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特許7520970無線通信及びレーダ用の組み込みアンテナ構造
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-12
(45)【発行日】2024-07-23
(54)【発明の名称】無線通信及びレーダ用の組み込みアンテナ構造
(51)【国際特許分類】
   H01Q 3/24 20060101AFI20240716BHJP
   G01S 7/03 20060101ALI20240716BHJP
   H01Q 1/38 20060101ALI20240716BHJP
【FI】
H01Q3/24
G01S7/03 246
H01Q1/38
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2022520566
(86)(22)【出願日】2019-12-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-21
(86)【国際出願番号】 US2019068676
(87)【国際公開番号】W WO2021133408
(87)【国際公開日】2021-07-01
【審査請求日】2022-12-21
(73)【特許権者】
【識別番号】593096712
【氏名又は名称】インテル コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】チョウドゥリー,デババニ
(72)【発明者】
【氏名】カマチョ ペレス,ホセ ロドリーゴ
(72)【発明者】
【氏名】ヤマダ,シュウヘイ
(72)【発明者】
【氏名】スキナー,ハリー
(72)【発明者】
【氏名】バーガー,ヴィダ イルデレム
(72)【発明者】
【氏名】ホーライン,ブライス
【審査官】佐藤 当秀
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2012/0327516(US,A1)
【文献】特開2019-047341(JP,A)
【文献】S. HAMID, M.T. ALI, N.H. ABD RAHMAN, I.PASYA, Y.YAMADA, N.MICHISHITA,ACCURACY ESTIMATIONS OF A NEGATIVE REFRACTIVE INDEX CYLINDRICAL LENS ANTENNA DESIGNING,PROCEEDINGS OF THE 2016 IEEE-APS TOPICAL CONFERENCE ON ANTENNAS AND PROPAGATION IN WIRELESS COMMUNICATIONS (APWC),IEEE,2016年11月10日,PP. 23 - 26,ISBN: 978-1-5090-0469-0
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 3/24
G01S 7/03
H01Q 1/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信用のレトロディレクティブアンテナアレイシステムであって、
1つ以上のアンテナ素子を含むアンテナアレイと、
前記1つ以上のアンテナ素子のうち少なくとも1つの上に付着された負の屈折率の工学材料(NIM)と
を含み、
前記NIMは、-1の誘電率及び-1の透磁率を有する、レトロディレクティブアンテナアレイシステム。
【請求項2】
レトロディレクティブアレイ回路は、前記アンテナシステムによって受信された信号の位相を、前記アンテナシステムから送信されるべき信号と共役させるための周波数ミキサを含まない、請求項1に記載のレトロディレクティブアンテナアレイシステム。
【請求項3】
レトロディレクティブアレイ回路は、前記アンテナシステムによって受信された信号の位相を、前記アンテナシステムから送信されるべき信号と共役させるための高調波又は低調波ミキサを含まない、請求項1に記載のレトロディレクティブアンテナアレイシステム。
【請求項4】
前記NIMは、前記アンテナシステムによって受信された信号が前記アンテナアレイによって受信される前にNIM材料を通過するように、前記1つ以上のアンテナ素子のうち少なくとも1つの上に付着される、請求項1に記載のレトロディレクティブアンテナアレイシステム。
【請求項5】
前記アンテナアレイは、前記アンテナシステムによって受信される信号の受信方向の第1の極性と、前記アンテナシステムから送信される信号の送信方向の第2の極性とを有する二重偏波アンテナを含み、前記第1の極性及び前記第2の極性が異なる、請求項1乃至4のうちいずれか1項に記載のレトロディレクティブアンテナアレイシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
様々な実施形態は、一般的に無線通信及び無線技術に関する。
【背景技術】
【0002】
車両組み込みレーダ及び通信システムは、最適な性能のためのビーム探索及び追跡プロセスを可能にするために、正確なアンテナビーム制御を有することが必要とされる。一般的に、より狭いアンテナビーム幅は、空間的曖昧さを低減し、結果として、レーダ感知用途におけるより良い分解能及び正確な感知能力を生じる。また、無線通信技術においても、より高い指向性は、改善したリンク予算を達成するのに役立ち、狭いビーム幅は、通信を安全にするのに役立つ。しかし、非常に狭いアンテナビーム幅でビーム探索及び追跡プロセスを実装することは、より困難になっている。現在の無線システムでは、ビーム拡大/改良技術を有するセクタレベルスイープ(sector level sweep, SLS)が、このような問題を克服するために使用される。しかし、このプロセスは、しばしば複雑な信号処理を含み、最適な走査角度を識別するために走査時間を必要とする。また、当該システムは、このような正確なビーム制御をサポートするために、高分解能の位相シフタを有する必要がある。
【0003】
さらに、無線OEM及びサービスプロバイダを含む学界及び産業界の研究者は、車両組み込みアンテナシステムアーキテクチャの定義を必要とするV2Xシナリオを可能にすることを提案している。コネクテッド車両の運転要因は、空気力学、美観、盲点のないカバレッジ、困難且つ動的な環境における信頼性の高い性能等を含む自動車会社からの要求に対処する必要がある。自動車会社からの多くの厳しい要求を満たすmmWアンテナシステムモジュールの低コストで大量生産(high-volume manufacturing, HVM)の可能性は、将来のコネクテッド車両におけるアンテナシステムの実施形態の成功のために必要不可欠である。
【0004】
さらに、自動車産業への5Gの到来は、車両上の通信システム及びアンテナに対する更なる需要を意味する。これは、将来、車両の美観又は空気力学に影響を与えることなく、ほとんどの帯域(例えば、0.9-7GHz、28GHz、39GHz等)にとって360度のカバレッジを提供するために、ますます多くのアンテナを一体化する必要があることを意味する。この課題は、これらの無線システムを、自動車からトラック及びコンバーチブルのような他のモデル、三輪車/原動機付き軽三輪車、オートバイ、さらには自転車まで、道路を共有する広範囲の車両に一体化する必要性を考慮すると、更に複雑になる。
【0005】
自動車、SUV及び他の車両、特に自律型車両は、超高帯域幅で、信頼性が高く高速な無線接続で常時接続される必要がある。V2Xのような車両通信システムは、安全で干渉がなくユビキタスな接続を提供し、交通安全を強化するために車両とインフラストラクチャとの間の信頼性の高い通信を確保するために無線接続に依存する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図面において、同様の参照符号は概して異なる図面を通じて同じ部分を示す。図面は必ずしも縮尺通りとは限らず、代わりに本発明の原理を例示することに一般的に重点が置かれる。以下の説明では、本発明の様々な実施形態について、以下の図面を参照して説明する。
図1】本開示の少なくとも1つの例示的な実施形態による例示的なV2X(vehicular to everything)接続ネットワークシナリオを示す。
図2】本開示の少なくとも1つの例示的な実施形態による例示的なレトロディレクティブアレイ(Retro-Directive Array, RDA)システムを示す。
図3】負の屈折の例示的な説明図を示す。
図4】本開示の少なくとも1つの例示的な実施形態によるアンテナアレイを示す。
図5】本開示の少なくとも1つの例示的な実施形態によるNIM材料のダイアグラムモデルと、放射結果とを含む例示的な図を示す。
図6】本開示の少なくとも1つの例示的な実施形態による、負の屈折率の工学材料(Negative Refractive Index Engineered Materials, NIM)を有するRDAシステムの例示的な概略図を示す。
図7】本開示の少なくとも1つの例示的な実施形態による、負の屈折率の工学材料(Negative Refractive Index Engineered Materials, NIM)を有するRDAシステムの例示的な概略図を示す。
図8】本開示の少なくとも1つの例示的な実施形態による、NIMを有するアンテナアレイを含むレトロディレクティブアンテナアレイシステムを製造するための例示的なフローチャートを示す。
図9】本開示の少なくとも1つの例示的な実施形態による例示的なV2X(vehicle-to-everything)通信シナリオを示す。
図10】本開示の少なくとも1つの例示的な実施形態による、組み合わせアンテナアレイ構造の一部の断面の例示的な概略図、及び組み合わせアンテナアレイ構造によって提供される方位角カバレッジの例示的な説明図を示す。
図11】少なくとも1つの例示的な実施形態による、例示的な組み合わせアンテナ構造によって提供される高さ方向カバレッジを示す例示的な図を示す。
図12】本開示の少なくとも1つの例示的な実施形態による、例示的な組み合わせアンテナアレイ構造、及び組み合わせアンテナアレイ構造のスイッチビームアンテナアレイ部分の例示的な四分円を示す。
図13】少なくとも1つの例示的な実施形態による、組み合わせアンテナアレイ構造の断面の例示的な概略図を示す。
図14】本開示の少なくとも1つの例示的な実施形態による、例示的なスイッチドビームアンテナアレイの例示的な四分円及び対応する概略図、並びにカバレッジを示すグラフを示す。
図15】少なくとも1つの例示的な実施形態による例示的なスイッチドビームアンテナアレイ素子の例示的な説明図である。
図16】少なくとも1つの例示的な実施形態による、信号増強及び環境保護素子を有する例示的なハウジングの断面図を示す。
図17】少なくとも1つの例示的な実施形態による、性能強化ハウジングに囲まれた(ATSA)アンテナ素子の例示的な説明図及びグラフを示す。
図18】本開示の少なくとも1つの例示的な実施形態による、例示的なスイッチドビームアンテナアレイ構造の四分円の例示的な斜視図、及び例示的な全体のスイッチドビームアンテナアレイ構造の例示的な上面図1810を示す。
図19】少なくとも1つの例示的な実施形態による放射パターンを示すグラフを示す。
図20】少なくとも1つの例示的な実施形態による、車両上の屋根上の組み合わせアンテナ構造システムトポロジの説明図、及び例示的な組み合わせアンテナ構造の上面図を示す。
図21】少なくとも1つの例示的な実施形態による、組み合わせアンテナアレイ構造を製造する方法の例示的なフローチャートを示す。
図22】本開示の少なくとも1つの例示的な実施形態による例示的な無線機を示す。
図23A】本開示の少なくとも1つの例示的な実施形態による例示的な無線回路を示す。
図23B】本開示の少なくとも1つの例示的な実施形態による例示的な無線回路を示す。
図23C】本開示の少なくとも1つの例示的な実施形態による例示的な無線回路を示す。
図24】本開示の少なくとも1つの例示的な実施形態による例示的な光源エンクロージャを示す。
図25】本開示の少なくとも1つの例示的な実施形態による例示的な無線通信システムを示す。
図26】本開示の少なくとも1つの例示的な実施形態による例示的なライトアセンブリを示す。
図27A】本開示の少なくとも1つの例示的な実施形態による例示的なライトアセンブリを示す。
図27B図27Aのライトアセンブリの例示的な放射プロットを示す。
図27C】本開示の少なくとも1つの例示的な実施形態による例示的なライトアセンブリを示す。
図27D図27Cのライトアセンブリの例示的な放射プロットを示す。
図28】本開示の少なくとも1つの例示的な実施形態による例示的なライトアセンブリを示す。
図29A】本開示の少なくとも1つの例示的な実施形態によるライトアセンブリの例示的な態様を示す。
図29B】本開示の少なくとも1つの例示的な実施形態によるライトアセンブリの例示的な態様を示す。
図29C】本開示の少なくとも1つの例示的な実施形態によるライトアセンブリの例示的な態様を示す。
図29D】本開示の少なくとも1つの例示的な実施形態によるライトアセンブリの例示的な態様を示す。
図29E】本開示の少なくとも1つの例示的な実施形態によるライトアセンブリの例示的な態様を示す。
図29F】本開示の少なくとも1つの例示的な実施形態によるライトアセンブリの例示的な態様を示す。
図29G】本開示の少なくとも1つの例示的な実施形態によるライトアセンブリの例示的な態様を示す。
図29H】本開示の少なくとも1つの例示的な実施形態によるライトアセンブリの例示的な態様を示す。
図29I】本開示の少なくとも1つの例示的な実施形態によるライトアセンブリの例示的な態様を示す。
図30】本開示の少なくとも1つの例示的な実施形態による例示的なライトアセンブリ構造を示す。
図31A】本開示の少なくとも1つの例示的な実施形態によるライトアセンブリの例示的な態様を示す。
図31B】本開示の少なくとも1つの例示的な実施形態によるライトアセンブリの例示的な態様を示す。
図31C】本開示の少なくとも1つの例示的な実施形態によるライトアセンブリの例示的な態様を示す。
図31D】本開示の少なくとも1つの例示的な実施形態によるライトアセンブリの例示的な態様を示す。
図31E】本開示の少なくとも1つの例示的な実施形態によるライトアセンブリの例示的な態様を示す。
図32】本開示の様々な態様による、一体化された組み込みアンテナシステムの上面図の一例を示す。
図33図32の一体化された組み込みアンテナシステムの側面図の一例を示す。
図34図33の一体化されたアンテナシステムの一部を示す概略図である。
図35】本開示の様々な態様によるユニバーサルアンテナシステム制御バスの一例を示す概略図である。
図36】本開示の様々な態様による一体化された組み込みアンテナの一例を示す他の概略図である。
図37】本開示の様々な態様による、mmWアンテナシステム及び10GHz以下のアンテナシステムを含む組み込みアンテナシステムを示す他の概略図である。 図面のいくつかを通じて、同一又は同様の要素、特徴及び構造を示すために、同様の参照符号が使用されることがある点に留意すべきである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下の詳細な説明は、例示として、本発明が実施され得る特定の詳細及び実施形態を示す添付の例示的な図面を参照する。
【0008】
本明細書において、「例示的」という用語は、「例、例示又は説明としての役割を果たす」ことを意味するために使用される。「例示的」として本明細書に記載されるいずれかの実施形態又は設計は、必ずしも他の実施形態又は設計よりも好ましいこと又は有利であることとして解釈されるとは限らない。
【0009】
当該説明又は特許請求の範囲における「複数(plurality)」及び「複数(multiple)」という用語は、1よりも大きい量を明示的に示す。当該説明又は特許請求の範囲における「(の)グループ)」、「(の)セット」、「(の)集合」、「一連(の)」、「(の)シーケンス」、「(の)グループ化」等という用語は、1つ以上の量、すなわち、1つ又は複数を示す。「複数(plurality)」又は「複数(multiple)」等と明示的に記載されていない複数形で表現されたいずれかの用語は、1つ以上の量を示す。「適切なサブセット」、「縮小サブセット」、「より小さいサブセット」という用語は、セットと等しくないセットのサブセット、すなわち、セットよりも少ない要素を含むセットのサブセットを示す。
【0010】
本明細書で使用されるいずれかのベクトル及び/又は行列表記は、本質的に例示的であり、単に説明の目的で使用される。したがって、ベクトル及び/又は行列表記を伴う本開示の態様は、単にベクトル及び/又は行列を使用して実施されることに限定されず、関連するプロセス及び計算は、データ、観察値、情報、信号、サンプル、記号、要素等のセット、シーケンス、グループ等に関して等しく実行されてもよい。
【0011】
本明細書において使用されるとき、「メモリ」は、データ又は情報が探索のために記憶できる非一時的なコンピュータ読み取り可能媒体として理解される。したがって、本明細書に含まれる「メモリ」への言及は、ランダムアクセスメモリ(random access memory, RAM)、読み取り専用メモリ(read-only memory, ROM)、フラッシュメモリ、ソリッドステートストレージ、磁気テープ、ハードディスクドライブ、光ドライブ等、又はこれらのいずれかの組み合わせを含む揮発性又は不揮発性メモリを示すものとして理解されてもよい。さらに、レジスタ、シフトレジスタ、プロセッサレジスタ、データバッファ等も、本明細書ではメモリという用語によって包含される。「メモリ」又は「1つのメモリ」と呼ばれる単一のコンポーネントは、1つよりも多くの異なるタイプのメモリから構成されてもよく、したがって、1つ以上のタイプのメモリを含む集合的なコンポーネントを示してもよい。いずれかの単一のメモリコンポーネントは、複数の集合的に等価なメモリコンポーネントに分離されてもよく、その逆も可能である。さらに、メモリは、(図面等において)1つ以上の他のコンポーネントから分離して示されることがあるが、メモリはまた、共通の集積チップ又は組み込みメモリを有するコントローラのような他のコンポーネントと一体化されてもよい。
【0012】
「ソフトウェア」という用語は、ファームウェアを含むいずれかのタイプの実行可能命令を示す。
【0013】
本明細書で使用される「端末デバイス」という用語は、無線アクセスネットワークを介してコアネットワーク及び/又は外部データネットワークに接続できるユーザ側デバイス(ポータブル及び固定の双方)を示す。「端末デバイス」は、ユーザ装置(User Equipment, UE)、移動局(Mobile Station, MS)、ステーション(Station, STA)、携帯電話、タブレット、ラップトップ、パーソナルコンピュータ、ウェアラブル、マルチメディア再生及び他のハンドヘルド又は身体装着電子デバイス、消費者/家庭/オフィス/商業用機器、車両、及びユーザ側無線通信が可能ないずれかの他の電子デバイスを含む、いずれかの移動又は固定無線通信デバイスを含むことができる。一般性を損なうことなく、いくつかの場合、端末デバイスはまた、無線通信以外の機能を対象とするアプリケーションプロセッサ又は他の汎用処理コンポーネントのようなアプリケーション層のコンポーネントを含むことができる。任意選択で、端末デバイスは、無線通信に加えて有線通信をサポートできる。さらに、端末デバイスは、端末デバイスとして機能する車両通信デバイスを含むことができる。
【0014】
本明細書で使用される「ネットワークアクセスノード」という用語は、端末デバイスがネットワークアクセスノードを通じてコアネットワーク及び/又は外部データネットワークに接続して情報を交換できる無線アクセスネットワークを提供するネットワーク側デバイスを示す。「ネットワークアクセスノード」は、マクロ基地局、マイクロ基地局、NodeB、eNB(evolved NodeB)、ホーム基地局、リモートラジオヘッド(Remote Radio Head, RRH)、中継ポイント、Wi-Fi/WLANアクセスポイント(Access Point, AP)、Bluetoothマスターデバイス、DSRC RSU、ネットワークアクセスノードとして機能する端末デバイス、並びに固定及び移動デバイスの双方(例えば、車両ネットワークアクセスノード、移動セル、及び他の移動可能なネットワークアクセスノード)を含むネットワーク側無線通信が可能ないずれかの他の電子デバイスを含むことができる。本明細書で使用されるとき、電気通信の状況における「セル」は、ネットワークアクセスノードによってサービス提供されるセクタとして理解されてもよい。したがって、セルは、ネットワークアクセスノードの特定のセクタ化に対応する、地理的に同一位置のアンテナのセットでもよい。したがって、ネットワークアクセスノードは、1つ以上のセル(又はセクタ)にサービス提供でき、セルは別個の通信チャネルによって特徴付けられる。さらに、「セル」という用語は、マクロセル、マイクロセル、フェムトセル、ピコセル等のいずれかを示すために使用されてもよい。特定の通信デバイスは、他の端末デバイスにネットワーク接続を提供する端末デバイスのような、端末デバイス及びネットワークアクセスノードの双方として機能できる。
【0015】
