(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-12
(45)【発行日】2024-07-23
(54)【発明の名称】安全障壁
(51)【国際特許分類】
E01F 15/08 20060101AFI20240716BHJP
【FI】
E01F15/08
(21)【出願番号】P 2022567093
(86)(22)【出願日】2020-05-07
(86)【国際出願番号】 EP2020062776
(87)【国際公開番号】W WO2021223869
(87)【国際公開日】2021-11-11
【審査請求日】2023-03-17
(73)【特許権者】
【識別番号】521087737
【氏名又は名称】ワークスセーフ・エービー
【氏名又は名称原語表記】WORXSAFE AB
【住所又は居所原語表記】Nifsaasvaegen 9,831 52 Oestersund,Sweden
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100212705
【氏名又は名称】矢頭 尚之
(74)【代理人】
【識別番号】100219542
【氏名又は名称】大宅 郁治
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】ヨハンソン、ペル
【審査官】彦田 克文
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-084484(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0218763(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0010294(US,A1)
【文献】特表2012-509423(JP,A)
【文献】登録実用新案第3008419(JP,U)
【文献】米国特許第05149224(US,A)
【文献】特開2010-070903(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01F 15/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
安全障壁(1)であって、前記安全障壁(1)は、長さ(L)と、幅(W)と、高さ(H)と、を有し、ここにおいて、前記安全障壁(1)は、
前記安全障壁の端部において端部接続部(10)を有し、この端部接続部は、別の安全障壁の対応する端部接続部と接続されるように配置されており、ここにおいて、前記端部接続部は、
別の安全障壁の端部接続部の少なくとも一部分を受容することと、前記安全障壁の前記高さの方向における、互いに対する前記安全障壁の移動によってのみ、前記別の安全障壁の対応する端部接続部との接続及び接続解除を可能にすることと、を行うように適合された受容空間(11)を備え、ここにおいて、前記安全障壁の前記長さの方向における、前記受容空間の壁面間の前記受容空間を通る距離が、前記端部接続部の上側端部と下側端部との間で最小となり、且つ前記上側端部と前記下側端部においてより大きい、そして、
前記端部接続部は、前記別の安全障壁の受容空間によって受容されたときに、前記別の安全障壁に対して、前記安全障壁の傾きを可能にするような形状を備える、安全障壁(1)。
【請求項2】
前記安全障壁の前記幅の方向における、前記受容空間の壁面間の前記受容空間を通る距離が、前記端部接続部の前記上側端部と前記下側端部との間で最小となり、且つ前記上側端部と前記下側端部においてより大きい、請求項1に記載の安全障壁(1)。
【請求項3】
前記端部接続部は、前記
安全障壁の前記高さの方向に細長く、前記距離は、前記端部接続部の前記長手方向中間(M)において最小となる、請求項1又は2に記載の安全障壁(1)。
【請求項4】
前記端部接続部は、前記安全障壁の前記高さの方向に細長く、前記距離は、前記端部接続部の長手方向端部において最大となる、請求項1~3のいずれか一項に記載の安全障壁(1)。
【請求項5】
前記端部接続部(10)は、前記安全障壁(1)の前記高さ(H)に沿った長手方向の伸展と、前記安全障壁の前記幅(W)に沿った横方向の伸展と、前記安全障壁の前記長さ(L)に沿った横断方向の伸展と、を有し、前記端部接続部は、横断方向の突出を有し、前記横断方向の突出は、前記端部接続部の長手方向端部間で最大となり、且つ前記長手方向端部においてより小さい、請求項1~4のいずれか一項に記載の安全障壁(1)。
【請求項6】
前記横断方向の突出は、前記端部接続部の前記長手方向中間(M)において最大となる、請求項5に記載の安全障壁(1)。
【請求項7】
前記横断方向の突出は、前記端部接続部の前記長手方向端部において最小となる、請求項5又は6に記載の安全障壁(1)。
【請求項8】
前記端部接続部10は、基部(12)と、前記基部から前記安全障壁の前記長さ及び幅の方向に突出している接続部分(13)と、を更に備え、前記基部及び前記接続部分の各々は、細長く、前記安全障壁の前記高さ(H)に沿った長手方向の伸展と、前記安全障壁の前記幅(W)に沿った横方向の伸展と、前記安全障壁の前記長さ(L)に沿った横断方向の伸展と、を有する、請求項1~7のいずれか一項に記載の安全障壁(1)。
【請求項9】
前記基部(12)は、長手方向溝(24)を備え、前記
