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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-12
(45)【発行日】2024-07-23
(54)【発明の名称】回転操作子及び操作装置
(51)【国際特許分類】
   G11B 33/10 20060101AFI20240716BHJP
   G11B 27/02 20060101ALI20240716BHJP
   G11B 27/00 20060101ALI20240716BHJP
   G11B 20/10 20060101ALI20240716BHJP
   G11B 31/00 20060101ALI20240716BHJP
【FI】
G11B33/10 C
G11B27/02 J
G11B27/00 A
G11B20/10 321
G11B31/00 Z
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022579278
(86)(22)【出願日】2021-02-05
(86)【国際出願番号】 JP2021004409
(87)【国際公開番号】W WO2022168282
(87)【国際公開日】2022-08-11
【審査請求日】2023-07-28
(73)【特許権者】
【識別番号】315017409
【氏名又は名称】AlphaTheta株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】弁理士法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】芝 克弘
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼城 七生
【審査官】川中 龍太
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-135147(JP,A)
【文献】特開2008-021379(JP,A)
【文献】国際公開第2020/240857(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11B 33/10
G11B 27/02
G11B 27/00
G11B 20/10
G11B 31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース部と、
前記ベース部に設けられる軸部材と、
前記軸部材が挿通し、前記軸部材を中心として回転される第1回転体と、
前記第1回転体に対して前記ベース部とは反対側に前記軸部材に設けられ、前記軸部材の軸方向に沿って移動して前記ベース部に前記第1回転体を押し付けることが可能な調節部と、を備え
前記調節部は、前記調節部に対する回動操作を前記軸部材の軸方向に沿う直進運動に変換するカム機構を備える回転操作子。
【請求項2】
請求項に記載の回転操作子において、
前記調節部は、
前記軸部材が挿通し、前記第1回転体に当接する第1部材と、
前記軸部材に装着され、前記第1部材に対して前記軸部材を中心として相対的に回動可能な第2部材と、を備え、
前記カム機構は、
前記第1部材における前記第2部材に対向する面に設けられ、前記軸部材を中心とする円弧状をなし、前記第2部材に向かう突出寸法が連続して変化する端面カム本体と、
前記第2部材における前記第1部材に対向する面から前記第1部材側に突出し、前記端面カム本体に沿って摺動して、前記第2部材の回動に伴って前記第1部材を前記軸部材に沿って移動させるフォロアと、を含む、回転操作子。
【請求項3】
ベース部と、
前記ベース部に設けられる軸部材と、
前記軸部材が挿通し、前記軸部材を中心として回転される第1回転体と、
前記第1回転体に対して前記ベース部とは反対側に前記軸部材に設けられ、前記軸部材の軸方向に沿って移動して前記ベース部に前記第1回転体を押し付けることが可能な調節部と、
前記第1回転体を挟んで前記調節部とは反対側の位置に、前記軸部材の軸方向に沿って摺動可能に設けられ、前記第1回転体を支持する支持部材と、
前記支持部材を前記調節部に向かって付勢する付勢部材と、を備え
前記支持部材において前記第1回転体を支持する支持面は、前記ベース部よりも前記調節部側に配置可能である回転操作子。
【請求項4】
請求項1から請求項のいずれか一項に記載の回転操作子において、
前記ベース部は、
前記第1回転体が配置され、前記第1回転体とは独立して回転可能な第2回転体と、
前記第2回転体を前記第1回転体と同心で回転させる回転駆動部と、を有する、回転操作子。
【請求項5】
請求項に記載の回転操作子において、
前記第1回転体の回転を検出する第1回転検出部と、
前記第2回転体の回転を検出する第2回転検出部と、を備える、回転操作子。
【請求項6】
ベース部と、
前記ベース部に設けられる軸部材と、
前記軸部材が挿通し、前記軸部材を中心として回転される第1回転体と、
前記第1回転体に対して前記ベース部とは反対側に前記軸部材に設けられ、前記軸部材の軸方向に沿って移動して前記ベース部に前記第1回転体を押し付けることが可能な調節部と、
前記第1回転体の回転を検出する第1回転検出部と、
第2回転検出部と、を備え
前記ベース部は、
前記第1回転体が配置され、前記第1回転体とは独立して回転可能な第2回転体と、
前記第2回転体を前記第1回転体と同心で回転させる回転駆動部と、を有し、
前記第2回転検出部は、前記第2回転体の回転を検出する回転操作子。
【請求項7】
請求項4から請求項6のいずれか一項に記載の回転操作子において、
前記第1回転体と前記第2回転体との間に設けられ、前記第1回転体が前記第2回転体に対して相対的に回動するときの摩擦力を低減する摩擦低減部材を備える、回転操作子。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の回転操作子において、
前記調節部は、前記軸部材に装着及び脱離可能である、回転操作子。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の回転操作子を備える操作装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転操作子及び操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、DVS(Digital Vinyl System)等の音楽再生手法に用いられる、アナログターンテーブルと同様の操作性を有するコントロール・ターンテーブルが知られている(例えば、非特許文献1及び2参照)。
非特許文献1及び2に記載のコントロール・ターンテーブルでは、レコードは、スピンドルが挿通した状態にて、プラッターとロックアダプターとの間に挟持される。非特許文献1に記載のターンテーブルでは、ユーザーは、ロックアダプターに設けられたねじを六角レンチによって締めることによって、プラッターに対するレコードのすべり具合が調節される。非特許文献2に記載のターンテーブルでは、スピンドルとスリップマットとの間に設置されるスペーサーの数を調節することによって、プラッターに対するレコードのすべり具合が調節される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】Rane Corporation,「TWELVEユーザーガイドv1.1」,インターネット,[検索日:令和2年10月19日],URL:http://rane-dj.jp/products/twelve
【文献】Rane Corporation,「TWELVE MKIIユーザーガイド」,インターネット,[検索日:令和2年10月19日],URL:http://rane-dj.jp/products/8-products/34-twelve-mkii
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、非特許文献1に記載のコントロール・ターンテーブルでは、付属の6角レンチがなければレコードの滑り具合を調節できないため、調節操作が煩雑であるという問題がある。また、楽曲再生中には、レコードのすべり具合を調節することが難しいという問題がある。
一方、非特許文献2に記載のコントロール・ターンテーブルでは、DJの所望する滑りやすさに応じた厚さ又は数のスペーサーを準備する必要があるという問題がある。
これらのことから、回転体の回転負荷を容易に調節可能な回転操作子及び操作装置が要望されてきた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第1態様に係る回転操作子は、ベース部と、前記ベース部に設けられる軸部材と、前記軸部材が挿通し、前記軸部材を中心として回転される第1回転体と、前記第1回転体に対して前記ベース部とは反対側に前記軸部材に設けられ、前記軸部材の軸方向に沿って移動して前記ベース部に前記第1回転体を押し付けることが可能な調節部と、を備える。
【0006】
本開示の第2態様に係る操作装置は、上記回転操作子を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施形態に係る音響システムを示す模式図。
図2】一実施形態に係る回転操作子を示す斜視図。
図3】一実施形態に係る回転操作子を示す斜視図。
図4】一実施形態に係る回転操作子を示す分解斜視図。
図5】一実施形態に係るプラッターを示す断面図。
図6】一実施形態に係る支持機構を示す斜視図。
図7】一実施形態に係る支持機構を示す斜視図。
図8】一実施形態に係る支持機構を示す断面図。
図9】一実施形態に係る軸部材及び付勢部材を示す斜視図。
図10】一実施形態に係る支持機構を示す分解斜視図。
図11】一実施形態に係る支持機構を示す分解斜視図。
図12】一実施形態に係る支持機構を示す斜視図。
図13】一実施形態に係る支持機構を示す断面図。
図14】一実施形態に係る調節部を示す斜視図。
図15】一実施形態に係る調節部を示す斜視図。
図16】一実施形態に係る操作部材を示す分解斜視図。
図17】一実施形態に係る基準状態にある回転操作子を示す平面図。
図18】一実施形態に係る基準状態にある回転操作子を示す断面図。
図19】一実施形態に係る高負荷状態にある回転操作子を示す断面図。
図20】一実施形態に係る低負荷状態にある回転操作子を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本開示の一実施形態について、図面に基づいて説明する。
