IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東レ株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-ポリエステル仮撚糸および編織物 図1
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-16
(45)【発行日】2024-07-24
(54)【発明の名称】ポリエステル仮撚糸および編織物
(51)【国際特許分類】
   D02G 3/34 20060101AFI20240717BHJP
   D03D 15/43 20210101ALI20240717BHJP
   D03D 15/37 20210101ALI20240717BHJP
   D01F 6/62 20060101ALI20240717BHJP
【FI】
D02G3/34
D03D15/43
D03D15/37
D01F6/62 301B
D01F6/62 303C
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020088832
(22)【出願日】2020-05-21
(65)【公開番号】P2021183732
(43)【公開日】2021-12-02
【審査請求日】2023-03-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000003159
【氏名又は名称】東レ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】須山 浩史
(72)【発明者】
【氏名】小澤 昌弘
【審査官】中西 聡
(56)【参考文献】
【文献】特開昭62-282031(JP,A)
【文献】特開平04-370216(JP,A)
【文献】特開平09-111560(JP,A)
【文献】特開2016-191174(JP,A)
【文献】特開平08-218241(JP,A)
【文献】国際公開第94/018365(WO,A1)
【文献】米国特許第04242862(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D02G、D03D、D01F
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長さ方向に太細ムラを有するポリエステル仮撚糸であって、ホモポリマーからなり、無機微粒子含有率が0.3~3.0質量%であり、沸騰水収縮率が4~9%であり、捲縮率が26~45%であり、単糸断面が6~10ヶの凹部を有し1種類の糸による局所的単糸糸長差が5~20%であることを特徴とするポリエステル仮撚糸。
【請求項2】
前記ホモポリマーがポリエチレンテレフタレートである、請求項1に記載にポリエステル仮撚糸。
【請求項3】
単糸間で太細ムラに位相差があることを特徴とする、請求項1または2に記載にポリエステル仮撚糸。
【請求項4】
交絡度が50~150ヶ/mであることを特徴とする、請求項1~のいずれかに記載のポリエステル仮撚糸。
【請求項5】
請求項1~のいずれかに記載の仮撚糸を用いたことを特徴とする織編物。
【請求項6】
洗濯20回後のJIS L 1058法:2011 7.2によるスナッグ試験の結果が3級以上であることを特徴とする、請求項に記載の織編物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、梳毛調ポリエステル仮撚糸の課題であった、耐スナッグ性を改良し、かつナチュラルな杢感、ふくらみ感、落ち着いた光沢を有するポリエステル仮撚糸及びそれからなる織編物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ポリエステル糸は、他の合成繊維に比べてハリ腰感が高く、かつシワになりにくいので、スーツ、ジャケット、スラックス等において天然ウール素材の置き換えとして使用されており、外観や風合い、光沢をウールライクにした梳毛調ポリエステル加工糸が種々開発されてきている。ポリエステル糸に梳毛調外観や風合を付与する従来技術としては、ポリエステル糸を構成する各々のフィラメントに、長さ方向に未延伸部(太部)と延伸部(細部)を設け、太部と細部をフィラメント糸中で分散させて存在させた糸がよく知られている(特許文献1参照)。しかしながら、上記糸は、そのような加工を施していないポリエステル仮撚糸に比べて杢調外観などの点で優れているものの、ウールのようなナチュラルな杢感、ふくらみ感は有しておらず、また仮撚で断面が扁平化することのよる合繊特有のギラギラした光沢が課題であった。
【0003】
