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特許7521089工作機械の加工計画を管理する統合制御装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-12
(45)【発行日】2024-07-23
(54)【発明の名称】工作機械の加工計画を管理する統合制御装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/06 20230101AFI20240716BHJP
   G05B 19/418 20060101ALI20240716BHJP
   G06Q 50/04 20120101ALI20240716BHJP
   G06Q 10/20 20230101ALI20240716BHJP
【FI】
G06Q10/06
G05B19/418 Z
G06Q50/04
G06Q10/20
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2023150433
(22)【出願日】2023-09-15
【審査請求日】2023-09-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000154990
【氏名又は名称】株式会社牧野フライス製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】市瀬 真弓
(72)【発明者】
【氏名】猪狩 真二
【審査官】永野 一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-031599(JP,A)
【文献】特開昭62-088540(JP,A)
【文献】特開平07-096447(JP,A)
【文献】特開平10-143233(JP,A)
【文献】特開2019-159561(JP,A)
【文献】特開2004-334509(JP,A)
【文献】特開平04-008458(JP,A)
【文献】特開昭59-169748(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G05B 19/418
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
工作機械の加工計画を管理するための統合制御装置において、
生産命令を受けつけ、オペレータの勤務時間及び非勤務時間と関連付けて、複数のタスクを含む加工計画を生成する計画生成部と、
前記複数のタスクの各々を個別のアイコンで時系列順に配置して表示する加工計画チャートを表示する表示部と、
前記アイコンの表示態様を変更する表示態様変更部と、
前記加工計画において加工に必要な消耗品が設定寿命に到達するか否かの寿命管理をおこなう消耗品寿命管理部と、 前記複数のタスクの内、消耗品の使用状況が前記設定寿命に到達することによって実行できなくなるタスクを実行不能タスクと判定し、実行不能タスクが存在する場合には、前記加工計画チャートにおける前記実行不能タスクのアイコンの表示態様の変更を前記表示態様変更部へ指示するタスク実行可否判定部と、
前記実行不能タスクのスキップに関する、勤務時間スキップモードと非勤務時間スキップモードのオンオフを切り換えるスキップモード切換部と、
を具備し、
前記計画生成部は、前記勤務時間スキップモードがオンであり、前記実行不能タスクが存在し、かつ、前記実行不能タスクの開始時刻がオペレータの勤務時間内である場合には前記実行不能タスクをスキップするか、或いは、消耗品のメンテナンスを実行するかオペレータが選択できるようにし、前記非勤務時間スキップモードがオンであり、前記実行不能タスクの開始時刻が前記非勤務時間内である場合には前記実行不能タスクをスキップすることを特徴とする統合制御装置。
【請求項2】
前記消耗品は工具であり、前記タスク実行可否判定部は、該工具の切削距離の累積値と設定された閾値である設定寿命とを比較して寿命判定する請求項1に記載の統合制御装置。
【請求項3】
前記表示態様変更部は、複数の実行不能タスクを接続アイコンによって接続する請求項1に記載の統合制御装置。
【請求項4】
前記表示態様変更部は、前記設定寿命に到達した工具による加工が開始する時刻を前記加工計画チャートに表示させる請求項2に記載の統合制御装置。
【請求項5】
前記工作機械が前記複数のタスクの実行に必要な必要工具を保有しているかの管理をおこなう工具有無管理部をさらに具備し、
前記タスク実行可否判定部は、前記複数のタスクの内、前記工作機械が前記必要工具を保有していないことによって実行できなくなるタスクを実行不能タスクと判定する、請求項2に記載の統合制御装置。
【請求項6】
前記工作機械が前記複数のタスクの実行に必要な必要工具の予備工具を保有しているかの管理をおこなう予備工具有無管理部をさらに具備し、