[音響システムの全体構成]
図1は、本実施形態に係る音響システムASを示す模式図である。
本実施形態に係る音響システムASは、図1に示すように、楽曲供給装置MS、ミキサーMX、2つの操作装置1(1L,1R)及びスピーカーSPL,SPRを備える。音響システムASでは、操作装置1及びミキサーMXに対するユーザーの操作に応じて、楽曲供給装置MSが楽曲を再生し、再生した楽曲信号をミキサーMXに出力する。ミキサーMXは、楽曲供給装置MSから入力される楽曲信号を、スピーカーSPL,SPRに出力し、スピーカーSPL,SPRは、入力された楽曲信号に応じた音声を放音する。また、音響システムASは、操作装置1に設けられた操作盤3に対するユーザーの回転操作に応じて、楽曲供給装置MSが楽曲を再生する機能、いわゆる、DVS(Digital Vinyl System)の機能を有する。
以下、音響システムASの各構成について説明する。
【0009】
[楽曲供給装置の構成]
楽曲供給装置MSは、ミキサーMXと接続され、ミキサーMXにてミックスされる楽曲を供給する。更に、楽曲供給装置MSには、操作装置1L,1Rから出力される操作信号、例えばユーザーによって行われるスクラッチ操作等の操作信号がミキサーMXを介して入力され、楽曲供給装置MSは、入力される操作信号に応じて楽曲を再生する。本実施形態では、楽曲供給装置MSは、DJアプリケーションを実行可能な情報処理装置によって構成される。情報処理装置としては、PC(personal computer)及びスマートフォンを例示できる。
【0010】
[ミキサーの構成]
ミキサーMXは、楽曲供給装置MSから供給される楽曲をミックスし、ミックスした楽曲に応じた音声信号をスピーカーSPL,SPRに出力する。ミキサーMXは、例えば4デッキ2チャンネルミキサーであり、楽曲供給装置MSから第1~第4デッキの楽曲が入力される。ミキサーMXは、第1デッキの楽曲及び第3デッキの楽曲から選択される第1チャンネルの楽曲と、第2デッキの楽曲及び第4デッキの楽曲から選択される第2チャンネルの楽曲とを操作可能である他、各チャンネルの楽曲に所定のエフェクトを付加可能である。
【0011】
[操作装置の構成]
操作装置1は、ユーザーによって操作される回転操作子2を備え、回転操作子2に対するユーザーの操作に応じた操作信号を、ミキサーMXを介して楽曲供給装置MSに出力する。詳述すると、操作装置1は、回転操作子2を構成する第1回転検出部81(図3参照)による検出結果に基づいた操作信号を出力する。音響システムASが備える2つの操作装置1は、第1チャンネルの楽曲を操作する操作装置1L、及び、第2チャンネルの楽曲を操作する操作装置1Rである。操作装置1Lと操作装置1Rとは、同じ構成である。
以下、回転操作子2の構成について説明する。
【0012】
[回転操作子の構成]
図2は、操作装置1が備える回転操作子2を+Z方向から見た斜視図である。図3は、回転操作子2を-Z方向から見た斜視図である。図4は、回転操作子2の一部の構成を分離させた分解斜視図である。
回転操作子2は、図2及び図4に示すように、操作盤3、筐体部4、ベース部5及び調節部9を備える他、図3に示すように、支持機構7及び検出部8を備える。
以下の説明では、互いに直交する三方向を+X方向、+Y方向及び+Z方向とする。+Z方向は、後述する軸部材71に沿って、ベース部5から調節部9に向かう方向である。+X方向は、+Y方向が上側となるように+Z方向から操作装置1を見た場合の右方向である。また、図示を省略するが、+X方向とは反対方向を-X方向とし、+Y方向とは反対方向を-Y方向とし、+Z方向とは反対方向を-Z方向とする。
【0013】
[操作盤の構成]
操作盤3は、第1回転体に相当し、図2及び図4に示すように、円盤状に形成されている。操作盤3は、ベース部5を構成する略円錐台形状のプラッター51上に配置され、プラッター51と同心で回転される。操作盤3は、プラッター51に対してプラッター51の回転方向に相対的に回動可能である他、プラッター51の回転方向とは反対方向に相対的に回動可能である。このため、ユーザーは、操作盤3に対してスクラッチ操作等の回動操作を実施可能である。
操作盤3は、+Z方向から見て操作盤3の中央に略円形状の孔部31を有する。孔部31は、支持機構7の後述する軸部材71が+Z方向に挿通する孔部である。
操作盤3は、詳しくは後述するが、調節部9によってプラッター51に押し付けられ、これにより、操作盤3の回動負荷が調節される。
以下、操作盤3の回転軸を回転軸Rxという。回転軸Rxは、+Z方向に沿う軸であり、後述する軸部材71の中心軸と一致する。すなわち、操作盤3は、軸部材71を中心とし、軸部材71と一体的に回転する。
【0014】
[筐体部の構成]
筐体部4は、ベース部5、回転駆動部6及び支持機構7を支持する台座部41と、複数の脚部42と、保持部43と、を備える。
台座部41は、+Z方向から見てベース部5のプラッター51の直径よりも大きい略正方形状に形成されている。台座部41は、図4に示すように、貫通口411を有する。
貫通口411は、+Z方向から見て台座部41の略中央に円形状に設けられ、台座部41を+Z方向に沿って貫通している。貫通口411には、プラッター51の一部が挿入される他、支持機構7の一部が挿入される。
【0015】
複数の脚部42のそれぞれは、台座部41における-Z方向の面41Bの隅部に設けられている。複数の脚部42は、回転操作子2が設けられる操作装置1の内面と接触して、台座部41を支持する。
保持部43は、図3に示すように、面41Bから-Z方向に突出するように台座部41に固定された中空の円筒状部材であり、貫通口411を囲むように固定されている。保持部43の内部には、プラッター51の保持部512が配置される。すなわち、保持部43は、後述する保持部512の周囲を囲む。
【0016】
筐体部4は、図3では図示を省略するが、保持部43の内部に設けられるベアリング44(図16参照)を備える。
ベアリング44は、プラッター51の保持部512と連結される。保持部43は、ベアリング44を介して、回転軸Rxを中心として回転可能にプラッター51を保持する。
本実施形態では、ベアリング44は、例えばボールベアリングによって構成され、+Z方向において互いに離間して複数配置されている。なお、保持部43がプラッター51を回転可能に保持できれば、ベアリング44は無くてもよく、ベアリング44の数も適宜変更可能である。
【0017】
[ベース部の構成]
ベース部5は、図2図4に示すように、筐体部4に設けられる。ベース部5は、図4に示すように、プラッター51及び回転駆動部52を備える。
【0018】
[プラッターの構成]
プラッター51は、本開示の第2回転体に相当する。プラッター51は、回転軸Rxを中心として回転可能に台座部41に設けられ、図4に示すように、+Z方向の面51Aにて操作盤3を支持する。
プラッター51は、回転駆動部52によって、+Z方向から見て時計回りに回転され、操作盤3を同心で回転させる。プラッター51は、+Z方向に向かうに従って外径が小さくなる略円錐台形状に形成されている。
【0019】
図5は、+Z方向から見てプラッター51の中央におけるプラッター51のYZ平面に沿う断面を示す図である。
プラッター51は、図5に示すように、凹部511、保持部512、規制部513、被検出部514及びベアリング515を備える。
凹部511は、+Z方向から見てプラッター51の中央に略円形状に形成され、-Z方向に凹んでいる。凹部511は、プラッター51の面51Aから-Z方向に凹む第1凹部511A、及び、第1凹部511Aの底部から-Z方向に凹む第2凹部511Bにより構成されている。すなわち、凹部511は、面51Aから-Z方向に向かって2段階に縮径している。凹部511の内部には、後述する支持機構7の一部が配置される。
【0020】
保持部512は、凹部511の底部から連続して-Z方向に略円筒状に延出した部位である。保持部512内には、支持機構7を構成する軸部材71(図6参照)及びベアリング515が配置される。
規制部513は、保持部512における-Z方向の端部に設けられ、プラッター51が+Z方向に移動することを規制する。規制部513は、-Z方向から見て略円形状に形成されている。
被検出部514は、規制部513に設けられ、後述する第2回転検出部82によってプラッター51の回転が検出される部位である。被検出部514は、-Z方向から見て、規制部513よりも外側に広がる略円形状に形成されている。被検出部514は、プラッター51の中心軸(回転軸Rxと一致)を中心とする放射状に形成された複数のスリット(図示省略)を有する。後述する第2回転検出部82は、スリットを通過する光を検出することによって、プラッター51の回転速度及び回転方向を検出する。
【0021】
ベアリング515は、保持部512の内面に保持された軸受である。ベアリング515は、後述する軸部材71と連結されており、これにより、保持部512、ひいては、プラッター51は、回転軸Rxを中心として回転可能に軸部材71を支持する。本実施形態では、ベアリング515は2つ設けられ、2つのベアリング515は、互いに+Z方向に離間して配置されている。しかしながら、ベアリング515は、無くてもよく、ベアリング515の位置及び数も適宜変更可能である。
【0022】
[スリップマット及びスリップシートの構成]
プラッター51における+Z方向の面51Aには、図4に示すように、スリップシートSSが配置される。スリップシートSSに対する+Z方向には、スリップマットSMが設けられる。すなわち、スリップシートSS及びスリップマットSMは、プラッター51の面51Aと操作盤3との間に配置される。
スリップシートSS及びスリップマットSMは、本開示の摩擦低減部材に相当する。スリップシートSS及びスリップマットSMのそれぞれは、+Z方向から見て操作盤3と略同じサイズの円形状に形成されている。スリップシートSS及びスリップマットSMのそれぞれの素材は、ユーザーの好み等に合わせて任意に変更可能であり、市販品のスリップシート及びスリップマットをそのまま使用することも可能である。
【0023】
スリップシートSSは、+Z方向から見て略中央に、+Z方向に沿って軸部材71が挿通する円形状の孔部SS1を有する。スリップマットSMは、+Z方向から見て略中央に、+Z方向に沿って軸部材71が挿通する円形状の孔部SM1を有する。
スリップシートSS及びスリップマットSMは、操作盤3とプラッター51との間に生じる摩擦力を低減させることによって、操作盤3がプラッター51に対して相対的に回転するときの摩擦力を低減する。すなわち、スリップシートSS及びスリップマットSMは、プラッター51に対する操作盤3の相対的な回動を円滑にするために設けられる。
