前記第2のデバイス領域、及び前記トレンチ分離構造を覆うように、前記基板上にマスク層をコンフォーマルに(conformally)堆積するステップと、
前記マスク層上に第1のレジストパターンを形成するステップであって、該第1のレジストパターンは、前記トレンチ分離構造及び前記第2のデバイス領域を覆う、ステップと、
前記第1のレジストパターンによって覆われていない前記マスク層及びパッド酸化物層を前記第1のデバイス領域から除去して、それにより前記第1のデバイス領域の前記基板の上面を露出させるステップと、
前記第1のレジストパターンを除去するステップと、
前記第1のデバイス領域内の前記基板の前記上面を酸化して、犠牲酸化物層を形成するステップと、
前記犠牲酸化物層を除去して、前記第1のデバイス領域内の前記基板の前記上面を露出させるステップと、
前記マスク層を除去して、前記トレンチ分離構造の上面を露出させるステップと、を含む、
製造方法。
【請求項8】
前記マスク層は窒化ケイ素層である、請求項
7に記載の製造方法。
【請求項9】
前記マスク層は約200~220オングストロームの厚さを有する、請求項
7に記載の製造方法。
【請求項10】
前記パッド酸化物層は約100~110オングストロームの厚さを有する、請求項
7に記載の製造方法。
【請求項11】
前記マスク層を除去した後に、前記第1のデバイス領域内の前記基板の前記上面に第1のゲート酸化物層を成長させるステップをさらに含む、請求項
7に記載の製造方法。
【請求項12】
前記第1のゲート酸化物層は、約200~220オングストロームの厚さを有する、請求項
11に記載の製造方法。
【請求項13】
前記犠牲酸化物層を形成することによって消費される、前記第1のデバイス領域における前記基板の上面の消費される厚さが、約190~210オングストロームである、請求項
7に記載の製造方法。
【請求項14】
前記基板上に第2のレジストパターンを形成するステップであって、該第2のレジストパターンは、前記第1のデバイス領域内の前記第1のゲート酸化物層を覆うが、前記トレンチ分離構造及び前記第2のデバイス領域は覆わない、ステップと、
前記トレンチ分離構造及び前記第2のデバイス領域をエッチングして、それにより前記第2のデバイス領域の前記基板の上面を露出させるステップと、
前記第2のレジストパターンを除去するステップと、を
さらに含む、請求項
11に記載の製造方法。
【請求項15】
前記第2のデバイス領域内の前記基板の前記上面に第2のゲート酸化物層を成長させるステップをさらに含む、請求項
14に記載の製造方法。
【請求項16】
前記トレンチ分離構造は、前記第1のデバイス領域内の第1の上面と、前記第2のデバイス領域内の第2の上面とを含み、前記第1の上面は、前記第2の上面と同一平面上にある、請求項
14に記載の製造方法。
【請求項17】
前記第1のデバイス領域内の前記基板の前記上面は、前記第2のデバイス領域内の前記基板の上面よりも低い、請求項
14に記載の製造方法。
【請求項18】
前記トレンチ分離構造は、前記第1のデバイス領域内の第1の底面と、前記第2のデバイス領域内の第2の底面とを含み、前記第1の底面は、前記第2の底面と同一平面上にある、請求項
7に記載の製造方法。
【請求項19】
前記第1のデバイス領域は中電圧デバイス領域であり、前記第2のデバイス領域は低電圧デバイス領域である、請求項
7に記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体技術の分野に関し、特に、半導体構造及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体集積回路技術の発展は日進月歩であり、新世代の製品の回路設計は前世代のものよりも小さく複雑になっている。一部の製品では、集積回路内に異なる閾値電圧及び/又は動作電圧を有する半導体デバイスが必要であり、半導体デバイスの構造は、異なる閾値電圧及び/又は動作電圧を実現するために互いに異なる場合がある。例えば、相対的に厚いゲート酸化物層を使用して、相対的に高い電圧領域において半導体デバイスの動作電圧を高めることができ、相対的に高い電圧領域の部分と相対的に低い電圧領域の部分との間の高さの差をそれ(電圧)に応じて生成することができる。高低差は、関連する製造プロセスにおいて問題を引き起こす可能性があり、製造歩留まりに悪影響を及ぼす可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許第6,566,207号
