(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-16
(45)【発行日】2024-07-24
(54)【発明の名称】洗面台
(51)【国際特許分類】
A47B 67/02 20060101AFI20240717BHJP
A47K 1/00 20060101ALI20240717BHJP
A47B 88/00 20170101ALI20240717BHJP
【FI】
A47B67/02 502P
A47K1/00 W
A47B88/00
(21)【出願番号】P 2020134064
(22)【出願日】2020-08-06
【審査請求日】2023-06-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000010087
【氏名又は名称】TOTO株式会社
(72)【発明者】
【氏名】野田 一輝
(72)【発明者】
【氏名】倉本 達矢
(72)【発明者】
【氏名】一二三 潤
【審査官】神尾 寧
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-189975(JP,A)
【文献】実開平05-041435(JP,U)
【文献】特開2018-138865(JP,A)
【文献】実開平04-131388(JP,U)
【文献】特開平04-180705(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 67/00-67/04
77/00-77/18
83/00-88/994
A47K 1/00- 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
体重計を載置可能な収納ユニットが収納された洗面台であって、
吐水装置と、
前記吐水装置から吐水される水を受ける洗面ボウルと、
前記洗面ボウルより下方に設けられ前面に扉を有する洗面キャビネットと、
ユーザによる起動操作を検知するユーザ操作検知手段と、
前記ユーザ操作検知手段により前記起動操作が検知された場合、前記収納ユニットの少
なくとも一部を前記扉よりも前方まで押し出す押出し部を有する押出し手段と、
前記押出し手段に電力を供給する電源ユニットと、
を備え、
前記洗面キャビネットは、前記扉により前面が閉口されたキャビネット本体収納部と、
前記キャビネット本体収納部の下方において前方に蹴込空間が形成されるように前記扉の前面より後方に配設された蹴込収納部と、を有し、
前記収納ユニットは、
前記蹴込収納部に収納され、
前記押出し手段は、前記洗面キャビネットに設けられ、前記扉よりも後方に位置した状
態で前記収納ユニットの少なくとも一部を前記扉よりも前方まで押し出
し、
前記ユーザ操作検知手段は、前記洗面キャビネットに設けられた非接触センサであって、前後方向において前記蹴込空間の内側を検知するように設けられていることを特徴とす
る洗面台。
【請求項2】
前記ユーザ操作検知手段は、前記収納ユニットが前記蹴込収納部に収納された状態にて
、左右方向において前記収納ユニットの左右方向の幅より外側に位置する前記蹴込空間を
検知するように配設されていることを特徴とする請求項
1記載の洗面台。
【請求項3】
前記ユーザ操作検知手段は、前記キャビネット本体収納部の底面に設けられていること
を特徴とする請求項
1又は請求項
2記載の洗面台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の態様は、洗面キャビネットに収納された体重計に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、洗面台に収納された体重計を取り出す際には、腰を屈める必要があり困難な作業であった。その対策として、例えば、先行文献1のように、洗面台に収納した台車に載置した体重計を台車前面部に設けられたスイッチを立った姿勢のまま、つま先で触れる事により電動で取り出すことが可能な洗面台が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、先行文献1のような構成では、体重計を有する台車を洗面台の前方へ押し出す際に、電動で駆動するモータを内蔵した駆動装置が洗面台から露出するため、例えば、日常の洗面行為により洗面台の正面に位置する床が濡れている場合に、収納ユニットを押し出す際にモータが被水し故障する虞があった。
【0005】