なお、面51Aの面粗さが小さい場合等、面51Aに対する操作盤3の滑りが良好であれば、スリップシートSS及びスリップマットSMは無くてもよい。
【0024】
[回転駆動部の構成]
回転駆動部52は、+Z方向から見て回転軸Rxを中心とする時計回りにベース部5を回転させる。すなわち、回転駆動部52は、プラッター51を操作盤3と同心で回転させる。回転駆動部52は、図3に示すように、駆動部521及び伝達機構522を有する。
駆動部521は、例えばモーターによって構成され、プラッター51を回転させる回転力を発生する。
伝達機構522は、駆動部521によって発生した回転力をプラッター51に伝達して、プラッター51を回転させる。詳しい図示を省略するが、伝達機構522は、例えばプーリー及びベルトによって構成でき、伝達機構522の一部は、プラッター51の内部に収容される。なお、伝達機構522を介さずに駆動部521とプラッター51とを接続して、駆動部521によってプラッター51を直接回転させる、いわゆる、ダイレクトドライブと呼ばれる構成を採用してもよい。また、伝達機構522は、ベルト以外の構成、例えば、ギア等によってプラッター51を回転させる構成としてもよい。
【0025】
[支持機構の構成]
図6及び図7は、支持機構7を示す斜視図である。図6は、支持機構7を+Z方向から見た斜視図であり、図7は、支持機構7を-Z方向から見た斜視図である。図8は、+Z方向から見たときの中央を通り、YZ平面に沿う支持機構7の断面を示す図である。
支持機構7は、プラッター51に回転可能に支持されて、操作盤3を-Z方向から支持する。支持機構7は、図6図8に示すように、軸部材71、テーブル72及び付勢部材76を備える。
【0026】
[軸部材の構成]
図9は、軸部材71及び付勢部材76を示す斜視図である。
軸部材71は、筐体部4を+Z方向に沿って貫通するように配置される。具体的に、軸部材71は、ベアリング515を介して保持部512に、回転軸Rxを中心として回転可能に支持されている。軸部材71における+Z方向の部分は、プラッター51から+Z方向に突出して、スリップシートSS、スリップマットSM及び操作盤3を挿通する。軸部材71における+Z方向の端部には、後述する調節部9が取り付けられる。
軸部材71は、図6図9に示すように、シャフト711を有する他、図8及び図9に示すように、規制ピン719を有する。
【0027】
シャフト711は、図9に示すように、略円柱状に構成されている。シャフト711は、図6図9に示すように、第1接続部712、第2接続部713、第1突出部714、第2突出部715、凹部716、拡径部717及び被検出部718を有する。
第1接続部712及び第2接続部713は、ベアリング515(図5参照)と接続される部位である。第1接続部712は、シャフト711における+Z方向の略中央に設けられ、第2接続部713は、第1接続部712に対して-Z方向の位置に設けられている。第1接続部712及び第2接続部713は、シャフト711の周面から径方向外側に円形状に拡径された部位である。
【0028】
第1突出部714は、第2突出部715よりも+Z方向に設けられ、第2突出部715は、第1接続部712における+Z方向の部位に設けられている。第1突出部714及び第2突出部715は、シャフト711の周面から径方向外側に突出している。
第1突出部714と第2突出部715との間には、テーブル72の後述する鉤状部7326が配置される。このため、テーブル72は、第1突出部714と第2突出部715との間の+Z方向における寸法の範囲内にて、軸部材71の軸方向に沿って移動可能である。
【0029】
凹部716は、シャフト711における+Z方向の端部に設けられている。詳述すると、凹部716は、シャフト711においてプラッター51から+Z方向に突出した部位における調節部9が取り付けられる位置に、径方向内側に凹んだ凹状に形成されている。凹部716には、シャフト711に調節部9が取り付けられたときに、操作部材94の係止部954(図14参照)が挿入され得る。詳しくは後述するが、係止部954が凹部716に挿入されることによって、操作部材94はシャフト711に係止され、軸部材71からの調節部9の脱離が規制される。
【0030】
拡径部717は、図7及び図8に示すように、シャフト711における-Z方向の端部に位置し、-Z方向から見て略円形状に拡径された部位である。
被検出部718は、+Z方向から見てリング状に形成され、拡径部717における+Z方向の面に固定される。被検出部718は、検出部8の第1回転検出部81によって、回転軸Rxを中心とする軸部材71の回転が検出される部位である。図示を省略するが、被検出部718は、被検出部514と同様に、周方向に沿って略等間隔に形成された複数のスリットを有する。各スリットは、第1回転検出部81の出射部から出射されて第1回転検出部81の受光部に受光される光の光路上に設けられている。
なお、本明細書において、略等間隔には等間隔を含む。
【0031】
規制ピン719は、図8及び図9に示すように、シャフト711において第1突出部714と凹部716との間の位置に、シャフト711の直径方向に沿ってシャフト711に挿入されている。規制ピン719は、シャフト711の周囲に配置されるテーブル72の内側部材73と係合し、シャフト711とともに内側部材73を回転させる。
【0032】
[テーブルの構成]
図10及び図11は、支持機構7を示す分解斜視図である。図10は、+Z方向から見た支持機構7を示す分解斜視図であり、図11は、-Z方向から見た支持機構7を示す分解斜視図である。
テーブル72は、本開示の支持部材に相当する。テーブル72は、操作盤3を挟んで調節部9とは反対側の位置に、軸部材71の軸方向に沿って移動可能に軸部材71設けられ、操作盤3、スリップシートSS及びスリップマットSMを-Z方向から支持する。すなわち、テーブル72は、±Z方向に移動可能である。
テーブル72は、図10及び図11に示すように、内側部材73、外側部材74及びベアリング75を備える。
【0033】
[内側部材の構成]
内側部材73は、軸部材71が+Z方向に沿って挿通する円筒状に形成されている。内側部材73は、第1突出部714と第2突出部715との間の寸法の範囲において±Z方向に移動可能に軸部材71に設けられ、軸部材71と一体的に回転する。
内側部材73は、図10及び図11に示すように、係合部材731、爪部材732、中間部材733及び付勢部材734を備え、中間部材733及び付勢部材734が内部に配置されるように係合部材731及び爪部材732が組み合わされることによって構成されている。
【0034】
[係合部材の構成]
係合部材731は、軸部材71の周囲を囲むように配置される。係合部材731は、第1円筒部7311と、第1円筒部7311に対して-Z方向に位置する第2円筒部7312と、を有する二段の円筒状に形成されており、第1円筒部7311の外径寸法は、第2円筒部7312の外径寸法よりも大きい。第2円筒部7312は、係合部材731と中間部材733とが組み合わされたときに、中間部材733の貫通口7332の内部に配置される。
【0035】
係合部材731は、図10に示すように、貫通口7313、突出部7314、噛合部7315及び開口部7316を更に有する。
貫通口7313は、係合部材731を+Z方向に沿って貫通している。貫通口7313には、シャフト711が+Z方向に沿って挿通する。
突出部7314は、第1円筒部7311における+Z方向の面から+Z方向に突出したボスであり、スリップシートSSの孔部SS1、スリップマットSMの孔部SM1及び操作盤3の孔部31を+Z方向に貫通する。突出部7314の中心軸は、回転軸Rxと一致しており、貫通口7313は、突出部7314を+Z方向に沿って貫通している。
噛合部7315は、突出部7314における+Z方向の面に設けられた凹凸である。噛合部7315は、調節部9の後述する移動部材93と噛合する。
開口部7316は、第2円筒部7312に+Z方向に沿って形成されている。開口部7316には、規制ピン719が挿通する。回転軸Rxを中心とする周方向における開口部7316の寸法は、規制ピン719の直径と略同じである。これにより、係合部材731、ひいては、内側部材73が軸部材71とともに回転軸Rxを中心として回転する。
【0036】
係合部材731は、図11に示すように、付勢部材734が配置される3つの凹部7317を更に有する。
3つの凹部7317は、-Z方向から見て第1円筒部7311において第2円筒部7312の外側に設けられている。3つの凹部7317のそれぞれは、第1円筒部7311における-Z方向の面から+Z方向に凹む凹部である。3つの凹部7317は、係合部材731の+Z方向に沿う中心軸を中心とする周方向において等間隔に設けられている。各凹部7317内には、中間部材733における突出部7334が配置される。
3つの凹部7317のうち、1つの凹部7317は、突出部7334とともに付勢部材734が内部に配置される配置部7318である。配置部7318は、係合部材731の中心軸を中心とする周方向に対して交差する接触面7319を有する。接触面7319は、配置部7318内に配置された付勢部材734における一端が接触する。
【0037】
[爪部材の構成]
図12は、爪部材732、中間部材733及び付勢部材734を示す+Z方向から見た斜視図である。
爪部材732は、図10に示すように、係合部材731に対して-Z方向に設けられる。爪部材732は、図12に示すように、環状の接続部7321、開口部7322、3つの突出部7324、3つの延出部7325、及び、3つの鉤状部7326を有する。
【0038】
接続部7321は、係合部材の第1円筒部7311における-Z方向の面に接続される。この状態にて、係合部材731と爪部材732とは、ねじである固定部材FMによって固定される。
開口部7322は、接続部7321を+Z方向に沿って貫通している。開口部7322の内部には、中間部材733における-Z方向の一部が挿入される。開口部7322は、爪部材732の+Z方向に沿う中心軸を中心として径方向外側に凹む3つの拡径部7323を有する。3つの拡径部7323は、接続部7321の周方向において等間隔に設けられている。3つの拡径部7323のそれぞれには、開口部7322内に中間部材733の一部が配置されたときに、中間部材733が有する突出部7334が配置される。
