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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-12
(45)【発行日】2024-07-23
(54)【発明の名称】ヘアエクステンション
(51)【国際特許分類】
   A41G 3/00 20060101AFI20240716BHJP
   A41G 5/00 20060101ALI20240716BHJP
【FI】
A41G3/00 J
A41G5/00
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2024015733
(22)【出願日】2024-02-05
【審査請求日】2024-02-07
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】510122083
【氏名又は名称】平野 隆喜
(74)【代理人】
【識別番号】100124419
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 敬也
(74)【代理人】
【識別番号】100162293
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷 久生
(72)【発明者】
【氏名】平野 隆喜
【審査官】遠藤 邦喜
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-004442(JP,A)
【文献】特開2006-077384(JP,A)
【文献】特開2018-076626(JP,A)
【文献】特開2000-125699(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41G 3/00
A41G 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
地毛に装着するための人の毛髪や化学繊維で形成された毛髪を束ねてなるヘアエクステンションであって、
複数の毛髪の束の基端部分が、繊維状の取付けベース線材に、所定の間隔を置いて配置されており、
前記繊維状の取り付けベース線材に配置された前記毛髪の束の基端部分が、弾性を有する繊維状の線材を巻き付けることによって固着されているとともに、
前記複数の毛髪の束の基端部分が、並べた複数の毛髪の先端側を粘着剤で固化させてなる複数の半円状体を折り重ねた半円柱形状のものであることを特徴とするヘアエクステンション。
【請求項2】
前記各毛髪の束の基端部分が、粘着剤によって繊維状の取付けベース線材に粘着されていることを特徴とする請求項1に記載のヘアエクステンション。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地毛に装着する人毛や化学繊維等で作られた毛髪を束ねてなるヘアエクステンションに関する。
【背景技術】
【0002】
ヘアエクステンションは、簡単に言えば、髪の毛(地毛)に追加する(人工の)毛髪の束の集合体である。髪の長さやボリューム感を増したり、ヘアスタイル自体を変えたりするために使用される、ヘアスタイルを楽しむためのアイテムであると言える。ヘアエクステンションを装着することにより、自然な髪の長さやボリューム感を簡単に増やすことができるため、短い髪を瞬時に長く見せたり、ボリューム感を出したりすることができるし、新しいスタイルやヘアカラーを試すことができる。取り外し可能なタイプのヘアエクステンションであれば、日常的にスタイルを変えたり、特別なイベントのために装着したりするのも容易である。
【0003】
ヘアエクステンションは、いわゆる付け毛・部分かつらの類であり装着者の髪の毛(地毛)に何らかの装着方法を用いて装着するものである。装着方法としては、編み込みによる装着方法以外にも、接着剤(テープ)、金属チップ、熱収縮チューブ、糸ゴム等による装着方法等が知られている。専門家等による施術が奨励される装着方法としては、マイクロリングと呼ばれる小さな金属の輪を使用して、エクステンションを地毛に取り付ける方法、および、専用の接着剤(接着剤によるダメージが地毛に残る可能性があるため要注意)を使用してエクステンションを地毛に貼り付ける方法等が知られている。さらには、(専用機器を使用して)超音波を利用して地毛に装着する方法もある。
【0004】
