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特許7521109データ転送制御情報の拡張バッファリング
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-12
(45)【発行日】2024-07-23
(54)【発明の名称】データ転送制御情報の拡張バッファリング
(51)【国際特許分類】
   H04W 68/00 20090101AFI20240716BHJP
   H04W 76/18 20180101ALI20240716BHJP
   H04W 80/10 20090101ALI20240716BHJP
【FI】
H04W68/00
H04W76/18
H04W80/10
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2023508107
(86)(22)【出願日】2021-07-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-30
(86)【国際出願番号】 EP2021070516
(87)【国際公開番号】W WO2022028905
(87)【国際公開日】2022-02-10
【審査請求日】2023-04-05
(31)【優先権主張番号】2030250-1
(32)【優先日】2020-08-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(73)【特許権者】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パレニウス,トールニー
(72)【発明者】
【氏名】ベルグレン,アンダース
(72)【発明者】
【氏名】ノルド,ラーシュ
【審査官】桑原 聡一
(56)【参考文献】
【文献】Sony,KI #1, Sol #3: Update to remove EN,3GPP TSG SA WG2 #139e S2-2003675,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_sa/WG2_Arch/TSGS2_139e_Electronic/Docs/S2-2003675.zip>,2020年06月01日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24-7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信ネットワーク(99、100、100-1、100-2)のページング制御ノードを動作させる方法であって、
-無線通信デバイス(101)に対するデータ転送を検出すると、前記無線通信デバイス(101)をページングするためのページング手順をトリガするステップ(3110)と、
-前記無線通信デバイス(101)から、前記無線通信デバイス(101)が一時的にビジーであることを示す応答メッセージ(4030)を受信するステップ(3115)と、
-前記無線通信デバイス(101)が前記データ転送に関与することができないことを示すインジケータを、前記データ転送に関連付けられたセッション制御ノードに提供するステップ(3120)とを含み、それにより、前記データ転送に関連付けられたデータ転送制御情報(4055)のバッファリングを容易にし、
前記ページング制御ノードはアクセス及びモビリティ管理機能(AMF)であり、
前記データ転送は着信呼であり、
前記データ転送制御情報(4055)は、呼制御情報(4055)である、方法。
【請求項2】
-前記応答メッセージ(4030)の受信に応答して、前記ページング手順のエスカレーションを中断し、及び/又は前記無線通信デバイス(101)のためにスケジュールされている1つ又は複数のさらなるデータ転送に関連付けられた1つ又は複数のさらなるページング手順をブロックするステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記応答メッセージ(4030)は、前記無線通信デバイス(101)が前記データ転送に関与することができない予測持続時間を示すインジケータを含み、
前記方法は、
-前記予測持続時間を前記セッション制御ノードに示すステップをさらに含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記無線通信デバイス(101)が前記データ転送に関与することができないことを示す前記インジケータは、前記無線通信デバイス(101)が一時的にビジーであることを示す、請求項1~3のいずれか1つに記載の方法。
【請求項5】
通信ネットワーク(99、100、100-1、100-2)のページング制御ノードであって、制御回路(1312)と、前記通信ネットワーク(99、100、100-1、100-2)の1つ又は複数のノードとインターフェースするインターフェース(1315)とを含み、前記制御回路(1312)は、
-無線通信デバイス(101)に対するデータ転送を検出すると、前記無線通信デバイス(101)をページングするためのページング手順をトリガし、
-前記無線通信デバイス(101)から、前記インターフェース(1315)を介して、前記無線通信デバイス(101)が一時的にビジーであることを示す応答メッセージ(4030)を受信し、
-前記インターフェース(1315)を介して、前記無線通信デバイス(101)が前記データ転送に関与することができないことを示すインジケータを、前記データ転送に関連付けられたセッション制御ノードに提供し、それにより、前記データ転送に関連付けられたデータ転送制御情報(4055)のバッファリングを容易に
前記ページング制御ノードはアクセス及びモビリティ管理機能(AMF)であり、
前記データ転送は着信呼であり、
前記データ転送制御情報(4055)は、呼制御情報(4055)である、ページング制御ノード。
【請求項6】
前記制御回路(1312)は、請求項1~のいずれか1つに記載の方法を実行する、請求項に記載のページング制御ノード。
【請求項7】
通信ネットワーク(99、100、100-1、100-2)のセッション制御ノードを動作させる方法であって、
-無線通信に対するデータ転送を検出すると、ページング制御ノード(112、131)から、無線通信デバイス(101)が一時的にビジーであることを示すインジケータを取得するステップと、
-前記無線通信デバイス(101)が一時的にビジーであるという前記インジケータを取得したことに応答して、前記データ転送のデータ転送制御情報(4055)をバッファリングするステップと、
-バッファリングする前記ステップの完了時に、前記データ転送制御情報(4055)の前記無線通信デバイス(101)への提供を容易にするステップとを含み、
前記ページング制御ノードはアクセス及びモビリティ管理機能(AMF)であり、
前記データ転送は着信呼であり、
前記データ転送制御情報(4055)は、呼制御情報(4055)である、方法
【請求項8】
前記ページング制御ノード(112、131)から、前記無線通信デバイス(101)が前記データ転送に関与することができない予測持続時間を示すインジケータを取得することをさらに含む、請求項に記載の方法。
【請求項9】
-前記データ転送制御情報(4055)をバッファリングされていたものとしてラベル付けするステップをさらに含む、請求項7又は8に記載の方法。
【請求項10】
-前記データ転送制御情報(4055)をバッファリングしながら、破棄イベントを監視するステップと、
-監視する前記ステップに基づいて前記破棄イベントを検出すると、前記データ転送制御情報(4055)を破棄するステップとをさらに含む、請求項のいずれか1つに記載の方法。
【請求項11】
前記破棄イベントは、前記無線通信デバイス(101)からトリガを受信しない応答タイムアウト、又は着信呼の発信元から受信した解除指示の少なくとも一方である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記データ転送制御情報(4055)は、前記無線通信デバイス(101)からのそれぞれの要求に応じて前記無線通信デバイス(101)に提供される、請求項11のいずれか1つに記載の方法。
【請求項13】
通信ネットワーク(99、100、100-1、100-2)のセッション制御ノードであって、制御回路(1212)と、前記通信ネットワーク(99、100、100-1、100-2)の1つ又は複数のノードとインターフェースするインターフェース(1215)とを含み、前記制御回路(1212)は、
-無線通信デバイス(101)に対するデータ転送を検出すると、ページング制御ノード(112、131)から、前記インターフェース(1215)を介して、前記無線通信デバイス(101)が一時的にビジーであることを示すインジケータを取得し、
-前記無線通信デバイス(101)が一時的にビジーであるという前記インジケータを取得したことに応答して、前記データ転送のデータ転送制御情報(4055)をバッファリングし、
-前記バッファリングの完了時に、前記インターフェース(1215)を介して、前記データ転送制御情報(4055)を前記無線通信デバイス(101)に提供することを容易にし、
前記ページング制御ノードはアクセス及びモビリティ管理機能(AMF)であり、
前記データ転送は着信呼であり、
前記データ転送制御情報(4055)は、呼制御情報(4055)である、セッション制御ノー
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の様々な例は、一般に、無線通信デバイスのページング手順に関し、ページングメッセージの受信に応答して、無線通信デバイスによって応答メッセージが送信され、応答メッセージは、無線通信デバイスが着信データ転送に一時的に応答することができないことを示す。本開示の様々な例は、一般に、ビジーイベントが解消されるまで、データ転送に関連付けられたデータ転送制御情報をバッファリングすることに関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信デバイス(ユーザ機器、UEと呼ばれることもある)を使用する移動体通信が普及している。UEの電力消費を低減するために、UEは、1つ又は複数のデータ転送に参加することができる接続モードから、データ転送が少なくとも一時的に延期される切断モードに遷移することができる。切断モードの例には、第3世代パートナーシップ(3GPP(登録商標))新無線(NR)無線リソース制御(RRC)アイドルモード及びRRC非アクティブモードが含まれる。切断モードの様々な実装形態が公知であるが、一般に、切断モードから接続モードへの再遷移は、ページング手順によってトリガすることができる。ここでは、1つ又は複数のページング信号が、ページング時点(occasion)(PO)においてUEへ送信される。これは、例えばランダムアクセス手順を実装することによって、切断モードから接続モードへの再遷移をトリガする。
【0003】
1つ又は複数のページング信号の受信に応答して切断モードから接続モードへの再遷移をこのようにトリガすることは、柔軟性及び電力消費の点で非効率的であり得ることが観察されている。この問題に対処するために、UEは一時的にビジーであることをシグナリングすることができることが公知である(国際公開第2020/076460号明細書)。次いで、ページング手順を停止することができ、さらなるデータをUEに送信することができなくなる。
【0004】
そのようなビジー指示でさえ柔軟性が制限され、電力消費に関して非効率的であるシナリオが発生する可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】国際公開第2020/076460号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、無線通信デバイスに向けられた着信データ転送を処理する高度な技術が必要とされている。関連付けられたページング手順を実装する高度な技術が必要とされている。特に、上記の制限又は欠点の少なくともいくつかを克服又は緩和する技術が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この必要性は、独立請求項の特徴によって満たされる。従属請求項の特徴は、実施形態を定義する。
