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特許7521096Jクレジット支援装置、Jクレジット支援方法、およびプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-12
(45)【発行日】2024-07-23
(54)【発明の名称】Jクレジット支援装置、Jクレジット支援方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240716BHJP
【FI】
G06Q50/10
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2023189239
(22)【出願日】2023-11-06
【審査請求日】2024-01-10
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000005913
【氏名又は名称】三井物産株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115749
【弁理士】
【氏名又は名称】谷川 英和
(72)【発明者】
【氏名】下出 琢人
(72)【発明者】
【氏名】前田 拓也
【審査官】久宗 義明
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-086276(JP,A)
【文献】特開2020-112887(JP,A)
【文献】特許第7270317(JP,B1)
【文献】特開2015-023858(JP,A)
【文献】米国特許第11594015(US,B1)
【文献】米国特許第11615428(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0055220(US,A1)
【文献】特開2008-046837(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1または2以上の検査領域を含む撮影画像を取得する画像取得部と、
前記1または2以上の各検査領域ごとに、検査領域の部分画像を用いて、森林領域であるか否かを判断するための森林条件を満たすか否かを判断し、第一判断結果を取得する第一判断部と、
前記1または2以上の検査領域ごとに、過去の部分画像の緑の割合である第一緑割合を取得し、かつ最新の部分画像の緑の割合である第二緑割合を取得し、前記第一緑割合と前記第二緑割合との差が、Jクレジットにおける間伐領域であるか否かを判断するための条件である間伐条件を満たすか否かを判断し、第二判断結果を取得する第二判断部と、
前記1または2以上の検査領域ごとに、前記第一判断結果と前記第二判断結果とを出力する判断結果出力部とを具備するJクレジット支援装置。
【請求項2】
前記第一判断部が森林領域でないと判断した検査領域についてのみ、前記森林条件を満たすか否かの判断結果である第一ユーザ判断をユーザから受け付けるユーザ受付部をさらに具備し、
前記第一判断結果は、前記第一ユーザ判断に基づく情報である請求項1記載のJクレジット支援装置。
【請求項3】
前記第二判断部が間伐領域であると判断した検査領域についてのみ、前記間伐条件を満たすか否かの判断結果である第二ユーザ判断をユーザから受け付けるユーザ受付部をさらに具備し、
前記第二判断結果は、前記第二ユーザ判断に基づく情報である請求項記載のJクレジット支援装置。
【請求項4】
1または2以上の検査領域を含む撮影画像を取得する画像取得部と、
前記1または2以上の各検査領域ごとに、検査領域の部分画像を用いて、森林領域であるか否かを判断するための森林条件を満たすか否かを判断し、第一判断結果を取得する第一判断部と、
前記1または2以上の各検査領域ごとに、間伐領域であるか否かを判断するための間伐条件を満たすか否かを判断し、第二判断結果を取得する第二判断部とを具備し、
前記第一判断部は、
森林領域であると判断された1以上の各検査領域について、検査領域の過去の部分画像に対応する部分画像であり、当該過去から期間が経過した後の部分画像を用いて、前記検査領域が森林領域であるか否かを判断する巡視処理を行い、森林領域でなくなっていると判断した検査領域について、森林領域でなくなっている旨の巡視判断結果を取得し、
前記巡視判断結果を用いて、巡視によりJクレジットの申請対象でなくなった検査領域についての情報、または巡視により継続してJクレジットの申請対象であると判断された検査領域についての情報を含む巡視時ドキュメントを作成する第二ドキュメント作成部と、
前記巡視時ドキュメントを出力する第二ドキュメント出力部とをさらに具備するJクレジット支援装置。
【請求項5】
前記第一判断結果と前記第二判断結果とを用いて、森林領域でありかつ間伐領域であると判断された検査領域でありJクレジットに申請する検査領域についての情報、または森林領域でないまたは間伐領域でないと判断された検査領域でありJクレジットに申請しない検査領域についての情報を含む申請時ドキュメントを作成する第一ドキュメント作成部と、
前記申請時ドキュメントを出力する第一ドキュメント出力部とをさらに具備する請求項記載のJクレジット支援装置。
【請求項6】
画像取得部と、第一判断部と、第二判断部と、判断結果出力部とにより実現されるJクレジット支援方法であって、
前記画像取得部が、1または2以上の検査領域を含む撮影画像を取得する画像取得ステップと、
前記第一判断部が、前記1または2以上の各検査領域ごとに、検査領域の部分画像を用いて、森林領域であるか否かを判断するための森林条件を満たすか否かを判断し、第一判断結果を取得する第一判断ステップと、
前記第二判断部が、前記1または2以上の検査領域ごとに、過去の部分画像の緑の割合である第一緑割合を取得し、かつ最新の部分画像の緑の割合である第二緑割合を取得し、前記第一緑割合と前記第二緑割合との差が、Jクレジットにおける間伐領域であるか否かを判断するための条件である間伐条件を満たすか否かを判断し、第二判断結果を取得する第二判断ステップと、
前記判断結果出力部が、前記1または2以上の検査領域ごとに、前記第一判断結果と前記第二判断結果とを出力する判断結果出力ステップとを具備するJクレジット支援方法。
【請求項7】
画像取得部と、第一判断部と、第二判断部と、第二ドキュメント作成部と、第二ドキュメント出力部とにより実現されるJクレジット支援方法であって、
前記画像取得部が、1または2以上の検査領域を含む撮影画像を取得する画像取得ステップと、
前記第一判断部が、前記1または2以上の各検査領域ごとに、検査領域の部分画像を用いて、森林領域であるか否かを判断するための森林条件を満たすか否かを判断し、第一判断結果を取得する第一判断ステップと、
前記第二判断部が、前記1または2以上の各検査領域ごとに、間伐領域であるか否かを判断するための間伐条件を満たすか否かを判断し、第二判断結果を取得する第二判断ステップとを具備し、
前記第一判断ステップにおいて、
森林領域であると判断された1以上の各検査領域について、検査領域の過去の部分画像に対応する部分画像であり、当該過去から期間が経過した後の部分画像を用いて、前記検査領域が森林領域であるか否かを判断する巡視処理を行い、森林領域でなくなっていると判断した検査領域について、森林領域でなくなっている旨の巡視判断結果を取得し、
前記第二ドキュメント作成部が、前記巡視判断結果を用いて、巡視によりJクレジットの申請対象でなくなった検査領域についての情報、または巡視により継続してJクレジットの申請対象であると判断された検査領域についての情報を含む巡視時ドキュメントを作成する第二ドキュメント作成ステップと、
前記第二ドキュメント出力部が、前記巡視時ドキュメントを出力する第二ドキュメント出力ステップと具備するJクレジット支援方法。
【請求項8】
コンピュータを、
1または2以上の検査領域を含む撮影画像を取得する画像取得部と、
前記1または2以上の各検査領域ごとに、検査領域の部分画像を用いて、森林領域であるか否かを判断するための森林条件を満たすか否かを判断し、第一判断結果を取得する第一判断部と、
前記1または2以上の検査領域ごとに、過去の部分画像の緑の割合である第一緑割合を取得し、かつ最新の部分画像の緑の割合である第二緑割合を取得し、前記第一緑割合と前記第二緑割合との差が、Jクレジットにおける間伐領域であるか否かを判断するための条件である間伐条件を満たすか否かを判断し、第二判断結果を取得する第二判断部と、
前記1または2以上の検査領域ごとに、前記第一判断結果と前記第二判断結果とを出力する判断結果出力部として機能させるためのプログラム。
【請求項9】
コンピュータを、
1または2以上の検査領域を含む撮影画像を取得する画像取得部と、
前記1または2以上の各検査領域ごとに、検査領域の部分画像を用いて、森林領域であるか否かを判断するための森林条件を満たすか否かを判断し、第一判断結果を取得する第一判断部と、
前記1または2以上の各検査領域ごとに、間伐領域であるか否かを判断するための間伐条件を満たすか否かを判断し、第二判断結果を取得する第二判断部として機能させ、
前記第一判断部は、
森林領域であると判断された1以上の各検査領域について、検査領域の過去の部分画像に対応する部分画像であり、当該過去から期間が経過した後の部分画像を用いて、前記検査領域が森林領域であるか否かを判断する巡視処理を行い、森林領域でなくなっていると判断した検査領域について、森林領域でなくなっている旨の巡視判断結果を取得するものとして、前記コンピュータを機能させ、
前記コンピュータを、
前記巡視判断結果を用いて、巡視によりJクレジットの申請対象でなくなった検査領域についての情報、または巡視により継続してJクレジットの申請対象であると判断された検査領域についての情報を含む巡視時ドキュメントを作成する第二ドキュメント作成部と、
前記巡視時ドキュメントを出力する第二ドキュメント出力部としてさらに機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、Jクレジットの申請を支援するJクレジット支援装置等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、再生可能エネルギーにより発電する発電設備が設置された施設に入居する入居者に対して、その発電設備の発電により生じた環境価値(例えば、Jクレジット等に準じる価値)を分配する決定装置(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2023-91720号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術においては、Jクレジットの申請を適切に支援できなかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本第一の発明のJクレジット支援装置は、1または2以上の検査領域を含む撮影画像を取得する画像取得部と、1または2以上の各検査領域ごとに、検査領域の部分画像を用いて、森林領域であるか否かを判断するための森林条件を満たすか否かを判断し、第一判断結果を取得する第一判断部と、第一判断結果を出力する判断結果出力部とを具備するJクレジット支援装置である。
【0006】
かかる構成により、Jクレジットの申請を適切に支援できる。
【0007】
また、本第二の発明のJクレジット支援装置は、第一の発明に対して、1または2以上の各検査領域ごとに、間伐された領域である間伐領域であるか否かを判断するための間伐条件を満たすか否かを判断し、第二判断結果を取得する第二判断部をさらに具備し、判断結果出力部は、第二判断結果を出力するJクレジット支援装置である。
【0008】
かかる構成により、Jクレジットの申請をより適切に支援できる。
【0009】
また、本第三の発明のJクレジット支援装置は、第二の発明に対して、第二判断部は、1または2以上の検査領域ごとに、検査領域の部分画像と検査領域の過去の部分画像とを比較し、比較の結果を用いて、間伐条件を満たすか否かを判断するJクレジット支援装置である。
