(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-12
(45)【発行日】2024-07-23
(54)【発明の名称】遠隔警報監視及び制御を有する粒子検出器
(51)【国際特許分類】
G01N 15/0205 20240101AFI20240716BHJP
G06F 3/048 20130101ALI20240716BHJP
【FI】
G01N15/0205
G06F3/048
(21)【出願番号】P 2022511366
(86)(22)【出願日】2020-10-06
(86)【国際出願番号】 US2020054330
(87)【国際公開番号】W WO2021071792
(87)【国際公開日】2021-04-15
【審査請求日】2023-05-17
(32)【優先日】2019-10-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506061299
【氏名又は名称】パーティクル・メージャーリング・システムズ・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】マクラフリン, スコット
(72)【発明者】
【氏名】マイケリス, マット
(72)【発明者】
【氏名】ノーレンバーグ, ブライアン エー.
【審査官】外川 敬之
(56)【参考文献】
【文献】特表平03-504040(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0036469(US,A1)
【文献】特開平10-268930(JP,A)
【文献】特開2016-118459(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0277822(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 15/0205
G06F 3/048
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒子検出器を動作させる方法であって、
前記粒子検出器の電子ディスプレイにグラフィカルユーザインターフェースを表示するステップと、
前記グラフィカルユーザインターフェースを介して1つ又は複数の粒子監視パラメータを設定するステップと、
粒子含有流体を前記粒子検出器の入口に導入するステップと、
前記流体中の粒子を、前記粒子検出器のサンプリング領域内でサンプリングするステップと、
前記サンプリングするステップに応じて、警報状態を検出するステップと、
前記検出するステップに応じて、警報信号を、遠隔装置に無線で送信するステップと、
前記遠隔装置を介して前記粒子検出器に無線で問い合わせるステップであり、前記問い合わせるステップが、
前記粒子検出器から前記遠隔装置に粒子サンプリングデータを送信するステップと、
前記粒子検出器から前記遠隔装置に位置情報を送信するステップであって、前記位置情報は前記粒子検出器の位置に相当する、ステップと、
前記遠隔装置の電子ディスプレイ上に前記粒子検出器の前記グラフィカルユーザインターフェースを複製するステップと
を含む、問い合わせるステップと、
前記遠隔装置の複製グラフィカルインターフェースを介して前記遠隔装置から前記粒子検出器へと1つ又は複数のユーザ命令を渡すステップと、
前記1つ又は複数のユーザ命令を、前記粒子検出器上で実行するステップと
を含む、方法。
【請求項2】
前記複製するステップが、
前記
粒子検出器の前記グラフィカルユーザインターフェースから前記遠隔装置の前記複製グラフィカルインターフェースへと1つ又は複数のアイコン又は視覚的表示を再現するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記1つ又は複数のアイコン又は視覚的表示が、電池寿命表示、粒子検出器の位置の表示、及び警報発信元表示のうちの少なくとも1つを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記複製するステップが、
前記
粒子検出器の前記グラフィカルユーザインターフェースから前記遠隔装置の前記複製グラフィカルインターフェースへと粒子検出データの1つ又は複数の表を複製するステップを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記1つ又は複数のユーザ命令が、警報閾値を調整すること、警報に確認応答すること、サンプリングプロトコルを終了すること、サンプリングプロトコルを開始することのうちの少なくとも1つを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記検出するステップに応じて、前記粒子検出器の可聴警報、前記粒子検出器の視覚警報、又は両方を作動させるステップを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記無線で送信するステップに応じて、前記遠隔装置の可聴警報、前記遠隔装置の視覚警報、又は両方を作動させるステップを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記無線で送信するステップに応じて、前記遠隔装置のタクタイル警報を作動させるステップを含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記タクタイル警報が、前記遠隔装置の振動を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記遠隔装置が、ウェアラブル装置である、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記遠隔装置が、スマートフォン又はスマートウォッチである、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記粒子検出器が、携帯型粒子検出装置である、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記粒子検出器が、粒子サンプラ又は粒子カウンタである、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記粒子検出器が、微生物インパクタ又は光学粒子カウンタである、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記粒子検出器が、光学粒子検出器であり、
