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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-12
(45)【発行日】2024-07-23
(54)【発明の名称】自動化染色システム及び反応室
(51)【国際特許分類】
   G01N 1/31 20060101AFI20240716BHJP
   G01N 35/04 20060101ALI20240716BHJP
【FI】
G01N1/31
G01N35/04 E
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022540666
(86)(22)【出願日】2020-12-31
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-13
(86)【国際出願番号】 US2020067736
(87)【国際公開番号】W WO2021138606
(87)【国際公開日】2021-07-08
【審査請求日】2022-09-02
(31)【優先権主張番号】62/956,015
(32)【優先日】2019-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504462571
【氏名又は名称】サクラ ファインテック ユー.エス.エー., インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001726
【氏名又は名称】弁理士法人綿貫国際特許・商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】アミット ディー. シャー
(72)【発明者】
【氏名】スコット ウエブスター
(72)【発明者】
【氏名】ニコラス ジェイ. ブッカー
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー ワトキンス
(72)【発明者】
【氏名】チェスター ヘンダーソン
(72)【発明者】
【氏名】レベッカ ジェイ. バーテル
(72)【発明者】
【氏名】エリコ フォン ビューレン
(72)【発明者】
【氏名】ホェイジー マイケル ヤン
【審査官】佐々木 崇
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-500983(JP,A)
【文献】特開2001-242175(JP,A)
【文献】特表2013-513782(JP,A)
【文献】特表2018-517895(JP,A)
【文献】特表2009-506300(JP,A)
【文献】特開2007-292494(JP,A)
【文献】特開2012-141287(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 1/00- 1/44
35/00-37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理器アセンブリであって、
複数のスライドを格納するように作動可能なスライドバスケットに前記スライドがある間、前記スライド上の試料を露出させるように作動可能なコアモジュールと、
露出した前記試料に染色剤を塗着するように作動可能な染色モジュールと、
前記スライドバスケットに前記スライドがある間、前記コアモジュールから前記染色モジュールへ前記スライドを移送するロボット移送機構と、を具備し、
前記染色モジュールが、
試薬及びサーマルインクジェットプリントヘッドを具備する試薬カートリッジと、実行時に前記染色モジュールの染色エリアにおける前記サーマルインクジェットプリントヘッドからの前記試薬の塗着をプロセッサに指示させる非一時的機械可読命令を含むプロセッサとを具備し、
前記試薬カートリッジが前記染色エリアに配置され、複数のカートリッジを保管するように作動可能な保管ステーションを前記染色モジュールが具備し、前記サーマルインクジェットプリントヘッドからの前記試薬の塗着の指示に先立って、前記プロセッサに格納された非一時的機械可読命令により前記試薬カートリッジが前記保管ステーションから獲得されてプリントアセンブリに結合され、
前記コアモジュールから前記染色モジュールへ前記スライドバスケットを移送するように前記ロボット移送機構が作動可能であり、実行時に、前記染色モジュールでのプリント操作の為に前記スライドバスケットから前記スライドを取り出させる非一時的機械可読命令を前記プロセッサが更に具備する処理器アセンブリ。
【請求項2】
前記コアモジュール又は前記染色モジュールが、前記試料の画像を捕捉するように作動可能な撮像器を具備し、実行時に前記試薬カートリッジの前記サーマルインクジェットプリントヘッドからの前記試薬の塗着の為に前記画像に基づいて前記試料での標的位置を前記プロセッサに判断させる非一時的機械可読命令を前記プロセッサが含む、請求項1に記載の処理器アセンブリ。
【請求項3】
前記スライドを保管するように作動可能な前記染色モジュールの保湿器を更に具備して、実行時に前記スライドを前記保湿器から取り出させて前記試薬カートリッジの前記サーマルインクジェットプリントヘッドと整合させる非一時的機械可読命令を前記プロセッサが含む、請求項1又は請求項2に記載の処理器アセンブリ。
【請求項4】
圧力を利用して前記試料の抗原部位を露出させるように作動可能な前記染色モジュールの抗原賦活化ステーションを更に具備し、実行時に、前記スライドを前記抗原賦活化ステーションへ輸送させて抗原賦活化処理後に前記染色エリアへ輸送させる非一時的機械可読命令を前記プロセッサが含む、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の処理器アセンブリ。
【請求項5】
染色後に、実行時に前記スライドを脱水ステーションへ輸送させる非一時的機械可読命令を前記プロセッサが含む脱水ステーションと、
焼成ステーションと、
脱蝋ステーションと、
前記スライドのラベル情報を識別するように作動可能な識別器を具備する識別ステーションと、
の少なくともいずれか一つを前記コアモジュールが具備する、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の処理器アセンブリ。
【請求項6】
前記試薬カートリッジが使い捨てカートリッジである、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の処理器アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2019年12月31日に出願された米国仮特許出願第62/956,015号の優先権を主張し、同出願の内容全体が参照により本明細書に援用される。
【0002】
本発明は、自動化染色システム及び反応室に関する。
【背景技術】
【0003】
自動化染色システム、特に生物標本を処理する為の自動化染色システム。
【0004】
様々な設定において、生物標本の処理及び分析が診断目的で必要とされる。概して、病理学者及び診断医は、患者から試料を収集して研究を行い、顕微鏡検査及び他のデバイスを利用して細胞レベルで試料を評価する。血液及び組織のような生物試料の収集、試料の処理、顕微鏡スライドの用意、染色、検査、再分析又は再染色、追加試料の収集、試料の再検査、そして最終的な診断結果の提示を含む多数のステップが、病理学及び他の診断過程では一般的に必要とされる。
【0005】
組織処理器は、組織学又は病理学での使用の為に人間又は動物の組織標本を処理するように多様な自動化レベルで操作され得る。組織処理の様々な段階で様々なタイプの化学試薬が使用され、標本格納スライドへ試薬を送達する為の様々なシステムが開発されている。周知の試薬送達システムの例は、少量放出ディスペンサ、試薬バットへの手作業注入、あるいは、チューブ材を介して処理器と接続されたバルク容器を含む。
【0006】
周知のシステムには様々な短所が見られる。例えば、試薬バットへの手作業での注入やこれからの排出は、交差汚染を受けやすく、時間がかかり、また注入精度を必要とし、これにより組織処理システムの全体効率を低下させる。別の短所は、試薬の手作業注入及び排出は汚れやすく、こぼれた液体の清掃と、その結果としての機器の停止時間とを必要とする。更なる短所は、正しい試薬を手作業で選択及び塗着する際に、人的エラーの重大なリスクが生じて試薬選択エラー及び塗着エラーの可能性が高くなり、結果的に偽陽性又は偽陰性の試験結果をもたらし、分析精度及び操作効率の低下ばかりでなく誤診断を招くことである。
【図面の簡単な説明】
【0007】
同様の参照符号が類似の要素を指す添付図面の図に、発明の実施形態が限定としてではなく例として図示される。本開示での「或る(an)」又は「一つの(one)」実施形態という言及は必ずしも同じ実施形態についてのものではなく、このような言及は少なくとも一つを意味することが留意されるべきである。
図1】処理器アセンブリとも呼ばれる試料処理システムの斜視図を示す。
図2図1の処理器アセンブリの上部前面図を示し、コアモジュール及び染色モジュールの外部ハウジングの上部外方部分は各モジュールの内部区画を露出させるように取り外されている。
図3図1の処理器アセンブリのコアモジュールの上部前面拡大図を示し、外部ハウジングの上部外方部分はモジュールの内部区画を露出させるように取り外されている。
図4図1の処理器アセンブリのコアモジュールのスライド識別ステーションに配置され得る走査及び/又は撮像装置の左上側斜視図を示す。
図5】底部と支持体とトラックと台部とが取り外された図4の走査及び/又は撮像装置の左上側斜視図を示す。
図6】底部と支持体とトラックと台部とが取り外された図4の走査及び/又は撮像装置の上側斜視図を示し、スライドバスケットのスライドの下方の下向き又は復帰位置にあるリフト機構を示している。
図7】底部と支持体とトラックと台部とが取り外された図4の走査及び/又は撮像装置の上側斜視図を示し、スライドバスケットのスライドの下方の上向き又は前進位置にあるリフト機構を示している。
図8】モジュールの内部区画を露出させるように外部ハウジングの上部外方部分が取り外された図1の処理器アセンブリの染色モジュールの一部分の上部前面拡大図を示し、キャップ封止スライドステージングステーションを含む染色モジュールの一部分を示す拡大図である。
図9】モジュールの内部区画を露出させるように外部ハウジングの上部外方部分が取り外された図1の処理器アセンブリの染色モジュールの一部分の上部前面拡大図を示し、抗原賦活化ステーションを含む染色モジュールの一部分を示す拡大図である。
図10図1の処理器アセンブリの染色モジュールに収容されて、保湿器と積み重ね配向のカートリッジクレードルとを含むプリントステーションのコンポーネントの拡大前面図を示し、保湿器はカートリッジクレードルの下方に配設されてカートリッジクレードルはニュートラル位置にある。
図11図1の処理器アセンブリの染色モジュールの一部分の拡大前面図を示し、プリントステーションと試薬保管キャビネットとを含む染色モジュールの一部分を示す拡大図であって、カートリッジクレードルへのプリントカートリッジの装填の為にカートリッジクレードルは後方又は後部位置に配置されている。
図12図1の処理器アセンブリの染色モジュールの外面の拡大前面図を示し、内容物がアクセス可能位置となるように外向きに引き出された試薬保管キャビネットを示す拡大図である。
図13図1の処理器アセンブリの染色モジュールの一部分の拡大前面図を示し、プリントステーションを含む染色モジュールの一部分を示す拡大図であり、カートリッジクレードルはスライドをプリントする為に前方位置に配置されている。
図14図1の染色モジュールの一部分の拡大前面図を示し、抗原賦活化処理又は操作に続いてキャップ封止スライドを抗原賦活化ステーションからプリントステーションへ輸送する際に必要とされる操作を示して、抗原賦活化ステーションからキャップ封止スライドを獲得するロボット機構を明確に示す拡大図である。
図15図1の処理器アセンブリの染色モジュールのプリントステーションの保湿器のスロットの整合状態においてx方向で水平に延在するようにエンドエフェクタ及びキャップ封止スライドが90度回転された後の、抗原賦活化ステーションから獲得されたキャップ封止スライドと嵌合するロボット機構又は装置のエンドエフェクタを示す。
図16図14及び図15に示されたロボット機構又は装置により抗原賦活化ステーションから取得されて、各キャップ封止スライドのフランジがプリントステーションの保湿器と接触してスロットのシールを形成するまで保湿器のスロットに縦に配置されたキャップ封止スライドを示す。
図17図1の染色モジュールの一部分の拡大前面図を示し、ロボット機構又は装置によりプリントステーションの保湿器のスロットからキャップ封止スライドを取り出す際に必要とされる操作を示す拡大図である。
図18図1の染色モジュールの一部分の拡大前面図を示し、ロボット機構又は装置によりプリントステーションの保湿器のスロットからプリントステーションの洗浄ステーションへのキャップ封止スライドの自動移送を示す拡大図である。
図19図1の染色モジュールの一部分の拡大前面図を示し、ロボット機構又は装置によりプリントステーションの洗浄ステーションへのキャップ封止スライドの自動移送を示す拡大図である。
図20図1の染色モジュールの一部分の拡大前面図を示し、プリントステーションの洗浄ステーションからプリント位置へ自動的に移送されるキャップ封止スライドを示す拡大図であり、プリントステーションのクレードルはスライドの試料位置の上方のプリント位置まで前進している。
図21図20の21‐21’線における側面図を示し、スライドの上方のクレードルのカートリッジのプリントヘッドと、スライド上の試料の画像を捕捉して試料への試薬又は抗体の載置の為に試料が分析されるように配置された撮像器とを示す。
図22図1の染色モジュールの一部分の拡大前面図を示し、拡大図は、ロボット機構又は装置により染色モジュールの後部入口においてプリントステーションからスライドバスケットへ自動的に移送されるキャップ封止スライドと、キャップ封止スライドをスライドバスケットへ自動的に載置するロボット機構又は装置のエンドエフェクタとを示す。
図23】モジュールの内部区画を露出させるように外部ハウジングの上部外方部分が取り外された図1の処理器アセンブリのコアモジュールの上部前面拡大図を示し、染色モジュールからコアモジュールへ自動的に移送されたスライドバスケットを示し、スライドバスケットはロボット機構又は装置のエンドエフェクタと嵌合している。図23は、脱水ステーションの上方でロボット機構又は装置と嵌合した第2スライドバスケットも示す。
図24図1の処理器アセンブリの染色モジュールで使用され得るプリントカートリッジの一例の上面図を示し、プリントカートリッジは底部に専用キャップを有し、キャップは閉止又は封止位置にある。
図25】カートリッジのプリントヘッドを露出させるようにキャップが開口位置にある図24のプリントカートリッジの上面図を示す。
図26図1の処理器アセンブリの染色モジュールで使用され得るプリントカートリッジの別の例の上面図を示し、プリントカートリッジは、磁気によりカートリッジに装着される専用キャップをその底部に有する。