特許文献1には、「熟練を要さず且つ各別な道具を用いることなく、頭髪への取り付けを容易に短時間で行える上、自毛を痛める懸念のないヘアエクステンションと、その取り付け方法を提供することを目的(特許文献1、0005段落より抜粋)として、「付け毛束の基端部が接着剤によって結着されるとともに、その基端部に止着手段としての結付け用糸の基端側が接着固定されており、結付け用糸には括り糸にて構成される解け止め輪が当該結付け用糸に沿って移動可能に嵌着されている(特許文献1、0017段落より抜粋)ヘアエクステンションとその取付方法(特許文献1:発明の名称)が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2011-042906号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に係るヘアエクステンションとその取付方法は、付け毛束の基端部が接着剤によって結着されていることから、実際に装着した際、付け毛束の基端部が一箇所に固まることで塊になってしまい、その部分の手触りがボコボコしてしまうことになる。しかも、結付け用糸の基端側が接着固定されており、解け止め輪が移動可能に嵌着されているため、さらに、手触りが一段とボコボコしてしまい好ましくない。
【0007】
本発明の目的は、手触りがボコボコすることなく、見た目においても自然な感じで装着することができるヘアエクステンションを提供することにある。すなわち、自然な見た目を実現することで、ヘアエクステンションが地毛とシームレスに溶け合い(外部からはほとんどヘアエクステンションを装着していることが分からなくなり)自然な見た目を保つことができるヘアエクステンションを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、請求項1に記載された発明は、地毛に装着するための人の毛髪や化学繊維で形成された毛髪を束ねてなるヘアエクステンションであって、数の毛髪の束の基端部分が、繊維状の取付けベース線材に、所定の間隔を置いて配置されており、前記繊維状の取り付けベース線材に配置された前記毛髪の束の基端部分が、弾性を有する繊維状の線材を巻き付けることによって固着されているとともに、前記複数の毛髪の束の基端部分が、並べた複数の毛髪の先端側を粘着剤で固化させてなる複数の半円状体を折り重ねた半円柱形状のものであることを特徴とするものである。
【0009】
請求項2に記載された発明は、請求項1に記載された発明において、前記各毛髪の束の基端部分が、粘着剤によって繊維状の取付けベース線材に粘着されていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、地毛に装着する人毛(人の毛髪)や化学繊維で作られた(複数の)毛髪の束の集合体であるヘアエクステンションである。本発明に係るヘアエクステンションは、取り付けベース線材と、取付けベース線材に所定の間隔を置いて括り付けられた複数の毛髪の束と、取付けベース線材に所定の間隔を置いて括り付けられた毛髪の束の取付けベース線材側に巻き付けた(好ましくは、隙間がないように巻き付けた)巻き付け弾性線材を備えている。
【0011】
取付けベース線材に所定の間隔を置いて複数の毛髪の束が(分散させて)取り付けられているので、従来技術のように(地毛に取り付けられる)付け毛の基端部が1箇所に集中することなく、適度な間隔を置いて分散されている。従って、手触りにおいてもボコボコすることなく、見た目においても自然な感じで装着することができるヘアエクステンションを提供することができるようになった。
【0012】
さらに、毛髪の束の巻き付け弾性部材側は、粘着剤により束ねられた状態になっているので、巻き付け弾性線材を毛髪の束の取付けベース線材側に隙間がないように巻き付ける際、巻き付け弾性部材の有する弾性と粘着剤(の弾性及び粘着性)の相互作用により、巻き付け弾性部材が脱落することなくスムーズに取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明に係るヘアエクステンションの全体図である。
図2】毛髪の束の作製方法を示す説明図である。
図3】ヘアエクステンションの作製方法を示す説明図である。
図4】ベース線材への毛髪の束の固着状態(粘着状態)を示す説明図(図3(b)におけるA部分の拡大図)である。
図5】ベース線材の第一ループ、第二ループの形成方法を示す説明図である。
図6】エクステンションの使用方法を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<ヘアエクステンションの構造>
以下、本発明に係るヘアエクステンション1の一実施形態について、図1図3に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明に係るヘアエクステンション1の全体図である。
【0015】