前記サンプリングするステップが、前記装置の前記サンプリング領域内で散乱光を介して粒子を検出するステップを含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記無線で送信するステップ及び前記無線で問い合わせるステップが、WiFi又はBLUETOOTH
(登録商標)通信プロトコルのうちの一方を介して行われる、請求項1~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
粒子検出器と、遠隔装置と、を備える粒子検出器システムであって、
前記粒子検出器は、
グラフィカルユーザインターフェースを表示するように構成されている第1の電子ディスプレイであって、前記グラフィカルユーザインターフェースが、1つ又は複数の粒子監視パラメータを設定するように構成されている、第1の電子ディスプレイ、
粒子含有流体を前記粒子検出器システムに導入するための入口、
前記流体中の粒子をサンプリングするためのサンプリング領域、及び
警報状態を検出し、警報信号を無線で送信する、ように構成されている、第1のプロセッサ、を備え、
前記遠隔装置は、
第2の電子ディスプレイ、及び
第2のプロセッサであって、
前記警報信号を受信
することと、
粒子サンプリングデータについて前記粒子検出器に無線で問い合わせる
ことであって、前記粒子検出器の位置に相当する位置情報を前記粒子検出器から前記遠隔装置に送信することを含む、問い合わせることと、
前記第2の電子ディスプレイ上に前記粒子検出器の前記グラフィカルユーザインターフェースを複製
することと、
前記遠隔装置の複製グラフィカルインターフェースを介して前記遠隔装置から前記粒子検出器へと1つ又は複数のユーザ命令を渡す
ことと、を実行するように構成されている、第2のプロセッサ、を備える、
粒子検出器システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[003]本発明は、粒子のサンプリング、捕集及び分析の分野に入る。本発明は、一般的には、遠隔警報監視及び制御機能を有する粒子検出器に関する。
【関連出願の相互参照】
【0002】
[001]本出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2019年10月7日付で提出された米国特許仮出願第62/911,810号の優先権の利益を主張する。
【連邦政府資金による研究開発の記載】
【0003】
[002]該当せず。
【背景技術】
【0004】
[004]クリーンルーム及びクリーンゾーンは、半導体及び医薬製造施設内で一般的に使用されている。半導体産業について、半導体ウェハ上に沈着する粒子が小さい長さスケールの製造工程に影響を与えるか又は干渉するため、浮遊微小粒子濃度が増大すると、結果として、製造効率が低減する可能性がある。医薬産業について、当該タイプのリアルタイム効率フィードバックが欠けている場合、浮遊微小粒子及び生物的汚染物質による汚染は、医薬製造物を、米国食品医薬品局(FDA)並びに外国及び国際医療規制当局によって整定されている清浄度レベル基準を満たすことができなくなる危険性にさらす。
【0005】
[005]クリーンルーム粒子レベルの分類のための基準、及び、準拠を保証するための試験及び監視のための基準は、ISO14664-1及び14664-2によって与えられる。エアロゾル光学粒子カウンタが、クリーンルーム及びクリーンゾーン内の浮遊微小粒子汚染レベルを判定するために一般的に使用されており、液体粒子カウンタが、プロセス流体中の粒子汚染レベルを光学的に測定するために使用されている。医薬産業においてなど、微生物粒子が特に問題となる場合、浮遊微小粒子の数の定量化が重要であるだけでなく、微生物粒子の生存能力及び素性の特性化も問題である。ISO14698-1及び14698-2は、生物的汚染物質に関してクリーンルーム及びクリーンゾーンを評価するための基準を与える。
【0006】
[006]現在、浮遊生物学的粒子の捕集及び分析は、一般的に、沈降プレート、接触プレート、表面拭き取り、指先サンプリング及びインパクタ型能動的空気サンプラを含む様々な技法を使用して達成される。カスケードインパクタが、従来、粒子の捕集及び分粒に使用されてきた。当該装置において、一連の加速及び慣性衝突により、流体流からより小さい粒子が逐次的に取り除かれる。慣性インパクタの各段は、粒子含有空気流の方向を急激に変化させ、ここで粒子の慣性により空気流の流線から粒子を分離させて表面に衝突させることにより、空気中に浮遊する粒子を捕集することができるという原理に基づいて機能する。
【0007】
[007]品質基準及び政府規制要件の増大のためにより低い生物粒子濃度及び非生物粒子濃度日亜する要件が増大しているため、制御された環境内での人間の相互作用からの外部汚染の危険性を低減するために、サンプリング技術の進歩が必要とされている。
【0008】
[008]無菌製造及びクリーンルーム環境において無菌処理動作を維持することが、とりわけ医薬品、生物医薬品、非蛍光薬剤及び医療装置、並びに微細加工などのいくつかの産業において必要とされている。粒子状物質及び生体負荷についての厳密な仕様の下に動作を維持することは、上記産業の各々における製造の成功にとって重要であり得る。クリーンルームにおける人間の相互作用は、当該目標を達成するために最小限に抑えられるべきである。
【0009】
[009]さらに、利用される産業にかかわりなく、粒子検出器は、騒音環境、及び、とりわけ、例えば、複数の粒子検出器、大気監視装置、プロセス監視装置など、可聴警報を備えた複数の装置を含む環境内で利用されることが多い。したがって、粒子検出装置自体から発する可聴警報が聞こえない場合があるか、又は、いずれの装置が警報状態に入ったかを突き止めることが困難である場合がある。加えて、可聴警報及び/又は視覚警報は、粒子検出装置から遠隔した位置からは確認できない場合がある。
【0010】
[010]上記から、遠隔警報監視及び制御機能が改善された、制御された環境から粒子及び/又は有機体をサンプリング及び捕集するための粒子捕集、分析、及び特性化システムが、当該技術分野において依然として必要とされていることが分かる。
【発明の概要】
【0011】
[011]粒子検出器の遠隔警報監視及び制御のためのシステム及び方法が、本明細書において提供される。粒子検出器を動作させる方法が、粒子含有流体を粒子検出器の入口に導入するステップと、流体中の粒子を粒子検出器のサンプリング領域内でサンプリングして、粒子データ値を生成するステップと、粒子データ値のうちの少なくとも1つが所定の閾値を超えることを判定するステップとを含む。判定ステップに応じて、警報信号を、遠隔装置に無線で送信することができる。遠隔装置の警報は、無線で送信するステップに応じて作動させることができる。
【0012】