図27図1の処理器アセンブリのサービスステーションの一例の上面図を示し、サービスステーションはカートリッジキャップ開封エリアを有し、この図は、専用キャップの取り外しの為のキャップ開封エリアへのカートリッジの配置を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下の段落では、添付図面を参照して本発明が例として詳しく記載される。この記載を通して、示される実施形態及び例は、本発明に対する限定ではなく典型例として考えられるべきである。更に、本明細書で開示される実施形態の様々な態様についての言及は、請求される全ての実施形態又は方法が言及された態様を含まなければならないことを意味するわけではない。
【0009】
図1は、処理器アセンブリとも呼ばれる試料処理システムの斜視図を示す。処理器アセンブリ100は、染色モジュール120と接続されてこれとの連通状態にあるコアモジュール110を含むモジュラーアセンブリである。各モジュールは、当該のスライド上の試料(生物標本)の自動処理を行う処理器アセンブリ100の様々なコンポーネントを包囲及び保管する為の内部区画を格納する外部ハウジングを含む。コアモジュール110は、ミクロトームユニットからのスライド上の標本(例えば組織試料)を脱蝋及び焼成するように作用し得る。染色モジュール120は、例えば免疫組織化学染色ユニットである。概して、免疫組織化学染色は、抗原に結合する(例えば特異結合する)抗体を導入することにより、組織切片又は細胞学標本の細胞で抗原(例えばタンパク質)を選択的に識別する処理を必要とする。例えば、発色反応に触媒作用を及ぼし得る酵素あるいは視認時に蛍光を発する蛍光体を接合することにより、抗体・抗原相互作用の可視化が達成され得る。
【0010】
図1を参照すると、処理器アセンブリ100のコアモジュール110の外部前面図は、標本又は顕微鏡スライドの一以上のバスケットが配設されて導入開口部115からコアモジュール110へ装填され、導出開口部125でコアモジュール110から排出され得る棚部又は平坦部112を含む。標本又は顕微鏡スライドは概して、一般的に長さ75ミリメートルと幅26ミリメートル(例えば長さ3インチで幅1インチ)、厚さ約1ミリメートル(厚さ0.04インチ)の薄く平坦なガラス片である。典型的には、スライドバスケットは、サクラファインテックUSA(Sakura Finetek USA, Inc)の10枚スライド又は20枚スライドのティシュー・テック・プリズマ(TISSUE-TEK PRISMA)(登録商標)であり得る。その観点から、コアモジュールは、棚部112の上方のコアモジュール110の前側に配置されるインタフェース135も含む。インタフェース135は、処理器アセンブリ100の操作と関連するコントローラ又はプロセッサに電子的にリンクされるグラフィックユーザインタフェースを例えば含むコンピュータインタフェースである。図1の差し込み図は、インタフェース135に接続されるコントローラ又はプロセッサ136と、プロセッサ又はコンピュータ136に結合されるメモリ137とを示す。インタフェース135は、人間側からの処理器アセンブリ100のコアモジュール110及び染色モジュール120の操作及び制御を可能にするように作用するとともに、コアモジュール110及び染色モジュール120の操作についてのフィードバック情報を提供し得る。コアモジュール110の棚部112の下方には、バルク試薬と廃棄物とが保管され得るモジュールの底部分へのアクセスを提供する引き出し又はドア113が設けられる。プロセッサ136は、臨床実験室の為にデータを記録、管理、保管する実験室情報システム(LIS)などのネットワークに電気的に、あるいはワイヤレスでリンクされ得る。
【0011】
図1は、並置構成でコアモジュール110に接続された染色モジュール120を示す。染色モジュール120は、インクジェット試薬カートリッジの為の冷蔵保管エリアへのアクセスを提供する引き出し121を含む。隣接の引き出し121は、染色モジュール120の内部(試料処理が行われる内部区画)への視覚的アクセスを提供する単数又は複数の窓部122であり得る。単数又は複数の窓部122は、窓部が開けられないようにモジュールのボデーに固定されるか、一以上の窓部が開けられるように(一つの端部又は縁部でのヒンジ接続で)モジュールのボデーに固定され得る。単数又は複数の窓部122が開けられ得る際には、染色モジュール120内のコンポーネントへのアクセスを得るのに単数又は複数の窓部122が使用され得る。染色モジュール120の単数又は複数の窓部122と引き出し121との下方には、バルク試薬と廃棄物容器とが保管され得るモジュールの底部分へのアクセスを提供する引き出し又はドア123と引き出し又はドア124とが設けられている。バルク試薬は、単数又は複数のポンプ(不図示)を含む配管を介してコアモジュール110又は染色モジュール120へ吐出され得る。単独で、あるいは他のバルク試薬との組み合わせで吐出され得るバルク試薬の例は、以下を含むがこれらに限定されるわけではない。トリス緩衝生理食塩水(TBS)、クエン酸ナトリウム生理食塩水(SSC)、蒸留水、脱蝋溶液、アルコール、キシレン。単数又は複数のポンプは、例えばいずれかのモジュールのタンクに供給を行う導管に接続され得る。
【0012】
図2は、各モジュールの内部区画を露出させるようにコアモジュール110及び染色モジュール120の外部ハウジングの上部外側部分が取り外された処理器アセンブリ100の上部前面図を示す。図2を参照すると、コアモジュール110は、焼成・脱蝋ステーション1110とスライド識別ステーション1120と脱水ステーション1130とを含む概ね水平の処理プラットフォーム1101へ移行する棚部112を含む。典型的には、(例えば導入開口部115(図1参照)から)スライドのバスケットがコアモジュール110へ導入されると、スライド識別ステーション1120へバスケットが運ばれ、ここでバスケットの各スライドのラベルに走査、読取、及び/又は、撮像が個別に行われる。各スライドは、走査、読取、及び/又は撮像の後でバスケットへ戻され、バスケットは焼成・脱蝋ステーション1110へ輸送され、ここで試料をスライドに付着させてから試料を露出させるようにスライドがグループとして処理される。コアモジュール110のハウジングの側壁(例えば左側壁)に装着され得るレール1145上を移動するロボット機構1140により、バスケットがスライド識別ステーション1120から焼成・脱蝋ステーション1110へ、そしてその中を輸送される。バスケットのスライドへの試料の付着及び脱蝋に続いて、コアモジュール110から染色モジュール120へバスケットが輸送される。コアモジュール110のハウジングの側壁(例えば後部側壁)に装着され得るレール1147上を移動するロボット装置1150により、バスケットがスライド識別ステーション1120から焼成・脱蝋ステーション1110へ、そしてその中を輸送され得る。そして各スライドが染色モジュール120で染色されてから、染色されたスライドを格納するバスケットが、更なる処理の為にコアモジュール110及び脱水ステーション1130へ戻される。コアモジュール110のハウジングの側壁(例えば右側壁)に装着され得るレール1135上を移動するロボット装置1137により、バスケットが脱水ステーション1130へ輸送され得る。
【0013】
やはり図2を参照すると、染色モジュール120は、キャップステーション1230と抗原賦活化ステーション1240とプリントステーション1270とを任意で含む概ね水平の処理プラットフォーム1201を含む。典型的には、レール1147上を移動するロボット機構1210を使用して、スライドのバスケットが(例えばコアモジュール110から)染色モジュール120の(図では)後部入口へ自動的に導入/輸送される。染色モジュール120の内側では、バスケットの各スライドがキャップを受容し得る。キャップはスライドの端部に装着されて、ロボット機構又は装置による(例えばエンドエフェクタによる)スライドの個別的な把持及び移動を補助し得る。別の例で、ロボット機構は、キャップの使用を伴わずにスライドを自動的に把持及び移動させる(例えば、両側縁部でスライドを縦に把持するか両側で挟持する(ピンチグリップ))ことのできるエンドエフェクタを含む。個別的な把持及び移動(輸送)を補助するようにスライドが封止される際には、ロボット機構1210を使用してキャップ保管ステーション1230からキャップを個別に獲得するとともにバスケットのスライドにキャップを装着することにより、スライドが封止され得る。バスケットの各スライドが封止されると、スライドは抗原賦活化ステーション1240へ個別に輸送される。抗原賦活化ステーション1240では、試料の中又は上の抗原部位を露出させるようにスライドが高い温度及び圧力での抗原賦活化処理を受ける。抗原賦活化ステーション1240から、プリントステーション1270へスライドが個別に輸送される。プリントステーション1270で、スライドが個別に洗浄されてから、識別の為の着色外観と、続いてビジョンシステムを介した標本への試薬の適切な塗着の検証とを提供し得る試料と他の酵素及び試薬との標的露出抗原に結合される抗体などの試薬をプリントするようにインクジェットプリント処理が実施される。レール1252上を移動するロボット機構1255を利用して、スライドが1枚ずつプリントされ得る。プリントステーション1270でのプリント処理に続いて、スライドがバスケットへ装填され、そのキャップが取り外される。そしてバスケットが再びコアモジュール110へ輸送され、バッファに保管されるか、脱水ステーション1130で脱水処理を受ける。バッファ保管又は脱水処理は、バスケットのスライドについて同時に実施され得る。脱水処理に続いて、処理済みスライドを格納するバスケットが導出口125から排出される。
【0014】
図3は、モジュールの内部区画を露出させるように外部ハウジングの上部外方部分が取り外されたプロセッサアセンブリ100のコアモジュール110の上部前面拡大図である。例示目的で、図3は、スライドを格納する6個のバスケット(バスケット210A、バスケット210B、バスケット210C、バスケット210D、バスケット210E、バスケット210F)を示す。バスケット210D及び210Eはコアモジュール110の外側の棚部112上にある(図3参照)のに対して、バスケット210A,210B,210C,210Fはコアモジュール110の内側にあって、コアモジュールが同時又は近時に異なるステーションで多数のスライド(例えば多数のスライドバスケット)を処理できることを表している。バスケット210Cは、第1スライド識別ステーション1120で導入部115の内側に配置されている。第1スライド識別ステーション1120は典型的には、2019年3月29日に出願された「独立型スライド識別リーダ(Stand Alone Slide Identification Reader)」の名称の米国特許出願第16/370879号に記載されたものに類似の走査及び/又は撮像装置を含み得る。米国特許出願第16/370879号には、サクラファインテックUSA(Sakura Finetek USA, Inc)から市販されている10枚スライド又は20枚スライドのティシュー・テック・プリズマ(TISSUE-TEK PRISMA)(登録商標)などのスライドバスケットを受容して、自動的にバスケットの各スライドを個別に持ち上げてスライド上のラベルの画像を読み取る及び/又は捕捉するデバイスが記載されている。
【0015】
図4は、第1スライド識別ステーション1120に配置され得る走査及び/又は撮像装置の左上側斜視図を示す。第1スライド識別ステーション1120はコアモジュール110の投入部115に隣接して所在し、米国特許出願第16/370879号に記載の装置に類似した装置300を含み、外部ハウジングは取り外されている。装置300は、コアモジュール110でスライドバスケット210Cが手作業又はロボットにより載置され得るトラック324を含む。投入部115を通ったコアモジュール110の内側には、トレイ310が設けられる。図4は、典型的には矩形プレート形状を有するものとして示されている底部302を含む装置300を示している。底部302から垂直に突出するのは、やはり矩形プレート形状を有する支持体304である。支持体304に配設されるのはトラック324及びトレイ310(破線で図示)である。トレイ310の一端部においてトレイ310の上方で支持体304から突出するのは台部306である。台部306にはセンサ401が取り付けられている。
【0016】
トレイ310は、典型的には比較的薄いアルミニウム材料である。トレイ310の側壁はその底部から垂直に突出してバスケット210を収納するように離間している。バスケット210は側壁支持体235Aと側壁支持体235Bとをその両側に含む。側壁支持体235A及び235Bは、矢印の先端が(バスケット210から)外向きである矢印形状である。バスケット210がトレイ310内に嵌着するように、トレイ310の側壁は側壁支持体235A及び235Bの形状に対応する形状を有する。
【0017】
図5は、底部302と支持体304とトラック324と台部306とが取り外された図4の装置300を示す。図示されているように、トレイ310の底部は、その長さの大部分にわたって開口部を有する。開口部の中に配設されるのは、プラスチックベルトなどのベルト又はトラック320である。一実施形態において、ベルト320はローラ325A及びローラ325Bに配設される。ローラ325A及び325Bは、ほぼトレイ310の長さの距離だけ隔離され得る。ローラ325A及びローラ325Bの各々は、その外周を画定する幾つかの等間隔鋸歯を有し得る。ベルト320の片側(ローラ325A及び325Bに面する側)は、ローラの鋸歯と係合するように作動可能な類似間隔の鋸歯を有する。ローラ及びベルト320の鋸歯の間隔は、ベルトが切欠き245ごとにバスケット210を停止できるように、長手方向配置のスライドを互いから隔離するバスケット210の切欠き245の間隔と類似している。一実施形態において、ローラ325Bはロッド又は心棒332によってモータ330に接続されている。一実施形態において、モータ330は、ローラ325Bを回転させるように作動可能な電動ステップモータである。ローラ325Aは心棒330に配設されてここで回転可能である。
【0018】
図4及び図5は、バスケット210の個々のスライドを持ち上げる為の電動アセンブリも示す。装置は、この実施形態ではU形状プッシュバー350を含み、プッシュバー350の垂直突出部の一端部は、トレイ310の底部の開口部とバスケット210の開口部及び底部230で垂直に移動するように配置される。プッシュバー350の他の垂直突出部はトレイ310の外側に配置されている。接続ロッド360は、一端部でプッシュバー350に、第2端部でL形状回転アーム370に接続される。回転アーム370は、ロッド382を通してモータ380に接続される。一実施形態において、モータ380は、ロッド382を回転させるように作動可能な電動モータである。ロッド382の回転は、回転アーム370を回転させる。回転アーム370は接続ロッド360に旋回可能に接続され、回転アーム370の回転は接続ロッド360を上下に移動させる。接続ロッド360の上下移動は、それ自体がモータ380の回転で上下に移動するプッシュバー350に伝達される。上向き移動はプッシュバー350の垂直アームをバスケット210の内外へ(バスケットの底部の内外へ)前進させて、スライドの一端部がバスケット210の底部に嵌着する位置に対して垂直(Y方向)にバスケット210の個別スライド(スライド290)を持ち上げる。個別スライド(スライド290)をバスケット210から持ち上げる際に、スライドのエリア2901が露出され、センサ401により読取及び/又は検知(例えば撮像)が行われ得る。
