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特許7521233スキャンシステム、スキャナ、スキャン方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-16
(45)【発行日】2024-07-24
(54)【発明の名称】スキャンシステム、スキャナ、スキャン方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20240717BHJP
   G06F 3/0482 20130101ALI20240717BHJP
   G06F 3/0484 20220101ALI20240717BHJP
【FI】
H04N1/00 350
H04N1/00 L
G06F3/0482
G06F3/0484
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020064305
(22)【出願日】2020-03-31
(65)【公開番号】P2021164069
(43)【公開日】2021-10-11
【審査請求日】2023-03-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000992
【氏名又は名称】弁理士法人ネクスト
(72)【発明者】
【氏名】トゥンガトカー ルトゥジャ
【審査官】松永 隆志
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-005495(JP,A)
【文献】特開2006-157244(JP,A)
【文献】特開平06-217099(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
G06F 3/0482
G06F 3/04847
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定スキャン条件を記憶する記憶手段と、
前記特定スキャン条件に対応付ける時間帯及びスキャン回数の少なくとも一方に関する情報をユーザに指定させる指定手段と、
前記指定手段によって指定された時間帯及びスキャン回数の少なくとも一方が満了するまでは、前記記憶手段に記憶された特定スキャン条件を、原稿をスキャンする際のスキャン条件として設定する設定手段と、
前記指定された時間帯及びスキャン回数の少なくとも一方が満了するまでは、前記原稿のセットを検知したことを契機にして、前記設定手段によって設定されたスキャン条件に従って前記原稿のスキャンを実行するスキャン手段と、
ユーザに前記スキャン手段の動作状態を報知する報知手段と、
を備え、
前記報知手段は、前記指定手段によって前記時間帯が指定された場合、前記時間帯の開始前又は開始後終了前に、前記スキャン手段によって前記原稿のスキャンが開始すること又は前記原稿のスキャンが終了することを報知する、
スキャンシステム。
【請求項2】
前記指定手段は、前記時間帯を指定させる場合には、前記時間帯を繰り返す態様をユーザに指定させることできる、
請求項1に記載のスキャンシステム。
【請求項3】
前記スキャンシステムはさらに、
前記報知手段による前記時間帯の開始前又は開始後終了前の前記報知に対して、前記スキャン手段による前記スキャンの実行の無効、開始延期及び終了延期の少なくともいずれかを選択できる選択手段
を備えた
請求項1又は2に記載のスキャンシステム。
【請求項4】
前記スキャンシステムはさらに、
前記時間帯が開始される所定時間前に、原稿のスキャンがなされていることが確認された場合、前記スキャン手段による前記スキャンの実行の無効及び開始延期の少なくともいずれかを選択できる選択手段
を備えた
請求項1又は2に記載のスキャンシステム。
【請求項5】
特定スキャン条件を記憶する記憶手段と、
前記特定スキャン条件に対応付ける時間帯及びスキャン回数の少なくとも一方に関する情報をユーザに指定させる指定手段と、
前記指定手段によって指定された時間帯及びスキャン回数の少なくとも一方が満了するまでは、前記記憶手段に記憶された特定スキャン条件を、原稿をスキャンする際のスキャン条件として設定する設定手段と、
前記指定された時間帯及びスキャン回数の少なくとも一方が満了するまでは、前記原稿のセットを検知したことを契機にして、前記設定手段によって設定されたスキャン条件に従って前記原稿のスキャンを実行するスキャン手段と、
を備え、
前記指定手段は、前記時間帯及び前記スキャン回数の双方をAND条件にて指定することが可能であり、前記時間帯及び前記スキャン回数のいずれか一方が満了した際に、前記特定スキャン条件に従った前記スキャンの実行を延長させるか否かをユーザに指定させることが可能である、
スキャンシステム。
【請求項6】
前記特定スキャン条件は、スキャン解像度、カラー/モノクロスキャン、片面/両面スキャン、スキャンデータの送信先及びスキャンデータのファイル名作成ルールの少なくともいずれか1つに関する設定を含む、
請求項1乃至5のいずれか1項に記載のスキャンシステム。
【請求項7】
特定スキャン条件を記憶する記憶部と、
前記特定スキャン条件に対応付ける時間帯及びスキャン回数の少なくとも一方に関する情報をユーザに指定させるユーザインタフェースと、
前記ユーザインタフェースを介して指定された時間帯及びスキャン回数の少なくとも一方が満了するまでは、前記記憶部に記憶された特定スキャン条件を、原稿をスキャンする際のスキャン条件として設定する設定部と、
前記指定された時間帯及びスキャン回数の少なくとも一方が満了するまでは、前記原稿のセットを検知したことを契機にして、前記設定部によって設定されたスキャン条件に従って前記原稿のスキャンを実行するスキャン部と、
