(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-16
(45)【発行日】2024-07-24
(54)【発明の名称】車両用バッテリシステム
(51)【国際特許分類】
H02J 7/10 20060101AFI20240717BHJP
H02J 7/14 20060101ALI20240717BHJP
H01M 10/48 20060101ALI20240717BHJP
B60R 16/03 20060101ALI20240717BHJP
【FI】
H02J7/10 B
H02J7/14 M
H01M10/48 P
B60R16/03 A
(21)【出願番号】P 2020066087
(22)【出願日】2020-04-01
【審査請求日】2023-02-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000003137
【氏名又は名称】マツダ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100133916
【氏名又は名称】佐藤 興
(72)【発明者】
【氏名】宮部 貴盛
(72)【発明者】
【氏名】北村 成基
(72)【発明者】
【氏名】爲谷 栄太郎
(72)【発明者】
【氏名】増田 渉
【審査官】高野 誠治
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-054373(JP,A)
【文献】特開2017-099125(JP,A)
【文献】特開2004-112900(JP,A)
【文献】特開2019-110707(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00 - 7/12
H02J 7/34 - 7/36
H02J 7/14 - 7/32
H01M 10/42 -10/48
B60R 16/00 -17/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発電装置が搭載された車両のバッテリシステムにおいて、
車両に交換可能に搭載されるとともに前記発電装置によって充電されて車両の補器類に電力供給を行う充電式バッテリと、
リチウムイオンバッテリからなる第1バッテリと当該第1バッテリよりも充電効率の低い第2バッテリのいずれのバッテリが前記充電式バッテリとして車両に搭載されているのかを判定し、前記充電式バッテリとして前記第2バッテリが搭載されていると判定したときは、前記第1バッテリが搭載されていると判定したときよりも前記発電装置の発電電圧の最大値である最大発電電圧を
高くする、制御手段とを備える、ことを特徴とする車両用バッテリシステム。
【請求項2】
請求項1に記載の車両用バッテリシステムにおいて、
前記第1バッテリには、前記制御手段からの指令を受けて特定の信号を当該制御手段に送信可能な信号送信部を有する種類のバッテリが含まれており、
前記制御手段は、前記充電式バッテリに対して前記特定の信号を前記制御手段に対して送信するように指令を出し、前記特定の信号を受信した場合は、前記充電式バッテリとして前記第1バッテリが搭載されていると判定し、前記特定の信号を受信しなかった場合は、前記充電式バッテリとして前記第2バッテリが搭載されていると判定する、ことを特徴とする車両用バッテリシステム。
【請求項3】
請求項2に記載の車両用バッテリシステムにおいて、
前記制御手段は、イグニッションスイッチがオンになってから前記発電装置が発電を開始するまでの間に、前記充電式バッテリとして前記第1バッテリと前記第2バッテリのいずれか車両に搭載されているのかを判定する、ことを特徴とする車両用バッテリシステム。
【請求項4】
請求項1に記載の車両用バッテリシステムにおいて、
前記制御手段は、前記充電式バッテリを流れる電流の情報を受け取り可能な電流情報受け取り部を備え、前記充電式バッテリの充電時に前記電流情報受け取り部が受け取った情報に基づいて、前記充電式バッテリが前記第1バッテリであるか前記第2バッテリであるかを判定する、ことを特徴とする車両用バッテリシステム。
【請求項5】
請求項4に記載の車両用バッテリシステムにおいて、
前記制御手段は、前記電流情報受け取り部が受け取った情報に基づいて前記充電式バッテリの充電時に当該充電式バッテリを流れる電流が所定の判定電流を超えたか否かを判定し、前記電流が前記判定電流を超えた場合は前記充電式バッテリが前記第1バッテリであると判定し、その他の場合は前記充電式バッテリが前記第2バッテリであると判定することを特徴とする車両用バッテリシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発電装置が搭載された車両のバッテリシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両には、各種の補器類に電力供給を行うためのバッテリおよびこれを充電する発電装置が搭載されている。