【0019】
図6及び図7は、底部302と支持体304とトラック324と台部306とが取り外された装置300の上側斜視図を示し、バスケット210でのスライドの持ち上げ及び復帰を示す。図6及び図7を参照すると、図は、垂直突出部3502と垂直突出部3504とを含んで横突出部3503により隔離されるプッシュバー350を示す。この実施形態で、プッシュバー350の垂直突出部3502は、(例えばバスケット210の底部230の開口部から)バスケット210内に収納され得る幅と、スライド290の厚さとほぼ等しく切欠き245の幅ほど厚くない厚さとを有する。図6は、バスケット210の下方(バスケットの底部の下方)にあるプッシュバー350の垂直部分3502と、バスケット210の底部230のスロットに置かれたスライド290とを示す。図6において、回転アーム370は下方位置にある。図7は、上方位置の回転アーム370を示す。回転アーム370を下方から上方位置へ移動させることにより、63mmから75mm(2.5インチから3インチ)程度の典型的な距離で接続ロッド360がプッシュバー350を持ち上げる。バスケットのスライドは、スライド上の切片を露出させるのに充分な距離だけ持ち上げられる(切片は、包埋剤(例えばパラフィン)より包埋及び囲繞される試料である)。この切片の露出により、この切片の画像がセンサ401により捕捉され得る。プッシュバー350が持ち上げられると、プッシュバー350の部分3502がバスケット210に入ってスライド290の端部を押圧してスライド290を上向きに押すので、スライド290の一端部はもはやバスケット210の底部230と隣接又は接触していない。プッシュバー350の垂直移動は線形ガイド385により案内される。スライド290は上方位置にあって、バスケット210の外側部分はバスケット210に入れ子収容され得る他のスライドよりも長くなっている。スライドの部分2901は上に記載されたセンサにより検知(撮像)され得る。
【0020】
スライド識別ステーション1120でベルト320の一部分に乗るようにスライドバスケット(例えばスライドバスケット210C)が装置300のトラック324に載置されると、ベルト320はバスケットの底部の鋸歯(鋸歯250)と嵌合し、検出センサ345がバスケットの存在を検出する。そして(例えば、検出センサ345がモータ330へ信号を送ると)モータ330によりベルト320が自動的に前進して、バスケット210Cはセンサ401の方向に前進する。バスケット210Cが前進すると、検出センサ340がバスケット210内のスライドの存在を検出し、モータ380が作動して、バスケット210内のスライドを持ち上げるようにプッシュバー350を上向きに押す。検出センサ330はプッシュバー350の前進を検知する。検出センサ330からセンサ401への信号はスライドの上昇を警告し、そしてセンサ401は上昇スライドの情報の検知(例えば読取、撮像)を行う。検知後に、スライドがバスケット210(ブロック470)へ降下し、そしてモータ330によりベルト320が前進して、検出センサ340がバスケット210内の別のスライドを検出するまでバスケット210を前進させる。スライドが検出されると、スライドが上昇して検知される。
【0021】
装置300は、モータ330とモータ380との動きを調整するプロセッサ136に電気接続され得る。プロセッサ136は、モータ330と検出センサ340と検出センサ345の各々から信号を受信又は獲得するように作動可能である。プロセッサ136は、実行時にプッシュバー350を上昇させ、プッシュバー350により上昇したスライドの検出(例えば読取、撮像)をセンサ401に行わせる非一時的機械可読命令を格納する。実行可能命令は、バスケット210内の別のスライド位置の下にプッシュバー350を配置する距離だけプッシュバー350、そしてステップモータ380を下降させる命令も含む。実行可能命令は更に、バスケット内の全てのスライドがセンサ401により個別に検知された時に、スロット120からバスケット210を排出させる命令を含む。
【0022】
センサ401は、プロセッサアセンブリ100のメモリ(例えばメモリ137)及び/又は臨床検査の為にデータを記録、管理、保管するソフトウェアシステムである臨床検査情報システム(LIS)に接続され得る。センサ401が例えばバーコードリーダ又はスキャナであると、センサ401は、スライドに(例えばスライドラベル又はスライドのフロストエリアに)プリントされる一つ又は複数のバーコードを読み取って任意で記録するように作動可能である。この情報は、患者データ(氏名、入院時担当医、発注部門、標本タイプ等)と、スライド上の標本の染色又は他のプロトコル(例えば受入数)を含み得るが、これらに限定されるわけではない。センサ401により読み取られる情報はプロセッサ136又はLISへ送信され、システムはスライドを追跡して、標本について必要な染色プロトコルあるいは他の準備プロトコルを実施できる。バーコードリーダ又はスキャナがスライドから情報を検知するように作動可能であるセンサの一例であることは認識されている。別の実施形態において、センサ401は、カメラ又は他のリーダ(例えば無線周波数識別(RFID)リーダ)であり得る。典型的には、図4に示されているようなリーダ4012とスキャナ/撮像器4014とをセンサ401が含み得る。リーダ4012はバーコードリーダ又はスキャナ(あるいはスライド上の識別情報の他のリーダ又はスキャナ)であり、スキャナ/撮像器4014はスライド上の試料の画像を捕捉(例えば走査)するように作動可能である。スライドが最初にコアモジュール110へ導入されると、スライド上の試料は一般に切片と呼ばれるパラフィンなどの包埋剤に配設される、及び/又は、これが浸透し得る。包埋剤は一般的に、包埋剤に配設された試料よりも大きなスライドの表面上のエリアを占める。プロセッサ136の実行可能命令は、この切片の試料で可能な最初の識別が判断され得るように、全体部分を含む切片の一部分の画像を捕捉するようにスキャナ/撮像器4014に指示する。捕捉された切片の画像はメモリ137に記憶又は保存され得る。大抵、パラフィンなどの包埋剤により、試料は、周囲の包埋剤(例えばパラフィン)とは異なる色を呈し得る(例えばより不透明である)。プロセッサ136はこの色の相違を使用してスライド上での試料の位置を概算し得る。例えば、プロセッサ136の実行可能命令は、スキャナ/撮像器4014により捕捉された記憶画像にグリッドを重ねて、(例えば、波長差を使用して)包埋剤の色との色差により切片の試料を検出する命令を含み得る。グリッドと関連するデカルト座標を使用して、試料の概算位置が判断され、この位置は部材137に記憶又は保存される。
【0023】
スライドバスケット(例えばスライドバスケット210C)の全てのスライドがセンサ401により検出されると、スライド識別ステーション1120からスライドバスケットが取り出され得る。図示されているように、ティシュー・テック・プリズマ(TISSUE-TEK PRISMA)(登録商標)スライドバスケットのようなスライドバスケットは、バスケットの上に配置され得るハンドルを有する。スライドバスケットのハンドルは、ロボット移送アセンブリにより支持及び/又は嵌合されてからコアモジュール110内で移動される。図2及び図3は、レール又はトラック1145とロボット装置1140とを含むロボット移送アセンブリを示す。レール又はトラック1145はコアモジュール110の内壁(図では左壁)に装着されるか、モジュールの壁の内側に隣接して、あるいは他の位置で自立している。ロボット装置1140は、ロボット動作(トラック1145上でのロボット装置1140の移動とロボット装置1140により実施される処理タスク)を制御し得るロボットコントローラ1141(図3参照)を含む。ロボットコントローラ1141は、配線又はワイヤレスでプロセッサ136に連結される。機械可読プログラム命令がプロセッサ136とロボットコントローラ1141との間で(例えばロボットコントローラ1141に指示するようにプロセッサ136から)送信されて、所望のプロトコルを実施する。ロボットコントローラ1141は、命令を確認すると、及び/又は、プロセッサ136に指示された動作を完了した後に、単数又は複数の信号を再びプロセッサ136へ送信し得る。スライド識別ステーション1120から、プロトコルではスライドバスケット(例えばスライドバスケット210C)を焼成・脱蝋ステーション1110へ移送し得る。ロボット装置1140のエンドエフェクタ(例えばロボット装置の遠位端部のフック又は横延在バー)がスライドバスケットのハンドルへ操作されてから上がってハンドルによりスライドバスケットを上昇させるのに充分な高さに、レール又はトラック1145が配置され得る。そしてスライドバスケット(例えばスライドバスケット210C)が上昇し、そして焼成・脱蝋ステーション1110へ移送される。
【0024】
スライド上の試料(例えば組織試料)の染色に先立って、試料をスライドに付着させるようにパラフィン包埋試料が焼成されてから、水性溶液が試料に浸透するように脱パラフィン化(脱蝋)され得る。焼成・脱蝋ステーション1110では、パラアフィン包埋試料を各々が格納する一以上のスライドを格納するスライドバスケットが、試料を焼成してから脱蝋する一連の操作を受け得る。これらの操作は、スライドがスライドバスケットにある間に実施されて多数の試料が一緒に焼成及び脱蝋されることを可能にする。典型的には、焼成・脱蝋ステーション1110は、各々が専用蓋体を含む三つのタンク又は区画を含む。プロセッサ136からの命令を介して自動的に作動し得るヒンジに、各蓋体が接続され得る。タンク又は区画1112は、焼成操作の一部としてスライドバスケットのスライドを加熱するように作動可能である。スライド上の試料がスライド(ガラススライド)に接着又は追加接着するとともに、可能であればスライド上の切片と関連する包埋剤を軟化させるのに充分な熱処理が行われるべきである。典型的には、タンク又は区画1112の容積の内側の温度を55℃から70℃程度の温度まで上げるのに充分である抵抗加熱要素が、タンク又は区画1112の外面の一以上の側に敷設され得る。タンク又は区画1114は、スライドバスケットに縦に配置されたスライドの試料部分を浸漬させるのに充分な容積のキシレンなどの脱蝋溶液を含む。タンク又は区画1114は、類似か異なる脱蝋溶液を格納する一連のタンク又は区画であり得る。タンク又は区画1114の為の多数のタンク又は区画の一例は、一定容積のキシレンを格納する第1タンク又は区画と、一定容積のアルコール(例えばエチルアルコール)を格納する第2タンク又は区画である。タンク又は区画1116は、水又は他の水性洗浄溶液など一定容積の洗浄溶液を含む。タンク又は区画1116は、スライド上の試料を染色するエオシンなど一定量の染色剤も洗浄溶液に含み得る。概して、脱蝋操作に続いて、切片の包埋剤が除去されると、実質上無色の物体として試料がスライドに残る。洗浄溶液にエオシンなど一定量の染色剤を追加すると、スライド上での試料の存在及び位置が検出され得る。
【0025】
プロセッサ136における実行可能命令の制御を受けて焼成・脱蝋処理が自動的に進行し得る。このような命令は、タンク又は区画の一以上の蓋体の個別開口、タンク又は区画へのスライドバスケットの載置、操作(例えば焼成、脱蝋等)の時間、タンク又は区画からのスライドバスケットの取り出しと、一以上の蓋体の閉止の命令を含み得る。スライドバスケットのスライドに試料を付着させて脱蝋する焼成・脱蝋処理の一例として、タンク又は区画1112の蓋体が自動的に開口してから、タンク又は区画1112でロボット装置1140によりスライドバスケット(スライドバスケット210C)が載置され、個別スライドに試料を付着させて個別スライド上のパラフィンを溶融させるのに充分な焼成処理を(例えば5~60分)受ける。ロボット装置1140はスライドバスケットをタンク又は区画1112へ移送して、スライドバスケットのハンドルから脱嵌合させる。そして、焼成操作の期間にわたって、タンク又は区画1112の上部でドア又は蓋体が自動的に閉止される。焼成操作に続いて、タンク又は区画1112の上のドア又は蓋体が自動的に開口し、そしてロボット装置1140はスライドバスケット(例えばスライドバスケット210B)と嵌合して、ハンドルによりスライドバスケットをタンク又は区画1114へ移送し得る。タンク又は区画1114の上のドア又は蓋体は自動的に作動して開口し、ロボット装置1140はスライドバスケットをタンク又は区画1114へ移送してスライドバスケットを脱嵌合させる。タンク又は区画1114は、少なくともスライドバスケットのスライド上の試料を単数又は複数の脱蝋溶液に浸漬させるのに充分な一定量(容積)の単数又は複数の脱蝋溶液を格納し得る。タンク又は区画1114へのスライドバスケットの自動移送に続いて、タンクのドア又は蓋体が自動的に閉止され得る。バスケットのスライドは典型的な脱蝋操作を3~5分受け得る。タンク又は区画1114は、脱蝋操作中に単数又は複数の脱蝋溶液を攪拌する攪拌器(例えば磁気スターラー)を含み得る。代替的に、タンク又は区画1114のドア又は蓋体が開口したままで、タンク又は区画1114へのスライドバスケットの移送時にスライドバスケットと脱嵌合するのではなく、ロボット装置1140は、脱蝋操作中にスライドバスケットを昇降させてタンク又は区画の単数又は複数の脱蝋溶液を攪拌してもよい。脱蝋操作に続いて、ロボット装置1140はスライドバスケットをタンク又は区画1116へ自動的に移送する。そしてタンク又は区画1114のドア又は蓋体が自動的に閉止され、タンク又は区画1116のドア又は蓋体が自動的に作動して開口し、ロボット装置1140はスライドバスケットをタンク又は区画1116へ移送し得る。タンク又は区画1116は、少なくともスライドバスケットのスライド上の試料を単数又は複数の洗浄溶液に浸漬させるのに充分な一定量(容積)の単数又は複数の洗浄溶液を格納し得る。バスケットのスライドは典型的な洗浄操作を3~5分間受け得る。タンクまたは区画1116と関連するドア又は蓋体は洗浄操作中に閉止され、洗浄溶液が攪拌され得る。代替的に、ロボット装置1140は洗浄操作中にスライドバスケットとの嵌合を維持して、スライドバスケットを反復的に昇降させ、洗浄溶液を攪拌し得る。
【0026】
