(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-16
(45)【発行日】2024-07-24
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 21/12 20060101AFI20240717BHJP
G03G 15/08 20060101ALI20240717BHJP
G03G 15/095 20060101ALI20240717BHJP
【FI】
G03G21/12
G03G15/08 322B
G03G15/095
(21)【出願番号】P 2020023015
(22)【出願日】2020-02-14
【審査請求日】2023-01-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【氏名又は名称】華山 浩伸
(72)【発明者】
【氏名】岡本 和大
【審査官】鳥居 祐樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-130776(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0303479(US,A1)
【文献】特開平07-092802(JP,A)
【文献】特開2021-026018(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/12
G03G 15/08
G03G 15/095
G03G 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像が形成される媒体であるシートを収容し、予め定められた定位置から引き出し可能に支持されたシートカセットと、
前記定位置に存在するときの前記シートカセットの隣に配置され、廃現像剤を収容する廃現像剤容器と、
前記廃現像剤容器と前記定位置に存在するときの前記シートカセットとの間に配置された静電容量センサーと、
前記定位置に存在するときの前記シートカセット内の前記シートと前記静電容量センサーとの間を仕切り、接地された仕切導体と、
前記静電容量センサーの検出信号により前記
廃現像剤容器内の前記廃現像剤の量を判定する状態判定部と、
接地された中継導体と、を備え、
前記仕切導体は、前記シートカセットに設けられ、前記シートカセットが前記定位置に存在する状態において前記シートカセット内の前記シートと前記静電容量センサーとの間を仕切るとともに前記中継導体と接触し、前記シートカセットが前記定位置から引き出されることによって前記中継導体から離隔し、
前記状態判定部は、前記静電容量センサーの検出信号により、前記シートカセットが前記定位置に存在しないカセット引出し状態と、前記シートカセットが前記定位置に存在しており前記
廃現像剤容器内の前記廃現像剤が予め定められた上限量に達している満杯状態と、を区別して判定する、画像形成装置。
【請求項2】
前記状態判定部の判定結果が前記カセット引出し状態または前記満杯状態である場合に、プリント処理を禁止する制御部をさらに備える請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記廃現像剤容器は、前記定位置に存在するときの前記シートカセットの隣の装着部に取り外し可能に装着され、
前記状態判定部は、前記静電容量センサーの検出信号により、前記シートカセットが前記定位置に存在しており前記廃現像剤容器が前記装着部に装着されていない容器未装着状態をさらに区別して判定する、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記状態判定部の判定結果が前記カセット引出し状態、前記満杯状態または前記容器未装着状態である場合に、プリント処理を禁止する制御部をさらに備える請求項3に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、廃現像剤を収容する廃現像剤容器を備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、電子写真方式の画像形成装置は、シートに画像を形成するプリント装置から回収される粉状の廃現像剤を収容する廃現像剤容器を備える。前記現像剤容器は、前記プリント装置を内包する本体部の装着部に対して取り外し可能に装着される。例えば、前記廃現像剤容器は、長手方向の一端に開口が形成されたボトルなどである。
【0003】