ユーザに前記スキャンの動作状態を報知する報知部と、
を備え、
前記報知部は、前記ユーザインタフェースを介して前記時間帯が指定された場合、前記時間帯の開始前又は開始後終了前に、前記スキャン部によって前記原稿のスキャンが開始すること又は前記原稿のスキャンが終了することを報知する、
スキャナ。
【請求項8】
記憶部に記憶された特定スキャン条件に対応付ける時間帯及びスキャン回数の少なくとも一方に関する情報を、ユーザインタフェースを介してユーザに指定させ、
前記ユーザインタフェースを介して指定された時間帯及びスキャン回数の少なくとも一方が満了するまでは、前記記憶部に記憶された特定スキャン条件を、原稿をスキャンする際のスキャン条件として設定し、
前記指定された時間帯及びスキャン回数の少なくとも一方が満了するまでは、前記原稿のセットを検知したことを契機にして、前記設定されたスキャン条件に従って前記原稿のスキャンを実行し、
前記ユーザインタフェースを介して前記時間帯が指定された場合、前記時間帯の開始前又は開始後終了前に、前記原稿のスキャンが開始すること又は前記原稿のスキャンが終了することを報知する、
スキャン方法。
【請求項9】
原稿のスキャンを実行するスキャナと通信を行う通信インタフェースと、記憶部と、ユーザインタフェースと、を備えた情報処理装置のコンピュータが実行可能なプログラムであって、
前記コンピュータに、
前記記憶部に記憶された特定スキャン条件に対応付ける時間帯及びスキャン回数の少なくとも一方に関する情報を、前記ユーザインタフェースを介してユーザに指定させる指定処理と、
前記ユーザインタフェースを介して指定された時間帯及びスキャン回数の少なくとも一方が満了するまでは、前記記憶部に記憶された特定スキャン条件を、原稿をスキャンする際のスキャン条件として設定する設定処理と、
前記指定された時間帯及びスキャン回数の少なくとも一方が満了するまでは、前記原稿のセットを検知したことを契機にして、前記設定処理によって設定されたスキャン条件に従って前記原稿のスキャンを実行させる指示を、前記通信インタフェースを介して前記スキャナに送信する送信処理と、
ユーザに前記スキャナの動作状態を報知する報知処理と、
を実行させ、
前記報知処理では、前記指定処理によって前記時間帯が指定された場合、前記時間帯の開始前又は開始後終了前に、前記スキャナによって前記原稿のスキャンが開始すること又は前記原稿のスキャンが終了することを報知する、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、特定スキャン設定に従って原稿のスキャンを実行する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、各種のスキャンデータ処理機能をショートカットとして登録でき、登録済みのショートカットからいずれかを選択して実行を指示すると、そのショートカットに割り当てられたスキャンデータ処理機能を実行する構成が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-194940号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載の構成では、ショートカットを利用することにより、スキャンを実行させるユーザの手数を削減することができるものの、スキャンの度にショートカットキーを操作する必要があり、さらに操作性を改善する余地があった。
【0005】
本願は、スキャンを実行させるユーザの手数を削減することが可能となる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本願のスキャンシステムは、特定スキャン条件を記憶する記憶手段と、特定スキャン条件に対応付ける時間帯及びスキャン回数の少なくとも一方に関する情報をユーザに指定させる指定手段と、指定手段によって指定された時間帯及びスキャン回数の少なくとも一方が満了するまでは、記憶手段に記憶された特定スキャン条件を、原稿をスキャンする際のスキャン条件として設定する設定手段と、設定手段によって設定されたスキャン条件に従って原稿のスキャンを実行するスキャン手段と、を備えている。
【発明の効果】
【0007】
本願によれば、スキャンを実行させるユーザの手数を削減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本願の一実施形態に係る通信システムの制御構成を示すブロック図である。
図2図1のPC、特にCPUが実行するメイン処理の手順を示すフローチャートである。
図3図2のメイン処理に含まれる設定変更処理の詳細な手順を示すフローチャートである。
図4図2のメイン処理に含まれる定期的な継続スキャン処理の詳細な手順を示すフローチャートである。
図5図4の定期的な継続スキャン処理の続きの手順を示すフローチャートである。
図6】初期画面の一例((a))及びスキャン画面の一例((b))を示す図である。
図7】定期的な継続スキャンの毎日設定画面の一例を示す図である。
図8】定期的な継続スキャンの毎週設定画面の一例を示す図である。
図9】定期的な継続スキャンの毎月設定画面の一例を示す図である。
図10】定期的な継続スキャンの動作状況を報知するポップアップ表示の一例を示す図である。
図11図6(b)のスキャン画面上にポップアップ表示された詳細設定ウィンドウの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本願の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0010】