上に記載したように、タンク又は区画1116の洗浄溶液は、スライド上の試料を少なくとも一時的に着色又は染色し得るエオシンなどの染色剤を含有し得る。焼成・脱蝋ステーション1110での焼成・脱蝋に続いて、バスケット(例えばバスケット210F)のスライドは第2スライド識別ステーション1121へ自動的に移送され得る。第2スライド識別ステーション1121は第1スライド識別ステーション1120と類似しており、スライド識別情報の走査又は読取を行う為のリーダと、スライド上の試料の画像を捕捉(例えば走査)する為のスキャナまたは撮像器とを含み得る。焼成・脱蝋ステーション1110で洗浄溶液に染色剤が追加される例では、スライド上の試料はこの染色剤の一部分で着色され得る。第2スライド識別ステーション1121でのスキャナ/撮像器は、スライド上での試料の位置が判断されるように試料の画像を捕捉することが可能である。プロセッサ136の実行可能命令は、全体部分を含めて試料の一部分の画像を捕捉するように第2スライド識別ステーション1121のスキャナ/撮像器を指示し得る。試料の捕捉画像はメモリ137に記憶又は保存され得る。プロセッサ136は、記憶又は保存された画像からスライド上での試料の位置を概算し得る。例えば、プロセッサ136の実行可能命令は、記憶された画像にグリッドを重ね、(例えば波長差を使用して)スライドの色に対する色差により試料を検出する命令を含み得る。グリッドと関連するデカルト座標を使用して、試料の概算位置が判断され、この位置は部材137に記憶又は保存される。代替的又は付加的に、第2スライド識別ステーション1121で捕捉された試料の記憶画像は、第1スライド識別ステーション1120から前に捕捉及び保存された画像と比較され得る。この比較に基づいて、スライド上での試料の位置が判断され得る。試料へのプリント媒体の射出に焦点を当てて、試料が存在していないエリアでのプリントと関連する無駄を最小にするために、この位置情報は後のプリント操作で使用する為にメモリ137に保存され得る。洗浄溶液に染色剤が追加されないか、第2スライド識別ステーション1121で画像が精密に捕捉されるのに染色剤が充分でない状況では、第1スライド識別ステーション1120から記憶/保存された試料の位置情報が後でプリント操作に使用され得る。
【0027】
第1スライド識別ステーション1120と第2スライド識別ステーション1121とが図示及び記載されている図3と関連の文章に関して例示されているように、コアモジュール1110が多数のスライド識別ステーションを格納し得ることが認識されている。別の例で、焼成・脱蝋ステーションに続いて、スライドのバスケットが第1スライド識別ステーション1120へ復帰して、第1スライド識別ステーション1120は脱蝋操作の後に試料の画像を捕捉し得る。
【0028】
脱蝋操作の後のスライドバスケットのスライド上の各試料の画像の捕捉に続いて、スライドバスケットが染色モジュール120へ移送され得る。スライドバスケットはロボット移送アセンブリを使用して移送され得る。図2及び図3は、レール又はトラック1147とロボット装置1150とを含むロボット移送アセンブリを示す。レール又はトラック1147はコアモジュール110の内壁(例えば図では後壁)に装着され得るか、モジュールの壁の内側に隣接して、あるいは他の位置で自立し得る。図2に図示されているように、レール又はトラック147はコアモジュール110から染色モジュール120へ延在し得る。ロボット装置1150は、ロボット動作(例えばトラック1147でのロボット装置1150の移動とロボット装置1150により実施される処理タスク)を制御し得るロボットコントローラ1151(図3参照)を含み得る。ロボットコントローラ1151は配線又はワイヤレスでプロセッサ136に連結され得る。機械可読プログラム命令は、所望のプロトコルを実施するようにプロセッサ136とロボットコントローラ1151との間で(例えばロボットコントローラ1151を指示するようにプロセッサ136から)送信される。ロボットコントローラ1151は、命令を確認して、及び/又は、プロセッサ136により指示された動作を完了した後に、単数又は複数の信号を再びコンピュータ136へ送信し得る。第2スライド識別ステーション1121から、プロトコルにより、スライドバスケット(例えば図3のスライドバスケット210A)を染色モジュール120へ移送させ得る。ロボット装置1150のエンドエフェクタ(例えばロボット装置の遠位端部のフック又は横延在バー)がスライドバスケットのハンドルの下で操作されてから上がってハンドルによりスライドバスケットを上昇させるのに充分な高さに、レール又はトラック1147が配置され得る。そしてスライドバスケット(例えばスライドバスケット210A)が上昇してレール又はトラック1147上を染色モジュール120まで移送され得る。
【0029】
処理プラットフォーム1201のコアモジュール110から染色モジュール120への入口に配置されるのは、この例では、スライドバスケットが手作業又はロボットにより載置され得る2本のレーンを含むトレイ1206である。トレイ1206のレーン12061はコアモジュール110から染色モジュール120へ向けられるスライドバスケット用であることが想定されるのに対して、レーン12062は染色モジュールからコアモジュール110へ向けられるスライドバスケット用であることが想定され得る。代替的に、トレイ1206の各レーンが、染色モジュール120へ向けられるかコアモジュール110へ向けられる(染色モジュール120から戻る)スライドバスケットを収納することが想定されてもよい。トレイ1206の各レーンは、典型的には、底部から垂直に突出してスライドバスケットをレーンに収納するように離間した比較的薄いアルミニウム材料の側壁(例えば側壁1207)を含む。上に記したように、図4では、10枚スライド又は20枚スライドのティシュー・テック・プリズマ(TISSUE-TEK PRISMA)(登録商標)スライドバスケットなどのスライドバスケットは、特定形状を有する側壁支持体を含み得る(例えば、図4に示されている側壁支持体235A及び235Bは矢印の先端が外向きの矢印形状である)。スライドバスケットがトレイ310に嵌着するように、トレイ1206の側壁は側壁支持体の形状に対応する形状を有し得る。
【0030】
各レーンのトレイ1206の底部は、染色モジュール120とコアモジュール110のいずれかへ水平にスライドバスケットを輸送するようにベルトが配設された開口部をその長さの一部分に有し得る。可動ベルトは、スライド識別装置300(図5参照)を参照して記載されて、ローラに配設されるベルト又はトラック320に類似しており、一つのローラがモータにより回転される。ローラの鋸歯と係合するように作動可能な類似間隔の鋸歯を有するベルトの片側(ローラに面する側)とその外周を画定する幾つかの等間隔の鋸歯を各ローラが有し得る。ローラ及びベルトの鋸歯の間隔は、一つの長手配置スライドを互いに隔離するスライドバスケットの切欠きの間隔に類似し得る。
【0031】
再び図3を参照すると、ロボット装置1150は、第2スライド識別ステーション1121からのスライドバスケット(例えばスライドバスケット210A)と嵌合して、(レール1147上を水平に移動することにより)スライドバスケットを輸送してスライドバスケットをトレイ1206へ送達し得る。それからスライドバスケットが染色モジュール120へ水平に輸送され得る。図2と付随する文章とを参照して上に記されたように、染色モジュール120は、キャップ保管ステーション1230と抗原賦活化ステーション1240とプリントステーション1270とを含む。図8は、キャップ保管ステーション1230を含む染色モジュールの一部分の拡大図を示す。図8はまた、トレイ1206と、トレイ1206のレーン12061のスライドバスケット210Aとを示す。レーン12061はキャップ保管ステーション1230に隣接したエリアを終端とする。既に記したように、スライドバスケットが(例えばコアモジュール110から)染色モジュール120へ導入された時に、スライドバスケットの各スライドは、染色モジュール120のステーション内でロボット装置のエンドエフェクタによるスライドの輸送を補助するキャップを受容し得る。やはり既に記したように、キャップの使用は任意であり、キャップを伴わずにスライドを確実に把持し得るエンドエフェクタによりスライドが個別に輸送されてもよい。図8は、レール1147に接続されたロボット装置1210を示す。ロボット装置1210はロボット動作(例えばトラック1147上でのロボット装置1210の移動とロボット装置1210により実施される処理タスク)を制御し得るロボットコントローラ1211を含み得る。ロボットコントローラ1211は配線又はワイヤレスでプロセッサ136に連結される。レール又はトラック1147は、ロボット装置1210のエンドエフェクタ1212がキャップ保管ステーション1230からの未使用キャップに個別にアクセスしてスライドバスケット210Aの各スライドにキャップを載置するのに充分な高さに配置され得る。ロボット装置1210を含むロボットアセンブリには少なくとも3本の移動軸線が設けられる。x移動方向は、レール1147上でのロボット装置1210の横(例えば水平)移動で見られる。ロボット装置1210は、長さLを有してレール1147から染色モジュール120へ突出する矩形ボデーを有する。矩形ボデーの底部に装着されるのはエンドエフェクタ1212である。ロボット装置1210の長さLに沿ってエンドエフェクタ1212が移動できることにより、y移動方向が得られる。ロボット装置1210の底部は、エンドエフェクタが摺動可能に装着されるレールを含み得る。エンドエフェクタ1212は更に、z方向(上下)で移動してスライドと嵌合し、これを移動させることができる。最後に、エンドエフェクタ1212は、エンドエフェクタ1212のアームを(時計方向及び/又は反時計方向に)回転させるジョイント1213を有する。
【0032】
トレイ1260あるいはトレイ1260のレーン12601及びレーン12602の各々は、底部で開口し、トラックと、図4乃至7を参照して上に記載された第1スライド識別ステーション1120に配置され得る走査及び/又は撮像装置に類似した、スライドバスケットの個々のスライドを持ち上げる為の電動アセンブリとを含む。この例によれば、スライドバスケット210Aの個々のスライドがキャップを受容するように昇降し得る。ロボット装置1210は、キャップ保管ステーション1230まで移動してキャップを獲得するようにロボットコントローラ1211及び/又はプロセッサ136からの実行可能命令により指示され得る。キャップはエンドエフェクタ1212と嵌合し、そしてキャップがスライドバスケット210Aへ移送され、ここで上昇するか持ち上げられたスライド(例えばスライド160a)に嵌着する。
【0033】
図8の差し込み図は、一端部に設けられたキャップ1235を有するスライド160aを示す。キャップ1235は、識別ラベルを含むスライド160aの一端部に載置されるものとして示されている。図示されているように、キャップ1235は、開口後端部12354と反対の前端部12353とを有する矩形ボデー12352を含む可撓性ポリマー構造であり得る。開口後端部12354と前端部12353とが連続開口部の一部であるか後端部と前端部との間の一部分が閉止され得るように、ボデー12352は中空であり得る。キャップ235は、第1側と反対の第2側とを有する矩形中実フランジ12356を含み、フランジ12356の第1側はボデー12352の前端部12353に接続されている。図示されているように、フランジ12356の断面積はボデー12352の前端部12353の断面積より大きい。キャップ1235は更に、フランジ12356の第2側から延出する一対の脚部を含む。脚部12358aは、スライド(スライド160a)の幅と等しい距離、例えば26ミリメートル(1インチ)だけ脚部12358bから隔離されている。図示されているように、スライドラベルを含むスライドの上部とキャップ235が嵌合すると、一対の脚部と嵌合するスライドの面が視認可能であるような距離だけ脚部が互いから隔離される。脚部12358a及び脚部12358bの各々は、例えば10ミリメートルから25ミリメートルの長さ寸法を有する。脚部12358a及び脚部12358bの各々は、脚部の長さに延在し得る内向き凹溝を有し得る。各脚部が三つの表面(上側表面、底側表面、側縁表面)でスライドと接触するように、凹溝はスライドの側縁部と嵌合するような寸法を有し得る。脚部12358a及び脚部12358bとスライド(スライド160a)との嵌合は、キャップがスライドと嵌合すると、キャップ封止スライドがボデー12352で持ち上げられ、移動され、及び又は輸送されてスライドが脱嵌合しないようなものである。
【0034】
図8は、スライドバスケット210Aのキャップ封止スライド160aと嵌合するロボット機構1210を示す。ロボット機構1210は、キャップ1235の開口後端部12354に挿入されて圧力嵌めによりキャップと嵌合する寸法(長さ、幅、厚さ)を有するスペード状端部を有するエンドエフェクタ1212を含む。上記のように、ロボット機構1210の為のプロトコルは、未使用キャップをキャップ保管ステーション1230から獲得し、そしてバスケット内のスライドを下向きに押圧することによりスライドバスケット210Aのスライド(スライド160a)の端部にキャップを載置することであり得る。スライドがキャップ封止されると、キャップ封止スライド(スライド160a)がスライドバスケット210A内で降下され、スライドバスケット内のスライド全てがキャップ封止されるまで処理が反復される。
【0035】
スライドバスケット210Aのスライドがキャップ封止されると、キャップ封止スライドが抗原賦活化ステーション1240へ個別に移送され得る。図9は、抗原賦活化ステーション1240を含む染色モジュール120の一部分の拡大図を示す。抗原賦活化ステーション1240は、賦活化剤が格納される一以上の室を含み得る。室が二以上であれば、同じか異なる賦活化試薬を使用する機会が得られる。図9は、二つの室、つまり処理プラットフォーム1201内で並置構成された室1241と室1243とを示す。各室は上方部分にインサートを含む。図9は矩形スロットを有するインサート1242を示し、各スロットは、スライドの幅及び厚さとほぼ等しいかこれより若干大きい寸法を有する。図示されているように、インサート1242は、多数のスライドが室1241で一度に処理される為の多数のスロットを有する。室1241及び室1243の各々のスライドに旋回接続されるのは、プロセッサ136からの命令により自動的に開閉作動される蓋体(それぞれ蓋体1245及び蓋体1246)である。図9は、室1241の内容物を露出させる開口位置の蓋体1245と、室1243の内容物を被覆する閉止位置の蓋体1246とを示す。蓋体1245,1246により、抗原賦活化処理中にそれぞれの室が加圧され得る。
【0036】
