(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-16
(45)【発行日】2024-07-24
(54)【発明の名称】配送完了情報収集システムおよび配送完了情報収集方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/08 20240101AFI20240717BHJP
【FI】
G06Q10/08
(21)【出願番号】P 2020120767
(22)【出願日】2020-07-14
【審査請求日】2023-01-04
(73)【特許権者】
【識別番号】324001734
【氏名又は名称】ロジスティード株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001678
【氏名又は名称】藤央弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】山口 真帆
(72)【発明者】
【氏名】小坂 忠義
(72)【発明者】
【氏名】古家 直樹
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 高志
(72)【発明者】
【氏名】山元 龍
【審査官】関 博文
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-160230(JP,A)
【文献】特開2004-307203(JP,A)
【文献】特開2008-236088(JP,A)
【文献】特開2016-218990(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶部と、座標情報取得部と、二次元コード座標特定部と、撮影範囲推定部と、
撮影範囲表示部と、撮影部と、保存部と、を有する配送完了情報収集システムであって、
前記記憶部は、出荷先が荷物を受領したことを証明する受領書のフォーマットごとに、前記受領書の構成要素の紙面上の座標情報を保持し、
前記受領書の構成要素の紙面上の座標情報は、前記受領書に印刷された前記受領書の識別情報を含む二次元コードの複数の点の紙面上の座標情報と、前記受領書の画像の収集範囲の紙面上の座標値と、を含み、
前記座標情報取得部は、前記受領書の識別情報に基づいて特定された前記受領書のフォーマットに対応する前記受領書の画像の収集範囲の紙面上の座標値を、前記記憶部から取得し、
前記二次元コード座標特定部は、端末装置によって撮影された前記受領書を前記端末装置の画面上に表示した画像における、前記二次元コードの複数の点の前記端末装置の画面上の座標値を特定し、
前記撮影範囲推定部は、前記二次元コードの複数の点の紙面上の座標値間の距離と、前記二次元コードの複数の点の前記端末装置の画面上の座標値間の距離との関係、及び、前記受領書の構成要素の紙面上の座標情報に基づいて、前記受領書の画像の収集範囲の前記端末装置の画面上の座標値を推定
し、
前記撮影範囲表示部は、前記端末装置による画像の撮影範囲を示すフレームを前記端末装置の画面上に表示させ、
前記撮影部は、前記撮影範囲推定部の推定結果に従って、前記受領書の画像の収集範囲が前記フレームによって示された撮影範囲に含まれるときに、前記端末装置に前記受領書の画像を撮影させ、撮影された前記受領書の画像を送信し、
前記保存部は、前記撮影部から送信された前記受領書の画像を前記記憶部に保存することを特徴とする配送完了情報収集システム。
【請求項2】
請求項1に記載の配送完了情報収集システムであって、
前記撮影範囲推定部は、前記二次元コードの複数の点の紙面上の座標値間の距離と、前記二次元コードの複数の点の前記端末装置の画面上の座標値間の距離との関係に基づいて、前記受領書の画像の各要素の画面上の座標値を推定し、
前記保存部は、前記撮影範囲推定部によって推定された前記受領書の画像の各要素の画面上の座標値を前記記憶部に保存することを特徴とする配送完了情報収集システム。
【請求項3】
請求項2に記載の配送完了情報収集システムであって、
前記二次元コードは、前記受領書の識別情報を含み、
前記受領書の画像の収集範囲は、前記二次元コードが印刷される範囲と、前記出荷先が前記荷物を受領したことを確認するために前記受領書に追加する確認情報の記載範囲と、を含み、
前記撮影部は、1枚の画像に前記二次元コードと前記確認情報とが含まれるように撮影した画像を前記保存部に送信することを特徴とする配送完了情報収集システム。
【請求項4】
請求項3に記載の配送完了情報収集システムであって、
前記撮影部は、前記受領書の画像が撮影された日時及び当該日時における前記端末装置の位置を示す情報を前記保存部に送信することを特徴とする配送完了情報収集システム。
【請求項5】
請求項1に記載の配送完了情報収集システムであって、
ネットワークを介して前記端末装置と接続されるサーバ装置を有し、
前記サーバ装置は、前記ネットワークに接続される第1通信部と、前記第1通信部に接続される第1プロセッサと、前記第1プロセッサに接続される第1記憶デバイスと、を有し、
前記端末装置は、前記ネットワークに接続される第2通信部と、前記第2通信部に接続される第2プロセッサと、前記第2プロセッサに接続される第2記憶デバイスと、前記第2プロセッサに接続される入力デバイスと、前記第2プロセッサに接続される表示デバイスと、前記第2プロセッサに接続される二次元コードリーダとを有し、
前記記憶部は、前記第1記憶デバイスの記憶領域であり、
前記入力デバイスは、前記受領書の画像を撮影し、
前記表示デバイスは、前記入力デバイスが撮影した画像を表示し、
前記二次元コードリーダは、前記受領書の前記二次元コードを読み取り、
前記座標情報取得部及び前記保存部は、前記第1プロセッサによって実現される機能であり、
前記二次元コード座標特定部、前記撮影範囲推定部、前記撮影範囲表示部及び前記撮影部は、前記第2プロセッサによって実現される機能であることを特徴とする配送完了情報収集システム。
【請求項6】
請求項1に記載の配送完了情報収集システムであって、
ネットワークを介して前記端末装置と接続されるサーバ装置を有し、
前記サーバ装置は、前記ネットワークに接続される第1通信部と、前記第1通信部に接続される第1プロセッサと、前記第1プロセッサに接続される第1記憶デバイスと、を有し、
前記端末装置は、前記ネットワークに接続される第2通信部と、前記第2通信部に接続される第2プロセッサと、前記第2プロセッサに接続される第2記憶デバイスと、前記第2プロセッサに接続される入力デバイスと、前記第2プロセッサに接続される表示デバイスと、前記第2プロセッサに接続される二次元コードリーダとを有し、
前記記憶部は、前記第1記憶デバイスの記憶領域であり、
前記入力デバイスは、前記受領書の画像を撮影し、
前記表示デバイスは、前記入力デバイスが撮影した画像を表示し、
前記二次元コードリーダは、前記受領書の前記二次元コードを読み取り、
前記座標情報取得部、前記保存部、前記二次元コード座標特定部及び前記撮影範囲推定部は、前記第1プロセッサによって実現される機能であり、
前記撮影範囲表示部及び前記撮影部は、前記第2プロセッサによって実現される機能であることを特徴とする配送完了情報収集システム。
【請求項7】
請求項1に記載の配送完了情報収集システムであって、
前記受領書は、前記荷物に添付されて前記出荷先に渡される納品明細書とともに撮影される台紙を含むことを特徴とする配送完了情報収集システム。
【請求項8】
請求項1に記載の配送完了情報収集システムであって、
前記二次元コードの複数の点は、矩形の前記二次元コードの範囲の四隅のうち少なくとも三つの点を含み、
前記撮影範囲推定部は、前記二次元コードの複数の点の紙面上の座標値間の距離と、前記二次元コードの複数の点の前記端末装置の画面上の座標値間の距離との比率を、前記受領書の構成要素の紙面上の座標情報に適用することによって、前記受領書の画像の収集範囲の前記端末装置の画面上の座標値を推定することを特徴とする配送完了情報収集システム。
【請求項9】
