(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-12
(45)【発行日】2024-07-23
(54)【発明の名称】テレセントリックレンズ
(51)【国際特許分類】
G02B 13/22 20060101AFI20240716BHJP
【FI】
G02B13/22
(21)【出願番号】P 2024005099
(22)【出願日】2024-01-17
【審査請求日】2024-01-17
(31)【優先権主張番号】202311236718.6
(32)【優先日】2023-09-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520357958
【氏名又は名称】ジョウシュウシ エーエーシー レイテック オプトロニクス カンパニーリミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100101890
【氏名又は名称】押野 宏
(74)【代理人】
【識別番号】100098268
【氏名又は名称】永田 豊
(72)【発明者】
【氏名】寺西 孝亮
【審査官】殿岡 雅仁
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-139025(JP,A)
【文献】特開2015-129967(JP,A)
【文献】特開2007-011092(JP,A)
【文献】特開2003-005068(JP,A)
【文献】特開平09-127416(JP,A)
【文献】特開平05-045584(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2009-0039386(KR,A)
【文献】中国特許出願公開第114114622(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 9/00 - 17/08
G02B 21/02 - 21/04
G02B 25/00 - 25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
テレセントリックレンズであって、
物体側から像側へ順に、第1レンズ、第2レンズ、第3レンズ、第4レンズ、第5レンズ、第6レンズ、第7レンズ、第8レンズ及び第9レンズによって構成され、
前記テレセントリックレンズの焦点距離をf、前記第2レンズの屈折率をn2、前記第2レンズの物体側面の中心曲率半径をR3、前記第2レンズの像側面の中心曲率半径をR4、前記第8レンズの焦点距離をf8、前記テレセントリックレンズの作動距離をWD、前記テレセントリックレンズの開口数をNAとしたときに、以下の条件式(1)~(4)を満たす、ことを特徴とするテレセントリックレンズ。
1.980≦n2≦2.300 (1)
―0.600≦f8/f≦―0.050 (2)
0.600≦R4/R3≦4.000 (3)
0.145≦NA*f/WD≦0.220 (4)
【請求項2】
前記第3レンズのアッベ数をv3、前記第4レンズのアッベ数をv4としたときに、以下の条件式(5)を満たす、ことを特徴とする請求項1に記載のテレセントリックレンズ。
50.000≦v4―v3≦80.000 (5)
【請求項3】
前記テレセントリックレンズの光学長をTTLとしたときに、以下の条件式(6)を満たす、ことを特徴とする請求項1に記載のテレセントリックレンズ。
2.000≦TTL/f≦5.000 (6)
【請求項4】
前記第1レンズは、正の屈折力を有し、前記第1レンズの像側面は、近軸において凸面であり、
前記第1レンズの焦点距離をf1、前記第1レンズの物体側面の中心曲率半径をR1、前記第1レンズの像側面の中心曲率半径をR2、前記第1レンズの軸上厚みをd1、前記テレセントリックレンズの光学長をTTLとしたときに、以下の条件式(7)~(9)を満たす、ことを特徴とする請求項1に記載のテレセントリックレンズ。
0.54≦f1/f≦1.95 (7)
―0.50≦(R1+R2)/(R1―R2)≦4.01 (8)
0.04≦d1/TTL≦0.06 (9)
【請求項5】
前記第2レンズの物体側面は、近軸において凸面であり、前記第2レンズの像側面は、近軸において凹面であり、
前記第2レンズの焦点距離をf2、前記第2レンズの軸上厚みをd3、前記テレセントリックレンズの光学長をTTLとしたときに、以下の条件式(10)と(11)を満たす、ことを特徴とする請求項1に記載のテレセントリックレンズ。
―1.95≦f2/f≦1.70 (10)
0.01≦d3/TTL≦0.05 (11)
【請求項6】
前記第3レンズの物体側面は、近軸において凸面であり、前記第3レンズの像側面は、近軸において凹面であり、
前記第3レンズの焦点距離をf3、前記第3レンズの物体側面の中心曲率半径をR5、前記第3レンズの像側面の中心曲率半径をR6、前記第3レンズの軸上厚みをd5、前記テレセントリックレンズの光学長をTTLとしたときに、以下の条件式(12)~(14)を満たす、ことを特徴とする請求項1に記載のテレセントリックレンズ。
―0.44≦f3/f≦3.20 (12)
1.44≦(R5+R6)/(R5―R6)≦8928.08 (13)
0.00≦d5/TTL≦0.02 (14)
【請求項7】
前記第4レンズは、正の屈折力を有し、前記第4レンズの物体側面は、近軸において凸面であり、前記第4レンズの像側面は、近軸において凸面であり、
前記第4レンズの焦点距離をf4、前記第4レンズの物体側面の中心曲率半径をR7、前記第4レンズの像側面の中心曲率半径をR8、前記第4レンズの軸上厚みをd7、前記テレセントリックレンズの光学長をTTLとしたときに、以下の条件式(15)~(17)を満たす、ことを特徴とする請求項1に記載のテレセントリックレンズ。
0.18≦f4/f≦0.35 (15)
―0.35≦(R7+R8)/(R7―R8)≦―0.10 (16)
0.01≦d7/TTL≦0.05 (17)
【請求項8】
前記第5レンズは、負の屈折力を有し、前記第5レンズの物体側面は、近軸において凹面であり、前記第5レンズの像側面は、近軸において凹面であり、