前記画像形成装置は、前記廃現像剤容器内の前記廃現像剤の量を検出する現像剤センサーをさらに備える。前記現像剤センサーが、前記廃現像剤容器の満杯状態を検出したときに、所定の通知が行われ、前記プリント装置によるプリント処理が禁止される。前記通知は、ユーザーに前記現像剤容器の交換を促す。
【0004】
例えば、前記画像形成装置が、前記廃現像剤容器内の複数箇所それぞれにおける前記廃現像剤の量を検出する複数の静電容量センサーを備えることが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、前記現像剤容器および前記静電容量センサーが、前記シートを収容し引き出し可能なシートカセットの隣に配置される場合がある。この場合、前記静電容量センサーの検出信号が、前記シートカセット内の前記シートの枚数の影響を受けて変動するおそれがある。
【0007】
本発明の目的は、廃現像剤容器および前記廃現像剤容器内の廃現像剤の量を検出する静電容量センサーがシートカセットの隣に配置される場合に、前記シートカセット内のシート枚数の影響を受けずに前記廃現像剤の量を検出できる画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一の局面に係る画像形成装置は、シートカセットと、廃現像剤容器と、静電容量センサーと、仕切導体と、状態判定部と、を備える。前記シートカセットは、画像が形成される媒体であるシートを収容し、予め定められた定位置から引き出し可能に支持されている。前記廃現像剤容器は、前記定位置に存在するときの前記シートカセットの隣に配置され、廃現像剤を収容する。前記静電容量センサーは、前記廃現像剤容器と前記定位置に存在するときの前記シートカセットとの間に配置されている。前記仕切導体は、前記定位置に存在するときの前記シートカセット内の前記シートと前記静電容量センサーとの間を仕切り、接地されている。前記状態判定部は、前記静電容量センサーの検出信号により前記現像剤容器内の前記廃現像剤の量を判定する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、廃現像剤容器および前記廃現像剤容器内の廃現像剤の量を検出する静電容量センサーがシートカセットの隣に配置される場合に、前記シートカセット内のシート枚数の影響を受けずに前記廃現像剤の量を検出できる画像形成装置を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、実施形態に係る画像形成装置の構成図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る画像形成装置におけるボトルおよびその周辺部の構成図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る画像形成装置における制御関連機器の構成を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る画像形成装置におけるボトル装着部およびシート収容部の構成を表す図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る画像形成装置におけるボトル装着部およびカセット引出し状態のシート収容部を表す図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る画像形成装置におけるボトル未装着状態のボトル装着部およびシート収容部を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0012】
[画像形成装置10の構成]
実施形態に係る画像形成装置10は、電子写真方式でシート90にトナー像を形成する装置である。シート90は、用紙または樹脂フィルムなどのシート状の画像形成媒体である。
【0013】
画像形成装置10は、本体部1内に配置されたシート収容部30、シート搬送装置3、プリント装置4、1つ以上のトナーコンテナー400、ボトル5および廃現像剤回収装置6を備える。即ち、本体部1は、シート搬送装置3、プリント装置4、1つ以上のトナーコンテナー400、ボトル5および廃現像剤回収装置6を内包する。
【0014】
シート収容部30は、シートカセット30aおよびカセット支持部30bを有する。シートカセット30aは、画像が形成される媒体であるシート90を収容する。カセット支持部30bは、シートカセット30aを本体部1内から本体部1の前面側へ引き出し可能に支持する。
【0015】
