(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-16
(45)【発行日】2024-07-24
(54)【発明の名称】呼吸療法装置
(51)【国際特許分類】
A61M 16/20 20060101AFI20240717BHJP
A61B 5/087 20060101ALI20240717BHJP
【FI】
A61M16/20 C
A61B5/087
(21)【出願番号】P 2021559169
(86)(22)【出願日】2020-03-20
(86)【国際出願番号】 GB2020000033
(87)【国際公開番号】W WO2020201665
(87)【国際公開日】2020-10-08
【審査請求日】2023-01-23
(32)【優先日】2019-04-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】509342843
【氏名又は名称】スミスズ メディカル インターナショナル リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100156867
【氏名又は名称】上村 欣浩
(72)【発明者】
【氏名】ウサマ ハニフ
(72)【発明者】
【氏名】ムハンマド カシム ムハンマド カソウナヒ
(72)【発明者】
【氏名】サミット ケー バス
【審査官】村上 勝見
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/202923(WO,A1)
【文献】米国特許第07402139(US,B1)
【文献】特表2014-530670(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 16/00
A61M 16/20
A61B 5/087
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
変位可能部材(11,12)付きの振動式呼吸療法デバイス(100)を備え、前記変位可能部材は、前記デバイスを経由する呼吸によって変位し、また前記デバイスを経由する呼吸に対して振動抵抗を生ずるよう構成される呼吸療法装置であって、前記変位可能部材(11,12)の変位に応答する光センサ(20,200,201,202)を備え、前記変位可能部材(11,12)は、ハウジングの内側に枢着され、前記変位可能部材の少なくとも一部分には、前記変位可能部材の変位に対する前記光センサ(20,200,201,202)の感度を向上させる対比色又は反射表面でマーク付けされることを特徴とする、呼吸療法装置において、前記装置は、さらに、前記デバイスが作成する音を感知するよう構成されたマイクロフォンを備え、また前記装置は、信号対ノイズ比を改善するため、前記光センサ(20,200,201,202)からの信号と前記マイクロフォンからの信号とを組み合わせる、呼吸療法装置。
【請求項2】
請求項1記載の呼吸療法装置において、前記光センサ(20,200,201,202)は、前記デバイスが使用されるとき、使用持続時間、及び振動の周波数のうち1つ又はそれ以上を示している信号を供給するよう構成される、呼吸療法装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の呼吸療法装置において、前記光センサ(20,200,201,202)は前記デバイス(100)の外部に設け、また前記デバイスは、前記センサ(20,200,201,202)が前記デバイス内の前記変位可能部材(11,12)を見ることができる、透明ハウジング(2)又は透明窓を有する、呼吸療法装置。
【請求項4】
請求項1~3のうちいずれか1項記載の呼吸療法装置において、前記光センサ(20,202)は、前記センサが検出した振動の周波数を提示するディスプレイ(205)を含むユニット(200,201)内に収納される、呼吸療法装置。
【請求項5】
請求項1~4のうちいずれか1項記載の呼吸療法装置において、前記光センサは、電子カメラ(201)によって設けられる、呼吸療法装置。
【請求項6】
請求項5記載の呼吸療法装置において、前記電子カメラは電話機(200)内に設けられ、また前記電話機(200)は、使用中に前記デバイス(100)内の前記変位可能部材(11,12)の変位に応答するようプログラムされている、呼吸療法装置。
【請求項7】
