(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-16
(45)【発行日】2024-07-24
(54)【発明の名称】操作装置
(51)【国際特許分類】
F24F 11/56 20180101AFI20240717BHJP
H04Q 9/00 20060101ALI20240717BHJP
F24F 11/46 20180101ALN20240717BHJP
【FI】
F24F11/56
H04Q9/00 331A
F24F11/46
(21)【出願番号】P 2020064734
(22)【出願日】2020-03-31
【審査請求日】2023-01-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000006611
【氏名又は名称】株式会社富士通ゼネラル
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(74)【代理人】
【識別番号】100066980
【氏名又は名称】森 哲也
(72)【発明者】
【氏名】小塩 智弘
【審査官】奥隅 隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-27521(JP,A)
【文献】特開2015-105763(JP,A)
【文献】特開2002-99400(JP,A)
【文献】特開2013-173275(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 11/00-11/89
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部と、入力操作部と、当該入力操作部に対する操作に応じた設定画面を前記表示部に表示する制御部と、を備え、
前記入力操作部に対する操作があったときには通常モードで動作し、前記入力操作部に対する操作が一定時間行われないときには、通常モードよりも低消費電力である省電力モードに移行する空気調和機の操作装置であって、
前記省電力モードに移行したときの前記設定画面を、前記入力操作部に対する操作に応じて可変的に設定される保持時間の間、前記表示部に表示する表示情報として維持し、
前記省電力モードに移行してから、再び前記入力操作部に対する操作が行われるまでの時間が、前記保持時間未満のときには、前記省電力モードに移行したときの前記設定画面を前記表示部に表示し、
前記省電力モードに移行してから、再び前記入力操作部に対する操作が行われるまでの時間が、前記保持時間以上のときには、前記表示部に初期画面を表示し、
前記保持時間は、前記初期画面から前記省電力モードに移行したときの前記設定画面に至るまでの前記入力操作部に対する操作回数が多い時ほど長くなるように設定されることを特徴とする操作装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記初期画面から前記省電力モードに移行したときの設定画面に至るまでの前記入力操作部に対する操作回数を検出し、
前記操作回数と、予め設定された係数との積を前記保持時間とすることを特徴とする請求項1に記載の操作装置。
【請求項3】
表示部と、入力操作部と、当該入力操作部に対する操作に応じた設定画面を前記表示部に表示する制御部と、を備え、
前記入力操作部に対する操作があったときには通常モードで動作し、前記入力操作部に対する操作が一定時間行われないときには、通常モードよりも低消費電力である省電力モードに移行する空気調和機の操作装置であって、
前記省電力モードに移行したときの前記設定画面を、前記入力操作部に対する操作に応じて可変的に設定される保持時間の間、前記表示部に表示する表示情報として維持し、
前記省電力モードに移行してから、再び前記入力操作部に対する操作が行われるまでの時間が、前記保持時間未満のときには、前記省電力モードに移行したときの前記設定画面を前記表示部に表示し、
前記省電力モードに移行してから、再び前記入力操作部に対する操作が行われるまでの時間が、前記保持時間以上のときには、前記表示部に初期画面を表示し、
前記制御部は、前記初期画面から前記省電力モードに移行したときの設定画面に至るまでの間に、前記入力操作部に対する操作により遷移した画面の画面数を検出し、
前記画面数と、予め設定された係数との積を前記保持時間とすることを特徴とする操作装置。
【請求項4】