3つの突出部7324は、接続部7321における+Z方向の面から+Z方向に突出している。3つの突出部7324は、接続部7321の周方向において等間隔に設けられている。詳述すると、3つの突出部7324のそれぞれは、3つの拡径部7323に対して爪部材732の中心軸を中心とする径方向外側に設けられている。3つの突出部7324のうちの1つの突出部7324は、付勢部材734の側面を押さえる押さえ部として機能する。
【0039】
3つの延出部7325は、接続部7321の周方向において等間隔に設けられている。各延出部7325は、接続部7321から-Z方向に延出している。
3つの鉤状部7326は、3つの延出部7325のそれぞれの先端部から、爪部材732の+Z方向に沿う中心軸を中心とする径方向内側に突出している。鉤状部7326は、第1突出部714と第2突出部715との間に配置され、これにより、+Z方向における内側部材73の移動範囲、ひいては、テーブル72の移動範囲が規定される。
【0040】
[中間部材の構成]
中間部材733は、図10に示すように、係合部材731と爪部材732の内部に配置される環状部材である。中間部材733は、図12に示すように、筒状部7331、貫通口7332、開口部7333及び3つの突出部7334を有する。
筒状部7331は、円筒状に形成された部分である。筒状部7331における-Z方向の部分は、爪部材732の開口部7322の内部に配置される。
貫通口7332は、筒状部7331を+Z方向に沿って貫通している。貫通口7332には、-Z方向から挿入されたシャフト711が+Z方向に沿って貫通する。
開口部7333は、筒状部7331における-Z方向の部分に設けられている。開口部7333には、軸部材71に設けられた規制ピン719が挿通する。
【0041】
3つの突出部7334のそれぞれは、筒状部7331における外周面から中間部材733の+Z方向に沿う中心軸を中心として径方向外側に突出している。3つの突出部7334は、中間部材733の中心軸を中心とする周方向において等間隔に設けられている。
3つの突出部7334のそれぞれは、中間部材733が係合部材731に対して-Z方向から挿入されたときに、係合部材731の3つの凹部7317のうち、対応する凹部7317に-Z方向から挿入される。また、3つの突出部7334の一部は、筒状部7331が開口部7322に+Z方向から挿入されるように中間部材733が爪部材732と組み合わされたときに、爪部材732の3つの拡径部7323のうち、対応する拡径部7323内に配置される。
【0042】
3つの突出部7334のそれぞれは、+Z方向から見て中間部材733の中心軸を中心とする時計回りの端部に、-Z方向に延出する延出部7335を有する。すなわち、中間部材733は、3つの延出部7335を有する。
3つの延出部7335のうち、1つの延出部7335は、付勢部材734の他端と接触する接触部7336である。
【0043】
[付勢部材の構成]
図13は、内側部材73の断面図である。詳述すると、図13は、内側部材73のXY平面に沿う断面図である。
付勢部材734は、シャフト711の回転方向に沿う方向に内側部材73を付勢する。詳述すると、付勢部材734の一端は、係合部材731の接触面7319と接触し、付勢部材734の他端は、中間部材733の接触部7336と接触する。このため、付勢部材734は、係合部材731に対して中間部材733を+Z方向から見て回転軸Rxを中心として時計回りに付勢し、ひいては、開口部7322内に中間部材733の筒状部7331が配置される爪部材732を同方向に付勢する。換言すると、付勢部材734は、爪部材732及び中間部材733に対して係合部材731を+Z方向から見て回転軸Rxを中心として反時計回りに付勢する。これにより、ベアリング75を介して外側部材74と接続される係合部材731と、規制ピン719と係合する爪部材732及び中間部材733との間にガタつきが発生することを抑制できる。従って、操作盤3と軸部材71とを一体的に回転させることができる。
なお、付勢部材734は、本実施形態では圧縮コイルばねによって構成されている。しかしながら、これに限らず、付勢部材734は、弾性体等の他の部材であってもよい。
【0044】
[外側部材の構成]
外側部材74は、図10及び図11に示すように、円筒状に形成され、係合部材731を囲むように配置される。外側部材74は、第1円筒部7311の外側に設けられるベアリング75を介して、係合部材731と接続され、これにより、外側部材74は、内側部材73に対して同心で回転可能で、かつ、内側部材73に対して独立して回転可能に、内側部材73に支持される。なお、ベアリング75は、-Z方向から係合部材731の外周面に装着されるが、+Z方向から係合部材731の外周面に装着されてもよい。
外側部材74は、貫通口741及び支持部742を有する。
【0045】
貫通口741は、+Z方向に外側部材74を貫通している。貫通口741は、+Z方向に内側部材73を露出させる開口部である。貫通口741の内部には、係合部材731及びベアリング75が設けられる。
支持部742は、外側部材74における+Z方向の端部から径方向外側に拡径された部位である。支持部742における+Z方向の面は、操作盤3、スリップシートSS及びスリップマットSMを-Z方向から支持する支持面742Aであり、支持面742Aは、略平坦に形成されている。支持部742は、プラッター51の凹部511内に配置され、凹部511内にてスリップシートSS、スリップマットSM及び操作盤3を支持する。
なお、スリップシートSS、スリップマットSM及び操作盤3を支持する外側部材74が軸部材71に対して回転可能に設けられていることによって、スリップシートSSに摩耗及び破断が発生することが抑制されている。
【0046】
[付勢部材の構成]
付勢部材76は、テーブル72を操作盤3に向かって付勢する。すなわち、付勢部材76は、テーブル72を+Z方向に付勢する。本実施形態では、付勢部材76は、+Z方向に沿って配置される圧縮コイルばねによって構成されており、シャフト711を囲むように配置される。付勢部材76における-Z方向の端部は、第1突出部714における+Z方向の面と接触し、+Z方向の端部は、中間部材733の筒状部7331における-Z方向の面と接触する。このため、付勢部材76は、内側部材73、ひいては、テーブル72を軸部材71に沿う+Z方向に付勢する。付勢部材76の付勢力によってテーブル72を+Z方向において適正な位置まで押し上げられるので、係合部材731の噛合部7315と、後述する移動部材93の噛合部9334とを噛合させることができる。これにより、テーブル72とともに操作盤3を挟持する調節部9が装着される軸部材71に操作盤3の回転を伝達でき、軸部材71の被検出部718を操作盤3と一体的に回転させることができる。従って、検出部8による操作盤3の回転の検出精度を高めることができる。
詳しくは後述するが、操作盤3は、調節部9とテーブル72とによって、+Z方向及び-Z方向から押し付けられることで安定して支持される。
【0047】
[検出部の構成]
検出部8は、プラッター51及び操作盤3の回転を検出する。検出部8は、軸部材71の回転を検出する第1回転検出部81と、プラッター51の回転を検出する第2回転検出部82と、を備える。
第1回転検出部81は、被検出部718の周縁における一部に応じて設けられ、被検出部718の回転を検出することによって、軸部材71の回転を検出する。詳述すると、第1回転検出部81は、軸部材71の回転速度、回転角及び回転方向を検出し、これにより、軸部材71とともに回転する操作盤3の回転速度、回転角及び回転方向を検出する。第1回転検出部81は、図示を省略するが、検出光を出射する出射部と、出射部から出射されて被検出部718のスリットを通過した検出光を受光する受光部と、を有するフォトインタラプタを複数備えて構成されている。第1回転検出部81は、複数のフォトインタラプタによって、例えば単位時間当たりに光が通過するスリット数に基づいて軸部材71の回転速度、回転角度及び回転方向を検出する。
【0048】
第2回転検出部82は、被検出部514の周縁における一部に応じて設けられ、プラッター51の回転を検出する。詳述すると、第2回転検出部82は、プラッター51の回転速度を検出する。第2回転検出部82は、第1回転検出部81と同様に、複数のフォトインタラプタを備えて構成され、複数のフォトインタラプタによる受光結果に基づいて、第2回転検出部82は、プラッター51の回転速度及び回転方向を検出する。第2回転検出部82による検出結果に基づいて、駆動部521は、プラッター51を回転させる。
【0049】
[調節部の構成]
図14は、調節部9を+Z方向から見た斜視図であり、図15は、調節部9を-Z方向から見た斜視図である。
調節部9は、軸部材71において操作盤3に対してベース部5とは反対側となる部位に設けられ、軸部材71の軸方向に沿って移動して、ベース部5に操作盤3を押し付けることが可能である。調節部9は、操作盤3をベース部5のプラッター51に押し付けることによって、操作盤3の回転負荷を調節する。調節部9は、操作盤3及び軸部材71とともに回転軸Rxを中心として回転される。調節部9は、軸部材71に装着及び脱離可能に取り付けられる。
調節部9は、図14及び図15に示すように、押圧部材91及び操作部材94を備える。そして、調節部9は、操作部材94を回転させることによって押圧部材91を軸部材71の軸方向に沿って移動可能なカム構造を有する。換言すると、調節部9は、調節部9の回動操作を軸部材71の軸方向に沿う直進移動に変換するカム機構を備える。
【0050】
[押圧部材の構成]
押圧部材91は、第1部材に相当する。押圧部材91は、操作部材94に対して-Z方向に配置され、操作盤3に当接する。押圧部材91には、軸部材71における+Z方向の端部が挿通する。押圧部材91は、操作部材94に対するユーザーの回転操作に伴って軸部材71の軸方向に沿う±Z方向に移動して、操作盤3をベース部5に押し付ける。押圧部材91は、操作部材94と組み合わされてカム機構を構成する。
押圧部材91は、当接部材92及び移動部材93を備え、当接部材92及び移動部材93が組み合わされて構成される。なお、当接部材92と移動部材93とは、一体化されていてもよい。
【0051】
[当接部材の構成]
当接部材92は、操作盤3に当接し、-Z方向に操作盤3を押し付ける。当接部材92は、テーブル72とともに操作盤3を+Z方向において挟む。当接部材92は、略円盤状に形成される。
当接部材92は、当接部材本体921と、複数の付勢部材928とを有する。
【0052】