前記タスク実行可否判定部は、前記工作機械が前記設定寿命に到達した工具の予備工具を保有している場合には前記実行不能タスクの判定を取り消し、前記工作機械が前記設定寿命に到達した工具の予備工具を保有していない場合には、前記実行不能タスクの判定を維持する、請求項2に記載の統合制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1または複数の工作機械を備えた生産設備における加工計画を管理する統合制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
FMS等の生産設備で工作機械を予め登録された加工計画に従って24時間にわたってワークを加工することは従来行われている。こうした生産設備では、長時間にわたってワークを加工するので、消耗品が予め入力設定された寿命に到達すると、工作機械を停止しなければならなくなる。特許文献1には、こうした生産設備の一例として、スケジュール運転の途中で破損などにより使用不能の工具が発生しても、また工具のプリセットミスにより工具不足が発生しても、不実行の加工プログラムの個数を最小限に止めてスケジュール運転が続行されるようにした工作機械のスケジュール運転方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平09-109002号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の工作機械のスケジュール運転方法では、不足工具が存在する場合には、加工プログラムの実行順序をスキップするようになっている。また、特許文献1の工作機械のスケジュール運転方法では、オペレータがいる場合に不足工具の交換を促すことが記載されている。
【0005】
特許文献1の工作機械のスケジュール運転方法では、不足工具がある場合に、オペレータには不足工具の警告がなされるが、加工プログラムの実行順序はスキップされてしまう。然しながら、特許文献1の工作機械のスケジュール運転方法では、何時どこにスキップされ、加工計画がどのように変更されるのか、オペレータには簡単に理解できない問題がある。
【0006】
更に、不足工具が発生した場合、優先して生産が必要なワークはスキップすべきではないが、不足工具の手配・準備が当面難しい場面においてはスキップした方が工作機械を停止せず他ワーク品種の生産を行うべきである。また、オペレータが不足工具の交換に対応できる余裕があるかも勘案する必要がある。これらの事情から、加工プログラムの実行順序をスキップするのかしないのかは、オペレータが選択できるようにすることが好ましい。また、オペレータが不足工具を交換する際にも、一層、容易に不足工具を交換できるようにすることが望ましい。
【0007】
本発明は、こうした従来技術の問題を解決することを技術課題としており、消耗品の使用状況が設定寿命に到達したときに実行できなくなるタスクをオペレータが一層容易に理解し、同時に変更後の加工計画をオペレータが容易に理解できるようにした統合制御装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の目的を達成するために、本発明によれば、工作機械の加工計画を管理するための統合制御装置において、生産命令を受けつけ、オペレータの勤務時間及び非勤務時間と関連付けて、複数のタスクを含む加工計画を生成する計画生成部と、前記複数のタスクの各々を個別のアイコンで時系列順に配置して表示する加工計画チャートを表示する表示部と、前記アイコンの表示態様を変更する表示態様変更部と、前記加工計画において加工に必要な消耗品が設定寿命に到達するか否かの寿命管理をおこなう消耗品寿命管理部と、前記複数のタスクの内、消耗品の使用状況が前記設定寿命に到達することによって実行できなくなるタスクを実行不能タスクと判定し、実行不能タスクが存在する場合には、前記加工計画チャートにおける前記実行不能タスクのアイコンの表示態様の変更を前記表示態様変更部へ指示するタスク実行可否判定部と、前記実行不能タスクのスキップに関する、勤務時間スキップモードと非勤務時間スキップモードのオンオフを切り換えるスキップモード切換部と、を具備し、前記計画生成部は、前記勤務時間スキップモードがオンであり、前記実行不能タスクが存在し、かつ、前記実行不能タスクの開始時刻がオペレータの勤務時間内である場合には前記実行不能タスクをスキップするか、或いは、消耗品のメンテナンスを実行するかオペレータが選択できるようにし、前記非勤務時間スキップモードがオンであり、前記実行不能タスクの開始時刻が前記非勤務時間内である場合には前記実行不能タスクをスキップすることを特徴とする統合制御装置が提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、複数のタスクを個別のアイコンで時系列順に配置して表示するので、オペレータは、実行不能タスクをスキップした後の加工計画を容易に理解することができる。また、勤務時間中に実行不能タスクが存在する場合には、該タスクをスキップするか、或いは、タスクを実行不能とする消耗品のメンテナンスをするのか、オペレータが選択できるようにすることによって、オペレータが自身の作業計画を柔軟に設定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明を適用する生産設備および該生産設備を管理する統合制御装置の概略ブロック図である。