スライドバスケット(スライドバスケット210A)のキャップ封止スライドは、ロボット装置1210により抗原賦活化ステーション1240へ運ばれ得る。ロボット装置1210は、例えば、連結されたコンピュータ136であり得るロボットコントローラ121からの命令により指示され得る。ロボット装置1210のエンドエフェクタ1212はキャップ封止スライドステージングステーション1230で操作され、キャップ封止スライドを獲得し、キャップによってキャップ封止スライドを抗原賦活化ステーション1240まで移送し得る。そしてキャップ封止スライドは抗原賦活化ステーション1240の室へ縦に挿入される。図9は、キャップ封止スライド160aと嵌合してキャップ封止スライド160aを室1241のインサート1242のスロットへ挿入するエンドエフェクタ1212を示している。キャップ封止スライド160aはインサート1242を通ってキャップのフランジの高さまで挿入され得る(キャップのフランジはスロットの長さ及び/又は幅寸法より大きい長さ及び/又は幅寸法を有する)。挿入されると、キャップ封止スライドはエンドエフェクタ1212から隔離される。図9に見られるように、室1241はインサート1242に幾つかのスロットを有して、抗原賦活化処理の為に多数のスライド(例えば6枚のスライド)を室に載置することができる。一つのキャップ封止スライドを室1241へ装填した後に、ロボット装置1210はスライドバスケット(スライドバスケット210A)へ戻り、別のキャップ封止スライドを獲得して室1241まで移送し得る。室1241のインサート1242の全てのスロットが充填されるまで、獲得及び移送処理が継続し得る。獲得及び移送が完了すると、蓋体1245が閉止されて抗原賦活化処理が進行し得る。プロセッサ136からの実行可能命令により蓋体は自動的に開口及び閉止され得る(例えば、命令は、蓋体のヒンジと関連する電気モータに蓋体を開閉させるように指示し得る)。蓋体1245が閉止されると、密閉室が形成されて、大気より1.0から1.06バール(15psi)高い圧力など、高圧下で抗原賦活化処理が実施され得る。典型的な抗原賦活化処理は、100℃から121℃の温度と大気圧より1.06バールまで高い圧力でトリス又はクエン酸塩ベースの賦活化溶液を3分から15分間利用し得る。高圧の利用により、類似の槽での大気条件下での45分以上の先行処理時間と比較して、例えば5分の処理時間まで抗原賦活化処理が促進され得る。室1241と室1243とは、室の容積の内側での溶液の温度を所望の高温にするのに充分である抵抗加熱要素がその外面の一以上の側に敷設され得る。抗原賦活化溶液は、例えば溶液内の磁気スターラーで抗原賦活化処理又は操作中に攪拌され得る。
【0037】
上の例では、スライドがスライドバスケットから取り出されて、抗原賦活化処理又は操作の為に室1241及び室1243に個別に載置された。別の例では、一以上のスライドを格納するスライドバスケットが室1241又は室1243に載置され、一以上のスライドは、スライドバスケットに存在している間に抗原賦活化処理又は操作を受け得る。プロセッサ136からの実行可能命令は、室1241又は室1243の一方へスライドバスケットを移送するようにロボット装置に指示し得る。このような例では、室1241又は室1243の直立位置に個々のスライドを保持するインサート(例えばインサート1242)は存在しないだろう。
【0038】
抗原賦活化処理が完了すると、スライドは洗浄タンク1247へ移送され得る。洗浄タンク1247は、界面活性剤を含有するTBS又はリン酸緩衝生理食塩水のような一定量(容積)の洗浄緩衝液を格納し得る。例えば、スライドが室1241又は室1243に個別に載置されるかスライドバスケットの室に載置されるかどうかに応じて、プロセッサ136からの実行可能命令は、個々のスライド又はスライドバスケットを室1241又は室1243の一方から洗浄タンク1247へ移送するようにロボット装置に指示し得る。キャップ封止スライドが洗浄タンク1247へ個別に移送される際には、洗浄タンク1247は、インサート1242に類似したスライド用のスロットを有するインサートを室1241に含み得る。代替的に、スライドバスケットは洗浄タンク1247に載置され、室1241又は室1243に個別に載置されたスライドは洗浄タンク1247内のスライドバスケットに載置され得る。図9は、一つの洗浄タンクを示す。別の例では、類似又は異なる洗浄緩衝液を各々が有し得る、及び/又は、或る種のスライドについて指定され得る二以上の洗浄タンクが設けられ得る。
【0039】
染色モジュール120でのスライドの進行を監視する為に、染色モジュールは、コアモジュール110の第1又は第2スライド識別ステーションに類似したスライド識別ステーションを含み得る。このようなスライド識別ステーションは、抗原賦活化ステーション1240に隣接して載置され得る。スライド又はスライドのバスケットが洗浄タンク1247へ導入される前後に、スライド上のバーコードなどの識別子がこのようなスライド識別ステーションで読み取られ得る。情報はメモリ1237に記憶されてインタフェース1235に表示され得る。
【0040】
或る状況において、個々のスライド又は複数のスライドは他のスライドに対する優先度を必要とする。洗浄緩衝液を格納する洗浄タンク1247は、プリント操作に先立ってスライド保持の為の環境となる。このような保持は、高い優先度を有する単数又は複数のスライドが、おそらく優先度の高いスライドより先に染色モジュール120で装填及び処理された他のスライドの上でプリントステーションへ運ばれる必要がある状況でのように、計画による保持を含む。
【0041】
抗原賦活化ステーション1240の洗浄タンク1247から、プリントステーション1270へスライドが移送され得る。スライドは個別にプリントステーション1270へ輸送されて他のスライドは洗浄タンク1247に残る。プリントステーション1270では、一次抗体に反応するかあるいはこれに連結される試料又は検出試薬(例えば二次抗体、ペルオキシダーゼ複合体、基板)で露出した標的抗原に結合する一次抗体などの試薬をプリントするようにインクジェットプリント処理が実施される。図2は、処理プラットフォーム1201で抗原賦活化ステーション1240に隣接するプリントステーション1270を示す(例えば、図2でプリントステーション1270は抗原賦活化ステーション1240の前方にある)。図10は、プリントステーション1270のコンポーネントの拡大正面図を示す。図10は、保湿器1272とこれに積み重ね配向のカートリッジクレードル1275とを含むプリントステーション1270を示し、保湿器1272はカートリッジクレードル1275の下方に配設される。保湿器1272は、プリント処理に続いてスライドの為の湿度制御環境を形成して、当該のスライド上の試料での染色試薬の蒸発を低減させるように作動可能である。典型的には、高湿の空気が制御バルブにより保湿器1272の内部へ導入されてその中を循環され、プロセッサ136に連結されたモニタにより監視され得る或る湿度レベルが維持される(例えば、プロセッサ136は制御バルブを通して高湿空気の速度を制御する実行可能命令を格納し得る)。一例において、導管とバルブのアセンブリが処理プラットフォーム1201の下方の(可能であれば加熱)水源に接続され得る。導管は保湿器1272の側面まで延在し得る。ファン又はブロワが空気及び水を導管へ、そして保湿器1272へ導入し得る。保湿器1272は、保湿器の側面で横列状に構成された幾つかのスロット1273を含む。各スロット1273は、プラットフォーム1201に平行な平面(水平)でスライドの一部分を縦に受容する寸法を有する空洞を画定する。図10は、スロット1273の幾つかのキャップ封止スライドとともに幾つかの開口スロットを示す。キャップ封止スライドのフランジまでキャップ封止スライドがスロット1273へ挿入される。キャップ封止スライドのフランジが保湿器1272の外側壁と接触した時にフランジがスロットとシールを形成するように、フランジはスロットの寸法より大きい寸法を有する。代替的に、スライドを移送するのにキャップが使用されない場合には、自動的に開閉されて、スライドが挿入又は獲得されていない時間は閉止状態を保つことにより保湿器内の湿度レベルを維持するのに利用可能なカバー/ドアを保湿器スロットの各々が有する。
【0042】
保湿器1272の側端部は洗浄ステーション1274である。洗浄ステーション1274は、スライドが縦に挿入され得る寸法を有する空洞を含む。スライドは洗浄ステーション1274の空洞へ1枚ずつ挿入される。空洞の内側には、一以上の塩、一以上の緩衝液、界面活性剤、防腐剤、他の賦形剤を必要に応じて規定濃度含有する水性溶液などの溶液を噴射するように作動可能なスプレーノズル又は噴霧器が設けられ得る。試料に試薬がプリントされる前に、及び/又は、可能であれば後に、必要に応じてスライドの表面の浸水が生じる動作モードが予想される。一例において、導管バルブアセンブリは、処理プラットフォーム1201の下方の水性溶液供給タンクに接続され得る。導管は洗浄ステーション1274内の単数又は複数のノズルまで延在し得る。洗浄ステーション1274は、洗浄ステーションでのスライドなどの物体の存在を検出する運動センサを中に含み得る。運動センサはプロセッサ136に接続され得る。運動検出器が洗浄ステーション1274でのスライドの存在を検出すると、プロセッサ136は、バルブを作動させて開口させ、洗浄ステーションの内側に水性溶液を噴射するように、導管バルブアセンブリと関連するバルブに信号で伝え得る。運動検出器からの第2信号は、スライドが取り出されたことを信号で伝えて、バルブを作動させて閉止し、水性溶液の流れを停止させるようにプロセッサを起動する。洗浄ステーション1274は、エアナイフなどの流体除去デバイスも含み得る。エアナイフは、所望であればスライド上の余剰水性溶液を除去するようにスライド表面の加圧空気又は不活性ガスに指示し得る。バルブ導管システムは、処理プラットフォーム1201の下方の加圧空気タンクから洗浄ステーション1274へ空気を提供し得る。バルブはプロセッサ136からの命令により制御され得る。
【0043】
プリントステーション1270が採用され得る免疫組織化学(IHC)試験のような多くの検出試験は、大気又は近大気温度で実施され得る。幾つかの原位置ハイブリッド形成(ISH)試験など幾つかの試験は大抵、個々のステップが高温で実施されることを必要とする。プリントステーション1270は、温度制御保湿器を含めることにより異なる温度での試験に対応し得る。図10は、保湿器1272に隣接して配置された温度制御保湿器1372を破線で示す。温度制御保湿器1372は非大気温度(大気より高温又は低温)で操作され得る。大気を上回るハイブリッド形成温度の典型的な範囲は、例えばISH処理については45~70℃であり得る。温度制御保湿器1372はその他では保湿器1272に類似しており、(任意の個別ドアを備える)スロット1373と温度制御洗浄ステーション1374とを含み得る。温度制御保湿器の代替又は追加として、加熱溶液(例えば緩衝溶液)を格納するように作動可能な専用タンクが設けられ得る。例えば、DNA溶解プロトコルは、90℃以上の温度までスライド上の試料が加熱されることを必要とし得る。例えば保湿器1372に隣接する専用タンクは、所望の温度まで加熱されてプロセッサ136からの命令により制御される溶液を格納し得る。このようなタンクは、DNA溶解のような比較的高温の処理プロトコルを可能にするだろう。
【0044】
図10で保湿器1272の上に位置するのはカートリッジクレードル1275である。図示されているように、カートリッジクレードルは、インクジェットカートリッジの為の幾つかの横列のスロット(例えば2本の横列で示されている)を格納する。図10は、カートリッジの第1横列12752と第2横列12754とを示す。第1横列12752のカートリッジは例えば一次抗体であって、第2横列12754のカートリッジも同様であるか、サイズが異なるものであって、例えば二次抗体、酵素、複合体等のような検出試薬である。カートリッジはドロップオンデマンド型カートリッジ、好ましくは各カートリッジが個別プリントヘッドを含む熱ドロップオンデマンド型であり得る。クレードル1275はプリンタである。横列12752及び12754のカートリッジの各々はその底部にプリントヘッドを格納し得るので、クレードル1275へ挿入されると、カートリッジの内容物の排出はクレードルの底部を通して行われる。
【0045】
クレードル1275が前方又は後方に移動できるように、クレードル1275はフレーム1276に摺動可能に配置され得る。サイドレール又は凹溝は、フレーム1276でのクレードル1275の前方及び後方移動を支持する。図10は、ニュートラル位置でのフレーム1276内のクレードル1275を示す。クレードル1275は、カートリッジ装填操作の一部として自動的にニュートラル位置へ後方に移動し、カートリッジプリント操作の一部としてニュートラル位置の前方へ移動する。このような移動は、クレードル1275と関連するプロセッサ136又は独立したコントローラ(インクジェットプリンタコントローラ)により制御され得る。クレードル1275でのカートリッジ装填、脱装填、又は交換プロトコルを実施する機械可読プログラム命令は、クレードル1275をニュートラル位置の後方へ移動させる。クレードル1275の後方位置は図11に示されている。プリントプロトコルを実施する機械可読プログラム命令は、ニュートラル位置の前方へクレードル1275を移動させ得る。クレードル1275の前方位置は図13に示されている。代替的に、クレードル1275はフレーム1276に固定配置され、スライド支承機構はクレードル1275の下方でスライドを移動させてスライド上の試料へ試薬を塗着する(例えば、図15に図示されているロボット装置1210はクレードル1275の下方のプリント位置へスライドを配置するように構成され得る。)。
【0046】
図11を参照すると、プリントステーション1270の後方に配設されているのは試薬保管キャビネット1250である。試薬保管キャビネット1250は、幾つかのプリントカートリッジを保管するスロットを有する冷蔵キャビネットであり得る。各カートリッジは一定容積の試薬を格納し、専用のプリントヘッドを有し、キャップが当該のプリントヘッドに、又はその上方にある状態で保管キャビネット1250に保管され得る。各カートリッジは使い捨てカートリッジであり得る。この文脈での使い捨てカートリッジは、カートリッジの一定容積の試薬が吐出又は使用されると、一定容積の試薬が再供給されるのではなく、プリントヘッドを含むカートリッジが廃棄又は処分されることを意味する。使い捨てカートリッジの一例はサーマルインクジェットカートリッジである。
【0047】
図11の保管キャビネット1250を参照すると、保管キャビネットのスロットは一連の横列及び縦列として構成され、各スロットはその横列及び縦列によりアドレス指定される。アドレスはプロセッサ136に記憶され得る。各カートリッジは、機械可読識別子(例えば一次元又は二次元バーコード)などの識別子を含み得る。識別子はロット番号と一意シリアル番号とを含み得る。識別子は、保管キャビネット1250への保管に先立って読み取られ得る(例えばバーコードリーダ又はスキャナにより読み取られ得る)(例えば処理器アセンブリ100の外側のバーコードリーダ又はスキャナにより読み取られ得る)。読取値は送信されてプロセッサ136に記憶され得る。識別子は、試薬の使用期限及び/又はカートリッジで実施され得る操作(プリント)の回数などの情報も提供し得る。プロセッサ136は、保管キャビネット1250のスロットのアドレス(横列及び縦列アドレス)をカートリッジに割り当て得る。インタフェース135のディスプレイスクリーンには、スロット及びカートリッジが表示される。カートリッジが割り当てスロットにない時に、インタフェース135のアラーム又はディスプレイインジケータはアラートを提供し得る。
【0048】