本発明に係るヘアエクステンション1は、取り付けベース線材2と、取付けベース線材2に所定の間隔を置いて括り付けられた複数の毛髪の束3と、取付けベース線材2に所定の間隔を置いて括り付けられた毛髪の束3の取付けベース線材2側に隙間がないように巻き付けた巻き付け弾性線材4を備えている(図1参照)。ヘアエクステンション1を構成する(複数の)毛髪の束3の巻き付け弾性部材4側は、粘着材5により束ねられた状態になっている(図2および図3にて説明する)。
【0016】
取り付けベース線材2は、素材として、ポリエステル等の人工繊維や綿糸等の天然繊維等(あるいは、それらの繊維を複数本束ねたもの)を選択することができる。一方、巻き付け弾性線材4は、素材として、ポリウレタンゴムやシリコンゴム等を選択することができる。なお、取り付けベース線材2や巻き付け弾性線材4の素材・原料は、ヘアエクステンション1としての性能を満たすのであれば、特に上記したものに限定されない。
【0017】
また、取り付けベース線材2の先端には、取り付けベース線材2を引っ張る際に指を挿通させるための所定の長さの内周(約90mm)を有する摘みPが、取り付けベース線材2を結束することによって形成されている。また、先端から所定の長さ(約20mm)だけ内側の部分に、所定の長さの内周(約7.0mm)を有する第一ループRaが形成されており、その第一ループRaから、所定の長さ(約2.0mm)だけ離れた位置に、所定の長さの内周(約7.0mm)を有する第二ループRbが形成されている(すなわち、取り付けベース線材2においては、第一ループRaと第二ループRbとの距離が約2.0mmに調整されている)。
【0018】
図5は、第一ループRa、第二ループRbの形成方法を示したものであり、第一ループRaおよび第二ループRbは、取り付けベース線材2を下記(1)~(4)の工程を通して結束することによって形成されている。
(1)取り付けベース線材2の片端(第一端縁14a)を、他端(第二端縁14b)際の表側から裏側へ導くことによって輪16を形成する第一工程(図5(a)参照)
(2)第二端縁14bの裏側へ導かれた第一端縁14aを、第二端縁14bの表側へ導くことによって第一ループRaを形成する第二工程(図5(b)参照)
(3)第二端縁14bの表側へ導かれた第一端縁14aを、第二端縁14bの裏側へ導き、輪16の裏側から輪16の内部を貫通させて、第二端縁14bの周りを一周させた後に、輪16の裏側から輪16の内部を貫通させてループを形成させ、しかる後に、輪16の表側から輪16の内部を貫通させて、第二端縁14bの裏側へ導いた後に、第二端縁14bの表側へ導き、輪16の表側から輪16の内部を貫通させることにより、輪16内を貫通した第一端縁14aによって第二ループRbを形成する第三工程(図5(c),(d)参照)
(4)第一端縁14aと第二端縁14bとを引き離すように取り付けベース線材2を引っ張ることにより、第一ループRa、第二ループRbが、それぞれ、所定の大きさ(内周の長さが約7.0mmの円形あるいは楕円状)となるように調整する第四工程
【0019】
<毛髪の束の作製方法>
図2は、(ヘアエクステンション1を構成する)毛髪の束3の作製方法を示す説明図である。図2を参照しつつ、毛髪の束3の作製方法について説明する。図2(a)に記載したように、ガラス板6の上に(ガラス板6の端に毛髪(人工毛)の先端が配置されるように位置合わせしつつ)ガラス板6の長手方向に沿って毛髪(人口毛)を(ガラス板6の)長手方向と垂直向きになるように30本~50本程度並べる。
【0020】
そのように毛髪を並べてから、毛髪(人毛)の先端側(図2(a)においては網線部分)、具体的には、ガラス板6の短手方向の1/3~1/2程度の毛髪(人毛)に、粘着剤5(接着剤でも良い)を塗布する(1回目)。そして、粘着剤5(接着剤でも良い)を乾燥(表面的に見て乾燥していれば足りる)させてから、もう一度、粘着剤5(接着剤でも良い)を塗布する(2回目)。
【0021】
そして、毛髪(人毛)の先端側、具体的には、ガラス板6の短手方向の1/3~1/2程度の毛髪(人毛)に塗布した粘着剤5を乾燥(表面的に見て乾燥していれば足りる)させてから(ガラス板6は除去する)、粘着剤5を塗布した部分の先端側をカットすることで、(残った部分が)複数の半円が並んだ形状にする(図2(b)参照)。さらに、その状態から、半円毎に反対方向に折り重ねることによって、毛髪の束3を得る。すなわち、毛髪の束3は、一端側の形状が(半円毎に反対方向に折り重ねることにより厚みを有する)半円柱形状になるように形成されている。すなわち、(1つの)毛髪の束3は、30本~50本の毛髪(人毛)と粘着剤5により形成されている。
【0022】
<ヘアエクステンションの作製方法>
図3は、ヘアエクステンション1の作製方法を示す説明図である。なお、ヘアエクステンション1は、作製時において専用の治具を使用することになるが、本明細書において、専用の治具については、図面への記載を省略する。