【0010】
かかる構成により、間伐条件を満たすか否かを適切に判断できる。
【0011】
また、本第四の発明のJクレジット支援装置は、第二の発明に対して、第二判断部は、1または2以上の検査領域ごとに、林道が存在するか否かを検知し、検知結果を用いて、間伐条件を満たすか否かを判断するJクレジット支援装置である。
【0012】
かかる構成により、間伐条件を満たすか否かを適切に判断できる。
【0013】
また、本第五の発明のJクレジット支援装置は、第二の発明に対して、第二判断部は、1または2以上の検査領域ごとに、森林ではない領域を検知し、検知結果を用いて、間伐条件を満たすか否かを判断するJクレジット支援装置である。
【0014】
かかる構成により、間伐条件を満たすか否かを適切に判断できる。
【0015】
また、本第六の発明のJクレジット支援装置は、第一の発明に対して、第一判断部が、少なくとも森林領域でないと判断した検査領域について、森林条件を満たすか否かの判断結果である第一ユーザ判断をユーザから受け付けるユーザ受付部をさらに具備し、第一判断結果は、第一ユーザ判断に基づく情報であるJクレジット支援装置である。
【0016】
かかる構成により、森林条件を満たすか否かの正確な判断結果を得ることができる。
【0017】
また、本第七の発明のJクレジット支援装置は、第二の発明に対して、第二判断部が、少なくとも間伐領域であると判断した検査領域について、間伐条件を満たすか否かの判断結果である第二ユーザ判断をユーザから受け付けるユーザ受付部をさらに具備し、第二判断結果は、第二ユーザ判断に基づく情報であるJクレジット支援装置である。
【0018】
かかる構成により、間伐条件を満たすか否かの正確な判断結果を得ることができる。
【0019】
また、本第八の発明のJクレジット支援装置は、第二の発明に対して、第一判断結果と第二判断結果とを用いて、Jクレジットに申請する検査領域についての情報、またはJクレジットに申請しない検査領域についての情報を含む申請時ドキュメントを作成する第一ドキュメント作成部と、申請時ドキュメントを出力する第一ドキュメント出力部とをさらに具備するJクレジット支援装置である。
【0020】
かかる構成により、Jクレジットの申請を支援できるドキュメントを得ることができる。
【0021】
また、本第九の発明のJクレジット支援装置は、第一から第八いずれか1つの発明に対して、第一判断部は、森林領域であると判断された1以上の各検査領域について、検査領域の過去の部分画像に対応する部分画像であり、過去から期間が経過した後の部分画像を用いて、検査領域が森林領域であるか否かを判断する巡視処理を行い、判断結果出力部は、第一判断部が森林領域でなくなっていると判断した検査領域について、森林領域でなくなっている旨の巡視判断結果を出力するJクレジット支援装置である。
【0022】
かかる構成により、巡視を適切に支援できる。
【0023】
また、本第十の発明のJクレジット支援装置は、第九の発明に対して、巡視判断結果を用いて、巡視によりJクレジットの申請対象でなくなった検査領域についての情報、または巡視により継続してJクレジットの申請対象であると判断された検査領域についての情報を含む巡視時ドキュメントを作成する第二ドキュメント作成部と、巡視時ドキュメントを出力する第二ドキュメント出力部とをさらに具備するJクレジット支援装置である。
【0024】
かかる構成により、Jクレジットの巡視を支援できるドキュメントを得ることができる。
【0025】
また、本第十一の発明のJクレジット支援装置は、第二の発明に対して、森林領域であり、かつ間伐領域であると判断された検査領域を、森林領域でない、または間伐領域でないと判断された検査領域と比較して、異なる表示態様で出力する領域出力部をさらに具備するJクレジット支援装置である。
【0026】
かかる構成により、Jクレジットの申請を適切に支援できる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によるJクレジット支援装置によれば、Jクレジットの申請を適切に支援できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】実施の形態1におけるJクレジット支援装置1のブロック図
図2】同Jクレジット支援装置1の動作例について説明するフローチャート
図3】同森林判断処理の第一の例について説明するフローチャート
図4】同緑割合取得処理の例について説明するフローチャート
図5】同森林判断処理の第二の例について説明するフローチャート
図6】同間伐判断処理の第一の例について説明するフローチャート
図7】同間伐判断処理の第二の例について説明するフローチャート
図8】同林道検知処理の第一の例について説明するフローチャート
図9】同林道検知処理の第二の例について説明するフローチャート
図10】同間伐判断処理の第三の例について説明するフローチャート
図11】同間伐判断処理の第四の例について説明するフローチャート
図12】同森林問合処理の例について説明するフローチャート
図13】同間伐問合処理の例について説明するフローチャート
図14】同申請時ドキュメント作成処理の例について説明するフローチャート
図15】同巡視処理の例について説明するフローチャート
図16】同巡視時ドキュメント作成処理の例について説明するフローチャート
図17】同画像管理表を示す図
図18】同領域管理表を示す図
図19】同撮影画像の中に領域を明示した図
図20】同出力例を示す図
図21】同出力例を示す図
図22】同申請時ドキュメントの例を示す図
図23】同コンピュータシステムの概観図
図24】同コンピュータシステムのブロック図
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、Jクレジット支援装置等の実施形態について図面を参照して説明する。なお、実施の形態において同じ符号を付した構成要素は同様の動作を行うので、再度の説明を省略する場合がある。
【0030】
(実施の形態1)
本実施の形態において、撮影画像に含まれる1または2以上の各領域ごとに、森林領域か否かを判断し、判断結果を出力するJクレジット支援装置について説明する。森林領域とは、森林であると判断される領域である。森林領域は、Jクレジット制度の申請において、森林であると判断される領域である。
【0031】
また、本実施の形態において、撮影画像に含まれる1または2以上の各領域ごとに、間伐領域か否かを判断し、判断結果を出力するJクレジット支援装置について説明する。間伐領域とは、間伐されていると判断される領域である。間伐領域とは、Jクレジット制度の申請において、間伐されていると判断される領域である。
【0032】
また、本実施の形態において、過去の撮影画像と最新の撮影画像とを取得し、2つの撮影画像を比較し、比較結果に基づいて、撮影画像の各領域が間伐領域であるか否かを判断するJクレジット支援装置について説明する。
【0033】
また、本実施の形態において、撮影画像に対して、林道を検知することにより、間伐領域であるか否かを判断するJクレジット支援装置について説明する。
【0034】
また、本実施の形態において、撮影画像に対して、森林領域ではない領域を検知することにより、間伐されているか否かを判断するJクレジット支援装置について説明する。
【0035】
また、本実施の形態において、少なくとも森林領域でないと判断された領域について、森林領域であるか否かをユーザに問合せ、ユーザの回答を判断結果とするJクレジット支援装置について説明する。
【0036】
また、本実施の形態において、少なくとも間伐領域であると判断された領域について、間伐領域であるか否かをユーザに問合せ、ユーザの回答を判断結果とするJクレジット支援装置について説明する。
【0037】
また、本実施の形態において、森林条件および間伐条件の判断結果を用いて、ドキュメントを取得し、出力するJクレジット支援装置について説明する。
【0038】
また、本実施の形態において、巡視を支援するJクレジット支援装置について説明する。
【0039】
さらに、本実施の形態において、森林領域であると判断された領域、または/および間伐領域であると判断された領域を他の領域と異なる態様で出力するJクレジット支援装置について説明する。
【0040】
なお、本明細書において、情報Xが情報Yに対応付いていることは、情報Xから情報Yを取得できること、または情報Yから情報Xを取得できることであり、その対応付けの方法は問わない。情報Xと情報Yとがリンク付いていても良いし、同じバッファに存在していても良いし、情報Xが情報Yに含まれていても良いし、情報Yが情報Xに含まれている等でも良い。
【0041】
また、本明細書において、情報Zを選択したり、決定したりすることは、情報Zを取得すること、情報Zへのポインタを取得すること、情報ZのIDを取得すること、情報Zにフラグを立てること等であり、情報Zにアクセスできれば良い。
【0042】
図1は、本実施の形態におけるJクレジット支援装置1のブロック図である。Jクレジット支援装置1は、例えば、サーバであるが、端末でも良い。Jクレジット支援装置1がサーバである場合、例えば、クラウドサーバ、またはASPサーバであるが、その種類は問わない。Jクレジット支援装置1がサーバである場合、通常、1または2以上の図示しないユーザ端末と、インターネット等のネットワークにより、通信可能である。Jクレジット支援装置1が端末である場合、Jクレジット支援装置1は、例えば、パソコン、タブレット端末、またはスマートフォンであるが、その種類は問わない。
【0043】
Jクレジット支援装置1は、格納部11、受付部12、処理部13、および出力部14を備える。格納部11は、画像格納部111、および領域管理部112を備える。受付部12は、ユーザ受付部121を備える。処理部13は、画像取得部131、第一判断部132、第二判断部133、第一問合部134、第二問合部135、第一ドキュメント作成部136、および第二ドキュメント作成部137を備える。出力部14は、判断結果出力部141、領域出力部142、およびドキュメント出力部143を備える。
【0044】
格納部11には、各種の情報が格納される。各種の情報は、例えば、後述する撮影画像、後述する領域管理情報、各種の学習モデルである。
【0045】
各種の学習モデルは、例えば、森林学習モデル、間伐学習モデル、林道学習モデルである。学習モデルは、学習器、分類器、分類モデル等と言っても良い。
【0046】
森林学習モデルとは、領域が森林領域であるか否かを判断するためのモデルである。森林学習モデルは、例えば、森林領域である部分画像を含む1または2以上の教師データと、森林領域でない部分画像を含む1または2以上の教師データを用いて、機械学習の学習処理を行い、取得された情報である。
【0047】
森林学習モデルの元になる教師データは、例えば、森林領域である部分画像と森林領域であることを示す情報(例えば「1」)である。教師データは、森林領域でない部分画像と森林領域でないことを示す情報(例えば「0」)である。教師データは、例えば、森林領域である部分画像から取得された1または2以上の画像特徴量と森林領域であることを示す情報(例えば「1」)である。教師データは、森林領域でない部分画像から取得された1または2以上の画像特徴量と森林領域でないことを示す情報(例えば「0」)である。
【0048】
間伐学習モデルとは、領域が間伐領域であるか否かを判断するためのモデルである。間伐学習モデルは、例えば、間伐領域である部分画像を含む1または2以上の教師データと、間伐領域でない部分画像を含む1または2以上の教師データとを用いて、機械学習の学習処理を行い、取得された情報である。間伐学習モデルは、例えば、間伐領域になったと言える領域の過去の部分画像と最新の部分画像とを含む1または2以上の教師データと、間伐領域になったと言えない領域の過去の部分画像と最新の部分画像とを含む1または2以上の教師データとを用いて、機械学習の学習処理を行い、取得された情報である。