図2】勤務時間、加工計画および段取りを時系列で表示したチャートの一例を示す図である。
図3】勤務時間帯に実行不能タスクが存在する場合の表示態様を示す図2と同様のチャートである。
図4】実行不能タスクの原因となる消耗品の詳細情報および消耗品のメンテナンスのための交換品の所在を表示した図2と同様のチャートである。
図5】タスク続行ダイアログボックスを示す図2と同様のチャートである。
図6】スキップダイアログボックスを示す図2と同様のチャートである。
図7図6の状態から実行不能のタスクをスキップしたときの表示態様を示す図2と同様のチャートである。
図8】非勤務時間帯に実行不能のタスクが生じる場合の表示態様を示す図2と同様のチャートである。
図9図8の状態から実行不能のタスクをスキップしたときの表示態様を示す図2と同様のチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して、本発明の好ましい実施形態を説明する。
図1において、生産設備100は、少なくとも1つの工作機械MC1、MC2、少なくとも1つの段取りステーションWSS1、WSS2、パレットストッカ102および搬送装置110を主要な構成要素として含んでいる。図1の例では、工作機械MC1、MC2は、回転主軸Sを有した横形マシニングセンタであり、パレットP1を固定するテーブル(図示せず)、パレットチェンジャPC、テーブルと回転主軸Sとを少なくともX、Y、Zの直交三軸方向に相対移動する送り装置(図示せず)を含む。送り装置は、回転送り装置(図示せず)を含んでいてもよい。パレットチェンジャは、加工済ワークを取り付けたパレットP1と、未加工ワークを取り付けたパレットP2とを交換する。
【0012】
工作機械MC1、MC2は、更に、加工に用いる複数の工具を収納した工具マガジン(図示せず)、工具マガジンと回転主軸Sとの間で工具を交換する自動工具交換装置(図示せず)、工作機械MC1、MC2の加工領域にクーラントを供給するクーラント供給装置(図示せず)等を備えることができる。工作機械MC1、MC2は、更に、回転主軸Sの駆動モータおよび送り軸装置の駆動モータを制御するNC装置、および、パレットチェンジャ、工具マガジン、自動工具交換装置、クーラント供給装置等の周辺機器を制御する機械制御装置を備えている。
【0013】
段取りステーションWSS1、WSS2では、オペレータが、パレットへのワークの着脱作業を行うことができる。パレットストッカ102は、ワークWを取り付けたパレットPまたはワークWを取り付けていないパレットPを保管する棚(図示せず)を備えることができる。搬送装置110は、工作機械MC1、MC2、パレットストッカ102、及び、段取りステーションWSS1、WSS2の間で、ワークWを取り付けたパレットPを搬送する。搬送装置110は、ワークWを取り付けていないパレットPのみを、或いは、パレットPに取り付けられていないワークWを直接搬送するようにしてもよい。搬送装置110は、ワークWまたはパレットP以外の物品、例えば工具を搬送するようにしてもよい。搬送装置110、及び、段取りステーションWSS1、WSS2は、各々の制御装置(ローカル制御装置)を備えることができる。
【0014】
生産設備100は統合制御装置10によって制御される。統合制御装置10は、計画生成部12、表示部14、表示態様変更部16、タスク実行可否判定部18および寿命管理部20、入力部22、スキップモード切換部24を主要な構成要素として備えている。統合制御装置10は、CPU(中央演算素子)、RAM(ランダムアクセスメモリ)やROM(リードオンリーメモリ)のようなメモリ装置、SSD(ソリッドステートドライブ)のような記憶デバイス、通信デバイス、出入力ポート、および、これらを相互接続する双方向バスを含むコンピュータおよび関連するソフトウェアから構成することができる。統合制御装置10は、更に、タッチパネル(図示せず)のような表示装置を含む。統合制御装置10は、IEEE 802.3(イーサネット)やIEEE 802.11(無線LAN)のような通信規格に適合するネットワーク(図示せず)を介して、工作機械MC1、MC2のNC装置または機械制御装置、搬送装置110および段取りステーションWSS1、WSS2の各々のローカル制御装置に接続することができる。統合制御装置10が表示装置としてタッチパネルを備えている場合には、入力部22は、上述の通信デバイス、出入力ポート、該出入力ポートに接続された入力デバイスに加えて、タッチパネルを含むことができる。
【0015】
計画生成部12は、オペレータが入力部22から入力した生産指令、または上位の管理システムなど外部から入力される生産指令に基づき、パレット番号と、加工開始時刻と、加工に要する加工時間とを関連付けた情報であるタスク(加工タスク)で構成される加工計画を工作機械MC1、MC2の各々について生成する。計画生成部12は更に、パレット番号と、パレットPにワークWを段取りするべき段取り開始時刻と、段取りに要する段取り時間とを関連付けた情報であるタスク(段取りタスク)で構成される段取り計画を段取りステーションWSS1、WSS2の各々について生成する。計画生成部12が生成した加工計画及び段取り計画は、図2図9に示すように、加工計画チャート14aおよび段取りチャート14bの形態で、生産設備100のオペレータの勤務時間を示す勤務時間チャート14cに関連付けて表示部14に表示される。
