(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-12
(45)【発行日】2024-07-23
(54)【発明の名称】温水の廃熱回収装置
(51)【国際特許分類】
F28D 11/04 20060101AFI20240716BHJP
F28F 13/12 20060101ALI20240716BHJP
A47L 15/42 20060101ALI20240716BHJP
F28F 1/36 20060101ALI20240716BHJP
【FI】
F28D11/04
F28F13/12 B ZAB
A47L15/42 Z
F28F1/36 B
(21)【出願番号】P 2023503505
(86)(22)【出願日】2021-07-05
(86)【国際出願番号】 KR2021008518
(87)【国際公開番号】W WO2022019524
(87)【国際公開日】2022-01-27
【審査請求日】2023-01-19
(31)【優先権主張番号】10-2020-0092133
(32)【優先日】2020-07-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】519156616
【氏名又は名称】イド カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】IDO CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ソン、ヨン-イル
【審査官】大谷 光司
(56)【参考文献】
【文献】韓国登録特許第10-1919340(KR,B1)
【文献】特開2014-062724(JP,A)
【文献】実開昭55-043245(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2019/0120560(US,A1)
【文献】特開平09-060826(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F28D 11/04
F28D 7/02
F28F 13/12
A47L 15/42
F28F 1/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
温水の廃熱回収装置であって、
温水である廃水が流れる廃水管部と、前記廃水管部の管内に配置され、冷水である原水が流れる原水管部と、を含む、カップリング部材によって直列に連結された
複数の熱交換ユニットと;
前記原水管部を回転させる回転駆動部と;
を含み、
前記原水管部は、
回転軸と、前記回転軸の周面に取り付けられた螺旋状翼と、前記回転軸の周面に螺旋状に巻かれて配置されるが、前記回転軸の周面の前記螺旋状翼の間に配置され、原水が流れる原水管と、を含
み、
前記回転軸は、両端部に配置された管部分と、前記管部分同士の間に配置された閉塞棒部分と、を含み、
前記原水管の両端は、それぞれの原水が連通できるように前記回転軸の管部分同士に連結される、
温水の廃熱回収装置。
【請求項2】
前記原水管を、前記回転軸の周面から前記螺旋状翼の高さ方向において前記螺旋状翼の上端よりも下方に配置して、回転時に前記廃水管部の管内壁に接触しないようにする、請求項1に記載の温水の廃熱回収装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、温水の廃熱装置に係り、より詳細には、使用されて廃棄される温水からの廃熱を効果的に回収することができる温水の廃熱回収装置に関する。
【背景技術】
【0002】
様々な分野で熱交換技術が用いられている。例えば、建物の冷暖房で使用された水や食器洗浄機(食器洗い機、食洗機)から捨てられる温水から熱を回収してリサイクルすることである。最近よく使われる食器洗浄機は、大型食堂や学校の給食のために使われるため、大量の温水を使うことになり、このような温水がそのまま捨てられているため、エネルギーの無駄が大きい。
【0003】
このような廃熱の回収のための様々な装置が提案されているが、既存の熱交換構成は熱を効率的に回収できないという問題を有している。特に、食器洗浄機のように捨てられる廃水に様々な異物が含まれているため、そのような廃水から熱を回収することが容易ではない。例えば、食器洗浄機の廃水には食器洗浄後に発生した異物が多く、このような異物は熱交換構成を構築する上で大きな問題となっている。熱交換のために管を接触させると、異物の流れが妨害されて管が詰まるようになる。
