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特許7521189端末管理処理プログラム、端末管理装置及び端末管理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-16
(45)【発行日】2024-07-24
(54)【発明の名称】端末管理処理プログラム、端末管理装置及び端末管理システム
(51)【国際特許分類】
   H04L 41/0246 20220101AFI20240717BHJP
   H04W 8/18 20090101ALI20240717BHJP
   H04W 92/24 20090101ALI20240717BHJP
【FI】
H04L41/0246
H04W8/18
H04W92/24
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020001473
(22)【出願日】2020-01-08
(65)【公開番号】P2021111846
(43)【公開日】2021-08-02
【審査請求日】2022-12-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】西崎 孝志
【審査官】羽岡 さやか
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-115201(JP,A)
【文献】特開2012-203430(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0248630(US,A1)
【文献】国際公開第01/073558(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/122364(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 12/00-12/66
H04L 41/00-101/695
H04W 8/18
H04W 92/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末管理装置、中継装置及び第1端末装置を備え、前記端末管理装置は前記中継装置と通信可能、かつ前記中継装置は前記第1端末装置と通信可能に構成されて、前記端末管理装置と前記第1端末装置との間で情報を伝達する場合には、前記中継装置を経由して前記情報を伝達するように構成される第1のシステムと、前記端末管理装置及び第2端末装置を備え、前記端末管理装置は前記第2端末装置と通信可能に構成されて、前記端末管理装置と前記第2端末装置との間で情報を伝達する場合には、前記中継装置を経由することなく前記情報を伝達するように構成される第2のシステムと、が共存する端末管理システムにおける、前記端末管理装置が備える処理部に、
前記端末管理装置と通信可能に構成される装置を1次通信対象装置として、前記1次通信対象装置に対する指示を外部装置から受信した場合に、前記受信した指示が判断対象指示であるか否かを判断する判断処理と、
前記判断処理において前記受信した指示が前記判断対象指示であると判断された場合に、前記受信した指示を前記1次通信対象装置へ伝達するための処理を実行する第1伝達処理と、
前記判断処理において前記受信した指示が前記判断対象指示ではないと判断された場合に、前記受信した指示を前記中継装置へ伝達するための処理を実行する第2伝達処理と、
を実行させるように構成されており、
前記判断対象指示は、前記1次通信対象装置が前記第1端末装置と通信可能な装置であるか否かを問わず実行可能な処理を、前記1次通信対象装置に実行させるための指示であり、
前記判断対象指示以外の指示は、前記1次通信対象装置が前記第1端末装置と通信可能な装置である場合に実行可能な処理を、前記1次通信対象装置に実行させるための指示である、
端末管理処理プログラム。
【請求項2】
請求項1に記載の端末管理処理プログラムであって、
前記処理部に、
前記端末管理装置が前記1次通信対象装置から初回のアクセスを受けた際に、当該アクセスを実行した前記1次通信対象装置が前記中継装置又は前記第2端末装置のいずれであるのかを示すタイプ情報を、前記端末管理装置が備えるデータベースに登録する登録処理、
を実行させるように構成されており、
前記第2伝達処理では、前記データベースに登録された前記タイプ情報に基づいて、処理対象とされている前記1次通信対象装置が前記中継装置であるのか否かを判断し、前記中継装置である場合に、前記受信した指示を前記中継装置へ伝達するための処理を実行するように構成されている、
端末管理処理プログラム。
【請求項3】
請求項1又は請求項に記載の端末管理処理プログラムであって、
前記外部装置から受信する指示には、前記1次通信対象装置で実行すべき処理に対応する指示、及び前記第1端末装置及び前記第2端末装置で実行すべき処理に対応する指示のうちのいずれか1つが含まれ、
前記1次通信対象装置で実行すべき処理に対応する指示には、前記中継装置及び前記第2端末装置で実行すべき処理に対応する指示、及び前記中継装置で実行すべき処理に対応する指示のうちのいずれか1つが含まれ、
前記判断対象指示は、前記中継装置及び前記第2端末装置で実行すべき処理に対応する指示であり、
前記判断処理では、前記外部装置から指示を受信した場合に、前記受信した指示が、前記1次通信対象装置で実行すべき処理に対応する指示であるのか、前記第1端末装置及び前記第2端末装置で実行すべき処理に対応する指示であるのかを判断し、前記1次通信対象装置で実行すべき処理に対応する指示であると判断した場合に、前記受信した指示が前記判断対象指示であるか否かを判断するように構成されている、
端末管理処理プログラム。
【請求項4】
端末管理装置、中継装置及び第1端末装置を備え、前記端末管理装置は前記中継装置と通信可能、かつ前記中継装置は前記第1端末装置と通信可能に構成されて、前記端末管理装置と前記第1端末装置との間で情報を伝達する場合には、前記中継装置を経由して前記情報を伝達するように構成される第1のシステムと、前記端末管理装置及び第2端末装置を備え、前記端末管理装置は前記第2端末装置と通信可能に構成されて、前記端末管理装置と前記第2端末装置との間で情報を伝達する場合には、前記中継装置を経由することなく前記情報を伝達するように構成される第2のシステムと、が共存する端末管理システムにおける、前記端末管理装置であって、
前記端末管理装置と通信可能に構成される装置を1次通信対象装置として、前記1次通信対象装置に対する指示を外部装置から受信した場合に、前記受信した指示が判断対象指示であるか否かを判断する判断処理と、
前記判断処理において前記受信した指示が前記判断対象指示であると判断された場合に、前記受信した指示を前記1次通信対象装置へ伝達するための処理を実行する第1伝達処理と、
前記判断処理において前記受信した指示が前記判断対象指示ではないと判断された場合に、前記受信した指示を前記中継装置へ伝達するための処理を実行する第2伝達処理と、
を実行するように構成されており、
前記判断対象指示は、前記1次通信対象装置が前記第1端末装置と通信可能な装置であるか否かを問わず実行可能な処理を、前記1次通信対象装置に実行させるための指示であり、
前記判断対象指示以外の指示は、前記1次通信対象装置が前記第1端末装置と通信可能な装置である場合に実行可能な処理を、前記1次通信対象装置に実行させるための指示である、
端末管理装置。
【請求項5】