また、上記の太細延伸技術と異型断面フィラメント糸を組み合わせた技術として、凹部を有する異形断面フィラメントを不均一に延伸したポリエステルマルチフィラメント糸(特許文献2参照)や、2種類以上の異なる多葉型断面形状の単フィラメントが分散して混繊されたポリエステルマルチフィラメント糸が提案されている(特許文献3参照)。これらの糸は吸水性や清涼感に優れているが、ナチュラルな杢感、ふくらみ感は有していなかった。
【0004】
一方、繊度の異なる2種類のポリエステルフィラメント糸からなる芯鞘型の混繊加工糸において、鞘部の糸に太細部を設け、自然な杢調を発現せしめたポリエステル混繊加工糸(特許文献4参照)や、イオン性染色糸のシックアンドシン仮撚糸と非イオン性染色糸のシックアンドシン仮撚糸が交絡した、多色カスリムラ効果と凹凸手触り感を有する、自然感のあるスパンライクな風合いを有する複合仮撚糸が提案されている(特許文献5参照)。これらの手法ではナチュラルな杢感、ふくらみ感を得ることができるものの、繰り返し洗濯時に2種類のフィラメントが分離して、耐スナッグ性が悪化するという課題があり、アウター用衣服には適用しにくいものであった。
【0005】
このように従来の技術では、梳毛調のナチュラルな杢感、ふくらみ感、落ち着いた光沢と、品質課題である耐スナッグ性の洗濯耐久性を満足させる加工糸は得られていなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開昭60-181316号公報
【文献】特開平4-91219号公報
【文献】特開平8-218241号公報
【文献】特開2003-119640号公報
【文献】特開2001-20144号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、梳毛調ポリエステル仮撚糸の課題であった、繰り返し洗濯後の耐スナッグ性を改善し、かつナチュラルな杢感、ふくらみ感、落ち着いた光沢を有する仮撚糸及びそれからなる織編物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる課題を解決するため本発明のポリエステル仮撚糸は、以下のいずかの構成を有する。
(1) 長さ方向に太細ムラを有するポリエステル仮撚糸であって、捲縮率が26~45%、局所的単糸糸長差が5~20%であることを特徴とするポリエステル仮撚糸。
(2) 単糸間で太細ムラに位相差があることを特徴とする、前記(1)に記載にポリエステル仮撚糸。
(3) ホモポリマーからなることを特徴とする、前記(1)または(2)に記載のポリエステル仮撚糸。
(4) 単糸断面が6~10ヶの凹部を有することを特徴とする、前記(1)~(3)のいずれかに記載のポリエステル仮撚糸。
(5) 交絡度が50~150ヶ/mであることを特徴とする、前記(1)~(4)のいずれかに記載のポリエステル仮撚糸。
(6) 前記(1)~(5)のいずれかに記載の仮撚糸を用いたことを特徴とする織編物。
(7) 洗濯20回後のJIS L 1058法:2011 7.2によるスナッグ試験の結果が3級以上であることを特徴とする、前記(6)に記載の織編物。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、繰り返し洗濯後の耐スナッグ性が改良された、ナチュラルな杢感、ふくらみ感、落ち着いた光沢を有するポリエステル仮撚糸及びそれからなる織編物を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】ポリエステル仮撚糸を構成する単糸の横断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明のポリエステル仮撚糸を構成するポリマーとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどの芳香族系ポリエステル、ポリ乳酸、ポリグリコール酸などの脂肪族系ポリエステルなどが挙げられるが、なかでも、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、およびポリブチレンテレフタレートは、繊維の機械的特性や耐久性に優れ、捲縮が堅牢であるため好ましい。より好ましくは、未延伸部分の糸強度が高くなるポリエチレンテレフタレートである。
【0012】
ポリエチレンテレフタレートとしては、テレフタル酸を主たる酸成分とし、エチレングリコールを主たるグリコール成分とする、90モル%以上がエチレンテレフタレートの繰り返し単位からなるポリエステルを用いることができる。また、本発明の効果を阻害しない範囲内において、他のエステル結合を形成可能な共重合成分を含んでも良い。共重合可能な化合物としては、例えばイソフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、ダイマ酸、セバシン酸、スルホン酸などのジカルボンサン類を例示できる。