そこで、本発明においては、電動で体重計を洗面台より引き出すことが可能な洗面台において、体重計を引き出した際においても電動で駆動する駆動装置が被水することを抑制しつつ、使い勝手の良い洗面台を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明は、体重計を載置可能な収納ユニットが収納された洗面台であって、吐水装置と、前記吐水装置から吐水される水を受ける洗面ボウルと、前記洗面ボウルより下方に設けられ前面に扉を有する洗面キャビネットと、ユーザによる起動操作を検知するユーザ操作検知手段と、前記ユーザ操作検知手段により前記起動操作が検知された場合、前記収納ユニットの少なくとも一部を前記扉よりも前方まで押し出す押出し部を有する押出し手段と、前記押出し手段に電力を供給する電源ユニットと、を備え、前記収納ユニットは、前記扉よりも後方に収納されており、前記押出し手段は、前記洗面キャビネットに設けられ、前記扉よりも後方に位置した状態で前記収納ユニットの少なくとも一部を前記扉よりも前方まで押し出すことを特徴とする洗面台である。
【0007】
この洗面台によれば、ユーザが体重計を使用したい場合、例えば、ユーザ検知手段に対して、ユーザによる手元操作や足先操作などの起動操作によって、洗面台に収納した体重計を電動で引き出すことができる。その上で、洗面台に収納した体重計を電動で引き出せるようにしたとしても、電動で駆動する押出し手段が被水することを抑制することができる。
従って、電動で体重計を洗面台より引き出すことが可能な洗面台において、体重計を引き出した際においても電動の押出し手段が被水することを抑制しつつ、使い勝手の良い洗面台を提供することができる。
【0008】
第2の発明は、第1の発明において、前記洗面キャビネットは、前記扉により前面が閉
口されたキャビネット本体収納部と、前記キャビネット本体収納部の下方において前方に蹴込空間が形成されるように前記扉の前面より後方に配設された蹴込収納部と、を有し、前記収納ユニットは、前記蹴込収納部に収納され、前記ユーザ操作検知手段は、前記洗面キャビネットに設けられた非接触センサであって、前後方向において前記蹴込空間の内側を検知するように設けられている。
【0009】
この洗面台によれば、ユーザは洗面キャビネットの下方に形成された蹴込空間へ足を挿入することによって、ユーザは腰を屈めることなく容易に体重計を引き出すことができる
。また、前後方向において、蹴込空間の内側を検知することにより、例えば、ユーザが洗濯機の利用のため洗面台の前を横切る際や、洗面台に載置した小物を取る際などユーザが体重計を使用する意図のないタイミングでの誤検知を抑制することができる。
【0010】
第3の発明は、第2の発明において、前記ユーザ操作検知手段は、前記収納ユニットが前記蹴込収納部に収納された状態にて、左右方向において前記収納ユニットの左右方向の幅より外側に位置する前記蹴込空間を検知するように配設されている。
【0011】
この洗面台によれば、ユーザは洗面キャビネットの下方に形成された蹴込空間へ足を挿入することによって体重計を引き出せるとともに、センサの検知領域を左右方向において収納ユニットの左右方向の幅より外側に設けていることにより、例えば、ユーザが洗面台の正面にて洗面行為を行っている際に、意図せずユーザの足先が蹴込空間に入ったとしても、体重計が引き出されることがなくより誤検知を抑制することができる。加えて、ユーザが体重計を引き出す場合には、収納ユニットの左右方向の幅より外側に位置する蹴込空間へ足を挿入することになるため、収納ユニットの動線上にユーザの足を挿入する必要がなく、ユーザの足と収納ユニットとが衝突することを抑制することができる。
【0012】
第4の発明は、第2の発明又は第3の発明において、前記ユーザ操作検知手段は、前記キャビネット本体収納部の底面に設けられている。
【0013】
この洗面台によれば、非接触のセンサを扉より後方に位置するキャビネット本体収納部の底板に設けることにより、洗面行為時に飛び跳ねた水や洗面台の正面に位置する床が濡れている際に収納ユニットを引き出した場合においてもセンサへの被水を抑制しつつ、収納ユニットを引き出す際に、蹴込空間へユーザが足を挿入したとしても、ユーザの足とセンサとが衝突することを抑制できる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の態様によれば、ユーザが体重計を使用したい場合、例えば、ユーザ検知手段に対して、ユーザによる手元操作や足先操作などの起動操作によって、洗面台に収納した体重計を電動で引き出すことができる。その上で、洗面台に収納した体重計を電動で引き出せるようにしたとしても、電動で駆動する押出し手段が被水することを抑制することができる。
従って、電動で体重計を洗面台より引き出すことが可能な洗面台において、体重計を引き出した際においても電動の押出し手段が被水することを抑制しつつ、使い勝手の良い洗面台を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1(a)~