端末管理装置、中継装置及び第1端末装置を備え、前記端末管理装置は前記中継装置と通信可能、かつ前記中継装置は前記第1端末装置と通信可能に構成されて、前記端末管理装置と前記第1端末装置との間で情報を伝達する場合には、前記中継装置を経由して前記情報を伝達するように構成される第1のシステムと、前記端末管理装置及び第2端末装置を備え、前記端末管理装置は前記第2端末装置と通信可能に構成されて、前記端末管理装置と前記第2端末装置との間で情報を伝達する場合には、前記中継装置を経由することなく前記情報を伝達するように構成される第2のシステムと、が共存する端末管理システムであって、
前記端末管理装置が、
前記端末管理装置と通信可能に構成される装置を1次通信対象装置として、前記1次通信対象装置に対する指示を外部装置から受信した場合に、前記受信した指示が判断対象指示であるか否かを判断する判断処理と、
前記判断処理において前記受信した指示が前記判断対象指示であると判断された場合に、前記受信した指示を前記1次通信対象装置へ伝達するための処理を実行する第1伝達処理と、
前記判断処理において前記受信した指示が前記判断対象指示ではないと判断された場合に、前記受信した指示を前記中継装置へ伝達するための処理を実行する第2伝達処理と、
を実行するように構成されており、
前記判断対象指示は、前記1次通信対象装置が前記第1端末装置と通信可能な装置であるか否かを問わず実行可能な処理を、前記1次通信対象装置に実行させるための指示であり、
前記判断対象指示以外の指示は、前記1次通信対象装置が前記第1端末装置と通信可能な装置である場合に実行可能な処理を、前記1次通信対象装置に実行させるための指示である、
端末管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、端末管理処理プログラム、端末管理装置及び端末管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットと直接接続する機能のないプリンタを、インターネットに接続された管理サーバによって管理する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-185524号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記特許文献1には、インターネットと直接接続する機能を有するプリンタを対象とする技術は開示されていない。特に、インターネットと直接接続する機能のないプリンタと、インターネットと直接接続する機能を有するプリンタとが混在する環境で、それらのプリンタを適切に管理する技術については、何ら開示されていない。
【0005】
本開示の一局面においては、通信機能に差異がある端末装置を適切に管理可能な端末管理処理プログラム、端末管理装置及び端末管理システムを提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一局面における端末管理処理プログラムは、端末管理装置、中継装置及び第1端末装置を備え、端末管理装置は中継装置と通信可能、かつ中継装置は第1端末装置と通信可能に構成されて、端末管理装置と第1端末装置との間で情報を伝達する場合には、中継装置を経由して情報を伝達するように構成される第1のシステムと、端末管理装置及び第2端末装置を備え、端末管理装置は第2端末装置と通信可能に構成されて、端末管理装置と第2端末装置との間で情報を伝達する場合には、中継装置を経由することなく情報を伝達するように構成される第2のシステムと、が共存する端末管理システムにおける、端末管理装置が備える処理部に、判断処理と、第1伝達処理と、第2伝達処理と、を実行させるように構成されている。
【0007】
判断処理は、端末管理装置と通信可能に構成される装置を1次通信対象装置として、1次通信対象装置に対する指示を外部装置から受信した場合に、受信した指示が判断対象指示であるか否かを判断する。第1伝達処理は、判断処理において受信した指示が判断対象指示であると判断された場合に、受信した指示を1次通信対象装置へ伝達するための処理を実行する。第2伝達処理は、判断処理において受信した指示が判断対象指示ではないと判断された場合に、受信した指示を中継装置へ伝達するための処理を実行する。
【0008】
このように構成された端末管理処理プログラムに基づく処理を端末管理装置が備える処理部に実行させれば、端末管理装置は、外部装置から受信した指示が判断対象指示である場合には、受信した指示を1次通信対象装置へ伝達するための処理を実行する。一方、外部装置から受信した指示が判断対象指示ではない場合には、受信した指示を中継装置へ伝達するための処理を実行する。
【0009】
ここで、判断対象指示は、中継装置及び第2端末装置の双方に伝達すべき指示である。中継装置には伝達すべき指示であって第2端末装置には伝達不要な指示は、判断対象指示ではない。このように構成すれば、外部装置から1次通信対象装置に対する指示を受信した場合であっても、その指示が判断対象指示ではない場合、受信した指示は、中継装置へは伝達されるが第2端末装置へは伝達されない。
【0010】
そのため、外部装置から1次通信対象装置に対する指示を受信した場合に、その指示を1次通信対象装置に対して一律に伝達するシステムとは異なり、一部の指示については第2端末装置へ伝達されなくなる。したがって、そのような一部の指示に対する対処を第2端末装置では実行しなくても済み、その分だけ第2端末装置にかかる負荷を軽減することができる。また、例えば、第2端末装置がバッテリ駆動方式のモバイル端末装置である場合、一部の指示に対する対処を第2端末装置では実行しなくても済めば、その分だけバッテリ消耗を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は端末管理システムの構成を示すブロック図である。
図2図2(A)は集中管理装置の構成を示すブロック図である。図2(B)は端末管理装置の構成を示すブロック図である。図2(C)は中継装置の構成を示すブロック図である。図2(D)は端末装置の構成を示すブロック図である。
図3図3(A)はクライアントテーブルの一例を示す説明図である。図3(B)はアクションテーブルの一例を示す説明図である。図3(C)はデバイステーブルの一例を示す説明図である。図3(D)はクライアント-アクション中間テーブルの一例を示す説明図である。図3(E)はデバイス-アクション中間テーブルの一例を示す説明図である。
図4図4(A)は端末管理装置における情報追加処理のフローチャートである。図4(B)は端末管理装置における情報取得処理のフローチャートである。図4(C)は端末管理装置における情報更新処理のフローチャートである。図4(D)は端末管理装置における情報削除処理のフローチャートである。
図5図5は端末管理装置におけるクライアント登録処理のフローチャートである。
図6図6は端末管理装置における指示保管処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、上述の端末管理処理プログラム、端末管理装置及び端末管理システムについて、例示的な実施形態を挙げて説明する。
【0013】
(1)端末管理システム1の構成