【0013】
本発明のポリエステル仮撚糸は、長さ方向に未延伸部(太部)と延伸部(細部)との太細ムラを有する。このような構成により、織編物にした際、太部が濃染、細部が淡染に染色され、杢調外観及びふくらみ感を得ることができる。ここで、長さ方向に太細ムラがない仮撚糸はプレーンな表面外観でふくらみ感を得ることができない。
【0014】
そして、本発明においては、単糸間で太細ムラに位相差を設ける、すなわち単糸間で太部や細部の位置を長さ方向に分散させることが好ましい。こうすることで、入射光を拡散反射することができ、ギラツキをよりおさえることができる。単糸間で太細ムラに位相差がない仮撚糸は、合繊特有のギラツキ光沢を生じやすい。
【0015】
本発明のポリエステル仮撚糸は、捲縮率が26~45(%)であることが重要である。本発明のポリエステル仮撚糸は未延伸部(太部)を有するので、低配向の未延伸部に付与される捲縮は、延伸部(細部)対比、弱くなる傾向にあるが、仮撚糸として捲縮率を26%以上有することができれば、織編物に高いストレッチ性及びふくらみ感を付与することができる。ここで、捲縮率が26%未満であれば、ふくらみ感が不足し、梳毛調の風合いを得ることができない。また捲縮率が45%を超えると、太部の単糸捲縮が織物表面に飛び出すようになり、耐スナッグ性が低下する。
【0016】
また本発明のポリエステル仮撚糸として、例えばポリエチレンテレフタレートとポリトリメチレンテレフタレートのバイメタル構造の糸を採用することも可能であるが、捲縮が強くなりすぎ、耐スナッグ性が低下しやすいので、ホモポリマーからなるポリエステル仮撚糸が好ましい。
【0017】
本発明のポリエステル仮撚糸は、局所的単糸糸長差が5~20%であることが重要である。ここでいう局所的単糸糸長差とは、仮撚糸を短い長さでみた場合の、それを構成する単糸の糸長差であって、具体的には、任意の5cm間という局所的な単糸の糸長差のことである。従来、織編物にナチュラルな杢感、ふくらみ感を付与するには、2種類以上の糸からなる芯鞘型複合糸とし、その芯部を構成する糸と鞘部を構成する糸とに糸長差を付与する方法が考えられていたが、その手法では繰り返し洗濯後に交絡が外れ、鞘部を構成するフィラメントが織編物表面に飛び出し、耐スナッグ性が低下しやすい。また、2種類の糸の複合では、混繊バラツキが発生しやすく、織編物に染着差によるスジ欠点が発生しやすい。これに対して、本発明においては、ポリエステル仮撚糸を構成する単糸が上述の範囲の局所的単糸糸長差を有するようにすることで、ナチュラルな杢感、ふくらみ感を発現するだけでなく、優れた耐スナッグ性を発現し、さらに、混繊バラツキや染着差によるスジ欠点の発生を防ぐことができる。
【0018】
本発明においては、局所的単糸糸長差が5%以上あることで、織編物にナチュラルな杢調外観、ふくらみ感を付与できる。かつ局所的にみた場合に単糸糸長差が存在するような織編物では、繰り返し洗濯後もフィラメントが織編物表面に飛び出し難く、耐スナッグ性が良好である。単糸糸長差が5%未満であると、単調な杢調外観になりで、ふくらみ感も乏しくなる。一方、単糸糸長差が20%を超えると、太部の単糸捲縮が織物表面に飛び出すようになり、スナッグが低下する。
【0019】
そして、かかる単糸糸長差を発現させるために、例えば上述したように、単糸の太細ムラの位相を単糸間で長さ方向に分散する場合には、入射光を拡散反射することができ、ギラツキをおさえることができる。
【0020】
また、本発明のポリエステル仮撚糸において、局所的単糸糸長差は2種類の糸の複合による糸長差ではなく、1種類の糸による局所的な単糸糸長差であることが好ましい。
【0021】
本発明のポリエステル仮撚糸は、それを構成する単糸の断面が、6~10ヶの凹部を有する非円形断面であることが好ましい。単糸の断面が6~10ヶの凹部を有することで、入射光を拡散反射することができ、ギラツキをおさえることができる。また凹部を有することで、ホットピン延伸時に単糸がばらけやすくなり、その結果、単糸間で太細部の位相がずれることで、局所的単糸糸長差が発生しやすくなる。ここで、凹部が6ヶ未満であると、ギラツキが発生しやすくなり、単調な杢調外観になりやすく、ふくらみ感も低下し易く好ましくない。一方凹部が10ヶを超えると、凹部の深さが浅くなり、ギラツキ低減効果が小さくなり好ましくない。より好ましい凹部の個数は7~9個である。なお、凹部とは、図1に示すように、繊維横断面図において、断面輪郭に複数の接点S1、S2で接する直線T1を引いた時、その接点間に存在する凹部(U)を意味する。