【0008】
UEを動作させる方法が提供される。本方法は、ページングメッセージを受信するステップを含む。ページングメッセージは、データ転送を示す。ページングメッセージは通信ネットワークから受信される。本方法はまた、例えば少なくとも1つのビジーイベントを検出したときに、応答メッセージを通信ネットワークに送信するステップを含む。応答メッセージは、無線通信デバイスが一時的にビジーであることを示す。
【0009】
一時的にビジーである無線通信デバイスは、データ転送に一時的に関与することができない無線通信デバイスに対応することができる。
【0010】
データ転送は、無線通信デバイスに向けることができる。すなわちデータ転送の意図された受信者又は端末ノードは、無線通信デバイス又は無線通信デバイスに関連付けられた加入者であり得る。
【0011】
例えば、データ転送は着信中にある可能性がある。ここで、一時的にビジーである無線通信デバイスは、着信呼に一時的に応答することができない無線通信デバイスに対応することができる。
【0012】
応答メッセージは、ページングメッセージに関連付けることができる。これは、応答メッセージが、ページングメッセージによって示される時間周波数リソースグリッドのリソースで送信されることを意味することができる。応答メッセージは、ページングメッセージへのポインタを含むことができる。
【0013】
ページングメッセージは、通信ネットワークに対して切断モード、例えば、非アクティブモード又はアイドルモードで動作している間に受信することができる。
【0014】
例えば、応答メッセージは、無線通信デバイスがビジーである予測持続時間を示すインジケータを含むことができる。
【0015】
コンピュータプログラム又はコンピュータプログラム製品又はコンピュータ可読記憶媒体は、プログラムコードを含む。プログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサによって実行することができる。プログラムコードを実行することにより、少なくとも1つのプロセッサは、UEを動作させる方法を実施する。本方法は、通信ネットワークに対して切断モードで動作している間にページングメッセージを受信するステップを含む。ページングメッセージは、データ転送を示す。ページングメッセージは通信ネットワークから受信される。本方法はまた、少なくとも1つのビジーイベントを検出したときに、ページングメッセージに関連付けられた応答メッセージを通信ネットワークに送信するステップを含む。応答メッセージは、無線通信デバイスが一時的にビジーであることを示す。
【0016】
無線通信デバイスは制御回路を含む。制御回路は、通信ネットワークからページングメッセージを受信するように構成される。ページングメッセージは、データ転送を示す。制御回路は、少なくとも1つのビジーイベントを検出すると、ページングメッセージに関連付けられた応答メッセージを通信ネットワークに送信するようにさらに構成される。応答メッセージは、無線通信デバイスが一時的にビジーであることを示す。
【0017】
通信ネットワークのページング制御ノードを動作させる方法が提供される。本方法は、無線通信デバイスに対するデータ転送を検出すると、その無線通信デバイスをページングするためのページング手順をトリガするステップを含む。本方法はまた、無線通信デバイスから、応答メッセージを受信するステップを含む。応答メッセージは、無線通信デバイスが一時的にビジーであることを示す。本方法はまた、無線通信デバイスがセッション制御ノードへのデータ転送に関与することができないことを示すインジケータを提供するステップを含む。セッション制御ノードは、データ転送に関連付けられる。これにより、データ転送に関連付けられたデータ転送制御情報のバッファリングを容易に行うことができる。
【0018】
例えば、無線通信デバイスがデータ転送に関与することができないことを示すインジケータは、無線通信デバイスがビジーであることを示すことができる。無線通信デバイスがデータ転送に関与することができないことを示すインジケータが、無線通信デバイスが到達不能及び/若しくは応答不能であること、並びに/又はページング手順が失敗したことを示すことも可能である。
【0019】
無線通信デバイスが関与することができないことを示すインジケータは、推定持続時間のインジケータを含むことができる。この推定持続時間は、UEがデータ転送に関与することができないであろう時間の長さを示すことができる。
【0020】
データ転送を検出することは、データ転送に関連付けられたセッション制御ノードからページング要求を受信することを含むことができる。
【0021】
コンピュータプログラム又はコンピュータプログラム製品又はコンピュータ可読記憶媒体は、プログラムコードを含む。プログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサによってロード及び実行することができる。プログラムコードを実行すると、少なくとも1つのプロセッサは、通信ネットワークのページング制御ノードを動作させる方法を実施する。本方法は、無線通信デバイスに対するデータ転送を検出すると、その無線通信デバイスをページングするためのページング手順をトリガするステップを含む。本方法はまた、無線通信デバイスから、応答メッセージを受信するステップを含む。応答メッセージは、無線通信デバイスが一時的にビジーであることを示す。本方法はまた、無線通信デバイスがセッション制御ノードへのデータ転送に関与することができないことを示すインジケータを提供するステップを含む。セッション制御ノードは、データ転送に関連付けられる。これにより、データ転送に関連付けられたデータ転送制御情報のバッファリングを容易に行うことができる。
【0022】
通信ネットワークのページング制御ノードは制御回路を含む。制御回路は、無線通信デバイスに対するデータ転送を検出すると、その無線通信デバイスをページングするためのページング手順をトリガするように構成される。本方法はまた、無線通信デバイスから、応答メッセージを受信することを含む。応答メッセージは、ページングメッセージに関連付けることができる。応答メッセージは、無線通信デバイスが一時的にビジーであることを示す。本方法はまた、無線通信デバイスがセッション制御ノードへのデータ転送に関与することができないことを示すインジケータを提供するステップを含む。セッション制御ノードは、データ転送に関連付けられる。これにより、データ転送に関連付けられたデータ転送制御情報のバッファリングを容易に行う。
【0023】
通信ネットワークのセッション制御ノードを動作させる方法が提供される。本方法は、無線通信デバイスに対する着信データ転送を検出すると、その無線通信デバイスがデータ転送に一時的に関与することができないと決定するステップを含む。次いで、無線通信デバイスが着信データ転送に一時的に関与することができないと決定したことに応答して、データ転送のデータ転送制御情報をバッファリングすることができる。次いで、前記バッファリングが完了するときに、データ転送制御情報を無線通信デバイスに提供することを容易にすることが可能である。
【0024】
例えば、無線通信デバイスがデータ転送に一時的に関与することができないと決定する前記ステップは、ページング制御ノードから、無線通信デバイスが一時的にビジーであることを示すインジケータを取得することを含むことができる。
【0025】
コンピュータプログラム又はコンピュータプログラム製品又はコンピュータ可読記憶媒体は、プログラムコードを含む。プログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサによって実行することができる。プログラムコードを実行すると、少なくとも1つのプロセッサは、通信ネットワークのセッション制御ノードを動作させる方法を実施する。本方法は、無線通信デバイスに対する着信データ転送を検出すると、その無線通信デバイスがデータ転送に一時的に関与することができないと決定するステップを含む。次いで、無線通信デバイスが着信データ転送に一時的に関与することができないと決定したことに応答して、データ転送のデータ転送制御情報をバッファリングすることができる。次いで、前記バッファリングが完了するときに、データ転送制御情報を無線通信デバイスに提供することを容易にすることが可能である。
【0026】
セッション制御ノードは制御回路を含む。制御回路は、無線通信デバイスに対するデータ転送を検出すると、その無線通信デバイスがデータ転送に一時的に関与することができないと決定するように構成される。次いで、無線通信デバイスがデータ転送に一時的に関与することができないという前記決定に応答して、データ転送のデータ転送制御情報がバッファリングされる。次いで、例えば前記バッファリングが完了するときに、データ転送制御情報を無線通信デバイスに提供することを容易にすることが可能である。
【0027】
上記の特徴及び以下で説明される特徴は、示されたそれぞれの組み合わせだけでなく、本発明の範囲から逸脱することなく他の組み合わせ又は単独で使用することができることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1図1は、様々な例による、UE、セルラネットワーク、及びデータネットワークを含む通信ネットワークを概略的に例示する図である。
図2図2は、様々な例による、複数のセルラネットワークに関連付けられたマルチSIMデバイスの複数の加入者識別情報を概略的に例示する図である。
図3図3は、様々な例によるUEの複数の動作モードを例示する図である。
図4図4は、様々な例によるセルラネットワークのセッション制御ノードを概略的に例示する図である。
図5図5は、様々な例によるセルラネットワークのページング制御ノードを概略的に例示する図である。
図6図6は、様々な例によるUEを概略的に例示する図である。
図7図7は、様々な例による方法のフローチャートである。
図8図8は、様々な例による方法のフローチャートである。
図9図9は、様々な例による方法のフローチャートである。
図10図10は、様々な例による複数のノード間の通信のシグナリング図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本開示のいくつかの例は、一般に、複数の回路又は他の電気デバイスを提供する。回路及び他の電気デバイス、並びにそれぞれによって提供される機能へのすべての言及は、本明細書に例示及び記載されているもののみを包含することに限定されることを意図するものではない。開示された様々な回路又は他の電気デバイスに特定のラベルを割り当てている場合があるが、そのようなラベルは、回路及び他の電気デバイスの動作の範囲を限定することを意図するものではない。そのような回路及び他の電気デバイスは、所望の特定のタイプの電気的実装形態に基づいて任意の方法で、互いに組み合わせ、及び/又は分離することができる。本明細書に開示された任意の回路又は他の電気デバイスは、本明細書に開示された動作を実施するために互いに協働する任意の数のマイクロコントローラ、グラフィックスプロセッサユニット(GPU)、集積回路、メモリデバイス(例えば、FLASH(登録商標)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、電気的にプログラム可能な読み出し専用メモリ(EPROM)、電気的に消去可能なプログラム可能な読み出し専用メモリ(EEPROM)、又はそれらの他の適切な変形)、及びソフトウェアを含むことができることが認識されたい。さらに、電気デバイスのうちの任意の1つ又は複数は、開示されている任意の数の機能を実施するようにプログラムされた非一時的コンピュータ可読媒体に具現化されたプログラムコードを実行するように構成することができる。
【0030】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。以下の実施形態の説明は、限定的な意味で解釈されるべきではないことを理解されたい。本発明の範囲は、以下に記載される実施形態又は図面によって限定されることを意図するものではなく、これらは例示のみを目的とするものである。
【0031】