図1に示すように、端末管理システム1は、集中管理装置2、端末管理装置3、中継装置4、第1端末装置5A及び第2端末装置5Bを備えている。以下の説明において、第1端末装置5Aと第2端末装置5Bとを明示的に区別して説明する必要がない場合は、第1端末装置5A及び第2端末装置5Bそれぞれのことを端末装置5とも称する。集中管理装置2と端末管理装置3は、図1に示すように、WAN6を介して通信可能に構成されている。端末管理装置3と中継装置4は、WAN7及びLAN8を介して通信可能に構成されている。中継装置4と第1端末装置5Aは、LAN8を介して通信可能に構成されている。端末管理装置3と第2端末装置5Bは、WAN7及びLAN8を介して通信可能に構成されている。WANは、Wide Area Networkの略称である。LANは、Local Area Networkの略称である。WAN6とWAN7は同一ネットワークであってもよいし、別々のネットワークであってもよい。本実施形態の場合、WAN6及びWAN7としては、双方ともインターネットを利用している。
【0014】
WAN7とLAN8は、無線LANルータ8Aを介して接続されている。無線LANルータ8Aは、ルータ機能と無線LANアクセスポイント機能の双方を兼ね備えた機器である。無線LANルータ8Aは、ファイアウォール機能を有し、WAN7側からLAN8側への不正なアクセスを阻止できるように構成されている。無線LANルータ8AにはLANケーブルが接続されている。LAN8は、有線LAN及び無線LANの双方を組み合わせて構成されている。
【0015】
端末装置5には、無線LANに接続可能な端末装置5と、有線LANに接続可能な端末装置5とが含まれ得る。無線LANに接続可能な端末装置5としては、例えばモバイル端末と連携して使われるプリンタ(以下、モバイルプリンタとも称する。)を挙げることができる。無線LANに接続可能な端末装置5は、無線LANルータ8Aとの通信圏内に存在する場合に無線LANルータ8Aとの通信リンクが確立し、端末管理システム1に組み込まれる。有線LANに接続可能な端末装置5としては、例えば無線LAN非対応のプリンタやMFP(Multi Function Peripheral)を挙げることできる。
【0016】
本実施形態の端末管理システム1では、例えば、集中管理装置2において端末装置5から情報を収集することや、集中管理装置2での遠隔操作により、例えば、端末装置5でのテスト印字、端末装置5の再起動、端末装置5のシャットダウンを実現することができる。本実施形態の場合、端末管理装置3は、クライアント/サーバシステムにおけるサーバ装置として機能するように構成されている。集中管理装置2、中継装置4及び第2端末装置5Bは、それぞれがクライアント/サーバシステムにおけるクライアント装置として機能するように構成されている。集中管理装置2、中継装置4及び第2端末装置5Bのそれぞれと、端末管理装置3との間で情報を伝達する際には、クライアント装置からサーバ装置に対して情報を送信し、その応答として、サーバ装置からクライアント装置に対して情報を送信する。一方、第1端末装置5Aは、WAN7を経由して他の機器と通信する機能を備えていない。そのため、端末管理装置3と第1端末装置5Aとの間では、中継装置4を経由して情報を伝達するように構成されている。
【0017】
端末管理システム1を構成する各装置が設置される場所の一例としては、例えば、企業Aの本社に端末管理装置3が設置され、企業Aの支社に中継装置4及び端末装置5が設置されるような例を考え得る。この場合、企業Aの支社において運用されている複数の端末装置5に関する情報(以下、端末情報とも称する。)は、企業Aの本社に設置されている端末管理装置3によって収集される。端末管理装置3によって収集された端末情報は、例えば企業Aとは別の管理会社によって運用される集中管理装置2によって収集、管理される。ただし、集中管理装置2は企業Aによって運用されてもよく、企業Aと管理会社が別会社であるか否かは任意である。
【0018】
図1では図示を省略してあるが、端末管理装置3は複数あってもよい。この場合、複数の端末管理装置3は、1つの集中管理装置2で管理されるように構成されてもよい。例えば、更に企業Aとは別の企業B,C,D,…それぞれに端末管理装置3が設置され、それら複数の端末管理装置3が管理会社に設置された1つの集中管理装置2で管理されてもよい。
【0019】
また、図1では図示を省略してあるが、中継装置4は複数あってもよい。この場合、複数の中継装置4は、1つの端末管理装置3で管理されるように構成されてもよい。例えば、企業Aに複数の支社がある場合、各支社に中継装置4が設置され、それら複数の中継装置4が本社に設置された1つの端末管理装置3で管理されてもよい。
【0020】
集中管理装置2は、図2(A)に示すように、制御部21、通信部22、表示部23、入力部24及び記憶部25を備える。制御部21は、CPU211及びメモリ212を備える。CPU211は、メモリ212に記憶されたソフトウェアに従って処理及び制御を実行し、これにより、集中管理装置2の各種機能が実現される。ただし、集中管理装置2の各種機能は、CPU211及びソフトウェアによって実現されるものに限定されず、当該機能の一部又は全部が、1つあるいは複数のハードウェアによって実現されるように構成されていてもよい。
【0021】
メモリ212は、非遷移的実体的記録媒体である半導体メモリ(例えばROM、RAM、NVRAM及びフラッシュメモリ。)を備える。メモリ212は、ソフトウェア及びデータを記憶する。通信部22は、WAN6に接続してWAN6経由での通信が可能なネットワークインタフェースコントローラを備える。表示部23は、表示装置(例えば液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ。)を備え、各種画像を表示するように構成されている。入力部24は、各種入力操作を受け付けるための入力装置と、入力装置からの入力を処理する入力コントローラとを備える。記憶部25は、例えばHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)のような補助記憶装置によって構成される。
【0022】
端末管理装置3は、図2(B)に示すように、制御部31、通信部32、表示部33、入力部34及び記憶部35を備える。制御部31は、CPU311及びメモリ312を備える。CPU311は、メモリ312に記憶されたソフトウェアに従って処理及び制御を実行し、これにより、端末管理装置3の各種機能が実現される。ただし、端末管理装置3の各種機能は、CPU311及びソフトウェアによって実現されるものに限定されず、当該機能の一部又は全部が、1つあるいは複数のハードウェアによって実現されるように構成されていてもよい。
【0023】
メモリ312は、非遷移的実体的記録媒体である半導体メモリ(例えばROM、RAM、NVRAM及びフラッシュメモリ。)を備える。メモリ312は、ソフトウェア及びデータを記憶する。通信部32は、WAN6に接続してWAN6経由での通信が可能なネットワークインタフェースコントローラを備える。なお、本実施形態の場合、WAN6及びWAN7は同一ネットワークなので、通信部32は、WAN7に接続してWAN7経由での通信が可能な構成でもある。表示部33は、表示装置(例えば液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ。)を備え、各種画像を表示するように構成されている。入力部34は、各種入力操作を受け付けるための入力装置と、入力装置からの入力を処理する入力コントローラとを備える。記憶部35は、例えばHDDやSSDのような補助記憶装置によって構成される。記憶部35には、データベース351が構成されている(以下、データベース351のことをDB351と略称する。)。
【0024】