【0004】
このような問題を解決するために、本発明の出願人は、韓国特許登録10-1919340号の廃熱回収装置を提案した。この特許技術は、コイル状の原水管部を廃水管部内に配置して回転させることにより、廃水管部内の異物の排出が円滑に行われるとともに、広い接触面積で熱交換が行われる装置を実現する。
【0005】
上述した特許技術では、廃水管部内でコイル状の原水管部が回転するため、廃水管部内の異物を容易に排出することができる。ただし、廃水管部内で原水管部が回転するため、原水管部と廃水管部とが接触する場合があり、管の摩耗損傷が発生する可能性がある。特に、効率的な交換のために原水管部の厚さを比較的薄くするため、摩耗損傷がさらに問題となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、原水管部が廃水管部内で回転しながらも原水管部と廃水管部とが直接接触することを抑制して、熱交換効率を高めながらも摩耗損傷が発生しない温水の廃熱回収装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、温水の廃熱回収装置を提供し、この装置は、温水である廃水が流れる廃水管部と、前記廃水管部の管内に配置され、冷水である原水が流れる原水管部と、を含む、カップリング部材によって直列に連結されたN個(N≧1)の熱交換ユニットと;前記原水管部を回転させる回転駆動部と;を含み、前記原水管部は、回転軸と、前記回転軸の周面に取り付けられた螺旋状翼と、前記回転軸の周面に螺旋状に巻かれて配置されるが、前記回転軸の周面の前記螺旋状翼の間に配置され、原水が流れる原水管と、を含む。
【0008】
前記原水管を、前記回転軸の周面から前記螺旋状翼の高さ方向において前記螺旋状翼の上端よりも下方に配置して、回転時に前記廃水管部の管内壁に接触しないようにする。
【0009】
前記回転軸は、両端部に配置された管部分と、前記管部分同士の間に配置された閉塞棒部分と、を含む。
【0010】
前記原水管の両端は、それぞれ原水が連通できるように前記回転軸の管部分同士に連結される。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、効率に優れた温水の廃熱回収装置が提供される。温水が流れる廃水管部の管内に冷水が流れる螺旋状の原水管部を配置することにより、熱交換のための接触面積が拡大される。さらに、原水管部を回転させることで廃水管内の異物を効果的に排出することができるため、食器洗浄機から排出される廃水の熱をリサイクルすることができる。特に、回転軸に螺旋状翼を配置し、その間に螺旋状の原水管を配置して原水管が廃水管部の内壁に接触しないようにすることにより、原水管の摩耗損傷を防止することができる。これにより、原水管を最大限薄く形成することができ、熱交換効率を最大化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の好ましい実施形態に係る廃熱回収装置を示す図である。
【
図3】
図1の温水の廃熱回収装置に用いられる熱交換ユニットを示す図である。
【
図4】
図3の熱交換ユニットに含まれる原水管部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。本発明の実施形態を説明するにあたり、関連する公知の機能や構成についての詳細な説明が本発明の要旨を不必要に曖昧にする可能性があると判断した場合には、その詳細な説明を省略する。
【0014】
本発明の温水の廃熱回収装置は、好ましくは、温水である廃水中に異物が含まれている場合にさらに好適に使用され得る。例えば、本発明の温水の廃熱回収装置は、温水が多量に使用される食器洗浄機に連結されて、食器洗浄機から排出される廃水を活用するために好ましく使用され得る。食器洗浄機は、一般的に洗浄効率を高めるために温水が使用され、使用された温水がそのまま捨てられる。本発明の温水の廃熱回収装置は、二重管状の熱交換ユニットを採用している。温水が流れる廃水管部内に冷水が流れる原水管部が配置され、原水管部は螺旋状(コイル状)に形成され、廃水管部内で回転する際に廃水管部内の異物を排出するようになる。本発明の温水の廃熱回収装置では、複数の熱交換ユニットを並べて配置して熱交換効率を最大化しながら装置をコンパクト化する。各熱交換ユニットは、廃水管部と原水管部とを含む。特に、本発明の温水の廃熱回収装置は、螺旋状の原水管部が螺旋状翼の間に対峙して原水管部の管が廃水管部の内壁に接触しないようにする。したがって、原水管部の管を相対的にさらに薄く形成したり、熱伝導率の高い銅などの軟質材質で形成したりすることができる。