図面は概略的な表現と見なされるべきであり、図面に例示された要素は必ずしも縮尺通りに示されていない。むしろ、様々な要素は、それらの機能及び一般目的が当業者に明らかになるように表現されている。機能ブロック、デバイス、構成要素、又は図面に示されているか若しくは本明細書に記載されている他の物理的若しくは機能的ユニット間の任意の接続又は結合も、間接的な接続又は結合によって実装することができる。構成要素間の結合はまた、無線接続を介して確立することができる。機能ブロックは、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又はそれらの組み合わせで実装することができる。
【0032】
様々な例は、通信ネットワークにおける無線通信に関する。通信ネットワークは、UE及びセルラネットワークを含むことができる。通信ネットワークは、1つ又は複数のデータネットワーク、例えば、IPマルチメディアサブシステム(IMS)ネットワークを含むことができる。セルラネットワーク(NW)は、無線アクセスNW(RAN)及びコアNW(CN)を含むことができる。RANは、複数のセルに関連付けられた1つ又は複数の基地局を含むことができる。無線リンクは、無線通信デバイスとRANとの間でデータを符号化する信号を通信するために使用することができる。
【0033】
UEは、接続モード又は切断モードで選択的に動作することができる。これらのモードは、セルラネットワークに関する動作に関連して定義される。モードは、より具体的には、RAN及び任意選択的にCNに関して定義することができる。切断モードは、UEとRANとの間の無線リンク上の通信を低減又はさらには除去し、それによって電力消費を低減する。切断モードから接続モードへの遷移をトリガするために、ページング手順を使用することができる。本明細書に記載された様々な例によれば、ページング手順は、1つ又は複数のページング信号の送信を含むことができる。1つ又は複数のページング信号は、ページング時点(PO)において送信することができる。POは、UEによって実装される不連続受信サイクル(DRX)のON期間と整合させることができる。1つ又は複数のページング信号は、ページングインジケータを含むことができ、ページングインジケータは、典型的には、制御チャネルで送信されてブラインド復号を用いて受信される。1つ又は複数のページング信号は、ページングメッセージを符号化することができ、ページングメッセージは、典型的には、ページングインジケータによって示される時間周波数リソースグリッドの時間周波数リソース上で受信される。ページングメッセージがページング原因を示すことが可能である。ページング原因の値は、ページング手順が通信ネットワークによってトリガされた理由を示すことができる。ページング原因の例は、以下を含むことができる:着信データ転送、例えば、着信呼;測定要求;測位要求;ETWS/CMAS警告などの緊急警告;及び/又はシステム情報など。着信データ転送は、移動体着信(mobile-terminating)(MT)データ転送と呼ばれることがある。
【0034】
本明細書で説明される様々な例は、UEの複数の識別情報を使用して少なくとも1つのセルラNWに接続することができる無線通信デバイスに関する。このようなUEは、マルチSIMデバイスと呼ばれる。本明細書に記載された様々な例によれば、本明細書で使用されるUEの識別情報という用語は、UEに関連付けられた加入者に関連付けられた識別情報、すなわち、加入者識別情報(簡潔にするために、以下、これを単に識別情報と呼ぶ)を指すことができる。これらの識別情報は、UEに割り当てられた一時的な識別情報を含むことができる。例えば、1つ又は複数の識別情報を使用して少なくとも1つのセルラNWに接続することができるそのようなUEは、複数のSIMチップカード又は複数の埋め込みSIMモジュールを備えることができる。以下、複数の識別情報を使用して少なくとも1つのセルラNWに接続することができるそのようなUEを、マルチSIMデバイスと呼ぶことにする。複数の識別情報は、典型的には、それぞれのセルラNW又はセルラNWにおける異なるサブスクリプションに関連付けられる。そのようなサブスクリプションは、一意の識別情報、例えば、国際モバイル加入者識別情報(IMSI)及び一意のサービス契約に関連付けられる。例えば、音声通話、ショートメッセージングサービス、及びパケット化データなどのデータ転送のためのポリシー及び課金及び/又はトラフィックシェーピングは、それぞれのサービスモデルに依存する可能性がある。本明細書に記載の様々な例によれば、マルチSIMデバイスが第1の識別情報を使用して少なくとも1つのセルラNWに接続する場合、それぞれのIPアドレス、一意の移動局国際加入者ディレクトリ番号、及びセルラNWとの一意のデータ接続をプロビジョニングすることができる。次いで、マルチSIMデバイスは、そのセルラNWに対して接続モードで動作する。典型的には、マルチSIMデバイスは、第1の識別情報を使用して接続モードで動作するが、マルチSIMデバイスは、第2の識別情報に関連付けられた同じセルラNW又は別のセルラNWに関して第2の識別情報を使用して切断モードで動作する。これは、特に、デュアル送信及び/又は受信(送信)能力を欠くいわゆるシングル無線マルチSIMデバイスに当てはまる。
【0035】
切断モードのPOは、マルチSIMデバイスのさらなる識別情報の接続モードに関連付けられた不在時間又はページングギャップと整合させることができる。UEが接続モードで動作しているセルラNWに対する不在時間に対応するページングギャップを提供することが可能であり、不在時間の間、UEは、第2の識別情報と関連付けられたセルラNWに関してチャネル測定を行い、且つ/又は第2の識別情報と関連付けられたセルラNWからの1つ若しくは複数のページング信号を監視することができる。本明細書で説明される様々な例によれば、マルチSIMデバイスは、NWの観点から、典型的なシナリオでは2つの独立したUEとして認識されると見なすことができる。
【0036】
本明細書に記載の様々な例によれば、マルチSIMデバイスは、複数の識別情報を使用して同じセルラNW又は複数のセルラNWに接続することができる。例えば、複数のセルラNWに接続するマルチSIMデバイスに関するいくつかのシナリオが本明細書で説明されるものの、本技術は、マルチSIMデバイスが複数の識別情報を使用して1つの同じセルラNWに接続するシナリオにも適用可能であることができる。
【0037】
様々な技術は、UE(例えば、シングルSIM UE又はマルチSIMデバイス)がページングされているとき、UEがそれに応じて切断モードから接続モードに移行することを進んで行うか、又はそれができない様々な理由があり得るという知見に基づいている。UEはビジーであり得る。そのようなビジーイベントのいくつかの例を以下の表1に列挙する。
【0038】
【表1】
【0039】
UEがデータ転送に関与することができないと決定したことに応答して、様々な技術が、ページング手順をトリガしたデータ転送に関連付けられた制御情報(データ転送制御情報)のバッファリングを容易に行う。UEがデータ転送に関与することができない1つの原因は、UEが1つ又は複数のビジーイベントに遭遇していることであり得る。UEは応答不能である可能性がある。
【0040】
本明細書に記載された様々な例によれば、UEがデータ転送に関与することができないことを決定するための様々な選択肢が考えられる。そのような選択肢の例が、表2に提供される。
【0041】
【表2】
【0042】
バッファリングは、通信NWの1つ又は複数のノードで行うことができる。より具体的には、バッファリングは、通信NWのセッション制御ノードで行うことができる。
【0043】
本明細書で説明される様々な例によれば、データ転送制御情報をバッファリングするように構成されたセッション制御ノードは、セルラNWのCNの制御ノードであり得る。また、セッション制御ノードは、セルラNWのCNのデータプレーンゲートウェイによって実装することができる。またさらなる例では、セッション制御ノードは、RANの基地局によって実装することができる。またさらなる例では、セッション制御ノードは、セルラネットワークに接続されたデータネットワークのノード、例えばIMSノードによって実装することができる。
【0044】
データ転送制御情報のバッファリングは、ある持続時間にわたって拡張することができる。例えば、持続時間は、30秒より長く、任意選択的に1分より長く、さらに任意選択的に10分より長くすることができる。バッファリングは、少なくとも1つのビジーイベントが解消されるまで拡張することができる。バッファリングは、破棄タイマが切れるまで拡張することができる。より具体的には、バッファリングは、ページング手順の完了を超えて拡張することができる。したがって、このバッファリングは、ページング手順の完了を超えて拡張されるので、「拡張バッファリング」と呼ぶこともできる。データ転送制御情報のバッファリングが、データ転送に関連付けられた待ち時間を超えて拡張することさえ可能である。例示のために、データ転送は、数秒間(例えば、着信呼の場合のように、着信呼の発信元が電話を切るまで)有効であり得るが、データ転送制御情報は、数分間、又はさらには数十分間バッファリングすることができる。その場合、データ転送制御情報をバッファリングすることで、誰から電話があったかを知ることができる。
【0045】
本明細書で説明される様々な例によれば、バッファリングされるデータ転送制御情報は、データ転送のペイロードデータ、例えばペイロードデータパケットよりもサイズが大幅に小さくなる可能性がある。例えば、データ転送制御情報は、データ転送の1つ又は複数のパラメータを示すことができる。そのようなパラメータにより、UEは、データ転送を再開/開始する状態になる。初期データ転送とは異なるさらなるデータ転送を、例えばUEによってセットアップすることができる。さらなるデータ転送は、初期着信データ転送に関連付けられた情報を搬送することができる。これは、少なくとも1つのビジーイベントが解消された後の時点でデータ転送に関連付けられた情報を配信するのに役立つ。データ転送制御情報の情報内容のいくつかの例を少数挙げると、データ転送の発信元;データ転送の内容、例えば、アプリケーションタイプ、音声通話、ビデオ通話、通話;データ転送の優先度;データ転送の有効期限;データ転送のパケット化データの暗号化に関連付けられた暗号材料、例えば証明書又は暗号鍵材料である。
【0046】
次いで、少なくとも1つのビジーイベントが解消されたときに、データ転送に関連付けられたバッファリングされたデータ転送制御情報をUEに提供することが可能である。これにより、UEは、少なくとも1つのビジーイベントのために、以前は応答することができなかったデータ転送の詳細について通知されることができる。例えば、データ転送が通話(例えば、音声通話又はビデオ通話)である場合、それぞれのデータ転送制御情報(この場合、通話制御情報と呼ばれる)は、UEによって、着信呼の発信元への発信呼をトリガするために使用することができる。より一般的に言えば、UEは、データ転送制御情報に基づいて、着信データ転送の発信元に向かうさらなるデータ転送をトリガすることができる。例えば、ページング手順又は着信データ転送の有効性を超えても、データ転送制御情報のバッファリングを拡張することが有用であるのは、このためである。
【0047】
