(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-16
(45)【発行日】2024-07-24
(54)【発明の名称】モップ
(51)【国際特許分類】
A47L 13/24 20060101AFI20240717BHJP
【FI】
A47L13/24 A
(21)【出願番号】P 2020076502
(22)【出願日】2020-04-23
【審査請求日】2023-02-14
(73)【特許権者】
【識別番号】520144071
【氏名又は名称】清水 真平
(74)【代理人】
【識別番号】100092794
【氏名又は名称】松田 正道
(74)【代理人】
【氏名又は名称】特許業務法人新大阪国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】清水 真平
【審査官】東 勝之
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0246866(US,A1)
【文献】実開昭56-164757(JP,U)
【文献】韓国登録特許第10-0760645(KR,B1)
【文献】特開2006-175193(JP,A)
【文献】特開2008-149096(JP,A)
【文献】登録実用新案第3135571(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 13/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モップ操作棒と、
前記モップ操作棒の下端に連結されたモップヘッドと、
前記モップヘッドの上面部に平行して設けられた第1ローラーおよび第2ローラーと、を備え、
前記第1ローラーに、ロール状に巻かれたペーパーを取り付けることが出来、
前記第2ローラーに、前記第1ローラーから引き出され、前記モップヘッドの一辺を介してその下面部を通り、更に前記モップヘッドの前記一辺に対向する他の一辺を介して前記モップヘッドの上面部へ導かれた、前記ペーパーの一端縁を、巻き取り可能に取り付けることが出来、
前記第2ローラーを回転させ、前記第2ローラーに前記ペーパーを巻き取ることによって、前記第1ローラーから、前記ロール状に巻かれたペーパーを前記モップヘッドの下面部に繰り出し供給でき、
前記モップヘッドの前記上面部に装着された長尺状の第1保持具と、
前記モップヘッドの前記上面部に装着された第2保持具とを備え、
前記第1保持具と前記第2保持具の間に、前記第1ローラーから繰り出された前記ペーパーを挟持することにより、前記ペーパーを保持し、
前記モップヘッドの前記下面部から出入り可能な、隙間を作るための長尺状の部材を備え、
前記隙間を作るための長尺状の部材を所定量突出させることによって、前記モップヘッドの下面部に密着している前記ペーパーを前記下面部から離隔させて隙間を作ることの出来るモップ。
【請求項2】
前記第1保持具と前記隙間を作るための長尺状の部材とは一体構造である矩形枠の一部であり、
その矩形枠の上側が前記第1保持具を構成し、その矩形枠の下側が前記隙間を作るための長尺状の部材を構成し、
前記第1保持具が引き上げられ、前記第2保持具に対して係止されることによって、前記第2保持具との間で前記ペーパーを挟持することが出来、その挟持状態において、前記矩形枠の下側の、
前記隙間を作るための長尺状の部材は前記モップヘッドの下面部に当接または収納され、
前記第1保持具が前記第2保持具より外されて、引き下ろされた状態で、前記矩形枠の下側である前記隙間を作るための長尺状の部材が前記モップヘッドの下面部から突出状態となり、前記ペーパーを前記モップヘッドの下面部から離隔させて隙間を作ることが出来る、請求項1記載のモップ。
【請求項3】
前記モップヘッドは中空構造をしており、前記矩形枠の左右の短尺辺部は、それぞれ前記モップヘッドの上面部と下面部に形成された一対の上孔部と下孔部を貫通しており、