保管キャビネット1250のスロットの後方には、冷媒蒸気を収縮させてコイルに蒸気を押入するコンプレッサなどの冷蔵機器が設けられ、蒸気は液化してキャビネットスロットを冷却する。カートリッジ又は保管キャビネット1250がモジュールの内側の処理プラットフォーム1201からアクセスされ得るように、冷蔵キャビネットは単数又は複数のレール1251に底部で配設されて、処理器アセンブリ100の染色モジュール120の前面から外向きにキャビネットを摺動させ得る。図12は、内容物がアクセス可能位置となるように外向きに引き出された保管キャビネット1250を示す。
【0049】
再び図11を参照すると、同図は開口スロットを横列12752に有するクレードル1275を示す。この図は、保管キャビネット1250に隣接する処理プラットフォーム1201に取り付けられるロボット装置1220も示す。ロボット装置1220は、エンドエフェクタ1222と、ロボット動作(例えば、ロボット装置1220とエンドエフェクタ1222との移動と、ロボット装置1220により実施される処理タスク)を制御し得るロボットコントローラ1221とを含むロボットアームである。ロボットコントローラ1221は配線又はワイヤレスでプロセッサ136に連結される。機械可読プログラム命令は、プロセッサ136とロボットコントローラ1221との間で(例えば、ロボットコントローラ1221に指示するようにプロセッサ136から)送信されて、所望のプロトコルを実施する。ロボットコントローラ1221は、命令を確認して、及び/又は、プロセッサ136により指示された動作を完了した後に、単数又は複数の信号をプロセッサ136へ送信し得る。一つのプロトコルは、保管キャビネット1250からカートリッジを獲得してクレードル1275の特定の開口スロットにカートリッジを載置することであり得る。ロボットコントローラ1221は、保管キャビネット1250でのカートリッジのアドレス(例えばスロットの横列及び縦列情報)が提供されると、このアドレスへエンドエフェクタ1222を誘導してカートリッジを獲得する。ロボットコントローラ1221はクレードル1275の別のアドレスを受理してもよく、その際に獲得されたカートリッジが載置され、続いてこのアドレスへエンドエフェクタ1222を誘導し、獲得されたカートリッジをクレードル1275に投入する。クレードル1275への獲得カートリッジの投入に先立って、プロトコルは、カートリッジがサービスステーション1203へ運ばれることを指示し得る。サービスステーション1203は、スピトゥーン1204と払拭エリア1205とを含み得る。獲得されたカートリッジは少量の試薬をスピトゥーン1204へ排出し、そして例えば払拭エリア1205の吸収材料でプリントヘッドが払拭され得る。サービスステーション1203は、獲得されたカートリッジの識別子を読み取るリーダ1202(例えばバーコードリーダ又はスキャナ)も含み得る。リーダ1202は読取情報をプロセッサ136に提供し、プロセッサ136は、獲得されたカートリッジが所望のカートリッジであることを確認するプロトコル命令を含み得る。そして獲得されたカートリッジがクレードル1275に載置され得る。別のプロトコルは、クレードル1275からカートリッジを獲得して、獲得されたカートリッジを保管キャビネット1250の特定のスロットに載置する。クレードル1275から獲得されたカートリッジは最初にクレードル1275へ運ばれ、リーダ1202はその上の識別子を読み取り、この情報をプロセッサへ提供し得る。プロセッサ136は、カートリッジがクレードル1275から正しく獲得されたかを確認し得る。ロボット装置1220は、カートリッジがスロットに載置されると識別子を読み取ってこの情報をプロセッサ136に提供するリーダ1224(例えばバーコードリーダ又はスキャナ)を含み得る。カートリッジ識別子、割り当てられたスロットアドレスとその実際のスロットアドレスに基づいて、プロセッサ136の機械可読命令が、割り当てられたスロットアドレスと実際のアドレスとを比較して、カートリッジが正しいスロットにあることを確認し得る。命令は、処理器アセンブリ100のユーザへのインタフェース135での正しいスロットアドレス又は間違ったスロットアドレスの確認通知(例えばアラーム)を含み得る。インタフェースは、保管キャビネット1250の幾つか又は全てのスロットと各スロットのカートリッジとを表示するユーザアクセス可能なスクリーンも含み得る。保管キャビネット1250のスロットとクレードル1275でのカートリッジの位置がメモリ137のログに記憶され得る。このようなログは、カートリッジの特定の試薬でスライド上の試料がプリントされたかを検証するのに後で利用され得る。
【0050】
各カートリッジは、使用期限とプリント又は操作回数などの情報を記憶し得るチップを含み得る。プリント又は操作回数は、カートリッジでの試薬の容積を推定するのに使用され得る。カートリッジを使用してプリント操作が実施されるたびにプリント操作回数が変更され得る。保管キャビネット1250の各スロットに隣接するのは、プリント又は操作回数に基づいてカートリッジの試薬の容積の表示を提供する光アレイ12502(例えば、赤色、黄色、緑色の発光ダイオード)であり得る。例えば、カートリッジと関連するチップは、カートリッジがスロットに嵌着した時に保管キャビネットのスロットに隣接した光アレイに電子的に接続され得る。カートリッジは、例えば、30回の標準プリント操作(30射出)に適した容積の試薬を格納し得る。カートリッジを使用して実施されたプリント操作の回数がゼロから10回である時にRYGアレイの緑色光を、実施されたプリント操作が11~20回である時に黄色、実施されたプリント操作の回数が21~30回である時に赤色を起動するようにチップがプログラムされ得る。例えば、カートリッジが保管キャビネット1250にあってプロセッサ136に提供される時にカートリッジのチップが読み取られて、メモリ137に回数が記憶される。保管キャビネット1250の各カートリッジについてのプリント回数も、プロセッサ136によりインタフェース135のスクリーンに提供され得る。代替的又は付加的に、接近中の試薬使用期限を警告するのにアレイ12502が使用され得る(例えば、期限の1か月以内に赤色光が起動される)。
【0051】
図14~16は、抗原賦活化ステーション1240からプリントステーション1270へキャップ封止スライドを輸送する際に必要とされる操作を図示している。抗原賦活化ステーション1240のキャップ封止スライドは、ロボット装置1210によりプリントステーション1270へ運ばれ得る。図14は、抗原賦活化処理又は操作に続いてロボット機構1210によりスライド160aが洗浄タンク1247から取り出されるところを示す。例えば、キャップ封止スライド160aの上でロボット装置1210のエンドエフェクタ1212を操作してキャップ封止スライドと嵌合し/これを獲得してキャップ封止スライドをプリントステーション1270へ移送する、プロセッサ136に連結され得るロボットコントローラ1211からの命令により、ロボット装置1210が指示される。図14は、エンドエフェクタ1212によりキャップの上部に嵌合して、洗浄タンク1247のインサートのスロットからロボット装置1210により取り出されるキャップ封止スライド160aを示す。この例で、スライドは洗浄タンク1247に個別に配置される。別の例では、洗浄タンク1247にあるスライドバスケットにスライドがまとめられる。洗浄タンク1247のスライドバスケットにスライドが格納されると、洗浄タンクからスライドバスケットを取り出し、そして取り出されたバスケットからスライド(例えばスライド160a)を個別に獲得するように実行可能命令がロボット装置1210に指示し得る。更なる例では、スライドバスケットが洗浄タンク1247に残ったままでスライド(例えばスライド160a)をスライドバスケットから個別に獲得するように実行可能命令がロボット装置1210に指示し得る。
【0052】
洗浄タンク1247あるいは抗原賦活化ステーション1240のスライドバスケットからスライド(例えばスライド160a)が取り出される時に、z方向で垂直に延在するようにスライドが縦に取り出される。取り出しに続いて、例えばロボットコントローラ1211からの命令は、スライドがx方向(水平)で縦に延在するように、90度回転をエンドエフェクタ1212に指示する。回転したスライド上の試料は上向きであるか染色モジュール120の上部を向いている。図15は、スライド上のキャップにスライド160aを嵌合させるエンドエフェクタ1212と、x方向で水平に延在するスライド160aとを示す。例えばロボットコントローラ1211からの更なる命令は、スライド160aをプリントステーション1270へ輸送してスライドを保湿器1272のスロット(スロット1273)と整合させるようにロボット機構1210に指示する。図15は、保湿器1272に隣接するキャップ封止スライド160aを示し、スライドの遠位端部は保湿器のスロットと整合されている。図16は、保湿器1272に配置されたスライド160aを示す。スライド上のキャップのフランジが保湿器と接触してスロットのシールを形成するまで、キャップ封止スライドはロボット機構1210により保湿器1272のスロット(スロット1273)へ縦に前進する。図16は、保湿器1272の他のスライドとともにスライド160aを示す。保湿器1272へのスライド(例えばスライド160a)の配置に先立って、実行可能命令は、スライドが水洗され得る洗浄ステーション1274へスライドが移送されるように指示し得る。
【0053】
一例において、スロット1273にはアドレスが割り当てられ、アドレスはメモリ137に記憶される。プロセッサ136と関連する実行可能命令は、識別子によりスライドを保湿器のスロットと関連させて関連の情報を記憶する命令を含む。プロセッサ136は、オペレータがプリント操作を視認できるように関連のスライドと保湿器スロットとをディスプレイ135に表示し得る。
【0054】
図2を参照すると、レール1252上を移動するロボット機構1255を利用してスライドが1枚ずつプリントされ得る。図2は、プリントモジュール120において処理プラットフォーム1201の上方の平面で水平に配向されたレール1252を示す。レール1252は、トレイ1206とプリントモジュール120の前部との間でプリントステーション1270の左に配置される。レール1252は両端部で支柱に装着され、支柱上で垂直(z方向)に移動するように作動可能である。図17は、プリントステーション1270の一部分とレール1252上のロボット機構1255との拡大上面図を示す。図17を参照すると、図17は、スリーブ1259とアーム1257とスペード状端部を有するエンドエフェクタ1258とを含むロボット装置1255を示す。スリーブ1259がレール1252上で移動可能であるように、スリーブ1259は、レール1252を中に収納する寸法を持つ片側から反対側への開口部を有する。アーム1257とエンドエフェクタ1258とはスリーブ1259に接続されてレール1252の下方に配置される。アーム1257とエンドエフェクタ1258とは、レール1252に対して直角に水平配向される。
【0055】
例えば、プロセッサ136に連結され得るロボットコントローラ1256からの命令により、ロボット装置1255が指示され得る。命令は、保湿器からスライドを取り出すこととスライドを洗浄ステーション1274へ移送することとを含み得る。洗浄ステーション1274での洗浄に続いて、命令は、例えば一次抗体又は検出試薬の付着の為にスライドをプリント領域へ移送することも含み得る。図17を参照すると、命令に基づいて、ロボット装置1255のエンドエフェクタ1258は最初にz軸及びy軸に沿って保湿器1272の標的スライド(例えばスライド160d)と整合され得る。レール1252をその支柱上で上下に自動的に移動させることにより、z軸整合が達成される。y軸整合は、レール1252上でのスリーブ1259の自動的移動により達成される。y軸上で保湿器1272の標的スライドと整合されると、x方向でのアーム1257の自動的移動によりエンドエフェクタ1258が標的スライドのキャップまで前進する。図17は、スライド160dのキャップへエンドエフェクタ1258が誘導されるところを示す。スライド160dがエンドエフェクタ1258と嵌合すると、アーム1257及びエンドエフェクタ1258のx方向行程を逆転させることにより、スライドが保湿器1272から自動的に取り出される。
【0056】
図18は、保湿器1272から洗浄ステーション1274へのスライドの自動的移送を示す。保湿器1272からのスライドの取り出しに続いて、スライド(例えばスライド160d)がy軸上で洗浄ステーション1274と整合されるまで、ロボット機構1255のスリーブ1259は保湿エリアから洗浄ステーション1274へレール1252上でy方向に移動する。y軸整合に続いて、ロボット機構1255のアーム1257がx方向に自動的に移動して、図19に示されているようにスライド(例えばスライド160d)を洗浄ステーション1274に配置する。エンドエフェクタ1258とスライド(例えばスライド160d)との嵌合は、洗浄ステーション1274での洗浄操作の間は保たれ得る。洗浄操作は、スライドの試料部分あるいはスライドの全長に水性溶液(例えば緩衝液)を噴霧することを含み得る。洗浄操作に続いて、洗浄ステーション1274の流体除去デバイスからの空気又は不活性ガススプレーにより、余分な試薬が除去され得る。そしてアーム1257及びエンドエフェクタ1258のx方向行程を逆転することにより、スライドが洗浄ステーション1274から取り出され得る。
【0057】
スライドが洗浄ステーション1274から取り出されると、エンドエフェクタ1258のキャップ封止スライドのz位置がクレードル1275の底部のz位置より低くなるように、レールが支柱12524及び支柱12525上でz方向下向きに自動的に移動する。そしてロボット装置1255のスリーブ1259がレール1252上で洗浄ステーションからクレードル1275の所望のカートリッジの位置までy方向に自動的に移動する。そしてクレードル1275がx方向に自動的に移動して、所望のカートリッジのプリントヘッドをスライド上の試料と整合させる。図20は、クレードル1275の下に配置されたスライドの試料部分1610を有するスライド160dを示す。図21図20の21‐21’線における側面図を示し、スライド160dの上のプリントヘッド1279を示す。プリントヘッドのノズルプレートの長辺がスライドの長辺と垂直であって、最小数の通過でプリントヘッドの幅がスライドの幅の全体またはその大部分を覆うように、スライド又はカートリッジが構成又は支承され得る。図21は、クレードル1275の底部に配置された撮像器1278も示す。デジタルカメラのような撮像器1278は、スライド上の試料の画像を捕捉して試料への一定量の試薬(例えば一次抗体又は検出試薬)の載置の為に試料が分析されるか、一定量の試薬が実際にカートリッジから吐出されたかどうかを確認するのに使用され得る。撮像器1278は、コンピュータ136により実装される命令に基づいてプリントされるスライドの近くで自動的にy方向に配置されるように、クレードル1275の底部に摺動可能に接続され得る。撮像器1278により捕捉される画像はプロセッサ136へ送信され、画像にグリッドを重ねることに続いて例えば屈折率変化によりグリッド内での試料を識別して試料の位置を判断することなどにより分析され、このような分析は、プリントヘッド1279がどこにプリントするかの決定の根拠となり得る。別の例では、上に記載されたように、第1スライド識別ステーション1120で撮影された試料の画像、あるいは第2スライド識別ステーション1121で撮影された試料の画像から試料の位置が取得され得る。試料位置が確立されると、試薬が塗着される試料エリアが判断され、プロセッサ136と関連する命令はこの試料エリアへの塗着(射出)を制限する。このようにして、試薬塗着(射出)は、試薬の無駄を生じる広いエリアではなく試料が存在するエリアに限定され得る。