本開示の様々な態様は、無線通信技術を使用してもよく、或いは、無線通信技術に関連してもよい。いくつかの例は、特定の無線通信技術、例えば、Wi-Fiに言及することがあるが、本明細書で提供される例は、特に、このような無線通信技術が以下の例に関して開示されるような同様の特徴を共有する場合に、既存及び未策定の双方の様々な他の無線通信技術に同様に適用されてもよい。本明細書に記載の態様が使用し得る様々な例示的な無線通信技術は、GSM(Global System for Mobile Communications)無線通信技術、GPRS(General Packet Radio Service)無線通信技術、EDGE(Enhanced Data Rates for GSM Evolution)無線通信技術及び/又は3GPP(Third Generation Partnership Project)無線通信技術、例えば、UMTS(Universal Mobile Telecommunications System )、FOMA(Freedom of Multimedia Access)、3GPP LTE(Long Term Evolution)、3GPP LTE Advanced(Long Term Evolution Advanced)、CDMA2000(Code division multiple access 2000)、CDPD(Cellular Digital Packet Data)、Mobitex、3G(Third Generation)、CSD(Circuit Switched Data)、HSCSD(High-Speed Circuit-Switched Data)、UMTS(3G)(Universal Mobile Telecommunications System (Third Generation)、W-CDMA(UMTS)(Wideband Code Division Multiple Access(Universal Mobile Telecommunications System)、HSPA(High Speed Packet Access)、HSDPA(High-Speed Downlink Packet Access)、HSUPA(High-Speed Uplink Packet Access)、HSPA+(High Speed Packet Access Plus)、UMTS-TDD(Universal Mobile Telecommunications System-Time-Division Duplex)、TD-CDMA(Time Division-Code Division Multiple Access)、TD-CDMA(Time Division-Synchronous Code Division Multiple Access)、3GPP Rel.8(Pre-4G)(3rd Generation Partnership Project Release 8(Pre-4th Generation)、3GPP Rel.9(3rd Generation Partnership Project Release 9)、3GPP Rel.10(3rd Generation Partnership Project Release 10)、3GPP Rel.11(3rd Generation Partnership Project Release 11)、3GPP Rel.12(3rd Generation Partnership Project Release 12)、3GPP Rel. 13(3rd Generation Partnership Project Release 13)、3GPP Rel.14(3rd Generation Partnership Project Release 14)、3GPP Rel.15(3rd Generation Partnership Project Release 15)、3GPP Rel.16(3rd Generation Partnership Project Release 16)、3GPP Rel.17(3rd Generation Partnership Project Release 17)、3GPP Rel.18(3rd Generation Partnership Project Release 18)、3GPP 5G、3GPP LTE Extra、LTE-Advanced Pro、LAA(LTE Licensed-Assisted Access)、MuLTEfire、UTRA(UMTS Terrestrial Radio Access)、E-UTRA(Evolved UMTS Terrestrial Radio Access)、LTE Advanced(4G)(Long Term Evolution Advanced(4th Generation))、cdmaOne(2G)、CDMA2000(3G)(Code division multiple access 2000(Third generation)、DV-DO(Evolution-Data Optimized又はEvolution-Data Only)、AMPS(1G)(Advanced Mobile Phone System (1st Generation)、TACS/ETACS(Total Access Communication arrangement/Extended Total Access Communication arrangement)、D-AMPS(2G)(Digital AMPS(2nd Generation))、PTT(Push-to-talk)、MTS(Mobile Telephone System)、IMTS(Improved Mobile Telephone System)、AMTS(Advanced Mobile Telephone System)、OLT(Offentlig Landmobil Telefoni, Public Land Mobile Telephonyのノルウェー語)、MTD(Mobiltelefonisystem D又はMobile telephony system Dのスウェーデン語の略語)、Autotel/PALM(Public Automated Land Mobile)、ARP(Autoradiopuhelin, 「車用無線電話」のフィンランド語)、NMT(Nordic Mobile Telephony)、Hicap(High capacity version of NTT(Nippon Telegraph and Telephone))、CDPD(Cellular Digital Packet Data)、Mobitex、DataTAC、iDEN(Integrated Digital Enhanced Network)、PDC(Personal Digital Cellular)、CSD(Circuit Switched Data)、PHS(Personal Handy-phone System)、WiDEN(Wideband Integrated Digital Enhanced Network)、iBurst、UMA(Unlicensed Mobile Access)(3GPP Generic Access Network又はGAN standardとも呼ばれる)、Zigbee、Bluetooth、WiGig(Wireless Gigabit Alliance)標準、一般的なmmWave標準(WiGig、IEEE802.11ad、IEEE802.11ay等のような10-300GHz以上で動作する無線システム)、300GHz及びTHz帯域より上で動作する技術、(3GPP/LTEベース又はIEEE802.11p等の)V2V(Vehicle-to-Vehicle)及びV2X(Vehicle-to-X)及びV2I(Vehicle-to-Infrastructure)及びI2V(Infrastructure-to-Vehicle)通信技術、3GPPセルラV2X、インテリジェント輸送システムのようなDSRC(Dedicated Short Range Communications)通信構成、並びに他の既存、開発中又は将来の無線通信技術を含んでもよいが、これらに限定されない。本明細書で使用されるとき、第1の無線通信技術及び第2の無線通信技術が異なる通信標準に基づく場合、第1の無線通信技術は第2の無線通信技術とは異なってもよい。
【0016】
本明細書に記載の態様は、専用ライセンススペクトル、アンライセンススペクトル、(ライセンス)共有スペクトル(高周波数(例えば、6GHzよりも上)におけるLSA(Licensed Shared Access)、及び高周波数におけるSAS(Spectrum Access System)等)を含むが、これらに限定されない様々なスペクトル管理方式に従ってこのような無線通信技術を使用してもよく、IMT(International Mobile Telecommunications)スペクトル(450-470MHz、790-960MHz、1710-2025MHz、2110-2200MHz、2300-2400MHz、2500-2690MHz、698-790MHz、610-790MHz、3400-3600MHz等を含み、いくつかの帯域は特定の領域及び/又は国に限定されることがある)、IMT-advancedスペクトル、IMT-2020スペクトル(3600-3800MHz、3.5GHz帯域、700MHz帯域、24.25-86GHz範囲内の帯域等を含むことが想定される)、FCCの「Spectrum Frontier」5G initiativeで利用可能になったスペクトル(27.5-28.35GHz、29.1-29.25GHz、31-31.3GHz、37-38.6GHz、38.6-40GHz、42-42.5GHz、57-64GHz、64-71GHz、71-76GHz、81-86GHz及び92-94GHz等を含む)、5.9GHz(典型的には5.85-5.925GHz)及び63-64GHzのITS(Intelligent Transport Systems)帯域、WiGig Band 1(57.24-59.40GHz)、WiGig Band 2(59.40-61.56GHz)、WiGig Band 3(61.56-63.72GHz)及びWiGig Band 4(63.72-65.88GHz)のようなWiGigに現在割り当てられている帯域、70.2GHz-71GHz帯域、65.88GHzと71GHzとの間のいずれかの帯域、76-81GHzのような自動車レーダ用途に現在割り当てられている帯域、並びに94-300GHz以上の将来の帯域を含むが、これらに限定されない様々なスペクトル帯域で使用されてもよい。セルラ用途の他に、PMSE(Program Making and Special Events)、医療、健康、手術、自動車、低遅延、ドローン等の用途のように、垂直市場の特定の用途に対応してもよい。さらに、本明細書に記載の態様は、例えば、第1層のユーザに最も高い優先度を与えられ、それに続いて第2層、第3層等のように、スペクトルへの優先順位付きのアクセスに基づいて異なるタイプのユーザ(例えば、低/中/高優先度等)に対する使用の階層的優先度を導入すること等によって、階層的アプリケーションを有する無線通信技術を使用してもよい。本明細書に記載の態様は、異なるシングルキャリア又はOFDMフレーバ(CP-OFDM、SC-FDMA、SC-OFDM、FBMC(filter bank-based multicarrier)、OFDMA等)、特に3GPP NR(New Radio)を有する無線通信技術を使用でき、これは、OFDMキャリアデータビットベクトルを対応するシンボルリソースに割り当てることを含むことができる。
【0017】
本開示の目的で、無線通信技術は、短距離無線通信技術又はセルラ広域無線通信技術のうち1つに分類されてもよい。短距離無線通信技術は、Bluetooth、WLAN(例えば、いずれかのIEEE802.11標準に従うもの)及び他の同様の無線通信技術を含んでもよい。セルラ広域無線通信技術は、GSM(Global System for Mobile Communications)、CDMA2000(Code Division Multiple Access 2000)、UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)、LTE(Long Term Evolution)、GPRS(General Packet Radio Service)、EV-DO(Evolution-Data Optimized)、EDGE(Enhanced Data Rates for GSM Evolution)、HSPA(High Speed Packet Access; HSDPA(High Speed Downlink Packet Access)、HSUPA(High Speed Uplink Packet Access)、HSDPA+(HSDPA Plus)、HSUPA+(HSUPA Plus)を含む)、WiMax(Worldwide Interoperability for Microwave Access)(例えば、IEEE80216無線通信標準に従うもの、例えば、WiMax fixed又はWiMax mobile)等、及び他の同様の無線通信技術を含んでもよい。セルラ広域無線通信技術はまた、マイクロセル、フェムトセル及びピコセルのような技術の「スモールセル」を含む。セルラ広域無線通信技術は、本明細書では、一般的に「セルラ」通信技術と呼ばれてもよい。
【0018】
本明細書で使用される「無線通信ネットワーク」及び「無線ネットワーク」という用語は、ネットワークのアクセス部(例えば、無線アクセスネットワーク(radio access network, RAN)部)及びネットワークのコア部(例えば、コアネットワーク部)の双方を含む。
【0019】
明示的に指定されない限り、「送信」という用語は、直接(ポイントツーポイント)及び間接送信(1つ以上の中間点を介する)の双方を含む。同様に、「受信」という用語は、直接及び間接受信の双方を含む。さらに、「送信」、「受信」、「通信」という用語及び他の同様の用語は、物理的伝送(例えば、無線信号の伝送)及び論理的伝送(例えば、論理的ソフトウェアレベルの接続上でのデジタルデータの伝送)の双方を含む。例えば、プロセッサ又はコントローラは、無線信号の形式で、他のプロセッサ又はコントローラとのソフトウェアレベルの接続上でデータを送信又は受信してもよく、物理的送信及び受信は、RFトランシーバ及びアンテナのような無線層コンポーネントによって処理され、ソフトウェアレベルの接続上での論理的送信及び受信は、プロセッサ又はコントローラによって実行される。「通信」という用語は、送信及び受信の一方又は双方、すなわち、入来方向及び発信方向の一方又は双方における一方向又は双方向通信を含む。「計算」という用語は、数式/式/関係を介した「直接的」計算と、ルックアップテーブル又はハッシュテーブル及び他の配列インデックス化又は探索動作を介した「間接的」計算との双方を含む。
【0020】
図1は、いくつかの態様によるV2X(Vehicle-to-Everything)のための例示的な接続ネットワークシナリオ100を示しており、効率的な多次元車両通信を実現するために必要な複雑な要件及び要素を示す。ネットワークシナリオ100は、V2D(Vehicle-to-Drone)、D2D(Drone-to-Drone)、V2I(Vehicle-to-Infrastructure)、V2V(Vehicle-to-Vehicle)及びV2P(Vehicle-to-Pedestrian)を含む、いくつかの例示的な異なる通信相互作用を示す。
【0021】
ネットワークシナリオ100に示すように、組み込みレーダ及び通信システムは、最適な性能のためのビーム探索及び追跡プロセスを可能にするために、正確なアンテナビーム制御を有することが必要とされる。一般的に、より狭いビームは、空間的曖昧さを低減し、それにより、結果として、レーダ感知用途におけるより良い分解能及び正確な感知能力を生じる。さらに、無線通信について、より高い指向性は、改善したリンク予算を提供し、より狭いビーム幅は、より安全な通信を確保にするのに役立つ。ビームが狭くなるほど、ビーム探索及び追跡プロセスを実装することが困難になる。
【0022】
現在の無線システムは、この問題を克服するために、ビーム拡大及び改良技術を有するセクタレベルスイープ(sector level sweep, SLS)を実装する。しかし、このプロセスは、しばしば複雑な信号処理を含み、最適な走査角度を識別するために走査時間を必要とする。また、これらの技術は、達成することを意図する正確なビーム制御をサポートするために、高分解能の位相シフタを必要とする。
【0023】
V2X通信に必要な高指向性及び狭いビームを提供するために、レトロディレクティブアレイ(retro-directive array, RDA)システムが、入来する受信信号の方向に向けてビームを自動的にステアリングするために使用されてもよい。RDAシステムは、受信アンテナにおいて信号を受信し、それを位相共役し、それをベースバンド信号と混合し、それが入来するのと同じ方向に信号を返信することによって動作する。
【0024】
図2は、いくつかの態様による例示的なRDAシステム200を示す。RDAシステム200は、この説明の目的で簡略化されることがあることが認識される。
【0025】
RDAシステム200は、無線周波数(radio frequency, RF)トランシーバ信号処理コンポーネント206-214に加えて、複数のアンテナ素子202-204を含むアンテナアレイを含んでもよい。RDAシステム200では、2つのアンテナ、すなわち、1つの受信(Rx)アンテナ202及び1つの送信アンテナ204を有するアンテナアレイが示されているが、共用アンテナ(送信及び受信の双方のためのもの)を有するアンテナを含む他のアンテナ構成も含まれてもよいことが認識される。RDAシステム200は、1つ以上の増幅器206-208、例えば入力増幅器206(低雑音増幅器LNA等)及び出力増幅器208(電力増幅器PA等)を含んでもよい。RDAシステム200は、それぞれ、受信(Rx)方向及び送信(Tx)方向のための1つ以上のバンドパスフィルタ210-212を含む位相共役回路を含んでもよく、また、局部発振器(local oscillator, LO)からの発信ベースバンド信号を、RDAシステム200によって受信された信号から取得された情報と混合するミキサ214を含んでもよい。
【0026】
RDAシステムは、受信信号(すなわち、入力信号)から取得された情報に基づいて、どの方向に発信信号(すなわち、出力信号)を送信するかを決定してもよい。例えば、他の通信デバイスは、第1の信号、例えばパイロット信号を、RDAシステム200を有する無線通信デバイスに送信してもよい。RDAシステム200は、そのアンテナアレイ、例えばRxアンテナ202において、第1の信号を受信する。各パスにおける受信信号(fRF)は、RDAシステム200における到達角度(angle of arrival, AOA)に依存する位相情報を含み、この情報は、ミキサ214によって局部発振器(local oscillator, LO)を介して提供されるベースバンド信号と混合される。ダウンコンバートされた信号(fLO-fRF)は、受信信号と共役位相を有することになる。言い換えると、受信した第1の信号(例えば、受信したパイロット信号)の位相が+30度である場合、RDAシステム200の位相共役回路の出力信号は-30度である。この技術を実装することにより、位相シフタなしでビームをステアリングすることが可能になる。
【0027】
しかし、ダウンコンバージョンで共役位相信号を達成するために、RDAシステム200は、受信信号fRF(11.6GHz)の2倍の周波数、又はLO信号のfRF周波数(2.9GHz)の半分の高調波ミキサのいずれかを必要とする。一般的に、より高いLO周波数は、より高い伝搬損失を受け、信号分配ネットワークにおいてより高い位相及び/又は振幅雑音及び不均衡を導入するので、好ましくない。他方、高調波ミキサの性能は駆動信号レベルに依存し、ミキサにおけるいずれかの損失を回避するために、比較的高い入力LO信号電力を必要とする。したがって、一般的に、高調波ミキサによる解決策は、より高いレベルの電力増幅を必要とし、それにより、全体のシステムの電力消費を増加させ、また、LO信号分配における振幅及び/又は位相雑音及び不均衡を増加させる。
【0028】
いくつかの態様によれば、アンテナアレイの1つ以上のアンテナ素子に適用される負の屈折率の工学材料(negative refractive-index engineered material, NIM)(負の屈折率のメタマテリアルとしても知られる)を使用することによって、入来信号の位相共役を実現するデバイス及び方法が開示される。NIMは、誘電率ε及び透磁率μの双方について負の値を含む特性を有する材料である。NIM材料は、ユニットセルと呼ばれる周期的なベース部から構成されており、典型的には、これらのユニットセルは、これらが使用されている放射線又は信号の波長よりもかなり小さい。一般的に、ユニットセルは積層又は平面状であり、NIMを構成するために特定の反復パターンで構成される。各ユニットセルの応答の仕様は、構成前に予め決定されており、NIMの意図した応答に基づく。例えば、本開示の態様によれば、誘電率ε及び透磁率μが-1に等しい(或いは少なくとも実質的に等しい)ように、NIMが選択及び/又は構成されてもよい。
【0029】
セルのそれぞれは、ワイヤ及び/又はスプリットリング共振器から構成されてもよい。これらのワイヤ及び/又はスプリットリング共振器は、厳密な幾何学的順序で配置された金属、例えば銅から構成されてもよい。これらの素子のサイズ及び素子の間の距離は、RDAアンテナシステムが動作し得る周波数波長よりも小さい。
【0030】
いくつかの態様では、NIMは、フォトニック結晶から構成されてもよい。フォトニック結晶は、二次元又は三次元格子状に配置された誘電体又は金属成分(これは「アトム」と呼ばれてもよい)から構成されたメタマテリアルである。例えば、NIMは、誘電体材料、例えば、正方形格子上に配置されたナノスケールレベルでの円筒状の孔を有するシリコンベースのスラブで構成されてもよい。
【0031】
いくつかの態様では、NIMは、複合メタマテリアルから構成されてもよい。複合メタマテリアルは、電子回路板に取り付けられたLC発振器の人工的設計アレイから構成される。複合メタマテリアルを製造するために、異なる組み合わせの導電素子が基板上に配置されてもよく、或いは、伝送線を有する構成が使用されてもよい。例えば、直線ワイヤと組み合わされたスプリットリング共振器(split-ring resonator, SRR)は、プリント銅回路を使用して製造されてもよく、SRRは、ミリメートル範囲又はナノメートル範囲の寸法(例えば、直径)を含んでもよい。リング内のスプリットは、リング直径よりも大きい波長の共振を提供し、大きい方のリングの内側の小さい方のリングは、大きいキャパシタンスを提供する。他の形状、例えば、正方形スタイルのSRRが使用されてもよいことが認識される。例示的なSRRが図3の310に示されている。
【0032】
いくつかの態様では、NIMは、例えば、基板上の金属層(例えば、貴金属層)の上の誘電体層上に配置されたナノサイズの金属素子(例えば、貴金属柱)のアレイを含んでもよい、ナノ構造アレイを有する複合メタマテリアルを含んでもよい。ユニットセルのサイズは、300-900ナノメートルの範囲でもよい。この一例が図3の320に示されており、ピラーの間の距離は、300-900nmの範囲でもよい。
【0033】
