(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-12
(45)【発行日】2024-07-23
(54)【発明の名称】袋入り即席麺
(51)【国際特許分類】
B65D 85/22 20060101AFI20240716BHJP
B65D 30/10 20060101ALI20240716BHJP
B65D 85/804 20060101ALI20240716BHJP
【FI】
B65D85/22
B65D30/10 D
B65D85/804
(21)【出願番号】P 2023145220
(22)【出願日】2023-09-07
【審査請求日】2023-09-12
(73)【特許権者】
【識別番号】504330443
【氏名又は名称】栗原 俊孝
(74)【代理人】
【識別番号】100097065
【氏名又は名称】吉井 雅栄
(72)【発明者】
【氏名】栗原 俊孝
【審査官】宮崎 基樹
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-308468(JP,A)
【文献】特許第6951501(JP,B1)
【文献】特開2008-074432(JP,A)
【文献】実開平06-003849(JP,U)
【文献】実開平04-062672(JP,U)
【文献】登録実用新案第3147287(JP,U)
【文献】特開2011-121595(JP,A)
【文献】特開2008-081170(JP,A)
【文献】特表2016-525901(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 85/22
B65D 30/10
B65D 85/804
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
湯を注ぐことで麺入りスープが出来上が
る乾燥麺
とスープの素粉末
とから成る即席麺を袋体に収納した袋入り即席麺であって、
前記乾燥麺は、飲むに適した大きさの多数の細断状麺から成る構成とされていて、
市販されている水筒の飲み口部である飲料ボトル開口部の開口径より小さくこの開口部に挿入し傾けることで前記袋体内の前記乾燥麺を注ぎ入れることができる幅に設定した
幅狭で先細り状の幅狭注ぎ部が
幅広な前記袋体の上部に
突設状態に設けられている構成とされていて、
この幅狭注ぎ部の先端部を切り開封し、前記袋体を逆さにして前記幅狭注ぎ部を前記飲料ボトル開口部に挿入することで、前記飲むに適した大きさ
の多数の細断状麺から成る前記乾燥麺
と前記スープの素粉末とが前記水筒内に排出され
収納されるように構成されていることを特徴とする袋入り即席麺。
【請求項2】
前記幅狭注ぎ部は、先端部に設けられている開封用切り取り部を手で切り取ることで先端部が開封した際、この開封した先端部を指で挟持することでこの先端部が大きく開口する拡大開口用折縁が設けられている構成であることを特徴とする請求項1記載の袋入り即席麺。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば湯を注ぐとラーメンなどの麺入りスープとして食することができる乾燥麺とスープの素粉末とから成る即席麺が袋体に収納されている袋入り即席麺に関するものである。
【背景技術】
【0002】
市販されているカップ即席麺は、たとえばそのまま手で持って箸で食べられるカップ状の容体に、乾燥麺とスープの素粉末と乾燥具材とを収納、あるいはこのスープの素粉末や乾燥具材は別の樹脂製小袋体に収納してこれを乾燥麺とともに収納、または乾燥麺自体に味付けがされていてこの乾燥麺だけを収納し、上部開口部を封止した構成で、手軽に持ち運べ手軽に食べれるため好評である。
【0003】
このようなカップ即席麺は、カップ状の容体の上部開口部を開封し、場合によっては中の樹脂製小袋体を取り出して開封し、この樹脂製小袋体からスープの素粉末や乾燥具材を容体内に改めて入れた後、この容体内にお湯を注ぎ入れて、数分待ち、出来上がった麺入りスープ(たとえばラーメン)を箸で食べることができるものである。
【0004】