【0022】
また、本発明のポリエステル仮撚糸は無機微粒子を含有していてもよく、その無機微粒子含有率は、ポリエステル仮撚糸の0.3~3.0質量%であることが、ギラツキをおさえることができ好ましい。ここで、無機微粒子含有率が0.3質量%未満であると、ギラツキが強くなりやすく、かつフィラメント間の摩擦が高くなり、繰り返し洗濯においてフィラメントが飛び出しやすくなり、耐スナッグ性が低下しやすいので、好ましくない。また、無機微粒子含有率が3.0質量%を超えると、染色時に濃色が出にくくなり、好ましくない。より好ましい無機微粒子含有率は0.5~2.5質量%である。なお、無機微粒子としては、二酸化チタン、シリカ、カオリナイト、アルミナ等任意の無機粒子を用いて問題ないが、好ましくは屈折率が高く、光散乱効果の高い酸化チタンである。
【0023】
本発明のポリエステル仮撚糸は、沸騰水収縮率が4~9%であることが好ましい。沸騰水収縮率が9%を超えると、繰り返し洗濯において単糸の太部が飛び出しやすくなり、耐スナッグ性が低下するので好ましくない。また沸騰水収縮率が4%未満であると、ふくらみ感が低下するので好ましくない。
【0024】
本発明のポリエステル仮撚糸の総繊度は、50~450dtexであることが、ハリ腰を織編物に付与する点で好ましい。該総繊度が上記好ましい範囲から外れると、衣服としたときハリ腰が不十分で、ギラツキが目立ち易くなるおそれがある。
【0025】
一方、ポリエステル仮撚糸を構成する単糸の繊度は、0.5~10dtexであることが、ハリ腰を織編物に付与する点で好ましい。該単糸繊度がそれぞれ上記好ましい範囲から外れると、繰り返し洗濯を受けた際においても、太部の単糸捲縮が織物表面に飛び出し易く、スナッグが発生しやすくなるおそれがある。
【0026】
また本発明のポリエステル仮撚糸の交絡度は50~150ヶ/mであることが好ましい。交絡度が50ヶ/m未満であると、繰り返し洗濯後に太部の単糸捲縮が織物表面に飛び出し易くなり、好ましくない。また交絡度が150ヶ/mを超えると、上述の局所的単糸糸長差を発現しにくくなるので、好ましくない。
【0027】
また、本発明のポリエステル仮撚糸には、後工程で撚糸を付与しても何ら問題無い。耐スナッグ性とふくらみ感の両立から、好ましい撚糸数は100~1000T/mであり、さらに好ましくは200~700T/mである。
【0028】
次に、本発明のポリエステル仮撚糸及び織編物の製造方法について説明する。
【0029】
まず、本発明のポリエステル仮撚糸の元糸となる原糸を紡糸するにあたっては、高配向未延伸糸を紡糸することが好ましい。ここで、ホットピン延伸時に単糸間の太細差を強調し局所的に単糸糸長差を発生させやすくするためには、低紡速が好ましく、好ましい紡糸速度は2500~3100m/minである。
【0030】
高配向未延伸糸を本発明の仮撚糸とするためには、仮撚する前にホットピンで低倍率熱処理延伸を行い、太細ムラを単糸に付与し、局所的に単糸糸長差を発生させる。好ましいホットピン延伸条件は1.2~1.6倍である。また、局所的に単糸糸長差を発生させるためには、ホットピン温度は低い方が好ましく、好ましい条件は65~85℃の範囲である。
【0031】
続いて仮撚加工を行うが、仮撚条件としては任意の条件を選定できる。ツイスターにはスピンドル式、フリクションディスク式、ベルトニップ式いずれを用いても構わないが、高速で仮撚可能で単糸捲縮飛び出しが比較的少ないフリクションディスク式が好ましい。
【0032】
仮撚温度は、接触式ヒータの場合、170~215℃であれば、洗濯の繰り返しで劣化しない強固な捲縮付与ができる点で好ましい。
【0033】
仮撚数においては、仮撚係数(仮撚数(T/M)×繊度(dtex)0.5)が27,000~33,000の範囲内となるように設定することが、洗濯繰り返しで劣化しない強固な捲縮を付与する点で好ましい。
【0034】
また、仮撚の前後に任意でインターレースノズルにより交絡を付与することができる。コスト面も考慮して、交絡圧は0.1~0.6(MPa)であることが好ましい。
【0035】
糸加工速度については早ければ生産性が高くなり好ましいが、安定加工性を考慮すると、100~800(m/min)が好ましい。
【0036】
このようにして製造した本発明の仮撚糸を、公知の製織方法、編成方法を用いて、織物や編物とする。織組織や編組織としては公知の如何なる組織をも適用できる。なお本発明においては、織物と編物を総称して「織編物」という。本発明の織編物は組織あるいは密度になんら制約されることはない。
【0037】
製織に用いられる織機は、一般に使用される普通織機、レピア、ウオータージェットルーム、エアージェットルーム等の機種を例示でき、特に限定されることなく採用できる。