図1は、本願の一実施形態に係る画像形成システム1の制御構成を示している。画像形成システム1は、PC10、スキャナ30及びルータ32を備えている。
【0011】
PC10は、CPU12、メモリ14、ユーザIF16、ディスプレイ18、ネットワークIF20を主に備えている。そして、CPU12、メモリ14、ユーザIF16、ディスプレイ18及びネットワークIF20は、入出力ポート22を介して互いに通信可能とされている。なお、IFは、interfaceの略語である。
【0012】
ユーザIF16は、典型的には、キーボードとマウスにより構成される。
【0013】
ディスプレイ18は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどの表示装置、表示装置を駆動する駆動回路などにより構成されている。ディスプレイ18として、タッチパネル方式のものを用いた場合には、ユーザは、画面上の入力ボタンをクリック操作することで、入力操作をすることができる。したがって、この場合には、ディスプレイ18は、ユーザIF16としての役割も果たすことになる。
【0014】
CPU12は、本実施形態の情報処理プログラムを含む各種アプリケーションプログラム(以下「アプリ」と略す)やファームウェア等を実行する。
【0015】
メモリ14は、ROM、RAM、HDD、SSD及び光ディスクドライブなどを含んでいる。メモリ14のデータ記憶領域28は、スキャナ30から取得したスキャンデータや、CPU12が情報処理プログラムなどを実行する際に必要なデータなどを記憶する領域である。また、メモリ14の制御プログラム領域26は、OS、情報処理プログラム、その他各種のアプリやファームウェアなどを記憶する領域である。
【0016】
画像形成システム1では、スキャナ30が、PC10からのスキャン指令に従って、スキャン処理を実行し、スキャン処理により生成されたスキャンデータが、PC10に送信される。
【0017】
情報処理プログラムは、スキャン処理の一つとして、定期的な継続スキャン処理を設定し、実行できるように構成されている。定期的な継続スキャン処理は、ユーザが設定した特定のスキャン設定(「特定スキャン条件」の一例)に基づいたスキャン処理を、ユーザが設定した時間帯やスキャン回数で繰り返し行わせるものである。したがって、例えば、日常的に大量の書類をスキャンする環境で、定期的な継続スキャン処理を用いた場合、ユーザは、特定のスキャン設定と、時間帯やスキャン回数の設定とを1回だけ行えば、後は自動的に、設定された時間帯やスキャン回数においては、特定のスキャン設定で、スキャン処理が実行されるので、ユーザがスキャン処理の省力化を図りたいときに有用である。なお、特定のスキャン設定とは、具体的には、例えば、スキャン解像度、カラー/モノクロスキャン、片面/両面スキャン、スキャンデータの送信先、スキャンデータにファイル名を付ける際のルールなどの各設定項目に対する特定の設定である。
【0018】
図2は、PC10、特にCPU12が実行する情報処理プログラムのメイン処理の手順を示している。このメイン処理は、定期的な継続スキャン処理の設定及び実行についての手順を中心に記載している。以降、各処理の手順の説明において、ステップを「S」と表記する。
【0019】
メイン処理は、例えば、ユーザが上記ユーザIF16から情報処理プログラムの起動を指示したことに応じて開始する。図2において、まずCPU12は、ディスプレイ18に初期画面を表示させる(S2)。
【0020】
図6(a)は、初期画面(以下「HOME画面」という)の一例を示している。HOME画面50は、制御対象のスキャナ30として既に、製品名「DS-×××」のスキャナが選択された状態を示している。選択機器を表示する選択機器表示領域51には、選択機器の外観を示すアイコン51aが表示されている。そして、アイコン51aの下には、製品名「DS-×××」と、スキャナ30とPC10との接続方法「LAN接続」及びスキャナ30の動作状況「スキャンできます」が表示されている。
【0021】
また、HOME画面50は、機能一覧領域52を備えている。機能一覧領域52は、選択機器表示領域51に表示された機器の機能を一覧表示する領域である。製品名「DS-×××」の機器は、スキャン機能のみを持つスキャナであるので、機能一覧領域52には、スキャン機能を示すスキャンアイコン52aのみが表示されている。
【0022】
さらに、HOME画面50には、アプリケーション設定画面への移行を指示するボタン53も表示されている。
【0023】
図2に戻り、CPU12は、アプリケーション設定画面への移行が指示されたか否か、つまりボタン53が押下されたか否かを判断する(S10)。この判断において、ボタン53が押下されて、アプリケーション設定画面への移行が指示されたと判断された場合(S10:YES)、CPU12は、ディスプレイ18上にアプリケーション設定画面を表示する(S12)。
【0024】
図7は、アプリケーション設定画面の一つである定期的な継続スキャン設定画面100の一例を示している。定期的な継続スキャン設定画面100は、設定項目選択領域110において「定期的な継続スキャン設定(Scheduled Continuous scan settings)」項目111が選択されたときの画面である。定期的な継続スキャン設定画面100の詳細設定領域120には、定期的な継続スキャン設定で設定可能な各種設定内容が表示される。
【0025】
図2に戻り、続くS14では、CPU12は、アプリケーション設定画面において設定変更が指示されたか否かを判断する。この判断において、設定変更が指示されたと判断された場合(S14:YES)、CPU12は、設定変更処理を実行した(S16)後、処理をS18に進める。