【0049】
間伐学習モデルの元になる教師データは、例えば、間伐領域である部分画像と間伐領域であることを示す情報(例えば「1」)である。教師データは、間伐領域でない部分画像と間伐領域でないことを示す情報(例えば「0」)である。教師データは、例えば、間伐領域である部分画像から取得された1または2以上の画像特徴量と間伐領域であることを示す情報(例えば「1」)である。教師データは、間伐領域でない部分画像から取得された1または2以上の画像特徴量と間伐領域でないことを示す情報(例えば「0」)である。
【0050】
間伐学習モデルの元になる教師データは、例えば、間伐領域でない過去(例えば、1990年より前)の部分画像と間伐領域である過去より新しい(1990年より先)の部分画像と間伐領域であることを示す情報(例えば「1」)である。教師データは、例えば、間伐領域である過去(例えば、1990年より前)の部分画像と間伐領域である過去より新しい(1990年より先)の部分画像と間伐領域であることを示す情報(例えば「1」)である。教師データは、例えば、間伐領域でない過去(例えば、1990年より前)の部分画像と間伐領域でない過去より新しい(1990年より先)の部分画像と間伐領域でないことを示す情報(例えば「0」)である。間伐学習モデルの元になる教師データは、例えば、間伐領域でない過去(例えば、1990年より前)の部分画像から取得された1以上の画像特徴量と間伐領域である過去より新しい(1990年より先)の部分画像から取得された1以上の画像特徴量と間伐領域であることを示す情報(例えば「1」)である。教師データは、例えば、間伐領域である過去(例えば、1990年より前)の部分画像から取得された1以上の画像特徴量と間伐領域である過去より新しい(1990年より先)の部分画像から取得された1以上の画像特徴量と間伐領域であることを示す情報(例えば「1」)である。教師データは、例えば、間伐領域でない過去(例えば、1990年より前)の部分画像から取得された1以上の画像特徴量と間伐領域でない過去より新しい(1990年より先)の部分画像から取得された1以上の画像特徴量と間伐領域でないことを示す情報(例えば「0」)である。
【0051】
林道学習モデルとは、領域が林道を有するか否かを判断するためのモデルである。林道学習モデルは、例えば、林道を有する領域の部分画像を含む1または2以上の教師データと、林道を有しない領域の部分画像を含む1または2以上の教師データを用いて、機械学習の学習処理を行い、取得された情報である。
【0052】
林道学習モデルの元になる教師データは、例えば、林道を有する領域の部分画像と林道を有する領域であることを示す情報(例えば「1」)である。教師データは、林道をしない領域の部分画像と林道をしないことを示す情報(例えば「0」)である。教師データは、例えば、林道を有する領域の部分画像から取得された1または2以上の画像特徴量と森林領域であることを示す情報(例えば「1」)である。教師データは、林道を有しない領域の部分画像から取得された1または2以上の画像特徴量と森林領域でないことを示す情報(例えば「0」)である。
【0053】
なお、機械学習のアルゴリズムは、深層学習、ランダムフォレスト、決定木、SVM等、問わない。また、機械学習には、例えば、TensorFlow(登録商標)のライブラリ、R言語のrandom forestのモジュール、TinySVM等の各種の機械学習の関数や、種々の既存のライブラリを用いることができる。機械学習の学習処理でも、機械学習の予測処理でも、アルゴリズムは問わないことは言うまでもない。
【0054】
画像格納部111には、1または2以上の撮影画像が格納される。撮影画像は、例えば、衛星画像であるが、航空写真等でも良い。撮影画像のフォーマットは、例えば、Geotiff、JPEG2000であるが、撮影画像のフォーマットは問わない。撮影画像は、通常、位置情報を含む。撮影画像を構成する部分画像には、例えば、位置情報が対応付いている。部分画像は、一画素でも良いし、2以上の画素を有する一部の領域でも良い。撮影画像は、通常、画像識別子に対応付く。画像識別子とは、撮影画像を識別する情報である。画像識別子は、例えば、撮影画像のID、撮影画像の名称、または撮影画像が格納されているファイル名である。
【0055】
領域管理部112には、1または2以上の領域管理情報が格納される。領域管理情報とは、領域に関する情報である。領域管理情報は、領域情報を有する。領域管理情報は、1または2以上の領域属性値を有することは好適である。
【0056】
領域情報とは、検査対象の領域を特定する情報を含む。検査対象の領域を、適宜、検査領域と言う。検査領域とは、Jクレジット制度の申請のための検査対象の領域である。領域情報は、通常、3以上の位置情報の集合である。位置情報とは、位置を特定する情報である。位置情報は、例えば、(緯度,経度,高度)であるが、(緯度,経度)でも良い。領域情報は、通常、領域識別子に対応付く。領域識別子とは、領域を識別する情報である。領域識別子は、例えば、ID、領域名である。
【0057】
1または2以上の領域属性値は、例えば、領域の面積、管理者識別子である。管理者識別子とは、領域を管理する管理者の識別子である。管理者識別子は、例えば、管理者のID、または管理者名である。
【0058】
受付部12は、各種の指示や情報を受け付ける。各種の指示や情報は、例えば、開始指示、後述するユーザ判断、撮影画像である。開始指示とは、検査領域に対する各種の判断の開始の指示である。
【0059】
ここで、受け付けとは、キーボードやマウス、タッチパネルなどの入力デバイスから入力された情報の受け付け、有線もしくは無線の通信回線を介して送信された情報の受信、光ディスクや磁気ディスク、半導体メモリなどの記録媒体から読み出された情報の受け付けなどを含む概念である。受け付けは、例えば、図示しないユーザ端末からの受信である。
【0060】
ユーザ受付部121は、第一ユーザ判断を受け付ける。第一ユーザ判断とは、第一判断部132が少なくとも森林領域でないと判断した検査領域について、森林条件を満たすか否かの判断結果である。第一ユーザ判断は、ユーザが行う判断に基づく情報である。森林条件を満たすか否かの判断結果は、森林領域であるか否かの判断結果である。
【0061】
ユーザ受付部121は、第二ユーザ判断を受け付ける。第二ユーザ判断とは、第二判断部133が少なくとも間伐領域であると判断した検査領域について、間伐条件を満たすか否かの判断結果である。第二ユーザ判断は、ユーザが行う判断に基づく情報である。間伐条件を満たすか否かの判断結果は、間伐領域であるか否かの判断結果である。
【0062】
なお、間伐領域は、施業領域と言っても良い。施業領域は、施業が行われた領域である。施業とは、領域に対して、間伐等の処理を施すことである。施業は、森林の育成や管理である。施業は、森林の育成や管理のための人為的行為である。
【0063】
第一判断部132が少なくとも森林領域でないと判断した検査領域について、ユーザ受付部121は、第一ユーザ判断をユーザから受け付けることは好適である。ここでの第一ユーザ判断は、森林領域であるか否かの判断結果である。言い換えれば、第一ユーザ判断は、森林条件を満たすか否かの判断結果である。
第二判断部133が少なくとも間伐領域であると判断した検査領域について、ユーザ受付部121は、第二ユーザ判断をユーザから受け付けることは好適である。ここでの第二ユーザ判断は、間伐領域であるか否かの判断結果である。言い換えれば、第二ユーザ判断は、間伐条件を満たすか否かの判断結果である
【0064】
処理部13は、各種の処理を行う。各種の処理は、例えば、画像取得部131、第一判断部132、第二判断部133、第一問合部134、第二問合部135、第一ドキュメント作成部136、または第二ドキュメント作成部137が行う処理である。
【0065】
処理部13は、例えば、Jクレジットの申請対象の1以上の領域の広さの情報を用いて、当該1以上の領域の価値を取得する。処理部13は、例えば、1以上の領域の広さをパラメータとする増加関数により、価値を算出する。処理部13は、例えば、1以上の領域の広さと対になる価値を対応表から取得する。なお、対応表とは、領域の広さの範囲と価値との対応を示す2以上の対応情報を有する表である。
【0066】
画像取得部131は、1または2以上の検査領域を含む撮影画像を取得する。画像取得部131は、例えば、画像格納部111から撮影画像を取得する。画像取得部131は、例えば、受付部12が受け付けた撮影画像を取得する。
【0067】
第一判断部132は、受付部12が受け付けた撮影画像が有する1または2以上の各検査領域ごとに、検査領域の部分画像を用いて、森林条件を満たすか否かを判断し、第一判断結果を取得する。かかる処理を、適宜、森林判断処理と言う。森林判断処理とは、検査領域が森林領域であるか否かを判断する処理である。森林判断処理のアルゴリズムの例は後述するが、問わない。
【0068】
部分画像は、通常、撮影画像の一部であるが、撮影画像でも良い。部分画像は、通常、撮影画像の一部であり、領域情報が特定する領域の画像である。
【0069】
森林条件とは、森林領域であるか否かを判断するための条件である。
【0070】
森林条件は、例えば、森林領域でないことを特定するための条件である。かかる森林条件は、例えば、緑情報に該当する画素数が全体のX%以上であることである。Xは、0より大きく100未満の数値であり、例えば、95%から100%程度であることは好適である。かかる森林条件は、例えば、機械学習の予測処理による分類結果が「森林領域である(例えば「1」)」であることである。
【0071】
緑情報とは、緑色であると言える範囲の画素である。緑情報とは、緑と言える画素の画素値の範囲を示す画素である。緑情報とは、緑条件を満たす画素である。緑条件とは、画素が緑であると言えるための画素値の条件である。緑条件は、例えば、「Rが第一閾値以下または第一閾値未満、Gが第二閾値以上または第一閾値より大きい、かつBが第三閾値以下または第三閾値未満」である。
【0072】
森林条件は、例えば、森林領域でないことを特定するための条件である。かかる森林条件は、例えば、緑情報に該当しない画素数が全体のN%以上であることである。Nは、0より大きく100未満の数値であり、例えば、1%から5%程度であることは好適である。かかる森林条件は、例えば、機械学習の予測処理による分類結果が「森林領域でない(例えば「0」)」であることである。
【0073】
第一判断部132は、森林判断処理を行う。第一判断部132は、例えば、画素値を用いた画像認識処理により、領域が森林領域であるか否かを判断する。第一判断部132は、例えば、機械学習の予測処理により、領域が森林領域であるか否かを判断する。
(1)画像認識処理による森林判断処理
【0074】
第一判断部132は、例えば、部分画像の各画素値を用いて森林条件に合致するか否かを判断する。第一判断部132は、例えば、部分画像の各画素の画素値が緑条件に合致するか否かを判断し、各画素が緑情報であるか、緑情報でないかの判断結果を取得する。次に、第一判断部132は、例えば、各画素の判断結果を用いて、緑の領域の割合、または緑ではい領域の割合を取得する。次に、第一判断部132は、例えば、緑の領域の割合、または緑でない領域の割合が森林条件を満たすか否かを判断し、第一判断結果を取得する。
【0075】
第一判断結果は、例えば、「森林領域である(例えば、「1」)」または「森林領域でない(例えば、「0」)」である。
【0076】
ここでの森林条件は、「緑の領域の割合が閾値以上または閾値より大きいこと」または「緑でない領域の割合が閾値以下または閾値未満であること」である。
(2)機械学習の予測処理による森林判断処理
【0077】
第一判断部132は、例えば、森林学習モデルを格納部11から取得し、当該森林学習モデルと部分画像とを、機械学習の予測モジュールに与え、当該森林学習モデルを実行し、第一判断結果を得る。