[012]1つの実施形態において、粒子検出器を動作させる方法が、粒子検出器の電子ディスプレイ上にグラフィカルユーザインターフェースを表示するステップと、グラフィカルユーザインターフェースを介して1つ又は複数の粒子監視パラメータを設定するステップとを含む。粒子含有流体を、粒子検出器の入口に導入することができ、流体中の粒子が、粒子検出器のサンプリング領域内でサンプリングされる。サンプリングステップに応じて、警報状態を検出することができる。検出ステップに応じて、警報信号を、遠隔装置に無線で送信することができる。付加的に又は代替的に、粒子検出器に、遠隔装置を介して無線で問い合わせることができる。
【0013】
[013]1つの実施形態において、無線で問い合わせるステップは、粒子検出器から遠隔装置に粒子サンプリングデータを送信するステップと、遠隔装置の電子ディスプレイ上に粒子検出器のグラフィカルユーザインターフェースを複製するステップとを含むことができる。無線で問い合わせるステップは、遠隔装置の複製グラフィカルインターフェースを介して遠隔装置から粒子検出器へと1つ又は複数のユーザ命令を渡すステップと、粒子検出器上で1つ又は複数のユーザ命令を実行するステップとを含むことができる。
【0014】
[014]いくつかの実施形態において、遠隔装置の電子ディスプレイ上に粒子検出器のグラフィカルユーザインターフェースを複製するステップは、粒子モニタのグラフィカルユーザインターフェースから遠隔装置の複製グラフィカルインターフェースへと1つ又は複数のアイコン又は視覚的表示を再現するステップを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のアイコン又は視覚的表示は、電池寿命表示、粒子検出器の位置の表示、及び/又は警報発信元表示を含む。
【0015】
[015]いくつかの実施形態において、遠隔装置の電子ディスプレイ上に粒子検出器のグラフィカルユーザインターフェースを複製するステップは、粒子モニタのグラフィカルユーザインターフェースから遠隔装置の複製グラフィカルインターフェースへと粒子検出データの1つ又は複数の表を複製するステップを含む。
【0016】
[016]いくつかの実施形態において、1つ又は複数のユーザ命令は、警報閾値を調整すること、警報に確認応答すること、サンプリングプロトコルを終了すること、及び/又はサンプリングプロトコルを開始することを含む。
【0017】
[017]1つの実施形態において、警報状態を検出するステップに応じて、粒子検出器の警報を作動させることができる。警報は、粒子検出器の可聴警報、粒子検出器の視覚警報、及び/又は粒子検出器のタクタイル警報であってもよい。いくつかの実施形態において、警報は、遠隔装置に無線で送信することができ、次いで、遠隔装置上に複製することができる。遠隔装置の警報は、遠隔装置の可聴警報、遠隔装置の視覚警報、及び/又は遠隔装置のタクタイル警報であってもよい。
【0018】
[018]いくつかの実施形態において、粒子検出器のタクタイル警報は、粒子検出器によって生成される振動を含む。いくつかの実施形態において、遠隔装置のタクタイル警報は、遠隔装置によって生成される振動を含む。
【0019】
[019]いくつかの実施形態において、遠隔装置はウェアラブル装置である。いくつかの実施形態において、遠隔装置はスマートフォン又はスマートウォッチである。
【0020】
[020]いくつかの実施形態において、粒子検出器は携帯型粒子検出装置である。いくつかの実施形態において、粒子検出器は粒子サンプラ又は粒子カウンタである。いくつかの実施形態において、粒子検出器は微生物インパクタ又は光学粒子カウンタである。
【0021】
[021]1つの実施形態において、粒子検出器は光学粒子検出器であり、サンプリングするステップは、装置のサンプリング領域内で散乱光を介して粒子を検出するステップを含む。いくつかの実施形態において、無線で送信するステップ及び/又は無線で問い合わせるステップは、WiFi又はBLUETOOTH通信プロトコル(「BLUETOOTH」は登録商標)のうちの一方を介して行われる。
【0022】
[022]いくつかの実施形態において、本方法は、遠隔装置を介して粒子検出器に無線で問い合わせるステップを含む。いくつかの実施形態において、問い合わせるステップは、粒子検出器から遠隔装置に粒子データ値を送信するステップを含む。1つの実施形態において、問い合わせるステップは、粒子検出器から遠隔装置に位置情報を送信するステップを含み、位置情報は、粒子検出器の位置に対応する。
【0023】
[023]いくつかの実施形態において、本方法は、遠隔装置から粒子検出器へと1つ又は複数のユーザ命令を渡すステップと、粒子検出器上で1つ又は複数のユーザ命令を実行するステップとを含む。1つ又は複数のユーザ命令は、警報閾値を調整すること、警報に確認応答すること、サンプリングプロトコルを終了すること、サンプリングプロトコルを開始することのうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0024】
[024]いくつかの実施形態において、粒子検出器の可聴警報は、粒子データ値のうちの少なくとも1つが所定の閾値を超えることを判定するステップに応じて作動させることができる。いくつかの実施形態において、粒子検出器の視覚警報は、粒子データ値のうちの少なくとも1つが所定の閾値を超えることを判定するステップに応じて作動させることができる。いくつかの実施形態において、粒子検出器の可聴警報及び視覚警報は、粒子データ値のうちの少なくとも1つが所定の閾値を超えることを判定するステップに応じて作動させることができる。
【0025】
[025]いくつかの実施形態において、粒子検出器の警報を作動させるステップは、粒子検出器の可聴警報を作動させること、粒子検出器の視覚警報を作動させること、及び、粒子検出器の振動警報を作動させることのうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態において、遠隔装置の警報を作動させるステップは、遠隔装置の可聴警報を作動させること、遠隔装置の視覚警報を作動させること、及び、遠隔装置の振動警報を作動させることのすべてを含む。
【0026】
[026]いくつかの実施形態において、遠隔装置はウェアラブル装置である。いくつかの実施形態において、遠隔装置はスマートフォン又はスマートウォッチである。
【0027】
[027]いくつかの実施形態において、粒子検出器は携帯型粒子検出装置である。いくつかの実施形態において、粒子検出器は粒子サンプラ又は粒子カウンタである。いくつかの実施形態において、粒子検出器は微生物インパクタ又は光学粒子カウンタである。1つの実施形態において、粒子検出器は光学粒子検出器であり、サンプリングするステップは、装置のサンプリング領域内で散乱光を介して粒子を検出するステップを含む。