【0058】
プリントヘッド1279のようなドロップオンデマンド型プリントヘッドは、1ピコリットル(pL)から10ナノリットル(nL)又は1pLから5nL又は1pLから1nL又は1pLから500pL又は1pLから250pL又は1pLから100pL又は1pLから50pLの容積を有する液滴で、検出試薬又は抗体などの試薬を吐出し得る。容積が少ないと、(撮像又は他の技術により予め識別された)スライド上の試料の識別エリアへの試薬の標的吐出を可能にする。例えば、細胞に特定の抗原を含有し得る組織切片などの試料のエリアが識別され得る。存在するならば特定の抗原に結合(例えば特異結合)するドロップオンデマンド技術により標的エリアに抗体を導入することにより、このような抗原が選択的に識別され得る。例えば、発色反応に触媒作用を及ぼし得る酵素、あるいは視認された時に蛍光を発する蛍光体を接合することにより、抗体・抗原相互作用の視覚化が達成され得る。酵素は抗体とともに、あるいは後でドロップオンデマンド型プリントヘッドにより吐出され得る。抗体又は酵素などの試薬の標的吐出の結果、スライド上の試料のエリア全体を試薬で覆う先行技術と比較して、抗体の利用、試薬の持ち越し汚染、そして関連の無駄が削減される。
【0059】
一例において、着色剤又は染色剤が試薬に追加されて試薬が指示通りに塗着されたとの視覚的表示を可能にする。着色剤又は染色剤は特定の試薬に固有であり得る。例えば、着色剤又は染色剤はプリントカートリッジの一次抗体溶液に追加され得る。スライド上の試料への一次抗体溶液の吐出に続いて、一次抗体溶液の色が検出及び捕捉(例えば撮像器1287により捕捉)されてメモリ137へ送信される。スライド上の試料に実際に塗着される試薬の検出/捕捉により、(固有の色特性ゆえに)(1)試薬が塗着された、(2)正しい試薬が塗着されたという品質制御が行われる。
【0060】
プリントステーション1270でのプリント処理に続いて、プリントされたスライドが(例えば一次抗体が何らかの標的抗原に結合できる)培養時間にわたって保湿器1272のスロット1273へ戻され得る。培養期間に続いて、プロセッサ136からの実行可能命令を介してロボット装置1255によりスライドが洗浄ステーション1274へ輸送され得る。洗浄ステーション1274で、スライドは水性溶液により一回以上水洗され、水洗流体が除去される。水洗は、未反応/未接合の試薬とともに、試薬に追加された着色剤又は染色剤を除去し得る。スライド上の試料が追加試薬を受容すると、実行可能命令によりロボット装置1255がカートリッジ1275の下のプリント位置へスライドを戻してプリント処理が反復される。各プリント操作に続いて、洗浄ステーション1274でスライドが水洗され得る。プリント及び水洗が行われたスライドも保湿器1272のスロットに格納され得る。
【0061】
スライドについて全てのプリント操作が終了すると、スライドがバスケットに装填され、ロボット装置1210を利用してキャップが取り外される。キャップ封止スライドが保湿器1272から取り出されると、各スライドがx方向で水平に延在するようにスライドが縦に取り出される。取り出しに続いて、例えばロボットコントローラ1211からの命令が、キャップ封止スライド160aがz方向で垂直に延在するようにエンドエフェクタ1212を90度回転させる指示を出す。図22はキャップ封止スライド160aと嵌合するエンドエフェクタ1212を示し、キャップ封止スライド160aはz方向で垂直に延在する。図22で、エンドエフェクタ1212はスライドバスケット210Aにスライド160aを載置するところが示されている。スライド160aがバスケット210Aにあると、例えばボデー部分123352の側壁に外向きの力を加えてからz方向で上向きに移動させることにより、エンドエフェクタ1212がキャップ1235を取り出す。キャップ1235が取り出されると、キャップ封止スライドステージングステーション1230へキャップ1235を移送するように命令によりエンドエフェクタが指示され得る。プリント処理が行われた保湿器1272の全てのスライドについて処理が反復され得る。
【0062】
図22は、染色モジュール120の入口において(レーン12061で)トレイ1206に配置されたバスケット210Aを示す。染色モジュール120からの一以上のプリント済みスライドがバスケット210Aに装填されると、染色モジュール120からコアモジュール110へバスケット210Aが輸送される。プロセッサ136は、染色モジュール120へ送達され、バスケット210Aから取り出され、プリントされ、バスケット210Aへ再装填されたスライドの数を追跡(例えばカウント)し得る。全てのスライドがバスケット210Aに再装填されたことが確認されると、プロセッサ136からの命令は、コアモジュール110のエリアなど、ロボット装置1150(図3参照)のエンドエフェクタによりバスケット210Aが嵌合するエリアへバスケット210Aを輸送するように、トレイ1206の底部の下の可動ベルトなどの輸送機構に指示し得る。
【0063】
図23は、処理器アセンブリ100のコアモジュール110の上部前面拡大図を示し、モジュールの内部区画を露出させるように外部ハウジングの上部外側部分が取り外され、コアモジュールのスライドバスケット210Aはロボット装置1150のエンドエフェクタと嵌合している。コアモジュールへのスライドバスケット210Aの復帰とプリント済みスライドの格納に続いて、プリント済みスライドは脱水ステーション1130で脱水処理を受け得る。脱水ステーションは、この例で、各々が処理プラットフォーム1101の下方に陥凹した多数のタンクを格納する。各タンクは電気的に作動可能な蓋体を有し、プロセッサ136での実行可能命令によりその操作が指示される。各タンクは撹拌器(例えば磁気スターラー)も格納し得る。図23は、各々が一定量の液体試薬を格納するように作動可能であって各々がスライドバスケット(例えばティシュー・テック・プリズマ(TISSUE-TEK PRISMA)(登録商標))を受容する寸法を有するタンク1133とタンク1134とタンク1136とを示す。タンク1133とタンク1134とタンク1136の各々は、アルコール(例えば100パーセントエタノール)又はキシレンのような脱水試薬を格納し得る。典型的には、タンク1133はエタノールを格納し、タンク1134はエタノールを格納し、タンク1136はキシレンを格納する。脱水処理は、一以上のプリント済みスライドを格納するスライドバスケット210Aなどのスライドバスケットを、タンク1133とタンク1134とタンク1136の各々へ順次移送することを必要とし得る。
【0064】
脱水ステーション1130での脱水処理又はプロトコルを開始するには、ロボットコントローラ1141により実行される機械可読命令が、スライドバスケット(スライドバスケット210A)をタンク1133へ移送するようにロボット装置1145に指示する。
【0065】
ロボット装置1145に加えて、図23はレール又はトラック1135とロボット装置1137とを含むロボット移送アセンブリを示す。レール又はトラック1135は、コアモジュール110の内壁(例えば図では右壁)に装着され得るか、モジュールの壁の内側か他の位置に隣接して自立し得る。ロボット装置1137は、ロボット動作(トラック1135でのロボット装置1137の移動とロボット装置1137により実施される処理タスク)を制御し得るロボットコントローラ1131を含む。ロボットコントローラ1131は、配線又はワイヤレスでコンピュータ136に連結される。機械可読プログラム命令がコンピュータ136とロボットコントローラ1131との間で(例えばロボットコントローラ1131に指示するようにコンピュータ136から)送信されて、所望のプロトコルを自動的に実施する。ロボットコントローラ1131は、命令を確認して、及び/又は、コンピュータ136により指示された動作を完了した後に、単数又は複数の信号を再びコンピュータ136へ送信し得る。脱水処理から、プロトコルは、タンク1133からタンク1134へ、そしてタンク1136へスライドバスケット(例えばスライドバスケット210A)を移送するものであり得る。ロボット装置1137のエンドエフェクタ(例えばロボット装置の遠位端部のフック又は横延在バー)がスライドバスケットのハンドルの下で操作されてから上がって、ハンドルによりスライドバスケットをタンク(例えばタンク1133)から上昇させるのに充分な高さに、レール又はトラック1135が配置され得る。ロボット装置はスライドラックを脱水タンクへ、又は脱水タンクから上昇及び下降させて、攪拌を増加させて脱水処理を加速し得る。そしてスライドバスケットが上昇されてから次のタンクへ移送される。一例として、100パーセントエタノールのタンク1133に30秒間、100パーセントエタノールのタンク1134に1分間、キシレンのタンク1136に2分間、スライドバスケットが浸漬される。脱水プロトコルに続いて、プログラム命令は、処理プラットフォーム1101の滴下プラットフォーム1139へスライドバスケットを移送するようにロボット装置1137に指示し得る。滴下プラットフォーム1139から、プログラム命令は更に、コアモジュール110の導出開口部125へスライドバスケットを移送するようにこのロボット装置に指示し得る。
【0066】
プリントされた試薬が存在する幾つかの組織試料は、キシレン及びアルコールを利用する脱水処理には適していないことが認識されている。図23は、脱水ステーション1130のタンク1138を示す。タンク1138は水性緩衝溶液を格納し得る。キシレン及びアルコール脱水処理に適していないスライドを格納するスライドバスケットは、ロボット装置1137によりタンク1138へ移送され得る。
【0067】
図11を参照して上に記載されたように、プリントカートリッジは必要とされるまで試薬保管キャビネット1250に保管され得る。各カートリッジ1260は、中の試薬が蒸発するか乾燥しないようにプリントヘッドがキャップ閉止された状態で試薬保管キャビネット1250に保管される。カートリッジが保管される保管キャビネット1250のスロットの底部は、プリントヘッドの「キャップ」として作用し、底部と、あるいはスロットの底部及びプリントヘッドの間の吸収材料との接触状態でカートリッジのプリントヘッドが載置される(吸収材料は試薬のプリントヘッドを払拭するか他の方法で清掃するようにも作用する)。代替的に、カートリッジが専用キャップを有してもよい。
【0068】
図24及び図25は、専用キャップを備えるカートリッジアセンブリの一例の上面図を示す。この例で、アセンブリは、プリントヘッド1262を底部に含むカートリッジ1260と、試薬を格納するように作動可能なボデー1263とを含む。ボデーは概ね矩形であるか他の適当な形状であって、充分な容積の試薬を格納するとともに、試薬保管キャビネット1250及びクレードル1275のスロットと適合可能である(図11参照)。図24及び図25は、ボデーの底部がプリントヘッドの近くで切除された、概ね矩形形状を有するボデーを図示している。試薬についての機械及び/又は人間可読情報を格納する識別子がボデーの片側に配設されるか、可能であれば類似の情報を格納する多数の識別子がボデーに配設され得る。典型的な識別子は、視覚的読取可能、光学的読取可能、磁気的読取可能、触覚的読取可能等の識別子を含み得るがこれらに限定されるわけではない。図24及び図25は、ボデー1263の上側の識別子1261Aとボデーの一つの垂直側壁の識別子1261Bとを示す。
【0069】
図24及び図25に示されているプリントヘッドアセンブリのボデー1263の両側に旋回可能に接続されているのは、アーム1265A及び1265Bである。アーム1265A及び1265Bは、ピン(反対側にある類似のピンとともに示されているピン1266)により(図では頂点の近くの)第1端部でボデー1263に接続されている。ピン(ピン1266)は溝部(溝部1267のピン1266)に配置され、溝部内で移動するように作動可能である。アーム1265A,1265Bの第2端部はキャップ1264の両側に接続されている。キャップ1264はプレート状矩形構造として示されている。プリントヘッド1262に面するキャップ1264の表面に任意で配設(例えば接着)されるのは、スポンジ又は布材料などの吸収材料1268である。キャップ1264のサイズ及び形状(矩形、円形、長形)は、図24のようにピン(例えばピン1266)により画定される接続点から垂直方向下向きにアーム1265A及び1265Bが延出する時にカートリッジ1260のプリントヘッド1264を覆うように選択される。この「キャップ封止」形態のピン(例えばピン1266)は、溝部1267の上部または一端部に、あるいはその近くにある。プリントヘッド1262のこの「キャップ封止」形態は、試薬保管キャビネット1250に保管される時のアセンブリの形態であり得る。図25は、プリントヘッドアセンブリの「キャップ開封」形態を示す。この形態で、アーム1265A及び1265Bとキャップ1264とは反時計方向に移動(揺動)してプリントヘッド1262を露出させる。図25は、溝部1266の底端部のピンを示す。プリントヘッド1262のこの「キャップ開封」形態は、試薬保管キャビネット1250から取り出されてクレードル1275に配置された時のアセンブリの形態であり得る。「キャップ封止」形態から「キャップ開封」形態への移行は、ロボットコントローラ1221のエンドエフェクタ1222により達成され得る(図11参照)。エンドエフェクタ1222が試薬保管キャビネット1250のカートリッジアセンブリと嵌合してカートリッジアセンブリを引き出すと、引張力と、キャップ1264とスロットの底部との嵌合とによりキャップ1264がボデーの取り出しに追従し得る。このキャップ1264の追従は、アーム1265A及び1265Bをキャップ開封位置へ反時計位置に移動させるのに充分である。そして「キャップ開封」形態のカートリッジアセンブリがクレードル1275に載置され得る。「キャップ開封」形態から「キャップ封止」形態へカートリッジアセンブリを移行させるには、反対の手順が取られ得る。例えば、エンドエフェクタ1222は「キャップ開封」形態でクレードル1275のカートリッジアセンブリと嵌合する。エンドエフェクタ1222が試薬保管キャビネット1250のスロットにカートリッジアセンブリを載置しようとすると、カートリッジの底部から外されたキャップ1264はカートリッジのボデーを先導して最初にスロットに嵌合する。エンドエフェクタ1222がカートリッジアセンブリをスロットへ押入する力を印加すると、アセンブリがスロットに嵌着する際にキャップ1264とアーム1265A及び1265Bが「キャップ開封」形態へ時計方向に回転する。