【0078】
第一判断部132は、森林領域であると判断された1以上の各検査領域について、巡視処理を行う。巡視処理とは、森林領域であると判断された検査領域について、検査領域の過去の部分画像に対応する部分画像であり、過去から期間が経過した後の部分画像を用いて、検査領域が森林領域であるか否かを判断する処理である。第一判断部132は、通常、過去に森林領域であると判断された領域の最新の部分画像を用いて、森林条件を満たすか否かを判断する処理である。
【0079】
第一判断部132が巡視において、検査領域が森林領域であるか否かを判断する処理は、上述した森林判断処理と同じ処理で良い。
【0080】
第一判断部132は、巡視処理を行い、巡視判断結果を取得する。巡視判断結果は、例えば、「森林領域でなくなっている旨の情報(例えば「0」)」、または「森林領域である旨の情報(例えば「1」)」である。
【0081】
第一判断部132は、例えば、定期的に巡視処理を行う。第一判断部132は、例えば、1年に1回、巡視処理を行う。第一判断部132が巡視処理を行うトリガーは問わない。第一判断部132は、例えば、格納部11に、設定されている時に、巡視処理を行う。
【0082】
第一判断結果は、例えば、森林領域であるか否かを示す情報、または森林領域である領域の領域情報、または森林領域でない領域の領域情報である。第一判断結果は、ユーザ受付部121が受け付けた第一ユーザ判断に基づく情報であっても良い。第一ユーザ判断は、森林領域であるとの判断、または森林領域でないとの判断である。
【0083】
第二判断部133は、1または2以上の各検査領域ごとに、間伐条件を満たすか否かを判断し、第二判断結果を取得する。かかる処理を、適宜、間伐判断処理と言う。間伐判断処理とは、検査領域が間伐領域であるか否かを判断する処理である。間伐判断処理のアルゴリズムの例は後述するが、問わない。
【0084】
間伐領域とは、間伐された領域である。間伐領域は、施業された領域でも良い。間伐条件は、通常、所定の期間において間伐された領域であることである。所定の期間は、例えば、1990年以降であるが、問わない。
【0085】
間伐条件とは、Jクレジットにおける間伐領域であるか否かを判断するための条件である。間伐条件は、例えば、間伐領域であることを特定するための条件、または間伐領域でないことを特定するための条件である。間伐領域であることを特定するための条件は、例えば、過去の部分画像と比較して、最新の部分画像の緑の領域が少ないことである。間伐領域であることを特定するための条件は、例えば、検査領域の部分画像に林道が存在することである。間伐領域であることを特定するための条件は、例えば、検査領域の部分画像の中に、森林ではない領域が含まれることである。
【0086】
第二判断部133は、例えば、1または2以上の検査領域ごとに、検査領域の部分画像と検査領域の過去の部分画像とを比較し、比較の結果を用いて、間伐条件を満たすか否かを判断する。
【0087】
第二判断部133は、例えば、1または2以上の検査領域ごとに、林道が存在するか否かを検知し、検知結果を用いて、間伐条件を満たすか否かを判断する。第二判断部133は、例えば、林道が存在することを検知した場合に、間伐領域であると判断する。
【0088】
第二判断部133は、例えば、1または2以上の検査領域ごとに、森林ではない領域を検知し、検知結果を用いて、間伐条件を満たすか否かを判断する。
【0089】
第二判断結果は、例えば、間伐領域であるか否かを示す情報、または間伐領域である領域の領域情報、または間伐領域でない領域の領域情報である。第二判断結果は、ユーザ受付部121が受け付けた第二ユーザ判断に基づく情報であっても良い。第二ユーザ判断は、間伐領域であるとの判断、間伐領域でないとの判断である。
【0090】
第一問合部134は、森林問合処理を行う。森林問合処理とは、森林領域でないと判断された検査領域について、ユーザの判断を仰ぐために、ユーザに問い合わせる処理である。
【0091】
第一問合部134は、「森林領域でない」と判断された検査領域について、当該検査領域が森林領域であるか否かをユーザに問い合わせる。ユーザに問い合わせる際のユーザに提示する情報は問わない。かかる情報は、当該検査領域の部分画像を有することは好適である。
【0092】
第二問合部135は、間伐問合処理を行う。間伐問合処理とは、間伐領域であると判断された検査領域について、ユーザの判断を仰ぐために、ユーザに問い合わせる処理である。
【0093】
第二問合部135は、「間伐領域である」と判断された検査領域について、当該検査領域が間伐領域であるか否かをユーザに問い合わせる。ユーザに問い合わせる際のユーザに提示する情報は問わない。かかる情報は、当該検査領域の部分画像を有することは好適である。
【0094】
第一ドキュメント作成部136は、申請時ドキュメント作成処理を行う。申請時ドキュメント作成処理とは、Jクレジットの申請時に使用されるドキュメントの作成を支援する処理である。なお、申請時ドキュメントの構造、データタイプ、含める情報等は問わない。
【0095】
第一ドキュメント作成部136は、例えば、第一判断結果を用いて、Jクレジットに申請する検査領域についての情報、またはJクレジットに申請しない検査領域についての情報を含む申請時ドキュメントを作成する。
【0096】
第一ドキュメント作成部136は、例えば、第二判断結果を用いて、Jクレジットに申請する検査領域についての情報、またはJクレジットに申請しない検査領域についての情報を含む申請時ドキュメントを作成する。
【0097】
第一ドキュメント作成部136は、第一判断結果と第二判断結果とを用いて、Jクレジットに申請する検査領域についての情報、またはJクレジットに申請しない検査領域についての情報を含む申請時ドキュメントを作成することは好適である。
【0098】
Jクレジットに申請する検査領域についての情報は、例えば、Jクレジットに申請する検査領域の領域識別子、Jクレジットに申請する検査領域を含む撮影画像、Jクレジットに申請する検査領域の領域情報、Jクレジットに申請する検査領域の1以上の領域属性値のうちの1または2種類以上の情報である。
【0099】
Jクレジットに申請しない検査領域についての情報は、例えば、Jクレジットに申請しない検査領域の領域識別子、Jクレジットに申請しない検査領域を含む撮影画像、Jクレジットに申請しない検査領域の領域情報、Jクレジットに申請しない検査領域の1以上の領域属性値のうちの1または2種類以上の情報である。
【0100】
第二ドキュメント作成部137は、巡視時ドキュメント作成処理を行う。巡視時ドキュメント作成処理とは、巡視の後に使用されるドキュメントの作成を支援する処理である。
【0101】
第二ドキュメント作成部137は、巡視判断結果を用いて、巡視によりJクレジットの申請対象でなくなった検査領域についての情報、または巡視により継続してJクレジットの申請対象であると判断された検査領域についての情報を含む巡視時ドキュメントを作成する。なお、巡視時ドキュメントの構造、データタイプ、含める情報等は問わない。
【0102】
第二ドキュメント作成部137は、例えば、巡視判断結果が「森林領域でない」に対応する検査領域(申請から除外される領域)についての情報を含む巡視時ドキュメントを作成する。
【0103】
第二ドキュメント作成部137は、例えば、巡視判断結果が「森林領域である」に対応する検査領域(継続して申請される領域)についての情報を含む巡視時ドキュメントを作成する。
【0104】
出力部14は、各種の情報を出力する。各種の情報は、第一判断結果、第二判断結果、第三判断結果、巡視判断結果、申請時ドキュメント、または巡視時ドキュメントである。
【0105】
第三判断結果とは、「検査領域がJクレジットの申請対象であることを示す情報」または「検査領域がJクレジットの申請対象でないことを示す情報」である。第三判断結果とは、第一判断結果と第二判断結果とに基づく情報である。第一判断結果が「検査領域が森林領域であることを示す情報」であり、かつ第二判断結果が「検査領域が間伐領域であることを示す情報」である場合、第三判断結果は「検査領域がJクレジットに申請する領域であることを示す情報」である。第一判断結果が「検査領域が森林領域でないことを示す情報」、第二判断結果が「検査領域が間伐領域でないことを示す情報」のいずれか1以上を満たす場合、第三判断結果は「検査領域がJクレジットに申請できない領域であることを示す情報」である。
【0106】
ここで、出力とは、ディスプレイへの表示、プロジェクターを用いた投影、プリンタでの印字、音出力、外部の装置への送信、記録媒体への蓄積、他の処理装置や他のプログラムなどへの処理結果の引渡しなどを含む概念である。なお、外部の装置は、例えば、図示しないユーザ端末である。
【0107】
判断結果出力部141は、第一判断部132が取得した第一判断結果を出力する。判断結果出力部141は、第二判断部133が取得した第二判断結果を出力する。判断結果出力部141は、第一判断部132が森林領域でなくなっていると判断した検査領域について、森林領域でなくなっている旨の巡視判断結果を出力する。
【0108】
領域出力部142は、森林領域でありかつ間伐領域であると判断された検査領域を、森林領域でないと判断された検査領域と比較して、異なる表示態様で出力する。領域出力部142は、森林領域でありかつ間伐領域であると判断された検査領域を、間伐領域でないと判断された検査領域と比較して、異なる表示態様で出力する。
【0109】
異なる表示態様は、問わない。領域出力部142は、森林領域でありかつ間伐領域であると判断された検査領域を、森林領域でないと判断された検査領域と比較して、例えば、強調される態様で出力する。領域出力部142は、森林領域でありかつ間伐領域であると判断された検査領域を、間伐領域でないと判断された検査領域と比較して、例えば、強調される表示態様で出力する。
【0110】
ドキュメント出力部143は、第一ドキュメント作成部136が取得した申請時ドキュメントを出力する。ドキュメント出力部143は、第二ドキュメント作成部137が取得した巡視時ドキュメントを出力する。
【0111】
格納部11、画像格納部111、および領域管理部112は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。
【0112】
格納部11等に情報が記憶される過程は問わない。例えば、記録媒体を介して情報が格納部11等で記憶されるようになってもよく、通信回線等を介して送信された情報が格納部11等で記憶されるようになってもよく、あるいは、入力デバイスを介して入力された情報が格納部11等で記憶されるようになってもよい。
【0113】
受付部12、ユーザ受付部121は、タッチパネルやキーボード等の入力手段のデバイスドライバーや、メニュー画面の制御ソフトウェア等で実現され得る。受付部12等は、無線または有線の通信手段で実現されても良い。
【0114】
処理部13、画像取得部131、第一判断部132、第二判断部133、第一問合部134、第二問合部135、第一ドキュメント作成部136、および第二ドキュメント作成部137は、通常、プロセッサやメモリ等から実現され得る。処理部13等の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。なお、プロセッサは、CPU、MPU、GPU等であり、その種類は問わない。
【0115】
出力部14、判断結果出力部141、領域出力部142、およびドキュメント出力部143は、ディスプレイやスピーカー等の出力デバイスを含むと考えても含まないと考えても良い。出力部14等は、出力デバイスのドライバーソフトまたは、出力デバイスのドライバーソフトと出力デバイス等で実現され得る。
【0116】
次に、Jクレジット支援装置1の動作例について、図2のフローチャートを用いて説明する。