表示部と、入力操作部と、当該入力操作部に対する操作に応じた設定画面を前記表示部に表示する制御部と、を備え、
前記入力操作部に対する操作があったときには通常モードで動作し、前記入力操作部に対する操作が一定時間行われないときには、通常モードよりも低消費電力である省電力モードに移行する空気調和機の操作装置であって、
前記省電力モードに移行したときの前記設定画面を、前記入力操作部に対する操作に応じて可変的に設定される保持時間の間、前記表示部に表示する表示情報として維持し、
前記省電力モードに移行してから、再び前記入力操作部に対する操作が行われるまでの時間が、前記保持時間未満のときには、前記省電力モードに移行したときの前記設定画面を前記表示部に表示し、
前記省電力モードに移行してから、再び前記入力操作部に対する操作が行われるまでの時間が、前記保持時間以上のときには、前記表示部に初期画面を表示し、
前記表示部に表示される画面は、階層構造の複数の設定画面を含み、
前記制御部は、前記初期画面から前記省電力モードに移行したときの設定画面に至るまでの間に、前記入力操作部に対する操作により遷移した階層数を検出し、
前記階層数と、予め設定された係数との積を前記保持時間とすることを特徴とする操作装置。
【請求項5】
表示部と、入力操作部と、当該入力操作部に対する操作に応じた設定画面を前記表示部に表示する制御部と、を備え、
前記入力操作部に対する操作があったときには通常モードで動作し、前記入力操作部に対する操作が一定時間行われないときには、通常モードよりも低消費電力である省電力モードに移行する空気調和機の操作装置であって、
前記省電力モードに移行したときの前記設定画面を、前記入力操作部に対する操作に応じて可変的に設定される保持時間の間、前記表示部に表示する表示情報として維持し、
前記省電力モードに移行してから、再び前記入力操作部に対する操作が行われるまでの時間が、前記保持時間未満のときには、前記省電力モードに移行したときの前記設定画面を前記表示部に表示し、
前記省電力モードに移行してから、再び前記入力操作部に対する操作が行われるまでの時間が、前記保持時間以上のときには、前記表示部に初期画面を表示し、
前記制御部は、前記表示部に前記初期画面が表示されている状態で前記入力操作部に対する操作が開始された時刻から、前記省電力モードに移行したときに前記表示部に表示される前記設定画面に至るまでの間に、前記入力操作部に対する操作が最後に行われた時刻までの時間を操作時間として計測し、
前記操作時間と、予め設定された係数との積を前記保持時間とすることを特徴とする操作装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、装置の各種設定を設定画面において行う操作装置において、一定時間(第一設定時間)操作が行われない場合には電力制御状態を通常モードから、消費電力を低減させ、同設定画面を消灯させる省電力モードに切り替えるようにしたものがある。さらに所定時間(第二設定時間)が経過するまでは、途中まで設定していた設定画面の内容を保持し、再び任意の操作が行われたときに、保持していた設定画面を再表示するようにする方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。これにより、操作装置の省電力を保ちつつ、ユーザによる操作性を向上させるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の操作装置は、所定時間(第二設定時間)が経過した後に、任意の操作が行われたときは、初期画面を表示する構成となっている。そのため、例えば、設定中に、ユーザが設定内容について迷う等、考える時間が長くなった場合にも初期画面に戻ってしまい、初めから設定をやり直さなければならず、操作性が悪くなるおそれがある。