【0023】
図3(a)に記載したように、(1つ目の)毛髪の束3を取り付けベース線材2に括りつける(仮止め)。(1つ目の)毛髪の束3を取り付けベース線材2に括り付けた(仮止め)後、図3(b)に記載したように、毛髪の束3の先端側(主に粘着材5で束ねた部分)に対し、巻き付け弾性線材4を巻き付ける(第1巻き付け工程)。なお、毛髪の束3の先端側(主に粘着材5で束ねた部分)に対し、巻き付け弾性線材4を巻き付ける際は、毛髪の束3の先端を始点として長手方向に向かって巻き付けると、余分な粘着剤5が長手方向に押し出されるので、毛髪の束3の粘着剤が塗布されていない部分に対しても粘着効果が及ぶようになるので好都合である。図4は、毛髪の束3を取り付けベース線材2に粘着剤5によって粘着させた後に、巻き付け弾性線材4を巻き付けることによって固着させた状態を示したものである。
【0024】
(第1巻き付け工程にて)巻き付けた毛髪の束3の先端部よりも上側に(2つ目の)毛髪の束3を取り付けベース線材2に括り付けた(仮止め)後、図3(c)に記載したように、毛髪の束3の先端側(主に粘着材5で束ねた部分)に対し、巻き付け弾性線材4を巻き付ける。このとき、(1つ目の)毛髪の束3に巻き付けた巻き付け弾性線材4と(2つ目の)毛髪の束3に巻き付けた巻き付け弾性線材4との間に隙間がないようにする(第2巻き付け工程)。すなわち、巻き付けられた巻き付け弾性線材4同士が接触し合った状態となるように巻き付ける。
【0025】
(第2巻き付け工程にて)巻き付けた毛髪の束3の先端部よりも上側に(3つ目の)毛髪の束3を取り付けベース線材2に括り付けた(仮止め)後、図3(d)に記載したように、毛髪の束3の先端側(主に粘着材5で束ねた部分)に対し、巻き付け弾性線材4を巻き付ける。このとき、(2つ目の)毛髪の束3に巻き付けた巻き付け弾性線材4と(3つ目の)毛髪の束3に巻き付けた巻き付け弾性線材4との間に隙間がないようにする(完成形:第3巻き付け工程)。このような工程を経て本発明に係るヘアエクステンション1が作製される(図3(d)参照)。
【0026】
<ヘアエクステンションの装着方法>
図6は、上記エクステンション1の使用方法を示したものであり、エクステンション1を地毛に装着する場合には、所定量(約50本程度)の地毛H,H・・を束ねて、第二ループRb内を挿通させた後に、第一ループRa内を挿通させる(図6(a)参照))。なお、そのように地毛H,H・・を第二ループRb、第一ループRaに挿通させる場合には、かぎ針等の道具を好適に利用することができる。
【0027】
しかる後に、本体部分(毛髪の束3,3・・を括り付けた部分)を把持しながら、取り付けベース線材2の摘みPを外向きに引っ張る。そのように取り付けベース線材2を引っ張ると、第一ループRaと第二ループRbとがわずかに間隔を拡げながら、相対的に回転するように捻れるとともに、第一ループRaおよび第二ループRbの径が次第に小さくなる(すなわち、第一ループRaおよび第二ループRbが収縮する(図6(b)参照))。そのように第一ループRaおよび第二ループRbが、互いに捻れながら収縮すると、地毛H,H・・が、第一ループRaと第二ループRbとの間で、約180度のスパイラルを描きながら取り付けベース線材2の凹凸(結束により形成された凹凸)に合わせて屈曲した状態で、第一ループRaおよび第二ループRbによって把持される。そのため、第一ループRaおよび第二ループRb内を挿通させた地毛H,H・・は、きわめて高い拘束力で把持される。
【0028】
そして、上記の如く、取り付けベース線材2の第一ループRaと第二ループRbとによって地毛H,H・・を把持させた後には、収縮した第一ループRaと第二ループRbとの外側で、紐状体3を切断することによって頭髪への装着を完了する。
【0029】
<ヘアエクステンションの効果>
本発明に係るヘアエクステンション1は、取付けベース線材2に所定の間隔を置いて複数の毛髪の束3が取り付けられているので、従来技術のように(地毛に取り付けられる)付け毛の基端部が1箇所に集中することなく、複数個所に分散された状態になっている。したがって、手触りがボコボコすることなく、見た目においても自然な感じとなるように装着することができる。
【0030】
また、毛髪の束3(及び粘着剤5)は、先端側をカットして複数の半円が並んだ形状になっている(図2(b)参照)。すなわち、毛髪の束3の先端側をカットすることで、毛髪の束3の先端側は、束ねたときに直方体形状から半円柱形状になった分、嵩(体積)が小さくなるので、よりボコボコしなくなる。したがって、手触りにおいてもボコボコすることなく、かつ、見た目においても自然な感じとなるように装着することができる。
【0031】