図3は、いくつかの態様による負の屈折の例示的な図300を示す。図300は、本説明の目的で簡略化されることがあることが認識される。
【0034】
いくつかの態様によれば、NIMに衝突して通過する信号は、逆の到達角度(angle of arrival, AoA)を生じる。NIMの材料特性を注意深く設計及び適用することによって、この逆のAoAは、更なる回路又は上記の周波数要件(例えば、受信信号周波数の2倍のLO)を必要とせずにRDAシステムにおいて使用できるような、位相共役信号を達成するために使用できる。入射信号のAoAは、図3に示すようにθ1として定義されてもよく、一方、NIM302は、θ2によって定義される角度を有する入射信号の負の屈折を提供してもよい。図3の右側は、θ3の屈折角を提供する正の屈折率(n>0)を有する通常の媒質を示す。
【0035】
NIMは、誘電率及び透磁率について同時に負の値を有するように設計されてもよく、したがって、図300の左部分に示すように負の屈折の特性を示してもよい。本開示の態様によるデバイス及び技術は、システムが高調波ミキサ及び/又は高周波LO信号分布を必要としないように、RDAシステムのための位相共役を実現するためにNIMの負の屈折特性を利用し、それによって、必要とされる信号処理コンポーネントの数を低減することによって、RDAシステムを簡略化する。したがって、本明細書において提案されるデバイス及び技術は、現在のRDAシステムにおいて必要とされる周波数及び/又は高調波ミキサの必要性なしに位相共役を達成できる。したがって、本開示のデバイス及び技術は、周波数及び高調波ミキサによって導入される振幅及び/又は位相雑音の不均衡、及びLO信号分布の要件なしに、RADシステムにおける位相共役に対する解決策を提供する。さらに、Van Attaアレイのような他の従来の方法と比較して、本明細書において提供されるデバイスは、信号分配ネットワークのための長い伝送線を必要としない。例えば、Van Attaアレイは、AoA内でエネルギーを再放射するために、位相勾配を生成するように均一に間隔を空けなければならないアンテナ素子を接続するために長い伝送線を必要とする。Van Attaアレイはまた、全ての信号フィードラインが同じ長さでなければならないという要件のため、2次元ビームステアリング能力を実現することを困難にする。
【0036】
材料の屈折率は
【0037】
【数1】
として表されてもよく、εrは誘電率であり、μrは透磁率である。一般的に、正の符号が使用され、すなわち、
【0038】
【数2】
である。εr及びμrの双方が負である場合、負の符号が使用され、すなわち、
【0039】
【数3】
である。正及び負の屈折に関して、材料上のθ1のAoAを有する入射信号についての屈折角(負の屈折についてθ2、正の屈折についてθ3)が図3に示されている。
【0040】
負の屈折を使用して入射信号の位相共役(すなわち、逆位相)を達成するために、NIMの材料特性は、以下のように表されてもよい。
【0041】
【数4】
ここで、n1及びn2はそれぞれ自由空間及び媒質の屈折率であり、θ1及びθ2はそれぞれ入射信号及び屈折の角度である。位相共役を達成するために、θ2は-θ1である必要があり、したがって、本開示のいくつかの態様によるアンテナに適用されるNIMの屈折率は、以下のように表すことができる。
【0042】
【数5】
したがって、-1の誘電率及び透磁率の双方を有するNIMについて、信号は、図4に示すように共役位相を有するNIMを通過してもよい。図4は、この説明の目的で簡略化されることがあることが認識される。
【0043】
図4の左側は、入来信号を受信するように構成された「d」の距離だけ離間したアンテナ素子(黒丸として示す)を有するアンテナアレイの図400を提供する。アンテナアレイにおける左端のアンテナ素子は、θの角度で入来信号を受信してもよい。この説明の目的で、入射信号のAoAは、全てのアンテナ素子について同様であるように示されるが、最も左側のアンテナ素子によって受信された最も左側の信号が、信号及びアンテナの最も右側の信号よりも長い距離を移動しているので、入来信号の位相はアンテナ素子毎に異なってもよいことが認識される。
【0044】
図4の右側は、いくつかの態様に従って「d」の距離だけ離間したアンテナ素子(黒丸として示す)上にNIM(影付き領域)を有するアンテナアレイの図410を提供する。入来信号は、まずθの角度でNIMに衝突し、NIMの負の屈折特性のために、-θの角度でアンテナアレイに向かって屈折する。すなわち、入来信号は、アンテナアレイにおける受信時に既に位相共役されている。したがって、410に示すように、アンテナアレイ上にNIMを有するRDAシステムは、入来信号がアンテナアレイにおけるその受信時に既に位相共役されているので、周波数及び/又は高調波ミキサ又は長い伝送線を使用することなく、RDA技術を実装可能になり得る。
【0045】
図5は、いくつかの態様による、NIM材料のダイアグラムモデル500と、ダイアグラムモデル500によって提供される放射結果510とを含む例示的な図を示す。図5は、この説明の目的で簡略化されることがあることが認識される。
【0046】
ダイアグラムモデル500において、従来のパッチアンテナが、信号、例えばパイロット信号をNIM又は図5においてラベル付けされているように「工学材料」に向けて送信するためのデバイスとして使用される。本開示の目的で、NIM及び工学材料が互換可能に使用されてもよいことが認識される。パッチアンテナは、工学材料及び自由空間の境界において30°のAoAを有する信号を送信するように配置されている。図5に示すように、工学材料は、双方とも-1に等しい(或いは実質的に近い)誘電率ε及び透磁率μを有する。
【0047】
下部の放射結果の図510は、-30°の逆の角度でNIMを通過するときの信号の負の屈折及び逆の到達角度(angle of arrival, AoA)を示している。すなわち、NIMを通過するときの信号の角度は、NIMに衝突する前にパッチアンテナから送信された信号と位相共役される。
【0048】
図6は、いくつかの態様による、NIMを有するRDAシステムの例示的な概略図600-620を示す。本説明の目的で概略図が簡略化されることがあることが認識される。
【0049】
NIMは、受信アンテナの前又は上に実装されるいずれかのタイプの工学材料構造を含んでもよく、その結果、RDAシステムを有する無線デバイスの受信アンテナ(Rx)によって受信された信号がアンテナアレイにおいて受信される前にNIMを通過する。このように、RDAシステムが位相共役の更なるステップを実行する必要がないように、NIMは、位相共役信号をアンテナアレイに提供する。したがって、位相共役のために、周波数及び/又は高調波ミキサ、LO周波数について受信信号の周波数の2倍、又はLO周波数について受信信号の周波数の半分を必要としないRDAシステムが実現され得る。
【0050】
600において、分離した送受信(Tx/Rx)構成が示されている。この例では、Rxアンテナアレイ602及びTxアンテナアレイ604は分離しており、NIMはRxアンテナアレイ602にのみ適用される。このように、入来信号(例えば、他のデバイスから送信されたビーコン信号)は、NIMのために既に共役されている位相でRxアンテナアレイ602において受信され、RDAシステムは、この位相共役信号をLOベースバンド信号と混合して、入来信号が受信された方向にTxアンテナ604から送信されるべき出力信号を生成する。このように、無線デバイスは、アンテナアレイにおけるアンテナで受信した後に、位相共役の更なる信号処理ステップを実行する必要なく、他の通信デバイス(例えば、車両、ドローン、携帯電話、インフラストラクチャ要素等におけるもの)において高度に指向された狭いビームを生成できる。
【0051】
610において、共用アンテナアレイ612を有するトランシーバ構成が示されており、アンテナアレイは、受信及び送信の双方に同じアンテナ素子を利用する。この例では、受信信号及び送信信号は、二重偏波アンテナを使用して分離され、NIMの方向依存特性を利用するようにNIMと共に使用される。Tx信号及びRx信号のために2つの異なる偏波を使用し、特定の方式でNIMをアライメントして、受信機の偏波のみがNIMによって影響を受けるが、送信機の偏波はその通常の屈折率特性を維持する。これは、所望のアンテナ偏波に関してNIMのアライメントを変化させることによって達成することができる。いくつかの態様では、このNIMは、600と同じものとすることができ或いは異なるものとすることもできる。したがって、共用アンテナアレイへのNIMの適用も利用されてもよい。
【0052】
620において、調整可能なNIM面を有する構成が示されている。NIMの材料特性を動的に変化させるために、610において、NIMを通って伝搬する信号の偏波が変更される。他方、620において、NIM自体は、調整可能性を実装することによって変更される。このアーキテクチャでは、送信(Tx)パスと受信(Rx)パスとの間を切り替えるために共用アンテナ622及びスイッチ624と組み合わせて、NIMの材料特性は、NIMの面に適用される調整可能な能力によって変更されてもよい。例えば、NIMの屈折率は、TxパスとRxパスとの間の切り替えと組み合わせて適用される刺激(stimulus)の適用を介して変更されてもよい。例えば、NIMは、刺激が加えられた場合にのみ負の屈折率を示してもよい。したがって、例えば、スイッチ624の構成によって示すように、デバイスが受信モードに切り替えられた場合、入来信号がNIMによって位相共役されるように刺激が加えられる。また、デバイスが送信モードにある場合、出力信号(すなわち、送信信号)の位相がNIMの負の屈折特性の影響を受けないように、刺激が除去される。刺激の適用とスイッチの制御との調整は、RDAシステムのコントローラ626によって実行されてもよい。
【0053】
600-620のそれぞれについて、主な概念は、ビーコン又はパイロット信号のような、RDAシステムを有する無線通信デバイスにおいて受信された入来信号が、NIMを通過することによって位相共役されることであり、したがって、RDAシステムは、受信した入来信号の方向に無線通信デバイスによって送信されるべき信号を送信するために、入来信号を発信ベースバンド信号と位相共役させるための周波数及び/又は高調波ミキサを必要としないことである。
【0054】
図7は、いくつかの態様によるNIMを有するRDAシステムの更なる例示的な概略図700を示す。概略図は、本説明の目的で簡略化されることがあることが認識される。
【0055】
図700において、複数のアンテナ素子702を含む共用アンテナからの入来ビーコン信号及び送信信号は、これらの偏波(V-及びH-pol)によって分離される。入来ビーコン信号の位相は、アンテナ素子702上のNIM構造によって反転される。ベースバンド信号は、ミキサ704のそれぞれによって受信ビーコン信号でアップコンバートされ、その結果、送信(すなわち、発信)信号は、ビームを入来信号の方向に向けてステアリングするように、受信ビーコン信号の逆位相情報によってベースバンド信号を搬送する。この意味で、本開示のRDAシステムは、受信ビーコン信号との位相共役を達成するための周波数及び高調波ミキサの必要性を回避する。
【0056】
いくつかの態様によれば、NIM構造は、多層パッケージ技術を使用してアンテナアレイに適用されてもよい。アンテナ素子の上の材料特性は、パターン化されたNIM構造によって設計されてもよい。
【0057】
いくつかの態様によれば、本明細書に開示されたNIMを有するRDAシステムは、位相共役回路(例えば、周波数及び/又は高調波ミキサ)及びVan Attaアレイアーキテクチャを含むRDAシステムを含む現在既存の位相共役構造に対して多くの利点を提供する。位相共役回路を有するRDAシステムでは、入来ビーコン信号の位相は、入来信号の周波数の2倍の周波数を有する局部発振器(local oscillator, LO)信号と混合することによって反転される。LOにおいて入来信号の周波数の2倍を必要とするこの要件は、特に5G及び他の新無線(new radio, NR)無線アクセス技術のようなより高い周波数帯域での適用において、実質的な位相雑音をシステムに導入する。さらに、これらのより高い周波数レベルで等位相を達成するために必要とされるより高いレベルの複雑性が存在する。本開示の態様によるNIMを有するRDAシステムは、入来信号の周波数の2倍で混合する必要性を除去し、それによって、システムの複雑性及び位相雑音を低減する。
【0058】
Van Attaアレイ構造では、入来信号の位相は、アンテナアレイ素子の賢明な配置によって反転される。例えば、Van Attaアレイでは、受信アンテナアレイの左端のアンテナ素子は、送信アンテナアレイの右端のアンテナ素子に接続される。Van Attaアレイは、LOのために受信周波数の2倍の周波数を必要としないが、より長い伝送線に対する要件のため、Van Attaアレイ構造は、信号分配ネットワークにおいてより高い損失を生じやすい。さらに、Van Attaアレイでは、等位相の長い伝送線ベースの分配ネットワークを設計することは困難である。
【0059】
いくつかの態様によれば、アンテナアレイ素子のそれぞれに適用されるそれぞれ個々のNIM構造は同じであり、信号分配ネットワークは、信号のそれぞれの位相がアンテナ素子のそれぞれにおいて整合できるように、等位相の伝送線を達成するように注意深く設計される。これは、電気的に長さが整合するラインを設計することによって達成されてもよい。これは、各ラインの位相が整合することを確保するために、EM回路のシミュレーションを含んでもよい。位相共役回路ベースのRDAシステムと比較すると、本開示によるNIMを有するRDAシステムは、LO信号の2倍の受信信号の周波数を必要としないので、等位相分配ネットワークの設計を容易にする。
【0060】
いくつかの態様によれば、NIM構造を有するRDAシステムは、本開示に記載のようにアンテナアレイに適用し、ビーム送信のための増加した指向性能力と、より少ない信号処理と、入来信号に反応して入来信号に応じて信号を送信するためのより低い遅延時間とを提供する。
【0061】
図8は、いくつかの態様によるNIMを有するアンテナアレイを含む、レトロディレクティブアンテナアレイシステムを製造するための例示的なフローチャート800を示す。フローチャート800は、本説明の目的で簡略化されることがあることが認識される。
【0062】
当該方法は、1つ以上のアンテナ素子を含むアンテナアレイを設けるステップ802と、1つ以上のアンテナ素子のうち少なくとも1つの上に負の屈折率の工学材料(negative refractive-index engineered material, NIM)を付着させるステップ804とを含んでもよい。したがって、NIMは、RDA信号処理回路が信号処理を容易にするように、受信信号の位相共役をRDAシステムに提供してもよい。例えば、信号は既に位相共役されているので、RDAシステムは、ベースバンド信号と混合してRDAシステムから送信されるべき信号を生成するための位相共役を達成するために、更なる周波数及び/又は高調波ミキサを必要としない。
【0063】
5Gのようなミリ波(millimeter-wave, mmW)ベースの技術の導入と共に、車両通信、例えば、V2Xの急増は、高帯域幅及び低遅延の接続の提供を前提とした自律運転の時代をもたらすのを助長している。したがって、高データ容量、低遅延及び高カバレッジのような多くの厳しい要件を満たすことができる一方で、他の車両の考慮事項、例えば、空気力学、美観等に悪影響を与えることなく車体内に一体化できるアンテナを提供することが重要である。
【0064】
図9は、いくつかの態様による2つの例示的な車両通信シナリオ900及び950を示す。V2V(Vehicle-to-Vehicle)、V2D(Vehicle-to-Drone)、V2SAT(Vehicle-to-Satellite)、V2N(Vehicle-to-Network)、V2I(Vehicle-to-Infrastructure)、V2R(Vehicle-to-Road signs)、V2P(Vehicle-to-Pedestrian)及びV2S(Vehicle-to-Sensor)を含むこれらのV2X(Vehicle-to-Everything)シナリオは、安全且つ効果的な無線通信のための高帯域幅及び低遅延要件を満たす一方で、空気力学、美観、ブラインドスポットのないカバレッジ、困難で動的な環境における信頼性のある性能等のような他の要件を満たすために、車両組み込みアンテナアーキテクチャを必要とする可能性がある。これら全ての要件を満たす車両にmmWアンテナシステムモジュールの低コストで大量の生産を実現する能力は、今後のV2X通信の成功を達成するために不可欠になり得る。
【0065】
現在の解決策は、車体から突出するアンテナ構造(例えば、シャークフィンの設計に基づくもの)、又は所望のカバレッジを達成するために車体のルーフエッジ又はコーナーにおけるフェーズドアレイモジュールを含む。しかし、このような手法は、無線周波数(radio frequency, RF)カバレッジにおいてブラインドスポットを生じやすい。さらに、これらの手法は、車両の空気力学に影響を与えるか、その美観に影響を与えるか、或いは、複数のヒートシンク及びより長く非効率的なmmW及び/又は無線周波数(radio freqeuency, RF)伝送又はより高い製造コスト及び劣化した性能を導入する同軸線を有する複数のmmW集積回路(integrated circuit, IC)を必要とする可能性がある。同軸及びRF伝送線はまた、回路及びアンテナへの必要な遷移並びに回路及びアンテナからの必要な遷移から、増加した減衰を受ける可能性があり、これは、より高い装置コストを提供することに加えて、性能を更に劣化させる。
【0066】
いくつかの態様によれば、無線周波数通信のための厳しい要件の全てを満たし、一方で、異なる車体への適合性及び空気力学に関して車両とってフレンドリな実装を提供する、車両通信のための薄型で、車体に適合したハイブリッドのmmWアンテナアレイが記載される。本明細書において提供されるアンテナ構造は、動的に変化する環境において、好適な空気力学、最小限のブラインドスポット又は全くブラインドスポットのない高いmmWカバレッジ、熱安定性、及びロバスト性能を提供する。本開示は、車両の屋根に組み込まれたときに、車両の周囲に360度の方位角カバレッジ及び車両上に180度の半球状の高さ方向カバレッジを提供するコンパクトで薄型のアンテナアレイ構造を提供する。アンテナアレイは、フェーズドアレイトポロジと組み合わせた適合可能なビームスイッチドアレイを含む。全体のアンテナアレイ分配ネットワーク構造は、最小限の突起又は突起無しで、長い伝送線に基づく分配ネットワークを必要とせずに、車体内に適合可能で容易に実装される、薄型の低損失設計を使用する。プリント回路基板(printed circuit board, PCB)、スイッチドアンテナアレイ素子は、アンテナ構造の周囲の全方位角カバレッジを可能にするとともに、車両材料及び構造プロファイルを使用することによって傾斜可能なV2Xフレンドリな高さ方向パターンを可能にする、インピーダンス整合された低損失伝送構造を有する。
【0067】
図10は、いくつかの態様による、組み合せアンテナアレイ構造1000の一部の断面の例示的な概略図と、組み合せアンテナアレイ構造によって提供される方位角カバレッジ1050の例示的な説明図を示す。
【0068】
いくつかの態様では、本明細書において提供されるフェーズアレイ及び円形スイッチドビームアレイ素子を含むアンテナ構造はまた、異なる車両形式及びシナリオのために必要に応じて所望のカバレッジを達成するように、車両の屋根以外の車両の他の部分、例えばバンパー又は側面又はコーナーに一体化されてもよい。
【0069】
フェーズドアレイ及びスイッチドアレイビーム素子を有する組み合わせアンテナ構造1000は、横型(broadside-type)のビームを放出し得るフェーズドアンテナアレイの周囲のエンドファイア型ビームを放出し得る円形(又は実質的に円形、例えば楕円形)の輪郭を有する新規なスイッチドビームアンテナ素子を組み込む垂直方向に薄型のアンテナシステムである。これらのアンテナアレイの双方は、無線周波数集積回路(radio frequency integrated circuit, RFIC)モジュールに動作可能に結合されてもよく、RFICモジュールは、車両内の他の処理回路への更なる接続を提供してもよい。また、RFICモジュール及び/又は組み合わせアンテナアレイのための熱出口を提供するために、ヒートシンクが含まれてもよい。円形スイッチドビームアレイ素子は、スイッチを介してRFICモジュールに動作可能に結合されてもよく、これについて、以下の説明において更に詳細に説明する。
【0070】
いくつかの態様によれば、スイッチドビームアンテナアレイ素子は、性能を向上させることと、環境から保護することとの双方を提供する二重目的のハウジング構造内に封入されてもよい。さらに、ビームパターン形状及び利得性能を向上させるために、車両金属本体の近接性が使用されてもよい。
【0071】
フェーズドアレイ素子及びスイッチドビームアレイ素子の双方を有する組み合わせアンテナアレイ構造1000は、垂直方向に薄型を提供し、それによって、車両の屋根及び/又は本体の一体化に好適にする。フェーズアレイ(例えば、1000に示すような横型ビームを提供する)は、車両の上に半球形のカバレッジを提供してもよく、スイッチドビームアンテナアレイ(例えば、1000に示すようなエンドファイアビームを提供する)は、ブラインドスポットのない360度の方位角カバレッジ1050を確保してもよい。円形、半円形又は楕円形の構成におけるスイッチドビームアンテナアレイ素子の付着は、完全な360度カバレッジ(或いは所望の場合にカバレッジのセクタ、例えば90度)を提供する。ステアリング可能なM×Nフェーズドアレイ(すなわち、M素子×N素子の構成を有し、M及びNの双方は整数である)は、スイッチドビームアンテナ構造と組み合わせて、180度半球のカバレッジを提供し、これは、アンテナ構造が図11に示すように屋根に一体化されている場合に、車両の上にすることができる。1000の一部として示す組み合わせアンテナアレイパッケージは、性能の顕著な損失なしにアンテナ構造の空気力学的効果を最小化するために、プラスチック、金属又は複合材料の車両屋根に適合可能に一体化できるプリント回路基板(printed circuit board, PCB)アセンブリに設けられてもよい。
【0072】