その中でも、カップ状の容体に乾燥麺とスープの素粉末と乾燥具材とから成る即席麺を入れて上部開口部を封止した商品は、単に開封してお湯を注ぎ、待つだけで、ラーメンなどの麺入りスープを食することができ、非常に簡単に作れ手軽にどこでも食べられるため非常に好評である。
【0005】
一方、出願人は、ペットボトルや水筒など手で傾けて飲むことができる携帯容器(飲料ボトル)に、このような乾燥麺を飲める大きさに細断した乾燥麺とスープの素粉末などを容器内所定高さに設けた特殊仕切り部の上に収納して、同様にお湯を注ぐことで、箸なしでこの麺をわずかなスープとともに飲むことができる画期的な携帯用食品収納容器を発明した。(特許文献1の基本発明)
【0006】
そしてさらに、出願人は、このような特殊仕切り部を備えたペットボトルを製作することは製造設備などの初期投資が嵩むおそれがあることから、この発明である特殊仕切り部を容易に備えることができる器具、すなわち市販されている(既存の片手で持って飲むことができる)水筒に挿入設置することで前記基本発明を実現できる食材支持具をも発明した。(特許文献2の支持具発明)
【0007】
すなわち、これら出願人の発明によって、たとえば市販の水筒に前記特許文献2の支持具発明を挿入して前記特許文献1の基本発明を実現し、この水筒内の食材支持具の上に細断した麺などを入れ、お湯を注いで、数分待つだけで、この水筒を手で持って傾けると、麺入りスープの麺(たとえばラーメン)をわずかなスープだけをともなって飲むことができ、箸なしでどこでも片手でラーメンを飲むことできることとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特許第6951501号公報
【文献】特許第7341295号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、前記特許文献2の前記食材支持具の発明により前記特許文献1の前記基本発明が容易に実現され、たとえばラーメンを箸なしで飲むことができることとなるが、これが普及し、そのためさらに実現コストが下がり、これまでのカップ即席麺を超えて前記基本発明、すなわち片手で飲むことができる即席麺が普及することとなる画期的な袋入り即席麺を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0011】
本発明は、湯を注ぐことで麺入りスープが出来上がる乾燥麺1とスープの素粉末2とから成る即席麺を袋体3に収納した袋入り即席麺であって、前記乾燥麺1は、飲むに適した大きさの多数の細断状麺から成る構成とされていて、市販されている水筒Sの飲み口部である飲料ボトル開口部4の開口径より小さくこの開口部4に挿入し傾けることで前記袋体3内の前記乾燥麺1を注ぎ入れることができる幅に設定した幅狭で先細り状の幅狭注ぎ部5が幅広な前記袋体3の上部に突設状態に設けられている構成とされていて、この幅狭注ぎ部5の先端部を切り開封し、前記袋体3を逆さにして前記幅狭注ぎ部5を前記飲料ボトル開口部4に挿入することで、前記飲むに適した大きさの多数の細断状麺から成る前記乾燥麺1と前記スープの素粉末2とが前記水筒S内に排出され収納されるように構成されていることを特徴とする袋入り即席麺に係るものである。
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
また前記幅狭注ぎ部5は、先端部に設けられている開封用切り取り部6を手で切り取ることで先端部が開封した際、この開封した先端部を指で挟持することでこの先端部が大きく開口する拡大開口用折縁7が設けられている構成であることを特徴とする請求項1記載の袋入り即席麺に係るものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明は上述のように構成したから、前記特許文献2の前記食材支持具の発明により前記特許文献1の前記基本発明が容易に実現され、たとえばラーメンを箸なしで飲むことができることとなるが、これが普及し、そのためさらに実現コストが下がり、これまでのカップ即席麺を超えて前記基本発明、すなわち片手で飲むことができる即席麺が普及することとなる画期的な袋入り即席麺となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図2】実施例1の内部を示した概略説明斜視図である。