【0028】
[028]1つの実施形態において、無線で送信するステップは、WiFi又はBLUETOOTH通信プロトコルのうちの一方を介して行われる。
【0029】
[029]1つの実施形態において、粒子検出器を動作させる方法が、粒子含有流体を粒子検出器の入口に導入するステップと、流体中の粒子を粒子検出器のサンプリング領域内でサンプリングして、粒子データ値を生成するステップと、粒子データ値のうちの少なくとも1つが所定の閾値を超えることを判定するステップとを含む。判定ステップに応じて、警報信号を、遠隔装置に無線で送信することができる。遠隔装置の警報は、無線で送信するステップに応じて作動させることができる。グラフィカルユーザインターフェースは、粒子検出器の電子ディスプレイに表示することができる。所定の閾値は、グラフィカルユーザインターフェースを介して設定することができる。粒子検出器には、遠隔装置を介して無線で問い合わせることができる。問い合わせるステップは、粒子検出器から遠隔装置に粒子データ値を送信するステップと、遠隔装置の電子ディスプレイ上に粒子検出器のグラフィカルユーザインターフェースを複製するステップとを含むことができる。遠隔装置の複製グラフィカルインターフェースを介して遠隔装置から粒子検出器へと1つ又は複数のユーザ命令を渡すことができる。1つ又は複数のユーザ命令は、粒子検出器上で実行することができる。
【0030】
[030]1つの実施形態において、本方法は、粒子モニタのグラフィカルユーザインターフェースから遠隔装置の複製グラフィカルインターフェースへと1つ又は複数のアイコン又は視覚的表示を再現するステップを含むことができる。1つの実施形態において、1つ又は複数のアイコン又は視覚的表示は、電池寿命表示、粒子検出器の位置の表示、及び警報発信元表示のうちの少なくとも1つを含む。1つの実施形態において、複製するステップは、粒子モニタのグラフィカルユーザインターフェースから遠隔装置の複製グラフィカルインターフェースへと粒子検出データの1つ又は複数の表を複製するステップを含む。
【0031】
[031]本発明の装置及び方法は、用途が広く、幅広い粒子サンプリング、監視及び分析用途をサポートする。例えば、本発明の装置及び方法は、無菌薬剤又は生物製剤、薬剤又は生物製剤容器、薬剤又は生物製剤送達装置、埋め込み型装置を含む医療装置、血液、細胞及び組織材料の調製、取り扱い、製造、貯蔵、移送、充填及び/又は仕上げを含む用途に有用である。加えて、本発明の装置及び方法は、病院、手術室、外科手術室及び調剤薬局などの健康管理環境における生物学的粒子の監視及び特性化に有用である。本発明の装置及び方法の他の用途は、化粧品、パーソナルケア製品、食品及び飲料の調製、取り扱い、製造、貯蔵又は処理を含む。
【0032】
[032]1つの実施形態において、粒子検出器システムは、粒子検出器と、遠隔装置とを備える。粒子検出器は、グラフィカルユーザインターフェースを表示するように構成されている第1の電子ディスプレイと、粒子含有流体を粒子検出器に導入するための入口と、流体中の粒子をサンプリングするためのサンプリング領域と、第1のプロセッサとを備えることができる。グラフィカルユーザインターフェースは、1つ又は複数の粒子監視パラメータを設定するように構成することができる。第1のプロセッサは、警報状態を検出し、警報信号を無線で送信するように構成することができる。遠隔装置は、第2の電子ディスプレイと、第2のプロセッサとを備えることができる。第2のプロセッサは、警報信号を受信し、粒子サンプリングデータについて粒子検出器に無線で問い合わせ、粒子検出器のグラフィカルユーザインターフェースを第2の電子ディスプレイ上に複製し、第2のグラフィカルインターフェースを介して遠隔装置から粒子検出器へと1つ又は複数のユーザ命令を渡すように構成することができる。
【0033】
[033]いかなる特定の理論によって束縛されることも所望することなく、本明細書において開示される装置及び方法に関係する基本原理の信念及び理解の、本明細書における論述があり得る。任意の機械論的な説明又は仮説の最終的な正しさにかかわらず、本発明の実施形態は、動作可能であり、有用であり得ることが認識される。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】粒子検出装置及び関連する遠隔警報監視装置の概略図である。
【
図3】本発明の警報監視及び制御の方法の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
[038]一般に、本明細書において使用される用語及び語句は、当業者に知られる標準的な教科書、学術誌の参考文献及び文脈を参照することによって見いだすことができる、当該技術分野において認識されている意味を有する。以下の定義は、本発明の文脈における当該用語及び語句の特定の使用を明確にするために与える。
【0036】
[039]「粒子」は、しばしば汚染物質とみなされる小物体を指す。粒子は、例えば、2つの表面が機械的に接触し且つ機械的な運動があるときに、摩擦の作用によって生成される任意の物質とすることができる。粒子は、塵、埃、煙、灰、水、煤、金属、鉱物、又はこれらの任意の組合せ又は他の物質若しくは汚染物質などの物質の凝集体から構成されるものとすることができる。「粒子」はまた、生物学的粒子、例えば、ウィルス、胞子、並びにバクテリア、菌類、古細菌、原生生物、他の単細胞微生物を含む微生物を指すものとすることができる。生物学的粒子は、限定ではないが、0.1~20μm程度のサイズを有する微生物を含む。生物学的粒子は、例えば増殖培地内でインキュベーションすると繁殖が可能な、生存能力を有する生物学的粒子を含む。粒子は、光を吸収又は散乱し、したがって、光学的粒子カウンタによって検出可能である、任意の小物体を指すものとすることができる。本明細書において使用される場合、「粒子」は、搬送流体の個々の原子又は分子、例えば、空気中に存在する気体(例えば、酸素分子、窒素分子、アルゴン分子など)又はプロセスガスを除外したものであることが意図されている。本発明のいくつかの実施形態は、50nm、100nm、1μm以上、又は10μm以上の大きいサイズを有する物質の凝集体を含む粒子をサンプリング、捕集、検出、分粒、及び/又はカウントすることが可能である。特定の粒子は、50nm~50μmから選択されるサイズ、100nm~10μmから選択されるサイズ、又は500nm~5μmから選択されるサイズを有する粒子を含む。
【0037】