図11は、いくつかの態様による、組み合わせアンテナ構造によって提供される高さ方向カバレッジを示す例示的な図を示す。上の図は、本開示の態様による、組み合わせアンテナ構造によって提供される無線周波数カバレッジの車両正面図1100及び車両側面図1102を示す。下の図は、本開示の態様による傾斜可能なエンドファイアビームを有する組み合わせアンテナ構造によって提供される無線周波数カバレッジの車両正面図1110及び車両側面図1112を示す。
【0073】
1100及び1102において、フェーズドアレイは、車両の上、例えば車両の上の0度から180度の半球形の範囲でビームステアリングを介してカバレッジを提供してもよい。フェーズアレイからの横型ビームは、半球のカバレッジの頂点、例えば、90度の印の点、すなわち、フェーズアレイの面に直交する点に近づくにつれて、より強い信号利得を有してもよい。フェーズドアレイは、例えば15度と165度との間の特定の範囲において、スイッチドビームアレイの補助なしに、それ自体で良好なカバレッジを提供してもよい。しかし、半球のカバレッジの境界付近では、フェーズドアレイの無線周波数カバレッジ(すなわち、信号利得)は、スイッチドビームアレイによって補足されてもよい。
【0074】
スイッチドビームアレイは、約30度のビーム幅(垂直方向、すなわち、高度方向で測定されたもの)において、例えば、165度から195度及び15度から345度の影付き部分において、車両の周囲の360度の方位角カバレッジを提供してもよい。フェーズドアレイは、フェーズドアレイに垂直なビームのとき、すなわち、図11に示す90度の一般的な方向において、最も強い無線周波数カバレッジを提供してもよい。しかし、フェーズドアレイは、互いに補足し得るように、スイッチドビームアレイ素子のカバレッジの方向にビームをステアリング可能としてもよい。さらに、下の図1110及び1112に示すように、スイッチドビームアンテナアレイは、例えば、15度と40度との間の領域においてより良好なカバレッジを提供するために、これらのカバレッジをフェーズドアレイのカバレッジに向けて傾斜可能でもよい。車両の金属及びプラスチック本体材料は、特定の所望の方向により高いピーク利得を有するようにパターンを調整するために、高さ方向のスイッチドビームアレイ素子のカバレッジを傾斜させるために使用されてもよい。
【0075】
図12は、いくつかの態様による、4つのマルチバンドのスイッチドビームアンテナアレイの四分円(すなわち、マルチバンドのスイッチドビームエンドファイアアレイ)と、組み合わせアンテナアレイ構造のスイッチビームアンテナアレイ部分の例示的な四分円1250とを有する例示的な組み合わせアンテナアレイ構造1200を示す。
【0076】
フェーズアレイ及びスイッチドビームアンテナアレイの双方は、マルチ周波数特性を有するように設計されてもよく、すなわち、双方とも、複数の周波数帯域で信号を送信及び受信可能でもよい。マルチバンドフェーズアレイは、M×N素子のアレイ(M及びNの双方は整数であり、例えば4×4素子である)を含んでもよく、スイッチビームエンドファイアアンテナアレイは、1250により詳細に示されている。各四分円は、多数のスイッチビームアレイ素子を含んでもよく、例えば、8つが1250に示されており、これらは、単極-N投(single-pole-N-throw, SPNT)スイッチへの相互接続で接続され、この例では、8つのエンドファイアアンテナ素子が存在するので、これはSP8Tスイッチでもよい。フェーズアレイと、それを取り囲むスイッチドビームアンテナアレイとの組み合わせは、車体への一体化のために、実質的に垂直方向に薄型を有してもよい。SPNTスイッチが示されているが、他の同様のスイッチが使用されてもよいことが認識される。
【0077】
図13は、いくつかの態様による、組み合わせアンテナアレイ構造1300の断面の例示的な概略図を示す。
【0078】
図示のように、組み合わせアンテナアレイ構造1300は、フェーズドアレイ(M×Nアンテナ素子のアレイを含む)を含む多くの異なる特徴を含んでもよく、フェーズドアレイは、複数のスイッチドビームアンテナ素子を含むスイッチドビームアンテナアレイによって囲まれる。スイッチドビームアンテナ素子は、多層基板上に配置されてもよい。スイッチドビームアンテナ素子は、相互接続を介してスイッチに接続されてもよく、スイッチは、mmW ICに動作可能に接続されてもよい。フェーズドアレイはまた、多層基板内のマイクロビア(microvias)を通じて、mmW ICに接続されてもよい。さらに、組み合わせアンテナアレイ構造の放射パターンを高めるために、金属トレースが多層基板に含まれてもよい。mmW ICは、ヒートシンク上に配置されてもよく、全体の構造は、組み合せアンテナ構造を車両内に配置された更なる回路に接続するために、更なるバックエンド回路及び接続を更に含んでもよい。
【0079】
図14は、スイッチドビームアンテナアレイ1400の例示的な四分円及び対応する概略図1410を、y軸上にプロットされた信号利得及びx軸上にプロットされた度によってカバレッジを示すグラフ1420と共に示す。スイッチドビームアレイの四分円は、19+dB利得で方位角の90度をカバーし、ブラインドスポットのない(四分円の)完全カバレッジを提供する、単極8投(single-pole-eight-throw, SP8T)スイッチを有する8つの対せき形テーパードスロットアンテナアレイ素子(antipodal tapered slot antenna array element)を含んでもよい。スイッチは、mmW In/Outインタフェースを介してmmW ICチップに動作可能に結合されてもよい。
【0080】
図15は、スイッチドビームアンテナアレイ素子の3つの例示的な図1510-1530をより詳細に示す。スイッチドビームアンテナアレイ素子は、本明細書に例示及び記載のように、対せき形テーパードスロットアンテナ素子(antipodal tapered slot antenna, ATSA)として配置されてもよい。
【0081】
上の図1510は、保護基板で作られてもよいスイッチドビームアンテナアレイのアンテナ素子のプリント回路基板(printed circuit board, PDB)の図を提供する。例えば、これは、低損失で熱的に安定な誘電体から構成された約0.05mmから約0.5mmの厚さの保護基板を含んでもよい。裏面の矩形PCB領域は、スイッチドビームアンテナ素子の導電性部分の給電ポート及び基板集積波長(substrate integrated wavelength, SIW)給電分配器を支持するための領域を提供する(1520において示す)。アンテナ素子のPCBはまた、放射増強機能を有する放射構造と、ツイン放射開口構造とを含む。
【0082】
中央の図1520は、スイッチドビームアレイのアンテナ素子の導電層の図を示しており、これは、第2の導電層、すなわち、層2の上に配置された第1の導電層、すなわち、層1で構成されてもよい。ツイン放射構造及び増強スロットは、方位角カバレッジの11.25度を超える最適なカバレッジを提供する。例えば、グラフ1420に示すように、アンテナ素子のそれぞれは、方位角方向における11.25度のカバレッジに相当する18dBを超える信号利得を提供してもよく、それによって、全体の四分円、すなわち、90度にわたって18dBを超える信号利得を生じる。したがって、これらのアンテナ素子のこれらのATSAアンテナのうち8つは、ブラインドスポットのない四分円についての完全に90度のカバレッジを提供し、円形に配置されたこれらのアンテナ素子のうち32個(すなわち、1四分円当たり8つ)は、完全に360度のカバレッジの範囲を提供する。他の構成、例えば、完全な360度の方位角カバレッジを提供するために四分円当たりに配置された他の数のスイッチドビームアンテナ素子(8を除く)が使用されてもよいことが認識される。
【0083】
図示のように、ツイン放射構造は、それぞれの第1の突出部(prong)及びそれぞれの第2の突出部をそれぞれ含んでもよく、第1の突出部のそれぞれは、層1の導体で作られ、第2の突出部のそれぞれは、層2の導体で作られる。さらに、第1の突出部は、第1の突出部のうち少なくとも1つと第2の突出部のうち1つが、図示のように重複部分を有するように、第2の突出部の上に配置されてもよい。突出部のそれぞれは、増強スロットを含んでもよく、ツイン放射構造の突出部のそれぞれの口に更に増強誘電体挿入物を設ける選択肢を有する。層1の導体及び層2の導体は同じでもよく、或いは、これらは異なる導電性材料でもよい。
【0084】
超低損失空気充填又は誘電充填の基板集積波長(substrate integrated wavelength, SIW)電力分配器及び無線周波数(radio frequency, RF))スイッチと組み合わせたツイン放射構造は、全体のスイッチドビームアンテナアレイの所望のツイン放射素子を切り替えて選択することにより、単一ポート給電及びビームパターンステアリングの能力を可能にする。
【0085】
いくつかの態様では、更なる性能柔軟性、例えば、拡張又はマルチ周波数帯域動作及び切り替え式の高さ方向パターンを提供するために、円形スイッチドビームアンテナアレイのうち2つ以上が垂直スタックに設けられてもよい。
【0086】
下の図1530は、いくつかの態様による、層1の導体の周囲のPCB保護基板、コア基板、及び層2の導体の交互の層を含む、全体のスイッチドアレイアンテナ素子の断面図を示す。
【0087】
いくつかの態様では、図1510-1530に示すように、ATSA素子のツイン放射構造の特定の領域におけるスロット、誘電体充填物及び金属の重なりの組み合わせは、向上した信号利得及び帯域幅を提供する。アンテナアレイ構造の等角の付着を可能にするための薄型及びスロットは、車体の輪郭に従うことを可能にする。
【0088】
スイッチドビームアンテナアレイのATSA素子内のツイン放射構造の組み合わせは、金属面(例えば、車体)に近接するビームの正確な方向を可能にする一方で、天候保護及び機械的安定性を提供する構造的特徴を反映して方向付けることで、ハウジングによって補完されてもよい。
【0089】
フェーズドアンテナアレイ及び円形スイッチドビームアンテナアレイを含む全体のアンテナ構造は、同じパッケージ/PCBアセンブリ及びハウジング上に製造されてもよい。
【0090】
図16は、信号増強及び環境保護素子を有する例示的なハウジングの断面図1600を示す。ハウジングは、上側反射構造、誘導構造、下側反射構造及びスイッチドビームアンテナアレイ素子を支持するための機械的支持体を含んでもよい。さらに、車体に面した導電面が設けられてもよい。全体の垂直寸法は、関心の周波数に依存して、約6mmから約10mmの範囲でもよい。
【0091】
図17は、いくつかの態様による、性能強化ハウジングに囲まれたATSAアンテナ素子の例示的な図と、2つのグラフ1710-1720とを示す。第1のグラフ1710は、ハウジングを有する場合及びハウジングを有しない場合のアンテナ素子のピーク利得対周波数の結果を示す。1710において分かるように、ハウジングは、信号のピーク利得を2-3dBだけ改善する一方で、環境要因からのアンテナ構造の保護を提供する。また、1720において分かるように、ハウジングは、スイッチドビームアンテナアレイ構造の全体の帯域幅に影響を与えない。
【0092】
図18は、いくつかの態様による、ハウジングに封入されたスイッチドビームアンテナアレイ構造の四分円の例示的な斜視図1800、及びいくつかの態様による、全体のスイッチドビームアンテナアレイ構造の例示的な上面図1810を示す。1810において、スイッチドビームアンテナアレイ構造をより詳細に認識するためにハウジングが隠されている。1810において分かるように、スイッチドビームアンテナアレイは、4つの四分円から構成される円形形状でもよく、各四分円は、図15に記載のように、8つのATSA素子を有する。全体のアンテナ構造の他のコンポーネント(例えば、フェーズアンテナアレイ、スイッチ、及びスイッチドビームATSA素子のための相互接続)は、この図には示されていないことが認識される。
【0093】
図19は、いくつかの態様による2つのグラフ1900及び1950を示す。グラフ1900は、スイッチドビームアレイの四分円内の8つのATSA素子のそれぞれについての方位角利得パターンを示す。分かるように、スイッチドビームアレイの四分円は、90度のカバレッジにおいて18dBを超える利得を提供する。したがって、360度のカバレッジは、本明細書に記載のように、4つの四分円で達成されてもよい。グラフ1950は、ハウジングのないスイッチドビームアンテナアレイと比較して、スイッチドビームアンテナアレイについてハウジングが2-3dBのピーク利得の増加を提供することを示す結果を示している。
【0094】
図20は、いくつかの態様による、車両2000上の屋根上の組み合わせアンテナ構造システムトポロジの説明図、及び組み合わせアンテナ構造2100の上面図を示す。M×Nフェーズドアレイは、車両の上にビームを投影してステアリングするように構成されてもよく、円形スイッチドビームアレイ素子は、車両の周囲の方向にビームを投影するように構成されてもよい。組み合わせのフェーズアレイ及びスイッチドビームのアーキテクチャは、一体化された構造の方位角においてブラインドスポットのない360度カバレッジを確保する。ステアリング可能なM×Nフェーズアレイは、(例えば、図11に記載のように)傾斜可能なスイッチドビームの高さ方向ビーム幅と組み合わせて、車両の上の全体の180度半球領域のカバレッジを提供する。
【0095】
図21は、いくつかの態様による、組み合わせアンテナアレイ構造を製造する方法を記載する例示的なフローチャート2100を示す。
【0096】
当該方法は、1つ以上の無線周波数集積回路に動作可能に結合されるように構成されたフェーズドアレイを含む第1のアンテナアレイを設けるステップ2102と、第1のアンテナアレイの周囲に複数のスイッチドビームアンテナアレイ素子を含む第2のアンテナアレイを配置するステップであり、複数のスイッチドビームアンテナアレイ素子がスイッチドビームアンテナアレイ素子の1つ以上のサブセットに分割される、ステップ2104と、スイッチドビームアンテナアレイ素子のサブセットのそれぞれを1つ以上のスイッチのそれぞれのスイッチに接続するステップであり、1つ以上のスイッチは、スイッチドビームアンテナアレイ素子の1つ以上のサブセットのうちそれぞれのサブセットと1つ以上の無線周波数回路との間にインタフェースを提供するように構成される、ステップ2106とを含む。当該方法は、本明細書に記載のこれらの特徴と同様のステップを更に含んでもよい。
【0097】
図22は、例示的な実施形態による、例示的な無線モジュール2200を示す。無線モジュール2200は、例えば、いくつかの実施形態に従ってベースバンド回路2210及び無線回路(例えば、無線フロントエンドモジュール2215)のようなコンポーネントを含んでもよい。
【0098】
図示のように、RFEM2215は、少なくとも図示のように一緒に結合された無線周波数(Radio Frequency, RF)回路2206、フロントエンドモジュール(front-end module, FEM)回路2208、1つ以上のアンテナ2211を含んでもよい。
【0099】
ベースバンド回路2210は、1つ以上のシングルコア又はマルチコアプロセッサのような回路を含んでもよいが、これらに限定されない。ベースバンド回路2210は、RF回路2206の受信信号パスから受信したベースバンド信号を処理し、RF回路2206の送信信号パスのベースバンド信号を生成するための、1つ以上のベースバンドプロセッサ又は制御ロジックを含んでもよい。ベースバンド処理回路2210は、ベースバンド信号の生成及び処理のため且つRF回路2206の動作を制御するためのアプリケーション回路2210にインタフェース接続してもよい。例えば、いくつかの実施形態では、ベースバンド回路2210は、第3世代(third generation, 3G)ベースバンドプロセッサ2204A、第4世代(fourth generation, 4G)ベースバンドプロセッサ2204B、第5世代(fifth generation, 5G)ベースバンドプロセッサ2204C、又は他の既存の世代、開発中の世代若しくは将来開発されるべき世代(例えば、第2世代(second generation, 2G)、第6世代(sixth generation, 6G)等)の他のベースバンドプロセッサ2204Dを含んでもよい。ベースバンド回路2210(例えば、ベースバンドプロセッサ2204A-2204Dのうち1つ以上)は、RF回路2206を介して1つ以上の無線ネットワークとの通信を可能にする様々な無線制御機能を処理してもよい。他の実施形態では、ベースバンドプロセッサ2204A-2204Dの機能の一部又は全部は、メモリ2204Gに記憶されたモジュールに含まれ、中央処理装置(Central Processing Unit, CPU)2204Eを介して実行されてもよい。無線制御機能は、信号変調/復調、符号化/復号、無線周波数シフト等を含んでもよいが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、ベースバンド回路2210の変調/復調回路は、高速フーリエ変換(Fast-Fourier Transform, FFT)、プリコーディング又はコンステレーションマッピング/デマッピング機能を含んでもよい。いくつかの実施形態では、ベースバンド回路2210の符号化/復号回路は、畳み込み、テールビット畳み込み、ターボ、ビタビ、又は低密度パリティ検査(Low Density Parity Check, LDPC)エンコーダ/デコーダ機能を含んでもよい。変調/復調及びエンコーダ/デコーダ機能の実施形態は、これらの実施形態に限定されず、他の実施形態における他の適切な機能を含んでもよい。
【0100】
いくつかの実施形態では、ベースバンド回路2210は、1つ以上のオーディオデジタルシグナルプロセッサ(digital signal processor, DSP)2204Fを含んでもよい。オーディオDSP2204Fは、圧縮/解凍及びエコー相殺のための要素を含んでもよく、他の実施形態では他の適切な処理要素を含んでもよい。ベースバンド回路のコンポーネントは、単一のチップ又は単一のチップセットに適切に組み合わされてもよく、或いは、いくつかの実施形態では同じ回路基板上に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、ベースバンド回路2210及びアプリケーション回路の構成要素の一部又は全部は、例えば、システムオンチップ(system on a chip, SoC)上に一緒に実装されてもよい。
【0101】
いくつかの実施形態では、ベースバンド回路2210は、1つ以上の無線技術と互換性のある通信を提供してもよい。例えば、いくつかの実施形態では、ベースバンド回路2210は、EUTRAN(evolved universal terrestrial radio access network)又は他の無線メトロポリタンエリアネットワーク(wireless metropolitan area network, WMAN)、無線ローカルエリアネットワーク(wireless local area network, WLAN)、無線パーソナルエリアネットワーク(wireless personal area network, WPAN)との通信をサポートしてもよい。ベースバンド回路2210が1つよりも多くの無線プロトコルの無線通信をサポートするように構成される実施形態は、マルチモードベースバンド回路と呼ばれてもよい。
【0102】
RF回路2206は、非固体媒体を通じた変調電磁放射を使用して無線ネットワークとの通信を可能にしてもよい。様々な実施形態では、RF回路2206は、無線ネットワークとの通信を容易にするために、スイッチ、フィルタ、増幅器等を含んでもよい。RF回路2206は、FEM回路2208から受信したRF信号をダウンコンバートしてベースバンド信号をベースバンド回路2210に提供するための回路を含んでもよい受信信号パスを含んでもよい。RF回路2206はまた、ベースバンド回路2210によって提供されたベースバンド信号をアップコンバートして送信のためにRF出力信号をFEM回路2208に提供するための回路を含んでもよい送信信号パスを含んでもよい。
【0103】
いくつかの実施形態では、RF回路2206の受信信号パスは、ミキサ回路2206A、増幅器回路2206B及びフィルタ回路2206Cを含んでもよい。いくつかの実施形態では、RF回路2206の送信信号パスは、フィルタ回路2206C及びミキサ回路2206Aを含んでもよい。RF回路2206はまた、受信信号パス及び送信信号パスのミキサ回路2206Aによって使用される周波数を合成するためのシンセサイザ回路2206Dを含んでもよい。いくつかの実施形態では、受信信号パスのミキサ回路2206Aは、シンセサイザ回路2206Dによって提供された合成周波数に基づいて、FEM回路2208から受信したRF信号をダウンコンバートするように構成されてもよい。増幅器回路2206Bは、ダウンコンバートされた信号を増幅するように構成されてもよく、フィルタ回路2206Cは、出力ベースバンド信号を生成するためにダウンコンバートされた信号から不要な信号を除去するように構成されたローパスフィルタ(low-pass filter, LPF)又はバンドパスフィルタ(band-pass filter, BPF)でもよい。出力ベースバンド信号は、更なる処理のためにベースバンド回路2210に提供されてもよい。いくつかの実施形態では、出力ベースバンド信号は、ゼロ周波数ベースバンド信号でもよいが、これは要件ではない。いくつかの実施形態では、受信信号パスのミキサ回路2206Aは、受動ミキサを含んでもよいが、実施形態の範囲は、この点に関して限定されない。
【0104】
いくつかの実施形態では、送信信号パスのミキサ回路2206Aは、FEM回路2208のためのRF出力信号を生成するために、シンセサイザ回路2206Dによって提供された合成周波数に基づいて入力ベースバンド信号をアップコンバートするように構成されてもよい。ベースバンド信号は、ベースバンド回路2210によって提供されてもよく、フィルタ回路2206Cによってフィルタリングされてもよい。
【0105】