本発明は、従来の未解決の課題に着目してなされたものであり、操作装置の省電力性能を保ちつつ、ユーザによる操作性の低下を抑制することの可能な操作装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る操作装置は、表示部と、入力操作部と、当該入力操作部に対する操作に応じた設定画面を前記表示部に表示する制御部と、を備え、前記入力操作部に対する操作があったときには通常モードで動作し、前記入力操作部に対する操作が一定時間行われないときには、通常モードよりも低消費電力である省電力モードに移行する空気調和機の操作装置であって、前記省電力モードに移行したときの前記設定画面を、前記入力操作部に対する操作に応じて可変的に設定される保持時間の間、前記表示部に表示する表示情報として維持し、前記省電力モードに移行してから、再び前記入力操作部に対する操作が行われるまでの時間が、前記保持時間未満のときには、前記省電力モードに移行したときの前記設定画面を前記表示部に表示し、前記省電力モードに移行してから、再び前記入力操作部に対する操作が行われるまでの時間が、前記保持時間以上のときには、前記表示部に初期画面を表示し、前記保持時間は、前記初期画面から前記省電力モードに移行したときの前記設定画面に至るまでの前記入力操作部に対する操作回数が多い時ほど長くなるように設定されることを特徴としている。
【発明の効果】
【0006】
本発明の一態様によれば、ユーザは、時間を気にすることなく、入力操作を行うことができ、操作性の低下を抑制することができると共に、操作装置の省電力性能を保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の一実施形態に係る空気調和機の一例を示す概略構成図である。
【
図2】室内機及び操作装置の一例を示す概略構成図である。
【
図3】操作装置における画面遷移の一例を示す図である。
【
図4】操作装置の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図5】操作装置における画面遷移の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下の詳細な説明では、本発明の実施形態の完全な理解を提供するように多くの特定の具体的な構成について記載されている。しかしながら、このような特定の具体的な構成に限定されることなく他の実施態様が実施できることは明らかである。また、以下の実施形態は、特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、実施形態で説明されている特徴的な構成の組み合わせの全てを含むものである。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態を説明する。以下の図面の記載において、同一部分には同一符号を付している。ここでは、本発明に係る操作装置を、空気調和機を制御するための条件設定等を行う操作装置に適用した場合について説明する。
【0009】
図1及び
図2は、本発明を適用した空気調和機の一例を示す概略構成図である。
空気調和機1は、室内機2と、室外機3と、操作装置4とを備える。
室内機2は、室内機制御部2aと、後述の装置通信部4bとの間で双方向通信を行う室内機通信部2bとを備える。室内機制御部2aは、室内機通信部2bを介して操作装置4から動作指令信号を受信し、動作指令信号に応じて室内機2の動作制御を行う。
操作装置4は、装置制御部(制御部)4aと、装置通信部4bと、近接センサ4cと、入力操作部4eと、表示部4fと、記憶部4gと、を備え、装置制御部4aは、処理過程で必要な情報を記憶するための記憶部4aaを備える。
【0010】
装置制御部4aは、入力操作部4eから、入力操作部4eに対する操作に応じた情報を入力し、入力した操作信号を記憶部4aaに格納する。また、装置制御部4aは、記憶部4aaに格納された操作信号と、後述の記憶部4gに格納された設定画面とをもとに、入力操作部4eに対する操作に応じた表示情報を生成して表示部4fに出力する。また、装置制御部4aは、操作信号に応じた動作指令信号を、装置通信部4bを介して室内機2に送信する等の処理を行う。
【0011】
また、装置制御部4aは、入力操作部4eに対する操作に応じた操作信号が入力されたときには、操作信号が入力された時点から、入力操作部4eから次の操作信号が入力されるまでの間、つまり、入力操作部4eに対する操作が行われてから次の操作が行われるまでの間、操作信号に応じた現在の設定画面を表示情報として維持し引き続き表示部4fに表示する。装置制御部4aは、入力操作部4eに対する操作が行われてから、次の操作が一定時間(例えば30秒)行われない場合には、表示情報として設定画面は維持したまま省電力モードに移行する。省電力モードでは、例えば表示部4fの画面を消灯する等、通常モードよりも電力消費量が少ない状態で動作させる。表示情報の維持は、例えば、記憶部4aaに直近の操作信号を格納しておき、表示部4fに表示する際に、記憶部4aaに格納された操作信号に基づいて表示情報を生成することで実現してもよく、生成した表示情報を画像メモリ等の記憶部に記憶しておくことで実現するようにしてもよい。
