(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-16
(45)【発行日】2024-07-24
(54)【発明の名称】画像管理装置、画像管理方法、および画像管理プログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 5/77 20060101AFI20240717BHJP
G07C 5/00 20060101ALI20240717BHJP
H04N 5/92 20060101ALI20240717BHJP
【FI】
H04N5/77
G07C5/00 Z
H04N5/92 010
(21)【出願番号】P 2020005033
(22)【出願日】2020-01-16
【審査請求日】2022-12-28
(73)【特許権者】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】箱石 和也
【審査官】鈴木 順三
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-134912(JP,A)
【文献】特開2010-246050(JP,A)
【文献】国際公開第2012/014473(WO,A1)
【文献】特開2015-201082(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/76 - 5/956
G07C 1/00 - 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両内における撮影装置と自車両外における撮影装置とを含む複数の撮影装置により撮影された複数の動画データを取得する画像取得部と、
前記取得した複数の動画データを保持するデータ記憶部と、
自車両の内外で撮影された前
記複数の動画データおよびそれぞれに対応する撮影状況を示す情報
同士の比較に基づいて
、同じ日時におけ
る同じ車両の通行場所で並行的に撮影された
車両内動画であると判定した複数の動画データを
車両内動画以外の動画データとは区別して前記データ記憶部から抽出する画像抽出部と、
前記車両内動画として前記画像抽出部により抽出された複数の動画データを
車両内動画以外の動画データと区別可能な同一の
一意な識別情報に対応づける画像分類部と、
を備えることを特徴とする画像管理装置。
【請求項2】
前記画像抽出部は、前記複数の動画データおよびそれぞれに対応する撮影状況を示す情報として、画像内容、音声内容、撮影時間、撮影位置、移動速度、加速度のうち少なくともいずれかを動画データ同士で比較し、その比較結果に基づい
て同じ日時におけ
る同じ車両の通行場所で並行的に撮影された
車両内動画であると判定した複数の動画データを
車両内動画以外の動画データとは区別して抽出することを特徴とする請求項1に記載の画像管理装置。
【請求項3】
前記車両内動画として前記同一の識別情報に対応づけられた複数の動画データを
車両内動画以外の動画データとは区別して出力する出力部をさらに備え、
前記出力部
の出力によって、前記同一の識別情報に対応づけられた複数の動画データを表示装置の画面に並べて表示
させるとともに、
車両内動画以外の動画データとは区別して表示
させることを特徴とする請求項1または2に記載の画像管理装置。
【請求項4】
前記画像抽出部は、複数の動画データの間で撮影位置を示す情報を比較する場合
、同じ日時における撮影位置の差が互いに所定の許容範囲に収まる複数の動画データを同じ撮影場所で並行的に撮影された
車両内動画とみな
し、車両内動画以外の動画データとは区別して抽出することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の画像管理装置。
【請求項5】
前記画像分類部は、一つの動画データを複数の識別情報に対応づける場合があることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の画像管理装置。
【請求項6】
自車両内における撮影装置と自車両外における撮影装置とを含む複数の撮影装置により撮影された
複数の動画データを取得する過程と、
自車両の内外で撮影された複数の動画データおよびそれぞれに対応する撮影状況を示す情報
同士の比較に基づいて
、同じ日時におけ
る同じ車両の通行場所で並行的に撮影された
車両内動画であると判定した複数の動画データを
車両内動画以外の動画データとは区別して抽出する過程と、
前記車両内動画として抽出された複数の動画データを
車両内動画以外の動画データと区別可能な同一の
一意な識別情報に対応づける過程と、
前記車両内動画として前記同一の識別情報に対応づけられた複数の動画データを
車両内動画以外の動画データとは区別して出力する過程と、
を
コンピュータが実行することを特徴とする画像管理方法。
【請求項7】
自車両内における撮影装置と自車両外における撮影装置とを含む複数の撮影装置により撮影された複数の動画データを取得する機能と、
前記取得した複数の動画データを保持する機能と、
自車両の内外で撮影された前
記複数の動画データおよびそれぞれに対応する撮影状況を示す情報
同士の比較に基づいて
、同じ日時におけ
る同じ車両の通行場所で並行的に撮影された
車両内動画であると判定した複数の動画データを
車両内動画以外の動画データとは区別して抽出する機能と、
前記車両内動画として抽出された複数の動画データを
車両内動画以外の動画データと区別可能な同一の
一意な識別情報に対応づける機能と、
前記車両内動画として前記同一の識別情報に対応づけられた複数の動画データを
車両内動画以外の動画データとは区別して出力する機能と、