いくつかの実施形態では、受信信号パスのミキサ回路2206A及び送信信号パスのミキサ回路2206Aは、2つ以上のミキサを含んでもよく、直交ダウンコンバート及びアップコンバートのためにそれぞれ配置されてもよい。いくつかの実施形態では、受信信号パスのミキサ回路2206A及び送信信号パスのミキサ回路2206Aは、2つ以上のミキサを含んでもよく、イメージ除去(例えば、ハートレーイメージ除去)のために配置されてもよい。いくつかの実施形態では、受信信号パスのミキサ回路2206A及びミキサ回路2206Aは、直接ダウンコンバート及び直接アップコンバートのためにそれぞれ配置されてもよい。いくつかの実施形態では、受信信号パスのミキサ回路2206A及び送信信号パスのミキサ回路2206Aは、スーパーヘテロダイン動作のために構成されてもよい。
【0106】
いくつかの実施形態では、出力ベースバンド信号及び入力ベースバンド信号は、アナログベースバンド信号でもよいが、実施形態の範囲はこの点に関して限定されない。いくつかの代替実施形態では、出力ベースバンド信号及び入力ベースバンド信号は、デジタルベースバンド信号でもよい。これらの代替実施形態では、RF回路2206は、アナログデジタル変換器(analog-to-digital converter, ADC)及びデジタルアナログ変換器(digital-to-analog converter, DAC)回路を含んでもよく、ベースバンド回路2210は、RF回路2206と通信するためのデジタルベースバンドインタフェースを含んでもよい。
【0107】
いくつかのデュアルモードの実施形態では、スペクトル毎に信号を処理するために別個の無線IC回路が提供されてもよいが、実施形態の範囲はこの点に関して限定されない。
【0108】
いくつかの実施形態では、シンセサイザ回路2206Dは、分数Nシンセサイザ又は分数N/N+1シンセサイザでもよいが、他のタイプの周波数シンセサイザが好適でもよいので、実施形態の範囲はこの点において限定されない。例えば、シンセサイザ回路2206Dは、デルタシグマシンセサイザ、周波数乗算器、又は周波数分周器を有する位相ロックループを含むシンセサイザでもよい。
【0109】
シンセサイザ回路2206Dは、周波数入力及び除算器制御入力に基づいて、RF回路2206のミキサ回路2206Aによって使用される出力周波数を合成するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、シンセサイザ回路2206Dは、分数N/N+1シンセサイザでもよい。
【0110】
いくつかの実施形態では、周波数入力は、電圧制御発振器(voltage controlled oscillator, VCO)によって提供されてもよいが、これは要件ではない。除算器制御入力は、所望の出力周波数に依存して、ベースバンド回路2210又はアプリケーションプロセッサのいずれかによって提供されてもよい。いくつかの実施形態では、除算器制御入力(例えば、N)は、アプリケーションプロセッサによって示されるチャネルに基づいてルックアップテーブルから決定されてもよい。
【0111】
RF回路2206のシンセサイザ回路2206Dは、除算器、遅延ロックループ(delay-locked loop, DLL)、マルチプレクサ及び位相アキュムレータを含んでもよい。いくつかの実施形態では、除算器はデュアルモジュラス除算器(dual modulus divider, DMD)でもよく、位相アキュムレータはデジタル位相アキュムレータ(digital phase accumulator, DPA)でもよい。いくつかの実施形態では、DMDは、入力信号をN又はN+1のいずれかで(例えば、実行に基づいて)分割して、分数分割比を提供するように構成されてもよい。いくつかの例示的な実施形態では、DLLは、カスケードされた調整可能な遅延素子、位相検出器、チャージポンプ及びD型フリップフロップのセットを含んでもよい。これらの実施形態では、遅延素子は、VCO周期を位相のNd個の等しいパケットに分割するように構成されてもよく、Ndは、遅延線における遅延素子の数である。このように、DLLは、遅延線を通る合計遅延が1つのVCOサイクルであることを確保するのを助けるように、負のフィードバックを提供する。
【0112】
いくつかの実施形態では、シンセサイザ回路2206Dは、出力周波数としてのキャリア周波数を生成するように構成されてもよく、他の実施形態では、出力周波数は、キャリア周波数の倍数(例えば、キャリア周波数の2倍、キャリア周波数の4倍)でもよく、互いに対して複数の異なる位相を有するキャリア周波数において複数の信号を生成するために、直交生成器及び分割器回路と共に使用されてもよい。いくつかの実施形態では、出力周波数は、LO周波数(fLO)でもよい。いくつかの実施形態では、RF回路2206は、IQ/極性変換器を含んでもよい。
【0113】
FEM回路2208は、1つ以上のアンテナ2211から受信したRF信号に対して動作し、受信信号を増幅し、更なる処理のために受信信号の増幅されたバージョンをRF回路2206に提供するように構成された回路を含んでもよい受信信号パスを含んでもよい。FEM回路2208はまた、1つ以上のアンテナ2211のうち1つ以上による送信のために、RF回路2206によって提供される送信のための信号を増幅するように構成された回路を含んでもよい送信信号パスを含んでもよい。様々な実施形態では、送信又は受信信号パスを通る増幅は、RF回路2206においてのみ、FEM2208においてのみ、或いはRF回路2206及びFEM2208の双方において行われてもよい。
【0114】
いくつかの実施形態では、FEM回路2208は、送信モード動作と受信モード動作との間を切り替えるためのTX/RXスイッチを含んでもよい。FEM回路は、受信信号パスと送信信号パスとを含んでもよい。FEM回路の受信信号パスは、受信したRF信号を増幅し、増幅された受信RF信号を出力として(例えば、RF回路2206に)提供するためのLNAを含んでもよい。FEM回路2208の送信信号パスは、入力RF信号(例えば、RF回路2206によって提供されるもの)を増幅するための電力増幅器(power amplifier, PA)と、後続の送信のためのRF信号(例えば、1つ以上のアンテナ511のうち1つ以上によるもの)を生成するための1つ以上のフィルタとを含んでもよい。
【0115】
アプリケーション回路のプロセッサ及びベースバンド回路2210のプロセッサは、プロトコルスタックの1つ以上のインスタンスの要素を実行するために使用されてもよい。例えば、ベースバンド回路2210のプロセッサは、単独で或いは組み合わせて層3、層2又は層1の機能を実行するために使用されてもよく、一方で、ベースバンド回路2210のプロセッサは、これらの層から受信したデータ(例えば、パケットデータ)を利用して、層4の機能(例えば、伝送通信プロトコル(transmission communication protocol, TCP)及びユーザデータグラムプロトコル(user datagram protocol, UDP)の層)を更に実行してもよい。本明細書で言及するとき、層3は、以下に更に詳細に説明する無線リソース制御(radio resource control, RRC)層を含んでもよい。本明細書で言及するとき、層2は、以下に更に詳細に説明する媒体アクセス制御(medium access control, MAC)層、無線リンク制御(radio link control, RLC)層及びパケットデータコンバージェンスプロトコル(packet data convergence protocol, PDCP)層を含んでもよい。本明細書で言及するとき、層1は、以下に更に詳細に説明するUE/RANノードの物理(physical, PHY)層を含んでもよい。
【0116】
上記のように、ベースバンド回路は、1つ以上のプロセッサと、当該プロセッサによって利用される少なくともメモリ2204Gとを含んでもよい。プロセッサ2204A-104Eのそれぞれは、それぞれメモリ2204Gとの間でデータを送信/受信するためのメモリインタフェースを含んでもよい。
【0117】
ベースバンド回路2210は、他の回路/デバイスと通信可能に結合するための1つ以上のインタフェース(例えば、ベースバンド回路310/40の外部のメモリとの間でデータを送信/受信するためのインタフェース)、アプリケーション回路インタフェース(例えば、アプリケーション回路との間でデータを送信/受信するためのインタフェース)、RF回路インタフェース(例えば、図26のRF回路2206との間でデータを送信/受信するためのインタフェース)、無線ハードウェア接続インタフェース(例えば、近距離通信(Near Filed Communication, NFC)コンポーネント、Bluetoothコンポーネント(例えば、Bluetooth Low Energy)、Wi-Fiコンポーネント及び他の通信コンポーネントとの間でデータを送信/受信するためのインタフェース)、及び電力管理インタフェースを含んでもよい。
【0118】
本開示の様々な実施形態では、無線回路は、2つの異なる周波数帯域で動作する2つの異なる通信標準上でサービスを提供するために異なる方法を含んでもよい。図23A-Cは、例示的な実施形態による無線回路の様々な態様を示す。
【0119】
図23Aは、少なくとも本開示の例示的な実施形態によるアンテナ及びRFモジュールの構成を示す。図23Aの例では、広帯域及び/又はマルチバンドアンテナ(例えば、2バンドアンテナ、3バンドアンテナ等)2310aは、ダイプレクサ2320aを含むRFモジュール2305aに結合される。アンテナ2310aは、ダイプレクサ2320aによって結合できる少なくとも2つの異なる帯域で信号を送信及び/又は受信してもよい。ダイプレクサ2320aは、RFモジュールの出力において実装できる。ダイプレクサ2320aは、2350と示される他のRFコンポーネントに結合されてもよい。RFモジュール2305a及びアンテナ2310aは、例えばRFケーブルのようないずれか適切な手段を通じて互いに接続されてもよい。
【0120】
図23Bは、少なくとも本開示の例示的な実施形態によるアンテナ及びRFモジュールの他の構成を示す。図23Bの例では、複数の単一バンドアンテナ2310bがRFモジュール2305bに結合される。図23Bの場合、2つの単一バンドアンテナが表示されているが、他の数のアンテナ(例えば、3つの単一バンドアンテナ)が使用されてもよい。複数の単一バンドアンテナ2310bの各アンテナは、RFモジュール2305bに直接接続されてもよい。したがって、2つ以上の信号を組み合わせる代わりに(図23Aの場合等)、図23Bの構成は、代わりに、それぞれ提供又は使用される帯域のために別個のアンテナを提供してもよい。RFモジュール2305bは、各帯域からの信号を別々に処理してもよい。
【0121】
図23Cは、少なくとも本開示の例示的な実施形態によるアンテナ及びRFモジュールの更に他の構成を示す。図23Cの例では、複数の広帯域/マルチバンドアンテナ2310cがRFモジュール2305cに結合される。RFモジュール2305cは、スイッチ2330c及びダイプレクサ2320cを含んでもよい。図23Cの例示的な構成は、ビーム選択トポロジーがより良い性能(例えば、より良いカバレッジ及び/又はより良い信号対雑音比(signal-to-noise ratio, SNR))を更に可能にできるように、スイッチ2330cと共に使用できる。
【0122】
例示的な実施形態の図24に示すように、本開示の様々な例は、単一の個々の光源アセンブリ内に含まれるアンテナ、無線機、バックエンドモジュール及び/又は他の関連コンポーネントの一体化に関する。すなわち、光源アセンブリは、1つ以上のアンテナ2410を収容又は組み込んでもよいエンクロージャ2400を含んでもよい。さらに、ハウジングは、無線回路2450を含んでもよく或いは組み込んでもよく、無線回路2450は、RF回路(例えば、RFフロントエンドコンポーネント)、ベースバンド回路及びバックエンド電子機器を含んでもよい。図24の例において、エンクロージャは、併せて動作してもよい、例えば、送信及び/又は受信ダイバーシチで動作してもよく或いはMIMOモード/方式で動作してもよい、3つの別個のアンテナを含む。他の例では、アンテナは、異なる周波数帯域でそれぞれ動作してもよい。例えば、アンテナ2410は、それぞれ帯域1、2、3で動作し、例えば、これらの帯域は、それぞれ0.5-0.9GHz、1.5-3.7GHz、5-7GHzとすることができる。図24は、3つの帯域のみを示しているが、他の数及び異なる周波数範囲が使用及び考慮されてもよい。
【0123】
図23A-C及び図24に関連して説明した無線機若しくは無線コンポーネント又はこれらのサブコンビネーションは、本開示の様々な実施形態に関連して説明した無線機又は無線モジュールに含まれてもよい。
【0124】
本開示の様々な実施形態によれば、マルチ標準アンテナは、光源アセンブリ部及びエンクロージャ内に開発又は形成されてもよい。バックエンド電子機器を有するマルチバンド無線機は、1つの個々の光源アセンブリ内に含まれてもよい。アンテナ及び無線機/バックエンドアセンブリを組み込んだ光源アセンブリは、機械的な製造手順で容易に組み立てられてもよく、それによって自動車の製造コストを実質的に低減する。マルチ標準無線モジュールの複雑さに依存して、バックエンド電子機器及び計算部のいくつかは、超低周波数/デジタルケーブル/ワイヤによって接続されたライトアセンブリエンクロージャの外側に配置できる。
【0125】
図25は、本開示の少なくとも1つの例示的な実施形態による例示的な無線自動車又は車両通信システム2500を示す。図25は、車両通信システム2500を組み込んだ例示的な車両2510を示す。車両2510は、いずれか適切な車両、例えば、車、トラック、オートバイ等でもよい。
【0126】
通信システム2500は、複数の車両照明及び通信アセンブリを含んでもよい。図25の例では、車両2510は、1つ以上の照明及び通信アセンブリ2520(例えば、2520a、2520b、2520c及び2520d)を有する車両通信システム2500を含む。照明及び通信アセンブリ2520は、光源アセンブリエンクロージャ又はハウジング2530(例えば、2530a-d)、光源2540(例えば、2540a-d)、照明制御回路2550(例えば、2550a-d)、1つ以上の(例えば、組み込み)アンテナ2560(例えば、2560a-d)及び/又は無線モジュール2570(2570a-d)を含んでもよい。
【0127】
光源アセンブリエンクロージャ2530は、ヘッドライト、テールライト、ストップライト、サイドライト等のようないずれかのタイプの車両照明用のハウジングでもよい。例えば、図25に示すように、光源アセンブリエンクロージャ2530aは、車両ヘッドライト用のハウジング又はハウジング構造でもよい。同様に、光源アセンブリエンクロージャ2530cは、車両テールライト用のハウジング又はハウジング構造でもよい。同様に、光源2540は、これらが使用される特定のタイプの光源アセンブリエンクロージャに必要な照明でもよい。例えば、光源2540は、ヘッドライト、テールライト、ストップライト、サイドライト2575等のためのいずれかのタイプの照明又はランプ(例えば、バルブ、LED等)でもよい。照明制御回路2550は、それぞれの光源アセンブリエンクロージャ2530に含まれるそれぞれの光源を制御するために提供されてもよい。
【0128】
各照明及び通信アセンブリはまた、1つ以上のアンテナ又は1つ以上のアンテナ素子2560を含んでもよい。アンテナ素子2560は、ライトアセンブリハウジング、例えば、光源アセンブリエンクロージャ2530と一体化されてもよく及び/又は組み込まれてもよい。一例では、他の例示的な実施形態において記載され得るように、1つ以上のアンテナ素子は、照明アセンブリのカバーと少なくとも部分的に一体化されてもよい。
【0129】
照明及び通信アセンブリ2520のそれぞれは、無線及び/又はバックエンド電子機器2570又は無線モジュール2570又は無線サブシステム2570を含んでもよい。無線モジュール2570は、本明細書に記載のベースバンド及び/又はRF回路及び/又は他の同様のコンポーネントを含んでもよい。例えば、無線モジュールは、図1-3に関連して説明したコンポーネントを含んでもよい。
【0130】
図25は、エンクロージャ又はハウジング2530内の照明制御2550及び無線モジュール2570のようなコンポーネントを示しているが、これは必ずしも必要ではなく、車両2510又は車両通信システム2500内の他の場所では、このような補足が省略されてもよく或いは実装されてもよい。
【0131】
さらに、車両通信システム2510は、相互接続バス2580を含んでもよい。相互接続バス2580は、車両通信システム2510の照明及び通信アセンブリ2520の一部又は全部に接続してもよい。相互接続バス2580は、FlexRay相互接続のような高速及び/又は高信頼性の相互接続バスでもよい。さらに、車両通信システム2510はまた、集中無線制御システム2590を含んでもよい。集中無線制御システム2590は、様々な無線モジュール2570の無線機能をインタフェース接続及び/又は制御するハードウェア及び/又はソフトウェアを含んでもよい。集中無線制御システム2590は、少なくとも1つのプロセッサを含んでもよく、相互接続バス2580を通じて無線モジュール2570を接続できる。
【0132】
車両通信システム23500は、車両用の単一のマルチ標準無線通信システムとして動作してもよい。車両2510上及び周囲のライトアセンブリ2520の配置は、実質的に360度の視認性を提供してもよく、無線サブシステムは、実質的に360度のカバレッジを必要とする。したがって、既存のライトアセンブリは、本明細書に記載のこれらの無線サブシステムの一体化に使用されてもよい。
【0133】
ライトアセンブリ内の無線サブシステムの一体化は、無線アンテナ及び光拡散/反射素子としての二重機能を有する複数の導電構造(半透明又は非透明)及び誘電材料(半透明又は非透明)の配置から構成される。
【0134】
図26は、本開示の少なくとも1つの例示的な実施形態による例示的なライトアセンブリの正規図及び分解組立図を示す。ライトアセンブリ2600は、例えば、車両2605のテールライト用の車両ライトアセンブリでもよい。ライトアセンブリ2600は、様々な無線素子を含んでもよく、或いは、様々な無線素子と一体化されてもよい。図26の例に示すように、ライトアセンブリ2600は、d1の寸法が20cm(8インチ)と等しいか或いは実質的に等しいセクタとして成形されてもよい。他の形状及び/又は寸法が他の例で使用されてもよい。
【0135】
図26に示すように、ライトアセンブリ2600は、フロントハウジング又はカバー2610を含む。フロントカバー2610は、光学的な光がフロントカバー2610を通じて輝くことを可能にするレンズでもよい。さらに、フロントカバー2610は、アンテナレードーム(radome)として構成されてもよい。すなわち、フロントハウジングは、電磁波(例えば、RF信号)が最小限の減衰で通過することを可能にしつつ、ライトアセンブリ2600の内部の内容物を保護してもよい。すなわち、フロントカバー2610は、この場合に電磁導波管又はミリ波レンズとして構成されてもよい。さらに、フロントカバー2610は、例えば、車両の仕様/ニーズに従って、光学的な光を拡散及び/又は反射させるように作用してもよく或いは構成されてもよい。
【0136】
様々な実施形態では、フロントハウジング2610は、1つ以上のアンテナ素子2615を含んでもよく或いは組み込んでもよい。少なくとも1つの例では、1つ以上のアンテナ素子2615は、フロントハウジング2610の内面上に或いは内面に対向して配置されてもよい。さらに、1つ以上のアンテナ素子2615は、フロントハウジング内に部分的に或いは完全に組み込まれてもよい。
【0137】
1つ以上の実施形態では、1つ以上のアンテナ素子2615は、アンテナアレイでもよい。さらに、アンテナ素子2615はまた、光学的特性を含んでもよい。例えば、1つ以上のアンテナ素子2615は、光学的な光を拡散及び/又は反射するように構成されるような構造及び/又は材料を有してもよい。1つ以上のアンテナ素子2615は、透明、半透明及び/又は不透明でもよい。
【0138】
図26の例に更に示すように、ライトアセンブリ2600は、上部ハウジング部材2620、下部ハウジング部材2630及び1つ以上の後方又は側壁部材2640のような他のハウジング要素を含んでもよい。これらのハウジング要素2620-2640は、光を反射及び/又は拡散するように実装されてもよい。さらに、これらのハウジングはまた、アンテナ素子としても機能してもよい。すなわち、表面が電磁波(例えば、RF信号)に対するアンテナとして動作してもよい。さらに、要素2620-2640は、アンテナ素子を含んでもよく、一体化してもよく或いは組み込んでもよい。例えば、上部ハウジング2620は、アンテナアレイ2650及び/又はエンドローンチ(end-launch)アンテナアレイ2660のようなアンテナ素子と共に含まれてもよい。同様に、図26に示すように、下部ハウジング部材2625は、アンテナ自体として機能してもよく、及び/又は、エンドローンチアンテナアレイ2665のようなアンテナ素子を含んでもよい。様々な例では、ライトアセンブリ2600のようなライトアセンブリに組み込まれてもよいアンテナは、透明又は半透明でもよく、さらに、光学的な光を反射及び/又は拡散可能でもよい。
【0139】
少なくとも1つの光源2670(例えば、電球、LED等)が、ライトアセンブリ2600に更に含まれてもよい。図26では、光源は、ライトアセンブリ2600のハウジングによって形成されるエンクロージャに含まれてもよい。さらに、ライトアセンブリ2600は、無線モジュール2680を含んでもよい。無線モジュール2680は、本明細書に記載のようなRF回路及び他の無線電子機器又はコンポーネントを含んでもよい。無線モジュール2680は、例えば、セルラ通信、車両通信(例えば、V2X)、WiFi通信等を含む、本明細書に記載のいずれかの通信方法又はプロトコルを実装するためのいずれか適切なハードウェア及び/又はソフトウェアを含んでもよい。
【0140】
無線モジュール2680は、ライトアセンブリ2600の1つ以上のアンテナ又はアンテナ素子に(直接的又は間接的に)接続又は結合されてもよい。図26において、無線モジュールは、アセンブリ2600の外側に配置されてもよいが、他の実施形態では、無線モジュール2680は、内側に配置されてもよい。
【0141】
図27Aは、本開示の少なくとも1つの例示的な実施形態による例示的な車両ライトアセンブリの図を示す。車両ライトアセンブリ2700は、車両2710のテールライトアセンブリでもよい。ライトアセンブリ2700は、様々な無線素子(例えば、アンテナ素子、無線モジュール)及び/又は光素子(光源、反射器、拡散器等)を含んでもよく、或いは、これらと一体化されてもよい。