長手方向溝の壁面と前記接続部分(13)の壁面とが、前記受容空間(11)を画定しており、これにより、前記受容空間は、別の安全障壁の前記接続部分を受容するように適合されており、前記接続部分は、前記別の安全障壁の対応する前記接続部分と係合するように配置されている、請求項8に記載の安全障壁(1)。
【請求項10】
前記
長手方向溝の壁面と前記接続部分の壁面との間の前記受容空間を通る距離が、前記接続部分の長手方向端部間で最小となり、且つ前記長手方向端部においてより大きい、請求項9に記載の安全障壁(1)。
【請求項11】
前記接続部分の横断方向の伸展が、前記接続部分の長手方向端部間で最大となり、且つその前記長手方向端部においてより小さい、請求項8~10のいずれか一項に記載の安全障壁(1)。
【請求項12】
前記接続部分の横断方向の伸展が、前記接続部分の長手方向端部において最小となる、請求項8~11のいずれか一項に記載の安全障壁(1)。
【請求項13】
前記接続部分の前記横方向の伸展は、前記接続部分の上側長手方向端部と下側長手方向端部との間で最大となり、且つ前記長手方向端部においてより小さい、請求項8~12のいずれか一項に記載の安全障壁(1)。
【請求項14】
前記接続部分の前記横方向の伸展は、前記端部接続部の前記長手方向端部において最小となる、請求項8~13のいずれか一項に記載の安全障壁(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、安全障壁(safety barrier)に関する。
【背景技術】
【0002】
建設及び道路工事の分野、並びに建設及び道路工事に類似及び/又は関連する分野では、作業者を、車両、自転車利用者及び歩行者等の通行人から分離すること、及び/又は車両を互いに分離することが重要である。道路工事の場合、交通の経路を変更することも関心の対象となり得る。したがって、解決策は、安全障壁(ジャージー障壁(Jersey barriers)としても知られる)の助けを借りて、建設/作業現場を分離すること、及び/又は交通の経路を変更することであった。安全障壁が頑丈であり、一旦それらが設置されると、実質的に不動であることが関心の対象となる。更に、安全障壁の使用は、建設/作業が、限られた時間量しかかからないことにより、一時的にのみ必要とされ得る。したがって、頑丈(即ち、重い及び/又は堅牢)且つ一時的な安全障壁の必要性が、安全障壁のチェーンを形成するために、互いに係合/連結され得る安全障壁をもたらた。安全障壁を対応する安全障壁の上方に持ち上げ、次いで、これら安全障壁のうちの一方の接続部分が他方に挿入され得るように、安全障壁を下ろすことによって安全障壁を係合させることは、当該技術分野内で周知である。換言すれば、安全障壁は、ジグソーパズルの2つのピースが係合されるのと同じ方法で係合される。このような安全障壁の接続部分は、WO2014/036237A1に示されている障壁と同様に、フック形状である。しかしながら、安全障壁を迅速に設置する必要性は、安全障壁が重いことと相まって、安全障壁を設置する作業者に重大な健康上のリスクをもたらす。
【発明の概要】
【0003】
上述を考慮すると、本発明の関心事は、相互接続がより容易且つより安全である、安全障壁を提供することである。これらの関心事及び他の関心事のうちの少なくとも1つに対処するために、独立請求項による安全障壁が提供される。好ましい実施形態は、従属請求項によって定義される。
【0004】
安全障壁は、長さ、幅、及び高さを有する。障壁は、障壁の端部において端部接続部を有する。端部接続部は、別の障壁の対応する端部接続部と接続されるように配置されている。端部接続部は、別の障壁の端部接続部の少なくとも一部分を受容することと、障壁の高さの方向における、互いに対する障壁の移動によってのみ、上記別の障壁の対応する端部接続部との接続及び接続解除を可能にすることと、を行うように適合された受容空間を備える。障壁の長さの方向における、受容空間の壁面間の受容空間を通る距離が、端部接続部の上側端部と下側端部との間で最小となり、且つこれら端部においてより大きい。本願の文脈において、「一時的(temporary)」という用語は、例えば、非永久的、ごく短い間の(momentary)、仮設の(provisional)、及び/又は時間制限的を意味することを理解されたい。安全障壁は、その取り付け/取り外し特性により、一時的な使用において有利であるが、それはまた、長期又は永久的な使用にも有用であることに留意されたい。安全障壁の高さは、安全障壁の垂直方向の伸展(extension)として理解され得る。安全障壁の長さは、安全障壁の長手方向の伸展として理解され得る。長さ及び幅は、互いに垂直であり得る。更に、長さ及び幅は、安全障壁の水平方向の伸展としてそれぞれ理解され得る。受容空間の壁面間の空間を通る距離が接続部の上側端部と下側端部との間で最小となることは、障壁間の確実な接続(secured connection)を可能にし得る。受容空間の壁面間の空間を通る距離がこれら端部においてより大きいことは、端部接続部のこれら端部においてより多くの空間があることにより、より容易な、またそれによって、より速くより安全な障壁の接続を可能にし得る。加えて、それは、2つの係合された障壁が、端部接続部の上側端部と下側端部との間で、障壁間の接続が確実なままでありながら、互いに対してある角度をなして配置されることを可能にし得る。