図1(b)は、実施形態に係る洗面台を示す斜視図である。
【
図2】
図1中の洗面台を側方からみた模式的断面図である。
【
図3】実施形態に係る押出し手段を単体で示す斜視図である。
【
図4】実施形態に係る人体検知センサの検出領域を模式的に表す洗面台を側方から見た断面図である。
【
図5】実施形態に係る人体検知センサの検出領域を模式的に表す洗面台を正面からみた正面図である。
【
図6】実施形態に係る収納ユニットが洗面キャビネットに収納されている状態を模式的に示した上面図である。
【
図7】実施形態に係る収納ユニットが洗面キャビネットから引き出されている状態を模式的に示した上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1(a)~
図1(b)は、実施形態に係る洗面台を表す斜視図である。
図1(a)は収納ユニットが洗面キャビネットに収納されている状態であり、
図1(b)は収納ユニットが洗面キャビネットから引き出されている状態を表すものである。
図2は、
図1中の洗面台を側方からみた模式的断面図である。
図3は、実施形態に係る押出し手段を単体で示す斜視図である。
【0017】
洗面台1は、洗面ボウル10と、洗面ボウル10へ向けて吐水流を吐水する吐水装置20と、洗面ボウル10の下方に設けられた洗面キャビネット30と、洗面キャビネット30の下部に収納された体重計5を載置可能な収納ユニット40と、被検知物の有無を検知する人体検知センサ(ユーザ操作検知手段)50と、収納ユニット40を前方へ押し出す押出し手段60と、押出し手段60へ電力を供給する電源ユニット70と、人体検知センサ50からの検知情報に基づいて押出し手段60を制御する制御ユニット80と、を備える。
【0018】
本願明細書においては、洗面台と向き合う使用者からみて手前側を「前方」とし、奥側を「後方」とし、上側を「上方」とし、下側を「下方」とし、右側を「右側方」とし、左側を「左側方」とする。
【0019】
吐水装置20は、吐水部(図示せず)を有し、吐水部から洗面ボウル10に対し、洗面ボウル10の左右方向における略中央に向かって吐水流が吐水される。
【0020】
洗面キャビネット30は、キャビネット本体収納部32と、キャビネット本体収納部3
2に可動可能に設けられた引出し34と、キャビネット本体収納部32の下方において前
方に蹴込空間S1が形成されるように引出し34の前面より後方に配設された蹴込収納部
36と、を有する。
【0021】
キャビネット本体収納部32は、底板32aと、裏板32bと、一対の側板32cとを有する。キャビネット本体収納部32は、底板32a、裏板32b、および一対の側板32cで囲まれた空間を有し、引出し34は、その空間内に収納可能となっているとともに、引出し34の扉34aによりキャビネット本体収納部32の前面は閉口される。
なお、本実施形態においては、キャビネット本体収納部32の前面は引き出し34の扉34aにより閉口されているが、例えば、キャビネット本体収納部32の前面に片開扉や両開き扉を設け、片開扉や両開き扉によりキャビネット本体収納部32の前面が閉口される構成であってもよい。
【0022】
蹴込収納部36は、蹴込板36aと、左右方向において蹴込板36aの夫々の端部から後方に延出する一対の側面板36bと、を有する。
また、蹴込板36aは、左右方向において中央の領域に開口37が形成されている。換言すると、蹴込板36aは、2っの部材から構成され、左右方向において夫々の蹴込板36aの間に開口37が形成されている。
なお、本実施形態においては、キャビネット本体収納部32の側板32cと蹴込収納部36の側面板36bとを夫々別部材にて設けているが、側板32cと側面板36bとを一部材で兼用してもよい。
【0023】
収納ユニット40は、蹴込収納部36の内部に収納され、取っ手42aが設けられた前板42と、体重計を載置可能とする底部44と、底部44の上面において周囲を囲むように設けられる側部46と、左右方向において前板42の両端部に位置する背面から後方に延出する一対のラックギア48と、後方において一対のラックギア48の間を連結するように設けられた連結板48aと、を有している。
詳述すると、収納ユニット40は、開口37に挿入され、蹴込収納部36の内部に収納されている。
なお、本実施形態においては、前板42に取っ手42aが設けられているが、取っ手42aは必要に応じて設けられ、省略可能である。
【0024】
人体検知センサ50は、例えば、マイクロ波センサであって、キャビネット本体収納部32の底板32aの前部に埋め込まれており、蹴込空間S1へのユーザの足先挿入操作を検出する。なお、本実施形態においては、人体検知センサ50はキャビネット本体収納部32の底板32aの前部に埋め込まれているが、例えば、蹴込板36aの前面に設けてもよい。