【0142】
図27Aの例に示すように、ライトアセンブリ2700は、フロントカバー又はレンズ2720が、屈曲部2730a、2730bのような1つ以上の屈曲部を含んでもよい。本開示の少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、アンテナ素子は、1つ以上の屈曲部2730a、2730bのうち少なくとも1つに配置されてもよい。
【0143】
図27Aの例では、各屈曲部2730a-bは、フロントカバー2720の2つの側面の合流部におけるコーナーを含んでもよい。図27Aの例では、ワイヤアンテナ(例えば、ワイヤモノポールアンテナ)のようなアンテナ素子は、屈曲2730a、bのうち少なくとも1つのコーナーの中に或いはコーナーに位置してもよい。すなわち、アンテナ素子は、コーナーに位置してコーナーに沿って延在してもよい。例えば、ライトアセンブリ2700の屈曲部の位置が与えられると、低減した厚みの構造を有する細いワイヤはほとんど目に見えず、光学性能ライトアセンブリにおいて無視できるほどの影響しか及ぼさない。さらに、薄いモノポールワイヤアンテナ又は他のアンテナ素子は、半透明であるように実装されてもよい。ライトアセンブリ2700は、本明細書に記載の他のコンポーネント、例えば、光反射器、他のタイプのアンテナ又は導電素子のような他のコンポーネントを含んでもよい。
【0144】
ライトアセンブリは、いずれか適切なサイズとしてもよい。一例では、ライトアセンブリ2700は、20cmと等しいか或いは実質的に等しいd1(横方向の長さ)、20cmと等しいか或いは実質的に等しいd2(例えば、深さ)、及び15cmと等しいか或いは実質的に等しいd3(例えば、高さ)の寸法を有してもよい。
【0145】
図27Bは、図27Aに示すようにテールライトアセンブリの面に隠蔽される、1.9GHzで動作するワイヤモノポールアンテナを含むライトアセンブリ2700のシミュレーション結果を示す。シミュレーション結果は、90度のセクタが約8dBの利得でカバーされ得ることを示す。
【0146】
図27Cは、本開示の少なくとも1つの例示的な実施形態による更に他の例示的な車両ライトアセンブリ2750の図を示す。アセンブリ2750は、1つ以上のテーパードスロットアンテナ2760を含んでもよい。テーパードスロットアンテナのそれぞれは、ライトアセンブリ2750の上部及び下部ハウジング2765a、bに一体化されてもよく或いはこれらに対向して配置されてもよい。ライトアセンブリは、1つ以上の面2720aを含むフロントカバー2720を有してもよい。フロントカバー2720並びに上部及び下部ハウジング2765aは、それぞれ透明又は半透明材料を含んでもよく、或いは、これらで作られてもよい。
【0147】
図27Cに示すように、各テーパードスロットアンテナは、誘電性基板2767の反対側の上部導電性ストリップ2770a及び/又は下部導電性ストリップ2770bを含んでもよい。テーパードアンテナスロット2760の誘電体は、半透明又は透明材料でよく、或いは、これらを含んでもよい。導電性ストリップ2770を含む誘電性基板2767は、アンテナ基準面2790に接続され得るPCBアンテナフィードでもよい。1つのテーパードスロットアンテナが使用されてもよく、或いは、図27Cに示すように、アンテナアレイを動作させ得る複数のテーパードスロットアンテナ2760が実装されてもよい。すなわち、複数のテーパードスロットアンテナが使用されている場合、このようなアンテナは、アレイとして動作することによる増加した利得のために、MIMOのためのダイバーシチ用になってもよい。図27Cの例は、9つの異なるスロットアンテナを有するライトアセンブリ2750を示す。一例では、ライトアセンブリ2700は、28cm(11インチ)と等しいか或いは実質的に等しいd1の深さ(前面から背面)を有し、20cm(8インチ)と等しいか或いは実質的に等しい高さd2を有してもよい。
【0148】
ライトアセンブリ2700と同様に、ライトアセンブリ2750は、カバーの2つの側面が或る角度で交わるコーナー又は部分を含んでもよい屈曲部を有してもよい。
【0149】
ライトアセンブリ2700及び2750は、本明細書に記載の他のコンポーネント、例えば、光反射器、他のタイプのアンテナ又は導電素子のような他のコンポーネントを含んでもよい。ライトアセンブリ2700及び2750のアンテナコンポーネント又は素子は、直接的又は間接的に、1つ以上の無線モジュール(図示せず)に接続されてもよい。このような無線モジュールは、RF回路を含んでもよい。
【0150】
図27Dは、ライトアセンブリ2750の性能のシミュレーション結果を示す。
【0151】
図28は、いくつかの車両ライトアセンブリの図2810、2820、2830及び2840を示す。図示のように、テールライトアセンブリは、暗い領域又は黒い領域又は黒に近い領域を含んでもよい。図2810-2840の例において、様々な図示のライトアセンブリは、暗い領域又はライン2802を有してもよい。これらの領域は、車両ライトアセンブリのカバー又はレンズの非照明又は低照明部分でもよい。すなわち、これらの領域は、レンズ又はカバーの他の積層領域2808とは対照的に、より暗く構成されてもよい。特に、暗い範囲又は領域2802は、例示的な図2810-2840のように、異なる光領域への境界又はセパレータとして現れてもよい。これらの領域は、車両ライトアセンブリの放射部分を示してもよく或いは描いてもよい。
【0152】
したがって、これらの暗い領域2802は、実質的に光を通過させなくてもよく、例えば、光をかなり減衰させてもよい。これらはまた、ライトアセンブリの屈曲部又はラインに位置してもよい。さらに、暗い領域は、図2830及び2840に示すように、ライトアセンブリの周囲に或いは実質的に周囲に、例えば、ライトアセンブリのカバー/レンズの周囲に、リング2804として実装されてもよい。
【0153】
本開示の1つ以上の例示的な実施形態では、1つ以上のアンテナ素子は、暗い領域内に実装されてもよい(例えば、完全に或いは部分的に組み込まれてもよい)。例えば、1つ以上のアンテナ素子は、暗い領域に対向して或いは暗い領域の背後に、例えば、ライトアセンブリの内部であるが暗い領域の背後に配置されてもよい。暗い領域に配置されたこれらのアンテナ素子は、暗い領域のために、隠蔽されてもよく或いは見えなくてもよく、或いは、外部の視点(例えば、照明アセンブリの外側から)から容易に見えなくてもよい。さらに、このようなアンテナ素子は、不透明な導電性ストリップ又はワイヤとして、或いは代替としてライトアセンブリカバーに一体化されるか、直接プリントされるか或いは組み込まれて配置された半透明の導電性ストリップとして実現され得る導電素子でもよい。
【0154】
図29Aは、本開示の1つ以上の実施形態による車両2910の斜視背面図を示す。図29Bは、図29Aの車両2910のライトアセンブリ2900(例えば、テールライト)の拡大図を示す。図29Cは、ライトアセンブリ2900のカバー又はレンズ2920のないライトアセンブリ2900aの図を示す。図29Dは、ライトアセンブリ2900のカバー2920のみを示す。図29Eは、カバー2920の拡大部分を示す。
【0155】
図29Cの例は、カバー2920のない車両ライトアセンブリ2900aを示す。1つ以上の実施形態によれば、コンポーネント、例えば、車両ライトアセンブリ2900内の部分又は一部2950は、導電素子として作用してもよく、例えば、アンテナ素子として作用してもよい。少なくとも1つの例では、金属化表面は、無線機のアンテナ素子として動作するように無線機(例えば、無線モジュール)2970に直接接続されてもよい。
【0156】
図29Cの例では、1つ以上の金属化表面又は金属化表面領域2950は、光反射器の一部を含むことができる。すなわち、本開示の少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、光反射器(例えば、車両ライトアセンブリの光反射器)又はその一部は、アンテナを作用又は動作させることができる。このような光反射器は、効率的なアンテナに必要とされる比較的大きい寸法を考慮すると、より低い周波数帯域(例えば、2700MHz-1GHzの範囲内のような1GHz未満)のアンテナ素子として特に有用になってもよい。
【0157】
本開示の1つ以上の例示的な実施形態によれば、1つ以上の導電素子、例えば、1つ以上のアンテナ素子は、カバー2920のようなライトアセンブリカバーに沿って配置されてもよい。図29Dに示すように、車両レンズ/カバー2920は、併せて或いは個別に示される1つ以上の溝2930を含んでもよい。1つ以上の例示的な実施形態では、導電素子(例えば、アンテナ素子)は、溝2930の内側及び/又はこれらに対向して配置されてもよく或いは位置してもよい。導電素子は、更なる手段、例えば、テープ、粘着剤(例えば、接着剤)又は他の適切な固定手段によって、内部に固定(例えば、力による固定)してもよく或いはそこに保持されてもよい。
【0158】
導電素子は、不透明な導電性ストリップ又はワイヤ(被覆されているか或いは被覆されていない)によって実現されてもよい。導電素子は、カバー、例えば、溝に一体化又は直接プリントされた半透明の導電性ストリップでもよい。
【0159】
外部の視点から見ると(例えば、車両2910の外側からカバーに面して)、透明表面上のカバーの内面上の溝2930に沿って配置されたワイヤ2960は隠蔽されてもよく、或いは、人間の目には実質的に見えなくてもよい。様々な例では、溝2930のような導電素子を含む溝は、車両カバー又はレンズのいずれか適切な位置に位置してもよい。図29Eにおいて、ワイヤ2960は、溝2930の端部及び外側でのみ見えるが、溝に沿っては見えないように示されている。
【0160】
図29A-29Eの例では、溝2930は、ライトアセンブリ2900がテールライトアセンブリである場合の反転光のような、例えば、光の放射又は高放射部又は領域のような照明領域2980内に位置してもよい。
【0161】
図29Eは、パターン化された表面領域2940、例えば、メッシュ領域の拡大図を示す。少なくとも1つの例では、パターン化された表面領域2940は、光反射器及び/又は拡散器として構成されてもよい。1つ以上の例示的な実施形態では、パターン化された表面領域又はメッシュ2940の寸法は、導電素子、例えば、アンテナ素子(例えば、30AWGワイヤによって実現されるワイヤモノポール)がメッシュ2940の背後に位置するほどのものでもよい。このような導電素子は、隠蔽されてもよく、或いは、外部の視点からほとんど見えなくてもよい。すなわち、メッシュの寸法(例えば、孔の寸法)は、導電素子を隠蔽するようなものである。図29F及び29Gの例は、カバー2920の側面に面する内側の背後に、ライトアセンブリ2900の内側に位置するか或いは配置されたワイヤ2965を示す。ライトアセンブリ2900の外部から、ワイヤ2965は隠蔽されてもよく或いは極端に低い視認性でもよい。対照的に、ライトアセンブリ2900の内側から見た場合、ワイヤ2965は容易に視認されてもよい。
【0162】
上記のように、1つ以上の実施形態では、車両ライトアセンブリカバーは、メッシュ構造2940のようなパターン表面領域を含んでもよい。1つ以上の更なる実施形態では、このようなメッシュ構造は、アンテナとして動作してもよい。すなわち、一例として、図29A-29Iのカバー2920は、アンテナ素子、例えば、パッチアンテナとして動作するように構成されたメッシュ構造2940を含んでもよい。
【0163】
図29Iは、メッシュ導電構造2940の例示的な簡略化表現を示す。アンテナとして作用するメッシュ導電構造2940は、無線機又は無線モジュール2970に接続される。したがって、パターン化された表面領域/メッシュ2940は、光学素子(例えば、車両のための所要の光学パターンで光を反射、拡散及び/又は透過する素子)として作用し、アンテナ素子(例えば、モノポール)として作用してもよい。また、図29Iの例に示すように、メッシュ構造2940に衝突する光学的な光2970は反射されて拡散できる。
【0164】
カバー2920のメッシュ構造又はパターン化された表面領域2940は、アンテナ又はアンテナ素子として構成された2D導電構造の単なる一例のみでもよい。更なる例示的な実施形態では、他の2D又は3D構造、例えば、車両ライトアセンブリと一体化された構造もまた、車両ライトアセンブリのための他の光学機能を提供することに加えて、アンテナとして動作させるために使用されてもよい。このような他の2D又は3D構造は、車両ライトアセンブリカバー、例えば、カバー2920の他の部分又は一部として実装又は実現されてもよい。一例では、伝統的にはプラスチック又はポリカーボネートでもよい領域は、伝導構造として実現又は実装されてもよく、例えば無線モジュールに接続されたときにアンテナとして作用してもよい。
【0165】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、車両ライトアセンブリのフロントカバーの部分は、金属アンテナ素子の代わりに或いは金属アンテナ素子に加えて、誘電性アンテナ素子を含んでもよく或いは誘電性アンテナ素子を組み込んでもよい。すなわち、このような素子は、フロントカバーの一部でもよく、例えば、このようなアンテナ素子は、カバー2920のような車両照明アセンブリのフロントカバー又はレンズと一体的又は連続的でもよい。さらに、このようなアンテナ素子はまた、照明アセンブリに関連する無線モジュールに接続されてもよい。
【0166】
図30は、本開示の1つ以上の例示的な実施形態による、ライト及び通信構造素子3000の斜視図及び対応する分解斜視図を示す。構造3000は、図31に開示されるライトアセンブリのようなライトアセンブリの一部でもよい。
【0167】
例示的なライト及び通信構造素子は、少なくとも1つの基板3010を含んでもよい。基板3010は、RF信号の伝送又は伝播を可能にする低損失誘電体材料を含むキャビティ(例えば、マイクロ波キャビティ又は基板集積導波路放射体)を含んでもよい。すなわち、基板3010は、マイクロ波又はミリ波導波路として作用してもよい。さらに、低損失誘電体材料は、光学的に透過性でもよく、すなわち、RFに加えて、光学的な光の透過又は放射を可能にする材料でもよい。したがって、基板は、光学的な光及びRFの双方のための放射キャビティとして作用してもよい。言い換えると、マイクロ波キャビティは、所望の光照明パターン及び所望のアンテナパターン又は性能を生成するための光反射器として機能してもよい。
【0168】
他の実施形態では、基板は、真空キャビティ又は実質的に真空でもよく、代わりに誘電体材料でもよく或いは誘電体材料を含んでもよい。したがって、基板3010の真空はまた、光学的な光及びRF波の放射/透過の双方を許容又は可能にしてもよい。
【0169】
本開示の少なくとも1つの例示的な実施形態では、基板は、複数の別個のキャビティに細分化されてもよい。すなわち、基板3010は、基板3010の複数のキャビティ3010a-cを規定する1つ以上の垂直ビア壁(via wall)3015を含んでもよい。
【0170】
基板3010は、一対の導電プレート又は面3030a、3030bによって少なくとも部分的に包含されてもよく、囲まれてもよく或いは挟まれてもよい。図30に示すように、第1の導電面30aは、基板3010の上面及び基板の底面上に配置されてもよい。1つ以上の実施形態では、一対の導電面3030a、3030は、基板上に直接配置されてもよく、或いは、1つ以上の中間層又は材料(例えば、粘着剤)を通じて配置されてもよい。したがって、導電面3030a、3030b及び基板3010は、垂直積層を形成してもよい。少なくとも1つの例では、導電面は、光反射器及び/又はRF接地として作用してもよい。
【0171】
基板3010の横方向端部の1つ以上の部分、例えば、基板3010の周囲に沿った1つ以上の部分は、1つ以上の放射面、例えば、放射面3040として動作又は作用してもよい。放射面3040は、光学的な光及びRF波が基板3010から出射及び/又は入射させることを可能にしてもよい。放射面は、他の材料によって覆われていない基板の垂直に延在する部分でもよい。
【0172】
さらに、図30の例に示すように、基板3010は、個別に或いは併せて示される1つ以上の光源3020を含んでもよい。光源3020は、基板内、例えばキャビティ内に配置されてもよい。光源3020のそれぞれは、例えば、電球、発光ダイオード(light-emitting diode, LED)等を含む、いずれか適切な照明デバイス又は光源でもよい。1つ以上の例における光源3020は、それぞれ基板3010の上面及び/又は底面と同一平面の上面及び/又は底面を有してもよい。
【0173】
ライト及び通信構造素子3000は、基板3010上に配置される電子コンポーネント3050を更に含んでもよく或いはそれを可能にしてもよい。電子コンポーネント又は電子モジュール3050は、RF回路及び/又は光制御回路を含んでもよい。電子モジュール3050は、光源及び/又は他のコンポーネントに結合又は接続されてもよい。
【0174】
図31A-Eは、1つ以上の例示的な実施形態による、車両ライトアセンブリ3100を斜視図で示す。図10A及び10Bにおいて、ライトアセンブリ3100は、車両本体部3105内に一体化又は配置される。図31Aは、フロントカバー20を有する車体部3105内のライトアセンブリ3100を示す。図31Bは、フロントカバー20のない、車両本体部3105内の図31Aのライトアセンブリ3100を示す。図31Cは、車両本体部3105のない車両ライトアセンブリ3100を示す。図31Eは、車両ライトアセンブリ3100の分解図である。
【0175】
図31A-Eに示すように。車両ライトアセンブリは、複数のライト及び通信構造素子、例えば、図30のライト及び通信構造素子3000を含んでもよい。ライトアセンブリ3100のライト及び通信構造素子3000a-cは、垂直に積層又は整列されてもよい。1つ以上の実施形態では、構造素子3000a-cは、互いに結合又は接続されてもよい。図31A-Cの場合、基板は、RF相互接続ケーブル3115を使用して互いに接続されてもよい。さらに、相互接続は、構造素子3000a-cの基板を、他の素子又はコンポーネントに結合してもよい。
【0176】
1つ以上の光反射器は、構造素子3000の間に配置されてもよい。図31A-Eに示すように、光反射器3110a及び3110bは、構造素子3000a及び3000bの間に配置されてもよく或いは挟まれてもよく、一方、光反射器10c及び10dは、構造素子3000b及び3000cの間に配置されるか或いは挟まれる。
【0177】
ライトアセンブリ3100の光反射器3110a-dは、本明細書に記載の光反射器を含み、車両仕様又はニーズに従って光を偏向するように構成されたいずれか適切なタイプの光反射器でもよい。図31において、光反射器3110a-3110dは、光キャビティとして示される。光反射器3110a-dは、金属製でもよく、金属表面を含むような金属部分を含んでもよい。本開示の1つ以上の更なる実施形態によれば、光反射器3110a-dは、アンテナ又はアンテナ素子として動作してもよい。
【0178】
図31Aに関して記載するように、ライトアセンブリ3100は、カバー3120、例えば、フロントカバー又はレンズを含んでもよい。フロントカバー3120は、本明細書に記載のいずれかのカバーでもよい。フロントカバーは、光学的な光及びRF波の双方の伝搬又は透過を可能にしてもよい。また、本開示の様々な実施形態に記載のように、フロントカバー3120は、例えば、上部に或いは上部に少なくとも部分的に組み込まれた1つ以上のアンテナ素子を含んでもよく或いは1つ以上のアンテナ素子を組み込んでもよい。このようなアンテナ素子は、フロントカバー3120によって隠蔽されてもよい。
【0179】
図31Dは、フロントカバー3120によって隠蔽されてもよい、個々に及び併せて示される例示的なアンテナ素子を示す。図示のアンテナ素子3130は、広帯域モノポールアンテナとして動作し得る薄い導電性ストリップ又はワイヤである。一例では、このような導電性ストリップは、0.2mmの厚さ又は直径を有してもよく、例えば、1.7-2.5GHzの範囲で動作してもよい。
【0180】
さらに、ライトアセンブリ3100は、1つ以上の電子モジュール3150を含んでもよい。電子モジュール50のそれぞれは、RF回路及び/又は光制御回路を含んでもよい。モジュール3150a、bは、ライトアセンブリ3100の様々なコンポーネント、例えば、構造素子3000a-c、光反射器3110a-d及びアンテナ素子のいずれか又は全てに直接的又は間接的に接続されてもよい。
【0181】
本明細書に記載の様々な実施形態に記載されるように、ライトアセンブリ又はその一部は、複数のアンテナ素子を含んでもよい。これらの複数のアンテナ素子は、例えばケーブル及び/又は他の適切な配線手段を通じて、無線機/無線モジュールに接続されてもよい。これらのアンテナ素子は、それぞれ独立して動作してもよく、或いは併せて動作してもよい。他の例では、無線モジュールは、マルチプルインプット・マルチプルアウトプット(multiple-input-multiple-output, MIMO)モードで動作してもよく、無線モジュールに接続された複数のアンテナ素子(又はそのサブセット)は、MIMOアンテナとして動作するように構成されてもよい。同様に、複数のアンテナ素子又はそのサブセットは、送信及び/又は受信ダイバーシチによって動作するように構成されてもよい。
【0182】
車両用の無線通信サービスは、AM/FMラジオ、DTV、WiFi、セルラ、WiMax、LTE、GPS、PCS、XMラジオ及び車両レーダを含む。これらの通信サービスは、広範囲のスペクトルで動作する。例えば、AM/FMラジオ(MHz範囲で動作する)、DTV、デジタルオーディオ、リモートキーレスエントリー(remote keyless entry, RKE)、タイヤ圧力監視システム(tire pressure monitoring systems, TPMS)等は、1GHz未満の周波数で動作する。そして、GPS、BT、SDARS、WiFi、WiMax、セルラ、DSRC(V2V、V2I)、XMラジオ(7GHzまでカバー)及び他の次世代自動車無線機は、1GHzと7GHzとの間の周波数で動作する。さらに、車両レーダは、側方検出レーダについては24GHzの周波数で動作し、衝突回避のための前方及び後方検出レーダについては79GHzの周波数で動作する。