記憶部と、座標情報取得部と、二次元コード座標特定部と、撮影範囲推定部と、撮影範囲表示部と、撮影部と、保存部と、を有する配送完了情報収集システムが実行する配送完了情報収集方法であって、
前記記憶部は、出荷先が荷物を受領したことを証明する受領書のフォーマットごとに、前記受領書の構成要素の紙面上の座標情報を保持し、
前記受領書の構成要素の紙面上の座標情報は、前記受領書に印刷された前記受領書の識別情報を含む二次元コードの複数の点の紙面上の座標情報と、前記受領書の画像の収集範囲の紙面上の座標値と、を含み、
前記配送完了情報収集方法は、
前記座標情報取得部が、前記受領書の識別情報に基づいて特定された前記受領書のフォーマットに対応する前記受領書の画像の収集範囲の紙面上の座標値を、前記記憶部から取得する手順と、
前記二次元コード座標特定部が、端末装置によって撮影された前記受領書を前記端末装置の画面上に表示した画像における、前記二次元コードの複数の点の前記端末装置の画面上の座標値を特定する手順と、
前記撮影範囲推定部が、前記二次元コードの複数の点の紙面上の座標値間の距離と、前記二次元コードの複数の点の前記端末装置の画面上の座標値間の距離との関係、及び、前記受領書の構成要素の紙面上の座標情報に基づいて、前記受領書の画像の収集範囲の前記端末装置の画面上の座標値を推定する手順と、
前記撮影範囲表示部が、前記端末装置による画像の撮影範囲を示すフレームを前記端末装置の画面上に表示させる手順と、
前記撮影部が、前記撮影範囲推定部の推定結果に従って、前記受領書の画像の収集範囲が前記フレームによって示された撮影範囲に含まれるときに、前記端末装置に前記受領書の画像を撮影させ、撮影された前記受領書の画像を送信する手順と、
前記保存部が、前記撮影部から送信された前記受領書の画像を前記記憶部に保存する手順と、を含むことを特徴とする配送完了情報収集方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物流事業における配送完了情報収集技術に関する。
【背景技術】
【0002】
物流業界では作業効率化のため、配達人の作業状況や商品の配送状況をなるべくリアルタイムに把握することが求められている。その例として、配達人の配送完了情報を取得することが求められる。例えば、配達人によって受領書画像が送信され、その画像を取得することにより、配送完了情報を取得することがあり、これを記録することが求められる。
【0003】
懸念される課題として、配達人が改ざん又は誤動作などにより虚偽の受領書画像を送信し、正確な配送完了情報が取得できないことが考えられる。例として、配達人が、撮影範囲が正しく写っていない受領書画像を誤って送信してしまう場合、又は、完了した配送とは異なる受領書の画像を、故意にあるいは誤って送信する場合などがある。
【0004】
特許文献1は、信頼性の高い受領証を、負担をかけずに保管し、検索することが可能な受領証保管システム及び受領証保管プログラムを開示する。これは、荷受人の印影情報を含み、配送荷物を受け取った証明となる受領証画像情報を入力する携帯端末と、顧客印影情報を含む顧客情報を予め記憶し、配送荷物識別情報及び受領書画像情報を結び付けて記憶する記憶部と、荷受人印影情報及び宛名人本人の顧客印影情報が一致するか否かを判定する制御部とを備える。
【0005】
また、特許文献2は、ドキュメントの置き方やカメラの位置に影響されずに、かつ用紙の色や角部の破砕があったとしても、画像補整が可能でドキュメントの再現性が高い撮像技術を開示する。これは、デジカメやスマートフォン等のカメラ付き携帯電話で、ドキュメントの撮影をする際にドキュメント用紙に位置決めシンボルを印刷しておき、この位置決めシンボルを基準に画像処理を行うことで、用紙の色や角部の破砕があったとしても、画像補正(台形補正)が可能でドキュメントの再現性が高い画像処理が可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2002-312444号公報
【文献】特開2012-151900号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1では、配送担当者が、荷受人の判が押された受領書の表面をイメージスキャナで読み取る、又は、デジタルカメラを使って受領書画像を取得することで、受領書画像情報と配送伝票識別情報を、携帯端末からホストコンピュータに送信している。従って、配送完了情報の送信は行われているが、送信する受領書画像が受領書の撮影範囲を正しく含んでいるかを確認し、調整するような取り組みは行われていない。
【0008】
一方、特許文献2では、撮影対象となるドキュメントの置き方及びカメラの位置に影響されずに、位置決めシンボルに囲まれた撮影範囲を正しく、かつ再現性が高い状態で撮影する技術を提供している。しかし、撮影範囲に含まれる、各要素の座標を特定することが出来ず、抽出したい各要素の画像を部分的に取得することはできない。
【0009】
そこで、本発明では受領書画像を正しく撮影、送信することができ、かつ、受領書画像上において抽出したい複数の各要素の座標を特定し、各要素の画像を部分的に抽出することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願において開示される発明の一側面となる配送完了情報収集システムは、記憶部と、座標情報取得部と、二次元コード座標特定部と、撮影範囲推定部と、撮影範囲表示部と、撮影部と、保存部と、を有し、前記記憶部は、出荷先が荷物を受領したことを証明する受領書のフォーマットごとに、前記受領書の構成要素の紙面上の座標情報を保持し、前記受領書の構成要素の紙面上の座標情報は、前記受領書に印刷された前記受領書の識別情報を含む二次元コードの複数の点の紙面上の座標情報と、前記受領書の画像の収集範囲の紙面上の座標値と、を含み、前記座標情報取得部は、前記受領書の識別情報に基づいて特定された前記受領書のフォーマットに対応する前記受領書の画像の収集範囲の紙面上の座標値を、前記記憶部から取得し、前記二次元コード座標特定部は、端末装置によって撮影された前記受領書を前記端末装置の画面上に表示した画像における、前記二次元コードの複数の点の前記端末装置の画面上の座標値を特定し、前記撮影範囲推定部は、前記二次元コードの複数の点の紙面上の座標値間の距離と、前記二次元コードの複数の点の前記端末装置の画面上の座標値間の距離との関係、及び、前記受領書の構成要素の紙面上の座標情報に基づいて、前記受領書の画像の収集範囲の前記端末装置の画面上の座標値を推定し、前記撮影範囲表示部は、前記端末装置による画像の撮影範囲を示すフレームを前記端末装置の画面上に表示させ、前記撮影部は、前記撮影範囲推定部の推定結果に従って、前記受領書の画像の収集範囲が前記フレームによって示された撮影範囲に含まれるときに、前記端末装置に前記受領書の画像を撮影させ、撮影された前記受領書の画像を送信し、前記保存部は、前記撮影部から送信された前記受領書の画像を前記記憶部に保存することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の代表的な実施の形態によれば、受領書の撮影範囲を正しく写した受領書画像を取得することができる。前述した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施例の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施例1の配送完了情報収集システムのハードウェア構成例を示すブロック図である。
【
図2】本発明の実施例1の配送完了情報収集システムの機能的構成例を示すブロック図である。
【
図3A】本発明の実施例1の配送完了情報収集システムによる通知処理手順例を示すフローチャートである。
【
図3B】本発明の実施例1の配送完了情報収集システムによる通知処理手順例を示すフローチャートである。
【
図4】本発明の実施例1で使用する受領書の一例を示す説明図である。
【