「互いに対してある角度をなして」という用語は、例えば、障壁の長手方向軸、横方向軸、及び/又は横断方向軸(transversal axes)が、互いに対してある角度をなして配置されるように、障壁が互いに対して配置されることを意味する。「確実な」という用語は、例えば、係合された、係止された、インターロックされた、緊密な、接続された、確立された、及び/又は安定した、を意味する。上述の特徴は、障壁が依然として緊密な嵌合を有しながら、平坦でない地形に設置されることが可能であることにより、障壁の汎用性を向上させ得る。2つの障壁を係合させるためには、障壁の端部接続部が、他方の障壁の対応する端部接続部の端部接続部の上方にあるように、障壁を持ち上げ、次いで、持ち上げた障壁を下ろすことによって、これら障壁の端部接続部を係合させ得る。これら端部においてより大きい距離により、障壁の端部接続部を係合することがより容易になり、それによって、障壁の安全性を向上させる。端部接続部は、フック形状又はJフック形状を備えるものとして理解され得、これは、別の障壁の対応する端部接続部と係合するように構成され得る。
【0005】
例示的な実施形態によれば、障壁の幅の方向における、受容空間の壁面間の受容空間を通る距離が、端部接続部の上側端部と下側端部との間で最小となり、且つこれら端部においてより大きい。したがって、障壁は、障壁間のより確実な接続と、障壁の幅の方向における距離が、端部接続部の上側端部と下側端部との間で最小となり、且つこれら端部においてより大きいことによる、障壁の更に容易な接続とを可能にし得る。
【0006】
例示的な実施形態によれば、端部接続部は、障壁の高さの方向に細長く、距離は、端部接続部の長手方向中間において最小となる。それによって、障壁をより平坦でない地形に設置することが可能であることにより、障壁の汎用性が向上され得る。
【0007】
例示的な実施形態によれば、距離は、端部接続部の長手方向端部において最大となる。したがって、受容空間の壁面間の空間を通る距離は、これら端部において最大であり、これは、障壁のより容易な接続を可能にする。
【0008】
例示的な実施形態によれば、端部接続部は、障壁の高さに沿った長手方向の伸展と、障壁の幅に沿った横方向の伸展と、障壁の長さに沿った横断方向の伸展と、を有する。端部接続部は、横断方向の突出を有し、これは、端部接続部の長手方向端部間で最大となり、且つこれら端部においてより小さい。横断方向の伸展は、端部接続部の上側端部と下側端部との間で障壁間の確実な接続を可能にし得る一方で、これら端部においてはいくらかの余裕を有する。横断方向の伸展は、障壁の長さに沿った軸に関して、障壁が互いに対して傾いて係合されることを可能にし得る。例えば、平坦なセクションと傾斜したセクションとを備える一続きの地形に沿って安全障壁を設置する必要があり得、本発明の概念は、このような傾斜の急増がある場所に設置され得る。したがって、障壁の連続的な接続が行われ得、これは、係合された安全障壁の頑丈さを増大させ、それによって、安全障壁によって提供される安全度を増大させる。
【0009】
例示的な実施形態によれば、横断方向の突出は、端部接続部の長手方向中間において最大となる。それによって、障壁は、対応する係合された障壁に対して、両方向に等しく傾き得る。等しく傾く能力は、より汎用性のある障壁を可能にし得る。
【0010】
例示的な実施形態によれば、横断方向の突出は、端部接続部の長手方向端部において最小となる。したがって、2つの障壁を接続することがより容易であり得、それによって、障壁の安全性及び効率を向上させる。
【0011】
例示的な実施形態によれば、端部接続部は、基部と、接続部分と、を更に備える。接続部分は、基部から障壁の長さ及び幅の方向に突出している。基部及び接続部分の各々は、細長く、障壁の高さに沿った長手方向の伸展と、障壁の幅に沿った横方向の伸展と、障壁の長さに沿った横断方向の伸展と、を有する。基部及び接続部分は、フック形状又はJフック形状を備えるものとして理解され得る。基部及び接続部分は、障壁間の接続の強度を増大させ得る。更に、基部及び接続部分は、これら障壁が、障壁の高さに沿った方向を除いたあらゆる方向に分離しないことを確実にし得る。
【0012】
例示的な実施形態によれば、基部は、長手方向溝を備え、ここで、溝の壁面と接続部分の壁面とが、受容空間を画定している。受容空間は、別の障壁の接続部分を受容するように適合されており、ここで、接続部分は、別の障壁の対応する接続部分と係合するように配置されている。
【0013】
例示的な実施形態によれば、溝の壁面と接続部分の壁面との間の受容空間を通る距離は、接続部分の長手方向端部間で最小となり、且つこれら長手方向端部においてより大きい。それによって、接続は、障壁のより容易な接続を可能にしながら、確実にされ得る。加えて、異なる距離は、確実な接続を維持しながら、接続された障壁の異なる配向を可能にする。
【0014】
例示的な実施形態によれば、接続部分の横断方向の伸展が、接続部分の長手方向端部間で最大となり、且つこれら長手方向端部においてより小さい。これは、2つの接続された障壁が互いに対して回動及び/又は傾くことを可能にし得る。
【0015】