本願明細書において、「足先挿入操作」とは、ユーザが蹴込空間S1内に足を挿入する
操作である。
【0025】
押出し手段60は、蹴込収納部36の内部に設けられており、右側方及び左側方に位置
する蹴込板36aの後方において、一対のラックギア48に動力を伝達可能な形で夫々キ
ャビネット本体
収納部32の底板32aの下面に固定されている。
詳述すると、
図3に示すように、押出し手段60は、電動で駆動するモータ(図示せず
)が内蔵された押出し装置本体62と、押出し装置本体62をキャビネット本体収納部3
2の底板32aの下面に固定する押出し装置固定部64と、押出し装置本体62から左右
方向において洗面台1の中央に向かって延出し回転する押出し装置回転部66とを有する
。
【0026】
押出し装置回転部66は、モータが回転することにより回転する回転軸66aと、回転軸の先端に設けられたピニオンギア66b、とを有する。
【0027】
電源ユニット70は、キャビネット本体収納部32の裏板32bの前面に設けられている。電源ユニット70は、商用電源と接続可能であり、商用電源の交流電力を直流電力に変換する。
電源ユニット70は、押出し装置本体62と電源線(図示せず)で接続されており、電源線を通じて押出し装置本体62へ電力を供給する。
【0028】
制御ユニット80は、電源ユニット70の下方に位置するキャビネット本体収納部32の裏板32bの前面に設けられている。
制御ユニット80は、押出し装置本体62と通信線(図示せず)で接続されており、通信線を通じて押出し装置本体62に内蔵されたモータを制御する。
本実施形態においては、制御ユニット80から押出し装置本体62への制御信号は通信線を介して送信しているが、無線方式としてもよい。また、制御ユニット80と押出し装置本体62とは一体で構成してもよい。
【0029】
次に、
図4及び
図5を用いて、人体検知センサの検出領域について説明する。
図4は、実施形態に係る人体検知センサの検出領域を模式的に表す洗面台を側方から見た断面図である。
図5は、実施形態に係る人体検知センサの検出領域を模式的に表す洗面台を正面からみた正面図である。
【0030】
図4に表したように、人体検知センサ50は、前後方向において、扉34aの後方且つ蹴込板36aの前方に位置するキャビネット本体収納部32の底板32aに設けられている。人体検知センサ50は、放射状の検知領域DRを有し、キャビネット本体収納部32の底板32aから下方に向かって蹴込空間S1に存在する、例えば、ユーザの足などの被検知物を検知する。換言すると、例えば、ユーザの足先操作によりユーザの足が蹴込空間S1に設けられた検知領域DRに挿入されたことを検知する。
人体検知センサ50の検知領域DRの前端は、前後方向において、蹴込領域S1の内側に設定されている。換言すると、人体検知センサ50の検知領域DRの前端は、前後方向において、引出しの扉34aの前面と面一もしくは引出しの扉34aの前面より後方に設定されている。
【0031】
図5に表したように、人体検知センサ50は、左右方向において、収納ユニット40の前板42より左側方及び右側方側に位置するキャビネット本体収納部32の底面32aに夫々設けられている。この人体検知センサ50は、左右方向において、収納ユニット40の前板42より左側方及び右側方側に位置し、且つ、蹴込板36aの前方に位置する蹴込空間S1に存在する、例えば、ユーザの足などの被検知物を検知している。
そして、左右方向において、人体検知センサ50の検知領域DRの内側に位置する側端は、前板42と前後方向において重ならない位置に放射されるように設けられている。
また、左右方向において、人体検知センサ50の検知領域DRの外側に位置する外側端は、側板32cの外面より内側に設定されている。
なお、本実施形態において、人体検知センサ50は、キャビネット本体収納部32の底面32aにおいて左右方向において両側面側に夫々設けられているが、例えば、利用者の使い勝手に応じて片側面側だけに設けてもよい。
【0032】
次に、人体検知センサ50による人体検知時の収納ユニット40の動作について説明する。
図6は、実施形態に係る収納ユニットが洗面キャビネットに収納されている状態を模式的に示した上面図である。
図7は、実施形態に係る収納ユニットが洗面キャビネットから引き出されている状態を模式的に示した上面図である。
【0033】
図6に示すように、収納ユニット40が蹴込収納部36に収納されている状態においては、収納ユニット40の前板42と蹴込収納部36の蹴込板36aの前面は前後方向において略面一である。
このように収納ユニット40が蹴込収納部36に収納されている状態において、制御ユニット80は、人体検知センサ50によりユーザの足先操作が検知されると押出し装置本体62に内蔵されたモータを始動させる制御を行う。そして、押出し装置本体62に内蔵されたモータが回転し、該回転と連動し押出し装置回転部66が後方に向かって回転する。