上述した技術は、以下の例を使用して、特に着信データ転送が着信呼によって実装されるシナリオについて例示されている:最初に、着信呼を示し、通信NWから受信されたページングメッセージによってトリガされることで、UEはページングメッセージに応答する応答メッセージを送信することができる。応答メッセージを、セルラ通信NWのコアNWのノードに送信することができる。少なくとも1つのビジーイベントを検出すると、この応答メッセージを送信することができる。応答メッセージは、UEが着信呼に応答するために、より一般的にはデータ転送に関与するために一時的に利用することができないことを示すことができる。例えば、応答メッセージは、ビジーインジケータを含むことができる。応答メッセージは、UEが着信呼に応答することができない予測持続時間を示すインジケータを含むことができる。例えば、UEがマルチSIMデバイスであるシナリオが考えられる。ここで、少なくとも1つのビジーイベントは、UEが、ページングメッセージに関連付けられた識別情報とは異なるさらなる識別情報を使用して、接続モードで動作していることを含むことができる。次いで、応答メッセージは、さらなる識別情報を使用して、UEがビジーである時間の長さの推定を示すことができる。一般的に言えば、応答メッセージは、UEが着信呼に応答するために一時的に利用することができないことを示すので、UEがページングメッセージ、より具体的には着信呼に対する応答動作を後の時間又は後の段階で行う可能性があることを通信NWに示すことができる。応答メッセージが、UEが着信呼に応答することができない予測持続時間を示すシナリオでは、そのような時間を、例えば、UEにおける設定に基づいて推定することが可能である。例えば、事前定義されたルックアップテーブルに依存してもよく、ルックアップテーブルは、例えば、ビジーイベントのタイプ、さらなる識別情報を使用する接続モードによってサポートされるデータ転送に関連付けられたアプリケーションのタイプに基づく、データ転送の残り持続時間のリアルタイム推定値に基づく(例えば、転送されるパケット化データの残りのサイズに基づく)、又はさらには、ユーザが、例えばダイアログウィンドウから分単位で表される特定の持続時間を選択することができるユーザクエリに基づいたリアルタイムのユーザ対話に基づく予測時間のそれぞれの値を含む。次いで、応答メッセージを受信するノードは、ビジーであるためにそのUEに到達不能であったことを記録することができる。応答メッセージを受信するノードは、無線通信デバイスが再び「ノンビジー」又は到達可能になる推定時間を記録することができる。応答メッセージを受信するノードは、この情報を別のノード、例えばセッション制御ノード又はIMS NW内のノード、例えば着信呼のセッション制御ノードにフォワードすることが可能である。UEが着信呼に応答するために一時的に利用することができないことを示す応答メッセージに基づいて、ここでは呼制御情報によって実装されるデータ転送制御情報の拡張バッファリングを実装することが可能である。例示のために、そのような拡張バッファリングは、特定のタイプのデータ転送にのみ適用可能であり得る。例えば、音声通話又はビデオ通話のための拡張バッファリングが選択的にアクティブ化されることが考えられる。拡張バッファリングを選択的にアクティブ化するための決定基準は、データ転送のタイプ(例えば、拡張バッファリングは、通話のためにのみアクティブ化され得るが、他のタイプのデータ転送のためにはアクティブ化されない)、加入者に関連付けられたポリシー、例えば加入者レベル、加入者に関連付けられた事前定義された設定などを含むことができる。例えば、データ転送は着信呼に対応することができる。着信呼は、セッション開始プロトコル(SIP)に従って実装することができる。SIPは、例えば、RosenbergらによるThe Internet Society,Request for Comments:3261(2002)に記載されている。そのようなシナリオでは、通話の発信元から受信した招待メッセージを呼制御情報としてバッファリングすることができる。SIP招待メッセージから情報、例えば、着信呼の発信元のアドレスを抽出することも可能である。例えば、SIP招待メッセージがバッファリングされるシナリオでは、SIP招待メッセージをバッファリングされていたものとしてラベル付けすることが可能である。例えば、それぞれのインジケータを、SIP招待メッセージのヘッダに組み込むことができる。SIP招待メッセージにリンクされた別個のインジケータを提供することも可能である。同様の説明は、他のタイプのバッファリングされた呼制御情報にも適用される。一般に、バッファリングされていたデータ転送制御情報を示すそのようなラベルは、データ転送制御情報に含まれても、別個に提供されてもよい。UEが再び利用可能になる、すなわち、UEが着信呼に直接応答するのを以前妨げていたすべてのビジーイベントが解消されると、UEは、通信NWにバッファリングされた呼制御情報を要求することができる。それぞれの要求メッセージを送信することができる。これは、サービス要求メッセージであり得る。要求メッセージは、以前に送信され、UEが着信呼に応答するために一時的に利用することができないことを示す応答メッセージを参照することができる。要求メッセージはまた、着信呼、又はより一般的には、移動体着信データを直接参照することもできる。例えば、要求メッセージは、通信NWにおける移動体着信データの拡張バッファを参照することができる。これにより、通信NWに、UEが呼制御情報を受信する準備ができたことが通知される。
【0048】
この要求メッセージに基づいて、呼制御情報をバッファリングしている通信NWにおける特定のノードに、UEが現在接続モードで動作しており、データを受信することができることが通知される。次いで、バッファリングされた呼制御情報がUEに提供される。これは、バッファリングされていた呼制御情報のラベルと共に提供することができる。UEは、呼制御情報を受信し、呼制御情報が拡張された持続時間にわたってバッファリングされていたと決定すると、着信呼に直接応答しない。例えば、発信者の識別情報を確認することが可能である。例えば、呼制御情報がSIP招待メッセージによって実装されるシナリオでは、UEは、そのSIP招待メッセージに直接応答することを控えることができる。むしろ、UEは、任意選択的に、呼制御情報に基づいて着信呼の発信元への発信呼をトリガすることができる。発信呼をトリガするかしないかの1つ又は複数の決定基準が考えられる。決定基準の例には、例えば呼制御情報がバッファリングされていた持続時間、又はユーザクエリ(例えば、UEのユーザとの手動対話)が含まれる。例えば、それぞれのユーザインターフェースを介してユーザを促して、ユーザが発信呼を行いたいかを示させるようにすることができる。
【0049】
上記では、着信呼によって実装されるデータ転送の文脈においてシナリオが説明された。上述した概念は、UEに向けられた他の種類及びタイプの着信データ転送に容易に適用することができる。
【0050】
図1は、UE101、セルラNW100、及びデータネットワーク(DN)180、例えばIMS NWを含む通信NW99を概略的に例示する。図1の例は、3GPP 5GアーキテクチャによるセルラNW100を例示する。3GPP 5Gアーキテクチャの詳細は、3GPP TS 23.501、バージョン15.3.0(2017-09)に記載されている。図1及び以下の説明のさらなる部分は、セルラNWの3GPP 5Gフレームワークにおける技術を例示しているが、同様の技術を他の通信プロトコルに容易に適用することができる。例には、例えばMTC又はNB-IOTフレームワークにおける3GPP LTE 4G、さらには例えばIEEE Wi-Fi技術などの非セルラ無線システムが含まれる。
【0051】
図1のシナリオでは、UE101はセルラNW100に接続可能である。例えば、UE101は、携帯電話、スマートフォン、IOTデバイス、MTCデバイス、センサ、アクチュエータなどのうちの1つであり得る。
【0052】
UE101はマルチSIMデバイス101であり、UE101は、2つの識別情報451、452を使用して、1つ又は複数のセルラNWに接続することができる(図1には、単一のセルラNWのみを例示する)。識別情報451、452は、静的(例えば、SUPI/IMSI)であっても、一時的(例えば、一時的モバイル識別子(Temporary Mobile Identity)(TMSI))であってもよい。複数の識別情報451、452の各々は、USIMなどのそれぞれのSIMによって実装することができる。
【0053】
UE101は、典型的には1つ又は複数のBS112(簡略化のために、図1には単一のBS112のみを例示する)によって形成されるRAN111を介してセルラNW100のCN115に接続可能である。無線リンク114は、RAN111、具体的には、RAN111のBS112のうちの1つ又は複数とUE101との間で確立される。無線リンク114は、データを無線で搬送するための1つ又は複数の空間ストリームを含むことができる。無線リンク114は、無線チャネルとラベル付けすることもできる。
【0054】
無線(wireless)リンク114(又は無線(radio)リンク)は、時間周波数リソースグリッドを実装する。典型的には、直交周波数分割多重(OFDM)が使用され、ここで、キャリアは複数のサブキャリアを含む。次いで、(周波数領域の)サブキャリア及び(時間領域の)シンボルは、時間周波数リソースグリッドの時間周波数リソース要素を定義する。それにより、プロトコル時間ベースは、例えば、複数のシンボルを含むフレーム及びサブフレームの持続時間、並びにフレーム及びサブフレームの開始位置及び停止位置によって定義される。無線リンク114の異なる論理チャネル又は基準信号には、異なる時間周波数リソース要素を割り当てることができる。例に、物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)、物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)、物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)、ランダムアクセス用チャネルなどが含まれる。
【0055】
UE101がその複数の識別情報451、452を使用して接続するセルラNWの無線リンク114は、例えば、異なる周波数、異なる変調及び/又は符号化などを使用するなど、互いに異なる可能性がある。複数のNWの無線リンク114の搬送波周波数間に周波数オフセットが存在する可能性がある。
【0056】
CN115は、ユーザプレーン(UP)191(データプレーン、DPと呼ばれることも多い)及び制御プレーン(CP)192を含む。データ転送のアプリケーションデータは、典型的には、UP191を介してルーティングされる。データ転送は、ペイロードデータの送信に関連付けることができる。例えば、これは、別のアプリケーションの通話又はペイロードデータであり得る。データ転送は、発信元によって特徴付けることができる。データ転送は、例えば、それぞれのデータパケットのヘッダで識別される2つの端末ノード間で行うことができる。データ転送は、複数のデータパケットを含むことができる。データ転送は、専用ベアラに関連付けることができる。このために、UP機能ノード(UPF)121が設けられている。UPF121は、ルータ機能を実装することができる。UPF121は、ゲートウェイノードを実装する。アプリケーションデータは、1つ又は複数のUPF121を通過することができる。図1のシナリオでは、UPF121は、データNW180、例えば、インターネット若しくはローカルエリアNW又はIMS NWに対してゲートウェイとして機能する。データ転送のアプリケーションデータは、UE101とデータNW180上の1つ又は複数のサーバとの間で通信可能である。
【0057】
セルラNW100はまた、ここではアクセス及びモビリティ管理機能(AMF)131及びセッション管理機能(SMF)132によって実装されるモビリティ制御ノードを含む。
【0058】
セルラNW100はポリシー制御機能(PCF)133と、アプリケーション機能(AF)134と、NWスライス選択機能(NSSF)134と、認証サーバ機能(AUSF)136と、統合データ管理(UDM)137とをさらに含む。図1には、これらのノード間のプロトコル基準点N1~N22も例示されている。
【0059】
AMF131は、以下の機能:登録管理と呼ばれることもある接続管理、CN115とUE101との間の通信のためのNAS着信、接続管理、到達可能性管理、モビリティ管理、接続認証、及び接続許可のうちの1つ又は複数を提供する。例えば、AMF131は、それぞれのUE101が切断モードで動作している場合、UE101のCN開始ページングを制御する。したがって、AMF131はページング制御ノードを実装する。ページング制御ノードは、UE101のページング手順を制御及びトリガすることができる。この目的のためのページング制御ノードは、UE101のモビリティを追跡することができる。ページング制御ノードは、UE101とセルラNW100との接続を管理することができる。AMF131は、UE101へのページング信号の送信をトリガすることができ、これはPOと時間整合することができる。NWへのUE登録後、AMF131はUEコンテキスト459を作成し、少なくともUE101がNWに登録されている限り、このUEコンテキストを保持する。UEコンテキスト459は、UE101の1つ又は複数の識別情報、例えば、本明細書で説明されるようなページングに使用される一時的な識別情報を保持することができる。AMF131はまた、以下でさらに説明されるように、一時的な識別情報、TMSI若しくはS-TMSI、又はさらにはページング関連の識別情報をUE101に提供する。UEコンテキストはまた、UEがアタッチしている複数のNWのPO間のタイミングオフセットを保持することができる。UEコンテキストはまた、例えばミリ秒単位で表される、UEをページングするためのタイミングを保持することができる。