前記第1保持具が引き上げられ、前記第2保持具に対して係止された場合には、前記矩形枠の下側である前記隙間を作るための長尺状の部材が、前記モップヘッドの下面部に当接し又は収納され、
前記第1保持具が前記第2保持具より外されて、引き下ろされた状態で、前記矩形枠の下側である前記隙間を作るための長尺状の部材が前記モップヘッドの下面部から突出状態
となる場合には、前記
第1保持具は前記モップヘッドの上面部に当接状態となり、
更に付勢手段が設けられ、常時、前記矩形枠をその隙間を作るための長尺状の部材が突出するように付勢しており、
前記付勢手段の付勢力に逆らって、
前記第1保持具が引き上げられ、前記第2保持具に対して係止された場合には、前記付勢手段の付勢力は前記ペーパーの挟持力を高める働きをし、
前記第1保持具が前記第2保持具より外された場合は、前記付勢手段はその引き下ろし方向に作用して、前記隙間を作るための長尺状の部材が前記モップヘッドの下面部から突出状態となることを助ける働きをする、請求項2記載のモップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、床などを清掃するモップに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のモップとしては、使い捨てペーパーをモップヘッド上面部の挟持具に一枚ずつ取り付けるものが知られている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、そのようなペーパーを交換する際はモップヘッド上面部に挟持してある使用済みペーパーを外して、新しいペーパーに付け替える手間があった。またペーパーを挟持するための余白部分が必要なのでペーパーの未使用部分が有り無駄があった。
【0005】
本発明は、従来のそのようなモップの課題を考慮し、新しいペーパーを使用したい場合に、手間がかからず、また、未使用部分の無駄もない、モップを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の本発明は、
モップ操作棒と、
前記モップ操作棒の下端に連結されたモップヘッドと、
前記モップヘッドの上面部に平行して設けられた第1ローラーおよび第2ローラーと、を備え、
前記第1ローラーに、ロール状に巻かれたペーパーを取り付けることが出来、
前記第2ローラーに、前記第1ローラーから引き出され、前記モップヘッドの一辺を介してその下面部を通り、更に前記モップヘッドの前記一辺に対向する他の一辺を介して前記モップヘッドの上面部へ導かれた、前記ペーパーの一端縁を、巻き取り可能に取り付けることが出来、
前記第2ローラーを回転させ、前記第2ローラーに前記ペーパーを巻き取ることによって、前記第1ローラーから、前記ロール状に巻かれたペーパーを前記モップヘッドの下面部に繰り出し供給でき、
前記モップヘッドの前記上面部に装着された長尺状の第1保持具と、
前記モップヘッドの前記上面部に装着された第2保持具とを備え、
前記第1保持具と前記第2保持具の間に、前記第1ローラーから繰り出された前記ペーパーを挟持することにより、前記ペーパーを保持し、
前記モップヘッドの前記下面部から出入り可能な、隙間を作るための長尺状の部材を備え、
前記隙間を作るための長尺状の部材を所定量突出させることによって、前記モップヘッドの下面部に密着している前記ペーパーを前記下面部から離隔させて隙間を作ることの出来るモップである。
第2の本発明は、
前記第1保持具と前記隙間を作るための長尺状の部材とは一体構造である矩形枠の一部であり、
その矩形枠の上側が前記第1保持具を構成し、その矩形枠の下側が前記隙間を作るための長尺状の部材を構成し、
前記第1保持具が引き上げられ、前記第2保持具に対して係止されることによって、前記第2保持具との間で前記ペーパーを挟持することが出来、その挟持状態において、前記矩形枠の下側の、前記隙間を作るための長尺状の部材は前記モップヘッドの下面部に当接または収納され、