図5】本発明の実施例1の配送完了情報収集システムのサーバへの第1入力データの一例を示す説明図である。
【
図6A】本発明の実施例1の記憶デバイスが記憶する受領書情報管理データベースのテーブルの一例を示す説明図である。
【
図6B】本発明の実施例1の記憶デバイスが記憶する受領書情報管理データベースのテーブルの一例を示す説明図である。
【
図7】本発明の実施例1の配送完了情報収集システムのモバイル端末への第2入力データの一例を示す説明図である。
【
図8】本発明の実施例1の配送完了情報収集システムのモバイル端末への出力データの一例を示す説明図である。
【
図9】本発明の実施例1の配送完了情報収集システムによる、受領書の各要素の画面上の座標推定処理手順例を示すフローチャートである。
【
図10】本発明の実施例1の配送完了情報収集システムによる、モバイル端末の撮影画面の一例を示す説明図である。
【
図11】本発明の実施例1の配送完了情報収集システムによる、モバイル端末の受領書画像送信画面の一例を示す説明図である。
【
図12】本発明の実施例1の配送完了情報収集システムによる、モバイル端末の受領書画像の送信完了画面の一例を示す説明図である。
【
図13】本発明の実施例2で使用する貼り付け式受領書の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施例に従って詳細に説明する。なお、以下の実施例において示す構成は一例にすぎず、本発明は図示された構成に限定されるものではない。また、多くの場合ユーザは配達人を指す。
【実施例1】
【0014】
実施例1は、ユーザが商品を出荷先に納品後、出荷先の担当者が受領書に受領サインを記入した受領書の画像をサーバに送信することで、配送完了情報通知をする場合の例を示す。
【0015】
受領書とは、出荷先が出荷元に対して荷物を受領したことの証拠として渡す文書のことである。受領書は出荷元又は配送業者によって発行され、出荷先の担当者が受領サインを記入することによって、出荷先が荷物を受領したことの証書となる。受領書は、配送業者又は出荷元に返却される場合が多い。また、配送完了情報とは、出荷先が荷物を受領したことの証拠情報であり、例えば、出荷先が荷物を受領した後に、出荷先担当者によって受領サインが記入された受領書の画像などが該当する。
【0016】
ここで、出荷先担当者とは、出荷先(すなわち配送先)において、配送された荷物を受け取る業務を担当する人物である。例えば出荷先が企業であれば、出荷先担当者はその企業の下で荷物を受け取る業務を担当する人物であってもよいし、出荷先が個人であれば、出荷先担当者は当該個人自身であってもよい。
【0017】
実施例1ではディスプレイ上の撮影範囲の座標を推定し、ディスプレイ上に撮影範囲を示すフレームを表示することで、正しい撮影範囲が写った受領書画像を送信する例を説明する。受領書画像を本実施形態に係る、カメラ機能を有する携帯可能な配送完了情報通知装置の一例として、以下ではカメラ付きのモバイル端末を例に説明する。いわゆるタブレットPC及びスマートフォンは、無線通信機能などの装備によって自由な場所で撮影及びデータ通信などができるモバイル端末の代表例である。以下、配送完了情報収集システムの構成および処理の流れを説明する。
【0018】
<配送完了情報収集システムの実施形態例>
図1は、本発明の実施例1の配送完了情報収集システムのハードウェア構成例を示すブロック図である。
【0019】
配送完了情報収集システム100は、サーバ110とモバイル端末120から構成される。
【0020】
サーバ110は、プロセッサ111と、記憶デバイス112と、通信部113と、を有する。プロセッサ111、記憶デバイス112、および通信部113は、バス114によって接続される。プロセッサ111は、サーバ110を制御する。また、プロセッサ111は、記憶デバイス112が記憶する受領書情報管理データベース115の内容の書き換え、受領書画像などの書き込み、受領書情報管理データベース115の検索、および、受領書の紙面上の各要素の座標情報の読み出しなどを行う。
【0021】
記憶デバイス112は、プログラム等、プロセッサ111の処理に必要な情報、受領書情報管理データベース115などを記憶している。受領書情報管理データベース115については
図6A及び
図6Bを用いて後述する。
【0022】
通信部113は、インターネットなどのネットワーク130と接続し、モバイル端末120から送信された情報を受信し、モバイル端末120へ情報を送信する。
【0023】
モバイル端末120は、配送時に配達人などのユーザに携帯され、受領書画像をサーバ110へ送信し、受信完了通知をサーバ110から受信する。モバイル端末120は、入力デバイス121と、ディスプレイ122と、二次元コードリーダ123と、記憶デバイス124と、プロセッサ125と、通信部126と、を有する。
【0024】
プロセッサ125は、入力デバイス121、ディスプレイ122、二次元コードリーダ123、記憶デバイス124、および通信部126が接続され、モバイル端末120の動作全般を制御する。
【0025】
入力デバイス121は、ユーザが受領書画像の送信、または再撮影を選択するための入力装置である。入力デバイス121としては、たとえば、ディスプレイ122上のタッチパネルなどがある。入力デバイス121は、さらに、受領書画像等を撮影するカメラを含んでもよい。
【0026】
二次元コードリーダ123は、納品時に受領書の二次元コードを読み取ることによって、受領書識別IDと画面上の二次元コードの座標情報とを取得する。受領書識別IDは、受領書を識別するためのIDである。受領書識別IDとして、配送を識別するIDの配送IDを使用してもよい。
【0027】
記憶デバイス124は、プロセッサ125の処理に必要なモバイル端末の画面上の座標情報などを記憶している。画面上の座標情報とは、モバイル端末の撮影画面上において、受領書に記載されている各要素がどこに位置しているかを示す情報である。
【0028】
通信部126は、ネットワーク130を通じて受領書画像などをサーバ110に送信する。
【0029】
<配送完了情報収集システムの機能的構成例>
図2は、本発明の実施例1の配送完了情報収集システム100の機能的構成例を示すブロック図である。
【0030】
紙面上の座標情報231および受領書の文書フォーマットID情報237は、サーバ110の記憶デバイス112に記憶されている。紙面上の座標情報231とは、受領書の紙面上において、受領書に記載されている各要素がどこに位置しているかを示す情報である。また、受領書に印字された二次元コード232を読み取ることで取得する受領書識別ID、画面上の二次元コードの座標情報、および受領書画像235は、モバイル端末120の記憶デバイス124に記憶されている。なお、フレーム234、受領書画像235および送信完了情報236は、モバイル端末120のディスプレイ122に表示される。
【0031】
配送完了情報収集システム100のサーバ110は、座標情報取得部211と、出力結果保存部212と、を有する。これらは、具体的には、たとえば、
図1に示した記憶デバイス112に記憶されたプログラムを、プロセッサ111に実行させることによって実現される機能である。
【0032】
配送完了情報収集システム100のモバイル端末120は、受領書識別ID入力部221と、二次元コード座標特定部222と、撮影範囲推定部223と、撮影範囲表示部224と、撮影部225と、送信完了通知部226と、を有する。これらは、具体的には、たとえば、
図1に示した記憶デバイス124に記憶されたプログラムを、プロセッサ125に実行させることによって実現される機能である。
【0033】
なお、
図2では受領書識別ID入力部221と、二次元コード座標特定部222と、撮影範囲推定部223と、はモバイル端末120に配置することを想定したが、webアプリのような形態で、サーバ110の処理によってそれらの機能を実現することも可能である。その場合、受領書識別ID入力部221、二次元コード座標特定部222および撮影範囲推定部223は、たとえば、