前記第5レンズの焦点距離をf5、前記第5レンズの物体側面の中心曲率半径をR9、前記第5レンズの像側面の中心曲率半径をR10、前記第5レンズの軸上厚みをd9、前記テレセントリックレンズの光学長をTTLとしたときに、以下の条件式(18)~(20)を満たす、ことを特徴とする請求項1に記載のテレセントリックレンズ。
―0.25≦f5/f≦―0.09 (18)
0.12≦(R9+R10)/(R9―R10)≦0.45 (19)
0.00≦d9/TTL≦0.03 (20)
【請求項9】
前記第6レンズは、正の屈折力を有し、前記第6レンズの物体側面は、近軸において凸面であり、前記第6レンズの像側面は、近軸において凸面であり、
前記第6レンズの焦点距離をf6、前記第6レンズの物体側面の中心曲率半径をR11、前記第6レンズの像側面の中心曲率半径をR12、前記第6レンズの軸上厚みをd11、前記テレセントリックレンズの光学長をTTLとしたときに、以下の条件式(21)~(23)を満たす、ことを特徴とする請求項1に記載のテレセントリックレンズ。
0.15≦f6/f≦0.29 (21)
―1.00≦(R11+R12)/(R11―R12)≦―0.33 (22)
0.01≦d11/TTL≦0.06 (23)
【請求項10】
前記第7レンズは、正の屈折力を有し、
前記第7レンズの焦点距離をf7、前記第7レンズの物体側面の中心曲率半径をR13、前記第7レンズの像側面の中心曲率半径をR14、前記第7レンズの軸上厚みをd13、前記テレセントリックレンズの光学長をTTLとしたときに、以下の条件式(24)~(26)を満たす、ことを特徴とする請求項1に記載のテレセントリックレンズ。
0.10≦f7/f≦0.95 (24)
―2.80≦(R13+R14)/(R13―R14)≦2.10 (25)
0.00≦d13/TTL≦0.06 (26)
【請求項11】
前記第8レンズは、負の屈折力を有し、前記第8レンズの物体側面は、近軸において凹面であり、
前記第8レンズの物体側面の中心曲率半径をR15、前記第8レンズの像側面の中心曲率半径をR16、前記第8レンズの軸上厚みをd15、前記テレセントリックレンズの光学長をTTLとしたときに、以下の条件式(27)と(28)を満たす、ことを特徴とする請求項1に記載のテレセントリックレンズ。
―2.00≦(R15+R16)/(R15―R16)≦0.16 (27)
0.00≦d15/TTL≦0.03 (28)
【請求項12】
前記第9レンズは、正の屈折力を有し、
前記第9レンズの焦点距離をf9、前記第9レンズの物体側面の中心曲率半径をR17、前記第9レンズの像側面の中心曲率半径をR18、前記第8レンズの軸上厚みをd17、前記テレセントリックレンズの光学長をTTLとしたときに、以下の条件式(29)~(31)を満たす、ことを特徴とする請求項1に記載のテレセントリックレンズ。
0.64≦f9/f≦2.97 (29)
―32.02≦(R17+R18)/(R17―R18)≦2.00 (30)
0.01≦d17/TTL≦0.08 (31)
【請求項13】
前記第1レンズ、前記第2レンズ、前記第3レンズ、前記第4レンズ、前記第5レンズ、前記第6レンズ、前記第7レンズ、前記第8レンズ及び前記第9レンズは、いずれもガラス材質である、ことを特徴とする請求項1に記載のテレセントリックレンズ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学レンズの分野に関し、特に、産業用及びマシンビジョン検出に適用されるテレセントリックレンズに関する。
【背景技術】
【0002】
産業用自動化の発展とマシンビジョンの応用普及に伴い、産業用レンズは、欠陥検出、寸法測定、セキュリティ監視などの分野に広く応用されている。テレセントリックレンズは、物体の距離変化が画像の拡大率に影響を与えないという独特の技術的利点により、精密測定、非接触光学測定などの分野に広く応用されている。技術の発展及びユーザの多様化のニーズの増加に伴い、結像品質に対するシステムからの要求が高くなってきている場合には、9枚式のレンズ構造が徐々にレンズの設計に現れている。マシンビジョンシステムの精密な検出を満たすために、良好な光学性能と高い拡大倍率を有するテレセントリックレンズが要望されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記問題に対して、本発明は、良好な光学性能と高い拡大倍率を得ることができ、マシンビジョンシステムの精密な検出の要求を満たすテレセントリックレンズを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記技術課題を解決するために、本発明の実施形態は、テレセントリックレンズを提供する。前記テレセントリックレンズは、物体側から像側へ順に、第1レンズ、第2レンズ、第3レンズ、第4レンズ、第5レンズ、第6レンズ、第7レンズ、第8レンズ及び第9レンズによって構成され、
前記テレセントリックレンズの焦点距離をf、前記第2レンズの屈折率をn2、前記第2レンズの物体側面の中心曲率半径をR3、前記第2レンズの像側面の中心曲率半径をR4、前記第8レンズの焦点距離をf8、前記テレセントリックレンズの作動距離をWD、前記テレセントリックレンズの開口数をNAとしたときに、以下の条件式(1)~(4)を満たす。
1.980≦n2≦2.300 (1)
―0.600≦f8/f≦―0.050 (2)
0.600≦R4/R3≦4.000 (3)
0.145≦NA*f/WD≦0.220 (4)
【0005】
好ましくは、前記第3レンズのアッベ数をv3、前記第4レンズのアッベ数をv4としたときに、以下の条件式(5)を満たす。
50.000≦v4―v3≦80.000 (5)
【0006】
好ましくは、前記テレセントリックレンズの光学長をTTLとしたときに、以下の条件式(6)を満たす。
2.000≦TTL/f≦5.000 (6)
【0007】
好ましくは、前記第1レンズは、正の屈折力を有し、前記第1レンズの像側面は、近軸において凸面であり、
前記第1レンズの焦点距離をf1、前記第1レンズの物体側面の中心曲率半径をR1、前記第1レンズの像側面の中心曲率半径をR2、前記第1レンズの軸上厚みをd1、前記テレセントリックレンズの光学長をTTLとしたときに、以下の条件式(7)~(9)を満たす。