【0060】
データ転送をサポートする、すなわち、データ転送のアプリケーションデータを配信するために使用され得るデータ接続189は、それぞれのUE101が接続モードで動作している場合、SMF132によって確立される。したがって、SMF132は、セッション制御ノードを実装することができる。データ接続189は、UDM137によってホストされるUEサブスクリプション情報によって特徴付けられる。UE101の現在のモードを追跡し続けるために、AMF131は、UE101をCM-CONNECTED又はCM-IDLEに設定する。CM-CONNECTEDの間、UE101とAMF131との間で非アクセス層(NAS)接続が維持される。NAS接続は、モビリティ制御接続の一例を実装する。NAS接続は、UE101のページングに応じてセットアップすることができる。
【0061】
SMF132は、以下の機能:RAN111とUPF121との間のUPベアラのベアラセットアップを含むセッション確立、修正、及び解放を含むセッション管理;UPFの選択及び制御;トラフィックステアリングの構成;ローミング機能;NASメッセージの少なくとも一部の着信などのうちの1つ又は複数を提供する。したがって、AMF131及びSMF132はいずれも、移動するUEをサポートするために必要なCPモビリティ管理を実装する。
【0062】
データ接続189は、RAN111及びCN115のUP191を介してDN180に向かってUE101間で確立される。したがって、UPF121などのゲートウェイノードはまた、データ接続189によって搬送されるデータ転送のセッション制御ノードを実装することもできる。例えば、インターネット又は別のDN180との接続を確立することができる。データ接続189を確立するために、すなわちセルラNW100に接続するために、それぞれのUE101は、例えばページング信号の受信に応答してランダムアクセス(RACH)手順を実施することが可能である。データ接続189は、専用ベアラ又はデフォルトベアラなどの1つ又は複数のベアラを含むことができる。データ接続189は、RRCレイヤ、例えば一般にOSIモデルのレイヤ3で定義することができる。
【0063】
図1のシナリオでは、例示されているようなマルチSIMデバイス101であるが、本明細書で説明される様々な例によれば、説明される様々な技術は、シングルSIM UEにも適用可能であることができる。それでもなお、マルチSIMデバイス101に関するさらなる詳細を、図2に関連して説明する。
【0064】
図2は、マルチSIMデバイス101の動作に関する態様を説明する。マルチSIMデバイス101は、2つのセルラNW100-1及び100-2と通信するように構成される。セルラNW100-1及び100-2の各々は、それぞれのRAN111及びそれぞれのコアNW115を含む。マルチSIMデバイス101は、第1の識別情報451を使用してセルラNW100-1と通信し、第2の識別情報452を使用してセルラNW100-2と通信する。
【0065】
シングル無線マルチSIMデバイス101の場合、無線インターフェースは、所与の瞬間にセルラNW100-1及び100-2のRAN111に向かって無線リンクのうちの1つのみで信号を送信及び受信を行うことができる。例えば、セルラNW100-1に対して接続モードで動作しているときに、不在時間として使用されるページングギャップを定義することができ、この場合はセルラNW100-2に対して切断モードで動作しているUE101が、第2の識別情報452に関連付けられ、それぞれの不在時間中にセルラNW100-2のRAN111によって送信されたページング手順のページング信号を監視することを可能にする。これは逆もまた同様である。そのような不在時間はまた、ページングメッセージに応答してメッセージをそれぞれのセルラNWに送信するために使用することもできる。
【0066】
ページングギャップの間、例えば、第2の識別情報452に関連付けられたページング手順のページング信号を監視することに加えて、又はその代わりとして、セルラNW100-2に関してチャネル測定を実施することが可能である。
【0067】
セルラNW100-1に関する不在時間の間、UEは、セルラNW100-1との間で信号を送信及び/又は受信する必要がない可能性がある。
【0068】
接続モード及び切断モードに関する詳細はまた、図3に関連して例示されている。
【0069】
図3は、例えば図1のUE101のようなUEが動作し得る複数のモード301~302に関する態様を概略的に例示する。接続モード301は、例えば、通話などのデータ転送をサポートするために使用される確立されたデータ接続189によって特徴付けられる。データ転送のパケット化データは、例えば、データ接続189の識別子を参照することによって、データ接続189に沿ってルーティングすることができる。ここではアイドルモード302によって実装される切断モード(別の例はRAN111で定義される非アクティブモードであろうの間、データ接続189は確立されない。接続モード301及び/又はアイドルモード302は、DRX動作を含むことができる。データ接続189は、コンテキスト情報によって特徴付けることができる。接続モード301の間、コンテキスト情報は最新の状態に保つことができ、アイドルモード300の間、コンテキスト情報を破棄してもよい。したがって、データ転送のパケットを配信できるようにするために、データ接続189をセットアップする必要がある可能性がある。
【0070】
切断モードから接続モード301への遷移をトリガするために、ランダムアクセス手順を実施することが可能である。ランダムアクセス手順は、移動体発信(mobile originating)(MO)データ又は移動体着信(MT)データなどの様々なトリガイベントによってトリガされ、その後、UEにページングすることによって示すことができる。
【0071】
解放メッセージは、接続済み301から切断モードへの遷移をトリガする。
【0072】
図4は、SMF132に関する態様を概略的に例示する。SMF132は、セッション制御ノードを実装することができる。
【0073】
本明細書で説明される様々な例によれば、データ転送のセッション制御ノードは、データ転送の処理に関与する。これは、データ転送のアプリケーションデータ及び/又はデータ転送の制御メッセージをゲートウェイノードとしてフォワードすること、又はそのようなゲートウェイノードを制御することを含むことができる。
【0074】
SMF132は、制御回路1212及びメモリ1213を含む。制御回路1212は、メモリ1213からプログラムコードをロードすることができる。その後、プログラムコードを制御回路1212によって実行することができる。SMF132はまた、インターフェース1215を含む。SMF132は、インターフェース1215を介して他のノード(図1を参照)と通信することができる。制御回路1212は、プログラムコードを実行すると、本明細書に記載された1つ又は複数の技術、例えば、データ転送の意図された受信者であるUEが、例えば、UEのためのページング手順を実行しているページング制御ノードから受信したそれぞれのインジケータに基づいて、データ転送に一時的に関与することができないことを決定すること;例えば、データ転送に関連付けられたUEがページング制御ノードによってページングされている間、及びページング手順が終了した後に、例えば、UEがデータ転送に一時的に関与することができないという決定に応答して、着信データ転送に関連付けられたデータ転送制御情報をバッファリングすること;前記バッファリングの完了時に、UEへのデータ転送制御情報のプロビジョニングを容易にすること;例えば、それぞれのインジケータをデータ転送制御情報に、例えばそのヘッダに含めることによって、若しくはデータ転送制御情報を参照する別個のインジケータをプロビジョニングすることによって、データ転送制御情報がバッファリングされていたことを示すようにデータ転送制御情報をラベル付けすること;並びに/又は破棄イベントを検出すると、バッファリングされたデータ転送制御情報を破棄することなどを実施することができる。
【0075】
図4は、SMF132がセッション制御ノードの一例であることを例示しているが、図4に関連して説明した態様は、他の種類及びタイプのセッション制御ノードに容易に適用することができる。セッション制御ノードの他の例は、UPF121、基地局112、DN180のノードを含む。
【0076】
SMF132は、セッション制御ノードの一例に過ぎない。セッション制御ノードの他の実装も考えられる。例えば、セッション制御は、IMS NW190のノード、又はセルラNW100、100-1、100-2(図1を参照)に接続された別のデータNWによって実装することができる。したがって、データ転送の経路に沿った異なるノードは、例えば、ユーザプレーン191を通るデータ接続189によって定義されるが、データ転送制御情報のバッファリングを実装することができる。
【0077】
図5は、ここではAMF131によって実装されるページング制御ノードに関する態様を概略的に例示する。AMF131は、制御回路1312及びメモリ1313を含む。制御回路1312は、メモリ1313からプログラムコードをロードすることができる。その後、プログラムコードを制御回路1312によって実行することができる。AMF131はまた、インターフェース1315を含む。AMF131は、インターフェース1315を介して他のノード(図1を参照)と通信することができる。制御回路1312は、プログラムコードを実行すると、本明細書に記載された1つ又は複数の技術、例えば、セッション制御ノードからの配信のためのデータ転送がスケジュールされているという指示の受信に応答して、UEのページング手順をトリガすること;UEがデータ転送に一時的に応答することができないことを示す応答メッセージをUEから受信すること;UEがセッション制御ノードへのデータ転送に一時的に関与することができないことを示すインジケータを提供すること;ページング手順を開始及び中断すること;並びに/又は、例えば、トラッキングエリア若しくはトラッキングエリアのセット若しくは登録エリアを形成する、複数のセル内でページングをエスカレーションすることなどを実施することができる。
【0078】
図5は、ページング制御ノードとしてのAMF131を例示する。他のシナリオでは、他のノードがそれぞれの機能を実装することが可能である。例示のために、3GPP NR RRC非アクティブモードでは、ページング制御ノードを実装する基地局112によってページングを制御することができる。図5に関連して説明された概念及び態様は、他の種類及びタイプのページング制御ノードに容易に適用することができる。
【0079】
図6は、UE101に関する態様を模式的に例示する。UE101は、制御回路1012及びメモリ1013を含む。制御回路1012は、メモリ1013からプログラムコードをロードすることができる。その後、プログラムコードを制御回路1012によって実行することができる。UE101はまた、インターフェース1015を含む。UE101は、インターフェース1015を介して他のノード(図1を参照)と通信可能である。
【0080】
インターフェース1015は、無線リンク114上で基地局112と通信するための無線インターフェースを含むことができる。無線インターフェースは、1つ若しくは複数の送信機チェーン及び/又は1つ若しくは複数の受信機チェーンを含むことができる。例えば、無線インターフェースは、単一の無線機と呼ばれる、単一の送信チェーン及び単一の受信チェーンを含むことができる。インターフェース1015は、複数の識別情報を使用して通信することができ、UE101をマルチSIMデバイスにすることができる。
【0081】