端末管理装置3が後述する処理を実行する際には、各種データがDB351に登録され、また、それらのデータの更新、削除が実行される。DB351中には、図3(A)に示すようなクライアントテーブル、図3(B)に示すようなアクションテーブル、図3(C)に示すようなデバイステーブル、図3(D)に示すようなクライアント-アクション中間テーブル、及び図3(E)に示すようなデバイス-アクション中間テーブルが確保される。これらのテーブルの詳細については後述する。
【0025】
中継装置4は、図2(C)に示すように、制御部41、通信部42、表示部43、入力部44及び記憶部45を備える。制御部41は、CPU411及びメモリ412を備える。CPU411は、メモリ412に記憶されたソフトウェアに従って処理及び制御を実行し、これにより、中継装置4の各種機能が実現される。ただし、中継装置4の各種機能は、CPU411及びソフトウェアによって実現されるものに限定されず、当該機能の一部又は全部が、1つあるいは複数のハードウェアによって実現されるように構成されていてもよい。
【0026】
メモリ412は、非遷移的実体的記録媒体である半導体メモリ(例えばROM、RAM、NVRAM及びフラッシュメモリ。)を備える。メモリ412は、ソフトウェア及びデータを記憶する。通信部42は、WAN7に接続してWAN7経由での通信が可能なネットワークインタフェースコントローラと、LAN8に接続してLAN8経由での通信が可能なネットワークインタフェースコントローラを備える。表示部43は、表示装置(例えば液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ。)を備え、各種画像を表示するように構成されている。入力部44は、各種入力操作を受け付けるための入力装置と、入力装置からの入力を処理する入力コントローラとを備える。記憶部45は、例えばHDDやSSDのような補助記憶装置によって構成される。
【0027】
端末装置5は、図2(D)に示すように、制御部51、通信部52、表示部53、入力部54及び印刷部56を備える。第1端末装置5Aと第2端末装置5Bとでは、ハードウェアの性能や、各装置に搭載されているファームウェアやソフトウェアに相違点があるが、そのような相違点に関する図示は図2(D)では省略する。制御部51は、CPU511及びメモリ512を備える。CPU511は、メモリ512に記憶されたソフトウェアに従って処理及び制御を実行し、これにより、端末装置5の各種機能が実現される。ただし、端末装置5の各種機能は、CPU511及びソフトウェアによって実現されるものに限定されず、当該機能の一部又は全部が、1つあるいは複数のハードウェアによって実現されるように構成されていてもよい。
【0028】
メモリ512は、非遷移的実体的記録媒体である半導体メモリ(例えばROM、RAM、NVRAM及びフラッシュメモリ。)を備える。メモリ512は、ソフトウェア及びデータを記憶する。通信部52は、LAN8に接続してLAN8経由での通信が可能なネットワークインタフェースコントローラを備える。例えば、端末装置5が、無線LAN対応のモバイルプリンタである場合、通信部52としては、無線LAN規格に対応したネットワークインタフェースコントローラが設けられる。端末装置5が、有線LAN対応のプリンタである場合、通信部52としては、有線LAN規格に対応したネットワークインタフェースコントローラが設けられる。
【0029】
表示部53は、表示装置(例えば液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ。)を備え、各種画像を表示するように構成されている。入力部54は、各種入力操作を受け付けるための入力装置と、入力装置からの入力を処理する入力コントローラとを備える。印刷部56は、感熱方式の印刷機構を備え、感熱ロール紙に対して印刷可能に構成されている。ただし、印刷部56は、カット紙に対して印刷可能に構成されていてもよい。あるいは、感熱方式以外の周知の記録方式(例えば、インクジェット方式又は電子写真方式。)で画像を印刷可能に構成されていてもよい。
【0030】
(2)端末管理システム1の動作の概要
本実施形態において、端末管理システム1は、以下のように動作する。コンピュータに中継処理プログラムをインストールして、その中継処理プログラムを起動すると、コンピュータが中継装置4としての処理を開始する。中継処理プログラムの起動時には、中継装置4がWAN7を介して端末管理装置3にアクセスし、端末管理装置3に対して中継装置4の登録リクエストを送信する。また、第2端末装置5Bを起動すると、第2端末装置5Bは、WAN7を介して端末管理装置3にアクセスし、端末管理装置3に対して第2端末装置5Bの登録リクエストを送信する。
【0031】
端末管理装置3は、中継装置4又は第2端末装置5Bからの登録リクエストを受信したら、クライアント登録処理を実行する。クライアント登録処理の詳細については後述するが、ここではクライアント登録処理の概要を簡単に説明する。クライアント登録処理では、端末管理装置3が上述の登録リクエストの送信元(すなわち、中継装置4又は第2端末装置5B。)がDB351に登録済みか否かを判断する。端末管理装置3において送信元が未登録の状態にあれば、送信元の情報をDB351に登録する。
【0032】
次に、端末管理装置3は、中継装置4及び第2端末装置5Bそれぞれが実行すべきアクションとして、定期処理を実行すべき旨のアクション情報をDB351に登録する。このアクション情報は、定期情報としてDB351に登録される。定期情報は、集中管理装置2から端末管理装置3へと伝送される指令又は端末管理装置3でのユーザ操作によって入力される指令により、あえて削除が指令されない限り、削除されないままDB351に登録された状態が維持される情報である。中継装置4及び第2端末装置5Bそれぞれが稼働を開始すると、中継装置4及び第2端末装置5Bそれぞれが定期処理を実行し、中継装置4及び第2端末装置5Bそれぞれにおいて対処すべきアクションがあるか否かを、定期的に端末管理装置3に問い合わせる。
【0033】
この問い合わせに対し、端末管理装置3は、中継装置4及び第2端末装置5Bそれぞれが実行すべきアクションに関するアクション情報がDB351に登録されていれば、そのアクション情報を中継装置4及び第2端末装置5Bそれぞれに対して返信する。中継装置4及び第2端末装置5Bそれぞれからの初回問い合わせ時には、上述の定期処理を実行すべき旨のアクション情報が中継装置4及び第2端末装置5Bへと返信される。中継装置4及び第2端末装置5Bは、定期処理を実行すべき旨のアクション情報を取得し、以後は、アクション情報に内包されるインターバルの設定に従って、インターバルが経過するたびに定期処理を繰り返し実行する。
【0034】
中継装置4は、SNMP(Simple Network Management Protocol)により、管理対象とすべき第1端末装置5AをLAN8上で検索する。管理対象とすべき第1端末装置5Aが見つかった場合、その第1端末装置5Aに関する端末情報の登録要求を、端末管理装置3へと送信する。端末情報の登録要求を受けた端末管理装置3はDB351に端末情報を登録する。
【0035】
集中管理装置2でのユーザ操作によって中継装置4、第1端末装置5A又は第2端末装置5Bへの指令が入力された場合、その指令は集中管理装置2から端末管理装置3へと伝送される。また、端末管理装置3でのユーザ操作によって中継装置4、第1端末装置5A又は第2端末装置5Bへの指令が入力される場合もある。端末管理装置3は、集中管理装置2から伝送される指令又は端末管理装置3において入力された指令を受け取った場合に、指示保管処理を実行する。指示保管処理の詳細については後述するが、ここでは指示保管処理の概要を簡単に説明する。