【0026】
図3は、設定変更処理の詳細な手順を示している。図3において、まずCPU12は、ディスプレイ18上に定期的な継続スキャン設定画面100が表示中であるか否かを判断する(S30)。この判断において、定期的な継続スキャン設定画面100が表示中であると判断された場合(S30:YES)、CPU12は、変更の指示が定期的な継続スキャンチェックボックス121(図7)への変更の指示であったか否かを判断する(S32)。この判断において、定期的な継続スキャンチェックボックス121への変更の指示であったと判断された場合(S32:YES)、CPU12は、定期的な継続スキャンチェックボックス121のオン/オフをトグルで変更する(S34)。定期的な継続スキャンチェックボックス121は、スキャナ30に定期的な継続スキャン処理を実行させる/させないをオン/オフで設定するためのものである。
【0027】
次に、CPU12は、定期的な継続スキャンチェックボックス121がオンに設定されているか否かを判断する(S36)。この判断において、定期的な継続スキャンチェックボックス121がオンに設定されていると判断された場合(S36:YES)、CPU12は、定期的な継続スキャンフラグを“1”に設定した(S38)後、設定変更処理を終了する。一方、この判断において、定期的な継続スキャンチェックボックス121がオフに設定されていると判断された場合(S36:NO)、CPU12は、定期的な継続スキャンフラグを“0”に設定した(S40)後、設定変更処理を終了する。定期的な継続スキャンフラグは、定期的な継続スキャン処理をスキャナ30に実行させるか否かを“1”/“0”で示すフラグである。
【0028】
一方、上記S32の判断において、変更の指示が定期的な継続スキャンチェックボックス121への変更の指示でなかったと判断された場合(S32:NO)、CPU12は、定期的な継続スキャン設定画面100における他の設定変更を行った(S42)後、設定変更処理を終了する。定期的な継続スキャン設定画面100の詳細設定領域120には、図7に示すように、スキャン設定(Scan Settings)欄122と、繰り返し設定(Recurrence Settings)欄123と、報知設定(Notification Settings)欄124とが設けられている。さらに、定期的な継続スキャン再開(Relaunch Scheduled continuous scan on finish)設定チェックボックス125と、定期的な継続スキャン延期(Introduce a delay of [10] minutes if device is in use)設定チェックボックス126と、定期的な継続スキャン以外のスキャン設定画面に移行を指示するボタン127と、設定したスキャン設定を上記データ記憶領域28に保存する保存ボタン128も、設けられている。
【0029】
スキャン設定欄122では、定期的な継続スキャン処理を開始する開始時刻(Start Time:11:00 AM)と、終了する終了時刻(End Time:11:30 AM)と、スキャン枚数(回数)の上限(End by number of [100] pages scanned)とを設定できる。
【0030】
繰り返し設定欄123では、ラジオボタン123a~123cにより、毎日、毎週及び毎月のいずれかを設定できる。そして、設定された期間に応じて、最適な設定ができるように選択できる内容が異なって表示される。具体的には、図7の繰り返し設定欄123では、「毎日」が選択されているので、定期的な継続スキャン処理の開始日と終了日とが日付で設定できるようになっている。図8の繰り返し設定欄123′では、「毎週」が選択されているので、何週に亘って何曜日に定期的な継続スキャン処理を実行するかを選択できるようになっている。また、図7の繰り返し設定欄123と同様に、開始日と終了日とが日付で設定できるようにもなっている。さらに、図9の繰り返し設定欄123″では、「毎月」が選択されているので、定期的な継続スキャン処理を実行する日付や期間を月日で選択できるようになっている。
【0031】
報知設定欄124では、ラジオボタン124a,124bにより、報知設定のオン/オフを設定できる。報知とは、定期的な継続スキャン処理を実行する前、実行中及び後などにユーザに定期的な継続スキャン処理の動作状況を知らせることである。具体的には、図10を用いて後述する各種のポップアップ表示をディスプレイ18上に表示させて、ユーザに報知するようにしている。
【0032】
定期的な継続スキャン再開チェックボックス125は、Relaunch On Finish機能を使用する/使用しないをオン/オフで設定するためのものである。Relaunch On Finish機能とは、スキャン実行中に、スキャン枚数の上限、つまり、上記スキャン設定欄122で設定された上限に到達したものの、まだスキャンするべき原稿が残っている場合に、定期的な継続スキャン処理を終了させずに、同じ特定のスキャン設定で定期的な継続スキャン処理を再開させる機能である。
【0033】
定期的な継続スキャン延期設定チェックボックス126は、定期的な継続スキャン処理を実行させるときに、例えば、ユーザ以外の第三者がスキャナ30を使用中で、定期的な継続スキャン処理を実行させることができない場合、定期的な継続スキャン処理を選択された時間だけ延期する機能を使用する/使用しないをオン/オフで設定するためのものである。なお、定期的な継続スキャン延期設定チェックボックス126に加えて、あるいは代えて、定期的な継続スキャン無効設定チェックボックスを設けるようにしてもよい。このチェックボックスは、定期的な継続スキャン処理を実行させるときに、定期的な継続スキャン処理を実行させることができない場合、定期的な継続スキャン処理を無効にする/しないをオン/オフで設定するためのものである。