当接部材本体921は、円盤状に形成されている。当接部材本体921は、当接部922、筒状部923、開口部924、複数の凹部925、複数の設置部926、及び、接触部927を有する。
当接部922は、操作盤3に当接する部位である。当接部922は、操作盤3に対する摺動抵抗を大きくするために、弾性を有していてもよい。
筒状部923は、+Z方向に突出した部位であり、当接部材92における中心軸を中心として円筒状に形成されている。筒状部923は、当接部材92と移動部材93とが組み合わされたときに、移動部材93の内部に配置される。
【0053】
開口部924は、当接部材92を+Z方向に貫通する貫通口であり、+Z方向から見て略円形状に形成されている。
複数の凹部925は、開口部924の内縁に設けられている。複数の凹部925は、+Z方向から見て当接部材92の径方向外側に向かって放射状に延出している。複数の凹部925には、移動部材93の挿入部9331及び嵌合部9332が+Z方向から挿入され、これにより、当接部材92と移動部材93とが組み合わされる。
複数の設置部926は、開口部924の内縁に設けられている。詳述すると、複数の設置部926は、当接部材92の周方向における複数の凹部925の間に設けられている。複数の設置部926のそれぞれには、付勢部材928が設置される。
接触部927は、当接部材92の+Z方向に沿う中心軸を中心とする周方向に交差する面を有する。接触部927は、移動部材93に設けられた付勢部材9335(図15参照)と接触する。
【0054】
複数の付勢部材928は、当接部材92と移動部材93とに接触し、当接部材92を操作盤3側に付勢するとともに、移動部材93を操作部材94側に付勢する。複数の付勢部材928は、当接部材92による操作盤3への押圧力を均一化する。
これにより、操作盤3が軸部材71に対して傾斜して支持されることがなく、安定して操作盤3の回転を被検出部718に伝達することができる。これらにより、検出部8による操作盤3の回転の検出精度を向上させることできる。従って、回転操作子2の操作性を向上させることができる。また、付勢部材928が設けられていることによって、テーブル72の支持部742と当接部材92との間に配置されるスリップシートSS、スリップマットSM及び操作盤3の厚さの差分が吸収される。すなわち、付勢部材928によって、操作装置1において交換可能なスリップシートSS、スリップマットSM及び操作盤3の厚さの差分が吸収される。スリップシートSS、スリップマットSM及び操作盤3の厚さは、スリップシートSS、スリップマットSM及び操作盤3の+Z方向の寸法である。本実施形態では、複数の付勢部材928のそれぞれは、圧縮コイルばねによって構成されている。
なお、付勢部材928の付勢力は、付勢部材76の付勢力よりも弱い。このため、付勢部材76の付勢力によってテーブル72を+Z方向において適正な位置まで押し上げることができる。これにより、移動部材93において後述する噛合部9334と、内側部材73の噛合部7315とを噛合させ、操作盤3と軸部材71の被検出部718とを一体的に回転させることができる。
【0055】
[移動部材の構成]
移動部材93は、操作部材94に対する回転操作に伴って、軸部材71に沿って±Z方向に移動して、当接部材92を操作盤3に押し付ける。移動部材93は、図14及び図15に示すように、+Z方向から見て円形状の移動部材本体931を備える。
移動部材本体931における+Z方向の面には、移動部材本体931の周方向における所定の位置に、基準位置を示す基準目印9311が設けられている。また、図15に示すように、移動部材本体931は、貫通口932、突出部933及び複数の設置部934を有する。
【0056】
貫通口932は、+Z方向に沿って移動部材93を貫通する略円形状の孔である。貫通口932には、軸部材71が挿通する。
突出部933は、移動部材本体931における-Z方向の面から-Z方向に突出した部位であり、当接部材92の開口部924内に挿入される。突出部933は、複数の挿入部9331、嵌合部9332、凹部9333、噛合部9334及び付勢部材9335を有する。
複数の挿入部9331のそれぞれは、移動部材93の中心軸を中心とする周方向において略等間隔に配置され、移動部材93の中心軸を中心とする放射状に突出している。複数の挿入部9331のそれぞれは、突出部933が開口部924内に挿入されたときに、複数の凹部925のうち対応する凹部925に挿入される。これにより、当接部材92及び移動部材93のうち一方の部材に対する他方の部材の脱離が規制される。
嵌合部9332は、移動部材の中心軸を中心とする周方向において隣り合う2つの挿入部9331の中間位置に設けられている。嵌合部9332は、移動部材93の中心軸を中心とする径方向外側に略矩形状に突出している。嵌合部9332は、複数の凹部925のうち対応する凹部925に篏合される。これにより、移動部材93と当接部材92とが一体的に回転される。
【0057】
凹部9333は、-Z方向から見て突出部933の中央で、かつ、貫通口932の周囲に設けられている。凹部9333は、+Z方向に凹んでいる。
噛合部9334は、凹部9333の底部における貫通口932の周方向に沿って設けられた凹凸である。噛合部9334には、内側部材73の噛合部7315と噛合する。これにより、調節部9、内側部材73及び軸部材71が、回転軸Rxを中心として一体的に回動される。
【0058】
付勢部材9335は、当接部材92をシャフト711の回転方向に沿って付勢する。詳述すると、付勢部材9335は、当接部材92を-D方向に付勢している。付勢部材9335は、板状バネにより形成され、-D方向側の端部が+Y方向を上向きとするU字形状に折れ曲がっている。付勢部材9335のU字形状部分は、当接部材92の接触部927に接触する。このため、当接部材92と移動部材93とが組み合わされた状態にて、付勢部材9335が、移動部材93に対して当接部材92を+Z方向から見て反時計回りに付勢することによって、当接部材92と移動部材93との間にガタつきが発生することを抑制できる。これにより、操作盤3と移動部材93とを一体的に回転させることができる。
なお、他の手段によって当接部材92と移動部材93との間にガタつきが発生することを抑制できれば、付勢部材9335は無くてもよい。
【0059】
複数の設置部934は、移動部材本体931における-Z方向の面から、移動部材93の中心軸を中心とする周方向に沿って設けられたボスである。複数の設置部934のそれぞれは、複数の付勢部材928のうち対応する付勢部材928に挿入される。これにより、付勢部材928の揺動が規制される。
【0060】
移動部材93は、図14に示すように、筒状部935、凹部936及び傾斜部937を更に有する。
筒状部935は、移動部材本体931における+Z方向の面から、移動部材93の中心軸を中心とする円筒状に突出している。
凹部936は、筒状部935の内側に設けられており、-Z方向に凹んでいる。凹部936は、+Z方向から見て円形状に形成されており、凹部936における底面936Aの中心には、貫通口932が位置している。凹部936内には、操作部材94の一部が配置される他、付勢部材97(図15参照)が配置される。
凹部936の内側面には、+Z方向に沿って延出し、かつ、貫通口932を中心とする周方向に配列された複数の溝9361が設けられている。複数の溝9361は、例えば平目のローレット加工によって形成される。移動部材93に装着された操作部材94を回転させるときに、操作部材94の挿入部955が複数の溝9361のうちの1つに挿入されることによって、ユーザーにクリック感が付与される。
【0061】
傾斜部937は、押圧部材91において操作部材94と対向する面である底面936Aにおいて貫通口932の周囲に設けられている。傾斜部937は、貫通口932を挿通する軸部材71を中心とする円弧状をなし、操作部材94に向かう突出寸法が連続的に変化する端面カム本体である。すなわち、傾斜部937は、+Z方向から見て時計回りに、底面936Aから+Z方向への突出寸法が連続的に大きくなる形状に形成されている。
本実施形態では、傾斜部937は、3つ設けられている。すなわち、傾斜部937は、貫通口932から径方向外側に最も離れた第1傾斜部9371と、第1傾斜部9371に対して径方向内側に設けられた第2傾斜部9372と、第2傾斜部9372に対して径方向内側に設けられた第3傾斜部9373と、を含む。各傾斜部9371~9373の形成位置は、貫通口932を中心とする周方向において略等間隔にずれている。各傾斜部9371~9373における+Z方向の面には、操作部材94の摺動部9531~9533が接触する。
【0062】
[操作部材の構成]
図16は、操作部材94を示す分解斜視図である。
操作部材94は、第2部材に相当し、ユーザーによって回転される。操作部材94は、軸部材71を中心として回転可能に、軸部材71に装着される。操作部材94は、略円盤状をなし、操作部材94における一部は、移動部材93の凹部936内に収容される。
操作部材94は、図14図16に示すように、下側部材95と、下側部材95に対して+Z方向に位置する上側部材96と、を備え、下側部材95及び上側部材96が組み合わされて構成されている。
【0063】
[下側部材の構成]
下側部材95は、図15に示すように、下側部材本体951、貫通口952及び複数の摺動部953を有する。
下側部材本体951は、略円盤状に形成されている。
貫通口952は、-Z方向から見て下側部材本体951の中央に設けられ、下側部材95を+Z方向に貫通している。貫通口952には、軸部材71が挿通する。なお、下側部材本体951における-Z方向の面951Bと、凹部936の底面936Aとの間には、軸部材71の周囲に設けられる付勢部材97が配置される。
【0064】
複数の摺動部953は、端面カム本体である傾斜部937に沿って摺動するフォロアである。複数の摺動部953は、操作部材94において押圧部材91に対向する面951Bから押圧部材91の移動部材93側に突出している。複数の摺動部953は、操作部材94の回動に伴って押圧部材91を軸部材71の軸方向に沿って移動させる。すなわち、摺動部953と傾斜部937によって、操作部材94に対する回動操作を押圧部材91の軸部材71の軸方向に沿う直進運動に変換するカム機構が構成される。
複数の摺動部953は、第1傾斜部9371に接触する第1摺動部9531と、第2傾斜部9372に接触する第2摺動部9532と、第3傾斜部9373に接触する第3摺動部9533と、を含む。各傾斜部9371~9373は、各傾斜部9371~9373に対応して、貫通口952を中心とする周方向に沿って略等間隔に設けられている。