例示的な実施形態によれば、接続部分の横方向の伸展は、接続部分の上側長手方向端部と下側長手方向端部との間で最大となり、且つこれら長手方向端部においてより小さい。それによって、横方向の伸展は、上側長手方向端部と下側長手方向端部との間からこれら長手方向端部まで低減し得る。低減は、例えば、漏斗及び/又は案内セクションとして見なされ得、これは、2つの安全障壁を接続することをより容易にし得る。低減は、1つの障壁を別の障壁に接続するために、1つの障壁を持ち上げる必要がある所要の高さを低減させることを可能にし得、これは、障壁の効率及び安全性を向上させ得る。更に、接続部分の横方向の伸展は、端部接続部の長手方向中間において最大となり得る。更に、接続部分の横方向の伸展は、端部接続部の長手方向端部において最小となり得る。
【0016】
例示的な実施形態によれば、端部接続部は、別の障壁の受容空間によって受容されたときに、別の障壁に対して、障壁の回動及び/又は傾きを可能にするような形状を備える。「別の障壁の受容空間によって受容される」という用語は、例えば、端部接続部が、別の障壁の対応する端部接続部と係合されることを更に意味する。
【0017】
端部接続部は、障壁の本体と一体であり得る。障壁の本体及び端部接続部は、同じ材料によって構成され得る。障壁の本体及び端部接続部は、一緒に形成され得る。例えば、障壁の本体は、フレームと、障壁材料と、によって構成され得、ここで、障壁材料は、端部接続部を備え得る。障壁の本体と一体である端部接続部は、より耐久性があり得る。障壁は、ある材料のシェルによって形成され、次いで、別の材料で充填され得る。例えば、障壁は、外側金属シェルによって構成され、次いで、コンクリートで充填され得る。障壁は、モノリシックであり得る。換言すれば、障壁は、単一の材料片によって形成され得る。障壁は、例えば、コンクリートの単一片によって形成され得る。本発明の概念は、材料のコンクリートによって限定されず、任意の金属材料又はプラスチック材料等の、任意の材料によって形成され得る。モノリシック障壁は、製造がより容易であり、したがって、製造がより安価であり得る。更に、障壁は、障壁の内部に配置された支持フレームを有し得る。
【0018】
本発明の例示的な実施形態を、添付の図面を参照して以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】
図1は、本発明の1つ以上の例示的な実施形態による安全障壁の概略斜視図である。
【
図2】
図2は、本発明の1つ以上の例示的な実施形態による安全障壁の概略斜視図である。
【
図3】
図3は、本発明の1つ以上の例示的な実施形態による安全障壁の概略斜視図である。
【
図4】
図4は、本発明の1つ以上の例示的な実施形態による安全障壁の概略斜視図である。
【
図5】
図5は、本発明の1つ以上の例示的な実施形態による、2つの係合された安全障壁の概略斜視図である。
【
図6】
図6は、本発明の1つ以上の例示的な実施形態による安全障壁の端部接続部の概略断面図である。
【
図7】
図7は、本発明の1つ以上の例示的な実施形態による、2つの係合された安全障壁の端部接続部の概略断面図である。
【
図8】
図8は、本発明の1つ以上の例示的な実施形態による、2つの係合された安全障壁の端部接続部の概略断面図である。
【
図9】
図9は、本発明の1つ以上の例示的な実施形態による、2つの係合された安全障壁の端部接続部の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
全ての図面は概略的であり、必ずしも縮尺通りではなく、一般に、本発明の実施形態を明らかにするために必要な部分のみを示しており、ここで、他の部分は省略され得るか又は単に示唆され得る。
【0021】
次に、本発明の例示的な実施形態が示される添付の図面を参照して、本発明が以下で説明される。しかしながら、本発明は、多くの異なる形態で具現化され得、本明細書に記載される本発明の実施形態に限定されるものとして解釈されるべきでなく、むしろ、本発明のこれらの実施形態は、本開示が当業者に本発明の範囲を伝えるように、例として提供される。図面において、同一の参照符号は、別段に明記されていない限り、同一又は同様の機能を有する同一又は同様の構成要素を示す。
【0022】
図1は、本発明の例示的な実施形態による安全障壁の概略斜視図である。障壁1は、長さL、幅W、及び高さHを有する。障壁1の長さLは、障壁1の高さHよりも大きい。障壁1の高さHは、障壁1の幅Wよりも大きいが、他の実施形態では、幅は、高さよりも大きくなり得ることに留意されたい。障壁1は、底部2と、上部3と、を有し、ここで、底部は、上部よりも大きい幅を有する。より大きい底部の幅は、障壁1の安定性を向上させる。更に、障壁1は、本体4を有する。障壁1の本体4は、本体4の全長Lに沿って実質的に同じ断面を有する。本体4は、中央本体部分17と、中央本体部分17の両側にある2つの側本体部分18と、を備える。本体4の断面の形状は、実質的に3つの形状によって構成され、ここで、中央本体部分17の断面は矩形であり、側本体部分18の断面は三角形である。2つの三角形は、矩形の短い辺と、各三角形の1つの辺、即ち、直角三角形の斜辺以外の辺(leg)とが、障壁1の基部を形成するように配置されている。したがって、三角形の別の辺は、矩形の長辺に沿って延在し、それは、障壁1の全高の少なくとも一部に対応する高さ、典型的に、高さの半分未満に達する。