【
図3】実施例1の開封し逆さにして挿入することで水筒内へ細断した乾燥麺とスープの素粉末と乾燥具材とを注ぎ入れることを示す説明斜視図である。
【
図4】実施例1の水筒内に細断した乾燥麺とスープの素粉末と乾燥具材とを収納しお湯を注ぐ前の概略説明図である。
【
図5】実施例1の水筒内に細断した乾燥麺とスープの素粉末と乾燥具材とを収納しお湯を注ぎ麺入りスープが完成した状態の説明図である。
【
図6】実施例1の水筒内に細断した乾燥麺とスープの素粉末と乾燥具材とを収納しお湯を注ぎ麺入りスープが完成し、手で傾けてわずかなスープとともに細断した麺を飲むことができることを示す説明図である。
【
図8】実施例3の内部を示した概略説明斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
好適と考える本発明の実施形態を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
【0019】
袋体3の幅狭注ぎ部5の先端部を切って開封し、逆さにしてこの幅狭注ぎ部5を市販の水筒Sの飲み口部の飲料ボトル開口部4に挿入するだけで、飲むに適した大きさの多数の細断状麺から成る乾燥麺1と、たとえばスープの素粉末2と乾燥具材8とを注ぎ入れることができる。
【0020】
すなわち、簡単に水筒S(飲料ボトル)にたとえば乾燥麺1、スープの素粉末2、乾燥具材などから成る即席麺を注ぎ入れることができ、そしてさらにお湯を注ぐことで、ラーメンなどの麺入りスープが出来上がり、箸なしでそのまま片手で傾けて飲むことができる。(美味しくラーメンを飲むことができる。)
【0021】
本発明は、このように水筒Sに出願人の特許文献1の基本発明に係る特殊仕切り部Pを設ける、たとえばこの特殊仕切り部Pを備えた出願人の特許文献2に係る食材支持具Qを挿入設置してこの特殊仕切り部Pを水筒S内に設け、この水筒Sに前述のように、幅狭注ぎ部5を開封し逆さにしてこの幅狭注ぎ部5を水筒Sの飲料ボトル開口部4に挿入し注ぎ入れ、お湯を注ぐだけで麺入りスープが完成し、この水筒Sを手で持って傾けるだけで、麺入りスープの細断されている麺をわずかなスープだけをともなって飲むことができ、箸なしでどこでも片手でたとえばラーメンを美味しく飲むことできることとなる。
【実施例】
【0022】
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
【0023】
本実施例は、たとえば湯を注ぐことでラーメンなどの麺入りスープが出来上がるものであって、飲むに適した大きさに細断されている多数の細断状麺から成る乾燥麺1とスープの素粉末2と乾燥具材8とを(即席麺を)袋体3に収納した袋入り即席麺としている。
【0024】
また本実施例では、直径5cmから10cm程度の手持ちカップ状の水筒S(飲料ボトル)であって、上部に螺着した蓋部9を回し外すことで、手持ちカップ状の本体部10の上部開口部(飲料ボトル開口部4)が飲み口として大きく開口する水筒S(飲料ボトル)に、特許文献2の出願人が発明した支持具の発明(食品支持具Q)をこの水筒S内に挿入設置して、特許文献1の出願人が発明した特殊仕切り部Pを備えた基本発明を実現した水筒Sに、飲むに適した大きさに細断されている多数の細断状麺から成る乾燥麺1とスープの素粉末2と乾燥具材8とを注ぎ入れることが容易にできる袋入り即席麺に構成している。
【0025】
具体的には、この細断状麺から成る乾燥麺1を収納した袋体3は、前記飲料ボトル開口部4の開口径より小さくこの開口部4に挿入することで注ぎ入れることができる幅に設定した幅狭注ぎ部5が上部に突設状態に設けられている形状に構成している。
【0026】
さらに説明すると、本実施例では、この幅狭注ぎ部5の先端部を切り開封し、この袋体3を逆さにして幅狭注ぎ部5を前記飲料ボトル開口部4に簡単に挿入することができ、このように幅狭注ぎ部5を挿入するだけで、前記飲むに適した大きさの多数の細断状麺から成る前記乾燥麺1とスープの素粉末2と乾燥具材8とが前記水筒S内に排出されるように構成している。
【0027】
また本実施例(実施例1)では、前記袋体3の幅広な本体上部に前記幅狭注ぎ部5を突設状態に設けた形状で、さらにこの幅狭注ぎ部5を、挿入し易いように先細り状に形成した構成としている。