【0065】
下側部材95は、図16に示すように、下側部材本体951における+Z方向の面951Aに設けられる係止部954、挿入部955及び付勢部956,957を有する。
係止部954は、貫通口952を中心とする径方向内側にスライド可能に設けられている。係止部954は、操作部材94が軸部材71に装着されたときに、軸部材71の凹部716に嵌り込み、操作部材94、ひいては、調節部9が軸部材71から脱離することを抑制する。すなわち、係止部954が凹部716に挿入されて軸部材71を係止することによって、+Z方向における操作部材94の位置が固定される。
付勢部956は、貫通口952に近接する方向、すなわち、貫通口952を挿通する軸部材71に近接する方向に係止部954を付勢する。付勢部956の付勢力に抗して係止部954を軸部材71から離間する方向にスライドさせることによって、操作部材94、ひいては、調節部9を軸部材71から取り外すことができる。これにより、操作盤3、スリップシートSS及びスリップマットSMを容易に交換できる。
【0066】
挿入部955は、下側部材本体951における外周側の部位に設けられている。詳述すると、挿入部955は、貫通口952を中心とする径方向外側及び径方向内側にスライド可能に設けられている。操作部材94が移動部材93に取り付けられたときに、移動部材93に設けられた溝9361に挿入される。
付勢部957は、貫通口952を中心とする径方向外側に挿入部955を付勢する。付勢部957によって付勢された挿入部955は、回転軸Rxを中心とする操作部材94の回転に伴って径方向外側又は径方向内側にスライドして溝9361に嵌り込む。これにより、ユーザーにクリック感が付与される。
本実施形態では、付勢部956,957は、捻りコイルばねによって構成されているが、他の部材によって構成されてもよく、付勢部956,957のうち少なくとも1つは無くてもよい。
【0067】
[上側部材の構成]
上側部材96は、操作部材94における+Z方向の部位を構成する。詳述すると、上側部材96は、下側部材95を+Z方向にて覆う筐体である。上側部材96は、図14及び図16に示すように、上側部材96における+Z方向の面に設けられる貫通口961、開口部962及び目印963を有する。
貫通口961は、上側部材96を+Z方向に貫通する。貫通口961及び貫通口952は、操作部材94において軸部材71が+Z方向に沿って挿通する貫通孔941を構成する。
開口部962は、係止部954の一部を+Z方向に露出させる。これにより、ユーザーは、調節部9を軸部材71から取り外すときに、係止部954を軸部材71から離間する方向にスライドさせることができる。
目印963は、押圧部材91に対する操作部材94の回動角を視覚化するものである。ユーザーは、押圧部材91の基準目印9311に対する目印963の位置を確認することによって、操作部材94を押圧部材91に対する回動角を把握でき、更には、操作盤3に対する押圧力を把握できる。
【0068】
上側部材96は、図15に示すように、側面に設けられた開口部964を更に有する。
開口部964は、挿入部955を操作部材94の外部に露出させる。操作部材94が押圧部材91に取り付けられたときには、挿入部955は、開口部964を介して溝9361に挿入される。
【0069】
付勢部材97は、調節部9が軸部材71に装着されたときに、下側部材本体951における-Z方向の面951Bと、凹部936の底面936Aとの間で、軸部材71の周囲に設けられる。すなわち、付勢部材97は、移動部材93と下側部材95とに当接するように、凹部936内に配置される。
付勢部材97は、軸部材71に装着される操作部材94に対して押圧部材91の移動部材93を操作盤3側に付勢する。この他、付勢部材97は、押圧部材91に対して操作部材94を操作盤3とは反対側に付勢する。これにより、調節部9が軸部材71から取り外されたときに、押圧部材91と係合した状態の操作部材94を押圧部材91とは反対方向に付勢部材97が付勢することによって、押圧部材91に対する操作部材94の揺動を抑制でき、操作部材94が揺動することによる異音の発生を抑制できる。しかしながら、付勢部材97は、無くてもよい。
なお、付勢部材97によるテーブル72に対する+Z方向への付勢力は、付勢部材76による押圧部材91に対する-Z方向への付勢力よりも弱い。このため、付勢部材76の付勢力によってテーブル72を+Z方向において適正な位置まで押し上げることができ、端面カム本体である傾斜部937と摺動部953とが接触した状態を維持できる。これにより、操作盤3の回転負荷の調節を円滑に実施できる。
【0070】
[操作盤の回転負荷の調節]
操作装置1では、上記のように、スリップシートSS、スリップマットSM及び操作盤3は、プラッター51における+Z方向の面51Aに、この順で配置される。調節部9は、スリップシートSS、スリップマットSM及び操作盤3を挿通した軸部材71における+Z方向の端部に取り付けられる。
操作盤3を操作したときの回転抵抗は、操作盤3に対する押圧部材91の押圧力に応じて決まる。詳述すると、軸部材71に対する+Z方向の位置が固定された操作部材94と、移動部材93との距離が大きく、操作盤3に作用する押圧部材91の押圧力が大きければ、操作盤3の回転負荷は大きくなる。一方、操作部材94と移動部材93との距離が小さく、操作盤3に作用する押圧部材91の押圧力が小さければ、操作盤3の回転負荷は小さくなる。このため、操作部材94を回動させて、操作部材94と移動部材93との距離を調節することによって、操作盤3の回転負荷が調節される。
以下、回転操作子2における操作盤3の回転負荷の調節方法を説明する。
【0071】
図17は、+Z方向から見た回転操作子2を示す平面図である。詳述すると、図17は、基準状態にある回転操作子2を示す平面図である。図18は、図17におけるXVI-XVI線での回転操作子2の一部を示す断面図である。換言すると、図18は、基準状態にある回転操作子2の一部を示す断面図である。
図17に示すように、押圧部材91の基準目印9311に対して操作部材94の目印963が正対している状態では、図18に示すように、プラッター51における+Z方向の面51Aとテーブル72の支持面742Aとは略面一である。すなわち、面51Aの位置と支持面742Aの位置とは、+Z方向において略同じである。このときの回転操作子2の状態を基準状態といい、操作部材94の位置を基準位置という。本実施形態では、基準状態での操作盤3の回転負荷は、一般的なレコードプレーヤーにおけるターンテーブルに対するレコードの回転負荷と、略同じである。
【0072】
回転操作子2が基準状態にあるときから、操作部材94を時計回りである+D方向に回動させると、操作盤3の回転負荷を高負荷状態に調節できる。詳述すると、操作部材94を基準位置から+D方向に回動させると、摺動部953が傾斜部937に沿って+D方向に摺動し、傾斜部937において底面936Aからの突出寸法が、より大きい部位に到達する。軸部材71における操作部材94の位置は固定されているので、操作部材94の回転に伴って移動部材93は、軸部材71に沿って-Z方向に移動する。
【0073】
図19は、図17に示した基準状態から操作部材94を時計回りである+D方向に回動させた場合の回転操作子2のYZ平面に沿う断面を示す図である。
ここで、移動部材93は、当接部材92に対して付勢部材928を介して押圧力を作用させる。
+D方向への操作部材94の回動角が大きいと、当接部材92は、基準状態に比べて、操作盤3、スリップマットSM、スリップシートSS、プラッター51及び外側部材74を-Z方向に強く押し付ける。この状態では、図19に示すように、スリップマットSM及びスリップシートSSが-Z方向に潰され、操作盤3とプラッター51との間の距離が小さくなる。また、この状態では、テーブル72は、押圧部材91の押圧力によって-Z方向に移動して、基準状態の位置よりも-Z方向に移動する。すなわち、この状態では、スリップシートSS及びスリップマットSMにおいてテーブル72の支持面742Aに応じた部位は、テーブル72が-Z方向に移動することによって-Z方向に潰れにくい。このため、支持面742Aは、プラッター51の面51Aよりも-Z方向に配置される。
【0074】
このように、操作盤3がプラッター51に強く押し付けられることから、操作盤3の回転時の摩擦力が大きくなり、プラッター51に対する操作盤3の回転負荷が大きくなる。従って、基準位置に対する時計回りの操作部材94の回転角に応じて操作盤3の回転負荷を大きくできる。換言すると、操作部材94に対する移動部材93の距離に応じて操作盤3の回転負荷を大きくできる。
また、基準位置から操作部材94が+D方向に回動された場合には、目印963は、基準目印9311に対して+D方向に回動することから、基準目印9311に対する目印963の位置を確認することによって、ユーザーは、操作盤3の回転負荷を視覚的に認識できる。
【0075】
図20は、図17に示した基準状態から操作部材94を反時計回りである-D方向に回動させた場合の回転操作子2のYZ平面に沿う断面を示す図である。
回転操作子2が基準状態にあるときから、操作部材94を反時計回りである-D方向に回動させると、操作盤3の回転負荷を低負荷状態に調節できる。詳述すると、操作部材94を基準位置から-D方向に回動させると、摺動部953が傾斜部937に沿って-D方向に摺動し、傾斜部937において底面936Aからの突出寸法が、より小さい部位に到達する。この場合、付勢部材76の付勢力によって、テーブル72が+Z方向に移動して、図20に示すように、テーブル72の支持面742Aがプラッター51の面51Aよりも+Z方向に配置される。
【0076】
この状態では、操作盤3に対する押圧部材91の押圧力は小さくなり、操作盤3とプラッター51との間の距離は、基準状態での距離よりも大きくなることから、操作盤3の回転時の摩擦力が小さくなり、操作盤3の回転負荷が小さくなる。
従って、基準位置に対する反時計回りの操作部材94の回転角に応じて操作盤3の回転負荷を小さくできる。換言すると、操作部材94に対する移動部材93の距離に応じて操作盤3の回転負荷を小さくできる。
また、高負荷状態での場合と同様に、基準位置から操作部材94が-D方向に回動された場合には、目印963は、基準目印9311に対して-D方向に回動することから、基準目印9311に対する目印963の位置を確認することによって、ユーザーは、操作盤3の回転負荷を視覚的に認識できる。
【0077】