【0117】
(ステップS201)受付部12は、開始指示を受け付けたか否かを判断する。開始指示を受け付けた場合はステップS202に行き、開始指示を受け付けなかった場合はステップS214に行く。
【0118】
(ステップS202)画像取得部131は、カウンタiに1を代入する。
【0119】
(ステップS203)画像取得部131は、画像格納部111に、検査対象のi番目の撮影画像が存在するか否かを判断する。i番目の撮影画像が存在する場合はステップS204に行き、存在しない場合はステップS210に行く。なお、ここで、画像取得部131は、i番目の撮影画像が存在する場合、当該i番目の撮影画像を画像格納部111から取得する。
【0120】
(ステップS204)処理部13は、カウンタjに1を代入する。
【0121】
(ステップS205)処理部13は、i番目の撮影画像に対応するj番目の検査領域の領域情報が領域管理部112に存在するか否かを判断する。j番目の検査領域の領域情報が存在する場合はステップS206に行き、存在しない場合はステップS209に行く。なお、i番目の撮影画像に対応する検査領域の領域情報は、例えば、i番目の撮影画像の画像識別子と対になる領域情報である。
【0122】
(ステップS206)第一判断部132は、i番目の撮影画像の中のj番目の検査領域に対して、森林判断処理を行う。森林判断処理の例について、図3および図5のフローチャートを用いて説明する。
【0123】
(ステップS207)第二判断部133は、i番目の撮影画像の中のj番目の検査領域に対して、間伐判断処理を行う。間伐判断処理の例について、図6図7図10、および図11のフローチャートを用いて説明する。
【0124】
(ステップS208)処理部13は、カウンタjを1、インクリメントする。ステップS205に戻る。
【0125】
(ステップS209)画像取得部131は、カウンタiを1、インクリメントする。ステップS203に戻る。
【0126】
(ステップS210)第一問合部134は、森林問合処理を行う。森林問合処理の例について、図12のフローチャートを用いて説明する。
【0127】
(ステップS211)第二問合部135は、間伐問合処理を行う。間伐問合処理の例について、図13のフローチャートを用いて説明する。
【0128】
(ステップS212)第一ドキュメント作成部136は、申請時ドキュメント作成処理を行う。申請時ドキュメント作成処理の例について、図14のフローチャートを用いて説明する。
【0129】
(ステップS213)ドキュメント出力部143は、ステップS212で作成された申請時ドキュメントを出力する。ステップS201に戻る。
【0130】
なお、ここで、判断結果出力部141は、検査領域ごとに、第一判断部132が取得した第一判断結果や第二判断部133が取得した第二判断結果を出力しても良い。また、ここで、領域出力部142は、森林領域であり、かつ間伐領域であると判断された検査領域を、森林領域でない、または間伐領域でないと判断された検査領域と比較して、異なる表示態様で出力することは好適である。
【0131】
(ステップS214)処理部13は、巡視処理を行うか否かを判断する。巡視処理を行う場合はステップS215に行き、巡視処理を行わない場合はステップS201に戻る。
【0132】
(ステップS215)第一判断部132は、巡視処理を行う。巡視処理の例について、図15のフローチャートを用いて説明する。
【0133】
(ステップS216)第一問合部134は、森林問合処理を行う。森林問合処理の例について、図12のフローチャートを用いて説明する。
【0134】
(ステップS217)第二ドキュメント作成部137は、巡視時ドキュメント作成処理を行う。巡視時ドキュメント作成処理の例について、図16のフローチャートを用いて説明する。
【0135】
(ステップS218)ドキュメント出力部143は、ステップS217作成された巡視時ドキュメントを出力する。ステップS201に戻る。
【0136】
なお、ここで、判断結果出力部141は、検査領域ごとに、第一判断部132が取得した巡視判断結果を出力しても良い。また、ここで、領域出力部142は、森林領域であると判断された検査領域を、森林領域でないと判断された検査領域と比較して、異なる表示態様で出力することは好適である。
【0137】
なお、図2のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。
【0138】
次に、ステップS206の森林判断処理の第一の例について、図3のフローチャートを用いて説明する。
【0139】
(ステップS301)第一判断部132は、ステップS206におけるi番目の撮影画像の中のj番目の検査領域の画像である部分画像を、j番目の検査領域の領域情報を用いてi番目の撮影画像から取得する。なお、撮影画像から、領域情報が示す一部の部分画像を切り出す技術は公知技術であるので、詳細な説明を省略する。
【0140】
(ステップS302)第一判断部132は、緑割合取得処理を行う。緑割合取得処理とは、検査対象となる部分画像の中の緑と言える領域の割合、または緑とは言えない領域の割合を取得する処理である。緑と言える領域は、森林と言える領域である。緑割合取得処理の例について、図4のフローチャートを用いて説明する。
【0141】
(ステップS303)第一判断部132は、ステップS302で取得した緑の領域の割合が、閾値である「N(%)」以下であるか否かを判断する。「N(%)」以下であればステップS304に行き、「N(%)」より多ければステップS305に行く。なお、ここで、緑の割合が、「N(%)」より小さいか否かを判断しても良い。
【0142】
(ステップS304)第一判断部132は、第一判断結果として「森林領域でない(例えば、「0」)」を取得する。上位処理にリターンする。
【0143】
(ステップS305)第一判断部132は、第一判断結果として「森林領域である(例えば、「1」)」を取得する。上位処理にリターンする。
【0144】
なお、図3のフローチャートのステップS302において、第一判断部132は、緑と言えない領域の割合を取得しても良い。そして、ステップS303において、第一判断部132は、緑と言えない領域の割合が閾値以上または閾値より大きいか否かを判断しても良い。かかる閾値は、例えば、「1%」「5%」である。
【0145】
次に、ステップS302の緑割合取得処理の例について、図4のフローチャートを用いて説明する。
【0146】
(ステップS401)第一判断部132は、初期化を行う。初期化とは、変数「緑カウンタ」および「非緑カウンタ」に0を代入することである。
【0147】
(ステップS402)第一判断部132は、カウンタiに1を代入する。
【0148】
(ステップS403)第一判断部132は、検査対象の部分画像の中に、i番目の画素が存在するか否かを判断する。i番目の画素が存在する場合はステップS404に行き、存在しない場合はステップS409に行く。
【0149】
(ステップS404)第一判断部132は、i番目の画素の画素値を取得する。
【0150】
(ステップS405)第一判断部132は、ステップS404で取得された画素値が緑条件を満たすか否かを判断する。緑条件を満たす場合はステップS406に行き、緑条件を満たさない場合はステップS407に行く。
【0151】
(ステップS406)第一判断部132は、緑カウンタを1、インクリメントする。ステップS408に行く。
【0152】
(ステップS407)第一判断部132は、非緑カウンタを1、インクリメントする。
【0153】
(ステップS408)第一判断部132は、カウンタiを1、インクリメントする。ステップS403に戻る。
【0154】
(ステップS409)第一判断部132は、「緑カウンタの値/(緑カウンタの値+非緑カウンタの値)」により、緑領域割合を取得する。なお、ここで、第一判断部132は、「非緑カウンタの値/(緑カウンタの値+非緑カウンタの値)」により、非緑領域割合を取得しても良い。
【0155】
次に、ステップS206の森林判断処理の第二の例について、図5のフローチャートを用いて説明する。
【0156】
(ステップS501)第一判断部132は、検査対象の部分画像を取得する。
【0157】
(ステップS502)第一判断部132は、格納部11から森林学習モデルを取得する。
【0158】
(ステップS503)第一判断部132は、ステップS501で取得した部分画像とステップS502で取得した森林学習モデルとを、機械学習の予測モジュールに与え、当該予測モジュールを実行し、予測結果を取得する。なお、予測結果は、例えば、「森林領域である「1」」または「森林領域でない「0」」である。
【0159】
(ステップS504)第一判断部132は、ステップS503で取得した予測結果に対応する第一判断結果を取得する。上位処理にリターンする。
【0160】
次に、ステップS207の間伐判断処理の第一の例について、図6のフローチャートを用いて説明する。
【0161】
(ステップS601)第二判断部133は、検査対象の部分画像と同じ領域の過去の部分画像を画像格納部111から取得する。
【0162】
(ステップS602)第二判断部133は、ステップS601で取得した過去の部分画像における緑割合を取得する。かかる緑割合取得処理の例について、図4のフローチャートを用いて説明した。ここでの緑割合を第一緑割合と言う。
【0163】
(ステップS603)第二判断部133は、検査対象の最新の部分画像を画像格納部111から取得する。
【0164】
(ステップS604)第二判断部133は、ステップS603で取得した最新の部分画像における緑割合を取得する。かかる緑割合取得処理の例について、図4のフローチャートを用いて説明した。ここでの緑割合を第二緑割合と言う。
【0165】
(ステップS605)第二判断部133は、ステップS602で取得した第一緑割合とステップS604で取得した第二緑割合とが間伐条件を満たすか否かを判断する。間伐条件を満たす場合はステップS606に行き、間伐条件を満たさない場合はステップS607に行く。なお、間伐条件は、例えば、「第一緑割合-第二緑割合」が閾値以上または閾値より大きいことである。なお、閾値は正の数である。
【0166】
(ステップS606)第二判断部133は、第二判断結果に「間伐されている(例えば、「1」)」を代入する。上位処理にリターンする。
【0167】
(ステップS607)第二判断部133は、第二判断結果に「間伐されていない(例えば、「0」)」を代入する。上位処理にリターンする。
【0168】
なお、図6のフローチャートにおいて、過去の部分画像は、例えば、1990年より前に撮影された画像の一部または全部である。また、最新の部分画像は、例えば、1990年以降に撮影された画像の一部または全部である。
【0169】
次に、ステップS207の間伐判断処理の第二の例について、図7のフローチャートを用いて説明する。
【0170】
(ステップS701)第二判断部133は、検査対象の部分画像を取得する。
【0171】
(ステップS702)第二判断部133は、ステップS701で取得した部分画像の中に林道が存在するか否かを検知する。かかる林道検知処理の例について、図8図9のフローチャートを用いて説明する。
【0172】
(ステップS703)第二判断部133は、ステップS702における林道検知処理の結果、部分画像の中に林道が存在する場合はステップS704に行き、林道が存在しない場合はステップS705に行く。
【0173】
(ステップS704)第二判断部133は、第二判断結果に「間伐されている(例えば、「1」)」を代入する。上位処理にリターンする。
【0174】
(ステップS705)第二判断部133は、第二判断結果に「間伐されていない(例えば、「0」)」を代入する。上位処理にリターンする。
【0175】
次に、ステップS702の林道検知処理の第一の例について、図8のフローチャートを用いて説明する。林道検知処理の第一の例は、部分画像の中の林道を認識する画像認識処理である。