【0015】
図1は、本発明の好ましい実施形態に係る廃熱回収装置を示す図である。
図2は、
図1の温水の廃熱回収装置の断面図である。
図3は、
図1の温水の廃熱回収装置に用いられる熱交換ユニットを示す図である。
図4は、
図3の熱交換ユニットに含まれる原水管部を示す図である。
図5は、
図4の原水管部の断面図である。参考までに、
図1では、説明と理解の便宜上、ケースCの一部を開いて内部の構成要素を外に取り出して示しているが、実際の製品では、ケースC内に構成要素が位置してケースCは閉鎖されたボックスの形をしている。また、
図3において、熱交換ユニットNでは、廃水管部11を透明に示して内部が見えるようにした。
【0016】
図面を参照して、本発明の好ましい実施形態に係る温水の廃熱回収装置は、ケースCを含み、構成要素がケースC内に配置され得る。ケースCは、縦置き、横置きどちらでも使用可能である。
【0017】
本発明の好ましい実施形態に係る温水の廃熱回収装置は、廃水管部11と原水管部13とを備えるN個の熱交換ユニットN1、N2を含み、ここで、Nは1以上であってもよい。図示した好ましい実施形態では、2つの熱交換ユニットN1、N2を含んでいるが、本発明の廃熱回収装置はこれに限定されず、1つ以上の複数の熱交換ユニットを含んでいてもよい。熱交換ユニットN1、N2を互いに連結し、ケースC内で曲げられた経路で配置することにより空間効率性を持たせることができる。
【0018】
図1及び
図2に示すように、温水である廃水は、熱交換ユニットN1側に配置された廃水流入口711に流入し、熱交換ユニットN1、N2を通過した後、熱交換ユニットN2側に配置された廃水排出口731に排出され得る。逆に、冷水である原水は、熱交換ユニットN2側に配置された原水流入口911に流入し、熱交換ユニットN1側に配置された原水排出口931に排出され得る。このように、廃水と原水が熱交換ユニットN1、N2を互いに逆方向に通過しながら熱交換を行うことができる。
【0019】
各熱交換ユニットN1、N2は、円筒状の廃水管部11と、廃水管部11の長手方向に挿入された原水管部13とを含む。廃水管部11は、円筒状を有し、その内部に原水管部13が挿入される。
【0020】
上述したように、原水管部13と廃水管部11にはそれぞれ原水と廃水が流れる。例えば、廃水は、食器洗浄機で使用されて排出される温水であってもよく、原水は、食器洗浄機で使用されるための地下水または水道水である冷水であってもよい。
【0021】
好ましくは、各熱交換ユニットN1、N2に含まれる原水管部13は、廃水管部11内に位置する部分の一部または全部が螺旋状に巻かれた原水水管131を含む。冷水がこのような螺旋状の原水管131内を通過することにより、熱交換ユニットN1、N2内で廃水と原水の接触面積が増加し、熱交換効率が向上する。
【0022】
本発明の好ましい実施形態に係る温水の廃熱回収装置では、原水管131が廃水管部11の管内壁と接触することを抑制することにより、管の摩耗損傷、特に原水管(131)の摩耗損傷を抑制する。原水管131では、熱交換効率を十分に高めるために、肉厚(管の厚さ)を薄くすることができるが、本発明の温水の廃熱回収装置では、原水管131が回転しながら廃水管部11の管内壁に接触してしまうと、摩耗損傷が発生する恐れがある。
【0023】
このような原水管131の摩耗損傷を抑制するために、本発明では、下記のような原水管部13の構成を採用している。
【0024】
本発明の温水の廃熱回収装置に用いられる原水管部13は、回転軸133と、回転軸133に巻かれた螺旋状原水管131とを含む。好ましくは、原水管部13は、回転軸133に取り付けられて形成された螺旋状翼135を含む。螺旋状翼135は、回転軸133が回転するとき、廃水管部11の管内の異物を排出する。回転軸133の周りに螺旋状に巻かれて配置される原水管131は、螺旋状翼135の間に配置される。さらに、好ましくは、原水管131の直径を、回転軸133の表面からの螺旋状翼135の高さよりも小さくして、いかなる場合にも原水管131が廃水管部11の管内壁に接触しないようにすることが良い。すなわち、原水管131を、回転軸133の周面から螺旋状翼135の高さ方向において螺旋状翼135の上端よりも下方に配置して、回転時に廃水管部11の管内壁に接触しないようにする。