をコンピュータに実現させることを特徴とする画像管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影された画像を管理する画像管理装置、画像管理方法、および画像管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、いわゆる「あおり運転」をはじめとする危険運転の多発が社会問題となっている。その危険運転への抑止力として、車両前方への設置だけでなく車両後方にも増設するなど複数台のドライブレコーダを設置する車両が増えている。一方で、ドライブレコーダだけでなく、携帯端末の内蔵カメラをドライブレコーダのように使用することもあり、これらの映像を一緒に管理する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、近年、路上の監視カメラなど車両外においても様々な形の動画像が社会の情報ソースとして日々生み出されている。よって、ドライブレコーダにより撮影された動画に関しても、今後増え続ける情報ソースの中で適切かつ簡易に管理されることが望まれる。
【0005】
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、複数台の撮影装置により撮影された動画データを適切に管理する装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の画像管理装置は、複数の撮影装置により撮影された複数の動画データを取得する画像取得部と、取得した複数の動画データを保持するデータ記憶部と、保持された複数の動画データおよびそれぞれに対応する撮影状況を示す情報に基づいて、所定の同じ日時における所定の同じ車両の通行場所で並行的に撮影された複数の動画データをデータ記憶部から抽出する画像抽出部と、並行的に撮影された画像として画像抽出部により抽出された複数の動画データを同一の識別情報に対応づける画像分類部と、同一の識別情報に対応づけられた複数の動画データを他の動画データとは区別して出力する出力部と、を備える。
【0007】
本発明の別の態様は、画像管理方法である。この方法は、撮影装置により撮影された動画データを取得する過程と、取得した複数の動画データおよびそれぞれに対応する撮影状況を示す情報に基づいて、所定の同じ日時における所定の同じ車両の通行場所で並行的に撮影された複数の動画データを抽出する過程と、並行的に撮影された画像として抽出された複数の動画データを同一の識別情報に対応づける過程と、同一の識別情報に対応づけられた複数の動画データを他の動画データとは区別して出力する過程と、を備える。
【0008】
なお、以上の構成要素の任意の組合せや本発明の構成要素や表現を、方法、装置、システム、プログラムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、複数台の撮影装置により撮影された動画データを適切に管理する装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】画像管理装置の機能構成を模式的に示すブロック図である。
【
図2】グループIDと動画データの対応関係が定められたテーブルの例を模式的に示す図である。
【
図3】複数の動画データを並べて再生する画面例を模式的に示す図である。
【
図4】動画の取得から出力までの過程を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。かかる実施の形態に示す具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。以下説明する実施の形態においては、画像管理装置を主にパーソナルコンピュータ上またはサーバコンピュータ上で動画ビューワソフトウェアの形で実現させた例を記載する。
【0012】
図1は、画像管理装置10の機能構成を模式的に示すブロック図である。図示する各機能ブロックは、ハードウェア的には、コンピュータのCPUやメモリをはじめとする素子や機械装置で実現でき、ソフトウェア的にはコンピュータプログラム等によって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックとして描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウェア、ソフトウェアの組み合わせによっていろいろなかたちで実現できることは、当業者には理解されるところである。本実施の形態における画像管理装置10のハードウェアとしては、パーソナルコンピュータまたはサーバコンピュータ、携帯電話やタブレット端末等の情報端末を想定するが、変形例としてドライブレコーダやナビゲーション装置の形で実現してもよい。
【0013】
画像管理装置10は、画像取得部12、画像抽出部20、画像分類部24、データ記憶部30、出力部40、通信部50を備える。画像取得部12は、複数の撮影装置により撮影された複数の動画データを取得する。「複数の撮影装置」は、ドライブレコーダ、携帯電話等の情報端末に内蔵されるカメラ、デジタルカメラ、監視カメラ、その他の移動体に設置されたカメラ等が含まれる。ドライブレコーダは、自車両に設置されたドライブレコーダだけでなく、他車両に設置されたドライブレコーダも含む。「その他の移動体」は、例えば周辺を撮影するカメラを内蔵するドローン等の飛行体であってもよい。
【0014】
画像取得部12は、複数の撮影装置の記録媒体18から複数の動画データを読み出してデータ記憶部30へ格納する。画像取得部12は、例えばドライブレコーダやデジタルカメラに着脱可能なメモリカードから動画データを読み出すカードリーダ装置およびカードリーダソフトウェアであってもよい。このとき、複数の動画データとともに、これら複数の動画データのそれぞれに対応する撮影状況を示す情報(以下、「ログデータ」と呼ぶ)を記録媒体18から読み出して、データ記憶部30へ格納する。記録媒体18には、例えば動画データとログデータが別々のフォルダに格納され、それぞれのフォルダから複数の動画データと複数のログデータが画像取得部12により読み出される。なお、ログデータは、動画データから分離した独立のデータであってもよいし、動画データに内包されるデータであってもよい。画像取得部12は、記録媒体18に動画データに加えて静止画データが格納されている場合には、動画データとともに静止画データも読み出してデータ記憶部30へ格納する。