[040]「粒子をサンプリングする」という表現は、例えば監視中の環境由来の、流体流の中の粒子の捕集を広範に指す。当該文脈におけるサンプリングは、流体流中の粒子の、衝突面への、例えば増殖培地の受け面への移動を含む。代替的に、サンプリングは、流体中の粒子を、例えば光学的検出及び/又は特性化のために、粒子分析領域に通すことを指すものとすることができる。サンプリングは、サイズ(例えば、直径、有効直径などの断面寸法)、粒子タイプ(生物学的又は非生物学的、生存又は生存不能など)又は粒子組成などの1つ又は複数の予め選択された特性を有する粒子の捕集を指すものとすることができる。サンプリングは、任意選択的に、例えば後続する光学的分析、画像分析又は視覚的分析を介した、捕集された粒子の分析を含むことができる。サンプリングは、任意選択的に、増殖培地を伴うインキュベーションプロセスを介した、サンプルに関する、生存する生物学的粒子の増殖を含むことができる。サンプラは、粒子をサンプリングするための装置を指す。
【0038】
[041]インパクタは、粒子をサンプリングするための装置を指す。いくつかの実施形態において、インパクタは、粒子を含む流体流をサンプリングするための1つ又は複数の吸入開口部を含むサンプルヘッドを備え、以て、粒子の少なくとも一部が、捕集のための衝突面、例えば、増殖培地(例えば、寒天、ブロスなどの培養培地)又はフィルタなどの基材の受け面に導かれる。いくつかの実施形態のインパクタは、吸入開口部を通過した後の流れの方向の変化をもたらし、予め選択された特性(例えば、閾値より大きいサイズ)を有する粒子は方向が変化せず、したがって、衝突面によって受け取られる。
【0039】
[042]「粒子を検出する」という表現は、粒子を検知すること、粒子の存在を識別すること、及び/又は粒子を特性化することを広範に指す。いくつかの実施形態において、粒子を検出することは、粒子をカウントすることを指す。いくつかの実施形態において、粒子を検出することは、粒子の物理的特性、例えば、直径、断面寸法、形状、サイズ、空気力学的サイズ、又はこれらの任意の組合せを特性化すること及び/又は測定することを指す。粒子カウンタは、流体中又はある体積の流体中の粒子の数をカウントするための装置であり、また任意選択的に、粒子を、例えば、サイズ(例えば、直径又は有効直径のような断面寸法)、粒子タイプ(例えば、生物学的又は非生物学的)、又は粒子組成に基づいて特性化することを可能にすることもできる。光学的粒子カウンタは、粒子による光の散乱、放出又は吸収を計測することによって粒子を検出する装置である。
【0040】
[043]「流れ方向」は、流体が流れるときに流体の大半が動く方向に平行な軸を指す。直線的なフローセルの中を流れる流体に関して、流れ方向は、流体の大半が取る経路に平行である。湾曲したフローセルを通って流れる流体に関して、流れ方向は、流体の大半が取る経路に対して接線方向であると考えることができる。
【0041】
[044]「流体連通」は、1つの物体へ、1つの物体を過ぎて、1つの物体を通じて又は1つの物体からもう1つの物体へと流体を輸送することができるような、2つ以上の物体の構成を指す。例えば、いくつかの実施形態において、2つの物体の間に流体流路が直接的に提供される場合に、2つの物体は互いに流体連通している。いくつかの実施形態において、2つの物体の間に1つ又は複数の他の物体又は流路を含むことなどによって、2つの物体の間に流体流路が間接的に提供される場合に、2つの物体は互いに流体連通している。例えば、1つの実施形態において、粒子インパクタの以下の構成要素、すなわち、1つ又は複数の吸入開口部、衝突面、流体出口、流れ制限部、圧力センサ、流れ生成装置は、互いに流体連通している。1つの実施形態において、流体塊内に存在する2つの物体は、第1の物体が、流路に沿ってなど、第2の物体へと、第2の物体を過ぎて、及び/又は第2の物体を通じて引き込まれない限り、必ずしも互いに流体連通しているとは限らない。
【0042】
[045]「流量」は、指定点を通過して又は指定領域を通って流れる流体、例えば粒子インパクタの吸入開口部又は流体出口を通る流体の量を指す。1つの実施形態において、流量は、質量流量、すなわち、指定点を通過して又は指定領域を通って流れる流体の質量を指す。1つの実施形態において、流量は、体積流量、すなわち、指定点を通過して又は指定領域を通って流れる流体の体積である。
【0043】
[046]「圧力」は、単位面積当たりで呈される力の尺度を指す。一実施形態において、圧力は、単位面積当たりに気体又は流体が呈する力を指す。「絶対圧」は、完璧な真空又は単位面積当たりゼロの力を及ぼすボリュームに対して参照される、単位面積当たりの気体又は流体が及ぼす圧力の尺度を指す。絶対圧は、周囲圧力又は大気圧などの、第2の圧力を超えるか又は第2の圧力に対する、単位面積当たりで呈される力の相対的な変化又は差を指す「差圧」又は「ゲージ圧」から区別される。
【0044】
[047]「ポリマー」は、分子量が大きいことを特徴とすることが多い、共有化学結合によって接続された反復構造単位から構成される高分子、又は、1つ又は複数のモノマーから成る重合生成物を指す。ポリマーという用語は、ホモポリマー、すなわち、単一の反復モノマーサブユニットから本質的に成るポリマーを含む。ポリマーという用語はまた、ランダムコポリマー、ブロックコポリマー、交互コポリマー、セグメント化コポリマー、グラフトコポリマー、テーパコポリマー及び他のコポリマーなど、コポリマー、すなわち、2つ以上のモノマーサブユニットから本質的に成るポリマーを含む。有用なポリマーは、非晶質、半非晶質、結晶又は部分結晶状態にあってもよい有機ポリマー又は無機ポリマーを含む。結合されたモノマー鎖を有する架橋ポリマーが、一部の用途に特に有用である。本方法、装置及び構成要素に使用可能なポリマーは、限定ではないが、プラスチック、エラストマー、熱可塑性エラストマー、エラストプラスチック、熱可塑性プラスチック及びアクリレートを含む。例示的なポリマーは、限定ではないが、アセタールポリマー、生分解性ポリマー、セルロースポリマー、フルオロポリマー、ナイロン、ポリアクリロニトリルポリマー、ポリアミドイミドポリマー、ポリイミド、ポリアリレート、ポリベンゾイミダゾール、ポリブチレン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエーテルイミド、ポリエチレン、ポリエチレンコポリマー及び変性ポリエチレン、ポリケトン、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリメチルペンテン、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルファイド、ポリフタルアミド、ポリプロピレン、ポリウレタン、スチレン樹脂、スルホン系樹脂、ビニル系樹脂、ゴム(天然ゴム、スチレンブタジエン、ポリブタジエン、ネオプレン、エチレンプロピレン、ブチル、ニトリル、シリコーンを含む)、アクリル、ナイロン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィン又は上記の任意の組み合わせを含む。