0.54≦f1/f≦1.95 (7)
―0.50≦(R1+R2)/(R1―R2)≦4.01 (8)
0.04≦d1/TTL≦0.06 (9)
【0008】
好ましくは、前記第2レンズの物体側面は、近軸において凸面であり、前記第2レンズの像側面は、近軸において凹面であり、
前記第2レンズの焦点距離をf2、前記第2レンズの軸上厚みをd3、前記テレセントリックレンズの光学長をTTLとしたときに、以下の条件式(10)と(11)を満たす。
―1.95≦f2/f≦1.70 (10)
0.01≦d3/TTL≦0.05 (11)
【0009】
好ましくは、前記第3レンズの物体側面は、近軸において凸面であり、前記第3レンズの像側面は、近軸において凹面であり、
前記第3レンズの焦点距離をf3、前記第3レンズの物体側面の中心曲率半径をR5、前記第3レンズの像側面の中心曲率半径をR6、前記第3レンズの軸上厚みをd5、前記テレセントリックレンズの光学長をTTLとしたときに、以下の条件式(12)~(14)を満たす。
―0.44≦f3/f≦3.20 (12)
1.44≦(R5+R6)/(R5―R6)≦8928.08 (13)
0.00≦d5/TTL≦0.02 (14)
【0010】
好ましくは、前記第4レンズは、正の屈折力を有し、前記第4レンズの物体側面は、近軸において凸面であり、前記第4レンズの像側面は、近軸において凸面であり、
前記第4レンズの焦点距離をf4、前記第4レンズの物体側面の中心曲率半径をR7、前記第4レンズの像側面の中心曲率半径をR8、前記第4レンズの軸上厚みをd7、前記テレセントリックレンズの光学長をTTLとしたときに、以下の条件式(15)~(17)を満たす。
0.18≦f4/f≦0.35 (15)
―0.35≦(R7+R8)/(R7―R8)≦―0.10 (16)
0.01≦d7/TTL≦0.05 (17)
【0011】
好ましくは、前記第5レンズは、負の屈折力を有し、前記第5レンズの物体側面は、近軸において凹面であり、前記第5レンズの像側面は、近軸において凹面であり、
前記第5レンズの焦点距離をf5、前記第5レンズの物体側面の中心曲率半径をR9、前記第5レンズの像側面の中心曲率半径をR10、前記第5レンズの軸上厚みをd9、前記テレセントリックレンズの光学長をTTLとしたときに、以下の条件式(18)~(20)を満たす。
―0.25≦f5/f≦―0.09 (18)
0.12≦(R9+R10)/(R9―R10)≦0.45 (19)
0.00≦d9/TTL≦0.03 (20)
【0012】
好ましくは、前記第6レンズは、正の屈折力を有し、前記第6レンズの物体側面は、近軸において凸面であり、前記第6レンズの像側面は、近軸において凸面であり、
前記第6レンズの焦点距離をf6、前記第6レンズの物体側面の中心曲率半径をR11、前記第6レンズの像側面の中心曲率半径をR12、前記第6レンズの軸上厚みをd11、前記テレセントリックレンズの光学長をTTLとしたときに、以下の条件式(21)~(23)を満たす。
0.15≦f6/f≦0.29 (21)
―1.00≦(R11+R12)/(R11―R12)≦―0.33 (22)
0.01≦d11/TTL≦0.06 (23)
【0013】
好ましくは、前記第7レンズは、正の屈折力を有し、
前記第7レンズの焦点距離をf7、前記第7レンズの物体側面の中心曲率半径をR13、前記第7レンズの像側面の中心曲率半径をR14、前記第7レンズの軸上厚みをd13、前記テレセントリックレンズの光学長をTTLとしたときに、以下の条件式(24)~(26)を満たす。
0.10≦f7/f≦0.95 (24)
―2.80≦(R13+R14)/(R13―R14)≦2.10 (25)
0.00≦d13/TTL≦0.06 (26)
【0014】
好ましくは、前記第8レンズは、負の屈折力を有し、前記第8レンズの物体側面は、近軸において凹面であり、
前記第8レンズの物体側面の中心曲率半径をR15、前記第8レンズの像側面の中心曲率半径をR16、前記第8レンズの軸上厚みをd15、前記テレセントリックレンズの光学長をTTLとしたときに、以下の条件式(27)と(28)を満たす。
―2.00≦(R15+R16)/(R15―R16)≦0.16 (27)
0.00≦d15/TTL≦0.03 (28)
【0015】
好ましくは、前記第9レンズは、正の屈折力を有し、
前記第9レンズの焦点距離をf9、前記第9レンズの物体側面の中心曲率半径をR17、前記第9レンズの像側面の中心曲率半径をR18、前記第8レンズの軸上厚みをd17、前記テレセントリックレンズの光学長をTTLとしたときに、以下の条件式(29)~(31)を満たす。
0.64≦f9/f≦2.97 (29)
―32.02≦(R17+R18)/(R17―R18)≦2.00 (30)
0.01≦d17/TTL≦0.08 (31)
【0016】
好ましくは、前記第1レンズ、前記第2レンズ、前記第3レンズ、前記第4レンズ、前記第5レンズ、前記第6レンズ、前記第7レンズ、前記第8レンズ及び前記第9レンズは、いずれもガラス材質である。
【発明の効果】
【0017】
本発明の有益な効果は、以下の通りである。本発明に係るテレセントリックレンズは、良好な光学性能及び高い拡大倍率を有し、マシンビジョンシステムの精密な検出ニーズを満たすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の第1実施形態に係るテレセントリックレンズの構造を示す模式図である。
【
図2】
図1に示すテレセントリックレンズの軸上色収差を示す模式図である。
【
図3】
図1に示すテレセントリックレンズの倍率色収差を示す模式図である。
【
図4】
図1に示すテレセントリックレンズの像面湾曲及び歪曲収差を示す模式図である。
【
図5】本発明の第2実施形態に係るテレセントリックレンズの構造を示す模式図である。
【
図6】
図5に示すテレセントリックレンズの軸上色収差を示す模式図である。
【
図7】
図5に示すテレセントリックレンズの倍率色収差を示す模式図である。
【
図8】
図5に示すテレセントリックレンズの像面湾曲及び歪曲収差を示す模式図である。
【
図9】本発明の第3実施形態に係るテレセントリックレンズの構成を示す模式図である。