例えば、特許文献1には、バッテリとして、リチウムイオンバッテリと鉛バッテリ(特許文献1では鉛酸バッテリ)の2つのバッテリが搭載されて、これら2つのバッテリがそれぞれ発電装置により充電されるとともに、これら2つのバッテリからそれぞれ補器類に電力供給が行われる車両が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の車両とは異なり、発電装置からの電力供給を受けて充電される充電式バッテリであって各種の補器類に電力供給を行うものとして1個のバッテリが搭載され、且つ、このバッテリを利用者が交換可能とされた車両がある。このような車両では、利用者が、充電式バッテリを、車両出荷時のバッテリとは異なる種類のバッテリに交換するおそれがある。具体的には、車両出荷時の充電式バッテリがリチウムイオンバッテリであるのに対して、利用者が、これをリチウムイオンバッテリよりも充電効率の低い他の種類のバッテリに交換するおそれがある。
【0005】
ここで、充電効率が高いリチウムイオンバッテリでは、これを充電する発電装置の発電電圧が過度に高いと、バッテリが過充電となって損傷するおそれがある。これに対して発電装置の発電電圧を予め低くしておけば、バッテリの損傷を防止できる。しかし、前記のような車両において、単に発電装置の発電電圧を低くした場合には、利用者が充電式バッテリとしてリチウムイオンバッテリに代えて充電効率の低いバッテリに交換したときに、充電式バッテリが短期間で十分に充電されず充電量が不足するおそれがある。
【0006】
本発明は、前記のような事情に鑑みてなされたものであり、搭載されたバッテリの種類にかかわらず、バッテリの損傷およびバッテリの充電量不足を防止できる車両用バッテリシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、本発明は、発電装置が搭載された車両のバッテリシステムにおいて、車両に交換可能に搭載されるとともに前記発電装置によって充電されて車両の補器類に電力供給を行う充電式バッテリと、リチウムイオンバッテリからなる第1バッテリと当該第1バッテリよりも充電効率の低い第2バッテリのいずれのバッテリが前記充電式バッテリとして車両に搭載されているのかを判定し、前記充電式バッテリとして前記第2バッテリが搭載されていると判定したときは、前記第1バッテリが搭載されていると判定したときよりも前記発電装置の発電電圧の最大値である最大発電電圧を高くする、制御手段とを備える、ことを特徴とする(請求項1)。
【0008】
本発明によれば、車両に搭載された充電式バッテリが充電効率の高いリチウムイオンバッテリからなる第1バッテリであるか、充電効率の低い第2バッテリであるかの判定が行われて、充電式バッテリが第1バッテリの場合は、発電装置の発電電力が低くされる。そのため、発電装置から過大な電力がリチウムイオンバッテリに供給されるのを防止でき、この過大な電力供給によってリチウムイオンバッテリが過充電される、ひいては、故障等するのを防止できる。そして、充電式バッテリが充電効率の低い第2バッテリの場合は、発電装置の発電電力が高くされることで、バッテリの充電速度を高くできる。従って、利用者が、充電式バッテリとしてリチウムイオンバッテリからなる第1バッテリと第2バッテリのいずれを車両に搭載しても、バッテリの損傷を防止できるとともにバッテリの充電量が不足するのを防止できる。
【0009】
前記構成において、好ましくは、前記第1バッテリには、前記制御手段からの指令を受けて特定の信号を当該制御手段に送信可能な信号送信部を有する種類のバッテリが含まれており、前記制御手段は、前記充電式バッテリに対して前記特定の信号を前記制御手段に対して送信するように指令を出し、前記特定の信号を受信した場合は、前記充電式バッテリとして前記第1バッテリが搭載されていると判定し、前記特定の信号を受信しなかった場合は、前記充電式バッテリとして前記第2バッテリが搭載されていると判定する(請求項2)。
【0010】
この構成によれば、充電式バッテリから出力される信号に基づいて、充電式バッテリが第1バッテリと第2バッテリのいずれであるかを適切に且つ容易に判定することができる。
【0011】
前記構成において、好ましくは、前記制御手段は、イグニッションスイッチがオンになってから前記発電装置が発電を開始するまでの間に、前記充電式バッテリとして前記第1バッテリと前記第2バッテリのいずれか車両に搭載されているのかを判定する(請求項3)。
【0012】
この構成によれば、発電装置による充電式バッテリの充電開始時から、発電装置の発電電力を充電式バッテリの種類に応じた適切な電圧に制御することができ、充電式バッテリの損傷と充電不足とを確実に防止できる。
【0013】
前記とは別の構成として、前記制御手段は、前記充電式バッテリを流れる電流の情報を受け取り可能な電流情報受け取り部を備え、前記充電式バッテリの充電時に前記電流情報受け取り部が受け取った情報に基づいて、前記充電式バッテリが前記第1バッテリであるか前記第2バッテリであるかを判定する、としてもよい(請求項4)。