なお、本実施形態においては、一対のラックギア48に対応した一対の押出し手段60により、収納ユニット40を洗面台1より前方に押し出しているが、例えば、アーム形状の押出し手段を収納ユニット40の背面側に設け収納ユニット40を後方から押し出す手段も考えられる。
【0034】
押出し装置回転部66が後方に向かって回転すると、押出し装置回転部66に設けられたピニオンギア66bにより、収納ユニット40に設けられたラックギア48が前方に押し出されることによって、収納ユニット40が洗面台1の前方へ押し出される。
【0035】
図7に示すように、押出し装置回転部66によって、収納ユニット40が前方に押し出された状態においては、側部46の後端は、蹴込板36aの前面より前方に押し出される。そのため、ユーザは収納ユニット40から体重計5を取り出すことなく使用することができる。この際、電動で駆動するモータ(図示せず)が内蔵された押出し装置本体62は蹴込収納部36の内部から洗面台1の外部へ露出しない。
【0036】
以上、説明したように、本実施形態に係る洗面台1によれば、ユーザが体重計5を使用したい場合、例えば、人体検知センサ50に対して、ユーザによる手元操作や足先操作などの起動操作によって、洗面台1に収納した体重計5を電動で引き出すことができる。その上で、洗面台1に収納した体重計5を電動で引き出せるようにしたとしても、電動で駆動する押出し手段60が被水することを抑制することができる。
【0037】
さらに、本実施形態に係る洗面台1によれば、ユーザは洗面キャビネット30の下方に形成された蹴込空間S1へ足を挿入することによって、ユーザは腰を屈めることなく容易に体重計5を引き出すことができる。また、前後方向において、蹴込空間S1の内側を検知することにより、例えば、ユーザが洗濯機の利用のため洗面台の前を横切る際や、洗面台に載置した小物を取る際などユーザが体重計5を使用する意図のないタイミングでの誤検知を抑制することができる。
【0038】
また、本実施形態に係る洗面台1によれば、ユーザは洗面キャビネット30の下方に形成された蹴込空間S1へ足を挿入することによって体重計5を引き出せるとともに、センサの検知領域を左右方向において収納ユニットの左右方向の幅より外側に設けていることにより、例えば、ユーザが洗面台1の正面にて洗面行為を行っている際に、意図せずユーザの足先が蹴込空間S1に入ったとしても、体重計5が引き出されることがなくより誤検知を抑制することができる。加えて、ユーザが体重計5を引き出す場合には、収納ユニット40の左右方向の幅より外側に位置する蹴込空間S1へ足を挿入することになるため、収納ユニット40の動線上にユーザの足を挿入する必要がなく、ユーザの足と収納ユニットとが衝突することを抑制することができる。
【0039】
さらに、本実施形態に係る洗面台1によれば、非接触のセンサを扉より後方に位置する
キャビネット本体収納部32の底板に設けることにより、洗面行為時に飛び跳ねた水や洗面台1の正面に位置する床が濡れている際に収納ユニットを引き出した場合においてもセンサへの被水を抑制しつつ、収納ユニット40を引き出す際に、蹴込空間S1へユーザが足を挿入したとしても、ユーザの足とセンサとが衝突することを抑制できる。
【0040】
以上、本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、洗面台1などが備える各要素の形状、寸法、材質、配置などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
【0041】
また、本実施形態においては、ユーザ操作検知手段として人体検知センサ50を採用したが、例えば、ユーザ操作検知手段として蹴込板36aに足先でタッチ操作するフットスイッチを設けてもよい。また、前述した実施形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【符号の説明】
【0042】
1 洗面台
5 体重計
10 洗面ボウル
20 吐水装置
30 洗面キャビネット
32 キャビネット本体収納部
32a 底板
32b 裏板
32c 一対の側板
34 引き出し
34a 扉
36 蹴込収納部
36a 蹴込板
36b 一対の側面板
37 開口
40 収納ユニット
42 前板
42a 取っ手
44 底部
46 側部
48 ラックギア
48a 連結板
50 人体検知センサ
60 押出し手段
62 押出し装置本体
64 押出し装置固定部
66 押出し装置回転部
66a 回転軸
66b ピニオンギア
70 電源ユニット
80 制御ユニット
S1 蹴込空間
DR 検知領域