ここで、操作盤3の好ましい回転負荷は、ユーザーによっても、操作盤3に対してユーザーが行う操作によっても異なる場合がある。例えば、あるユーザーが好む回転負荷と、他のユーザーが好む回転負荷とは異なる場合がある。また例えば、スピン操作を行う場合にユーザーが好む回転負荷と、スクラッチ操作を行う場合にユーザーが好む回転負荷とは異なる場合がある。
これに対し、操作盤3の回転負荷は、操作部材94を回動させることによって調節できるので、操作盤3の回転負荷の調節を容易に実施できる。このため、ユーザーが切り替わる場合でも、ユーザーの好みに合わせて操作盤3の回転負荷を調節できる。また、操作装置1の利用中であっても操作盤3の回転負荷を調節できるので、ユーザーによるDJプレイの幅を広げることができる。なお、目印963以外に、ユーザーが自身の好みに応じて、操作部材94に他の目印を付けることによって、所望の回転負荷に容易に調節できる。
【0078】
[実施形態の効果]
以上説明した本実施形態に係る音響システムASは、以下の効果を奏する。
操作装置1は、回転操作子2を備える。
回転操作子2は、ベース部5、軸部材71、操作盤3及び調節部9を備える。軸部材71は、ベース部5に設けられる。操作盤3は、軸部材71が挿通し、かつ、軸部材71を中心として回転される。調節部9は、操作盤3に対してベース部5とは反対側に軸部材71に設けられ、軸部材71の軸方向に沿って移動してベース部5に操作盤3を押し付けることが可能である。なお、操作盤3は、第1回転体に相当する。
このような構成によれば、軸部材71に設けられる調節部9を、軸部材71の軸方向、すなわち、±Z方向に沿って移動させることにより、調節部9によって操作盤3に作用する押圧力、すなわち、ベース部5に向かう方向への操作盤3に対する押圧力を調節できる。従って、操作盤3の回転負荷を容易に調節できる。
【0079】
回転操作子2では、調節部9は、軸部材71に装着及び脱離可能である。
このような構成によれば、調節部9を軸部材71から脱離させることによって、操作盤3、スリップシートSS及びスリップマットSMの交換を容易に実施できる。このため、操作盤3、スリップシートSS及びスリップマットSMの市販品をそのまま使用することも可能である。従って、回転操作子2の利便性を高めることができる。
【0080】
回転操作子2では、調節部9は、調節部9に対する回動操作を軸部材71の軸方向に沿う直進運動に変換するカム構造を備える。
このような構成によれば、調節部9を回動させることによって、操作盤3に対する押圧力を調節できる。従って、操作盤3の回転負荷を容易に調節できる。このため、例えば操作装置1の利用中であっても操作盤3の回転負荷を容易に調節できる。
【0081】
回転操作子2では、調節部9は、押圧部材91及び操作部材94を備える。押圧部材91は、軸部材71が挿通し、操作盤3に当接する。操作部材94は、軸部材71に装着され、押圧部材91に対して軸部材71を中心として相対的に回動可能である。押圧部材91は、第1部材に相当し、操作部材94は、第2部材に相当する。
調節部9が備えるカム機構は、端面カム本体である傾斜部937(9371~9373)と、フォロアである摺動部953(9531~9533)と、を含む。
傾斜部937は、押圧部材91における操作部材94に対向する面である底面936Aに設けられている。傾斜部937は、軸部材71を中心とする円弧状をなし、操作部材94に向かう突出寸法が連続して変化する。
摺動部953は、操作部材94における押圧部材91に対向する面951Bから押圧部材91側に突出している。摺動部953は、端面カム本体である傾斜部937に沿って摺動して、操作部材94の回動に伴って押圧部材91を軸部材71に沿って移動させる。
このような構成によれば、傾斜部937と摺動部953とによってカム構造を構成できる。そして、操作部材94を回動させることによって、操作部材94が有する摺動部953が摺動する傾斜部937を有する押圧部材91を、操作部材94に対して相対的に移動させることができる。このため、操作盤3と接触する押圧部材91を、操作盤3側及び操作盤3とは反対側に移動させることができ、これにより、操作盤3に作用する押圧力を調節できる。従って、操作部材94を回転させることによって、操作盤3の回転負荷を容易に調節できる。
【0082】
回転操作子2は、テーブル72及び付勢部材76を備える。
テーブル72は、支持部材に相当する。テーブル72は、操作盤3を挟んで調節部9とは反対側の位置に、軸部材71の軸方向である±Z方向に沿って摺動可能に設けられている。テーブル72は、操作盤3を-Z方向にて支持する。付勢部材76は、テーブル72を調節部9に向かって付勢する。テーブル72において操作盤3を支持する支持面742Aは、ベース部5よりも調節部9側に配置可能である。
このような構成によれば、操作盤3を支持するテーブル72は、付勢部材76によって調節部9側に付勢されている。このため、操作盤3を支持するテーブル72を、ベース部5を構成するプラッター51の面51Aよりも調節部9側に配置することが可能となる。この場合、操作盤3は、ベース部5に押し付けられないことから、操作盤3の回転負荷を最小にできる。また、操作盤3は、調節部9及びテーブル72によって、軸部材71の軸方向である±Z方向において挟持される。これによれば、支持面742Aがベース部5よりも調節部9側に配置されている状態での操作盤3の回転時にぐらつきを生じにくくすることができる。更に、上記のように、付勢部材76が+Z方向における適切な位置にテーブル72を押し上げることができるので、移動部材93の噛合部9334とテーブル72の噛合部7315とを噛合させ、操作盤3と被検出部718とを一体的に回転させることができる。これにより、第1回転検出部81による操作盤3の回転の検出精度を高めることができる。この他、傾斜部937と摺動部953とが接触した状態を維持できるので、操作部材94の操作品位を高めることができる。
【0083】
回転操作子2では、ベース部5は、プラッター51及び回転駆動部52を有する。
プラッター51は、第2回転体に相当する。プラッター51には、操作盤3が配置される。プラッター51は、操作盤3とは独立して回転可能である。回転駆動部52は、プラッター51を操作盤3と同心で回転させる。
このような構成によれば、回転駆動部52によって、プラッター51が操作盤3と同心で回転することによって、プラッター51に配置される操作盤3を回転させることができる。これにより、操作盤3をプラッター51とともに回転させることができる。この他、操作盤3及びプラッター51のうち一方の回転体を、他方の回転体に対して相対的に回動させることができる。
【0084】
回転操作子2は、操作盤3とプラッター51との間に設けられ、操作盤3がプラッター51に対して相対的に回動するときの摩擦力を低減するスリップシートSS及びスリップマットSMを備える。スリップシートSS及びスリップマットSMは、摩擦低減部材に相当する。
このような構成によれば、操作盤3をプラッター51に対して相対的に回動させやすくすることができる。従って、回転操作子2の操作性を高めることができる。
【0085】
回転操作子2は、操作盤3の回転を検出する第1回転検出部81と、プラッター51の回転を検出する第2回転検出部82と、を備える。
このような構成によれば、第2回転検出部82による検出結果に基づいて、回転駆動部52によるプラッター51の回転が適切に実施されているか否かを判定できる。また、第1回転検出部81によって、ユーザーによって実施された操作盤3に対する回転操作を検出できる。
【0086】
[実施形態の変形]
本開示は、上記実施形態に限定されるものではなく、本開示の目的を達成できる範囲での変形及び改良等は、本開示に含まれるものである。
上記実施形態では、軸部材71は、プラッター51によって、+Z方向に沿う回転軸Rxを中心として回転可能に支持されるとした。しかしながら、これに限らず、第1回転体としての操作盤3が回転可能であれば、軸部材71は、回転可能でなくてもよい。
【0087】
上記実施形態では、調節部9は、軸部材71に対して装着及び脱離可能であるとした。しかしながら、これに限らず、調節部9は、軸部材71からの脱離が困難な状態で、軸部材71に装着されていてもよい。
【0088】
上記実施形態では、調節部9は、調節部9に対する回動操作を軸部材71の軸方向に沿う直進運動に変換するカム機構を備えるとした。しかしながら、これに限らず、調節部9は、カム機構を備えていなくてもよい。例えば、調節部9は、ユーザーによって第1回転体側に押し付けられることによって第1回転体の回転負荷を調節し、軸部材に係止されることによって、第1回転体の回転負荷を維持する構成としてもよい。
【0089】
上記実施形態では、調節部9は、軸部材71が挿通し、操作盤3に当接する第1部材としての押圧部材91と、軸部材71に装着され、押圧部材91に対して軸部材71を中心として相対的に回動可能な第2部材としての操作部材94と、を備えるとした。しかしながら、これに限らず、調節部9の構成は、上記に限定されない。
【0090】
また、調節部9が備えるカム機構は、端面カム本体としての傾斜部937と、フォロアとしての摺動部953と、を含むとした。そして、傾斜部937は、押圧部材91において操作部材94に対向する面である底面936Aに、軸部材71を中心とする円弧状に形成され、操作部材94に向かう突出寸法が連続して変化するとした。また、摺動部953は、操作部材94において押圧部材91に対向する面951Bから押圧部材91側に突出し、傾斜部937に沿って摺動して、操作部材94の回動に伴って押圧部材91を軸部材71の軸方向に沿って移動させるとした。すなわち、調節部9は、カム機構として端面カムを備えるとした。
しかしながら、これに限らず、調節部9が備えるカム機構は、円筒カム等、他のカム機構であってもよい。また、摺動部953は、傾斜部937と接触するローラーを備えていてもよい。更に、調節部9は、3つの傾斜部937(9371~9373)と、3つの摺動部953と、を有するとした。しかしながら、これに限らず、傾斜部937と摺動部953との組の数は、適宜変更可能である。
【0091】
上記実施形態では、調節部9は、操作部材94が+Z方向から見て時計回りである+D方向に回動されると、操作盤3の回転負荷を大きくし、反時計回りである-D方向に回動されると、操作盤3の回転負荷を小さくするとした。しかしながら、これ限らず、調節部9は、操作部材94が-D方向に回動されると、操作盤3の回転負荷を大きくし、操作部材94が+D方向に回動されると、操作盤3の回転負荷を小さくする構成としてもよい。
【0092】