【0036】
指示保管処理では、集中管理装置2から伝送される指令又は端末管理装置3において入力された指令に対応するアクション情報をDB351に登録する。アクション情報には、上述のような定期情報として登録されるアクション情報と、単発情報として登録されるアクション情報が含まれる。単発情報は、その単発情報に対応する処理が第1端末装置5A又は第2端末装置5Bにおいて実行された場合に、その後はDB351から削除される情報である。
【0037】
例えば、集中管理装置2から端末管理装置3へと伝送される指令又は端末管理装置3でのユーザ操作によって入力される指令が、第1端末装置5A又は第2端末装置5Bに対するテスト印字又は再起動の指令であった場合、端末管理装置3は、第1端末装置5A又は第2端末装置5Bへの指令に対応するアクション情報をDB351に登録する。このアクション情報は、単発情報としてDB351に登録される。
【0038】
中継装置4及び第2端末装置5Bは、上述の通り、中継装置4において対処すべきアクションがあるか否かを、端末管理装置3に対して定期的に問い合わせる。問い合わせに対し、上述の単発情報がDB351に登録されていれば、端末管理装置3は、そのアクション情報(すなわち、単発情報。)を中継装置4又は第2端末装置5Bに対して返信する。中継装置4の場合、中継装置4は返信されたアクション情報に基づき、第1端末装置5Aに対して指令を伝達する。これにより、第1端末装置5Aでは、テスト印字や再起動が実行される。第2端末装置5Bの場合、第2端末装置5Bは返信されたアクション情報に基づき、テスト印字や再起動を実行する。
【0039】
第1端末装置5Aでの処理が実行されたら、中継装置4は、その実行結果及び第1端末装置5Aでのアクション完了を意図するアクション削除依頼をそれぞれ端末管理装置3へと送信する。第2端末装置5Bでの処理が実行されたら、第2端末装置5Bは、その実行結果及び第2端末装置5Bでのアクション完了を意図するアクション削除依頼をそれぞれ端末管理装置3へと送信する。端末管理装置3では、削除依頼に対応する情報をDB351から削除する。
【0040】
また、中継装置4及び第2端末装置5Bにおいて定期的に実行される定期処理のインターバルをユーザが変更したい場合には、集中管理装置2から端末管理装置3へと伝送される指令又は端末管理装置3でのユーザ操作によって入力される指令により、定期処理のインターバル変更を指示するアクション情報をDB351に登録することができる。このアクション情報は、単発情報としてDB351に登録される。
【0041】
中継装置4及び第2端末装置5Bは、上述の通り、定期的に中継装置4において対処すべきアクションがあるか否かを端末管理装置3に問い合わせる。問い合わせに対し、上述の単発情報がDB351に登録されていれば、端末管理装置3は、そのアクション情報(すなわち、単発情報。)を中継装置4及び第2端末装置5Bそれぞれに対して返信する。中継装置4及び第2端末装置5Bは返信されたアクション情報に基づき、中継装置4及び第2端末装置5Bそれぞれが実行している定期処理のインターバルを変更する。インターバル変更を実行したら、中継装置4及び第2端末装置5Bは、その実行結果及び中継装置4及び第2端末装置5Bそれぞれでのアクション完了を意図するアクション削除依頼をそれぞれ端末管理装置3へと送信する。端末管理装置3では、削除依頼に対応する情報をDB351から削除する。インターバル変更指示を受けた中継装置4及び第2端末装置5Bそれぞれは、定期処理を指示されたインターバルで再開する。
【0042】
図3(A)~図3(E)に示すテーブルは、上述のような処理を実行する際に、端末管理装置3によって利用される。クライアントテーブル(図3(A)参照。)は、クライアント装置である中継装置4及び第2端末装置5Bに関する情報が登録されているテーブルである。図3(A)に示す例では、クライアントテーブルには、中継装置4及び第2端末装置5Bが1つずつ登録され、それぞれを識別するためのクライアントIDとして「AAA」及び「BBB」が割り当てられていることを示している。アクション確認インターバルは、中継装置4及び第2端末装置5Bが端末管理装置3からアクション情報を受け取るために、中継装置4及び第2端末装置5Bそれぞれが端末管理装置3に対してアクセスする際のインターバルである。図3(A)に示す例では、中継装置4及び第2端末装置5Bそれぞれが1分間隔で端末管理装置3にアクセスすることを示している。クライアントタイプは、クライアントIDに対応する装置が中継装置4なのか第2端末装置5Bなのかを示す情報である。クライアントIDに対応する装置が中継装置4である場合、クライアントタイプはサービスとなる。クライアントIDに対応する装置が第2端末装置5Bである場合、クライアントタイプはプリンタとなる。
【0043】
アクションテーブル(図3(B)参照。)は、アクションIDとそれに対応する具体的なアクションの内容であるアクションタイプとを紐付けするテーブルである。定期フラグは、アクションIDに対応するアクションが、定期処理として実行されるアクションであるか否かを示すフラグである。定期フラグがtrueとなっているアクションは定期処理として実行されるアクションである。定期フラグがfalseとなっているアクションは単発処理として実行されるアクションである。アクションコンテンツには、アクションを実行する際に必要なパラメータが含まれている。
【0044】
デバイステーブル(図3(C)参照。)は、第1端末装置5A及び第2端末装置5Bの端末情報が登録されるテーブルである。第1端末装置5Aの場合、端末情報は、中継装置4によって第1端末装置5Aから収集されて端末管理装置3へアップロードされる。第2端末装置5Bの場合、端末情報は、第2端末装置5Bによって端末管理装置3へアップロードされる。デバイスIDは、個々の第1端末装置5A及び第2端末装置5Bに割り当てられたIDである。クライアントIDは、中継装置4及び第2端末装置5Bに割り当てられたIDである。デバイスIDに対応するクライアントIDが中継装置4に対応するIDとなっている場合は、デバイスIDに紐付けられた装置が第1端末装置5Aであることを示している。デバイスIDに対応するクライアントIDが第2端末装置5Bに対応するIDとなっている場合は、デバイスIDに紐付けられた装置が第2端末装置5Bであることを示している。機種名、シリアル番号、ファームバージョン、パラメータは、端末情報の一例である。
【0045】
クライアント-アクション中間テーブル(図3(D)参照。)は、例えば、集中管理装置2から端末管理装置3へと伝送される指令又は端末管理装置3でのユーザ操作によって入力される指令により、中継装置4及び第2端末装置5Bのそれぞれで実行すべきアクションが発生する場合に、そのアクションを示すアクションIDと、そのアクションを実行すべき中継装置4及び第2端末装置5BそれぞれのクライアントIDとを紐付けて登録するためのテーブルである。端末管理装置3が中継装置4及び第2端末装置5Bのそれぞれからアクションを確認するアクセスを受けた際、端末管理装置3は、アクセスを受けた中継装置4及び第2端末装置5Bそれぞれに対応するクライアントIDがクライアント-アクション中間テーブルに登録されているか否かを確認する。クライアントIDが登録されていたら、端末管理装置3は、クライアントIDに対応するアクションIDに基づいて、アクションテーブル(図3(B)参照。)を参照してアクション情報を生成し、アクセスを受けた中継装置4又は第2端末装置5Bへと返信する。