即ち、シートカセット30aは、カセット支持部30bによって、本体部1内の予め定められた定位置から前記定位置よりも手前側へ引き出し可能に支持されている。
図4は、シートカセット30aが前記定位置に存在する状態を示し、
図5は、シートカセット30aが前記定位置から僅かに引き出された状態を示す。
【0016】
シート搬送装置3は、シートカセット30aに収容されているシート90を1枚ずつシート搬送路300へ送り出し、さらに、シート90をシート搬送路300に沿って搬送する。
【0017】
プリント装置4は、シート搬送装置3によってシートカセット30aからを供給されるシート90に電子写真方式でトナー像を形成するプリント処理を実行する。
【0018】
プリント装置4は、レーザースキャニングユニット40、1つ以上の作像装置4xと、転写装置44と、定着装置46とを備える。
【0019】
図1に示される例において、プリント装置4は、タンデム方式のカラー画像プリント装置である。そのため、プリント装置4は、4色のトナー9に対応する4つのトナーコンテナー400および4つの作像装置4xを備える。作像装置4x各々は、ドラム状の感光体41、帯電装置42、現像装置43およびドラムクリーニング装置45を備える。
【0020】
作像装置4x各々において、感光体41が回転し、帯電装置42が感光体41の外周面を帯電させる。さらに、作像装置4x各々において、現像装置43が、レーザースキャニングユニット40によって感光体41の外周面に形成される静電潜像をトナー像へ現像する。感光体41は、像担持体の一例である。
【0021】
さらに、転写装置44は、中間転写ベルト440、4つの一次転写装置441、二次転写装置442およびベルトクリーニング装置443を備える。
【0022】
中間転写ベルト440が4つの感光体41に接触しつつ回転し、4つの一次転写装置441が前記トナー像を4つの感光体41から中間転写ベルト440へ転写する。
【0023】
二次転写装置442は、中間転写ベルト440上の前記トナー像を、シート搬送路300を搬送中の前記シートに転写する。ベルトクリーニング装置443は、中間転写ベルト440から廃トナーを除去する。また、作像装置4x各々において、ドラムクリーニング装置45が、感光体41の外周面に残存する廃トナーを除去する。
【0024】
定着装置46は、前記シート上の前記トナー像を加熱しつつ加圧することによって前記シートへ定着させる。シート搬送装置3は、画像が形成された前記シートをシート搬送路300から排出する。
【0025】
トナーコンテナー400各々は、プリント装置4における対応する現像装置43へトナー9を供給する。
【0026】
プリント装置4において、現像装置43は長期間滞留した廃トナーを含む粒状の廃現像剤9xを排出する。また、ドラムクリーニング装置45およびベルトクリーニング装置443は、除去物である廃現像剤9xを排出する。廃現像剤回収装置6は、プリント装置4から排出される廃現像剤9xをボトル5内へ回収する。
【0027】
また、現像装置43がトナー9およびキャリアを含む二成分現像剤を用いて現像を行う場合、前記廃現像剤は、現像装置43内で長期間滞留した廃キャリアも含む。また、前記廃現像剤が、ドラムクリーニング装置45およびベルトクリーニング装置443による前記除去物が、前記廃キャリアを含む場合もある。
【0028】
図2に示されるように、ボトル5は、長手方向の第1端51に開口50が形成された容器である。例えば、ボトル5は合成樹脂製の容器である。ボトル5は、円筒状の外周面53を有する。ボトル5の長手方向に沿う直線が、外周面53の中心線L0である。
【0029】
ボトル5は、内面において長手方向に沿って螺旋状に突出した螺旋凸部54を有する。なお、螺旋凸部54は、ボトル5の外側から見れば、螺旋状の凹部である。
【0030】
ボトル5は、前記長手方向が横向きの状態で配置され、回転駆動される。これにより、ボトル5は、現像装置43およびベルトクリーニング装置443から開口50へ搬送される廃現像剤9xを内部へ収容するとともに内部の廃現像剤9xを前記長手方向の第2端52側へ搬送する。ボトル5は、廃現像剤容器の一例である。
【0031】
さらに、画像形成装置10は、制御装置8、操作器801および表示装置802を備える。操作器801は、人の操作を受け付けるタッチパネルまたは操作ボタンなどである。表示装置802は、情報を表示する液晶パネルユニットなどである。
【0032】
図3に示されるように、制御装置8は、CPU(Central Processing Unit)81、RAM(Random Access Memory)82、二次記憶装置83および画像データ処理装置84などを含む。