【0016】
タスク実行可否判定部18は、加工計画に含まれるタスクにおいて加工に必要な消耗品である工具が、予め設定された閾値(寿命)に到達するか否かの寿命判定をおこなう。タスク実行可否判定部18は、更に、判定結果に基づいて、計画生成部12が生成した加工計画に含まれるタスクに、設定寿命に到達する工具を使用するプロセス(加工)が含まれている場合に、このプロセスを含むタスクのアイコンの表示態様の変更を表示態様変更部16に指示する。表示態様変更部16は、タスク実行可否判定部18からの指示により、該アイコンの表示態様を変更する。
【0017】
寿命管理部20には、工作機械MC1、MC2で使用する工具や、油脂類、シール部品のような消耗品の各々の寿命が格納されている。各消耗品の寿命(設定寿命)は、オペレータが入力部22から直接入力したり、或いは、生産設備100が設置される工場の全体を管理する上位の管理システム(図示せず)やサーバー(図示せず)から、寿命管理部20に入力したりすることができる。図1に示す例では、工作機械MC1、MC2で使用する各工具の寿命が工具管理部20aに格納され、油脂類の寿命が油脂類管理部20bに格納され、各シール部品の寿命がシール部品管理部20cに格納される。工作機械MC1、MC2が各々の消耗品について寿命管理できるよう、統合制御装置に代わって寿命管理部を各々備えていてもよい。
【0018】
工具管理部20aには、工具の使用状況として、ワークの加工中の工具先端点の移動距離である切削距離が、各工具について累積、格納される。工具管理部20aは、例えば、現在実行されているNCプログラムを解析することによって、加工に用いた工具の切削距離を算出し、これを累積し、工具寿命として設定されている切削距離(設定寿命)に到達した否かで、寿命判定することができる。工作機械MC1、MC2が各々の工具を管理する工具管理部を備えていてもよい。
【0019】
油脂類管理部20bには、各油脂類について、前回交換したときから積算した機械電源投入時間(積算時間)が、消耗品の使用状況として格納される。この積算時間が、油脂類の各々について、上述のオペレータが予め入力した寿命としての交換時間と比較され、油脂類の交換時期に到達したか否かが判定される。工作機械MC1、MC2が各々の油脂類を管理する油脂類管理部を備えていてもよい。
【0020】
同様に、シール部品管理部20cには、消耗品の使用状況として、各シール部品を前回交換したときから積算した機械電源投入時間(積算時間)が格納される。この積算時間が、シール部品の各々について、上述のオペレータが予め入力した寿命としての交換時間と比較され、シール部品の交換時期に到達したか否かが判定される。工作機械MC1、MC2が各々のシール部品を管理するシール部品管理部を備えていてもよい。
【0021】
スキップモード切換部24は、入力部22を通じたオペレータの操作により、勤務時間スキップモードと非勤務時間スキップモードのオン/オフを切り換える。勤務時間スキップモードがオンのとき、後述するように、実行不能タスクの開始時刻がオペレータ勤務時間内である場合(つまり、工作機械MC1、MC2の近傍にオペレータがいす場合)には、オペレータは実行不能タスクをスキップするか、或いは、消耗品のメンテナンスを実行するか選択でき、非勤務時間スキップモードがオンのとき、実行不能タスクの開始時刻が勤務時間外である場合(つまり工作機械MC1、MC2の近傍にオペレータがいない場合)には実行不能タスクを自動的にスキップできるようになる。勤務時間スキップモードまたは非勤務時間スキップモードがオフであり、実行不能タスクのスキップに関する処理は行われず、消耗品のメンテナンスが行われない限りは生産が停止し、工作機械MC1、MC2は停止する。
【0022】
以下、図2図9を参照して、本実施形態の作用を説明する。
図2には、計画生成部12が生成し、表示部14に表示される加工計画チャート14a、段取りチャート14bおよび勤務時間チャート14cの一例が示されている。図2おいて、勤務時間チャートは、白抜きで示す勤務時間と、ハッチングで示す非勤務時間とを含んでいる。勤務時間は、8:00(午前8時)~12:00(正午)までと、13:00(午後1時)~17:00(午後5時)を含んでいる。
【0023】
加工計画チャートは工作機械MC1、MC2の各々について生成され、各加工計画チャートは、時系列順に配置された複数のタスクアイコン(加工タスクアイコン)を含んでいる。図2の例では、工作機械MC1のための加工計画チャートは9個のタスクアイコンT11~T19で示されており、工作機械MC2のための加工計画チャートは、時系列順に配置された4つのタスクアイコンT21~T24で示されている。また、図2の例では、タスクアイコンT11~T19およびタスクアイコンT21~T24には、工作機械MC1および工作機械MC2で加工すべきワークを取り付けたパレットのパレット番号が付されている。