【
図10】
図9に示すテレセントリックレンズの軸上色収差を示す模式図である。
【
図11】
図9に示すテレセントリックレンズの倍率色収差を示す模式図である。
【
図12】
図9に示すテレセントリックレンズの像面湾曲及び歪曲収差を示す模式図である。
【
図13】本発明の第4実施形態に係るテレセントリックレンズの構造を示す模式図である。
【
図14】
図13に示すテレセントリックレンズの軸上色収差を示す模式図である。
【
図15】
図13に示すテレセントリックレンズの倍率色収差を示す模式図である。
【
図16】
図13に示すテレセントリックレンズの像面湾曲及び歪曲収差を示す模式図である。
【
図17】本発明の第5実施形態に係るテレセントリックレンズの構成を示す模式図である。
【
図18】
図17に示すテレセントリックレンズの軸上色収差を示す模式図である。
【
図19】
図17に示すテレセントリックレンズの倍率色収差を示す模式図である。
【
図20】
図17に示すテレセントリックレンズの像面湾曲及び歪曲収差を示す模式図である。
【
図21】本発明の第6実施形態に係るテレセントリックレンズの構成を示す模式図である。
【
図22】
図21に示すテレセントリックレンズの軸上色収差を示す模式図である。
【
図23】
図21に示すテレセントリックレンズの倍率色収差を示す模式図である。
【
図24】
図21に示すテレセントリックレンズの像面湾曲及び歪曲収差を示す模式図である。
【
図25】本発明の第7実施形態に係るテレセントリックレンズの構成を示す模式図である。
【
図26】
図25に示すテレセントリックレンズの軸上色収差を示す模式図である。
【
図27】
図25に示すテレセントリックレンズの倍率色収差を示す模式図である。
【
図28】
図25に示すテレセントリックレンズの像面湾曲及び歪曲収差を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の目的、解決手段およびメリットがより明瞭になるように、以下では、図面を参照しながら本発明の各実施形態を詳細に説明する。しかし、本発明の各実施形態において、本発明が良く理解されるように多くの技術的詳細が与えられているが、それらの技術的詳細および以下の各実施形態に基づく各種の変化及び修正が存在しなくとも、本発明の保護しようとするものを実現可能であることは、当業者に理解されるべきである。
【0020】
(第1実施形態)
図面を参照すると、本発明は、テレセントリックレンズ10を提供する。
図1は、本発明の第1実施形態に係るテレセントリックレンズ10を示し、当該テレセントリックレンズ10は、9つのレンズを備える。具体的には、前記テレセントリックレンズ10は、物体側から像側へ順に、第1レンズL1、第2レンズL2、第3レンズL3、第4レンズL4、第5レンズL5、第6レンズL6、ダイクロイックプリズムBS、絞りS1、第7レンズL7、第8レンズL8、第9レンズL9を備える。第9レンズL9と像面Siとの間には、光学フィルタ(filter)等の光学素子が設けられてもよい。
【0021】
本実施形態では、光線が左側から入射し、光線入射方向が左から右になるように物体面OBJと像面Siが設けられている。他の選択可能な実施形態において、光線は右側から入射してもよく、即ち、光線入射方向が右から左になるように物体面OBJと像面Siが設けられている。
【0022】
第2レンズL2の屈折率をn2として定義すると、条件式1.980≦n2≦2.300を満たし、第2レンズL2の屈折率の値の範囲を規定し、高屈折率材料を採用し、先端口径を効果的に制御することができる。
【0023】
テレセントリックレンズ10の焦点距離をf、第8レンズL8の焦点距離をf8として定義すると、条件式―0.600≦f8/f≦―0.050を満たし、第8レンズL8とテレセントリックレンズ10の焦点距離fとの比を規定し、テレセントリックレンズ10の光焦点距離を適切に割り当てることにより、テレセントリックレンズ10が優れる結像品質及び低い感度を有する。
【0024】
第2レンズL2の物体側面の中心曲率半径をR3、第2レンズL2の像側面の中心曲率半径をR4として定義すると、条件式0.600≦R4/R3≦4.000を満たし、第2レンズL2の形状を規定し、条件式の範囲内において、光線がレンズを通る偏向度合いを緩和可能であり、テレセントリックレンズ10の非点収差及び歪曲収差の補正に有利であり、歪曲収差|Distortion|≦0.04%となり、マシンビジョンシステムの高精密な検出要求を満たす。
【0025】
テレセントリックレンズの作動距離(即ち、物体面から第1レンズL1の物体側面までの軸上距離)をWD、テレセントリックレンズの開口数をNAとして定義すると、条件式0.145≦NA*f/WD≦0.220を満たし、テレセントリックレンズ10の開口数及び解像度の満たす条件を規定し、条件式の範囲内において、テレセントリックレンズ10は、相対的により大きい開口数及びより強い解像度を有する。
【0026】
本発明の前記テレセントリックレンズ10の第1レンズL1の物体側面から被観測物体までの距離、光学長、開口数、焦点距離、関連するレンズの物体側面の中心曲率半径及び像側面の中心曲率半径が上記関係式を満たす場合、テレセントリックレンズ10に良好な光学性能及び高い拡大倍率を持たせることができ、マシンビジョンシステムの精密検出を満たすことができ、その中、拡大倍率が3倍に達することができる。
【0027】
本発明の前記テレセントリックレンズ10は、物体側テレセントリック設計を採用し、前群に2組の接合色消しレンズを配置することにより、一次色収差が効果的に補正され、各光学レンズの屈折力、材料に対して合理的な組み合わせと組成を行うことにより、孔径絞りを光学系の像側焦点平面に配置し、入射が光学系の無限遠に位置することにより、テレセントリックレンズ10が被写界深度範囲内において、物体距離が変化しても同様の光学倍率を有することが保証でき、これは、テレセントリックレンズ10の物体側テレセントリック機能を実現し、高解像度、低歪み、色収差解消の設計要求を満たすために、物体像の比例関係を正確にキャリブレーションして計算する必要がある視覚応用に対して最も正確な原理保証を提供する。