【0033】
CPU81は、二次記憶装置83などに記憶されたプログラムを実行することにより、画像形成装置10における電気機器の制御および各種のデータ処理を実行するプロセッサーの一例である。
【0034】
なお、DSP(Digital Signal Processor)などの他のプロセッサーが、CPU81の代わりに各種の制御およびデータ処理を実行することも考えられる。
【0035】
RAM82は、CPU81が実行する前記プログラムおよびCPU81が前記プログラムを実行する過程で出力および参照するデータを一次記憶する記憶装置である。
【0036】
二次記憶装置83は、コンピューター読み取り可能な不揮発性のデータ記憶装置である。二次記憶装置83は、前記プログラムおよび各種のデータを記憶可能である。例えば、ハードディスクドライブおよびSSD(Solid State Drive)の一方または両方の組合せが、二次記憶装置83として採用される。
【0037】
画像データ処理装置84は、前記プリント処理に用いられる画像データについての加工処理または変換処理などの画像処理を実行する。例えば、画像データ処理装置84は、印刷ジョブデータを印刷用のラスタデータへ変換する処理などを実行する。
【0038】
例えば、画像データ処理装置84は、DSPなどのプロセッサーおよびASIC(Application Specific Integrated Circuit)などの集積回路の一方または両方によって実現される。
【0039】
[廃現像剤回収装置6]
図1,2に示されるように、廃現像剤回収装置6は、廃現像剤搬送機構60と、ボトル装着部61と、搬入中継部62と、ボトル駆動機構63とを備える。
【0040】
ボトル装着部61は、廃現像剤9xを収容するボトル5が装着される部分である。ボトル装着部61は、本体部1内に設けられている。ボトル5は、前記長手方向が横向きの状態でボトル装着部61上に配置される。
【0041】
廃現像剤搬送機構60は、現像装置43およびベルトクリーニング装置443から排出される廃現像剤9xを、廃現像剤搬送路600に沿って搬入中継部62へ搬送する。
【0042】
搬入中継部62は、案内ダクト62aを形成する部材である。搬入中継部62は、廃現像剤搬送機構60によって案内ダクト62a内へ搬送される廃現像剤9xを、ボトル装着部61に支持されたボトル5の開口50へ案内する。
【0043】
ボトル駆動機構63は、ボトル装着部61に支持されたボトル5の第1端51と連結され、ボトル5を回転駆動する。プリント装置4の感光体41を回転駆動するモーター4aは、廃現像剤搬送機構60およびボトル駆動機構63の駆動源を兼ねる(
図2参照)。
【0044】
本実施形態において、モーター4aおよびボトル駆動機構63が、ボトル5を回転駆動する駆動装置の一例である。
【0045】
ボトル駆動機構63は、モーター4aの回転力をボトル5の第1端51へ伝達する。ボトル5は、ボトル駆動機構63から動力を受けて中心線L0の周りに既定回転方向へ回転する。
【0046】
ボトル5が前記既定回転方向へ回転することにより、ボトル5内の廃現像剤9xが第2端52側へ搬送されつつ、ボトル5の長手方向に沿って均される。ボトル5が回転することにより、廃現像剤9xがボトル5内において開口50側に偏って滞留することが防止される。
【0047】
ボトル5は、ボトル装着部61に対して取り外し可能な状態で装着される。ボトル5内の廃現像剤9xが上限量に達した満杯状態が検出されたときに、ボトル5が交換される。
図1,2,4,5は、ボトル5がボトル装着部61に装着された状態を示し、
図6は、ボトル5がボトル装着部61から取り外された状態を示す。
【0048】
図3に示されるように、画像形成装置10は、静電容量センサー6xをさらに備える。静電容量センサー6xの検出信号Sg1は、制御装置8のCPU81へ入力される。
【0049】
静電容量センサー6xは、ボトル装着部61に設けられ、ボトル5に対向して配置されている。静電容量センサー6xは、ボトル5における対向する部分の静電容量を検出することにより、ボトル5内の廃現像剤9xの量を検出する。
【0050】
静電容量センサー6xにより検出される静電容量は、ボトル5内の廃現像剤9xの量が増大するにつれて大きくなる。従って、静電容量センサー6xの検出信号Sg1のレベルは、ボトル5内の廃現像剤9xの量を表す。
【0051】