【文献】米国特許第9,972,678号
【文献】特開2002-280446号公報
【文献】特開2012-028562号公報
【文献】韓国公開特許第10-2003-0011999号公報
【発明の概要】
【0004】
本発明の1つの目的は、従来技術の上述の短所又は欠点を解決するような、改良した半導体構造及びその製造方法を提供することである。
【0005】
本発明の一態様は、第1のデバイス領域、及び第1のデバイス領域に近接する第2のデバイス領域を含む基板と、第1のデバイス領域と第2のデバイス領域との間の基板内のトレンチ分離構造とを含む半導体構造を提供する。トレンチ分離構造は、第1のデバイス領域内の第1の底面と、第2のデバイス領域内の第2の底面とを含む。第1の底面は、第2の底面と同一平面上にある。
【0006】
いくつかの実施形態によれば、トレンチ分離構造は、第1のデバイス領域内の第1の上面と、第2のデバイス領域内の第2の上面とを含み、第1の上面は第2の上面と同一平面上にある。
【0007】
いくつかの実施形態によれば、第1のデバイス領域は中電圧デバイス領域であり、第2のデバイス領域は低電圧デバイス領域である。
【0008】
いくつかの実施形態によれば、第1のデバイス領域内の基板の上面が、第2のデバイス領域内の基板の上面よりも低い。
【0009】
いくつかの実施形態によれば、半導体構造は、第1のデバイス領域内の基板の上面上の第1のゲート酸化物層と、第2のデバイス領域内の基板の上面上の第2のゲート酸化物層とをさらに含み、第1のゲート酸化物層は、第2のゲート酸化物層よりも厚い。
【0010】
いくつかの実施形態によれば、半導体構造は、第1のデバイス領域内の第1のゲート酸化物層上に配置される第1のゲートと、第2のデバイス領域内の第2のゲート酸化物層上に配置される第2のゲートとをさらに含む。
【0011】
いくつかの実施形態によれば、第1のゲート及び第2のゲートは金属ゲートである。
【0012】
本発明の別の態様は、半導体構造を製造する製造方法を提供する。第1のデバイス領域と、第1のデバイス領域に近接する第2のデバイス領域とを含む基板が提供される。第1のデバイス領域と第2のデバイス領域との間の基板内にトレンチ分離構造が形成される。マスク層が、第1のデバイス領域、第2のデバイス領域、及びトレンチ分離構造を覆うように、基板上にコンフォーマルに堆積される。第1のレジストパターンをマスク層上に形成する。第1のレジストパターンは、トレンチ分離構造及び第2のデバイス領域を覆う。次に、第1のレジストパターンによって覆われていないマスク層及びパッド酸化物層が第1のデバイス領域から除去され、それにより第1のデバイス領域の基板の上面が露出される。その後、第1のレジストパターンが除去される。第1のデバイス領域内の基板の上面が酸化されて、犠牲酸化物層が形成される。次に、犠牲酸化物層を除去して、第1のデバイス領域の基板の上面を露出させる。マスク層を除去して、トレンチ分離構造の上面を露出させる。
【0013】
いくつかの実施形態によれば、マスク層は窒化ケイ素層である。
【0014】
いくつかの実施形態によれば、マスク層は、約200~220オングストロームの厚さを有する。
【0015】
いくつかの実施形態によれば、パッド酸化物層は、約100~110オングストロームの厚さを有する。
【0016】
いくつかの実施形態によれば、この製造方法は、マスク層を除去した後に、第1のデバイス領域内の基板の上面に第1のゲート酸化物層を成長させるステップをさらに含む。
【0017】
いくつかの実施形態によれば、第1のゲート酸化物層は、約200~220オングストロームの厚さを有する。
【0018】
いくつかの実施形態によれば、犠牲酸化物層を形成することによって消費される、第1のデバイス領域内の基板の上面の厚さは、約190~210オングストロームである。
【0019】