【0014】
この構成によっても、電流情報受け取り部が受け取った電流に係る情報に基づいて、充電式バッテリが第1バッテリであるか否かを適切に判定できる。
【0015】
前記構成において、好ましくは、前記制御手段は、前記電流情報受け取り部が受け取った情報に基づいて前記充電式バッテリの充電時に当該充電式バッテリを流れる電流が所定の判定電流を超えたか否かを判定し、前記電流が前記判定電流を超えた場合は前記充電式バッテリが前記第1バッテリであると判定し、その他の場合は前記充電式バッテリが前記第2バッテリであると判定する(請求項5)。
【0016】
この構成によれば、充電効率の高い第1バッテリの方が充電効率の低い第2バッテリよりも充電時にバッテリを流れる電流が高くなることを利用して、充電式バッテリが第1バッテリであるか否かを適切に判定できる。
【発明の効果】
【0017】
以上説明したように、本発明の車両用バッテリシステムによれば、搭載されたバッテリの種類にかかわらず、バッテリの損傷およびバッテリの充電量不足を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の一実施形態に係る車両用バッテリシステムが搭載された車両の構成を概略的に示した図である。
【
図2】Liバッテリの構成を概略的に示した図である。
【
図3】鉛バッテリの構成を概略的に示した図である。
【
図4】Liバッテリと鉛バッテリの充電電流を比較して示した図である。
【
図5】Liバッテリが搭載されたときの車両の制御系統を示したブロック図である。
【
図6】鉛バッテリが搭載されたときの車両の制御系統を示したブロック図である。
【
図7】第1実施形態に係るバッテリの判定手順およびオルタネータの制御手順を示したフローチャートである。
【
図8】第1実施形態に係るバッテリの判定手順およびオルタネータの制御手順を説明するためのタイムチャートである。
【
図9】第2実施形態に係るバッテリの判定手順およびオルタネータの制御手順を示したフローチャートである。
【
図10】第2実施形態に係るバッテリの判定手順およびオルタネータの制御手順を説明するためのタイムチャートである。
【
図11】第2実施形態の変形例における
図10相当のタイムチャートである。
【
図12】Liバッテリと鉛バッテリの充電量を比較して示した図である。
【0019】
(車両の全体構成)
図1は、本発明の実施形態に係る車両用バッテリシステム100が搭載された車両1の構成を概略的に示す図である。車両1は、エンジン2、変速機3、オルタネータ4、スタータ5、充電式バッテリ200を備える。
【0020】
図1の例では、エンジン2は、一列に並ぶ4つの気筒2cを備えた直列4気筒エンジンである。本実施形態では、エンジン2は、ガソリンを含む燃料により駆動されるエンジンである。エンジン2は、各気筒2c内に燃料を噴射するインジェクタ11(
図4参照)と、各気筒2c内の混合気(空気と燃料の混合気)に点火する点火プラグ12(
図4参照)とを備えている。インジェクタ11と点火プラグ12とは、1つの気筒2cにつき1つずつ設けられている。エンジン2は、車両1の前部に設けられたエンジンルームR内に、車両の駆動源として搭載されている。車両1は、例えば4輪自動車であり、エンジン2の駆動力は、クランクシャフトから変速機3、終減速機、駆動軸等を介して車輪1aに伝達される。
【0021】
オルタネータ4は、ベルト等を介してエンジン2のクランクシャフトに連結されており、クランクシャフトによって回転駆動されて発電する。このオルタネータ4は、請求項の「発電装置」に相当する。本実施形態では、オルタネータ4は、車両の減速時にエンジン2の回転エネルギーを電気に変換する、いわゆる減速回生を行うように構成されている。
【0022】
スタータ5は、エンジン2を始動するための装置である。スタータ5は、車両1に設けられて運転者がエンジン2を始動させるために操作可能なIGスイッチ(イグニッションスイッチ)SW1(
図4参照)がオンに操作されると、エンジン2のクランクシャフトを回転させる。
【0023】
充電式バッテリ200は、オルタネータ4からの電力供給を受けて充電されるバッテリである。充電式バッテリ200は、インジェクタ11、点火プラグ12およびスタータ5等の車両1に設けられた各種の補器類と電気的に接続されており、これらに電力供給を行う。充電式バッテリ200は、エンジンルームRに設けられたバッテリ載置部9に載置されている。バッテリ載置部9は、車外から容易に手が届く位置に設けられている。図例では、バッテリ載置部9は、エンジンルームRの上部に設けられており、利用者が、エンジンルームRの上方からバッテリ載置部9に充電式バッテリ200を容易に載置できるように構成されている。
【0024】