ところで、ボトル5および静電容量センサー6xが、シート90を収容し引き出し可能なシートカセット30aの隣に配置される場合がある。この場合、静電容量センサー6xの検出信号Sg1が、シートカセット30a内のシート90の枚数の影響を受けて変動するおそれがある。
【0052】
画像形成装置10においても、ボトル5およびボトル5内の廃現像剤9xの量を検出する静電容量センサー6xは、前記定位置に存在するときのシートカセット30aの隣に配置される。即ち、ボトル装着部61が、前記定位置に存在するときのシートカセット30aの隣に配置されている。
【0053】
但し、画像形成装置10は、シートカセット30a内のシート90の枚数の影響を受けずに廃現像剤9xの量を検出するための構成を備える。以下、その構成について説明する。
【0054】
静電容量センサー6xは、ボトル5と前記定位置に存在するときのシートカセット30aとの間に配置されている。
【0055】
図2,4~6に示されるように、画像形成装置10は、仕切導体7および中継導体70をさらに備える。仕切導体7および中継導体70は、それぞれ例えば鉄、ステンレスまたは銅などの導体である。
【0056】
仕切導体7は、前記定位置に存在するときのシートカセット30a内のシート90と静電容量センサー6xとの間を仕切る。本実施形態において、仕切導体7は、板状の金属部材である。本実施形態において、仕切導体7は、シートカセット30aに固定されている。
【0057】
中継導体70は、本体部1に配置され、接地されている。具体的には、中継導体70は、本体部1の金属筐体に電気的に接続されている。仕切導体7は、シートカセット30aが前記定位置に存在する状態において、シートカセット30a内のシート90と静電容量センサー6xとの間を仕切るとともに中継導体70と接触する。即ち、仕切導体7は、シートカセット30aが前記定位置に存在するときに、中継導体70を介して接地される。
【0058】
接地された仕切導体7が、静電容量センサー6xとシートカセット30a内のシート90との間に介在することにより、静電容量センサー6xの検出信号Sg1は、シートカセット30a内のシート90の枚数およびシート90の質の影響を受けない。
【0059】
一方、仕切導体7は、シートカセット30aが前記定位置から引き出されることによって中継導体70から離隔する。従って、シートカセット30aが前記定位置から引き出されることにより、仕切導体7の接地が解除される。
【0060】
仕切導体7の接地が解除されると、静電容量センサー6xにより検出される静電容量は、ボトル5が廃現像剤9xで満杯になることによる変化を超えて大幅に上昇する。即ち、静電容量センサー6xの検出信号Sg1のレベルの変化範囲は、仕切導体7が接地されている場合と接地されていない場合とで異なる。
【0061】
[CPU81の処理]
制御装置8のCPU81は、二次記憶装置83に記憶されたコンピュータープログラムを実行することにより実現される状態判定部8aおよび装置制御部8bを含む(
図2参照)。状態判定部8aは、画像形成装置10の状態を判定し、判定結果を通知する処理を実行する。
【0062】
装置制御部8bは、画像形成装置10におけるプリント装置4を含む各種の機器を制御する。例えば、装置制御部8bは、プリント装置4を制御することにより、間接的に廃現像剤搬送機構60およびボトル駆動機構63を制御する。
【0063】
装置制御部8bは、予め定められた作動条件が成立しているときに、プリント装置4のモーター4aを作動させることにより、廃現像剤搬送機構60およびボトル駆動機構63を作動させる。
【0064】
具体的には、前記作動条件は、前記プリント処理の開始から終了までの間に成立する条件である。即ち、本実施形態における廃現像剤搬送機構60およびボトル駆動機構63の前記作動条件は、プリント装置4が前記プリント処理を実行する条件である。
【0065】
例えば、前記作動条件は、前記プリント処理の実行要求であるプリントジョブが発生してから前記プリントジョブに対応する前記プリント処理が終了するまで成立する。
【0066】
但し、装置制御部8bは、状態判定部8aが後述するカセット引出し状態または満杯状態を判定している場合に、プリント装置4による前記プリント処理の実行を禁止する。
【0067】
前記カセット引出し状態は、シートカセット30aが前記定位置に存在しない状態である。前記満杯状態は、シートカセット30aが前記定位置に存在しており、かつ、ボトル5内の廃現像剤9xの量が予め定められた上限量に達している状態である。
【0068】