図1に示した記憶デバイス112に記憶されたプログラムを、プロセッサ111に実行させることによって実現される機能である。
【0034】
<配送完了情報収集システムによる通知処理手順例>
図3A及び
図3Bは、本発明の実施例1の配送完了情報収集システム100による通知処理手順例を示すフローチャートである。
【0035】
配送完了情報収集処理を開始する前に、サーバ110の座標情報取得部211が、受領書識別IDと、受領書識別IDに対応する文書フォーマットIDに紐づいた紙面上の座標情報231とを取り込み、記憶デバイス112が記憶する受領書情報管理データベース115に登録しておく(ステップS301)。受領書から抽出したい要素としては、たとえば、二次元コード、出荷先および配送する商品などの配送情報、受領サイン、配達人情報、および撮影範囲などがある。サーバ110が取得する紙面上の座標情報231の詳細については
図5を用いて後述する。
【0036】
受領書400は、納品後に出荷先担当者に受領サインを記入してもらうことによって、出荷先が配送物を受け取ったことを証明する証書となる。受領書400のフォーマットの例については
図4を用いて後述する。なお、受領書に受領サインを記入するのではなく、受領印を押すことによって、配送完了の証明とする場合もある。
【0037】
つぎに、配送完了情報収集システム100は、ユーザによる通知処理の終了指示の有無を判定する(ステップS302)。終了指示がある場合(ステップS302:Yes)、配送完了情報収集システム100は通知処理を終了する。終了指示がない場合(ステップS302:No)、配送完了情報収集システム100はステップS303以降の通知処理を開始する。
【0038】
つぎに、モバイル端末120の受領書識別ID入力部221が、二次元コードリーダ123を用いて、受領書上の二次元コード232を読み込む(ステップS303)。
【0039】
つぎに、モバイル端末120の受領書識別ID入力部221が、二次元コードに対応するサーバ110のURLにアクセスし、二次元コード232から読み取った受領書識別IDをサーバ110の座標情報取得部211に伝達する(ステップS304)。
【0040】
つぎに、サーバ110の座標情報取得部211が、受領書識別IDに対応する文書フォーマットID情報237を検索し、その文書フォーマットID情報237に対応する、撮影範囲を含む紙面上の各要素の座標情報231をモバイル端末120の撮影範囲推定部223に伝達する(ステップS305)。
【0041】
つぎに、モバイル端末120の撮影範囲表示部224が、フレーム234を画面上に表示する(ステップS306)。
【0042】
つぎに、モバイル端末120の二次元コード座標特定部222が、受領書上の二次元コード232から、画面上の二次元コードの座標情報を読み取り、撮影範囲推定部223に伝達する(ステップS307)。画面上の二次元コードの座標情報の詳細については
図7を用いて後述する。
【0043】
つぎに、モバイル端末120の撮影範囲推定部223が、撮影範囲を含む抽出したい要素の座標を推定し、画面上の各要素の座標情報を出力結果保存部212に伝達し、画面上の撮影範囲の座標情報を撮影範囲表示部224に伝達する(ステップS308)。
【0044】
なお、出力結果保存部212は、画面上の各要素の座標情報を、記憶デバイス112が記憶する受領書情報管理データベース115に保存する。画面上の撮影範囲の座標情報の詳細については
図8を用いて後述する。画面上の撮影範囲推定処理手順の詳細については
図9を用いて後述する。
【0045】
つぎに、モバイル端末120は、カメラ機能によって画面上に受領書が写されると、撮影部225が撮影タイミングを判断する(ステップS309)。受領書の紙面上の撮影範囲233がフレーム234内にあるかどうかが判断基準となる。例えば、受領書の紙面上の撮影範囲233がフレーム234内にある場合に、撮影タイミングが到来したと判断される。撮影タイミングが到来したと判断された場合(ステップS309:YES)、撮影部225が自動撮影を行う(ステップS310)。撮影タイミングが到来していないと判断された場合(ステップS309:NO)、ステップS307に戻る。
【0046】
つぎに、モバイル端末120は、撮影部225によって撮影された受領書画像235、送信ボタン、および再撮影ボタンを画面上に表示する(ステップS311)。モバイル端末120は、ユーザによって、画面上で送信ボタン、または再撮影ボタンが押される(ステップS312)。送信ボタンが押された場合、モバイル端末120の撮影部225が、二次元コード232から読み取った受領書識別IDと、受領書画像235とをサーバ110の出力結果保存部212に送信する(ステップS313)。再撮影ボタンが押された場合、ステップS306に戻る。ステップS306からステップS313における、表示画面例については
図10から
図12を用いて後述する。
【0047】
なお、実際には、モバイル端末120の入力デバイス121に含まれるカメラが連続的に受領書画像を撮影し、その画像をディスプレイ122が表示してもよい。その場合、ステップS310における自動撮影は、撮影タイミングが到来したときにカメラが撮影した画像を、撮影部225が、サーバ110に送信するための画像として保持する処理であってもよい。そこで保持された画像は、ステップS313においてサーバ110の出力結果保存部212に送信される。
【0048】
つぎに、サーバ110の出力結果保存部212が、受領書画像235を記憶デバイス112が記憶する受領書情報管理データベース115に保存する(ステップS314)。なお、すでに受領書情報管理データベース115に受領書画像235が保存されている場合は、出力結果保存部212はすでに配送完了情報収集済みであることをモバイル端末120の送信完了通知部226に通知してもよい。
【0049】
つぎに、サーバ110の出力結果保存部212が、モバイル端末120の送信完了通知部226に受信完了通知を送信する(ステップS315)。
【0050】
つぎに、モバイル端末120の送信完了通知部226が、画面上に送信完了情報236を表示する(ステップS313)。
【0051】
つぎに、ステップS302に戻り、配送完了情報収集システム100は、ユーザによる通知処理の終了指示があれば(ステップS302:Yes)、配送完了情報収集システム100は通知処理を終了する。
【0052】
<実施例1で使用する受領書のフォーマットの一例>
図4は、本発明の実施例1で使用する受領書400の一例を示す説明図である。
【0053】
受領書400には、出荷元名称住所401、配送ID402、受領日403、配達人情報404、出荷先名称住所405、納品物詳細情報406、二次元コード232、受領サイン記入欄407、および備考欄408などが印刷されている。納品物詳細情報406には、品名・規格、数量、単位、および備考などが印刷されている。受領サイン記入欄407は、出荷元担当者に受領サインを記入してもらう欄である。備考欄408には、注意書き等諸事項が印刷されている。二次元コード232は、サーバ110へアクセスするためのURLと受領書識別ID情報とを記憶している。なお、
図4の受領書のフォーマットはあくまで一例であり、これに限定されない。
【0054】
<第1入力データの一例>
図5は、本発明の実施例1の配送完了情報収集システム100のサーバ110への第1入力データの一例を示す説明図である。
【0055】
第一入力データとは、受領書識別ID、受領書識別IDに対応する文書フォーマットID情報237、および、文書フォーマットIDに対応する受領書の各要素の紙面上の座標情報231である。受領書の各要素の紙面上の座標情報として、出荷元名称住所401、配送ID402、受領日403、配達人情報404、出荷先名称住所405、納品物詳細情報406、二次元コード232、受領サイン記入欄407、備考欄408、および受領書の紙面上の撮影範囲233などの紙面上の座標情報を有する。
【0056】