前記第1保持具が前記第2保持具より外されて、引き下ろされた状態で、前記矩形枠の下側である前記隙間を作るための長尺状の部材が前記モップヘッドの下面部から突出状態となり、前記ペーパーを前記モップヘッドの下面部から離隔させて隙間を作ることが出来る、第1の本発明のモップである。
第3の本発明は、
前記モップヘッドは中空構造をしており、前記矩形枠の左右の短尺辺部は、それぞれ前記モップヘッドの上面部と下面部に形成された一対の上孔部と下孔部を貫通しており、
前記第1保持具が引き上げられ、前記第2保持具に対して係止された場合には、前記矩形枠の下側である前記隙間を作るための長尺状の部材が、前記モップヘッドの下面部に当接し又は収納され、
前記第1保持具が前記第2保持具より外されて、引き下ろされた状態で、前記矩形枠の下側である前記隙間を作るための長尺状の部材が前記モップヘッドの下面部から突出状態となる場合には、前記第1保持具は前記モップヘッドの上面部に当接状態となり、
更に付勢手段が設けられ、常時、前記矩形枠をその隙間を作るための長尺状の部材が突出するように付勢しており、
前記付勢手段の付勢力に逆らって、前記第1保持具が引き上げられ、前記第2保持具に対して係止された場合には、前記付勢手段の付勢力は前記ペーパーの挟持力を高める働きをし、
前記第1保持具が前記第2保持具より外された場合は、前記付勢手段はその引き下ろし方向に作用して、前記隙間を作るための長尺状の部材が前記モップヘッドの下面部から突出状態となることを助ける働きをする、第2の本発明のモップである。
本発明に関連する第1の発明は、
モップ操作棒と、
前記モップ操作棒の下端に連結されたモップヘッドと、
前記モップヘッドの上面部に平行して設けられた第1ローラーおよび第2ローラーと、を備え、
前記第1ローラーに、ロール状に巻かれたペーパーを取り付けることが出来、
前記第2ローラーに、前記第1ローラーから引き出され、前記モップヘッドの一辺を介してその下面部を通り、更に前記モップヘッドの前記一辺に対向する他の一辺を介して前記モップヘッドの上面部へ導かれた、前記ペーパーの一端縁を、巻き取り可能に取り付けることが出来き、
前記第2ローラーを回転させ、前記第2ローラーに前記ペーパーを巻き取ることによって、前記第1ローラーから、前記ロール状に巻かれたペーパーを前記モップヘッドの下面部に繰り出し供給できることを特徴とするモップである。
【0007】
これによって、ペーパーを一枚一枚取り換えるような手間がかからず簡単に汚れたペーパーを新しくすることが出来る。また、ペーパーの無駄も省くことが出来る。
【0008】
本発明に関連する第2の発明は、
前記モップヘッドの前記上面部に装着された長尺状の第1保持具と、
前記モップヘッドの前記上面部に装着された長尺状の第2保持具とを備え、
前記第1保持具と前記第2保持具の間に、前記第1ローラーから繰り出された前記ペーパーを挟持することにより、前記ペーパーの保持する、本発明に関連する第1の発明のモップである。
【0009】
これによって、ペーパーを挟むことで簡単にペーパーを保持することが出来る。
【0010】
本発明に関連する第3の発明は、
前記モップヘッドの前記下面部から出入り可能な長尺状のスタンドを備え、
前記スタンドを所定量突出させることによって、前記モップヘッドの下面部に密着している前記ペーパーを前記下面部から離隔させて隙間を作ることの出来る、本発明に関連する第1の発明のモップである。
【0011】
これによって、密着したペーパーを容易にモップヘッドから離すことが可能となり、ペーパーの入れ替えがより一層簡単になる。
【0012】
本発明に関連する第4の発明は、
前記長尺状の第1保持具と前記長尺状のスタンドとは一体構造である矩形枠の一部であり、
その矩形枠の上側が前記第1保持具を構成し、その矩形枠の下側が前記スタンドを構成し、
前記矩形枠の上側である第1保持具が引き上げられ、前記第2保持具に対して係止されることによって、前記第2保持具との間で前記ペーパーを挟持することが出来、その挟持状態において、前記矩形枠の下側のスタンドは前記モップヘッドの下面部に当接または収納され、