さらに、エクステンション1は、上記の如く、地毛H,H・・への装着手段が、取り付けベース線材2であり、その取り付けベース線材2を結束することにより、取り付けベース線材2の基端と先端とを離す方向に引っ張ることによって収縮する第一ループ15aおよび第二ループ15bが所定の距離(約2.0mm)を隔てて位置するように形成されている。それゆえ、取り付けベース線材2に形成された第一ループ15aおよび第二ループ15bに地毛H,H・・を挿通させた状態で、取り付けベース線材2を引っ張って第一ループ15aおよび第二ループ15bを収縮させるだけで、きわめて容易に頭髪に装着することができる。また、頭髪への装着に際し、地毛H,H・・に熱を加えたり、接着剤を付けたりする必要がないので、地毛H,H・・を損傷させることがない。さらに、所定の距離を隔てて位置した第一ループ15aおよび第二ループ15bが、それぞれ、地毛H,H・・の別々の部分を締め付けるので、地毛H,H・・の拘束力が高く、長期間に亘って装着状態を保持することができる。加えて、頭髪への装着手段である取り付けベース線材2が非常にコンパクトであるので、使用者が装着した状態で横たわる場合でも、使用者に違和感を与えたりしない。
【0032】
<ヘアエクステンションの変更例>
本発明に係るヘアエクステンションは、上記した各実施形態の態様に何ら限定されるものではなく、取り付けベース線材、巻き付け弾性線材、毛髪の束、粘着剤等の構成を、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で必要に応じて適宜変更することができる。たとえば、巻き付け弾性線材は、(本発明に係る巻き付け弾性線材よりも長めに形成すれば)引き伸ばした状態で複数の毛髪の束3を所定の間隔に取り付けてから、取り付けベース線材に巻き付けることもできる。また、ヘアエクステンションは、上記実施形態の如く、取り付けベース線材に3個の毛髪の束を固着させた(括り付けた)ものに限定されず、取り付けベース線材に2個あるいは4個以上の毛髪の束を固着させたものでも良い。
【0033】
また、ヘアエクステンションは、上記実施形態の如く、取り付けベース線材に摘みや第一ループ、第二ループを設けたものに限定されず、取り付けベース線材が単純な紐状であるもの等でも良い。加えて、ヘアエクステンションを、上記実施形態の如く、取り付けベース線材に第一ループおよび第二ループを設けたものとする場合には、それらの第一ループと第二ループとの間隔が約2.0mmであるものに限定されず、第一ループと第二ループとの間隔を、必要に応じて適宜変更することができる。なお、第一ループおよび第二ループとの間隔を1.0mm以上8.0mm以下に調整した場合には、地毛の拘束力がきわめて高いものとなる、というメリットがある。
【0034】
さらに、ヘアエクステンションは、上記実施形態の如く、第一ループおよび第二ループとの内周がそれぞれ約7.0mmであるものに限定されず、第一ループおよび/または第二ループの内周の長さを、必要に応じて適宜変更することができる。なお、第一ループおよび第二ループの内周の長さを5.0mm以上13.0mm以下に調整した場合には、より短時間で容易に装着できるものとなる、というメリットがある。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明に係るヘアエクステンションは、上記の如く優れた効果を奏するものであるので、髪の長さやボリューム感を増したり、ヘアスタイル自体を変えたりするために使用される、髪の毛(地毛)に追加するヘアエクステンションとして好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0036】
1・・ヘアエクステンション
2・・取り付けベース線材
3・・毛髪の束
4・・巻き付け弾性線材
5・・粘着剤
6・・ガラス板
P・・摘み
Ra・・第一ループ
Rb・・第二ループ
【要約】
【課題】手触りがボコボコすることなく、見た目においても自然な感じで装着することができるヘアエクステンションを提供する。すなわち、自然な見た目を実現することで、ヘアエクステンションが地毛とシームレスに溶け合い(外部からは殆どヘアエクステンションを装着していることが分からなくなり)自然な見た目を保つことができるヘアエクステンションを提供する。
【解決手段】地毛に装着する人毛や化学繊維で作られた毛髪の束の集合体であるヘアエクステンション1であって、取り付けベース線材2と、取付けベース線材2に所定の間隔を置いて括り付けられた複数の毛髪の束3と、取付けベース線材2に所定の間隔を置いて括り付けられた毛髪の束3の取付けベース線材2側に隙間がないように巻き付けた巻き付け弾性線材4を備えることを特徴としている。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6