なお、紙面上の二次元コード232の座標情報、および、紙面上の撮影範囲233の座標情報は、画面上の撮影範囲の座標推定処理を行うために必ず取り込む必要がある。取得したい要素の紙面上の座標情報とは、受領書の各要素を囲うことができる、可能な限り小さい長方形の四隅の座標情報である。ただし、紙面上の二次元コードの座標情報としては、二次元コードの角にある三つの黒の四角の中心座標を取得する。
【0057】
ここでは、例として、受領書の左下の隅を原点とし、右方向にx軸、上方向にy軸が伸びる座標系を考えるが、座標の数値についてはあくまで一例であり、限定されない。受領書の紙面上の座標情報として、
図5の(0,0)、(x501,y501)、(x502,y502)、および(x503,y503)の四隅の座標情報を取得する。受領書の紙面上の座標情報を基に、紙面上の二次元コードの座標情報として、
図5の(x511,y511)、(x512,y512)、(x513,y513)、および(x514,y514)を取得する。また、受領書の紙面上の座標情報を基に、紙面上の撮影範囲の座標情報として、
図5の(x521,y521)、(x522,y522)、(x523,y523)、(x524,y524)の四隅の座標情報を取得する。
【0058】
<受領書情報管理データベースのテーブルの一例>
図6Aおよび
図6Bは、本発明の実施例1の記憶デバイス112が記憶する受領書情報管理データベース115のテーブルの一例を示す説明図である。
【0059】
受領書情報管理データベース115は、文書フォーマットIDに対応する紙面上の座標情報231を持つテーブル610(
図6A)と、受領書識別IDに対応する文書フォーマットID情報237とモバイル端末120から取得した画面上の座標情報とを持つテーブル620(
図6B)と、を有する。
【0060】
図6Aに示すテーブル610は、各文書フォーマットID611に紐づいた受領書の各要素の紙面上の座標情報231を有する。紙面上の座標情報を取得する要素として、例えば、二次元コード612、撮影範囲613、および受領サイン記入欄614などがあり、各要素を囲うことができる、可能な限り小さい長方形の四隅の座標情報を格納する。
【0061】
図6Bに示すテーブル620は、受領書識別ID621に紐づく文書フォーマットID情報237と受領書の各要素の画面上の座標情報とを有する。画面上の座標情報を取得する要素として、例えば、二次元コード622、撮影範囲623、および受領サイン記入欄624などがあり、各要素を囲うことができる、可能な限り小さい長方形の四隅の座標情報を格納する。なお、画面上の座標情報は、配送完了情報収集処理を開始する前は空のデータが格納されており、ステップS308で撮影範囲推定部によって伝達されることによって、座標情報が書き込まれる。
【0062】
<第2入力データの一例>
図7は、本発明の実施例1の配送完了情報収集システム100のモバイル端末120への第2入力データの一例を示す説明図である。
【0063】
第2入力データ700とは、受領書識別IDおよび画面上の二次元コードの座標情報である。二次元コードの角にある三つの黒の四角は位置検出パターンと呼ばれる。二次元コード座標特定部222は、これらの位置検出パターンの中心I、J、Lの座標を、位置検出パターンを識別することによって取得する。
【0064】
ここでは例として、モバイル端末120の画面の左下の隅を原点とし、右方向にx軸、上方向にy軸が伸びる座標系を考える。ただし、ここで示す座標の数値についてはあくまで一例であり、これに限定されない。位置検出パターンを識別することで取得する、二次元コードの角にある三つの黒の四角の中心座標は、
図7の(x711,y711)、(x712,y712)、および(x714,y714)である。また、二次元コードの右下の点Kの座標(x713,y713)はI、J、Lの座標から、(x712,y714)と定義できる。
【0065】
<出力データの一例>
図8は、本発明の実施例1の配送完了情報収集システム100のモバイル端末120への出力データの一例を示す説明図である。
【0066】
出力データ800とは、撮影範囲推定部223によって推定された、受領書の各要素の画面上の座標情報である。撮影範囲推定部223は、座標情報取得部211から取得した紙面上の各要素の座標情報に対して、これらの画面上の座標情報を出力する。例えば、画面上の撮影範囲の座標情報として、
図8の(x821,y821)、(x822,y822)、(x823,y823)、(x824,y824)の四隅の座標情報を出力する。
【0067】
<受領書の各要素の画面上の座標推定処理手順の一例>
図9は、本発明の実施例1の配送完了情報収集システム100による、受領書の各要素の画面上の座標推定処理手順例を示すフローチャートである。
【0068】
具体的には、
図9を参照して、
図3Aのステップ307で行う座標推定処理について詳細を説明する。
【0069】
配送完了情報収集システム100の撮影範囲推定部223が、座標情報取得部211から取得した紙面上の各要素の座標情報から、座標間距離を算出する(ステップS901)。二次元コードの座標間距離とは、二次元コードの角にある三つの黒の四角の中心間の距離を指す。
図5の例では、二次元コードの角にある三つの黒の四角の中心の点をA、B、Dと定義すると、AD間の距離l1およびAB間の距離m1を、下記式(1)、(2)によって算出する。
【0070】
l1=|y511-y514|・・・(1)
m1=|x512-x511|・・・(2)
【0071】
二次元コード以外の受領書の各要素の座標間距離とは、各要素を囲うことができる可能な限り小さい長方形の縦の長さと横の長さを指す。ここでは、例として、受領書から抽出したい要素の一つである、撮影範囲の紙面上の座標間距離を算出する例を説明する。
図5の例では、長方形の頂点をE、F、G、Hと定義すると、長方形の縦の長さl2としてEH間距離を、長方形の横の長さm2としてEF間距離を、下記式(3)、(4)によって算出する。
【0072】
l2=|y521-y524|・・・(3)
m2=|x523-x524|・・・(4)
【0073】
式(3)、(4)の算出式はあくまで一例であり、算出方法はこれに限定されない。なお、撮影範囲以外の受領書上の各要素の座標間距離についても、各要素を囲うことができる可能な限り小さい長方形の頂点の座標から式(3)、(4)を用いて算出できる。
【0074】
つぎに、配送完了情報収集システム100の撮影範囲推定部223が、二次元コード座標特定部222から取得した画面上の二次元コードの座標情報から、座標間距離を算出する(ステップS902)。
図7の例では、二次元コードの角にある三つの黒の四角の中心の点をI、J、Lと定義すると、IL間の距離p1とIJ間の距離q1を、下記式(5)、(6)によって算出する。
【0075】
p1=|y711-y714|・・・(5)
q1=|x712-x711|・・・(6)
【0076】
つぎに、配送完了情報収集システム100の撮影範囲推定部223が、ステップS901とステップS902で得られた座標間距離を用いて、二次元コードの紙面上の座標間距離と画面上の座標間距離との比率を算出する。撮影範囲推定部223は、ここで算出した比率を用いて、二次元コード以外の受領書の各要素の画面上の座標を推定する(ステップS903)。二次元コードの紙面上の縦の長さと画面上の縦の長さの比率ryと二次元コードの紙面上の横の長さと画面上の横の長さの比率rxを、式(7)、(8)によって算出する。
【0077】
ry=p1/l1・・・(7)
rx=q1/m1・・・(8)
【0078】
ここでは例として、受領書から抽出したい要素の一つである、撮影範囲の画面上の座標を推定する例を説明する。
図8の例では、画面上の撮影範囲を囲う長方形の頂点をM、N、O、Pと定義すると、長方形の縦の長さp2としてMP間距離を、長方形の横の長さq2としてMN間距離を、下記式(9)、(10)によって算出する。
【0079】
p2=l2×ry・・・(9)
q2=m2×rx・・・(10)
【0080】