前記矩形枠の上側である第1保持具が前記第2保持具より外されて、引き下ろされた状態で、前記矩形枠の下側である前記スタンドが前記モップヘッドの下面部から突出状態となり、前記ペーパーを前記モップヘッドの下面部から離隔させて隙間を作ることが出来る、本発明に関連する第3の発明のモップである。
【0013】
これによって、第1の保持具を操作するだけで、ペーパーの保持と、ペーパーの入れ替えを実現でき、操作が簡単となる。
【0014】
本発明に関連する第5の発明は、
前記モップヘッドは中空構造をしており、前記矩形枠の左右の短尺辺部は、それぞれ前記モップヘッドの上面部と下面部に形成された一対の上孔部と下孔部を貫通しており、
前記矩形枠の上側である第1保持具が引き上げられ、前記第2保持具に対して係止された場合には、前記矩形枠の下側である前記長尺状のスタンドが、前記モップヘッドの下面部に当接し又は収納され、
前記矩形枠の上側である第1保持具が前記第2保持具より外されて、引き下ろされた状態で、前記矩形枠の下側である前記スタンドが前記モップヘッドの下面部から突出状態となる場合には、前記第1の保持具は前記モップヘッドの上面部に当接状態となり、
更に付勢手段が設けられ、常時、前記矩形枠をそのスタンドが突出するように付勢しており、
前記付勢手段の付勢力に逆らって、前記矩形枠の上側である第1保持具が引き上げられ、前記第2保持具に対して係止された場合には、前記付勢手段の付勢力は前記ペーパーの挟持力を高める働きをし、
前記矩形枠の上側である第1保持具が前記第2保持具より外された場合は、前記付勢手段はその引き下ろし方向に作用して、前記スタンドが前記モップヘッドの下面部から突出状態となることを助ける働きをする、本発明に関連する第4の発明のモップである。
【0015】
これによって、付勢手段が設けられているため、ペーパーの保持の際の挟持をより強固にするとともに、ペーパーの入れ替えのため隙間を形成する場合にもより簡単になる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によって、ペーパーを一枚一枚取り換えるような手間がかからず簡単に汚れたペーパーを新しくすることが出来る。また、ペーパーの無駄も省くことが出来る。さらに、ペーパーを挟むことで簡単にペーパーを保持することが出来る。さらに、密着したペーパーを容易にモップヘッドから離すことが可能となり、ペーパーの入れ替えがより一層簡単になる。
本発明に関連する発明によれば、ペーパーを一枚一枚取り換えるような手間がかからず簡単に汚れたペーパーを新しくすることが出来る。また、ペーパーの無駄も省くことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明における実施の形態にかかるモップの略示斜視図
【
図2】同モップの、スタンドが下方へ突出した状態のモップヘッドの斜視図
【
図3】(A)、(B)同モップヘッドの一部拡大断面斜視図
【
図4】同モップのモップヘッドと第1保持具の関係を示す略示正面図
【
図5】同モップの、第1保持具が第2保持具に係止された状態のモップヘッドの斜視図
【
図6】(A)、(B)(C)同モップの動作を説明するための側面図
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しながら、本発明における実施の形態について詳細に説明する。
図1は本発明の実施の形態にかかるモップの略示斜視図である。ここに
図1の図面において、矢印A方向を左右、矢印B方向を前後とする。
【0019】
1はモップを操作するためのモップ操作棒であり、2はそのモップ操作棒1に回動可能に連結されたモップヘッドである。
【0020】
図2に示すように、このモップヘッド2の上面部2aの上には第1ローラー3と第2ローラー4が平行して設けられている。第1ローラー3は、軸3aと、その軸3aに回転自在に嵌装されているローラー部3bとで構成されている。なお、軸3aは片持ち状態3a1でモップヘッド2の上面部2aに固定されている。この第1ローラー3にはロール状に巻かれたペーパーPが挿入されている。