【0024】
より具体的には、工作機械MC1のための加工計画チャートのタスクアイコンT11は、勤務時間の開始時刻である8:00以前に行われていた7番パレットに取り付けられているワークが加工されることを示し、次いで、タスクアイコンT12は、1番パレットに取り付けられているワークの加工が行われることを示し、同様に、タスクアイコンT13~タスクアイコンT19は、2番パレット、3番パレット、6番パレット、1番パレット、2番パレット、3番パレット、7番パレットに取り付けられているワークの加工が順次行われることを示している。工作機械MC2のための加工計画チャートでは、タスクアイコンT21で勤務時間の開始時刻である8:00以前から行われていた4番パレットに取り付けられているワークの加工が行われることを示し、次いで、タスクアイコンT22は5番パレットに取り付けられているワークの加工が行われることを示し、同様に、タスクアイコンT23およびタスクアイコンT24は、4番パレットおよび9番パレットに取り付けられているワークが順次に加工されることを示している。
【0025】
段取りチャート14bには、段取り計画として、タスクアイコン(段取りタスクアイコン)が表示されている。図2では、勤務時間の開始時刻である8:00から(つまりオペレータが段取り作業を実行可能となったときから)1番パレットへの段取り作業(ワーク取付・取り外し作業)を開始し、午前中に2番、3番、6番、5番、7番、8番、1番、9番パレットへの段取り作業を終了し、午後に工作機械MC1において2番パレットに取り付けられているワークへの加工が終了したときに2番パレットへの段取り作業を行い、次いで、工作機械MC1において3番パレットに取り付けられているワークへの加工が終了したときに3番パレットへの段取り作業を行い、工作機械MC2において4番パレットに取り付けられているワークへの加工が終了したときに4番パレットへの段取り作業を行い、終業時刻である17:00までに段取り作業を完了すべきことを表している。オペレータは、段取りチャート14cを参照することによって、適切なタイミングおよび適切なパレットへの段取り作業を行うことが可能となる。また、オペレータには、どのパレットにどのワークを取り付けるかについて、パレット番号とワークの種類とを対応させて指示する情報、例えば指示書が表示部に表示されることによって伝達される。
【0026】
図2図9では、段取りステーションWSS1についてのみ図示されているが、段取りステーションWSS2についても同様に表示することができる。また、オペレータは、各パレットへのワークの段取り作業が終了したときに、段取りステーションWSS1、WSS2の操作盤(図示せず)を操作することによって、段取り作業終了の通知を統合制御装置10へ送信し、搬送装置110によってパレットをパレットストッカ102または工作機械MC1、MC2へ搬送するようにできる。
【0027】
生産設備100が稼働している間、タスク実行可否判定部18は、寿命管理部20に設定されている寿命が到来する消耗品、本実施形態では工具、油脂類およびシール部品があるか否かを判定し続けている。寿命が設定寿命に到達する消耗品があると、工作機械MC1、MC2による加工ができなくなるタスクが生じる。本実施形態では、計画生成部12が生成した加工計画に、消耗品の使用状況が設定寿命に到達するタスクが含まれている場合には、工作機械MC1または工作機械MC2の加工計画チャートにおいて該タスクの表示態様を変更することで、該タスクが実行不能タスクであることを表示する。
【0028】
タスク実行可否判定部18が、ある消耗品の使用状況が設定された寿命に到達すると判定すると、判定結果が表示態様変更部16に出力される。具体的には、該タスクにおける消耗品の使用(消耗品が工具であれば、加工距離・加工ワーク個数・加工穴数など)を積算したとき、設定寿命を超過する場合に、該タスクにおいて設定寿命に到達するので、該タスクは実行不能タスクであると判定することができる。表示態様変更部16は、タスク実行可否判定部18の判定結果に基づいて、表示部14に表示される加工計画チャート14aのアイコンの表示態様を変更する。一例として、図3では、工作機械MC1の加工計画チャートにおいて、消耗品の使用状況が設定寿命に到達するために、タスクアイコンT14、T16およびT18の実行、つまり3番パレット、1番パレットに取り付けられているワークの加工が不能であることがハッチングで表示されている。実際には、実行不能なタスクアイコンの色や形状、大きさを変更したり、或いは、アイコンに表示されるフォントの色や太さ、大きさ、種類を変更したりすることによって、該アイコンに対応するタスクを実行するために必要な消耗品の使用状況が設定寿命に到達すること、つまり該タスクが実行不能タスクであることをオペレータに告知するようにできる。
【0029】
また、消耗品の使用状況が設定寿命に到達するタスクが存在するために工作機械が停止してしまう停止時刻を、表示部に表示するようにしてもよい。図3、4では、消耗品の使用状況が設定寿命に到達する、タスクアイコンT14に対応したタスク(3番パレットに取り付けられたワークの加工)が開始される14:04に工作機械MC1が停止することが、停止アイコンICStopに表示されている。