ここで、画面上の撮影範囲を囲う長方形の頂点M、N、O、Pの座標(x821,y821)、(x822,y822)、(x823,y823)、(x824,y824)は、下記式(11)~(18)によって算出する。
【0081】
x821=x711+(x521-x511)×rx・・・(11)
y821=y711+(y521-y511)×ry・・・(12)
x822=x821+q2・・・(13)
y822=y821・・・(14)
x823=x821+q2・・・(15)
y823=y821―p2・・・(16)
x824=x821・・・(17)
y824=y821―p2・・・(18)
【0082】
なお、撮影範囲以外の受領書上の各要素の画面上の座標についても、撮影範囲を囲う長方形の各頂点の座標を、抽出したい要素を囲う長方形の各頂点の座標に変更することで、式(1)~(18)を用いて算出できる。
【0083】
つぎに、配送完了情報収集システム100の撮影範囲推定部223は、ステップS903で得られた画面上の各要素の座標情報を出力結果保存部212に伝達し、画面上の撮影範囲の座標情報を撮影範囲表示部224に伝達する(ステップS904)。
【0084】
<モバイル端末の撮影画面の一例>
図10は、本発明の実施例1の配送完了情報収集システム100による、モバイル端末120の撮影画面の一例を示す説明図である。
【0085】
ステップS308において、撮影範囲表示部224が撮影範囲推定部223から伝達された画面上の撮影範囲の座標情報を基に、画面に写された受領書の撮影範囲がフレーム234内に含まれるようにモバイル端末120の移動を促すメッセージ1002が表示されている。例えばユーザが、このメッセージ1002に従って、画面に写された受領書の撮影範囲がフレーム内に含まれるようにモバイル端末120を移動(具体的には例えばカメラの向きを変更)すると、撮影部225が自動撮影を行う。
【0086】
<モバイル端末の受領書画像送信画面の一例>
図11は、本発明の実施例1の配送完了情報収集システム100による、モバイル端末120の受領書画像送信画面の一例を示す説明図である。
【0087】
撮影部225が自動撮影を実施後、ステップS311において、受領書画像235を送信するか、再撮影するかの選択をユーザに促すために、画面上に送信ボタン1101および再撮影ボタン1102が表示されている。
【0088】
<モバイル端末の送信完了画面の一例>
図12は、本発明の実施例1の配送完了情報収集システム100による、モバイル端末120の受領書画像の送信完了画面の一例を示す説明図である。
【0089】
ステップS316において、受領書画像がサーバ110に送信されたことを送信完了通知部がユーザに伝達するための送信完了情報236に相当するメッセージが画面上に表示されている。
【0090】
実施例1によれば、配送完了情報収集システム100を用いて配送完了情報通知、およびその通知の取得処理を行う場合に、ユーザは受領書の二次元コードをモバイル端末120で読み取り、画面上に表示される指示に従うことで、受領書の正しい撮影範囲を含んだ受領書画像を送信することが可能となる。また、撮影範囲内で抽出したい部分的な要素の紙面上の座標情報をサーバ110に登録しておくことで、各要素の画面上の座標、すなわち、受領書画像上の座標を特定し、撮影範囲内の各要素の画像を抽出することが可能となる。さらに、出荷元または配送業者が受領書のフォーマットを更新したい場合などに、新しいフォーマットの受領書の紙面上の座標情報をテーブルとしてサーバ110に登録し、撮影範囲推定部223に伝達することで、容易に受領書のフォーマット変更にも対応が可能となる。
【0091】
ここで、本実施例によれば、各要素の画像を抽出できるため、受領書画像上で表示したくない情報を隠した画像を作成したり、受領書の一部分だけを抽出して取り出したりすることも可能となる。例えば、出荷元に受領書画像を送信する際に、配達人の名前および従業員番号などの配達人情報404を隠して送信したい場合、サーバ110に登録されている画面上の座標情報を基に、受領書の配達人情報404が記載されている箇所を黒塗りする加工を施した画像を作成して、それを送信することができる。また、受領書上の受領サイン記入欄407が空欄でないかを画像処理で識別する際に、受領書画像の受領サイン記入欄だけ抽出することもできる。
【0092】
特徴量抽出などの処理を用いても、画像上の各要素の特定はできるが、特徴量抽出を行うには、特徴点同士を比較するための画像をモバイル端末120に保存する必要しておく必要があり、保存するデータ容量が大きい。また、撮影する帳票等が傾いている時、特徴量抽出ができない可能性もある。一方、本実施例の配送完了情報収集システム100を用いる場合、サーバ110に座標情報のみ登録しておくだけで良いので、保存するデータ容量が小さくて済み、相似を使ったより簡易な方法で、撮影範囲を特定できる。また、撮影する帳票等が傾いている場合にも対応可能である。
【0093】
ここで、受領書識別ID入力部221から座標情報取得部211に受領書識別IDが送信された時に、記憶デバイス112が記憶する受領書情報管理データベース115に、受領書識別IDに対応する受領書画像がすでに保存済みである場合を想定する。この場合、座標情報取得部211から受領書識別ID入力部221に配送完了情報取得済み情報を送信し、ディスプレイ122に配送完了済みを示すメッセージを表示してもよい。これによって、過去に受領書画像がサーバ110にすでに送信済みの配送に対して、二重にユーザが受領書画像を送信することを防ぐことが可能となる。
【実施例2】
【0094】
つぎに本発明の実施例2について説明する。実施例2として、日々の出荷先への商品の配送が多いなどの理由で、出荷先の担当者による受領書へ受領サインを記入する習慣がない場合に行う配送完了情報収集処理について説明する。ここでは、配達人の配送完了情報の証拠情報として、出荷先の受領サインではなく、配送される商品に添付される納品明細書を利用する。
【0095】
この場合、配送業者は納品明細書貼り付け台紙を発行し、配達人は配送業者から受け取った納品明細書貼り付け台紙1310に納品明細書1320を重ねたものを撮影する。ここで、配送業者とは、出荷元から荷物を預かって出荷先に配送する事業者(例えば物流会社等)であり、配達人とは、配送業者の指示に従って荷物を実際に運搬して出荷先に引き渡す業務を行う人物(例えば物流会社またはその下請け会社に所属するトラックドライバー等)である。
【0096】
実施例2では、ユーザ(例えば配達人)は受領書400を利用せず、納品明細書貼り付け台紙1310に納品明細書1320を重ねたもの(これを貼り付け式受領書1300と記載する)を利用する。実施例2で使用する貼り付け式受領書1300のフォーマットの例については
図13を用いて後述する。
【0097】
以下に説明する相違点を除き、実施例2の配送完了情報収集システム100の各部は、
図1~
図12に示された実施例1の同一の符号を付された各部と同一の機能を有するため、それらの説明は省略する。
【0098】
実施例1から変更があるステップのみ、説明する。また、実施例2では、
図3AのステップS301から
図3BのステップS316において、受領書400の代わりに貼り付け式受領書1300を使用する。
【0099】
実施例2では、ステップS302の後、ユーザによって、納品明細書1320が納品明細書貼り付け台紙1310に重ねられる。この時、ユーザまたは出荷先担当者によって、納品明細書貼り付け台紙1310の配送情報と、納品明細書1320の配送情報とが一致していることが目視で確認される。
【0100】
<実施例2で使用する受領書のフォーマットの一例>
図13は、本発明の実施例2で使用する貼り付け式受領書1300の一例を示す説明図である。
【0101】