【0028】
【0029】
また、前記幅狭注ぎ部5の先端部に設けた開封用切り取り部6を手で切り取ることで先端部が開封できるように構成し、この開封した先端部を指で挟持することでこの先端部が大きく開口する拡大開口用折縁7を設けた構成としてもよい。(実施例3)
【0030】
またこの実施例3のように、袋体3が自立できる形状、材質で構成してもよい。
【0031】
なお、特許文献1の基本発明の前記特殊仕切り部P(食品支持部P)、および水筒Sに挿入設置して特殊仕切り部P(食品支持部P)を設ける特許文献2の食品支持具Qについてその文献1、2を引用して説明すると、以下のとおりである。
【0032】
前記特殊仕切り部P(食品支持部P)は、手で持って傾けることで、容器本体(水筒Sの本体部10)の上部に設けられた飲み口部(飲料ボトル開口部4)から口内に、収納した飲料と食材とが注出され飲食されるように構成されている携帯用食品収納容器(たとえばペットボトルや水筒S)の所定高さに設けられるものであって、食材(たとえば乾燥麺1)は通過しないが前記飲料(スープ)は通過する大きさに設定されている通水穴が設けられていて、この容器内の所定高さに上下仕切り状態に設けられる構成である。
【0033】
具体的には、前記特殊仕切り部Pは、たとえば前記容器本体内に前記飲料を収納させるとともに、前記食材を前記特殊仕切り部P(食材支持部P)に支承させた食品収納状態で、持った手で前記容器本体を傾けて前記飲料を前記飲み口部から口内に注出させる際、前記食材支持部Pの前記通水穴を介してこの食材支持部Pの下側から上側への前記飲料の流出量が規制されこの流れ出る規制少量の前記飲料とともに、前記食材支持部P上の前記食材が前記飲み口部から口内に注出されて、飲食補助具(箸)を使用せずに手で傾けることで前記食材が飲食されるように、前記容器本体内の配置高さ及び前記通水穴の開口総面積または開口位置が設定されている構成としている。
【0034】
たとえばこの食材支持部Pは、食材支持面に前記通水穴が形成されていない閉塞支持面部と、前記通水穴が複数並設形成されて前記飲料の下側から上側への流出量が規制される飲料規制流出支持面部とが設けられていて、たとえばこの閉塞支持面部は、中央部または片半面に設けられ、飲料規制流出支持面部は、この食材支持部の周辺部または前記片半面の反対半面に設けられている構成としている。
【0035】
また市販の水筒S内に挿入することで前記特殊仕切り部P(食品支持部P)を設けることができる前記食品支持具Qは、前記食材支持部Pに、この容器本体部(水筒Sの本体部10)内の底部に当接してこの食材支持部Pを所定高さに配置させる設置用脚部11が設けられているとともに、配置する際または取り出す際に摘まむ着脱用摘み部12が設けられている構成としている。
【0036】
具体的には、この前記食材支持部Pは、たとえば前記容器本体部内面に密着当接させて配置され上下に仕切る平板状、皿状、カップ状に構成している。
【0037】
すなわち、この食品支持具Qを前記容器本体部(市販の水筒Sの本体部10)に棒状の設置用脚部11を底部に当接接地して挿入するだけで、容易に前記容器本体部内の所定高さに食品支持部Pを収納配置することができる構成としている。
【0038】
尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
【符号の説明】
【0039】
S 水筒
P 特殊仕切り部(食品支持部)
Q 食品支持具
1 乾燥麺
2 スープの素粉末
3 袋体
4 飲料ボトル開口部
5 幅狭注ぎ部
6 開封用切り取り部
7 拡大開口用折縁
8 乾燥具材
9 蓋部
10 本体部
11 設置用脚部
12 着脱用摘み部
【要約】
【課題】これまでのカップ即席麺を超えて出願人の特許発明、すなわち箸なしで片手で美味しくラーメンを飲むことができる即席麺が普及することとなる画期的な袋入り即席麺を提供すること。
【解決手段】幅狭注ぎ部5の先端部を切り開封し、袋体3を逆さにして幅狭注ぎ部5を水筒Sの飲料ボトル開口部4に挿入することで、飲むに適した大きさに細断した乾燥麺1やスープの素粉末2が水筒S内に排出されるように構成されている袋入り即席麺。
【選択図】
図2