【0030】
本例では、何時タスクが停止するのかを示す停止時刻を停止アイコンICStopに表示するようになっているが、タスク停止までの残時間または停止日時を表示するようにしてもよい。停止時刻、タスク停止までの残時間、停止日時は、表示態様が変更されたタスクアイコンを選択したときにチャート上に表示してもよいし、表示部14のチャート以外の部分に別途表示してもよい。
【0031】
このとき、消耗品の使用状況が設定寿命に到達すると表示されているタスクアイコンをオペレータが選択すると、消耗品の使用状況の詳細な情報が表示される。本例では、図4に示すように、表示部14内にサブウインドウWSが表示され、サブウインドウWS内に寿命に到達する消耗品を示すようにできる。図4では、タスクアイコンT14に対応したタスクである3番パレットに取り付けられたワークの加工に必要な工具T1025の加工距離が設定された閾値(寿命)に到達することが示されている。また、加工距離が設定寿命に到達する工具をオペレータが容易に交換できるようにするために、サブウインドウWS内に交換用工具の保管場所を表示してもよい。図4の例では、交換すべき工具T1025の保管場所として、サブウインドウWS内に「第1工具室」、「第2工具棚」、「上から4番目の引き出し棚」というテキストが表示されている。テキスト表示に代えて、工場平面視の簡略地図と記号で対象工具の保管場所を示してもよい。
【0032】
また、消耗品の使用状況が設定寿命に到達して実行不能なタスクに対応したタスクアイコンを表示する際、同じ理由で実行不能なタスクに対応したタスクアイコン同士を接続アイコンで互いに接続するようにできる。図3の例では、3番パレットに取り付けられたワークの加工と、1番パレットに取り付けられたワークの加工で共通する工具T1025が使用される。工具T1025の加工距離が設定寿命に到達すると、3番パレットに取り付けられたワークの加工と、1番パレットに取り付けられたワークの加工ができなくなるため、タスクアイコンT14とタスクアイコンT16が接続アイコンIC_Connect 1によって接続されている。更に、タスクアイコンT16は、接続アイコンIC_Connect 2によってタスクアイコンT18に接続されている。このように、同じ理由で実行不能なタスクに対応したタスクアイコン同士を接続アイコンで互いに接続することによって、オペレータは、設定寿命に到達する消耗品が、加工計画中でどのタスクに影響を及ぼすのか容易に理解することが可能となる。
【0033】
上述のオペレータによるタスクアイコンの選択は入力部22から行うことができる。統合制御装置10が表示部14としてタッチパネルを備えている場合には、実行不能と表示されているタスクアイコンをタップすることによって選択操作を行うことができる。表示部14が通常のパネルディスプレイの場合には、入力部22としてのキーボード(図示せず)やマウス(図示せず)のような入力デバイスを用いて選択操作をすることができる。このように、本実施形態によれば、オペレータは、ある消耗品について、使用状況が設定寿命に到達して、実行不能タスクを加工計画チャートで容易に判断することが可能となる。
【0034】
ここで、勤務時間スキップモードがオンである場合、オペレータが、実行不能タスクを表すタスクアイコンT14を更にタップすると、寿命管理部20の工具管理部20aは、工作機械MC1に供給されているNCプログラムを参照して、該NCプログラムに基づいて、タスクアイコンT14に対応したタスクのうち、設定寿命を迎える工具T1025を用いた加工プロセスが何時開始するのかに従って、工作機械MC1が何時停止するのかを演算し、演算結果を表示態様変更部16に出力する。
【0035】
表示態様変更部16は、図5に示すサブウインドウWS中にこれらの情報を表示する。図5の例では、15:43に工具T1025による加工が開始されるが、この直前までの加工プロセスが実行可能であることがダイアログボックスDB1内に表示されると共に、工具T1025の加工距離が設定寿命に到達するために、工具T1025を使用する加工プロセスの実行ができない状態であることが、ダイアログボックスDB2内に表示されている。
【0036】
これと同時に、表示態様変更部16は、該サブウインドウWS中に、タスクそのものを中断することなく加工を続行するか否かをオペレータに問いかけるタスク続行ダイアログボックスDB_Continueを表示する。タスク続行ダイアログボックスDB_Continueには、設定寿命に到達した工具(ここでは工具T1025)による加工を開始する時刻と、設定寿命に到達した工具の前後のプロセスに用いる工具を表示することができる。オペレータは、工具マガジン内の工具T1025を交換する前提で、工作機械MC1における加工を中断しないことを選択することができる。つまり、オペレータがタスク続行ダイアログボックスDB_Continue内の「はい」のボタンをタップすると、工作機械MC1は、工具T1025による加工が開始する15:43直前までの加工を実行する。これにより、14:04から15:43までの時間が工具T1025の準備、交換のための猶予としてオペレータに提供され、オペレータは工具T1025の交換を容易に実行可能となると共に、工具交換後には、すぐ残りの加工、ここでは工具T1013以降の加工を実行可能となる。但し、工具T1025による加工の開始時刻15:43までにオペレータが工具マガジン内の工具T1025を交換できなかった場合、開始時刻15:43に工作機械MC1は停止する。