【0045】
[048]
図1は、光学粒子検出器100、及び関連する遠隔警報監視装置(複数可)200の概略図を示す。粒子検出器100は、タッチスクリーンディスプレイ150を含むことができる。タッチスクリーン150は、グラフィカルユーザインターフェースを表示することができる。グラフィカルユーザインターフェースは、ユーザがタッチスクリーン150を介して粒子検出器100と対話するために利用することができる。例えば、グラフィカルユーザインターフェースを介して、1つ又は複数の粒子監視パラメータを設定することができ、警報設定を調製することができ、警報をクリアすることができ、粒子検出器100を、サンプリングモード、アイドルモード、若しくはオフモードにすることができ、及び/又は、装置を較正することができる。
【0046】
[049]粒子含有流体を、粒子検出器100の入口に導入することができ、流体中の粒子を、粒子検出器のサンプリング領域106内でサンプリングすることができる。サンプリングステップに応じて、警報状態を検出することができる。例えば、検出された粒子濃度が、粒子濃度閾値を超える場合がある。検出ステップに応じて、警報信号を生成することができる。次いで、粒子検出器の警報を作動させることができる。例えば、LED照明103を点灯することができる。別の例において、警報は、粒子検出器の可聴警報であってもよい。さらに別の例において、警報は、粒子検出器の振動などの、粒子検出器のタクタイル警報であってもよい。
【0047】
[050]次いで、警報信号を、信号210を介して遠隔装置に無線で送信することができる。次いで、遠隔装置の警報を作動させることができる。例えば、遠隔装置の警報は、遠隔装置の可聴警報、遠隔装置の視覚警報、及び/又は遠隔装置のタクタイル警報であってもよい。いくつかの実施形態において、遠隔装置は、スマートウォッチ204などのウェアラブル装置である。他の実施形態において、遠隔装置はスマートフォン208である。
【0048】
[051]粒子検出器のグラフィカルユーザインターフェースを、遠隔装置(複数可)のタッチスクリーン電子ディスプレイ(複数可)202、206上に複製することができる。遠隔装置の電子ディスプレイ上に粒子検出器のグラフィカルユーザインターフェースを複製するステップは、粒子モニタのグラフィカルユーザインターフェースから遠隔装置の複製グラフィカルインターフェースへと1つ又は複数のアイコン又は視覚的表示を再現するステップを含むことができる。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のアイコン又は視覚的表示は、電池寿命表示、粒子検出器の位置の表示、及び/又は警報発信元表示を含む。いくつかの実施形態において、遠隔装置(複数可)の電子ディスプレイ(複数可)202、206上に粒子検出器のグラフィカルユーザインターフェースを複製するステップは、粒子モニタのグラフィカルユーザインターフェースから遠隔装置の複製グラフィカルインターフェースへと粒子検出データの1つ又は複数の表を複製するステップを含む。
【0049】
[052]ユーザは、信号220を通じて、遠隔装置を介して粒子検出器に無線で問い合わせることができる。1つの実施形態において、無線で問い合わせるステップは、信号210を介して、粒子検出器から遠隔装置に粒子サンプリングデータを返すステップを含むことができる。遠隔装置の複製グラフィカルインターフェースを介して遠隔装置から粒子検出器へと1つ又は複数のユーザ命令を渡すことができる。次いで、1つ又は複数のユーザ命令を、粒子検出器上で実行することができる。1つ又は複数のユーザ命令は、警報閾値を調整すること、警報に確認応答すること、サンプリングプロトコルを終了すること、及び/又はサンプリングプロトコルを開始することを含むことができる。
【0050】
[053]したがって、粒子検出器から遠隔装置へとグラフィカルユーザインターフェースを複製することによって、ユーザが、遠隔位置から、粒子検出器のグラフィカルユーザインターフェースと同じに見え、挙動するグラフィカルユーザインターフェースを介して、粒子検出器を監視し、制御することを可能にすることができる。したがって、訓練時間及び/又は人的過誤を低減することができる。
【0051】
[054]いくつかの実施形態において、粒子検出器は携帯型粒子検出装置である。いくつかの実施形態において、粒子検出器は粒子サンプラ又は粒子カウンタである。いくつかの実施形態において、粒子検出器は微生物インパクタ又は光学粒子カウンタである。いくつかの実施形態において、信号210及び220の一方又は両方は、WiFi通信プロトコルを利用してもよい。いくつかの実施形態において、信号210及び220の一方又は両方は、BLUETOOTH通信プロトコルを利用してもよい。
【0052】
[055]
図3は、本発明の警報監視及び制御の方法の概略図である。図示のように、ステップ310において、粒子モニタは警報状態に入り、可聴及び/又は視覚障害表示を作動させることができる。次いで、ステップ320において、モニタは、モバイル装置上のアプリに警報状態を送信することができる。ステップ330において、ユーザは、警報の性質及び最善に応答する方法を理解するために、モニタのステータス、モニタの履歴粒子データを得るためにモニタに問い合わせることができる。ステップ340において、ユーザが適切な応答を決定すると、モニタパラメータを遠隔して調整することができ、警報をリセットすることができ、及び/又は、別の措置をとることができる。
【0053】
[056]
図4は、例示的な粒子検出装置、光学粒子分析器100の一実施形態を示す。光学粒子分析器100は、粒子含有流体を受け入れるための入口109と、粒子を検出するためのサンプリング領域106と、流体を放出するための出口111とを含む。サンプリング領域106は、入口109と流体連通している。出口111は、サンプリング領域106と流体連通している。
【0054】
[057]光学粒子分析器100は、サンプリング領域106を少なくとも部分的に囲む筐体101と、筐体101に配置されたタッチスクリーン150とを含む。タッチスクリーン150は、タッチスクリーンの外面を介して、装置とのユーザインターフェースを提供する。
【0055】