【0015】
画像取得部12が取得する主な動画データは、ドライブレコーダで撮影され、記録媒体18に保存された動画データである。車両に設置したドライブレコーダが複数台の場合、それら複数台のドライブレコーダのそれぞれからメモリカードを取り出して、画像取得部12としてのカードリーダに挿入して動画データを読み出す。本実施の形態においては、複数のユーザ、または、複数の車両において撮影された動画データを読み出して、これらを混在させた形でデータ記憶部30に保持させる状態を前提とする。ユーザごと、または、車両ごとに複数台のドライブレコーダによってそれぞれ複数の動画データが記録され、それら複数の動画データが複数ユーザ分、または、複数車両分だけデータ記憶部30に保持される。なお、画像取得部12はドライブレコーダから通信部50による通信を介して動画データを読み出してもよい。この場合の通信部50は、例えば撮影装置からUSB(Universal Serial Bus)等の周辺機器接続ケーブルを介して動画データを読み出す入出力インタフェースであってもよいし、撮影装置からWi-Fi(登録商標)やBluetooth(登録商標)等の無線通信を介して動画データを読み出す無線通信モジュールであってもよい。画像取得部12は、ドライブレコーダで撮影された動画データがあらかじめ携帯電話等の情報端末に転送済である場合に、その情報端末から通信部50による無線通信を介して動画データを読み出してもよい。
【0016】
画像取得部12が取得する動画データが携帯電話等の情報端末に内蔵されるカメラで撮影された動画データである場合、画像取得部12は情報端末から通信部50による無線通信等を介して動画データを読み出す。画像取得部12が取得する動画データがデジタルカメラや路上の監視カメラ、その他の移動体に内蔵または設置されたカメラで撮影された動画データである場合、画像取得部12は記録媒体18から動画データを読み出してもよいし、カメラから通信部50を介して動画データを読み出してもよい。なお、路上の監視カメラや他の車両によって撮影された動画データが自治体等のウェブサーバからネットワークを介して取得できる場合、画像取得部12は通信部50によるネットワーク通信を介して動画データを取得してもよい。
【0017】
データ記憶部30は、取得した複数の動画データおよびそれぞれに対応するログデータを保持する記憶領域であり、例えばハードディスクやSSD(Solid State Drive)などの記録媒体である。ただし、データ記憶部30の一部または全部をネットワーク上のストレージの形で実現してもよい。ログデータとしては、例えば撮影時間、撮影位置、移動速度、加速度、衝突の有無のうち少なくともいずれかを示す情報がデータ記憶部30に保持される。動画データとログデータの対応関係として、例えばドライブレコーダによって割り当てられた識別情報としての共通の文字列がそれぞれのファイル名に含められ、これにより他の動画データやログデータと区別できてもよい。共通の識別情報は、例えば撮影日時を示す数字やシリアル番号である。ログデータに含められる「撮影時間」は、対応する動画データの撮影開始日時の情報である。この撮影開始日時の情報と、動画データの内部に記録される撮影開始日時の情報を照合することで、動画データとログデータの対応関係を判定してもよい。ログデータに含められる「撮影位置」は、GPS(Global Positioning System)等の衛星測位システムから取得する位置情報の履歴であり、その位置の変化が移動方向を示す。例えばドライブレコーダ、携帯電話等の情報端末、車両、ナビゲーション装置、ドローン等に内蔵される測位モジュールによって取得されて記録される。ログデータに含められる「移動速度」は、ドライブレコーダが設置される車両の移動速度の履歴であり、例えば車両から車速センサを含む車両情報が取得されて記録される。あるいは、衛星測位システムから取得する位置情報および時刻情報に基づいて算出されて記録されてもよいし、車両または携帯電話等の情報端末からの加速度センサの情報に基づいて算出されて記録されてもよい。あるいは、動画データの画像内容を画像解析して速度を推定してもよい。ログデータに含められる「加速度」は、単位時間あたりの移動速度および移動方向の履歴であり、車両または携帯電話等の情報端末から加速度センサの情報が取得されて記録される。ログデータに含められる「衝突の有無」は、ドライブレコーダにおいて動画データを上書き禁止の形式で保存する契機となった車両の衝突等のイベントがあったか否かを示す情報であり、ドライブレコーダに搭載された各種のセンサにより検出されて記録される。
【0018】
画像抽出部20は、データ記憶部30に保持された複数の動画データおよびそれぞれに対応するログデータに基づいて、所定の同じ日時における所定の同じ車両の通行場所で並行的に撮影された複数の動画データをデータ記憶部30から抽出する。画像抽出部20は、車両内動画抽出部21、車両外動画抽出部22を含む。画像抽出部20は、複数の動画データおよびそれぞれに対応するログデータとして、画像内容、音声内容、撮影時間、撮影位置、移動速度、加速度、衝突の有無のうち少なくともいずれかを動画データ同士で比較する。例えば、撮影時間として撮影日時および撮影開始から撮影終了までの時間に基づいて撮影時間の少なくとも一部が重複する動画データ同士を、同じ日時に撮影された動画データと判定する。また、撮影位置として位置情報の履歴の少なくとも一部が重複する動画データ同士を、同じ車両の通行場所で撮影された動画データと判定する。画像抽出部20は、このような比較結果に基づき、同じ日時における同じ車両の通行場所で並行的に撮影された複数の動画データを抽出する。