【0046】
デバイス-アクション中間テーブル(図3(E)参照。)は、例えば、集中管理装置2から端末管理装置3へと伝送される指令又は端末管理装置3でのユーザ操作によって入力される指令により、第1端末装置5A及び第2端末装置5Bのそれぞれで実行すべきアクションが発生する場合に、そのアクションを示すアクションIDと、そのアクションを実行すべき第1端末装置5A及び第2端末装置5BそれぞれのデバイスIDとを紐付けて登録するためのテーブルである。端末管理装置3が中継装置4からアクションを確認するためのアクセスを受けた場合、端末管理装置3は、デバイステーブル(図3(C)参照。)を参照して、アクセスを受けた中継装置4の配下に存在する第1端末装置5AのデバイスIDを取得する。一方、端末管理装置3が第2端末装置5Bからアクションを確認するためのアクセスを受けた場合、端末管理装置3は、デバイステーブル(図3(C)参照。)を参照して、アクセスを受けた第2端末装置5BのデバイスIDを取得する。
【0047】
第1端末装置5A又は第2端末装置5BのデバイスIDを取得したら、取得したデバイスIDがデバイス-アクション中間テーブルに登録されているか否かを確認する。デバイスIDが登録されていたら、端末管理装置3は、デバイスIDに対応するアクションIDに基づいて、アクションテーブル(図3(B)参照。)を参照してアクション情報を生成し、そのアクション情報を中継装置4又は第2端末装置5Bへと返信する。
【0048】
(3)端末管理装置3において実行される処理
次に、端末管理装置3において実行される処理について説明する。端末管理装置3では、CPU311がメモリ312に記憶された端末管理処理プログラムに従って処理を実行する。より具体的には、端末管理装置3では、図4(A),図4(B),図4(C)及び図4(D)に示すような処理が実行される。
【0049】
(3.1)情報追加処理
図4(A)に示す情報追加処理を開始すると、端末管理装置3は、情報追加指示があるか否かを判断する(S101)。集中管理装置2は、集中管理装置2でのユーザ操作により、端末管理装置3、中継装置4又は端末装置5に対する指示が集中管理装置2において入力された場合に、その指示内容を示す情報をHTTPメソッド「POST」によって端末管理装置3へと伝送する。中継装置4及び第2端末装置5Bは、端末管理装置3へ端末情報の追加を要求する場合に、追加対象となる端末情報をHTTPメソッド「POST」によって端末管理装置3へと伝送する。
【0050】
S101において、端末管理装置3は、集中管理装置2、中継装置4又は第2端末装置5BからHTTPメソッド「POST」を使ってアクセスを受けた場合に、情報追加指示があると判断し(S101:YES)、DB351のテーブルに情報を追加する(S103)。続いて、端末管理装置3は、指示の伝送元である集中管理装置2、中継装置4又は第2端末装置5Bに対し、情報追加完了を返信(S105)。S105を終えたら、図4(A)に示す情報追加処理を終了する。S101において、情報追加指示がないと判断した場合は(S101:NO)、S103及びS105を実行することなく、図4(A)に示す情報追加処理を終了する。
【0051】
(3.2)情報取得処理
図4(B)に示す情報取得処理を開始すると、端末管理装置3は、情報取得指示があるか否かを判断する(S111)。集中管理装置2は、集中管理装置2でのユーザ操作により、端末装置5からの端末情報の取得指示が集中管理装置2において入力された場合に、その指示内容を示す情報をHTTPメソッド「GET」によって端末管理装置3へと伝送する。中継装置4及び第2端末装置5Bは、端末管理装置3へアクション情報の取得要求を送信する場合に、その取得要求をHTTPメソッド「GET」によって端末管理装置3へと伝送する。
【0052】
S111において、端末管理装置3は、集中管理装置2、中継装置4又は第2端末装置5BからHTTPメソッド「GET」を使ってアクセスを受けた場合に、情報取得指示があると判断し(S111:YES)、集中管理装置2、中継装置4又は第2端末装置5Bによって指定された情報をDB351から取得する(S113)。続いて、端末管理装置3は、指示の伝送元である集中管理装置2、中継装置4又は第2端末装置5Bに対し、取得した情報を返信する(S115)。S115を終えたら、図4(B)に示す情報取得処理を終了する。S111において、情報取得指示がないと判断した場合は(S111:NO)、S113及びS115を実行することなく、図4(B)に示す情報取得処理を終了する。
【0053】
(3.3)情報更新処理
図4(C)に示す情報更新処理を開始すると、端末管理装置3は、情報更新指示があるか否かを判断する(S121)。中継装置4及び第2端末装置5Bは、DB351に登録済みの端末情報の更新を端末管理装置3へ要求する場合に、その更新要求をHTTPメソッド「PUT」によって端末管理装置3へと伝送する。S121において、端末管理装置3は、中継装置4及び第2端末装置5BそれぞれからHTTPメソッド「PUT」を使ってアクセスを受けた場合に、情報更新指示があると判断し(S121:YES)、DB351内の指定された情報を更新する(S123)。続いて、端末管理装置3は、指示の伝送元である中継装置4又は第2端末装置5Bに対し、情報更新を完了した旨の情報を返信する(S125)。S125を終えたら、図4(C)に示す情報更新処理を終了する。S121において、情報更新指示がないと判断した場合は(S121:NO)、S123及びS125を実行することなく、図4(C)に示す情報更新処理を終了する。
【0054】
(3.4)情報削除処理
図4(D)に示す情報削除処理を開始すると、端末管理装置3は、情報削除指示があるか否かを判断する(S131)。中継装置4及び第2端末装置5Bは、単発情報の削除依頼を端末管理装置3へ要求する場合に、その削除要求をHTTPメソッド「DELETE」によって端末管理装置3へと伝送する。S131において、端末管理装置3は、中継装置4及び第2端末装置5BからHTTPメソッド「DELETE」を使ってアクセスを受けた場合に、情報削除指示があると判断し(S131:YES)、指定された情報をDB351から削除する(S133)。続いて、端末管理装置3は、指示の伝送元である中継装置4又は第2端末装置5Bに対し、情報削除完了を返信する(S135)。S135を終えたら、図4(D)に示す情報削除処理を終了する。S131において、情報削除指示がないと判断した場合は(S131:NO)、S133及びS135を実行することなく、図4(D)に示す情報更新処理を終了する。
【0055】
(3.5)クライアント登録処理
次に、クライアント登録処理について、図5に基づいて説明する。クライアント登録処理は、端末管理装置3がクライアント装置(中継装置4又は第2端末装置5B)からのアクセスを受けた際に、端末管理装置3において実行される処理である。クライアント登録処理を開始すると、端末管理装置3は、クライアント登録指示があるか否かを判断する(S201)。S201においてクライアント登録指示がないと判断される場合は(S201:NO)、S201へと戻り、クライアント登録指示があるまで待機する。一方、S201において、端末管理装置3は、中継装置4又は第2端末装置5Bからの登録リクエストを受信していれば、クライアント登録指示があると判断する。