【0038】
また、製編の際は、丸編み機、トリコット機およびラッシェル機等、市販の編機を使用することができる。
【0039】
本発明の仮撚糸を、編糸の少なくとも一部に使用する際は、各々の張力を適正化して製編を行う必要がある。編組織としては、天竺、スムース、ポンチ、リブおよびハーフ組織等、任意の設計が可能となる。
【0040】
次に、本発明の仮撚糸を用いた織編物に施される染色加工について説明する。染色加工工程は、一般のポリエステル仮撚糸を用いた織編物の染色工程及び条件に準じて行うことができる。その中で、仮撚捲縮を充分に発現させるため、リラックス熱処理は120℃以上の高温高圧液流リラックス加工とし、織編物にモミ効果を付与することが好ましい。
【0041】
また、洗濯収縮を抑制するため、中間セット温度を170℃以上210℃以下にすることが好ましい。中間セット温度を上記好ましい範囲内とすることで、フィラメントが融着することを防ぐことができる。
【0042】
本発明においては、ソフト風合いを得る面で、織編物にアルカリ減量を施しても構わないが、好ましい減量率は15%以下である。減量率が上記好ましい範囲内であると、繰り返し洗濯や繰り返しても毛羽立ちなどが発生しにくい。
【0043】
本発明の織編物においては洗濯20回後のJIS L 1058法:2011 7.2によるスナッグ試験の結果が3級以上であることが好ましい。これにより、洗濯が繰り返し行われても、スナッグが発生し難い、耐久性に優れたアウター素材に好適な織編物といえる。
【実施例
【0044】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。
【0045】
(1)繊度
枠周1.0mの検尺機を用いて100回分のカセを作製し、下記式に従って繊度を測定した。
繊度(dtex)=100回分のカセ重量(g)×100
【0046】
(2)伸度
試料を引張試験機(オリエンテック製“テンシロン”(TENSILON)UCT-100)でJIS L 1013(2010) 8.5.1 標準時試験に示される定速伸長条件で測定した。この時の掴み間隔は20cm、引張り速度は20cm/分、試験回数は10回とした。なお、破断伸度はSS曲線における最大強力を示した点の伸びから求めた。
【0047】
(3)交絡度
交絡度は、0.1cN/dtexの張力下における1m当たりの交絡部の数であり、糸に0.02cN/dtexの張力下で非交絡部にピンを刺し、糸1mにわたり0.1cN/dtexの張力でピンを糸の長手方向の上下に移動せしめ、抵抗なく移動した部分を非交絡部として移動した距離を記録し、ピンが止まる部分を交絡部とした。この作業を30回繰り返し、その非交絡部の距離の平均値から1m当たりの交絡度を計算した。
【0048】
(4)捲縮率
周長0.8mの検尺機に、90mg/dtexの張力下で糸を10回巻回してカセ取りした後、2cm以下の棒につり下げ、約24時間放置した。このカセをガーゼにくるみ、無緊張状態下で90℃×20分間熱水処理した後、2cm以下の棒につり下げ約12時間放置した。放置後のカセの一端をフックにかけ他端に初荷重と測定荷重をかけ水中に垂下し2分間放置した。このときの初荷重(g)=2mg/dtex、測定荷重(g)=90mg/dtex、水温=20±2℃とした。放置したカセの内側の長さを測り、Lとした。さらに、測定荷重を除き初荷重だけにした状態で2分間放置し、放置したカセの内側の長さを測り、L1とした。次式により、捲縮を求め、この作業を5回繰り返し、平均値により求めた。
捲縮率(%)={(L-L1)/L}×100
【0049】
(5)沸騰水収縮率
JIS L 1013(2010) 8.18.1 かせ寸法変化率(A法)に基づき求めた。
【0050】
(6)凹部個数
加工糸を繊維横断面方向に厚さ5μmでカットした後、光学顕微鏡で断面写真を撮影し、繊維横断面図において、断面輪郭に複数の接点S1、S2で接する直線T1を引いた時、その接点間の凹部個数を数えた。なお、測定は50個のフィラメントの平均で行った。小数第1位を四捨五入して算出した。
【0051】
(7)局所的単糸糸長差
(5)の沸騰水収縮を行ったかせを用いて、任意の箇所から5cmカットして取り出した後、各単糸に分解して、各単糸の長さを測定し、次式により、単糸糸長差を求めた。この作業を5回繰り返し、平均値により求めた。
単糸糸長差(%)=(最大長-最小長)/最小長×100
【0052】
(8)耐スナッグ性(洗濯20回後)