【0176】
(ステップS801)第二判断部133は、カウンタiに1を代入する。
【0177】
(ステップS802)第二判断部133は、検知対象の部分画像の中に、i番目の画素が存在するか否かを判断する。i番目の画素が存在する場合はステップS803に行き、i番目の画素が存在しない場合はステップS816に行く。
【0178】
(ステップS803)第二判断部133は、検知対象の部分画像の中のi番目の画素の画素値を取得する。
【0179】
(ステップS804)第二判断部133は、ステップS803で取得した画素値が林道画素条件を満たすか否かを判断する。林道画素条件を満たす場合はステップS805に行き、林道画素条件を満たさない場合はステップS815に行く。なお、林道画素条件は、例えば、画素値が緑条件を満たさないことである。林道画素条件は、例えば、土色と言える範囲の画素値であること、またはアスファルトの色と言える範囲の画素値であることである。
【0180】
(ステップS805)第二判断部133は、i番目の画素に隣接する周辺の1または2以上の各画素の画素値を取得する。
【0181】
(ステップS806)第二判断部133は、カウンタjに1を代入する。
【0182】
(ステップS807)第二判断部133は、ステップS805で取得した画素値の中、j番目の画素の画素値が存在するか否かを判断する。j番目の画素の画素値が存在する場合はステップS808に行き、存在しない場合はステップS815に行く。
【0183】
(ステップS808)第二判断部133は、j番目の画素の画素値を取得する。
【0184】
(ステップS809)第二判断部133は、ステップS808で取得した画素値が林道画素条件を満たすか否かを判断する。林道画素条件を満たす場合はステップS810に行き、林道画素条件を満たさない場合はステップS814に行く。
【0185】
(ステップS810)第二判断部133は、連続して林道画素条件を満たしている画素の集合に対応する道の長さを取得する。
【0186】
(ステップS811)第二判断部133は、ステップS810で取得された長さが林道条件を満たすか否かを判断する。林道条件を満たす場合はステップS812に行き、林道条件を満たさない場合はステップS813に行く。なお、林道条件とは、林道と言える長さがあることである。林道条件は、例えば、長さが閾値以上または閾値より大きいことである。なお、閾値は、例えば、20m、50mである。
【0187】
(ステップS812)第二判断部133は、林道検知の結果に「林道あり」を代入する。上位処理にリターンする。
【0188】
(ステップS813)第二判断部133は、j番目の画素に隣接する周辺の1または2以上の画素の画素値を取得する。ステップS806に戻る。
【0189】
(ステップS814)第二判断部133は、カウンタjを1、インクリメントする。ステップS807に戻る。
【0190】
(ステップS815)第二判断部133は、カウンタiを1、インクリメントする。ステップS802に戻る。
【0191】
(ステップS816)第二判断部133は、林道検知の結果に「林道なし」を代入する。上位処理にリターンする。
【0192】
次に、ステップS702の林道検知処理の第二の例について、図9のフローチャートを用いて説明する。林道検知処理の第二の例は、機械学習の予測処理を用いた処理である。
【0193】
(ステップS901)第二判断部133は、林道学習モデルを格納部11から取得する。
【0194】
(ステップS902)第二判断部133は、検査対象の部分画像とステップS901で取得した学習モデルとを、機械学習の予測モジュールに与え、当該予測モジュールを実行し、予測結果を取得する。なお、予測結果は、例えば、「林道あり(例えば「1」)」または「林道なし(例えば「0」)」である。
【0195】
(ステップS903)第二判断部133は、ステップS902で取得した予測結果に対応する林道検知の結果を取得する。上位処理にリターンする。
【0196】
次に、ステップS207の間伐判断処理の第三の例について、図10のフローチャートを用いて説明する。間伐判断処理の第三の例は、機械学習の予測処理により、間伐されているか否かを判断する場合である。
【0197】
(ステップS1001)第二判断部133は、検査対象の部分画像を取得する。
【0198】
(ステップS1002)第二判断部133は、画像格納部111から間伐学習モデルを取得する。
【0199】
(ステップS1003)第二判断部133は、ステップS1001で取得した部分画像とステップS1002で取得した間伐学習モデルとを、機械学習の予測モジュールに与え、当該予測モジュールを実行し、予測結果を取得する。なお、予測結果は、例えば、「間伐領域である(例えば、「1」)」または「間伐領域でない(例えば、「0」)」である。
【0200】
(ステップS1004)第二判断部133は、ステップS1003で取得した予測結果に対応する第二判断結果を取得する。上位処理にリターンする。
【0201】
なお、図10のフローチャートにおいて、第二判断部133は、検査対象の領域の過去の部分画像と最新の部分画像とを取得し、当該2つの部分画像と間伐学習モデルとを用いて、機械学習の予測処理により予測結果を取得しても良い。
【0202】
次に、ステップS207の間伐判断処理の第四の例について、図11のフローチャートを用いて説明する。間伐判断処理の第四の例は、検査対象の部分画像に対して、画像認識処理を行うことにより、間伐されているか否かを判断する場合である。
【0203】
(ステップS1101)第二判断部133は、検査対象の部分画像を取得する。
【0204】
(ステップS1102)第二判断部133は、ステップS1101で取得した部分画像を用いて、当該部分画像が示す領域の緑割合を取得する。かかる緑割合取得処理の例は、図4のフローチャートを用いて説明した。
【0205】
(ステップS1103)第二判断部133は、ステップS1102で取得した緑割合が間伐条件を満たすか否かを判断する。間伐条件を満たす場合はステップS1104に行き、間伐条件を満たさない場合はステップS1105に行く。なお、間伐条件は、例えば、「第一閾値<=緑割合<=第二閾値」または「第一閾値<緑割合<=第二閾値」または「第一閾値<=緑割合<第二閾値」または「第一閾値<緑割合<第二閾値」である。
【0206】
(ステップS1104)第二判断部133は、第二判断結果に「間伐されている(例えば、「1」)」を代入する。上位処理にリターンする。
【0207】
(ステップS1105)第二判断部133は、第二判断結果に「間伐されていない(例えば、「0」)」を代入する。上位処理にリターンする。
【0208】
次に、ステップS210、S216の森林問合処理の例について、図12のフローチャートを用いて説明する。
【0209】
(ステップS1201)第一問合部134は、カウンタiに1を代入する。
【0210】
(ステップS1202)第一問合部134は、「森林領域でない」と判断されたi番目の検査領域が存在するか否かを判断する。i番目の検査領域が存在する場合はステップS1203に行き、存在しない場合は上位処理にリターンする。
【0211】
(ステップS1203)第一問合部134は、i番目の検査領域に対応する撮影画像を取得する。
【0212】
(ステップS1204)第一問合部134は、i番目の検査領域を特定する領域情報を取得する。
【0213】
(ステップS1205)第一問合部134は、ステップS1203で取得した撮影画像とステップS1204で取得した領域情報とを用いて、森林問合せを構成する。なお、森林問合せとは、i番目の検査領域が森林領域であるか否かをユーザに問い合わせるための情報である。森林問合せは、例えば、ステップS1203で取得した撮影画像の中にステップS1204で取得した領域情報が示す領域を明示した画像を含む。
【0214】
(ステップS1206)第一問合部134は、ステップS120で取得した森林問合せをユーザに対して出力する。ユーザに対する出力は、例えば、ディスプレイへの表示、または図示しないユーザ端末への送信である。
【0215】
(ステップS1207)ユーザ受付部121は、森林問合せに対する第一ユーザ判断を受け付けたか否かを判断する。第一ユーザ判断を受け付けた場合はステップS1208に行き、第一ユーザ判断を受け付けなかった場合はステップS1207に戻る。
【0216】
(ステップS1208)ステップS1207で受け付けた第一ユーザ判断が「森林領域である」場合はステップS1209に行き、「森林領域でない」場合はステップS1210に行く。
【0217】
(ステップS1209)第一判断部132は、i番目の検査領域に対応する第一判断結果を「森林領域である」に更新する。
【0218】
(ステップS1210)第一問合部134は、カウンタiを1、インクリメントする。ステップS1202に戻る。
【0219】
次に、ステップS211の間伐問合処理の例について、図13のフローチャートを用いて説明する。
【0220】
(ステップS1301)第二問合部135は、カウンタiに1を代入する。
【0221】
(ステップS1302)第二問合部135は、「間伐されている」と判断されたi番目の検査領域が存在するか否かを判断する。i番目の検査領域が存在する場合はステップS1303に行き、存在しない場合は上位処理にリターンする。
【0222】
(ステップS1303)第二問合部135は、i番目の検査領域に対応する撮影画像を取得する。
【0223】
(ステップS1304)第二問合部135は、i番目の検査領域を特定する領域情報を取得する。
【0224】
(ステップS1305)第二問合部135は、ステップS1303で取得した撮影画像とステップS1304で取得した領域情報とを用いて、間伐問合せを構成する。なお、間伐問合せとは、i番目の検査領域が間伐領域であるか否かをユーザに問い合わせるための情報である。間伐問合せは、例えば、ステップS1303で取得した撮影画像の中にステップS1304で取得した領域情報が示す領域を明示した画像を含む。
【0225】
(ステップS1306)第二問合部135は、ステップS130で取得した間伐問合せをユーザに対して出力する。ユーザに対する出力は、例えば、ディスプレイへの表示、または図示しないユーザ端末への送信である。
【0226】
(ステップS1307)ユーザ受付部121は、間伐問合せに対する第二ユーザ判断を受け付けたか否かを判断する。第二ユーザ判断を受け付けた場合はステップS1308に行き、第二ユーザ判断を受け付けなかった場合はステップS1307に戻る。
【0227】
(ステップS1308)ステップS1307で受け付けた第二ユーザ判断が「間伐領域でない」場合はステップS1309に行き、「間伐領域である」場合はステップS1310に行く。
【0228】
(ステップS1309)第二判断部133は、i番目の検査領域に対応する第二判断結果を「間伐領域でない」に更新する。
【0229】
(ステップS1310)第二問合部135は、カウンタiを1、インクリメントする。ステップS1302に戻る。
【0230】
次に、ステップS212の申請時ドキュメント作成処理の例について、図14のフローチャートを用いて説明する。
【0231】
(ステップS1401)第一ドキュメント作成部136は、カウンタiに1を代入する。
【0232】
(ステップS1402)第一ドキュメント作成部136は、検査対象のi番目の撮影画像が存在するか否かを判断する。i番目の撮影画像が存在する場合はステップS1403に行き、存在しない場合はステップS1414に行く。
【0233】
(ステップS1403)第一ドキュメント作成部136は、カウンタjに1を代入する。
【0234】
(ステップS1404)第一ドキュメント作成部136は、i番目の撮影画像の中にj番目の検査領域が存在するか否かを判断する。j番目の検査領域が存在する場合はステップS1405に行き、存在しない場合はステップS1410に行く。
【0235】