【0056】
S201においてクライアント登録指示があると判断された場合(S201:YES)、端末管理装置3は、データベース(DB351)のテーブルに情報を追加する(S203)。S203では、クライアントテーブル(図3(A)参照。)及びデバイステーブル(図3(C)参照。)にクライアント情報が追加される。続いて、端末管理装置3は、クライアント・タイプがサービスか否かを判断する(S205)。S205では、クライアント登録指示の送信元が中継装置4であれば、クライアント・タイプがサービスであると判断する。
【0057】
S205において、クライアント・タイプがサービスであると判断された場合(S205:YES)、端末管理装置3は、定期アクションとの紐づけをデータベースに追加する(S207)。S207では、中継装置4と定期アクション(例えば、図3(B)に示すアクションA)との紐付け情報が、クライアント-アクション中間テーブル(図3(D)参照。)に追加登録される。
【0058】
S207を終えたらS209へ進む。また、上述のS205おいて、クライアント・タイプがサービスではないと判断された場合は(S205:NO)、S209へと進む。S205おいて、クライアント・タイプがサービスではないと判断されるのは、判断対象となるクライアント装置が第2端末装置5Bの場合である。S205又はS207からS209へと進んだ場合、端末管理装置3は、クライアント装置が実行すべき基本処理に関する設定を行い、更新アクションとの紐づけをデータベースに追加する(S209)。S209では、中継装置4又は第2端末装置5Bと更新アクション(例えば、図3(B)に示すアクションC)との紐付け情報が、クライアント-アクション中間テーブル(図3(D)参照。)に追加登録される。続いて、端末管理装置3は、クライアント装置に対してクライアント情報追加完了を返信して、図5に示すクライアント登録処理を終了する。
【0059】
(3.6)指示保管処理
次に、指示保管処理について、図6に基づいて説明する。指示保管処理は、端末管理装置3が集中管理装置2から伝送される指令又は端末管理装置3において入力された指令を受け取った場合に実行される処理である。指示保管処理を開始すると、端末管理装置3は、アクション登録指示があるか否かを判断する(S301)。S301においてアクション登録指示がないと判断される場合は(S301:NO)、S301へと戻り、アクション登録指示があるまで待機する。一方、S301においてアクション登録指示があると判断される場合(S301:YES)、端末管理装置3は、データベースのアクション・テーブル(図3(B)参照)に情報を追加する(S303)。
【0060】
続いて、端末管理装置3は、アクションがクライアント・アクションか否かを判断する(S305)。本実施形態の場合、クライアント・アクションの例としては、例えば「アップデート・チェック・アクション・タイム」、「サーチ・デバイス」、「リセット・サーチ・デバイス」、「チェック・ステータス」及び「リセット・チェック・ステータス」を挙げることができる。また、クライアント・アクション以外のアクションとしては、デバイス・アクションがある。デバイス・アクションの例としては、例えば「インストール・ファイル」、「アプライ・セッティング」、「リブート」、「シャットダウン」、「ファクトリ・リセット」及び「テスト・プリント」を挙げることができる。
【0061】
S305においてクライアント・アクションではないと判断された場合(S305:NO)、端末管理装置3は、データベースのデバイス-アクション中間テーブル(図3(E)参照。)に紐づけ情報を追加登録する(S307)。S307では、第1端末装置5A又は第2端末装置5Bとアクション(例えば、図3(B)に示すアクションB,D)との紐付け情報が、デバイス-アクション中間テーブル(図3(E)参照。)に追加登録される。S307を終えたら、図6に示す指示保管処理を終了する。一方、S305においてクライアント・アクションであると判断された場合(S305:YES)、端末管理装置3は、アクションがアップデート・チェック・アクション・タイムか否かを判断する(S309)。
【0062】
アップデート・チェック・アクション・タイム(図3(B)のアクションC参照。)は、クライアント装置が端末管理装置3に対してアクセスするインターバル時間を変更するためのアクションである。本実施形態の場合、アップデート・チェック・アクション・タイムは、中継装置4及び第2端末装置5Bの双方が実行し得るアクションである。一方、アップデート・チェック・アクション・タイム以外のクライアント・アクションは、中継装置4が実行し得るアクションであって、第2端末装置5Bでは実行しなくてもよいアクションである。
【0063】
例えば、「サーチ・デバイス」は、新たにLAN8経由でアクセス可能となった第1端末装置5Aが追加されていないかどうかを中継装置4が探索するためのアクションであるが、第2端末装置5Bはそのような探索を実行しなくてもよい。また、「チェック・ステータス」は、中継装置4が第1端末装置5Aの情報を収集するためのアクションであるが、第2端末装置5Bはそのような情報収集を実行しなくてもよい。そこで、S309では、アクションがアップデート・チェック・アクション・タイムか否かに基づいて、アクション情報の伝達対象に第2端末装置5Bを含めるか否かを振り分けている。
【0064】
具体的には、S309においてアクションがアップデート・チェック・アクション・タイムであると判断された場合(S309:YES)、端末管理装置3は、データベースのクライアント-アクション中間テーブル(図3(D)参照。)に、各クライアント(中継装置4及び第2端末装置5B)との紐づけ情報を追加登録する(S311)。S311では、中継装置4又は第2端末装置5Bと更新アクション(例えば、図3(B)に示すアクションC)との紐付け情報が、クライアント-アクション中間テーブル(図3(D)参照。)に追加登録される。S311を終えたら、図6に示す指示保管処理を終了する。
【0065】
一方、S309においてアクションがアップデート・チェック・アクション・タイムではないと判断された場合(S309:NO)、端末管理装置3は、端末管理装置3は、対象クライアントを1つずつ判定する(S313)。端末管理装置3は、S313での判定対象となったクライアントについて、そのクライアント・タイプがサービスか否かを判断する(S315)。すなわち、S315では、S313での判定対象となったクライアントが中継装置4か否かを判断する。
【0066】
S315においてクライアント・タイプがサービスであると判断された場合(S315:YES)、端末管理装置3は、データベースのクライアント-アクション中間テーブルに紐づけ情報を追加登録する(S317)。S317では、中継装置4と定期アクション(例えば、図3(B)に示すアクションA)との紐付け情報が、クライアント-アクション中間テーブル(図3(D)参照。)に追加登録される。S317を終えたらS319へと進む。また、S315においてクライアント・タイプがサービスではないと判断された場合は(S315:NO)、S319へと進む。
【0067】
S315又はS317からS319へと進んだ場合、端末管理装置3は、全クライアントの判別が完了したか否かを判断する(S319)。S319において、全クライアントの判別が完了していないと判断された場合は(S319:NO)、S313へと戻る。これにより、S313からS319までの処理ステップを繰り返し実行する。この繰り返し処理を実行する中で、S319において、全クライアントの判別が完了したと判断された場合は(S319:YES)、図6に示す指示保管処理を終了する。