【0070】
図26は、専用キャップを備えるカートリッジアセンブリの別の例の上部側面図を示す。この例で、アセンブリは、底部のプリントヘッド2262と試薬を格納するように作動可能なボデー2263とを含むカートリッジ2260を含む。底部に近いボデー2263の一以上の側面には磁気ストリップ2265が設けられ得る。キャップ2264は、カートリッジアセンブリの独立コンポーネントである―カートリッジ2260から独立している。この例のキャップ2264は、底部と、底部から延出する側壁とを有する矩形構造である。底部は、プリントヘッド2262のエリアと類似であるか若干大きい寸法を有する。側壁は、磁気ストリップ2265まで延在するかこれを若干超える(覆う)長さ寸法を有する。キャップ2264の側壁は、磁気ストリップ2265に磁気で装着される強磁性又は常磁性の材料で製作され得る。磁気引力は、カートリッジ2260が保管キャビネット1250にあるか又は使用中でない時にキャップ2264をカートリッジ2260に固定するのに充分である。
【0071】
カートリッジが(ロボットにより)保管キャビネット1250から取り出された後、そして(ロボットにより)クレードル1275に載置される前に、カートリッジ2260からキャップ2264が取り外され得る。一例では、カートリッジ2260(キャップ2264を備えるカートリッジ2260)のキャップ封止端部を、磁気ストリップ2265の磁気と反対の逆磁場を含むエリアに載置することにより、キャップ2264が取り外され得る。これが行われる手法の一つは、磁気ストリップ2265に交流電流を印加することによる。図27は、染色モジュールのサービスステーション1203の一例を示す。サービスステーション1203は、この例で、スピトゥーン1203及び払拭エリア1205と、キャップ開封エリア1208も含む。スピトゥーン1203は、カートリッジからの一定量の試薬が排出される容器であり得る。払拭エリア1205は、ローラ12053Aとローラ12053Bとの間に延在する吸収材料などの材料12052を含み得る。ローラ12053A及び12053Bの一方又は両方がプロセッサ136により制御されて、材料12052を移動させるように周期的に回転する。
【0072】
上記のように、図27のサービスステーション1203はキャップ開封エリア1208を含む。キャップ開封エリア1208は幾つか(例えばクレードル1275の開口部の数に対応する数)のスロット1209を含む。スロットは、メモリ137に記憶されてプロセッサ136によりアクセス可能なアドレス(横列及び縦列アドレス)を有し得る。各スロット1209は、カートリッジキャップ(キャップ2265)を中に格納する寸法を有する。各スロットの底部(例えば処理プラットフォーム1201の下方)は、電線を通して、プロセッサ136により制御される交流電流を発生させる電源12092に接続され得る。キャップ封止カートリッジがスロット1209に載置されると、プロセッサ136からの命令は、一以上の磁気ストリップ2265へのキャップ2264の一以上の側壁の引力を克服するように電源12092が特定のスロットに電流を印加することを指示する。克服すると、カートリッジ(カートリッジ2260)がキャップ(キャップ2264)を伴わずにスロット1209から取り出され得る。そしてカートリッジがクレードル1275に載置され得る。カートリッジがクレードル1275から取り出されると、カートリッジのキャップに割り当てられた記録アドレスに基づいてカートリッジがキャップ開封エリア1208のスロットへ戻され得る。スロット(スロット1209)へ戻ると、電源がオフにされてキャップ2264の一以上の側壁がカートリッジの一以上の磁気ストリップ2265に引き寄せられてキャップをカートリッジに接続する。そしてキャップ封止カートリッジがロボットにより保管キャビネット1250へ戻され得る。
【0073】
以下の番号付きの節は本発明の幾つかの態様をまとめたものである。
【0074】
1.スライド上の試料を露出させるように作動可能なコアモジュールと、
露出した試料に染色剤を塗着するように作動可能な染色モジュールと、
コアモジュールから染色モジュールへスライドを移送するロボット移送機構と、
を具備する処理器アセンブリ。
【0075】
2.染色モジュールが、
試薬とサーマルインクジェットプリントヘッドとを具備する試薬カートリッジと、
実行時に染色モジュールの染色エリアでのサーマルインクジェットプリントヘッドからの試薬の塗着を処理器に指示させる非一時的機械可読命令を含むプロセッサと、
を具備する、第1節の処理器アセンブリ。
【0076】
3.コアモジュール又は染色モジュールが、試料の画像を捕捉するように作動可能な撮像器を具備し、実行時にカートリッジのサーマルインクジェットプリントヘッドからの試薬の塗着の為に捕捉画像に基づいて試料の標的位置を処理器に判断させる非一時的機械可読命令をプロセッサが含む、第2節の処理器アセンブリ。
【0077】
4.カートリッジが染色エリアに配置され、複数のカートリッジを保管するように作動可能な保管ステーションを染色モジュールが具備し、サーマルインクジェットプリントヘッドからの試薬の塗着の指示に先立って、命令によりカートリッジが保管ステーションから獲得されてプリントアセンブリに結合される、第2節又は第3節の処理器アセンブリ。
【0078】
5.スライドを保管するように作動可能な染色モジュールの加湿器ステーションを更に具備し、実行時にスライドを加湿器から取り出してカートリッジのサーマルインクジェットプリントヘッドと整合させる非一時的機械可読命令をプロセッサが含む、先行節のいずれかの処理器アセンブリ。
【0079】
6.圧力を利用して試料の抗原部位を露出させるように作動可能な染色モジュールの抗原賦活化ステーションを更に具備し、実行時にスライドを抗原賦活化ステーションへ輸送させて抗原賦活化処理の後に染色エリアへ輸送させる非一時的機械可読命令をプロセッサが含む、先行節のいずれかの処理器アセンブリ。
【0080】
7.コアモジュールが脱水ステーションを具備し、染色後に、実行時にスライドを脱水ステーションへ輸送させる非一時的機械可読命令をプロセッサが含む、先行節のいずれかの処理器アセンブリ。
【0081】
8.コアモジュールが焼成ステーションと脱蝋ステーションとを具備する、先行節のいずれかの処理器アセンブリ。
【0082】
9.スライドのラベル情報を識別するように作動可能な識別器を具備する識別ステーションをコアモジュールが具備する、先行節のいずれかの処理器アセンブリ。
【0083】
10.コアモジュールにおいて、複数のスライドを格納するように作動可能なバスケットにスライドが設けられ、コアモジュールから染色モジュールへバスケットを移送するようにロボット移送機構が作動可能であり、処理器アセンブリが更に、実行時に染色モジュールでのプリント操作の為にスライドをバスケットから取り出させる非一時的機械可読命令を含むプロセッサを具備する、先行節のいずれかの処理器アセンブリ。
【0084】
11.カートリッジが使い捨てカートリッジである、第2節乃至第10節のいずれかの処理器アセンブリ。
【0085】
12.開口後端部と反対前端部とを有する矩形ボデーと、
第1側と第2側とを有するフランジであって、フランジの第1側がボデーの前端部に結合される、フランジと、
フランジの第2側から延出する一対の脚部と、
を具備し、
一対の脚部が、スライドの両側縁部と嵌合するように作動可能である、
装置。
【0086】
13.内向き凹溝のスライドの側縁部と嵌合する寸法を備える凹溝を一対の脚部の各々が有する、第12節の装置。
【0087】
14.一対の脚部と嵌合するスライドの面が視認可能であるような距離だけ一対の脚部が互いから隔離される、第12節又は第13節の装置。
【0088】
15.処理器アセンブリのコアモジュールでスライド上の試料を露出させることと、
処理器アセンブリのコアモジュールから処理器アセンブリの染色モジュールへスライドをロボット移送することと、
サーマルインクジェットプリント処理により染色モジュールで露出試料に試薬を塗着することと、
試薬の塗着後に、スライドをコアモジュールへ再びロボット移送することと、
を包含する方法。
【0089】
16.試薬の塗着に先立って、染色モジュールで露出試料の抗原部位を露出させることを包含する方法である、第15節の方法。
【0090】
17.コアモジュールでのスライド上の試料の露出が、スライドを格納するバスケットを焼成ステーションと脱蝋ステーションの少なくとも一方に載置することを包含する、第15節又は第16節の方法。
【0091】
18.コアモジュールから染色モジュールへのスライドのロボット移送が、スライドを格納するバスケットをロボット移送することを包含し、複数のスライドを格納する容積をバスケットが有する、第15節乃至第17節のいずれかの方法。
【0092】
19.露出試料への試薬の塗着に先立って、バスケットからスライドを取り出すことを包含する方法である、第18節の方法。
【0093】
20.バスケットからのスライドの取り出しがスライドにキャップを載置することを包含し、取り出しがキャップによりスライドを取り出すことを包含する、第19節の方法。
【0094】
21.露出試料への試薬の塗着に先立って、スライドを保湿器に載置することを包含する方法である、第19節又は第20節の方法。
【0095】
22.スライドをコアモジュールへ再びロボット移送した後に、試料を脱水することを更に包含する方法である、第15節乃至第21節のいずれかの方法。
【0096】
23.染色モジュールへのスライドのロボット移送に先立って、コアモジュールのスライドから識別情報を捕捉することを包含する方法である、第15節乃至第21節のいずれかの方法。
【0097】
本明細書に提示されるアルゴリズム及びディスプレイは、特定のコンピュータ又は他の装置に本質的には関連していない。様々な汎用システムは、本明細書の教示によるプログラムとともに使用され得るか、記載の方法を実施するより特殊なデバイスを構築することが好都合であることが判明している。加えて、本発明は特定のプログラミング言語について記載されているわけではない。本明細書に記載の発明の教示を実装するのに多様なプログラミング言語が使用され得ることが認識されるだろう。
【0098】
コンピュータ可読媒体は、コンピュータにより読取可能な形の情報を記憶する為の何らかの機構を含む。例えば、コンピュータ可読媒体は、リードオンリメモリ(「ROM」)、ランダムアクセスメモリ(「RAM」)、磁気ディスク記憶媒体、光学記憶媒体、フラッシュメモリデバイス、又は他のタイプの機械アクセス可能な記憶媒体を包含する。
【0099】
「一実施形態(one embodiment)」、「或る実施形態(an embodiment)」、又は「一以上の実施形態(one or more embodiments)」は、例えば、本発明の実践に特定の特徴が含まれ得ることが認識されるべきである。同様に、記載において、開示を簡素化することと様々な進歩的態様の理解を助けることとを目的として、様々な特徴が時に単一の実施形態、図、又はその記載でまとめられることが認識されるべきである。しかしながら、この開示方法は、各請求項に明記されているものより多い特徴を本発明が必要とするという意図を反映するものと解釈されてはならない。むしろ、以下の請求項が反映しているように、開示された単一の実施形態の全ての特徴より少ない特徴において、進歩的態様が存在し得る。ゆえに、「詳細な説明」に続く請求項がこの詳細な説明に取り入れられることは明白であり、各請求項は本発明の別々の実施形態として独立している。
【0100】
上記の明細書では、特定の実施形態について本発明が記載されている。しかしながら、添付の請求項に提示された発明の広範な趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な変形及び変更が加えられ得ることは明白であろう。例えば、本明細書に開示の試薬カートリッジ(例えば試薬カートリッジ408)が試薬の代わりに溶剤又は水を含有して、例えば下にあるスライド上の試料を染色する以外の目的で使用されてもよい。したがって、明細書及び図面は限定の意味ではなく例示として見なされる。
【符号の説明】
【0101】
100 処理器アセンブリ
110 コアモジュール
112 棚部
120 染色モジュール
135 インタフェース
136 コントローラ/プロセッサ
137 メモリ
160a,b,c スライド
210A,B,C,D,E,F バスケット
245 切欠き
250 鋸歯
290 スライド
300 スライド識別装置
310 トレイ
320 ベルト
324 トラック
325A,B ローラ
340,345 検出センサ
350 プッシュバー
360 接続ロッド
370 回転アーム
380 モータ
385 線形ガイド
1101 処理プラットフォーム
1110 焼成・脱蝋ステーション
1112,1114,1116 タンク又は区画
1120 第1スライド識別ステーション
1121 第2スライド識別ステーション
1130 脱水ステーション
1137 ロボット装置
1138 タンク
1140 ロボット機構
1141 ロボットコントローラ
1145,1147 レール
1150 ロボット装置
1151 ロボットコントローラ
1201 処理プラットフォーム
1202 リーダ
1203 サービスステーション
1204 スピトゥーン
1205 払拭ステーション
12052 吸収材料
12053A,B ローラ
1206 トレイ
12061,12062 レーン
1208 キャップ開封エリア
1209 スロット
12092 電源
1210 ロボット機構
1211 ロボットコントローラ
1212 エンドエフェクタ
1213 ジョイント
1220 ロボット装置
1221 ロボットコントローラ
1222 エンドエフェクタ
1224 リーダ
1240 抗原賦活化ステーション
1241,1243 室
1242 インサート
1245,1246 蓋体
1247 洗浄タンク
1250 試薬保管キャビネット
12502 光アレイ
1251,1252 レール
1255 ロボット機構
1256 ロボットコントローラ
1257 アーム
1258 エンドエフェクタ
1259 スリーブ
1260 トレイ/カートリッジ
1261A,B 識別子
1262 プリントヘッド
1263 ボデー
1264 キャップ
1265A,B アーム
1266 ピン
1267 溝部
1268 吸収材料
1270 プリントステーション
1272 保湿器
1273 スロット
1274 洗浄ステーション
1275 カートリッジクレードル
1276 プラットフォーム
1278 撮像器
1279 プリントヘッド
1372 温度制御保湿器
1373 スロット
1374 温度制御洗浄ステーション
2260 カートリッジ
2262 プリントヘッド
2263 ボデー
2264 キャップ
2265 磁気ストリップ
図1
図2
図3
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【図 】
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