図1の障壁1は、実質的に障壁1の下側の角に配置された4つの脚部5を更に備える。示される障壁1は、障壁1の幅Wに沿った方向に障壁1を貫通する2つの穴6を更に備える。穴6は、フォークリフト又は別の種類の作業車両の助けを借りて等、障壁1を持ち上げる及び/又は移動させるときの使用のために適合され得る。加えて、障壁1は、障壁1の側面上に配置された3つの窪み7を備える。障壁1は、反対側の側面上に対応する窪み7を更に備える。窪み7は、障壁1をつかむために適合され得る。障壁1は、その上部3において細長い凹部15を備える。凹部15は、2つの対向する縁部セクション16の間に障壁1の長さLに沿って延在する。凹部15及び縁部セクション16は、防音壁(sound dampening walls)、標識ホルダー等のような付属品を取り付けるために使用され得る。上記で与えられた窪みの数等は、どのくらい障壁1が長いかによって異なり得ることに留意されたい。
【0023】
障壁1は、障壁1の端部に配置された端部接続部10を更に備える。端部接続部10は、別の安全障壁の対応する端部接続部10と係合するように配置されている(
図5参照)。その係合を得るために、端部接続部10は、別の障壁の端部接続部の少なくとも一部分を受容することと、障壁1の高さHの方向における互いに対する障壁1の移動によってのみ、上記別の障壁の対応する端部接続部との接続及び接続解除を可能にすることと、を行うように適合された受容空間11を備える。障壁1の長さLの方向における、受容空間11の壁面間の受容空間11を通る距離が、端部接続部10の上側端部19と下側端部20との間で最小となり、且つこれら端部19、20においてより大きい。
【0024】
端部接続部10は、基部12と、基部12から横断方向に突出する接続部分13と、を備える。基部12及び接続部分13は、
図2に関連して更に説明される。示される端部接続部10は、安全障壁1の本体4に、より具体的には、本体4の端部に取り付けられた別個の部品である。しかしながら、端部接続部10は、障壁1の本体4と一体であり得ることを理解されたい。この実施形態では、障壁1は、その各端部において1つの端部接続部10を備える。これら端部接続部10は、鏡面対称であり(mirrored)、それによって、相互接続される2つの障壁1をどちらに回転させるかは問題ではない。端部接続部10は、いずれにしても互いに嵌合することになる。
【0025】
図2は、本発明の1つ以上の例示的な実施形態による安全障壁1の概略直交図である。
図2は、上から見た障壁1を示す。より具体的には、
図2は、安全障壁1の一部分を示しており、ここで、この部分は、障壁1の端部を備える。端部接続部10が、障壁1の端部に配置されている。端部接続部10は、上部3及び本体4の中央本体部分17と同じ幅を有する。障壁1は、端部キャップ9を備え、これらは、側本体部分18の長手方向端部上に配置されている。各端部キャップ9は、障壁1の長さに沿って、横断方向の伸展を有し、これは、横方向において、即ち、障壁1の幅Wに沿って変化し、三角形と矩形との間の移行部において最小となる。端部接続部10は、障壁1の高さの方向に細長く、障壁1の長さLに沿った横断方向の伸展を有し、これは、端部接続部10の上側端部19と下側端部20との間で、即ち、長手方向端部間で最大となり、且つこれら端部19、20においてより小さい。好ましくは、横断方向の伸展は、端部接続部10の長手方向中間Mにおいて最大となる。好ましくは、端部接続部10の横断方向の伸展は、その長手方向端部19、20において最小となる。端部接続部10の横断方向の伸展は、端部接続部10と本体4との間の、平面的な二次元の、即ち、障壁1の高さと幅に沿った界面から、端部接続部10の自由端までの距離として定義される。したがって、この定義により、横断方向の伸展は、端部接続部10の横断方向の突出と同等である。
【0026】
基部12は、障壁1の第1の側にある第1の側部21と、障壁1の第2の側にある、第1の側部21と横方向に反対側の第2の側部22と、第1の側部21と第2の側部22との間に横方向にある中間部23と、を有する。基部12は、長手方向溝24を備える。接続部分13は、第1の側部21において、基部12から横断方向に離れる方へ突出する第1の横断部25と、基部12の第1の側部21から離れる方へ第1の横断部25から横方向に突出する横部(lateral portion)26と、基部12の中間部23に向かって横部26から横断方向に突出する第2の横断部27と、を有する。したがって、第1の横断部25及び第2の横断部27は、反対の横断方向に突出する。
【0027】
溝24の壁面と接続部分13の壁面とが、受容空間11を画定しており、これにより、受容空間11は、別の障壁1の接続部分13を受容するように適合されている。これは、代替として、互いに対向する長手方向溝24の表面部分と接続部分13の表面部分とが、受容空間11を画定すると見なされ得る。より具体的には、受容空間11の断面積は、接続部分13の断面積よりもわずかに大きいが、受容空間11の断面と接続部分13の断面とは、形状が同様である。接続部分13は、他方の障壁の対応する接続部分と係合するように配置されている(
図5参照)。例えば、フック形状に似ている、接続部分13の形状により、接続部分13を、端部接続部10の上又は下から、即ち、障壁1の高さの方向において進入させることによってのみ、受容空間11において接続部分13を受容することが可能である。したがって、2つの端部接続部10の係合は、障壁1を引き離すこと、又はそれらを両側に反対方向に引っ張ることによる接続解除を阻止する。受容空間11は、接続部分13の全長に沿って延在する長手方向開口部28を有する。
【0028】