バッテリ載置部9は、充電式バッテリ200として、リチウムイオンバッテリからなる第1バッテリ(以下、Liバッテリという)と鉛バッテリとを利用できるように構成されている。具体的には、車両1の出荷時には、車両1にはLiバッテリが搭載されている。しかし、Liバッテリの劣化等に伴ってこれを交換する際に、利用者がLiバッテリではなく公称電圧がこれと同等の鉛バッテリをバッテリ載置部9に載置する場合が想定される。これに対応して、車両1では、充電式バッテリ200としてLiバッテリに代えて鉛バッテリが用意された場合であっても鉛バッテリを搭載できるようにバッテリ載置部9が構成されている。なお、充電式バッテリ200として利用可能なバッテリの公称電圧は例えば12Vである。前記の鉛バッテリは、請求項の「第2バッテリ」に相当する。
【0025】
図2は、Liバッテリ20の構成を説明するための模式図である。Liバッテリ20は、正極にリチウムを含み、正極と負極との間でのリチウムイオンの移動により充放電するバッテリである。Liバッテリ20は、箱状のバッテリケース21と、バッテリケース21の内側に収容されたバッテリセル22と、バッテリケース21の外側面に設けられた一対の外部端子23(正極端子23a、負極端子23b)を有する。本実施形態では、Liバッテリ20は、複数の(図例では4つ)バッテリセル22を有する。これらバッテリセル22は直列に接続されている。
【0026】
バッテリケース21内には、さらに、Liバッテリ電流センサSN21およびBMU(Battery Management Unit)24が設けられている。
【0027】
Liバッテリ電流センサSN21は、Liバッテリ10を流れる電流を検出するためのセンサである。BMU24は、Liバッテリ20を管理するための装置である。BMU24は、周知のCPU、ROM、RAM等から構成されるマイクロプロセッサからなる。BMU24は、Liバッテリ電流センサSN21の検出値等に基づいてLiバッテリ6の充電量の演算等を行う。
【0028】
図3は、鉛バッテリ30の構成を説明するための模式図である。鉛バッテリ30は、正極および負極に鉛を含み、電解液として希硫酸が用いられたバッテリであり、電極と電解液との間での硫酸イオンの移動により充放電する。Liバッテリ20とほぼ同様に、鉛バッテリ30も、箱状のバッテリケース31と、バッテリケース31の内側に収容されたバッテリセル32と、バッテリケース31の外側面に設けられた一対の外部端子33(正極端子33a、負極端子33b)を有する。本実施形態では、鉛バッテリ30は、直列接続された複数の(図例では6つ)バッテリセル32を有する。
【0029】
車両1には、充電式バッテリ200に装着されるコネクタ13が設けられている。充電式バッテリ200と、これと電気的に接続されるオルタネータ4等の各機器とはコネクタ13とコネクタ13から延びるハーネスとによって接続される。コネクタ13は、Liバッテリ20と鉛バッテリ30の両方に装着できるように構成されている。例えば、コネクタ13は、各バッテリ20、30の正極端子23a、33aに装着される。なお、各バッテリ20、30の負極端子23b、33bは車体(アース)に接続される。
【0030】
(バッテリの特性)
図4は、公称電圧が互いに等しいLiバッテリ20と鉛バッテリ30とをそれぞれ同じ電圧で充電したときのこれらの充電電流(充電時にバッテリを流れる電流)を比較して示したグラフである。
図4のグラフの横軸は充電開始からの時間であり、縦軸が充電電流である。
【0031】
図4に示されるように、Liバッテリ20の方が鉛バッテリ30よりも、充電開始直後の充電電流の増大速度が大きい。また、Liバッテリ20の充電電流の最大値(X1)の方が、鉛バッテリ30の充電電流の最大値(X2)よりも高い。そして、Liバッテリ20では時刻txにて満充電となり充電電流がゼロ付近まで落ちるのに対して、鉛バッテリ30では時刻tx後も充電が継続しており、Liバッテリ20の充電時間の方が鉛バッテリ30の充電時間よりも短く抑えられる。このように、Liバッテリ20と鉛バッテリ30とでは充電効率が異なっており、Liバッテリの方が鉛バッテリ30よりも充電効率が高くなっている。
【0032】
(制御系統)
図5、
図6は、車両1の制御系統を示したブロック図である。
図5は、充電式バッテリ200がLiバッテリ20の場合のブロック図であり、
図6は、充電式バッテリ200が鉛バッテリ30の場合のブロック図である。車両1には、車両全体を統括的に制御するためのPCM90が搭載されている。PCM90は、周知のCPU、ROM、RAM等から構成されるマイクロプロセッサである。このPCM90は、請求項の「制御手段」に相当する。
【0033】
PCM90には、車両1に設けられた各種センサからの信号が入力される。例えば、PCM90には、アクセルペダル(不図示)の開度を検出するためのアクセルセンサSN1、ブレーキペダル(不図示)の踏み込み量を検出するためのブレーキペダルセンサSN2、車速を検出する車速センサSN3等の検出値が入力される。PCM90は、これらセンサSN1~SN3の検出値等に基づいて、インジェクタ11や点火プラグ12等のエンジン2の各部を制御して車両1を走行させる。
【0034】
PCM90は、スタータ5と電気的に接続されているとともに、IGスイッチSW1と電気的に接続されている。IGスイッチSW1がオンに操作されると、PCM90は、その操作信号を受けてスタータ5を回転駆動させる。