【0025】
さらに、回転軸133は3つの部分から構成されていてもよい。例えば、回転軸133は、両端には管部分1331を有し、管部分1331の間には棒部分1335を有する。管部分1331と棒部分1335とは連結されて全体として一つの直線棒状を呈する。
【0026】
両端の管部分1331では、液体が流れることができるように、原水管131の両端が連結されている。したがって、回転軸133の管部分1331は、原水流入口911、原水排出口931、または原水管コネクターの連結部分となっている。これにより、管が回転する熱交換ユニットN1、N2の構成をシンプルにすることができる。
【0027】
好ましくは、本発明の好ましい実施形態に係る温水の廃熱回収装置は、原水管部13を回転させるための回転駆動部30を含む。回転駆動部30が、螺旋状翼135を有する原水管部13を回転させることにより、廃水管部11内の廃水に含まれた異物を熱交換ユニットN1、N2の外部に円滑に排出することができる。
【0028】
異物排出のために、回転駆動部30は、原水管部13を螺旋方向と逆方向に回転させるように設けられてもよい。この場合、好ましくは、廃水の流れが螺旋方向と同一であってもよく、原水管部13が回転することにより、管内に堆積した異物が廃水の流れに沿って容易に排出される。さらに、上述したように、好ましくは、廃水と原水の流れが逆方向であってもよい。
【0029】
図示した好ましい実施形態に係る温水の廃熱回収装置は、一つ以上の熱交換ユニットN1、N2を含んでいてもよい。複数の熱交換ユニットN1、N2が備えられる場合、それらの間に配置された第1カップリング部材51によって直列に連結される。ここで、熱交換ユニットN1、N2が直列に連結されているということは、次に連結された熱交換ユニットにおいて、廃水及び原水の流れ方向が変わらずに流れ続けるということを意味する。図示した本発明の好ましい実施形態は、事実上直線の熱交換ユニットN1、N2を折り畳んだ形態であり、このような構成によって装置の大きさをコンパクトにすることができるだけでなく、原水管部13を回転させるための回転駆動部30の構成要素の配置を容易にする。
【0030】
図示の例において、本発明の廃熱回収装置では、複数個の熱交換ユニットN1、N2が並べて配置されている。このような並列配置は、直列連結を維持しながら原水管部13の各々を回転させるための、モータ31及びギアセット33を含む回転駆動部30を示す好ましい実施形態のように、相対的にシンプルに構成されていてもよい。例えば、回転駆動部30は、廃水管部11の一側の外部に露出した原水管部13部分に回転力を加えるように設けられてもよい。さらに、並列配置の場合、前述のように、全体装置をコンパクトに構成でき、通常はスペースが限られているキッチンで適切に使用できる。
【0031】
上述したように、廃水と原水は、熱交換ユニットN1、N2内で互いに逆方向に流れていてもよい。熱交換ユニットN1、N2を並列配置するために、図示した好ましい実施形態に係る廃熱回収装置は、第1及び第2カップリング部材51、53を含んでいてもよい。
【0032】
第1及び第2カップリング部材51、53は、熱交換ユニットN1、N2の間に配置されて熱交換ユニットN1、N2を連結する。第1カップリング部材51は、隣接する熱交換ユニットの廃水管部11を連結して廃水を連通させ、第二カップリング部材53は、原水管部13同士を連結して原水を連通させる。
【0033】
また、第1熱交換ユニットN1と最後の熱交換ユニットN2の開放端部には、それぞれ廃水流入口711または廃水排出口73が設けられ、原水管部13の端部を外部に露出させる第1及び第2ソケット71、73が配置されてもよい。
【0034】
第1ソケット71の外部に露出した原水管部13に原水排出口931が配置され、第2ソケット73の外部に露出した原水管部13に原水流入口911が配置されてもよい。
【0035】
第1及び第2ソケット71、73の外部に露出した原水管部13の部分は回転しないことがあるため、第1及び第2ソケット71、73は、露出した非回転部分と回転部分とを連結するための一つ以上の回転カプラ713、733を含んでいてもよい。
【0036】
第2カップリング部材53は、原水管部13同士を連結し、各原水管部13が回転可能となるように回転カプラ531、533を備える。