【0183】
これらの無線通信サービスのそれぞれは、無線接続を提供するために特定のアンテナシステムを必要とする。個々のアンテナシステムは、窓の周囲、シャークフィンの下、車体の下(例えば、キャビティアンテナ)、車のハンドル、バンパー等のように、車内又は車上の異なる位置に配置できる。アンテナシステムは、ガラス、プラスチック、金属、又は車体に利用される材料のいずれかの組み合わせを含む様々な異なる材料に配置されてもよい。例えば、炭素繊維(sheet moulding compound, SMC)材料は、燃費効率の良い、より軽い車両を製造するために使用されてもよい。
【0184】
スロットダイポールアンテナ、ボウタイアンテナ(bow-tie antenna)、平面逆円錐アンテナ(Planar Inverted Conical Antenna, PCIA)、スロットを有するPICA、スロットを有するCPW-FED PICA及び非常に高い帯域幅を有する他の多くのアンテナのような組み込みアンテナは、主に6GHz以下の周波数のプロトコルのために車両で使用されている。
【0185】
高度な無線技術は、通信のためにより高いデータレート及び帯域幅を達成するために、新たな周波数帯域(6GHz以上及びmmW等)での無線接続と、6GHzよりも下でのスペクトル共有を提供している。しかし、車両用の従来の組み込みアンテナは、6GHzよりも下の周波数帯域でのみ動作するV2Xアンテナを含む。これらの組み込みアンテナのほとんどは、セキュリティ、超高データレート又は干渉管理を提供するように設計されていない。これらの特徴は、5G又は強化WiFiを含む車両間通信にとって重要である。
【0186】
さらに、コネクテッド車両のための通信サービスの数が増加している。異なるプロトコル及び標準のために、ますます多くのアンテナ及び無線システムが必要になる。これらの個々のアンテナ及び無線システムを包含して配置することは、美観及び空気力学の要件を損うべきでなく、或いは、コストを著しく増加させるべきでない。
【0187】
共存、干渉、セキュリティ及びコスト要件に対処する、ユニバーサルでコスト効率の高い組み込みアンテナが望まれる。各アンテナシステムのハードウェアは、要求される性能/機能を確保するための独立した割り当て及びアセンブリ機能を必要とし、それによって将来の全体のコネクテッド車両のコストを増加させる。
【0188】
本開示の様々な態様は、互いに干渉することなく、互いに複数の標準/プロトコルを共存させることを可能にする、無指向性及び指向性の双方のステアリングアンテナを有する車両組み込みアンテナシステムを記載する。
【0189】
図32は、本開示の様々な態様による、一体化された組み込みアンテナシステムの一例を示す。具体的には、図32は、車両3200と、車両の屋根3205の上面図とを示す。例えば、図32は、車両の屋根上の異なるアンテナシステムの共存を示す。
【0190】
特に、図32は、複数の10GHz以下(sub-10GHz)のアンテナと、ミリ波(millimeter wave, mmW)アンテナシステムとを含む一体化されたアンテナシステムを示す。mmWアンテナシステムは、車両の全半球のカバレッジを提供する。mmWアンテナは指向性であり、安全で干渉のない通信を提供する。10GHz以下のアンテナシステムは、車両の横方向及び縦方向のカバレッジを提供する。10GHz以下のアンテナは、無指向性及び指向性の双方であり、必要に応じて、主要な方向、大きい帯域幅及び安全な通信において全カバレッジを提供する。
【0191】
図32を参照すると、10GHz以下のアンテナ3220a-3220bは、指向性アンテナとして構成されてもよく、車両の屋根の4つのコーナーに配置されてもよい。10GHz以下のアンテナの位置は、道路に沿って設置された通信装置と通信するための指向性アンテナとして構成された場合のカバレッジを提供する。例えば、10GHz以下のアンテナのうち少なくとも1つは、道路の側面に位置する専用短距離通信(Dedicated Short Range Communications, DSRC)ユニットのような路側ユニットとの指向性通信を提供するように構成されてもよい。V2Xシステムの一部でもよいDSRCユニットは、5.9GHz周波数帯域の周囲で動作する。V2Xシステムの一部でもよいDSRCユニットは、5.9GHz周波数帯域の周囲で動作する。代替として、10GHz以下のアンテナ3220a-3220bは、10GHz以下のセルラ通信又はWiFi通信のために構成されてもよい。
【0192】
図32を参照すると、mmWアンテナシステム3240は、車両の屋根の中央に配置されてもよい。mmWアンテナシステム3240は、フェーズドアレイ及びスイッチドビームアレイを含むコンボmmWアンテナシステムでもよい。mmWアンテナシステムは、5GベースユニットによってMIMO通信を提供するように構成されてもよい。mmWアンテナシステムは、道路上の他の車両と通信するためのアドホック無線ネットワークを提供するために、無指向性通信を提供するように構成されてもよい。mmWアンテナシステムは、28GHz、39GHz、60GHz及び73GHzの周波数帯域で動作してもよい。
【0193】
図33は、図32の一体化された組み込みアンテナシステムの側面図の一例を示す。mmWアンテナシステム3240及び複数の10GHz以下のアンテナ3220a-3220dは、車両3200の屋根の上部に組み込まれる。図33を参照すると、複数の10GHz以下のアンテナ3220a-3220dは、コネクタ3230a-3230dを介してmmWアンテナシステム3240に結合される。
【0194】
複数のタイプのmmWアンテナ及び10GHz以下のアンテナを同じ場所に配置することは、ヒートシンク及び他の関連する集積/アセンブリ機能の共有を可能にし、その結果、低コストの実装を生じる。
【0195】
5G+ベースのV2Xアンテナ/無線システムが互いの性能に影響を与えることなく車両内で共存でき、コスト効率の良い方式でハードウェアアセンブリを共有設計できるユニバーサルV2Xアンテナシステムである。例えば、LTE-A/WiFi、DSRC、mmW通信システムは、自動車レーダと共に、車両の屋根、サイドドア又は車両のバンパー上に美的に配置でき、全てのサービスは、コスト効率を維持するために、ヒートシンク、PCB、EMI/RFI/熱/機械構造のようなハードウェア及びアセンブリ機能を共有できる。
【0196】
mmW及び10GHz以下のアンテナ/無線システムの共存、並びにシステムが低減したコストでハードウェア及びアセンブリ機能を共有することを可能にする無指向性及び指向性アンテナアーキテクチャである。
【0197】
図34は、図33の一体化されたアンテナシステムの一部の概略図である。図34は、本開示の様々な態様による、共通のアセンブリ機能を有する一体化されたアンテナシステムの一例を示す。図34を参照すると、mmWアンテナシステム3240は、プリント回路基板3250の同じ部分に設けられたフェーズドアンテナ設計及びスイッチドビームアンテナ設計3242を含む。mmWアンテナシステム3246を制御するための集積回路(mmW IC)、及び複数の10GHz以下のアンテナ3244を制御するための集積回路(RFIC)は、共通の領域内に設けられる。例えば、共通の領域は、mmWアンテナ設計3242の近くのPCBの一部でもよい。mmW IC3246及びRFIC3244は、共通のヒートシンクを共有してもよい。mmW IC3246及びRFIC3244はまた、共通のバックエンドインタフェース3248を共有してもよい。バックエンドインタフェース3248は、車両のユニバーサル制御バスとの相互接続を提供してもよい。
【0198】
再び図32を参照すると、複数の10GHz以下のアンテナ3220a-3220dは、それぞれ、コネクタ3230a-3230bを介してmmWアンテナシステムにそれぞれ結合される。コネクタ3230a-3230bは、導電性金属ワイヤでもよい。図34を参照すると、各10GHz以下のアンテナ3220a-3220dは、PCB3250上のそれぞれのコネクタインタフェース(図示せず)へのそれぞれのコネクタ3230a-dを介して、RFIC324に接続されてもよい。
【0199】
全ての無線/レーダ標準を組み込んだユニバーサル通信及びレーダ設計のフロアプランは、車両の全ての場所に拡張でき、ブラインドスポットのない、また、実質的なコストを増加させずに、カバレッジを確保できる。
【0200】
図35は、ユニバーサルアンテナシステム制御バスの一例を示す概略図である。図35を参照すると、複数のアンテナ3520a-fを相互接続するためのユニバーサル制御バス3550は、車体の周囲の全てのアンテナと連携できる。例えば、ユニバーサル制御バス3550は、車両のシャーシに一体化されてもよく、各アンテナのバックエンドインタフェースに結合するために使用でき、それによって、車体の周囲の全ての異なるアンテナシステムを制御するように全てのバックエンドインタフェースを一体化する。例えば、アンテナ3520a-fは、左ヘッドライト、右ヘッドライト、左サイドミラー、右サイドミラー、左テールライト及び右テールライトにそれぞれ配置されてもよい。アンテナ3520a-fのそれぞれは、それぞれのライトアセンブリモジュールと一体化されてもよく或いは組み込まれてもよい。アンテナ3520a-fは、指向性又は無指向性アンテナとして構成されてもよい。アンテナ3520a-fは、車両の屋根の上部に一体化された通信及びレーダの双方をサポートするmmWコンボアンテナシステムによって動作するように構成されてもよい。
【0201】
図36は、mmWアンテナシステム及び10GHz以下のアンテナシステムを含む、一体化された組み込みアンテナの一例を示す他の概略図である。具体的には、図36は、車両の屋根に組み込まれた複数の10GHz以下のアンテナとmmWアンテナシステムとの共存を示す。図36に示す組み込みアンテナシステムは、図32に関して記載したシステムと同様である。例えば、mmWアンテナシステム3640は、車両の屋根の中央位置に配置される。4つの10GHz以下のアンテナ3630a-dは、mmWアンテナシステム3640の周囲に配置される。それぞれのアンテナシステムを制御するための集積回路及びバックエンド接続は、共通して配置される。例えば、2つのアンテナシステムを制御するための集積回路(例えば、RFIC及びmmw IC)は、バックエンド接続及びヒートシンクと共に中央位置に配置されてもよい。
【0202】
図37は、mmWアンテナシステム及び10GHz以下のアンテナシステムを含む組み込みアンテナシステムを示す他の概略図である。具体的には、図37は、車両のフロントバンパー及びバックバンパーにおける複数の10GHz以下のアンテナ及びmmWアンテナシステムの共存を示す。図37に示す組み込みアンテナシステムは、図32に関して記載したシステムと同様である。例えば、mmWアンテナシステム3740a-bは、それぞれフロントバンパー及び/又はリアバンパーの中央位置に配置される。一対の10GHz以下のアンテナ3730a-dは、それぞれ、フロントバンパー及び/又はリアバンパーの左縁及び右縁に配置される。それぞれのアンテナシステムを制御するための集積回路及びバックエンド接続は、共通して配置される。例えば、集積回路及びバックエンド接続は、mmWアンテナシステムの中央位置に配置されてもよい。
【0203】
さらに、車両のフロントバンパー及びリアバンパーに組み込まれたアンテナは、ユニバーサル制御バス3550を介して車両の他の部分に組み込まれたアンテナと一体化及び連携できる。
【0204】
さらに、例えば、24GHzのサイド検出レーダアンテナシステムは、車両の片側の通信カバレッジのために10GHz以下のアンテナと組み合わせることができる。例えば、レーダアンテナ及び10Ghz以下のアンテナは、車両ドアのパネルに配置されてもよい。他の例では、レーダアンテナが車両ドアのパネルに配置されてもよく、10Ghz以下のアンテナが同じ車両ドアの側面ミラーに配置されてもよい。
【0205】
図37は、mmW(28GHz、39GHz、60GHz、73GHz)通信システム、レーダシステム(24GHz、79GHz)及び10GHz以下の無線システムの共存を示す。
【0206】
以下に、本開示の様々な態様が示される。
【0207】
例1において、無線通信用のレトロディレクティブアンテナアレイシステムは、1つ以上のアンテナ素子を含むアンテナアレイと、1つ以上のアンテナ素子のうち少なくとも1つの上に付着された負の屈折率の工学材料(NIM)とを含む。
【0208】
例2において、例1の対象物は、NIMが約-1の誘電率及び約-1の透磁率を有することを含んでもよい。
【0209】
例3において、例1-2の対象物は、アンテナアレイに動作可能に結合されたレトロディレクティブアンテナアレイ回路を含んでもよい。
【0210】
例4において、例3の対象物は、レトロディレクティブアレイ回路が、アンテナシステムによって受信された信号の位相共役を実行するように共役させるように構成された位相共役回路を含まないことを含んでもよい。
【0211】
例5において、例1-4の対象物は、レトロディレクティブアレイ回路が、アンテナシステムによって受信された信号の位相を、アンテナシステムから送信されるべき信号と共役させるための周波数ミキサを含まないことを含んでもよい。
【0212】
例6において、例1-5の対象物は、レトロディレクティブアレイ回路が、アンテナシステムによって受信された信号の位相を、アンテナシステムから送信されるべき信号と共役させるための高調波又は低調波ミキサを含まないことを含んでもよい。
【0213】
例7において、例1-6の対象物は、アンテナシステムによって受信された信号がアンテナアレイによって受信される前にNIM材料を通過するように、NIMが1つ以上のアンテナ素子のうち少なくとも1つの上に付着されることを含んでもよい。
【0214】
例8において、例1-7の対象物は、NIMが信号を負方向に屈折し、負方向に屈折した信号をアンテナアレイに提供することを含んでもよい。
【0215】
例9において、例1-8の対象物は、θ度の第1の角度でNIMに衝突する信号について、第1の角度は、NIMの表面に直交する方向の軸に対して定義され、NIMは、信号がNIMを通過するときに信号の角度を約-θ度に反転するように構成されることを含んでもよい。
【0216】
例10において、例1-9の対象物は、アンテナアレイが、受信用の第1のサブセットのアンテナ素子と、送信用の第2のサブセットのアンテナ素子とを含み、NIMが、第1のサブセットのアンテナ素子の上に付着されることを含んでもよい。
【0217】
例11において、例10の対象物は、NIMが第1のサブセットのアンテナ素子の上にのみ付着され、第2のサブセットのアンテナ素子の上には付着されないことを含んでもよい。
【0218】
例12において、例1-9の対象物は、アンテナアレイが、アンテナシステムによって受信される信号の受信方向の第1の極性と、アンテナシステムから送信される信号の送信方向の第2の極性とを有する二重偏波アンテナを含み、第1の極性及び第2の極性が異なることを含んでもよい。
【0219】
例13において、例12の対象物は、アンテナシステムによって受信された信号のみがNIMによって負方向に屈折するように、NIMがアンテナアレイとアライメントされることを含んでもよい。
【0220】
例14において、例13の対象物は、アンテナシステムによって受信される信号の位相のみが反転され、アンテナシステムから送信される信号の位相は反転されないままであることを含んでもよい。
【0221】
例15において、例1-9の対象物は、NIMが、刺激の適用によって調整されるように構成された調整可能な面を有することを含んでもよい。
【0222】
例16において、例15の対象物は、刺激が電気刺激又は磁気刺激のうち少なくとも1つであることを含んでもよい。
【0223】
例17において、例15-16の対象物は、NIMの負の屈折特性が信号受信中に刺激によって活性化され、信号送信中に活性化されないことを含んでもよい。
【0224】
例18において、例15-17の対象物は、刺激の適用に基づいて信号の送信と信号の受信とを切り替えるように構成されたスイッチを含んでもよい。
【0225】
例19において、例1-18の対象物は、アンテナシステムが無線通信デバイスの無線周波数回路に動作可能に結合されることを含んでもよい。
【0226】
例20において、例19の対象物は、無線周波数回路が局部発振器を含むことを含んでもよい。
【0227】
例21において、例1-20の対象物は、アンテナシステムが無線通信装置のベースバンドプロセッサに動作可能に結合されることを含んでもよい。
【0228】
例22において、例1-21の対象物は、アンテナアレイによって受信される信号の位相が、アンテナアレイにおいて受信される前にNIMによって反転されることを含んでもよい。
【0229】
例23において、例1-22の対象物は、ベースバンド信号をアップコンバートするためのミキサを含んでもよく、ベースバンド信号は、レトロディレクティブアンテナアレイシステムに動作可能に結合されたベースバンドプロセッサから受信され、NIMを介してアンテナアレイによって受信される信号によって、レトロディレクティブアンテナアレイシステムから送信されるべき信号を生成する。
【0230】
例24において、例23の対象物は、アンテナシステムから送信されるべき信号が、レトロディレクティブアンテナアレイシステムで受信される信号に基づく方向に向けて送信されるべき信号をステアリングするための逆位相情報を有するベースバンド信号を搬送することを含んでもよい。
【0231】
例25において、例1-24の対象物は、NIMが複数の層を含むことを含んでもよい。
【0232】
例26において、レトロディレクティブアンテナアレイシステムを生成するための方法は、1つ以上のアンテナ素子を含むアンテナアレイを設けるステップと、1つ以上のアンテナ素子のうち少なくとも1つの上に負の屈折率の工学材料(NIM)を付着させるステップとを含む。
【0233】
例27において、車両通信用の組み合わせアンテナアレイ構造は、1つ以上の無線周波数集積回路に動作可能に結合されるように構成されたフェーズドアレイを含む第1のアンテナアレイと、第1のアンテナアレイの周囲に配置された複数のスイッチドビームアンテナアレイ素子を含む第2のアンテナアレイであり、複数のスイッチドビームアンテナアレイ素子は、1つ以上のサブセットのスイッチドビームアンテナアレイ素子に分割される、第2のアンテナアレイと、1つ以上のサブセットのスイッチドビームアンテナアレイ素子のそれぞれのサブセットと1つ以上の無線周波数回路との間にインタフェースを提供するようにそれぞれ構成された1つ以上のスイッチとを含む。
【0234】
例28において、例27の対象物は、第1のアンテナアレイが、第1の方向に無線周波数カバレッジを提供するように構成されることを含んでもよい。
【0235】
例29において、例27-28の対象物は、第1のアンテナアレイが、半球範囲の無線周波数カバレッジを提供するように構成され、半球範囲の頂点が、フェーズドアレイの面に直交する方向にあることを含んでもよい。
【0236】
例30において、例27-29の対象物は、フェーズドアレイがM×Nアレイ素子の構造を含み、M及びNのそれぞれが整数であることを含んでもよい。
【0237】
例31において、例27-30の対象物は、フェーズドアレイが、複数の周波数帯域で動作するように構成されることを含んでもよい。
【0238】
例32において、例27-31の対象物は、第2のアンテナアレイが、組み合わせアンテナアレイ構造の周囲の方位角方向に無線周波数カバレッジを提供するように構成されることを含んでもよい。
【0239】
例33において、例32の対象物は、方位角方向が、第1のアンテナアレイによって提供される半球範囲の頂点に直交する方向をカバーすることを含んでもよい。
【0240】
例34において、例27-33の対象物は、第2のアンテナアレイが、方位角方向に360度の無線周波数カバレッジを提供するように、第1のアンテナアレイの周囲に円形又は楕円形に配置されることを含んでもよい。
【0241】
例35において、例27-34の対象物は、第2のアンテナアレイが、高度方向で測定された約30度の最大ビームカバレッジを有する無線周波数カバレッジを提供することを含んでもよい。
【0242】
例36において、例27-35の対象物は、1つ以上のサブセットのスイッチドビームアンテナアレイ素子のそれぞれが、方位角方向の対応するサブセットの無線周波数カバレッジのための無線周波数カバレッジを提供することを含んでもよい。
【0243】
例37において、例27-36の対象物は、複数のスイッチドビームアンテナアレイ素子が、4つのサブセットのスイッチドビームアンテナアレイ素子になることを含んでもよい。
【0244】
例38において、例37の対象物は、4つのサブセットのそれぞれが、同じ数のスイッチドビームアンテナアレイ素子を含むことを含んでもよい。
【0245】
例39において、例37-38の対象物は、4つのサブセットのそれぞれが8つのスイッチドビームアンテナアレイ素子を含むことを含んでもよい。
【0246】
例40において、例27-39の対象物は、複数のスイッチドビームアンテナアレイ素子のそれぞれが、相互接続を介して1つ以上のスイッチに接続されることを含んでもよい。
【0247】
例41において、例27-40の対象物は、スイッチが単極-N投スイッチであり、Nが、スイッチが接続されているスイッチドビームアンテナアレイ素子の数であることを含んでもよい。
【0248】
例42において、例27-41の対象物は、複数のスイッチドビームアンテナアレイ素子のそれぞれが、2つのツイン放射構造を含み、ツイン放射構造のそれぞれが、それぞれの第1の突出部及びそれぞれの第2の突出部を含むことを含んでもよい。
【0249】
例43において、例27-42の対象物は、複数のスイッチドビームアンテナアレイ素子のそれぞれが、第1の導体及び第2の導体を含むことを含んでもよい。
【0250】
例44において、例43の対象物は、第1の導体及び第2の導体が異なることを含んでもよい。
【0251】
例45において、例43の対象物は、第1の導体及び第2の導体が同じであることを含んでもよい。
【0252】
例46において、例43-45の対象物は、第1の導体が第2の導体の上に配置されることを含んでもよい。
【0253】
例47において、例43-46の対象物は、ツイン放射構造の第1のものの第1の突出部が、ツイン放射構造の第2のものの第2の突出部に重なることを含んでもよい。
【0254】