【0037】
なお、加工精度(主に機械熱変位に関わる加工精度)の観点からは、本来は同じ時間帯に連続してワークを加工すべきであるから、前述のタスク続行の選択は、オペレータの判断で、タスク別や品種別に設定できることが好ましい。また、タスクの続行は、前述したように消耗品の使用状況が設定された寿命に到達して実行不能タスクが発生するたびに個別に選択してもよいし、パラメータで予めオンオフを設定して個別に選択することなく自動で続行されるよう設定してもよい。
【0038】
オペレータは、図5の表示を参照したときに、工作機械MC1の停止時刻までに消耗品のメンテナンス、本例では工具マガジン内の工具T1025の交換が完了しないと判断することもあり得る。この場合、オペレータがタスク続行ダイアログボックスDB_Continue内の「いいえ」のボタンをタップすると、オペレータに実行不能タスクをスキップするか否かを問い合わせるスキップダイアログボックスDB_Skipが開く(図6参照)。
【0039】
スキップダイアログボックスDB_Skipは、単独スキップボタンSB1、連結スキップボタンSB2およびスキップ中止ボタンSB3を含む。単独スキップボタンSB1をタップすると、選択されているタスク、本例ではタスクアイコンT14が示すタスク(3番パレットに取り付けられたワークの加工)がスキップされ、該タスクの開始が加工計画の末端、つまりこの時点で加工計画における最後のタスクの後に移動される。連結スキップボタンB2をタップすると、接続アイコンIC_Connect 1、IC_Connect 2で接続されているタスクアイコンT14、T16、T18が示すタスク(3番パレットに取り付けられたワークの加工、1番パレットに取り付けられたワークの加工)が、図7に示すように、順序を維持した状態で、加工計画の末端、本例ではタスクアイコンT19が示すタスク(7番パレットに取り付けられたワークの加工)の後に移動させられる。なお、実行不能タスクを加工計画の末端以外の任意の順序に移動してもよい。タスクアイコンT15の後にタスクアイコンT14(実行不能タスク)を移動した場合には、タスクアイコンT15の加工時間分、工具T1025の交換の猶予がオペレータに提供されることとなる。メンテナンスが必要な消耗品を手配できるタイミング、実行不能タスクで加工されるワークの生産上の優先順位、オペレータの繁忙状況によって、実行不能タスクをどのタイミングにスキップするかは任意で選択できる。
【0040】
勤務時間スキップモードがオフの場合、タスクアイコンT14に対応したタスク(加工)が開始される14:04に工作機械MC1は停止する。このように、本実施形態によれば、勤務時間スキップモードをオンにすることによって、勤務時間中にはオペレータはメンテナンス作業の可否などに応じて加工計画のスキップをするかどうか選択することが可能となる。
【0041】
非勤務時間スキップモードがオンのとき、消耗品の使用状況が設定寿命に到達するために実行不能タスクの開始時刻が勤務時間外である場合には、該タスクが自動的にスキップされる。例えば、図8に示すように、勤務時間終了時刻である17:00以降に、上述の例と同様に工具T1025の加工距離が設定寿命に到達し、1番パレット(タスクアイコンT16)および3番パレット(タスクアイコンT18)に取り付けられたワークの加工が実行できなくなった場合、非勤務時間スキップモードがオフであれば、タスクアイコンT16に対応したタスクの開始時刻19:25に工作機械MC1は停止してしまうが、非勤務時間スキップモードをオンにすることによって、図9に示すように、タスクアイコンT16、T18に対応したタスクがスキップされ、加工計画の末端であるタスクアイコンT17に対応したタスクの後に繰り下げられる。これにより、非勤務時間に工作機械の近傍にオペレータがいなくとも、実行可能なタスクを完了することが可能となる。この場合にスキップしたタスクおよびタスクを実行不能とした消耗品に関する情報をサブウインドウWSに表示するようにできる。なお、本明細書における「スキップ」とは、「実行不能タスクを加工計画において後回しにすること」を意味するが、当面消耗品が手配できない場合などに、スキップではなく加工計画から除外するようにしてもよい。除外した場合、加工計画チャートにタスクは表示されなくなる。併せて、前述のように実行不能タスクの原因となった消耗品に関する情報をサブウインドウWSに常に表示しておくこともできる。オペレータは、除外された実行不能タスクの存在と、そのタスクの内容や原因となった消耗品の詳細について、把握することができる。
【0042】