【0034】
図3に戻り、上記S30の判断において、定期的な継続スキャン設定画面100が表示中でないと判断された場合(S30:NO)、CPU12は、定期的な継続スキャン設定以外の設定変更を行った(S44)後、設定変更処理を終了する。定期的な継続スキャン設定以外の設定変更の項目としては、具体的には、例えば、スキャン解像度、カラー/モノクロスキャン、片面/両面スキャン、スキャンデータの送信先、スキャンデータにファイル名を付ける際のルールなどを挙げることができる。つまり、S44の設定変更は、特定のスキャン設定についての設定変更である。
【0035】
図2に戻り、上記S10の判断において、アプリケーション設定画面への移行が指示されなかったと判断された場合(S10:NO)あるいは上記S14の判断において、設定変更が指示されなかったと判断された場合(S14:NO)、CPU12は、処理をS18に進める。
【0036】
S18では、CPU12は、定期的な継続スキャンフラグが“1”であるか否かを判断する。この判断において、定期的な継続スキャンフラグが“1”であると判断された場合(S18:YES)、CPU12は、定期的な継続スキャン処理を実行した(S20)後、処理をS22に進める。一方、S18の判断において、定期的な継続スキャンフラグが“0”であると判断された場合(S18:NO)、CPU12は、処理をS26に進める。
【0037】
図4及び図5は、定期的な継続スキャン処理の詳細な手順を示している。図4において、まずCPU12は、現在の時刻が定期的な継続スキャンの開始時刻の所定時間前(例えば、15分前)であるか否かを判断する(S50)。定期的な継続スキャンの開始時刻とは、上記スキャン設定欄122で設定した開始時刻である。但し、S50の判断は、現在の日付も考慮して行う。つまり、現在の時刻が定期的な継続スキャンの開始時刻の所定時間前であるとしても、現在の日付が、定期的な継続スキャン処理を実行する期間に入っていない場合があるからである。上記繰り返し設定欄123~123″では、定期的な継続スキャン処理を実行する期間を設定できるからである。この事情は、後述するS54,S62,図5のS66でも同様である。
【0038】
S50の判断において、現在の時刻が定期的な継続スキャンの開始時刻の所定時間前であると判断された場合(S50:YES)、CPU12は、定期的な継続スキャン開始予定を報知した(S52)後、処理をS54に進める。報知方法は、本実施形態では、例えば、図10(a)に示すようなポップアップ表示200をディスプレイ18上に表示する方法を採用している。もちろん、これに限らず、音声で報知する方法等、他の報知方法を用いてもよい。定期的な継続スキャン開始予定が報知されると、ユーザは、スキャナ30に原稿をセットするなどの準備をすることができる。
【0039】
図10(a)に示すように、ポップアップ表示200には、“Cancel Scan”ボタン202と“OK”ボタン204とが含まれている。ユーザは、“Cancel Scan”ボタン202を押下することにより、定期的な継続スキャンの実行を事前にキャンセルすることができる。また、“OK”ボタン204を押下することにより、定期的な継続スキャン開始予定を確認したことをCPU12に知らせて、ポップアップ表示200をディスプレイ18上から消すことができる。
【0040】
一方、S50の判断において、定期的な継続スキャンの開始時刻の所定時間前でないと判断された場合(S50:YES)、CPU12は、S52をスキップして、処理をS54に進める。
【0041】
S54では、CPU12は、現在の時刻が定期的な継続スキャンの開始時刻に到達したか否かを判断する。この判断において、現在の時刻が定期的な継続スキャンの開始時刻に到達したと判断された場合(S54:YES)、CPU12は、定期的な継続スキャンを開始したことを、例えば、図10(b)に示すポップアップ表示210をディスプレイ18上に表示させて、ユーザに報知する(S55)。なお、ポップアップ表示210に含まれる“OK”ボタン214は、ポップアップ表示200に含まれる“OK”ボタン204と同様に、ポップアップ表示210をディスプレイ18上から消すためのものである。
【0042】
その後、CPU12は、スキャナ30はレディ状態であるか否かを判断する(S56)。この判断は、例えば、CPU12がスキャナ30にポーリングにより機器の状態を問い合わせ、その問い合わせに応じたスキャナ30からの応答に基づいて行うようにすればよい。より具体的には、スキャナ30の所定の原稿セット位置に原稿がセットされていることをセンサによって検知した場合に、レディ状態であると判断してもよい。
【0043】
S56の判断において、スキャナ30がレディ状態でないと判断された場合(S56:NO)、CPU12は、スキャナ30がレディ状態になるまで待機し、スキャナ30がレディ状態になったと判断された場合(S56:YES)、CPU12は、指定されたスキャン設定、つまり特定のスキャン設定による定期的な継続スキャンの開始をスキャナ30に指示する(S58)。スキャナ30へのスキャン開始の指示は、例えば、特定のスキャン設定とスキャン開始コマンドとをスキャナ30に送信することによって行う。なお、S58の処理の前に、ディスプレイ18にポップアップ画面を表示して、ユーザが特定のスキャン設定の一部を変更できる機会を設けるようにしてもよい。
【0044】