2槽式洗濯機で液温度40℃、洗濯時間5分、すすぎ30℃×2分×2回、脱水30秒のサイクルを洗濯1回とした。洗剤には花王の“アタック”(登録商標)を1g/Lを用い、液量40L、試験布と導布である綿布の重量を合算して830gで実施した。この洗濯作業を20回繰り返した後、JIS L 1058:2011 7.2(針布ローラ法)に従いスナッグ評価を行い、級判定を行った。3級以上が合格である。
【0053】
(9)杢感
実施例で作成した織編物の杢感において、無作為に選んだ30人の評価で最も意見の多かった評価を結果とした。判定が同数の場合は下位の結果を採用した。◎と○は合格と判定できるレベルにある。
◎:杢の長さが規則的でなく、濃染部ベースに淡染部の杢が多く確認でき、天然ウール同様のナチュラルな杢感を有する。
○:杢の長さが規則的でなく、淡染部ベースに濃染部の杢が多く確認でき、ナチュラルな杢感を有する。
△:杢の長さがやや規則的で、人工的な杢感を有する。
×:杢感を有しておらず、フラットな表面感である。
【0054】
(10)ふくらみ感
実施例で作成した織編物のふくらみ感において、無作為に選んだ30人の評価で最も意見の多かった評価を結果とした。判定が同数の場合は下位の結果を採用した。◎と○は合格と判定できるレベルにある。
◎:織編物を握ったときに非常に大きいふくらみを感じる。
○:織編物を握ったときに大きいふくらみを感じる。
△:織編物を握ったときにふくらみ感が不足している。
×:織編物を握ったときにふくらみをほとんど感じない。
【0055】
(11)ギラツキ感
実施例で作成した織編物のギラツキ感においては、ライトボックス内のD65光源下で判定を行い、無作為に選んだ30人の評価で最も意見の多かった評価を結果とした。判定が同数の場合は下位の結果を採用した。◎と○は合格と判定できるレベルにある。
◎:合繊特有のギラツキはなく、大変落ち着いた光沢外観を有する。
○:合繊特有のギラツキはほとんどなく、落ち着いた光沢外観を有する。
△:局所的に合繊特有のギラツキ光沢を有する。
×:全体的に合繊特有のギラツキ光沢を有する。
【0056】
<実施例1>
酸化チタン含有率0.7質量%、八葉断面のポリエチレンテレフタレートを紡速2,8000(m/min)で紡糸し、繊度275dtex、48フィラメント、伸度160%の高配向未延伸糸を得た。そして、上記高配向未延伸糸を、フリクション仮撚機(ATF12:TMTマシナリー製)を用いてフィードローラから給糸し、加工速度:400m/minでまずホットピン75℃で1.5倍の低倍率延伸を行い、その後、延伸倍率:1.1倍、ヒータ温度:200℃、仮撚係数:31,000で仮撚を行い、その後、交絡圧:0.2MPaでインターレース加工を行い、繊度:167dtex、捲縮率:32%、沸騰水収縮率:4.8%、局所的単糸糸長差:9%、交絡数:95ケ/m、凹部個数:8ヶの加工糸を得た。
【0057】
その後、上記糸を経糸・緯糸に用いて、エアージェット織機で平織物に製織を行い、次に、得られた製織生地に対して、98℃拡布連続精練、120℃液流リラックス、180℃の中間セット、分散染料を用いた130℃での紺色染色を行い、さらに160℃仕上げセットを施し、加工密度(経糸:110本/2.54cm、緯糸:90本/2.54cm)の製品とした。
【0058】
得られた織物は天然ウール同様のナチュラルな杢感を有し、ふくらみ感が非常に大きく、大変落ち着いた光沢外観を有しているものであった。また、繰り返し洗濯後の耐スナッグ性も大変優れており、梳毛調アウター衣料として好適であった。
【0059】
<実施例2>
酸化チタン含有率0.7質量%、六葉断面のポリエチレンテレフタレートを紡速2,8000(m/min)で紡糸し、繊度275dtex、48フィラメント、伸度162%の高配向未延伸糸を得た。そして、上記高配向未延伸糸をフリクション仮撚機(ATF12:TMTマシナリー製)を用いてフィードローラから給糸し、加工速度:400m/minでまずホットピン80℃で1.5倍の低倍率延伸を行い、その後、延伸倍率:1.1倍、ヒータ温度:190℃、仮撚係数:30,000で仮撚を行い、その後、交絡圧:0.3MPaでインターレース加工を行い、繊度:167dtex、捲縮率:27%、沸騰水収縮率:6.5%、単糸糸長差:7%、交絡数:132ケ/m、凹部個数:6ヶの加工糸を得た。
【0060】
その後、上記糸に撚糸300T/Mを施してから、経糸・緯糸に用いて、エアージェット織機で平織物に製織を行い、次に、得られた製織生地に対して、98℃拡布連続精練、120℃液流リラックス、180℃の中間セット、分散染料を用いた130℃での紺色染色を行い、さらに160℃仕上げセットを施し、加工密度(経糸:110本/2.54cm、緯糸:90本/2.54cm)の製品とした。
【0061】
得られた織物はナチュラルな杢感を有し、ふくらみ感が大きく、落ち着いた光沢外観を有しているものであった。また、繰り返し洗濯後の耐スナッグ性も大変優れており、梳毛調アウター衣料として好適であった。