【0012】
また、装置制御部4aでは、入力操作部4eに対する操作が行われてから、入力操作部4eに対する操作が一定時間行われない状態となるまでの間に、入力操作部4eに対する操作が行われた回数(以後、操作回数という。)をカウントし、この操作回数に予め設定した乗算係数α(例えば2秒)を乗算して、これを保持時間として記憶部4aaに記憶し、省電力モードに移行する。そして、省電力モードに移行してからの経過時間が保持時間以上になってから、入力操作部4eに対する操作が行われた場合には、表示情報として初期画面を設定する。逆に省電力モードに移行してからの経過時間が保持時間未満の場合には、省電力モードに移行したときの設定画面を表示情報として維持する。つまり、入力操作部4eに対して最後に操作が行われたときの設定画面を維持し、再び入力操作部4eに対する操作が行われると通常モードに移行し、以後、入力操作部4eに対する操作に応じて表示部4fに表示する設定画面を更新する。ここで、保持時間とは、入力操作部4eに対する操作に応じて可変的に設定される時間であり、ここでは、操作回数と乗算係数αとを乗算することにより決定される。つまり、操作回数が多いときほど保持時間は長く、操作回数が少ないときほど保持時間は短くなるように設定される。
【0013】
記憶部4gには、
図3に示す1つのメイン画面(初期画面)MPと、サブ画面SP1、SP2を含む複数のサブ画面と、メニュー画面NP1~NP4を含む複数のメニュー画面とが、設定画面として記憶され、これら設定画面は階層構造を形成している。なお、
図3は、操作装置4における、設定画面の画面遷移の一例を示したものである。
メニュー画面NP1は、機能設定用のサブ画面SP1に対応するメニュー画面であり、選択可能な機能の項目を一覧表示する。メニュー画面NP2は、メニュー画面NP1で選択された項目「12 初期設定」に対応するメニュー画面であり、選択可能な初期設定の項目を一覧表示する。なお、メニュー画面NP1で、他の項目が選択された場合にはそれぞれに対応するメニュー画面が表示される。
【0014】
メニュー画面NP3は、メニュー画面NP2で選択された項目「1 時刻設定」に対応するメニュー画面であり、時刻設定画面を表示する。なお、メニュー画面NP2で他の項目が選択された場合にはそれぞれに対応するメニュー画面が表示される。
図3では、サブ画面SP1についてのみ対応するメニュー画面が設けられているが、他のサブ画面SP1~SP3についても同様に、メニュー画面を設けることができる。また、さらに深い階層にメニュー画面が設けられていてもよい。
【0015】
図3において、メイン画面MP及びサブ画面SP1、SP2を含むサブ画面のそれぞれを第1階層の画面という。また、第1階層の画面で入力操作部4eに対して操作が行われた結果表示される画面を第2階層の画面という。
図3では、サブ画面SP1で後述の決定キー12を操作することにより表示されるメニュー画面NP1を第2階層の画面という。
同様に、第2階層の画面で入力操作部4eに対して操作が行われた結果表示される画面、
図3では、メニュー画面NP1で項目「12 初期設定」が選択された結果表示されるメニュー画面NP2を第3階層の画面という。同様に、第3階層の画面で入力操作部4eに対して操作が行われた結果表示される画面、
図3では、メニュー画面NP2で項目「1 時刻設定」が選択された結果表示されるメニュー画面NP3を第4階層の画面という。
【0016】
操作装置4は
図1に示すように、据置型のリモートコントローラである。操作装置4の筐体41は、円筒形状を有し、筐体41の上面は、ユーザが操作装置4を操作する際の手前側から奥側に向かって傾斜し、その中央に矩形状の表示部4fが配置され、表示部4fの周囲を取り囲むように入力操作部4eが配置されている。
入力操作部4eは、選択キー11と決定キー12とを含み、これら選択キー11及び決定キー12はタッチセンサで形成されている。選択キー11は、4つの選択キー11a~11dを含む。表示部4fを基準にして、選択キー11aは奥側に、選択キー11bは手前側に、選択キー11cは左側に、選択キー11dは右側にそれぞれ配置される。また、決定キー12は表示部4fの右下コーナーに配置される。