次に、CPU12は、定期的な継続スキャンが実行中であることを、例えば、図10(c)に示すポップアップ表示220をディスプレイ18上に表示させて、ユーザに報知した(S60)後、処理をS62に進める。これにより、ユーザは、原稿のスキャンが行われていることを、スキャナ30の側に居なくても知ることができる。なお、ポップアップ表示220に含まれる“Cancel”ボタン222は、現在実行中のスキャンをキャンセルするためのものである。また、“OK”ボタン224は、ポップアップ表示220をディスプレイ18上から消すためのものである。
【0045】
一方、上記S54の判断において、現在の時刻が定期的な継続スキャンの開始時刻になっていないと判断された場合(S54:NO)、CPU12は、処理を図2のS26に進める。
【0046】
上記S62では、CPU12は、現在の時刻が定期的な継続スキャンの終了時刻の所定時間前(例えば、15分前)であるか否かを判断する。この判断において、現在の時刻が定期的な継続スキャンの終了時刻の所定時間前であると判断された場合(S62:YES)、CPU12は、定期的な継続スキャンの終了予定を、例えば、図10(d)に示すポップアップ表示230をディスプレイ18上に表示させて、ユーザに報知する(S64)。これにより、ユーザは、もうすぐ定期的な継続スキャンが終了することを知ることができる。なお、ポップアップ表示230に含まれる“延長”ボタン232は、定期的な継続スキャンの終了を延長するためのものである。また、“OK”ボタン234は、ポップアップ表示230をディスプレイ18上から消すためのものである。
【0047】
一方、S62の判断において、現在の時刻が定期的な継続スキャンの終了時刻の所定時間前でないと判断された場合(S62:NO)、CPU12は、S64をスキップして、処理を図5のS66に進める。
【0048】
S66では、CPU12は、現在の時刻が定期的な継続スキャンの終了時刻に到達したか否かを判断する。この判断において、現在の時刻が定期的な継続スキャンの終了時刻に到達したと判断された場合(S66:YES)、CPU12は、定期的な継続スキャンを延長する指示がなされているか否かを判断する(S68)。延長の指示は、例えば、S64によるポップアップ表示230内にある“延長”ボタン232が押下されることによって行われる。
【0049】
S68の判断において、延長が指示されていないと判断された場合(S68:NO)、CPU12は、定期的な継続スキャンの終了をスキャナ30に指示する(S70)。スキャナ30へのスキャン終了の指示は、例えば、スキャン終了コマンドをスキャナ30に送信することによって行う。なお、S70の処理と一緒に、CPU12は、定期的な継続スキャンが終了したことを、例えば、図10(f)に示すポップアップ表示250をディスプレイ18上に表示させて、ユーザに報知する。その後、CPU12は、定期的な継続スキャン処理を終了する。
【0050】
図10(f)に示すように、ポップアップ表示250には、“OK”ボタン254と“Open Folder”ボタン256とが含まれている。“OK”ボタン254は、“OK”ボタン204と同様に、ポップアップ表示250をディスプレイ18上から消すためのものである。一方、“Open Folder”ボタン256は、定期的な継続スキャン処理により生成され、例えば上記メモリ14の所定のフォルダに保存されたスキャンデータのフォルダを開くためのものである。これにより、ユーザは、“Open Folder”ボタン256を押下するだけで、スキャンデータの保存されたフォルダを開くことができるので、便利である。
【0051】
一方、上記S66の判断において、現在の時刻が定期的な継続スキャンの終了時刻に到達していないと判断された場合(S66:NO)、CPU12は、現在のスキャン回数が指定されたスキャン回数に到達したか否かを判断する(S72)。この判断において、現在のスキャン回数が指定されたスキャン回数に到達したと判断された場合(S72:YES)、CPU12は、スキャナ30の所定の原稿セット位置にスキャンすべき原稿が残っているか否かを判断する(S74)。この判断において、スキャンすべき原稿がまだスキャナ30に残っていると判断された場合(S74:YES)、CPU12は、Relaunch On Finish機能がオン状態であるか否かを判断する(S76)。この判断において、Relaunch On Finish機能がオン状態であると判断された場合(S76:YES)、CPU12は、定期的な継続スキャンを再実行させる(S78)。
【0052】
さらに、CPU12は、Relaunch On Finish機能が実行中であることを、例えば、図10(e)に示すポップアップ表示240をディスプレイ18上に表示させて、ユーザに報知した(S80)後、定期的な継続スキャン処理を終了する。ポップアップ表示240に含まれる“終了”ボタン242は、定期的な継続スキャンを終了させるためのものである。
【0053】
一方、上記S74の判断において、スキャンすべき原稿がスキャナ30に残っていないと判断された場合(S74:NO)、あるいは上記S76の判断において、Relaunch On Finish機能がオフ状態であると判断された場合(S76:NO)、CPU12は、処理を上記S70に進め、定期的な継続スキャンの終了をスキャナ30に指示した後、定期的な継続スキャン処理を終了する。
【0054】
一方、上記S72の判断において、現在のスキャン回数が指定されたスキャン回数にまだ到達していないと判断された場合(S72:NO)、CPU12は、定期的な継続スキャン処理を終了する。
【0055】