第1の側部21及び第2の側部22の両方は、基部12の長さに沿って変化する横断方向の伸展を有する。より具体的には、それらは、基部12に沿った異なる位置において異なる程度に横断方向に突出する。突出の差は、
図2においてそれぞれd1及びd6で示されている。したがって、第1の側部21及び第2の側部22は、例えば、それらの横方向端部又は縁部において、湾曲した端面を有する。これに対応して、基部12の中間部23に形成された溝24の壁面は、非平面であり、基部12の長さに沿って異なる程度に突出し、伸展差(extension difference)d5で示されるように、中間部23に変化する広がり(extent)を与える。溝24の壁面の異なるセクションは、異なる方向を向いており、それによって、中間部23の伸展差d5は、部分的に横方向であり且つ部分的に横断方向であることを理解されたい。
【0029】
全体としての端部接続部10と同様に、基部12及び接続部分13の各々は、障壁の高さHに沿った長手方向の伸展と、障壁の幅Wに沿った横方向の伸展と、障壁の長さLに沿った横断方向の伸展と、を有する。接続部分13の横断方向の伸展は、接続部分13の横断方向の伸展が、接続部分13の長手方向端部29、30の間で最大となり、その長手方向端部29、30においてより小さくなるように、その長さに沿って異なる。好ましくは、接続部分13の横断方向の伸展は、端部接続部10の長手方向中間Mにおいて最大となる。好ましくは、接続部分13の横断方向の伸展は、接続部分13の端部29、30において最小となる。より具体的には、障壁1の一実施形態によれば、第2の横断部27における接続部分13の横断方向の伸展は、接続部分13の端部29、30の間で最大となり、その端部29、30において最小となる。溝24の反対面に向かう第2の横断部27の最大と最小の横断方向の突出の間の差は、
図2にd7で示されており、反対方向における、即ち、溝24の上記面から見て外方に向いた横部26の横断方向の突出の差は、d2で示されている。最後に述べた2つの差d7、d2は、合計すると、
図6に示されるように、接続部分13の長さに沿った第2の横断部27における接続部分13の横断方向の伸展の総変動量(total variation)E
Tとなる。受容空間11の対向する壁セクションの間には、横断距離D
Tが存在する。第2の横断部27が受容されることになる受容空間11の一部分における横断距離D
Tは、端部接続部10の長手方向端部間で最小となり、これは、第2の横断部27における接続部分13の最大の横断方向の伸展E
Tに適合されている。受容空間11のその最小横断距離D
Tは、上記最大の横断方向の伸展E
Tよりもわずかに長い。これに対応して、横部26の最大の横方向の突出における接続部分13の横方向の伸展E
Lは、受容空間11の対応する部分の最小横方向距離D
Lよりも小さい。したがって、接続部分13と受容空間11との間には、遊びPが存在する。これにより、接続部分13は、堅実に係合されるが、依然として受容空間11において可動である。
図7に示されるように、受容空間11の開口部28に接近すると、遊びPは増大する。これは、相互接続された障壁1が互いに対して水平方向に枢動すること、即ち、水平面内で互いに対してある角度をなして位置付けられることを許容するためのである。障壁1の第2の側に向かう横方向の突出の差でもある、横部26の伸展差は、
図2にd4で示されている。第1の横断部25は、障壁1の第1の側に斜めに面する表面を有する。その表面は、少なくとも長手方向に非平面であり、第1の横断部25の変化する横方向/横断方向の伸展を提供する。総伸展差は、
図2にd3で示されている。
【0030】
加えて、伸展の横断方向及び横方向の差は、相互接続された障壁1が垂直平面内で角度付けられることを可能にし、これは、平坦でない地面の上での障壁1の使用を促進する。横力が、相互接続された障壁1を端部接続部10の周りで枢動させる場合には、最大枢動角度において、その接続部分13の一方の側の遊びPは、ゼロになり、接続部分13は、他方の障壁1の溝の壁面に衝突する。これは、接続部分13に対して大きな力を及ぼすことを引き起こし得る。この力を低減するために、障壁1の端部キャップ9は、接続部分13の側面が溝24の壁面に衝突する直前に、障壁1の一方の側の端部キャップ9が互いに衝突し、運動の力の少なくとも一部を吸収することになるという程度まで、横断方向に突出する。したがって、遊びの大きさと、端部キャップ9の横断方向の突出とは、端部キャップ9と端部接続部10とが協働して、端部接続部10の周りでの過剰な枢動を引き起こす横力を吸収するように、互いに適合されている。
【0031】
更に、基部12の第2の側部22は、第1の側部21よりも大きい横断方向の伸展を有する。しかしながら、第1の側部21及び第2の側部22の横断方向の伸展差d1、d6は、同じである。接続部分13の横断方向の突出は、基部12の第2の側部22の横断方向の突出よりも大きい。接続部分13は、フック形状又はJフック形状を有し、即ち、それは、フック部を形成する。結果として、要約すると、端部接続部10の横断方向及び横方向の伸展d1~d7の差は、受容空間11の壁面と受容空間11によって受容される接続部分13との間に、遊びPを形成する。遊びPは、端部接続部10の上側長手方向端部19と下側長手方向端部20との間で最小となり、且つ長手方向端部19、20においてより大きい。
【0032】
図3は、本発明の1つ以上の例示的な実施形態による障壁1の概略斜視図である。
図3は、
図1及び