【0037】
回転駆動部30は、モータ31と、モータ31の動力を伝達して原水管部13を回転させるように設けられるギアセット33とを含んでいてもよい。
【0038】
ギアセット33は、モータ31の軸に設けられる駆動ギアと、駆動ギアの動力の伝達を受けて原水管部13を回転させる従動ギア群とを含む。
【0039】
上述したように、隣接する熱交換ユニットN1、N2の原水管部13は螺旋方向が互いに逆方向になっており、上述したギアセット33が原水管部13を同方向に回転させることにより、熱交換ユニットN1、N2が並列配置された状態で廃水の流れ方向に異物を搬送することができる。
【0040】
モータ31の動力を伝達して原水管部13を回転させる動力伝達要素として、上述したギアセット33の他、チェーンやベルト等の他の等価物を採用してもよいことは言うまでもない。
【0041】
本発明の好ましい実施形態に係る廃熱回収装置は、使用後に多量の温水を廃水として廃棄する食器洗浄機に連結されて使用され得る。食器洗浄機から排出される温水は、本発明の廃熱回収装置の廃水流入口711に流入し、熱交換ユニットN1、N2の廃水管部11を順次通過した後、廃水排出口731から排出される。食器洗浄機で使用される原水は、原水流入口911に流入し、熱交換ユニットN1、N2の原水管部13を通過して原水排出口931から排出されるときに加温されて食器洗浄機(図示せず)に直接入るか、ガス温水器やガスブースターなどに送られて目標温度に加熱された後に使われる。
【0042】
このように廃水と原水が熱交換ユニットN1、N2を通過する間、回転駆動部30のモータ31が回転し、ギアセット33がその回転力を原水管部13に伝達して原水管部を回転させる。すなわち、モータ31の軸に設けられた駆動ギアを従動ギア群が伝達されて、廃水管部11の外部に露出した原水管部13を回転させる。原水管部13を螺旋方向と逆方向に回転させることにより、廃水中の汚れや異物を廃水の流れ方向に搬送して廃水と共に排出する。特に、原水管部13の回転軸133に取り付けられた翼135によって異物が円滑に排出されるとともに、翼135によって原水管部13の原水管131が廃水管部11の管内壁と接触しなくなる。廃水管部11の管厚は相対的に厚くてもよいので、原水管部13の螺旋状翼135が接触してもさほど問題にならない。
【0043】
以上のような構成により、温水である廃水と冷水である原水とが十分な時間接触することができ、廃水に含まれた異物が廃水管部11内に堆積することなく円滑に排出することができる。さらに、廃水管部11内で回転する原水管部13は、回転軸133に螺旋状翼135を取り付けて形成され、異物を円滑に排出しながら原水管131が廃水管部11の内壁に接触することを防止することにより、原水管131を相対的に薄く形成し、銅等の熱伝導率の高いつ軟質材質で形成しても、原水管131に摩耗損傷が生じない。
【0044】
以上の本発明の詳細な説明では、具体的な実施形態について説明したが、本発明の範囲から逸脱しない限度内で様々な変形が可能であることは、当該分野で通常の知識を有する者にとって自明である。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明によれば、効率に優れた温水の廃熱回収装置が提供される。温水が流れる廃水管部の管内に、冷水が流れる螺旋状の原水管部を配置することで、熱交換のための接触面積を増やす。さらに、原水管部を回転させることにより、廃水管内の異物を効果的に排出することができるので、食器洗浄機から排出される廃水の熱をリサイクルすることができる。特に、回転軸に螺旋状翼を配置し、その間に螺旋状の原水管を配置して、原水管が廃水管部の内壁に接触しないようにすることにより、原水管の摩耗損傷を防止することができる。これにより、原水管を最大限薄く形成できるようにして、熱交換効率を最大化することができる。
【符号の説明】
【0046】
11 廃水管部
13 原水管部
30 回転駆動部、
31 モータ
33 ギアセット
51 第1カップリング部材
53 第2カップリング部材
71 第1ソケット
73 第2ソケット
131 原水管
133 回転軸
135 螺旋状翼
531、533 回転カプラ
711 廃水流入口
713、733 回転カプラ
731 廃水排出口
911 原水流入口
931 原水排出口
1331 管部分
1335 棒部分
N1、N2 熱交換ユニット
C ケース