請求項1~6のうちいずれか1項記載の呼吸療法装置において、前記変位可能部材は、前記デバイス(100)経由の呼気中に開口を開閉するロッカーアーム(12)におけるバルブ素子(11)を有する、呼吸療法装置。
【請求項8】
請求項1~
7のうちいずれか1項記載の装置に使用される、光センサ(20,200,201,202)。
【請求項9】
カメラ(20)付きの電話機(200)であって、請求項1~
7のうちいずれか1項記載の装置に使用されるようプログラムされている、電話機。
【請求項10】
請求項1~
7のうちいずれか1項記載の装置に使用するための振動式PEPデバイス(100)の形態である呼吸療法デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、変位可能部材付きの振動式呼吸療法デバイスを備える種類の呼吸療法装置に関し、変位可能部材は、デバイスを経由する呼吸によって変位し、またデバイスを経由する呼吸に対して振動抵抗を生ずるよう構成される。
【背景技術】
【0002】
呼気陽圧(PEP:positive expiratory pressure)装置、すなわち、デバイスを経由する呼気に抵抗を与える装置は、様々な呼吸障害、例えば、慢性閉塞性肺疾患、気管支炎、嚢胞性線維症及び無気肺を患っている患者の治療に役立てるのに広く使用されている。より最近では、流れに対して交互の抵抗を与えるこのような装置は、とくに有効であることが分かってきている。このような装置の1つの例としては、スミスズ・メディカル社によってアカペラ(スミスズ・メディカル社の登録商標)の商標名の下で販売されており、また特許文献1~4(米国特許第6,581,598号、同第6,776,159号、同第7,059,324号、及び同第7,699,054号)に記載されているものがある。他の振動呼吸療法装置としては、例えば、セイヤー(Thayer)社製造の「Quake」、モナハン(Monaghan)社製造の「AeroPEP」、スミスズ・メディカル社製造の「TheraPEP」、パーカッショネア(Percussionaire)社製造の「IPV Percussionator」が入手可能である。フィリップス社製「CoughAssist」のような他の装置も入手可能である。呼吸療法装置は、逆に、吸気中に流れに交互抵抗を与えることができる。
【0003】
有効化するには、これら装置は処方された時間間隔で規則的に使用しなければならない。慢性疾患の場合、患者は、持続的緩和を維持するためには、残りの人生にわたりこの装置を毎日使用する必要がある。
【0004】
これら装置は極めて有効ではあるが、ユーザーは、しばしば所定頻度で規則的に装置を使用するのを怠ることがある。装置使用の記録を維持するのは極めて困難であり、とくに、患者が家庭で使用しているときには困難である。臨床医は、症状悪化が患者の処方通りに装置を使用しないことによるものか否か、又は他の要因によるものか否かが分からない。特許文献5(国際公開第2014/202923号)は、治療デバイスが発生する音に応答するマイクロフォンのような音響センサを備える装置について記載している。他の装置は、例えば、特許文献6~17(国際公開第2014/202924号、同第2015/036723号、同第2015/104522号、同第2015/114285号、同第2015/198001号、同第2016/075426号、同第2016/092247号、同第2017/178776号、同第2017/194906号、同第2017/187116号、英国特許第2560105号、及び国際公開第2019/243758号)に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】米国特許第6,581,598号明細書
【文献】米国特許第6,776,159号明細書
【文献】米国特許第7,059,324号明細書
【文献】米国特許第7,699,054号明細書
【文献】国際公開第2014/202923号パンフレット
【文献】国際公開第2014/202924号パンフレット
【文献】国際公開第2015/036723号パンフレット
【文献】国際公開第2015/104522号パンフレット
【文献】国際公開第2015/114285号パンフレット
【文献】国際公開第2015/198001号パンフレット
【文献】国際公開第2016/075426号パンフレット
【文献】国際公開第2016/092247号パンフレット
【文献】国際公開第2017/178776号パンフレット
【文献】国際公開第2017/194906号パンフレット
【文献】国際公開第2017/187116号パンフレット