図2に示され、関連するテキストに説明されたような、特徴、要素及び/又は機能を備えることに留意されたい。したがって、理解を深めるために、これらの図及びそれに関連する説明も参照される。
図3に示される障壁1は、上から斜めに見たものである。したがって、安全障壁1の端部、安全障壁1の側面の一部分、及び安全障壁1の上部3の一部分が示されている。
【0033】
端部接続部10は、基部12と、接続部分13と、を備える。基部12、接続部分13及び受容空間11は、障壁1の高さHに沿って細長くなっている。しかしながら、接続部分13の長手方向の伸展は、基部12の長手方向の伸展よりも小さく、ここで、基部12の第1の側部21及び第2の側部分22は、障壁1の上部3までに至る長手方向の伸展を有し、一方、接続部分13の長手方向の伸展は、凹部15の底部と同じ高さで、上部3から一定の長手方向距離を置いたところで止まる。
【0034】
端部接続部10の横断方向の伸展及び接続部分13の横断方向の伸展は、端部接続部10の長手方向中間Mにおいて最大となる。端部接続部10の横断方向の伸展は、端部接続部10の長手方向端部においてより小さい。接続部分13の横断方向の伸展は、接続部分13の長手方向端部29、30においてより小さい。接続部分13は、障壁1の第2の側に向かう横方向の伸展、即ち、障壁1の第2の側に向かう横方向の突出を有し、これは、接続部分13の長手方向中間セクションd11に沿って同じである。長手方向中間セクションd11の長手方向端部から、接続部分13の長手方向端部まで、即ち、長手方向端部セクションd12の長手方向端部までは、障壁1の第2の側に向かう横方向の伸展は、それが接続部分13の長手方向端部において最小に達するように低減しており、接続部分13の総横方向の伸展も同様である。接続部分13は、受容空間11を部分的に覆っている。
【0035】
図4は、本発明の1つ以上の例示的な実施形態による安全障壁の概略斜視図である。
図4は、
図1~
図3に示され、関連するテキストに説明されたような、特徴、要素及び/又は機能を備えることに留意されたい。したがって、理解を深めるために、これらの図及びそれに関連する説明も参照される。
図4の斜視図は、障壁1の本体4の端部及び側面が示されるようにしたものである。
【0036】
基部12及び接続部分13は、端部接続部10の左側の図を遮っている。
図4は、接続部分13の横断方向の突出が、端部接続部10の第2の側部22の横断方向の突出よりもいかに大きいかを示している。接続部分13の縁部と基部12の第2の側部22の壁面との間に横断距離が存在する。更に、接続部分13の第2の横断部27と受容部分11の対向する壁面との間に横断距離が存在する。後者の横断距離は、端部接続部10の長手方向中間Mにおいて最小となり、且つ端部接続部10の長手方向端部において最大となる。長手方向中間Mにおいて最大となり、且つ端部接続部10の長手方向端部において最小となる、接続部分13の横方向の伸展は、上述の横断距離の特性と組み合わされて、接続部分13の上側長手方向端部と下側長手方向端部との間で最小となり、且つこれら長手方向端部においてより大きい、受容空間11の壁面間の距離を定義する。好ましくは、空間11の壁面間の距離は、端部接続部の長手方向中間Mにおいて最小となる。
【0037】
図5は、本発明の1つ以上の例示的な実施形態による、2つの係合された障壁1の概略斜視図である。
図5は、
図1~
図4に示され、関連するテキストに説明されたような、特徴、要素及び/又は機能を備えることに留意されたい。したがって、理解を深めるために、これらの図及びそれに関連する説明も参照される。
図5に示される2つの係合された安全障壁は、上から見たものである。
【0038】
2つの障壁1は、係合している。換言すれば、2つの障壁は、例えば、インターロックされているか、共に係止されているか、又は接続されている。2つの係合された障壁1は、互いに列をなして配置されている。換言すれば、障壁1の長手方向軸は、平行である。しかしながら、障壁1は、それらの長手方向軸に対して平行であることに限定されない。本発明の概念は、2つの係合された障壁が、それらの長手方向軸に対してある角度をなして配置されることを可能にすることを理解されたい。
【0039】
各障壁1の端部接続部10は、対応する障壁1の端部接続部10と係合される。換言すれば、各障壁1の接続部分13は、対応する障壁1の受容空間11に挿入されており、且つ基部12と接続部分13とによって提供されるその受容空間11の壁部に係合されている。受容空間11は、接続部分13よりも大きく、即ち、それらの間には、遊びPが存在する。しかしながら、係合の最も狭い点では、障壁1の接続部分13の間に本質的に遊びがなく、一方、それは、接続部分13の長手方向端部に向かって幅が広がっている。換言すれば、垂直配向では、接続部分13と他方の障壁1の対応する接続部分13との間の遊びPは、接続部分13の上側長手方向端部と下側長手方向端部との間で最小となり、且つこれら長手方向端部においてより大きい。これは、少なくとも、障壁1が置かれている地面が平坦である場合に当てはまる。同様に、水平配向では、遊びPは、接続部分13の外側端部又は自由端と見なされ得る端部において最小となり、且つ受容空間11の開口部28に向かって増大する。垂直配向における遊びは、
図8に例示されるように、垂直遊びP
Vとしても示され、水平配向における遊びは、
図7に例示されるように、水平遊びP