制御回路1012は、プログラムコードを実行すると、本明細書に記載された1つ又は複数の技術、例えば、接続モード(図3を参照:接続モード301)で動作すること;切断モードで動作すること(図3を参照:アイドルモード302);接続モードから切断モードへ、及びその逆に遷移すること;切断モードで動作している間、例えば、ページングインジケータを検出するために物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)をブラインド復号することによって、ページング信号を監視し、ページングインジケータを検出すると、ページングインジケータによって示されたリソースで、ページングメッセージの受信を試みること;ページングメッセージがUE101と関連付けられた識別情報に向けられているかを確認すること;ページングメッセージの原因値を確認すること、例えば、原因値が着信呼若しくは別の着信データ転送を示すかを確認すること;ページングメッセージを受信した際に、1つ若しくは複数のビジーイベントを検出すること;ページングメッセージに関連付けられた応答メッセージを送信することであって、応答メッセージは、例えば、応答メッセージにそれぞれのインジケータ(ビジーインジケータ)を含めることによって、及び任意選択的に、UEが着信データ転送に応答することができない予測持続時間を示すインジケータを含めることによって、UEが着信データ転送に一時的に応答することができないことを示す、応答すること;例えば、UEが着信データ転送に応答するために一時的に利用することができないことを示す応答メッセージの送信を以前にトリガしたそれぞれのビジーイベントの解消時に、通信NWから着信データ転送に関連付けられた制御情報のデータ転送を取得すること;並びに/又は、例えば、着信データ転送の発信元への発信呼などのさらなるデータ転送をトリガすることによって、着信データ転送を開始することなどを実施することができる。
【0082】
図7は、様々な例による方法のフローチャートである。図7の方法は、例えばシングルSIM UE又はマルチSIMデバイスなどのUEによって実行することができる。例えば、図7の方法は、シングル無線マルチSIMデバイスによって実行することができる。図7の方法は、UE101(図6を参照)によって実行することができる。図7の方法は、ページングに応答するUEの挙動を例示する。
【0083】
任意選択のボックスは、図7において破線でラベル付けされている。
【0084】
ボックス3010において、UEは、PO開始があるかを確認することができる。ページング手順のページング信号は、PO中にUEに送信することができる。POの繰り返しタイミングは予め規定することができる。例えば、繰り返しタイミングは、ページングに関連付けられた識別情報に依存する可能性がある。例示のために、ボックス3010における確認は、ページングギャップが開始するか決定することを伴うことができ、例えば、マルチSIMデバイスの場合、ページングギャップは、さらなる識別情報を使用して、無線リンクでの通信からの不在時間と整合させることができる。ボックス3010での確認は、代替的又は追加的に、不連続受信サイクルのON期間に基づくこともできる。
【0085】
ボックス3020において、POが開始すると決定されると、UEは、ページング信号を監視することができる。例えば、これは、PDCCHでページングインジケータを受信(監視)しようとすることと、ページングインジケータを受信すると、PDSCHでページングメッセージを監視することとを含むことができる。したがって、ボックス3020では、1つ又は複数のページング信号が受信されているかが確認される。
【0086】
次いで、ボックス3030において、UEは、ページングメッセージを受信することができる。ページングメッセージは、着信データ転送を示すことができる。例えば、ページングメッセージは、データ転送の1つの例において、着信呼を示すことができる。例えば、着信データ転送に関連付けられたアプリケーションのタイプは、ページングメッセージに含まれる原因値によって示すことができる。
【0087】
次いで、ボックス3040において、UEは、1つ又は複数のビジーイベントに遭遇しているかを確認することができる。例えば、上記の表1に記載されているような1つ又は複数のビジーイベントの存在を確認することができる。ビジーイベントの例は、UEが、ボックス3030において受信した、ページングメッセージに関連付けられた識別情報とは異なるさらなる識別情報を使用して、接続モードで動作していることを含む。ビジーイベントの別の例は、セルエッジカバレッジシナリオ及び/又は無線品質低下シナリオを含む。
【0088】
現在遭遇しているビジーイベントがない場合、方法はボックス3050において開始する。ここで、UEは、例えば、切断モード(図3を参照:アイドルモード302)から接続モードに遷移することによって、ページングを受け入れることができる。これは、ランダムアクセス手順を含むことができる。
【0089】
そうでなければ、方法はボックス3060において開始する。ボックス3040において少なくとも1つのビジーイベントを検出すると、ボックス3060において、UEはページングを拒否する。これは、例えば、ページングメッセージに関連付けられた応答メッセージを送信することを含むことができ、応答メッセージは、UEが、着信データ転送に一時的に応答することができないことを示す。例示のために、マルチSIMデバイスのシナリオでは、応答メッセージは、さらなる識別情報を使用して接続モードの不在時間中に送信することができる。本明細書で説明される様々な例によれば、ボックス3060において応答メッセージが送信される不在時間は、ボックス3030においてページングメッセージが受信された不在時間と同じ不在時間、又は後続の不在時間、例えば、繰り返しタイミングスケジュールに従った次の不在時間である可能性がある。
【0090】
本明細書に記載された様々な例によれば、応答メッセージ(図10参照、5035)を送信するために、UEのそれぞれの識別情報を使用して接続モードに遷移する必要はない場合がある。例えば、応答メッセージがアーリーデータ転送として、例えばランダムアクセス手順のメッセージにピギーバックされて送信され、ランダムアクセス手順がその後に中断され得る可能性がある。応答メッセージが、共有リソース上で競合ベースの方法で送信される可能性がある。応答メッセージが、ページングメッセージによって示されるように、例えばPUSCHで、割り当てられたリソースで送信される可能性がある。応答メッセージはまた、別のメッセージを使用して事前構成されたリソース、例えば、リソースがアイドルモードで動作する際にUEが使用するために事前構成された事前構成アップリンクリソース(PUR)と呼ばれる概念に従って、送信される可能性がある。
【0091】
応答メッセージは、UEが着信呼に一時的に応答することができないこと、すなわち一時的にビジーであることを暗黙的に示すことができる。応答メッセージが明示的なインジケータ(ビジーインジケータ)を含むことも可能である。すなわち、各情報フィールドの情報内容はそれに応じて設定することができる。
【0092】
いくつかの例では、応答メッセージは、UEが着信データ転送に応答することができない予測持続時間を示すインジケータを含む可能性がある。例示のために、予測時間ナレーションは、コードブックを参照する絶対的な用語で示すことができる。予測持続時間の典型的な期間は、数十秒、又はさらには数分程度であり得る。
【0093】
本明細書に記載の様々な例によれば、予測持続時間を決定するために利用可能な様々な選択肢がある。一例では、マルチSIMデバイスのさらなる識別情報を使用して、接続モードによってサポートされるデータ転送を監視することが可能である。例えば、データ転送の平均データレートを確認し、転送されるデータの残りのサイズと比較することができ、そのような考慮事項に基づいて、前記監視に基づいて予測持続時間を推定することが可能である。予測時間ナレーションを推定するための別の選択肢は、ユーザのクエリに依存することができる。例えば、UEのユーザインターフェースは、1つ又は複数のビジーイベントの解消までの近似時間に関するユーザフィードバックを保持するように制御することができる。セルエッジシナリオ又は無線品質低下シナリオでは、UEのモビリティレベルを考慮に入れることができ、より高いモビリティでは、予測持続時間がより短くなる可能性が高い。
【0094】
ボックス3070において、少なくとも1つのビジーイベントが持続しているかを確認する。例えば、これは、ボックス3040において実行された確認と同じ確認を実施することを伴うことができる。ボックス3070は、ビジーイベントが解消されるまで、時々繰り返すことができる。
【0095】
次いで、ボックス3080において、ボックス3060において応答メッセージを受信したときに通信NWでバッファリングされていたデータ転送制御情報が要求される。
【0096】
例えば、明示的な要求メッセージを送信することができる。データ転送制御情報を明示的に要求する代わりに、接続モードに遷移することによってセルラNWに単に接続することも可能であり、これは、データ転送制御情報がUEに提供されるべきであるというセルラNWへの暗黙の指示として機能することができる。
【0097】
要求メッセージが送信されるシナリオでは、要求メッセージは、例えばサービス要求を実装するなど、上位レイヤ制御メッセージであり得る。したがって、少なくとも1つのビジーイベントの解消後、さらに、切断モードから接続モードに遷移すると、要求メッセージが送信される可能性がある。この遷移は、アイドルモード302及び接続モード301を参照することによって図7にも例示されている。別の例では、サービス要求メッセージは、アーリーデータ転送として、例えば、4ステップランダムアクセス手順のランダムアクセスメッセージ2にピギーバックされて送信されることが可能である。
【0098】
要求メッセージは、ボックス3060において送信された応答メッセージを参照することができ、又はページングメッセージ3030によっても示されるデータ転送を示すそれぞれのインジケータを含む(すなわち、ページング原因値をコピーする)ことができ、又はバッファリングされていたデータ転送制御情報のプロビジョニングをUEが要求していることを示すそれぞれのインジケータを含むことができる。例示のために、通信NWにおけるMTデータの拡張バッファへの参照が行われる。
【0099】
次いで、ボックス3090において、バッファリングされたデータ転送制御情報がUEにおいて取得される。データ転送制御情報を含むそれぞれのメッセージは、無線リンク114を介して受信することができる。
【0100】
データ転送制御情報は、バッファリングされていたものとしてラベル付けされることが可能である。
【0101】
本明細書で説明される様々な例によれば、データ転送制御情報をバッファリングされていたものとしてラベル付けするための様々な選択肢が考えられる。これらの例のいくつかを以下の表3に要約する。
【0102】
【表3】
【0103】
UEは、バッファリングされていたデータ転送制御情報を考慮して、データ転送制御情報に基づいて行う動作を調整することができる。特に、UEが着信データ転送に一時的に応答することができないためにUEが着信データ転送に直接応答することができないシナリオと比較して、着信データ転送がUEによって直接応答されるシナリオに対して異なる動作を行うことができる。
【0104】
例示のために、UEが着信データ転送に直接応答する場合、UEは、発信元からの着信データ転送を受け入れることができる。これとは異なり、データ転送制御情報がバッファリングされていた場合、UEは、さらなるデータ転送を確立するか、又は着信データ転送の発信元に向かうさらなるデータ転送の確立をトリガすることができる。例えば、データ転送が着信呼によって実装されるシナリオでは、ボックス3092において、着信呼の発信元に向かう発信呼がトリガされるべきかを確認することができ、肯定の場合、これをボックス3095において実行することができる。
【0105】
本明細書に記載の様々な例によれば、ボックス3092において、着信データ転送を開始するかを決定する際に、様々な決定基準を考慮することができる。決定基準の例は、ボックス3030においてページングメッセージを受信してから、又はボックス3060において応答メッセージを送信してからタイムアウト時間が経過したかを確認することを含むことができる。代替的又は追加的に、決定基準は、ユーザのクエリに基づくことができる。