【0035】
PCM90は、オルタネータ4と電気的に接続されており、オルタネータ4を駆動・停止させる。また、PCM90は、後述するようにオルタネータ4の発電電圧の上限値である最大発電電圧を決定するとともに、オルタネータ4の発電電圧がこの最大発電電圧以下となるようにオルタネータ4を制御する。
【0036】
PCM90は、充電式バッテリ200と電気的に接続されており、充電式バッテリ200からの電力を受けて作動する。
【0037】
また、PCM90には、Liバッテリ20のBMU24との間で信号をやり取りするバッテリ通信部91が設けられている。本実施形態では、充電式バッテリ200がLiバッテリ20の場合において、コネクタ13がLiバッテリ20に装着されることでバッテリ通信部91ひいてはPCM90とBMU24とは通信可能に接続される。このバッテリ通信部91は、請求項の「電流情報受け取り部」に相当する。
【0038】
BMU24は、PCM90(バッテリ通信部91)に対して、Liバッテリ電流センサSN21の検出値つまりLiバッテリ20を流れる電流の値や、演算したLiバッテリ6の充電量等の情報を送信する。
【0039】
また、本実施形態では、BMU24は、Liバッテリ20であることを報知するために予め設定された特定の信号をPCM90に対して出力できるように構成されており、PCM90からこの特定の信号を出力するように指令を受けると、特定の信号をPCM90に送信する。以下では、適宜、この特定の信号をLiバッテリ信号という。また、本実施形態では、このLiバッテリ信号をPCM90に送信するBMU24が、請求項の「信号送信部」に相当する。
【0040】
なお、鉛バッテリ30は、バッテリ通信部91と通信可能には構成されてはおらず、充電式バッテリ200として鉛バッテリ30が車両1に搭載されてコネクタ13が鉛バッテリ30に装着された場合は、バッテリ通信部91には信号は入力されない。
【0041】
(バッテリの判定および発電電圧の制御)
前記のように、Liバッテリ20の発電効率は高い。そのため、充電式バッテリ200がLiバッテリ20であるときにオルタネータ4の発電電圧を高くすると、Liバッテリ20が過充電されて損傷するおそれがある。これより、充電式バッテリ200がLiバッテリ20の場合は、オルタネータ4の発電電力を低くすることが望まれる。一方、鉛バッテリ30の発電効率は低い。そのため、充電式バッテリ200が鉛バッテリ30のときにオルタネータ4の発電電圧を低くすると、鉛バッテリ30の充電速度が非常に遅くなって充電量が確保されないおそれがある。これより、充電式バッテリ200が鉛バッテリ30の場合は、オルタネータ4の発電電力を高くすることが望まれる。このように、Liバッテリ20と鉛バッテリ30とでは、充電時におけるオルタネータ4の発電電力の望ましい値が異なる。そこで、PCM90は、Liバッテリ20と鉛バッテリ30のいずれが充電式バッテリ200として車両1に搭載されているかを判定し、オルタネータ4の発電電圧をバッテリの種類に対応した適切な電圧に制御する。
【0042】
(第1実施形態)
第1実施形態に係る、前記の判定およびオルタネータ4の発電電圧の制御手順について
図7のフローチャートを用いて説明する。
【0043】
まず、ステップS1にて、PCM90は、IGスイッチSW1がオフからオンになったか否かを判定する。ステップS1の判定がNOであってIGスイッチSW1がオフのままの場合は、PCM90は、以降のステップを実施することなく処理を終了する(ステップS1に戻る)。一方、ステップS1の判定がYESであってIGスイッチSW1がオフからオンになったときは、PCM90は、ステップS2に進む。つまり、ステップS2以降のステップは、IGスイッチSW1がオフからオンになると開始される。
【0044】
ステップS2にて、PCM90は、バッテリ通信部91を介して、充電式バッテリ200に対してLiバッテリ信号をPCM90に送信するように指令を出す。次に、ステップS3にて、PCM90は、充電式バッテリ200からLiバッテリ信号が送信されたか否かを判定する。
【0045】
前記のように、PCM90とLiバッテリ20のBMU24とはバッテリ通信部91を介して通信可能であり、PCM90から指令を受けるとBMU24はLiバッテリ信号をPCM90(バッテリ通信部91)に送信するように構成されている。一方、鉛バッテリ30とバッテリ通信部91およびPCM90とは通信不能であり、鉛バッテリ30からはPCM90(バッテリ通信部91)に対して信号が送信されない。
【0046】
これより、ステップS3の判定がYESであって充電式バッテリ200からLiバッテリ信号が送信された場合、つまり、バッテリ通信部91においてLiバッテリ信号を受信した場合は、ステップS6にて、PCM90は、充電式バッテリ200がLiバッテリ20であると判定する。ステップS6の後はステップS7にて、PCM90は、オルタネータ4の最大発電電圧をLiバッテリ用最大電圧に設定する。Liバッテリ用最大電圧は予め設定されてPCM90に記憶されている。例えば、Liバッテリ用最大電圧は14.0Vに設定されている。ステップS7の後は、ステップS8に進む。