【0062】
<実施例3>
酸化チタン含有率2.3質量%、八葉断面のポリエチレンテレフタレートを紡速2,8000(m/min)で紡糸し、繊度275dtex、72フィラメント、伸度158%の高配向未延伸糸を得た。そして、上記高配向未延伸糸をピン仮撚機(TH312:愛機製作所製)を用いてフィードローラから給糸し、加工速度:100m/minでまずホットピン80℃で1.5倍の低倍率延伸を行い、その後、延伸倍率:1.1倍、ヒータ温度:190℃、仮撚係数:33,000で仮撚を行い、その後、交絡圧:0.15MPaでインターレース加工を行い、繊度:167dtex、捲縮率:41%、沸騰水収縮率:4.5%、単糸糸長差:12%、交絡数:58ケ/m、凹部個数:8ヶの加工糸を得た。
【0063】
その後、上記糸を経糸・緯糸に用いて、エアージェット織機で平織物に製織を行い、次に、得られた製織生地に対して、98℃拡布連続精練、120℃液流リラックス、180℃の中間セット、分散染料を用いた130℃での紺色染色を行い、さらに160℃仕上げセットを施し、加工密度(経糸:110本/2.54cm、緯糸:90本/2.54cm)の製品とした。
【0064】
得られた織物は天然ウール同様のナチュラルな杢感を有し、ふくらみ感が非常に大きく、大変落ち着いた光沢外観を有しているものであった。また、繰り返し洗濯後の耐スナッグ性も優れており、梳毛調アウター衣料として好適であった。
【0065】
<比較例1>
酸化チタン含有率0.7質量%、丸断面のポリエチレンテレフタレートを紡速3,2000(m/min)で紡糸し、繊度265dtex、48フィラメント、伸度142%の高配向未延伸糸を得た。そして、上記高配向未延伸糸をフリクション仮撚機(ATF12:TMTマシナリー製)を用いてフィードローラから給糸し、加工速度:400m/minでまずホットピン75℃で1.45倍の低倍率延伸を行い、その後、延伸倍率:1.1倍、ヒータ温度:200℃、仮撚係数:31,000で仮撚を行い、その後、交絡圧:0.2MPaでインターレース加工を行い、繊度:167dtex、捲縮率:33%、沸騰水収縮率:7.5%、単糸糸長差:3%、交絡数:90ケ/m、凹部個数:1ヶの加工糸を得た。
【0066】
その後、上記糸に撚糸300T/Mを施してから、経糸・緯糸に用いて、エアージェット織機で平織物に製織を行い、次に、得られた製織生地に対して、98℃拡布連続精練、120℃液流リラックス、180℃の中間セット、分散染料を用いた130℃での紺色染色を行い、さらに160℃仕上げセットを施し、加工密度(経糸:110本/2.54cm、緯糸:90本/2.54cm)の製品とした。
【0067】
得られた織物は人工的な杢感を有し、ふくらみ感も不足しており、全体的に合繊特有のギラツキ光沢を有するものであった。
【0068】
<比較例2>
酸化チタン含有率0.7質量%、八葉断面のポリエチレンテレフタレートを紡速3,2000(m/min)で紡糸し、繊度265dtex、48フィラメント、伸度143%の高配向未延伸糸を得た。そして、上記高配向未延伸糸をフリクション仮撚機(ATF12:TMTマシナリー製)を用いてフィードローラから給糸し、加工速度:400m/minで延伸倍率:1.6倍、ヒータ温度:200℃、仮撚係数:31,000で仮撚を行い、その後、交絡圧:0.15MPaでインターレース加工を行い、繊度:167dtex、捲縮率:43%、沸騰水収縮率:6.1%、単糸糸長差:2%、交絡数:65ケ/m、凹部個数:8ヶの加工糸を得た。
【0069】
その後、上記糸に撚糸300T/Mを施してから、経糸・緯糸に用いて、エアージェット織機で平織物に製織を行い、次に、得られた製織生地に対して、98℃拡布連続精練、120℃液流リラックス、180℃の中間セット、分散染料を用いた130℃での紺色染色を行い、さらに160℃仕上げセットを施し、加工密度(経糸:110本/2.54cm、緯糸:90本/2.54cm)の製品とした。
【0070】
得られた織物は、落ち着いた光沢を有してはいるが、ふくらみ感が不足しており、杢感も有しておらず、フラットな表面感であった。
【0071】
<比較例3>
酸化チタン含有率0.7質量%のポリエチレンテレフタレートを、四葉型24孔と八葉型24孔を配列した口金を用い、紡速3,2000(m/min)で紡糸し、トータル繊度264dtex、48フィラメント、伸度141%の高配向未延伸糸を得た。そして、上記高配向未延伸糸をフリクション仮撚機(ATF12:TMTマシナリー製)を用いてフィードローラから給糸し、加工速度:400m/minでまずホットピン74℃で1.38倍の低倍率延伸を行い、その後、延伸倍率:1.15倍、ヒータ温度:130℃、仮撚係数:31,000で仮撚を行い、その後、交絡圧:0.35MPaでインターレース加工を行い、繊度:167dtex、捲縮率:23%、沸騰水収縮率:7.7%、単糸糸長差:16%、交絡数:155ケ/m、凹部個数:4ヶ及び8ヶの複合加工糸を得た。