【0028】
第3レンズL3のアッベ数をv3、第4レンズL4のアッベ数をv4として定義すると、条件式50.000≦v4―v3≦80.000を満たし、第4レンズL4のアッベ数と第3レンズL3のアッベ数との差を規定し、条件式の範囲内では、色収差|LC|≦2μmとなるようにシステムの色収差を効果的に補正することができる。
【0029】
前記テレセントリックレンズ10の光学長をTTLとして定義すると、条件式2.000≦TTL/f≦5.000を満たし、条件式の範囲内において、レンズの全長を効果的に制御することができる。
【0030】
本実施形態において、第1レンズL1は、ガラス材質であり、第2レンズL2は、ガラス材質であり、第3レンズL3は、ガラス材質であり、第4レンズL4は、ガラス材質であり、第5レンズL5は、ガラス材質であり、第6レンズL6は、ガラス材質であり、第7レンズL7は、ガラス材質であり、第8レンズL8は、ガラス材質であり、第9レンズL9は、ガラス材質である。
【0031】
本実施形態では、第1レンズL1は、物体側面が近軸において凸面であり、像側面が近軸において凸面であり、第1レンズL1は、正の屈折力を有する。他の選択可能な実施形態では、第1レンズL1の物体側面及び像側面は、他の凹・凸分布状況に設置されてもよく、第1レンズL1は、負の屈折力を有してもよい。
【0032】
第1レンズL1の焦点距離をf1として定義すると、条件式0.54≦f1/f≦1.95を満たし、屈折力の合理的な配分により、システムが優れた結像品質及び低い感度を有する。
【0033】
第1レンズL1の物体側面の中心曲率半径をR1、第1レンズL1の像側面の中心曲率半径をR2として定義すると、条件式―0.50≦(R1+R2)/(R1―R2)≦4.01を満たし、第1レンズL1の形状を合理的に制御することにより、第1レンズがシステム球面収差を効果的に補正することができる。
【0034】
第1レンズL1の軸上厚みをd1として定義すると、条件式0.04≦d1/TTL≦0.06を満たし、レンズ厚さとレンズ全長の制御に有利である。
【0035】
本実施形態において、第2レンズL2は、物体側面が近軸において凸面であり、像側面が近軸において凹面であり、第2レンズL2は、正の屈折力を有する。他の選択可能な実施形態では、第2レンズL2の物体側面及び像側面は、他の凹・凸分布状況に設置されてもよく、第2レンズL2は、負の屈折力を有してもよい。
【0036】
第2レンズL2の焦点距離をf2として定義すると、条件式―1.95≦f2/f≦1.70を満たし、屈折力の合理的な配分により、システムが優れた結像品質及び低い感度を有する。
【0037】
第2レンズL2の軸上厚みをd2として定義すると、条件式0.01≦d3/TTL≦0.05を満たし、レンズ厚さとレンズ全長の制御に有利である。
【0038】
本実施形態において、第3レンズL3は、物体側面が近軸において凸面であり、像側面が近軸において凹面であり、第3レンズL3は、負の屈折力を有する。他の選択可能な実施形態では、第3レンズL3の物体側面及び像側面は、他の凹・凸分布状況に設置されてもよく、第3レンズL3は、正の屈折力を有してもよい。
【0039】
第3レンズL3の焦点距離をf3として定義すると、条件式―0.44≦f3/f≦3.20を満たし、屈折力の合理的な配分により、システムが優れた結像品質及び低い感度を有する。
【0040】
第3レンズL3の物体側面の中心曲率半径をR5、第3レンズL3の像側面の中心曲率半径をR6として定義すると、条件式1.44≦(R5+R6)/(R5―R6)≦8928.08を満たし、第3レンズL3の形状を規定し、条件式の規定範囲内では、光線がレンズを通る屈折度合いを緩和し、収差を効果的に小さくすることができる。
【0041】
第3レンズL3の軸上厚みをd5として定義すると、条件式0.00≦d5/TTL≦0.02を満たし、レンズ厚さとレンズ全長の制御に有利である。
【0042】
本実施形態において、第4レンズL4は、物体側面が近軸において凸面であり、像側面が近軸において凸面であり、第4レンズL4は、正の屈折力を有する。他の選択可能な実施形態では、第4レンズL4の物体側面及び像側面は、他の凹・凸分布状況に設置されてもよく、第4レンズL4は、負の屈折力を有してもよい。
【0043】
第4レンズL4の焦点距離をf4として定義すると、条件式0.18≦f4/f≦0.35を満たし、第4レンズL4の焦点距離f4とシステム焦点距離fとの比を規定し、条件式の範囲内では光学システムの性能向上に有利である。
【0044】
第4レンズL4の物体側面の中心曲率半径をR7、第4レンズL4の像側面の中心曲率半径をR8として定義すると、条件式―0.35≦(R7+R8)/(R7―R8)≦―0.10を満たし、第4レンズL4の形状を規定し、条件式で規定される範囲内において、光線がレンズを通る偏向度合いを緩和可能であり、収差を効果的に低減することができる。
【0045】
第4レンズL4の軸上厚みをd7として定義すると、条件式0.01≦d7/TTL≦0.05を満たし、レンズ厚さとレンズ全長の制御に有利である。
【0046】
本実施形態において、第5レンズL5は、物体側面が近軸において凹面であり、像側面が近軸において凹面であり、第5レンズL5は、負の屈折力を有する。他の選択可能な実施形態では、第5レンズL5の物体側面及び像側面は、他の凹・凸分布状況に設置されてもよく、第5レンズL5は、正の屈折力を有してもよい。
【0047】
第5レンズL5の焦点距離をf5として定義すると、条件式―0.25≦f5/f≦―0.09を満たし、第5レンズL5の焦点距離f5とシステムの焦点距離fとの比を規定し、光学システムの性能向上に有利である。
【0048】
第5レンズL5の物体側面の中心曲率半径をR9、第5レンズL5の像側面の中心曲率半径をR10として定義すると、条件式0.12≦(R9+R10)/(R9―R10)≦0.45を満たし、第5レンズL5の形状を規定し、条件式で規定される範囲内において、光線がレンズを通る偏向度合いを緩和可能であり、収差を効果的に低減することができる。
【0049】
第5レンズL5の軸上厚みをd9として定義すると、条件式0.00≦d9/TTL≦0.03を満たし、レンズ厚さとレンズ全長の制御に有利である。