いくつかの実施形態によれば、第2のレジストパターンが基板上に形成される。第2のレジストパターンは、第1のデバイス領域内の第1のゲート酸化物層を覆うが、トレンチ分離構造及び第2のデバイス領域は覆わない。次に、トレンチ分離構造及び第2のデバイス領域がエッチングされ、それにより第2のデバイス領域内の基板の上面が露出される。その後、第2のレジストパターンが除去される。
【0020】
いくつかの実施形態によれば、この製造方法は、第2のデバイス領域内の基板の上面上に第2のゲート酸化物層を成長させるステップをさらに含む。
【0021】
いくつかの実施形態によれば、トレンチ分離構造は、第1のデバイス領域内の第1の上面と、第2のデバイス領域内の第2の上面とを含み、第1の上面は第2の上面と同一平面上にある。
【0022】
いくつかの実施形態によれば、第1のデバイス領域内の基板の上面は、第2のデバイス領域内の基板の上面よりも低い。
【0023】
いくつかの実施形態によれば、トレンチ分離構造は、第1のデバイス領域内の第1の底面と、第2のデバイス領域内の第2の底面とを含み、第1の底面は第2の底面と同一平面上にある。
【0024】
いくつかの実施形態によれば、第1のデバイス領域は中電圧デバイス領域であり、第2のデバイス領域は低電圧デバイス領域である。
【0025】
本発明のこれら及び他の目的は、様々な図及び図面に示される好ましい実施形態の以下の詳細な説明を読んだ後に、当業者には紛れもなく明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明の一実施形態による半導体構造の製造方法を示す概略断面図である。
【
図2】本発明の一実施形態による半導体構造の製造方法を示す概略断面図である。
【
図3】本発明の一実施形態による半導体構造の製造方法を示す概略断面図である。
【
図4】本発明の一実施形態による半導体構造の製造方法を示す概略断面図である。
【
図5】本発明の一実施形態による半導体構造の製造方法を示す概略断面図である。
【
図6】本発明の一実施形態による半導体構造の製造方法を示す概略断面図である。
【
図7】本発明の一実施形態による半導体構造の製造方法を示す概略断面図である。
【
図8】本発明の一実施形態による半導体構造の製造方法を示す概略断面図である。
【
図9】本発明の一実施形態による半導体構造の製造方法を示す概略断面図である。
【
図10】本発明の一実施形態による半導体構造の製造方法を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下の本開示の詳細な説明では、本明細書の一部を形成し、本発明を実施できる特定の実施形態を例として示す添付の図面を参照する。これらの実施形態は、当業者が本発明を実施できるように十分に詳細に説明している。
【0028】
本発明の範囲から逸脱することなく、他の実施形態を利用することができ、構造的、論理的、及び電気的な変更を行うことができる。従って、以下の詳細な説明は限定と見なすべきではなく、本明細書に含まれる実施形態は、添付の特許請求の範囲によって規定される。
【0029】
図1~
図10を参照されたい。これらの図は、本発明の一実施形態による半導体構造の製造方法の概略断面図である。
図1に示されるように、まず、基板100、例えばシリコン基板等の半導体基板が提供される。本発明の一実施形態によれば、基板100は、第1のデバイス領域RMと、第1のデバイス領域RMに近接する第2のデバイス領域RLとを含む。本発明の一実施形態によれば、第1のデバイス領域RMは中電圧デバイス領域であり、第2のデバイス領域RLは低電圧デバイス領域である。第1のデバイス領域RMと第2のデバイス領域RLとの間の基板100内にトレンチ分離構造200、例えばシャロートレンチ分離(STI)構造が形成される。
【0030】
本発明の一実施形態によれば、例えば、トレンチ分離構造200を形成するために、パッド酸化物層102及びパッド窒化物層104が、最初に、基板100の上面100aに堆積される。次に、パッド窒化物層104は、リソグラフィ・プロセス及びエッチングプロセスによってパターン化される。次に、エッチングプロセスを実行して、基板100内にトレンチ201を形成する。次に、絶縁層がトレンチ201内に堆積され、化学機械研磨(CMP)プロセスによって平坦化され、トレンチ分離構造200が完成する。この時点で、トレンチ分離構造200の上面200a及びパッド窒化物層104の上面104aは同一平面上にある。