[058]光学粒子分析器100は、電磁放射線(「EMR」)ビーム104を生成するためのEMR源102を含むことができる。1つの実施形態において、EMR源102は、レーザ、レーザダイオード、ストリップダイオードレーザ、発光ダイオード、及び白熱灯を含む。EMR源102がレーザを含む実施形態において、EMRビーム104は、レーザビームを含む。一実施形態において、レーザは、レーザダイオード及びストリップダイオードレーザのうちの少なくとも1つを含む。
【0056】
[059]
図4に示す光学粒子分析器100は、サンプル媒体を収容し、EMRビーム104を受けるためのサンプリング領域106を含む。サンプリング領域は、筐体101によって囲まれる。いくつかの実施形態において、サンプリング領域106は、レーザビームを受ける。サンプル媒体は、粒子及び流体(例えば、液体及び/又は気体)を含む。一実施形態において、サンプリング領域106は、キュベットを含む。一実施形態において、サンプリング領域106は、サンプル媒体を収容し、EMRビーム104を受けるためのフローチャンバである。光学粒子分析器100は、フローチャンバを通じて流体を流すための流入口109及び流出口111を含む。一実施形態において、光学粒子分析器100は、フローチャンバの上流の(例えば、流体が入口109を通じてフローチャンバの内部に入る前の)流体をろ過するためのフィルタ110を含むことができる。浮遊粒子の場合、サンプル媒体を構成する流体の空気流はサンプリング領域106に閉じ込められる必要はないことに留意されたい。
【0057】
[060]
図4に示す光学粒子分析器100は、EMR源102からのEMRビーム104をサンプリング領域106へと向けるためにEMR源102と光学連通している光学アセンブリ112を含む。EMR源102がレーザを含む実施形態において、光学アセンブリ112は、レーザビームをレーザからサンプリング領域106へと向けるためにレーザと光学連通することができる。一実施形態において、光学アセンブリ112は、1つ又は複数のレンズ、マスク、及び/又はフィルタを含むことができる。図示されている実施形態において、光学アセンブリ112は、EMRビーム104をサンプリング領域106の内部に収束させるための第1のレンズ113、マスク114、及び第2のレンズ116を含む。EMR源102がレーザを含む実施形態においては、第2のレンズ116が、レーザビームをサンプリング領域106の内部に収束させることができる。
【0058】
[061]
図4に示す光学粒子分析器100は、EMRビーム104からの散乱放射線119を検出するための検出器118を含む。EMR源102がレーザを含む実施形態において、検出器118は、レーザビームからの散乱放射線119を検出する。光学粒子分析器100は、EMRビーム104からの散乱放射線119をサンプリング領域106から検出器118へと向けるための光学収集システム120を含む。EMR源102がレーザを含む実施形態において、光学収集システム120は、レーザビームからの散乱放射線119をサンプリング領域106から検出器118へと向ける。一実施形態において、光学粒子分析器100は、サンプリング領域106を出る光を検出するために、正規化のための追加の検出器(例えば、正規化検出器121)を含むことができる。
【0059】
[062]
図4に示す光学粒子分析器100は、1つ又は複数のプロセッサ124と、1つ又は複数のプロセッサ124に動作可能に接続されている1つ又は複数のメモリ装置126とを有するコンピューティングシステム122を含むことができる。メモリ装置126は、プロセッサ(複数可)124によって実行可能なソフトウェアとして符号化されているプログラム命令を記憶することが可能な少なくとも1つの非一時的プロセッサ可読媒体を含む。コンピューティングシステム122は、光学粒子分析器100のユーザによる、コンピューティング装置122並びに/又は光学粒子分析器100の他の構成要素及びサブシステムとの、例えば、タッチスクリーンディスプレイ150、キーボード及び/又は他のI/O装置を介した操作対話並びに情報視覚化及び/若しくは操作を容易にするためのユーザインターフェース128を含むことができる。
【0060】
[063]
図4に示す光学粒子分析器100は、検出器信号134を増幅するために、プロセッサ(複数可)124に動作可能に結合されており、検出器118に動作可能に結合されている増幅回路132を含むことができる。光学粒子分析器100は、プロセッサ(複数可)124に動作可能に結合されており、EMR源102に動作可能に結合されている駆動回路136を含むことができる。EMR源102がレーザを含む実施形態において、駆動回路136は、レーザのためのものである。
【0061】
[064]一実施形態において、プロセッサ(複数可)124は、動作中に光学粒子分析器100の様々な構成要素を制御するために、メモリ装置(複数可)126に記憶されているソフトウェアを実行することができる。一実施形態において、プロセッサ(複数可)124は、(例えば、ユーザ指定の周波数、電圧、電流、波形、デューティサイクル、及び、駆動回路136によって実装される他の制御パラメータを制御することによって)駆動回路136を介してEMR源102を制御することができる。一実施形態において、プロセッサ(複数可)124は、例えば、信号210及び/又は220を確立するために、無線アンテナ125と通信することができる。
【0062】
[065]一実施形態において、プロセッサ(複数可)124は、ユーザ指定の流量及び流れシステム(図示せず)によって実装される他の制御パラメータを制御するための命令を提供することができる。一実施形態において、プロセッサ(複数可)124は、検出器信号134を受信することができ、検出器信号134によって符号化されている情報を復号した後、復号された情報をメモリ装置(複数可)126に記憶することができる。光学粒子分析器100は、機能するために電力を必要とする、光学粒子分析器100の様々な構成要素及びシステムに電力を供給するための電源142を含むことができる。
【参照による組み込み及び変形に関する記述】
【0063】
[066]例えば、発行又は登録された特許又は均等物、特許出願公開を含む特許文献を含む特許文献、及び、非特許文献又は他の原資料など、本出願全体を通じたすべての参考文献は、各参考文献が少なくとも部分的に本出願における開示と不一致でない範囲まで、参照により個々に組み込まれるように、本明細書において参照により全体が本明細書に組み込まれる(例えば、部分的に不一致である参考文献は、当該参考文献の部分的に不一致である部分を除いて、参照により組み込まれる)。
【0064】