【0047】
一方、ステップS3の判定がNOであって充電式バッテリ200からLiバッテリ信号が送信されなかったと判定した場合、つまり、バッテリ通信部91においてLiバッテリ信号を受信しなかった場合、ステップS4にて、PCM90は、充電式バッテリ200が鉛バッテリ30であると判定する。ステップS4の後はステップS5にて、PCM90は、オルタネータ4の最大発電電圧をLiバッテリ用最大電圧よりも高い鉛バッテリ用最大電圧に設定する。鉛バッテリ最大電圧は予め設定されてPCM90に記憶されている。例えば、鉛バッテリ最大電圧は14.4Vに設定されている。ステップS5の後は、ステップS8に進む。
【0048】
ステップS8にて、PCM90は、オルタネータ4の駆動を許可する。つまり、ステップS1の判定がYESでありIGスイッチSW1がオフからオンになったときは、ステップS2~ステップS8が実施されて充電式バッテリ200がLiバッテリ20であるか鉛バッテリ30であるかの判定およびこの判定に基づくオルタネータ4の最大発電電圧の設定が行われるまで、オルタネータ4の駆動は禁止されており、前記の判定および設定が行われた後にはじめてオルタネータ4の駆動が可能とされる。換言すると、前記の判定および設定は、IGスイッチSW1がオンになってからオルタネータ4が駆動されるまでの間に実施される。
【0049】
以上の制御が実施されたときの各パラメータの変化を模式的に示すと
図8のようになる。
図8は、充電式バッテリ200が鉛バッテリ30であると判定されてオルタネータ4の最大発電電圧が鉛バッテリ用最大電圧V_Pbに設定されている状態で、時刻t1にてIGスイッチSW1がオフからオンに操作されたときの例である。
【0050】
時刻t1でIGスイッチSW1がオンにされると、その後の時刻t2にて、PCM90(バッテリ通信部91)から充電式バッテリ200に対して、Liバッテリ信号の送信を要求する信号が出力される。
【0051】
このとき、充電式バッテリ200がLiバッテリ20の場合は、Liバッテリ20(BMU24)がこの要求信号を受信して、実線に示すように、時刻t3にてLiバッテリ20からPCM90(バッテリ通信部91)に対してLiバッテリ信号が送信される。そして、PCM90は、Liバッテリ信号を受信すると、充電式バッテリ200がLiバッテリ20であると判定し、実線に示すように、時刻t4にて、オルタネータ4の最大発電電圧をLiバッテリ用発電電圧V_Liに設定する。
【0052】
これに対して、充電式バッテリ200が鉛バッテリ30の場合は、PCM90(バッテリ通信部91)からの前記の要求信号を充電式バッテリ200が受信しないとともに、鎖線に示すように、時刻t3において、Liバッテリ信号が充電式バッテリ200からPCM90に送信されない。これより、PCM90は、充電式バッテリ200が鉛バッテリ30であると判定し、鎖線に示すように、時刻t4にて、オルタネータ4の最大発電電圧を鉛バッテリ用発電電圧V_Pbに設定する(維持する)。
【0053】
(第1実施形態の作用等)
以上のように、本実施形態では、充電式バッテリ200として、Liバッテリ20と鉛バッテリ30の両方を利用可能に構成されており、利便性の高い車両を提供することができる。ただし、Liバッテリ20と鉛バッテリ30とでは充電効率が異なる。これに対して、充電式バッテリ200がLiバッテリ20であるか鉛バッテリ30であるかの判定が行われる。そして、充電式バッテリ200が充電効率の高いLiバッテリ20の場合は、オルタネータ4の最大発電電圧が低くされる。そのため、オルタネータ4から過大な電力がLiバッテリ20に供給されるのを防止でき、Liバッテリ20の過充電および故障を防止できる。また、充電式バッテリ200が充電効率の低い鉛バッテリ30の場合は、オルタネータ4の最大発電電圧が高くされる。そのため、オルタネータの発電電圧をより高くして、鉛バッテリ30を早期に充電することができ、鉛バッテリ30つまり充電式バッテリ200の充電量を確保できる。
【0054】
特に、この第1実施形態では、Liバッテリ20のBMU24から出力されるLiバッテリ信号を利用して充電式バッテリ200がLiバッテリ20と鉛バッテリ30のいずれであるかを判定しており、この判定を適切に且つ容易に判定することができる。
【0055】
しかも、この判定方法では、オルタネータ4を駆動させなくても前記の判定を行える。これに対応して、前記の実施形態では、IGスイッチSW1がオンにされてからオルタネータ4の駆動が開始されるまでの間に、充電式バッテリ200の判定を行っている。そのため、オルタネータ4による充電式バッテリ200の充電開始時から、オルタネータ4の発電電力を充電式バッテリ200の種類に応じた適切な電圧にすることができ、より確実に、充電式バッテリ200の故障および充電量の不足を防止できる。