【文献】英国特許第2560105号
【文献】国際公開第2019/243758号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、代替的呼吸療法装置を得るにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によれば、前記変位可能部材の変位に応答する光センサを備えることを特徴とする、上述した種類の呼吸療法装置を提供する。
【0008】
前記光センサは、好適には、前記デバイスが使用されるとき、使用持続時間、及び振動の周波数のうち1つ又はそれ以上を示している信号を供給するよう構成される。前記光センサは、好適には、前記デバイスの外部に設け、また前記デバイスは、前記が前記デバイス内の前記変位可能部材を見ることができる、透明ハウジング又は透明窓を有する。前記光センサは、前記センサが検出した振動の周波数を提示するディスプレイを含むユニット内に収納することができる。前記光センサは、電子カメラによって設けることができる。前記電子カメラは電話機内に設けることができ、また前記電話機は、使用中に前記デバイス内の前記変位可能部材の変位に応答するようプログラムされている。前記変位可能部材は、前記デバイス経由の呼気中に開口を開閉するロッカーアームにおけるバルブ素子を有することができる。前記変位可能部材の少なくとも一部分には、前記変位可能部材の変位に対する前記光センサの感度を向上させる対比色又は反射表面でマーク付けすることができる。前記装置は、さらに、前記治療デバイスが作成する音を感知するよう構成されたマイクロフォンを備えることができ、また前記装置は、信号対ノイズ比を改善するため、前記光センサからの信号と前記マイクロフォンからの信号とを組み合わせる。前記光センサは、前記センサから前記治療デバイスのレンジ表示を行うよう構成することができ、また前記装置はその利得を相応に調整するよう構成されている。
【0009】
本発明の別の態様によれば、本発明の上述した一態様による装置に使用される、光センサを提供する。
【0010】
本発明の他の態様によれば、本発明の上述した一態様による装置に使用されるようプログラムされている、カメラ付きの電話機を提供する。
【0011】
本発明の第4の態様によれば、本発明の上述した一態様による装置に使用するための振動式PEPデバイスの形態である呼吸療法デバイスを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
振動式PEPデバイスを有する装置を以下に実施例として添付図面につき説明する。
【発明を実施するための形態】
【0013】
まず
図1につき説明すると、デバイス100は、外側の光学的に透明なハウジング2内に収納したロッカーアセンブリ1を備え、ハウジング2は、ほぼ半円筒形形状の上側部分3及び下側部分4を有する。デバイスは、円形断面の調整可能なダイヤル5によって組立てが完了する。ロッカーアセンブリ1は、一方の端部に呼吸入口7を有し、また反対側端部に吸気入口8を有して一方向弁(図示せず)を含む空気流チューブ6を収納し、この一方向弁により空気流チューブ6内に空気が流入するが、吸気入口8から空気が流出するのを阻止する。空気流チューブ6は、非線形的輪郭の出口開口10を有し、ロッカーアーム12に取り付けた円錐状の弁素子11によって開閉し、ロッカーアーム12はその長さの中間位置で横方向軸線周りに枢着する。空気流チューブ6及びハウジング2はロッカーアーム12を取り付けるための構体をなす。ロッカーアーム12の呼吸入口7から遠い方の末端において、調整可能な支持フレーム14に取り付けた永久磁石(図では見えない)によって生ずる磁場と相互作用する鉄ピン13を担持する。この磁石構成は、患者がデバイス経由で呼吸しないとき、ロッカーアーム12の末端を押し下げ、これにより弁素子11を出口開口10に封止係合する状態に下方に押し下げるようにするものである。支持フレーム14の一方の端部におけるカムフォロワ突出部15はダイヤル5におけるカム溝孔16に位置し、ダイヤルを回転することにより支持フレーム14は、磁石とともに上下動することができ、鉄ピン3に相互作用する磁場強度を変化させる。ダイヤル5は、ユーザーに対する治療的有用性を最大化するようデバイス経由での空気流の動作周波数及び抵抗を調整することができる。
【0014】