[067]本明細書で用いられる用語及び表現は、限定ではなく説明の用語として使用され、当該用語及び表現の使用には、示され説明された特徴又はその一部のいかなる均等物をも排除する意図はなく、特許請求される本発明の範囲に入る様々な修正が可能であることを認識されたい。したがって、本発明は好ましい実施形態、例示的な実施形態及び任意選択的な特徴によって具体的に開示されているが、当業者であれば本明細書で開示された発想の修正及び変形を用いることができること、並びに、かかる修正及び変形は、添付の特許請求の範囲によって定められる本発明の範囲内に入るものとみなされることを理解されたい。本明細書において提示された特定の実施形態は、本発明の有用な実施形態の例であり、本発明は、本説明において記述された装置、装置の構成要素、及び方法ステップの多数の変形を用いて実施することができることが当業者には了解されよう。当業者には明らかとなるように、本方法のために有用な方法及び装置は、多数の任意選択的な構成並びに処理要素及びステップを含むことができる。
【0065】
[068]本明細書において一群の置換が開示されるとき、当該群のすべての個々の構成物及びすべての部分群が別個に開示されているものと理解される。本明細書においてマーカッシュ群又は他の分類が使用されるとき、当該群のすべての個々の構成物並びに当該群の可能なすべての組合せ又は部分組合せが、個々に本開示に含まれていることが意図される。
【0066】
[069]本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が明らかに別様に規定しない限り、複数の言及を含むことに留意されたい。したがって、例えば、「細胞(a cell)」への言及は、複数のかかる細胞及び当業者に知られた均等物を含む。同様に、「1つの(a又はan)」、「1つ又は複数(one or more)」及び「少なくとも1つ(at least one)」という用語は、本明細書において交換可能に使用することができる。また、「備える(comprising)」、「含む(including)」、及び「有する(having)」という用語は、交換可能に使用することができることにも留意されたい。「請求項XX~YYのいずれかに記載の」(ここで、XX及びYYは、請求項番号を指す)という表現は、多項従属請求項を代替形で提示することを意図したものであり、いくつかの実施形態においては、「請求項XX~YYのいずれか一項に記載の」という表現と交換可能である。
【0067】
[070]別途定義されない限り、本明細書において使用されるすべての技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術の当業者によって一般的に理解されているものと同じ意味を有する。本明細書に記載のものと類似又は均等な任意の方法及び材料を、本発明を実践又は試験するのに使用することができるが、ここでは好ましい方法及び材料を記載する。本明細書に記載の一切は、本発明が先行発明によって本開示に先行する資格を与えられないことを容認するものとして解釈されるべきではない。
【0068】
[071]本明細書において説明され又は例示された構成要素のすべての組合せを、特段の指定のない限り、本発明を実施するために使用することができる。
【0069】
[072]本明細書において範囲、例えば、整数値範囲、温度範囲、時間範囲、又は組成範囲若しくは濃度範囲が与えられているときにはいつでも、すべての中間範囲及び部分範囲、及び与えられた範囲に含まれるすべての個々の値が本開示に含まれることが意図される。本明細書において使用される場合、範囲は、特に、当該範囲の端点値として与えられている値を含む。本明細書において使用される場合、範囲は、特に、当該範囲のすべての整数値を含む。例えば、1~100の範囲は、特に、1及び100の端点値を含む。本明細書の説明に含まれる範囲又は部分範囲内の任意の部分範囲又は個々の値を特許請求の範囲から除外することができることが理解されるであろう。
【0070】
[073]本明細書において言及されるすべての特許及び刊行物は、本発明が関係する技術分野の当業者の技術の水準を示すものである。本明細書で引用される参考文献は、参照により全体が本明細書に組み込まれ、当該文献の刊行日又は出願日時点での技術水準を示し、また、必要であれば従来技術の特定の実施形態を除外するために本明細書において当該情報を利用することができることが意図されている。例えば、組成物が特許請求されている場合、権限を付与する開示が本明細書において引用されている引用文献において与えられている化合物を含む、本出願人の発明に先行して当該技術分野において知られており、入手可能である化合物は、本明細書における組成物請求項に含まれるようには意図されていないことが理解されるべきである。
【0071】
[074]本明細書において使用される場合、「備える(comprising)」は、「含む(including)」、「含む(containing)」、又は「特徴とする」と同義であり、包括的又はオープンエンド型であり、付加的な挙げられていない要素又は方法ステップを排除しない。本明細書において使用される場合、「から成る(consisting of)」は、請求項の要素内で指定されていないあらゆる要素、ステップ又は成分を除外する。本明細書において使用される場合、「から本質的に成る(consisting essentially of)」は、請求項の基本的且つ新規な特徴に実質的な影響を及ぼさない物質又はステップを除外しない。本明細書における各事例において、用語「備える」、「から本質的に成る」及び「から成る」のいずれも、他の2つの用語のいずれかで置き換えることができる。本明細書において例示的に説明される発明は、本明細書において明確に開示されていないいずれかの1つ又は複数の要素、1つ又は複数の限定の非存在下で、適切に実施することができる。
【0072】
[075]具体的に例示されたもの以外の開始材料、生物学的材料、試薬、合成方法、精製方法、分析方法、アッセイ方法、及び生物学的方法を、過度の実験に頼ることなく本発明の実施に利用することができることを当業者は了解するであろう。かかる物質及び方法の当該技術分野において既知のすべての機能的均等物が本発明に含まれることが意図されている。利用されている用語及び表現は、限定ではなく説明の用語として使用され、当該用語及び表現の使用には、示され説明された特徴又はその一部のいかなる均等物をも排除する意図はなく、特許請求される本発明の範囲に入る様々な修正が可能であることを認識されたい。したがって、本発明は好ましい実施形態及び任意選択的な特徴によって具体的に開示されているが、当業者であれば本明細書で開示された発想の修正及び変形を用いることができること、並びに、かかる修正及び変形は、添付の特許請求の範囲によって定められる本発明の範囲内に入るものとみなされることを理解されたい。