【0056】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る、充電式バッテリ200がLiバッテリ20であるか鉛バッテリ30であるかの判定手順について説明する。第2実施形態では、このバッテリ判定手順を除く他の構成は第1実施形態と同様であり、以下では、バッテリ判定手順の説明のみ説明を行う。
【0057】
図9は、第2実施形態に係るバッテリ判定手順を示したフローチャートである。
【0058】
まず、ステップS11にて、PCM90は、充電式バッテリ200の充電中であるか否かを判定する。具体的には、PCM90は、アクセル開度等に基づいて減速回生の実施条件が成立したか否かを判定し、この条件が成立するとオルタネータ4による発電を開始させて充電式バッテリ200を充電させるようになっている。これより、第2実施形態では、PCM90は、減速回生の実施条件が成立していれば充電式バッテリ200の充電中であると判定する。
【0059】
ステップS11の判定がNOであって、充電式バッテリ200の充電中ではない場合は、PCM90はそのまま処理を終了する(ステップS1に戻る)。
【0060】
一方、ステップS11の判定がYESであって、充電式バッテリ200の充電中である場合は、ステップS12に進み、PCM90は充電式バッテリ200を流れる電流である充電電流が予め設定された判定電流を超えたか否かを判定する。
【0061】
具体的には、ステップS12にて、PCM90は、充電式バッテリ200を開始してから所定の期間が経過するまでの間に、充電電流が判定電流を超えたか否かを判定する。判定電流は、
図4に示すように、充電式バッテリ200がLiバッテリ20であるときの充電式バッテリ200の充電電流の最大値X1よりも低く、且つ、充電式バッテリ200が鉛バッテリ30であるときの充電式バッテリ200の充電電流の最大値X2よりも高い値である。本実施形態では、判定電流は予め設定されてPCM90に記憶されている。また、前記の所定期間は、Liバッテリ20において充電を開始してから充電電流が最大となるまでの期間と鉛バッテリ30におけるこの期間のいずれの期間よりも長い期間に設定されている。これより、充電式バッテリ200がLiバッテリ20の場合は、充電式バッテリ200を開始してから所定の期間が経過するまでの間に、充電式バッテリ200の充電電流は判定電流を超える。
【0062】
前記のように、充電式バッテリ200がLiバッテリ20の場合は、BMU24およびバッテリ通信部91を介して、Liバッテリ電流センサSN21により検出されたLiバッテリ20の充電電流の値がPCM90に送信される。これより、充電式バッテリ200がLiバッテリ20の場合は、PCM90は、充電式バッテリ200の充電電流が判定電流を超えたことを検知できる。
【0063】
従って、ステップS3の判定がYESであって充電式バッテリ200の充電電流が判定電流を超えた場合は、ステップS15にて、PCM90は、充電式バッテリ200がLiバッテリ20であると判定する。そして、ステップS16にて、PCM90は、オルタネータ4の最大発電電圧をLiバッテリ用発電電圧V_Liに設定する。
【0064】
一方、充電式バッテリ200が鉛バッテリ30の場合は、充電式バッテリ200を流れる電流の値はPCM90に送信されない。これより、ステップS3の判定はYESにはなり得ない。従って、ステップS3の判定がNOであって充電式バッテリ200の充電電流が判定電流を超えたと判定されなかった場合は、ステップS13に進み、PCM90は、充電式バッテリ200が鉛バッテリ30であると判定する。そして、ステップS14にて、PCM90は、オルタネータ4の最大発電電圧を鉛バッテリ用最大電圧V_Pbに設定する。
【0065】
以上の第2実施形態に係る制御が実施されたときの各パラメータの変化を模式的に示すと
図10のようになる。なお、
図10には、充電式バッテリ200が鉛バッテリ30であると判定されてオルタネータ4の最大電圧が鉛バッテリ用最大電圧V_Pbに設定されている状態で、時刻t11にて減速回生が開始したときの変化を例示している。
【0066】
アクセル開度がゼロであること等を含む減速回生の実施条件が成立すると、時刻t11にて減速回生が開始されて、オルタネータ4による発電および充電式バッテリ200の充電が開始される。なお、
図10の上から2つ目のグラフは減速回生の実施フラグであって減速回生の実施中は1となり、その他のときは0となるパラメータである。
【0067】
時刻t11で充電式バッテリ200の充電が開始されると、充電式バッテリ200の充電電流は増大していく。このとき、充電式バッテリ200がLiバッテリ20の場合は、充電式バッテリ200からPCM90に充電式バッテリ200の充電電流の値が送信されるとともに、実線で示すように、所定の時刻t12にてこの充電電流が判定電流を超えたことをPCM90が検知する。これより、PCM90は、充電式バッテリ200がLiバッテリ20であると判定し、実線に示すように、時刻t12にて、オルタネータ4の最大発電電圧をLiバッテリ用発電電圧V_Liに設定する。