Hとしても示される。
図7は、端部接続部10の水平断面図を示す。上記で説明されたように、端部キャップ9は、障壁1がそれらの間の相互接続部の周りで回動される場合、相互接続部の遊び、即ち、水平遊びP
Hがゼロになる前に、一方の障壁1の端部キャップ9が他方の障壁の端部キャップ9と接触することになるように、横断方向に突出するように配置されている。
【0040】
図7の線I-Iに沿って切断された垂直断面において、
図8及び
図9は、接続部分13及び受容空間11の形状によって得られた、端部接続部10の遊びが、典型的に、平坦でない地面によって引き起こされる、2つの相互接続された障壁1の間の垂直角度αをどのように可能にするかを例示する。より具体的には、
図8に示されるように、障壁1が平坦な地面に置かれると、遊び、即ち、垂直方向の遊びP
Vは、端部接続部10の長手方向中間Mにおいて最小となり、且つ接続部分13の長手方向端部に向かって増大する。最大垂直角度αでは、垂直遊びP
Vはゼロである。これは、各障壁1の接続部分13の表面部分が、他方の障壁1の端部接続部10の受容空間11の対応する表面部分に当接することを意味する。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] 安全障壁(1)であって、前記安全障壁(1)は、長さ(L)と、幅(W)と、高さ(H)と、を有し、ここにおいて、前記安全障壁(1)は、
前記安全障壁の端部において端部接続部(10)を有し、この端部接続部は、別の安全障壁の対応する端部接続部と接続されるように配置されており、ここにおいて、前記端部接続部は、
別の安全障壁の端部接続部の少なくとも一部分を受容することと、前記安全障壁の前記高さの方向における、互いに対する前記安全障壁の移動によってのみ、前記別の安全障壁の対応する端部接続部との接続及び接続解除を可能にすることと、を行うように適合された受容空間(11)を備え、ここにおいて、前記安全障壁の前記長さの方向における、前記受容空間の壁面間の前記受容空間を通る距離が、前記端部接続部の上側端部と下側端部との間で最小となり、且つ前記上側端部と前記下側端部においてより大きい、安全障壁(1)。
[2] 前記安全障壁の前記幅の方向における、前記受容空間の壁面間の前記受容空間を通る距離が、前記端部接続部の前記上側端部と前記下側端部との間で最小となり、且つ前記上側端部と前記下側端部においてより大きい、[1]に記載の安全障壁(1)。
[3] 前記端部接続部は、前記障壁の前記高さの方向に細長く、前記距離は、前記端部接続部の前記長手方向中間(M)において最小となる、[1]又は[2]に記載の安全障壁(1)。
[4] 前記端部接続部は、前記安全障壁の前記高さの方向に細長く、前記距離は、前記端部接続部の長手方向端部において最大となる、[1]~[3]のいずれか一項に記載の安全障壁(1)。
[5] 前記端部接続部(10)は、前記安全障壁(1)の前記高さ(H)に沿った長手方向の伸展と、前記安全障壁の前記幅(W)に沿った横方向の伸展と、前記安全障壁の前記長さ(L)に沿った横断方向の伸展と、を有し、前記端部接続部は、横断方向の突出を有し、前記横断方向の突出は、前記端部接続部の長手方向端部間で最大となり、且つ前記長手方向端部においてより小さい、[1]~[4]のいずれか一項に記載の安全障壁(1)。
[6] 前記横断方向の突出は、前記端部接続部の前記長手方向中間(M)において最大となる、[5]に記載の安全障壁(1)。
[7] 前記横断方向の突出は、前記端部接続部の前記長手方向端部において最小となる、[5]又は[6]に記載の安全障壁(1)。
[8] 前記端部接続部10は、基部(12)と、前記基部から前記安全障壁の前記長さ及び幅の方向に突出している接続部分(13)と、を更に備え、前記基部及び前記接続部分の各々は、細長く、前記安全障壁の前記高さ(H)に沿った長手方向の伸展と、前記安全障壁の前記幅(W)に沿った横方向の伸展と、前記安全障壁の前記長さ(L)に沿った横断方向の伸展と、を有する、[1]~[7]のいずれか一項に記載の安全障壁(1)。
[9] 前記基部(12)は、長手方向溝(24)を備え、前記溝の壁面と前記接続部分(13)の壁面とが、前記受容空間(11)を画定しており、これにより、前記受容空間は、別の安全障壁の前記接続部分を受容するように適合されており、前記接続部分は、前記別の安全障壁の対応する前記接続部分と係合するように配置されている、[8]に記載の安全障壁(1)。
[10] 前記溝の壁面と前記接続部分の壁面との間の前記受容空間を通る距離が、前記接続部分の長手方向端部間で最小となり、且つ前記長手方向端部においてより大きい、[9]に記載の安全障壁(1)。
[11] 前記接続部分の横断方向の伸展が、前記接続部分の長手方向端部間で最大となり、且つその前記長手方向端部においてより小さい、[8]~[10]のいずれか一項に記載の安全障壁(1)。
[12] 前記接続部分の横断方向の伸展が、前記接続部分の長手方向端部において最小となる、[8]~[11]のいずれか一項に記載の安全障壁(1)。
[13] 前記接続部分の前記横方向の伸展は、前記接続部分の上側長手方向端部と下側長手方向端部との間で最大となり、且つ前記長手方向端部においてより小さい、[8]~[12]のいずれか一項に記載の安全障壁(1)。
[14] 前記接続部分の前記横方向の伸展は、前記端部接続部の前記長手方向端部において最小となる、[8]~[13]のいずれか一項に記載の安全障壁(1)。