貼り付け式受領書1300は、納品明細書貼り付け台紙1310に、納品明細書1320を重ねたものを指す。貼り付け式受領書1300は、納品明細書貼り付け台紙1310に納品明細書1320を重ねることによって、出荷先が配送物を受け取ったことを証明する証書となる。納品明細書1320は、出荷元が発行し、出荷先に渡される場合が多い。一方、納品明細書貼り付け台紙1310は、配送業者が発行し、配達人による配送完了後、配送業者に返却されることを想定している。
【0102】
納品明細書貼り付け台紙1310には、納品日1311、出荷元1312、配送ID1313、出荷先1314、および二次元コード232などが印刷されている。納品明細書1320には、出荷元1321、納品物詳細情報1322、および備考欄1323などが印字されている。なお、
図13の貼り付け式受領書1300のフォーマットはあくまで一例であり、これに限定されない。
【0103】
実施例2によれば、出荷先の担当者による受領書400への受領サインの記入が実施不可能な場合に、配送業者が、二次元コードが印字された納品明細書貼り付け台紙1310に納品明細書1320を重ねた貼り付け式受領書1300の画像を送信することで、配送完了情報通知を行うことが可能となる。
【0104】
また、例えば同一の出荷先に一度に複数の荷物が配送される場合など、納品明細書1320が複数存在する場合、ユーザに配送完了情報収集処理を終了するか続けるか選択させるためのボタンをステップS302でモバイル端末120の画面上に表示し、納品明細書の枚数分だけ複数回、貼り付け式受領書1300を撮影して、その画像をサーバ110に送信するようにしてもよい。これによって、納品明細書が複数存在する場合にも、配送完了情報収集処理を行うことが可能となる。
【0105】
さらに、実施例2において、貼り付け式受領書1300の代わりに、納品日1311、出荷元1312、配送ID1313、出荷先1314、および二次元コード232などが印字されたシールを貼り付けた納品明細書1320を利用してもよい。この場合、納品明細書1320にシール貼付欄を印字し、ユーザにシール貼付欄にシールを貼るよう促すメッセージを、ステップS302の後、モバイル端末の画面上に表示してもよい。これによって、納品明細書貼り付け台紙1310を納品明細書1320に重ねて撮影する必要がなくなり、ユーザが受領書画像を撮影しやすくなる。
【0106】
また、実施例2では、納品明細書貼り付け台紙1310と納品明細書1320の配送情報が一致していることを、出荷先またはユーザが目視で確認するが、将来的には、モバイル端末120等が紙面上の配送情報および配送日時情報を文字認識などにより読み取ってもよい。これによって、ユーザが目視による確認を行う必要がなくなる。
【実施例3】
【0107】
つぎに、実施例3について説明する。実施例1では配達人による配送完了情報の証拠情報として、出荷先の受領サインを利用する場合を説明した。実施例2では配送される商品に添付される納品明細書を利用する場合を説明した。実施例3では、配送完了情報をさらに強固に根拠づけるための証拠情報として、ユーザのモバイル端末120による配送完了情報通知実施時の日時情報および位置情報を利用する場合を説明する。
【0108】
実施例3では、モバイル端末120は、
図1に加え、GPS受信部およびアンテナを有する。GPS受信部がアンテナを介してGPS衛星からの電波を受信することによって、モバイル端末120の現在の位置情報を取得することが可能となる。以下に説明する相違点を除き、実施例3の配送完了情報収集システム100の各部は、
図1~
図13に示された実施例1または実施例2の同一の符号を付された各部と同一の機能を有するため、それらの説明は省略する。
【0109】
実施例1から変更があるステップのみ、以下に示す。
【0110】
ステップS313:モバイル端末120の撮影部225は、二次元コード232から読み取った受領書識別IDと、受領書画像235と、モバイル端末120の現在の位置情報と、モバイル端末120の現在の日時情報と、をサーバ110の出力結果保存部212に送信する。
【0111】
<実施例3で使用する受領書情報管理データベースのテーブルの一例>
実施例3では、
図6Bのテーブル620は、受領書識別ID621に対応して、撮影部225による受領書画像235などの配送完了情報送信時における、モバイル端末120の位置情報と、モバイル端末120の日時情報と、を追加で有する。
【0112】
実施例3によれば、配送完了情報収集処理実施時のユーザのモバイル端末120の日時情報と位置情報とをサーバ110が取得することによって、配送完了情報をさらに強固に根拠づけるための証拠情報を取得することが可能となる。
【0113】
ここで、サーバ110の記憶デバイス112に、受領書識別IDに対応づけて、納品先の位置情報および配送日時情報などの配送情報を事前登録してもよい。これによって、サーバ110への受領書画像送信時に、受信したモバイル端末120の位置情報および日時情報と、サーバ110に登録された情報との差異が大きい場合、画面上にメッセージを表示することで、ユーザに両者が不一致であることを伝えることができる。これによって、扱う受領書の間違いを防ぐとともに、故意に配達が完了していない受領書画像を送信することを防ぐことができる。
【0114】
上記の実施例は、主に物流分野における企業間(BtoB)での配送での適用を想定しているが、本発明は、個人向け(BtoC)の宅配、および、郵便事業における書留の受け取りの証明などにも適用できる。また、陸運の他に、海運または空運などの貿易分野において、荷物を受け渡した証拠情報を取得する際にも適用可能である。
【0115】
以上の本発明の実施形態に記載したシステムは、次のように構成されてもよい。
【0116】
(1)記憶部(例えば受領書情報管理データベース115)と、座標情報取得部(例えば座標情報取得部211)と、二次元コード座標特定部(例えば二次元コード座標特定部222)と、撮影範囲推定部(例えば撮影範囲推定部223)と、を有する配送完了情報収集システム(例えば配送完了情報収集システム100)であって、記憶部は、出荷先が荷物を受領したことを証明する受領書(例えば受領書400)のフォーマットごとに、受領書の構成要素の紙面上の座標情報(例えば紙面上の各要素の座標情報231)を保持し、受領書の構成要素の紙面上の座標情報は、受領書に印刷された受領書の識別情報を含む二次元コードの複数の点の紙面上の座標情報(例えば二次元コード612)と、受領書の画像の収集範囲(例えば紙面上の撮影範囲233)の紙面上の座標値(例えば撮影範囲613)と、を含み、座標情報取得部は、受領書の識別情報に基づいて特定された受領書のフォーマットに対応する受領書の画像の収集範囲の紙面上の座標値を、記憶部から取得し(例えばステップS305)、二次元コード座標特定部は、端末装置(例えばモバイル端末120)によって撮影された受領書を前記端末装置の画面上に表示した画像における、二次元コードの複数の点の端末装置の画面上の座標値を特定し(例えばステップS307)、撮影範囲推定部は、二次元コードの複数の点の紙面上の座標値間の距離と、二次元コードの複数の点の端末装置の画面上の座標値間の距離との関係、及び、受領書の構成要素の紙面上の座標情報に基づいて、受領書の画像の収集範囲の端末装置の画面上の座標値を推定する(例えばステップS308)。
【0117】
これによって、受領書の撮影範囲を正しく写した受領書画像を取得することができる。
【0118】
(2)上記(1)に記載の配送完了情報収集システムは、端末装置による画像の撮影範囲を示すフレーム(例えば画面上のフレーム234)を端末装置の画面上に表示させる撮影範囲表示部(例えば撮影範囲表示部224)と、撮影範囲推定部の推定結果に従って、受領書の画像の収集範囲がフレームによって示された撮影範囲に含まれるときに、端末装置に受領書の画像を撮影させ、撮影された受領書の画像を送信する撮影部(例えば撮影部225)と、撮影部から送信された受領書の画像を記憶部に保存する保存部(例えば出力結果保存部212)と、をさらに有する。
【0119】
これによって、受領書の撮影範囲を正しく写した受領書画像を取得することができる。
【0120】