【0068】
一方、充電式バッテリ200が鉛バッテリ30の場合は、充電式バッテリ200からPCM90に充電式バッテリ200の充電電流の値が送信されず、PCM90において、充電開始から所定の期間の間に充電式バッテリ200の充電電流が判定電流を超えた、との判定はなされない。例えば、
図10の鎖線で示すように、PCM90は充電式バッテリ200の充電電流の値をゼロと認識する。これより、充電開始から所定の期間が経過した時刻t13にて、PCM90は、充電式バッテリ200が鉛バッテリ30であると判定し、オルタネータ4の最大発電電圧を
鉛バッテリ用最大電圧V_Pbに設定する(維持する)。
【0069】
(第2実施形態の作用等)
以上のように、第2実施形態では、充電時の充電式バッテリ200の充電電流が判定電流を超えた場合は、充電式バッテリ200がLiバッテリ20であると判定され、その他の場合は充電式バッテリ200か鉛バッテリ30であると判定される。前記のように、Liバッテリ20の方が鉛バッテリ30よりも充電効率が高いことに伴い、充電式バッテリ200がLiバッテリ20の場合は充電電流が判定電流を超え、鉛バッテリ30の場合は充電電流は判定電流を超えない。これより、この第2実施形態に係る判定手順によっても、充電式バッテリ200がLiバッテリ20であるか鉛バッテリ30であるかを確実に判定できる。
【0070】
(変形例)
前記第2実施形態では、PCM90が鉛バッテリ30を流れる電流の値を認識できない場合を説明したが、PCM90が鉛バッテリ30を流れる電流の値を認識できるように構成されてもよい。例えば、充電式バッテリ200に装着されるコネクタ201等に、充電式バッテリ200を流れる電流を検出可能なセンサを取り付けて、充電式バッテリ200がLiバッテリ20と鉛バッテリ30のいずれであっても、充電式バッテリ200を流れる電流がPCM90に入力されるように構成してもよい。そして、このような構成においても、鉛バッテリ30の充電電流の最大値よりも高く且つLiバッテリ20の充電電流の最大値よりも低い値に判定電流が設定されていることで、充電時に充電式バッテリ200の充電電流が判定電流を超えるか否かによって、充電式バッテリ200がLiバッテリ20と鉛バッテリ30のいずれであるかを適切に判定できる。具体的には、この構成において充電式バッテリ200が鉛バッテリ30の場合は、PCM90が認識する充電式バッテリ200の充電電流は
図11の鎖線に示すようになり、判定電流は超えない。従って、充電電流が判定電流を超えた場合は充電式バッテリ200はLiバッテリ20であり、その他の場合(充電電流が判定電流を超えない場合)は充電式バッテリ200は鉛バッテリ30であるという、前記実施形態の判定によって、充電式バッテリ200の種類が適切に判定される。
【0071】
また、前記の第2実施形態では、充電時の充電式バッテリ200の充電電流が判定電流を超えるか否かによって、充電式バッテリ200がLiバッテリ20であるか鉛バッテリ30であるかを判定した場合を説明したが、これに代えて、充電時の充電式バッテリ200の充電電流を所定の期間にわたって積算した量である充電量が所定値を超えるか否かによって前記の判定を行ってもよい。
【0072】
具体的には、Liバッテリ20の方が鉛バッテリ30よりも充電効率が高いことに伴い、
図12の領域A1の面積で表されるLiバッテリ20の充電量(充電開始から所定の時期tyまでの期間にわたってLiバッテリ20の充電電流を積算した量)の方が、
図12の領域A2の面積で表される鉛バッテリ30の充電量(充電開始から所定の時期tyまでの期間にわたって鉛バッテリ30の充電電流を積算した量)よりも大きくなる。これより、鉛バッテリ30の充電量よりも大きく、且つ、Liバッテリ20の充電量よりも低い値に前記の所定値を設定すれば、充電式バッテリ200がLiバッテリ20のときは充電式バッテリ200の充電量が所定値を超え、その他のときは充電式バッテリ200の充電量は所定値を超えないことになる。これより、充電式バッテリ200の充電量が所定値を超えるか否かの判定によっても、充電式バッテリ200がLiバッテリ20であるか鉛バッテリ30であるかを適切に判定できる。
【0073】
また、前記第1実施形態および第2実施形態では、Liバッテリ20よりも充電効率の低い第2バッテリとして鉛バッテリ30を例示したが、第2バッテリの種類は鉛バッテリ30に限らない。
【0074】
また、充電式バッテリ200は、利用者が交換可能な状態で搭載されていればよく、その搭載場所や搭載構造は前記に限らない。例えば、充電式バッテリ200は、車両後部に設けられた荷室等に搭載されてもよい。
【符号の説明】
【0075】
1 車両
4 オルタネータ(発電装置)
5 スタータ(補器類)
20 Liバッテリ(リチウムイオンバッテリ、第1バッテリ)
24 BMU(信号送信部)
30 鉛バッテリ(第2バッテリ)
90 PCM(制御手段)
91 バッテリ通信部(電流情報受け取り部)
200 充電式バッテリ
SW1 IGスイッチ(イグニッションスイッチ)