一方、上記S68の判断において、延長が指示されていると判断された場合(S68:YES)、CPU12は、処理を上記S78に進め、定期的な継続スキャンを再実行させる。
【0056】
図2に戻り、上記S22では、CPU12は、定期的な継続スキャンが終了したか否かを判断する。すなわち、S70にて定期的な継続スキャンの終了が指示されたか否かを判断する。この判断において、定期的な継続スキャンが終了したと判断された場合(S22:YES)、CPU12は、スキャンデータ保存処理(S24)を実行した後、処理を上記S10に戻す。一方、この判断において、定期的な継続スキャンが継続中と判断された場合(S22:NO)、CPU12は、S24をスキップして、処理をS10に戻す。
【0057】
スキャンデータ保存処理では、CPU12は、定期的な継続スキャンによって生成したスキャンデータを、上記特定のスキャン設定での設定内容に従って保存する。その設定内容が、例えば、スキャンデータに設定されたルールでファイル名を付けた後、設定されたフォルダに保存するという内容である場合には、CPU12は、定期的な継続スキャンによって生成したスキャンデータに、設定ルールに従ってファイル名を付けた後、設定されたフォルダに保存する。
【0058】
上記S26では、CPU12は、上記図6(a)のHOME画面50内に表示されたスキャンアイコン52aが押下されたか否かを判断する。この判断において、スキャンアイコン52aが押下されたと判断された場合(S26:YES)、CPU12は、スキャン設定・実行処理を実行した(S28)後、処理をS10に戻す。一方、この判断において、スキャンアイコン52aが押下されなかったと判断された場合(S26:NO)、CPU12は、S28をスキップして、処理をS10に戻す。
【0059】
図6(b)は、図6(a)のHOME画面50内に表示されたスキャンアイコン52aが押下された際に表示される画面であって、スキャナ30にスキャンを実行させるためのスキャン画面60を示している。スキャン画面60は主として、スキャン設定領域61と、スキャン指示領域62と、注意事項表示領域63とによって構成されている。
【0060】
スキャン設定領域61には、現在のスキャン設定のうち、主要な3種類の設定をそれぞれ表示するボタン61a~61cと、すべての設定を表示させる指示を行うための「すべての設定」ボタン61dとが表示されている。
【0061】
ボタン61a~61cはそれぞれ、「原稿サイズ」、「カラー設定」及び「解像度」の現在の設定を表示するとともに、ボタン61a~61cを押下することにより、対応する種類の設定を変更できるようになっている。
【0062】
「すべての設定」ボタン61dが押下されると、スキャン画面60上に、すべての設定を変更可能な詳細設定ウィンドウ70(図11参照)がポップアップ表示される。この詳細設定ウィンドウ70を用いて、ユーザは、上記「原稿サイズ」、「カラー設定」及び「解像度」に限らず、変更可能なすべての種類の設定を変更することができる。
【0063】
スキャン指示領域62には、スキャナ30に対してスキャン指令を出すためのスキャンボタン62aが表示されている。また、スキャン指令を出す対象となるスキャナ30がどれであるかが分かるように、上記アイコン51a(図6(a))と同様のアイコン62bも表示されている。そしてアイコン62bに隣接して、製品名「DS-×××」と、スキャナ30とPC10との接続方法「LAN接続」及びスキャナ30の動作状況「スキャンできます」も表示されている。
【0064】
注意事項表示領域63には、「スキャンしたい原稿を原稿台ガラスもしくは自動原稿送り装置にセットしてください」との注意事項が表示され、注意事項に関連する画像が表示されている。
【0065】
図11は、ディスプレイ18上に表示された詳細設定ウィンドウ70の一例を示している。詳細設定ウィンドウ70は、設定可能項目を一覧表示する設定項目表示領域72と、選択された項目に属する各種設定を設定する設定領域74とにより主として構成されている。さらに詳細設定ウィンドウ70には、設定を有効にするOKボタン76と、設定をキャンセルするキャンセルボタン77と、設定を標準に戻す「標準に戻す」ボタン78とが表示されている。
【0066】
設定項目表示領域72には、選択可能な項目として、「基本設定」、「原稿補正」、「画像調整」、「モノクロ画質調整」及び「搬送制御」が表示されている。その中から「搬送制御」項目72aが選択されると、「搬送制御」のカテゴリーに属する「継続スキャン」と「キャリアシートモード」とをオン(ON)/オフ(OFF)設定することができる。なお、オン(ON)設定は、隣接するチェックボックス74a,74bに「レ点」を表示させることで設定し、オフ(OFF)設定は、そのチェックボックス74a,74bに「レ点」を表示させないことで設定する。なお、スキャナ30として、「継続スキャン」機能を備えないものが選択された場合には、チェックボックス74aは、例えばグレースケールで表示され、「継続スキャン」のオン(ON)設定を選択できないようにする。
【0067】
「継続スキャン」とは、スキャン後、所定の時間内(例えば、10分間)に、次の原稿が原稿セット位置にセットされると、スキャンボタン62aの押下等の他の操作をしなくても、次の原稿のスキャンを自動的に開始する機能である。なお、「キャリアシートモード」は、キャリアシートを使用して、薄い原稿などをスキャンする機能である。
【0068】
このように、ユーザは現在のスキャン設定と異なるスキャン設定を選択したい場合には、各種設定項目を1つずつ選択して設定する必要がある。そして、ユーザの選択したいスキャン設定が終了すると、ユーザは、上記スキャンボタン62aを押下して、スキャナ30にスキャンの実行を指示する。