【0019】
車両内動画抽出部21は、撮影時間および撮影位置の他、画像内容、音声内容、移動速度、加速度、衝突の有無のうち一つまたは複数の要素同士を比較し、相関が高い動画データ同士を同じ日時における同じ車両の通行場所で並行的に撮影された複数の動画データ(以下、「車両内動画」という)として抽出する。例えば、車両内動画抽出部21は、画像内容または音声内容を動画データ同士で比較し、画像内容または音声内容において車両通行時間と車両通行場所を特定するための共通の特徴点を有する複数の動画データを車両内動画として抽出する。また例えば、車両内動画抽出部21は、移動速度または加速度の履歴を動画データ同士で比較し、移動速度または加速度の履歴が一致または重複する複数の動画データを車両内動画として抽出する。また例えば、車両内動画抽出部21は、衝突の有無の履歴を動画データ同士で比較し、衝突の有無の履歴が一致または重複する複数の動画データを車両内動画として抽出する。以上のような撮影状況の各要素のうち一致または重複する要素の数が多い動画データ同士ほど相関が高いと判定することができる。このような比較結果に基づいて、車両内動画抽出部21は、所定の同じ日時における所定の同じ車両の通行場所で並行的に撮影された複数の動画データを車両内動画として抽出する。
【0020】
動画データ同士の比較における位置情報の重複は、位置座標が完全に一致することを要さず、撮影位置の差が互いに所定の許容範囲に収まれば同じ車両の通行場所で撮影されたとみなす。ただし、撮影位置の差が所定の許容範囲に収まる状態が所定時間以上継続されるなど時間的に連続して許容範囲に収まっていることが、同じ車両内で撮影されていると判定するための条件となる。ここで、所定の許容範囲とは例えば8メートルである。撮影位置の比較における一致性の許容範囲をさらに広げることによって、厳密に同じ車両内で撮影された動画データとするだけでなく、その車両に並走または追随する他の車両から撮影された動画データを含むように判定してもよいし、その車両を追跡するドローン等の移動体によって撮影された動画データを含むように判定してもよい。この場合もまた、撮影位置の差が例えば16メートルの許容範囲に収まる状態が所定時間以上継続されるなど時間的に連続して許容範囲に収まることが、その車両に並走または追随する他の車両または移動体にて撮影された「車両内動画」と判定するための条件となる。これにより、その車両が通った道路付近に固定的に設置された監視カメラ等の動画が「車両内動画」からは除外される。
【0021】
画像分類部24は、並行的に撮影された画像として画像抽出部20により抽出された複数の動画データを同一の識別情報(以下、識別情報を「グループID」と呼ぶ)に車両内動画として対応づける。画像分類部24は、識別情報発行部25、識別情報付与部26を含む。識別情報発行部25は、グループIDを発行し、識別情報付与部26は、車両内動画として抽出された複数の動画データおよびログデータに同一のグループIDを付与する。このグループIDは、並列的に撮影された動画データと他の車両や他の場所において撮影された動画データと区別するために一意に割り当てられる識別情報であり、例えば英数字の組み合わせ文字列からなるユニークなID番号である。なお、グループIDは、あくまでその情報に車両内動画として対応づけられる動画データおよびそのログデータが同じ車両内で撮影されたことを示すために発行される情報であって、ある特定の車両に対して一つのグループIDだけが発行されるとは限らない。すなわち、識別情報発行部25は、複数の動画データに対してそれぞれ具体的にどの車両において撮影されたかを特定して車両ごとにグループIDを発行しているわけではない。あくまで、ある時間帯に並行的に撮影されたと推定できる複数の動画データを一つのグループとして扱うためにそのグループに対して一つのグループIDを発行して対応づけているにすぎない。したがって、あるグループIDに対応づけられた動画データと別のグループIDに対応づけられた動画データとが必ずしも異なる車両内で撮影されたとは限らず、同じ車両内において別のタイミングで撮影されたにすぎない場合もある。また例えば、撮影時間が長い動画データの場合、別々のグループIDが付与された複数の動画データとの間で撮影時間が重複し、それぞれの車両内動画として対応づけられることもある。その場合、一つの動画データに対して複数のグループIDが対応づけられる可能性がある。また、ドライブレコーダで撮影された動画データ、すなわちドライブレコーダのログデータを伴う動画データは、必ずいずれかの車両内で撮影されたものであるため、並行して撮影された他の動画が抽出されない単体の動画データであった場合でもグループIDは付与される。これに対し、監視カメラや路上の歩行者により撮影された動画は、少なくとも「車両内動画」とはなり得ないため、原則としてグループIDは付与されない。ただし、偶然通りかかったある車両の近くで撮影されたと判定された場合に、その車両の車両内動画に付与されたグループIDに、後述する「車両外動画」として対応付けられる可能性がある。また、変形例として、「車両内動画」に対して付与するグループIDを例えば「車両グループID」とした上で、監視カメラや路上の歩行者により撮影された動画等、ドライブレコーダのログデータを伴わない動画データに対しても、「車両グループID」とは区別されるグループID(これを「動画グループID」と呼ぶ)を付与してもよい。動画グループIDが付与された動画データは、あくまで動画データを識別するための情報であり、ログデータを伴わない動画データに限らず、すべての動画データに付与してもよい。
【0022】