【0050】
本実施形態において、第6レンズL6は、物体側面が近軸において凸面であり、像側面が近軸において凸面であり、第6レンズL6は、正の屈折力を有する。他の選択可能な実施形態では、第6レンズL6の物体側面及び像側面は、他の凹・凸分布状況に設置されてもよく、第6レンズL6は、負の屈折力を有してもよい。
【0051】
第6レンズL6の焦点距離をf6として定義すると、条件式0.15≦f6/f≦0.29を満たし、第6レンズL6の焦点距離f6とシステムの焦点距離fとの比を規定し、条件式の範囲内では光学システムの性能向上に有利である。
【0052】
第6レンズL6の物体側面の中心曲率半径をR11、第6レンズL6の像側面の中心曲率半径をR12として定義すると、条件式―1.00≦(R11+R12)/(R11―R12)≦―0.33を満たし、第6レンズL6の形状を規定し、条件式で規定される範囲内において、光線がレンズを通る偏向度合いを緩和可能であり、収差を効果的に低減することができる。
【0053】
第6レンズL6の軸上厚みをd11として定義すると、条件式0.01≦d11/TTL≦0.06を満たし、レンズ厚さとレンズ全長の制御に有利である。
【0054】
本実施形態において、第7レンズL7は、物体側面が近軸において凹面であり、像側面が近軸において凸面であり、第7レンズL7は、正の屈折力を有する。他の選択可能な実施形態では、第7レンズL7の物体側面及び像側面は、他の凹・凸分布状況に設置されてもよく、第7レンズL7は、負の屈折力を有してもよい。
【0055】
第7レンズL7の焦点距離をf7として定義すると、条件式0.10≦f7/f≦0.95を満たし、第7レンズL7の焦点距離f7とシステムの焦点距離fとの比を規定し、条件式の範囲内では光学システムの性能向上に有利である。
【0056】
第7レンズL7の物体側面の中心曲率半径をR13、第7レンズの像側面の中心曲率半径をR14として定義すると、条件式―2.80≦(R13+R14)/(R13―R14)≦2.10を満たす。この条件式は、第7レンズL7の形状を規定し、条件式で規定される範囲内において、光線がレンズを通る偏向度合を緩和可能であり、収差を効果的に低減することができる。
【0057】
第7レンズL7の軸上厚みをd13として定義すると、条件式0.00≦d13/TTL≦0.06を満たし、レンズ厚さとレンズ全長の制御に有利である。
【0058】
本実施形態において、第8レンズL8は、物体側面が近軸において凹面であり、像側面が近軸において凹面であり、第8レンズL8は、負の屈折力を有する。他の選択可能な実施形態では、第8レンズL8の物体側面及び像側面は、他の凹・凸分布状況に設置されてもよく、第8レンズL8は、正の屈折力を有してもよい。
【0059】
第8レンズL8の物体側面の中心曲率半径をR15、第8レンズの像側面の中心曲率半径をR16として定義すると、条件式―2.00≦(R15+R16)/(R15―R16)≦0.16を満たす。この条件式は、第8レンズL8の形状を規定し、条件式で規定される範囲内において、光線がレンズを通る偏向度合を緩和可能であり、収差を効果的に低減することができる。
【0060】
第8レンズL8の軸上厚みをd15として定義すると、条件式0.00≦d15/TTL≦0.03を満たし、レンズ厚さとレンズ全長の制御に有利である。
【0061】
本実施形態において、第9レンズL9は、物体側面が近軸において凸面であり、像側面が近軸において凸面であり、第9レンズL9は、正の屈折力を有する。他の選択可能な実施形態では、第9レンズL9の物体側面及び像側面は、他の凹・凸分布状況に設置されてもよく、第9レンズL9は、負の屈折力を有してもよい。
【0062】
第9レンズL9の焦点距離をf9として定義すると、条件式0.64≦f9/f≦2.97を満たし、第9レンズL9の焦点距離f9とシステムの焦点距離fとの比を規定し、条件式の範囲内では光学システムの性能向上に有利である。
【0063】
第9レンズL9の物体側面の中心曲率半径をR17、第9レンズの像側面の中心曲率半径をR18として定義すると、条件式―32.02≦(R17+R18)/(R17―R18)≦2.00を満たす。この条件式は、第9レンズL9の形状を規定し、条件式で規定される範囲内において、光線がレンズを通る偏向度合を緩和可能であり、収差を効果的に低減することができる。
【0064】
第9レンズL9の軸上厚みをd17として定義すると、条件式0.01≦d17/TTL≦0.08を満たし、レンズ厚さとレンズ全長の制御に有利である。
【0065】
以下、本発明のテレセントリックレンズ10について、実施例を用いて説明する。各実施例に記載された符号は以下のことを示す。焦点距離、軸上距離、中心曲率半径、軸上厚みの単位は、mmである。
【0066】
TTL:光学長(第1レンズL1の物体側面から結像面までの軸上距離)であり、単位がmmである。
【0067】
好ましくは、高品質の結像需要を満たすように、前記レンズの物体側面及び/又は像側面に変曲点及び/又は停留点が更に設置されてもよく、具体的な実施形態を以下に示す。
【0068】
表1は、本発明の第1実施形態に係るテレセントリックレンズ10の設計データを示す。
【0069】
【0070】
但し、各符号の意味は、以下の通りである。
S1:絞り
OBJ:物体面
BS:ダイクロイックプリズム
Gn:第nレンズ
R:光学面の中心曲率半径
R1:第1レンズL1の物体側面の中心曲率半径
R2:第1レンズL1の像側面の中心曲率半径
R3:第2レンズL2の物体側面の中心曲率半径
R4:第2レンズL2の像側面の中心曲率半径
R5:第3レンズL3の物体側面の中心曲率半径
R6:第3レンズL3の像側面の中心曲率半径
R7:第4レンズL4の物体側面の中心曲率半径
R8:第4レンズL4の像側面の中心曲率半径
R9:第5レンズL5の物体側面の中心曲率半径
R10:第5レンズL5の像側面の中心曲率半径
R11:第6レンズL6の物体側面の中心曲率半径
R12:第6レンズL6の像側面の中心曲率半径
R13:第7レンズL7の物体側面の中心曲率半径
R14:第7レンズL7の像側面の中心曲率半径
R15:第8レンズL8の物体側面の中心曲率半径