【0069】
これに対して、本実施形態の定期的な継続スキャン処理では、ユーザは、スキャンボタン62aの押下か、継続スキャンの場合には原稿をセットするだけで、スキャナ30がスキャンを開始する。したがって、ユーザは、面倒なスキャン設定を毎回行う必要がなくなり、予め設定しておいた意図するスキャン設定で、スキャナ30にスキャンを実行させることができる。
【0070】
なお、本実施形態では、定期的な継続スキャン処理の設定及び実行を画像形成システム1の構成、つまり、PC10とスキャナ30とを含む構成によって実現したが、これに限らず、PC10で行っていた処理をスキャナ30に組み込むことで、スキャナ30単体で実現するように構成してもよい。
【0071】
以上説明したように、本実施形態の画像形成システム1は、特定スキャン条件を記憶するメモリ14と、特定スキャン条件に対応付ける時間帯及びスキャン回数の少なくとも一方に関する情報をユーザに指定させるユーザIF16と、ユーザIF16によって指定された時間帯及びスキャン回数の少なくとも一方が満了するまでは、メモリ14に記憶された特定スキャン条件を、原稿をスキャンする際のスキャン条件として設定するCPU12と、CPU12によって設定されたスキャン条件に従って原稿のスキャンを実行するスキャナ30とを備えている。
【0072】
このように、本実施形態の画像形成システム1では、指定された時間帯やスキャン回数の範囲内において、原稿をスキャンする際のスキャン条件として既定のスキャン条件が設定されるので、設定に要するユーザの手数を削減することが可能となる。
【0073】
ちなみに、本実施形態において、画像形成システム1は、「スキャンシステム」の一例である。メモリ14は、「記憶手段」の一例である。ユーザIF16は、「指定手段」の一例である。CPU12は、「設定手段」の一例である。スキャナ30は、「スキャン手段」の一例である。
【0074】
また、スキャナ30は、指定された時間帯及びスキャン回数の少なくとも一方が満了するまでは、原稿のセットを検知したことを契機にして、原稿のスキャンを実行する。これにより、指定された時間帯やスキャン回数が満了するまでは、原稿をセットするだけでスキャンが実行されるので、ユーザの操作の手間をより一層削減することができる。
【0075】
また、ユーザIF16は、時間帯を指定させる場合には、時間帯を繰り返す態様をユーザに指定させることできる。これにより、毎週何時から何時までなどの指定ができるので、使い勝手がより向上する。
【0076】
また、画像形成システム1はさらに、ユーザにスキャナ30の動作状態を報知するCPU12を備え、CPU12は、ユーザIF16によって時間帯が指定された場合、時間帯の開始前又は開始後終了前に、スキャナ30によって原稿のスキャンが開始すること又は原稿のスキャンが終了することを報知する。これにより、ユーザは定期的な継続スキャンが有効・無効になることを事前に把握できるようになるので、スキャン作業の効率化を図ることができる。ちなみに、CPU12は、「報知手段」の一例である。
【0077】
また、画像形成システム1はさらに、CPU12による時間帯の開始前又は開始後終了前の報知に対して、スキャナ30によるスキャンの実行の無効、開始延期及び終了延期の少なくともいずれかを選択できる。これにより、その日の都合により、無効、延期などをしたい場合に対処できるようになるので、ユーザの利便性をより向上させることが可能となる。
【0078】
また、画像形成システム1はさらに、時間帯が開始される所定時間前に、原稿のスキャンがなされていることが確認された場合、スキャナ30によるスキャンの実行の無効及び開始延期の少なくともいずれかを選択できる。これにより、スキャンを開始する直前に、他のユーザがスキャナ30を利用している場合に対処することができるので、便利である。
【0079】
また、ユーザIF16は、時間帯及びスキャン回数の双方をAND条件にて指定することが可能であり、時間帯及びスキャン回数のいずれか一方が満了した際に、特定スキャン条件に従ったスキャンの実行を延長させるか否かをユーザに指定させることが可能である。これにより、時間帯及びスキャン回数のいずれか一方が満了した際に、スキャンするべき原稿が残っている場合に対処することができるので、便利である。
【0080】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものでなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
【0081】
(1)上記実施形態では、上記実施形態では、スキャナ30は、PC10とネットワークI/F20及びルータ32を介して、通信ネットワーク経由で接続されているが、これに限らず、通信ネットワークを経由せず、直接、例えばUSBによって接続されていてもよい。
【0082】
(2)上記実施形態では、上記実施形態では、スキャナ30は、主としてスキャン機能のみを備えたものを採用したが、これに限らず、スキャン機能を含む複合機を採用してもよい。
【0083】
(3)上記実施形態では、PC10に接続される機器は、1台のスキャナ30のみとしたが、これに限らず、複数台のスキャナが接続され、その中からいずれかを選択可能に構成してもよい。この場合、スキャナだけでなく、複合機も接続され、選択対象としてもよい。
【符号の説明】
【0084】
1 画像形成システム
10 PC
12 CPU
14 メモリ
16 ユーザIF
18 ディスプレイ
20 ネットワークIF
30 スキャナ
32 ルータ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11