車両外動画抽出部22は、あるグループIDに対応づけられた動画データとの比較で、同じ車両内で撮影された動画ではないが、撮影時間や撮影場所が近似する動画データを車両外で撮影された動画データ(以下、「車両外動画」という)として抽出する。例えば、車両外動画抽出部22は、同じ時間における近似する場所で撮影された動画データ、近似する時間における同じ場所で撮影された動画データ、近似する時間における近似する場所で撮影された動画データを車両外動画として抽出する。なお、車両外動画は、撮影位置の差が所定の許容範囲に収まる状態が時間的に連続することを要しない。よって、例えば路上に固定的に設置された監視カメラにより撮影された動画データや、路上の歩行者により撮影された動画データなど、撮影位置の近似性が必ずしも時間的にほとんど連続しない動画、すなわちごく短時間だけ撮影位置が近似しただけの動画であっても、車両外動画として抽出され得る。
【0023】
車両内動画抽出部21は、例えば画像取得部12によって取得された新たな動画データおよびそのログデータがデータ記憶部30へ格納されるときに、その動画データおよびログデータを参照して同じ日時における同じ車両の通行場所で並行的に撮影された他の動画データを車両内動画としてデータ記憶部30から抽出する。識別情報付与部26は、並行的に撮影された他の動画データが車両内動画として抽出された場合であって、その車両内動画にすでにグループIDが対応づけられていた場合は、同一のグループIDに新たな動画データおよびそのログデータを対応づける。その車両内動画にグループIDが対応づけられていなかった場合は、識別情報発行部25は新たな動画データおよびログデータとその車両内動画に対し、新たに一意のグループIDを発行し、そのグループIDを識別情報付与部26が付与する。例えば、同じ車内で並行的に撮影された複数の動画データがデータ記憶部30に格納されたときに、新しいグループIDが発行されてこれらの動画データに対応づけられる。識別情報発行部25は、並行的に撮影された他の動画データがデータ記憶部30から抽出されなかった場合、新たな動画データが例えばドライブレコーダで撮影された動画であれば、新たに一意のグループIDを発行し、そのグループIDを識別情報付与部26が付与する。ただし、新たな動画データが他の種類の動画、例えば情報端末、路上の監視カメラ、デジタルカメラ等で撮影された動画であってログデータを伴わない動画データであった場合は、識別情報発行部25は新たに一意のグループIDを発行せず、識別情報付与部26はグループIDへの対応づけはしない。
【0024】
出力部40は、同一のグループIDに車両内動画として対応づけられた複数の動画データを他の動画データ、例えば車両外動画として対応づけられた動画データや、他のグループIDに対応づけられた動画データ、グループIDに対応づけられていない動画データとは区別して出力する。出力部40は、配置設定部41、表示処理部42を含む。配置設定部41は、同一のグループIDに車両内動画として対応づけられた複数の動画データを表示装置16の画面に並べるとともに、車両外動画として対応づけられた動画データとは区別して表示されるように配置を設定する。表示処理部42は、配置設定部41によって設定された配置にて車両内動画と車両外動画を区別して表示するとともに、各動画を再生する。また、出力部40は、同一のグループIDに車両内動画として対応づけられた複数の動画データを通信部50を介してネットワーク上の他の装置へ送信してもよく、その場合、他の動画データ、例えば車両外動画として対応づけられた動画データとは区別して送信する。
【0025】
図2は、グループIDと動画データの対応関係が定められたテーブルの例を模式的に示す。グループIDテーブル70は、第1欄72、第2欄74、第3欄76を含む。第1欄72にはグループIDが定められる。第2欄74には、グループIDごとに車両内動画として抽出された動画データおよびそのログデータが対応づけられる。第3欄76には、グループIDごとに車両外動画として抽出された動画データが対応づけられる。
【0026】
例えば、第1欄72のグループID「AAA00001」には、車両内で撮影された第1の動画データである「FILE_20191201_113045.MP4」とそのログデータである「FILE_20191201_113045.NMEA」が第2欄74にて対応づけられている。これらのファイル名には、撮影日時を表す共通の文字列である「20191201_113045」が含まれることでこの動画データにこのログデータが対応することが示される。すなわち、2019年12月1日の11時30分45秒から撮影開始されたことが示されている。第1の動画データは、例えば車両の前方を撮影する前方カメラにより撮影された動画である。
【0027】
第1欄72のグループID「AAA00001」には、第1の動画データと同じ車両内で並行的に撮影された第2の動画データである「FILE_20191201_113120.MP4」とそのログデータである「FILE_20191201_113120.NMEA」が第2欄74にてさらに対応づけられている。これらのファイル名には、撮影日時である2019年12月1日の11時31分20秒を表す共通の文字列「20191201_113120」が含まれることでこの動画データにこのログデータが対応することが示される。第2の動画データは、例えば車両の後方を撮影する後方カメラにより撮影された動画である。
【0028】
第1欄72のグループID「AAA00001」には、第1,2の動画データと同じ車両内で並行的に撮影された第3の動画データである「IMG_4812.MOV」が第2欄74にてさらに対応づけられている。第3の動画データは、例えば車両内で携帯電話の内蔵カメラにより撮影された動画である。
【0029】
第1欄72のグループID「AAA00001」には、第1~3の動画データと同じまたは近似する時間において同じまたは近似する場所で撮影された車両外動画としての第4の動画データである「FILE_20191201_113014.MP4」が第3欄76にてさらに対応づけられている。第4の動画データは、例えば他の車両のドライブレコーダにより撮影された動画であり、他のグループIDには車両内動画として対応づけられる他、さらに別の車両の車両内動画に付与されたグループIDに対して車両外動画として対応付けられる可能性もある。