【0106】
図7の前述の説明から理解されるように、UEは、ページングメッセージによってトリガされて、例えばAMFなどのページング制御ノードにメッセージを送信することによってページングメッセージに応答すること(ボックス3060)が可能である。この応答メッセージは、例えば、さらなる識別情報を使用して別のセルラNWに対して接続モードで動作するため、ビジーインジケータと、任意選択で、UEがビジーである時間の推定時間とを含むことができる。ボックス3060において送信される応答メッセージは、UEが後の段階で着信データ転送に対する応答動作を行うことができることを通信NWに示すことが可能である。特に、UEは、バッファリングされたデータ転送制御データを後で取り出すためのクエリを行うことができる。それぞれの原因値を、サービス要求メッセージに含めることができ、又はデータ転送制御情報を問い合わせる専用メッセージを実装することができる。UEはその後、データ転送制御情報を取得することができる。例えば、対応する要求に応答してデータ転送制御情報を受信することによって、データ転送制御情報がバッファリングされていたと推測することができる。バッファリングされていたデータ転送制御情報は、例えば、そのヘッダセクションにそれぞれのインジケータを設定することによって、それに応じてラベル付けすることも可能である。
【0107】
次に、このようなデータ転送制御情報のバッファリングを容易にする手順の詳細について、図8を用いて説明する。
【0108】
図8は、様々な例による方法のフローチャートである。図8の方法は、例えば、CNによって開始されたページングの場合はAMF(図1を参照:AMF131)、又はRANによって開始されたページングの場合はBS112のようなページング制御ノードによって実行することができる。任意選択のボックスは、図8において破線でラベル付けされている。
【0109】
ボックス3105において、ページング制御ノードは、ページングが必要かを決定する。例えば、ページング制御ノードは、データ転送がUEのためにスケジュールされているかを決定することができる。これは、例えばUP191のゲートウェイノード及び/若しくはSMF(図1を参照:SMF132)などのセッション制御ノード、又はセルラNWに接続されたデータNWのノード、例えばIMSのノード(図1を参照:データNW180)から受信されたそれぞれの制御メッセージに応答することができる。そのような制御メッセージがデータ転送のタイプを示すことが可能である。例えば、アプリケーションを示すことができる。例えば、データ転送が発信元からの着信呼であることを示すことができる。
【0110】
次に、ボックス3110において、ページング手順がトリガされる。これは、RAN111の別の基地局112へ制御メッセージを提供することを含むことができる。
【0111】
UEモビリティを考慮するために、ページング手順のページングエスカレーションを実装することができる。
【0112】
ボックス3105に関連して前述したように、ページング手順をトリガし、データ転送のタイプを示すページングメッセージを使用することが可能である。例えば、ページングメッセージは、データ転送のタイプのいくつかの例を与えると、着信呼又はウェブサイトプッシュメッセージ又はロケーションベースのサービスメッセージ又はソーシャルネットワークメッセージなどを示すことができる。
【0113】
次に、ボックス3115において、UEから応答メッセージを受信することができる。この応答メッセージは、UEが着信データ転送に一時的に応答することができないことを示すことができる。したがって、ボックス3115は、図7のボックス3060と相互に関連している。応答メッセージは、ビジーインジケータを含むことが可能である。応答メッセージは、UEがデータ転送に応答することができない予測持続時間を示すインジケータを含むことが可能である。
【0114】
次に、ボックス3120において、UEがデータ転送に関与することができないことを示すインジケータが、データ転送に関連付けられた1つ又は複数のセッション制御ノードに提供される。無線通信デバイスが一時的にデータ転送に関与することができないことを示すそのようなインジケータを実装する様々な選択肢がある。いくつかの選択肢を表4に例示する。
【0115】
【表4】
【0116】
また、利用可能な場合、予測持続時間の指示をセッション制御ノードに提供することが可能である。これは、UEによって提供されるそれぞれのインジケータに基づくことができる(図7に関連して説明したように:ボックス3060)。例えば、そのインジケータをフォワードすることができる。これは、セッション制御ノードがバッファリングを調整するのを助けることができる。
【0117】
UEがデータ転送に一時的に応答することができないことを示す応答メッセージ3115を受信したことに応答して、ページング制御ノードは、ページング手順の任意のエスカレーションを中断することもできる。これは、ページングを停止することができることを意味する。代替的に又は追加的に、さらなるデータ転送に関連付けられた、もう1つのさらなるページング手順をブロックすることができる。例えば、ある持続時間の間、無線通信デバイスのページングを延期することができる。
【0118】
上述したように、そのような技術は、セッション制御ノードにおけるデータ転送制御情報のバッファリングを容易にすることができる。このようなデータ転送制御情報のバッファリングに関するさらなる詳細は、以下の図9に関連して説明される。
【0119】
図9は、様々な例による方法のフローチャートである。図9の方法は、UEに向けられた着信データ転送を処理するセッション制御ノードによって実行することができる。セッション制御ノードは、本明細書で説明される様々な例によれば、CPノード又はUPノードであり得る。セッション制御ノードの例示的な実装形態は、SMF(図1を参照)、UPF、又はセルラNWに接続されたデータNW、例えばIMS NWのゲートウェイノードなどのノードである。任意選択のボックスは、破線を使用してラベル付けされている。
【0120】
ボックス3205において、UEへのデータ転送をキューに入れる。データ転送をキューに入れることは、UEへの既存のデータ接続(図1を参照:データ接続189)がセットアップされているか、すなわち、UEが接続モードで動作しているか(図3を参照:接続モード301)を確認することを意味することができる。当てはまらない場合、データ転送に関連付けられた着信データを格納/バッファリングすることができ、同時に、ページング制御ノードにそれぞれの制御メッセージを送信することによってページングを要求することができる(図8を参照:ボックス3105)。
【0121】
次いで、ボックス3210において、UEがデータ転送に関与することができないかが決定される。本明細書に記載の様々な例によれば、ボックス3210を実装するために様々な選択肢が利用可能である。いくつかの選択肢が、表5に要約されている。
【0122】
【表5】
【0123】
次いで、ボックス3210での確認の結果に応じて、本方法は、ボックス3216で開始する(UEがデータ転送に関与することができる場合)か、又はボックス3217に進む(UEがデータ転送に関与することができない場合)。
【0124】
ボックス3216において、データ転送に関連付けられた任意のデータをUEへフォワードすることができる。ページングの成功に応答して、その間にデータ接続をセットアップすることができる。データは、データ接続に沿ってフォワードすることができる。
【0125】
ボックス3217において、データ転送制御情報のバッファリングをアクティブ化するか非アクティブ化するかの任意選択の確認を行うことができる。例えば、ボックス3217において、着信データ転送のタイプに基づいて決定することが可能である。例えば、拡張バッファリングは、着信呼に対してアクティブ化されてもよいが、例えばソーシャルネットワークメッセージのような非通話アプリケーションに関する着信データ転送に対してはアクティブ化されなくてもよい。
【0126】
バッファリングがアクティブ化されない場合、データ転送はボックス3218で拒否される。例示のために、着信データ転送の発信元にそれぞれの拒否メッセージを送信することが可能である。
【0127】
そうでなければ、ボックス3219において、データ転送制御情報をバッファリングすることができる。
【0128】
データ転送制御情報がボックス3219を実行する前に、すなわちボックス3205の一部として既にバッファリングされていたシナリオが考えられる。その後、バッファリングは、ボックス3219で継続することができる。
【0129】
さらに、いくつかのシナリオでは、ボックス3219において、データ転送制御情報はバッファリングされていたものとしてラベル付けすることができる。例示のために、データ転送制御情報のヘッダにそれぞれのインジケータを設定することができる。データ転送制御情報を参照する別個のインジケータを提供することも可能である。詳細は表3で説明する。
【0130】
任意選択で、着信データ転送の発信元に拒否メッセージを送信することも可能である。いくつかの例では、そのような拒否メッセージは、セッション制御ノードでバッファリングが実装されていることを示す原因値を含むことができる。これにより、着信データ転送の発信元は、UEが着信データ転送に関連付けられたさらなるデータ転送を開始するようになる可能性があることを理解することができる。様々な例によれば、拒否メッセージは、UEがさらなるデータ転送を開始する推定時間も含むことが可能である。これは、UEから以前に取得されたそれぞれのタイミング指示に基づくことができる。
【0131】
ボックス3220において、UEがその間応答しているかの注意をそらす。本明細書に記載の様々な例によれば、ボックス3220の確認を実装するために様々な選択肢が利用可能である。例示のために、1つ又は他のノードから、UEが応答するようになっていることを示すそれぞれのインジケータを監視することが可能である。例示のために、UEへのデータ接続がセットアップされているかを監視することが可能である。UEが応答するようになるかを監視することは、一般に、CPにおける制御シグナリングに基づくこと、又はUPを監視することに基づくことができる。要求は、UEから受信することができる。例えば、1つのシナリオでは、UEは、その後セッション制御ノードによって受信され得るデータ転送制御情報の要求を送信することができる。
【0132】
次いで、UEが応答するようになると、ボックス3220において、無線通信デバイスへのデータ転送制御情報のプロビジョニングが容易になる。例えば、データ転送制御情報のデータプレーンルーティングは、例えば、データ接続に沿って、その後セットアップされることが考えられる。また、データ転送制御情報は、AMFなどのモビリティ制御ノードに提供することができ、次いで、モビリティ制御ノードがデータ転送制御情報を無線通信デバイスにフォワードすることができる。
【0133】
ボックス3220での確認は、例えば破棄イベントが満たされるまで、時々再実行することが可能である。したがって、ボックス3221において、データ転送制御情報のバッファリングを中止するかが確認される。これは、セッション制御ノードが呼制御情報をバッファリングしながら破棄イベントを監視することを意味することができる。次いで、破棄されたイベントを検出すると、次に説明するように、バッファリングされたデータ転送制御情報を破棄することができる。例示的な破棄イベントは、以下の表6に列挙されている。
【0134】
【表6】
【0135】
データ転送制御情報のバッファリングが中断された場合、ボックス3222において、データ転送制御情報は破棄される。
【0136】