なお、非勤務時間であってもオペレータに代わりメンテナンス作業を実施できる無人装置がある場合には、非勤務時間スキップモードだけをオフにしてもよい。また、任意のタスクについて、オペレータは、所望の加工完了日、時刻を入力して計画を変更できるようにしてもよい。特急の加工計画について、日だけではなく時刻まで指定でき、事前のタスクの実行を後回しにするのである。更に、オペレータは、所望の日、時刻までに消耗品の使用状況、例えば工具の切削距離が設定寿命に到達しないように加工計画をスケジューリングするよう、計画生成部12に指示できるようにしてもよい。優先度が低く当該工具を使用しないワークを繰り上げ実施したりすることで、工作機械MC1、MC2が停止することなく生産システムを稼働できる。繰り上げ実施できる生産指示が存在せず指示されたスケジューリングが行えない場合には、オペレータにその旨を報知し、当該工具を使用しないワークのリストを提示し、生産指示の追加を提案するようにしてもよい。
【0043】
統合制御装置10または工作機械MC1、MC2は、タスクの実行に必要な必要工具を保有しているかの管理をおこなう工具有無管理部26をさらに具備してもよい。生産設備100において新たに生産を開始するワーク品種の生産命令が行われた場合、従来工作機械MC1、MC2の工具マガジンに保管されている工具では加工を行えない場合がある。工具有無管理部26は、タスクにおけるNCプログラムで使用する工具を必要工具とし、工作機械MC1、MC2の工具マガジンに保管されていた工具と照合する。工作機械MC1、MC2のいずれも必要工具を保有していない場合、タスク実行可否判定部18は該タスクを実行不能タスクと判定する。この判定は、加工に必要な工具が設定寿命に到達しているかどうかの判定とは別個に行うことができる。
【0044】
統合制御装置10または工作機械MC1、MC2は、タスクの実行に必要な必要工具の予備工具を保有しているかの管理をおこなう予備工具有無管理部28をさらに具備してもよい。ここで、予備工具とは、必要工具と同じ加工を行うことが可能な工具を意味する。必要工具と同じ加工を行うことが可能であれば、まったく同様のホルダ、刃具、組立状態でなくともよい。タスクの実行に必要な工具で設定寿命に到達したものがある場合、統合制御装置10は該タスクを実行不能タスクと判定するが、工作機械MC1、MC2の工具マガジンが設定寿命に到達した工具の予備工具を保有している場合には、設定寿命に到達した工具に代えて予備工具を運用すればよいので、実行不能タスクの判定を取り消す。このとき、予備工具の寿命を併せて判定するようにしてもよい。工作機械MC1、MC2の工具マガジンが予備工具を保有していない場合には、該判定を維持する。設定寿命の到達による判定と併せて、予備工具有無による判定を行うことで、実行不能タスクの判定をより正しく行うことができる。
【0045】
統合制御装置10は、タスクの実行に必要なワーク素材の在庫管理を行うワーク素材在庫管理部30をさらに具備してもよい。たとえばワーク品種W1の加工指示が10個行われたとき、生産設備100におけるワーク品種W1のワーク素材在庫が8個であれば、9個目以降の生産を行うことができない。このとき、タスク実行可否判定部18は、9個目以降のタスク(加工タスク)について実行不能タスクと判定する。併せて、ワーク品種W1に対応するパレットの段取りタスクも実行不能タスクと判定し、表示態様を変更してもよいし、さらに、実行不能タスクである加工タスクおよび段取りタスクを接続アイコンで接続してもよい。オペレータは、ワーク素材を手配するか、実行不能タスクをスキップするかを選択することができる。この判定は、前述の消耗品に係る各種判定とは別個に行うことができる。ワーク素材在庫に係るスキップモードは、前述の消耗品に係るスキップモードと共通でもよいし、別個に設けられてもよい。
【符号の説明】
【0046】
10 統合制御装置
12 計画生成部
14 表示部
14a 加工計画チャート
14b 段取りチャート
14c 勤務時間チャート
16 表示態様変更部
18 タスク実行可否判定部
20 寿命管理部
20a 工具管理部
20b 油脂類管理部
20c シール部品管理部
22 入力部
24 スキップモード切換部
26 工具有無管理部
28 予備工具有無管理部
100 生産設備
102 パレットストッカ
110 搬送装置
【要約】
【課題】消耗品が設定寿命に到達したときまたは工作機械が消耗品を保有していないときに実行できなくなるタスク並びに変更後の加工計画をオペレータが容易に理解できるようにすること。
【解決手段】オペレータの勤務時間及び非勤務時間と関連付けて、複数のタスクを含む加工計画を生成し、複数のタスクの各々を個別のアイコンで時系列順に配置して表示する加工計画チャートを表示し、消耗品が設定寿命に到達することによって実行できなくなる実行不能タスクが存在する場合に、加工計画チャートにおける実行不能タスクのアイコンの表示態様を変更し、実行不能タスクの開始時刻がオペレータの勤務時間内である場合には実行不能タスクをスキップするか、或いは、消耗品のメンテナンスを実行するかオペレータが選択できるようにし、実行不能タスクの開始時刻が非勤務時間内である場合には実行不能タスクをスキップするようにした。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9