患者が呼吸入口7経由で空気を吸い込むとき、空気は吸気入口8から空気流チューブ6に沿って呼吸入口まで引き込まれる。患者が息を吐き出すとき、吸気入口8における一方弁が閉じ、この経路に沿っていかなる空気も流出するのを阻止する。その代わりに、呼気圧がロッカーアーム12における弁素子11の内側に加わり、弁素子11を磁石吸着力に抗して開口10から持ち上げ、これにより空気は大気に流出することができる。開口10はロッカーアーム12の末端が持ち上がるとき有効排出領域を増大させる非線形輪郭を有し、またこれによりアームが復帰降下して開口を閉じることができる。ユーザーが十分な呼気圧を加え続ける限り、開口10が開閉するときロッカーアーム12は上昇及び降下を繰り返して、デバイス経由の呼気流に対する振動性の交互的又は周期振動的な抵抗を生ずる。さらに、デバイスの構造及び動作に関する情報は特許文献1(米国特許第6,581,598号)に見られるが、このことは、本発明の理解にとって必須ではない。
【0015】
ここまで記載した限りにおいて、装置は普通のものである。
【0016】
本発明装置は、上述したデバイス100と、及びデバイス経由の呼吸を生じさせるロッカーアーム12の運動に応答する光センサ20とを有する。
【0017】
図2は、デバイス100と、及び普通の携帯電話200における電子カメラ20によって設けられる光センサとを示す。図示のように、携帯電話200は、都合よくはユーザーが着席しているテーブルTの頂部に載置することができ、これにより、使用中に口に保持されている療法(治療)デバイス100の下方に位置する。
【0018】
図3は、デバイス100とは別個のスタンドアロンのカメラユニット201によって設けられる代案的光学的(光)センサを示すが、使用にあたり、デバイスに接近させて配置する。カメラユニット201は、処理及びメモリユニット203に接続した普通の電子的光ビデオセンサ202を有し、この処理及びメモリユニット203は、さらに、オン/オフボタン204及びディスプレイ画面205にも接続する。ユニット201は、さらに、図示のUSBポート206のようなデータインタフェース、又は無線周波数Bluetooth(登録商標)若しくは赤外線インタフェースのような無線インタフェースを有する。ユニット201は、さらに、情報をセンサユニットに入力することができる入力手段を有することができる、又はこの情報入力はデータインタフェース206を介して遠隔コンピュータ等々から実施することができる。
【0019】
使用にあたり、携帯電話200又はスタンドアロンカメラユニット201は、デバイス100に接近させて配置し、ロッカーアーム12の変位はカメラの可視レンジ内にあるが、デバイスに直接接触しないようにする。代表的には、携帯電話200又は他のユニット201は、治療デバイス100の約25cmの範囲内に配置する。スタンドアロンユニット201はボタン204を用いてスイッチオンし、これによりディスプレイ205に対して、例えば、一義的番号形式のようなユーザー識別確認、日付及び現在時間を表示させる。ユーザーが治療セッションを開始するとき、ロッカーアーム12は、ユーザーがデバイス100経由で息を吐く際に上下動する。カメラユニット201の出力は処理ユニット203によって適正に処理されて、ロッカーアーム12の振動の周波数を示している信号を抽出する。処理ユニット203は種々のパラメータ、例えば、各呼気持続時間、各セッションにおける呼気回数、及び呼気中の振動周波数を測定することができる。
図3に示すように、画面205は、ユーザーに対してセッション時間及び振動周波数の表示を行い、このことは、ベストな治療効果を達成しようとしているユーザーにとって特に重要であることが分かっている。センサユニット201又は携帯電話200は、好適には、さらにユーザーに対して、その人の目標振動周波数を達成したか否かに関するフィードバックを与える。このことは、様々な異なるやり方で行うことができ、例えば、ディスプレイに、「フローOK(Flow OK)」、「フロー高すぎ(Flow Too High)」又は「フロー低すぎ(Flow Too Low)」のような凡例を表示することによって行うことができる。代案として、画面205又は画面の一部は、フローが高すぎる若しくは低すぎるものであったか否かを示すよう色を変化させる、又は音声信号を発生することができる。
【0020】
上述したように、治療デバイス100のダイヤル5の設定は、デバイス経由のフローの周波数及び抵抗に影響を及ぼす。このことは、ユーザーによって最大有益効果を得るよう設定される。センサユニット200、201は、発生したフロー流速及び圧力の測定を、測定された周波数から、及びユーザー又は臨床医がセンサユニットに入力されるようなダイヤル5の設定に関する知得から計算するよう構成される。