例48において、例43-47の対象物は、1つ以上の基板層が第1の導体と第2の導体との間にあることを含んでもよい。
【0255】
例49において、例27-48の対象物は、第1のアンテナアレイ及び第2のアンテナアレイが配置される基板を含んでもよい。
【0256】
例50において、例49の対象物は、基板が多層基板であることを含んでもよい。
【0257】
例51において、例49-50の対象物は、複数のマイクロビアを含む基板を含んでもよく、マイクロビアを通じて、フェーズドアレイ及び1つ以上のスイッチのそれぞれが、無線周波数集積チップに接続される。
【0258】
例52において、例49-51の対象物は、金属トレースを含む基板を含んでもよい。
【0259】
例53において、例49-52の対象物は、第1のアンテナアレイ及び第2のアンテナアレイとは反対側の基板上に配置された1つ以上の無線周波数回路を含んでもよい。
【0260】
例54において、例53の対象物は、1つ以上の無線周波数回路と接触して配置されたヒートシンクを含んでもよい。
【0261】
例55において、例27-54の対象物は、少なくとも第2のアンテナアレイをカバーするように構成されたハウジングを含んでもよい。
【0262】
例56において、例55の対象物は、ハウジングが1つ以上のスイッチをカバーするように更に構成されることを含んでもよい。
【0263】
例57において、例55-56の対象物は、ハウジングが、第2のアンテナアレイの上に配置された上部反射構造を含むことを含んでもよい。
【0264】
例58において、例55-57の対象物は、ハウジングが、第2のアンテナアレイの下に配置された下部反射構造を含むことを含んでもよい。
【0265】
例59において、例55-58の対象物は、ハウジングが、1つ以上のスイッチと反対の第2のアンテナアレイの端部を越えて配置された指向性構造を含むことを含んでもよい。
【0266】
例60において、例27-59の対象物は、複数のスイッチドビームアンテナアレイ素子を支持するように構成された機械的支持体を含んでもよい。
【0267】
例61において、組み合わせアンテナアレイ構造を製造する方法は、1つ以上の無線周波数集積回路に動作可能に結合されるように構成されたフェーズドアレイを含む第1のアンテナアレイを設けるステップと、第1のアンテナアレイの周囲に複数のスイッチドビームアンテナアレイ素子を含む第2のアンテナアレイを配置するステップであり、複数のスイッチドビームアンテナアレイ素子は、1つ以上のサブセットのスイッチドビームアンテナアレイ素子に分割される、ステップと、サブセットのスイッチドビームアンテナアレイ素子のそれぞれを1つ以上のスイッチのそれぞれに接続するステップであり、1つ以上のスイッチは、1つ以上のサブセットのスイッチドビームアンテナアレイ素子のそれぞれのサブセットと1つ以上の無線周波数回路との間にインタフェースを提供する、ステップとを含む。
【0268】
例62は、1つ以上の半透明領域を含む自動車照明アセンブリカバーであり、内部に面するように構成された第1の側面と、第1の側面と反対に、外部環境に面するように構成された第2の側面とを有するカバーであり、1つ以上のアンテナ素子であり、当該1つ以上のアンテナ素子のうち少なくとも1つの部分は、カバーの一部の中に一体化されるか或いはカバーの一部に対向して配置される、1つ以上のアンテナ素子を含む。
【0269】
例63は、例62の自動車照明アセンブリカバーであり、1つ以上のパターン化された溝を更に含み、1つ以上のアンテナ素子のうち少なくとも1つは、それぞれ1つ以上の溝の中に配置される。
【0270】
例64は、例63の照明アセンブリであり、フロントカバーの1つ以上の溝は、カバーの照明領域又は高放射領域に位置する。
【0271】
例65は、例62-64のいずれかの自動車照明アセンブリカバーであり、1つ以上のアンテナ素子のうち1つ以上の部分は、フロントカバー内に完全に組み込まれる。
【0272】
例66は、例62-65のいずれかの自動車照明アセンブリカバーであり、1つ以上のアンテナ素子は、カバーの前記第1の側面内から少なくとも部分的に突出する。
【0273】
例67は、例62-66のいずれかの自動車照明アセンブリカバーであり、カバーは、光を反射及び拡散するように構成されたメッシュ領域を更に含む。
【0274】
例68は、例67の自動車照明アセンブリのカバーであり、1つ以上のアンテナ素子の少なくとも一部は、メッシュ領域の背後のカバーの正面側に対向して配置される。
【0275】
例69は、例67又は68の自動車照明アセンブリカバーであり、メッシュは、1つ以上のアンテナ素子のうちの1つがパッチメッシュであるようにパッチアンテナとして構成された導電構造である。
【0276】
例70は、例62-69のいずれかの自動車照明アセンブリカバーであり、1つ以上のアンテナ素子は、アンテナアレイを含む。
【0277】
例71は、例62-70のいずれかの自動車照明アセンブリカバーであり、1つ以上のアンテナ素子は、透明又は半透明である。
【0278】
例72は、例62-71のいずれかの自動車照明アセンブリカバーであり、1つ以上のアンテナ素子の少なくとも一部は、カバーの少なくとも1つの暗い領域又は非照明領域の背後に配置される。
【0279】
例73は、例62-72のいずれかの自動車照明アセンブリカバーであり、カバーは、頂点又はコーナーを含む少なくとも1つの屈曲領域を含み、1つ以上のアンテナ素子のうち少なくとも1つは、屈曲領域のコーナーの一部の中にその一部に沿って配置される。
【0280】
例74は、例73の自動車照明アセンブリカバーであり、1つ以上のアンテナ素子のうち少なくとも1つは、屈曲領域のコーナーの少なくとも一部の中にその一部に沿って配置され、ワイヤモノポールアンテナを含む。
【0281】
例75は、例62-74のいずれかの自動車照明アセンブリカバーであり、カバーはアンテナレードームを含む。
【0282】
例76は、例62-75のいずれかの自動車照明アセンブリカバーであり、カバーは、RF導波路を含む。
【0283】
例77は、例62-76のいずれかの自動車ライトアセンブリカバーであり、カバーは、1つ以上の正面を有する。
【0284】
例78は、ハウジング構造と、1つ以上のアンテナ素子とを含む自動車照明アセンブリであり、1つ以上のアンテナ素子のうち少なくとも1つの少なくとも一部は、ハウジング構造内に一体化されるか、或いは、ハウジング構造にすぐ隣接して配置される。
【0285】
例79は、例78の自動車照明アセンブリであり、ハウジング構造は、1つ以上の半透明領域を含むフロントカバーを更に含み、フロントカバーは、内部に面するように構成された第1の側面と、第1の側面と反対に、外部環境に面するように構成された第2の側面とを有し、1つ以上のアンテナ素子のうち少なくとも1つの部分は、フロントカバーの第1の側面の中に一体化されるか或いはフロントカバーの第1の側面に対向して配置される。
【0286】
例80は、例79の自動車照明アセンブリであり、フロントカバーは、光を反射及び拡散するように構成された導電性メッシュ領域を含み、メッシュ領域はパッチアンテナであり、1つ以上のアンテナ素子のうちの1つは、パッチアンテナを含む。
【0287】
例81は、例78-80のいずれかの自動車照明アセンブリであり、アンテナとして構成された光反射器を更に含み、光反射器は、ハウジング構造内に配置される。
【0288】
例82は、例78-81のいずれかの自動車照明アセンブリであり、ハウジング構造は、上部ハウジング部材を更に含み、上部ハウジング部材は、1つ以上のアンテナ素子のうち少なくとも1つを含む。
【0289】
例83は、例82の自動車照明アセンブリであり、上部ハウジング部材の1つ以上のアンテナ素子のうち少なくとも1つは、アンテナアレイを含む。
【0290】
例84は、例83の自動車照明アセンブリであり、上部ハウジング部材のアンテナアレイは、エンドローンチアンテナアレイを含む。
【0291】
例85は、例78-84のいずれかの自動車照明アセンブリであり、ハウジング構造は、1つ以上の側壁を含み、1つ以上の側壁は、光学的な光及び/又は電磁波を反射するように構成される。
【0292】
例86は、例78-85のいずれかの自動車照明アセンブリであり、ハウジング構造は、下部ハウジング部材を更に含み、下部ハウジング部材は、1つ以上のアンテナ素子のうち少なくとも1つを含む。
【0293】
例87は、例86の自動車照明アセンブリであり、下部ハウジング部材の1つ以上のアンテナ素子のうち少なくとも1つは、アンテナアレイを含む。
【0294】
例88は、例87の自動車照明アセンブリであり、下部ハウジング部材のアンテナアレイは、エンドローンチアンテナを含む。
【0295】
例89は、例78-88のいずれかの自動車照明アセンブリであり、照明アセンブリは、RF回路を含む無線モジュールを更に含み、無線モジュールは、1つ以上のアンテナ素子に接続される。
【0296】
例90は、例78-89のいずれかの自動車照明アセンブリであり、照明アセンブリは、ハウジング構造内に配置された光源を更に含む。
【0297】
例91は、例78-90のいずれかの自動車照明アセンブリであり、ハウジング構造はテールライトのハウジング構造である。
【0298】
例92は、例78-90のいずれかの自動車照明アセンブリであり、ハウジング構造はヘッドライトのハウジング構造である。
【0299】
例93は、例78-90のいずれかの自動車照明アセンブリであり、ハウジング構造はサイドライトのハウジング構造である。
【0300】
例94は、自動車照明構造であり、光学的な光及びRF信号を伝送するようにそれぞれ構成された1つ以上のマイクロ波キャビティ放射体と、1つ以上のマイクロ波キャビティ放射体のそれぞれの中に配置された1つ以上の光源とを含む。
【0301】
例95は、例94の照明構造であり、マイクロ波キャビティ放射体構造上に配置された少なくとも1つのRF及び/又は光制御回路を更に含む。
【0302】
例96は、例94又は95の照明構造であり、1つ以上のマイクロ波キャビティ放射体構造のそれぞれは、基板と、基板の上に垂直に配置された上部導電プレート及び基板の下に垂直に配置された下部導電プレートと、光信号及びRF信号のための1つ以上の放射面とを更に含み、放射面は、基板の横方向の周辺に位置する。
【0303】
例97は、例96の照明構造であり、1つ以上のマイクロ波キャビティ放射体構造のうち少なくとも1つの基板は、低損失誘電性基板を含む。
【0304】
例98は、例96の照明構造であり、1つ以上のマイクロ波キャビティ放射体構造のうち少なくとも1つの基板は、真空を含む。
【0305】
例99は、例96-98のいずれかの照明構造であり、マイクロ波キャビティ放射体構造の基板は、複数のキャビティを含む。
【0306】
例100は、例99のライトアセンブリ及び通信構造であり、複数のキャビティは、横方向に配置又は整列される。
【0307】
例101は、例99又は100のライトアセンブリ及び通信構造であり、キャビティは、垂直ビア壁を介して分離される。
【0308】
例102は、例94-101のいずれかのライトアセンブリ及び通信構造であり、マイクロ波キャビティ放射体構造の上面の上に配置された第1の導電性シートと、マイクロ波キャビティ放射体構造の底面の上に配置された第2の導電性シートとを更に含む。
【0309】
例103は、例94-102のいずれかのライトアセンブリ及び通信構造であり、光源はLEDを含むか或いはLEDである。
【0310】
例104は、自動車照明及び通信構造であり、光学的な光及びRF信号を伝送するように構成された複数のマイクロ波キャビティ放射体構造であり、その中に配置された1つ以上の光源をそれぞれ含み、垂直に配置される複数のマイクロ波キャビティ放射体構造と、複数のマイクロ波キャビティ放射体構造の1対の垂直に隣接するマイクロ波キャビティ放射体構造の間にそれぞれ配置され、アンテナとしてそれぞれ構成された1つ以上の光反射器と、複数のマイクロ波キャビティ放射体構造のうち最上部の1つと複数のマイクロ波キャビティ放射体構造のうち最下部の1つとの間に延在する半透明フロントカバーとを含む。
【0311】
例105は、例104の一体化された照明及び通信構造であり、フロントカバーは、その中に一体化された1つ以上のアンテナ素子を含む。
【0312】
例106は、例105の一体化された照明及び通信構造であり、1つ以上のアンテナ素子は、外部の視点からフロントカバーによって隠蔽又は部分的に隠蔽される。
【0313】
例107は、例105又は106の一体化された照明及び通信構造であり、1つ以上のアンテナ素子は、少なくとも部分的にフロントカバー内に或いはフロントカバーに対向して配置される。
【0314】
例108は、例105-107のいずれかの一体化された照明及び通信構造であり、フロントカバーの1つ以上のアンテナ素子のそれぞれは、1つ以上の薄い導電性ストリップを含む。
【0315】
例109は、例104-108のいずれかの一体化された照明及び通信構造であり、1つ以上の光反射器は、1つ以上の金属化光キャビティを含む。
【0316】
例110は、例104-109のいずれかの一体化された照明及び通信構造であり、複数のマイクロ波キャビティ放射体構造のうち少なくとも1つの上に配置されたRF回路モジュールを更に含み、RF回路モジュールは、1つ以上のアンテナ素子のうち少なくとも1つに接続される。
【0317】
例111は、例110の一体化された照明及び通信構造であり、1つ以上の光反射器は、RF回路モジュールに直接接続される。
【0318】
例112は、例104-111のいずれかの一体化された照明及び通信構造であり、1つ以上のRF相互接続を更に含み、1つ以上のRF相互接続のそれぞれは、複数のマイクロ波キャビティ放射体構造の1対の垂直に隣接したマイクロ波キャビティ放射体構造の間にそれぞれ延在する。
【0319】
例113は、車両用の自動車無線通信システムであり、当該システムは、1つ以上の車両照明及び通信アセンブリであり、その中に一体化された無線サブシステムをそれぞれ含み、無線サブシステムは、RF回路及び1つ以上のアンテナ素子を含む、1つ以上の車両照明及び通信アセンブリと、車両内に配置されるように構成され、1つ以上の照明及び通信アセンブリの各無線サブシステムに接続するように構成された相互接続バスとを含む。
【0320】
例114は、例114の車両無線通信システムであり、少なくとも1つのプロセッサを含み、1つ以上の車両照明及び通信アセンブリの各無線サブシステムの少なくともRF回路を制御するように構成された集中無線制御システムを更に含み、集中無線制御システムは、相互接続バスを通じて1つ以上の車両照明及び通信アセンブリのそれぞれに至る。
【0321】
例115は、例113又は114の車両無線通信システムであり、1つ以上の車両照明及び通信アセンブリのうち少なくとも1つは、サイドライトアセンブリを含む。
【0322】
例116は、例113-115の車両無線通信システムであり、1つ以上の車両照明及び通信アセンブリのうち少なくとも1つは、ヘッドライトアセンブリを含む。
【0323】
例117は、例113-116の車両無線通信システムであり、1つ以上の車両照明及び通信アセンブリのうち少なくとも1つは、ストップライトアセンブリを含む。
【0324】
例118は、例113-117の車両無線通信システムであり、1つ以上の車両照明及び通信アセンブリのうち少なくとも1つは、テールライトアセンブリを含む。
【0325】
例119は、例113-118のいずれかの車両無線通信システムであり、1つ以上の車両照明及び通信アセンブリのうち少なくとも1つは、ハウジング構造と、ハウジング構造内に一体化されるか或いはハウジング構造に隣接して配置された1つ以上のアンテナ素子のうち少なくとも1つとを含む。
【0326】
例120は、例119の車両無線通信システムであり、ハウジング構造は、1つ以上の半透明領域を含むフロントカバーを更に含み、フロントカバーは、内部に面するように構成された第1の側面と、第1の側面と反対に、外部環境に面するように構成された第2の側面とを有し、1つ以上のアンテナ素子のうち少なくとも1つの部分は、フロントカバーの第1の側面の一部に組み込まれるか或いは第1の側面の一部に対向して配置される。
【0327】
例121は、例120の車両無線通信システムであり、フロントカバーは、光を反射及び拡散するように構成された導電性メッシュ領域を含み、メッシュ領域はパッチアンテナであり、1つ以上のアンテナ素子のうちの1つは、パッチアンテナを含む。
【0328】
例122は、例119-121のいずれかの車両無線通信システムであり、1つ以上の車両照明及び通信アセンブリのうち少なくとも1つは、アンテナとして構成された光反射器を更に含み、光反射器は、ハウジング構造内に配置される。
【0329】
例123は、例119-122のいずれかの車両無線通信システムであり、ハウジング構造は、上部ハウジング部材を更に含み、上部ハウジング部材は、1つ以上のアンテナ素子のうち少なくとも1つを含む。
【0330】
例124は、例123の車両無線通信システムであり、上部ハウジング部材の1つ以上のアンテナ素子のうち少なくとも1つは、アンテナアレイを含む。
【0331】
例125は、例124の車両無線通信システムであり、上部ハウジング部材のアンテナアレイは、エンドローンチアンテナアレイを含む。
【0332】
例126は、例119-125のいずれかの車両無線通信システムであり、ハウジング構造は、1つ以上の側壁を含み、1つ以上の側壁は、少なくとも光学的な光を反射するように構成される。
【0333】
例127は、例119-126のいずれかの車両無線通信システムであり、ハウジング構造は、下部ハウジング部材を更に含み、下部ハウジング部材は、1つ以上のアンテナ素子のうち少なくとも1つを含む。
【0334】
例128は、例127の車両無線通信システムであり、下部ハウジング部材の1つ以上のアンテナ素子のうち少なくとも1つは、アンテナアレイを含む。
【0335】
例129は、例128の車両無線通信システムであり、下部ハウジング部材のアンテナアレイは、エンドローンチアンテナを含む。
【0336】
例130は、少なくとも部分的に外部に面する露出表面を含む金属部品を含む自動車照明アセンブリ構造であり、金属部品は、1つ以上のアンテナ素子として構成される。
【0337】
例131は、例130の照明アセンブリであり、金属部品は、少なくとも1つのアンテナ素子として構成された光反射器を含む。
【0338】
例132は、例130又は131の照明アセンブリであり、露出表面は、金属部品の少なくとも2つのサブセクションの間の境界である。
【0339】
例133は、車両アンテナシステムである。車両アンテナシステムは、車両の一部に設けられた第1の周波数範囲で動作するように構成された第1のアンテナシステムと、車両の一部に設けられた第2の周波数範囲で動作するように構成された第2のアンテナシステムとを含んでもよく、第1の周波数範囲及び第2の周波数範囲は重複しない。
【0340】
例134において、例133の対象物は、第1のアンテナシステムが、車両の一部の中央位置に設けられた少なくとも1つのアンテナ素子を含み、第2のアンテナシステムが、車両の一部の周囲位置に設けられた複数のアンテナ素子を含むことを任意選択で含むことができる。
【0341】
例135において、例134の対象物は、第1のアンテナシステムが、中央位置に設けられた集積回路を更に含み、第2のアンテナシステムが、中央位置に設けられた集積回路を更に含むことを任意選択で含むことができる。
【0342】
例136において、例135の対象物は、第1のアンテナシステムの少なくとも1つのアンテナ素子がPCB上に設けられ、第2のアンテナシステムの複数のアンテナ素子がPCB上に設けられていないが、PCBに電気的に結合されることを任意選択で含むことができる。
【0343】
例137において、例135の対象物は、第1のアンテナシステムが10GHzよりも大きい周波数帯域で動作するように構成され、第2のアンテナシステムが10GHzよりも小さい周波数帯域で動作するように構成されることを任意選択で含むことができる。
【0344】
例138において、例135の対象物は、第1のアンテナシステムが複数の無指向性アンテナ素子を含み、第2のアンテナシステムが複数の指向性アンテナ素子を含むことを任意選択で含むことができる。
【0345】
例139において、例138の対象物は、第1のアンテナシステムが全半球のカバレッジを提供するように構成され、第2のアンテナシステムが周辺のカバレッジを提供するように構成されることを任意選択で含むことができる。
【0346】
例140において、例135の対象物は、第1のアンテナシステム及び第2のアンテナシステムが共通のヒートシンクを共有することを任意選択で含むことができる。
【0347】
例141において、例135の対象物は、第1のアンテナシステムがフェーズドアレイアンテナ素子及びスイッチドビームアンテナ素子を含むことを任意選択で含むことができる。
【0348】
例142において、例135の対象物は、車両の一部が車両の屋根、車両のフロントバンパー又は車両のリアバンパーであることを任意選択で含むことができる。
【0349】
例143において、例135の対象物は、第1のアンテナシステム及び第2のアンテナシステムが車両の一部に組み込まれることを任意選択で含むことができる。
【0350】
例144において、例135の対象物は、第1のアンテナシステム及び第2のアンテナシステムが共通のバックエンドインタフェースを共有することを任意選択で含むことができる。
【0351】
例145において、例144の対象物は、ユニバーサルバスを任意選択で含むことができ、第1のアンテナシステム及び第2のアンテナシステムは、共通のバックエンドインタフェースを介してユニバーサルバスに結合される。
【0352】
上記の例のいずれかの特徴のうち1つ以上は、他の例のいずれか1つと組み合わせされてもよい点に留意すべきである。
【0353】
上記の説明は、単なる例として与えられており、特許請求の範囲に記載された本発明のより広い精神又は範囲から逸脱することなく、修正が行われてもよいことは、当業者によって認識される。したがって、明細書及び図面は、限定的な意味ではなく、例示的な意味で考えられるべきである。
【0354】
したがって、本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲によって示されており、したがって、特許請求の範囲の均等物の意味及び範囲内に入る全ての変更が包含されることを意図する。
図1
図2
図3
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