【0017】
選択キー11aは、ユーザの選択画面や選択項目を現在のものより人間の感覚的に上に位置するものに切り替えるためのキーである。選択キー11bは、ユーザの選択画面や選択項目を現在のものより人間の感覚的に左に位置するものに切り替えるためのキーである。選択キー11cは、ユーザの選択画面や選択項目を現在のものより人間の感覚的に下に位置するものに切り替えるためのキーである。選択キー11dは、ユーザの選択画面や選択項目を現在のものより人間の感覚的に右に位置するものに切り替えるためのキーである。
【0018】
決定キー12は、選択キー11によりカーソルを移動させることにより選択された項目や、メニュー画面で、選択キー11の操作により設定された情報等を確定するためのキーであり、決定キー12に対する操作が行われたとき、装置制御部4aは、決定キー12が操作されたときにカーソルで選択されていた項目が選択されたと判定する。また、決定キー12は、選択キー11の操作により設定された情報などが確定されたことを認識する。
また、筐体41の上面の、表示部4fの手前側には、近接センサ4cが設けられている。近接センサ4cは、2つの非接触式センサ4ca、4cbが、左右方向に間隔をあけて配置されている。
【0019】
このような構成を有する操作装置4において、ユーザが近接センサ4cを覆うように手をかざすことにより、近接センサ4cから検出信号が出力される。この検出信号を受けて、装置制御部4aでは、操作装置4の起動が指示されたと判定する。また、ユーザが近接センサ4cの上を、手を振るように往復させることにより、2つの非接触式センサ4ca、4cbから間隔をあけて検出信号が出力される。この2つの非接触式センサ4ca、4cbそれぞれから異なるタイミングで出力される検出信号を受けて、装置制御部4aでは、例えば、非接触式センサ4caから非接触式センサ4cb方向へ、続いてその逆の方向へと、ユーザが手を往復させたと判定し、空気調和機1の起動又は停止が指示されたと判定する。
【0020】
また、
図3に示すように、操作装置4において、メイン画面MPが表示部4fに表示されている状態で、選択キー11dがタッチされると、サブ画面SP1が表示され、再度選択キー11dがタッチされると、サブ画面SP2が表示される。また、サブ画面SP2が表示されている状態で、選択キー11cがタッチされると、サブ画面SP1が表示され、さらに選択キー11cがタッチされるとメイン画面MPが表示される。このように、第1階層の画面が表示されている状態で、選択キー11dがタッチされると、表示部4fに表示される画面が、
図3において、表示中の設定画面の右隣に位置する設定画面に切り替わり、選択キー11cがタッチされると、表示中の設定画面の左隣に位置する設定画面に切り替わる。
【0021】
また、第1階層の画面であるサブ画面SP1が表示部4fに表示されている状態で、選択キー11bがタッチされると、
図3において、サブ画面SP1の下層である第2階層の画面であるメニュー画面NP1が表示部4fに表示される。第2階層の画面であるメニュー画面NP1に、選択可能な機能の項目が一覧表示された状態で、選択キー11eがタッチされると、選択可能な機能の項目のいずれか一つと重なって表示されるカーソルの位置が下に移動し、選択キー11aがタッチされるとメニュー画面NP1において、カーソルの位置が上に移動する。メニュー画面NP1で、決定キー12がタッチされると、カーソルと重なる位置の選択項目が選択されたものと判定されてこの選択項目に対応する第3階層のメニュー画面が表示される。
図3に示すように、メニュー画面NP1において選択項目である「12 初期設定」の位置にカーソルがある状態で決定キー12がタッチされると、初期設定が選択されたとして下位の第3階層のメニュー画面NP2が表示部4fに表示される。このメニュー画面NP2において選択項目である「1 時刻設定」の位置にカーソルがある状態で決定キー12がタッチされると、下位の第4階層のメニュー画面NP3が表示部4fに表示される。この時刻設定のためのメニュー画面NP3が表示部4fに表示されている状態で、選択キー11a又は11dを操作すると、時刻を表す数値が増減し、決定キー12がタッチされると、図示しない下位の第5階層のメニュー画面NP4が表示され、決定キー12がタッチされた時点でメニュー画面NP3に表示されている時刻が、現時点における時刻として確定される。
【0022】
次に、操作装置4の処理手順を、