【0072】
その後、上記糸を経糸・緯糸に用いて、エアージェット織機で平織物に製織を行い、次に、得られた製織生地に対して、98℃拡布連続精練、120℃液流リラックス、180℃の中間セット、分散染料を用いた130℃での紺色染色を行い、さらに160℃仕上げセットを施し、加工密度(経糸:110本/2.54cm、緯糸:90本/2.54cm)の製品とした。
【0073】
得られた織物は天然ウール同様のナチュラルな杢感、落ち着いた光沢外観を有しているが、ふくらみ感は不足しており、かつ繰り返し洗濯後は単糸の飛び出しが一部あり、耐スナッグ性は2級であった。
【0074】
<比較例4>
酸化チタン含有率0.7質量%、八葉断面のポリエチレンテレフタレートを紡速3,2000(m/min)で紡糸し、繊度140dtex、36フィラメント、伸度140%の高配向未延伸糸を得た。そして、上記高配向未延伸糸を2本準備し、それぞれを別フィードローラで給糸を行い、フリクション仮撚機(ATF12:TMTマシナリー製)を用いて、加工速度:400m/minで、一方の糸をホットピン75℃で1.5倍の低倍率延伸を行い、もう一方の糸をホットピン110℃で1.7倍の延伸を行い、その後、2本の糸を合流させ、交絡圧:0.25MPaでインターレース加工を行い、その後、延伸倍率:1.05倍、ヒータ温度:2100℃、仮撚係数:31,000で仮撚を行い、繊度:170dtex、捲縮率:8%、沸騰水収縮率:5.3%、単糸糸長差:23%、交絡数:97ケ/m、凹部個数:8ヶの複合加工糸を得た。
【0075】
その後、上記糸に撚糸1000T/Mを施し、経糸・緯糸に用いて、エアージェット織機で平織物に製織を行い、次に、得られた製織生地に対して、98℃拡布連続精練、120℃液流リラックス、180℃の中間セット、分散染料を用いた130℃での紺色染色を行い、さらに160℃仕上げセットを施し、加工密度(経糸:110本/2.54cm、緯糸:90本/2.54cm)の製品とした。
【0076】
得られた織物はナチュラルな杢感、落ち着いた光沢外観、大きなふくらみ感を有しているが、繰り返し洗濯後は単糸の飛び出しが目立ち、耐スナッグ性が1級であった。
【0077】
<比較例5>
酸化チタン含有率0.7質量%のポリエチレンテレフタレート及び酸化チタン含有率0.1質量%のポリトリメチレンテレフタレートを50:50の質量割合でサイドバイドサイド型にバイメタル複合し、紡速3,1000(m/min)で紡糸し、繊度268dtex、48フィラメント、伸度165%の高配向未延伸糸を得た。そして、上記高配向未延伸糸をフリクション仮撚機(ATF12:TMTマシナリー製)を用いてフィードローラから給糸し、加工速度:400m/minでまずホットピン75℃で1.5倍の低倍率延伸を行い、その後、延伸倍率:1.1倍、ヒータ温度:200℃、仮撚係数:32,000で仮撚を行い、その後、交絡圧:0.2MPaでインターレース加工を行い、繊度:167dtex、捲縮率:48%、沸騰水収縮率:7.5%、単糸糸長差:3%、交絡数:87ケ/m、凹部個数:2ヶの加工糸を得た。
【0078】
その後、上記糸に撚糸300T/Mを施し、経糸・緯糸に用いて、エアージェット織機で平織物に製織を行い、次に、得られた製織生地に対して、98℃拡布連続精練、120℃液流リラックス、180℃の中間セット、分散染料を用いた130℃での紺色染色を行い、160℃仕上げセットを施し、加工密度(経糸:110本/2.54cm、緯糸:90本/2.54cm)の製品とした。
【0079】
得られた織物はナチュラルな杢感、非常に大きなふくらみ感を有していたが、局所的に合繊特有のギラツキ光沢を有するものであった。また、かつ繰り返し洗濯後は単糸の飛び出しがあり、耐スナッグ性は2級であった。
【0080】
【表1】
【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明により得られる仮撚糸及び織編物は、アウター衣料としてカジュアルからフォーマル、スポーツ衣料まで幅広く使用される。特に婦人洋装のスーツ、ブレザー、コート、スカート、パンツ、さらには紳士用アウター、ボトム、ジャケットなどの用途に好適に用いられる。
【符号の説明】
【0082】
S1 直線T1と繊維横断面輪郭との接点
S2 直線T1と繊維横断面輪郭との接点
T1 繊維横断面輪郭にS1およびS2で接する直線
U 接点S1および接点S2の間の凹部
図1