【0031】
続いて、
図2に示されるように、パッド窒化物層104が選択的に除去され、パッド酸化物層102が露出される。この時点で、トレンチ分離構造200の上部は、パッド酸化物層102から突出することができる。しきい値電圧(Vt)注入プロセスを実行して、第1のデバイス領域RM及び第2のデバイス領域RLのドーパント濃度をそれぞれ調整することができる。
【0032】
続いて、マスク層214が、第1のデバイス領域RM、第2のデバイス領域RL、及びトレンチ分離構造200を覆うように、基板100上にコンフォーマルに(conformally)堆積される。本発明の一実施形態によれば、マスク層214は、窒化ケイ素層である。本発明の一実施形態によれば、マスク層214の厚さは約200~220オングストロームである。本発明の一実施形態によれば、パッド酸化物層102の厚さは約100~110オングストロームである。
【0033】
図3に示されるように、第1のフォトレジストパターンPR1をマスク層214上に形成する。第1のフォトレジストパターンPR1は、トレンチ分離構造200及び第2のデバイス領域RLを覆う。本発明の一実施形態によれば、第1のフォトレジストパターンPR1の形成は、フォトレジストコーティング、露光、現像、ベーキング等の複数のステップを含む。フォトレジストパターンの形成は周知の技術であるため、詳細は繰り返さない。
【0034】
続いて、
図4に示されるように、第1のフォトレジストパターンPR1によって覆われていないマスク層214及びパッド酸化物層102を第1のデバイス領域RLから除去し、それにより第1のデバイス領域RLの基板100の上面100aを露出させる。本発明の一実施形態によれば、マスク層214を除去する方法は、乾式エッチング及び湿式エッチングを含むことができる。例えば、異方性乾式エッチングプロセスを先に行い、第1のフォトレジストパターンPR1によって覆われていないマスク層214をエッチングし、次に、湿式エッチングプロセスによりパッド酸化物層102を選択的に除去する。この時点で、トレンチ分離構造200の近くであって、トレンチ分離構造200の側壁200s上のマスク層214の下にアンダーカット構造214cが形成される。続いて、第1のフォトレジストパターンPR1を除去する。
【0035】
次に、
図5に示されるように、酸化プロセスを実行して、第1のデバイス領域RMの基板100の上面100aを酸化して、犠牲酸化物層230を形成する。本発明の一実施形態によれば、犠牲酸化物層230の厚さは、約420~450オングストローム、例えば440オングストロームである。本発明の一実施形態によれば、犠牲酸化物層230が形成されるときに、第1のデバイス領域RMの基板100の上面100aの消費される厚さは、約190~210オングストロームである。本発明の一実施形態によれば、アンダーカット構造214cは、犠牲酸化物層230で充填され得る。
【0036】
続いて、
図6に示されるように、犠牲酸化物層230を選択的に除去して、第1のデバイス領域RMの基板100の上面100aを露出させる。本発明の一実施形態によれば、犠牲酸化物層230を選択的に除去する方法は、希フッ酸(DHF)溶液を使用して実施することができる。続いて、残りのマスク層214を除去して、トレンチ分離構造200の上面200a及び第2のデバイス領域RLのパッド酸化物層102を露出させる。
【0037】
図7に示されるように、マスク層214を除去した後に、酸化プロセスを用いて、第1のデバイス領域RMの基板100の上面100a上に第1のゲート酸化物層310を成長させる。本発明の一実施形態によれば、第1のゲート酸化物層310の厚さは約200~220オングストロームである。
【0038】
次に、
図8に示されるように、第2のフォトレジストパターンPR2を基板100上に形成する。第2のフォトレジストパターンPR2は、第1のデバイス領域RMの第1のゲート酸化物層310を覆うが、トレンチ分離構造200及び第2のデバイス領域RLは覆わない。本発明の一実施形態によれば、第2のフォトレジストパターンPR2の開口部PROは、第2のデバイス領域RLのトレンチ分離構造200及びパッド酸化物層102を露出させる。