【0021】
カメラセンサユニット200、201は、比較的小さい周波数レンジ内における振動に対して感応するよう調整することができる。他の周波数を除外するフィルタ処理によって最大感度のために高い利得増幅を使用することができる。
【0022】
上述した携帯電話200及びセンサユニット201双方は、治療デバイス100とは別個である。しかし、センサユニットは、デバイスにセンサを支持するクリップ又はストラップによって治療デバイスに備え付けることができる。センサユニットはカメラを設ける必要はないが、ロッカーアーム又は何らかの他の移動コンポーネントによって反射される光に応答する単純な光センサを設けることができる。代案として、光センサユニットは、ロッカーアーム又は他の可動部材の両側サイドに位置決めした単純な光センサ及び光源を有することができ、これにより光源からの光ビームはロッカーアームによって中断又はセンサへの通過が交互に生ずるようにされる。
【0023】
光センサはスペクトルの可視部分における放射線に応答する必要はなく、赤外又は紫外線放射のような他の放射線に応答するものとすることができる。治療デバイスのハウジング内での変位部材の運動に応答する必要があるとき、ハウジング又は窓は、感知されている放射線、すなわち、赤外又は紫外線放射に対して透過性であることが必要である。
【0024】
携帯電話内に組み入れられる代わりに、センサユニットはコンピュータ内に内蔵されたカメラ又は別個のプラグインカメラを用いて汎用コンピュータにおけるプログラムアプリケーションとして設けることができる。このプログラムアプリケーションは、適正特性を有するいかなる運動をも感知せずに所定時間経過後に自動的に停止するよう構成することができる。
【0025】
上述した構成において、カメラ又は他の光センサは、透明ハウジング2を通してロッカーアーム12のアップ及びダウンする揺動運動を感知するよう位置決めされる。ロッカーアーム又は他の変位可能部材が見える透明窓が存在する場合、ハウジングは全体的に透明であることは必須ではない。光センサの感度を向上するためには、ロッカーアームの一部又は全部に対比色又は反射表面をマーク付けすることが望ましい場合があり得る。代案として、治療デバイスにおける変位可能部材は、デバイスのケーシング外側におけるフラグに機械的にリンク付けることができ、このフラグは変位部材とともに移動し、また光センサによって見ることができる。
【0026】
当然のことながら、センサユニットによって得られた情報を提示することができる多くの異なるやり方が存在し、最も有用な方法でユーザー及び臨床医に提供される。
【0027】
本発明の装置は、変位部材を有し、その運動を直接的又は間接的に光学的に見ることができる任意な従来型振動式呼吸治療法デバイスに使用することができる。この治療デバイスは、噴霧療法又はエアロゾル薬剤投与のような他の処置とともに併用することができる。
【0028】
光センサは、特許文献5(国際公開第2014/202923号)に記載の種類のような治療デバイスが作成する音を感知するマイクロフォンを有する構成とともに併用することができる。光学的信号及び音響信号を組み合わせることによって、装置の信号対ノイズ比を改善することができる。光センサは、センサからの治療デバイスのレンジ表示を行うのに使用することができ、装置はその利得を適正に調整するよう構成される。
【0029】
光センサが治療デバイスとは別個である場合、センサにおける任意な電気的コンポーネントにダメージを与えるリスクなしにデバイスを周期的にクリーニングすることができる。さらに、光センサを廃棄する必要なしに、デバイスをその寿命終了時に廃棄することができ、光センサは交換した治療デバイスに再使用することができる。
【0030】
本発明は、デバイス自体のほぼ又は全く変更せずに、既存の従来型治療デバイスの使用に関する有用なデータを与えるという条件で装置を設けることができる。このようにして、ユーザーは、処方された治療プログラムに対してどのようにうまく順守するかによりよく気付くことができ、また相応に最大利益を獲得できるようデバイス使用を変更することができる。臨床医は、さらに、患者の順守度(コンプライアンス)をチェックすることができ、これにより患者条件のいかなる低下もコンプライアンス不足に起因するものか否か、又は代替的処置が必要とされる場合を認識することができる。治療デバイスは、呼気治療デバイスである必要はなく、例えば、吸気治療デバイスとすることができる。