図4のフローチャートに基づいて説明する。
装置制御部4aは、起動されると通常モードで動作し(ステップS1)、表示部4fには、初期画面が表示される。装置制御部4aは、入力操作部4eに対して操作が行われる毎に操作回数をカウントする(ステップS2)。入力操作部4eに対して操作が行われてから一定時間が経過するまでの間に入力操作部4eに対して操作が行われたならば(ステップS3-N)、ステップS1に戻って、引き続き通常モードで動作し、入力操作部4eに対する操作に応じて表示部4fに表示される設定画面を切り替える。そして、入力操作部4eに対する操作が行われてから一定時間が経過するまでに次の操作が行われない場合には、保持時間を設定する(ステップS4)。具体的には、ステップS2でカウントした操作回数と、乗算係数αとを乗算し、乗算値を保持時間とする。つまり、保持時間は、操作回数が多いほどより長い時間に設定される。乗算係数αは、操作回数に対して予め設定された係数であ
る。
【0023】
次いで、次のステップへと進み、省電力モードに移行する(ステップS5)。このとき省電力モードに移行した時点からの経過時間の計測を開始する。また、表示部4fの表示情報として、現時点で表示部4fに表示されている設定画面を表示情報として維持する。
そして、入力操作が行われないときには(ステップS6ーN)、ステップS5の処理を繰り返し行い、省電力モードを維持する。入力操作が行われたときには(ステップS6ーY)、ステップS7に移行する。ステップS7では、省電力モードに移行した時点から保持時間が経過したか否かを判定し、保持時間が経過していれば(ステップS7ーY)、次のステップへと進む。次のステップでは、表示情報として初期画面を設定する(ステップS8)。その後、ステップS1に戻り、通常モードに移行する。省電力モードで動作中に、入力操作部4eに対して操作が行われた時点で、省電力モードに移行してからの経過時間が保持時間以上のときには、初期画面が表示情報として設定される。そのため、通常モードに移行したとき、表示部fには、初期画面が表示される。
【0024】
一方、省電力モードに移行してからの経過時間が保持時間未満のときには(ステップS7ーN)、省電力モード移行したときの設定画面が表示情報として維持される(ステップS9)。そして、ステップS1に戻り、通常モードに移行する。省電力モードで動作中に、入力操作部4eに対して操作が行われた時点で、省電力モードに移行してからの経過時間が保持時間より短い場合には、省電力モードに移行した時点で表示されていた設定画面が表示情報として設定される。そのため、通常モードに移行したとき、表示部4fには、省電力モードに移行したときに表示されていた設定画面が表示される。
【0025】
次に、上記実施形態の動作を
図3から
図5を伴って説明する。
操作装置4において、例えば、現在時刻を設定する場合、現在時刻を設定するためのメニュー画面NP3は
図3に示すように、サブ画面SP1の下位の第4階層にあるため、メニュー画面NP3を表示させる必要がある。
ユーザは、まず、操作装置4の表示部4f上で手をかざす等をして操作装置4を起動する。操作装置4が起動されると、操作装置4は通常モードで動作し、表示部4fに初期画面としてメイン画面MPが表示される。
【0026】
続いて、選択キー11dをタッチすると、メイン画面MPに替えて、サブ画面SP1が表示部4fに表示される。続いて、選択キー11b及び決定キー12をタッチ操作することにより、表示部4fに第1階層の画面であるサブ画面SP4から第2階層の画面であるメニュー画面NP1、第3階層の画面であるメニュー画面NP2、第4階層の画面であるメニュー画面NP3が表示部4fに表示される。メニュー画面NP3が表示されている状態で、選択キー11をタッチ操作して時刻の設定を行い、決定キー12をタッチ操作することにより、設定された時刻が、現在時刻として確定される。
ユーザが、メニュー画面NP3が表示されるまで、一定時間が経過する前に、選択キー11或いは決定キー12に対して操作を行った場合には、
図4のステップS2の処理が繰り返し行われ、操作回数がカウントされると共に、表示部4fにおける画面表示が順に切り替わり、メニュー画面NP3が表示される。
【0027】