R16:第8レンズL8の像側面の中心曲率半径
R17:第9レンズL9の物体側面の中心曲率半径
R18:第9レンズL9の像側面の中心曲率半径
d:レンズの軸上厚み、又は、レンズ間の軸上距離
dOBJ(WD):物体面OBJから第1レンズL1の物体側面までの軸上距離
d1:第1レンズL1の軸上厚み
d2:第1レンズL1の像側面から第2レンズL2の物体側面までの軸上距離
d3:第2レンズL2の軸上厚み
d4:第2レンズL2の像側面から第3レンズL3の物体側面までの軸上距離
d5:第3レンズL3の軸上厚み
d6:第3レンズL3の像側面から第4レンズL4の物体側面までの軸上距離
d7:第4レンズL4の軸上厚み
d8:第4レンズL4の像側面から第5レンズL5の物体側面までの軸上距離
d9:第5レンズL5の軸上厚み
d10:第5レンズL5の像側面から第6レンズL6の物体側面までの軸上距離
d11:第6レンズL6の軸上厚み
d11―BS:第6レンズL6の像側面からダイクロイックプリズムBSの物体側面までの軸上距離
dBS:ダイクロイックプリズムBSの軸上厚み
dBS―S1:ダイクロイックプリズムBSの像側面から絞りS1までの軸上距離
dS1―13:絞りS1から第7レンズL7像側面までの軸上距離
d13:第7レンズL7の軸上厚み
d14:第7レンズL7の像側面から第8レンズL8の物体側面までの軸上距離
d15:第8レンズL8の軸上厚み
d16:第8レンズL8の像側面から第9レンズL9の物体側面までの軸上距離
d17:第9レンズL9の軸上厚み
d18:第9レンズL9の像側面から像面Siまでの軸上距離
nd:d線の屈折率
nd1:第1レンズL1のd線の屈折率
nd2:第2レンズL2のd線の屈折率
nd3:第3レンズL3のd線の屈折率
nd4:第4レンズL4のd線の屈折率
nd5:第5レンズL5のd線の屈折率
nd6:第6レンズL6のd線の屈折率
nd7:第7レンズL7のd線の屈折率
nd8:第8レンズL8のd線の屈折率
nd9:第9レンズL9のd線の屈折率
vd:アッベ数
v1:第1レンズL1のアッベ数
v2:第2レンズL2のアッベ数
v3:第3レンズL3のアッベ数
v4:第4レンズL4のアッベ数
v5:第5レンズL5のアッベ数
v6:第6レンズL6のアッベ数
v7:第7レンズL7のアッベ数
v8:第8レンズL8のアッベ数
v9:第9レンズL9のアッベ数
【0071】
図2、
図3は、それぞれ波長660nm、546nm及び460nmの光が第1実施形態に係るテレセントリックレンズ10を通った後の軸上色収差及び倍率色収差を示す模式図である。
図4は、波長546nmの光が第1実施形態に係るテレセントリックレンズ10を通った後の像面湾曲および歪曲収差を示す模式図であり、
図4の像面湾曲Sは、サジタル方向の像面湾曲であり、Tは、タンジェンシャル方向の像面湾曲である。
【0072】
後の表8は、各実施形態1、2、3、4、5、6、7における各種の数値及び条件式で規定されたパラメータに対応する値を示す。
【0073】
表8に示すように、第1実施形態は、各条件式を満たす。
【0074】
本実施形態において、前記テレセントリックレンズの入射瞳径が4633.628mmであり、全視野の像高が18.5mmであり、開口数が0.13であり、良好な光学性能及び高い拡大倍率を有し、マシンビジョンシステムの精密な検出を満たすことができる。
【0075】
(第2実施形態)
第2実施形態は、第1実施形態と基本的に同じであり、符号の意味も第1実施形態と同様であるため、相違点のみを以下に示す。
【0076】
表2は、本発明の第2実施形態に係るテレセントリックレンズ20の設計データを示す。
【0077】
【0078】
図6、
図7は、それぞれ波長660nm、546nm及び460nmの光が第2実施形態に係るテレセントリックレンズ20を通った後の軸上色収差及び倍率色収差を示す模式図である。
図8は、波長546nmの光が第2実施形態に係るテレセントリックレンズ20を通った後の像面湾曲および歪曲収差を示す模式図であり、
図8の像面湾曲Sは、サジタル方向の像面湾曲であり、Tは、タンジェンシャル方向の像面湾曲である。
【0079】
後の表8は、各実施形態1、2、3、4、5、6、7における各種の数値及び条件式で規定されたパラメータに対応する値を示す。
【0080】
表8に示すように、第2実施形態は、各条件式を満足する。
【0081】
本実施形態において、前記テレセントリックレンズの入射瞳径は、5000.248mmであり、全視野の像高は、18.5mmであり、対角線方向の画角は、0.01°であり、良好な光学性能を有する。
【0082】
(第3実施形態)
第3実施形態は、第1実施形態と基本的に同じであり、符号の意味も第1実施形態と同様であるため、相違点のみを以下に示す。
【0083】
本実施形態において、第7レンズL7は、物体側面が近軸において凸面であり、第9レンズL9は、像側面が近軸において凹面である。
【0084】
表3は、本発明の第3実施形態に係るテレセントリックレンズ30の設計データを示す。
【0085】
【0086】
図10、
図11は、それぞれ波長660nm、546nm及び460nmの光が第3実施形態に係るテレセントリックレンズ30を通った後の軸上色収差及び倍率色収差を示す模式図である。
図12は、波長546nmの光が第3実施形態に係るテレセントリックレンズ30を通った後の像面湾曲および歪曲収差を示す模式図であり、
図12の像面湾曲Sは、サジタル方向の像面湾曲であり、Tは、タンジェンシャル方向の像面湾曲である。
【0087】
後の表8は、各実施形態1、2、3、4、5、6、7における各種の数値及び条件式で規定されたパラメータに対応する値を示す。
【0088】
表8に示すように、第3実施形態は、各条件式を満たす。
【0089】
本実施形態において、前記テレセントリックレンズの入射瞳径は、3592.504mmであり、全視野の像高は、18.5mmであり、対角線方向の画角は、0.03°であり、良好な光学性能を有する。
【0090】
(第4実施形態)
第4実施形態は、第1実施形態と基本的に同じであり、符号の意味も第1実施形態と同様であるため、相違点のみを以下に示す。
【0091】
本実施形態において、第7レンズL7は、物体側面が近軸において凸面である。