(ステップS1405)第一ドキュメント作成部136は、i番目の撮影画像のj番目の検査領域に対応する第一判断結果および第二判断結果を取得する。
【0236】
(ステップS1406)第一ドキュメント作成部136は、第一判断結果が「森林領域である」であり、第二判断結果が「間伐領域である」を満たすか否かを判断する。かかる条件を満たす場合はステップS1407に行き、満たさない場合はステップS1409に行く。
【0237】
(ステップS1407)第一ドキュメント作成部136は、i番目の撮影画像のj番目の検査領域の領域識別子を取得する。
【0238】
(ステップS1408)第一ドキュメント作成部136は、ステップS1407で取得した領域識別子と対になる領域情報等であり、作成するドキュメントに含める情報を取得し、領域識別子に対応付けて、図示しないバッファに一時蓄積する。なお、領域情報等は、例えば、領域情報と1以上の領域属性値である。
【0239】
(ステップS1409)第一ドキュメント作成部136は、カウンタjを1、インクリメントする。ステップS1404に戻る。
【0240】
(ステップS1410)第一ドキュメント作成部136は、i番目の撮影画像の中に、Jクレジッドの申請領域が存在するか否かを判断する。申請領域が存在する場合はステップS1411に行き、存在しない場合はステップS1414に行く。なお、申請領域は、第一判断結果が「森林領域である」であり第二判断結果が「間伐領域である」を満たす領域である。
【0241】
(ステップS1411)第一ドキュメント作成部136は、作成するドキュメントに撮影画像を使用するか否かを判断する。撮影画像を使用する場合はステップS1412に行き、使用しない場合はステップS1413に行く。
【0242】
(ステップS1412)第一ドキュメント作成部136は、i番目の撮影画像を取得し、図示しないバッファに一時蓄積する。
【0243】
(ステップS1413)第一ドキュメント作成部136は、カウンタiを1、インクリメントする。ステップS1402に戻る。
【0244】
(ステップS1414)第一ドキュメント作成部136は、申請対象の1以上の各領域の領域情報に対応する広さを取得し、当該広さの合計を取得する。
【0245】
(ステップS1415)第一ドキュメント作成部136は、ステップS1414で取得した広さの合計に対応する価値を取得し、図示しないバッファに一時蓄積する。
する。なお、価値は、広さが大きいほど、大きくなる。価値は、例えば、広さをパラメータとする増加関数により算出される。
【0246】
(ステップS1416)第一ドキュメント作成部136は、図示しないバッファに一時蓄積された情報を取得し、当該情報を含むドキュメントを構成する。上位処理にリターンする。
【0247】
なお、かかるドキュメントは、申請時ドキュメントである。申請時ドキュメントは、例えば、ステップS1408で蓄積された情報、撮影画像、価値等を含む。
【0248】
次に、ステップS215の巡視処理の例について、図15のフローチャートを用いて説明する。***
【0249】
(ステップS1501)第二判断部133は、カウンタiに1を代入する。
【0250】
(ステップS1502)第二判断部133は、i番目の巡視対象の領域が存在するか否かを判断する。i番目の巡視対象の領域が存在する場合はステップS1503に行き、存在しない場合は上位処理にリターンする。
【0251】
なお、巡視対象の領域は、例えば、当該領域を識別する領域識別子と対になる第一判断結果が「森林領域である」であり、かつ第二判断結果が「間伐されている」である領域である。
【0252】
(ステップS1503)第二判断部133は、i番目の巡視対象の領域を含む撮影画像を画像格納部111から取得する。
【0253】
(ステップS1504)第二判断部133は、i番目の巡視対象の領域を識別する領域識別子と対になる領域情報を取得する。
【0254】
(ステップS1505)第二判断部133は、ステップS1503で取得した撮影画像とステップS1504で取得した領域情報とを用いて取得される部分画像に対する森林判断処理を行う。森林判断処理の例について、図3図5のフローチャートを用いて説明した。
【0255】
(ステップS1506)第二判断部133は、ステップS1505における森林判断の結果が「森林領域である」である場合はステップS1507に行き、「森林領域でない」である場合はステップS1508に行く。
【0256】
(ステップS1507)第一問合部134は、i番目の巡視対象の領域に対する森林問合処理を行う。森林問合処理の例について、図12のフローチャートを用いて説明した。
【0257】
(ステップS1508)第二判断部133は、巡視判断結果を取得し、領域識別子と対にして、図示しないバッファに蓄積する。なお、巡視判断結果は、例えば、「森林領域である」または「森林領域でない」である。「森林領域である」ことは「申請対象の領域である」ことである。「森林領域でない」ことは「申請対象の領域でない」ことである。
【0258】
(ステップS1509)第二判断部133は、カウンタiを1、インクリメントする。ステップS1502に戻る。
【0259】
次に、ステップS217の巡視時ドキュメント作成処理の例について、図16のフローチャートを用いて説明する。
【0260】
(ステップS1601)第二ドキュメント作成部137は、カウンタiに1を代入する。
【0261】
(ステップS1602)第二ドキュメント作成部137は、i番目の「森林領域でない」と判断された領域が存在するか否かを判断する。当該i番目の「森林領域でない」領域が存在する場合はステップS1603に行き、存在しない場合はステップS1607に行く。
【0262】
(ステップS1603)第二ドキュメント作成部137は、当該i番目の「森林領域でない」領域の領域識別子を取得する。
【0263】
(ステップS1604)第二ドキュメント作成部137は、ステップS1603で取得した領域識別子と対になる領域情報等を取得する。
【0264】
(ステップS1605)第二ドキュメント作成部137は、ステップS1603で取得した領域識別子とステップS1604で取得した領域情報等を有する除外領域情報を構成し、図示しないバッファに一時蓄積する。除外領域情報とは、巡視判断により、Jクレジットの申請対象から除外されることとなった領域の情報である。
【0265】
(ステップS1606)第二ドキュメント作成部137は、カウンタiを1、インクリメントする。ステップS1602に戻る。
【0266】
(ステップS1607)第二ドキュメント作成部137は、カウンタjに1を代入する。
【0267】
(ステップS1608)第二ドキュメント作成部137は、j番目の「森林領域である」と判断された領域が存在するか否かを判断する。当該j番目の領域が存在する場合はステップS1609に行き、存在しない場合はステップS1613に行く。
【0268】
(ステップS1609)第二ドキュメント作成部137は、当該j番目の「森林領域である」領域の領域識別子を取得する。
【0269】
(ステップS1610)第二ドキュメント作成部137は、ステップS1609で取得した領域識別子と対になる領域情報等を取得する。
【0270】
(ステップS1611)第二ドキュメント作成部137は、ステップS1609で取得した領域識別子とステップS1610で取得した領域情報等を有する残存領域情報を構成し、図示しないバッファに一時蓄積する。残存領域情報とは、巡視判断により、Jクレジットの申請対象として残ることになった領域の情報である。
【0271】
(ステップ)第二ドキュメント作成部137は、
【0272】
(ステップS1612)第二ドキュメント作成部137は、カウンタjを1、インクリメントする。ステップS1608に戻る。
【0273】
(ステップS1613)第二ドキュメント作成部137は、残存する1以上の各領域の広さを取得する。次に、第二ドキュメント作成部137は、当該1以上の各領域の広さの合計を取得する。
【0274】
(ステップS1614)第二ドキュメント作成部137は、ステップS1613で取得した広さの合計に対応する価値を取得し、図示しないバッファに一時蓄積する。
【0275】
(ステップS1615)第二ドキュメント作成部137は、図示しないバッファに一時蓄積された情報を取得し、当該情報を含むドキュメントを構成する。上位処理にリターンする。
【0276】
なお、かかるドキュメントは、巡視時ドキュメントである。巡視時ドキュメントは、例えば、ステップS1605で蓄積された除外領域情報、ステップS1611で蓄積された残存領域情報、撮影画像、価値等を含む。
【0277】
以下、本実施の形態におけるJクレジット支援装置1の具体的な動作例について説明する。
【0278】
今、Jクレジット支援装置1の画像格納部111には、図17に示す画像管理表が格納されている、とする。画像管理表には、「画像識別子」「1989年撮影画像」「2023年4月撮影画像」を有する複数のレコードが格納されている。「1989年撮影画像」は、1989年に撮影された衛星画像である。「2023年4月撮影画像」は、2023年4月に撮影された衛星画像である。
【0279】
また、Jクレジット支援装置1の領域管理部112には、図18に示す領域管理表が格納されている、とする。領域管理には、「ID」「領域識別子」「領域情報」「領域属性値」「画像識別子」を有する複数のレコードが格納されている。「領域属性値」は、「管理者」「面積」「樹種」を有する。「ID」はレコードを識別する情報である。「領域情報」は、三次元または二次元の位置情報の集合である。「管理者」は領域の管理者である。「面積」は領域の面積を示す。「樹種」は領域の木の種類を示す。「画像識別子」は、領域が含まれる画像の画像識別子である。なお、位置情報は、例えば、(緯度,経度,高度)または(緯度,経度)である。
【0280】
かかる場合において、以下、3つの具体例を説明する。具体例1は、撮影画像の中の多数の各検査領域について、森林領域であるか否かを判断し、一の検査領域が森林領域でないと判断された場合に、当該一の検査領域が森林領域であるか否かをユーザに問い合わせる場合である。具体例2は、過去の撮影画像と最新の撮影画像とを比較することにより、間伐領域であると判断された検査領域について、当該検査領域が間伐領域であるか否かをユーザに問い合わせる場合である。具体例3は、第一判断結果と第二判断結果とを含む申請時ドキュメントを作成する場合である。
【0281】
(具体例1)
今、図示しないユーザ端末から、Jクレジット支援装置1の受付部12は、開始指示を受信した、とする。
【0282】
次に、画像取得部131は、画像管理表(図17)を参照し、画像識別子「IM01」から順に、画像を取得する。ここで、画像取得部131は、画像識別子「IM01」と対になる2023年4月撮影画像を画像管理表(図17)から取得する。
【0283】
次に、処理部13は、当該取得した画像「IM01」と対になる多数の領域情報を領域管理表(図18)から取得する。なお、画像識別子「IM01」と対になる2023年4月撮影画像の中に、取得した多数の領域情報が特定する領域を明示した図が、図19である。なお、図19において、領域は、実線で囲まれている。
【0284】
次に、第一判断部132は、図19の各領域に対して、上述した森林判断処理を行う。なお、森林判断処理のアルゴリズムは上述した。その結果、一の領域のみが森林領域ではなく、他の領域は森林領域である、と判断された、とする。
【0285】
また、第二判断部133は、図19の各領域に対して、上述した間伐判断処理を行う。なお、間伐判断処理のアルゴリズムは上述した。なお、ここでは、第二判断部133が間伐領域である、と判断された場合にでも、ユーザに問い合わせる間伐問合処理は行わないものとする。
【0286】