【0030】
第1欄72のグループID「AAA00001」には、第1~3の動画データと同じまたは近似する時間において同じまたは近似する場所で撮影された車両外動画としての第5の動画データである「Record-2019-12-01-11-30-37.avi」が第3欄76にてさらに対応づけられている。第5の動画データは、例えば路上の監視カメラにより撮影された動画であり、他のグループIDに対しても車両外動画として対応づけられる可能性がある。
【0031】
第1欄72のグループID「AAA00001」には、第1~3の動画データと同じまたは近似する時間において同じまたは近似する場所で撮影された車両外動画である第6の動画データのリンク先URLである「http://○○.tokyo.jp/data/code=012421」が第3欄76にてさらに対応づけられている。第6の動画データは、例えば通行した交差点の信号機に設置された監視カメラにより撮影された動画であり、自治体の公開データベースから動画データをダウンロード再生するためのURLの形で示される。第6の動画データもまた、他のグループIDに対して車両外動画として対応づけられる可能性がある。
【0032】
第1欄72のグループID「AAA00002」には、車両内で撮影された第7の動画データである「FILE_20191202_165013.MP4」とそのログデータである「FILE_20191202_165013.NMEA」が第2欄74にて対応づけられている。これらのファイル名には、撮影日時である2019年12月2日の16時50分13秒を表す共通の文字列「20191202_165013」が含まれることでこの動画データにこのログデータが対応することが示される。第7の動画データは、例えば車両の前方を撮影する前方カメラにより撮影された動画である。グループID「AAA00002」には、他に対応づけられた動画データはなく、第7の動画データと同じ車両内で並行的に撮影された車両内動画や、同じまたは近似する時間に同じまたは近似する場所で撮影された車両外動画はない。
【0033】
第1欄72のグループID「AAA00003」には、車両内で撮影された第8の動画データである「FILE_20191203_151046.MP4」とそのログデータである「FILE_20191203_151046.NMEA」が第2欄74にて対応づけられている。これらのファイル名には、撮影日時である2019年12月3日の15時10分46秒を表す共通の文字列「20191203_151046」が含まれることでこの動画データにこのログデータが対応することが示される。第8の動画データは、例えば車両の前方を撮影する前方カメラにより撮影された動画である。
【0034】
第1欄72のグループID「AAA00003」には、第8の動画データと同じ車両内ではないが同じ車両に追随して並行的に撮影された第9の動画データである「DR_0313.MP4」とそのログデータである「FLY011.DAT」が第2欄74にて車両内動画としてさらに対応づけられている。第9の動画データおよびログデータは、例えば車両を追跡しながら飛行していたドローンの内蔵カメラにより撮影された動画とその飛行ログである。
【0035】
第1欄72のグループID「AAA00003」には、第8の動画データと同じまたは近似する時間において同じまたは近似する場所で撮影された車両外動画としての第10の動画データである「IMG_8145.MOV」が第3欄76にてさらに対応づけられている。第10の動画データは、例えば路上の歩行者からデジタルカメラで車両を撮影した動画である。
【0036】
図3は、複数の動画データを並べて再生する画面例を模式的に示す。表示画面80は、車両内動画領域81、車両外動画領域91、車両内動画タイムライン100、車両外動画タイムライン102を有する。車両内動画領域81には、第1車両内動画欄82、第2車両内動画欄84、第3車両内動画欄86、地図欄88が含まれる。車両外動画領域91には、第1車両外動画欄90、第2車両外動画欄92、第3車両外動画欄94が含まれる。車両内動画タイムライン100には、再生対象として選択された、同じ車両内で並行的に撮影されて同一のグループIDに対応づけられた複数の車両内動画のそれぞれの再生開始タイミングと再生時間を表す複数の横棒が横軸上に表示される。本図の例では、車両内動画タイムライン100には、第1車両内動画111、第2車両内動画112、第3車両内動画113の各横棒が表示される。車両外動画タイムライン102には、車両内動画タイムライン100の各動画と同じまたは近似する時間に同じまたは近似する場所で撮影された複数の車両外動画のそれぞれの再生タイミングと再生時間を表す複数の横棒が横軸上に表示される。本図の例では、車両外動画タイムライン102には、第1車両外動画114、第2車両外動画115、第3車両外動画116、第4車両外動画117の各横棒が表示される。
【0037】