【0068】
(4)効果
上記端末管理システムによれば、端末管理装置3は、S309において、指示が「アップデート・チェック・アクション・タイム(本開示でいう判断対象指示の一例に相当。)である場合には、その指示をクライアント装置である中継装置4及び第2端末装置5B(本開示でいう1次通信対象装置の一例に相当。)へ伝達するための処理(S311)を実行する。一方、S309において、指示が「アップデート・チェック・アクション・タイム」ではない場合には、指示を中継装置4へ伝達するための処理(S313-S319)を実行する。
【0069】
そのため、例えば、集中管理装置2から受信した指示を端末管理装置3がクライアント装置へと伝達する際に、その指示を全てのクライアント装置に対して一律に伝達するシステムとは異なり、「アップデート・チェック・アクション・タイム」以外の指示については、第2端末装置5Bへ伝達されなくなる。したがって、そのような一部の指示に対する対処を第2端末装置5Bでは実行しなくても済み、その分だけ第2端末装置5Bにかかる負荷を軽減することができる。また、例えば、第2端末装置5Bがバッテリ駆動方式のモバイル端末装置である場合、一部の指示に対する対処を第2端末装置5Bでは実行しなくても済めば、その分だけ第2端末装置5Bにおけるバッテリ消耗を抑制することができる。
【0070】
(5)他の実施形態
以上、端末管理処理プログラム、端末管理装置及び端末管理システムについて、例示的な実施形態を挙げて説明したが、上述の実施形態は本開示の一態様として例示されるものにすぎない。すなわち、本開示は、上述の例示的な実施形態に限定されるものではなく、本開示の技術的思想を逸脱しない範囲内において、様々な形態で実施することができる。
【0071】
例えば、上記実施形態では、端末装置5の例として、モバイルプリンタ及び無線LAN非対応のプリンタやMFPを例示したが、端末装置5がプリンタ機能を有するか否かは限定されない。例えば、端末装置5は、PC(Personal Computer)やスマートフォンなどであってもよい。あるいは、端末装置5は、ネットワーク経由で遠隔操作及び遠隔管理ができるように構成された工業機器や業務用機器(例えば、工業用ミシン、自動販売機、業務用洗濯機、医療機器など。)であってもよい。あるいは、ネットワーク経由で遠隔操作及び遠隔管理ができるように構成された家庭用電化製品(例えば、冷蔵庫、テレビ、エアコン、洗濯機など。)であってもよい。
【0072】
また、上記実施形態では、LAN8が有線LAN及び無線LANの双方を組み合わせて構成されていたが、LAN8は、有線LAN又は無線LANのいずれか一方のみで構成されていてもよい。
【0073】
以上の他、例えば、上記実施形態で例示した1つの構成要素によって実現される複数の機能を、複数の構成要素によって実現してもよい。上記実施形態で例示した1つの構成要素によって実現される1つの機能を、複数の構成要素によって実現してもよい。上記実施形態で例示した複数の構成要素によって実現される複数の機能を、1つの構成要素によって実現してもよい。上記実施形態で例示した複数の構成要素によって実現される1つの機能を、1つの構成要素によって実現してもよい。上記実施形態で例示した構成の一部を省略してもよい。
【0074】
(6)補足
なお、以上説明した例示的な実施形態から明らかなように、本開示の端末管理処理プログラム、端末管理装置及び端末管理システムは、更に以下に挙げるような構成を備えていてもよい。
【0075】
(A)本開示の一態様では、処理部に、端末管理装置が1次通信対象装置から初回のアクセスを受けた際に、当該アクセスを実行した1次通信対象装置が中継装置又は第2端末装置のいずれであるのかを示すタイプ情報を、端末管理装置が備えるデータベースに登録する登録処理、を実行させるように構成されていてもよい。第2伝達処理では、データベースに登録されたタイプ情報に基づいて、処理対象とされている1次通信対象装置が中継装置であるのか否かを判断し、中継装置である場合に、受信した指示を中継装置へ伝達するための処理を実行するように構成されていてもよい。
【0076】
このように構成された端末管理処理プログラムに基づく処理を端末管理装置が備える処理部に実行させれば、端末管理装置が1次通信対象装置から初回のアクセスを受けた際に、上述のようなタイプ情報がデータベースに登録される。したがって、第2伝達処理を実行する際には、1次通信対象装置に対して中継装置であるのか否かを問い合わせなくても、データベースに登録済みのタイプ情報を参照して、処理対象とされている1次通信対象装置が中継装置であるのか否かを速やかに判断できる。よって、1次通信対象装置に対して中継装置であるのか否かを問い合わせる場合に比べ、通信負荷を軽減することができる。
【0077】
(B)本開示の一態様では、判断対象指示は、1次通信対象装置が第1端末装置と通信可能な装置であるか否かを問わず実行可能な処理を、1次通信対象装置に実行させるための指示であってもよい。判断対象指示以外の指示は、1次通信対象装置が第1端末装置と通信可能な装置である場合に実行可能な処理を、1次通信対象装置に実行させるための指示であってもよい。
【0078】
このように構成された端末管理処理プログラムに基づく処理を端末管理装置が備える処理部に実行させれば、第1端末装置と通信可能な装置である場合に実行可能な処理を実行させるための指示が第2端末装置に伝達されるのを抑制できる。
【0079】
(C)本開示の一態様では、外部装置から受信する指示には、1次通信対象装置で実行すべき処理に対応する指示と、第1端末装置及び第2端末装置で実行すべき処理に対応する指示とが含まれてもよい。1次通信対象装置で実行すべき処理に対応する指示には、中継装置及び第2端末装置で実行すべき処理に対応する指示と、中継装置で実行すべき処理に対応する指示とが含まれてもよい。判断対象指示は、中継装置及び第2端末装置で実行すべき処理に対応する指示であってもよい。判断処理では、外部装置から指示を受信した場合に、受信した指示が、1次通信対象装置で実行すべき処理に対応する指示であるのか、第1端末装置及び第2端末装置で実行すべき処理に対応する指示であるのかを判断し、1次通信対象装置で実行すべき処理に対応する指示であると判断した場合に、受信した指示が判断対象指示であるか否かを判断するように構成されていてもよい。
【0080】
(D)上記端末管理処理プログラムに基づく処理を実行する端末管理装置、及び当該端末管理装置を備える端末管理システムも、新規で有用である。また、上記端末管理処理プログラムに基づいて端末管理装置において実行される端末管理方法、及び上記端末管理処理プログラムが格納されているコンピュータ読取可能な非遷移的実体的記録媒体も、新規で有用である。
【符号の説明】
【0081】
1…端末管理システム、2…集中管理装置、3…端末管理装置、4…中継装置、5A,5B…第1端末装置、5B…第2端末装置、8…LAN、8A…無線LANルータ、21,31,41,51…制御部、22,32,42,52…通信部、23,33,43,53…表示部、24,34,44,54…入力部、25,35,45…記憶部、56…印刷部、211,311,411,511…CPU、212,312,412,512…メモリ、351…データベース(DB)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6