(3)上記(2)において、前記撮影範囲推定部は、前記二次元コードの複数の点の紙面上の座標値間の距離と、二次元コードの複数の点の端末装置の画面上の座標値間の距離との関係に基づいて、受領書の画像の各要素の画面上の座標値を推定し(例えば式(1)~式(18)を使用した推定)、保存部は、撮影範囲推定部によって推定された受領書の画像の各要素の画面上の座標値(例えばテーブル620の画面上の座標情報)を記憶部に保存する。
【0121】
これによって、各要素の画像を抽出できるため、受領書画像上で表示したくない情報を隠した画像を作成したり、受領書の一部分だけを抽出して取り出したりすることも可能となる。
【0122】
(4)上記(3)において、二次元コードは、受領書の識別情報(例えば受領書識別ID)を含み、受領書の画像の収集範囲は、二次元コードが印刷される範囲と、出荷先が荷物を受領したことを確認するために受領書に追加する確認情報(例えば受領サイン又は受領印)の記載範囲(例えば受領サイン記入欄407)と、を含み、撮影部は、1枚の画像に二次元コードと確認情報とが含まれるように撮影した画像を保存部に送信する(例えばステップS310~S313)。
【0123】
これによって、確認情報(例えば受領サイン等)が当該受領書の識別情報に対応するものであることを証明することができる。
【0124】
(5)上記(4)において、前記撮影部は、前記受領書の画像が撮影された日時及び当該日時における前記端末装置の位置を示す情報を前記保存部に送信する。
【0125】
これによって、扱う受領書の間違いを防ぐとともに、故意に配達が完了していない受領書画像を送信することを防ぐことができる。
【0126】
(6)上記(2)に記載の配送完了情報収集システムは、ネットワーク(例えばネットワーク130)を介して端末装置と接続されるサーバ装置(例えばサーバ110)を有し、サーバ装置は、ネットワークに接続される第1通信部(例えば通信部113)と、第1通信部に接続される第1プロセッサ(例えばプロセッサ111)と、第1プロセッサに接続される第1記憶デバイス(例えば記憶デバイス112)と、を有し、端末装置は、ネットワークに接続される第2通信部(例えば通信部126)と、第2通信部に接続される第2プロセッサ(例えばプロセッサ125)と、第2プロセッサに接続される第2記憶デバイス(例えば記憶デバイス124)と、第2プロセッサに接続される入力デバイス(例えば入力デバイス121)と、第2プロセッサに接続される表示デバイス(例えばディスプレイ122)と、第2プロセッサに接続される二次元コードリーダ(例えば二次元コードリーダ123)とを有し、記憶部は、第1記憶デバイスの記憶領域であり、入力デバイスは、受領書の画像を撮影し、表示デバイスは、入力デバイスが撮影した画像を表示し、二次元コードリーダは、受領書の二次元コードを読み取り、座標情報取得部及び保存部は、第1記憶デバイスに格納されたプログラムを第1プロセッサが実行することによって実現される機能であり、二次元コード座標特定部、撮影範囲推定部、撮影範囲表示部及び撮影部は、第2記憶デバイスに格納されたプログラムを第2プロセッサが実行することによって実現される機能である。
【0127】
これによって、サーバ装置と、配達人等が持ち歩く端末装置とが連携して配送完了情報収集システムの機能を実現することができる。
【0128】
(7)上記(2)に記載の配送完了情報収集システムは、ネットワーク(例えばネットワーク130)を介して端末装置と接続されるサーバ装置(例えばサーバ110)を有し、サーバ装置は、ネットワークに接続される第1通信部(例えば通信部113)と、第1通信部に接続される第1プロセッサ(例えばプロセッサ111)と、第1プロセッサに接続される第1記憶デバイス(例えば記憶デバイス112)と、を有し、端末装置は、ネットワークに接続される第2通信部(例えば通信部126)と、第2通信部に接続される第2プロセッサ(例えばプロセッサ125)と、第2プロセッサに接続される第2記憶デバイス(例えば記憶デバイス124)と、第2プロセッサに接続される入力デバイス(例えば入力デバイス121)と、第2プロセッサに接続される表示デバイス(例えばディスプレイ122)と、第2プロセッサに接続される二次元コードリーダ(例えば二次元コードリーダ123)とを有し、記憶部は、第1記憶デバイスの記憶領域であり、入力デバイスは、受領書の画像を撮影し、表示デバイスは、入力デバイスが撮影した画像を表示し、二次元コードリーダは、受領書の前記二次元コードを読み取り、座標情報取得部、保存部、二次元コード座標特定部及び撮影範囲推定部は、第1記憶デバイスに格納されたプログラムを第1プロセッサが実行することによって実現される機能であり、撮影範囲表示部及び撮影部は、第2記憶デバイスに格納されたプログラムを第2プロセッサが実行することによって実現される機能である。
【0129】
これによって、サーバ装置と、配達人等が持ち歩く端末装置とが連携して配送完了情報収集システムの機能を実現することができる。
【0130】
(8)上記(1)において、受領書は、荷物に添付されて出荷先に渡される納品明細書(例えば納品明細書1320)とともに撮影される台紙(例えば納品明細書貼り付け台紙1310)である。
【0131】
これによって、出荷先の担当者による受領書への受領サイン等の記入が実施不可能な場合であっても配送完了情報通知を行うことが可能となる。
【0132】
(9)上記(1)において、二次元コードの複数の点は、矩形の二次元コードの範囲の四隅のうち少なくとも三つの点(例えば
図5のA、B、D)であり、
【0133】
撮影範囲推定部は、二次元コードの複数の点の紙面上の座標値間の距離と、二次元コードの複数の点の端末装置の画面上の座標値間の距離との比率(例えば式(7)のryおよび式(8)のrx)を、受領書の構成要素の紙面上の座標情報に適用する(例えば式(9)~式(18))ことによって、受領書の画像の収集範囲の端末装置の画面上の座標値を推定する。
【0134】
これによって、受領書の撮影範囲を正しく写した受領書画像を取得することができる。
【0135】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明のより良い理解のために詳細に説明したのであり、必ずしも説明の全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることが可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【0136】
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によってハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによってソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、不揮発性半導体メモリ、ハードディスクドライブ、SSD(Solid State Drive)等の記憶デバイス、または、ICカード、SDカード、DVD等の計算機読み取り可能な非一時的データ記憶媒体に格納することができる。
【0137】
また、制御線及び情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線及び情報線を示しているとは限らない。実際にはほとんど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
【符号の説明】
【0138】
100 配送完了情報収集システム
110 サーバ
120 モバイル端末
211 座標情報取得部
212 出力結果保存部
221 受領書識別ID入力部
222 二次元コード座標特定部
223 撮影範囲推定部
224 撮影範囲表示部
225 撮影部
226 送信完了通知部
231 紙面上の各要素の座標情報
232 受領書上の二次元コード
233 紙面上の撮影範囲
234 フレーム
235 受領書画像
236 送信完了情報
237 文書フォーマットID情報
400 受領書