次に、第一問合部134は森林領域ではないと判断された一の領域について、森林問合処理を行う。つまり、第一問合部134は、当該一の領域に対応する撮影画像を画像管理表(図17)から取得する。また、第一問合部134は、当該一の領域を特定する領域情報を領域管理表(図18)から取得する。次に、第一問合部134は、取得した領域情報が特定する領域を含む一部の画像である部分画像を取得した撮影画像から切り出す。次に、第一問合部134は、当該部分画像を含む森林問合せを構成する。次に、第一問合部134は、当該森林問合せをユーザ端末に送信する。
【0287】
次に、ユーザ端末は、当該森林問合せを受信し、出力する。かかる出力例は、図20である。そして、ユーザは、図20の部分画像を確認し、「森林領域でない」ボタン2001を指示した、とする。すると、ユーザ端末は、「森林領域でない」ボタン2001の指示を受け付け、第一判断結果「森林領域でない(例えば「0」)」をJクレジット支援装置1に送信する。
【0288】
次に、Jクレジット支援装置1の受付部12は、当該第一判断結果「森林領域でない(例えば「0」)」を受信する。次に、第一判断部132は、当該一の領域に対応する第一判断結果を「森林領域でない」とする。
【0289】
(具体例2)
具体例1における処理が継続され、例えば、画像取得部131は、画像識別子「IM03」と対になる1989年撮影画像と2023年4月撮影画像とを、画像管理表(図17)から取得した、とする。なお、かかる画像は、一の領域のみを有する。
【0290】
第一判断部132は、当該一の領域に対して、2023年4月撮影画像を用いて、上述した森林判断処理を行う。その結果、第一判断部132は、「森林領域である」と判断した、とする。
【0291】
次に、第二判断部133は、当該一の領域に対して、1989年撮影画像と2023年4月撮影画像の2つの時系列の画像を用いて、図6のフローチャートを用いて説明した間伐判断処理を行う。その結果、第一判断部132は、「間伐領域である」と判断した、とする。
【0292】
次に、第二問合部135は、間伐問合処理を行う。つまり、第二問合部135は、当該一の領域に対応する撮影画像「IM03」を画像管理表(図17)から取得する。また、第二問合部135は、i番目の検査領域を特定する領域情報を領域管理表(図18)から取得する。次に、第二問合部135は、取得した領域情報が特定する領域を含む一部の画像である部分画像を取得した撮影画像から切り出す。次に、第二問合部135は、当該部分画像を含む間伐問合せを構成する。次に、第二問合部135は、当該間伐問合せをユーザ端末に送信する。
【0293】
次に、ユーザ端末は、当該間伐問合せを受信し、出力する。かかる出力例は、図21である。そして、ユーザは、図21の部分画像を確認し、「間伐されていない」ボタン2101を指示した、とする。すると、ユーザ端末は、「間伐されていない」ボタン2101の指示を受け付け、第二判断結果「間伐領域でない(例えば「0」)」をJクレジット支援装置1に送信する。
【0294】
次に、Jクレジット支援装置1の受付部12は、当該第二判断結果「間伐領域でない(例えば「0」)」を受信する。次に、第二判断部133は、当該一の領域に対応する第二判断結果を「間伐領域でない」に更新する。
【0295】
(具体例3)
具体例1で説明した処理が進み、第一ドキュメント作成部136は、図14のフローチャートを用いて説明した処理により、申請時ドキュメント作成処理を行う、とする。
【0296】
ここでは、第一ドキュメント作成部136は、撮影画像ごとに、申請時ドキュメントを作成する、とする。
【0297】
つまり、第一ドキュメント作成部136は、例えば、「IM01」の撮影画像と、当該撮影画像に含まれる領域の領域情報を取得する。そして、第一ドキュメント作成部136は、撮影画像の中に、各領域の領域情報が特定する領域を明示する図形を描画する。
【0298】
また、第一ドキュメント作成部136は、管理者識別子ごとに、管理者識別子と対になる領域識別子、領域の面積、価値、森林判断、間伐判断、申請判断の情報を取得する。なお、第一ドキュメント作成部136は、領域識別子と対になる面積を領域管理表(図18)から取得し、申請判断が「〇」である場合、当該面積をパラメータとする増加関数により、Jクレジットにおける価値を取得する。また、森林判断とは、第一判断結果であり、「森林領域である」場合は「〇」、「森林領域でない」場合は「×」が代入される。間伐判断は、第二判断結果であり、「間伐領域である」場合は「〇」、「間伐領域でない」場合は「×」が代入される。申請判断は、第三判断結果であり、Jクレジットに申請できるか否かを示す情報であり、森林判断と間伐判断とが「〇」の場合は「〇」、森林判断と間伐判断のいずれか1以上が「×」である場合は「×」が代入される。また、第一ドキュメント作成部136は、管理者識別子ごとに、1または2以上の各領域の価値を合計した「価値合計」を算出する。次に、第一ドキュメント作成部136は、取得した情報を含む申請時ドキュメントを構成する。
【0299】
次に、ドキュメント出力部143は、構成された申請時ドキュメントを格納部11に蓄積する。また、ドキュメント出力部143は、構成された申請時ドキュメントを、開始指示を送信してきたユーザ端末に送信しても良い。
【0300】
かかる場合、ユーザ端末は、申請時ドキュメントを受信し、出力する。かかる申請時ドキュメントの例は、図22である。
【0301】
以上、本実施の形態によれば、Jクレジットの申請を適切に支援できる。
【0302】
また、本実施の形態によれば、森林条件を満たすか否かを適切に判断できる。
【0303】
また、本実施の形態によれば、必要に応じて、ユーザに問合せすることにより、森林条件を満たすか否かの正確な判断結果を得ることができる。
【0304】
また、本実施の形態によれば、間伐条件を満たすか否かを適切に判断できる。
【0305】
また、本実施の形態によれば、必要に応じて、ユーザに問合せすることにより、間伐条件を満たすか否かの正確な判断結果を得ることができる。
【0306】
また、本実施の形態によれば、Jクレジットの申請を支援できる申請時ドキュメントを得ることができる。
【0307】
また、本実施の形態によれば、巡視を適切に支援できる。
【0308】
さらに、本実施の形態によれば、巡視における巡視時ドキュメントを得ることができる。
【0309】
なお、本実施の形態における処理は、ソフトウェアで実現しても良い。そして、このソフトウェアをソフトウェアダウンロード等により配布しても良い。また、このソフトウェアをCD-ROMなどの記録媒体に記録して流布しても良い。なお、このことは、本明細書における他の実施の形態においても該当する。なお、本実施の形態におけるJクレジット支援装置1を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、コンピュータを、1または2以上の検査領域を含む撮影画像を取得する画像取得部と、前記1または2以上の各検査領域ごとに、検査領域の部分画像を用いて、森林領域であるか否かを判断するための森林条件を満たすか否かを判断し、第一判断結果を取得する第一判断部と、前記第一判断結果を出力する判断結果出力部として機能させるためのプログラムである。
【0310】
また、図23は、本明細書で述べたプログラムを実行して、上述した種々の実施の形態のJクレジット支援装置等を実現するコンピュータの外観を示す。上述の実施の形態は、コンピュータハードウェア及びその上で実行されるコンピュータプログラムで実現され得る。図23は、このコンピュータシステム300の概観図であり、図24は、システム300のブロック図である。
【0311】
図23において、コンピュータシステム300は、CD-ROMドライブを含むコンピュータ301と、キーボード302と、マウス303と、モニタ304とを含む。
【0312】
図24において、コンピュータ301は、CD-ROMドライブ3012に加えて、MPU3013と、CD-ROMドライブ3012等に接続されたバス3014と、ブートアッププログラム等のプログラムを記憶するためのROM3015と、MPU3013に接続され、アプリケーションプログラムの命令を一時的に記憶するとともに一時記憶空間を提供するためのRAM3016と、アプリケーションプログラム、システムプログラム、及びデータを記憶するためのハードディスク3017とを含む。ここでは、図示しないが、コンピュータ301は、さらに、LANへの接続を提供するネットワークカードを含んでも良い。
【0313】
コンピュータシステム300に、上述した実施の形態のJクレジット支援装置等の機能を実行させるプログラムは、CD-ROM3101に記憶されて、CD-ROMドライブ3012に挿入され、さらにハードディスク3017に転送されても良い。これに代えて、プログラムは、図示しないネットワークを介してコンピュータ301に送信され、ハードディスク3017に記憶されても良い。プログラムは実行の際にRAM3016にロードされる。プログラムは、CD-ROM3101またはネットワークから直接、ロードされても良い。
【0314】
プログラムは、コンピュータ301に、上述した実施の形態のJクレジット支援装置等の機能を実行させるオペレーティングシステム(OS)、またはサードパーティープログラム等は、必ずしも含まなくても良い。プログラムは、制御された態様で適切な機能(モジュール)を呼び出し、所望の結果が得られるようにする命令の部分のみを含んでいれば良い。コンピュータシステム300がどのように動作するかは周知であり、詳細な説明は省略する。
【0315】
なお、上記プログラムにおいて、情報を送信するステップや、情報を受信するステップなどでは、ハードウェアによって行われる処理、例えば、送信ステップにおけるモデムやインターフェースカードなどで行われる処理(ハードウェアでしか行われない処理)は含まれない。
【0316】
また、上記プログラムを実行するコンピュータは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、あるいは分散処理を行ってもよい。
【0317】
また、上記各実施の形態において、一の装置に存在する2以上の通信手段は、物理的に一の媒体で実現されても良いことは言うまでもない。
【0318】
また、上記各実施の形態において、各処理は、単一の装置によって集中処理されることによって実現されてもよく、あるいは、複数の装置によって分散処理されることによって実現されてもよい。
【0319】
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0320】
以上のように、本発明にかかるJクレジット支援装置は、Jクレジットの申請を適切に支援できるという効果を有し、Jクレジット支援装置等として有用である。
【符号の説明】
【0321】
1 Jクレジット支援装置
11 格納部
12 受付部
13 処理部
14 出力部
111 画像格納部
112 領域管理部
121 ユーザ受付部
131 画像取得部
132 第一判断部
133 第二判断部
134 第一問合部
135 第二問合部
136 第一ドキュメント作成部
137 第二ドキュメント作成部
141 判断結果出力部
142 領域出力部
143 ドキュメント出力部
【要約】
【課題】従来、Jクレジットの申請を適切に支援できなかった。
【解決手段】1または2以上の検査領域を含む撮影画像を取得する画像取得部131と、1または2以上の各検査領域ごとに、検査領域の部分画像を用いて、森林領域であるか否かを判断するための森林条件を満たすか否かを判断し、第一判断結果を取得する第一判断部132と、第一判断結果を出力する判断結果出力部141とを具備するJクレジット支援装置1により、Jクレジットの申請を適切に支援できる。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図19
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図22
図23
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