車両内動画タイムライン100と車両外動画タイムライン102において各横棒に交差する垂直線である再生位置ライン110は、現在再生中のフレーム位置ないしこれから再生するフレーム位置を示す。再生位置ライン110が車両内動画タイムライン100および車両外動画タイムライン102の左端から右端に向かって時間進行に沿って移動するように表示され、再生位置ライン110と交差する横棒に対応する動画が、車両内動画タイムライン100および車両外動画タイムライン102が示す再生位置にて第1車両内動画欄82から第3車両外動画欄94までのいずれかにおいて再生表示される。再生位置ライン110が左端の開始位置にあるときは、唯一、再生位置ライン110と交差する第1車両内動画111のみが再生開始され、再生位置ライン110が第1車両外動画114と交差したときに第1車両外動画114が再生開始される。このようにして、右方へ進行する再生位置ライン110と交差する順序である第2車両内動画112、第2車両外動画115、第3車両外動画116の順に再生が開始される。図に示す状態においては、再生位置ライン110と交差している第1車両内動画111が第1車両内動画欄82に再生表示され、第2車両内動画112が第2車両内動画欄84に再生表示され、第3車両内動画113が第3車両内動画欄86に再生表示される。地図欄88には、ログデータに基づいて再生中における車両の位置が地図上に示される。再生位置ライン110と交差する第1車両外動画114は、第1車両外動画欄90に再生表示され、第2車両外動画115は第2車両外動画欄92に再生表示され、第3車両外動画116は第3車両外動画欄94に再生表示される。第2車両外動画欄92には、第2車両外動画115の再生終了後、第4車両外動画117が再生表示される。
【0038】
ここで、第1車両内動画111と第2車両内動画112のそれぞれに対して個別のログデータが対応づけられており、再生中の動画データに対応するログデータに基づいて地図が表示されるが、再生時間が重複する間はいずれか一つのログデータに基づいて地図欄88に再生中における車両の位置が示される。これにより、ログデータが重複しても地図まで重複して表示することはせず、表示が煩雑となることを防ぐことができる。また、地図以外にも、撮影時間、移動速度、移動方向、加速度、衝突の有無などの他の情報を、再生中の動画データに対応するログデータに基づいて車両内動画領域81に表示してもよい。この場合もまた、ログデータが重複しても表示は重複させず、再生表示が重複する間はいずれか一つのログデータに基づいて表示される。
【0039】
第1車両内動画欄82は、例えば主に車内の前方カメラによる車両前方の画像が再生される領域である。配置設定部41は、第1車両内動画111のログデータを参照して第1車両内動画111が車両の前方の画像であることを判別し、表示領域として第1車両内動画欄82に割り当ててもよい。あるいは、配置設定部41は、第1車両内動画111の画像内容を画像解析して車両の前方の画像であることを判別し、表示領域として第1車両内動画欄82に割り当ててもよい。
【0040】
第2車両内動画欄84は、例えば主に車内の後方カメラによる車両後方の画像が再生される領域である。配置設定部41は、第2車両内動画112のログデータを参照して第2車両内動画112が車両の後方の画像であることを判別し、表示領域として第2車両内動画欄84に割り当ててもよい。あるいは、配置設定部41は、第2車両内動画112の画像内容を画像解析して車両の後方の画像であることを判別し、表示領域として第2車両内動画欄84に割り当ててもよい。
【0041】
第3車両内動画欄86は、例えば主に車内で携帯電話内蔵カメラにより撮影された動画が再生される領域である。図のように、車両内動画領域81の第1車両内動画欄82、第2車両内動画欄84、第3車両内動画欄86は、車両外動画領域91の各動画欄と比べて相対的に大きな表示領域である。また、第1車両内動画欄82および第2車両内動画欄84は第3車両内動画欄86よりも大きな表示領域である。ユーザは第1車両内動画欄82、第2車両内動画欄84、第3車両内動画欄86のいずれかを選択して拡大表示させ、その間は他の動画欄を縮小表示させ、または、下位のレイヤーに隠れるようにすることもできる。
【0042】
画像抽出部20によって車両内動画が4つ抽出され、これらを同時に再生表示する場合は、配置設定部41は4つ目の動画を地図欄88の領域にて再生表示させるように画面構成を切り替えてもよい。あるいは、画像抽出部20によって車両内動画が5つ以上抽出され、これらを同時に再生表示する場合は、配置設定部41は車両内動画領域81を5つ以上に分割されるように再構成した画面に切り替えてもよい。あるいは、配置設定部41は、ドライブレコーダにより撮影された動画データの表示を優先させ、他の動画データの数で残りの表示領域を分割するか、他の動画データのうちユーザが選択した動画だけを一つの第3車両内動画欄86に入れ替えながら表示するようにしてもよい。
【0043】
車両外動画領域91の第1車両外動画欄90、第2車両外動画欄92、第3車両外動画欄94には、車両外で撮影された動画が再生表示される。第1車両外動画欄90には、例えば他の車両に設置されたドライブレコーダの画像である第1車両外動画114が再生表示される。第2車両外動画欄92には、例えば路上の監視カメラの画像である第2車両外動画115が再生表示される。第3車両外動画欄94には、例えば信号機に設置された監視カメラの画像である第3車両外動画116が再生表示される。画像抽出部20により車両外動画が4つ以上抽出された場合は、出力部40は第3車両外動画欄94の下方にさらに表示領域を設けてその領域にて再生表示してもよいし、車両外動画領域91を4つ以上に分割して再構成した画面に切り替えてもよいし、車両外動画のうちユーザが選択した動画だけを第1車両外動画欄90、第2車両外動画欄92、第3車両外動画欄94に入れ替えながら再生表示してもよい。
【0044】
以上により、例えば車内に複数台のドライブレコーダを設置した場合に、これらのドライブレコーダから取り出したメモリカード上の動画データを特に区別せずに画像取得部12で読み出してデータ記憶部30に格納できる。この場合でも、動画データの画像内容、音声内容、撮影時間、撮影位置、移動速度、加速度、衝突の有無等の情報に基づいて、これらを車両内動画と車両外動画等の他の動画に分類し、区別して再生表示することができる。特に、同じ車内に前方カメラと後方カメラを設置した場合や3台以上のドライブレコーダを設置した場合に、これらを通信ケーブル等で接続したり連携させたりしなくとも事後的に適切に動画の対応関係を認識して分類できる。また、これら複数台のドライブレコーダが異なるメーカーの製品であっても、適切に動画の対応関係を認識して分類できる。