【0021】
他方の第2ローラー4も、軸4aと、その軸4aに回転自在に嵌装されているローラー部4bとで構成されている。なお、軸4aも片持ち状態でモップヘッド2の上面部2aに固定されている。
【0022】
また、第2ローラー4の一端部側4cには(片持ち側の反対側)、ローラー部4bを回動させるための回転つまみ5が取り付けられている。更に第2ローラー4の片持ち側4dにはラチェット機構が設けられており(図示省略)、第2ローラー4は矢印C方向にしか回転できなくなっている。
【0023】
ここに、符号6,6はペーパーPの一端縁を挟み固定するためのバネ部材である。
【0024】
更に、モップヘッド2の上面部2aの第1ローラー3と、第2ローラー4との間には、モップ操作棒1の下端を連結するためのブラケット7が立設されている。そのモップ操作棒1との連結は回動可能であり、さらにはユニバーサルジョイントで連結されていてもよい。
【0025】
また、モップヘッド2の上面部2aの前側には、第2保持具8が4個固定されている。その外側2つの第2保持具8同士の間隔は第1ローラー3の幅より少し狭くなっている。
【0026】
更に、4個の第2保持具8の上面には、それぞれ所定の幅の凹条8aが左右方向に形成されている。さらにそれらの凹条8aは一直線上に配置されている。4個の第2保持具8同士の間隔はある程度距離を空け、ペーパーPを偏りなく後述のように挟持できることが望ましい。
【0027】
また、
図3に示すように、モップヘッド2は中空構造をしており、その上面部2aには上孔部2a1が、下面部2bには下孔部2b1がそれぞれ一対に穿設されている。それら上孔部2a1と下孔部2b1は上下方向の位置が対応している。
【0028】
さらに、それら一対の上孔部2a1と下孔部2b1とは、
図2に示すように、モップヘッド2の前側の左右両角部にそれぞれ穿設されている。この左右の一対の上孔部2a1、下孔部2b1は、左右方向を基準として、上記4個の第2保持具8の最も外側のものより更に外側に配置されている。また、この左右の一対の上孔部2a1、下孔部2b1は、前後方向を基準として、上記4個の第2保持具8より前側に配置されている。
【0029】
図4に示すように、このような左右の一対の上孔部2a1、下孔部2b1には矩形枠11が貫通挿入されている。すなわち、矩形枠11の左右の短尺辺部11b、11cが上記左右の一対の上孔部2a1、下孔部2b1を貫通している。なお、矩形枠11の上側11aが第1保持具9を構成し、矩形枠11の下側11dがスタンド10を構成している。
このスタンド10は本発明の隙間をつくるための長尺状の部材の一例である。以後単にスタンドと称する。また、第1保持具9の中央あたりは上方向に屈曲して取っ手部9aを形成している。また、第1保持具9の太さは、上述した第2保持具8の凹条8aの溝の幅に相当している。
【0030】
次に、その矩形枠11の短尺辺部11b、11cと、モップヘッド2の関係を詳細に説明する。
【0031】
図3(A)、(B)はモップヘッド1の前側の左角部の拡大図であり、図に示すように、モップヘッド2は中空構造をしており、上述したように、上面部2aには上孔部2a1が穿設され、下面部2bには下孔部2b1が穿設されている。この孔に矩形枠11の短尺辺部11bが貫通している。その短尺辺部11bには本発明の付勢手段の一例として圧縮バネ(弾性体)12が嵌装されている。すなわち、このバネ12の下端S1は短尺辺部11bの下端部に固定されているが、バネ12の上端S2は上面部2aの下面2a’に固定されている。
【0032】
その結果、バネ12の付勢力によって、短尺辺部11bは常に下方へ付勢されていることになる。すなわち、
図3(A)の状態では矩形枠11の下側11dのスタンド10はモップヘッド2の下面部2bより下方に向かって突出した状態となっている。さらにその状態では、矩形枠11の上側11aの第1保持具9はモップヘッド2の上面部2aに当接した形となっている。