また、例えば、表示部4fにメニュー画面NP3が表示された状態で、ユーザが入力操作部4eに対する操作を中断すると、一定時間が経過するまでは、表示部4fにはメニュー画面NP1が表示されたままであるが、一定時間が経過すると、省電力モードに移行し、例えば表示部4fの画面表示を消灯させる(ステップS5)。また、メニュー画面NP3が表示された時点でのユーザの操作回数が、メイン画面MPからサブ画面SP1を表示するための選択キー11dの操作、メニュー画面NP1を表示させるための選択キー11bの操作、メニュー画面NP2を表示させるための選択キー11b及び決定キー12の操作、メニュー画面NP3を表示させるための選択キー11b及び決定キー12の操作の、例えば計7回であったとすると、保持時間は「7×α」として設定される(ステップS4)。
【0028】
そして、省電力モードで動作しているときに、保持時間「7×α」が経過する前に再び入力操作部4eに対して操作が行われると(ステップS6)、表示部4fには、
図5に示すように省電力モードの状態P0から、メニュー画面NP3が表示されることになる(ステップS7、S8)。つまり、中断前に表示されていたメニュー画面NP3が引き続き表示されるため、ユーザは、入力操作の中断前の状態から引き続き時刻設定を行うことができる。
【0029】
一方、メニュー画面NP3が表示された状態で、ユーザが入力操作部4eに対する操作を中断し、ユーザが入力操作部4eに対して操作を行ってから保持時間「7×α」が経過した後に操作が行われると(ステップS6、S7)、表示部4fには、
図5に示すように省電力モードの状態P0から、初期画面(メイン画面MP)が表示されることになる(ステップS8)。
表示部4fに初期画面としてメイン画面MPが表示されている状態から、表示部4fにメニュー画面NP3を表示させるためには、入力操作部4eに対する複数回の操作が必要となる。そのため、操作回数が多いほど、保持時間を長くし初期画面(メイン画面MP)に戻り難くすることで、ユーザが入力操作部4eに対して操作を行う際に、考えている途中で初期画面(メイン画面MP)に戻ってしまうことを抑制しやすくすることができる。また、保持時間を経過した後は初期画面(メイン画面MP)を表示させることにより、例えば他ユーザが設定する際の混乱を抑止することができる。
また、入力操作部4eに対する操作を中断している間は、表示部4fは省電力モードとなる。そのため、操作を中断している間の消費電力の削減を図ることができる。
【0030】
なお、上記実施形態においては、ユーザの操作回数に応じて保持時間を設定するとしたが、これに限るものではない。例えばユーザが最初に入力操作部4eに対する操作を開始した時刻から、省電力モードとなる前に、最後に入力操作を行った時刻までの時間を保持時間として設定してもよい。つまり、表示部に初期画面(メイン画面MP)が表示されている状態で入力操作部4eに対する操作が開始された時刻から、省電力モードに移行したときに表示部に表示される設定画面に至るまでの間に、入力操作部4eに対する操作が最後に行われた時刻までの時間を操作時間として測定し、操作時間に応じた時間を保持時間として設定してもよい。具体的には、操作時間と、操作時間に対して予め設定された係数とを乗算した値を保持時間としてもよい。
【0031】
また、例えば、初期画面(メイン画面MP)から操作を中断した時の現画面に至るまでに遷移した画面数をカウントし、カウント数に応じた時間を保持時間として設定してもよい。具体的には、カウント数と、カウント数に対して予め設定された係数とを乗算した値を保持時間としてもよい。
また、初期画面(メイン画面MP)から操作を中断した時の現画面に至るまでの階層数を検出し、階層数に応じた時間を保持時間として設定してもよい。具体的には、階層数と、階層数に対して予め設定された係数とを乗算した値を保持時間としてもよい。
また、上記実施形態においては、操作装置4として、据置型の操作装置を用いた場合について説明したが、これに限るものではなく、手に持って操作するタイプの操作装置や、壁に取り付けられている操作装置等であっても適用することができる。
【0032】
以上、本発明の実施形態を説明したが、上記実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
【符号の説明】
【0033】
1 空気調和機
2 室内機
2a 室内機制御部
2b 室内機通信部
3 室外機
4 操作装置
4a 装置制御部
4aa 記憶部
4b 装置通信部
4c 近接センサ
4e 入力操作部
4f 表示部
4g 記憶部
11 選択キー
12 決定キー