【0045】
また、複数の車両に設置された複数のドライブレコーダから取り出したメモリカード上の動画データを特に車両を区別せずに画像取得部12で読み出してデータ記憶部30に格納できる。この場合でも、動画データの画像内容、音声内容、撮影時間、撮影位置、移動速度、加速度、衝突の有無等の情報に基づいて、ある車両で撮影された動画と別の車両で撮影された動画とに分類し、区別して再生表示することができる。特に、タクシーやバス等の運輸会社や、トラック等の運送会社といった、複数台の車両の運行状況や違反、危険な運転、事故等を管理するような場合に、車両の区別をせずに動画データとログデータを1箇所に集約し、事後的に適切に車両と動画の対応関係を認識できる。
【0046】
図4は、動画の取得から出力までの過程を示すフローチャートである。画像取得部12が記録媒体18から新たな動画データおよびその対応するログデータを読み出し(S10)、データ記憶部30に格納する(S12)。車両内動画抽出部21は、新たな動画データおよびそのログデータを他の格納済みの動画データおよびそのログデータと比較する(S14)。その比較結果に基づき、車両内動画として他の動画データおよびログデータが抽出された場合(S16のY)、その車両内動画が既にいずれかのグループIDに対応づけられていれば(S18のY)、識別情報付与部26はその新たな動画データおよびログデータを同一のグループIDに、車両内動画として対応づける(S20)。抽出された車両内動画がいずれのグループIDにも対応づけられていなければ(S18のN)、識別情報発行部25はその新たな動画データおよびログデータと車両内動画に対して新しいグループIDを発行して識別情報付与部26が対応づける(S22)。S16において車両内動画が抽出されない場合は(S16のN)、識別情報発行部25はその新たな動画データおよびログデータに対して新しいグループIDを発行して識別情報付与部26が対応づける(S22)。S20またはS22に続き、車両外動画抽出部22がS14の比較結果に基づき、車両外動画として他の動画データを抽出した場合(S24のY)、識別情報付与部26はこれらの動画データを同一のグループIDに、車両外動画として対応づける(S26)。車両外動画が抽出されない場合はS26の処理をスキップする(S24のN)。配置設定部41は、再生対象としてユーザに指定されたグループIDに対応づけられた車両内動画と車両外動画とを区別して画面内の個別の表示領域に配置する設定をし(S28)、これらを表示処理部42が時間経過に沿って同期して再生させる(S30)。
【0047】
以上、実施の形態において説明したように、複数台の撮影装置により撮影された動画データを適切に管理することができる。また、撮影時間と撮影場所を含む複数の撮影状況を示す要素を比較することで、その相関によって動画同士が同じ日時における同じ車両の通行場所で並行的に撮影された動画であることを簡便に判定することができる。また、同じ車両内で撮影された複数の動画データのそれぞれに対応して重複してログデータが生成されても、表示時にはログデータに基づく内容は重複して表示することはせず、表示が煩雑となることを防ぐことができる。例えば車内に複数台のドライブレコーダを設置した場合に、これらのドライブレコーダから取り出したメモリカード上の動画データを特に区別せずに画像取得部12で読み出してデータ記憶部30に格納できる。特に、同じ車内に前方カメラと後方カメラを設置した場合や3台以上のドライブレコーダを設置した場合に、これらをケーブルで接続したり連携させたりしなくとも事後的に適切に動画の対応関係を認識して分類できる。また、複数の車両に設置された複数のドライブレコーダから取り出したメモリカード上の動画データを特に車両を区別せずに画像取得部12で読み出してデータ記憶部30に格納できる。特に、タクシーやバス等の運輸会社や、トラック等の運送会社といった、複数台の車両の運行状況や違反、事故等を管理するような場合に、車両の区別をせずに動画データとログデータを1箇所に集約し、事後的に適切に車両と動画の対応関係を認識できる。
【0048】
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。例えば、実施の形態においては複数の動画データおよびそのログデータを同一のグループIDに対応づけることによって管理する例を説明したが、変形例においては動画データだけでなく静止画データも同様の方法で管理することとしてもよい。すなわち、画像抽出部20は、データ記憶部30に保持された動画データおよび静止画データから、動画データのログデータや静止画データのExif(Exchangeable Image File Format)データに基づいて、所定の同じ日時における所定の同じ車両の通行場所で並行的に撮影された複数のデータを抽出してもよい。静止画データを抽出する場合、Exifデータに含まれる日時情報や位置情報を参照し、動画データと静止画データの組合せや静止画データ同士の組合せで複数のデータを抽出してもよい。その他、実施の形態における「動画」の語を、動画と静止画を含んだ「画像」の語で読み替え、同じ日時の同じ車両の通行場所で並行的に撮影された複数の動画データの組合せ、動画データと静止画データの組合せ、複数の静止画データの組合せを「車両内画像」としてもよい。画像分類部24は、この車両内画像として抽出されたデータの組合せを、同一のグループIDに対応づける。なお、
図3の車両内動画タイムライン100および車両外動画タイムライン102にも静止画データは再生対象として表示され得るが、再生時間としては例えば最少時間である5秒程度の固定時間があらかじめ定められ、その再生時間に対応する横棒が表示されてもよい。
【符号の説明】
【0049】
10 画像管理装置、 12 画像取得部、 18 記録媒体、 20 画像抽出部、 24 画像分類部、 30 データ記憶部、 40 出力部、 49 表示装置。