【0039】
図9に示されるように、第2のフォトレジストパターンPR2の開口部PROを通じて第2のデバイス領域RLのトレンチ分離構造200及びパッド酸化物層102をエッチングし、それにより第2のデバイス領域RLの基板100の上面100bを露出させるエッチングプロセスを行う。次に、第2のフォトレジストパターンPR2を除去する。この時点で、第1のデバイス領域RMの第1のゲート酸化物層310の上面310aは、トレンチ分離構造200の上面200a及び第2のデバイス領域RLの基板100の上面100bと略面一である。
【0040】
本発明の一実施形態によれば、トレンチ分離構造200の上面200aは、第1のデバイス領域RMの第1の上面TS1と、第2のデバイス領域RLの第2の上面TS2とを含む。第1の上面TS1は、第2の上面TS2と面一である。本発明の一実施形態によれば、トレンチ分離構造200は、第1のデバイス領域RMの第1の底面BS1と、第2のデバイス領域RLの第2の底面BS2とを含む。第1の底面BS1は、第2の底面BS2と面一である。本発明の一実施形態によれば、第1のデバイス領域RMの基板100の上面100aは、第2のデバイス領域RLの基板100の上面100bより低い。
【0041】
次に、
図10に示されるように、酸化プロセスを用いて、第2のデバイス領域RLの基板100の上面100b上に第2のゲート酸化物層320を成長させる。本発明の一実施形態によれば、例えば、第2のゲート酸化物層320の厚さは約10オングストロームであるが、これに限定されるものではない。続いて、第1のデバイス領域RMの第1のゲート酸化物層310及び第2のデバイス領域RLの第2のゲート酸化物層320にそれぞれ第1のゲート410及び第2のゲート420を形成する。本発明の一実施形態によれば、第1のゲート410及び第2のゲート420は誘電層ILによって取り囲まれ得る。本発明の一実施形態によれば、例えば、第1のゲート410及び第2のゲート420は金属ゲートであり得る。
【0042】
本発明の構造上の特徴は、
図10から確認することができる。半導体構造1は、その上に第1のデバイス領域RMと、第1のデバイス領域RMに近接する第2のデバイス領域RLとを有する基板100を含む。トレンチ分離構造200は、第1のデバイス領域RMと第2のデバイス領域RLとの間の基板100に設けられる。トレンチ分離構造200は、第1のデバイス領域RMの第1の底面BS1と、第2のデバイス領域RLの第2の底面BS2とを含む。第1の底面BS1は、第2の底面BS2と同一平面上にある。
【0043】
本発明の一実施形態によれば、トレンチ分離構造200は、第1のデバイス領域RMの第1の上面TS1と、第2のデバイス領域RLの第2の上面TS2とを含む。第1の上面TS1及び第2の上面TS2は同一平面上にある。
【0044】
本発明の一実施形態によれば、第1のデバイス領域RMは中電圧デバイス領域であり、第2のデバイス領域RLは低電圧デバイス領域である。
【0045】
本発明の一実施形態によれば、第1のデバイス領域RMの基板100の上面100aは、第2のデバイス領域RLの基板100の上面100bより低い。
【0046】
本発明の一実施形態によれば、半導体構造1は、第1のデバイス領域RMの基板100の上面100aに位置する第1のゲート酸化物層310と、第2のデバイス領域RLの基板100の上面100bに位置する第2のゲート酸化物層320とをさらに含む。本発明の一実施形態によれば、第1のゲート酸化物層310は、第2のゲート酸化物層320より厚い。
【0047】
本発明の一実施形態によれば、半導体構造1は、第1のデバイス領域RMの第1のゲート酸化物層310に配置される第1のゲート410と、第2のデバイス領域RLの第2のゲート酸化物層320に配置される第2のゲート420とをさらに含む。本発明の一実施形態によれば、例えば、第1のゲート410及び第2のゲート420は金属ゲートであり得る。
【0048】
当業者は、本発明の教示を維持しながら、装置及び方法の多数の修正及び変更を行い得ることを容易に理解するであろう。従って、上記の開示は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されると解釈すべきである。