さらに、装置制御部8bは、状態判定部8aが後述するボトル未装着状態を判定している場合も、プリント装置4による前記プリント処理の実行を禁止する。前記ボトル未装着状態は、シートカセット30aが前記定位置に存在しており、かつ、ボトル5がボトル装着部61に装着されていない状態である。前記ボトル未装着状態は、容器未装着状態の一例である。
【0069】
即ち、状態判定部8aが前記カセット引出し状態、前記満杯状態または前記ボトル未装着状態を判定している場合に、装置制御部8bは、前記作動条件が成立してもプリント装置4に前記プリント処理を実行させない。
【0070】
状態判定部8aは、静電容量センサー6xの検出信号Sg1により、前記カセット引出し状態と前記満杯状態とを区別して判定する。本実施形態において、状態判定部8aは、静電容量センサー6xの検出信号Sg1により、前記ボトル未装着状態をさらに区別して判定する。
【0071】
具体的には、状態判定部8aは、静電容量センサー6xの検出信号Sg1のレベルが予め定められた有効範囲から外れている場合に、前記カセット引出し状態が発生していると判定する。
【0072】
前記有効範囲は、前記有効範囲は、接地された仕切導体7が静電容量センサー6xにおけるボトル5側に対して反対側の面に対向しているときに検出信号Sg1のレベルが変化し得る範囲である。
【0073】
また、状態判定部8aは、検出信号Sg1のレベルが前記有効範囲内であり、かつ、前記有効範囲内における予め定められた許容範囲から外れている場合に、前記未装着状態が発生していると判定する。
【0074】
前記許容範囲は、接地された仕切導体7が静電容量センサー6xにおけるボトル5側に対して反対側の面に対向している状況下で、ボトル5がボトル装着部61に装着されているときに検出信号Sg1のレベルが変化し得る範囲である。
【0075】
また、状態判定部8aは、検出信号Sg1のレベルが前記許容範囲内であるときに、検出信号Sg1のレベルによりボトル5内の廃現像剤9xの量を判定する。
【0076】
そして、状態判定部8aは、検出信号Sg1のレベルが前記許容範囲内であり、かつ、予め定められた上限静電容量を超える静電容量を示している場合に、前記満杯状態が発生していると判定する。
【0077】
また、状態判定部8aは、表示装置802を通じて判定結果を通知する。例えば、状態判定部8aは、前記カセット引出し状態が発生していると判定する場合に、シートカセット30aを完全に装着すべき旨を通知する。また、状態判定部8aは、前記満杯状態が発生していると判定する場合に、ボトル5の交換が必要である旨を通知する。また、状態判定部8aは、前記ボトル未装着状態が発生していると判定する場合に、ボトル5を装着すべき旨を通知する。
【0078】
以上に示されるように、画像形成装置10は、シートカセット30a内のシート枚数の影響を受けずに廃現像剤9xの量を検出できる。さらに、画像形成装置10は、シートカセット30aの前記引出し状態を検出するための専用のセンサーを要することなく、前記引出し状態および前記満杯状態を区別して検出することができる。
【0079】
即ち、画像形成装置10は、少ないセンサーでボトル5内の廃現像剤9xの量とシートカセット30aの状態とを検出できる。その結果、制御装置8のCPU81における信号入力ポートの数を低減することができる。さらに、画像形成装置10は、専用のセンサーを要することなく前記ボトル未装着状態も検出することができる。
【符号の説明】
【0080】
1 :本体部
3 :シート搬送装置
4 :プリント装置
4a :モーター
4x :作像装置
5 :ボトル
6 :廃現像剤回収装置
6x :静電容量センサー
7 :仕切導体
8 :制御装置
8a :状態判定部
8b :装置制御部
9 :トナー
9x :廃現像剤
10 :画像形成装置
30 :シート収容部
30a :シートカセット
30b :カセット支持部
40 :レーザースキャニングユニット
41 :感光体
42 :帯電装置
43 :現像装置
44 :転写装置
45 :ドラムクリーニング装置
46 :定着装置
60 :廃現像剤搬送機構
61 :ボトル装着部
62 :搬入中継部
62a :案内ダクト
63 :ボトル駆動機構
70 :中継導体
81 :CPU
82 :RAM
83 :二次記憶装置
84 :画像データ処理装置
90 :シート
300 :シート搬送路
400 :トナーコンテナー
440 :中間転写ベルト
441 :一次転写装置
442 :二次転写装置
443 :ベルトクリーニング装置
600 :廃現像剤搬送路
801 :操作器
802 :表示装置