上記から理解されるように、AMFは、「ビジー」であるためにUEが到達不能であったことをセッション制御ノードに通知することが可能である。これは追加の情報であり得、例えば、ページングが失敗したこと、すなわち、UEが到達不能であることをセッション制御ノードに通知することとは異なる。次いで、セッション制御は、データ転送制御情報の拡張バッファリングを行うか行わないかを決定することができる。データ転送制御情報の一例は、SIP招待メッセージのバッファリングである。拡張バッファリングを実施するかの決定は、受信した「ビジー指示」によるものであり得る。代替的に、又は追加的に、決定は、データ転送のタイプに依存してもよく、例えば、着信呼に対して選択的にバッファリングが実行されてもよい。例えば、セッション制御ノードは、データ転送制御情報をバッファリングしないことを決定することができ、例えば、UEは、ページに応答しなかった、又はバッテリ電力がない、又はカバレッジ外であるなどの他の理由で到達不能であった。バッファリングは、例えば、UEによって提供される推定ビジー時間、又は5分、10分などのデフォルト時間に基づいた、特定の所定の持続時間にわたって開始することができる。UEが、例えば、それぞれのSIP招待メッセージに直接応答すべきでないことを理解するために、バッファリングされたデータ転送制御情報をバッファリングされていたものとしてラベル付けすることが可能である。代わりに、UEは、着信データ転送を開始するために他の手段を取ることができ、例えば、着信呼の場合、着信呼の発信元に発信呼を行うことができる。
【0137】
図10は、様々なノード間の通信のシグナリング図である。図10は、通話によって実装されるデータ転送のコンテキストで説明されるシナリオである。ここで、データ転送制御情報は、呼制御情報によって実装される。同様の技術は、他の種類及びタイプのデータ転送に容易に適用可能であり得る。
【0138】
5005において、発信元199は、SIP招待制御メッセージ4005を送信し、SIP招待制御メッセージ4005は、UPF121を介してルーティングされる。それぞれのデータパケットは、SIP招待制御メッセージ4005を含むことができる。
【0139】
5010において、UPF121は、SMF132にダウンリンクデータ通知4010を提供するようにトリガする。
【0140】
次いで、SMF132は、5015において要求メッセージ4015をAMF131に送信し、それによってUE101をページングするように要求する。要求メッセージ4015は、着信データ転送が着信呼であることを示すことができる。
【0141】
次いで、AMF131は、UE101をページングするようにRAN111に要求する。5020において、それぞれの要求メッセージ4020がAMF131によってRAN111に送信される。要求メッセージ4020は、着信呼を示す原因値を含む。
【0142】
次いで、RAN111の一部である基地局112(図10には図示せず)は、5025においてページングメッセージ4025を送信し、UE101はページングメッセージ4025を受信する。例示されたシナリオにおけるページングメッセージ4025は、ページングが着信呼である理由を示す原因値を含む。そのような原因値は一般に任意選択である。
【0143】
UE101は、ページングされていることを検出し、5030において、少なくとも1つのビジーイベント(表1を参照)を決定する。このため、UE101は、着信呼に応答しない、すなわち、発信元199との通話に関与しないと決定する。例えば、UE101は、RAN111を含むセルラNW100に関して、さらには着信呼に関連付けられた識別情報に関して、アイドルモード302で動作することが可能である。ボックス5030において検出されたビジーイベントは、このセルラNWに関して、又はさらなるセルラNWに関して、さらには接続モード301におけるさらなる識別情報(表1を参照:例A)に関して動作しているUE101に関係することができる。
【0144】
5035において、UE101は、応答メッセージ4030を送信する。応答メッセージ4030は、ページングメッセージ5025に関連付けられ、UE101が着信呼に応答するために一時的に利用することができないことを示す。応答メッセージは、UEが着信呼に応答することができないというそれぞれのビジーインジケータ及び/又はそれぞれの予測持続時間を含むことが可能である。
【0145】
5045において、AMF131は、次に、UE101がビジーであるために到達不能であり、到達不能性の推定時間を含むことをSMF132に通知する(表2を参照:選択肢Aであり、選択肢Bも可能である;さらに、表4の選択肢Bを参照-選択肢Aも可能である。5040においてRAN111からAMF131にそれぞれのメッセージ4035が送信され、5045においてAMF131からSMF132にそれぞれの指示4035が提供される。
【0146】
次いで、制御情報がSMF132及び/又はUPF121にバッファリングされ、SMF132及びUPF121はいずれもセッション制御ノードの実装のための選択肢である。例えば、SIP招待メッセージをバッファリングすることができる。バッファリングされていたSIP招待メッセージにラベルを付けることが可能である(表3参照)。
【0147】
ボックス5055において、1つ又は複数のビジーイベントが解消される。次いで、UE101は、接続モード301で動作することができる。
【0148】
UE101は、RAN111(5060)を介してAMF131(5065)に提供されるサービス要求4040に従う。サービス要求4040は、UE101が5055においてビジーイベントを解消したこと、及び/又はデータ転送制御情報を要求していることを示す特定の原因値を含むことができるが、他のシナリオ、例えば、CIoTに使用されるMTデータ又はより高いレイテンシからのサービス要求4040の原因値を再使用することも可能である。次いで、ビジー指示を含む応答メッセージ4030を以前に受信したというコンテキストから、UEはバッファリングされている呼制御情報を取得することを意図していると判断することができる。
【0149】
次いで、AMF131は、5070において、UE101が現在利用可能であることを示す通知4045をSMF132に送信する(ボックス3220を参照)。SMF132は、例えば、呼制御情報がUPF121でバッファリングされている場合に、例えば、5075においてそれぞれのメッセージ4050をUPF121に送信することによって、バッファリングされた呼制御情報をUE101に送信するようにトリガすることができる。そして、UPF121は、5080において、呼制御情報4055をUE101に送信することができる。
【0150】
呼制御情報4055は、バッファリングされていたものとしてラベル付けすることができる(表3を参照)。例えば、それぞれのインジケータは、呼制御情報4055自体に含まれても、呼制御情報4055と共に送信されてもよい。例示のために、例えば、5050においてバッファリングを開始するときに、呼制御情報にタイムスタンプが押されている可能性がある。これにより、UEは、呼制御情報4055が後進されていない(outdated)/古いことを検出することができ、呼制御情報4055に関連付けられたSIP招待に直接応答しなくてもよい。むしろ、UEは、呼制御情報4055に基づく情報に基づいて発信元/発信者199にコールバックするために5085において通話をトリガすることができる。例示のために、UE101は、呼制御情報4055から、例えばSIP招待メッセージから、発信元199のアドレス/識別情報を抽出することが可能である。
【0151】
上記では、呼制御情報がSMF132又はUPF121などのコアNWノードにバッファリングされるシナリオを図10に関連して例示した。これらは単なる例である。例示のために、呼制御情報が、着信呼を処理するデータNW、例えばIMS NWのノードにバッファリングされるシナリオが考えられる。さらに別の例では、呼制御情報が基地局112で、又はより一般的にはRAN111でバッファリングされることが可能である。特に、後者のシナリオは、3GPP NR RRC非アクティブとしての切断モードの実装に適用可能であり得、ここでは、ページングはAMF131ではなくRAN111によって処理される。次いで、RAN111のそれぞれの基地局112が制御情報をバッファリングし、UE101が接続モード301に遷移したときに呼制御情報を配信することが有用であり得る。
【0152】
要約すると、UEに向けられた着信データ転送によってトリガされるUEのページング手順と、UEが着信データ転送に応答するために一時的に利用することができないという関連指示とに関連付けられる技術を上述してきた。具体的には、着信データ転送は、着信呼、例えば音声通話又はビデオ通話であり得る。
【0153】
ビジーであるためにUEが到達不能であるという情報は、ページング制御ノードからフォワードされ、コアNW又はIMS NWなどのデータNWで処理することができる。例えば、AMFは、ビジーであるためにUEが到達不能であることをSMFに通知することができる。
【0154】
次いで、セッション制御ノード、例えばセルラNWのノード、又は例えばIMSノード内の、セルラNWに接続されたデータNWのノードが、データ転送制御情報の拡張バッファリングを実装するか否かの決定を行うことが可能である。拡張バッファリングは、例えば、データ転送制御情報がページング手順の完了までバッファに保持される参照シナリオと比較した場合、データ転送制御情報が長期間バッファに保持されるシナリオに関係することができる。本明細書に記載された技術によれば、データ転送制御情報は、たとえページング手順がエスカレーションされたとしても、ページング手順の完了をはるかに超えてバッファリングすることができる。
【0155】
データ転送制御情報をバッファリングするかバッファリングしないかを決定する場合に、セッション制御ノードによって考慮され得る様々な決定基準が記載されている。例示のために、そのような決定基準は、データ転送のタイプを含むことができ、例えば、呼制御情報は、通話によって実装されるデータ転送のためにバッファリングされるが、データ転送制御情報は、例えば、ウェブページ又は別の非通話アプリケーションから受信されたプッシュメッセージによって実装されるデータ転送のためにはバッファリングされないことが可能である。セッション制御ノードがページング制御ノードからそれぞれの指示を受信すると、常に拡張バッファリングを実装する他のシナリオも可能である。
【0156】
本明細書に記載された様々な例によれば、バッファリングは、異なるノードにおいて、例えばセルラNWのコアの制御プレーンにおいて、例えばSMFにおいて、セルラNWのコアのデータプレーンにおいて、例えばUPFにおいて、又はIMSにおいて実装することができる。
【0157】
バッファリングされたデータ転送制御情報をバッファリングされていたものとしてラベル付けすることが可能である。例えば、指示又は拡張フィールドは、それを示すデータ転送制御情報に添付することができる。UEがそのことを理解することができるようにするために、UEは、バッファリングされたデータ転送制御情報を最終的に受信したときに、それに直接応答するのではなく、他の方法でデータ転送にコメントする。例示のために、着信データ転送が着信呼によって実装されるシナリオでは、UEが、単にSIP招待制御メッセージに応答するのではなく、着信呼の発信元のアドレスを抽出した後、着信呼の発信元に発信呼を行うことが可能である。
【0158】
本明細書に記載された様々な例によれば、データ転送制御メッセージは、例えば、UEが接続モードに遷移すると、UEに自動的に提供することができる。他の例では、UEがバッファリングされたデータ転送制御情報を問い合わせる要求を行うことも可能である。例えば、データ転送の実装が着信呼である場合、SIPサービス要求を行うことができる。この理由から、SIPサービス要求は、それぞれの原因値を含んでもよく、又は別のタイプのSIPサービス要求メッセージが定義されてもよい。
【0159】
本開示は、特定の好ましい例に関して示され説明されているが、当業者ならば、本明細書を読んで理解すると、均等物及び修正形態が想到するであろう。本開示は、すべてのそのような均等物及び修正形態を含み、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
【0160】
例示のために、様々な例によれば、UEは、バッファリングされたデータ転送制御情報を要求する要求メッセージを送信する。他の例では、そのような要求メッセージはUEによって送信されないが、ネットワークノードが、UEが接続モードに再送信するかどうかを監視し、次いで、そのような監視に基づいてUEへのデータ転送制御情報のプロビジョニングをトリガすることが可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10