図3(B)はその状態を示す一部断面側面図であって、矢印Fがその付勢方向を示す。
【0033】
次に、本実施の形態にかかるモップの使い方を説明する。
<ペーパーPのセッティング>
図6(A)に示すように、第1ローラー3に、ロール状に巻かれたペーパーPを挿入してセットする。次に、第1保持具9を手で上方に引き上げた状態で、ペーパーPの端を第2保持具8の上を通過させ、更に第1保持具9の下をくぐらせて、モップヘッド2の前端2cを回って下面部2bに沿わせ、更に後端2dを回り、第2ローラー4にバネ部材6を利用して挟み込み固定する。
【0034】
次に、
図6(B)および
図5に示すように、第1保持具9を第2保持具8の凹条8aに嵌め込み係止させる。その結果、ペーパーPは第1保持具9と第2保持具8の凹条8aとの間にしっかり挟持される。その際、付勢手段12は常時下方へ第1保持具9を付勢しているので、その挟持力は一層強まり、清掃中に第1保持具9が浮くようなことは確実に防ぐことが出来る。
【0035】
その上で、第2ローラー4の回転つまみ5を矢印Cの方向に回転させ、ペーパーPをモップヘッド2の下面部2bに密着させる。第2ローラー4はラチェット機構となっているので、ペーパーPをピンと張った状態でロック出来る。
【0036】
このようにしてペーパーPをモップヘッド2にセットした後、モップ操作棒1をもって床などを清掃する。
<ペーパーPの交換>
清掃後ペーパーPが汚れてくると次のようにして交換する。すなわち、モップを使用中は、ペーパーPはモップヘッド2の下面部2bに密着している。特に清掃することによって、ペーパーPは床に押し付けられるので、より一層下面部2bに密着している。
【0037】
そこで、
図6(C)に示すように、第1保持具9を第2保持具8の凹条8aから上方へ持ち上げながら外し、更に、下方へ移動させ、スタンド10をモップヘッド2の下面部2bから突出させる。その際、付勢手段12は常時、第1保持具9とスタンド10を下方へ付勢しているので、使用者はスムーズに突出させることが出来る。
【0038】
このように、スタンド10をモップヘッド2の下面部2bから下方へ突出させることによって、密着していたペーパーPを下面部2bから簡単に離隔させることが出来る。その結果、ペーパーPは動きやすくなる。
【0039】
なお、スタンド10をモップヘッド2の下面部2bから突出させた場合、付勢手段12によって下方に付勢されるので、第1保持具9が上面部2aに当接するが、その当接部分ではペーパーPが上面部2aとの間に挟まれることになるので、挟まれ過ぎないようにするため、取っ手部9aの幅を大きくして隙間が出来るようにすることが望ましい(
図2、
図4参照)。
【0040】
その状態で、回転つまみ5を矢印C方向へ回転させ、ペーパーPを順次第2ローラー4へ巻き取っていき、それに応じて、第1ローラー3から汚れていないペーパーPが繰り出されていく。そして汚れたペーパーPの部分がモップヘッド2の下面部2bから無くなり、新しい部分と入れ替わった時点で回転つまみ5の回転を止める。
【0041】
このようにしてペーパーPの交換が終わった後、再び
図6(B)に示すように、第1保持具9を持ち上げ、第2保持具8の凹条8aへ嵌め込み、ペーパーPを挟持させ固定し、回転つまみ5を回転させてペーパーPを下面部2bに密着させ、モップを使用できる状態とする。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明は、ペーパーPの交換が容易となり、ペーパーPも無駄なく使用でき、モップに有用である。
【符号の説明】
【0043】
1 モップ操作棒
2 モップヘッド
2a 上面部
2a1 上孔部
2b 下面部
2b1 下孔部
3 第1ローラー
3a 軸
3b ローラー部
4 第2ローラー
4a 軸
4b ローラー部
5 回転つまみ
6 バネ部材
8 第2保持具
8a 凹条
9 第1保持具
10 スタンド
11 矩形枠
11a 上側
11b 下側
11c、d 短尺辺部
12 付勢手段
P ペーパー