【0092】
表4は、本発明の第4実施形態に係るテレセントリックレンズ40の設計データを示す。
【0093】
【0094】
図14、
図15は、それぞれ波長660nm、546nm及び460nmの光が第4実施形態に係るテレセントリックレンズ40を通った後の軸上色収差及び倍率色収差を示す模式図である。
図16は、波長546nmの光が第4実施形態に係るテレセントリックレンズ40を通った後の像面湾曲および歪曲収差を示す模式図であり、
図16の像面湾曲Sは、サジタル方向の像面湾曲であり、Tは、タンジェンシャル方向の像面湾曲である。
【0095】
後の表8は、各実施形態1、2、3、4、5、6、7における各種の数値及び条件式で規定されたパラメータに対応する値を示す。
【0096】
表8に示すように、第4実施形態は、各条件式を満たす。
【0097】
本実施形態において、前記テレセントリックレンズの入射瞳径は、3820.700mmであり、全視野の像高は、18.5mmであり、対角線方向の画角は、0.02°であり、良好な光学性能を有する。
【0098】
(第5実施形態)
第5実施形態は、第1実施形態と基本的に同じであり、符号の意味も第1実施形態と同様であるため、相違点のみを以下に示す。
【0099】
本実施形態において、第7レンズL7は、物体側面が近軸において凸面であり、第7レンズL7は、像側面が近軸において凹面であり、第9レンズL9は、物体側面が近軸において凹面である。
【0100】
表5は、本発明の第5実施形態に係るテレセントリックレンズ50の設計データを示す。
【0101】
【0102】
図18、
図19は、それぞれ波長660nm、546nm及び460nmの光が第5実施形態に係るテレセントリックレンズ50を通った後の軸上色収差及び倍率色収差を示す模式図である。
図20は、波長546nmの光が第5実施形態に係るテレセントリックレンズ50を通った後の像面湾曲および歪曲収差を示す模式図であり、
図20の像面湾曲Sは、サジタル方向の像面湾曲であり、Tは、タンジェンシャル方向の像面湾曲である。
【0103】
後の表8は、各実施形態1、2、3、4、5、6、7における各種の数値及び条件式で規定されたパラメータに対応する値を示す。
【0104】
表8に示すように、第5実施形態は、各条件式を満たす。
【0105】
本実施形態において、前記テレセントリックレンズの入射瞳径は、25971.381mmであり、全視野の像高は、18.5mmであり、対角線方向の画角は、0.00°であり、良好な光学性能を有する。
【0106】
(第6実施形態)
第6実施形態は、第1実施形態と基本的に同じであり、符号の意味も第1実施形態と同様であるため、相違点のみを以下に示す。
【0107】
本実施形態において、第1レンズL1は、物体側面が近軸において凹面であり、第8レンズL8は、像側面が近軸において凸面であり、第9レンズL9は、物体側面が近軸において凹面であり、第2レンズL2は、負の屈折力を有し、第3レンズL3は、正の屈折力を有する。
【0108】
表6は、本発明の第6実施形態に係るテレセントリックレンズ60の設計データを示す。
【0109】
【0110】
図22、
図23は、それぞれ波長660nm、546nm及び460nmの光が第6実施形態に係るテレセントリックレンズ30を通った後の軸上色収差及び倍率色収差を示す模式図である。
図24は、波長546nmの光が第6実施形態に係るテレセントリックレンズ20を通った後の像面湾曲および歪曲収差を示す模式図であり、
図24の像面湾曲Sは、サジタル方向の像面湾曲であり、Tは、タンジェンシャル方向の像面湾曲である。
【0111】
後の表8は、各実施形態1、2、3、4、5、6、7における各種の数値及び条件式で規定されたパラメータに対応する値を示す。
【0112】
表8に示すように、第6実施形態は、各条件式を満たす。
【0113】
本実施形態において、前記テレセントリックレンズの入射瞳径は、2624.704mmであり、全視野の像高は、18.5mmであり、対角線方向の画角は、0.03°であり、良好な光学性能を有する。
【0114】
(第7実施形態)
【0115】
第7実施形態は、第1実施形態と基本的に同じであり、符号の意味も第1実施形態と同様であるため、相違点のみを以下に示す。
【0116】
表7は、本発明の第7実施形態に係るテレセントリックレンズ70の設計データを示す。
【0117】
【0118】
図26、
図27は、それぞれ波長660nm、546nm及び460nmの光が第7実施形態に係るテレセントリックレンズ70を通った後の軸上色収差及び倍率色収差を示す模式図である。
図28は、波長546nmの光が第7実施形態に係るテレセントリックレンズ70を通った後の像面湾曲および歪曲収差を示す模式図であり、
図28の像面湾曲Sは、サジタル方向の像面湾曲であり、Tは、タンジェンシャル方向の像面湾曲である。
【0119】
後の表8は、各実施形態1、2、3、4、5、6、7における各種の数値及び条件式で規定されたパラメータに対応する値を示す。
【0120】
表8に示すように、第7実施形態は、各条件式を満たす。
【0121】
本実施形態において、前記テレセントリックレンズの入射瞳径は、4516.334mmであり、全視野の像高は、18.5mmであり、対角線方向の画角は、0.02°であり、良好な光学性能を有する。
【0122】
【0123】
以上は本発明の実施形態に過ぎず、当業者であれば本発明の思想を逸脱することなく改良を加えることができるが、これらは全て本発明の保護範囲に属する。
【要約】
【課題】本発明は、光学レンズの分野に関し、テレセントリックレンズを提供する。
【解決手段】当該テレセントリックレンズは、物体側から像側にかけて順に、第1レンズ、第2レンズ、第3レンズ、第4レンズ、第5レンズ、第6レンズ、第7レンズ、第8レンズ、及び第9レンズによって構成され、且つ条件式1.980≦n2≦2.300、―0.600≦f8/f≦―0.050、0.600≦R4/R3≦4.000、0.145≦NA*f/WD≦0.220を満たす。本発明のテレセントリックレンズは、良好な光学性能及び高い拡大倍率を有し、マシンビジョンシステムの精密な検出ニーズを満たすことができる。
【選択図】
図1