上記実施形態では、回転操作子2は、支持部材としてのテーブル72と、付勢部材76と、を備えるとした。テーブル72は、操作盤3を挟んで調節部9とは反対側の位置に、軸部材71の軸方向に沿って摺動可能に設けられ、操作盤3を支持するとした。付勢部材76は、テーブル72を調節部9に向かって付勢するとした。しかしながら、これに限らず、本開示の回転操作子は、テーブル72を備えていなくてもよく、付勢部材76を備えていなくてもよい。すなわち、他の構成によって、支持部材において第1回転体を支持する支持面をベース部よりも調節部側に配置できるように、回転操作子を構成してもよい。また、支持面は、必ずしもベース部よりも調節部側に位置しなくてもよい。
【0093】
上記実施形態では、支持部材としてのテーブル72は、内側部材73、外側部材74及びベアリング75を備えるとした。しかしながら、これに限らず、支持部材は、ベアリング75を備えていなくてもよい。また、支持部材は、内側部材73及び外側部材74が一体化されていてもよい。すなわち、操作盤3をプラッター51から離間する方向に移動させる支持部材の構成は、他の構成でもよい。
更に、内側部材73は、係合部材731、爪部材732、中間部材733及び付勢部材734を有するとした。しかしながら、これに限らず、中間部材733は、係合部材731及び爪部材732の一方と一体化されていてもよい。また、付勢部材734は、無くてもよく、係合部材731、爪部材732及び中間部材733が、接着剤による接着等によって一体化されていてもよい。
【0094】
上記実施形態では、操作盤3を支持するテーブル72の支持面742Aは、ベース部5における+Z方向の面であるプラッター51の面51Aよりも調節部9側に配置可能であるとした。しかしながら、これに限らず、支持面742Aは、必ずしも面51Aよりも調節部9側に配置されなくてもよい。
【0095】
上記実施形態では、回転操作子2は、第1回転体としての操作盤3とは独立して回転可能な第2回動体としてのプラッター51を有するとした。しかしながら、これに限らず、プラッター51は、回転可能でなくてもよい。すなわち、ベース部5は、プラッター51及び回転駆動部52を備えていなくてもよい。また、第2回転体は、第1回転体とは別に、ユーザーによって回転されるものであってもよい。すなわち、回転駆動部52は、無くてもよい。また、プラッター51の回転方向は、+Z方向から見て時計回りでなくてもよく、反時計回りであってもよい。
【0096】
上記実施形態では、回転操作子2は、操作盤3の回転を検出する第1回転検出部81と、プラッター51の回転を検出する第2回転検出部82と、を備えるとした。しかしながら、これに限らず、第1回転検出部81及び第2回転検出部82のうち、少なくとも1つの回転検出部は、無くてもよい。例えば、操作盤3として、タイムコードが記録されたタイムコードレコードが採用される場合には、タイムコードレコードから読み取られるタイムコードに基づいて、操作盤3の回転を検出してもよい。
また、第1回転検出部81及び第2回転検出部82は、フォトインタラプタを備える構成に限らず、他の構成によって、第1回転体としての操作盤3の回転及び第2回転体としてのプラッター51の回転を検出してもよい。
【0097】
上記実施形態では、音響システムASでは、DJアプリケーションを実行する楽曲供給装置MSと、楽曲供給装置MSから供給される複数の楽曲をミックスして出力するミキサーMXとを備えるものとした。しかしながら、これに限らず、音響システムASは、楽曲供給装置MS及びミキサーMXが一体化された構成であってもよい。すなわち、楽曲供給装置MSがミキサーMXの機能を備えてもよい。また、ミキサーMXに代えて、オールインタイプのDJシステムを採用してもよい。すなわち、音響システムASは、本開示の回転操作子を有する操作装置を備えていればよく、他の構成は、上記に限定されない。
【0098】
上記実施形態では、+Z方向から見たときの操作盤3の形状は、略円形状であるとした。しかしながら、これに限らず、+Z方向から見たときの操作盤3の形状は、矩形等の多角形状であってもよい。+Z方向から見たプラッター51、スリップシートSS、スリップマットSM、テーブル72及び調節部9の形状も同様である。
【0099】
上記実施形態では、回転操作子2は、音響システムASに用いられる操作装置1に採用されるとした。しかしながら、これに限らず、本開示の回転操作子は、他の電気機器及び他の電子機器に採用されてもよい。すなわち、本開示の回転操作子を備える電気機器の種類及び電子機器の種類は、特に限定されない。
【0100】
[本開示のまとめ]
以下、本開示のまとめを付記する。
[1]回転操作子は、ベース部と、前記ベース部に設けられる軸部材と、前記軸部材が挿通し、前記軸部材を中心として回転される第1回転体と、前記第1回転体に対して前記ベース部とは反対側に前記軸部材に設けられ、前記軸部材の軸方向に沿って移動して前記ベース部に前記第1回転体を押し付けることが可能な調節部と、を備える。
このような構成によれば、軸部材に設けられる調節部を、軸部材の軸方向に沿って移動させることにより、調節部によって第1回転体に作用する押圧力、すなわち、ベース部に向かう方向への第1回転体に対する押圧力を調節できる。従って、第1回転体の回転負荷を容易に調節できる。
【0101】
[2][1]に記載の回転操作子において、前記調節部は、前記軸部材に装着及び脱離可能であってもよい。
このような構成によれば、調節部を軸部材から脱離させることによって、第1回転体の交換を容易に実施できる。従って、回転操作子の利便性を高めることができる。
【0102】
[3][1]又は[2]に記載の回転操作子において、前記調節部は、前記調節部に対する回動操作を前記軸部材の軸方向に沿う直進運動に変換するカム機構を備えてもよい。
このような構成によれば、調節部を回動させることによって、第1回転体に対する押圧力を調節できる。従って、第1回転体の回転負荷を容易に調節できる。
【0103】
[4][3]に記載の回転操作子において、前記調節部は、前記軸部材が挿通し、前記第1回転体に当接する第1部材と、前記軸部材に装着され、前記第1部材に対して前記軸部材を中心として相対的に回動可能な第2部材と、を備え、前記カム機構は、前記第1部材における前記第2部材に対向する面に設けられ、前記軸部材を中心とする円弧状をなし、前記第2部材に向かう突出寸法が連続して変化する端面カム本体と、前記第2部材における前記第1部材に対向する面から前記第1部材側に突出し、前記端面カム本体に沿って摺動して、前記第2部材の回動に伴って前記第1部材を前記軸部材に沿って移動させるフォロアと、を含んでもよい。
このような構成によれば、端面カム本体とフォロアとによって上記カム構造を構成できる。そして、第2部材を回動させることによって、第2部材が有するフォロアが摺動する端面カム本体を有する第1部材を、第2部材に対して相対的に移動させることができる。このため、第1回転体と接触する第1部材を、第1回転体側及び第1回転体とは反対側に移動させることができ、これにより、第1回転体に作用する押圧力を調節できる。従って、第2部材を回転させることによって、第1回転体の回転負荷を容易に調節できる。
【0104】
[5][1]から[4]のいずれか1つに記載の回転操作子において、前記第1回転体を挟んで前記調節部とは反対側の位置に、前記軸部材の軸方向に沿って摺動可能に設けられ、前記第1回転体を支持する支持部材と、前記支持部材を前記調節部に向かって付勢する付勢部材と、を備え、前記支持部材において前記第1回転体を支持する支持面は、前記ベース部よりも前記調節部側に配置可能であってもよい。
このような構成によれば、第1回転体を支持する支持部材は、付勢部材によって調節部側に付勢されているので、第1回転体を支持する支持部材をベース部よりも調節部側に配置することが可能となる。この場合、第1回転体は、ベース部に押し付けられないことから、第1回転体の回転負荷を最小にできる。また、第1回転体は、調節部及び支持部材によって、軸部材の軸方向において挟持される。これによれば、第1回転体がベース部よりも調節部側に配置されている状態での第1回転体の回転時にぐらつきを生じにくくすることができる。
【0105】
[6][1]から[5]のいずれか1つに記載の回転操作子において、前記ベース部は、前記第1回転体が配置され、前記第1回転体とは独立して回転可能な第2回転体と、前記第2回転体を前記第1回転体と同心で回転させる回転駆動部と、を有していてもよい。
このような構成によれば、回転駆動部によって、第2回転体が第1回転体と同心で回転することによって、第2回転体に配置される第1回転体を回転させることができる。これにより、第1回転体を第2回転体とともに回転させることができる。この他、第1回転体及び第2回転体のうち一方の回転体を他方の回転体に対して相対的に回動させることができる。
【0106】
[7][6]に記載の回転操作子において、前記第1回転体と前記第2回転体との間に設けられ、前記第1回転体が前記第2回転体に対して相対的に回動するときの摩擦力を低減する摩擦低減部材を備えてもよい。
このような構成によれば、第1回転体を第2回転体に対して相対的に回動させやすくすることができる。従って、回転操作子の操作性を高めることができる。
【0107】
[8][6]又は[7]に記載の回転操作子において、前記第1回転体の回転を検出する第1回転検出部と、前記第2回転体の回転を検出する第2回転検出部と、を備えてもよい。
このような構成によれば、第2回転検出部による検出結果に基づいて、回転駆動部による第2回転体の回転が適切に実施されているか否かを判定できる。また、第1回転検出部によって、ユーザーによって実施された第1回転体に対する回転操作を検出できる。
【0108】
[9]操作装置は、[1]から[8]のいずれか1つに記載の回転操作子を備える。
このような構成によれば、上記回転操作子と同様の効果を奏することができる。
【符号の説明】
【0109】
1…操作装置、1L…操作装置、1R…操作装置、2…回転操作子、3…操作盤(第1回転体)、5…ベース部、51…プラッター(第2回転体)、52…回転駆動部、71…軸部材、72…テーブル(支持部材)、76…付勢部材、81…第1回転検出部、82…第2回転検出部、9…調節部、91…押圧部材(第1部材、カム構造)、937…傾斜部(端面カム構造)、94…操作部材(第2部材、カム構造)、953…摺動部(フォロア)、SM…スリップマット(摩擦低減部材)、SS…スリップシート(摩擦低減部材)。
図1
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